JP2021126879A - 液体吐出装置、その制御方法及びプログラム - Google Patents

液体吐出装置、その制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】より確実に非吐出駆動を実行することができる液体吐出装置を提供する。【解決手段】液体吐出装置10は、液体を貯留するタンク16と、液体を吐出するヘッド30と、タンク16とヘッド30とを連通して前記液体をヘッド30へ供給する配管と、タンク16から独立してヘッド30を走査方向に移動する走査機構15と、制御部20と、を備え、制御部20は、ヘッド30を加速させてから定速移動させた後に減速させる移動処理と、加速及び減速の少なくともいずれか一方の変速中において液体を吐出させないように液体を振動させる非吐出駆動の波形を、変速中のヘッド30における液体の圧力に応じて複数種類生成する波形生成処理と、を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、液体吐出装置、その制御方法及びプログラムに関する。
従来の液体吐出装置として、特許文献1の液体噴射装置が知られている。この液体噴射装置では、インクの特性及び種類に基づいて複数の微振動駆動信号を生成している。この微振動駆動信号に応じてヘッドのノズル開口におけるメニスカスを微振動させ、ノズルのインクの増粘を防止している。
特開2001−341326号公報
ところで、固定的に配置されたタンクから、配管を通じてキャリッジ上のヘッドへ液体を供給する液体吐出装置の場合、ヘッドが移動すると、これに伴いヘッド内の液体の圧力が変化することが、本出願の発明者により見いだされた。一方、上記液体噴射装置では、メニスカスを微振動させるにあたり、このような圧力変化が考慮されていない。そのため、ヘッドの移動に伴いヘッド内の液体の圧力が増加したときに微振動制御が行われると、ノズル開口から液体が吐出するおそれがある。
本発明はこのような事態に鑑み、より確実に非吐出駆動を実行することができる液体吐出装置、その制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明のある態様に係る液体吐出装置は、液体を貯留するタンクと、前記液体を吐出するヘッドと、前記タンクと前記ヘッドとを連通して前記液体を前記ヘッドへ供給する配管と、前記タンクから独立して前記ヘッドを走査方向に移動する走査機構と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記ヘッドを加速させてから定速移動させた後に減速させる移動処理と、前記加速及び前記減速の少なくともいずれか一方の変速中において前記液体を吐出させないように前記液体を振動させる非吐出駆動の波形を、前記変速中の前記ヘッドにおける前記液体の圧力に応じて複数種類生成する波形生成処理と、を実行する。
本発明のある態様に係る液体吐出装置の制御方法は、液体を貯留するタンクと、前記液体を吐出するヘッドと、前記タンクと前記ヘッドとを連通して前記液体を前記ヘッドへ供給する配管と、前記タンクから独立して前記ヘッドを走査方向に移動する走査機構と、制御部と、を備えた液体吐出装置の制御方法であって、前記制御部は、前記ヘッドを加速させてから定速移動させた後に減速させる移動処理と、前記加速及び前記減速の少なくともいずれか一方の変速中において前記液体を吐出させないように前記液体を振動させる非吐出駆動の波形を、前記変速中の前記ヘッドにおける前記液体の圧力に応じて複数種類生成する波形生成処理と、を実行する。
本発明のある態様に係るプログラムは、液体を貯留するタンクと、前記液体を吐出するヘッドと、前記タンクと前記ヘッドとを連通して前記液体を前記ヘッドへ供給する配管と、前記タンクから独立して前記ヘッドを走査方向に移動する走査機構と、制御部と、を備えた液体吐出装置に、前記ヘッドを加速させてから定速移動させた後に減速させる移動処理と、前記加速及び前記減速の少なくともいずれか一方の変速中において前記液体を吐出させないように前記液体を振動させる非吐出駆動の波形を、前記変速中の前記ヘッドにおける前記液体の圧力に応じて複数種類生成する波形生成処理と、を実行させる。
本発明は、上記構成を有し、より確実に非吐出駆動を実行することができる液体吐出装置、その制御方法及びプログラムを提供することができるという効果を奏する。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明の実施の形態に係る液体吐出装置を上方から視た概略図である。 図1のヘッドを概略的に示す断面図である。 図1の液体吐出装置の構成を示す機能ブロック図である。 図4(a)及び図4(b)は、印刷処理中における液体の水頭差と時間との関係を示すグラフである。 図5(a)は、非吐出波形を概略的に示す図である。図5(b)〜図5(d)は、図5(a)の非吐出波形における時間を示す表である。 図1の液体吐出装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。 図7(a)は、液体の温度とプロファイルの補正係数との関係を示す表である。図7(b)は、タンクの使用期間とプロファイルの補正係数との関係を示す表である。図7(c)は、液体の粘度とプロファイルの補正係数との関係を示す表である。図7(d)は、液体の表面張力とプロファイルの補正係数との関係を示す表である。図7(e)は、吐出デューティと非吐出駆動の回数の割合との関係を示す表である。図7(f)は、液体の温度非吐出駆動の回数の割合との関係を示す表である。 図8(a)は、本発明の実施の形態の変形例2〜5に係る液体吐出装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。図8(b)は、本発明の実施の形態の変形例6及び7に係る液体吐出装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
<画像記録装置の構成>
本発明の実施の形態に係る液体吐出装置10は、図1に示すように、インク等の液体を吐出する装置であって、例えば、インクジェットプリンタである。液体吐出装置10は、シリアルヘッド方式が採用され、筐体11、ヘッドユニット12、プラテン13、搬送機構14、走査機構15、タンク16及び制御部20を備えている。筐体11は、液体吐出装置10の各部を収容している。
ヘッドユニット12は、キャリッジ12a及びヘッド30を有している。ヘッド30は、キャリッジ12aに搭載されており、キャリッジ12aと共に走査方向において往復移動する。ヘッド30は、駆動素子32(図2)及びノズル33を有し、駆動素子32の駆動によってノズル33から液体を吐出する。複数のノズル33は、ヘッド30の下面に開口し、搬送方向に並んで複数(例えば、4列)のノズル列を構成している。なお、ヘッド30の詳細については後述する。
プラテン13は、平板部材であり、その上面に記録媒体Dが配置される。プラテン13は、記録媒体Dと、これに対向して設けられるヘッド30の下面との間の距離を決める。なお、プラテン13に対してヘッド30側を上側と称し、その反対側を下側と称するが、液体吐出装置10の配置はこれに限定されない。
搬送機構14は、例えば、2つの搬送ローラ14a、及び、搬送モータ14b(図2)を有する。2つの搬送ローラ14aは、搬送方向においてプラテン13を挟み、回転軸が走査方向に延びるように互いに平行に配置されている。搬送ローラ14aは、搬送モータ14bに連結されており、搬送モータ14bの駆動によって回転し、記録媒体Dをプラテン13上において搬送方向に搬送する。
走査機構15は、ヘッド30を走査方向に往復移動させる機構であって、例えば、2本のガイドレール15a、走査モータ15b(図2)、無端ベルト等を有している。ヘッドユニット12のキャリッジ12aは、2本のガイドレール15aに支持され、無端ベルトに固定されている。走査モータ15bが駆動されると、走査モータ15bに連結された無端ベルトが走行する。これにより、キャリッジ12aは、ガイドレール15aに沿って、走査方向に所定の走査範囲以内で往復移動する。
タンク16は、例えば、筐体11に固定的に配置されており、液体の種類ごとに設けられている。例えば、4つのタンク16があり、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの液体をそれぞれ貯留している。各タンク16は配管16aによりヘッド30に接続され、配管16aは、タンク16とヘッド30とを連通して液体をヘッド30へ供給する。なお、タンク16が筐体11に対し脱着可能なカートリッジであっても、印刷処理時にはタンク16は筐体11に取り付けられており、筐体11に固定的に配置されている。このため、走査機構15は、タンク16から独立してヘッド30を走査方向に移動する。配管16aは、可撓性を有する樹脂等により形成されており、タンク16に対するヘッド30の移動に伴って変形する。
<ヘッドの構成>
ヘッド30は、図2に示すように、流路形成体31、駆動素子32及び振動板34を有している。流路形成体31は複数のプレートの積層体であり、各プレートには大小様々な孔及び溝が形成されている。各プレートが積層された積層体において、孔及び溝が組み合わされて、複数の流路が形成される。この流路には、複数のノズル33、複数の個別流路(チャネル)及びマニホールド35が含まれる。
ノズル33は、流路形成体31の下面に開口している。複数のノズル33の開口(ノズル孔33a)が搬送方向に並んでノズル列を構成し、4本のノズル列が走査方向に沿って並んでいる。各ノズル列は、互いに異なる色(例えば、ブラック、イエロー、シアン及びマゼンタ)のインクに対応している。なお、複数のノズル33は搬送方向に交差する方向に並んでいてもよい。また、ノズル列は、走査方向に交差する方向に並んでいてもよい。
マニホールド35は、搬送方向に延びて、その端に供給口を有している。供給口が配管16a等によりタンク16(図1)に接続されている。個別流路は、マニホールド35からノズル33に至り、この間に絞り流路36、圧力室37及び連通流路38を有し、これらはこの順に接続されている。
このような構成において、液体はタンク16から配管16a等を通り、供給口を介してマニホールド35に流入する。液体がマニホールド35を流れている間に、複数の個別流路のそれぞれに流入する。個別流路において、液体は絞り流路36、圧力室37及び連通流路38をこの順で流れ、ノズル33に流入する。
振動板34は、流路形成体31上に配置され、圧力室37の上側開口を覆っている。駆動素子32は、例えば、圧電素子であって、共通電極32a、圧電層32b及び個別電極32cを含んでおり、振動板34上に配置されている。
個別電極32cに制御部20(図1)からの信号が印加されると、圧電層32bが2つの電極32a、32cと共に面方向に伸縮する。振動板34は、駆動素子32と協働して変形し、圧力室37の容積を変更する。これにより、圧力室37の液体に圧力が付与される。これにより、ノズル孔33aのメニスカスが振動したり、ノズル孔33aから液体が吐出したりする。
<制御装置の構成>
制御部20は、図3に示すように、インターフェース(I/F21)、CPU22、ROM23、RAM24、ASIC25(Application Specific Integrated Circuit)を備えている。I/F21は、コンピュータ、カメラ、ネットワーク及び記憶媒体等の外部装置Eから印刷データ等の各種データを受信する。印刷データは、記録媒体Dに印刷される画像を示すデータ、及び、画像を印刷する条件を示すデータを含んでいる。
RAM24は、各種データを一時的に記憶する。この各種データとしては、印刷データ、及び、制御部20により変換されたデータが例示される。ROM23は、各部を制御するプログラムを記憶している。なお、プログラムは、I/F21を介して外部装置Eから取得されたものであってもよく、また、他の記憶媒体に記憶されていてもよい。
ASIC25は、各部を駆動する各駆動回路26〜28を有し、ヘッドドライバIC40、走査ドライバIC41及び搬送ドライバIC42に電気的に接続されている。CPU22は、ROM23に記憶されたプログラムを実行することにより、CPU22及びASIC25の少なくともいずれか一方が各ドライバIC40〜42によりヘッド30、搬送モータ14b及び走査モータ15bを制御して、印刷処理等の各種処理を行う。なお、印刷処理の詳細については後述する。
ヘッド駆動回路26は波形生成部26aを有している。波形生成部26aは、駆動素子32の駆動(吐出駆動、非吐出駆動)を規定する波形を生成する。波形には、吐出波形及び非吐出波形が含まれる。非吐出波形は、ノズル孔33aから液体が吐出しないようにノズル孔33aのメニスカスを振動させる非吐出駆動のための波形であって、メニスカスの振動の大きさに応じた複数種類の信号を有している。この非吐出駆動の詳細については後述する。
また、吐出波形は、印刷データに基づいてノズル孔33aから液体を吐出させる吐出駆動のための波形であって、印刷データに基づいた1滴ごとの液体量に応じて複数種類の信号を有している。例えば、吐出波形には、第1量の液体を吐出する中液滴用吐出波形、第1量よりも多い第2量の液体を吐出する大液滴用吐出波形、及び、第1量よりも少ない第3量の液体を吐出する小液滴用吐出波形がある。
なお、波形生成部26aは、論理回路等のハードウェアであってもよく、また、CPU22がソフトウェアを実行することにより実現されてもよい。また、波形生成部26aは、波形が予め記憶されているメモリであってもよい。この場合、ヘッド駆動回路26が印刷データに基づいて波形生成部26aから波形を取得することにより、波形を生成する。
また、ヘッド駆動回路26は、複数種類の波形から1種類の波形を、印刷データに応じてノズル33毎及び駆動周期毎に選択し、選択指令を生成する。ヘッド駆動回路26は、ヘッドドライバIC40に接続されており、波形及びその選択指令をヘッドドライバIC40に出力する。
ヘッドドライバIC40は、駆動素子32に接続されている。ヘッドドライバIC40は、波形及び選択指令から駆動信号に変換して、駆動信号を駆動素子32に出力する。駆動素子32が駆動信号により駆動すると、ヘッド30における圧力室37の容積が変更し、圧力室37に連通するノズル33の液体に圧力が付与される。
ここで、非吐出波形に基づいた非吐出駆動信号によれば、駆動素子32により非吐出駆動が実行されて、圧力室37に連通するノズル孔33aのメニスカスが微振動する。また、吐出波形に基づいた吐出駆動信号によれば、駆動素子32により吐出駆動が実行されて、印刷データに応じた量の液体がノズル孔33aから吐出される。
走査駆動回路27は、印刷データに応じた制御データを走査ドライバIC41に出力する。走査ドライバIC41は制御データに応じた駆動信号を走査モータ15bに出力し、走査モータ15bの駆動を制御する。また、搬送駆動回路28は、印刷データに応じた制御データを搬送ドライバIC42に出力する。搬送ドライバIC42は制御データに応じた駆動信号を搬送モータ14bに出力し、搬送モータ14bの駆動を制御する。これにより、走査モータ15b及び搬送モータ14bの駆動タイミング、回転速度、回転量等が制御される。
<印刷処理>
制御部20は、印刷データに基づいて走査モータ15bを制御し、ヘッド30を加速させてから定速移動させた後に減速させる移動処理を実行する。この加速及び減速の変速中には、制御部20は後述の非吐出駆動を駆動素子32に実行させる。また、定速移動中に、制御部20は、吐出駆動を駆動素子32に実行させて、液体をノズル33から吐出させる。この吐出された液体により、プラテン13上に配置された記録媒体Dにドット(画像)を形成する。
また、制御部20は、印刷データに基づいて搬送モータ14bを制御し、記録媒体Dを搬送方向に所定量、搬送する。このような、走査動作及び吐出動作を含む記録動作と搬送動作とを、1パスとして、交互に繰り返し、印刷処理を進めていく。この記録動作によって、吐出された液体により走査方向にドットが形成されていき、画像(パス画像)が記録媒体Dに形成される。続いて、搬送動作によってヘッド30に対して記録媒体Dが搬送方向に移動する。これを交互に繰り返すことにより、パス画像が搬送方向に並んで、印刷データに対応した画像が記録媒体Dに形成される。
なお、印刷処理は、ヘッド30が走査方向の一方側に移動するときに吐出動作を行う単方向印刷(片側印刷)であってもよいし、ヘッド30が走査方向の一方側及び他方側のそれぞれに移動するときに吐出動作を行う双方向印刷であってもよい。単方向印刷の場合には、記録動作の開始側は走査方向の一方側で一定であるが、双方向印刷の場合には、記録動作の開始側は走査方向の両側で交互に変わる。
<非吐出駆動>
印刷処理の走査動作によりヘッド30がタンク16に対して走査方向に移動すると、移動に伴いヘッド30内の液体の圧力が変化する。図4は、印刷処理中の液体の水頭差と時間との関係を示すグラフである。図4では、横軸に時間を示し、縦軸に液体の水頭差を示している。ヘッド30の移動速度は制御部20により制御されているため、図4の時間はヘッド30の位置に対応している。ここで、水頭とはヘッド30内の液体が有する流体エネルギー(一般的に、圧力エネルギー、運動エネルギー、及び位置エネルギーの総和であり、ここでは主に圧力エネルギー)である。そして、図4に示す水頭差は、停止しているヘッド30内の液体の水頭を基準にしたときの、走査動作中のヘッド30内の液体の水頭と基準の水頭との差分を示している。
このように、加速及び減速の変速中には水頭差が変化し、定速移動中には水頭差が一定になる。この水頭差の変化によってノズル孔33aの液体に印加される圧力が変化する。この印加圧力が増加しているときに、非吐出駆動によってノズル孔33aのメニスカスが振動すると、ノズル孔33aから液体が吐出され易い。一方、印加圧力が減少しているときに、非吐出駆動によってノズル孔33aのメニスカスが振動すると、メニスカスが切れてノズル33に気泡が侵入し易い。
そこで、制御部20は、加速及び減速の少なくともいずれか一方の変速中において液体を吐出させないように液体を振動させる非吐出駆動の波形(非吐出波形)を、変速中のヘッド30における液体の圧力に応じて複数種類生成する波形生成処理を実行する。なお、以下では、加速及び減速の両方の変速中に非吐出駆動を実行させるための非吐出波形の生成について説明する。但し、加速及び減速のいずれか一方の変速中に非吐出駆動を実行させるために、非吐出波形を生成してもよい。例えば、走査方向の一方側への移動速度が他方側への移動速度よりも大きい場合、一方側への移動時の変速中に複数種類の非吐出波形を生成し、他方側への移動時の変速中には1種類の非吐出波形を生成してもよい。
具体的には、図4に示すヘッド30が移動する時間と水頭差(圧力)との関係を示すプロファイルは、実験及びシミュレーション等により予め求められ、ROM23に記憶されている。このプロファイルは、ヘッド30の移動速度が大きくなるほど、水頭差が大きくなるように変化する。例えば、図4(b)では、移動速度が図4(a)の場合よりも大きいため、水頭差が図4(a)の場合よりも大きくなる。このため、制御部20は、印刷データに基づいてヘッド30の移動速度を取得し、移動速度に応じたプロファイルをROM23から取得する。
制御部20は、このプロファイルに基づいて、圧力変化に応じて非吐出波形を生成する。圧力変化が大きい範囲では、液体吐出及びメニスカス破断が生じ易いため、非吐出駆動によるメニスカスの振動量を小さい非吐出波形を生成する。一方、圧力変化が小さい範囲では、吐出及びメニスカス破断が生じ難いため、非吐出駆動によるメニスカスの振動量を大きい非吐出波形を生成する。これにより、ノズル33において液体の拡散量を多くし、ノズル33の液体の増粘抑制を向上する。
例えば、非吐出波形は、パルス信号であって、図5(a)に示す形状を有している。図5(a)の縦軸は電圧を示し、横軸は時間を示している。例えば、非吐出波形は、基準電圧から所定電圧に上がり基準電圧に戻る2つの台形状のピーク(第1ピークp1及び第2ピークp2)を有している。
図5(b)に示すように、非吐出駆動によりメニスカスの振動量に応じて、5種類の非吐出波形(第1〜第5非吐出波形)がある。例えば、これらの非吐出波形は、第1ピークp1の基準電圧から電圧が上昇して基準電圧へ戻るまでの時間t1、第1ピークp1と第2ピークp2との間の時間t2、及び、第2ピークp2の基準電圧から電圧が上昇して基準電圧へ戻るまでの時間t3により設定される。なお、図5(b)に示す図表では、第1〜第5非吐出波形に関するデータをこの順に縦に並べ、各非吐出波形における時間t1〜t3に関するデータをこの順に横に並べて表示している。後述する図5(c)及び図5(d)も同様である。
図5(b)では、第1〜第5非吐出波形において、間隔の時間t2を変化させずに、第1ピークp1の時間t1及び第2ピークp2の時間t3を変化させている。時間t1、t2が長くなるほど、非吐出駆動によるメニスカスの振動量が大きくなる。
例えば、第5非吐出波形の時間t1、t3は、0.9μsであって、第1非吐出波形の時間t1、t3の0.5μsよりも長い。このため、第5非吐出波形によるメニスカスの振動量は、第1非吐出波形によるメニスカスの振動量よりも大きくなる。よって、圧力変化が小さい範囲では第5非吐出波形を生成し、圧力変化が大きい範囲では第1非吐出波形を生成する。これにより、吐出及びメニスカス破断を抑制しながら、ノズル33における液体の増粘を抑制することができる。
なお、第1〜第5非吐出波形の設定方法は、図5(b)の方法には限定されない。例えば、図5(c)の例のように、第1〜第5非吐出波形において、時間t1、t3を変化させずに、時間t2を変化させてもよい。この場合、時間t2が短くなるほど、非吐出駆動によるメニスカスの振動量が大きくなる。例えば、第5非吐出波形の時間t2は、10.0μsであって、第1非吐出波形の時間t2の10.8μsよりも短い。このため、第5非吐出波形による振動量は、第1非吐出波形による振動量よりも大きくなる。
また、図5(d)の例のように、第1〜第5非吐出波形において、時間t1、t2を変化させずに、時間t3を変化させてもよい。この場合、時間t3が長くなるほど、非吐出駆動によるメニスカスの振動量が大きくなる。例えば、第5非吐出波形の時間t3は、0.9μsであって、第1非吐出波形の時間t3の0.5μsよりも長い。このため、第5非吐出波形による振動量は、第1非吐出波形による振動量よりも大きくなる。
<液体吐出装置の制御方法>
液体吐出装置10の制御方法は、例えば、図6に示すフローチャートに沿って実行される。まず、制御部20は、印刷データを取得すると(ステップS1)、印刷データからヘッド30の移動速度を求める。
制御部20は、移動速度に応じて、ヘッド30が移動する時間と水頭差との関係を示すプロファイルを取得する(ステップS2)。この移動速度とプロファイルとの関係は予め定められている。
そして、制御部20は、図4(a)に示すように、プロファイルにおいて、変速中の時間を所定の複数の時間帯に分割し、分割処理を実行する。例えば、図4(a)に示すように、変速(減速、加速)中の時間を、3つの時間帯a1、a2及びa3に分割する。
制御部20は、プロファイルに基づいて圧力の代表値を取得し、取得処理を実行する(ステップS3)。ここでは、制御部20は、プロファイルに基づいて各時間帯において時間に対する圧力の変化の割合を演算する。この割合は各時間帯において時間に応じて変化するため、制御部20は、各時間帯において複数の割合を演算し、ここから平均値、中央値及び最頻値等の代表値を圧力の代表値として取得する。
制御部20は、波形生成処理において、圧力の代表値に応じた非吐出駆動の波形を生成する(ステップS4)。この代表値と波形との関係は予め定められている。例えば、時間帯a1では、圧力の変化の割合が小さいため、非吐出駆動によるメニスカスの振動量が大きい第5非吐出波形を生成する。また、時間帯a2では、変化の割合が時間帯a1よりも大きいため、第5非吐出波形に基づいたメニスカスの振動量よりも小さい振動量の第1非吐出波形を生成する。更に、時間帯a3では、変化の割合が時間帯a1と同等であるため、第5非吐出波形を生成する。
このように、制御部20は、非吐出駆動のための非吐出波形を生成すると共に、吐出駆動のための吐出波形を印刷データに基づいて生成する。そして、制御部20は、ノズル33及び駆動周期に波形を割り当てる選択指令を生成し、波形及び選択指令をヘッドドライバIC40に出力する。また、制御部20は、制御データを走査ドライバIC41及び搬送ドライバIC42に出力する。これにより、駆動素子32、走査モータ15b及び搬送モータ14bが駆動される。
そして、ヘッド30の定速移動中には吐出駆動が駆動素子32により実行され、記録媒体Dに画像が形成される。また、ヘッド30の変速中には、非吐出駆動が駆動素子32により実行されて、ノズル孔33aのメニスカスが微振動する。これにより、ノズル33の液体が攪拌され、液体の増粘が抑制される。この際、圧力変化の割合が大きい時間帯a2では、第1非吐出波形に基づいた非吐出駆動信号により、メニスカスの振動量が小さい非吐出駆動が実行される。これにより、液体の吐出及びメニスカス破断が抑制される。
このように、液体吐出装置10では、制御部20は、加速及び減速の少なくともいずれか一方の変速中において液体を吐出させないように液体を振動させる非吐出駆動の波形を、変速中のヘッド30における液体の圧力に応じて複数種類生成する。これにより、変速中のヘッド30における液体の圧力変化に応じた非吐出駆動によって、吐出及びメニスカス破断を抑制しつつ、液体の増粘を低減することができる。
また、制御部20は、ヘッド30が移動する時間と圧力との関係を示すプロファイルにおいて、変速中の時間を複数の時間帯に分割する分割処理と、時間帯における圧力の代表値を取得する取得処理と、を実行し、波形生成処理において代表値に応じた非吐出駆動の波形を生成する。これにより、変速中には時間に応じて圧力が変化しても、この変化に応じた非吐出駆動の波形を生成しりため、より確実に液体の吐出及びメニスカスの破断が生じないよう非吐出駆動を実行することができる。
更に、制御部20は、時間に対する圧力の変化の割合が大きいほど、波形生成処理において液体の振動が小さい非吐出駆動の波形を生成する。変化の割合が大きく、液体吐出及びメニスカス破断が生じ易い場合には、メニスカスの振動を小さくすることにより、より確実に液体吐出及びメニスカス破断しないよう非吐出駆動を実行することができる。
<変形例1>
変形例1に係る液体吐出装置10では、制御部20は、プロファイルにおいて、移動処理において変速中に変化する速度幅が大きいほど、分割処理において時間を分割する数を多くする。
具体的には、変速中に変化する速度幅が大きいほど、変速中のヘッド30における液体の圧力の変化量が大きい。図4(b)は、図4(a)の場合よりもヘッド30の移動速度が大きく、変速中に変化する速度幅が大きい場合のプロファイルである。図4(b)では、図4(a)よりも変速中の水頭差(圧力)の変化量が大きい。例えば、減速開始時の圧力と加速終了時の圧力との差(圧力変化量)が図4(a)よりも図4(b)で大きい。
この場合、制御部20は、図4(a)のプロファイルに対しては変速中の時間を3つの時間帯a1、a2、a3に分割した。これに対し、制御部20は、図4(b)のプロファイルに対しては変速中の時間を5つの時間帯b1、b2、b3、b4、b5に分割する。
制御部20は、各時間帯において時間に対する圧力の変化の割合を演算し、この割合に応じた非吐出駆動の波形を生成する。例えば、時間帯b1及びb5では、圧力の変化の割合が小さいため、非吐出駆動によるメニスカスの振動量が大きい第5非吐出波形を生成する。時間帯b2では、変化の割合が時間帯b1よりも大きいため、第5非吐出波形に基づいたメニスカスの振動量よりも小さい振動量の第4非吐出波形を生成する。更に、時間帯b3では、変化の割合が時間帯b2よりも大きいため、第4非吐出波形に基づいたメニスカスの振動量よりも小さい振動量の第3非吐出波形を生成する。時間帯b4では、変化の割合が時間帯b3よりも小さいため、第3非吐出波形に基づいたメニスカスの振動量よりも小さい振動量の第2非吐出波形を生成する。
制御部20は、各非吐出波形及び選択指令をヘッドドライバIC40に出力することにより、ヘッドドライバIC40が駆動素子32を駆動させる。これにより、ヘッド30におけるノズル孔33aのメニスカスが微振動し、ノズル33において液体が攪拌され、液体の増粘が抑制される。この際、圧力の変化の割合が大きい時間帯b2〜b4では、割合に応じてメニスカスの振動量が小さい非吐出駆動が実行される。このように、変化する速度幅が大きいほど圧力変化が大きいため、時間の分割数を多くすることにより、より適切に圧力に応じた非吐出駆動の波形を生成することができる。
<変形例2>
変形例2に係る液体吐出装置10では、制御部20は、液体の温度が高いほど変化の割合が大きくなるようにプロファイルを補正する補正処理を実行する。
具体的には、図2に示すように、液体吐出装置10は、温度センサ39を備えている。温度センサ39は、ヘッド30におけるノズル33内の液体の温度を検知するセンサであって、例えば、ヘッド30に設けられている。
制御部20は、印刷データに基づいたプロファイルを取得すると共に、温度センサ39から液体の温度を取得する。そして、図8(a)に示すフローチャートのステップS2とS3との間において、制御部20は、液体の温度が高いほど変化の割合が大きくなるようにプロファイルを補正し、補正処理を実行する(ステップS5)。例えば、図7(a)に、液体の温度とプロファイルの補正係数との関係を示している。液体の温度が高いほど、プロファイルの水頭差(圧力)の補正係数が大きくなっている。
液体の温度が、常温を含む所定温度範囲以内であれば、補正係数は1である。制御部20は、ステップS2で取得したプロファイルの圧力に補正係数の1を掛けて、プロファイルを補正する。そして、制御部20は、補正したプロファイルに基づいて圧力の代表値を取得し(ステップS3)、時間に対する圧力の変化の割合が大きいほど、液体の振動が小さい複数種類の非吐出駆動の波形を生成する(ステップS4)。
また、液体の温度が、所定温度範囲よりも低い低温度範囲であれば、補正係数は0.9である。この場合、液体の温度が低いため、液体の粘度が高く、メニスカスが振動し難く、非吐出駆動による液体の吐出及びメニスカスの破断が生じ難い。よって、ステップS5において、制御部20は、プロファイルの圧力に補正係数の0.9を掛けて、プロファイルの圧力を補正する。これにより、圧力の変化の割合が小さくなるため、制御部20は、液体が所定温度範囲の時よりも液体の振動が大きい非吐出駆動の波形を生成する。これにより、液体の吐出及びメニスカスの破断が生じ難い状態では、メニスカスを大きく振動させて、液体を拡散して増粘を低減することができる。
一方、液体の温度が、所定温度範囲よりも高い高温度範囲であれば、補正係数は1.1である。この場合、液体の温度が高いため、液体の粘度が低く、メニスカスが振動し易く、非吐出駆動による液体の吐出及びメニスカスの破断が生じ易い。よって、ステップS5において、制御部20は、プロファイルの圧力に補正係数の1.1を掛けて、プロファイルの圧力を補正する。これにより、圧力の変化の割合が大きくなるため、制御部20は、液体が所定温度範囲の時よりも液体の振動が小さい非吐出駆動の波形を生成する。これにより、メニスカスを小さく振動させて、液体の吐出及びメニスカスの破断を抑制しながら、液体を拡散して増粘を低減することができる。
<変形例3>
変形例3に係る液体吐出装置10では、タンク16は交換可能である。液体吐出装置10は、タンク16の使用期間をカウントするカウント部を備えている。制御部20は、タンク16の使用期間が短いほど変化の割合が大きくなるようにプロファイルを補正する補正処理を実行する。なお、以下では、制御部20を、タンク16の使用期間をカウントするカウント部として説明するが、制御部20とは別にカウント部が設けられていてもよい。
具体的には、図1に示すタンク16は、筐体11に取り付け及び取り外し可能なカートリッジである。液体吐出装置10には、図2に示すように、タンク16の交換を検知するタンクセンサ16bが設けられている。例えば、タンクセンサ16bは、タンク16の有無を検知するセンサであってもよい。この場合、制御部20は、タンクセンサ16bからの検知信号により、タンク16が無い状態から有る状態になったことを検出すると、タンク16が交換されたと判定することができる。また、タンクセンサ16bは、タンク16内の液体の量を検知するセンサであってもよい。制御部20は、タンクセンサ16bからの検知信号により、タンク16内の液体の量が増えたことを検出すると、タンク16が交換されたと判定することができる。
制御部20は、タンクセンサ16bによりタンク16の交換が検知されると、この交換からの経過時間をタンク16の使用期間としてカウントし、この使用期間をRAM等に記憶する。そして、図8(a)に示すフローチャートのステップS2とS3との間において、制御部20は、タンク16の使用期間が短いほど変化の割合が大きくなるようにプロファイルを補正し、補正処理を実行する(ステップS5)。例えば、図7(b)に、タンク16の使用期間とプロファイルの補正係数との関係を示している。使用期間が短いほど、プロファイルの水頭差(圧力)の補正係数が小さくなっている。
ここで、使用期間が短い短期間範囲であれば、タンク16からヘッド30に供給される液体の粘度が低く、非吐出駆動による液体の吐出及びメニスカスの破断が生じ易い。よって、ステップS5において、制御部20は、プロファイルの圧力に補正係数の1.1を掛けて、プロファイルの圧力を補正する。これにより、圧力の変化の割合が大きくなるため、制御部20は、使用期間が短期間範囲よりも長い中期間範囲の場合よりも液体の振動が小さい非吐出駆動の波形を生成する。これにより、メニスカスを小さく振動させて、液体の吐出及びメニスカスの破断を抑制しながら、液体を拡散して増粘を低減することができる。
使用期間が長くなっていき、使用期間が中期間範囲になり、更に、中期間範囲よりも長い長期間範囲になっていく。この使用期間が長くなるに伴い、液体の蒸発により粘度が上昇する。このため、補正係数は、中期間範囲で1となり、長期間範囲では0.9となって、使用期間が長期化するに応じて小さくなる。
ステップS5において、制御部20は、使用期間に応じてプロファイルの圧力に補正係数の1又は0.9を掛けて、プロファイルの圧力を補正する。これにより、圧力の変化の割合が小さくなるため、制御部20は、使用期間が長くなるに応じて液体の振動が大きい非吐出駆動の波形を生成する。これにより、液体の吐出及びメニスカスの破断が生じ難い状態では、メニスカスを大きく振動させて、液体を拡散して増粘を低減することができる。
<変形例4>
変形例4に係る液体吐出装置10では、制御部20は、液体の粘度が低いほど変化の割合が大きくなるようにプロファイルを補正する補正処理を実行する。
具体的には、制御部20は、ヘッド30に供給される液体の粘度を取得する。この粘度は、印刷データに含まれており、制御部20が印刷データから取得されてもよい。また、粘度は、ユーザによる操作部の操作等によって制御部20に入力されてもよい。
図8(a)に示すフローチャートのステップS2とS3との間において、制御部20は、液体の粘度が低いほど変化の割合が大きくなるようにプロファイルを補正し、補正処理を実行する(ステップS5)。例えば、図7(c)に、液体の粘度とプロファイルの補正係数との関係を示している。液体の粘度が高いほど、プロファイルの水頭差(圧力)の補正係数が小さくなっている。
この液体の粘度が低いと、非吐出駆動による液体の吐出及びメニスカスの破断が生じ易い。よって、制御部20は、所定の粘度(中粘度)よりも粘度が低い低粘度の液体についてはプロファイルの圧力に補正係数の1.1を掛けて、プロファイルの圧力を補正する。これにより、圧力の変化の割合が大きくなるため、制御部20は、中粘度の場合よりも液体の振動が小さい非吐出駆動の波形を生成する。これにより、メニスカスを小さく振動させて、液体の吐出及びメニスカスの破断を抑制しながら、液体を拡散して増粘を低減することができる。
一方、制御部20は、中粘度よりも粘度が高い高粘度の液体についてはプロファイルの圧力に補正係数の0.9を掛けて、プロファイルの圧力を補正する。これにより、圧力の変化の割合が小さくなるため、制御部20は、中粘度の場合よりも液体の振動が大きい非吐出駆動の波形を生成する。これにより、液体の吐出及びメニスカスの破断が生じ難い状態では、メニスカスを大きく振動させて、液体を拡散して増粘を低減することができる。
なお、中粘度の液体については、制御部20はプロファイルの圧力に補正係数の1を掛けて、プロファイルの圧力を補正する。そして、制御部20は、プロファイルにおいて圧力の変化の割合が大きいほど、液体の振動が小さい複数種類の非吐出駆動の波形を生成する。
<変形例5>
変形例5に係る液体吐出装置10では、制御部20は、液体の表面張力が小さいほど変化の割合が大きくなるようにプロファイルを補正する補正処理を実行する。
具体的には、制御部20は、ヘッド30に供給される液体の表面張力を取得する。この表面張力は、印刷データに含まれており、制御部20が印刷データから取得されてもよい。また、表面張力は、ユーザによる操作部の操作等によって制御部20に入力されてもよい。
図8(a)に示すフローチャートのステップS2とS3との間において、制御部20は、液体の表面張力が小さいほど変化の割合が大きくなるようにプロファイルを補正し、補正処理を実行する(ステップS5)。例えば、図7(d)に、液体の表面張力とプロファイルの補正係数との関係を示している。液体の表面張力が小さいほど、プロファイルの水頭差(圧力)の補正係数が大きくなっている。なお、非吐出駆動による液体の吐出及びメニスカスの破断に対する表面張力の影響は粘度よりも小さいため、所定の表面張力(中張力)とこれよりも表面張力が低い低張力の補正係数の差は、中粘度と低粘度の補正係数の差よりも小さい。
この液体の表面張力が小さいと、非吐出駆動による液体の吐出及びメニスカスの破断が生じ易い。よって、制御部20は、低張力の液体についてはプロファイルの圧力に補正係数の1.01を掛けて、プロファイルの圧力を補正する。これにより、圧力の変化の割合が大きくなるため、制御部20は、中張力の場合よりも液体の振動が小さい非吐出駆動の波形を生成する。これにより、メニスカスを小さく振動させて、液体の吐出及びメニスカスの破断を抑制しながら、液体を拡散して増粘を低減することができる。
一方、制御部20は、中張力よりも表面張力が高い高張力の液体についてはプロファイルの圧力に補正係数の0.99を掛けて、プロファイルの圧力を補正する。これにより、圧力の変化の割合が小さくなるため、制御部20は、中張力の場合よりも液体の振動が大きい非吐出駆動の波形を生成する。これにより、液体の吐出及びメニスカスの破断が生じ難い状態では、メニスカスを大きく振動させて、液体を拡散して増粘を低減することができる。
なお、中張力の液体については、制御部20はプロファイルの圧力に補正係数の1を掛けて、プロファイルの圧力を補正する。そして、制御部20は、プロファイルにおいて圧力の変化の割合が大きいほど、液体の振動が小さい複数種類の非吐出駆動の波形を生成する。
<変形例6>
変形例6に係る液体吐出装置10では、制御部20は、定速移動中において液体を吐出する吐出駆動を実行し、吐出駆動による吐出デューティが大きいほど非吐出駆動の回数を少なくする調整処理を実行する。
具体的には、制御部20は、吐出駆動によってノズル33から液体を吐出すると、ノズル33毎に吐出履歴をRAM24に所定のタイミングで記憶する。吐出履歴は、ノズル33から吐出された液体の量に関する情報であって、記録動作における吐出駆動によって吐出された液体量を含んでいる。この情報は、例えば、最近の所定回数の情報、最近の所定期間の情報、又は、タンク16交換からの情報である。吐出駆動は記録動作の駆動周期毎に行われる。
制御部20は、吐出履歴から、吐出された液体量の合計(吐出合計量)及び、記録動作における駆動周期の合計数を求める。制御部20は、1回の所定の吐出可能最大量、及び、駆動周期の合計数から、記録動作における吐出可能最大合計量を演算する。制御部20は、吐出可能最大吐出合計量に対する吐出合計量の割合を、吐出駆動による吐出デューティを取得する。吐出可能最大量の液体が記録動作の全駆動周期でノズル33から吐出されると、吐出デューティは100%とになる。記録動作の全駆動周期で液体が吐出されないと、吐出デューティは0%となる。
図8(b)に示すフローチャートのステップS4の後に、制御部20は、吐出駆動による吐出デューティが大きいほど非吐出駆動の回数を少なくなるように、回数を調整し、調整処理を実行する(ステップS6)。例えば、図7(e)に、吐出デューティと変速中における非吐出駆動の駆動率との関係を示している。
この吐出デューティが50%未満であれば、吐出された液体の量が少ないため、ノズル孔33aから液体が乾燥している可能性がある。このため、制御部20は、変速中における非吐出駆動の回数が所定数の80%になるように選択指令を生成して、プロファイルに基づいた非吐出波形と共にヘッドドライバIC40に出力する。この選択指令及び非吐出波形に応じた非吐出駆動信号によって、変速中において所定数の80%の回数の非吐出駆動が駆動素子32により実行される。これにより、メニスカスを多く振動させて、ノズル33における液体の増粘を低減することができる。
吐出デューティが多くなるほど、非吐出駆動の回数が減少する。吐出デューティが50%以上且つ80%未満で回数が所定数の40%であり、吐出デューティが80%以上で回数が所定回数の8%である。このように、吐出デューティが大きいほど、ノズル33から吐出された液体の量が多く、ノズル33における液体の乾燥が少ない。そこで、制御部20は、吐出デューティに応じて、変速中における非吐出駆動の数を所定数の40%又は8%とする。これにより、変速中において所定数の40%又は8%の回数の非吐出駆動が実行される。このように、非吐出駆動の回数を吐出履歴に応じて減少させることにより、駆動素子32の消費電力の低減及び劣化の抑制を図ることができる。
<変形例7>
変形例7に係る液体吐出装置10では、制御部20は、液体の温度が高いほど非吐出駆動の回数を多くする調整処理を実行する。
具体的には、図2に示すように、液体吐出装置10は、温度センサ39を備えている。温度センサ39は、ヘッド30におけるノズル33内の液体の温度を検知するセンサであって、例えば、ヘッド30に設けられている。
図8(b)に示すフローチャートのステップS4の後に、制御部20は、温度センサ39により検知された液体の温度が高いほど非吐出駆動の回数を多くなるように、回数を調整し、調整処理を実行する(ステップS6)。例えば、図7(f)に、液体の温度と変速中における非吐出駆動の駆動率との関係を示している。
液体の温度が、常温を含む所定温度範囲よりも温度が高い高温度範囲であれば、ノズル孔33aから液体が乾燥し易い。このため、制御部20は、変速中における非吐出駆動の回数が所定数の50%になるように選択指令を生成して、ヘッドドライバIC40に出力する。これにより、変速中において所定数の50%の回数の非吐出駆動が実行される。これにより、メニスカスを多く振動させて、ノズル33における液体の増粘を低減することができる。
液体の温度が低くなるほど、ノズル孔33aから液体が乾燥し難い。このため、液体の温度が所定温度範囲であれば、制御部20は、変速中における非吐出駆動の回数を所定数の40%とする。液体の温度が所定温度範囲よりも低い低温度範囲であれば、制御部20は、変速中における非吐出駆動の回数を所定数の30%とする。このように、非吐出駆動の回数を液体の温度が低いほど少なくすることにより、駆動素子32の消費電力の低減及び劣化の抑制を図ることができる。
なお、上記全実施の形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせてもよい。例えば、変形例2は変形例1に、変形例3は変形例1及び2に、変形例4は変形例1〜3に、変形例5は変形例1〜4に、変形例6は変形例1〜5、変形例7は変形例1〜6に適用してもよい。
また、上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の液体吐出装置、その制御方法及びプログラムは、より確実に非吐出駆動を実行することができる液体吐出装置、その制御方法及びプログラム等として有用である。
10 :液体吐出装置
15 :走査機構
16 :タンク
16a :配管
20 :制御部
30 :ヘッド

Claims (12)

  1. 液体を貯留するタンクと、
    前記液体を吐出するヘッドと、
    前記タンクと前記ヘッドとを連通して前記液体を前記ヘッドへ供給する配管と、
    前記タンクから独立して前記ヘッドを走査方向に移動する走査機構と、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記ヘッドを加速させてから定速移動させた後に減速させる移動処理と、
    前記加速及び前記減速の少なくともいずれか一方の変速中において前記液体を吐出させないように前記液体を振動させる非吐出駆動の波形を、前記変速中の前記ヘッドにおける前記液体の圧力に応じて複数種類生成する波形生成処理と、を実行する、液体吐出装置。
  2. 前記制御部は、
    前記ヘッドが移動する時間と前記圧力との関係を示すプロファイルにおいて、前記変速中の前記時間を複数の時間帯に分割する分割処理と、
    前記時間帯における前記圧力の代表値を取得する取得処理と、を実行し、
    前記波形生成処理において前記代表値に応じた前記非吐出駆動の波形を生成する、請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記移動処理において前記変速中に変化する速度幅が大きいほど、前記分割処理において前記時間を分割する数は多い、請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記制御部は、前記時間に対する前記圧力の変化の割合が大きいほど、前記波形生成処理において前記液体の振動が小さい前記非吐出駆動の波形を生成する、請求項2又は3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記制御部は、前記液体の温度が高いほど前記変化の割合が大きくなるように前記プロファイルを補正する補正処理を実行する、請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記タンクは交換可能であり、
    前記タンクの使用期間をカウントするカウント部を備え、
    前記制御部は、前記タンクの使用期間が短いほど前記変化の割合が大きくなるように前記プロファイルを補正する補正処理を実行する、請求項4又は5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記制御部は、前記液体の粘度が低いほど前記変化の割合が大きくなるように前記プロファイルを補正する補正処理を実行する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記制御部は、前記液体の表面張力が小さいほど前記変化の割合が大きくなるように前記プロファイルを補正する補正処理を実行する、請求項4〜7のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記制御部は、
    前記定速移動中において前記液体を吐出する吐出駆動を実行し、
    前記吐出駆動による吐出デューティが大きいほど前記非吐出駆動の回数を少なくする調整処理を実行する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  10. 前記制御部は、前記液体の温度が高いほど前記非吐出駆動の回数を多くする調整処理を実行する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  11. 液体を貯留するタンクと、
    前記液体を吐出するヘッドと、
    前記タンクと前記ヘッドとを連通して前記液体を前記ヘッドへ供給する配管と、
    前記タンクから独立して前記ヘッドを走査方向に移動する走査機構と、
    制御部と、を備えた液体吐出装置の制御方法であって、
    前記制御部は、
    前記ヘッドを加速させてから定速移動させた後に減速させる移動処理と、
    前記加速及び前記減速の少なくともいずれか一方の変速中において前記液体を吐出させないように前記液体を振動させる非吐出駆動の波形を、前記変速中の前記ヘッドにおける前記液体の圧力に応じて複数種類生成する波形生成処理と、を実行する、液体吐出装置の制御方法。
  12. 液体を貯留するタンクと、
    前記液体を吐出するヘッドと、
    前記タンクと前記ヘッドとを連通して前記液体を前記ヘッドへ供給する配管と、
    前記タンクから独立して前記ヘッドを走査方向に移動する走査機構と、
    制御部と、を備えた液体吐出装置に、
    前記ヘッドを加速させてから定速移動させた後に減速させる移動処理と、
    前記加速及び前記減速の少なくともいずれか一方の変速中において前記液体を吐出させないように前記液体を振動させる非吐出駆動の波形を、前記変速中の前記ヘッドにおける前記液体の圧力に応じて複数種類生成する波形生成処理と、を実行させる、プログラム。
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