JP2015536456A - 電気ケーブルの状態をモニタするための方法及びシステム - Google Patents

電気ケーブルの状態をモニタするための方法及びシステム Download PDF

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Abstract

電気ケーブルの状態をモニタするための方法及びシステムが、記載されている。この方法は、周波数fを有し電気ケーブルの少なくともケーブル・インピーダンスによって位相及び振幅変調された広帯域信号波を、電気ケーブルの第1の端部に印加するステップと、電気ケーブルによって伝送され反射された位相及び振幅変調された広帯域信号波を取得するステップとを含む。取得された位相及び振幅変調された広帯域信号波に対しては、信号解析が実行される。信号解析の結果、電気ケーブルに沿った位置x,x2,・・・,xnにおける不連続性に起因するこれらの位置の少なくとも1つの前後にある区間におけるパワー・スペクトルの位相インピーダンス・スペクトルのフーリエ変換の実数部と虚数部との間の関係が確立され、実数部及び虚数部から、電気ケーブルに沿ったこれらの位置x,x2,・・・,xnにおけるインピーダンスの変化が識別される。識別された故障の位置における広帯域信号の二次反射を解析することにより、電気ケーブルに沿ったこれらの位置x,x2,・・・,xnの少なくとも1つにおけるケーブル絶縁の識別された故障の局所的な劣化の深刻度が確立され得る。

Description

本発明は、線路共振解析に基づく設置された電気ケーブルのモニタリングのためのシステム及び方法を提供する。モニタリングは、電気ケーブルの状態モニタリングとリアルタイム診断とを含む。本明細書を通じて、本発明のシステムは、線路共振解析システム(LIRA:Line Resonance Analysis System)とも称される。ケーブルは、ケーブルの構造及び減衰に応じて、数メートルから数百キロメートルまでの範囲に及ぶ長さを有する。
LIRA(線路共振解析システム)は伝送線路理論に基づくものであるが、これは、「時間領域反射計測」(TDR:Time Domain Reflectometry)及び「周波数領域反射計測」(FDR:Frequency Domain Reflectometry)として知られている2つの他の既存のケーブル故障検出技術の基礎にある、確立され文献で裏付けられた理論である。
伝送線路とは、発電機と負荷との間のリンクを提供する電気回路の部分である。伝送線路の振る舞いは、その中を移動する電気信号の波長λと比較した伝送線の長さに依存する。波長は、vをワイヤにおける電気信号の速さ(位相速度とも称される)、fを電気信号の周波数とすると、次の方程式(1)によって定義される。
λ=v/f (1)
ケーブルが短く(すなわち、数メートル)信号周波数が低い(すなわち、数KHz)ときのように、伝送線路長が波長よりもはるかに小さいときには、線路は回路の振る舞いに全く影響しない。そして、発電機の側から見られる回路インピーダンス(Zin)は、いずれの時点においても、負荷インピーダンスに等しい。
しかし、線路長が信号の波長よりも大きい場合(L≧λ)には、線路特性が重要な役割を果たすのであって、発電機から見た回路インピーダンスは、いくつかの非常に特定の場合以外は、負荷に整合しない。
ケーブルに沿った電圧Vと電流Iとは、電信方程式(telephonists equations)として知られている次の微分方程式によって律せられる。

ここで、ωは信号の角周波数であり、Rは導体の抵抗値であり、Lはインダクタンスであり、Cはキャパシタンスであり、Gは絶縁導電率(insulation conductivity)であり、これらはすべて、ケーブル長単位に関係する。
高周波信号がケーブルを通過するときには、これら4つのパラメータが、ケーブルの振る舞いを完全に特徴付ける。伝送線路理論では、線路の振る舞いは、2つの複素パラメータの関数として研究されるのが通常である。第1は、次の伝搬関数である。

これは、しばしば次のように書かれる。
γ=α+jβ (5)
この方程式(5)において、実数部αは線路減衰定数である。虚数部βは、伝搬定数であるが、次の方程式(6)に示されるように、位相速度v、角周波数ω及び波長λとも関係している。
第2のパラメータは、次の特性インピーダンスである。
(4)及び(7)を用いて、微分方程式(2)及び(3)を解くと、端部から距離dにおけるケーブルの線路インピーダンスは、次の通りである。

ここで、Γは一般化された反射係数であって、
Γ=Γ−2γd (9)
であり、Γは、負荷反射係数であり、次の通りである。

なお、(10)において、Zは、ケーブル端部において接続されている負荷のインピーダンスである。
方程式(8)、(9)及び(10)から、負荷が特性インピーダンスと整合するときには、いずれの長さ及び周波数に対しても、Γ=Γ=0であり、従って、Z=Z=Zであることが容易にわかる。すべての他の場合には、線路インピーダンスは、方程式(8)によって決定される複素変数であり、これは、図1における曲線の形状を有する(周波数の関数としての振幅及び位相)。
伝送線路理論に基づく既存の方法は、時間の関数としてのV(方程式(2))の測定と、入射波から反射波までの時間遅延を評価することにより、局所的なケーブル故障の位置を決定しようとする(大域的劣化の査定は不可能)。そのような方法の実例は、米国特許第4,307,267号及び第4,630,228号と、米国特許出願公開第2004/0039976号及び第2005/0057259号において見いだされる。
電気ケーブルに印加される多周波信号を解析することにより電気ケーブルの状態をモニタするための方法及びシステムは、米国特許第7966137B2号に開示されている。この開示されている方法及びシステムは、ケーブルに沿ったインピーダンスの変化を検出する。米国特許第7966137B2号に開示されているモニタリング・システム及び方法は、LIRA技術(線路共振解析システム)と称される。LIRA技術は、t’の領域とも称される(振幅及び位相の両方の)線路インピーダンスの領域への変換を提供し、この領域における周波数解析を適用する。このプロセスに含まれるステップは、
1.拡張された帯域幅の信号を、ケーブルを通過して送り、反射された信号を測定する。
2.送信され反射された信号に基づいて、帯域幅全体にわたる線路インピーダンスを評価する。
3.線路インピーダンスを解析して、ケーブルの性質、大域的なケーブル状態及び局所的な劣化スポットに関する情報を取得する。
LIRA(線路共振解析システム)は、ケーブルの入力インピーダンスを解析することにより(方程式(8)及び図1を参照のこと)、検出の感度及び精度を改善する。大域的劣化の査定に加えて局所的な劣化の検出及び位置の決定は、周波数(Xをケーブル長に依存する変数として、帯域幅0−XMHz)の関数としての線路の入力インピーダンスの無雑音での推定と、劣化スポットの検出及び位置の決定のための線路の入力インピーダンスのスペクトル解析とによって、提供される(詳細な説明を参照のこと)。これらのステップは、後で詳細に説明される。
LIRA法は、特に数キロメートルよりも長いケーブルに関して、早期の段階で劣化を検出する可能性を提供する。この場合、LIRAは、ケーブル長の0.3%以内の推定誤差で、問題がある部分の位置を推定することができる。
更には、大域的なケーブル状態の査定が可能であり、これは、過酷な環境での応用例(例えば、核施設及び航空宇宙分野における応用例)におけるケーブルの残余寿命の推定にとって、重要である。
しかし、米国特許第7966137B2号に記載されている方法は、ケーブルの終端部分とインピーダンスの変化が識別されているケーブルの領域内とにおける感度について、更にはケーブル劣化の深刻度に関して、限界を有する。
米国特許第4307267号 米国特許第4630228号 米国特許出願公開第2004/0039976号 米国特許出願公開第2005/0057259号 米国特許第7966137号
本発明の目的は、以上で示された問題点を解決すること又は少なくとも軽減することである。
ある態様では、本発明は、電気ケーブルの状態をモニタするための方法であって、
電気ケーブルの少なくともケーブル・インピーダンスによって位相及び振幅変調され周波数fを有する広帯域信号波を、電気ケーブルの第1の端部に印加するステップと、
電気ケーブルの第1の端部において、電気ケーブルによって伝送及び反射された、位相及び振幅変調された広帯域信号波を取得するステップと、
取得された反射広帯域信号波に対し、複素ケーブル・インピーダンスZDUTを、振幅及び位相によって特定された周波数fの関数として計算するステップと、
計算された複素ケーブル・インピーダンスを時間領域t’に変換するステップと、
時間領域t’における周波数f’を計算するステップであって、周波数f’とは、電気ケーブルの一端から距離dにおける広帯域信号波の波反射に起因する時間領域t’における角周波数w’及び振幅Aの擬似周期関数の基本周波数であり、vを真空中の光速度、vを電気ケーブルにおける電気信号の推定相対位相速度として、

を適用することによって計算される、ステップと、
電気ケーブルの絶縁に対するすべての局所的劣化を発見し位置を特定するために、時間領域t’における複素ケーブル・インピーダンスの振幅及び位相の両方のパワー・スペクトル解析を実行するステップと、
電気ケーブルの電気的パラメータが不連続性であることを原因として電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xにおいて生じる広帯域信号波の波反射に起因する時間領域t’のパワー・スペクトルにおける周波数成分f”,f”,・・・,f”を識別して、位置Xiのそれぞれを、

を適用することによって計算するステップと、
電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xの少なくとも1つの前後にある区間におけるパワー・スペクトルの位相インピーダンス・スペクトルのフーリエ変換の実数部と虚数部との間の関係を確立するステップと、
実数部及び虚数部から、電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xの少なくとも1つにおけるインピーダンス変化を識別するステップと、
を含む方法を提供する。
ある実施例では、インピーダンスの変化を識別するステップは、ステップアップ・インピーダンス変化、ステップダウン・インピーダンス変化、高インピーダンス・スポット又は低インピーダンス・スポットの中の少なくとも1つを識別するステップを含む。高インピーダンス・スポットは、虚数部がゼロであり実数部が負であるときに識別される。低インピーダンス・スポットは、虚数部がゼロであり実数部が正であるときに識別される。ステップアップ・インピーダンス変化は、実数部がゼロであり虚数部が負であるときに識別される。ステップダウン・インピーダンス変化は、実数部がゼロであり虚数部が正であるときに識別される。
ある実施例では、この方法は、より低いインピーダンスを備えたケーブル・セグメントを、ケーブル・セグメントの始点におけるステップダウン・インピーダンス変化及びそれに続くケーブル・セグメントの終点におけるステップアップ・インピーダンス変化として識別するステップを更に含み得る。更に、この方法は、より高いインピーダンスを備えたケーブル・セグメントを、ケーブル・セグメントの始点におけるステップアップ・インピーダンス変化及びそれに続くケーブル・セグメントの終点におけるステップダウン・インピーダンス変化として識別するステップを更に含み得る。
別の態様では、本発明は、電気ケーブルの状態をモニタするための方法であって、
電気ケーブルの少なくともケーブル・インピーダンスによって位相及び振幅変調され周波数fを有する広帯域信号波を、電気ケーブルの第1の端部に印加するステップと、
電気ケーブルの第1の端部において、電気ケーブルによって伝送及び反射された、位相及び振幅変調された広帯域信号波を取得するステップと、
取得された反射広帯域信号波に対し、複素ケーブル・インピーダンスZDUTを、振幅及び位相によって特定された周波数fの関数として推定/計算するステップと、
計算された複素ケーブル・インピーダンスを時間領域t’に変換するステップと、
時間領域t’における周波数f’を計算するステップであって、周波数f’とは、電気ケーブルの一端から距離dにおける広帯域信号波の波反射に起因する時間領域t’における角周波数w’及び振幅Aの擬似周期関数の基本周波数であり、vを真空中の光速度、vを電気ケーブルにおける電気信号の推定相対位相速度として、

を適用することによって計算される、ステップと、
電気ケーブルの絶縁へのすべての局所的劣化を発見し位置を特定するために、時間領域f’における複素ケーブル・インピーダンスの振幅及び位相との両方のパワー・スペクトル解析を実行するステップと、
電気ケーブルの電気的パラメータの不連続性を原因として電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xにおいて生じる広帯域信号波の波反射に起因する時間領域t’のパワー・スペクトルにおける周波数成分f”,f”,・・・,f”を識別して、位置Xiのそれぞれを、

を適用することによって計算するステップと、を含む方法において、
電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xの少なくとも1つでの電気ケーブルの絶縁における識別された故障の局所的劣化の深刻度を、識別された故障の位置における広帯域信号の二次反射を解析することにより確立するステップを更に含む方法を提供する。
ある実施例では、この方法は、パワー・スペクトルにおける一次反射ピークの高さと二次反射ピークの高さとの差を確立して、終端から任意の距離にある任意のピークの高さを正規化するために電気ケーブルの減衰を評価するステップを更に含み得る。
更に、上述した態様に係るこれらの方法は、パワー・スペクトルにおける終端ピークを解析することにより電気ケーブル端部の状態に関する尺度を確立するステップを更に含み得る。このステップは、終端ピークのそれぞれの側における2つの谷の間の差dyと終端ピークの高さdzとの間の関係を確立するステップを含む。
ある実施例では、この方法は、解析器を用いて推定相対位相速度vを推定するステップを更に含んでおり、推定相対位相速度Vrを推定するこのステップは、
複素ケーブル・インピーダンスZDUTの少なくとも2つの共振周波数を評価するステップと、
複素ケーブル・インピーダンスZDUTの2つの連続的な共振周波数値f及びfk+をそれぞれ識別するステップと、
Lを電気ケーブルの長さとして、v=2L(fk+1−f)/vを適用することにより、電気ケーブルの相対位相速度Vrの第1の値を計算するステップと、
第1の相対位相速度Vrを用いて、

を適用することにより、時間領域t’における電気ケーブルの基本周波数f’を計算するステップと、
f’の前後における選択可能な区間において時間領域t’における最大ピーク値を発見することにより、基本周波数f’の第2の値f”を計算するステップと、

を適用することにより、相対位相速度vfinal の推定値を計算するステップと、
を含む。
別の態様では、本発明は、電気ケーブルの状態をモニタするためのシステムであって、
複素ケーブル・インピーダンスZDUTを、振幅及び位相によって特定された周波数fの関数として計算するための解析器と、
ケーブル・インピーダンスによって位相及び振幅変調され電気ケーブルの第1の端部に印加される周波数がfである広帯域信号波を生成するための生成手段と、
第1の端部において、ケーブル・インピーダンスによって位相及び振幅変調された広帯域信号波を取得するための取得手段と、
複素ケーブル・インピーダンスZDUTを、時間領域t’に変換するための変換手段と、
時間領域t’における周波数f’を計算するための解析器であって、周波数f’とは、電気ケーブルの一端から距離dにおける広帯域信号波の波反射に起因する時間領域t’における角周波数w’及び振幅Aの擬似周期関数の基本周波数であり、Voを真空中の光速度、Vrを電気ケーブルにおける電気信号の推定相対位相速度として、

を適用することによって計算される、解析器と、を備えており、
解析器は、電気ケーブルの絶縁に対するすべての局所的劣化を発見し位置を特定するために、時間領域f’における複素ケーブル・インピーダンスの振幅及び位相の両方のパワー・スペクトル解析を実行し、
解析器は、電気ケーブルの電気的パラメータが不連続であることを原因として電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xにおいて生じる波反射に起因する時間領域t’のパワー・スペクトルにおける周波数成分f”,f”,・・・,f”を識別し、
解析器は、位置Xiのそれぞれを、

を適用することによって計算し、
解析器は、電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xの少なくとも1つの前後にある区間におけるパワー・スペクトルの位相インピーダンス・スペクトルのフーリエ変換の実数部と虚数部との間の関係を確立し、
実数部及び虚数部から、電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xの少なくとも1つにおけるインピーダンスの変化を識別する、システムを提供する。
インピーダンスの変化を識別するステップは、ステップアップ・インピーダンス変化、ステップダウン・インピーダンス変化、高インピーダンス・スポット又は低インピーダンス・スポットの中の少なくとも1つを識別するステップを含み得る。高インピーダンス・スポットは、虚数部がゼロであり実数部が負であるときに識別される。低インピーダンス・スポットは、虚数部がゼロであり実数部が正であるときに識別される。ステップアップ・インピーダンス変化は、実数部がゼロであり虚数部が負であるときに識別される。ステップダウン・インピーダンス変化は、実数部がゼロであり虚数部が正であるときに識別される。
ある実施例では、このシステムは、より低いインピーダンスを備えたケーブル・セグメントを、ケーブル・セグメントの始点におけるステップダウン・インピーダンス変化及びそれに続くケーブル・セグメントの終点におけるステップアップ・インピーダンス変化として識別することを更に含み得る。このシステムは、より高いインピーダンスを備えたケーブル・セグメントを、ケーブル・セグメントの始点におけるステップアップ・インピーダンス変化及びそれに続くケーブル・セグメントの終点におけるステップダウン・インピーダンス変化として識別することを更に含み得る。
更に、電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xの少なくとも1つでの電気ケーブルの絶縁における識別された故障の局所的劣化の深刻度を確立するステップは、識別された故障の位置における広帯域信号の二次反射を解析することにより実行される。このシステムは、パワー・スペクトルにおける一次反射ピークの高さと二次反射ピークの高さとの差を確立し、高さの差をパワー・スペクトルにおける終端ピークの高さに正規化することを更に含み得る。電気ケーブル端部の状態に関する尺度を確立するステップは、パワー・スペクトルにおける終端ピークを解析することによってシステムによって実行され、終端ピークのそれぞれの側における2つの谷の間の差dyと終端ピークの高さdzとの間の関係を確立するステップを含む。
このシステムの別の実施例では、解析器は、
複素ケーブル・インピーダンスZDUTの少なくとも2つの共振周波数を評価し、
複素ケーブル・インピーダンスZDUTの2つの連続的な共振周波数値f及びfk+1をそれぞれ識別し、
Lを電気ケーブルの長さとして、v=2L(fk+1−f)/vを適用することにより、電気ケーブルの相対位相速度vの第1の値を計算し、
第1の相対位相速度vを用いて、

を適用することにより、電気ケーブルの基本周波数f’を計算し、
f’の前後における選択可能な区間において時間領域t’における最大ピーク値を発見することにより、基本周波数f’の第2の値f”を計算し、

を適用することにより、相対位相速度vfinal の推定値を計算するように動作可能である。
本発明は、電気ケーブルの状態モニタリングのシステムであって、基準信号CH0を提供する生成手段と、基準信号CH0と信号CH1とを取得する取得手段であって、信号CH1は電気ケーブルのケーブル・インピーダンスZDUTによって振幅及び位相変調された後の基準信号CH0である、取得手段と、基準信号CH0と信号CH1とに基づいて、印加された信号周波数の関数として複素ケーブル・インピーダンスZDUTを計算して、ケーブル状態及び/又はケーブル故障の査定を提供する解析手段とを備えているシステムを、提供する。
生成手段は、wからwまで(両者とも選択可能)の周波数帯域幅を有する掃引信号(sweep signal)で構成されるグリッド・ゾーンから選択された基準信号CH0を提供するように動作し得る。
取得手段は、デジタル・ストレージ・オシロスコープであり得る。
LIRA(線路共振解析システム)は、過酷な環境条件(例えば、高温、湿気、放射能)に起因するケーブル絶縁の大域的で進行性の劣化をモニタして、機械的影響又は局所的な異常環境条件に起因する絶縁材料の局所的劣化を検出することができる。
LIRAシステムは、あらゆる種類の電気ケーブル(電力及び信号ケーブル)、すなわち、発電、配電及び送電におけるケーブル、プロセス産業におけるケーブル、航空宇宙産業におけるケーブル、又はオンショア、オフショア及び海面下への設置におけるケーブルにおける絶縁劣化及び線路破損を検出してモニタし、損傷/破損の位置を識別するのに用いられ得る。モニタリング及び検出は、遠隔地からリアルタイムで実行され得る。
本発明による改善されたLIRAシステムは、次に掲げる2つの態様に関する改善を提供する。
1.位置が特定された特徴の深刻度査定と、損傷位置における電気的パラメータの振る舞い、すなわち、インピーダンスが増加しているのか低下しているのかに関するより良い理解。インピーダンスが上昇しているのか、下降しているのかに関する査定。これは、損傷原因の査定に役立つ。例えば、水分又は湿気の侵入は、常に、結果として、インピーダンスの低下を生じさせる。
2.終端におけるケーブル状態。これについては、後で詳述する。
本発明による改善されたLIRAシステムは、ケーブル終端における状態のモニタリングを可能にする。ケーブル端部の状態を確立することは、例えば、石油及びガス産業、油井におけるダウンホール、海面下、原子力発電所、送配電及びそれ以外の到達困難な場所などの環境において、特に重要である。
本発明は、添付の特許請求の範囲において定義されている。
以下では、本発明の実施例が、次の図面を参照して説明される。
方程式(8)による、周波数の関数としての複素線路インピーダンスの振幅及び位相のグラフ表現を示す図である。 スポット検出アルゴリズムの機能図である。 t’の領域における位相インピーダンスのパワー・スペクトルであり、x軸がケーブルの始点からの距離(d=300m)に合わせて調整されている。 t’の領域における位相インピーダンスのパワー・スペクトルであり、30cmのケーブル・セグメントにおける20pFの容量変化のために、x=200における周波数成分が見えている。 方程式(18)の実数部の結果として生じる信号であり、t’の領域における角周波数ω’及び振幅Aの減衰正弦波である。 方程式(19)においてA=1である場合のt’の領域におけるZの位相のプロットである。 位相関数(18)の準周期関数のプロットである。 方程式(28)における関数f(x)の成分のプロットである。 本発明の実施例による方程式(29)の最初の3つの高調波のLIRAのディスプレイの実例を示す図である。 本発明の一実施例によるLIRA経時変化インジケータに対するC及びLの効果に関する概略的図解である。 より高いインピーダンスを有するケーブルのセグメントからのLIRAシグネチャの図解である。なお、このセグメントは、本発明の一実施例によるLIRAの分解能よりも長い。 本発明の一実施例による、ケーブルの始点から50mから60mへの図11に図解されているインピーダンス・ステップアップ(−5pF/m、分解能=1.5m)に対するLIRAシグネチャのディスプレイ・イメージである。 より低いインピーダンスを有するケーブルのセグメントからのLIRAシグネチャの図解である。なお、このセグメントは、本発明の一実施例によるLIRAの分解能よりも長い。 本発明の一実施例による、ケーブルの始点から50mから60mへの図13に図解されているインピーダンス・ステップダウン(+5pF/m、分解能=1.5m)に対するLIRAシグネチャのディスプレイ・イメージである。 本発明の一実施例による、単一であり負のインピーダンス・ステップ(SP−)に対するドット距離の関数としてのステップ位置におけるケーブル・インピーダンス(実数部及び虚数部)スペクトルのボルト単位での振幅のディスプレイ・イメージである。なお、このインピーダンス・ステップ位置におけるスペクトルは純虚数であって負である。 本発明の一実施例による、図15に示されたステップ位置における位相インピーダンス・スペクトルの複素数値である。なお、この複素数値は、SP−に対するものであり純虚数であって負である。 本発明の一実施例による、単一であり正のインピーダンス・ステップ(SP+)に対するドット距離の関数としてのステップ位置におけるケーブル・インピーダンス(実数部及び虚数部)スペクトルのボルト単位での振幅のディスプレイ・イメージである。なお、このインピーダンス・ステップ位置におけるスペクトルは純虚数であって正である。 本発明の一実施例による、図17に示されたインピーダンス・ステップ位置における位相インピーダンス・スペクトルの複素数値の図示である。なお、この複素数値は、SP+に対するものであり純虚数であって正である。 以下に示されるより高いインピーダンスと対応するLIRAシグネチャとを有するケーブル・セグメントの図解であり、このケーブル・セグメントは、本発明の一実施例によるLIRA分解能よりも短い。 以下に示されるより低いインピーダンスと対応するLIRAシグネチャとを有するケーブル・セグメントの図解であり、このケーブル・セグメントは、本発明の一実施例によるLIRA分解能よりも短い。 本発明の一実施例による、図20に示されている低インピーダンス・スポットに対するドット距離(m)の関数としてのステップ位置におけるケーブル・インピーダンス(実数部及び虚数部)スペクトルのボルト単位での振幅のディスプレイ・イメージである。なお、このインピーダンス・スポットはLIRAの分解能よりも短く(DP−)、このスポットにおけるスペクトルは純実数であって負である。 本発明の一実施例による、図20及び図21からのインピーダンス・ステップ位置における位相インピーダンス・スペクトルの複素数値の図示である。なお、この複素数値は、DP−に対するものであり純実数であって負である。 本発明の一実施例による、ケーブルの始点から50mの位置における図20から図22に示されたDP−スポット(1mに対して+5pF/m、分解能=1.5m)に対するLIRAシグネチャのディスプレイ・イメージである。 本発明の一実施例による、図25に示されているケーブルの高インピーダンス・スポットのスペクトル(実数部及び虚数部)である。なお、このインピーダンス・スポットの長さはLIRAの分解能よりも短く(DP+)、このスポットにおけるスペクトルは純実数であって正である。 本発明の一実施例による、図24からのインピーダンス・ステップ位置における位相インピーダンス・スペクトルの複素数値の図示である。なお、この複素数値は、DP+に対するものであり純実数であって正である。 本発明の一実施例による、図19、24、25に示されケーブルの始点から50mの距離におけるDP+スポット(1mに対して−5pF/m、分解能=1.5m)に対するLIRAシグネチャの図示である。 局所的劣化の深刻度が本発明の一実施例によるLIRAシグネチャのスパイクの高さとどのように相関しているかが示されているディスプレイ・イメージである。 本発明の一実施例による、均衡状態にありBTS=0であるケーブル(良好なケーブル)に対するケーブル端部における均衡終端シグネチャ(BTS)のディスプレイ・イメージである。 本発明の一実施例による、BTS>0でありBTS=ΔY/ΔZ*100である高キャパシタンス(低インピーダンス)終端を有するケーブルに対するケーブル端部におけるBTSのディスプレイ・イメージである。 本発明の一実施例による、BTS<0である低キャパシタンス(高インピーダンス)終端を有するケーブルに対するケーブル端部におけるBTSのディスプレイ・イメージである。
本明細書を通じ、そして特許請求の範囲において、モニタという用語は、広い意味に解釈されるべきであり、例えば、大域的/局所的な状態のモニタリング、リアルタイムでの診断、及び故障検出を含む。
本発明によるモニタリング及び解析システムは、ソフトウェア・モジュールとして実装され得る。モニタリング・システムは、携帯可能(ポータブル)なハードウェア・システムにおいて実装され得る。このハードウェアは、モニタされるケーブル/ワイヤに接続するための入力モジュールを備えている。モニタリング及び解析ソフトウェアが、その方法を実行し、ケーブル/ワイヤに対する解析結果を自動的に提供し得る。しかし、モニタリング及び解析器システムのオペレータによる手動での介入も可能である。
・LIRAシミュレータ・モジュールについて。LIRAシミュレータは、伝送線路の方程式(方程式1から10まで)を適用する周波数領域で動作する。それに加え、LIRAシミュレータは、製造上の公差と環境変化とに起因するケーブルの電気的パラメータにおける不確定要素を評価するのに、確率モデルを用いる。実際のケーブル接続に関するケーブル・パラメータと負荷パラメータとが、LIRAシミュレータ・モジュールに入力される。
確率モデルは、(ユーザによって選択された標準偏差を備えた正規分布を用いて)製造上の公差と環境雑音とに起因するケーブルに沿った電気的パラメータ(L、C及びR)における統計的変動を評価し適用する。
・LIRA解析器モジュールについて。LIRA解析器モジュールは、現実又はシミュレーション・モードで動作されることが可能である。第1の場合には、LIRA解析器は、取得ボード信号取得モジュールからの入力を受け取り、第2の場合には、入力は、LIRAシミュレータ・モジュールから到来する。LIRA解析器は、ワイヤ/ケーブル・モニタリング・システムのコアである。LIRA解析器は、周波数領域と時間領域との両方で機能し、以下のタスクを実行する。
○ 線路入力インピーダンスの周波数スペクトルを推定して表示すること。
○ 共振周波数を計算すること。共振周波数は、インピーダンス・スペクトルから計算され、位相がゼロである周波数値と対応する。
○ ケーブルの特性インピーダンスZDUTを推定すること。それもまた、インピーダンス・スペクトルから計算される。特性インピーダンスとは、インピーダンス位相のいずれからの局所的最大値(又は最小値)におけるインピーダンス振幅の値である。
○ もし知られていない場合には、ケーブルの長さを推定すること。
○ 局所的な劣化領域を検出し、その位置を決定すること。
○ 負荷の変化を検出すること。
○ インピーダンスの変化とインピーダンス・スポットとを識別するために周波数スペクトルを解析し表示し、インピーダンス位相スペクトルの実数成分及び虚数成分を計算し、スパイク(spike)の高さを解析すること。
局所的劣化の診断及び位置決定
線路のインピーダンスは、基準信号CH0からインピーダンス変調された信号CH1への平均化され窓を掛けられた伝達関数として計算され、これは、結果的に、線路のインピーダンスZDUTの振幅及び位相を周波数の関数として計算することになる(方程式(11)を参照のこと)。いったん線路のインピーダンスが計算されると、ケーブル状態は、複素インピーダンスの振幅及び位相成分の周波数コンテンツの検査によって解析される。これは、以下で説明される。Zdutは、ハードウェアにおいて計算され得るが、この場合には、CH0及びCH1を見ることがない。
方程式(8)は、図1における関数の数学的表現である。実際には、(ケーブルの端部から距離dにおけるケーブルに対する)線路インピーダンスZは複素パラメータであり、図1は、それの振幅と位相との両方を示している。位相の擬似周期的な形状は、方程式(9)におけるΓの周期性に起因し、Γは次の方程式(12)のように書き直すことが可能である。
Γ=Γ−2αd−2jβd (12)
なお、方程式(12)では、減衰αのために、振幅はd(ケーブルの長さ)と共に減少する(α=0の場合には、位相は周期的である)。Γの周期(そして、線路インピーダンスの位相の周期)は、dを独立変数と考えると1/2βであり、(図1におけるように)βを独立変数と考えると1/2dである。
方程式(6)からの伝搬定数βのための表現を用いると、方程式(12)は、次の方程式(13)及び(14)のように書き直すことができる。

ここで、fは長さdのケーブルに沿って移動する印加された信号の周波数であり、vはケーブルにおける電気信号の位相速度である。
fが独立変数であると仮定し、次のように変換を書くことにする。
f→t’ (15)

なお、vをケーブルにおける電気信号の相対位相速度であり、vを真空中の光速であるとして、v=v/vである。すると、次が成立する。
Γ−2αd=A (17)
方程式(14)は、次のようになる。
Γ=Ae−jω’t’ (18)
方程式(18)は、角周波数ω’及び振幅Aの擬似周期関数の(複素表記での)数学的表現である。無損失の場合(α=0)はA=1であり、現実世界の損失性ケーブルではαは信号周波数の増加関数であるから、振幅Aはt’の減少関数であって、結果的には図1の減衰発振が生じる。この関数の周波数(t’の領域における)は、次の通りである。

ここで、f’は、距離d(ケーブル終端)における波反射に起因するt’の領域における位相関数の基本周波数である。f’の表現は時間の次元を有しており、それは波が距離dにおける終端に到達し反射して戻るのに経過する時間であることに注意すべきである。t’の領域におけるインピーダンス位相のフーリエ変換(パワー・スペクトル)は例えば図3のような外観を呈する。なお、図3では、x軸が、方程式(19)に与えられている基本周波数におけるdに調整されている。図3では、x軸が、ケーブルの始点からの距離(d=300m)に調整されている。
距離xにおいて、波がケーブルの電気的パラメータにおいて不連続(例えば、誘電率の僅かな変化)を発見すると、距離xからの別の反射が見えることになり、それが、インピーダンス位相のパワー・スペクトルに新たな周波数成分として加わることになる。この場合、(方程式(19)からの)周波数は、次の通りである。

従って、
ケーブルの長さが既知である場合には、(t’の領域における)インピーダンス位相のパワー・スペクトルからf’及びf”が既知であれば、次のようにxの位置を計算するのに十分である。
dが既知であれば、相対位相速度vが(ケーブルのデータシートから、又は、同じタイプのケーブル・サンプルにおいてそれを測定することによって)既知であることを、次のように、方程式(19)に基づいてxの位置を計算するのに用いることができる。
よって、最終的な結果は、電気的パラメータの(どのように僅かな変化であっても)変化(主に誘電率の値の変化)が印加された基準信号の反射波を生じさせるいずれかの位置におけるスパイクである。この反射は、線路インピーダンスの位相/振幅スペクトルにおける周波数成分として現れる。反射波の周波数は、ケーブル端部から逸脱箇所までの距離の一次関数である。図4は、t’の領域における位相インピーダンスのフーリエ変換(パワー・スペクトル)を示しており、ケーブルの始点からx=200mの位置におけるケーブルの電気的パラメータの変化に起因する反射を、x=200mにおける周波数成分として見ることができる。このスパイクは図4の場合であり、テスト対象であるケーブルの30cmのセグメントにおける20pFの容量変化に起因する。
ケーブルの状態モニタリングを行っているときには、ケーブルの電気的パラメータにおいて、いくつもの不連続箇所(n)が存在し得る。これらの不連続箇所は、それぞれが、パワー・スペクトルにおいて、明確な周波数成分のスパイクfとして現れ、その位置xは既に説明したように識別される。
優れた感度とデジタル分解能とを有するためには、可能な限り大きな帯域幅を用いて動作させることが重要であるが、しかし、これは、ケーブルの減衰によって制限される。帯域幅の典型的な実例は、30mのケーブル()の場合には100MHzであり、120km()までのケーブルの場合には20KHzである。長いケーブルの場合には、周波数の関数であるケーブルの減衰の増加を克服するために、狭い帯域幅が要求される。
大域的劣化のモニタリング
ケーブル状態の大域的変化のモニタリングは、方法1:相対位相速度の推定及びモニタリングと、方法2:CBAC法(中心帯域の減衰相関)とによって提供される。
局所的劣化及び診断に関しては、大域的劣化のための方法も、基準信号CH0をケーブルに印加することに基づく。基準信号は、wからwまでの周波数帯域幅を有しているが、次に、テスト対象であるケーブルのケーブル・インピーダンスZDUTによって位相及び振幅変調されて、信号CH1を提供する。
方法1:相対位相速度が、2つのステップ・プロセスを通じて、LIRAによって計算される:
1.第1の近似値が、線路インピーダンスにおける2つの連続的な共振周波数値を用い、以下の方程式を適用して推定される。いずれの共振においても、ケーブルの長さLは、波長の半分に等しいか、又は、そのいずれかの倍数に等しい(これは、ケーブルが開放端であるときに正しいが、異なる負荷リアクタンスについても容易に説明可能である)。すなわち、方程式(1)を用いると、次が得られる。

ここで、Lはケーブルの長さであり、vは真空中の光速であり、vは相対位相速度であり、fはk番目の共振ピーク周波数である。方程式(24)を2つの連続的な共振ピークに適用すると、次が得られる。
=2L(fk+1−f)/v (25)
方程式(25)は、ケーブルの入力インピーダンスの推定と共振周波数の計算との後で、LIRAによって、vの第1の値を評価するのに用いられる。どのような負荷リアクタンスのシフトも、この方程式における異なる項によって除去され得ることに注意すべきである。この値が近似である理由は、vはfの低速関数(slow function)であるが、方程式(25)では一定であると仮定されているからである。
2.ステップ1で見いだされたvの値は、次のように、基本周波数f’の近似値を計算するのに用いられる(t’の領域については、上での説明と図3とを参照のこと)。

LIRAは、f’の前後のユーザが選択可能な区間におけるt’の領域のフーリエ変換(パワー・スペクトル)において、最大ピークf”をサーチする。f’の正確な値(f”と称される)がスペクトルから発見されると、方程式(19)は、vについて次のように解かれる。

これは、位相速度の最終的で正確な値である。位相速度は、ケーブル絶縁の劣化に伴って低下する。
方法2:CBAC法(中心帯域の減衰相関)
Γ=Ae−jω’t’ (18)
方程式(18)は、t’の領域における(方程式(18)の複素関数の実数部だけを考慮した)角周波数ω’及び振幅Aの正弦波の(複素表記での)方程式である。減衰αがゼロでない場合には、Aは崩壊定数であり、結果的に得られる信号は図5に示されているような減衰正弦波である。図5は、GRC(実数部)をt’の関数として示している。
Γに対する方程式(18)を用いて、入力線路インピーダンスZに対する方程式(8)を書くと、次が得られる。
方程式(27)は、ケーブル端部から距離dにおける線路インピーダンスZの振幅及び位相を表す複素関数である。A=1である(減衰がゼロであり、終端が解放されている又は短絡している)ときのt’の領域における線路インピーダンスZの位相をプロットすると、図6に示されているようなグラフが得られる。
図6におけるプロットは、角周波数ω’(方程式16)及び振幅π/2の正弦波である。減衰αがゼロ(実数の場合)でなく、従って、Aが1よりも小さくt’が無限大になるとゼロに崩壊する場合には、関数(16)の位相の形状は、図7に示されているように、同じ周波数ω’を有する準周期関数に近づく。
この変化の理由は、矩形波の方程式を、次のように、テイラー級数として書き直してみると、説明可能となる。
方程式(28)は、周期2dの基本正弦波として始まる奇数調波の無限和である。図8は、これらの成分と最終的な結果とをプロットしている。物理的に表現すれば、伝送線路では、周期2dの基本正弦波は、ケーブル終端からの第1の反射に対応する。高調波成分は、より高次の反射に起因し、nを高調波次数とすると、(t’の領域での)その振幅は1/nの項と共に減少する。この理由により、(方程式(28)におけるように)減衰項が考慮されないときには、無限個の反射の結果として、図6又は図8に示されているように、矩形状のインピーダンス位相が生じる。
減衰項を加算すると、結果として、高調波の振幅が進行的に減衰し、より高次の高調波に対して基本波がその重要性を増加させるという結末になる(図7)。減衰項(そして、終端が解放ではない又は短絡している場合には、反射係数)を含めると、方程式(28)は次のようになる。
dに沿って積分し、単位をdBに変換すると、次が得られる。

ここで、TP1及びTP2は、インピーダンス位相の基本及び第3の高調波の振幅であり、αは、帯域幅の中間における長さ単位当たりのケーブル減衰である。ケーブル終端が短絡しているか又は解放であるときには、反射係数は1(又は−1)であるから、方程式(30)における対数項は消滅する。
方程式(30)は、中間帯域幅におけるケーブル減衰が、LIRAにより正確に推定可能なTP1とTP2との差に比例することを示している。図9は、最初の3つの高調波のLIRAディスプレイの実例を示している。従って、最終ピークと第3の高調波との関係は、ケーブルの大域的な熱的な時間経過(thermal aging)の安定したインジケータである。
EPRI及びTECNATOMにおける広範囲なテストによると、ケーブルの熱的な時間経過状態(特に、EPR絶縁されたケーブルの場合)とその中間帯域減衰との間には、良い相関が存在することが証明されている。
更に、これらのテストによると、低周波の減衰はほとんど不変であり、特性インピーダンスは(大きな標準偏差で)ほとんど不変であり、位相速度は(大きな標準偏差で)低下する傾向にあることが示されている。中間帯域減衰は、すべての場合において、時間経過のないケーブルの場合にはより大きいことが見いだされた。
これらの結果は、熱的な時間経過が、誘電キャパシタンスの幾らかの変化と共に、ケーブル・インダクタンスの著しい上昇を生じさせることを肯定している。
LIRAでは、αは、長いケーブルと短いケーブルとの差に対処するために、基準ケーブル長(デフォルトで20m)に正規化される。
減衰αは、次のように与えられる。

ここで、Rはワイヤの抵抗値(時間経過があっても不変)、Cは絶縁キャパシタンス、Lはケーブルのインダクタンスである。
方程式(31)は、減衰αは、時間経過に伴う変化を示す、絶縁キャパシタンスCとケーブルのインダクタンスLとの間の比率の関数であることを示している。時間経過とαとの間の結果的な相関は複雑であり単調ではない可能性があるが、他方で、単調な振る舞いは時間経過インジケータにとって重要な要件である。
この問題を解決するために、減衰値は、両方ともLIRAによって計算される特性インピーダンスと位相速度との比率を用いて、訂正される。αが特性インピーダンスZ0によって除算され、相対位相速度VRの平方をとると、次が得られる。

よって、CBACは、絶縁キャパシタンスの変化に対してだけ感度を有するインジケータである。
VRの平方の代わりに乗算する場合には、次のようになる。

この逆数が、ケーブル・インダクタンスの変化だけに感度を有するインジケータであるCBALである。
図10は、LIRA時間経過インジケータに対する絶縁キャパシタンスCとケーブル・インダクタンスLとの分離効果の概念を図解している。
ケーブル・インピーダンス変化のスペクトル分解:スポットの方向及びサイズを計算するための位相インピーダンス・スペクトルにおける実数部と虚数部との関係(BTSアプローチ)
既に詳述されたように、米国特許第7966137B2号に開示されている線路共振解析システムは、LIRAシグネチャを提供する。LIRAシグネチャの一例が、図11に示されている。LIRAシグネチャは、ケーブルに沿ったケーブル・インピーダンスの変化を追跡する。LIRAシグネチャは、CH0信号が印加されたケーブルの始点からの距離の関数に変換されたパワー・スペクトルである。
図11に示されているように、LIRAシグネチャは、図11の位置a及びbにおけるケーブル・インピーダンスの変化を識別する。LIRAの分解能は、図11では、垂直方向の直線によって示されている。しかし、LIRAはケーブル・インピーダンスの変化を検出するだけであるから、図11に示されているLIRAシグネチャは、a及びbにおいて識別された2つのケーブル・インピーダンス変化の間のケーブル状態については、何も語っていない。またインピーダンスの変化はLIRAシステムの分解能の範囲内にあるから、インピーダンスの変化の性質に関する更なる情報は、米国特許第7966137B2号における従来技術によるLIRAシステムによっては提供されないことがあり得る。
ケーブル・インピーダンスは、以下のパラメータの中の1つ又は複数の変化の結果として上昇(ステップ・アップ)する。
1.誘電キャパシタンスの低下
2.ケーブルの自己インダクタンスの上昇
3.導体又は/及びシールド抵抗の上昇
4.絶縁伝導率の低下(まれ)
効果1及び2は高い周波数においてより感度が高く、それに対して、効果3及び4は低い周波数においてより感度が高い。
逆方向へのケーブル・インピーダンスの変化は、インピーダンスの低下(ステップ・ダウン)を生じさせる。
インピーダンスの変化を生じさせる頻繁なファクタは、次の通りである:
・温度の上昇(低下)(誘電キャパシタンスの上昇(低下)、インピーダンスの低下(上昇))
・水分/湿気の侵入(導電率の上昇、インピーダンスの低下)
・絶縁抵抗の低下(導電性の上昇、インピーダンスの低下)
・機械的衝撃(いずれかの方向)
・ガンマ線の照射(通常は、インピーダンスの上昇)
LIRAシグネチャに伴う問題は、米国特許第7966137B2号に記載されているように、シグネチャにおけるスパイクが、以下にリスト化されている次のファクタのいずれかによって生じ得る、ということである。異なるファクタが、イベント名によって識別されている。このイベント名は、本明細書の残りの部分を通じて用いられる。
LIRAの分解能は、適用される帯域幅の関数であり、100MHzの場合であれば約1.5mである。帯域幅が縮小されると、分解能は低下する。
1.SP+(単一ピーク、正):インピーダンスのステップアップ変化。この状況は、実際の分解能よりも長い距離にわたって、ケーブル・インピーダンスの安定的な上昇があるときに生じる。これは、図11及び図12に図解されている。図11は、より高いインピーダンスを有するケーブルのセグメントからのLIRAシグネチャを図解している。なお、ここで、このセグメントは、LIRAの分解能よりも長い。セグメントの始点では、LIRAシグネチャの分解能の範囲内にあるインピーダンス変化(インピーダンスのステップアップ(SP+))が存在する。インピーダンスのステップアップの結果として、LIRAシグネチャはケーブルに沿ったインピーダンスの変化だけを検出するのであるから、LIRAシグネチャにおいてスパイクが生じる。セグメントの終点では、別のインピーダンス変化が存在するが、この場合は、インピーダンスはステップダウン(SP−)して、結果的に、LIRAシグネチャにスパイクが再度生じる。図12は、図11に図解されているように、インピーダンス・ステップアップ(−5pF/m、分解能=1.5m)に対するLIRAシグネチャのディスプレイ・イメージを示している。インピーダンスのステップアップは、50mにおける第1のピークによって表され、インピーダンスのステップダウンは、ケーブルの始点から60mにおいて現れている。
2.SP−(単一ピーク、負):インピーダンスのステップダウン変化。この状況は、LIRAの実際の分解能よりも長い距離にわたって、ケーブル・インピーダンスの安定的な下降があるときに生じる。図13及び図14は、より低いインピーダンスの長いセグメント(帯域幅との比較において)の実例を示している。図13における2つのスパイクは、低インピーダンス・セグメントの始点と終点とを表している。セグメントの始点では、LIRAシグネチャの分解能の範囲内にあるインピーダンス変化(インピーダンスのステップダウン(SP−))が存在する。インピーダンスのステップダウンの結果として、LIRAシグネチャはケーブルに沿ったインピーダンスの変化だけを検出するのであるから、LIRAシグネチャにおいてスパイクが生じる。セグメントの終点では、別のインピーダンス変化が存在するが、この場合は、インピーダンスはステップアップ(SP+)して、結果的に、LIRAシグネチャにスパイクが再度生じる。これらの図から見ることができるように、図14におけるLIRAシグネチャは、図12におけるLIRAシグネチャに等しい。ケーブルに印加されたCH0信号の実際に印加された帯域幅に対する分解能よりも長い距離にわたるケーブル・インピーダンスの上昇とケーブル・インピーダンスの低下との両方の結果として、同じLIRAシグネチャ、すなわち、SP−スパイクとそれに続くSP+スパイクとが生じる。
3.DP+:より高いインピーダンスを有する(実際の分解能よりも短い)短いケーブル・セグメントである。これは、通常、「スポット」と称されるものである。このイベントでは、ケーブル・インピーダンスは、スポットの前後で同じであるが、短いケーブル・セグメントの内部で、より高くなる。高インピーダンス・スポットの実例については図19を、対応するLIRAシグネチャについては図26を参照のこと。図19から見ることができるように、高インピーダンス・スポットの結果として、LIRAシグネチャにおいてだけスパイクが1つ生じる。
4.DP−:より低いインピーダンスを有する(実際の分解能よりも短い)短いケーブル・セグメントである。このイベントでは、ケーブル・インピーダンスは、スポットの前後で同じであるが、短いケーブル・セグメントの内部で、より低くなる。高インピーダンス・スポットの実例については図20を、対応するLIRAシグネチャについては図23を参照のこと。図20から見ることができるように、高インピーダンス・スポットの結果として、LIRAシグネチャにおいてだけスパイクが1つ生じる。
図11、図13、図19及び図20から見ることができるように、以上で述べた異なる複数のインピーダンス変化の結果として、LIRAシグネチャにおいて、同じスパイクが生じる。要約すると、通常のLIRAシグネチャが区別できない4つのイベント・タイプが存在する。
・SP+:ステップアップ・インピーダンス変化。これは、ケーブルが開放端であるとき(又は、取り付けられている負荷がケーブルの特性インピーダンスよりも高いインピーダンスを有するとき)には、最終的な終端も含む。
・SP−:ステップダウン・インピーダンス変化。これは、ケーブルが短絡端であるとき(又は、取り付けられている負荷がケーブルの特性インピーダンスよりも低いインピーダンスを有するとき)には、最終的な終端も含む。
・DP+:高インピーダンス・スパイク
・DP−:低インピーダンス・スパイク
4つの可能性のあるイベントを検出するための実数部−虚数部関係(BTS、均衡終端シグネチャ(Balanced Termination Signature))アプローチ
実数部−虚数部関係(BTS、均衡終端シグネチャ)アプローチは、上でリスト化された4つの可能性のあるイベントを検出するのに用いられ得る(SP+、SP−、DP+、DP−)。方程式(8)から導かれるように、線路インピーダンスZDUTは複素変数である。方程式(8)から導かれる曲線の形状は、周波数の関数として、振幅及び位相について図1に示されている。
本発明は、インピーダンス位相のフーリエ変換における特定の位置で識別されるスパイクに関する更なる解析を提供するが、その位置は、方程式(23)によって計算され、例えば図3及び図4に示されている。
BTSアプローチは、イベントの位置におけるインピーダンス位相スペクトルのフーリエ変換の実数成分及び虚数成分の計算に基づく。
ステップアップ及びステップダウン(SP+及びSP−)イベントは、図15から図18までに記載されているように、イベント位置におけるフーリエ変換の純虚数値によって特徴付けられる。実数成分がゼロ(Re=0)である間は、虚数成分は、SP+イベントに対しては正(Im=+90)であり、SP−イベントに対しては負(Im=−90)である。
高い及び低いインピーダンス・スパイクは、SP+に続くSP−又はSP−に続くSP+という、符号が反対である2つのSPイベントの近接する組合せによって特徴付けられる。この結果として、虚数成分(+90+−90、−90++90)が互いに打ち消し合う。この結果は、DP+に対する正の実数成分(図25)とDP−に対する負の実数成分(図22)とを備えた、イベント位置におけるスペクトル変換の純実数値である。
DP−イベントに対するインピーダンス位相スペクトルのフーリエ変換は、図21に示されている。スポットにおけるスペクトルは、純実数であり、負である。DP+イベントに対するインピーダンス位相スペクトルのフーリエ変換は、図24に示されている。スポットにおけるスペクトルは、純実数であり、正である。
これらの計算は、本発明によるLIRAシステムによって、自動的に実行され得る。図12、図14、図23及び図26におけるディスプレイ・イメージとして示されているように、LIRAシグネチャにおけるインピーダンス・スパイクは、それぞれのスパイクをSP+、SP−、DP+、DP−の中の1つとして識別するディスプレイ・イメージ上における表として提供されている。
SP及びDPイベントのための位置の精度
しかし、2つのSPステップのイベント(SP+、SP−)と2つのDPスパイクのイベント(DP+、DP−)との間には、位置決定プロセスにおいていくつかの差異が存在する。
SP+(ステップアップ)イベントの検出された位置は、1つ又は複数の電気的パラメータの変化が結果的にケーブル・インピーダンスを上昇させるケーブル位置である。同様に、SP−イベントの位置は、局所的なインピーダンスが低下するケーブル上の位置である。
DP+(DP−)イベントは、SP+(SP−)イベントと、ケーブルに印加された信号CH1の印加された帯域幅の結果として生じる現在の分解能よりも近接した距離におけるそれに続くSP−(SP+)イベントとの重ね合わせである。この理由から、検出されたイベント位置は、変化が生じる短いセグメントの中間点にある。
局所的劣化の深刻度(DNORMアルゴリズム)
ケーブル絶縁の局所的劣化の深刻度は、LIRAシグネチャにおけるスパイクの高さと相関する。しかし、絶縁に対する同じ損失に対応するスパイクの高さは、ケーブルに沿ったこのケーブルの劣化(絶縁損失)の位置にも左右される。LIRAシグネチャにおけるスパイクの高さは、信号CH0が印加されるケーブルの始点からのケーブル劣化の距離に応じて低下する。これは、故障がケーブルの端部に向かって移動するにつれてスパイクの高さが低くなる、ということを意味する。この効果は、また、米国特許第7966137B2号に記載されているように、LIRAシステムによって実行される解析では、プロットの正規化を通じて自動的に補償された。
このような正規化は、顕著なスパイクを容易に検出するための優れた特徴であるが、故障(ケーブルの絶縁劣化)がケーブルの端部に向かって移動する場合には、距離補償として信頼できるものではない。本発明は、以下のように表現され得るDNORMアルゴリズムを提供する。
どのような局所的スポット(ケーブル・インピーダンスの変化)であっても、終端ピークの反対側に鏡像を生じさせる(図27を参照のこと)。これは、損傷された部分の二次反射に起因する。パワー・スペクトルにおける二次スパイクは、Lがケーブルの長さであり、SLがケーブル上のスポット位置であるとして、距離2L−SLにおける同じ深刻度の新たなスポットのようなものである。
2つのスポット(局所的スポットとその鏡像)の間の距離は(スポットの位置決定の後では)既知であるから、ケーブルの減衰に起因してスパイクのサイズが距離と共にどのように変化するのかを表すトレンドライン(図27におけるスポットの間の直線)を描き計算することが可能である。DNORMでは、トレンドラインの値と終端スパイク(スパイク・デルタ)との差異は、現実のスポットがどこに位置しているかとは無関係に、終端位置(TP)に正規化される。この差(DNORM)は、特定のスポットに関する局所的劣化の深刻度の尺度を表す。
終端端部
ケーブルに印加された広帯域信号CH0は、ケーブルの終端端部で反射される。終端端部からの信号は、ケーブルの始点からの距離がケーブルの長さであるスポット・シグネチャにおいてスパイクを提供する。ケーブルの端部で生じるどのようなインピーダンス変化も、従って、この終端スパイク/ピークの影の範囲内にある。上述されたBTS及びDNORMアプローチを用いる本発明は、ケーブル・セグメントの終端端部がよい性質を有するのか悪い性質を有するのかを確立する可能性を提供する。ケーブルの終端端部は、スポット(DP+又はDP−)を提供する。ケーブルの終端では、終端ピークの2つの側の間のデルタ差異dyとピークの高さdzとの間の関係であるBTZ=dy/dz*100が、ケーブル終端の絶縁状態に関する尺度である。
図28は、BTS=0である均衡状態にあるケーブル(よいケーブル)に対するケーブル端部での均衡終端シグネチャ(BTS)のディスプレイ・イメージを示している。図29は、BTS>0である高キャパシタンス(低インピーダンス)終端を有するケーブルに対するケーブル端部での均衡終端シグネチャ(BTS)のディスプレイ・イメージを示している。図30は、BTS<0である低キャパシタンス(高インピーダンス)終端を有するケーブルに対するケーブル端部での均衡終端シグネチャ(BTS)のディスプレイ・イメージを示している。
ケーブル端部の状態を確立することは、例えば、石油産業、油井におけるダウンホール、海面下、原子力発電所、電力送配電及びそれ以外の到達困難な場所のような環境においては、格別に重要である。
以上では本発明の好適実施例について説明してきたが、本発明の概念を組み入れた他の実施例も用いられ得るということは、当業者には明らかであろう。以上で例証された本発明のこれらの及びそれ以外の実例は、単なる実例として意図されているのであって、本発明の実際の範囲は以下の特許請求の範囲によって決定されるべきものである。

Claims (24)

  1. 電気ケーブルの状態をモニタするための方法であって、
    前記電気ケーブルの少なくともケーブル・インピーダンスによって位相及び振幅変調されている広帯域信号波を、前記電気ケーブルの第1の端部に印加するステップと、
    前記電気ケーブルの前記第1の端部において、前記電気ケーブルによって伝送及び反射された、前記位相及び振幅変調されている広帯域信号波を取得するステップと、
    前記取得された反射広帯域信号波に対し、複素ケーブル・インピーダンスZDUTを、振幅及び位相によって特定された周波数fの関数として計算するステップと、
    前記計算された複素ケーブル・インピーダンスを時間領域t’に変換するステップと、
    前記時間領域t’における周波数f’を計算するステップであって、前記周波数f’とは、前記電気ケーブルの一端から距離dにおける前記広帯域信号波の波反射に起因する前記時間領域t’における角周波数w’及び振幅Aの擬似周期関数の基本周波数であり、vを真空中の光速度、vを前記電気ケーブルにおける電気信号の推定相対位相速度として、

    を適用することによって計算される、ステップと、
    前記電気ケーブルの絶縁に対するすべての局所的劣化を発見し位置を特定するために、前記時間領域f’における前記複素ケーブル・インピーダンスの振幅及び位相の両方のパワー・スペクトル解析を実行するステップと、
    前記電気ケーブルの電気的パラメータが不連続であることを原因として前記電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xにおいて生じる前記広帯域信号波の波反射に起因する前記時間領域t’の前記パワー・スペクトルにおける周波数成分f”,f”,・・・,f”を識別して、前記位置xのそれぞれを、

    を適用することによって計算するステップと、
    前記電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xの少なくとも1つの前後にある区間における前記パワー・スペクトルの位相インピーダンス・スペクトルのフーリエ変換の実数部と虚数部との間の関係を確立するステップと、
    前記実数部及び虚数部から、前記電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xの少なくとも1つにおけるインピーダンスの変化を識別するステップと、
    を含む方法。
  2. インピーダンスの変化を識別するステップは、ステップアップ・インピーダンス変化、ステップダウン・インピーダンス変化、高インピーダンス・スポット又は低インピーダンス・スポットの中の少なくとも1つを識別するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 高インピーダンス・スポットは、前記虚数部がゼロであり前記実数部が負であるときに識別される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 低インピーダンス・スポットは、前記虚数部がゼロであり前記実数部が正であるときに識別される、請求項1又は2に記載の方法。
  5. ステップアップ・インピーダンス変化は、前記実数部がゼロであり前記虚数部が負であるときに識別される、請求項1又は2に記載の方法。
  6. ステップダウン・インピーダンス変化は、前記実数部がゼロであり前記虚数部が正であるときに識別される、請求項1又は2に記載の方法。
  7. より低いインピーダンスを備えたケーブル・セグメントを、前記ケーブル・セグメントの始点におけるステップダウン・インピーダンス変化及びそれに続く前記ケーブル・セグメントの終点におけるステップアップ・インピーダンス変化として識別するステップを更に含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
  8. より高いインピーダンスを備えたケーブル・セグメントを、前記ケーブル・セグメントの始点におけるステップアップ・インピーダンス変化及びそれに続く前記ケーブル・セグメントの終点におけるステップダウン・インピーダンス変化として識別するステップを更に含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
  9. 電気ケーブルの状態をモニタするための方法であって、
    前記電気ケーブルの少なくともケーブル・インピーダンスによって位相及び振幅変調されている広帯域信号波を、前記電気ケーブルの第1の端部に印加するステップと、
    前記電気ケーブルの前記第1の端部において、前記電気ケーブルによって伝送及び反射された、前記位相及び振幅変調されている広帯域信号波を取得するステップと、
    前記取得された反射広帯域信号波に対し、複素ケーブル・インピーダンスZDUTを、振幅及び位相によって特定された周波数fの関数として推定/計算するステップと、
    前記計算された複素ケーブル・インピーダンスを時間領域t’に変換するステップと、
    前記時間領域t’における周波数f’を計算するステップであって、前記周波数f’とは、前記電気ケーブルの一端から距離dにおける前記広帯域信号波の波反射に起因する前記時間領域t’における角周波数w’及び振幅Aの擬似周期関数の基本周波数であり、vを真空中の光速度、vを前記電気ケーブルにおける電気信号の推定相対位相速度として、

    を適用することによって計算される、ステップと、
    前記電気ケーブルの絶縁に対するすべての局所的劣化を発見し位置を特定するために、前記時間領域f’における前記複素ケーブル・インピーダンスの振幅と位相との両方のパワー・スペクトル解析を実行するステップと、
    前記電気ケーブルの電気的パラメータの不連続を原因として前記電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xにおいて生じる前記広帯域信号波の波反射に起因する前記時間領域t’の前記パワー・スペクトルにおける周波数成分f”,f”,・・・,f”を識別して、前記位置xのそれぞれを、

    を適用することによって計算するステップと、を含む方法において、
    電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xの少なくとも1つでの前記電気ケーブルの絶縁における識別された故障の局所的劣化の深刻度を、前記識別された故障の位置における前記広帯域信号の二次反射を解析することにより確立するステップを更に含む方法。
  10. 前記パワー・スペクトルにおける一次反射ピークの高さと前記二次反射ピークの高さとの差を確立して、終端から任意の距離にある任意のピークの高さを正規化するために前記電気ケーブルの減衰を評価するステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記パワー・スペクトルにおける終端ピークを解析することにより前記電気ケーブル端部の状態に関する尺度を確立するステップを更に含んでおり、このステップは、前記終端ピークのそれぞれの側における2つの谷の間の差dyと前記終端ピークの高さdzとの間の関係を確立するステップを含む、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
  12. 解析器を用いて前記推定相対位相測度vを推定するステップを更に含んでおり、前記推定相対位相測度vを推定する前記ステップは、
    前記複素ケーブル・インピーダンスZDUTの少なくとも2つの共振周波数を評価するステップと、
    前記複素ケーブル・インピーダンスZDUTの2つの連続的な共振周波数値f及びfk+をそれぞれ識別するステップと、
    Lを前記電気ケーブルの長さとして、v=2L(fk+1−f)/vを適用することにより、前記電気ケーブルの相対位相速度vの第1の値を計算するステップと、
    前記第1の相対位相速度vを用いて、

    を適用することにより、前記時間領域t’における前記電気ケーブルの前記基本周波数f’を計算するステップと、
    f’の前後における選択可能な区間において前記時間領域t’における最大ピーク値を発見することにより、前記基本周波数f’の第2の値f”を計算するステップと、

    を適用することにより、前記相対位相速度vfinal の推定値を計算するステップと、
    を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 電気ケーブルの状態をモニタするためのシステムであって、
    複素ケーブル・インピーダンスZDUTを、振幅及び位相によって特定された周波数fの関数として計算するための解析器と、
    ケーブル・インピーダンスによって位相及び振幅変調され前記電気ケーブルの第1の端部に印加される広帯域信号波を生成するための生成手段と、
    前記第1の端部において、前記ケーブル・インピーダンスによって位相及び振幅変調された前記広帯域信号波を取得するための取得モジュールと、
    前記複素ケーブル・インピーダンスZDUTを、時間領域t’に変換するための変換手段と、
    前記時間領域t’における周波数f’を計算するための解析器であって、前記周波数f’とは、前記電気ケーブルの一端から距離dにおける前記広帯域信号波の波反射に起因する前記時間領域t’における角周波数(radial frequency)ω’及び振幅Aの擬似周期関数の基本周波数であり、vを真空中の光速度、vを前記電気ケーブルにおける電気信号の推定相対位相速度として、

    を適用することによって計算される、解析器と、を備えており、
    前記解析器は、前記電気ケーブルの絶縁に対するすべての局所的劣化を発見し位置を特定するために、前記時間領域f’における前記複素ケーブル・インピーダンスの振幅及び位相の両方のパワー・スペクトル解析を実行し、
    前記解析器は、前記電気ケーブルの電気的パラメータが不連続であることを原因として前記電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xにおいて生じる波反射に起因する前記時間領域t’の前記パワー・スペクトルにおける周波数成分f”,f”,・・・,f”を識別し、
    前記解析器は、前記位置xのそれぞれを、

    を適用することによって計算し、
    前記解析器は、前記電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xの少なくとも1つの前後にある区間における前記パワー・スペクトルの位相インピーダンス・スペクトルのフーリエ変換の実数部と虚数部との間の関係を確立し、
    前記解析器は、前記実数部及び虚数部から、前記電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xの少なくとも1つにおけるインピーダンスの変化を識別する、システム。
  14. インピーダンスの変化を識別するステップは、ステップアップ・インピーダンス変化、ステップダウン・インピーダンス変化、高インピーダンス・スポット又は低インピーダンス・スポットの中の少なくとも1つを識別するステップを含む、請求項13に記載のシステム。
  15. 高インピーダンス・スポットは、前記虚数部がゼロであり前記実数部が負であるときに識別される、請求項13又は14に記載のシステム。
  16. 低インピーダンス・スポットは、前記虚数部がゼロであり前記実数部が正であるときに識別される、請求項13又は14に記載のシステム。
  17. ステップアップ・インピーダンス変化は、前記実数部がゼロであり前記虚数部が負であるときに識別される、請求項13又は14に記載のシステム。
  18. ステップダウン・インピーダンス変化は、前記実数部がゼロであり前記虚数部が正であるときに識別される、請求項13又は14に記載のシステム。
  19. より低いインピーダンスを備えたケーブル・セグメントを、前記ケーブル・セグメントの始点におけるステップダウン・インピーダンス変化及びそれに続く前記ケーブル・セグメントの終点におけるステップアップ・インピーダンス変化として識別するステップを更に含む、請求項13から18までのいずれか一項に記載のシステム。
  20. より高いインピーダンスを備えたケーブル・セグメントを、前記ケーブル・セグメントの始点におけるステップアップ・インピーダンス変化及びそれに続く前記ケーブル・セグメントの終点におけるステップダウン・インピーダンス変化として識別するステップを更に含む、請求項13から18までのいずれか一項に記載のシステム。
  21. 電気ケーブルに沿った位置x,x,・・・,xの少なくとも1つでの前記電気ケーブルの絶縁における識別された故障の局所的劣化の深刻度を、前記識別された故障の位置における前記広帯域信号の二次反射を解析することにより確立するステップを更に含む、請求項13から20までのいずれか一項に記載のシステム。
  22. 前記パワー・スペクトルにおける一次反射ピークの高さと前記二次反射ピークの高さとの差を確立し、前記高さの差を前記パワー・スペクトルにおける終端ピークの高さに正規化するステップを更に含む、請求項21に記載のシステム。
  23. 前記パワー・スペクトルにおける終端ピークを解析することにより前記電気ケーブル端部の状態に関する尺度を確立するステップを更に含んでおり、このステップは、前記終端ピークのそれぞれの側における2つの谷の間の差dyと前記終端ピークの高さdzとの間の関係を確立するステップを含む、請求項13から22までのいずれか一項に記載のシステム。
  24. 前記解析器は、
    前記複素ケーブル・インピーダンスZDUTの少なくとも2つの共振周波数を評価し、
    前記複素ケーブル・インピーダンスZDUTの2つの連続的な共振周波数値f及びfk+1をそれぞれ識別し、
    Lを前記電気ケーブルの長さとして、v=2L(fk+1−f)/vを適用することにより、前記電気ケーブルの相対位相速度vの第1の値を計算し、
    前記第1の相対位相速度vを用いて、

    を適用することにより、前記電気ケーブルの前記基本周波数f’を計算し、
    f’の前後における選択可能な区間において前記時間領域t’における最大ピーク値を発見することにより、前記基本周波数f’の第2の値f”を計算し、

    を適用することにより、前記相対位相速度vfinal の推定値を計算するように動作可能である、請求項13から23までのいずれか一項に記載のシステム。
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