JP2021125544A - 半導体チップ集積装置の製造方法、半導体チップ集積装置および半導体チップ集積装置集合体 - Google Patents
半導体チップ集積装置の製造方法、半導体チップ集積装置および半導体チップ集積装置集合体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】マイクロLEDディスプレイをはじめとする各種の半導体チップ集積装置を低コストで製造することができ、しかもパネル式マイクロLEDディスプレイを連結する際、パネル接合部が目立たない半導体チップ集積装置を提供する。【解決手段】半導体チップ集積装置は、一方の主面に下部電極420を有し、側面に上下に通じる複数の側面電極414を有し、下部電極420の配線部420aと少なくとも一つの側面電極414とが互いに電気的に接続されている実装基板410を有する。下部電極420上のチップ結合部421に上面および下面に第1電極および第2電極を有し、第2電極側が第1電極側に比べてより強く磁場に引き寄せられる複数の半導体チップ40を第2電極を下にしてランダム配置で結合させる。半導体チップ40の上層に幹線部と単一または複数の支線部とを有する上部電極を形成し、支線部を半導体チップ40の第1電極と接続する。【選択図】図8
Description
この発明は、半導体チップ集積装置の製造方法、半導体チップ集積装置および半導体チップ集積装置集合体に関し、例えば、微小化した垂直型(あるいは縦型)GaN系マイクロ発光ダイオード(LED)チップを実装基板上に多数集積したマイクロLEDディスプレイパネルに適用して好適なものである。
現在、薄型テレビやスマートフォンなどの表示装置(ディスプレイ)の主流は、液晶ディスプレイ(LCD)および有機ELディスプレイ(OLED)である。このうちLCDの場合、画素の微細化に伴い、出力される光量はバックライトの光量の10分の1程度である。OLEDも、理論上の電力効率は高いが、実際の製品はLCDと同等の水準に留まっている。
LCDおよびOLEDを遥かに凌ぐ高輝度、高効率(低消費電力)のディスプレイとしてマイクロLEDディスプレイが注目されている。直接発光のマイクロLEDディスプレイは高効率であるが、マイクロLEDディスプレイの実現のためには、数μmから数十μmオーダーのサイズのマイクロLEDチップを実装基板上に数千万個配列させる必要がある。
このように大量のマイクロLEDチップを実装基板上に配列させる方法として従来、チップソーターを用いる方法、マルチチップ転写装置を用いる方法(特許文献1、2参照)、ロール工程を利用したマルチチップ転写方法(非特許文献1参照)、レーザ照射によるチップ吐出と液体を利用したチップ配列方法(特許文献3参照)、磁性体膜を利用した素子(チップ)の配列方法(特許文献4、5参照)などが提案されている。
チップソーターを用いる方法では、チップをAの位置からBの位置へ移動させるタイプのものは、Aのチップが予めある程度整列されている必要があり、転写の際、チップの位置確認などで時間を要し、1チップ当たりの転写速度は100〜400msecが限界である。また、この方法では真空吸着式のヘッドを用いるのが一般的であり、扱えるチップの最小サイズは〜100μm□程度である。製造に要する時間と扱えるチップサイズの限界から、チップサイズ100μm□以下で、画素数が数百万のマイクロLEDディスプレイの製造には不向きである。
特許文献1、2記載のマルチチップ転写装置では一度に大量のチップ転写を行うため、製造速度はチップソーターに比べて数百〜数千倍速くできるが、転写前のチップは高精度で整列されている必要がある。このために、チップを基板から切り離せるように、基板側に高度な加工を施している。しかし、この基板加工には特別な技術が必要となり、低コスト化の障害になる。
非特許文献1記載のマルチチップ転写方法でも、チップはロールに付着する前に整列している必要がある。しかし、極微小のチップを一定の間隔で整列させることがより困難で重要な技術であるため、ロール工程技術のみでは問題の解決になっていない。
特許文献3記載のチップ配列方法では、レーザ照射により1画素領域にチップを供給し、チップは液体により所定の位置に結合する方法が開示されているが、レーザ照射前のチップは整列している必要がある。また、高価なレーザ照射装置と、レーザ照射によるチップ吐出が可能なように基板(チップ)の加工が必要であり、低コスト化の障害になると考えられる。
特許文献4記載の素子の配列方法は、基板上の素子の配列位置および素子の底部に磁性体膜を形成し、基板上に素子を多数散乱させて素子の底部の磁性体膜を素子の配列位置の磁性体膜に磁力で付着させることにより基板上に素子を配列する。この方法は、転写前の素子、すなわちチップの整列を前提としない技術である。しかし、マイクロLEDディスプレイにおける素子の占有面積は1%以下(0.01%〜0.1%程度)であり、ランダム散布された1素子が所望の位置に到達する確率は1%以下である。そのため、ランダム散布では、大量のチップが必要になる。磁性体膜を厚さ数μmと厚く成膜し、有効磁場の到達範囲を広げると素子の配列位置への結合確率は増大するが、基板の製造コストの増大を招く。
特許文献5記載の素子の配列方法は、p型半導体層上にp側電極層を形成し、その上に強磁性体層を形成し、n型半導体層上にn側電極層を形成し、その上に反磁性体層を形成し、強磁性体層に磁場を印加して強磁性体層を飽和磁化(自発磁化)させたLED素子が溶媒中に分散された素子分散溶液を作製し、LED素子を一つ含有する液滴として、実装基板の基板電極上に滴下し、実装基板の裏面側に磁場発生手段を設置し、この磁場発生手段により、基板電極の上方に保持されるLED素子に磁場を印加することで、飽和磁化した強磁性体層を下方に強く引き寄せ、最終的に強磁性体層を基板電極に接触させ、液滴の溶媒を蒸発させ、実装基板を加熱してLED素子を基板電極に融着させる。しかし、この方法は、特許文献4記載の素子の配列方法と同様な問題がある。また、特許文献5には、素子の分散溶液をディスペンサやインクジェットヘッド等の液滴吐出装置により滴下することも記載されており、その際、液滴に含まれる1回の吐出によるLED素子の数は1個であることが望ましいという旨記載されている。しかし実用上、数万〜数百万回の滴下作業において、一回の滴下時に液滴から1個のLED素子を再現性良く滴下することは容易ではなく、統計的にLED素子が存在しない箇所や複数個滴下される箇所が生じる。LED素子が存在しない箇所は不良となるため再度滴下作業が必要となる。LED素子が複数個ある箇所は必要以上にLED素子が使用されることとなり、いずれの場合も製造コストの上昇を招く。
一方、大画面のディスプレイを製造するためにマイクロLEDディスプレイパネルを複数連結する際、画素サイズが小さくなるとパネルの連結部分における電極接続の空間が狭くなり、電極連結の難易度が高くなる結果、パネル接合部も目立つようになる。一般的に使われているPCB基板に貫通穴を開け、上下に貫通する電極を形成する際も、貫通穴の直径は一般的に100μm程度必要であるが、貫通穴の直径が小さくなるほど製造費用も高額になる。画素サイズが数mmの大きさまでは、PCB基板にドリルで貫通穴を開け、基板上下に貫通する電極を形成することは可能であり、実際に製造されている。しかし、画素サイズが数百μmサイズになると、ドリルでの基板貫通は空間的に難しく、加工費用も莫大になる。安価なガラス基板や耐熱プラスチック基板などに半導体工程(成膜、リソグラフィーなど)によって電極の層構造を形成すれば、貫通穴の数は減らせるが、パネル式にした場合、隣のパネルとの電極の接続や駆動回路との接続が課題となる。すなわち、如何にしてつなぎ目を目立たなくするかが課題になる。ディスプレイが高精細になるほど、例えば画素サイズが300μm以下、サブピクセルサイズが100μm以下になるとパネル間のつなぎ目を目立たなくすることが難しくなる。LEDディスプレイにおいてこれまでその課題を解決する有効な方法は提案されていない。
[平成30年11月26日検索]、インターネット〈URL:http://japan.hellodd.com/news/news_view.asp?t=dd _jp_news&mark=4258〉
上述のように、これまで、マイクロLEDディスプレイを低コストで実現することや、パネル式マイクロLEDディスプレイのパネル接合部が目立たなくなるようにすることは困難であった。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、マイクロLEDディスプレイをはじめとする各種の半導体チップ集積装置を低コストで製造することができ、しかもパネル式マイクロLEDディスプレイを連結する際、パネル接合部が目立たなくなるようにすることができる半導体チップ集積装置の製造方法およびそのような半導体チップ集積装置ならびに複数の半導体チップ集積装置を含む半導体チップ集積装置集合体を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明は、
上面および下面に第1電極および第2電極を有し、上記第2電極側が上記第1電極側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成されている複数の半導体チップと液体とを含有する液滴状の半導体チップインクを、一方の主面に下部電極を有し、かつ側面に上下に通じる複数の側面電極を有し、上記下部電極の配線部と少なくとも一つの上記側面電極とが互いに電気的に接続されている実装基板の上記下部電極上に設けられたチップ結合部に供給する工程と、
上記半導体チップインクを乾燥させ、上記半導体チップを、上記第2電極側を上記チップ結合部に向けて上記チップ結合部にランダム配置で結合し、上記第2電極と上記下部電極とを互いに電気的に接続する工程と、
上記複数の半導体チップの上層として、幹線部と当該幹線部から分岐した単一または複数の支線部とを有する上部電極を少なくとも一つの上記半導体チップの上記第1電極と上記上部電極の上記支線部とが互いに電気的に接続され、かつ上記下部電極の上記配線部と接続された上記側面電極と異なる他の少なくとも一つの上記側面電極と上記幹線部とが互いに電気的に接続されるように形成する工程と、
を有する半導体チップ集積装置の製造方法である。
上面および下面に第1電極および第2電極を有し、上記第2電極側が上記第1電極側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成されている複数の半導体チップと液体とを含有する液滴状の半導体チップインクを、一方の主面に下部電極を有し、かつ側面に上下に通じる複数の側面電極を有し、上記下部電極の配線部と少なくとも一つの上記側面電極とが互いに電気的に接続されている実装基板の上記下部電極上に設けられたチップ結合部に供給する工程と、
上記半導体チップインクを乾燥させ、上記半導体チップを、上記第2電極側を上記チップ結合部に向けて上記チップ結合部にランダム配置で結合し、上記第2電極と上記下部電極とを互いに電気的に接続する工程と、
上記複数の半導体チップの上層として、幹線部と当該幹線部から分岐した単一または複数の支線部とを有する上部電極を少なくとも一つの上記半導体チップの上記第1電極と上記上部電極の上記支線部とが互いに電気的に接続され、かつ上記下部電極の上記配線部と接続された上記側面電極と異なる他の少なくとも一つの上記側面電極と上記幹線部とが互いに電気的に接続されるように形成する工程と、
を有する半導体チップ集積装置の製造方法である。
半導体チップインクの詳細は後述する。ただし、ここでは、半導体チップインクは、ツェナーダイオードおよび/または複数の低融点金属粒子を含有しなくてもよいし、含有してもよい。実装基板のチップ結合部に半導体チップインクを供給する方法は特に限定されず、必要に応じて選ばれる。チップ結合部に供給される液滴状の半導体チップインクの形態は半導体チップインクのチップ結合部に対する濡れ性などにより変化し、曲率が大きく球状の液滴から曲率が小さく平坦な液滴まで様々な形態を取りうる。典型的には、ノズルの先端から半導体チップインクをチップ結合部に吐出する。好適には、インクジェットプリンティング方式によりノズルの先端から半導体チップインクをチップ結合部に吐出する。この場合、吐出する半導体チップインクの量は、一つのチップ結合部当たり複数(例えば2〜100個)の半導体チップを含む量であればよく、必要に応じて選ばれる。実装基板のチップ結合部に供給された半導体チップインクは、加熱などによる強制乾燥または自然乾燥により液体成分が除去される。供給された半導体チップインク中に含まれていた半導体チップは、後述する方法により、第2電極側をチップ結合部に向けてチップ結合部と接触する。チップ結合部は、好適には、平坦(チップ結合部がチップ結合部の周辺と同一面上にあると言い換えることもできる)あるいはチップ結合部の周辺に対して上面が平坦な凸部からなる。こうすることで、チップ結合部に液滴状の半導体チップインクを供給しやすくする。
半導体チップは、少なくとも上面および下面に第1電極および第2電極を有するが、そのほかに一つまたは複数の電極を有することもある。実装基板のチップ結合部は、強磁性材料を含む場合と含まない場合とがある。チップ結合部が強磁性材料を含む場合は、第2電極側をチップ結合部に向けて磁力により接触させる。一方、チップ結合部が強磁性材料を含まない場合は、チップ結合部に液滴状の半導体チップインクを供給した後、外部磁場を印加することによりチップ結合部に半導体チップインク中の半導体チップを第2電極側をチップ結合部に向けて結合させる。半導体チップの第2電極と下部電極との電気的接続は、例えば、第2電極上または下部電極のチップ結合部上に予め低融点金属(例えば、半田や低融点金属粒子など)を形成しておき、半導体チップを第2電極側をチップ結合部に向けて結合させた後に低融点金属を加熱溶融する。こうすることで、半導体チップの第2電極と下部電極とが互いに電気的および機械的に結合する。
典型的な例では、半導体チップの第2電極に強磁性材料を含む。例えば、第2電極が積層膜からなり、この積層膜を構成する少なくとも一層の膜が強磁性材料からなる。あるいは、第1電極および第2電極が強磁性材料を含まず、第2電極の近傍に強磁性材料が設けられてもよい。具体的には、例えば、第2電極の一部、例えば外周部の上に強磁性材料からなる膜が設けられる。強磁性材料は特に限定されないが、好適には、軟磁性体が用いられる。軟磁性体は、保磁力が小さく透磁率が大きい材料であり、磁場の影響下では強く磁化されるが、磁場が存在しない場合は磁力を持たない性質を有する。軟磁性体は、例えば、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、パーマロイ(Fe−78.5Ni合金)、スーパーマロイ(Fe−79Ni−5Mo合金)、センダスト(Fe−10Si−5Al合金)、Fe−4%Si合金、SUS410L、パーメンジュール(Fe−50Co合金)、ソフトフェライト(50Mn−50Zn)、アモルファス磁性合金(Fe−8B−6C合金)などであるが、これに限定されるものではない。
半導体チップは、基本的にはどのようなものであってもよいが、例えば、発光素子、受光素子、トランジスタ、イメージセンサー、半導体太陽電池、半導体集積回路装置、半導体センサーなどのチップである。発光素子は、発光ダイオード(LED)のほか、レーザダイオード(LD)(特に垂直共振器面発光レーザー(VCSEL))や有機EL素子なども含む。発光素子は、AlGaInN系半導体発光素子やAlGaInP系半導体発光素子などであるが、これに限定されるものではない。AlGaInN系半導体発光素子は、青紫、青色から緑色の波長帯(波長390nm〜550nm)の発光を得る場合に使用され、AlGaInP系半導体発光素子は、赤色の波長帯(波長600nm〜650nm)の発光を得る場合に使用される。発光素子は、発光層を挟んだ上下方向に第1電極および第2電極としてp側電極およびn側電極を有する垂直型(縦型)発光素子と言い換えることもできる。半導体チップは、一つの典型的な例では、上面および下面にp側電極およびn側電極を有し、p側電極側およびn側電極側のうちの一方が他方に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成された発光素子チップである。受光素子は、典型的にはフォトダイオードであり、材料はシリコン、化合物半導体などであるが、これに限定されるものではない。トランジスタは、基本的にはどのようなものであってもよいが、例えば、縦型MOSFET(薄膜トランジスタを含む)、バックゲート型MOSFET(薄膜トランジスタを含む)、縦型バイポーラトランジスタ、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、静電誘導トランジスタ(SIT)などである。イメージセンサーは、例えば、CCDイメージセンサー、MOSイメージセンサーなどであるが、これに限定されるものではない。半導体太陽電池は、典型的には、シリコン、化合物半導体などを用いたものであるが、これに限定されるものではない。半導体集積回路装置はIC、LSI、VLSI、ULSIなどであり、シリコン、化合物半導体などを用いたものであるが、これに限定されるものではない。この場合、例えば半導体チップの裏面に形成されるバックメタルを第1電極または第2電極として用いることができる。半導体センサーは、センシングの対象に応じて材料などが選択されるが、例えばシリコンや化合物半導体などを用いたものである。
半導体チップのチップサイズは必要に応じて選ばれるが、一般的には20μm×20μm以下、あるいは10μm×10μm以下に選ばれ、一般的には0.1μm(100nm)×0.1μm(100nm)以上、あるいは0.5μm(500nm)×0.5μm(500nm)以上であるが、これに限定されるものではなく、0.1μm(100nm)×0.1μm(100nm)未満であってもよい。また、半導体チップの厚さも必要に応じて選ばれるが、一般的には10μm以下、好適には5μm以下であり、1μm以下であってもよい。特に、半導体チップが発光素子チップである場合には、発光素子チップは、基板上に発光素子を構成する半導体層の結晶成長を行った後、基板を半導体層から分離したものであることが望ましく、厚さは例えば10μm以下であることが望ましい。半導体チップは、好適には、チップ面に垂直な軸に関し回転対称性を有し、例えば、円形、正方形、正六角形、正八角形などであり、この場合、半導体チップは全体としてそれぞれ円柱、正四角柱、正六角柱、正八角柱などであるが、これに限定されるものではない。半導体チップは、半円錐(円錐の頂部を切除したもの)や半多角錘(多角錐の上部を切除したもの)などであってもよい。特に、半導体チップが円柱状である場合、半導体チップは、好適には直径10μm以下、厚さ10μm以下である。
実装基板は、特に限定されないが、例えば、Si基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板、樹脂フィルム、プリント基板などである。実装基板の一方の主面に設けられる下部電極上に複数のチップ結合部が設けられる。このチップ結合部の配列パターン、大きさ、平面形状、間隔などは、半導体チップ集積装置の用途、実装する半導体チップなどに応じて適宜選択される。実装基板のチップ結合部の配列パターンの一例を挙げると、チップ結合部が二次元アレイ状に設けられる。この場合、二次元アレイ状に設けられたそれぞれのチップ結合部に複数の半導体チップが結合する。下部電極は、複数のチップ結合部に結合した半導体チップ間を電気的に接続するための配線となる。下部電極は、所定のパターン、配置、間隔で設けられる。チップ結合部の大きさおよび平面形状は、実装する半導体チップの大きさおよび平面形状に応じて、複数の半導体チップが結合することができるように適宜選択される。チップ結合部、従って半導体チップの間隔、個数などは、半導体チップ集積装置に要求される機能などに応じて適宜選択される。チップ結合部が強磁性材料を含む場合、チップ結合部の面積をS、半導体チップのチップ面積あるいはチップ結合部に結合する第2電極の面積をsとしたとき、一般的にはS≦1000sが成立する。チップ結合部が強磁性材料を含まない場合は、一般的にはSはsの10倍以上、すなわち10s≦Sに選ばれ、典型的には10s≦S≦1000sが成立する。チップ結合部が強磁性材料を含まない場合は、半導体チップインクの広がりに対して半導体チップが結合することができる面積をある程度以上確保する必要があることに加えて、第2電極が確実にチップ結合部に結合することができるようにするため、10s≦Sとした。一方、Sは大きすぎても配線などのデバイス設計に支障が生じるため、S≦1000sが妥当である。チップ結合部の構成は必要に応じて選ばれる。例えば、チップ結合部は積層膜からなり、この積層膜を構成する少なくとも一層の膜が強磁性材料からなる。チップ結合部に強磁性材料が含まれる場合、その強磁性材料は特に限定されないが、好適には、保磁力が大きい硬磁性体である。硬磁性体は、磁場を取り去っても保磁力を有する性質を有し、永久磁石として用いられる。硬磁性体は、例えば、ネオジム鉄ボロン(Nd−Fe−B)磁石、コバルト白金(Co−Pt)系磁石(Co−Pt磁石、Co−Cr−Pt磁石など)、サマリウムコバルト(Sm−Co)磁石、サマリウム鉄窒素(Sm−Fe−N)磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石などであるが、これに限定されるものではない。また、マグネタイト(Fe3 O4 )などのフェリ磁性を持つ物質でもよい。チップ結合部に含まれる強磁性材料、取り分け硬磁性体は、例えば、これらの粉末に樹脂を混合させた形態のものであってもよい。チップ結合部を構成する強磁性材料の磁化の向きは特に限定されず、任意の向きであってよいが、例えば、実装基板の一方の主面に垂直である。
複数の半導体チップの上層として形成する上部電極は、一つのチップ結合部に対し、このチップ結合部に跨がるように、好適にはこのチップ結合部の領域のほぼ全域に亘って延在した単一または複数の支線部を有する。この単一または複数の支線部は、典型的には、チップ結合部の領域の80%以上を覆う。上部電極が複数の支線部を有する場合、各支線部の幅は5〜100μm、支線部の間の隙間の幅は1〜5μm、支線部の本数は3〜10本である。これらの数値は、チップ結合部に結合した複数の半導体チップを含む一つの回路ユニットあるいは画素の大きさ、チップ結合部の領域の面積や形状、チップサイズなどに合わせて適宜設計可能である。典型的には、単一または複数の支線部は幹線部に対して垂直に設けられ、複数の支線部は互いに平行に設けられるが、これに限定されるものではない。単一の支線部または複数の支線部のそれぞれは、一般的には、チップ結合部にランダム配置で結合した複数の半導体チップのうちの少なくとも一つ、典型的には二つ以上の半導体チップのそれぞれの第1電極と電気的に接続されるが、支線部が複数ある場合はどの半導体チップの第1電極とも電気的に接続されていない支線部が含まれることもある。支線部が単一の場合、この支線部と第1電極との接続を確実に行うため、好適には、この支線部の面積は第1電極の面積の10倍以上に選ばれる。幹線部は、典型的には、複数のチップ結合部に沿って延在して設けられる。
下部電極と上部電極の支線部との間には、少なくとも一つの半導体チップがその第2電極が下部電極に接続され、その第1電極が支線部に接続されて設けられるが、必要に応じて、一つまたは複数のツェナーダイオードが逆バイアスが印加されるように下部電極と上部電極の支線部との間に接続される。このツェナーダイオードは、p型層とn型層とからなるpn接合を有し、上面および下面にp側電極およびn側電極を有し、p側電極側およびn側電極側のうちの一方が他方に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成されている。このように下部電極と上部電極の支線部との間にツェナーダイオードが逆バイアスが印加されるように接続されることにより、何らかの理由により下部電極と上部電極との間にサージ電圧などが印加されても、ツェナーダイオードを通して電流を逃がすことができるため、半導体チップの静電破壊(ESD)を効果的に防止することができる。典型的な一つの例では、半導体チップが、上面および下面にp側電極およびn側電極を有し、p側電極側およびn側電極側のうちの一方が他方に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成された発光素子チップおよびツェナーダイオードであり、この発光素子チップは順方向に接続され、このツェナーダイオードはこの発光素子チップに対して逆バイアスになるように接続される。あるいは、半導体チップが、上面および下面にp側電極およびn側電極を有し、p側電極側およびn側電極側のうちの一方が他方に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成された第1発光素子チップと、上面および下面にp側電極およびn側電極を有し、p側電極側およびn側電極側のうちの第1発光素子チップと反対側がより強く磁場に引き寄せられるように構成された第2発光素子チップとを含み、第1発光素子チップは順方向に接続され、第2発光素子チップは第1発光素子チップに対して逆バイアスになるように接続される。この場合、第2発光素子チップは上記のツェナーダイオードと同様の役割を果たす。
半導体チップインクが含有する液体は、使用する半導体チップを分散させることができる限り特に限定されず、極性溶媒であっても無極性溶媒であってもよく、必要に応じて選ばれる。極性溶媒は、極性非プロトン性溶媒であってもプロトン性溶媒であってもよい。あるいは、この液体は、水であっても非水溶媒(水を除く二種類以上の溶媒の混合物、水と水を除く二種類以上の溶媒との混合物を含む)であってもよく、非水溶媒は不活性溶媒であっても活性溶媒であってもよい。不活性溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、四塩化炭素、アセトニトリルなどである。活性溶媒は、両性溶媒であっても酸性溶媒であっても塩基性溶媒であってもよいが、両性溶媒が望ましい。両性溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、ホルムアミド、アセトアミドなどである。半導体チップインク中の半導体チップの濃度は必要に応じて選ばれるが、典型的には、半導体チップが液体中に100ピコリットルの体積中に10〜10000個存在するように分散されている。半導体チップインク中の半導体チップの体積分率は必要に応じて選ばれるが、典型的には30%以下である。半導体チップインクの粘度は必要に応じて選ばれるが、例えば0.001〜100Pa・sの範囲である。上記のように、半導体チップが、発光素子チップおよびツェナーダイオードを含む場合には、半導体チップインクに、複数の発光素子チップと液体とに加えて複数のツェナーダイオードを含有させる。この場合、半導体チップインク中の発光素子チップとツェナーダイオードとの割合は、例えば10:1〜1000:1の範囲に選ばれる。あるいは、半導体チップが、第1発光素子チップおよび第2発光素子チップを含む場合には、半導体チップインクに、複数の第1発光素子チップと液体とに加えて複数の第2発光素子チップを含有させる。この場合も、半導体チップインク中の第1発光素子チップと第2発光素子チップとの割合は、例えば10:1〜1000:1の範囲に選ばれる。半導体チップインクには、必要に応じて、複数の低融点金属粒子、フィラー、界面活性剤などを含有させてもよい。半導体チップインクが複数の低融点金属粒子を含有する場合、チップ結合部に半導体チップの第2電極側を結合するときに予めチップ結合部上に低融点金属を形成しておかないでも、半導体チップインクをチップ結合部に供給する際に半導体チップに加えて低融点金属粒子もチップ結合部に付着させることができるため、事前に低融点金属を形成しておく必要がなく、製造工程の簡略化を図ることができる。フィラーは、半導体チップインクの液体に分散させることができる限り、材質、形状、大きさなどは特に限定されず、必要に応じて選ばれる。例えば、フィラーの材質はシリコーン樹脂等の各種の樹脂である。フィラーの形状は球、楕円体など、大きさは半導体チップの大きさなどに応じて選択され、平均粒径は1〜10μm程度である。半導体チップインクにフィラーを含有させることにより、次のような種々の利点を得ることができる。すなわち、液体中に半導体チップを容易に均一に分散させることができるだけでなく、均一な分散状態を保ちやすくする。また、半導体チップインクの単位容積当たりのフィラーおよび半導体チップの濃度を調整することにより、半導体チップインクをノズルによる吐出などにより一回供給する際に液滴中の半導体チップの個数を調節することが容易になる。また、フィラーは、半導体チップインク中での半導体チップ同士の衝突による破損を防ぐ緩衝材としての役割を果たすことができる。さらに、フィラーは潤滑剤の役割も果たすことができるため、例えばインクジェットプリンティング方式を用いて半導体チップインクを供給する場合にノズルの吐出口の詰まりを防止することができる。界面活性剤は、液体中に半導体チップを容易に均一に分散させることができるだけでなく、均一な分散状態を保ちやすくする役割も果たすことができる。界面活性剤は特に限定されず、必要に応じて選ばれ、例えばC17H35COONaなどのアニオン界面活性剤、例えばC12H25N(CH3 )3 Clなどのカチオン界面活性剤、例えばC12H25NHCH2 CH2 SO3 Naなどの両性界面活性剤、例えばC9 H19(C6 H4 )(OCH2 CH2 )6 OHなどの非イオン界面活性剤のいずれであってもよい。
半導体チップ集積装置は、基本的にはどのようなものであってもよく、半導体チップの種類に応じて適宜設計される。半導体チップ集積装置は、一種類の半導体チップを集積したものだけでなく、二種類以上の半導体チップを集積したものであってもよい。半導体チップが発光素子チップである場合、発光素子チップ集積装置は、例えば、発光ダイオード照明装置、発光ダイオードバックライト、発光ダイオードディスプレイパネルなどであるが、これに限定されるものではない。半導体チップ集積装置の大きさ、平面形状などは、半導体チップ集積装置の用途、半導体チップ集積装置に要求される機能などに応じて適宜選択される。
また、この発明は、
一方の主面に下部電極を有し、かつ側面に上下に通じる複数の側面電極を有し、上記下部電極の配線部と少なくとも一つの上記側面電極とが互いに電気的に接続されている実装基板と、
上記下部電極上に設けられたチップ結合部と、
上記チップ結合部にランダム配置で結合した、上面および下面に第1電極および第2電極を有し、上記第2電極側が上記第1電極側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成された複数の半導体チップと、
上記複数の半導体チップの上層の、幹線部と当該幹線部から分岐した単一または複数の支線部とを有し、上記下部電極の上記配線部と接続された上記側面電極と異なる他の少なくとも一つの上記側面電極と上記幹線部とが互いに電気的に接続されている上部電極とを有し、
上記半導体チップは、上記第2電極側を上記チップ結合部に向けて上記チップ結合部に結合し、上記第2電極と上記下部電極とが互いに電気的に接続され、少なくとも一つの上記半導体チップの上記第1電極と上記上部電極の上記支線部とが互いに電気的に接続されている半導体チップ集積装置である。
一方の主面に下部電極を有し、かつ側面に上下に通じる複数の側面電極を有し、上記下部電極の配線部と少なくとも一つの上記側面電極とが互いに電気的に接続されている実装基板と、
上記下部電極上に設けられたチップ結合部と、
上記チップ結合部にランダム配置で結合した、上面および下面に第1電極および第2電極を有し、上記第2電極側が上記第1電極側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成された複数の半導体チップと、
上記複数の半導体チップの上層の、幹線部と当該幹線部から分岐した単一または複数の支線部とを有し、上記下部電極の上記配線部と接続された上記側面電極と異なる他の少なくとも一つの上記側面電極と上記幹線部とが互いに電気的に接続されている上部電極とを有し、
上記半導体チップは、上記第2電極側を上記チップ結合部に向けて上記チップ結合部に結合し、上記第2電極と上記下部電極とが互いに電気的に接続され、少なくとも一つの上記半導体チップの上記第1電極と上記上部電極の上記支線部とが互いに電気的に接続されている半導体チップ集積装置である。
この半導体チップ集積装置の発明においては、特にその性質に反しない限り、上記の半導体チップ集積装置の製造方法の発明に関連して説明したことが成立する。
この半導体チップ集積装置を回路基板の一方の主面上に互いに隣接して、あるいは互いに連結して、複数搭載することにより半導体チップ集積装置集合体を容易に実現することができる。この半導体チップ集積装置集合体では、半導体チップ集積装置の実装基板の側面電極が回路基板に設けられた貫通電極と電気的に接続され、その貫通電極が回路基板の他方の主面に設けられた回路と電気的に接続される。例えば、半導体チップ集積装置が発光ダイオードディスプレイパネルである場合には、この半導体チップ集積装置集合体により、複数の発光ダイオードディスプレイパネルが配列した大面積の発光ダイオードディスプレイパネルを容易に実現することができる。また、半導体チップ集積装置が発光ダイオード照明装置または発光ダイオードバックライトである場合には、この半導体チップ集積装置集合体により、複数の発光ダイオード照明装置または発光ダイオードバックライトが配列した大面積の発光ダイオード照明装置または発光ダイオードバックライトを容易に実現することができる。
この発明によれば、実装基板が、一方の主面に下部電極を有し、かつ側面に上下に通じる複数の側面電極を有し、下部電極の配線部と少なくとも一つの側面電極とが互いに電気的に接続されているものであるため、例えば、複数の半導体チップ集積装置を回路基板の一方の主面上に互いに隣接して複数搭載することにより半導体チップ集積装置集合体を容易に実現することができる。このため、例えば、半導体チップ集積装置が発光ダイオードディスプレイパネルである場合には、パネル接合部が目立つことなく複数の発光ダイオードディスプレイパネルを連結することができるため、大面積で優れた発光ダイオードディスプレイパネルを容易に実現することができる。また、半導体チップインクを実装基板のチップ結合部に供給し、チップ結合部が強磁性材料を含む場合はチップ結合部と第2電極側との間に働く磁力により実装基板のチップ結合部に半導体チップを第2電極側がチップ結合部を向くようにして容易に接触させることができ、チップ結合部が強磁性材料を含まない場合は外部磁場を印加することにより同様に実装基板のチップ結合部に半導体チップを第2電極側がチップ結合部を向くようにして容易に接触させることができる。そして、例えばチップ結合部または第2電極上に予め低融点金属を形成しておき、半導体チップを第2電極側を下にしてチップ結合部に接触させた後に低融点金属を加熱溶融することにより、半導体チップとチップ結合部とを電気的および機械的に結合させることができる。そして、例えば、チップ結合部を二次元アレイ状に設けることにより、大面積あるいは高集積密度の半導体チップ集積装置、例えば、発光ダイオード照明装置、大面積の発光ダイオードバックライト、大画面の発光ダイオードディスプレイ、電力制御装置、集積型センサーなどを容易に実現することができる。更に、上部電極を形成した後、半導体チップの検査を行い、不良の半導体チップがあった場合、不良の半導体チップが接続された上部電極の支線部のうちのこの不良の半導体チップの接続部をレーザーアブレーションにより除去してから切り離すことにより容易に修復可能であり、リペア作業の簡略化と製品の高歩留化を実現することができる。この方法によれば、例えば発光ダイオードディスプレイなどの場合、1つの半導体チップの大きさを極微細化して一画素につき複数配置することにより、画素中に不良チップが混入した場合でもその不良チップを支線部から切り離すことができることにより、支線部に接続された残りの半導体チップは使用することが可能であるため、不要となる材料(半導体チップ) の損失も低減させることができ、リペア構造導入に伴う材料費の上昇が抑えられるという利点も存在する。
以下、発明を実施するための形態(以下「実施の形態」と言う)について説明する。
〈第1の実施の形態〉
第1の実施の形態によるマイクロLED集積装置は実装基板上に垂直型マイクロLEDチップを多数実装することにより製造するが、最初にまず、上面および下面にp側電極およびn側電極を有する垂直型マイクロLEDチップ、この垂直型マイクロLEDチップを含有する半導体チップインク、この半導体チップインクの吐出に用いる半導体チップインク吐出装置および実装基板について説明する。
第1の実施の形態によるマイクロLED集積装置は実装基板上に垂直型マイクロLEDチップを多数実装することにより製造するが、最初にまず、上面および下面にp側電極およびn側電極を有する垂直型マイクロLEDチップ、この垂直型マイクロLEDチップを含有する半導体チップインク、この半導体チップインクの吐出に用いる半導体チップインク吐出装置および実装基板について説明する。
[マイクロLED集積装置の製造方法]
(1)垂直型マイクロLEDチップ
垂直型マイクロLEDチップの製造方法について説明する。この垂直型マイクロLEDチップは、p側電極側がn側電極側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成されたものである。
(1)垂直型マイクロLEDチップ
垂直型マイクロLEDチップの製造方法について説明する。この垂直型マイクロLEDチップは、p側電極側がn側電極側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成されたものである。
図1Aに示すように、サファイア基板10上に、n型GaN層11、n+ 型GaN層12、障壁層としてのInx Ga1-x N層と井戸層としてのIny Ga1-y N層とが交互に積層されたInx Ga1-x N/Iny Ga1-y N多重量子井戸(MQW)構造(x<y、0≦x<1、0≦y<1)を有する発光層13およびp型GaN層14を順次エピタキシャル成長させる。n型GaN層11の厚さは例えば0.5〜1μm、n+ 型GaN層12の厚さは例えば0.8〜2.6μm、発光層13の厚さは例えば0.1〜0.2μm、p型GaN層14の厚さは例えば0.1〜0.2μmである。n+ 型GaN層12、発光層13およびp型GaN層14の合計の厚さは例えば1〜3μmである。
次に、図1Bに示すように、p型GaN層14の全面に例えば真空蒸着法によりp側電極形成用の金属膜15および低融点金属としてのSn膜16を順次形成する。金属膜15としては、例えば、Al/Ni/Au構造の積層膜を用いる。ここで、この金属膜15を構成する各膜の厚さは、例えば、下から順に、Al膜は0.1μm、Ni膜は0.2μm、Au膜は0.05μmである。この金属膜15を構成する多層膜のうちNi膜は軟磁性体である。Sn膜16の厚さは、例えば0.5μmである。
次に、図1Cに示すように、金属膜15およびSn膜16をリソグラフィーおよびエッチングによりパターニングすることによりp側電極17を形成するとともにSn膜16をこのp側電極17と同一平面形状に形成した後、これらのSn膜16およびp側電極17をマスクとして例えば反応性イオンエッチング(RIE)法によりサファイア基板10が露出するまでエッチングを行う。次に、必要に応じて、p側電極17をp型GaN層14にオーミック接触させるためのアロイ処理を行う。
次に、図1Dに示すように、基板全面にレジストや透明樹脂などの被覆材18を塗布して覆った後、その上にフィルムやSi基板などの支持基板19を形成する。
次に、図2Aに示すように、サファイア基板10の裏面側からレーザービームを照射することによりn型GaN層11とサファイア基板10との界面で剥離を生じさせ、n型GaN層11からサファイア基板10を分離する(レーザーリフトオフ)。この後、例えば化学機械研磨(CMP)法やRIE法などによりn型GaN層11を除去し、n+ 型GaN層12の表面を露出させる。
次に、図2Bに示すように、n+ 型GaN層12の表面のn側電極形成領域に対応する部分に開口20aを有するレジストパターン20をリソグラフィーにより形成する。
次に、基板全面に例えば真空蒸着法によりAl膜およびAu膜を順次形成する。このとき、図2Cに示すように、レジストパターン20の開口20aを通じて、n+ 型GaN層12にコンタクトしたn側電極(カソード)21が形成される。開口20aを除いたレジストパターン20の表面にはAl膜およびAu膜からなる積層膜22が形成される。ここで、このn側電極21を構成するAl膜およびAu膜の厚さは例えばそれぞれ0.3μmおよび0.05μmである。
次に、レジストパターン20をその上に形成された積層膜22とともに除去する(リフトオフ)。必要に応じて、この後、n側電極21をn+ 型GaN層12にオーミック接触させるためのアロイ処理を行う。
次に、図3Aに示すように、支持基板19上に被覆材18、Sn膜16、p側電極17、p型GaN層14、発光層13、n+ 型GaN層12およびn側電極21が形成されたものを容器30内に入れられた溶剤31に漬けることにより被覆材18を溶かす。こうして、図3Bに示すように、垂直型マイクロLEDチップ40が得られる。
こうして得られた垂直型マイクロLEDチップ40を支持基板19ごと溶剤31から取り出し、純水でリンスした後、乾燥させる。
以上により、図4に示すように、p側電極17側がn側電極21側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成された垂直型マイクロLEDチップ40が製造される。
図5A、BおよびCに垂直型マイクロLEDチップ40の平面形状の例を示す。垂直型マイクロLEDチップ40はある程度回転対称であれば良いが、図5Aは円形の場合、図5Bは正六角形の場合、図5Cは正方形の場合であり、それぞれ垂直型マイクロLEDチップ30の全体形状が円柱状、正六角柱状、正四角柱状である。垂直型マイクロLEDチップ40のサイズは、例えば(0.1〜10μm)×(0.1〜10μm)である。
(2)半導体チップインク
図6に示すように、容器100中において垂直型マイクロLEDチップ40を液体50に分散させて半導体チップインク200を作製する。半導体チップインク200には、必要に応じて垂直型マイクロLEDチップ40に加えてフィラーや界面活性剤などを含有させる。垂直型マイクロLEDチップ40のサイズが上述のように(0.1〜10μm)×(0.1〜10μm)であると半導体チップインク200中の分散性が十分に高く、半導体チップインク吐出装置の吐出ノズルからの吐出も容易に行うことができる。
図6に示すように、容器100中において垂直型マイクロLEDチップ40を液体50に分散させて半導体チップインク200を作製する。半導体チップインク200には、必要に応じて垂直型マイクロLEDチップ40に加えてフィラーや界面活性剤などを含有させる。垂直型マイクロLEDチップ40のサイズが上述のように(0.1〜10μm)×(0.1〜10μm)であると半導体チップインク200中の分散性が十分に高く、半導体チップインク吐出装置の吐出ノズルからの吐出も容易に行うことができる。
(3)半導体チップインク吐出装置
図7は半導体チップインク吐出装置300を示す。
図7は半導体チップインク吐出装置300を示す。
図7に示すように、半導体チップインク吐出装置300は、インクジェットプリントヘッド301を有する。インクジェットプリントヘッド301は内部にインク室302を有し、上部に半導体チップインク供給部303を有する。インクジェットプリントヘッド301の内部にはさらに、インク室302の上部側面と半導体チップインク供給部303の底面に設けられた管部303aとを連結する流路305と、インク室302の下部側面に連結された流路306とを有する。半導体チップインク供給部303の管部303aの途中には制御バルブ307が設けられている。インク室302の下方には吐出ノズル308が設けられている。吐出ノズル308の直径は必要に応じて選ばれるが、例えば10〜50μmである。インク室302の上には、一対の電極間に圧電体を挟んだ構造のピエゾアクチュエーター309が設けられている。流路306は、インク室302内の半導体チップインク200を外部に排出したり、半導体チップインク供給部303にインクを戻して循環させることにより吐出ノズル308の詰まりを防止したり、半導体チップインク200の攪拌機能を持たせたりするためのものである。
この半導体チップインク吐出装置300においては、制御バルブ307を開いた状態で半導体チップインク供給部303に半導体チップインク200が供給される。こうして半導体チップインク供給部303に供給された半導体チップインク200は、管部303aおよび流路305を通ってインク室302に供給される。半導体チップインク200は、流路305、インク室302および流路306が満タンになるまで供給され、その後、制御バルブ307が閉められる。
この半導体チップインク吐出装置300はさらに、この半導体チップインク吐出装置300の吐出ノズル308から水平方向に少しずれた位置に磁場印加装置311を有する。半導体チップインク200の吐出を行う後述の実装基板400は、インクジェットプリントヘッド301と磁場印加装置311との間の高さの位置を水平方向に移動するようになっている。
(4)実装基板
図8はマイクロLED集積装置の製造に用いられる実装基板400を示す。図8に示すように、実装基板400においては、正方形または長方形の形状を有する基板410の互いに対向する一対の側面411(一方の側面のみ示す)およびこの側面411と直交する互いに対向する他の一対の側面412(一方の側面のみ示す)に基板410の主面に垂直な方向に線状の溝413が複数設けられ、これらの溝413に基板410の上下に通じる側面電極414が設けられている。基板410は剛性を有するものであってもフレキシブルなものであってもよく、また透明であっても不透明であってもよく、必要に応じて選ばれる。基板410は、例えば、Si基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板などのほか、樹脂フィルムなどであってもよい。溝413の上端部および下端部は基板410の側面411、412と両主面との角部を斜めに切除することで得られる広がった形状を有し、それに伴って側面電極414の上端部および下端部はこの切除部に広がった形状を有する。側面411の側面電極414は後述の下部電極420の配列間隔と等しい間隔で設けられている。側面412の側面電極414は後述の上部電極430の配列間隔と等しい間隔で設けられている。基板410の一方の主面上に、側面412に平行な方向に、側面411の各側面電極414に対応して複数の下部電極420が配線部420aを介して一列に設けられている。各下部電極420上にチップ結合部421が設けられている。末端の配線部420aが側面電極414と接続されている。側面412の側面電極414は基板410の一方の主面上に設けられた上部電極430用の配線部430aと接続されている。
図8はマイクロLED集積装置の製造に用いられる実装基板400を示す。図8に示すように、実装基板400においては、正方形または長方形の形状を有する基板410の互いに対向する一対の側面411(一方の側面のみ示す)およびこの側面411と直交する互いに対向する他の一対の側面412(一方の側面のみ示す)に基板410の主面に垂直な方向に線状の溝413が複数設けられ、これらの溝413に基板410の上下に通じる側面電極414が設けられている。基板410は剛性を有するものであってもフレキシブルなものであってもよく、また透明であっても不透明であってもよく、必要に応じて選ばれる。基板410は、例えば、Si基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板などのほか、樹脂フィルムなどであってもよい。溝413の上端部および下端部は基板410の側面411、412と両主面との角部を斜めに切除することで得られる広がった形状を有し、それに伴って側面電極414の上端部および下端部はこの切除部に広がった形状を有する。側面411の側面電極414は後述の下部電極420の配列間隔と等しい間隔で設けられている。側面412の側面電極414は後述の上部電極430の配列間隔と等しい間隔で設けられている。基板410の一方の主面上に、側面412に平行な方向に、側面411の各側面電極414に対応して複数の下部電極420が配線部420aを介して一列に設けられている。各下部電極420上にチップ結合部421が設けられている。末端の配線部420aが側面電極414と接続されている。側面412の側面電極414は基板410の一方の主面上に設けられた上部電極430用の配線部430aと接続されている。
図8に示す実装基板400は例えば次のようにして製造される。
まず、図9AおよびBに示すように、実装基板製造用基板として正方形または長方形の形状を有する基板410を用意する。ここで、図8Aは平面図、図8Bは断面図である。この基板410の大きさは、複数の実装基板400が得られる大きさを有する。
次に、図10AおよびBに示すように、基板410の両主面の互いに対応する位置に最終的に製造される実装基板400に相当する区画が互いに隣接して縦横に形成されるように等間隔に配列された点状の凹部415の列を縦横に形成する。ここで、図10Aは平面図、図10Bは断面図である。凹部415は、例えば、ドリルで基板410に穴を掘ったり、レーザービームを基板410に照射したりすることにより形成することができる。
図11Aはこの状態の基板410の一部を拡大して示す斜視図である。次に、図11Bに示すように、凹部415の列、好適には凹部415の中心の列に沿って基板410を縦横に切断することにより複数に分割する。こうして、実装基板400と同じ形状およびサイズの複数の基板410が得られる。基板410の切断は、例えば、レーザービームの照射やダイヤモンドカッターなどにより行うことができる。
次に、図12AおよびBに示すように、こうして得られる複数の基板410を互いに同じ方位でその主面に垂直な方向に互いに重ね合わせる。
次に、図13AおよびBに示すように、こうして重ね合わされた複数の基板410の各側面に現れた凹部415の列、好適には凹部415の中心の列に沿って基板410の主面に垂直な方向に線状の溝413を形成する。こうして溝413が形成された基板410を図15に示す。図15に示すように、溝413と凹部415との交差部は、板410の側面411、412と両主面との角部を斜めに切除することで得られる広がった形状を有する。
次に、図14に示すように、重ね合わされた複数の基板410の側面に現れた凹部415の列、好適には凹部415の中心の列に沿って形成された溝413に金属をめっきしたり、Agナノ粒子などの金属ナノ粒子の塗布を行うなどにより溝413の内部に金属からなる側面電極414を形成する。側面電極414は基板410の上下に通じるように形成される。この後、重ね合わされた複数の基板410を互いに分離する。こうして側面電極414が形成された基板410を図16に示す。図16に示すように、溝413と凹部415との交差部は、板410の側面411、412と両主面との角部を斜めに切除することで得られる広がった形状を有するため、側面電極414の両端部の段切れを防止することができる。
次に、図8に示すように、基板410の一方の主面に一列の複数の下部電極420とこれらの下部電極420間および下部電極420と側面電極414とを接続する配線部420aを形成する。下部電極420および配線部420aは、例えば、基板410の全面にスパッタリング法や真空蒸着法などにより非磁性の金属膜を形成した後、この金属膜をリソグラフィーおよびエッチングにより所定形状にパターニングすることにより形成することができる。金属膜としては、非磁性の金属からなるもの、例えば、Ti/Al/Ti/Au/Ti積層膜が用いられるが、Cu(あるいはCu合金)/Au/Ti積層膜を用いてもよい。Ti/Al/Ti/Au/Ti積層膜を構成する膜の厚さは、例えば、下から順に5〜10nm、300〜1000nm、50nm、5〜100nm、50nmである。
以上のようにして、実装基板400が製造される。
(5)マイクロLED集積装置の製造方法
以上のことを前提としてマイクロLED集積装置の製造方法について説明する。
以上のことを前提としてマイクロLED集積装置の製造方法について説明する。
図7に示すように、半導体チップインク吐出装置300の吐出ノズル308の下方に実装基板400を水平に配置する。この場合、半導体チップインク吐出装置300を固定し、実装基板400を図示省略した搬送機構により水平面内で図7中矢印で示す方向に移動させるようにする。ピエゾアクチュエーター309を作動させることにより吐出ノズル308から半導体チップインク200を実装基板400のチップ結合部421に吐出させる。必要に応じて、一つのチップ結合部421に複数回、半導体チップインク200を吐出させてもよい。こうして形成された一滴の半導体チップインク200には、少なくとも複数個の垂直型マイクロLEDチップ40が含まれるようにする。一滴の半導体チップインク200に含まれる垂直型マイクロLEDチップ40の数は、半導体チップインク200中の垂直型マイクロLEDチップ40の濃度や半導体チップインク200の吐出回数などによって調整することができる。この状態の半導体チップインク200を図17に示す。この場合、一滴の半導体チップインク200の体積は例えば1〜10ピコリットルである。垂直型マイクロLEDチップ40の体積は一般に0.001〜0.5ピコリットルである。例えば、垂直型マイクロLEDチップ40が直径10μmの円形の形状を有し、厚さが5μmであるとすると、体積は約0.4ピコリットルである。また、垂直型マイクロLEDチップ40が直径1μmの円形の形状を有し、厚さが3μmであるとすると、体積は約0.0024ピコリットルである。
次に、図7中矢印で示すように、実装基板400を図示省略した搬送機構により所定距離移動させ、半導体チップインク200が吐出されたチップ結合部421を磁場印加装置311の上方に位置させた後、磁場印加装置311により磁場を印加することにより、半導体チップインク200に含まれる複数の垂直型マイクロLEDチップ40のp側電極17に含まれるNi膜を磁化させる。このため、各垂直型マイクロLEDチップ40は半導体チップインク200中を磁力により下方に引き寄せられ、最終的に各垂直型マイクロLEDチップ40はp側電極17側が下になるようにしてチップ結合部421に接触する。この状態を図18に示す。この状態では、垂直型マイクロLEDチップ40はチップ結合部421にランダム配置で接触している。振動や擾乱などの外的要因などにより垂直型マイクロLEDチップ40が倒れたり位置がずれたりするのを防止するため、磁場印加装置310による磁場の印加は、好適には、半導体チップインク200を吐出させる前あるいは吐出させた時点あるいはその時点から半導体チップインク200の液体が蒸発する前、例えば60秒以内に行う。
次に、磁力により各垂直型マイクロLEDチップ40をチップ結合部421に接触させたまま、ランプなどにより加熱を行うことにより半導体チップインク200の溶媒を蒸発させ、続いてランプやレーザーなどにより加熱を行うことにより各垂直型マイクロLEDチップ40のSn膜16を溶融させる。その後、溶融Snが冷却することにより各垂直型マイクロLEDチップ40のp側電極17が下部電極420のチップ結合部421に電気的および機械的に結合する。
同様にして、下部電極420の各チップ結合部421に垂直型マイクロLEDチップ40のp側電極17を電気的および機械的に結合させる。この状態を図19に示す。図19に示すように、各チップ結合部421において、垂直型マイクロLEDチップ40はランダムに配置している。
次に、図20に示すように、垂直型マイクロLEDチップ40がチップ結合部421に結合した実装基板50の全面に絶縁膜422を表面がほぼ平坦となるように形成した後、この絶縁膜422をRIE法などによりエッチングすることによりn側電極21を露出させる。
次に、図21に示すように、絶縁膜422上に下部電極420と直交する方向に互いに平行に延在する複数の上部電極幹線部431を形成する。
次に、図22に示すように、絶縁膜422上に、垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と上部電極幹線部431とを接続する単一の透明電極432を形成する。この透明電極432は各チップ結合部421のほぼ全体、例えば80%以上の面積をカバーするように形成する。透明電極432は上部電極支線部を構成し、上部電極幹線部431と透明電極432とにより上部電極430が構成される。各チップ結合部421にランダムに配置された垂直型マイクロLEDチップ40の上を走るように透明電極431が形成されている。図22において、電気的にオン/オフ制御が可能な一つの回路ユニットがカバーする領域を一点鎖線で示す。一つの垂直型マイクロLEDチップ40の発光面積は、典型的には、一つの回路ユニットがカバーする領域の面積の1000分の1以下に選ばれる。
この後、上述のようにして製造されたマイクロLED集積装置の検査を行う。具体的には、上部電極430と下部電極420との間に下部電極420が上部電極430より高電位となるように電圧を印加することにより各垂直型マイクロLEDチップ40に電流を流して各垂直型マイクロLEDチップ40の発光を画像解析し、不良の垂直型マイクロLEDチップ40を特定する。
次に、透明電極432のうち、上述のようにして特定された、不良の垂直型マイクロLEDチップをn側電極21との接続部をレーザーアブレーションにより除去して透明電極432から切り離す。こうしてマイクロLED集積装置の修理を行うことができる。
(6)マイクロLED集積装置の構造
図21に示すように、このマイクロLED集積装置は、一方の主面に下部電極420を有する実装基板400と、下部電極420上に設けられたチップ結合部421と、チップ結合部421にランダム配置で結合した、上面および下面にn側電極21およびp側電極17を有し、p側電極17側がn側電極21側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成された複数の垂直型マイクロLEDチップ40と、これらの垂直型マイクロLEDチップ40の上層の、上部電極幹線部431とこの上部電極幹線部431から分岐した単一の支線部、すなわち透明電極432とを有する上部電極430とを有する。そして、垂直型マイクロLEDチップ40は、p側電極17側をチップ結合部421に向けてこのチップ結合部421に結合し、n側電極21と上部電極430とが互いに電気的に接続され、少なくとも一つの垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と上部電極430の透明電極432とが互いに電気的に接続されている。
図21に示すように、このマイクロLED集積装置は、一方の主面に下部電極420を有する実装基板400と、下部電極420上に設けられたチップ結合部421と、チップ結合部421にランダム配置で結合した、上面および下面にn側電極21およびp側電極17を有し、p側電極17側がn側電極21側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成された複数の垂直型マイクロLEDチップ40と、これらの垂直型マイクロLEDチップ40の上層の、上部電極幹線部431とこの上部電極幹線部431から分岐した単一の支線部、すなわち透明電極432とを有する上部電極430とを有する。そして、垂直型マイクロLEDチップ40は、p側電極17側をチップ結合部421に向けてこのチップ結合部421に結合し、n側電極21と上部電極430とが互いに電気的に接続され、少なくとも一つの垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と上部電極430の透明電極432とが互いに電気的に接続されている。
以上のように、この第1の実施の形態によれば、垂直型マイクロLEDチップ40のp側電極17に軟磁性体であるNi膜を含ませることにより、垂直型マイクロLEDチップ40のp側電極17側がn側電極21側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成するとともに、実装基板400の下部電極420にチップ結合部421を例えば二次元アレイ状に複数設け、複数、通常は多数の垂直型マイクロLEDチップ40を含有する半導体チップインク200を半導体チップインク吐出装置300のインクジェットプリントヘッド301の吐出ノズル308から実装基板400の下部電極420のチップ結合部421に吐出し、垂直型マイクロLEDチップ40のp側電極17側を磁力により引き付けて下部電極420のチップ結合部421に接触させ、その後Sn膜16を溶融固化させることにより垂直型マイクロLEDチップ40と下部電極420のチップ結合部421とを電気的および機械的に結合させることで、垂直型マイクロLEDチップ40の集積度によらず、マイクロLED集積装置、例えばマイクロLEDディスプレイ、マイクロLEDバックライト、マイクロLED照明装置などを低コストで容易に実現することができる。また、垂直型マイクロLEDチップ40はチップ結合部421上にランダム配置で結合させれば足りるため、垂直型マイクロLEDチップ40の高精度の位置制御が不要であり、マイクロLED集積装置の製造が容易となる。また、各チップ結合部421には複数の垂直型マイクロLEDチップ40がランダム配置で結合し、上部電極幹線部431から各チップ結合部421のほぼ全域をカバーするように単一の透明電極432が延びているので、各回路ユニットにおいて下部電極420と上部電極430との間に一つの垂直型マイクロLEDチップ40も接続されていない事態が発生するのを防止することができ、ひいてはマイクロLED集積装置の不良の発生を防止することができる。また、実装基板400上に垂直型マイクロLEDチップ40の不良が生じた場合でも、その不良の垂直型マイクロLEDチップ40が接続された上部電極430の支線部432を切断することにより容易に修理することができる。更に、実装基板400が、一方の主面に下部電極420を有し、かつ側面に上下に通じる複数の側面電極424を有し、下部電極420の配線部420aと少なくとも一つの側面電極424とが互いに電気的に接続されているものであるため、例えば、複数の半導体チップ集積装置を回路基板の一方の主面上に互いに隣接して複数搭載することにより半導体チップ集積装置集合体を容易に実現することができる。このため、例えば、半導体チップ集積装置が発光ダイオードディスプレイパネルである場合には、パネル接合部が目立つことなく複数の発光ダイオードディスプレイパネルを連結することができるため、大面積で優れた発光ダイオードディスプレイパネルを容易に実現することができる。
〈第2の実施の形態〉
[マイクロLED集積装置の製造方法]
第2の実施の形態においては、図23に示すように、容器100中において垂直型マイクロLEDチップ40に加えてツェナーダイオード60を液体50に分散させて半導体チップインク200を作製する。ツェナーダイオード60の一例を図24に示す。図24に示すように、ツェナーダイオード60はp型層61とn型層62とからなるpn接合を有し、p型層61上にp側電極63が形成され、n型層62上にn側電極64が形成され、n側電極64上にSn膜65が形成されている。この場合、n側電極64にNi膜が含まれており、従ってツェナーダイオード60はn側電極64側がp側電極63側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成されている。半導体チップインク200には必要に応じて垂直型マイクロLEDチップ40およびツェナーダイオード60に加えてフィラーや界面活性剤などを含有させる。
[マイクロLED集積装置の製造方法]
第2の実施の形態においては、図23に示すように、容器100中において垂直型マイクロLEDチップ40に加えてツェナーダイオード60を液体50に分散させて半導体チップインク200を作製する。ツェナーダイオード60の一例を図24に示す。図24に示すように、ツェナーダイオード60はp型層61とn型層62とからなるpn接合を有し、p型層61上にp側電極63が形成され、n型層62上にn側電極64が形成され、n側電極64上にSn膜65が形成されている。この場合、n側電極64にNi膜が含まれており、従ってツェナーダイオード60はn側電極64側がp側電極63側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成されている。半導体チップインク200には必要に応じて垂直型マイクロLEDチップ40およびツェナーダイオード60に加えてフィラーや界面活性剤などを含有させる。
この半導体チップインク200を第1の実施の形態と同様に、実装基板400の下部電極420のチップ結合部421に吐出する。チップ結合部421に半導体チップインク200が吐出された状態を図25に示す。図25には、互いに隣接する二つのチップ結合部421に吐出された半導体チップインク200の一方には垂直型マイクロLEDチップ40しか含まれておらず、他方には垂直型マイクロLEDチップ40およびツェナーダイオード60が含まれている場合が示されている。この後、図26に示すように、第1の実施の形態と同様に、磁場印加装置311により磁場を印加することにより、半導体チップインク200に含まれる複数の垂直型マイクロLEDチップ40のp側電極17に含まれるNi膜を磁化させ、各垂直型マイクロLEDチップ40をp側電極17側が下になるようにしてチップ結合部421に接触させるとともに、半導体チップインク200に含まれる複数のツェナーダイオード60のn側電極64に含まれるNi膜を磁化させ、各ツェナーダイオード60をn側電極64側が下になるようにしてチップ結合部421に接触させる。
この後、第1の実施の形態と同様に、チップ結合部421に吐出された半導体チップインク200を乾燥させ、さらに各垂直型マイクロLEDチップ40のSn膜16およびツェナーダイオード60のSn膜65を溶融固化させることにより、これらの垂直型マイクロLEDチップ40およびツェナーダイオード60をチップ結合部421に電気的および機械的に結合させる。
この後、第1の実施の形態と同様に工程を進めてマイクロLED集積装置を製造する。
[マイクロLED集積装置]
このマイクロLED集積装置は、下部電極420と上部電極430との間に垂直型マイクロLEDチップ40が接続されていることに加えて、ツェナーダイオード60が逆バイアスが印加されるように接続されていることが第1の実施の形態と異なることを除いて第1の実施の形態によるマイクロLED集積装置と同様な構成を有する。
このマイクロLED集積装置は、下部電極420と上部電極430との間に垂直型マイクロLEDチップ40が接続されていることに加えて、ツェナーダイオード60が逆バイアスが印加されるように接続されていることが第1の実施の形態と異なることを除いて第1の実施の形態によるマイクロLED集積装置と同様な構成を有する。
この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点に加えて、下部電極420と上部電極430との間にツェナーダイオード60が逆バイアスが印加されるように接続されていることにより、下部電極420と上部電極430との間にサージ電圧などが印加されても、このツェナーダイオード60に電流を逃がすことができるため、マイクロLED集積装置の故障を防止することができるという利点を得ることができる。
〈第3の実施の形態〉
[マイクロLED集積装置の製造方法]
第3の実施の形態においては、図27に示すように、容器100中において垂直型マイクロLEDチップ40に加えてツェナーダイオード60およびAgナノ粒子70を液体50に分散させて半導体チップインク200を作製する。ただし、垂直型マイクロLEDチップ40としてはSn膜16を形成していないものを用い、ツェナーダイオード60としてはSn膜65を形成していないものを用いる。半導体チップインク200には必要に応じて垂直型マイクロLEDチップ40、ツェナーダイオード60およびAgナノ粒子70に加えてフィラーや界面活性剤などを含有させる。
[マイクロLED集積装置の製造方法]
第3の実施の形態においては、図27に示すように、容器100中において垂直型マイクロLEDチップ40に加えてツェナーダイオード60およびAgナノ粒子70を液体50に分散させて半導体チップインク200を作製する。ただし、垂直型マイクロLEDチップ40としてはSn膜16を形成していないものを用い、ツェナーダイオード60としてはSn膜65を形成していないものを用いる。半導体チップインク200には必要に応じて垂直型マイクロLEDチップ40、ツェナーダイオード60およびAgナノ粒子70に加えてフィラーや界面活性剤などを含有させる。
この半導体チップインク200を第1の実施の形態と同様に、実装基板400の下部電極420のチップ結合部421に吐出する。チップ結合部421に半導体チップインク200が吐出された状態を図28に示す。この後、図29に示すように、第1の実施の形態と同様に、磁場印加装置311により磁場を印加することにより、半導体チップインク200に含まれる複数の垂直型マイクロLEDチップ40のp側電極17に含まれるNi膜を磁化させ、各垂直型マイクロLEDチップ40をp側電極17側が下になるようにしてチップ結合部421に接触させるとともに、半導体チップインク200に含まれる複数のツェナーダイオード60のn側電極64に含まれるNi膜を磁化させ、各ツェナーダイオード60をn側電極64側が下になるようにしてチップ結合部421に接触させる。チップ結合部421に半導体チップインク200が吐出された後、磁場を印加する前後に、半導体チップインク200中のAgナノ粒子70はチップ結合部421に沈降する。垂直型マイクロLEDチップ40およびツェナーダイオード60はこうして沈降したAgナノ粒子70を介してチップ結合部421に接触する。
この後、第1の実施の形態と同様に、チップ結合部421に吐出された半導体チップインク200を乾燥させ、さらにAgナノ粒子70を溶融固化させることにより、垂直型マイクロLEDチップ40およびツェナーダイオード60をチップ結合部421に電気的および機械的に結合させる。
この後、第1の実施の形態と同様に工程を進めてマイクロLED集積装置を製造する。
[マイクロLED集積装置]
このマイクロLED集積装置は、垂直型マイクロLEDチップ40およびツェナーダイオード60がAgナノ粒子70の溶融固化によりチップ結合部421に電気的および機械的に結合されていることが第1の実施の形態と異なることを除いて第1の実施の形態によるマイクロLED集積装置と同様な構成を有する。
このマイクロLED集積装置は、垂直型マイクロLEDチップ40およびツェナーダイオード60がAgナノ粒子70の溶融固化によりチップ結合部421に電気的および機械的に結合されていることが第1の実施の形態と異なることを除いて第1の実施の形態によるマイクロLED集積装置と同様な構成を有する。
この第3の実施の形態によれば、第1および第2の実施の形態と同様な利点を加えて、垂直型マイクロLEDチップ40のp側電極17上にSn膜16を形成したり、ツェナーダイオード60のn側電極64上にSn膜65を形成したり、実装基板400の下部電極420のチップ結合部421に予め低融点金属を形成したりしないでも、垂直型マイクロLEDチップ40およびツェナーダイオード60をAgナノ粒子70の溶融固化によりチップ結合部421に電気的および機械的に結合されることができるという利点を得ることができる。
〈第4の実施の形態〉
[マイクロLED集積装置の製造方法]
第4の実施の形態においては、図30に示すように、容器100中において垂直型マイクロLEDチップ40に加えてAgナノ粒子70を液体50に分散させて半導体チップインク200を作製する。ただし、垂直型マイクロLEDチップ40としてはSn膜16を形成していないものを用いる。半導体チップインク200には必要に応じて垂直型マイクロLEDチップ40およびAgナノ粒子70に加えてフィラーや界面活性剤などを含有させる。
[マイクロLED集積装置の製造方法]
第4の実施の形態においては、図30に示すように、容器100中において垂直型マイクロLEDチップ40に加えてAgナノ粒子70を液体50に分散させて半導体チップインク200を作製する。ただし、垂直型マイクロLEDチップ40としてはSn膜16を形成していないものを用いる。半導体チップインク200には必要に応じて垂直型マイクロLEDチップ40およびAgナノ粒子70に加えてフィラーや界面活性剤などを含有させる。
この半導体チップインク200を第1の実施の形態と同様に、実装基板400の下部電極420のチップ結合部421に吐出する。チップ結合部421に半導体チップインク200が吐出された状態を図31に示す。この後、図32に示すように、第1の実施の形態と同様に、磁場印加装置311により磁場を印加することにより、半導体チップインク200に含まれる複数の垂直型マイクロLEDチップ40のp側電極17に含まれるNi膜を磁化させ、各垂直型マイクロLEDチップ40をp側電極17側が下になるようにしてチップ結合部421に接触させる。チップ結合部421に半導体チップインク200が吐出された後、磁場を印加する前後に、半導体チップインク200中のAgナノ粒子70はチップ結合部421に沈降する。垂直型マイクロLEDチップ40はこうして沈降したAgナノ粒子70を介してチップ結合部421に接触する。
この後、第1の実施の形態と同様に、チップ結合部421に吐出された半導体チップインク200を乾燥させ、さらにAgナノ粒子70を溶融固化させることにより、垂直型マイクロLEDチップ40をチップ結合部421に電気的および機械的に結合させる。
この後、第1の実施の形態と同様に工程を進めてマイクロLED集積装置を製造する。
[マイクロLED集積装置]
このマイクロLED集積装置は、垂直型マイクロLEDチップ40がAgナノ粒子70の溶融固化によりチップ結合部421に電気的および機械的に結合されていることが第1の実施の形態と異なることを除いて第1の実施の形態によるマイクロLED集積装置と同様な構成を有する。
このマイクロLED集積装置は、垂直型マイクロLEDチップ40がAgナノ粒子70の溶融固化によりチップ結合部421に電気的および機械的に結合されていることが第1の実施の形態と異なることを除いて第1の実施の形態によるマイクロLED集積装置と同様な構成を有する。
この第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を加えて、垂直型マイクロLEDチップ40のp側電極17上にSn膜16を形成したり、実装基板400の下部電極420のチップ結合部421に予め低融点金属を形成したりしないでも、垂直型マイクロLEDチップ40をAgナノ粒子70の溶融固化によりチップ結合部421に電気的および機械的に結合されることができるという利点を得ることができる。
〈第5の実施の形態〉
[マイクロLED集積装置の製造方法]
第1の実施の形態においては、図7に示す半導体チップインク吐出装置300および磁場印加装置311を用いて半導体チップインク200の吐出およびその後の実装基板400への垂直型マイクロLEDチップ40の実装を行っているが、この第5の実施の形態においては、図33に示すような半導体チップインク吐出装置300、磁場印加装置311、312、313および加熱装置321、322を用いて半導体チップインク200の吐出およびその後の実装基板400への垂直型マイクロLEDチップ40の実装を行うことが第1の実施の形態と異なる。
[マイクロLED集積装置の製造方法]
第1の実施の形態においては、図7に示す半導体チップインク吐出装置300および磁場印加装置311を用いて半導体チップインク200の吐出およびその後の実装基板400への垂直型マイクロLEDチップ40の実装を行っているが、この第5の実施の形態においては、図33に示すような半導体チップインク吐出装置300、磁場印加装置311、312、313および加熱装置321、322を用いて半導体チップインク200の吐出およびその後の実装基板400への垂直型マイクロLEDチップ40の実装を行うことが第1の実施の形態と異なる。
図33に示すように、磁場印加装置311、312、313はインクジェットプリントヘッド301から水平方向に順に遠くなる位置に設けられている。磁場印加装置312の上方にはランプなどを用いた加熱装置321が設けられている。この加熱装置321は、半導体チップインク200の溶媒を蒸発させるために用いられる。磁場印加装置313の上方にはランプやレーザーなどを用いた加熱装置322が設けられている。この加熱装置322は、垂直型マイクロLEDチップ40のSn膜16を溶融させるためのものである。これらの加熱装置321、322は、磁場印加装置311、312、313とこれらの加熱装置321、322との間に実装基板400が挟まれる高さ位置に設けられる。実装基板400はインクジェットプリントヘッド301と磁場印加装置311、312、313との間の高さの位置を移動するようになっている。
第5の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、吐出ノズル308から実装基板400の下部電極420のチップ結合部421に半導体チップインク200を吐出させ、吐出させる前あるいは吐出した時点あるいはその時点から例えば60秒以内に磁場印加装置311により磁場を印加して磁力により各垂直型マイクロLEDチップ40をチップ結合部421に接触させたまま、実装基板400をさらに移動させて各垂直型マイクロLEDチップ40が接触したチップ結合部421が加熱装置321の直下に来た時点でランプなどにより加熱を行うことにより半導体チップインク200の液体を蒸発させる。このように垂直型マイクロLEDチップ40が接触したチップ結合部421が加熱装置321の直下に来た状態では、磁場印加装置312により磁場を印加することにより垂直型マイクロLEDチップ40のチップ結合部421への接触状態を維持する。続いて実装基板400をさらに移動させて各垂直型マイクロLEDチップ40が接触したチップ結合部421が加熱装置322の直下に来た時点でランプやレーザーなどにより加熱を行うことにより各垂直型マイクロLEDチップ40のSn膜16を溶融させる。その後、さらに実装基板400をさらに移動させる間に溶融Snが冷却されて固化することにより各垂直型マイクロLEDチップ40のp側電極17が下部電極420に電気的および機械的に結合する。
同様にして、下部電極420の各チップ結合部421に垂直型マイクロLEDチップ40のp側電極17を下部電極420に電気的および機械的に結合させる。
その他のことは第1の実施の形態と同様である。
この第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点に加えて、実装基板400の下部電極420のチップ結合部421への半導体チップインク200の吐出から垂直型マイクロLEDチップ40をチップ結合部421に電気的および機械的に結合するまでの工程を連続的に容易に行うことができるという利点を得ることができる。
〈第6の実施の形態〉
[マイクロLED集積装置の製造方法]
第6の実施の形態においては、垂直型マイクロLEDチップ40として図33に示すものを用いることが第1の実施の形態と異なる。図34に示すように、この垂直型マイクロLEDチップ40においては、p側電極17がITO膜により構成されていること、n側電極21がn+ 型GaN層12上に全面電極として形成されていること、n側電極21がAl/Ni/Au積層膜により形成されており、軟磁性体であるNi膜を含むこと、このn側電極21上にSn膜16が形成されていることが、第1の実施の形態で用いた垂直型マイクロLEDチップ40と異なる。この垂直型マイクロLEDチップ40は、n側電極側21がp側電極17側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成されたものである。
[マイクロLED集積装置の製造方法]
第6の実施の形態においては、垂直型マイクロLEDチップ40として図33に示すものを用いることが第1の実施の形態と異なる。図34に示すように、この垂直型マイクロLEDチップ40においては、p側電極17がITO膜により構成されていること、n側電極21がn+ 型GaN層12上に全面電極として形成されていること、n側電極21がAl/Ni/Au積層膜により形成されており、軟磁性体であるNi膜を含むこと、このn側電極21上にSn膜16が形成されていることが、第1の実施の形態で用いた垂直型マイクロLEDチップ40と異なる。この垂直型マイクロLEDチップ40は、n側電極側21がp側電極17側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成されたものである。
この垂直型マイクロLEDチップ40の製造方法は次の通りである。
すなわち、図35Aに示すように、第1の実施の形態と同様に、まず、サファイア基板10上に、n型GaN層11、n+ 型GaN層12、発光層13およびp型GaN層14を順次エピタキシャル成長させる。
次に、図35Bに示すように、p型GaN層14の全面に例えば真空蒸着法によりp側電極形成用のITO膜23を形成する。
次に、図35Cに示すように、ITO膜23上にワックスなどの接着剤24を塗布し、この接着剤24にフィルムやSi基板などの支持基板19を形成する。
次に、図36Aに示すように、サファイア基板10の裏面側からレーザービームを照射することによりn型GaN層11とサファイア基板10との界面で剥離を生じさせ、n型GaN層11からサファイア基板10を分離する。
次に、図36Bに示すように、例えばCMP法により研磨を行ったり、RIE法によりエッチングを行ったりすることによりn型GaN層11を除去してn+ 型GaN層12の表面を露出させる。
次に、図36Cに示すように、n+ 型GaN層12の表面のn側電極形成領域に対応する部分に開口20aを有するレジストパターン20をリソグラフィーにより形成した後、基板全面に例えば真空蒸着法によりn側電極形成用の金属膜15およびSn膜16を順次形成する。金属膜15としては、第1のタイプの垂直型マイクロLEDチップ40と同様に、例えばAl/Ni/Au構造の積層膜を用いる。
次に、図37Aに示すように、レジストパターン20をその上に形成された積層膜15およびSn膜16とともに除去する(リフトオフ)。これによって、n+ 型GaN層13にコンタクトしたn側電極21およびその上のSn膜16が形成される。次に、n側電極21をn+ 型GaN層13にオーミック接触させるためのアロイ処理を行う。
次に、図37Bに示すように、このn側電極21をマスクとして例えばRIE法により接着剤24が露出するまでエッチングを行う。この際、ITO膜23がn側電極21と同様な形状にパターニングされ、p側電極17が形成される。
次に、図38Aに示すように、支持基板19上に接着剤24、p側電極17、p型GaN層14、発光層13、n+ 型GaN層12、n側電極21およびSn膜16が形成されたものを容器30内に入れられた溶剤31に漬けることにより接着剤24を溶かす。こうして、図38Bに示すように、垂直型マイクロLEDチップ40が得られる。
こうして得られた垂直型マイクロLEDチップ40を支持基板19ごと容器30から取り出し、純水でリンスした後、乾燥させる。
以上により、図34に示すように、n側電極21側がp側電極17側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成された垂直型マイクロLEDチップ40が製造される。この垂直型マイクロLEDチップ40の平面形状は図5A、BおよびCに示すものと同様である。
この第6の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈第7の実施の形態〉
[カラーマイクロLEDディスプレイ]
第7の実施の形態においては、パッシブマトリクス駆動方式のカラーマイクロLEDディスプレイについて説明する。
[カラーマイクロLEDディスプレイ]
第7の実施の形態においては、パッシブマトリクス駆動方式のカラーマイクロLEDディスプレイについて説明する。
図39はこのカラーマイクロLEDディスプレイの実装基板400上の下部電極420を示す。図39に示すように、行方向に下部電極420が互いに平行に複数設けられている。各下部電極420に沿ってRGBの各発光領域が互いに隣接して配置されて構成されるRGB−1画素単位が配列しており、実装基板400全体として画素が二次元マトリクス状に配列している。各画素においては、下部電極420上に三つのチップ結合部421A、421B、421Cが形成されており、例えば、それぞれB、R、Gの発光領域になる。
図40は、実装基板400上に第1の実施の形態と同様にしてRGBの各発光用の垂直型マイクロLEDチップを実装し、上部電極430を形成した状態を示す。具体的には、チップ結合部421Aには青色発光の垂直型マイクロLEDチップ510がランダム配置で複数結合し、チップ結合部421Bには赤色発光の垂直型マイクロLEDチップ520がランダム配置で複数結合し、チップ結合部421Cには緑色発光の垂直型マイクロLEDチップ530がランダム配置で複数結合している。列方向の各チップ結合部421Aに沿って上部電極430が設けられている。各上部電極430の支線部を構成する各透明電極432は、チップ結合部421A上においては垂直型マイクロLEDチップ510のn側電極と接続され、チップ結合部421B上においては垂直型マイクロLEDチップ520のn側電極と接続され、チップ結合部421C上においては垂直型マイクロLEDチップ530のn側電極と接続されている。各画素の発光領域の選択は下部電極420および上部電極430の選択により行われる。図40に1回路ユニットを示す。1回路ユニット中の垂直型マイクロLEDチップの数は典型的には10個以上である。
青色発光の垂直型マイクロLEDチップ510および緑色発光の垂直型マイクロLEDチップ530は発光層13の組成が互いに異なるが、第1の実施の形態による垂直型マイクロLEDチップ40と同様な構造を有する。また、赤色発光の垂直型マイクロLEDチップ520はAlGaInP系半導体を用いたものであり、垂直型マイクロLEDチップ40のn+ 型GaN層12の代わりにn+ 型AlGaInP層、発光層13の代わりにInx Ga1-x P/Iny Ga1-y P MQW構造の発光層、p型GaN層14の代わりにp型AlGaInP層を用いたものであり、p型AlGaInP層上にp側電極が形成され、n+ 型AlGaInP層上にn側電極が形成されている。そのp側電極には、p側電極17と同様に、軟磁性体としてNi膜などを含む。赤色発光のAlGaInP系半導体垂直型マイクロLEDチップの製造方法としては幾つかの方法が知られており、工程の詳細は省略するが、基板にはGaAs基板が使用され、例えば、GaAs基板上にまず犠牲層として例えばAlAs層を形成してからその上にAlGaInP系半導体層をエピタキシャル成長させ、電極形成や素子分離工程等を経た後、AlAs層をフッ酸系エッチャントによりウェットエッチングしてGaAs基板を分離することにより製造することができる。
青色発光の垂直型マイクロLEDチップ510、赤色発光の垂直型マイクロLEDチップ520および緑色発光の垂直型マイクロLEDチップ530をそれぞれ液体に分散させることにより半導体チップインクを作製することができる。半導体チップインク吐出装置としては、例えば、図7に示す半導体チップインク吐出装置300のインクジェットプリントヘッド301に互いに隣接して三つのインク室を設け、3種類の半導体チップインクをこれらのインク室にそれぞれ充填するとともに、インクジェットプリントヘッドにこれらの3種類の半導体チップインクを互いに独立に吐出することができる三つの吐出ノズルを設け、ピエゾアクチュエーターを作動させることにより各吐出ノズルからこれらの3種類の半導体チップインクを吐出する。
この第7の実施の形態によれば、実装基板400上にRGBの各発光用の垂直型マイクロLEDチップを容易にしかも極めて短時間に能率的に実装することができ、不良の垂直型マイクロLEDチップの影響も容易に除去することができることにより、高性能のパッシブ駆動方式のカラーマイクロLEDディスプレイを低コストで実現することができる。また、それぞれB、R、Gの発光領域になるチップ結合部421A、421B、421Cにはそれぞれ複数の垂直型マイクロLEDチップが結合していることにより、垂直型マイクロLEDチップのサイズが小さくても輝度を確保することができるだけでなく、個々の垂直型マイクロLEDチップに発光波長の差があっても全体として発光波長が平均化されるため、発光波長の許容範囲にある垂直型マイクロLEDチップはそのまま使用することができ、ひいてはカラーマイクロLEDディスプレイの製造コストの低減を図ることができる。同様に、個々の垂直型マイクロLEDチップに発光強度の差があっても全体として発光強度が平均化されるため、このこともカラーマイクロLEDディスプレイの製造コストの低減に繋がる。また、画素サイズなどの仕様の変更があっても、垂直型マイクロLEDチップのサイズを変えないでも、チップ結合部421A、421B、421Cに結合させる垂直型マイクロLEDチップの数を増減させることにより容易に対処することができる。
〈第8の実施の形態〉
[カラーマイクロLEDディスプレイ]
第8の実施の形態においては、アクティブマトリクス駆動方式のカラーマイクロLEDディスプレイについて説明する。
[カラーマイクロLEDディスプレイ]
第8の実施の形態においては、アクティブマトリクス駆動方式のカラーマイクロLEDディスプレイについて説明する。
図41はこのカラーマイクロLEDディスプレイの実装基板400上の下部電極配線を示す。下部電極配線のうち下部電極420は、第7の実施の形態と同様に、行方向に互いに平行に複数設けられている。そして、各下部電極420に沿ってRGBの各発光領域が互いに隣接して配置されて構成されるRGB−1画素単位が配列しており、実装基板400全体として画素が二次元マトリクス状に配列している。各画素においては、下部電極420上に三つのチップ結合部421A、421B、421Cが形成されており、例えば、それぞれB、R、Gの発光領域になる。下部電極配線としては、列方向に延在した電源線610およびデータ線620に加え、行方向に延在した走査線630も設けられている。各データ線620と各画素の各発光領域との間にはアクティブ駆動回路が設けられ、このアクティブ駆動回路により各画素の各発光領域を選択することができるようになっている。アクティブ駆動回路はトランジスタT1、T2およびコンデンサCからなる。トランジスタT1、T2は一般的には多結晶Si薄膜などの半導体薄膜を用いた薄膜トランジスタにより構成され、コンデンサCは下部電極、絶縁膜および上部電極を積層することにより構成される。トランジスタT1のソースはデータ線620に接続され、ドレインはトランジスタT2のゲートに接続され、ゲートは走査線630に接続されている。トランジスタT2のソースは電源線610に接続され、ドレインは下部電極420に接続されている。コンデンサCはトランジスタT1のドレインと電源線610との間に接続されている。走査線630とデータ線620との選択により各画素の各発光領域を選択する。
図42は、実装基板400上に第7の実施の形態と同様にして青色発光の垂直型マイクロLEDチップ510、赤色発光の垂直型マイクロLEDチップ520および緑色発光の垂直型マイクロLEDチップ530を実装し、上部電極430を形成した状態を示す。上部電極430は各上部電極幹線部431を接続する共通電極部433を有する。図42に1回路ユニットを示す。1回路ユニット中の垂直型マイクロLEDチップの数は典型的には3個以上である。
青色発光の垂直型マイクロLEDチップ510、赤色発光の垂直型マイクロLEDチップ520および緑色発光の垂直型マイクロLEDチップ530は第7の実施の形態で用いたものと同様である。3種類の半導体チップインクや半導体チップインク吐出装置も第7の実施の形態と同様である。
この第8の実施の形態によれば、実装基板400上にRGBの各発光用の垂直型マイクロLEDチップを容易にしかも極めて短時間に能率的に実装することができ、不良の垂直型マイクロLEDチップの影響も容易に除去することができることにより、高性能のアクティブ駆動方式のカラーマイクロLEDディスプレイを低コストで実現することができる。加えて、第7の実施の形態と同様な利点を得ることもできる。
〈第9の実施の形態〉
[マイクロLED集積装置集合体]
第9の実施の形態においては、マイクロLED集積装置集合体について説明する。
[マイクロLED集積装置集合体]
第9の実施の形態においては、マイクロLED集積装置集合体について説明する。
図43はマイクロLED集積装置集合体を示す。図43に示すように、このマイクロLED集積装置集合体においては、第1の実施の形態によるマイクロLED集積装置700が回路基板800の一方の主面上に互いに隣接して、より詳細には互いに密接して複数搭載されている。この場合、互いに隣接する一対のマイクロLED集積装置700の実装基板400の互いに対応する位置にある側面電極404同士は互いに接触して電気的に接続されている。回路基板800にはマイクロLED集積装置集合体の制御回路が設けられている。回路基板800は例えばプリント配線基板(PCB)などである。回路基板800には、各マイクロLED集積装置700の実装基板400の側面電極404に対応する位置に貫通電極801が設けられている。回路基板800の他方の主面には制御回路を構成する部品や素子が実装されている。図43においては、一例として、IC802〜805、抵抗806〜809、インダクタ810〜813が示されている。図43においては、IC803が貫通電極801と接続され、抵抗806の一端が貫通電極801と接続されている様子が示されている。
この第9の実施の形態によれば、マイクロLED集積装置700の実装基板400が側面電極404を有することにより、複数のマイクロLED集積装置700が回路基板800に縦横に互いに密接して搭載されたマイクロLED集積装置集合体を容易に実現することができる。このマイクロLED集積装置集合体によれば、マイクロLED集積装置700としてマイクロLEDディスプレイパネルを用いることにより、(1個のマイクロLEDディスプレイパネルの面積)×(搭載個数)の面積を有する大画面のマイクロLEDディスプレイパネルを実現することができる。このマイクロLEDディスプレイパネルでは各マイクロLED集積装置700に相当するマイクロLEDディスプレイパネルをその実装基板400の側面電極404同士を互いに接触させて密接して連結することができるため、画素サイズが数百μmサイズになってもパネル接合部が目立たない。
〈第10の実施の形態〉
[マイクロLED集積装置]
第1の実施の形態においては、マイクロLED集積装置における垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と上部電極幹線部431とを接続する透明電極432が単一であるのに対し、この第10の実施の形態においては、図44に示すように、n側電極21と上部電極幹線部431とを接続する透明電極432が各チップ結合部421当たり互いに平行に複数本(この例では3本)設けられている。これらの透明電極432は各チップ結合部421のほぼ全体をカバーするように設けられている。透明電極432は、その一部が垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と接触しているものもあれば、ほとんど垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と接触していないものもあるが、少なくとも一つの透明電極432は、その一部が少なくとも一つ、典型的には複数の垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と接触している。
[マイクロLED集積装置]
第1の実施の形態においては、マイクロLED集積装置における垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と上部電極幹線部431とを接続する透明電極432が単一であるのに対し、この第10の実施の形態においては、図44に示すように、n側電極21と上部電極幹線部431とを接続する透明電極432が各チップ結合部421当たり互いに平行に複数本(この例では3本)設けられている。これらの透明電極432は各チップ結合部421のほぼ全体をカバーするように設けられている。透明電極432は、その一部が垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と接触しているものもあれば、ほとんど垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と接触していないものもあるが、少なくとも一つの透明電極432は、その一部が少なくとも一つ、典型的には複数の垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と接触している。
このマイクロLED集積装置以外の上記以外の構成は第1の実施の形態によるマイクロLED集積装置と同様である。また、このマイクロLED集積装置の製造方法も第1の実施の形態によるマイクロLED集積装置と同様である。
この第10の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点に加えて、次のような利点を得ることができる。すなわち、上部電極幹線部431から各チップ結合部421の全域をカバーするように複数本の透明電極432が延びているので、各回路ユニットにおいて下部電極420と上部電極430との間に一つの垂直型マイクロLEDチップ40も接続されていない事態が発生するのを防止することができ、ひいてはマイクロLED集積装置の不良の発生を防止することができる。また、実装基板400上に垂直型マイクロLEDチップ40の不良が生じた場合でも、その不良の垂直型マイクロLEDチップ40が接続された上部電極430の支線部432を切断することにより容易に修理することができる。
〈第11の実施の形態〉
[カラーマイクロLEDディスプレイ]
第7の実施の形態によるカラーマイクロLEDディスプレイにおいては、垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と上部電極幹線部431とを接続する透明電極432が単一であるのに対し、この第11の実施の形態によるカラーマイクロLEDディスプレイにおいては、図45に示すように、n側電極21と上部電極幹線部431とを接続する透明電極432が各チップ結合部421当たり互いに平行に複数本(この例では3本)設けられている。その他のことは第7の実施の形態によるカラーマイクロLEDディスプレイと同様である。
[カラーマイクロLEDディスプレイ]
第7の実施の形態によるカラーマイクロLEDディスプレイにおいては、垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と上部電極幹線部431とを接続する透明電極432が単一であるのに対し、この第11の実施の形態によるカラーマイクロLEDディスプレイにおいては、図45に示すように、n側電極21と上部電極幹線部431とを接続する透明電極432が各チップ結合部421当たり互いに平行に複数本(この例では3本)設けられている。その他のことは第7の実施の形態によるカラーマイクロLEDディスプレイと同様である。
この第11の実施の形態によれば、第7および第10の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈第12の実施の形態〉
[カラーマイクロLEDディスプレイ]
第8の実施の形態によるカラーマイクロLEDディスプレイにおいては、垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と上部電極幹線部431とを接続する透明電極432が単一であるのに対し、この第12の実施の形態によるカラーマイクロLEDディスプレイにおいては、図46に示すように、n側電極21と上部電極幹線部431とを接続する透明電極432が各チップ結合部421当たり互いに平行に複数本(この例では3本)設けられている。その他のことは第8の実施の形態によるカラーマイクロLEDディスプレイと同様である。
[カラーマイクロLEDディスプレイ]
第8の実施の形態によるカラーマイクロLEDディスプレイにおいては、垂直型マイクロLEDチップ40のn側電極21と上部電極幹線部431とを接続する透明電極432が単一であるのに対し、この第12の実施の形態によるカラーマイクロLEDディスプレイにおいては、図46に示すように、n側電極21と上部電極幹線部431とを接続する透明電極432が各チップ結合部421当たり互いに平行に複数本(この例では3本)設けられている。その他のことは第8の実施の形態によるカラーマイクロLEDディスプレイと同様である。
この第12の実施の形態によれば、第8および第10の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
以上、この発明の実施の形態について具体的に説明したが、この発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施の形態において挙げた数値、構成、形状、材料、方法などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構成、形状、材料、方法などを用いてもよい。
例えば、上述の第7の実施の形態においては、青色発光の垂直型マイクロLEDチップ510を分散させた半導体チップインク、赤色発光の垂直型マイクロLEDチップ520を分散させた半導体チップインクおよび緑色発光の垂直型マイクロLEDチップ530を分散させた半導体チップインクを三つの吐出ノズルから同時に吐出する場合について説明したが、これらの半導体チップインクを一種類ずつ分けて吐出してもよい。
また、実施の形態として図示はしないが、三つのチップ結合部421A、421B、421C全てに例えば青色発光の垂直型マイクロLEDチップ510を分散させ、上部電極形成、検査および修理後にチップ結合部421B、421C上にそれぞれ赤色蛍光体、緑色蛍光体を塗布してRGBの発光を実現させてもよいし、チップ結合部421A、421Bには青色発光の垂直型マイクロLEDチップ510がランダム配置で複数結合し、チップ結合部421Cには緑色発光の垂直型マイクロLEDチップ530がランダム配置で複数結合し、上部電極形成、検査および修理後にチップ結合部421B上に赤色蛍光体を塗布してRGBの発光を実現させてもよい。
10…サファイア基板、11…n型GaN層、12…n+ 型GaN層、13…発光層、14…p型GaN層、16…Sn膜、17…p側電極、18…被覆材、19…支持基板、21…n側電極、40…垂直型マイクロLEDチップ、200…半導体チップインク、300…半導体チップインク吐出装置、311〜313…磁場印加装置、400…実装基板、410…基板、413…溝、414…側面電極、420…下部電極、420a…配線部、421…チップ結合部、430…上部電極、431…上部電極幹線部、432…透明電極
Claims (18)
- 一方の主面に下部電極を有し、かつ側面に上下に通じる複数の側面電極を有し、上記下部電極の配線部と少なくとも一つの上記側面電極とが互いに電気的に接続されている実装基板と、
上記下部電極上に設けられたチップ結合部と、
上記チップ結合部にランダム配置で結合した、上面および下面に第1電極および第2電極を有し、上記第2電極側が上記第1電極側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成された複数の半導体チップと、
上記複数の半導体チップの上層の、幹線部と当該幹線部から分岐した単一または複数の支線部とを有し、上記下部電極の上記配線部と接続された上記側面電極と異なる他の少なくとも一つの上記側面電極と上記幹線部とが互いに電気的に接続されている上部電極とを有し、
上記半導体チップは、上記第2電極側を上記チップ結合部に向けて上記チップ結合部に結合し、上記第2電極と上記下部電極とが互いに電気的に接続され、少なくとも一つの上記半導体チップの上記第1電極と上記上部電極の上記支線部とが互いに電気的に接続されている半導体チップ集積装置。 - 上記実装基板の側面に上下に通じる溝を有し、この溝に沿って上記側面電極が設けられている請求項1記載の半導体チップ集積装置。
- 上記側面電極が金属または金属ナノ粒子からなる請求項1または2記載の半導体チップ集積装置。
- 上記チップ結合部が強磁性材料を含まない請求項1記載の半導体チップ集積装置。
- 上記チップ結合部が強磁性材料を含む請求項1記載の半導体チップ集積装置。
- 上記半導体チップはチップサイズが10μm×10μm以下、厚さが10μm以下である請求項1〜5のいずれか一項記載の半導体チップ集積装置。
- 上記チップ結合部の面積が上記第2電極の面積の10倍以上である請求項1〜6のいずれか一項記載の半導体チップ集積装置。
- 上記上部電極の上記支線部の面積が上記第1電極の面積の10倍以上である請求項1〜7のいずれか一項記載の半導体チップ集積装置。
- 上記半導体チップは発光素子、受光素子、トランジスタ、イメージセンサー、半導体太陽電池、半導体集積回路装置または半導体センサーである請求項1〜8のいずれか一項記載の半導体チップ集積装置。
- 上記半導体チップが、上面および下面にp側電極およびn側電極を有し、上記p側電極側および上記n側電極側のうちの一方が他方に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成された発光素子チップである請求項1〜8のいずれか一項記載の半導体チップ集積装置。
- 上記半導体チップが、上面および下面にp側電極およびn側電極を有し、上記p側電極側および上記n側電極側のうちの一方が他方に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成された発光素子チップおよびツェナーダイオードであり、当該発光素子チップは順方向に接続され、当該ツェナーダイオードは当該発光素子チップに対して逆バイアスになるように接続されている請求項1〜8のいずれか一項記載の半導体チップ集積装置。
- 上記半導体チップが、上面および下面にp側電極およびn側電極を有し、上記p側電極側および上記n側電極側のうちの一方が他方に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成された第1発光素子チップと、上面および下面にp側電極およびn側電極を有し、上記p側電極側および上記n側電極側のうちの当該第1発光素子チップと反対側がより強く磁場に引き寄せられるように構成された第2発光素子チップとを含み、当該第1発光素子チップは順方向に接続され、当該第2発光素子チップは当該第1発光素子チップに対して逆バイアスになるように接続されている請求項1〜8のいずれか一項記載の半導体チップ集積装置。
- 上記半導体チップが発光ダイオードチップであり、上記半導体チップ集積装置が発光ダイオードディスプレイパネルである請求項1〜8のいずれか一項記載の半導体チップ集積装置。
- 請求項1記載の半導体チップ集積装置が回路基板の一方の主面に互いに隣接して複数搭載され、上記半導体チップ集積装置の上記実装基板の上記側面電極が上記回路基板に設けられた貫通電極と電気的に接続され、上記貫通電極が上記回路基板の他方の主面に設けられた回路と電気的に接続されている半導体チップ集積装置集合体。
- 上面および下面に第1電極および第2電極を有し、上記第2電極側が上記第1電極側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成されている複数の半導体チップと液体とを含有する液滴状の半導体チップインクを、一方の主面に下部電極を有し、かつ側面に上下に通じる複数の側面電極を有し、上記下部電極の配線部と少なくとも一つの上記側面電極とが互いに電気的に接続されている実装基板の上記下部電極上に設けられたチップ結合部に供給する工程と、
上記半導体チップインクを乾燥させ、上記半導体チップを、上記第2電極側を上記チップ結合部に向けて上記チップ結合部にランダム配置で結合し、上記第2電極と上記下部電極とを互いに電気的に接続する工程と、
上記複数の半導体チップの上層として、幹線部と当該幹線部から分岐した単一または複数の支線部とを有する上部電極を少なくとも一つの上記半導体チップの上記第1電極と上記上部電極の上記支線部とが互いに電気的に接続され、かつ上記下部電極の上記配線部と接続された上記側面電極と異なる他の少なくとも一つの上記側面電極と上記幹線部とが互いに電気的に接続されるように形成する工程と、
を有する半導体チップ集積装置の製造方法。 - インクジェットプリンティング方式によりノズルの先端から上記半導体チップインクを上記チップ結合部に吐出する請求項15記載の半導体チップ集積装置の製造方法。
- 上記上部電極を形成した後、半導体チップの検査を行い、不良の半導体チップが接続された上記上部電極の上記支線部のうちの当該不良の半導体チップの接続部をレーザーアブレーションにより除去して切り離す工程をさらに有する請求項15または16記載の半導体チップ集積装置の製造方法。
- 上記実装基板は正方形または長方形であり、上記実装基板の製造に用いる実装基板製造用基板を切断することにより複数の基板を製造し、これらの基板を互いに同じ方位で上記主面に垂直な方向に互いに重ね合わせ、これらの基板の側面に上記主面に垂直な方向に線状の溝を形成し、これらの溝に金属のめっきまたは金属ナノ粒子の塗布を行うことにより上記側面電極を形成し、これらの基板を互いに分離した後、それぞれの基板の一方の主面に上記下部電極を形成することにより上記実装基板を製造する請求項15〜17のいずれか一項記載の半導体チップ集積装置の製造方法。
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