JP2021124184A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油の冷却効率を向上する。【解決手段】動力伝達装置1は、モータ2と、モータ2の下流に接続される遊星減速ギア4及び差動機構5と、モータ2と遊星減速ギア4及び差動機構5とを収容する本体ボックス10と、を有し、遊星減速ギア4及び差動機構5に供給されるオイルOLと、モータ2を冷却する冷却水Qとの間で熱交換を行う冷却室17が構成されており、本体ボックス10を構成する第2ボックス12の周壁部121には、冷却室17の区画壁の一部となる長壁部171、172が形成されている。【選択図】図15

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
特許文献1には、傘歯車式の差動機構と、ラージピニオンギアとスモールピニオンギアとを有するステップドピニオンギアを有する遊星歯車機構と、を有する電気自動車用の動力伝達装置が開示されている。
特開平8−240254号公報
潤滑油の冷却効率を向上することを目的とする。
本発明は
モータと、
前記モータの下流に接続される歯車機構と、
前記モータと前記歯車機構とを収容するボックスと、を有し、
前記歯車機構に供給される潤滑油と前記モータを冷却する冷媒との間で熱交換を行う冷却室が構成されており、
前記ボックスの外壁面には、前記冷却室の区画壁の一部となる壁部が形成されている構成の動力伝達装置とした。
本発明によれば、潤滑油の冷却効率を向上することができる。
動力伝達装置のスケルトン図である。 動力伝達装置の断面図である。 動力伝達装置の遊星減速ギア周りの拡大図である。 動力伝達装置の差動機構周りの拡大図である。 動力伝達装置の差動機構の斜視図である。 動力伝達装置の差動機構の分解斜視図である。 第1オイルキャッチ部及び第2オイルキャッチ部を説明する図である。 第1オイルキャッチ部及び第2オイルキャッチ部を説明する図である。 第4ボックスを第3ボックス側から見た図である。 プレート部材を説明する図である。 第1オイルキャッチ部及び第2オイルキャッチ部を説明する図である。 第1オイルキャッチ部を説明する図である。 冷却室を説明する図である。 冷却室を説明する図である。 冷却室を説明する図である。 冷却室を説明する図である 第2ボックスを第4ボックス側から見た図である。 油送経路を説明する図である。 油送経路を説明する図である。
以下、本実施形態を説明する。
図1は、本実施形態にかかる動力伝達装置1を説明するスケルトン図である。
図2は、本実施形態にかかる動力伝達装置1を説明する断面図である。なお、図2では、デフケース50による掻き上げによって、下がった状態の油面OTを示している。
図3は、動力伝達装置1の遊星減速ギア4周りの拡大図である。
図4は、動力伝達装置1の差動機構5周りの拡大図である。
図1に示すように、動力伝達装置1は、モータ2と、モータ2の出力回転を減速して差動機構5に入力する遊星減速ギア4(減速機構)と、ドライブシャフト9(9A、9B)と、パークロック機構3と、を有する。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、パークロック機構3と、遊星減速ギア4と、差動機構5と、ドライブシャフト9(9A、9B)と、が設けられている。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転が、遊星減速ギア4で減速されて差動機構5に入力された後、ドライブシャフト9(9A、9B)を介して、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪W、Wに伝達される。
ここで、遊星減速ギア4は、モータ2の下流に接続されており、差動機構5は、遊星減速ギア4の下流に接続されており、ドライブシャフト9(9A、9B)は、差動機構5の下流に接続されている。
図2に示すように、動力伝達装置1の本体ボックス10は、モータ2を収容する第1ボックス11と、第1ボックス11に外挿される第2ボックス12と、第1ボックス11に組み付けられる第3ボックス13と、第2ボックス12に組み付けられる第4ボックス14と、から構成される。
第1ボックス11は、円筒状の支持壁部111と、支持壁部111の一端111aに設けられたフランジ状の接合部112と、を有している。
第1ボックス11は、支持壁部111をモータ2の回転軸Xに沿わせた向きで設けられており、支持壁部111の内側にモータ2が収容される。
接合部112は、回転軸Xに直交する向きで設けられていると共に、支持壁部111よりも大きい外径で形成されている。
第2ボックス12は、円筒状の周壁部121と、周壁部121の一端121aに設けられたフランジ状の接合部122と、周壁部121の他端121bに設けられたフランジ状の接合部123と、を有している。
周壁部121は、第1ボックス11の支持壁部111に外挿可能な内径で形成されている。
第1ボックス11と第2ボックス12は、第1ボックス11の支持壁部111に、第2ボックス12の周壁部121を外挿して互いに組み付けられている。
周壁部121の一端121a側の接合部122は、回転軸X方向から、第1ボックス11の接合部112に当接している。これら接合部122、112は、ボルト(図示せず)で互いに連結されている。
第1ボックス11では、支持壁部111の外周に凹溝111bが設けられている。凹溝111bは、回転軸X方向に間隔をあけて複数設けられている。凹溝111bの各々は、回転軸X周りの周方向の全周に亘って設けられている。
第1ボックス11の支持壁部111に、第2ボックス12の周壁部121が外挿されると、凹溝111bの開口が周壁部121で閉じられて、支持壁部111と周壁部121との間に、冷却水が通流する複数の冷却路CPが形成される。
第1ボックス11の支持壁部111の外周では、凹溝111bが設けられた領域の両側に、リング溝111c、111cが形成されている。リング溝111c、111cには、シールリング113、113が外嵌して取り付けられている。
これらシールリング113は、支持壁部111に外挿された周壁部121の内周に圧接して、支持壁部111の外周と、周壁部121の内周との間の隙間を封止する。
第2ボックス12の他端121bには、内径側に延びる壁部120が設けられている。壁部120は、回転軸Xに直交する向きで設けられており、回転軸Xと交差する領域に、ドライブシャフト9Aが挿通する開口120aが開口している。
壁部120では、モータ2側(図中、右側)の面に、開口120aを囲む筒状のモータ支持部125が設けられている。
モータ支持部125は、後記するコイルエンド253bの内側に挿入されて、ロータコア21の端部21bに回転軸X方向の隙間をあけて対向している。
第2ボックス12の周壁部121は、動力伝達装置1の車両への搭載状態を基準とした鉛直線方向の下側の領域が、径方向の厚みが、上側の領域よりも厚くなっている。
この径方向の厚みが厚い領域には、回転軸X方向に貫通してオイル溜り部121cが設けられている。
オイル溜り部121cは、第1ボックス11の接合部112に設けた連通孔112aを介して、第3ボックス13の接合部132に設けた軸方向油路138に連絡している。
第3ボックス13は、回転軸Xに直交する壁部130を有している。壁部130の外周部には、回転軸X方向から見てリング状を成す接合部132が設けられている。
第1ボックス11から見て第3ボックス13は、差動機構5とは反対側(図中、右側)に位置している。第3ボックス13の接合部132は、第1ボックス11の接合部112に回転軸X方向から接合されており、第3ボックス13と第1ボックス11は、ボルト(図示せず)で互いに連結されている。この状態において第1ボックス11は、支持壁部111の接合部122側(図中、右側)の開口が、第3ボックス13で封止される。
第3ボックス13では、壁部130の中央部に、ドライブシャフト9Aの挿通孔130aが設けられている。
挿通孔130aの内周には、リップシールRSが設けられている。リップシールRSは、図示しないリップ部をドライブシャフト9Aの外周に弾発的に接触させている。挿通孔130aの内周と、ドライブシャフト9Aの外周との隙間が、リップシールRSにより封止されている。
壁部130における第1ボックス11側(図中、左側)の面には、挿通孔130aを囲む周壁部131が設けられている。周壁部131の内周には、ドライブシャフト9AがベアリングB4を介して支持されている。
周壁部131から見てモータ2側(図中、左側)には、モータ支持部135が設けられている。モータ支持部135は、回転軸Xを所定間隔で囲む筒状を成している。
モータ支持部135の外周には、円筒状の接続壁136が接続されている。接続壁136は、壁部130側(図中、右側)の周壁部131よりも大きい外径で形成されている。接続壁136は、回転軸Xに沿う向きで設けられており、モータ2から離れる方向に延びている。接続壁136は、モータ支持部135と第3ボックス13の壁部130とを接続している。
モータ支持部135は、接続壁136を介して第3ボックス13で支持されている。モータ支持部135の内側を、モータシャフト20の一端20a側が、モータ2側から周壁部131側に貫通している。
モータ支持部135の内周には、ベアリングB1が支持されており、モータシャフト20の外周が、ベアリングB1を介してモータ支持部135で支持されている。
ベアリングB1に隣接する位置には、リップシールRSが設けられている。
第3ボックス13では、接続壁136の内周に、後記する油孔136aが開口しており、接続壁136で囲まれた空間(内部空間Sc)に、油孔136aからオイルOLが流入するようになっている。リップシールRSは、接続壁136内のオイルOLのモータ2側への流入を阻止するために設けられている。
第4ボックス14は、遊星減速ギア4と差動機構5の外周を囲む周壁部141と、周壁部141における第2ボックス12側の端部に設けられたフランジ状の接合部142と、を有している。
第4ボックス14は、第2ボックス12から見て差動機構5側(図中、左側)に位置している。第4ボックス14の接合部142は、第2ボックス12の接合部123に回転軸X方向から接合されており、第4ボックス14と第2ボックス12は、ボルト(図示せず)で互いに連結されている。
動力伝達装置1の本体ボックス10の内部には、モータ2を収容するモータ室Saと、遊星減速ギア4と差動機構5を収容するギア室Sbとが形成されている。
モータ室Saは、第1ボックス11の内側で、第2ボックス12の壁部120と、第3ボックス13の壁部130との間に形成されている。
ギア室Sbは、第4ボックス14の内径側で、第2ボックス12の壁部120と、第4ボックス14の周壁部141との間に形成されている。
ギア室Sbの内部には、プレート部材8が設けられている。
プレート部材8は、第4ボックス14に固定されている。
プレート部材8は、ギア室Sbを、遊星減速ギア4と差動機構5を収容する第1ギア室Sb1と、パークロック機構3を収容する第2ギア室Sb2とに区画している。
回転軸X方向において第2ギア室Sb2は、第1ギア室Sb1と、モータ室Saとの間に位置している。
モータ2は、円筒状のモータシャフト20と、モータシャフト20に外挿された円筒状のロータコア21と、ロータコア21の外周を所定間隔で囲むステータコア25とを、有する。
モータシャフト20では、ロータコア21の両側に、ベアリングB1、B1が外挿されて固定されている。
ロータコア21から見てモータシャフト20の一端20a側(図中、右側)に位置するベアリングB1は、第3ボックス13のモータ支持部135の内周に支持されている。他端20b側に位置するベアリングB1は、第2ボックス12の円筒状のモータ支持部125の内周に支持されている。
モータ支持部135、125は、後記するコイルエンド253a、253bの内径側で、ロータコア21の一方の端部21aと他方の端部21bに、回転軸X方向の隙間をあけて対向して配置されている。
ロータコア21は、複数の珪素鋼板を積層して形成したものであり、珪素鋼板の各々は、モータシャフト20との相対回転が規制された状態で、モータシャフト20に外挿されている。
モータシャフト20の回転軸X方向から見て、珪素鋼板はリング状を成しており、珪素鋼板の外周側では、図示しないN極とS極の磁石が、回転軸X周りの周方向に交互に設けられている。
ロータコア21の外周を囲むステータコア25は、複数の電磁鋼板を積層して形成したものであり、第1ボックス11の円筒状の支持壁部111の内周に固定されている。
電磁鋼板の各々は、支持壁部111の内周に固定されたリング状のヨーク部251と、ヨーク部251の内周からロータコア21側に突出するティース部252と、を有している。
本実施形態では、巻線253を、複数のティース部252に跨がって分布巻きした構成のステータコア25を採用している。ステータコア25は、回転軸X方向に突出するコイルエンド253a、253bの分だけ、ロータコア21よりも回転軸X方向の長さが長くなっている。
なお、ロータコア21側に突出する複数のティース部252の各々に、巻線を集中巻きした構成のステータコアを採用しても良い。
モータシャフト20の他端20b側は、第2ボックス12の壁部120(モータ支持部125)に設けた開口120aを差動機構5側(図中、左側)に貫通して、第4ボックス14内に位置している。
モータシャフト20の他端20bは、第4ボックス14の内側で、後記するサイドギア54Aに、回転軸X方向の隙間をあけて対向している。
図3に示すように、モータシャフト20では、第4ボックス14内に位置する領域に、段部201が設けられている。段部201は、モータ支持部125の近傍に位置しており、段部201とベアリングB1との間の領域の外周には、モータ支持部125の内周に支持されたリップシールRSが当接している。
リップシールRSは、モータ2を収容するモータ室Saと、第4ボックス14内のギア室Sbとを区画している。
第4ボックス14の内径側には、遊星減速ギア4と差動機構5を潤滑するためのオイルOLが封入されている(図2参照)。
リップシールRSは、モータ室SaへのオイルOLの流入を阻止するために設けられている。
図3に示すように、モータシャフト20では、段部201から他端20bの近傍までの領域が、外周にスプラインが設けられた嵌合部202となっている。
嵌合部202の外周には、パークギア30とサンギア41がスプライン嵌合している。
パークギア30は、当該パークギア30の一方の側面が、段部201に当接していると共に、他方の側面に、サンギア41の円筒状の基部410の一端410aが当接している。
基部410の他端410bには、モータシャフト20の他端20bに螺合したナットNが、回転軸X方向から圧接している。
サンギア41とパークギア30は、ナットNと段部201との間に挟み込まれた状態で、モータシャフト20に対して相対回転不能に設けられている。
サンギア41は、モータシャフト20の他端20b側の外周に、歯部411を有している。歯部411の外周には、段付きピニオンギア43の大径歯車部431が噛合している。
段付きピニオンギア43は、サンギア41に噛合する大径歯車部431と、大径歯車部431よりも小径の小径歯車部432とを有している。
段付きピニオンギア43は、大径歯車部431と小径歯車部432が、回転軸Xに平行な軸線X1方向で並んで、一体に設けられたギア部品である。
大径歯車部431は、小径歯車部432の外径R2よりも大きい外径R1で形成されている。
段付きピニオンギア43は、軸線X1に沿う向きで設けられており、この状態において大径歯車部431をモータ2側(図中、右側)に位置させている。
小径歯車部432の外周は、リングギア42の内周に噛合している。リングギア42は、回転軸Xを所定間隔で囲むリング状を成している。リングギア42の外周には、径方向外側に突出する係合歯421が設けられている。係合歯421は、回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数設けられている。
リングギア42は、外周に設けた係合歯421を、第4ボックス14の支持壁部146に設けた歯部146aにスプライン嵌合して設けられている。リングギア42は、回転軸X回りの回転が規制されている。
段付きピニオンギア43は、大径歯車部431と小径歯車部432の内径側を軸線X1方向に貫通した貫通孔430を有している。
段付きピニオンギア43は、貫通孔430を貫通したピニオン軸44の外周で、ニードルベアリングNB、NBを介して回転可能に支持されている。
ピニオン軸44の外周では、大径歯車部431の内周を支持するニードルベアリングNBと、小径歯車部432の内周を支持するニードルベアリングNBとの間に中間スペーサMSが設けられている。
図4に示すように、ピニオン軸44の内部には、軸内油路440が設けられている。軸内油路440は、軸線X1に沿ってピニオン軸44の一端44aから、他端44bまで貫通している。
ピニオン軸44には、軸内油路440とピニオン軸44の外周とを連通させる油孔442、443が設けられている。
油孔443は、大径歯車部431の内周を支持するニードルベアリングNBが設けられた領域に開口している。
油孔442は、小径歯車部432の内周を支持するニードルベアリングNBが設けられた領域に開口している。
ピニオン軸44において油孔443、442は、段付きピニオンギア43が外挿された領域内に開口している。
さらに、ピニオン軸44には、オイルOLを軸内油路440に導入するための導入路441が設けられている。
ピニオン軸44の外周において導入路441は、後記する第2ケース部7の支持孔71a内に位置する領域に開口している。導入路441は、軸内油路440とピニオン軸44の外周とを連通させている。
支持孔71aの内周には、ケース内油路781が開口している。ケース内油路781は、第2ケース部7の基部71から突出するガイド部78の内周と、支持孔71aの内周とを連通させている。
軸線X1に沿う断面視においてケース内油路781は、軸線X1に対して傾斜している。ケース内油路781は、回転軸X側に向かうにつれて、基部71に設けたスリット710に近づく向きで傾斜している。
ケース内油路781には、後記するデフケース50が掻き上げたオイルOLや、デフケース50の回転による遠心力で外径側に移動するオイルOLが流入するようになっている。
ケース内油路781から導入路441に流入したオイルOLは、ピニオン軸44の軸内油路440に流入する。軸内油路440に流入したオイルOLは、油孔442、443から径方向外側に排出されて、ピニオン軸44に外挿されたニードルベアリングNBを潤滑する。
ピニオン軸44では、導入路441が設けられた領域よりも他端44b側に、貫通孔444が設けられている。貫通孔444は、ピニオン軸44を直径線方向に貫通している。
ピニオン軸44は、貫通孔444と、後記する第2ケース部7側の挿入穴782との軸線X1回りの位相を合わせて設けられている。挿入穴782に挿入された位置決めピンPが、ピニオン軸44の貫通孔444を貫通することで、ピニオン軸44は、軸線X1回りの回転が規制された状態で、第2ケース部7側で支持される。
図4に示すように、ピニオン軸44の長手方向の一端44a側では、段付きピニオンギア43から突出した領域が第1軸部445となっており、第1軸部445は、デフケース50の第1ケース部6に設けた支持孔61aで支持されている。
ピニオン軸44の長手方向の他端44b側では、段付きピニオンギア43から突出した領域が第2軸部446となっており、第2軸部446は、デフケース50の第2ケース部7に設けた支持孔71aで支持されている。
ここで、第1軸部445は、ピニオン軸44における段付きピニオンギア43が外挿されていない一端44a側の領域を意味する。第2軸部446は、ピニオン軸44における段付きピニオンギア43が外挿されていない他端44b側の領域を意味する。
ピニオン軸44では、第1軸部445よりも第2軸部446のほうが、軸線X1方向の長さが長くなっている。
以下、差動機構5の主要構成を説明する。
図5は、差動機構5のデフケース50周りの斜視図である。
図6は、差動機構5のデフケース50周りの分解斜視図である。
図4から図6に示すように、差動機構5のデフケース50は、第1ケース部6と第2ケース部7を回転軸X方向で組み付けて形成される。本実施形態では、デフケース50の第1ケース部6と第2ケース部7が、遊星減速ギア4のピニオン軸44を支持するキャリアとしての機能を有している。
図6に示すように、デフケース50では、第1ケース部6と第2ケース部7との間に、ピニオンメートシャフト51と、ピニオンメートギア52が配置される。
ピニオンメートシャフト51は、回転軸X周りの周方向に等間隔で3つ設けられている。
ピニオンメートシャフト51各々の内径側の端部は、共通の連結部510に連結されている。
ピニオンメートギア52は、ピニオンメートシャフト51の各々に1つずつ外挿されている。ピニオンメートギア52の各々は、回転軸Xの径方向外側から、連結部510に接触している。
この状態においてピニオンメートギア52の各々は、ピニオンメートシャフト51で回転可能に支持されている。
図4に示すように、ピニオンメートシャフト51には、球面状ワッシャ53が外挿されており、球面状ワッシャ53は、ピニオンメートギア52の球面状の外周に接触している。
デフケース50では、第1ケース部6で回転可能に支持されたサイドギア54Aと、第2ケース部7で回転可能に支持されたサイドギア54Bが、回転軸X方向における連結部510の一方側と他方側に位置している。
サイドギア54Aは、回転軸X方向における一方側から、3つのピニオンメートギア52に噛合している。サイドギア54Bは、回転軸X方向における他方側から、3つのピニオンメートギア52に噛合している。
図6に示すように、第1ケース部6は、リング状の基部61を有している。基部61は、回転軸X方向に厚みW61を有する板状部材である。
図4に示すように、基部61の中央部には、開口60が設けられている。基部61における第2ケース部7とは反対側(図中、右側)の面には、開口60を囲む筒壁部611が設けられている。筒壁部611の外周は、ベアリングB3を介して、プレート部材8で支持されている。
図6に示すように、基部61における第2ケース部7側の面には、第2ケース部7側に延びる連結梁62が設けられている。
連結梁62は、回転軸X周りの周方向に、等間隔で3つ設けられている。連結梁62は、基部61に対して直交する基部63と、基部63よりも幅広の連結部64と、を有している。
図4に示すように、連結部64の先端面には、ピニオンメートシャフト51を支持するための支持溝65が設けられている。
連結部64の内径側(回転軸X側)には、ピニオンメートギア52の外周に沿う形状で円弧部641が形成されている。
円弧部641では、ピニオンメートギア52の外周が、球面状ワッシャ53を介して支持される。
連結梁62では、基部63と連結部64との境界部にギア支持部66が接続されている。ギア支持部66は、回転軸Xに直交する向きで設けられており、中央部に貫通孔660を有している。
ギア支持部66では、基部61とは反対側(図中、左側)の面に、貫通孔660を囲む凹部661が設けられている。凹部661には、サイドギア54Aの裏面を支持するリング状のワッシャ55が収容される。
サイドギア54Aの裏面には、円筒状の筒壁部541が設けられており、ワッシャ55は筒壁部541に外挿されている。
図6に示すように基部61では、回転軸X周りの周方向で間隔をあけて配置された連結梁62、62の間の領域に、ピニオン軸44の支持孔61aが開口している。
図3に示すように、基部61には、支持孔61aを囲むボス部616が設けられている。ボス部616には、ピニオン軸44に外挿されたワッシャWcが、回転軸X方向から接触する。
図6に示すように、基部61では、中央の開口60からボス部616までの範囲に、油溝617が設けられている。油溝617は、ボス部616に近づくにつれて、回転軸X周りの周方向の幅が狭くなる先細り形状で形成されており、ボス部616に設けた油溝618に連絡している。
連結部64では、支持溝65の両側に、ボルト穴67、67が設けられている。
第1ケース部6の連結部64には、第2ケース部7側の連結部74が回転軸X方向から接合される。第1ケース部6と第2ケース部7は、第2ケース部7側の連結部を貫通したボルトBが、ボルト穴67、67に螺入されて、互いに接合される。
図6に示すように、第2ケース部7は、リング状の基部71を有している。
図4に示すように、基部71は、回転軸X方向に厚みW71を有する板状部材である。
基部71の中央部には、基部71を厚み方向に貫通する貫通孔70が設けられている。
基部71における第1ケース部6とは反対側(図中、左側)の面には、貫通孔70を囲む筒壁部72と、筒壁部72を所定間隔で囲む周壁部73が設けられている。
周壁部73の先端には、回転軸X側に突出する突起部73aが設けられている。突起部73aは、回転軸X周りの周方向の全周に亘って設けられている。
周壁部73の外径側には、ピニオン軸44の支持孔71aが開口している。支持孔71aは、回転軸X周りの周方向に所定間隔で3つ設けられている。
周壁部73の内径側には、基部71を厚み方向に貫通するスリット710が設けられている。
回転軸X方向から見てスリット710は、周壁部73の内周に沿う弧状を成している。スリット710は、回転軸X周りの周方向に所定の角度範囲で形成されている。
図6に示すように、第2ケース部7においてスリット710は、回転軸X周りの周方向に所定間隔で3つ設けられている。スリット710の各々は、支持孔71aの内径側を、回転軸X周りの周方向に横切って設けられている。
回転軸周りの周方向で隣り合うスリット710、710の間には、紙面手前側に突出した突出壁711が設けられている。突出壁711は、回転軸Xの径方向に直線状に延びており、外径側の周壁部73と内径側の筒壁部72とに跨がって設けられている。
突出壁711は、回転軸X周りの周方向に所定間隔で3つ設けられている。突出壁711は、スリット710に対して、回転軸X周りの周方向に大凡45度位相をずらして設けられている。
周壁部73の外径側では、回転軸X周りの周方向で隣り合う支持孔71a、71aの間に、紙面奥側に窪んだボルト収容部76、76が設けられている。
ボルト収容部76の内側には、ボルトの挿通孔77が開口している。挿通孔77は、基部71を厚み方向(回転軸X方向)に貫通している。
基部71における第1ケース部6側(図中、右側)の面には、第1ケース部6側に突出する連結部74が設けられている。
連結部74は、第1ケース部6側の連結梁62と同数設けられている。
図4に示すように、連結部74の先端面には、ピニオンメートシャフト51を支持するための支持溝75が設けられている。
連結部74の内径側(回転軸X側)には、ピニオンメートギア52の外周に沿う円弧部741が設けられている。
円弧部741では、ピニオンメートギア52の外周が、球面状ワッシャ53を介して支持される。
第2ケース部7では、基部71の表面71bに、サイドギア54Bの裏面を支持するリング状のワッシャ55が載置される。サイドギア54Bの裏面には、円筒状の筒壁部540が設けられており、ワッシャ55は筒壁部540に外挿されている。
第2ケース部7の基部71には、第1ケース部6側(図中右側)に突出して、ガイド部78が設けられている。ガイド部78は、第1ケース部6のボス部616と同数設けられている。
図4に示すように、軸線X1に沿う断面視において、ガイド部78の支持孔71aには、第1ケース部6側からピニオン軸44が挿入される。ピニオン軸44は、位置決めピンPにより、軸線X1回りの回転が規制された状態で位置決めされている。
この状態において、ピニオン軸44に外挿された段付きピニオンギア43の小径歯車部432が、ワッシャWcを間に挟んで、軸線X1方向からガイド部78に当接している。
デフケース50では、第2ケース部7の筒壁部72に、ベアリングB2が外挿されている。筒壁部72に外挿されたベアリングB2は、第4ボックス14の支持部145で保持されており、デフケース50の筒壁部72は、ベアリングB2を介して、第4ボックス14で回転可能に支持されている。
支持部145には、第4ボックス14の開口部145aを貫通したドライブシャフト9Bが、回転軸X方向から挿入されており、ドライブシャフト9Bは、支持部145で回転可能に支持されている。
開口部145aの内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト9Bに外挿されたサイドギア54Bの筒壁部540の外周に弾発的に接触している。
これにより、サイドギア54Bの筒壁部540の外周と開口部145aの内周との隙間が封止されている。
デフケース50の第1ケース部6は、筒壁部611に外挿されたベアリングB3を介して、プレート部材8で支持されている。
図2に示すように、第1ケース部6の内部には、第3ボックス13の挿通孔130aを貫通したドライブシャフト9Aが、回転軸方向から挿入されている。
ドライブシャフト9Aは、モータ2のモータシャフト20と、遊星減速ギア4のサンギア41の内径側を回転軸X方向に横切って設けられている。
図4に示すように、デフケース50の内部では、ドライブシャフト9A、9Bの先端部の外周に、サイドギア54A、54Bがスプライン嵌合しており、サイドギア54A、54Bとドライブシャフト9(9A、9B)とが、回転軸X周りに一体回転可能に連結されている。
この状態においてサイドギア54A、54Bは、回転軸X方向で間隔をあけて、対向配置されており、サイドギア54A、54Bの間に、ピニオンメートシャフト51の連結部510が位置している。
本実施形態では、合計3つのピニオンメートシャフト51が、連結部510から径方向外側に延びている。ピニオンメートシャフト51の各々で支持されたピニオンメートギア52は、回転軸X方向の一方側に位置するサイドギア54Aおよび他方側に位置するサイドギア54Bに、互いの歯部を噛合させた状態で組み付けられている。
図2に示すように、第4ボックス14の内部には、潤滑用のオイルOLが貯留されている。デフケース50の下部側は、貯留されたオイルOL内に位置している。
本実施形態では、連結梁62が最も下部側に位置した際に、連結梁62がオイルOL内に位置する高さまで、オイルOLが貯留されている。
貯留されたオイルOLは、モータ2の出力回転の伝達時に、回転軸X回りに回転するデフケース50により掻き上げられるようになっている。
図7、図8は、第1オイルキャッチ部15及び第2オイルキャッチ部16を説明する図である。
図7の(a)は、第4ボックス14を第3ボックス13側から見た図である。図7の(b)は、図7の(a)に示した第1オイルキャッチ部15及び第2オイルキャッチ部16を斜め上方から見た斜視図である。
図8は、第4ボックス14を第3ボックス13側から見た図であって、デフケース50を配置した状態を示した図である。
なお、図7の(a)および図8では、第4ボックス14の接合部142と、支持壁部146の位置を明確にするために、ハッチングを付して示している。
図9は、第4ボックス14を第3ボックス13側から見た図であって、図8に示した第1オイルキャッチ部15及び第2オイルキャッチ部16を斜め上方から見た斜視図である。
なお、図9では、プレート部材8を一部切り欠いて、デフケース50を一部露出させている。
図7の(a)に示すように、回転軸X方向から見て第4ボックス14には、中央の開口部145aを所定間隔で囲む支持壁部146が設けられており、支持壁部146の内側(回転軸X)側が、デフケース50の収容部140となっている。
第4ボックス14内の上部には、第1オイルキャッチ部15の空間と、ブリーザ室18の空間が形成されている。
第4ボックス14の支持壁部146では、鉛直線VLと交差する領域に、第1オイルキャッチ部15と、デフケース50の収容部140とを連通させる連通口147が設けられている。
ここで、鉛直線VLは、動力伝達装置1の車両での設置状態を基準とした鉛直線VLであり、回転軸X方向から見て鉛直線VLは、回転軸Xと直交している。
支持壁部146の外周は周壁部141で囲まれている。周壁部141の内周には、水平線HLと交差する領域に、第2オイルキャッチ部16が設けられている。
ここで、水平線HLは、動力伝達装置1の車両での設置状態を基準とした水平線HLであり、回転軸X方向から見て水平線HLは、回転軸Xと直交している。
第1オイルキャッチ部15及び第2オイルキャッチ部16と、ブリーザ室18は、回転軸Xと直交する鉛直線VLを挟んだ一方側と他方側に、それぞれ位置している。
第1オイルキャッチ部15及び第2オイルキャッチ部16は、デフケース50の回転中心(回転軸X)を通る鉛直線VLからオフセットした位置に配置されており、上方から第1オイルキャッチ部15及び第2オイルキャッチ部16を見ると、第1オイルキャッチ部15は、デフケース50の真上からオフセットした位置に配置されている。
第1オイルキャッチ部15は、支持壁部146よりも紙面奥側まで及んで形成されている。第1オイルキャッチ部15の下縁には、紙面手前側に突出して支持台部151が設けられている。支持台部151は、支持壁部146よりも紙面手前側であって、第4ボックス14の接合部142よりも紙面奥側までの範囲に設けられている。
回転軸X方向から見て、第1オイルキャッチ部15の鉛直線VL側(図中、右側)には、第1オイルキャッチ部15と、デフケース50の収容部140とを連通させる連通口147が、支持壁部146の一部を切り欠いて形成されている。
回転軸X方向から見て連通口147は、鉛直線VLをブリーザ室18側(図中、右側)から、第1オイルキャッチ部15側(図中、左側)に横切る範囲に設けられている。
第1オイルキャッチ部15の下側には、第2オイルキャッチ部16が位置している。第2オイルキャッチ部16は、支持壁部146から紙面手前側に突出している。
具体的には、第2オイルキャッチ部16は、水平線HL方向に沿って周壁部141の内側に延びる底壁160と、水平線HL方向における底壁160の周壁部141と反対側の端部から鉛直線VL方向に沿って上側に延びるガイド壁161と、で囲まれた空間である。第2オイルキャッチ部16は、鉛直線VL方向上側と、回転軸X方向における紙面手前側に開口している。
図7に示すように、回転軸X方向から見て第4ボックス14には、支持壁部146における歯部146aが設けられた領域の外径側に、周壁部148、149が設けられている。
周壁部148、149は、回転軸Xを中心とした円弧状に形成されている。
周壁部148は、鉛直線VL方向において、第1オイルキャッチ部15の下側に位置している。周壁部148は、水平線HL方向において、第2オイルキャッチ部16と隣り合っている。また、回転軸X方向から見て周壁部148は、水平線HLを上側から下側に横切る範囲に設けられている。
周壁部149は、前記したブリーザ室18の下側に位置している。周壁部149は、ブリーザ室18を区画形成する壁部180よりも紙面奥側に位置している。
回転軸X方向から見て周壁部148、149は、後記するプレート部材8の外周に沿う円弧状を成している。周壁部148、149には、プレート部材8が回転軸X方向から内嵌する(図9参照)。
図10は、プレート部材8を説明する図である。(a)は、第4ボックス14を第3ボックス13側から見た図であり、第4ボックス14にプレート部材8が取り付けられた状態を説明する図である。(b)は、(a)のA領域の拡大図である。(c)は、(b)のB−B断面の模式図である。なお、(a)では、デフケース50による掻き上げによって、下がった状態の油面OTの位置を仮想線で示している。
(c)では、ドライブシャフト9A、サンギア41を省略してある。
図10の(a)に示すように、プレート部材8は、回転軸X方向から見て、リング状の基部80を有している。基部80の中央部には、貫通孔800を囲むリング状の支持部801が設けられている。
基部80には、当該基部80を回転軸X方向に貫通する貫通孔851が形成されている。
貫通孔851は、基部80の外周縁付近に形成されている。
図10の(b)、(c)示すように、基部80には、貫通孔851の周縁を全周に亘って囲む筒壁部852が設けられている。筒壁部852は、回転軸X方向における第2ギア室Sb2側に延びている。以下の説明では、貫通孔851と筒壁部852とを合わせてオイル導入部85とも表記する。
基部80には、回転軸Xの径方向に延びると共に、支持部801と筒壁部852とを繋ぐリブ83、83が設けられている。リブ83、83は、支持部801と基部80と筒壁部852とに跨って設けられている。
図10の(a)に示すように、第4ボックス14にプレート部材8を取り付けた状態において、プレート部材8の貫通孔851は、前記した第2オイルキャッチ部16の下側(水平線HLより下側)に位置している。
また、プレート部材8の紙面奥側にはデフケース50が配置されている(図9参照)。図10の(b)に示すように、貫通孔851を第3ボックス13側から見ると、デフケース50で支持されたピニオンギア43の大径歯車部431の外周側が露出するようになっている。詳細は後記するが、オイル導入部85の貫通孔851は、大径歯車部431の外周側の公転軌道Kとオーバーラップする位置に設けられている。
図11は、第1オイルキャッチ部15及び第2オイルキャッチ部16を説明する図であって、図8におけるA−A断面図である。
図12は、第1オイルキャッチ部15を説明する図であって、動力伝達装置1を上方から見た場合における第1オイルキャッチ部15と、デフケース50(第1ケース部6、第2ケース部7)との位置関係を説明する模式図である。
図8に示すように、本実施形態では、動力伝達装置1を搭載した車両の前進走行時に、第3ボックス13側から見てデフケース50は、回転軸X周りの反時計回り方向CCWに回転する。
そのため、第1オイルキャッチ部15は、デフケース50の回転方向における下流側に位置している。そして、連通口147の周方向の幅は、鉛直線VLを挟んだ左側(デフケース50の回転方向における下流側)の方が、右側(デフケース50の回転方向における上流側)よりも広くなっている。これにより、回転軸X回りに回転するデフケース50で掻き上げられたオイルOLの多くが、第1オイルキャッチ部15内に流入できるようになっている。
さらに、図12に示すように、前記した第2軸部446の回転軌道の外周位置と、大径歯車部431の公転軌道の外周位置は、回転軸Xの径方向でオフセットしており、第2軸部446の回転軌道の外周位置の方が、大径歯車部431の回転軌道の外周位置よりも内径側に位置している。
そのため、第2軸部446の外径側に空間的な余裕があり、この空間を利用して、第1オイルキャッチ部15を設けることで、本体ボックス10内の空間スペースの有効利用が可能となっている。
図12に示すように、第2軸部446は、モータ2から見て小径歯車部432の奥側に突出しており、第2軸部446の周辺部材(例えば、第2軸部446を支持するデフケース50のガイド部78)が、第1オイルキャッチ部15に近接した位置になる。
よって、当該周辺部材から第1オイルキャッチ部15へのオイルOL(潤滑油)の供給をスムーズに行うことができるようになっている。
図7の(b)に示すように、支持台部151の奥側には、油孔151aの外径側の端部が開口している。油孔151aは、第4ボックス14内を内径側に延びており、油孔151aの内径側の端部は、支持部145の内周に開口している。
図2に示すように、支持部145において油孔151aの内径側の端部は、リップシールRSとベアリングB2との間に開口している。
図11に示すように、支持台部151には、オイルガイド152が載置されている。
オイルガイド152は、キャッチ部153と、キャッチ部153から第2ボックス12側(図11における紙面左側)に延びるガイド部154とを有している。
図12に示すように、上方から見て支持台部151は、回転軸Xの径方向外側で、デフケース50(第1ケース部6、第2ケース部7)の一部に重なる位置に、段付きピニオンギア43(大径歯車部431)との干渉を避けて設けられている。
回転軸Xの径方向から見て、キャッチ部153は、ピニオン軸44の第2軸部446と重なる位置に設けられている。さらにガイド部154は、ピニオン軸44の第1軸部445と大径歯車部431と重なる位置に設けられている。
そのため、デフケース50が回転軸X回りに回転する際に、デフケース50で掻き上げられたオイルOLが、キャッチ部153とガイド部154側に向けて移動するようになっている。
キャッチ部153の外周縁には、支持台部151から離れる方向(上方向)に延びる壁部153aが設けられており、回転軸X回りに回転するデフケース50で掻き上げられたオイルOLの一部が、オイルガイド152に貯留できるようになっている。
キャッチ部153の奥側(図9における紙面奥側)では、壁部153aに切欠部155が設けられている。
切欠部155は、油孔151aに対向する領域に設けられており、キャッチ部153に貯留されたオイルOLの一部が、切欠部155の部分から油孔151aに向けて排出されるようになっている。
ガイド部154は、キャッチ部153から離れるにつれて下方に位置する向きで傾斜している。ガイド部154の幅方向の両側には、壁部154a、154aが設けられている。壁部154a、154aは、ガイド部154の長手方向の全長に亘って設けられており、キャッチ部153の外周を囲む壁部153aに接続されている。
図11に示すように、ガイド部154は、デフケース50との干渉を避けた位置を、第2ボックス12側に延びている。ガイド部154の先端154bは、第2ボックス12の壁部120に開口する供給路126a1に回転軸X方向で対向している。
壁部120の外周には、供給路126a1を囲むリブ126が膨出して形成されている。
詳細は後記するが、供給路126a1は、第2ボックス12の外側を通って第3ボックス13側まで及ぶ油路126aの一部を構成している(図16参照)。
油路126aは、第3ボックス13の円筒状の接続壁136に設けた油孔136a(図2参照)に連通している。そのため、キャッチ部153に貯留されたオイルOLの一部が、ガイド部154と油路126aを通って、接続壁136の内部空間Scに供給されるようになっている。
図2に示すように、第3ボックス13には、内部空間Scに連通する径方向油路137が設けられている。
径方向油路137は、内部空間Scから径方向下側に延びており、接合部132内に設けた軸方向油路138に連通している。
軸方向油路138は、第1ボックス11の接合部112に設けた連通孔112aを介して、第2ボックス12の下部に設けたオイル溜り部121cに連絡している。
オイル溜り部121cは、周壁部121内を回転軸X方向に貫通しており、第4ボックス14に設けたギア室Sbに連絡している。
本実施形態にかかる動力伝達装置1では、オイルOLが油路126aを通って、接続壁136の内部空間Scに供給される経路の途中に、冷却室17を設けている(図13、15参照)。
また、第1オイルキャッチ部15よりも下側には、第2オイルキャッチ部16が位置している。これにより、デフケース50で掻き上げられたオイルOLのうち、第1オイルキャッチ部15内に流入しなかったオイルOLの一部は、第2オイルキャッチ部16内に流入するようになっている。
例えば、デフケース50の回転で掻き上げられたオイルOLのうち、オイルガイド152を飛び越えたオイルOLは、周壁部141の内壁に衝突する。周壁部141の内壁に衝突したオイルOLは、自重によって周壁部141の内壁を伝って下向きに移動して、第2オイルキャッチ部16に到達するようになっている(図8参照)。
図11に示すように、第2オイルキャッチ部16は、デフケース50との干渉を避けた位置を、第2ボックス12側に延びている。第2オイルキャッチ部16の底壁160は、支持壁部146から離れるにつれて鉛直線VL方向の高さが低くなる向きで傾斜している。そのため、第2オイルキャッチ部16内に流入したオイルOLは、第2ボックス12側に流れるようになっている。
第2オイルキャッチ部16は、第2ボックス12の壁部120に開口する油路127aに回転軸X方向で対向している。壁部120の外周には、油路127aを囲むリブ127が設けられている(図13、15参照)。油路127aは、第2ボックス12の外側を通って冷却室17の内部空間と連通している。そのため、第2オイルキャッチ部16内に流入したオイルOLは、油路127aを通って冷却室17に供給されるようになっている。
[冷却室]
図13〜図17は、供給されたオイルOLを通流させながら冷却する冷却室17を説明する図である。
図13は、本体ボックス10を第3ボックス13側から見た斜視図である。
なお、図13では、冷却室17の筐体170から蓋179を離間させて、冷却室17の内部構造を露出させている。
図14は、本体ボックス10を上から見た図であって、本体ボックス10における冷却室17の位置を説明する図である。なお、図14では、本体ボックス10内のプレート部材8、モータ室Sa及びギア室Sbを仮想線で記載してある。
図15は、図14におけるA−A矢視図である。なお、蓋179は省略してある。また、分かり易くするために、筐体170にハッチングを付してある。また、リブ126〜128をそれぞれ貫通する油路126a〜128aを仮想線で記載してある。
図16は、図14におけるB−B断面の模式図である。
図14に示すように、第4ボックス14内のギア室Sbは、第2ボックス12内のモータ室Sa(図中、仮想線参照)よりも回転軸Xの径方向外側に広がった空間となっている。
本体ボックス10を上側から見ると、第4ボックス14の周壁部141と、第2ボックス12の周壁部121との間には、段差部Dsが形成されている。段差部Dsは、回転軸Xに直交する平坦面となっている。
図13、14に示すように、第2ボックス12の周壁部121における段差部Ds近傍には冷却室17が設けられている。冷却室17は、回転軸方向における第2ボックス12の周壁部121の外周面から回転軸Xの径方向外側に膨出している。
第4ボックス14内のギア室Sbにおいて、モータ2側の第2ギア室Sb2は、回転軸X方向でモータ室Sa(図中、仮想線参照)とオーバーラップする第1室Sb2aと、回転軸X方向でモータ室Saとオーバーラップしない第2室Sb2bと、を有している。
図14に示すように、第4ボックス14にはプレート部材8が取り付けられている(図中、仮想線参照)。この状態において、オイル導入部85は、第2室Sb2b内に位置している。オイル導入部85は、回転軸X方向でモータ室Saとオーバーラップせず、且つ回転軸X方向で冷却室17とオーバーラップしている。冷却室17は、第2室Sb2bと回転軸X方向にオーバーラップし且つモータ室Saと回転軸Xの径方向にオーバーラップする位置に配置されている。
図13、15に示すように、冷却室17は、回転軸Xの径方向から見て矩形形状の筐体170を有している。筐体170は、回転軸Xの径方向外側に開口している。筐体170の開口は、蓋179で塞がれている。蓋179は、ボルトBにより筐体170に固定されている。
図15に示すように、筐体170は、回転軸X方向における周壁部121の接合部123側と接合部122側でそれぞれ鉛直線VL方向に延びる長壁部171、172と、これら長壁部171、172の上端と下端をそれぞれつなぐ短壁部173、174と、から構成されている。
長壁部171、172は、第2ボックス12の周壁部121におけるリブとしても機能する。
図15に示すように、冷却室17は、内部空間(長壁部171、172と短壁部173、174とで囲まれた空間)を鉛直線VL方向に5つの領域(Ra〜Re)にそれぞれ区画する区画壁175a〜175dが設けられている。
これら区画壁175a〜175dは、鉛直線VL方向における上側から下側に向かって間隔を空けてこの順番で並んでいる。
区画壁175a〜175dは、回転軸Xの径方向で周壁部121と蓋179とに跨って設けられている(図19の(a)〜(c)参照)。
図15に示すように、区画壁175aは、回転軸X方向に沿う向きで設けられており、長壁部171と長壁部172とに跨って設けられている。
区画壁175aは、回転軸X方向における長壁部171側から長壁部172側に向かうにつれて鉛直線VL方向の高さが低くなる向きで傾斜している。区画壁175aは、長壁部172側において、鉛直線VL方向に貫通した貫通孔176が形成されている。
図15に示すように、区画壁175bは、回転軸X方向に沿う向きで設けられており、長壁部172から長壁部171に向かって延びている。区画壁175bは、回転軸X方向で長壁部172から長壁部171に向かうにつれて鉛直線VL方向の高さが低くなる向きで傾斜している。区画壁175bは、長壁部171との間に、隙間CL1を有している。
図15に示すように、区画壁175cは、回転軸X方向に沿う向きで設けられており、長壁部171から長壁部172に向かって延びている。区画壁175cは、回転軸X方向で長壁部171から長壁部172に向かうにつれて鉛直線VL方向の高さが低くなる向きで傾斜している。区画壁175cは、長壁部172との間に、隙間CL2を有している。
図15に示すように、区画壁175dは、回転軸X方向に沿う向きで設けられており、長壁部171から長壁部172に向かって延びている。区画壁175dは、回転軸X方向で長壁部171から長壁部172に向かうにつれて鉛直線VL方向の高さが低くなる向きで傾斜している。区画壁175cは、長壁部172との間に、隙間CL3を有している。
図15に示すように、短壁部174は、回転軸X方向における長壁部172から長壁部171に向かうにつれて鉛直線VL方向の高さが低くなる向きで傾斜している。
ここで、図13、15に示すように、油路126a及び当該油路126aを囲むリブ126は、第2ボックス12の外側を通って第3ボックス13側まで及んでいる。
冷却室17は、第2ボックス12の外側で、第4ボックス14側から第3ボックス13側に至る油路126aの途中位置に設けられている。
図15、16に示すように、油路126aは、冷却室17を挟んだ第4ボックス14側が冷却室17へオイルOLを供給する供給路126a1となっており、冷却室17を挟んだ第3ボックス13側が冷却室17からオイルOLを排出する排出路126a2となっている。
油路126a(供給路126a1、排出路126a2)は、冷却室17の内部空間における領域Raと連通している。供給路126a1は、冷却室17の長壁部171に開口している。排出路126a2は、冷却室17の長壁部172に開口している。
なお、排出路126a2の開口面積は、供給路126a1の開口面積よりも小さくなるように設定されている。
また、油路127a及び当該油路127aを囲むリブ127は、第2ボックス12の外側を通って冷却室17側まで及んでいる(図13、15参照)。
図16に示すように、油路127aは、冷却室17の内部空間における領域Rdと連通している。油路127aは、冷却室17の長壁部171に開口している。
ここで、図15、16に示すように、冷却室17の長壁部171には、油路127aの下側に排出路128aが開口している。排出路128aは、冷却室17の内部空間における領域Reと連通している。排出路128a及び当該排出路128aを囲むリブ128は、第2ボックス12の外側を通って冷却室17から第4ボックス14側まで及んでいる(図13、15参照)。
図16に示すように、供給路126a1、油路127a及び排出路128aは、回転軸X方向で、第2ボックス12の壁部120にそれぞれ開口している。回転軸X方向における壁部120より第4ボックス14側(図16における左側)は、前記したギア室Sbとなっている。
供給路126a1は、冷却室17の内部空間(領域Ra)とギア室Sbとを連通している。油路127aは、冷却室17の内部空間(領域Rd)とギア室Sbとを連通している。排出路128aは、冷却室17の内部空間(領域Re)とギア室Sbとを連通している。
図17は、第2ボックス12を第4ボックス14側(ギア室Sb側)から見た図である。なお、図17では、プレート部材8を仮想線で示してある。
図17に示すように、回転軸X方向から見て、第2ボックス12の壁部120の上部には、供給路126a1が開口している。
壁部120には、供給路126a1における鉛直線VL方向下側を囲むガイド片126dが設けられている。ガイド片126dは、壁部120から紙面手前側に突出している。
図17に示すように、回転軸X方向から見て、ガイド片126dは、供給路126a1の下縁に沿って伸びる底壁126eと、供給路126a1の側縁に沿って底壁126eから上側に延びるガイド壁126f、126fと、から構成されている。
図11、16に示すように、ガイド片126dの底壁126eから僅かに鉛直線VL方向上側にオフセットした位置には、前記した第1オイルキャッチ部15のガイド部154が位置している。
また、回転軸X方向からみて、ガイド片126dは、内部にガイド部154が収まる大きさに設定されている(図17における仮想線参照)。
回転軸X方向から見て、第2ボックス12の壁部120における供給路126a1の下側には、油路127aが開口している。
壁部120には、前記した第2オイルキャッチ部16内を流れるオイルOLを油路127aにガイドするためのガイド片127dが設けられている。ガイド片127dは、壁部120から紙面手前側に突出している。
図17に示すように、回転軸X方向から見て、ガイド片127dは、壁部120を囲む接合部123から油路127aの下縁に沿って延びる底壁127eと、水平線HL方向における底壁127eの周壁部123と反対側の端部から鉛直線VL方向上側に延びるガイド壁127fと、から構成されている。ガイド壁127fは、回転軸Xの径方向内径側に位置する油路127aの側縁に沿って設けられている。
図11、16に示すように、底壁127eには、前記した第2オイルキャッチ部16の底壁160が回転軸X方向から当接している。また、ガイド壁127fには、前記した第2オイルキャッチ部16のガイド壁161が回転軸X方向から当接している。
図17に示すように、回転軸X方向から見て、第2ボックス12の壁部120における油路127aの下側には、排出路128aが開口している。
図17における壁部120より紙面手前側には、前記したプレート部材8が設けられている(図中、仮想線参照)。排出路128aは、回転軸Xを通る水平線HLよりも下側で、プレート部材8におけるオイル導入部85の貫通孔851とオーバーラップする位置に設けられている。
図16に示すように、排出路128aは、回転軸X方向でプレート部材8のオイル導入部85と対向している。
かかる構成の動力伝達装置1の作用を説明する。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、遊星減速ギア4と、差動機構5と、ドライブシャフト9(9A、9B)と、が設けられている。
モータ2の駆動により、ロータコア21が回転軸X回りに回転すると、ロータコア21と一体に回転するモータシャフト20を介して、遊星減速ギア4のサンギア41に回転が入力される。
図3に示すように、遊星減速ギア4では、サンギア41が、モータ2の出力回転の入力部となっており、段付きピニオンギア43を支持するデフケース50が、入力された回転の出力部となっている。
サンギア41が入力された回転で回転軸X回りに回転すると、段付きピニオンギア43(大径歯車部431、小径歯車部432)が、サンギア41側から入力される回転で、軸線X1回りに回転する。
ここで、段付きピニオンギア43の小径歯車部432は、第4ボックス14の内周に固定されたリングギア42に噛合している。そのため、段付きピニオンギア43は、軸線X1回りに自転しながら、回転軸X周りに公転する。
以下、段付きピニオンギア43が軸線X1回りに自転しながら回転軸X周りに公転することをまとめて、段付きピニオンギア43が回転する、とも表記する。
ここで、段付きピニオンギア43では、小径歯車部432の外径R2が大径歯車部431の外径R1よりも小さくなっている(図3参照)。
これにより、段付きピニオンギア43を支持するデフケース50(第1ケース部6、第2ケース部7)が、モータ2側から入力された回転よりも低い回転速度で回転軸X回りに回転する。
そのため、遊星減速ギア4のサンギア41に入力された回転は、段付きピニオンギア43により、大きく減速されたのちに、デフケース50(差動機構5)に出力される。
そして、デフケース50が入力された回転で回転軸X回りに回転することにより、デフケース50内で、ピニオンメートギア52と噛合するドライブシャフト9(9A、9B)が回転軸X回りに回転する。これにより動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)が、伝達された回転駆動力で回転する。
図2に示すように、第4ボックス14の内部には、潤滑用のオイルOLが貯留されている。そのため、貯留されたオイルOLは、モータ2の出力回転の伝達時に、回転軸X回りに回転するデフケース50(段付きピニオンギア43)により掻き上げられる。
掻き上げられたオイルOLにより、サンギア41と大径歯車部431との噛合部と、小径歯車部432とリングギア42との噛合部と、ピニオンメートギア52とサイドギア54A、54Bとの噛合部とが潤滑される。
図8に示すように、第3ボックス13側から見てデフケース50は、回転軸X周りの反時計回り方向CCWに回転する。
第4ボックス14には、前記した第1オイルキャッチ部15と第2オイルキャッチ部16が設けられている。第1オイルキャッチ部15と第2オイルキャッチ部16は、デフケース50(段付きピニオンギア43)の回転方向における下流側に位置しており、デフケース50で掻き上げられたオイルOLは、第1オイルキャッチ部15や第2オイルキャッチ部16内に流入する。
図18は、冷却室17内におけるオイルOLの油送経路を説明する図である。
図18に示すように、第1オイルキャッチ部15内に流入したオイルOLの一部は、ガイド部154を通って供給路126a1から冷却室17に流入する。
ガイド部154と供給路126a1の間には、前記したガイド片126dが設けられている。ガイド部154から流れてくるオイルOLは、ガイド片126dを介して供給路126a1に受け渡される。これにより、ガイド部154を流れるオイルOLは、確実に冷却室17(領域Ra)に流入するようになっている。
冷却室17(領域Ra)内のオイルOLは、区画壁175aを伝って領域Ra内を長壁部172側に移動する。
長壁部172には前記した排出路126a2が開口している。排出路126a2は、供給路126a1よりも小さい開口面積に設定されている。冷却室17から排出路126a2を通って排出される油量は、供給路126a1から冷却室17へ流入する油量よりも少ない。
従って、供給路126a1から冷却室17に流入したオイルOLは、一旦領域Ra内に留まる(蓄積される)ようになっている。
領域Ra内に貯留されるオイルOLは、以下の2つの経路に分かれて油送される。
(i)排出路126a2から冷却室17外に排出される第1油送経路P1(図中、黒矢印)
(ii)貫通孔176を通って冷却室17内を移動する第2油送経路P2(図中、白矢印)
第1油送経路P1では、ギア室Sb内で掻き上げられたオイルOLの一部は、ガイド部154、供給路126a1を通って冷却室17に流入したのち、排出路126a2から油孔136aを通って、接続壁136の内部空間Scに油送される(図2参照)。そして、内部空間Scに油送されたオイルOLは、モータ室Sa側に配置されたベアリングB4やドライブシャフト9Aを潤滑して、最終的に第4ボックス14内(ギア室Sb)に戻される。
第4ボックス14内(ギア室Sb)に戻されたオイルOLは、再びデフケース50で掻き上げられる。
なお、区画壁175aにおける貫通孔176よりも長壁部172側の領域は、領域Ra内に貯留されたオイルOLを排出路126a2にスムーズに受け渡すためのガイド突出部175eとして機能する。
第2油送経路P2では、第1油送経路P1から分岐して貫通孔176を通ったオイルOLは、区画壁175b上に落下する。
区画壁175b上に落下したオイルOLは、区画壁175bを伝って領域Rb内を長壁部171側に移動したのち、隙間CL1から区画壁175c上に落下する。
区画壁175c上に落下したオイルOLは、区画壁175cを伝って領域Rc内を長壁部172側に移動したのち、隙間CL2から落下して、領域Reに到達する。
このように、本実施形態にかかる冷却室17の内部空間は、いわゆるラビリンス構造となっている。
ここで、詳細は後記するが、ギア室Sbに貯留されているオイルOLは、デフケース50の回転によってかき混ぜられる。これにより、第2ギア室Sb2側から第1ギア室Sb1側に向かってオイル導入部85内を流れる(図10の(c)参照)。
領域Reは、排出路128aを介してギア室Sbの第2ギア室Sb2と連通している。従って、領域Re内のオイルOLは、短壁部174でガイドされつつ長壁部171側に移動して、排出路128aから第2ギア室Sb2に排出される(図18参照)。
また、デフケース50の回転によって掻き上げられたオイルOLの一部は、第2オイルキャッチ部16内に流入する。第2オイルキャッチ部16内のオイルOLは、油路127aから冷却室17に流入する。
図18に示すように、第2オイルキャッチ部16と油路127aとの間には、前記したガイド片127dが設けられている。第2オイルキャッチ部16内のオイルOLは、底壁160上を流れると共に、ガイド片127dを介して油路127aに受け渡される。これにより、第2オイルキャッチ部16内のオイルOLは、確実に冷却室17(領域Rd)に送られるようになっている。
第2オイルキャッチ部16から冷却室17(領域Rd)内に送られたオイルOLは、区画壁175dを伝って領域Rd内を長壁部172側に移動したのち、前記した第2油送経路P2と合流する(図中、ハッチング矢印参照)。
第2油送経路P2と合流したオイルOLは、短壁部174を伝って領域Re内を長壁部171側に移動したのち、排出路128aから第4ボックス14内(ギア室Sb)に戻される。第4ボックス14内(ギア室Sb)に戻されたオイルOLは、再びデフケース50で掻き上げられる。
以下の説明では、第2オイルキャッチ部16から冷却室17(領域Rd)内に送られて、第2油送経路P2と合流するまでのオイルOLの油送経路を第3油送経路P3と表記する。
図19は、冷却室17内におけるオイルOLの油送経路を説明する図である。
(a)は、図16のA−A断面の模式図である。(b)は、図16のB−B断面の模式図である。(c)は、図16のC−C断面の模式図である。
なお、(a)では、説明の便宜上、第1油送経路P1と第2油送経路P2を領域Ra内で分岐させてある。また、(a)、(b)では、分かり易くするため、貫通孔176及び隙間CL3にそれぞれクロスハッチングを付してある。
図19の(a)〜(c)に示すように、回転軸Xの径方向における周壁部121を挟んだ冷却室17と反対側には、前記した冷却路CP内を冷却水Qが通流している。これにより、第1油送経路P1、第2油送経路P2、第3油送経路P3を通るオイルOLは、冷却室17内を通流する際に冷却水Qとの間で熱交換が行われて冷却される。
本実施形態では、第2ボックス12の一部を利用して、当該第2ボックス12の周壁部121の外壁面に冷却室17を設けることにより、冷却室17の容積を大きく確保することができる。これにより、冷却水Qにて冷却される箇所の表面積を大きくして、冷却効率を向上させている。
図18に示すように、第2油送経路P2、第3油送経路P3を通るオイルOLは、ラビリンス構造の冷却室17内を回転軸X方向に往復しながら鉛直線VL方向下側に移動して、排出路128aからギア室Sb内に戻される。
具体的には、第2油送経路P2を通るオイルOLは、冷却室17内を2往復する間に冷却される。第3油送経路P3を通るオイルOLは、冷却室17内を1往復する間に冷却される。
よって、ギア室Sb内で掻き上げられたオイルOLの一部は、第2油送経路P2または第3油送経路P3を通ることで、モータ室Sa側を経由することなく、冷却された状態で直接ギア室Sbに戻されて、再び掻き上げられるようになっている。
図14に示すように、第4ボックス14内(ギア室Sb)には、前記したオイル導入部85を有するプレート部材8が設けられている。前記したように、プレート部材8は、ギア室Sbを第1ギア室Sb1と第2ギア室Sb2に区画している。
図14、16に示すように、オイル導入部85は、第2ギア室Sb2の第2室Sb2b内に位置している。オイル導入部85は、回転軸X方向でモータ2(モータ室Sa)とオーバーラップしない位置かつ、冷却室17とオーバーラップする位置で、排出路128aにと対向している。この状態において、オイル導入部85の筒壁部852は、基部80から排出路128aの開口付近まで延びている。
そして、オイル導入部85の筒壁部852には、前記したリブ83、83が設けられており、剛性強度が高められている(図10参照)。リブ83、83は、筒壁部852が撓む等することにより、筒壁部852が傾いて当該筒壁部852の開口が排出路128aに対してずれることを抑制している(図16参照)。
前記したように、プレート部材8を第3ボックス13側から見ると、オイル導入部85の貫通孔851は、大径歯車部431の外周側の公転軌道Kとオーバーラップする位置に設けられている(図10の(b)参照)。
従って、デフケース50(段付きピニオンギア43)の回転に伴って、大径歯車部431がオイル導入部85の貫通孔851を周期的に横切るようになっている。
回転軸Xの径方向から見て、大径歯車部431の外周側の公転軌道Kは、貫通孔851と対向(隣接)している(図10の(c)参照)。段付きピニオンギア43の公転によって、貫通孔851と大径歯車部431とが回転軸X方向に対向した状態から、貫通孔851と大径歯車部431とが回転軸X方向で対向しない状態に切り替わる際に、ギア室Sb内のオイルOLはオイル導入部85内を第2ギア室Sb2側から第1ギア室Sb1側に向かう流れが発生する。従って、第1ギア室Sb1側に向かうオイルOLの流れが促進される(図中、矢印参照)。
なお、段付きピニオンギア43に替えて単純歯車(段付きではないギア)を用いた場合、貫通孔851は常にギア側面と対向した状態であるので、ギア室Sb内において第2ギア室Sb2側から第1ギア室Sb1側に向かうオイルOL流れは発生しにくい。
これにより、排出路128aから排出されるオイルOLの多くは、筒壁部851を通って、第1ギア室Sb1における段付きピニオンギア43近辺に取り込まれるようになっている(図18参照)。
第1ギア室Sb1側に取り込まれたオイルOLは、再びデフケース50の回転で掻き上げられる。
従って、デフケース50の回転で掻き上げられたオイルOLが、冷却されたのち、再び掻き上げられるまでのサイクル(冷却サイクル)のスピードが向上する。よって、オイルOLの冷却効率を向上することができる。
ここで、デフケース50の回転によってオイルOLが掻き上げられると、第4ボックス14内に貯留されているオイルOLの油面は下がる。
デフケース50の回転によって掻き上げられたオイルOLのうち、第1オイルキャッチ部15や第2オイルキャッチ部16に流入しなかったオイルOLは、自重によって第4ボックス14の周壁部141の内壁を伝って鉛直線VL方向下側に移動して、再び第4ボックス14内に貯留される(図8参照)。第4ボックス14内で貯留されたオイルOLは、デフケース50で再び掻き上げられる。
図10の(a)〜(c)に示すように、デフケース50が回転している間は、第4ボックス14内に貯留されたオイルOLの油面OTは、下がった状態が維持される。
オイル導入部85は、下がった状態の油面OT付近に設けられている。これにより、第1ギア室Sb1には常にオイル導入部85からオイルOLが送られる。そうすると、再度デフケース50で掻き上げられて、オイルOLが第1オイルキャッチ部15または第2オイルキャッチ部16に流入する機会も増える。これにより、オイルOLの冷却室17への供給が促進されるので、冷却サイクルのスピードが向上する。
また、回転軸X方向における筒壁部852と排出路128aの隙間から、オイル溜り部121c内のオイルOLの一部をオイル導入部85内にさらに取り込むことができる(図18参照)。これにより、第1ギア室Sb1に送られるオイルOLの量をさらに多くすることができる。よって、再度デフケース50で掻き上げられて、オイルOLが第1オイルキャッチ部15または第2オイルキャッチ部16に流入する機会も増える。オイルOLの冷却室17への供給が促進されるので、冷却サイクルのスピードが向上する。また、排出路128aから排出されたオイルOLが隙間から漏れ出たとしても後から取り込むことが可能になる。
以上の通り、本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(1)動力伝達装置1は、
モータ2と、
モータ2の下流に接続される遊星減速ギア4及び差動機構5(歯車機構)と、
モータ2と遊星減速ギア4及び差動機構5とを収容する本体ボックス10(ボックス)と、を有する。
遊星減速ギア4及び差動機構5に供給されるオイルOL(潤滑油)と、モータ2を冷却する冷却水Q(冷媒)との間で熱交換を行う冷却室17が構成されている。
本体ボックス10を構成する第2ボックス12の周壁部121(外壁面)には、冷却室17の筐体170(区画壁)の一部となる長壁部171、172(壁部)が形成されている。
このように構成すると、リブとして機能する長壁部171、172を利用して第2ボックス12の周壁部121に冷却室17を設けることにより、冷却室17の容積を大きくとれると共に、冷却水Qにて冷却される箇所の表面積を大きくとれるので、冷却効率を向上することができる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(2)冷却室17には、オイルOLの導入口となる供給路126a1及び油路127aと、これら供給路126a1及び油路127aの下方に設けられたオイルOLの放出口となる排出路128aと、が設けられている。
このように構成すると、冷却室17内において、重力を利用したオイルOLの流れを作り出すことが可能となる。これにより、オイルポンプを不要とすることができる。オイルポンプを別途設けた場合は、オイルOLの流れをより促進することができる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(3)冷却室17内には、
供給路126a1から導入されたオイルOLを、排出路128aから離れる方向にガイドする区画壁175a(ガイド部)、と、当該区画壁175aでガイドされた後に排出孔128aへ近づく方向にガイドする区画壁175b(ガイド部)と、当該区画壁175bでガイドされた後に排出路128aから離れる方向にガイドする区画壁175c(ガイド部)と、当該区画壁175cでガイドされた後に排出路128aへ近づく方向にガイドする短壁部174(ガイド部)と、を有する。
このように構成すると、オイルOLが供給路126a1から排出路128aへ到達する時間を稼ぐことができるので冷却効率を向上することができる。
別の言い方をすると、冷却室17内には、供給路126a1から導入されたオイルOLを、一旦排出路128aから離れる方向に流す領域Ra、Rc(第1冷却経路)と、第1冷却経路の下流に配置され排出路128に向かってオイルOLを流す領域Rb、Re(第2冷却経路)と、が交互に形成されているともいえる。なお、区画壁175a〜175dと短壁部174は、第2ボックス12の周壁部121と一体に形成されている。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(4)冷却室17内には、供給路126a1及び油路127aから排出路128aへ至る経路にラビリンス構造を有する。
このように構成すると、オイルOLが供給路126a1及び油路127aから排出路128aへ到達する時間を稼ぐことができるので冷却効率を向上することができる。なお、ラビリンス構造は、第2ボックス12の周壁部121から突出する区画壁175a〜175dにより形成されている。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(5)冷却室17は、遊星減速ギア4及び差動機構5から離れる方向にオイルOLを油送する領域Raを有する。領域Raは、供給路126a1から導入されたオイルOLを、第3ボックス13と連通する排出路126a2に排出する潤滑経路を構成する。
このように構成すると、例えば、モータ2側のベアリングB4にオイルOLを油送するにあたり、冷却室17を経由させることで動力伝達装置1全体の潤滑効率を向上することができる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(6)冷却室17内に、領域Raと排出路128aとを連通させる貫通孔176(連通経路)が形成されている。
このように構成すると、オイルOLの油送先である第3ボックス13側に必要な必要油量よりも多い油量を冷却室17内の領域Ra内に一旦蓄積し、必要な油量を第3ボックス13側(油送先)に送ると共に、残りの油量は貫通孔176から排出路128aを通して第4ボックス14側に戻すことができる。
これにより、冷却されるオイルOLの量を増やすことができるので、冷却効率を向上することができる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(7)本体ボックス10は、遊星減速ギア4及び差動機構5を収容するギア室Sbと、モータ2を収容するモータ室Saと、を有する。
ギア室Sbにおける第2ギア室Sb2は、モータ室Saと回転軸X方向にオーバーラップする第1室Sb2a(第1スペース)と、モータ室Saと回転軸X方向にオーバーラップしない第2室Sb2b(第2スペース)と、を有する。
冷却室17は、第2室Sb2bと回転軸X方向にオーバーラップし且つモータ室Saと回転軸Xの径方向にオーバーラップする位置に配置されている。
このように構成すると、モータ室Saとギア室Sbとにより形成される段差部Dsのスペースに冷却室17を収めることで、装置の大型化を抑制することができる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(8)冷却室17内には、油路127aから導入されたオイルOLを、排出路128aから離れる方向にガイドする区画壁175d(ガイド部)と、当該区画壁175bでガイドされた後に排出路128aへ近づく方向にガイドする短壁部174(ガイド部)と、を有する。
このように構成すると、オイルOLが油路127aから排出路128aへ到達する時間を稼ぐことができるので冷却効率を向上することができる。
別の言い方をすると、冷却室17内には、油路127aから導入されたオイルOLを、一旦排出路128aから離れる方向に流す領域Rc(第1冷却経路)と、第1冷却経路の下流に配置され排出路128に向かってオイルOLを流す領域Re(第2冷却経路)と、が形成されているともいえる。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、これら実施形態に示した態様のみに限定されるものではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。
冷却室17は、例えば、駆動源(モータ、エンジン等)の冷媒との熱交換でオイルOLを冷却する空間(スペース)であれば限定されない。よって、例えば、冷却室17がパイプ状になっている場合等も許容される。
冷却室17の他の例として、大気との熱交換を利用してもよい。例えば、ラジエータ及び/又はヒートシンクを利用してオイルOLを積極的に冷却する場合も許容される。当然、これらの例には限定されない。例えば、冷却室17がパイプ状になっている場合等も許容される。
また、冷却室17に替えて、冷却路CP内にパイプ材を通して、冷却路CP内に第1油送経路P1、第2油送経路P2、第3油送経路P3に相当する油送経路を設けてもよい。
オイル導入部85の筒壁部852をパイプ状にして、排出路128aに挿入してもよい。これにより、冷却室17で冷却されたオイルOLを全てデフケース50側に供給できる。
1 :動力伝達装置
2 :モータ
3 :パークロック機構
4 :遊星減速ギア
5 :差動機構
6 :第1ケース部
7 :第2ケース部
8 :プレート部材
9 :ドライブシャフト
9A :ドライブシャフト
9B :ドライブシャフト
10 :本体ボックス
11 :第1ボックス
12 :第2ボックス
13 :第3ボックス
14 :第4ボックス
15 :第1オイルキャッチ部
16 :第2オイルキャッチ部
17 :冷却室
18 :ブリーザ室
20 :モータシャフト
20a :一端
20b :他端
21 :ロータコア
21a :端部
21b :端部
25 :ステータコア
30 :パークギア
41 :サンギア
42 :リングギア
43 :段付きピニオンギア
44 :ピニオン軸
44a :一端
44b :他端
50 :デフケース
51 :ピニオンメートシャフト
52 :ピニオンメートギア
53 :球面状ワッシャ
54A :サイドギア
54B :サイドギア
55 :ワッシャ
60 :開口
61 :基部
61a :支持孔
62 :連結梁
63 :基部
64 :連結部
64a :先端面
65 :支持溝
66 :ギア支持部
67 :ボルト穴
70 :貫通孔
71 :基部
71a :支持孔
72 :筒壁部
73 :周壁部
73a :突起部
74 :連結部
75 :支持溝
76 :ボルト収容部
77 :挿通孔
78 :ガイド部
80 :基部
83 :リブ
85 :オイル導入部
851 :貫通孔
852 :筒壁部
111 :支持壁部
111a :一端
111b :凹溝
111c :リング溝
112 :接合部
112a :連通孔
113 :シールリング
120 :壁部
120a :開口
121 :周壁部
121a :一端
121b :他端
121c :オイル溜り部
122 :接合部
123 :接合部
125 :モータ支持部
126 :リブ
126a :油路
126b :供給路
126c :排出路
126d :ガイド片
127 :リブ
127a :油路
127d :ガイド片
128 :リブ
128a :排出路
130 :壁部
130a :挿通孔
131 :周壁部
132 :接合部
135 :モータ支持部
136 :接続壁
136a :油孔
137 :径方向油路
138 :軸方向油路
140 :収容部
141 :周壁部
142 :接合部
145 :支持部
145a :開口部
146 :支持壁部
146a :歯部
147 :連通口
151 :支持台部
151a :油孔
152 :オイルガイド
153 :キャッチ部
153a :壁部
154 :ガイド部
154a :壁部
154b :先端
155 :切欠部
170 :筐体
171 :長壁部
172 :長壁部
173 :短壁部
174 :短壁部
175a〜175d :区画壁
201 :段部
202 :嵌合部
251 :ヨーク部
252 :ティース部
253 :巻線
253a :コイルエンド
253b :コイルエンド
410 :基部
410a :一端
410b :他端
411 :歯部
421 :係合歯
430 :貫通孔
431 :大径歯車部
432 :小径歯車部
440 :軸内油路
441 :導入路
442 :油孔
443 :油孔
444 :貫通孔
445 :第1軸部
446 :第2軸部
510 :連結部
540 :筒壁部
541 :筒壁部
542 :連絡路
611 :筒壁部
616 :ボス部
641 :円弧部
660 :貫通孔
661 :凹部
710 :スリット
711 :突出壁
741 :円弧部
781 :ケース内油路
782 :挿入穴
B :ボルト
B1 :ベアリング
B2 :ベアリング
B3 :ベアリング
B4 :ベアリング
CCW :反時計回り方向
CL1〜CL3 :隙間
CP :冷却路
Ra〜Re :領域
HL :水平線
K :公転軌道
L :半径線
MS :中間スペーサ
N :ナット
NB :ニードルベアリング
OL :オイル
P :位置決めピン
P1 :第1油送経路
P2 :第2油送経路
P3 :第3油送経路
R1 :外径
R2 :外径
RS :リップシール
Q :冷却水
Rx :隙間
Sa :モータ室
Sb :ギア室
Sb1 :第1ギア室
Sb2 :第2ギア室
Sb2a :第1室
Sb2b :第2室
Sc :内部空間
VL :鉛直線
W :駆動輪
W61 :厚み
W71 :厚み
Wc :ワッシャ
X :回転軸
X1 :軸線

Claims (7)

  1. モータと、
    前記モータの下流に接続される歯車機構と、
    前記モータと前記歯車機構とを収容するボックスと、を有し、
    前記歯車機構に供給される潤滑油と前記モータを冷却する冷媒との間で熱交換を行う冷却室が構成されており、
    前記ボックスの外壁面には、前記冷却室の区画壁の一部となる壁部が形成されていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1において、
    前記冷却室は、前記潤滑油の導入口と、前記導入口の下方に設けられた前記潤滑油の放出口と、を有することを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項2において、
    前記冷却室内に、前記導入口から導入された潤滑油を前記放出口から離れる方向にガイドした後に前記放出口へ近づく方向にガイドするガイド部を有することを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項2または請求項3において、
    前記冷却室内に、前記導入口から前記放出口へ至る経路にラビリンス構造を有することを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項2または請求項3において、
    前記冷却室内に、前記歯車機構から離れる方向に潤滑油を油送する潤滑経路を有することを特徴とする動力伝達装置。
  6. 請求項5において、
    前記潤滑経路内に、前記潤滑経路と前記放出口とを連通させる連通経路が形成されていることを特徴とする動力伝達装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    前記ボックスは、前記歯車機構を収容するギア室と、前記モータを収容するモータ室と、を有し、
    前記ギア室は、前記モータ室と軸方向にオーバーラップする第1スペースと、前記モータ室と軸方向にオーバーラップしない第2スペースと、を有し、
    前記冷却室は、前記第2スペースと軸方向にオーバーラップし且つ前記モータ室と径方向にオーバーラップする位置に配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
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