以下の説明では、各実施形態の駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。すなわち、以下の各実施形態において説明する鉛直方向に対する相対位置関係は、駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合に少なくとも満たしていればよい。
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。+Z側は、鉛直方向上側であり、−Z側は、鉛直方向下側である。以下の説明では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置が搭載される車両の前後方向である。以下の各実施形態において、+X側は、車両の前側であり、−X側は、車両の後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。以下の各実施形態において、+Y側は、車両の左側であり、−Y側は、車両の右側である。前後方向および左右方向は、鉛直方向と直交する水平方向である。
なお、前後方向の位置関係は、以下の各実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、−X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、−Y側は、車両の左側である。
各図に適宜示すモータ軸J1は、鉛直方向と交差する方向に延びる。より詳細には、モータ軸J1は、鉛直方向と直交するY軸方向、すなわち車両の左右方向に延びる。以下の説明においては、特に断りのない限り、モータ軸J1に平行な方向を単に「軸方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする周方向、すなわち、モータ軸J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。なお、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向も含み、「直交する方向」は略直交する方向も含む。
以下の各実施形態において、+Y側、すなわち左側は、軸方向の一方側に相当し、−Y側、すなわち右側は、軸方向の他方側に相当する。鉛直方向は、モータ軸J1の軸方向と直交する一方向に相当する。
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態の駆動装置1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータを動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。図1に示すように、駆動装置1は、モータ2と、減速装置4および差動装置5を含む伝達装置3と、ハウジング6と、オイルポンプ96と、クーラー97と、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12と、を備える。なお、本実施形態において、駆動装置1はインバータユニットを含まない。言い換えると、駆動装置1はインバータユニットと別体構造となっている。
ハウジング6は、内部にモータ2および伝達装置3を収容する。ハウジング6は、モータ収容部61と、ギヤ収容部62と、隔壁63と、を有する。モータ収容部61は、内部に後述するロータ20およびステータ30を収容する部分である。ギヤ収容部62は、内部に伝達装置3を収容する部分である。ギヤ収容部62は、モータ収容部61の左側に位置する。モータ収容部61の底部61aは、ギヤ収容部62の底部62aより上側に位置する。隔壁63は、モータ収容部61の内部とギヤ収容部62の内部とを軸方向に区画する。隔壁63には、隔壁開口63aが設けられる。隔壁開口63aは、モータ収容部61の内部とギヤ収容部62の内部とを繋ぐ。隔壁63は、ステータ30の左側に位置する。
ハウジング6は、内部に冷媒としてのオイルOを収容する。本実施形態では、モータ収容部61の内部およびギヤ収容部62の内部に、オイルOが収容される。ギヤ収容部62の内部における下部領域には、オイルOが溜るオイル溜りPが設けられる。オイル溜りPのオイルOは、後述する油路90によってモータ収容部61の内部に送られる。モータ収容部61の内部に送られたオイルOは、モータ収容部61の内部における下部領域に溜まる。モータ収容部61の内部に溜まったオイルOの少なくとも一部は、隔壁開口63aを介してギヤ収容部62に移動し、オイル溜りPに戻る。
なお、本明細書において「ある部分の内部にオイルが収容される」とは、モータが駆動している最中の少なくとも一部において、ある部分の内部にオイルが位置していればよく、モータが停止している際には、ある部分の内部にオイルが位置していなくてもよい。例えば、本実施形態においてモータ収容部61の内部にオイルOが収容されるとは、モータ2が駆動している最中の少なくとも一部において、モータ収容部61の内部にオイルOが位置していればよく、モータ2が停止している際においては、モータ収容部61の内部のオイルOがすべて隔壁開口63aを通ってギヤ収容部62に移動してしまっていてもよい。なお、後述する油路90によってモータ収容部61の内部へと送られたオイルOの一部は、モータ2が停止した状態において、モータ収容部61の内部に残っていてもよい。
オイルOは、後述する油路90内を循環する。オイルOは、減速装置4および差動装置5の潤滑用として使用される。また、オイルOは、モータ2の冷却用として使用される。オイルOとしては、潤滑油および冷却油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
本実施形態においてモータ2は、インナーロータ型のモータである。モータ2は、ロータ20と、ステータ30と、ベアリング26,27と、を有する。ロータ20は、水平方向に延びるモータ軸J1を中心として回転可能である。ロータ20は、シャフト21と、ロータ本体24と、を有する。図示は省略するが、ロータ本体24は、ロータコアと、ロータコアに固定されるロータマグネットと、を有する。ロータ20のトルクは、伝達装置3に伝達される。
シャフト21は、モータ軸J1を中心として軸方向に沿って延びる。シャフト21は、モータ軸J1を中心として回転する。シャフト21は、内部に中空部22が設けられた中空シャフトである。シャフト21には、連通孔23が設けられる。連通孔23は、径方向に延びて中空部22とシャフト21の外部とを繋ぐ。
シャフト21は、ハウジング6のモータ収容部61とギヤ収容部62とに跨って延びる。シャフト21の左側の端部は、ギヤ収容部62の内部に突出する。シャフト21の左側の端部には、伝達装置3の後述する第1のギヤ41が固定される。シャフト21は、ベアリング26,27により回転可能に支持される。
ステータ30は、ロータ20と径方向に隙間を介して対向する。より詳細には、ステータ30は、ロータ20の径方向外側に位置する。ステータ30は、ステータコア32と、コイルアセンブリ31と、を有する。ステータコア32は、ロータ20を囲む。ステータコア32は、モータ収容部61の内周面に固定される。図2および図3に示すように、ステータコア32は、ステータコア本体32aと、固定部32bと、を有する。図示は省略するが、ステータコア本体32aは、軸方向に延びる円筒状のコアバックと、コアバックから径方向内側に延びる複数のティースと、を有する。複数のティースは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。
図2に示すように、固定部32bは、ステータコア本体32aの外周面から径方向外側に突出する。固定部32bは、ハウジング6に固定される部分である。固定部32bは、周方向に沿って間隔を空けて複数設けられる。固定部32bは、例えば、4つ設けられる。4つの固定部32bは、周方向の一周に亘って等間隔に配置される。
固定部32bのうちの1つは、ステータコア本体32aから上側に突出する。固定部32bのうちの他の1つは、ステータコア本体32aから下側に突出する。固定部32bのうちのさらに他の1つは、ステータコア本体32aから前側(+X側)に突出する。固定部32bのうちの残りの1つは、ステータコア本体32aから後側(−X側)に突出する。
固定部32bは、軸方向に延びる。固定部32bは、例えば、ステータコア本体32aの左側(+Y側)の端部からステータコア本体32aの右側(−Y側)の端部まで延びる。固定部32bは、固定部32bを軸方向に貫通する貫通孔32cを有する。図示は省略するが、貫通孔32cには、軸方向に延びるボルトが通される。当該ボルトは、例えば、右側(−Y側)から貫通孔32cに通され、隔壁63に設けられた雌ネジ穴に締め込まれる。これにより、固定部32bは、隔壁63に固定される。このようにしてステータ30は、ボルトによってハウジング6に固定される。
コイルアセンブリ31は、ステータコア32に取り付けられる。図1に示すように、コイルアセンブリ31は、周方向に沿ってステータコア32に取り付けられる複数のコイル31aを有する。複数のコイル31aは、図示しないインシュレータを介してステータコア32の各ティースにそれぞれ装着される。複数のコイル31aは、周方向に沿って配置される。より詳細には、複数のコイル31aは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。
コイルアセンブリ31は、ステータコア32から軸方向に突出するコイルエンド33を有する。本実施形態においてコイルエンド33は、第1コイルエンド33aと、第2コイルエンド33bと、を含む。第1コイルエンド33aは、ステータコア32から左側に突出する。第2コイルエンド33bは、ステータコア32から右側に突出する。図2に示すように、第1コイルエンド33aおよび第2コイルエンド33bは、モータ軸J1を囲む環状である。より詳細には、第1コイルエンド33aおよび第2コイルエンド33bは、モータ軸J1を中心とする円環状である。
第1コイルエンド33aは、本体部33cと、紐部材33eと、を有する。第2コイルエンド33bは、本体部33dと、紐部材33eと、を有する。本体部33c,33dは、モータ軸J1を囲む円環状である。本体部33cは、複数のコイル31aのうちステータコア32よりも左側に突出する部分を有する。本体部33dは、複数のコイル31aのうちステータコア32よりも右側に突出する部分を有する。なお本体部33c,33dは、各コイル31a同士を繋ぐ渡り線を有してもよい。
紐部材33eは、環状の本体部33c,33dにおける周方向の一部に巻き付けられ、本体部33c,33dを縛る。すなわち、紐部材33eは、コイル31aを縛る。本実施形態において、第1コイルエンド33aの本体部33c、および第2コイルエンド33bの本体部33dのそれぞれには、周方向の全周に亘って、間隔を空けて複数の紐部材33eが設けられる。紐部材33eの断面形状は、特に限定されない。紐部材33eの断面形状は、例えば、円形状である。紐部材33eの材料は、特に限定されない。紐部材33eの材料は、例えば、樹脂である。本体部33c,33dが各コイル31a同士を繋ぐ渡り線を有する場合、紐部材33eは、コイル31aの一部と渡り線とをまとめて縛ってもよい。
図1に示すように、ベアリング26,27は、ロータ20を回転可能に支持する。ベアリング26,27は、例えば、ボールベアリングである。ベアリング26は、ロータ20のうちステータコア32よりも右側に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態においてベアリング26は、シャフト21のうちロータ本体24が固定される部分よりも右側に位置する部分を支持する。ベアリング26は、モータ収容部61のうちロータ20およびステータ30の右側を覆う壁部61bに保持される。
ベアリング27は、ロータ20のうちステータコア32よりも左側に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態においてベアリング27は、シャフト21のうちロータ本体24が固定される部分よりも左側に位置する部分を支持する。ベアリング27は、隔壁63に保持される。
伝達装置3は、ハウジング6のギヤ収容部62に収容される。伝達装置3は、モータ2に接続される。より詳細には、伝達装置3は、シャフト21の左側の端部に接続される。伝達装置3は、減速装置4と、差動装置5と、を有する。モータ2から出力されるトルクは、減速装置4を介して差動装置5に伝達される。
減速装置4は、モータ2に接続される。減速装置4は、モータ2の回転速度を減じて、モータ2から出力されるトルクを減速比に応じて増大させる。減速装置4は、モータ2から出力されるトルクを差動装置5へ伝達する。減速装置4は、第1のギヤ41と、第2のギヤ42と、第3のギヤ43と、中間シャフト45と、を有する。
第1のギヤ41は、シャフト21の左側の端部における外周面に固定される。第1のギヤ41は、シャフト21とともに、モータ軸J1を中心に回転する。中間シャフト45は、モータ軸J1と平行な中間軸J2に沿って延びる。中間シャフト45は、中間軸J2を中心として回転する。第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間シャフト45の外周面に固定される。第2のギヤ42と第3のギヤ43とは、中間シャフト45を介して接続される。第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間軸J2を中心として回転する。第2のギヤ42は、第1のギヤ41に噛み合う。第3のギヤ43は、差動装置5の後述するリングギヤ51と噛み合う。
モータ2から出力されるトルクは、シャフト21、第1のギヤ41、第2のギヤ42、中間シャフト45、および第3のギヤ43をこの順に介して差動装置5のリングギヤ51へ伝達される。各ギヤのギヤ比およびギヤの個数等は、必要とされる減速比に応じて種々変更可能である。本実施形態において減速装置4は、各ギヤの軸芯が平行に配置される平行軸歯車タイプの減速機である。
差動装置5は、減速装置4を介しモータ2に接続される。差動装置5は、モータ2から出力されるトルクを車両の車輪に伝達するための装置である。差動装置5は、車両の旋回時に、左右の車輪の速度差を吸収しつつ、左右両輪の車軸55に同トルクを伝える。このように、本実施形態において伝達装置3は、減速装置4および差動装置5を介して、車両の車軸55にモータ2のトルクを伝達する。差動装置5は、リングギヤ51と、図示しないギヤハウジングと、図示しない一対のピニオンギヤと、図示しないピニオンシャフトと、図示しない一対のサイドギヤと、を有する。リングギヤ51は、モータ軸J1と平行な差動軸J3を中心として回転する。リングギヤ51には、モータ2から出力されるトルクが減速装置4を介して伝えられる。
モータ2には、ハウジング6の内部においてオイルOが循環する油路90が設けられる。油路90は、オイル溜りPからオイルOをモータ2に供給し、再びオイル溜りPに導くオイルOの経路である。油路90は、モータ収容部61の内部とギヤ収容部62の内部とに跨って設けられる。
なお、本明細書において「油路」とは、オイルの経路を意味する。したがって、「油路」とは、定常的に一方向に向かうオイルの流動を作る「流路」のみならず、オイルを一時的に滞留させる経路およびオイルが滴り落ちる経路をも含む概念である。オイルを一時的に滞留させる経路とは、例えば、オイルを貯留するリザーバ等を含む。
油路90は、第1の油路91と、第2の油路92と、を有する。第1の油路91および第2の油路92は、それぞれハウジング6の内部でオイルOを循環させる。第1の油路91は、かき上げ経路91aと、シャフト供給経路91bと、シャフト内経路91cと、ロータ内経路91dと、を有する。また、第1の油路91の経路中には、第1のリザーバ93が設けられる。第1のリザーバ93は、ギヤ収容部62内に設けられる。
かき上げ経路91aは、差動装置5のリングギヤ51の回転によってオイル溜りPからオイルOをかき上げて、第1のリザーバ93でオイルOを受ける経路である。第1のリザーバ93は、上側に開口する。第1のリザーバ93は、リングギヤ51がかき上げたオイルOを受ける。また、モータ2の駆動直後などオイル溜りPの液面Sが高い場合等には、第1のリザーバ93は、リングギヤ51に加えて第2のギヤ42および第3のギヤ43によってかき上げられたオイルOも受ける。
シャフト供給経路91bは、第1のリザーバ93からシャフト21の中空部22にオイルOを誘導する。シャフト内経路91cは、シャフト21の中空部22内をオイルOが通過する経路である。ロータ内経路91dは、オイルOがシャフト21の連通孔23からロータ本体24の内部を通過して、ステータ30に飛散する経路である。
シャフト内経路91cにおいて、ロータ20の内部のオイルOには、ロータ20の回転に伴い遠心力が付与される。これにより、オイルOは、ロータ20から径方向外側に連続的に飛散する。また、オイルOの飛散に伴い、ロータ20内部の経路が負圧となり、第1のリザーバ93に溜るオイルOが、ロータ20の内部に吸引され、ロータ20内部の経路にオイルOが満たされる。
ステータ30に到達したオイルOは、ステータ30から熱を奪う。ステータ30を冷却したオイルOは、下側に滴下され、モータ収容部61内の下部領域に溜る。モータ収容部61内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁63に設けられた隔壁開口63aを介してギヤ収容部62に移動する。以上のようにして、第1の油路91は、オイルOをロータ20およびステータ30に供給する。
第2の油路92においてオイルOは、オイル溜りPから引き上げられてステータ30に供給される。第2の油路92には、オイルポンプ96と、クーラー97と、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12と、が設けられる。第2の油路92は、第1の流路92aと、第2の流路92bと、第3の流路92cと、冷媒供給路94と、を有する。これにより、駆動装置1は、冷媒供給路94を備える。
第1の流路92a、第2の流路92b、および第3の流路92cは、ハウジング6の壁部に設けられる。第1の流路92aは、オイル溜りPとオイルポンプ96とを繋ぐ。第2の流路92bは、オイルポンプ96とクーラー97とを繋ぐ。第3の流路92cは、クーラー97と冷媒供給路94とを繋ぐ。第3の流路92cは、例えば、モータ収容部61の壁部のうち前側の壁部に設けられる。
本実施形態において冷媒供給路94は、隔壁63に設けられる。冷媒供給路94は、第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12とを繋ぐ。すなわち、冷媒供給路94は、第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12との両方に繋がる。図4に示すように、本実施形態において冷媒供給路94は、第1延伸部94aと、第2延伸部94bと、接続部94cと、を有する。第1延伸部94aは、第3の流路92cの端部から上側に延びる。第3の流路92cの端部は、モータ軸J1よりも下側かつ前側に位置する。第1延伸部94aは、モータ軸J1の前側を通って、モータ軸J1よりも下側の位置から、モータ軸J1よりも上側の位置まで延びる。第1延伸部94aは、例えば、鉛直方向に対して前後方向に傾いて直線状に延びる。第1延伸部94aは、例えば、上側に向かうに従って後側に位置する。第1延伸部94aの上側の端部は、シャフト21よりも上側に位置する。第1延伸部94aの上側の端部には、接続部94cが設けられる。
第2延伸部94bは、接続部94cを介して、第1延伸部94aの上側の端部と接続される。第2延伸部94bは、接続部94cから後側に延びる。第2延伸部94bは、例えば、前後方向と平行に直線状に延びる。第2延伸部94bは、モータ軸J1よりも上側に位置する。第2延伸部94bは、シャフト21よりも上側に位置する。第2延伸部94bは、モータ軸J1よりも前側の位置から、モータ軸J1よりも後側の位置まで延びる。
第2延伸部94bの内面のうち右側(−Y側)の部分には、第1冷媒噴射部11に繋がる穴部94dと、第2冷媒噴射部12に繋がる穴部94eと、が設けられる。これにより、第2延伸部94bは、第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12との両方に繋がる。穴部94dは、モータ軸J1よりも前側に位置する。穴部94eは、モータ軸J1よりも後側に位置する。図示は省略するが、穴部94d,94eは、モータ収容部61の内部に開口する。
第1延伸部94aの流路面積と第2延伸部94bの流路面積とは、例えば、互いに同じである。接続部94cの流路面積は、第1延伸部94aの流路面積および第2延伸部94bの流路面積よりも大きい。第3の流路92c内のオイルOは、第1延伸部94aの下側の端部に流入する。第1延伸部94aに流入したオイルOは、第1延伸部94aに沿って上側に流れて、接続部94cを介して第2延伸部94bに流入する。第2延伸部94bに流入したオイルOは、後側に流れて、穴部94d,94eを介して第1冷媒噴射部11の内部および第2冷媒噴射部12の内部に流入する。第2延伸部94b内のオイルOの流れ方向において、穴部94eおよび第2冷媒噴射部12は、穴部94dおよび第1冷媒噴射部11よりも下流側に位置する。
図1に示すように、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12は、ハウジング6の内部に収容される。図2に示すように、本実施形態において第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12は、パイプである。第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12は、例えば、軸方向に直線状に延びる円筒状である。
なお、本明細書において「第1冷媒噴射部および第2冷媒噴射部がモータ軸の軸方向に直線状に延びる」とは、第1冷媒噴射部および第2冷媒噴射部が厳密に軸方向に直線状に延びる場合に加えて、第1冷媒噴射部および第2冷媒噴射部が略軸方向に直線状に延びる場合も含む。すなわち、本実施形態において「第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12が軸方向に直線状に延びる」とは、例えば、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12が軸方向に対して僅かに傾いて延びていてもよい。この場合、第1冷媒噴射部11が軸方向に対して傾く向きと第2冷媒噴射部12が軸方向に対して傾く向きとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態において第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12とは、互いに平行な方向に延びる。第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12は、ステータ30の径方向外側において互いに周方向に間隔を空けて配置される。本実施形態において第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12は、ステータ30の鉛直方向上側に位置する。
なお、本明細書において「或る対象が他の対象の所定方向一方側に位置する」とは、駆動装置が水平面に配置された状態で、或る対象と他の対象とを所定方向一方側から見た際に、或る対象と他の対象とが互いに重なり、かつ、或る対象が他の対象よりも手前側に位置することを含む。すなわち、図3に示すように、本実施形態では、駆動装置1が水平面に配置された状態で、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12とステータ30とを鉛直方向上側から見た際、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12とステータ30とは、互いに重なり、かつ、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12は、ステータ30よりも手前側に位置する。なお、本明細書において「駆動装置が水平面に配置された状態」とは、駆動装置が搭載された車両が水平な路面上に配置されることを含む。
本実施形態において第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12とは、鉛直方向に見て、モータ軸J1を挟んで配置される。第1冷媒噴射部11は、モータ軸J1よりも前側に位置する。第2冷媒噴射部12は、モータ軸J1よりも後側に位置する。第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12とは、例えば、ステータコア本体32aから上側に突出する固定部32bを前後方向および周方向に挟んで配置される。
図5に示すように、第1冷媒噴射部11の鉛直方向位置と第2冷媒噴射部12の鉛直方向位置とは、例えば、互いに同じである。第1冷媒噴射部11の径方向位置と第2冷媒噴射部12の径方向位置とは、例えば、互いに同じである。本実施形態では、軸方向に見て、第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12とは、中心線CL3を挟んで配置される。中心線CL3は、軸方向に見て、モータ軸J1を通り鉛直方向に延びる仮想線である。中心線CL3は、鉛直方向と平行に延びる。軸方向に見て、第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12とは、中心線CL3に対して線対称に配置される。
図2に示すように、第1冷媒噴射部11の左側の端部および第2冷媒噴射部12の左側の端部は、開口する。第1冷媒噴射部11の右側の端部および第2冷媒噴射部12の右側の端部は、閉塞される。図3に示すように、第1冷媒噴射部11の軸方向の寸法と第2冷媒噴射部12の軸方向の寸法とは、例えば、互いに同じである。第1冷媒噴射部11の左側の端部における軸方向位置と第2冷媒噴射部12の左側の端部における軸方向位置とは、例えば、互いに同じである。第1冷媒噴射部11の右側の端部における軸方向位置と第2冷媒噴射部12の右側の端部における軸方向位置とは、例えば、互いに同じである。しかしながら、第1冷媒噴射部11の軸方向の寸法と第2冷媒噴射部12の軸方向の寸法とは、互いに異なっていてもよい。
図1に示すように、第1冷媒噴射部11の左側の端部および第2冷媒噴射部12の左側の端部は、隔壁63に固定される。第1冷媒噴射部11の左側の端部は、例えば、隔壁63に設けられた穴部94dに挿し込まれて、隔壁63に固定される。第2冷媒噴射部12の左側の端部は、例えば、隔壁63に設けられた穴部94eに挿し込まれて、隔壁63に固定される。第1冷媒噴射部11の右側の端部および第2冷媒噴射部12の右側の端部は、例えば、図示しない取付部を介して、モータ収容部61のうち上側の壁部に固定される。
図3に示すように、第1冷媒噴射部11は、第1噴射口13aと、内側噴射口14と、外側噴射口15と、を有する。第2冷媒噴射部12は、第2噴射口13bと、内側噴射口14と、外側噴射口15と、を有する。すなわち、本実施形態において第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12は、内側噴射口14と、外側噴射口15と、をそれぞれ有する。第1冷媒噴射部11の内側噴射口14は、内側噴射口14aと、内側噴射口14cと、を含む。第1冷媒噴射部11の外側噴射口15は、外側噴射口15aと、外側噴射口15cと、を含む。第2冷媒噴射部12の内側噴射口14は、内側噴射口14bと、内側噴射口14dと、を含む。第2冷媒噴射部12の外側噴射口15は、外側噴射口15bと、外側噴射口15dと、を含む。本実施形態において内側噴射口14と外側噴射口15とは、それぞれ合計で4つずつ設けられる。
第1噴射口13aと内側噴射口14a,14cと外側噴射口15a,15cとは、第1冷媒噴射部11の外側面に設けられる。第2噴射口13bと内側噴射口14b,14dと外側噴射口15b,15dとは、第2冷媒噴射部12の外側面に設けられる。各噴射口は、例えば、円形状である。
冷媒供給路94から第1冷媒噴射部11の内部および第2冷媒噴射部12の内部に供給されたオイルOは、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12に設けられた各噴射口から噴射される。本実施形態において第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12に設けられた各噴射口は、各冷媒噴射部の壁部を内周面から外周面まで貫通する孔の開口部のうち、各冷媒噴射部の外周面に開口する開口部である。
具体的には、図5に示すように、内側噴射口14aは、第1冷媒噴射部11の壁部を内周面から外周面まで貫通する孔16aの開口部のうち、第1冷媒噴射部11の外周面に開口する開口部である。内側噴射口14bは、第2冷媒噴射部12の壁部を内周面から外周面まで貫通する孔16bの開口部のうち、第2冷媒噴射部12の外周面に開口する開口部である。外側噴射口15aは、第1冷媒噴射部11の壁部を内周面から外周面まで貫通する孔17aの開口部のうち、第1冷媒噴射部11の外周面に開口する開口部である。外側噴射口15bは、第2冷媒噴射部12の壁部を内周面から外周面まで貫通する孔17bの開口部のうち、第2冷媒噴射部12の外周面に開口する開口部である。
図3に示すように、第1噴射口13aおよび第2噴射口13bは、ステータコア32の上側に位置する。より詳細には、第1噴射口13aおよび第2噴射口13bは、ステータコア本体32aの上側に位置する。第1噴射口13aと第2噴射口13bとは、鉛直方向に見て、モータ軸J1を挟んで対称に配置される。第1噴射口13aおよび第2噴射口13bから噴射されるオイルOは、ステータコア32に供給される。第1噴射口13aおよび第2噴射口13bは、それぞれ軸方向に沿って間隔を空けて複数ずつ設けられる。第1噴射口13aおよび第2噴射口13bは、例えば、4つずつ設けられる。第1噴射口13aの開口面積と第2噴射口13bの開口面積とは、例えば、互いに同じである。
内側噴射口14a,14bおよび外側噴射口15a,15bは、第1コイルエンド33aの上側に位置する。内側噴射口14c,14dおよび外側噴射口15c,15dは、第2コイルエンド33bの上側に位置する。内側噴射口14aおよび外側噴射口15aは、第1冷媒噴射部11において、第1噴射口13aよりも左側に位置する。内側噴射口14cおよび外側噴射口15cは、第1冷媒噴射部11において、第1噴射口13aよりも右側に位置する。内側噴射口14bおよび外側噴射口15bは、第2冷媒噴射部12において、第2噴射口13bよりも左側に位置する。内側噴射口14dおよび外側噴射口15dは、第2冷媒噴射部12において、第2噴射口13bよりも右側に位置する。
本実施形態において、内側噴射口14aの軸方向位置、内側噴射口14bの軸方向位置、外側噴射口15aの軸方向位置、および外側噴射口15bの軸方向位置は、互いに同じである。本実施形態において、内側噴射口14cの軸方向位置、内側噴射口14dの軸方向位置、外側噴射口15cの軸方向位置、および外側噴射口15dの軸方向位置は、互いに同じである。
鉛直方向に見て、内側噴射口14a,14bおよび外側噴射口15a,15bは、第1コイルエンド33aの軸方向中心線CL1と重なる位置に配置される。軸方向中心線CL1は、鉛直方向に見て、第1コイルエンド33aの軸方向の中心を通って前後方向に延びる仮想線である。このように、モータ軸J1の軸方向と直交する一方向に見て、内側噴射口14a,14bおよび外側噴射口15a,15bは、第1コイルエンド33aと重なり、かつ、モータ軸J1の軸方向において第1コイルエンド33aの中心と同じ位置に配置される。
鉛直方向に見て、内側噴射口14c,14dおよび外側噴射口15c,15dは、第2コイルエンド33bの軸方向中心線CL2よりも左側に配置される。軸方向中心線CL2は、鉛直方向に見て、第2コイルエンド33bの軸方向の中心を通って前後方向に延びる仮想線である。このように、モータ軸J1の軸方向と直交する一方向に見て、内側噴射口14c,14dおよび外側噴射口15c,15dは、第2コイルエンド33bと重なり、かつ、モータ軸J1の軸方向において第2コイルエンド33bの中心よりもステータコア32に近い位置に配置される。
内側噴射口14a,14bおよび外側噴射口15a,15bは、第1コイルエンド33aに向けて開口する。内側噴射口14c,14dおよび外側噴射口15c,15dは、第2コイルエンド33bに向けて開口する。すなわち、本実施形態では、第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12との両方において、内側噴射口14および外側噴射口15が、コイルエンド33に向けて開口する。内側噴射口14a,14bおよび外側噴射口15a,15bから噴射されるオイルOは、第1コイルエンド33aに供給される。内側噴射口14c,14dおよび外側噴射口15c,15dから噴射されるオイルOは、第2コイルエンド33bに供給される。
内側噴射口14aと内側噴射口14cとは、軸方向位置およびオイルOを供給するコイルエンド33が異なる点を除いて、同様の構成である。内側噴射口14bと内側噴射口14dとは、軸方向位置およびオイルOを供給するコイルエンド33が異なる点を除いて、同様の構成である。外側噴射口15aと外側噴射口15cとは、軸方向位置およびオイルOを供給するコイルエンド33が異なる点を除いて、同様の構成である。外側噴射口15bと外側噴射口15dとは、軸方向位置およびオイルOを供給するコイルエンド33が異なる点を除いて、同様の構成である。内側噴射口14aと内側噴射口14bと外側噴射口15aと外側噴射口15bとの相対位置関係は、内側噴射口14cと内側噴射口14dと外側噴射口15cと外側噴射口15dとの相対位置関係と同様である。そのため、以下の説明においては、複数の内側噴射口14および複数の外側噴射口15を代表して、内側噴射口14a、内側噴射口14b、外側噴射口15a、および外側噴射口15bについてのみ説明する場合がある。
図5に示すように、第1冷媒噴射部11に設けられた内側噴射口14aは、モータ軸J1を向く向きに対して、周方向において第2冷媒噴射部12が位置する側に傾いて開口する。モータ軸J1を向く向きとは、径方向内側向きである。第1冷媒噴射部11においてモータ軸J1を向く向きとは、例えば、仮想線IL1に沿って径方向内側を向く向きを含む。仮想線IL1は、軸方向に見て、モータ軸J1と第1冷媒噴射部11の中心点CP1とを通って径方向に延びる仮想線である。中心点CP1は、軸方向に見て、円筒状のパイプである第1冷媒噴射部11の中心に位置する点である。
本実施形態において「内側噴射口14aがモータ軸J1を向く向きに対して周方向において第2冷媒噴射部12が位置する側に傾いて開口する」とは、内側噴射口14aが開口する向きID1に沿って内側噴射口14aからステータ30まで延びる仮想的な線分を規定したとき、当該線分の周方向位置が、ステータ30に近づくほど第2冷媒噴射部12の周方向位置に近づくことを意味する。本実施形態において内側噴射口14aが開口する向きID1は、内側噴射口14aを開口部として有する孔16aが第1冷媒噴射部11を内周面から外周面まで貫通する向きである。
なお、本明細書において「噴射口が開口する向き」とは、噴射口の中心を通り、噴射口の中心に対して垂直な法線に沿った向きを含む。例えば、図5において向きID1として示す二点鎖線は、内側噴射口14aの中心を通り、内側噴射口14aの中心に対して垂直な法線である。
第2冷媒噴射部12に設けられた内側噴射口14bは、モータ軸J1を向く向きに対して、周方向において第1冷媒噴射部11が位置する側に傾いて開口する。すなわち、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12は、モータ軸J1を向く向きに対して、周方向において他方の冷媒噴射部が位置する側に傾いて開口する内側噴射口14を有する。第2冷媒噴射部12においてモータ軸J1を向く向きとは、例えば、仮想線IL2に沿って径方向内側を向く向きを含む。仮想線IL2は、軸方向に見て、モータ軸J1と第2冷媒噴射部12の中心点CP2とを通って径方向に延びる仮想線である。中心点CP2は、軸方向に見て、円筒状のパイプである第2冷媒噴射部12の中心に位置する点である。
本実施形態において「内側噴射口14bがモータ軸J1を向く向きに対して周方向において第1冷媒噴射部11が位置する側に傾いて開口する」とは、内側噴射口14bが開口する向きID2に沿って内側噴射口14bからステータ30まで延びる仮想的な線分を規定したとき、当該線分の周方向位置が、ステータ30に近づくほど第1冷媒噴射部11の周方向位置に近づくことを意味する。本実施形態において内側噴射口14bが開口する向きID2は、内側噴射口14bを開口部として有する孔16bが第2冷媒噴射部12を内周面から外周面まで貫通する向きである。
軸方向に見て、中心線CL3と第1冷媒噴射部11の内側噴射口14aとの間の距離L1aは、例えば、中心線CL3と第2冷媒噴射部12の内側噴射口14bとの間の距離L2aと同じである。図5において、距離L1aは、円形状の内側噴射口14aの中心と中心線CL3との前後方向の距離である。図5において、距離L2aは、円形状の内側噴射口14bの中心と中心線CL3との前後方向の距離である。
軸方向に見て、第1冷媒噴射部11の内側噴射口14aが開口する向きID1の鉛直方向に対する傾きθ1aの絶対値と、第2冷媒噴射部12の内側噴射口14bが開口する向きID2の鉛直方向に対する傾きθ2aの絶対値とは、例えば、互いに同じである。
なお、本明細書において「或るパラメータ同士が互いに同じである」とは、或るパラメータ同士が厳密に互いに同じである場合に加えて、或るパラメータ同士が互いに略同じである場合も含む。すなわち、例えば、「距離L1aと距離L2aとが互いに同じである」とは、距離L1aと距離L2aとが互いに略同じである場合も含む。また、例えば、「傾きθ1aの絶対値と傾きθ2aの絶対値とが互いに同じである」とは、傾きθ1aの絶対値と傾きθ2aの絶対値とが互いに略同じである場合も含む。「或るパラメータ同士が互いに略同じである」とは、例えば、公差の範囲内で、或るパラメータ同士が僅かにずれていることを含む。
第1冷媒噴射部11の内側噴射口14aが開口する向きID1と第2冷媒噴射部12の内側噴射口14bが開口する向きID2とは、鉛直方向に対して、互いに周方向の反対側に傾く。第1冷媒噴射部11の内側噴射口14aが開口する向きID1と第2冷媒噴射部12の内側噴射口14bが開口する向きID2とは、各内側噴射口14から第1コイルエンド33aまで延びる仮想的な線分を規定したときに、当該線分が第1コイルエンド33aに近づくに従って互いに周方向に近づく向きである。そのため、内側噴射口14aから噴射されるオイルOと内側噴射口14bから噴射されるオイルOとは、第1コイルエンド33aに近づくに従って互いに周方向に近づく。
なお、以下の説明においては、周方向のうち第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12を基準として中心線CL3に近づく側を「周方向内側」と呼び、周方向のうち第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12を基準として中心線CL3から遠ざかる側を「周方向外側」と呼ぶ。
内側噴射口14a,14bは、周方向内側に傾いた向きに開口する。本実施形態において内側噴射口14aは、鉛直方向真下に対して後側に傾いた向きに開口する。本実施形態において、内側噴射口14bは、鉛直方向真下に対して前側に傾いた向きに開口する。
本実施形態において内側噴射口14aの開口面積と内側噴射口14bの開口面積とは、互いに同じである。すなわち、内側噴射口14aの内径と内側噴射口14bの内径とは、互いに同じである。内側噴射口14a,14bの開口面積は、例えば、第1噴射口13aの開口面積および第2噴射口13bの開口面積と同じである。
内側噴射口14aを開口部として有する孔16aの内径は、例えば、第1冷媒噴射部11の内周面から外周面までの全体に亘って同じである。内側噴射口14bを開口部として有する孔16bの内径は、例えば、第2冷媒噴射部12の内周面から外周面までの全体に亘って同じである。孔16aの内径と孔16bの内径とは、互いに同じである。孔16a,16bの各断面積は、各冷媒噴射部の内周面から外周面までの全体に亘って同じである。
第1冷媒噴射部11に設けられた外側噴射口15aは、モータ軸J1を向く向きに対して、周方向において第2冷媒噴射部12が位置する側と逆側に傾いて開口する。すなわち、外側噴射口15aは、モータ軸J1を向く向きに対して、周方向のうち内側噴射口14aが傾く側と逆側に傾く。
本実施形態において「外側噴射口15aがモータ軸J1を向く向きに対して周方向において第2冷媒噴射部12が位置する側と逆側に傾いて開口する」とは、外側噴射口15aが開口する向きOD1に沿って外側噴射口15aからステータ30まで延びる仮想的な線分を規定したとき、当該線分の周方向位置が、ステータ30に近づくほど第2冷媒噴射部12の周方向位置から遠ざかることを意味する。本実施形態において外側噴射口15aが開口する向きOD1は、外側噴射口15aを開口部として有する孔17aが第1冷媒噴射部11を内周面から外周面まで貫通する向きである。
本実施形態において外側噴射口15aは、鉛直方向に対して傾いた向きに開口する。なお、本実施形態の第1冷媒噴射部11において「モータ軸J1を向く向きに対して、周方向において第2冷媒噴射部12が位置する側と逆側に傾く向き」とは、鉛直方向真下を向く向きを含む。軸方向に見て、外側噴射口15aが開口する向きOD1は、外側噴射口15aを通るステータ30の接線TL1よりも、モータ軸J1を向く向きに対する傾きが小さい。言い換えれば、軸方向に見て、接線TL1と仮想線IL1とが成す角度は、外側噴射口15aが開口する向きOD1と仮想線IL1とが成す角度よりも大きい。
本実施形態において接線TL1は、軸方向に見て、外側噴射口15aの中心を通る接線である。接線TL1は、軸方向に見て、第1コイルエンド33aのうち本体部33cの前側部分の外周面に接する。このように本実施形態において外側噴射口15aが開口する向きOD1は、モータ軸J1を向く向きに対して、鉛直方向よりも周方向外側で、かつ、接線TL1よりも周方向内側に傾く向きである。
第2冷媒噴射部12に設けられた外側噴射口15bは、モータ軸J1を向く向きに対して、周方向において第1冷媒噴射部11が位置する側と逆側に傾いて開口する。すなわち、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12は、モータ軸J1を向く向きに対して、周方向において他方の冷媒噴射部が位置する側と逆側に傾いて開口する外側噴射口15を有する。
本実施形態において「外側噴射口15bがモータ軸J1を向く向きに対して周方向において第1冷媒噴射部11が位置する側と逆側に傾いて開口する」とは、外側噴射口15bが開口する向きOD2に沿って外側噴射口15bからステータ30まで延びる仮想的な線分を規定したとき、当該線分の周方向位置が、ステータ30に近づくほど第1冷媒噴射部11の周方向位置から遠ざかることを意味する。本実施形態において外側噴射口15bが開口する向きOD2は、外側噴射口15bを開口部として有する孔17bが第2冷媒噴射部12を内周面から外周面まで貫通する向きである。
本実施形態において外側噴射口15bは、鉛直方向に対して傾いた向きに開口する。なお、本実施形態の第2冷媒噴射部12において「モータ軸J1を向く向きに対して、周方向において第1冷媒噴射部11が位置する側と逆側に傾く向き」とは、鉛直方向真下を向く向きを含む。軸方向に見て、外側噴射口15bが開口する向きOD2は、外側噴射口15bを通るステータ30の接線TL2よりも、モータ軸J1を向く向きに対する傾きが小さい。言い換えれば、軸方向に見て、接線TL2と仮想線IL2とが成す角度は、外側噴射口15bが開口する向きOD2と仮想線IL2とが成す角度よりも大きい。
本実施形態において接線TL2は、軸方向に見て、外側噴射口15bの中心を通る接線である。接線TL2は、軸方向に見て、第1コイルエンド33aのうち本体部33cの後側部分の外周面に接する。このように本実施形態において外側噴射口15bが開口する向きOD2は、モータ軸J1を向く向きに対して、鉛直方向よりも周方向外側で、かつ、接線TL2よりも周方向内側に傾く向きである。
軸方向に見て、中心線CL3と第1冷媒噴射部11の外側噴射口15aとの間の距離L1bは、例えば、中心線CL3と第2冷媒噴射部12の外側噴射口15bとの間の距離L2bと同じである。図5において、距離L1bは、外側噴射口15aの中心と中心線CL3との前後方向の距離である。図5において、距離L2bは、外側噴射口15bの中心と中心線CL3との前後方向の距離である。
軸方向に見て、第1冷媒噴射部11の外側噴射口15aが開口する向きOD1の鉛直方向に対する傾きθ1bの絶対値と、第2冷媒噴射部12の外側噴射口15bが開口する向きOD2の鉛直方向に対する傾きθ2bの絶対値とは、例えば、互いに同じである。傾きθ1b,θ2bの絶対値は、傾きθ1a,θ2aの絶対値よりも小さい。すなわち、内側噴射口14a,14bは、鉛直方向に対して、外側噴射口15a,15bよりも傾いた向きに開口する。
第1冷媒噴射部11の外側噴射口15aが開口する向きOD1と第2冷媒噴射部12の外側噴射口15bが開口する向きOD2とは、径方向内側に向かうに従って互いに周方向に遠ざかる向きである。そのため、外側噴射口15aから噴射されるオイルOと、外側噴射口15bから噴射されるオイルOとは、第1コイルエンド33aに近づくに従って互いに周方向に離れる。
第1冷媒噴射部11の外側噴射口15aが開口する向きOD1と第2冷媒噴射部12の外側噴射口15bが開口する向きOD2とは、鉛直方向に対して、互いに周方向の反対側に傾く。第1冷媒噴射部11の外側噴射口15aが開口する向きOD1と第2冷媒噴射部12の外側噴射口15bが開口する向きOD2とは、各外側噴射口15から第1コイルエンド33aまで延びる仮想的な線分を規定したときに、当該線分が第1コイルエンド33aに近づくに従って互いに周方向に離れる向きである。そのため、外側噴射口15aから噴射されるオイルOと外側噴射口15bから噴射されるオイルOとは、第1コイルエンド33aに近づくに従って互いに周方向に離れる。
外側噴射口15a,15bは、周方向外側に傾いた向きに開口する。本実施形態において外側噴射口15aは、鉛直方向真下に対して前側に傾いた向きに開口する。本実施形態において、外側噴射口15bは、鉛直方向真下に対して後側に傾いた向きに開口する。
本実施形態において外側噴射口15aの開口面積と外側噴射口15bの開口面積とは、互いに同じである。すなわち、外側噴射口15aの内径と外側噴射口15bの内径とは、互いに同じである。外側噴射口15aを開口部として有する孔17aの内径は、例えば、第1冷媒噴射部11の内周面から外周面までの全体に亘って同じである。外側噴射口15bを開口部として有する孔17bの内径は、例えば、第2冷媒噴射部12の内周面から外周面までの全体に亘って同じである。孔17aの内径と孔17bの内径とは、互いに同じである。孔17a,17bの各断面積は、各冷媒噴射部の内周面から外周面までの全体に亘って同じである。
外側噴射口15a,15bの開口面積は、内側噴射口14a,14bの開口面積よりも大きい。すなわち、外側噴射口15a,15bの内径は、内側噴射口14a,14bの内径よりも大きい。言い換えれば、各外側噴射口15の大きさは、各内側噴射口14の大きさよりも大きい。孔17a,17bの内径は、孔16a,16bの内径よりも大きい。
ここで、本実施形態において、内側噴射口14と外側噴射口15とは、それぞれ合計で4つずつ設けられる。すなわち、内側噴射口14の数と外側噴射口15の数とは、互いに同じである。そのため、外側噴射口15の総開口面積は、内側噴射口14の総開口面積よりも大きい。
なお、本明細書において「或る噴射口の総開口面積」とは、或る噴射口が1つのみ設けられる場合には、1つの或る噴射口の開口面積を意味し、或る噴射口が複数設けられる場合には、複数の或る噴射口の各開口面積を足し合わせた面積を意味する。すなわち、本実施形態において内側噴射口14の総開口面積は、内側噴射口14aの開口面積と内側噴射口14bの開口面積と内側噴射口14cの開口面積と内側噴射口14dの開口面積とを足し合わせた面積である。本実施形態において外側噴射口15の総開口面積は、外側噴射口15aの開口面積と外側噴射口15bの開口面積と外側噴射口15cの開口面積と外側噴射口15dの開口面積とを足し合わせた面積である。
第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12は、上述した各噴射口を介して、ステータ30に向けて冷媒としてのオイルOを噴射する。これにより、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12からステータ30にオイルOを供給でき、ステータ30を冷却できる。より具体的には、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12からステータコア32、第1コイルエンド33a、および第2コイルエンド33bにオイルOを供給して、ステータコア32、第1コイルエンド33a、および第2コイルエンド33bを冷却できる。
第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12からステータ30に供給されたオイルOは、下側に滴下され、モータ収容部61内の下部領域に溜る。モータ収容部61内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁63に設けられた隔壁開口63aを介してギヤ収容部62のオイル溜りPに移動する。以上のようにして、第2の油路92は、オイルOをステータ30に供給する。
図1に示すオイルポンプ96は、冷媒としてのオイルOを送るポンプである。本実施形態においてオイルポンプ96は、電気により駆動する電動ポンプである。オイルポンプ96は、第1の流路92aを介してオイル溜りPからオイルOを吸い上げて、第2の流路92b、クーラー97、第3の流路92c、冷媒供給路94、および第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12との各冷媒噴射部を介して、オイルOをモータ2に供給する。
図1に示すクーラー97は、第2の油路92を通過するオイルOを冷却する。クーラー97には、第2の流路92bおよび第3の流路92cが接続される。第2の流路92bおよび第3の流路92cは、クーラー97の内部流路を介して繋がる。クーラー97には、図示しないラジエータで冷却された冷却水を通過させる冷却水用配管98が接続される。クーラー97の内部を通過するオイルOは、冷却水用配管98を通過する冷却水との間で熱交換されて冷却される。
本実施形態によれば、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12の少なくとも一方が、内側噴射口14を有し、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12は、外側噴射口15をそれぞれ有する。そのため、内側噴射口14によって、ステータ30のうち第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12よりも周方向内側に位置する部分に冷媒としてのオイルOを供給できる。また、外側噴射口15によって、ステータ30のうち第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12よりも周方向外側に位置する部分に冷媒としてのオイルOを供給できる。これにより、ステータ30の全周にオイルOを供給しやすい。したがって、ステータ30の冷却効率を向上できる。
また、例えば、ステータ30のうち第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12よりも周方向外側に位置する部分は、ステータ30のうち第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12よりも周方向内側に位置する部分よりも、周方向の範囲が広くなる。これに対して、本実施形態によれば、外側噴射口15の総開口面積は、内側噴射口14の総開口面積よりも大きい。そのため、外側噴射口15から噴射されるオイルOの単位時間当たりの量を、内側噴射口14から噴射されるオイルOの単位時間当たりの量よりも多くできる。これにより、ステータ30のうち周方向の範囲が広くなる周方向外側の部分に、十分な量のオイルOを供給しやすい。したがって、ステータ30の全周にオイルOをより好適に供給しやすい。そのため、ステータ30の冷却効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12は、ステータ30の鉛直方向上側に位置する。そのため、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12からステータ30に供給されたオイルOを、重力を利用して上側から下側へとステータ30の外周面に沿って流しやすい。これにより、ステータ30の全周にオイルOをより供給しやすい。したがって、ステータ30の冷却効率をより向上できる。なお、本実施形態においてステータ30の外周面は、コイルエンド33の外周面を含む。
また、本実施形態によれば、外側噴射口15は、鉛直方向に対して傾いた向きに開口する。そのため、外側噴射口15が開口する向きを、外側噴射口15を通るステータ30の接線の向きに近づけやすい。これにより、外側噴射口15から噴射されたオイルOがステータ30に供給される際に、ステータ30の外周面に対するオイルOの吹き付け角度を小さくしやすい。したがって、ステータ30の外周面に吹き付けられたオイルOがステータ30の外周面に沿って流れやすくできる。そのため、ステータ30の全周にオイルOをより供給しやすくできる。これにより、ステータ30の冷却効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、軸方向に見て、第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12とは、モータ軸J1を通り鉛直方向に延びる中心線CL3を挟んで配置される。そのため、ステータ30のうち中心線CL3を挟んで両側に位置する部分のそれぞれに対して、各冷媒噴射部の各噴射口から均等にオイルOを供給しやすい。
また、本実施形態によれば、軸方向に見て、中心線CL3と第1冷媒噴射部11の外側噴射口15aとの間の距離L1bは、中心線CL3と第2冷媒噴射部12の外側噴射口15bとの間の距離L2bと同じである。そのため、中心線CL3を挟んで両側に位置するステータ30の周方向外側部分のそれぞれに、外側噴射口15a,15bのそれぞれを介してオイルOを均等に供給しやすい。
また、本実施形態によれば、軸方向に見て、第1冷媒噴射部11の外側噴射口15aが開口する向きOD1の鉛直方向に対する傾きθ1bの絶対値と、第2冷媒噴射部12の外側噴射口15bが開口する向きOD2の鉛直方向に対する傾きθ2bの絶対値とは、互いに同じである。そのため、中心線CL3を挟んで両側に位置するステータ30の周方向外側部分のそれぞれに、外側噴射口15a,15bのそれぞれを介してオイルOをより均等に供給しやすい。
また、本実施形態によれば、軸方向に見て、中心線CL3と第1冷媒噴射部11の内側噴射口14aとの間の距離L1aは、中心線CL3と第2冷媒噴射部12の内側噴射口14bとの間の距離L2aと同じである。そのため、中心線CL3を挟んで両側に位置するステータ30の周方向内側部分のそれぞれに、内側噴射口14a,14bのそれぞれを介してオイルOを均等に供給しやすい。
また、本実施形態によれば、軸方向に見て、第1冷媒噴射部11の内側噴射口14aが開口する向きID1の鉛直方向に対する傾きθ1aの絶対値と、第2冷媒噴射部12の内側噴射口14bが開口する向きID2の鉛直方向に対する傾きθ2aの絶対値とは、互いに同じである。そのため、中心線CL3を挟んで両側に位置するステータ30の周方向内側部分のそれぞれに、内側噴射口14a,14bのそれぞれを介してオイルOをより均等に供給しやすい。
また、本実施形態によれば、軸方向に見て、外側噴射口15が開口する向きは、外側噴射口15を通るステータ30の接線よりも、モータ軸J1を向く向きに対する傾きが小さい。そのため、外側噴射口15から噴射されたオイルOがステータ30の外周面から外れることを抑制できる。これにより、外側噴射口15から噴射されたオイルOをステータ30に好適に供給することができる。
また、本実施形態によれば、各外側噴射口15の大きさは、各内側噴射口14の大きさよりも大きい。そのため、外側噴射口15の数と内側噴射口14の数とを同じにした場合であっても、外側噴射口15の総開口面積を、内側噴射口14の総開口面積よりも大きくできる。これにより、外側噴射口15の数を多くすることなく、外側噴射口15から噴射される単位時間当たりのオイルOの量を、内側噴射口14から噴射される単位時間当たりのオイルOの量よりも多くできる。
また、本実施形態によれば、第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12との少なくとも一方において、内側噴射口14および外側噴射口15は、コイルエンド33に向けて開口する。そのため、コイルエンド33にオイルOを供給して、コイルエンド33を好適に冷却できる。特に、本実施形態では、第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12との両方において、内側噴射口14および外側噴射口15は、コイルエンド33に向けて開口する。そのため、コイルエンド33をより好適に冷却できる。
また、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12がステータ30の鉛直方向上側に位置する場合において、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12が内側噴射口14をそれぞれ有する場合、各冷媒噴射部の内側噴射口14から噴射されたオイルO同士がコイルエンド33の上側部分の外周面上で周方向に衝突する場合がある。この場合、仮に衝突したオイルOが周方向外側にそれぞれ流れるならば、内側噴射口14から噴射されるオイルOの量を増加させることで、コイルエンド33の全周にオイルOを流しやすくすることもできる。しかし、コイルエンド33上で衝突したオイルOは、軸方向に流れて、コイルエンド33上から外れやすい。そのため、単に内側噴射口14のみを設けるだけでは、コイルエンド33に供給されるオイルOが不足しやすい。したがって、本実施形態のように、周方向外側に傾き、かつ、内側噴射口14よりも総開口面積が大きい外側噴射口15を設けることで、コイルエンド33にオイルOを十分に供給しやすくできる。
また、本実施形態によれば、鉛直方向に見て、内側噴射口14および外側噴射口15は、コイルエンド33と重なり、かつ、モータ軸J1の軸方向においてコイルエンド33の中心と同じ位置またはコイルエンド33の中心よりもステータコア32に近い位置に配置される。具体的に本実施形態では、内側噴射口14a,14bおよび外側噴射口15a,15bは、鉛直方向に見て、モータ軸J1の軸方向において第1コイルエンド33aの中心と同じ位置に配置される。そのため、第1コイルエンド33aの軸方向中心線CL1を挟んだ両側部分のそれぞれに好適にオイルOを供給しやすい。これにより、第1コイルエンド33aの軸方向の全体にオイルOを供給しやすい。したがって、ステータ30の冷却効率をより向上できる。
また、内側噴射口14c,14dおよび外側噴射口15c,15dは、鉛直方向に見て、モータ軸J1の軸方向において第2コイルエンド33bの中心よりもステータコア32に近い位置に配置される。そのため、内側噴射口14c,14dおよび外側噴射口15c,15dから第2コイルエンド33bに供給されたオイルOが第2コイルエンド33b上を軸方向に流れる場合であっても、ステータコア32が位置する側と反対側に溢れにくい。また、第2コイルエンド33b上をステータコア32に向けて軸方向に流れたオイルOは、ステータコア32に供給される、またはステータコア32に遮られて第2コイルエンド33bから溢れることが抑制される。そのため、第2コイルエンド33bに供給されたオイルOを、ステータ30を冷却するために無駄なく利用しやすい。したがって、ステータ30の冷却効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、コイルエンド33は、コイル31aを縛る紐部材33eを有する。この場合、紐部材33eによって、コイルエンド33の外周面に凹凸が生じやすい。そのため、周方向外側に傾いた向きに開口する外側噴射口15からコイルエンド33に供給されたオイルOの一部が、紐部材33eに衝突して跳ね、コイルエンド33の外周面に沿って流れない虞がある。これに対して、本実施形態によれば、外側噴射口15の総開口面積が内側噴射口14の総開口面積よりも大きいため、外側噴射口15から噴射されるオイルOの量を比較的多くできる。これにより、オイルOの一部が紐部材33eによって跳ねる場合であっても、コイルエンド33の外周面に沿って流れるオイルOの量を確保しやすい。したがって、ステータ30の冷却効率が低下することを抑制できる。このように、本実施形態において外側噴射口15の総開口面積が内側噴射口14の総開口面積よりも大きいことにより得られる効果は、コイルエンド33が紐部材33eを有する場合に、より有用に得られる。
また、本実施形態によれば、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12は、パイプである。そのため、例えばハウジング6の壁部に孔を設けて第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12を作る場合に比べて、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12を容易に作ることができる。また、第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12をハウジング6から取り外して交換することも容易である。
また、本実施形態によれば、駆動装置1は、第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12との両方に繋がる冷媒供給路94を備える。そのため、冷媒供給路94を介して、第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12とに均等にオイルOを供給しやすい。これにより、第1冷媒噴射部11からステータ30に噴射されるオイルOの量と、第2冷媒噴射部12からステータ30に噴射されるオイルOの量とを、同じにしやすい。したがって、本実施形態のように、第1冷媒噴射部11と第2冷媒噴射部12とを中心線CL3に対して線対称に配置するような場合において、ステータ30の全体に均等にオイルOを供給しやすく、ステータ30全体を冷却しやすい。
(第1実施形態の変形例)
図6に示すように、本変形例の第1冷媒噴射部111および第2冷媒噴射部112は、上述した実施形態の第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12に対して、周方向の位置が前側にずれている。本変形例では、軸方向に見て、中心線CL3と第1冷媒噴射部111の内側噴射口114aとの間の距離L1cは、中心線CL3と第2冷媒噴射部112の内側噴射口114bとの間の距離L2cよりも大きい。軸方向に見て、中心線CL3と第1冷媒噴射部111の外側噴射口115aとの間の距離L1dは、中心線CL3と第2冷媒噴射部112の外側噴射口115bとの間の距離L2dよりも大きい。
軸方向に見て、第1冷媒噴射部111の内側噴射口114aが開口する向きの鉛直方向に対する傾きθ1cの絶対値は、第2冷媒噴射部112の内側噴射口114bが開口する向きの鉛直方向に対する傾きθ2cの絶対値よりも大きい。軸方向に見て、第1冷媒噴射部111の外側噴射口115aが開口する向きの鉛直方向に対する傾きθ1dの絶対値は、第2冷媒噴射部112の外側噴射口115bが開口する向きの鉛直方向に対する傾きθ2dの絶対値よりも小さい。本変形例の第1冷媒噴射部111および第2冷媒噴射部112におけるその他の構成は、上述した実施形態の第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12におけるその他の構成と同様である。
<第2実施形態>
図7に示すように、本実施形態の第1冷媒噴射部211は、第1コイルエンド33aに向けて開口する外側噴射口15を、外側噴射口215aと外側噴射口215eとの2つ有する。外側噴射口215aの軸方向位置と外側噴射口215eの軸方向位置とは、互いに同じである。外側噴射口215aが開口する向きOD1aは、第1実施形態の外側噴射口15aが開口する向きOD1よりも周方向外側に傾いた向きである。外側噴射口215eが開口する向きOD1eは、第1実施形態の外側噴射口15aが開口する向きOD1よりも周方向内側に傾いた向きである。外側噴射口215eが開口する向きOD1eは、例えば、鉛直方向真下を向く向きである。図示は省略するが、第1冷媒噴射部211は、例えば、第2コイルエンド33bに向けて開口する外側噴射口15も2つ有する。すなわち、第1冷媒噴射部211は、合計で4つの外側噴射口15を有する。
本実施形態の第2冷媒噴射部212は、第1コイルエンド33aに向けて開口する外側噴射口15を、外側噴射口215bと外側噴射口215fとの2つ有する。外側噴射口215bの軸方向位置と外側噴射口215fの軸方向位置とは、互いに同じである。外側噴射口215bが開口する向きOD2bは、第1実施形態の外側噴射口15bが開口する向きOD2よりも周方向外側に傾いた向きである。外側噴射口215fが開口する向きOD2fは、第1実施形態の外側噴射口15bが開口する向きOD2よりも周方向内側に傾いた向きである。外側噴射口215fが開口する向きOD2fは、例えば、鉛直方向真下を向く向きである。図示は省略するが、第2冷媒噴射部212は、例えば、第2コイルエンド33bに向けて開口する外側噴射口15も2つ有する。すなわち、第2冷媒噴射部212は、合計で4つの外側噴射口15を有する。
外側噴射口215a,215b,215e,215fの開口面積は、内側噴射口14a,14bの開口面積と同じである。すなわち、外側噴射口215a,215b,215e,215fの内径は、内側噴射口14a,14bの内径と同じである。言い換えれば、本実施形態において各外側噴射口15の大きさは、各内側噴射口14の大きさと同じである。
ここで、本実施形態において外側噴射口15は、第1冷媒噴射部211に設けられた4つの外側噴射口15と、第2冷媒噴射部212に設けられた4つの外側噴射口15と、の合計8つ設けられる。一方、内側噴射口14は、第1実施形態と同様に合計4つ設けられる。すなわち、本実施形態において外側噴射口15の数は、内側噴射口14の数よりも多い。そのため、各外側噴射口15の開口面積が各内側噴射口14の開口面積と同じであっても、外側噴射口15の総開口面積は、内側噴射口14の総開口面積よりも大きい。これにより、上述した第1実施形態と同様に、外側噴射口15から噴射されるオイルOの単位時間当たりの量を、内側噴射口14から噴射されるオイルOの単位時間当たりの量よりも多くできる。
本実施形態の第1冷媒噴射部211および第2冷媒噴射部212におけるその他の構成は、上述した第1実施形態の第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12におけるその他の構成と同様である。
本実施形態によれば、各外側噴射口15の大きさと各内側噴射口14の大きさとが、互いに同じである。そのため、例えば、各噴射口を孔加工によって作る場合に、同じ内径の孔を作ればよい。したがって、各噴射口の作製を容易にできる。
<第3実施形態>
図8に示すように、本実施形態の第1冷媒噴射部311は、内側噴射口14を、第2コイルエンド33bに向けて開口する内側噴射口14cのみ有する。すなわち、本実施形態において第1冷媒噴射部311の内側噴射口14は、第2コイルエンド33bに向けてのみ開口する。本実施形態の第2冷媒噴射部312は、内側噴射口14を、第1コイルエンド33aに向けて開口する内側噴射口14bのみ有する。すなわち、本実施形態において第2冷媒噴射部312の内側噴射口14は、第1コイルエンド33aに向けてのみ開口する。本実施形態の第1冷媒噴射部311および第2冷媒噴射部312におけるその他の構成は、上述した第1実施形態の第1冷媒噴射部11および第2冷媒噴射部12におけるその他の構成と同様である。
本実施形態によれば、第1冷媒噴射部311と第2冷媒噴射部312とには、1つのコイルエンド33に向けて開口する内側噴射口14しか設けられていない。そのため、各冷媒噴射部において内側噴射口14の数を少なくできる。これにより、各冷媒噴射部に設けられた噴射口の総開口面積を小さくできる。したがって、各冷媒噴射部の各噴射口から噴射されるオイルOの勢いが低下することを抑制できる。また、第1冷媒噴射部311と第2冷媒噴射部312とには、それぞれ異なるコイルエンド33に向けて開口する内側噴射口14が設けられる。そのため、第1コイルエンド33aと第2コイルエンド33bとの両方において周方向内側の部分に好適にオイルOを供給できる。
また、例えば、一方の冷媒噴射部に第1コイルエンド33aに向けて開口する内側噴射口14と第2コイルエンド33bに向けて開口する内側噴射口14とが設けられ、他方の冷媒噴射部に内側噴射口14が設けられない場合に比べて、第1冷媒噴射部311における噴射口の総開口面積と第2冷媒噴射部312における噴射口の総開口面積とを同じにしやすい。これにより、各冷媒噴射部の噴射口から噴射されるオイルOの勢いを同程度にしやすい。
また、本実施形態によれば、冷媒供給路94内のオイルOの流れ方向において第1冷媒噴射部311よりも下流側に位置する第2冷媒噴射部312に、第1コイルエンド33aに向けて開口する内側噴射口14bが設けられる。第1コイルエンド33aは、第2コイルエンド33bに比べて、冷媒供給路94からの距離が近い。そのため、冷媒供給路94内から第1冷媒噴射部311内に流入するオイルOよりも後に第2冷媒噴射部312内に流入するオイルOを、冷媒供給路94から比較的近い第1コイルエンド33aに供給することができる。また、冷媒供給路94内から第2冷媒噴射部312内に流入するオイルOよりも前に第1冷媒噴射部311内に流入するオイルOを、冷媒供給路94から比較的遠い第2コイルエンド33bに供給することができる。これにより、冷媒供給路94内に流入してから第1コイルエンド33aに向けて開口する内側噴射口14bまでにオイルOが流れる経路長と、冷媒供給路94内に流入してから第2コイルエンド33bに向けて開口する内側噴射口14cまでにオイルOが流れる経路長とを同程度にしやすい。したがって、各内側噴射口14から各コイルエンド33に噴射されるオイルOの勢いを同程度にしやすい。
なお、第1冷媒噴射部311の内側噴射口14が、第1コイルエンド33aに向けてのみ開口し、第2冷媒噴射部312の内側噴射口14が、第2コイルエンド33bに向けてのみ開口する構成としてもよい。すなわち、第1冷媒噴射部311が第1実施形態の第1冷媒噴射部11に対して内側噴射口14cが設けられない点のみ異なり、かつ、第2冷媒噴射部312が第1実施形態の第2冷媒噴射部12に対して内側噴射口14bが設けられない点のみ異なる構成であってもよい。
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成を採用することもできる。上述した実施形態では、冷媒がオイルOである場合について説明したが、これに限られない。冷媒は、ステータに供給されてステータを冷却できるならば、特に限定されない。冷媒は、例えば、絶縁液であってもよいし、水であってもよい。冷媒が水である場合、ステータの表面に絶縁処理を施してもよい。
第1冷媒噴射部および第2冷媒噴射部がパイプである場合において、各パイプは多角筒状のパイプであってもよい。第1冷媒噴射部および第2冷媒噴射部は、パイプでなくてもよい。第1冷媒噴射部および第2冷媒噴射部は、ハウジングに設けられた油路であってもよい。第1冷媒噴射部および第2冷媒噴射部は、ステータの鉛直方向上側に位置しなくてもよい。第1冷媒噴射部および第2冷媒噴射部の少なくとも一方は、鉛直方向および軸方向の両方と直交する方向においてステータの一方側に位置してもよい。軸方向に見て、第1冷媒噴射部と第2冷媒噴射部とは、モータ軸を通り鉛直方向に延びる中心線に対して、同じ側に設けられてもよい。
第1冷媒噴射部と第2冷媒噴射部との一方は、内側噴射口を有しなくてもよい。例えば、第1冷媒噴射部と第2冷媒噴射部との一方が、第1コイルエンドに向けて開口する内側噴射口と、第2コイルエンドに向けて開口する内側噴射口と、を有し、第1冷媒噴射部と第2冷媒噴射部との他方が、内側噴射口を有しなくてもよい。内側噴射口は、第1コイルエンドと第2コイルエンドとの一方に向けて開口する内側噴射口しか設けられなくてもよい。
外側噴射口の総開口面積が内側噴射口の総開口面積よりも大きいならば、冷媒噴射部ごとの外側噴射口の総開口面積と内側噴射口の総開口面積とは、特に限定されない。例えば、第1冷媒噴射部と第2冷媒噴射部との一方において外側噴射口の総開口面積が内側噴射口の総開口面積以下であっても、第1冷媒噴射部における外側噴射口の総開口面積と第2冷媒噴射部における外側噴射口の総開口面積とを足し合わせた面積が、第1冷媒噴射部における内側噴射口の総開口面積と第2冷媒噴射部における内側噴射口の総開口面積とを足し合わせた面積よりも大きければよい。
軸方向に見て、外側噴射口が開口する向きは、外側噴射口を通るステータの接線と同じ向きであってもよいし、外側噴射口を通るステータの接線よりも、モータ軸を向く向きに対する傾きが大きくてもよい。例えば、上述した第1実施形態において外側噴射口15aは、接線TL1よりも周方向外側に傾いていてもよい。
内側噴射口および外側噴射口は、ステータに冷媒を噴射する噴射口であれば、軸方向の位置は特に限定されない。例えば、上述した第1実施形態において、鉛直方向に見て、内側噴射口14および外側噴射口15は、コイルエンド33と重なり、かつ、モータ軸J1の軸方向においてコイルエンド33の中心よりもステータコアから離れた位置に配置されていてもよい。また、外側噴射口および内側噴射口は、ステータのうちコイルエンド以外の部分に向けて開口してもよい。外側噴射口および内側噴射口は、例えば、ステータコアに向けて開口してもよい。この場合、外側噴射口および内側噴射口は、ステータコアにオイルOを供給する。また、第1冷媒噴射部と第2冷媒噴射部との一方において、内側噴射口および外側噴射口がコイルエンドに向けて開口し、第1冷媒噴射部と第2冷媒噴射部との他方において、内側噴射口および外側噴射口がステータコア等、コイルエンド以外のステータの部分に向けて開口してもよい。
内側噴射口の総数は、1つ以上であれば、特に限定されない。外側噴射口の総数は、2つ以上であれば、特に限定されない。第1冷媒噴射部に設けられる内側噴射口の数と第2冷媒噴射部に設けられる内側噴射口の数とは、互いに異なってもよい。第1冷媒噴射部に設けられる外側噴射口の数と第2冷媒噴射部に設けられる外側噴射口の数とは、互いに異なってもよい。内側噴射口の形状は、特に限定されない。外側噴射口の形状は、特に限定されない。
例えば、上述した第1実施形態において、第1冷媒噴射部11の内側噴射口14aの大きさは、より大きくてもよい。この場合、内側噴射口14aの一部は、第1冷媒噴射部11のうち、軸方向に見て、中心点CP1よりも径方向内側に位置し、かつ、仮想線IL1と重なる部分に設けられてもよい。また、第1冷媒噴射部11の外側噴射口15aの大きさは、より大きくてもよい。この場合、外側噴射口15aの一部は、第1冷媒噴射部11のうち、軸方向に見て、中心点CP1よりも径方向内側に位置し、かつ、仮想線IL1と重なる部分に設けられてもよい。これらは、上述した第1実施形態の第2冷媒噴射部12における内側噴射口14bおよび外側噴射口15bにおいても、同様である。
第1冷媒噴射部と第2冷媒噴射部とを繋ぐ冷媒供給路は、どのような形状であってもよいし、どのような位置に設けられてもよい。第1冷媒噴射部と第2冷媒噴射部とには、別々の油路からオイルOが供給されてもよい。コイルエンドは、コイルを縛る紐部材を有しなくてもよい。
駆動装置は、モータを動力源として対象となる物体を動かすことができる装置であれば、特に限定されない。駆動装置は、伝達機構を備えなくてもよい。モータのトルクがモータのシャフトから直接対象に出力されてもよい。この場合、駆動装置は、モータそのものに相当する。モータ軸が延びる方向は、鉛直方向と交差するならば、特に限定されない。モータ軸は、水平方向に対して傾いた方向に延びてもよい。なお、本明細書において「モータ軸が鉛直方向と直交する水平方向に延びる」とは、モータ軸が厳密に水平方向に延びる場合に加えて、モータ軸が略水平方向に延びる場合も含む。すなわち、本明細書において「モータ軸が鉛直方向と直交する水平方向に延びる」とは、モータ軸が水平方向に対して僅かに傾いていてもよい。また、上述した実施形態では、駆動装置がインバータユニットを含まない場合について説明したが、これに限られない。駆動装置は、インバータユニットを含んでいてもよい。言い換えると、駆動装置がインバータユニットと一体構造となっていてもよい。
駆動装置の用途は、特に限定されない。駆動装置は、車両に搭載されなくてもよい。本明細書において説明した構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。