JP2021126862A - 印刷装置 - Google Patents

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大輔 蛭間
daisuke Hiruma
大輔 蛭間
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Abstract

【課題】熱膨張差で生じるプラテンの反りを抑制すること。【解決手段】印刷装置1は、吸引孔57aが開口する支持面57bを有し、媒体Sを支持面57bに支持するプラテン57と、プラテン57を加熱する第2ヒーター87と、吸引孔57aに連通する負圧室24と、負圧室24と連通する吸気口21aが設けられ、負圧室24を介してプラテン57を支持する中空構造のベースフレーム21と、負圧室24の気体を吸気口21aからベースフレーム21に送り込むファン23と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、印刷装置に関する。
従来から、プラテンに支持された媒体に向かってインクを吐出して画像などを印刷する印刷装置が知られていた。例えば、特許文献1には、ヒーター付きのプラテンを備える印刷装置が開示されている。
特開2017−71063号公報
特許文献1に記載の印刷装置は、ヒーターの熱によってプラテンが熱膨張する。しかしながら、プラテンを支持するベースフレームには熱が伝わり難く、プラテンとベースフレームとで熱膨張差が生じる。これによって、プラテンに反りが生じ、印刷品質が低下するおそれがあった。
印刷装置は、吸引孔が開口する支持面を有し、媒体を前記支持面に支持するプラテンと、前記プラテンを加熱するヒーターと、前記吸引孔に連通する負圧室と、前記負圧室と連通する吸気口が設けられ、前記負圧室を介して前記プラテンを支持する中空構造のベースフレームと、前記負圧室の気体を前記吸気口から前記ベースフレームに送り込むファンと、を備える。
実施形態に係る印刷装置の構成を示す斜視図。 印刷装置の概略構成を示す断面図。 図2におけるA−A線での断面図。
1.実施形態
実施形態に係わる印刷装置1の概略構成について説明する。なお、図面に付記する座標においては、Z軸に沿う両方向は上下方向であり矢印方向が「上」、X軸に沿う両方向は左右方向であり矢印方向が「左」、Y軸に沿う両方向は前後方向であり矢印方向が「前」としている。また、X軸に沿う両方向は主走査方向に対応し、Y軸は印刷部70における搬送方向に対応する。また、媒体Sの搬送方向に沿う位置関係を「上流」「下流」ともいう。
図1及び図2に示すように、印刷装置1は、供給部40、搬送部50、案内部55、巻取部60、印刷部70、制御部10を含んで構成される。供給部40、巻取部60は、車輪が下端に取り付けられた一対の脚部20に接続される。搬送部50、案内部55は、一対の脚部20、及び一対の脚部20に架設されたベースフレーム21に支持される。印刷部70は、ベースフレーム21に支持されたX軸に長い略直方体状の筐体30の内部に設けられる。制御部10は、筐体30の内部に設けられ、印刷装置1の各部の動作を制御する。
供給部40は、筐体30の後方下部に設けられる。供給部40には、未使用の媒体Sが芯管42に巻き重ねられたロール体R1が保持される。供給部40は、芯管42の両端を挟む一対のホルダー41を備える。一方のホルダー41には、芯管42に回動力を供給するモーターが備えられる。モーターが駆動され芯管42が回転することにより、ロール体R1から巻き解かれた媒体Sが印刷部70へ給送される。なお、供給部40には、媒体Sの幅や巻き数の異なる複数サイズのロール体R1が交換可能に装填される。
巻取部60は、筐体30の前方下部に設けらる。巻取部60には、印刷部70で印刷された媒体Sが芯管62に巻き取られてロール体R2が形成される。巻取部60は、芯管62の両端を挟む一対のホルダー61を備える。一方のホルダー61には、芯管62に回動力を供給するモーターが備えられる。モーターが駆動され芯管62が回転することにより、媒体Sが芯管62に巻き取られる。なお、巻取部60は、自重によって垂れ下がる媒体Sの裏面側を押圧し、芯管62に巻き取られる媒体Sに張力を付与するテンションローラーを備えた構成であってもよい。
案内部55は、上流側案内部56、プラテン57、及び下流側案内部58を備える。プラテン57は、X軸に長い板状をなし、印刷部70と対向する位置に設けられる。プラテン57は、印刷部70で印刷される媒体Sを下方から支持する。上流側案内部56は、プラテン57の上流側に設けられる。また、筐体30の背面には、上流側案内部56の上側となる位置に、媒体Sを筐体30の内部へ供給するための供給口31が形成される。上流側案内部56は、供給部40から供給される媒体Sを、供給口31を介してプラテン57へ案内する。下流側案内部58は、プラテン57の下流側に設けられる。また、筐体30の前面には、下流側案内部58の上側となる位置に、媒体Sを筐体30の外部へ排出するための排出口32が形成される。下流側案内部58は、印刷部70で印刷された媒体Sを、排出口32を介して巻取部60へ案内する。
印刷装置1は、媒体Sを加熱する第1ヒーター86、第2ヒーター87、第3ヒーター88を備える。第1、第2及び第3ヒーター86,87,88は、例えば、チューブヒーターであり、アルミテープ等を介して、上流側案内部56、プラテン57及び下流側案内部58のそれぞれの下面に貼付される。第1ヒーター86は、上流側案内部56を加熱するヒーターであり、上流側案内部56に支持される媒体Sを常温から目標温度に向けて徐々に昇温させる。第2ヒーター87は、プラテン57を加熱するヒーターであり、印刷部70と対向するプラテン57上の媒体Sを目標温度の40℃に保つ。第3ヒーター88は、下流側案内部58を加熱するヒーターであり、下流側案内部58に支持される媒体Sを目標温度よりも高い50℃に加熱する。これにより、媒体Sに吐出されたインクが速やかに乾燥定着され、滲みやぼやけの少ない、品質の高い画像が形成される。
搬送部50は、媒体Sの下側に配置されて回転駆動する駆動ローラー51、駆動ローラー51の上側に配置され駆動ローラー51の回転に従動して回転する従動ローラー52、駆動ローラー51に回動力を供給するモーターを備える。駆動ローラー51は、媒体Sの搬送方向と交差する方向に延在し、プラテン57と上流側案内部56との間に設けられる。従動ローラー52は、駆動ローラー51に対して離間又は圧接するように移動可能に構成される。モーターが駆動されて駆動ローラー51が回転駆動することで、従動ローラー52と駆動ローラー51との間に挟持された媒体Sが搬送方向へ搬送される。
印刷部70は、プラテン57の配置位置に対して上方に配置される。印刷部70は、プラテン57上の媒体Sに対してインクを吐出するヘッド71、ヘッド71が搭載されるキャリッジ72、キャリッジ72を主走査方向に移動させるヘッド移動部75を備える。
ヘッド移動部75は、主走査方向にキャリッジ72を移動させる。キャリッジ72は、X軸に沿って配置されたガイドレール73,74に支持され、ヘッド移動部75によって主走査方向に往復移動可能に構成される。ヘッド移動部75の機構としては、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などを採用することができる。さらに、ヘッド移動部75は、キャリッジ72をX軸方向に沿って移動させるための動力源であるモーターを備えている。モーターが駆動されると、ヘッド71は、キャリッジ72と共に主走査方向に往復移動する。ヘッド71が主走査方向に移動しながら媒体Sに対してインクを吐出することで、印刷が行われる。
筐体30の右上部には、設定操作や入力操作を行うための操作部35が設けられる。筐体30の右下部には、インクを収容可能なインク収容容器34を装着可能な容器装着部33が設けられる。容器装着部33には、インクの種類や色に対応して、複数のインク収容容器34が装着される。
次に、プラテン57及びプラテン57の支持構成について詳述する。
図2及び図3に示すように、プラテン57は、X方向に長い長方形の板状部材であり、アルミニウムなどの金属材料で形成される。プラテン57は、吸引孔57aが開口する支持面57bを有する。吸引孔57aは、プラテン57をZ方向に貫通する貫通孔であり、プラテン57に複数設けられている。プラテン57の支持面57bと反対側の下面には、吸引孔57aと連通する空間を形成する負圧室24が設けられる。
負圧室24の内部であって、プラテン57の下面には、上述した第2ヒーター87が貼り付けられている。プラテン57は、X方向の長さが略1.8m、Y方向の長さが略0.4mと著しく細長い部材であるため、第2ヒーター87による加熱によりX方向に熱膨張しやすい。また、プラテン57は、他の部材との熱膨張差による反りも生じやすい。負圧室24の下壁24dには、負圧室24内の気体を排気する排気口24bが設けられる。
負圧室24は、複数の連結部材22を介してベースフレーム21に支持される。ベースフレーム21は、X方向に長い中空構造の直方体をなし、鋼板、ステンレス板、アルミニウム板などの板金加工で形成される。ベースフレーム21は、負圧室24と共にプラテン57を支持する。ベースフレーム21の上壁21cにおいて、負圧室24の排気口24bと対向する位置には、吸気口21aが設けられる。本実施形態の吸気口21aは、ベースフレーム21のX方向における中央部に1つ設けられている。負圧室24の排気口24bと、ベースフレーム21の吸気口21aとは、ファン23を介して連通している。
ベースフレーム21の下壁21dには、ベースフレーム21の内部の気体を排気する排気口21bが設けられる。本実施形態の排気口21bは、ベースフレーム21のX方向における両端部に2つ設けられている。排気口21bは、Z方向からの平面視にて、吸気口21aと重ならない位置に設けられる。
ファン23は、羽根車と羽根車を回転駆動させる動力源であるモーターとを有し、羽根車の回転運動によって気体に運動エネルギーを与えるものである。ファン23が回転駆動されることにより、負圧室24内の気体がベースフレーム21の吸気口21aからベースフレーム21内に送り込まれ、負圧室24に負圧が生じる。これにより、吸引孔57aに吸引力が生じ、プラテン57の支持面57bに支持された媒体Sが、支持面57bに吸着される。
吸引孔57aから負圧室24に吸引される気体は、第2ヒーター87で熱せられたプラテン57を貫通する間に温度が上昇する。これにより、負圧室24の温度が、プラテン57と略同じ温度に上昇する。負圧室24内に吸引された高温の気体は、ファン23によって吸気口21aからベースフレーム21内部に送り込まれる。ベースフレーム21に流入した気体は、下方に向かって降下してベースフレーム21の下壁21dに衝突した後、排気口21bに向かって左右に屈曲し、排気口21bから下方に向かって排気される。この高温に熱せられた気流によってベースフレーム21の温度を上昇させ、ベースフレーム21の温度をプラテン57及び負圧室24の温度に近づけることができる。さらには、連結部材22は、アルミニウムや銅などの熱伝導率の高い材料が好ましい。連結部材22を介して負圧室24の熱をベースフレーム21に熱伝導させることができる。なお、図3においては、上述した気体の流れを白抜きの矢印で示している。
プラテン57の吸引孔57aから吸引される気体は、媒体Sに吐出されたインクが霧化したインクミストを含んでいる。インクミストを含む気体がベースフレーム21の吸気口21aから下方に向かって降下してベースフレーム21の下壁21dに衝突する際に、インクミストの一部が下壁21dに付着するので、排気口21bから排出される気体が浄化される。
また、インクミストを含む気体を、ベースフレーム21の内部を通して排気することにより、気体を排気するためのダクトを設ける必要がなくなるので、印刷装置1の製造コストを抑制することができる。また、ファン23によって生じる騒音がベースフレーム21の内部で吸音されるので、印刷装置1を稼働させた際の稼働音が低減される。
なお、本実施形態では、ファン23がベースフレーム21の吸気口21aに設けられた構成を例示したが、ファン23は吸気口21a及び排気口21bの少なくとも一方に設けられた構成、すなわち、ファン23が排気口21bに設けられた構成や、吸気口21aと排気口21bとの両方に設けられた構成であってもよい。
また、本実施形態では、負圧室24の排気口24b、及び排気口24bと対向するベースフレーム21の吸気口21aが1つ設けられた構成を例示したが、排気口24b及び吸気口21aが2つ以上設けられた構成であってもよい。また、本実施形態では、ベースフレーム21の排気口21bが2つ設けられた構成を例示したが、排気口21bが1つ又は3つ以上設けられた構成であってもよい。
なお、本実施形態では、ヘッド71として、往復移動するキャリッジ72に搭載され媒体Sの幅方向に移動しながらインクを吐出するシリアルヘッド方式の印刷装置1を例示したが、媒体Sの幅方向に延在し固定して配列されたラインヘッド方式の印刷装置であってもよい。また、印刷装置1は、媒体Sを加熱することによりインクを媒体Sに速やかに乾燥定着させるための乾燥炉を備えた構成であってもよい。
以上述べたように、本実施形態に係る印刷装置1によれば、以下の効果を得ることができる。
印刷装置1は、第2ヒーター87で高温に熱せられた負圧室24の気体をベースフレーム21に送り込むファン23を備えている。ベースフレーム21は、この高温に熱せられた気体によりベースフレーム21の温度をプラテン57及び負圧室24の温度に近づけることができる。これにより、プラテン57とベースフレーム21及び負圧室24との熱膨張差が縮小し、プラテン57とベースフレーム21との熱膨張差で生じるプラテン57の反りが抑制される。したがって、媒体Sに印刷される画像などの印刷品質が向上する。
ベースフレーム21の排気口21bから排出される気体には、インクミストが含まれる。排気口21bは、ベースフレーム21の下壁21dに設けられており、インクミストを含んだ気体は、ベースフレーム21下方に向かって排気されるので、印刷装置1や印刷装置1の周囲がインクミストにより汚染されることを抑制することができる。
ベースフレーム21の吸気口21aと排気口21bとは、鉛直方向であるZ方向からの平面視にて重ならない位置に設けられるので、吸気口21aから流入した気体は、ベースフレーム21の内部を蛇行しながら排気口21bに向かって移動し排気される。これにより、ベースフレーム21を効果的に加熱することができる。
気体に運動エネルギーを与えるファン23を、吸気口21a及び排気口21bの少なくとも一方に設けることにより、負圧室24で熱せられた気体をベースフレーム21の内部に好適に取り込むことができる。
1…印刷装置、21…ベースフレーム、21a…吸気口、21b…排気口、21c…上壁、21d…下壁、23…ファン、24…負圧室、57…プラテン、57a…吸引孔、57b…支持面、87…第2ヒーター、S…媒体。

Claims (4)

  1. 吸引孔が開口する支持面を有し、媒体を前記支持面に支持するプラテンと、
    前記プラテンを加熱するヒーターと、
    前記吸引孔に連通する負圧室と、
    前記負圧室と連通する吸気口が設けられ、前記負圧室を介して前記プラテンを支持する中空構造のベースフレームと、
    前記負圧室の気体を前記吸気口から前記ベースフレームに送り込むファンと、
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記ベースフレームは、内部の気体を排気する排気口を備え、
    前記排気口は、前記ベースフレームの下壁に設けられること、
    を特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記吸気口は、前記ベースフレームの上壁に設けられ、
    前記吸気口と前記排気口とは、鉛直方向からの平面視にて重ならないこと、
    を特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記ファンは、前記吸気口及び前記排気口の少なくとも一方に設けられること、
    を特徴とする請求項2又は請求項3に記載の印刷装置。
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