JP2021124449A - ケーブルの劣化判定方法及びケーブルの劣化判定装置 - Google Patents

ケーブルの劣化判定方法及びケーブルの劣化判定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ケーブルに含まれる反射源の反射レベルの検出におけるS/Nを向上させて定量化が可能なケーブルの劣化判定方法及びケーブルの劣化判定装置を提供する。【解決手段】ケーブルの劣化判定方法は、周波数領域反射測定法によりケーブルの第1周波数帯における第1周波数応答特性を取得するステップと、第1周波数応答特性とケーブルの既知の参照周波数応答特性との差分に基づいて、第1周波数帯のうちケーブルに含まれる反射源の周波数スペクトルを含む第2周波数帯を選定するステップと、第2周波数帯における前記ケーブルの第2周波数応答特性を取得するステップと、を含む。【選択図】 図9

Description

本開示は、ケーブルの劣化判定方法及びケーブルの劣化判定装置に関する。
ケーブルの断線の有無及び断線の位置を判定する方法として、オシロスコープを用いたTDR(時間領域反射率)測定法と、ネットワークアナライザを用いたFDR(周波数領域反射率)測定法とが知られている。例えば、特許文献1、2には、ネットワークアナライザを用いて周波数領域反射率測定法によるケーブルの特性試験を行うことが開示されている。
特開2014−10027号公報 特開2015−72217号公報
周波数領域反射率測定法を利用して、ケーブルに含まれる反射源(すなわち劣化部位)の有無と位置を検出することが考えられる。周波数領域反射率測定法では、周波数応答特性を取得するための測定レンジとして周波数帯(周波数掃引の範囲)が設定される。特許文献1、2には、周波数帯を広くすることで、信号レベルが向上することが示唆されている。特許文献1、2のような方法を利用して、ケーブルの劣化の有無を検出することも考えられるが、劣化の程度を把握することはできないと考えられる。
ここで、本願発明者が鋭意検討した結果、ケーブルの周波数応答特性において、反射源となる劣化部位の周波数スペクトルは、劣化の形態によって大きく異なることが判明した。
そのため、劣化部位の反射レベル(入力波に対する反射波の振幅比)は、測定時に設定された周波数帯と反射源の周波数スペクトルとの関係性によって変動する。例えば、設定された周波数帯が反射源の周波数スペクトルから離れている場合、反射源の反射レベルが小さくなり、S/N(Signal to Noise ratio)が低下する。一方、反射源の周波数スペクトルより十分広い周波数帯域に設定した場合は、周波数分解能が粗くなって時間領域に変換するときの積分値が小さくなるため、同様にS/Nが低下する。このため、ケーブルに含まれる反射源(すなわち劣化部位)の反射率を定量的に評価することが困難となっている。
上述の事情に鑑みて、本開示は、ケーブルに含まれる反射源の反射レベルの検出におけるS/Nを向上させて定量化が可能なケーブルの劣化判定方法及びケーブルの劣化判定装置を提供することを目的とする。
本開示に係るケーブルの劣化判定方法は、
周波数領域反射測定法によりケーブルの第1周波数帯における第1周波数応答特性を取得するステップと、
前記第1周波数応答特性と前記ケーブルの既知の参照周波数応答特性との差分に基づいて、前記第1周波数帯のうち前記ケーブルに含まれる反射源の周波数スペクトルを含む第2周波数帯を選定するステップと、
前記第2周波数帯における前記ケーブルの第2周波数応答特性を取得するステップと、
を含む。
本開示に係るケーブルの劣化判定装置は、
周波数領域反射測定法によりケーブルの周波数応答特性を取得するように構成された試験実行部と、
前記ケーブルの既知の参照周波数応答特性を記憶するための記憶部と、
前記試験実行部によって取得された、前記ケーブルの第1周波数帯における第1周波数応答特性と、前記参照周波数応答特性との差分に基づいて、前記第1周波数帯のうち前記ケーブルに含まれる反射源の周波数スペクトルを含む第2周波数帯を選定する選定部と、
前記第2周波数帯を、前記ケーブルの第2周波数応答特性を取得するための周波数帯として前記試験実行部に設定する設定部と、
を備える。
本開示によれば、ケーブルに含まれる反射源の反射レベルの検出におけるS/Nの向上と劣化程度の定量化が可能となる。
一実施形態に係るケーブルの劣化判定装置とケーブルとの接続状態の一例を概略的に示す図である。 一実施形態に係るケーブルの劣化判定装置の構成を示すブロック図である。 第1周波数応答特性と参照周波数応答特性との差分の一例を説明するためのグラフである。 第2周波数帯の選定方法を説明するための概念図である。 補正係数に基づく補正前のケーブルの特性インピーダンス差とケーブル位置との関係性の一例を示すグラフである。 補正係数に基づく補正後のケーブルの特性インピーダンスの変化とケーブル位置との関係性の一例を示すグラフである。 複数の周波数スペクトルが含まれる場合の第1周波数応答特性と参照周波数応答特性との差分の一例を説明するためのグラフである。 複数の周波数スペクトルが含まれる場合の第2周波数帯の選定方法を説明するための概念図である。 一実施形態に係るケーブルの劣化判定方法の手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
(ケーブルの劣化判定装置)
以下、一実施形態に係るケーブルの劣化判定装置100について説明する。図1は、一実施形態に係るケーブルの劣化判定装置100とケーブル200との接続状態の一例を概略的に示す図である。
図1に示すように、ケーブルの劣化判定装置100は、ケーブル200の一端201に接続される。ケーブルの劣化判定装置100は、ケーブル200の一端201から他端202に向かって種々の周波数の電圧又は電磁波の入射信号を入力し、周波数応答特性を取得するように構成される。例えば、ケーブル200に劣化部位又は断線部位がある場合には、ケーブルの劣化判定装置100が入力した入射信号がその部位で反射される。ケーブル200に劣化部位又は断線部位がない場合、ケーブル200の他端202に終端器を設けた場合には入射信号の反射波が観測されず、ケーブル200の他端202に終端器を設けない場合にはケーブル200の他端202による入射信号の反射波が観測される。
なお、図1に示す例では、ケーブル200が巻回されている。しかし、実際の劣化判定の対象物は、既設のケーブル200であってもよく、ケーブル200は巻回されていない状態であってもよい。
図1に示す例では、ケーブルの劣化判定装置100が入射信号を生成してケーブル200の周波数応答特性を計測するように構成されている。しかし、ケーブルの劣化判定装置100は、そのような構成に限られない。例えば、ケーブルの劣化判定装置100は、ネットワークアナライザと組み合わせて使用され、ネットワークアナライザに計測条件を入力し、ネットワークアナライザが計測した周波数応答特性を取得するように構成されてもよい。すなわち、ケーブルの劣化判定装置100は、他の装置から周波数応答特性を取得するように構成されていればよい。
図2は、一実施形態に係るケーブルの劣化判定装置100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、ケーブルの劣化判定装置100は、各種データを記憶する記憶部11と、ユーザの入力を受け付ける入力部12と、周波数応答特性を計測する計測部13と、取得した周波数応答特性を表示するための表示部14と、装置全体の制御を行う制御部15とを備える。これらの構成要素は、バスライン16によって相互に接続される。なお、これらの構成要素は、イーサネット(登録商標)やUSB等の通信で接続されていてもよい。
なお、上述したように、ケーブルの劣化判定装置100において、周波数応答特性を計測する計測部13は、独立した装置(例えば、ネットワークアナライザ)であってもよい。この場合、ケーブルの劣化判定装置100は通信部(不図示)を備え、通信部を介して、ネットワークアナライザに計測条件を出力し、ネットワークアナライザから計測結果を取得するように構成されてもよい。また、ケーブルの劣化判定装置100は表示部14を備えていない構成であってもよい。
記憶部11は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。記憶部11は、各種制御処理を実行するためのプログラム、各種データ等を記憶する。例えば、記憶部11は、ケーブル200の既知の参照周波数応答特性を記憶する。なお、記憶部11は、参照周波数応答特性に関するデータや取得した周波数応答特性に関するデータを記憶してもよい。参照周波数応答特性は、ケーブル200に劣化が無い状態における周波数応答特性である。例えば、参照周波数応答特性は、ケーブル200の設置時又は設置前に計測することによって取得され、以降の劣化判定において使用されるデータである。
入力部12は、例えば、操作ボタン、キーボード、ポインティングデバイス、マイクロフォン等の入力装置から構成される。入力部12は、ユーザが指示を入力するために用いられる入力インターフェースである。
計測部13は、ケーブル200に入射信号を出力し、その反射信号を示す周波数応答特性を計測するように構成される。
表示部14は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示装置から構成される。表示部14は、テキスト、画像、波形等を表示する。
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサから構成される。制御部15は、記憶部11に記憶されているプログラムを実行することにより、装置全体の動作を制御する。
以下、制御部15の機能的な構成を説明する。制御部15は、試験実行部151、選定部152、設定部153、補正係数取得部154、パラメータ算出部155、パラメータ補正部156として機能する。
試験実行部151は、周波数領域反射測定法によりケーブル200の周波数応答特性を取得するように構成されている。試験実行部151は、計測部13を制御して、周波数応答特性を計測することによって周波数応答特性を取得する。なお、試験実行部151は、他の装置を制御して周波数応答特性を取得してもよい。試験実行部151が取得する周波数応答特性には、第1周波数応答特性と第2周波数応答特性とが含まれる。
選定部152は、ケーブル200の第1周波数帯における第1周波数応答特性と、参照周波数応答特性との差分に基づいて、第1周波数帯のうちケーブル200に含まれる反射源の周波数スペクトルを含む第2周波数帯を選定する。参照周波数応答特性は、既知の周波数応答特性であり、例えば、周波数領域反射測定法により予め取得しておいたケーブル200の周波数応答特性である。選定部152は、第1周波数応答特性と参照周波数応答特性との差分の絶対値の積分値に基づいて第2周波数帯を選定してもよい。
ここで、図3及び図4を参照しながら、選定部152による第2周波数帯の選定方法について詳細に説明する。図3は、第1周波数応答特性と参照周波数応答特性との差分の一例を説明するためのグラフである。図3において、第1周波数応答特性が実線で示す波形であり、参照周波数応答特性が破線で示す波形であり、これらの差分が太線で示す波形である。この例では、第1周波数帯は、0〜f(MHz)であり、第2周波数帯は、0〜f(MHz)である。第2周波数帯は、第1周波数帯より狭い。周波数応答特性は、反射レベルであるため、負の値になることはない。しかし、周波数応答特性の差分は、正負の値になる。第1周波数帯は、計測部13の最大の測定レンジに設定されてもよい。
図4は、第2周波数帯の選定方法を説明するための概念図である。第2周波数帯を選定するために、まず、第1周波数応答特性と参照周波数応答特性との差分の絶対値の積分値を算出する。図3に示す差分の波形の絶対値を周波数積分すれば、その積分値は、徐々に増加することがわかる。その中で積分値の増加幅が基準値より大きい周波数領域が第2周波数帯として選定される。例えば、図4に示すように、積分値が低周波数領域で大きく増加するのに対し、高周波数領域であまり増加しない場合には、その低周波数領域の区間が第2周波数帯として選定される。
設定部153は、選定部152が選定した第2周波数帯を、ケーブル200の第2周波数応答特性を取得するための周波数帯として試験実行部151に設定する。なお、設定部153は、第1周波数応答特性を取得する場合には、第1周波数帯を試験実行部151に設定する。
補正係数取得部154は、第2周波数応答特性の反射レベルを所定の周波数帯で積分した積分値をその所定の周波数帯で除算することによって補正係数を取得する。すなわち、補正係数は、反射レベルの平均値に相当する係数である。反射レベルは、入射波に対する反射波の振幅比である。所定の周波数帯は、第2周波数帯であることが好ましい。
パラメータ算出部155は、第2周波数応答特性から反射源を含む区間のケーブル200の特性インピーダンスを表すパラメータを算出する。特性インピーダンスを表すパラメータは、例えば、第2周波数応答特性から算出される反射源を含む区間の特性インピーダンスである。なお、特性インピーダンスを表すパラメータは、かかる特性インピーダンスと参照周波数応答特性から算出される反射源を含む区間の特性インピーダンスとの差分であってもよい。
パラメータ補正部156は、特性インピーダンスを表すパラメータを補正係数に基づいて補正する。例えば、ここで、図5及び図6を参照しながら、補正係数による補正の意義について説明する。
図5は、補正係数に基づく補正前のケーブル200の特性インピーダンス差とケーブル位置との関係性の一例を示すグラフである。この例は、ケーブル200に対して、同一の劣化度を有する模擬劣化を、それぞれ異なる3つのケーブル位置で施した場合に、得られた特性インピーダンス差である。特性インピーダンス差は、模擬劣化を施したケーブル200の特性インピーダンスと、模擬劣化を施していない状態のケーブル200の特性インピーダンスとの差を意味する。特性インピーダンス差が大きい位置は、模擬劣化を設けた位置に相当する。
図5に示すように、3つのケーブル位置で模擬劣化させた結果、それぞれ模擬劣化による特性インピーダンス差が大きく異なっている。実際の模擬劣化は、同一の劣化度であるのに対し、同様の特性インピーダンス差が得られていない。そのため、補正係数に基づく補正を行わない状態では、特性インピーダンスを表すパラメータを定量的に求めることができない。その結果、特性インピーダンスを表すパラメータに基づいて、劣化度を定量的に判定することもできない。
図6は、補正係数に基づく補正後のケーブル200の特性インピーダンスの変化とケーブル位置との関係性の一例を示すグラフである。図6に示すように、補正係数に基づいて補正を行った場合、模擬劣化による特性インピーダンスの変化は、模擬劣化の位置によらず、ほぼ一定である。したがって、特性インピーダンスを表すパラメータを定量的に求めることができる。その結果、特性インピーダンスを表すパラメータに基づいて、劣化度を定量的に判定することもできる。
このように、模擬劣化の実験では、補正係数による補正によって、劣化程度を定量化できることが確認できた。本願発明者の知見によれば、例えば、劣化部位の位置が入力側(ケーブル200の一端201)から遠くなるほど特性インピーダンスの変化は小さくなるのに対し、劣化部位の位置が入力側(ケーブル200の一端201)から遠くなるほど有効な周波数スペクトル幅が狭くなり、補正係数が大きくなりやすい。そのため、特性インピーダンスを表すパラメータ(例えば特性インピーダンスの変化のピーク値)に補正係数を乗じることにより、定量化することができる。
なお、基本的に、一つの反射源に対応する周波数スペクトルは一つである。複数の反射源がある場合、それらの周波数スペクトルは、重複する場合もあるし、互いに異なる場合もある。複数の反射源がある場合には、複数の周波数スペクトルがある場合もある。このような場合に以下のように処理することが考えられる。
図7は、複数の周波数スペクトルが含まれる場合の第1周波数応答特性と参照周波数応答特性との差分の一例を説明するためのグラフである。なお、図7において破線で示す波形は、差分の絶対値を示している。図8は、複数の周波数スペクトルが含まれる場合の第2周波数帯の選定方法を説明するための概念図である。
図7に示すように、第1周波数応答特性と参照周波数応答特性との差分に、反射による複数の周波数スペクトルが含まれる場合には、選定部152は、それらの周波数スペクトル毎に第2周波数帯を選定してもよい。例えば、図7及び図8において、一つ目の第2周波数帯として0〜f(MHz)が選定され、二つ目の第2周波数帯としてf〜f(MHz)が選定される。この場合、設定部153は、試験実行部151に複数の第2周波数帯のそれぞれについて第2周波数応答特性を取得するように設定を行う。特性インピーダンスを表すパラメータの算出や補正係数に基づく補正なども、それぞれの第2周波数応答特性について行われる。
ケーブルの劣化判定装置100は、ケーブル200の特性インピーダンスを表すパラメータと、ケーブル200の劣化度との関係性を示す変換テーブルに基づいて、反射源を含む区間の特性インピーダンスを表すパラメータからケーブル200の劣化度を推定するように構成されてもよい。この場合、例えば、劣化判定を行う前に劣化度の推定に必要な変換テーブルを記憶部11に記憶させておくことが好ましい。変換テーブルは、例えば、特性インピーダンスを表すパラメータとケーブル200の劣化度との関係性を示す対応表であってもよいし、特性インピーダンスを表すパラメータからケーブル200の劣化度を算出するための関数であってもよい。
(ケーブルの劣化判定方法)
以下、図9を参照しながらケーブルの劣化判定方法の具体例について説明する。図9は、一実施形態に係るケーブルの劣化判定方法の手順を示すフローチャートである。なお、以下に説明する各々の手順において一部又は全部がユーザの手動によって実行されてもよい。また、以下に説明するケーブルの劣化判定方法は、上述したケーブルの劣化判定装置100が実行する処理に対応するように、各々の手順を適宜変形することが可能である。すなわち、以下の説明では、ケーブルの劣化判定装置100の説明と重複する説明については省略する。
図9に示すように、まず、周波数領域反射測定法によりケーブル200の第1周波数帯における第1周波数応答特性を取得する(ステップS1)。次に、第1周波数応答特性とケーブル200の既知の参照周波数応答特性との差分に基づいて、第1周波数帯のうちケーブル200に含まれる反射源の周波数スペクトルを含む第2周波数帯を選定する(ステップS2)。
第2周波数帯におけるケーブル200の第2周波数応答特性を取得する(ステップS3)。第2周波数応答特性の反射レベルを所定の周波数帯で積分した積分値をその所定の周波数帯で除算することによって補正係数を取得する(ステップS4)。
また、第2周波数応答特性から反射源を含む区間のケーブル200の特性インピーダンスを表すパラメータを算出する(ステップS5)。次に、算出した特性インピーダンスを表すパラメータを補正係数に基づいて補正する(ステップS6)。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
(まとめ)
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の一実施形態に係るケーブルの劣化判定方法は、
周波数領域反射測定法によりケーブル(200)の第1周波数帯における第1周波数応答特性を取得するステップと、
前記第1周波数応答特性と前記ケーブル(200)の既知の参照周波数応答特性との差分に基づいて、前記第1周波数帯のうち前記ケーブル(200)に含まれる反射源の周波数スペクトルを含む第2周波数帯を選定するステップと、
前記第2周波数帯における前記ケーブル(200)の第2周波数応答特性を取得するステップと、
を含む。
上記(1)に記載の方法によれば、反射源の周波数スペクトルを含む第2周波数帯における第2周波数応答特性を取得するため、ケーブル(200)に含まれる反射源の反射レベルの検出におけるS/Nを向上させて定量化が可能となる。このような第2周波数応答特性を使用すれば、ケーブル(200)に含まれる反射源(すなわち劣化部位)の有無と位置をより高精度に推定することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の方法において、
前記第2周波数応答特性の反射レベルを所定の周波数帯で積分した積分値を前記所定の周波数帯で除算することによって補正係数を取得するステップと、
前記第2周波数応答特性から前記反射源を含む区間の前記ケーブル(200)の特性インピーダンスを表すパラメータを算出するステップと、
前記特性インピーダンスを表すパラメータを前記補正係数に基づいて補正するステップと、
を含む。
特性インピーダンスを表すパラメータは、反射源の反射レベルによって異なる。また、本願発明者の知見によれば、反射源の反射レベルは、反射源の位置によっても変動する場合がある。そのため、反射源の周波数スペクトルだけに着目して、周波数応答特性を得るための周波数帯を選定しても、位置による影響を考慮しなければ、特性インピーダンスを表すパラメータの定量化することが困難である。
本願発明者が鋭意検討した結果、上記(2)のように補正係数を取得して、その補正係数を用いて特性インピーダンスを表すパラメータを補正することにより、位置による影響を抑えて定量化できることが判明した。そのため、上記(2)に記載の方法によれば、補正係数を用いて特性インピーダンスを表すパラメータを補正するため、定量化した特性インピーダンスを表すパラメータを取得することができる。この場合、特性インピーダンスを表すパラメータからその反射源の位置でのケーブル(200)の劣化度を定量的に判定することができる。また、判定したケーブル(200)の劣化度から、ケーブル(200)の補修又は交換が必要となる時期を推定することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載の方法において、
前記第1周波数応答特性と前記参照周波数応答特性との前記差分の絶対値の積分値に基づいて前記第2周波数帯を選定する。
本願発明者の知見によれば、第1周波数応答特性と参照周波数応答特性との差分に着目しても、ノイズに埋もれている反射源の周波数スペクトルを抽出することが困難な場合がある。この点、差分ではなく差分の絶対値の積分値に着目すれば、ノイズに埋もれている反射源の周波数スペクトルの感度が向上する。そのため、上記(3)に記載の方法によれば、そのような積分値を使用しているため、第2周波数帯をより高い精度で選定することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れか一つに記載の方法において、前記ケーブル(200)の前記特性インピーダンスを表すパラメータと、前記ケーブル(200)の劣化度との関係性を示す変換テーブルに基づいて、前記反射源を含む区間の前記特性インピーダンスを表すパラメータから前記ケーブル(200)の劣化度を推定するステップをさらに含む。
上記(4)に記載の方法によれば、ケーブル(200)の劣化度を容易に推定することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れか一つに記載の方法において、前記第1周波数応答特性と前記参照周波数応答特性との差分に、複数の前記周波数スペクトルが含まれる場合には、前記第2周波数帯を選定するステップにおいて、前記周波数スペクトル毎に前記第2周波数帯を選定し、複数の前記第2周波数帯のそれぞれについて前記第2周波数応答特性を取得する。
上記(5)に記載の方法によれば、ケーブル(200)において、互いに異なる周波数スペクトルを有する複数の反射源が存在する場合において、複数の周波数スペクトルのそれぞれについて第2周波数帯を選定して、第2周波数応答特性を取得する。そのため、各々の第2周波数応答特性から、ケーブル(200)に含まれる複数の反射源(すなわち劣化部位)の有無と位置を精度よく推定することができる。
(6)本開示の一実施形態に係るケーブルの劣化判定装置(100)は、
周波数領域反射測定法によりケーブルの周波数応答特性を取得するように構成された試験実行部(151)と、
前記ケーブル(200)の既知の参照周波数応答特性を記憶するための記憶部(11)と、
前記試験実行部(151)によって取得された、前記ケーブル(200)の第1周波数帯における第1周波数応答特性と、前記参照周波数応答特性との差分に基づいて、前記第1周波数帯のうち前記ケーブル(200)に含まれる反射源の周波数スペクトルを含む第2周波数帯を選定する選定部(152)と、
前記第2周波数帯を、前記ケーブル(200)の第2周波数応答特性を取得するための周波数帯として前記試験実行部(151)に設定する設定部(153)と、
を備える。
上記(6)に記載の構成によれば、試験実行部(151)が反射源の周波数スペクトルを含む第2周波数帯における第2周波数応答特性を取得するため、ケーブル(200)に含まれる反射源の反射レベルの検出におけるS/Nを向上させて定量化が可能となる。このような第2周波数応答特性を使用すれば、ケーブル(200)に含まれる反射源(すなわち劣化部位)の有無と位置をより高精度に推定することができる。
11 記憶部
12 入力部
13 計測部
14 表示部
15 制御部
16 バスライン
100 ケーブルの劣化判定装置
151 試験実行部
152 選定部
153 設定部
154 補正係数取得部
155 パラメータ算出部
156 パラメータ補正部
200 ケーブル

Claims (6)

  1. 周波数領域反射測定法によりケーブルの第1周波数帯における第1周波数応答特性を取得するステップと、
    前記第1周波数応答特性と前記ケーブルの既知の参照周波数応答特性との差分に基づいて、前記第1周波数帯のうち前記ケーブルに含まれる反射源の周波数スペクトルを含む第2周波数帯を選定するステップと、
    前記第2周波数帯における前記ケーブルの第2周波数応答特性を取得するステップと、
    を含むケーブルの劣化判定方法。
  2. 前記第2周波数応答特性の反射レベルを所定の周波数帯で積分した積分値を前記所定の周波数帯で除算することによって補正係数を取得するステップと、
    前記第2周波数応答特性から前記反射源を含む区間の前記ケーブルの特性インピーダンスを表すパラメータを算出するステップと、
    前記特性インピーダンスを表すパラメータを前記補正係数に基づいて補正するステップと、
    を含む請求項1に記載のケーブルの劣化判定方法。
  3. 前記第1周波数応答特性と前記参照周波数応答特性との前記差分の絶対値の積分値に基づいて前記第2周波数帯を選定する
    請求項1又は2に記載のケーブルの劣化判定方法。
  4. 前記ケーブルの前記特性インピーダンスを表すパラメータと、前記ケーブルの劣化度との関係性を示す変換テーブルに基づいて、前記反射源を含む区間の前記特性インピーダンスを表すパラメータから前記ケーブルの劣化度を推定するステップをさらに含む
    請求項1乃至3の何れか一項に記載のケーブルの劣化判定方法。
  5. 前記第1周波数応答特性と前記参照周波数応答特性との差分に、複数の前記周波数スペクトルが含まれる場合には、前記第2周波数帯を選定するステップにおいて、前記周波数スペクトル毎に前記第2周波数帯を選定し、複数の前記第2周波数帯のそれぞれについて前記第2周波数応答特性を取得する
    請求項1乃至4の何れか一項に記載のケーブルの劣化判定方法。
  6. 周波数領域反射測定法によりケーブルの周波数応答特性を取得するように構成された試験実行部と、
    前記ケーブルの既知の参照周波数応答特性を記憶するための記憶部と、
    前記試験実行部によって取得された、前記ケーブルの第1周波数帯における第1周波数応答特性と、前記参照周波数応答特性との差分に基づいて、前記第1周波数帯のうち前記ケーブルに含まれる反射源の周波数スペクトルを含む第2周波数帯を選定する選定部と、
    前記第2周波数帯を、前記ケーブルの第2周波数応答特性を取得するための周波数帯として前記試験実行部に設定する設定部と、
    を備えるケーブルの劣化判定装置。
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