JP2021127025A - ステアリングホイール - Google Patents
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Abstract
【課題】表示装置を取り付ける際に用いられる位置決め部を形成するに当たり、その位置決め部の芯金に対する形成位置を定める際の自由度が小さくなることを抑制できるステアリングホイールを提供する。【解決手段】ステアリングホイールは、ハブ部2と同一軸線上に位置するリング部4がハブ部2から放射状に延びるスポーク部3を介して同ハブ部2と繋がる芯金1を備える一方、情報の表示を行う表示装置5が設けられる。表示装置5は、表示部8と、その表示部8に繋がるワイヤハーネスと、を備える。ステアリングホイールでは、芯金1の一部が第1被覆層6によって覆われる。第1被覆層6には表示装置5を位置決めするための凹部11及び溝が形成される。そして、表示部8を露出させつつ第1被覆層6、表示装置5のワイヤハーネス、芯金1における第1被覆層6によって覆われていない部分が、第2被覆層7で覆われるよう同第2被覆層7が形成される。【選択図】図1
Description
本発明は、ステアリングホイールに関する。
特許文献1に示されるように、車両用のステアリングホイールは、ハブ部と同一軸線上に位置するリング部が上記ハブ部から放射状に延びるスポーク部を介して同ハブ部と繋がる芯金を備えており、ユーザーによって芯金(ハブ部)の軸線を中心とする回動方向に操作される。ステアリングホイールの芯金には、車両に関係する各種の情報を表示するための表示装置が取り付けられている。表示装置は、情報を表示する表示部と、その表示部に繋がるワイヤハーネスと、を備えている。
表示装置の表示部は、芯金のリング部に対しねじ止めされている。表示装置のワイヤハーネスは、芯金のリング部に形成された周方向に延びる溝に収容されているとともに、その溝に沿って且つスポーク部に沿って延びることによりハブ部に到達している。このステアリングホイールでは、芯金を上記溝及びそこに収容されるワイヤハーネスと共に柔軟な材料からなる被覆層で覆う一方、その被覆層から表示部を露出させた状態とすることにより、ユーザーが表示部に表示される情報を視認できるようにしている。
特許文献1のステアリングホイールでは、表示装置を取り付けることを目的として、芯金のリング部に表示部をねじ止めするためのねじ孔を形成するとともにワイヤハーネスを収容するための溝を形成している。これらねじ孔や溝は、表示装置を取り付ける際の位置決め部としての役割を担っている。
しかし、ステアリングホイールの芯金には必要な強度を確保しつつ軽量化することが要求されており、そうした要求を満たすことが芯金に位置決め部(ねじ孔や溝)を形成することによって困難になるおそれがある。このため、芯金に位置決め部を形成するにしても、その形成によって芯金の強度や軽量化が妨げられない位置に位置決め部を形成しなければならず、芯金における位置決め部の形成位置を定める際の自由度が小さくなることは否めない。
本発明の目的は、表示装置を取り付ける際に用いられる位置決め部を形成するに当たり、その位置決め部の芯金に対する形成位置を定める際の自由度が小さくなることを抑制できるステアリングホイールを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するステアリングホイールは、ハブ部と同一軸線上に位置するリング部が上記ハブ部から放射状に延びるスポーク部を介して同ハブ部と繋がる芯金を備える一方、情報の表示を行う表示装置が設けられている。このステアリングホイールでは、芯金の一部が第1被覆層によって覆われている。第1被覆層には表示装置を位置決めするための位置決め部が形成されている。そして、第1被覆層、表示装置の一部、芯金における第1被覆層によって覆われていない部分が、第2被覆層によって覆われている。
上記課題を解決するステアリングホイールは、ハブ部と同一軸線上に位置するリング部が上記ハブ部から放射状に延びるスポーク部を介して同ハブ部と繋がる芯金を備える一方、情報の表示を行う表示装置が設けられている。このステアリングホイールでは、芯金の一部が第1被覆層によって覆われている。第1被覆層には表示装置を位置決めするための位置決め部が形成されている。そして、第1被覆層、表示装置の一部、芯金における第1被覆層によって覆われていない部分が、第2被覆層によって覆われている。
上記構成によれば、芯金の一部を覆う第1被覆層に形成された位置決め部によって表示部を位置決めした状態のもと、第1被覆層、表示装置の一部、及び、芯金における第1被覆層によって覆われていない部分が第2被覆層によって覆われることにより、表示装置がステアリングホイールに取り付けられる。位置決め部は第1被覆層に形成されるため、位置決め部の形成が芯金の強度や軽量化に影響を及ぼすことはない。また、第1被覆層は芯金における任意の位置に設けることが可能なため、位置決め部を芯金に対しその強度や軽量化を考慮することなく自由に位置させることが可能となる。
上記ステアリングホイールにおいて、表示装置は、情報を表示するための表示部と、その表示部に繋がるワイヤハーネスと、を備えるものとされる。また、第1被覆層の位置決め部は、前記表示装置のワイヤハーネスが嵌め込まれる溝とされる。更に、第2被覆層は、第1被覆層の溝、及び、その溝に嵌め込まれたワイヤハーネスを覆うものとされる。
上記構成によれば、第1被覆層、表示装置の一部、及び、芯金における第1被覆層によって覆われていない部分が第2被覆層によって覆われる際、その第2被覆層により第1被覆層の溝、及び、その溝に嵌め込まれたワイヤハーネスも覆われる。ワイヤハーネスは第1被覆層の溝に嵌め込まれているため、それら溝及びワイヤハーネスを第2被覆層で覆う際、ワイヤハーネスが溝から外れにくくなる。仮に、ワイヤハーネスが溝から外れた状態で、それら溝及びワイヤハーネスが第2被覆層で覆われたとすると、ステアリングホイールにおける溝及びワイヤハーネスに対応する部分、言い換えれば第2被覆層における溝及びワイヤハーネスを覆った部分に凹凸が生じ、その部分をユーザーが握ったときの触感が悪くなるという問題がある。しかし、上述したようにワイヤハーネスが溝からは外れにくいため、そうした問題が生じることは抑制される。
上記ステアリングホイールにおいて、第1被覆層の位置決め部は、表示装置のワイヤハーネスが嵌め込まれる上記溝、及び、表示装置の表示部に形成されている突起が嵌め込まれる凹部とされる。
この構成によれば、表示装置における表示部の突起が第1被覆層の凹部に嵌め込まれた状態のもと、第1被覆層、表示装置の一部、及び、芯金における第1被覆層によって覆われていない部分が第2被覆層によって覆われるため、その際に表示部の位置がずれることを抑制できる。
上記ステアリングホイールにおいて、第1被覆層は芯金のリング部を覆うものとされ、表示装置の表示部は芯金のリング部に対応する部分に設けられるものとされる。また、表示装置のワイヤハーネスは、表示部から芯金のリング部及びスポーク部に沿ってハブ部まで延びるものとされる。更に、第1被覆層の溝は、リング部の周方向に延びており、且つ、表示部から遠い方の端部の幅がワイヤハーネスを嵌め込み可能な値とされている一方、表示部に近い方の端部の幅が表示部から遠い方の端部の幅よりも大きくされる。
上記構成によれば、表示装置のワイヤハーネスを第1被覆層の溝に嵌め込むとき、まず上記溝における表示部に近い方の端部にワイヤハーネスを挿入した後、同ワイヤハーネスを上記溝における表示部から遠い方の端部に向けて徐々に挿入してゆくことにより、上記溝に対しワイヤハーネスを容易に嵌め込むことができるようになる。また、上記溝における表示部に近い方の端部の幅がワイヤハーネスの幅よりも大きくなるため、ワイヤハーネスの長さに適正値に対する増大側へのずれが生じたとき、上記端部でワイヤハーネスをたるませることにより上記ずれを許容することができる。
上記ステアリングホイールにおいて、第1被覆層は、芯金のリング部におけるスポーク部と繋がっていない部分を覆うものとされる。そして、芯金におけるリング部とスポーク部とが繋がる部分であって第1被覆層で覆われていない部分には、ワイヤハーネスを収容することが可能な窪み部が形成される。また、第2被覆層は、芯金の窪み部も覆うものとされる。
この構成によれば、表示装置のワイヤハーネスの長さに適正値に対する増大側へのずれが生じたとき、芯金の上記窪み部でワイヤハーネスをたるませることにより上記ずれを許容することができる。更に、上記窪み部は、その内部のワイヤハーネスと共に第2被覆層によって覆われ、第2被覆層に埋め込まれた状態となる。このため、窪み部内でたるませたワイヤハーネスが、ステアリングホイールの外表面に影響を及ぼすことはない。
本発明によれば、表示装置を取り付ける際に用いられる位置決め部を形成するに当たり、その位置決め部の芯金に対する形成位置を定める際の自由度が小さくなることを抑制できるようになる。
以下、ステアリングホイールの一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1は、車両用のステアリングホイールを表側(車内のユーザー側)から見た状態を示している。このステアリングホイールの芯金1は、アルミニウム合金等の金属によって形成されている。
図1は、車両用のステアリングホイールを表側(車内のユーザー側)から見た状態を示している。このステアリングホイールの芯金1は、アルミニウム合金等の金属によって形成されている。
芯金1は、中心線L1周りに回動可能に支持されるハブ部2と、そのハブ部2から放射状に延びるスポーク部3と、ハブ部2の中心線L1に対し同心円上に位置して上記スポーク部3を介してハブ部2に繋がるリング部4と、を備えている。また、ステアリングホイールには、車両に関係する各種の情報を表示するための表示装置5が設けられている。
ステアリングホイールの芯金1の一部、より詳しくはリング部4の上部は、柔軟な材料(ポリウレタン等)からなる第1被覆層6によって所定の長さに亘って覆われている。言い換えれば、第1被覆層6は、リング部4の上部であってスポーク部3に繋がっていない部分を覆っている。この第1被覆層6は、リング部4の上部の周りに対し、ポリウレタン等を射出しつつ発泡させることによって形成されている。
芯金1のリング部4における第1被覆層6によって覆われていない部分、芯金1のスポーク部3におけるリング部4に繋がる部分、及び、第1被覆層6における長手方向の両端部は、柔軟な材料(ポリウレタン等)からなる第2被覆層7によって覆われている。第2被覆層7は、上述したようにステアリングホイールにおける第2被覆層7で覆うべき部分に対し、ポリウレタン等を射出しつつ発泡させることによって形成されている。
図2は、ステアリングホイールを裏側(車内のユーザー側とは反対側)から見た状態であり、且つ、同ステアリングホイールから第2被覆層7(図1)を取り除いた状態を示している。この図2及び図1から分かるように、ステアリングホイールに設けられている表示装置5は、芯金1におけるリング部4の上部に対応する部分に設けられて情報を表示する表示部8(図1)と、その表示部8に繋がるワイヤハーネス9(図2)を備えている。
図1に示すように、表示装置5の表示部8は、第1被覆層6におけるステアリングホイールの表側の部分で、第1被覆層6と同様に芯金1のリング部4に沿うように位置している。リング部4の延びる方向についての表示部8の長さは、上記方向についての第1被覆層6の長さよりも短くされている。表示部8における長手方向の両端部にはそれぞれ、第1被覆層6側に向けて突出する突起10が形成されている。なお、図3は、ステアリングホイールを図1の矢印A−A方向から見た状態を示している。図3から分かるように、第1被覆層6における上記突起10に対応する部分には、その突起10が嵌め込まれる凹部11が形成されている。そして、突起10が凹部11に嵌め込まれることにより、表示部8が位置決めされている。
図2に示すように、表示装置5のワイヤハーネス9は、表示部8(図1)からステアリングホイールの裏側に向けて湾曲して延びる帯状のフレキシブルフラットサーキット(FPC)12に接続されており、そのFPC12を介して表示部8に繋がっている。また、ワイヤハーネス9は、ステアリングホイールの裏側で芯金1のリング部4及びスポーク部3に沿ってハブ部2まで延びており、そのハブ部2の近傍に設けられる制御ユニットに接続される。
第1被覆層6におけるステアリングホイールの裏側の部分には、FPC12及びワイヤハーネス9を収容するための溝13が形成されている。この溝13のワイヤハーネス9が収容される部分は、リング部4の周方向に延びている。更に、溝13のワイヤハーネス9が収容される部分の幅は、その部分における表示部8(FPC12)から遠い方の端部でワイヤハーネス9の幅とほぼ等しくされており、ワイヤハーネス9を嵌め込み可能な値とされている。一方、上記部分における表示部8(FPC12)に近い方の端部の幅は、上記部分における表示部8(FPC12)から遠い方の端部の幅よりも大きくされている。
溝13に収容されたワイヤハーネス9は、その溝13のワイヤハーネス9が収容される部分であって表示部8(FPC12)から遠い方の端部に対し、嵌め込まれた状態となっている。これにより、ワイヤハーネス9の位置決めが行われている。そして、この溝13及び上記凹部11は、表示装置5を位置決めするために第1被覆層6に形成された位置決め部としての役割を担う。
芯金1におけるリング部4とスポーク部3とが繋がる部分であって第1被覆層6で覆われていない部分には、ワイヤハーネス9を収容することが可能な窪み部14が形成されている。図1に示す第2被覆層7は、第1被覆層6の溝13、及び、ワイヤハーネス9における溝13に嵌め込まれた部分を覆っている。更に、第2被覆層7は、芯金1の上記窪み部14、及び、ワイヤハーネス9における窪み部14に収容された部分も覆っている。
次に、ステアリングホイールの製造態様について説明する。
ステアリングホイールを製造する際には、まず芯金1(図1、図2)がダイカスト等の鋳造によって形成される。その後、芯金1におけるリング部4の上部を覆うようポリウレタン等からなる第1被覆層6が形成され、その第1被覆層6に対し表示装置5が取り付けられることにより同装置5が位置決めされる。
ステアリングホイールを製造する際には、まず芯金1(図1、図2)がダイカスト等の鋳造によって形成される。その後、芯金1におけるリング部4の上部を覆うようポリウレタン等からなる第1被覆層6が形成され、その第1被覆層6に対し表示装置5が取り付けられることにより同装置5が位置決めされる。
図4及び図5はそれぞれ、芯金1におけるリング部4の上部を表側及び裏側から見た状態を示している。なお、図4における中央線L2よりも左側の部分、及び、図5における中央線L2よりも右側の部分には、リング部4の上部に第1被覆層6を形成した後であって、その第1被覆層6に対し表示装置5を取り付ける前の状態を示している。また、図4における中央線L2よりも右側の部分、及び、図5における中央線L2よりも左側の部分には、リング部4の上部に形成された第1被覆層6に対し表示装置5を取り付けた状態を示している。
芯金1におけるリング部4の上部を覆うよう第1被覆層6が形成されるとき、その第1被覆層6には凹部11(図4)及び溝13(図5)が形成される。その後、図4に示すように、表示装置5の表示部8に形成された突起10が第1被覆層6の凹部11に嵌め込まれることにより、表示装置5の表示部8が位置決めされるようになる。更に、図5に示すように、表示装置5のFPC12及びワイヤハーネス9が第1被覆層6の溝13に収容され、溝13に対しワイヤハーネス9が嵌め込まれた状態とされることにより、表示装置5のワイヤハーネス9が位置決めされるようになる。
なお、ワイヤハーネス9は、上述したように溝13に嵌め込まれた状態のもと、図2に示されるようにリング部4及びスポーク部3に沿ってハブ部2まで延ばされる。このとき、ワイヤハーネス9の一部は、芯金1におけるリング部4とスポーク部3とが繋がる部分に形成された窪み部14に収容される。その後、図1に示されるように、芯金1のリング部4における第1被覆層6によって覆われていない部分、芯金1のスポーク部3におけるリング部4に繋がる部分、及び、第1被覆層6における長手方向の両端部を覆うように、第2被覆層7が形成される。
第2被覆層7が上述したように形成されるとき、表示装置5におけるFPC12及びワイヤハーネス9における溝13に収容された部分、ワイヤハーネス9におけるリング部4に沿った部分、ワイヤハーネス9における窪み部14に収容された部分が、第2被覆層7で覆われて同第2被覆層7内に埋め込まれた状態となる。一方、表示装置5の表示部8は、第2被覆層7によって覆われずに外部に露出した状態とされる。更に、その後にステアリングホイールにおける芯金1のリング部4に対応する部分が、表示部8を外部に露出させつつ表皮によって覆われる。すなわち、ステアリングホイールにおける上記部分に対し、そのように上記表皮が取り付けられる。
次に、本実施形態におけるステアリングホイールの作用について説明する。
芯金1におけるリング部4の上部を覆う第1被覆層6には、表示装置5の表示部8を位置決めするための凹部11、及び、表示装置5のワイヤハーネス9を位置決めするための溝13が形成される。
芯金1におけるリング部4の上部を覆う第1被覆層6には、表示装置5の表示部8を位置決めするための凹部11、及び、表示装置5のワイヤハーネス9を位置決めするための溝13が形成される。
そして、凹部11及び溝13を用いて表示部8及びワイヤハーネス9を位置決めした状態のもと、芯金1のリング部4における第1被覆層6によって覆われていない部分、及び、芯金1のスポーク部3におけるリング部4に繋がる部分を覆うように第2被覆層7が形成される。更に、第2被覆層7は、第1被覆層6における長手方向の両端部、すなわち表示装置5のFPC12及びワイヤハーネス9における溝13に収容された部分も覆うとともに、同装置5の表示部8を露出させるように形成される。このようにステアリングホイールの各所に対応する部分が第2被覆層7で覆われることにより、表示装置5がステアリングホイールに取り付けられる。
表示装置5を位置決めするための凹部11及び溝13は、ポリウレタン等からなる第1被覆層6に形成されるため、凹部11及び溝13の形成が芯金1の強度や軽量化に影響を及ぼすことはない。また、第1被覆層6は芯金1における任意の位置に設けることが可能なため、凹部11及び溝13を芯金1に対しその強度や軽量化を考慮することなく自由に位置させることが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)表示装置5を取り付ける際に用いられる凹部11及び溝13を形成するに当たり、それら凹部11及び溝13の芯金1に対する形成位置を定める際の自由度が小さくなることを抑制できるようになる。
(1)表示装置5を取り付ける際に用いられる凹部11及び溝13を形成するに当たり、それら凹部11及び溝13の芯金1に対する形成位置を定める際の自由度が小さくなることを抑制できるようになる。
(2)芯金1のリング部4を覆うように形成される第1被覆層6に凹部11及び溝13が形成されるため、芯金1を表示装置5が設けられていない別の種類のステアリングホイールの芯金と共通化することができる。
(3)第1被覆層6の溝13及び同溝13内のワイヤハーネス9が第2被覆層7によって覆われる際、すなわち第2被覆層7が形成される際には、ワイヤハーネス9が溝13に対し嵌め込まれた状態となっているため、その溝13からワイヤハーネス9が外れにくくなる。仮に、ワイヤハーネス9が溝13から外れた状態で、それら溝13及びワイヤハーネス9が第2被覆層7で覆われたとすると、次のような問題が生じる。すなわち、ステアリングホイールにおける溝13及びワイヤハーネス9に対応する部分、言い換えれば第2被覆層7における溝13及びワイヤハーネス9を覆った部分に凹凸が生じ、その部分をユーザーが握ったときの触感が悪くなる。しかし、上述したようにワイヤハーネス9が溝13から外れにくくなるため、そうした問題が生じることは抑制されるようになる。
(4)表示装置5における表示部8の突起10が第1被覆層6の凹部11に嵌め込まれた状態のもと、次のように第2被覆層7が形成される。すなわち、芯金1のリング部4における第1被覆層6によって覆われていない部分、及び、芯金1のスポーク部3におけるリング部4に繋がる部分、第1被覆層6における長手方向の両端部を覆うように第2被覆層7が形成される。このように第2被覆層7が形成される際、上記突起10及び上記凹部11によって表示装置5の表示部8の位置がずれることを抑制できる。
(5)表示部8が第1被覆層6に対し位置決めされているため、芯金1の形状に製造誤差が生じていたとしても、表示部8が適正な位置に位置決めされるよう第1被覆層6の形成時の形状を調整することにより、芯金1の上記製造誤差による表示部8の適正な位置からのずれをなくすことができる。なお、表示部8の適正な位置としては、例えばステアリングホイール(ハブ部2)の中心線L1と直交する面であって同ステアリングホイールの表側(車内のユーザー側)の面と重なる位置があげられる。
(6)溝13のワイヤハーネス9が収容される部分の幅は、その部分における表示部8(FPC12)から遠い方の端部でワイヤハーネス9の幅とほぼ等しくされている。一方、上記部分における表示部8(FPC12)に近い方の端部の幅は、上記部分における表示部8(FPC12)から遠い方の端部の幅よりも大きくされている。このため、ワイヤハーネス9を溝13に嵌め込むとき、まず上記溝13における表示部8に近い方の端部にワイヤハーネス9を挿入した後、同ワイヤハーネス9を上記溝13における表示部8から遠い方の端部に向けて徐々に挿入してゆくことにより、上記溝13に対しワイヤハーネス9を容易に嵌め込むことができる。また、ワイヤハーネス9の長さに適正値に対する増大側へのずれが生じたとき、溝13におけるワイヤハーネス9が収容される部分であって表示部8に近方の端部でワイヤハーネス9をたるませることができ、それによって上記ずれを許容することができる。
(7)芯金1におけるリング部4とスポーク部3とが繋がる部分であって第1被覆層6で覆われていない部分には、ワイヤハーネス9を収容することが可能な窪み部14が形成される。この窪み部14は第2被覆層7によって覆われる。従って、ワイヤハーネス9の長さに適正値に対する増大側へのずれが生じたとき、芯金1の上記窪み部14でワイヤハーネス9をたるませることができ、それによって上記ずれを許容することができる。更に、上記窪み部14は、その内部のワイヤハーネス9と共に第2被覆層7によって覆われ、第2被覆層7に埋め込まれた状態となる。このため、窪み部14内でたるませたワイヤハーネス9が、ステアリングホイールの外表面に影響を及ぼすことはない。
(8)ワイヤハーネス9がFPC12を介して表示部8に繋がっているため、FPC12を湾曲させることにより、表示部8をステアリングホイールの表側に配置しつつ、ワイヤハーネス9をステアリングホイールの裏側に配置することが容易になる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1被覆層6や第2被覆層7は、ポリウレタン以外の柔軟な材料で形成することも可能である。
・第1被覆層6や第2被覆層7は、ポリウレタン以外の柔軟な材料で形成することも可能である。
・必ずしも芯金1に窪み部14を形成する必要はない。
・ワイヤハーネス9がFPC12を介することなく表示部8に接続されていてもよい。
・溝13の幅については必ずしも上記実施形態のように定める必要はなく、例えば溝13の幅が同溝13の長手方向において一定となるようにしてもよい。この場合、溝13の幅については、ワイヤハーネス9の幅と同じか、ワイヤハーネス9の幅よりも大きくすることが考えられる。
・ワイヤハーネス9がFPC12を介することなく表示部8に接続されていてもよい。
・溝13の幅については必ずしも上記実施形態のように定める必要はなく、例えば溝13の幅が同溝13の長手方向において一定となるようにしてもよい。この場合、溝13の幅については、ワイヤハーネス9の幅と同じか、ワイヤハーネス9の幅よりも大きくすることが考えられる。
ちなみに、溝13の幅がワイヤハーネス9の幅よりも大きい場合、溝13にワイヤハーネス9を収容した状態で、第1被覆層6における溝13の形成された部分にテープ等を巻き付けることにより、ワイヤハーネス9の位置決めを行うことが可能である。
・表示部8の突起10及び第1被覆層6の凹部11を省略し、図1に示す第2被覆層7で表示部8の長手方向の両端部を第1被覆層6に保持するようにしてもよい。
1…芯金
2…ハブ部
3…スポーク部
4…リング部
5…表示装置
6…第1被覆層
7…第2被覆層
8…表示部
9…ワイヤハーネス
10…突起
11…凹部
12…フレキシブルフラットサーキット(FPC)
13…溝
14…窪み部
2…ハブ部
3…スポーク部
4…リング部
5…表示装置
6…第1被覆層
7…第2被覆層
8…表示部
9…ワイヤハーネス
10…突起
11…凹部
12…フレキシブルフラットサーキット(FPC)
13…溝
14…窪み部
Claims (5)
- ハブ部と同一軸線上に位置するリング部が前記ハブ部から放射状に延びるスポーク部を介して同ハブ部と繋がる芯金を備える一方、情報の表示を行う表示装置が設けられているステアリングホイールにおいて、
前記芯金の一部が第1被覆層によって覆われており、
前記第1被覆層には前記表示装置を位置決めするための位置決め部が形成されており、
前記第1被覆層、前記表示装置の一部、及び、前記芯金における前記第1被覆層によって覆われていない部分が、第2被覆層によって覆われている
ことを特徴とするステアリングホイール。 - 前記表示装置は、情報を表示するための表示部と、その表示部に繋がるワイヤハーネスと、を備えており、
前記第1被覆層の位置決め部は、前記表示装置のワイヤハーネスが嵌め込まれる溝であり、
前記第2被覆層は、前記第1被覆層の溝、及び、その溝に嵌め込まれた前記ワイヤハーネスを覆っている請求項1に記載のステアリングホイール。 - 前記第1被覆層の位置決め部は、前記表示装置のワイヤハーネスが嵌め込まれる前記溝、及び、前記表示装置の前記表示部に形成されている突起が嵌め込まれる凹部である請求項2に記載のステアリングホイール。
- 前記第1被覆層は、前記芯金のリング部を覆うものであり、
前記表示装置の表示部は、前記芯金のリング部に対応する部分に設けられるものであり、
前記表示装置のワイヤハーネスは、前記表示部から前記芯金のリング部及びスポーク部に沿って前記ハブ部まで延びており、
前記第1被覆層の溝は、前記リング部の周方向に延びており、且つ、前記表示部から遠い方の端部の幅が前記ワイヤハーネスを嵌め込み可能な値とされている一方、前記表示部に近い方の端部の幅が前記表示部から遠い方の端部の幅よりも大きくされている請求項3に記載のステアリングホイール。 - 前記第1被覆層は、前記芯金のリング部における前記スポーク部と繋がっていない部分を覆うものであり、
前記芯金におけるリング部とスポーク部とが繋がる部分であって前記第1被覆層で覆われていない部分には、前記ワイヤハーネスを収容することが可能な窪み部が形成されており、
前記第2被覆層は、前記芯金の前記窪み部も覆うものとされている請求項4に記載のステアリングホイール。
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JP2017109519A (ja) * | 2015-12-14 | 2017-06-22 | 豊田合成株式会社 | ステアリングホイール |
JP3217833U (ja) * | 2017-07-06 | 2018-09-06 | 飛 李 | 車両情報の表示装置 |
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2020
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