JP2021124555A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着装置の経時変化に対応し、定着ローラーの表面温度を好適に制御することが可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、定着ローラー31、加圧ローラー32、加熱部33、非接触温度検出部36及び接触温度検出部37を有する定着装置30と、制御部と、を備える。制御部は、定着装置30のウォームアップ時における非接触温度検出部36が検出した温度の単位時間当たりの変化率と接触温度検出部37が検出した温度の単位時間当たりの変化率との比と、非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値と、の関係を表し、予め導出された関係情報に基づいて補正値を得るとともに、当該補正値を用いて非接触温度検出部36が検出した温度を補正して加熱部33の動作を制御する。【選択図】図4
Description
本発明は、画像形成装置に関する。
複写機やプリンター等の電子写真方式の画像形成装置では、用紙等の記録媒体に転写された未定着トナー像を用紙に定着させるための方法として熱定着方式が広く採用されている。記録媒体は、定着部材と、加圧部材とが接触する定着ニップ部を通過することで、加圧、加熱されて未定着トナー像が定着される。このような定着装置の一例が、特許文献1に開示されている。
特許文献1で開示された従来の画像形成装置の定着装置は、加熱部を内蔵した定着ローラーと、定着ローラーに接触してニップ部を形成する加圧ローラーと、定着ローラーの非通紙領域に接触する接触式温度検知部と、定着ローラーの軸方向中央部に配置された非接触式温度検知部と、を備える。この定着装置は、非接触式温度検知部と定着ローラーの表面との間隔を、予め記憶したデータに基づき予測し、予測した当該間隔に応じて非接触式温度検知部が検知した温度を補正して加熱部を制御する。これにより、非接触式温度検知部と定着ローラーの表面との間隔にばらつきが生じても、定着ローラーの表面温度を所望どおりに制御することができ、画像不良の発生を抑制することが可能である。
非接触式温度検知部と定着ローラーの表面との間隔の変化は、非接触式温度検知部の応答性に関わりが深く、注目すべきである。しかしながら、上記従来の定着装置は、非接触式温度検知部の応答性を考慮しておらず、非接触式温度検知部の検知温度のみに注目している。これにより、例えば画像形成装置の設置環境等の影響を受け、非接触式温度検知部の検知温度と、実際の定着ローラーの表面温度との差異が大きくなり、定着ローラーの表面温度を好適に制御することができない虞があった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、定着装置の経時変化に対応し、定着ローラーの表面温度を好適に制御することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、定着部材、加圧部材、加熱部、非接触温度検出部及び接触温度検出部を有する定着装置と、制御部と、を備える。定着部材は、記録媒体の搬送方向に沿って回転可能である。加圧部材は、記録媒体の搬送方向に沿って回転可能であって定着部材の外周面に接触して定着ニップ部を形成する。加熱部は、定着部材を加熱する。非接触温度検出部は、定着部材の外周面の、記録媒体の通過領域に対して所定の隙間を隔てて配置されて通過領域の外周面の温度を検出する。接触温度検出部は、定着部材の外周面の、記録媒体の非通過領域に接触して非通過領域の外周面の温度を検出する。制御部は、加熱部の動作を制御する。制御部は、定着装置のウォームアップ時における非接触温度検出部が検出した温度の単位時間当たりの変化率と接触温度検出部が検出した温度の単位時間当たりの変化率との比と、非接触温度検出部が検出した温度に対する補正値と、の関係を表し、予め導出された関係情報に基づいて前記補正値を得るとともに、当該補正値を用いて前記非接触温度検出部が検出した温度を補正して前記加熱部の動作を制御する。
本発明の構成によれば、非接触温度検出部及び接触温度検出部のそれぞれが検出した温度の単位時間当たりの変化率を利用し、非接触温度検出部が検出した温度に対する補正値を得ることができる。すなわち、非接触式温度検知部の応答性を考慮することで、例えば画像形成装置の設置環境等の影響を受け難くすることが可能である。したがって、非接触温度検出部が検出した温度と、実際の定着ローラーの表面温度との差異が大きくなることを抑制することができ、定着ローラーの表面温度を好適に制御することが可能である。
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。なお、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
図1は、画像形成装置1の構成を示す概略断面図である。図2は、画像形成装置1の構成を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置1の一例としては、外部のコンピュータから印刷ジョブに係る画像データ及び印刷指令を受け付けて印刷を実行するいわゆるプリンターである。
画像形成装置1は、図1及び図2に示すように、給紙部2、用紙搬送部3、露光部4、画像形成部20、転写部5、定着装置30、用紙排出部7、制御部9及び記憶部10を含む。
給紙部2は、複数枚の用紙(記録媒体)Pを収容し、印刷時に用紙Pを1枚ずつ分離して送り出す。用紙搬送部3は、給紙部2から送り出された用紙Pを転写部5及び定着装置30へと搬送し、さらに定着後の用紙Pを用紙排出口3aから用紙排出部7に排出する。露光部4は、画像データに基づき制御されたレーザー光を画像形成部20に向かって照射する。
画像形成部20は、感光体ドラム21を備える。感光体ドラム21は、表面に感光層が形成され、所定の方向(図1における時計回り)に回転可能に支持された像担持体である。画像形成部20は、さらに感光体ドラム21の周囲に、その回転方向に沿って帯電部22、現像部23及びクリーニング部24を備える。なお、現像部23とクリーニング部24との間に転写部5が配置される。
帯電部22は、例えばコロナ放電によって感光体ドラム21の表面を所定電位に帯電させる。露光部4は、帯電部22により帯電された感光体ドラム21を露光することにより静電潜像を形成する。現像部23は、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。
転写部5は、画像形成部20の下方に配置される。転写部5は、用紙搬送部3の、定着装置30よりも用紙搬送方向Dcの上流側に配置される。転写部5は、現像部23により形成された感光体ドラム21の表面のトナー像を用紙Pに転写する。クリーニング部24は、転写後に感光体ドラム21の表面に残留するトナー等を除去してクリーニングする。
定着装置30は、用紙搬送部3の、画像形成部20及び転写部5よりも用紙搬送方向Dcの下流側に配置される。定着装置30は、トナー像が転写された用紙Pを加熱、加圧し、転写部5により用紙Pに転写されたトナー像を定着させる。定着装置30の構成については、後に詳述する。
制御部9は、不図示のCPU、画像処理部、その他の電子回路及び電子部品を含む。CPUは、記憶部10に記憶された制御用のプログラムやデータに基づき、画像形成装置1に設けられた各構成要素の動作を制御して画像形成装置1の機能に係る処理を行う。給紙部2、用紙搬送部3、露光部4、画像形成部20、転写部5及び定着装置30のそれぞれは、制御部9から個別に指令を受け、連動して用紙Pへの印刷を行う。
記憶部10は、例えば不図示のプログラムROM(Read Only Memory)、データROMなどといった不揮発性の記憶装置と、RAM(Random Access Memory)のような揮発性の記憶装置との組み合わせで構成される。
続いて、定着装置30の構成について、図1及び図2に加えて図3及び図4を用いて説明する。図3は、定着装置30の概略断面正面図である。図4は、定着装置30の概略断面側面図である。
定着装置30は、図3及び図4に示すように、定着ローラー(定着部材)31、加圧ローラー(加圧部材)32、加熱部33、上フレーム34、下フレーム35、非接触温度検出部36及び接触温度検出部37を有する。
定着ローラー31及び加圧ローラー32は、それぞれ円筒形状で構成され、互いの周面が上下から用紙搬送部3を挟んで対向するように配置される。定着ローラー31及び加圧ローラー32の回転軸線は、用紙幅方向Dw(図3の左右横方向、図2の紙面奥行き方向)に沿って延びる。定着ローラー31及び加圧ローラー32は、用紙搬送部3の用紙幅方向Dwの全域にわたる長さを有する。
定着ローラー31は、定着装置30の上フレーム34に回転可能に支持される。定着ローラー31は、モーター(不図示)から動力を得て、図3において時計回りに回転する。定着ローラー31は、用紙Pの搬送方向Dcに沿って回転可能である。
加圧ローラー32は、定着装置30の下フレーム35に回転可能に支持される。加圧ローラー32は、モーター(不図示)から動力を得て、図3において反時計回りに回転する。加圧ローラー32は、用紙Pの搬送方向Dcに沿って回転可能である。
加圧ローラー32は、加圧ばね等を用いた加圧機構(不図示)により、定着ローラー31側に向かって所定の圧力が付与される。これにより、加圧ローラー32の外周面は、定着ローラー31の外周面に圧して接触し、定着ニップ部Nを形成する。
加熱部33は、例えば定着ローラー31の内部に配置される。加熱部33は、例えばハロゲンランプや抵抗発熱体で構成され、定着ローラー31と平行に用紙幅方向Dwに沿って延びる棒状である。加熱部33は、定着ローラー31の内部から、定着ローラー31を加熱する。これにより、定着ローラー31の外周部が発熱する。未定着トナー像が転写された用紙Pは、定着ニップ部Nを通過するときに加熱され、その表面にトナーが定着される。
なお、定着ニップ部Nは、図4に示すように、用紙幅方向Dwにおいて最大サイズWpの用紙Pを通過させることができる。すなわち、定着ニップ部Nの、用紙幅方向DwのサイズWpの領域は、用紙Pの通過領域Apに等しい。用紙Pの通過領域Apに対する用紙幅方向Dwの両外側は、用紙Pの非通過領域Anである。加熱部33は、定着ニップ部Nの、用紙幅方向DwのサイズWpの全域にわたって十分に加熱することが可能である。また、加熱部33の動作は、制御部9によって制御される。
上フレーム34は、定着装置30の上部に設けられる。上フレーム34は、用紙搬送部3よりも上方において、定着ローラー31の側方及び上方を覆う。上フレーム34は、定着ローラー31を回転可能に支持する。
下フレーム35は、定着装置30の下部に設けられる。下フレーム35は、用紙搬送部3よりも下方において、加圧ローラー32の側方及び下方を覆う。下フレーム35は、加圧ローラー32を回転可能に支持する。
非接触温度検出部36は、図4に示すように、上フレーム34の内側に取り付けられる。非接触温度検出部36は、用紙幅方向Dwに関して、定着ローラー31に対する用紙Pの通過領域Apの中央部に配置される。非接触温度検出部36は、例えばサーミスタで構成され、定着ローラー31の外周面に対して離間している。すなわち、非接触温度検出部36は、定着ローラー31の外周面の、用紙Pの通過領域Apに対して所定の隙間Gを隔てて配置され、当該通過領域Apの外周面の温度(表面温度)を検出する。
接触温度検出部37は、図4に示すように、上フレーム34の内側に取り付けられる。接触温度検出部37は、用紙幅方向Dwに関して、定着ローラー31に対する用紙Pの非通過領域Anに配置される。接触温度検出部37は、例えばサーミスタで構成され、定着ローラー31の外周面に接触している。すなわち、接触温度検出部37は、定着ローラー31の外周面の、用紙Pの非通過領域Anに接触し、当該非通過領域Anの外周面の温度(表面温度)を検出する。
図5は、定着装置30のウォームアップ時の定着ローラー31の表面温度の変化率を示すグラフである。図5の横軸は、定着装置30のウォームアップ開始からの経過時間を示す。図5の縦軸は、定着ローラー31の表面温度を示す。図5に記載の「使用開始前」とは、画像形成装置1の組み立て完成直後であって、実際にプリンターとして使用を開始する前の状態を意味する。図5に記載の「使用開始後」とは、プリンターとして画像形成装置1の使用を開始し、定着ローラー31の表面温度を180℃に設定して3万枚の印刷を行った後の状態を意味する。
図5によれば、接触温度検出部37が検出した定着ローラー31の表面温度の単位時間当たりの変化率は、10℃/秒である。接触温度検出部37が検出した定着ローラー31の表面温度の当該変化率は、定着装置30の使用開始前、使用開始後ともに同じである。
定着装置30の使用開始前において、非接触温度検出部36が検出した定着ローラー31の表面温度の単位時間当たりの変化率は、15℃/秒である。また、定着装置30の使用開始後において、非接触温度検出部36が検出した定着ローラー31の表面温度の単位時間当たりの変化率は、12.5℃/秒である。
非接触温度検出部36が検出した定着ローラー31の表面温度の当該変化率は、定着装置30の使用開始前に対し、使用開始後に低下している。これは、3万枚の印刷の間に、熱と、加圧ローラー32の荷重とによって上フレーム34が変形し、定着ローラー31の外周面と、非接触温度検出部36との間の隙間Gが広くなったことに起因する。これにより、非接触温度検出部36による温度検出の応答性が低下し、非接触温度検出部36が検出した定着ローラー31の表面温度の単位時間当たりの変化率も低下した。
図6は、印刷枚数が増加したときの定着ローラー31の外周面と非接触温度検出部36との隙間Gの変化を示すグラフである。図6の横軸は、印刷枚数を示す。図6の縦軸は、定着ローラー31の外周面と非接触温度検出部36との間の隙間Gの間隔Dgを示す。
図6によれば、印刷枚数0枚から3万枚まで、定着ローラー31の外周面と非接触温度検出部36との間の隙間Gの間隔Dgは、線形で急激に増加していることが分かる。すなわち、この期間において、非接触温度検出部36が検出した定着ローラー31の表面温度の単位時間当たりの変化率も、大きく変化すると言える。
図7は、定着ローラー31の表面温度の変化率の比と非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値との関係を示すグラフである。図7の横軸は、定着ローラー31の表面温度の変化率の比であって、接触温度検出部37が検出した定着ローラー31の表面温度の変化率に対する非接触温度検出部36が検出した定着ローラー31の表面温度の変化率の比を示す。図7の縦軸は、非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値を示す。
図7に示すように、図5に基づき、使用開始前の定着ローラー31の表面温度の変化率の比は、1.50(=15/10)である。また、使用開始後の定着ローラー31の表面温度の変化率の比は、1.25(=12.5/10)である。
使用開始前、すなわち変化率の比が1.50であるとき、非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値は、0℃である。これに対して、使用開始後、すなわち変化率の比が1.25であるとき、非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値を、−25℃に設定した。この補正値は、定着ローラー31の外周面と非接触温度検出部36との間の隙間Gが広くなり、非接触温度検出部36による温度検出の応答性が低下したことを補正するための温度である。
図6に基づき、図7に破線で示したように、使用開始前(印刷枚数0枚)から使用開始後(印刷枚数3万枚)まで、非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値は、線形に変化する。例えば、定着ローラー31の表面温度の変化率の比が1.35である場合、非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値は−15℃とする。
定着ローラー31の表面温度の変化率の比と非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値との関係(図7参照)を表し、予め導出された関係情報と、使用開始前の、非接触温度検出部36及び接触温度検出部37が検出した定着ローラー31の表面温度の単位時間当たりの変化率とは、記憶部10に予め記憶される。
画像形成装置1において実際に印刷が行われる場合に、制御部9は、定着装置30のウォームアップ時、非接触温度検出部36が検出した定着ローラー31の表面温度の単位時間当たりの変化率と、接触温度検出部37が検出した定着ローラー31の表面温度の単位時間当たりの変化率との比を算出する。続いて、制御部9は、定着ローラー31の表面温度の変化率の比と、非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値と、の関係(図7参照)を表し、予め導出された関係情報に基づいて非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値を得る。そして、制御部9は、当該補正値を用いて、非接触温度検出部36が検出した温度を補正し、加熱部33の動作を制御する。
図8は、印刷枚数が増加したときの、実施例及び比較例の定着ローラーの表面温度の変化を示すグラフである。図8の横軸は、印刷枚数を示す。図8の縦軸は、定着ローラーの表面温度を示す。
図8には、上記構成のとおりに加熱部33の動作を制御する実施例の定着装置30の定着ローラー31の表面温度の変化と、上記構成の制御を行わない比較例の定着装置の定着ローラーの表面温度の変化とをそれぞれプロットした。ここで述べた定着ローラーの表面温度とは、定着ローラーの表面温度を180℃に設定した場合の定着装置のウォームアップ後の実測値である。
図8によれば、比較例の定着装置では、印刷枚数0枚から3万枚までの間、定着ローラーの表面温度が大きく増加していることが分かる。これは、3万枚の印刷の間に、定着ローラーの外周面と非接触温度検出部との間の隙間が広くなり、非接触温度検出部による温度検出の応答性が低下し、定着ローラーが過剰に加熱されていることに起因する。
これに対して、実施例の定着装置30では、印刷枚数が増加しても、定着ローラー31の表面温度が変化していないことが分かる。すなわち、図7に示した関係に基づいて非接触温度検出部36が検出した温度が補正されたうえで加熱部33の動作が制御され、定着ローラー31は適正に加熱されている。
上記実施形態の構成のように、非接触温度検出部36及び接触温度検出部37のそれぞれが検出した温度の単位時間当たりの変化率を利用し、非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値を得ることができる。すなわち、非接触温度検出部36の応答性を考慮することで、例えば画像形成装置1の設置環境等の影響を受け難くすることが可能である。したがって、非接触温度検出部36が検出した温度と、実際の定着ローラー31の表面温度との差異が大きくなることを抑制することができ、定着ローラー31の表面温度を好適に制御することが可能である。
また、図6によれば、印刷枚数3万枚以降、定着ローラー31の外周面と非接触温度検出部36との間の隙間Gの間隔Dgは、大きく増加していないことが分かる。特に、印刷枚数5万枚以降、間隔Dgは0.35mmで保たれていることが分かる。すなわち、例えば印刷枚数3万枚以降、非接触温度検出部36が検出した定着ローラー31の表面温度の単位時間当たりの変化率は、ほとんど変化しないと言える。なお、定着装置30の使用開始前からの経時変化については、累積印刷枚数のほか、例えば累積駆動時間を用いても良い。
したがって、制御部9は、例えば印刷枚数3万枚に達するまで、または同等の累積駆動時間に達するまで、非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値を得るために図7として表した関係情報を用い、それ以降、図7として表した関係情報を用いず、一定値(例えば−25℃)とすることにしても良い。すなわち、制御部9は、定着装置30の使用開始時からの累積印刷枚数または累積駆動時間に基づき、非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値を得るために図7として表した関係情報を用いるか否か選択することにして良い。
この構成によれば、例えば所定の累積印刷枚数以降、または所定の累積駆動時間以降、非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値として一定値が適用される。すなわち、非接触温度検出部36の応答性を考慮したうえで、定着ローラー31の表面温度を容易に制御することが可能になる。
また、図7として表した関係情報は、定着ローラー31の外周面と、非接触温度検出部36との間の隙間Gの間隔Dgに基づいて導出される。詳細に言えば、図7の関係情報は、印刷枚数が増加したときの定着ローラー31の外周面と非接触温度検出部36との隙間Gの間隔Dgの変化(図6参照)に基づいて導出される。
この構成によれば、非接触温度検出部36による温度検出の応答性と、定着ローラー31の外周面と非接触温度検出部36との隙間Gの間隔Dgの変化とを対応付けることができる。これにより、非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値に関し、上フレーム34の変形の程度に応じた好適な補正値を得ることが可能である。
また、図7として表した関係情報は、定着装置30の使用開始前に非接触温度検出部36及び接触温度検出部37のそれぞれが検出した温度の変化率と、所定枚数の印刷後に非接触温度検出部36及び接触温度検出部37のそれぞれが検出した温度の変化率とに基づいて導出される。詳細に言えば、図7の関係情報は、例えば画像形成装置1の組み立て完成直後であって、実際にプリンターとして使用を開始する前に非接触温度検出部36及び接触温度検出部37のそれぞれが検出した温度の変化率と、例えば定着ローラー31の表面温度を180℃に設定して3万枚の印刷後に非接触温度検出部36及び接触温度検出部37のそれぞれが検出した温度の変化率とに基づいて導出される。
この構成によれば、定着装置30の使用開始前からの経時変化に対応した非接触温度検出部36による温度検出の応答性の変化を考慮することができる。すなわち、非接触温度検出部36が検出した温度に対する補正値に関し、好適な補正値を得ることが可能である。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
例えば、上記実施形態では、画像形成装置1は、モノクロの画像を形成するモノクロ印刷用の画像形成装置であることとしたが、このような機種に限定されるわけではなく、カラー印刷用の画像形成装置であって良い。
本発明は、画像形成装置において利用可能である。
1 画像形成装置
9 制御部
20 画像形成部
21 感光体ドラム
30 定着装置
31 定着ローラー(定着部材)
32 加圧ローラー(加圧部材)
33 加熱部
34 上フレーム
35 下フレーム
36 非接触温度検出部
37 接触温度検出部
An 非通過領域
Ap 通過領域
Dg 間隔
G 隙間
N 定着ニップ部
P 用紙
9 制御部
20 画像形成部
21 感光体ドラム
30 定着装置
31 定着ローラー(定着部材)
32 加圧ローラー(加圧部材)
33 加熱部
34 上フレーム
35 下フレーム
36 非接触温度検出部
37 接触温度検出部
An 非通過領域
Ap 通過領域
Dg 間隔
G 隙間
N 定着ニップ部
P 用紙
Claims (4)
- 記録媒体の搬送方向に沿って回転可能である定着部材と、
前記記録媒体の搬送方向に沿って回転可能であって前記定着部材の外周面に接触して定着ニップ部を形成する加圧部材と、
前記定着部材を加熱する加熱部と、
前記定着部材の前記外周面の、前記記録媒体の通過領域に対して所定の隙間を隔てて配置されて前記通過領域の前記外周面の温度を検出する非接触温度検出部と、
前記定着部材の前記外周面の、前記記録媒体の非通過領域に接触して前記非通過領域の前記外周面の温度を検出する接触温度検出部と、
を有する定着装置と、
前記加熱部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記定着装置のウォームアップ時における前記非接触温度検出部が検出した温度の単位時間当たりの変化率と前記接触温度検出部が検出した温度の単位時間当たりの変化率との比と、前記非接触温度検出部が検出した温度に対する補正値と、の関係を表し、予め導出された関係情報に基づいて前記補正値を得るとともに、当該補正値を用いて前記非接触温度検出部が検出した温度を補正して前記加熱部の動作を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記定着装置の使用開始時からの累積印刷枚数または累積駆動時間に基づき、前記補正値を得るために前記関係情報を用いるか否か選択することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記関係情報は、前記定着部材の前記外周面と、前記非接触温度検出部との間の前記隙間の間隔に基づいて導出されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記関係情報は、前記定着装置の使用開始前に前記非接触温度検出部及び前記接触温度検出部のそれぞれが検出した温度の前記変化率と、所定枚数の印刷後に前記非接触温度検出部及び前記接触温度検出部のそれぞれが検出した温度の前記変化率とに基づいて導出されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
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