JP2021123724A - 量子ドット、これを含む量子ドット分散体、硬化性組成物、硬化膜、及び画像表示装置 - Google Patents

量子ドット、これを含む量子ドット分散体、硬化性組成物、硬化膜、及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた光特性、分散性、密着性、及び塗膜硬度を示し、アウトガスの発生を抑制することができる量子ドットを提供する。【解決手段】表面上に下記の化学式1〜3で表される化合物の一つ以上を含む配位子層を有する量子ドット、量子ドット分散体、及び硬化性組成物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、量子ドット、これを含む量子ドット分散体、及び硬化性組成物に係り、より詳しくは、優れた光特性、分散性、密着性、及び塗膜硬度を確保することができる量子ドット、これを含む量子ドット分散体、及び硬化性組成物に関する。
量子ドットは、ナノメートルの大きさを有する半導体ナノ結晶であって、大きさや形状によってエネルギーバンドギャップ(Bandgap、E)が変わる特徴を持っている。このような量子ドットは、量子閉じ込め(quantum confinement)効果により量子ドットの大きさの調節だけで発光波長を調節することができ、且つ優れた色純度及び高いPL(photoluminescence)効率を示すことができ、ディスプレイだけではなく照明用光源、太陽電池、半導体レーザ/光増幅器、バイオイメージングなどの分野でも多くの関心を集めている。
量子ドットは、優れた光学的特性を有する量子ドットを大量生産できるという点から主に湿式化学工程によって製造されている。湿式化学工程は、有機溶剤に前駆体物質を入れて粒子を成長させる方法である。このような湿式化学工程により量子ドットを製造した場合、量子ドットの凝集を防止し且つ量子ドットの粒子の大きさをナノ水準に制御するために有機配位子が用いられる。このような有機配位子としては、一般にオレイン酸が用いられている[大韓民国登録特許第10−1447238号参照]。
しかし、このような量子ドットは空気中の酸素によって酸化され易い。そのため、酸化安定性が十分に確保されて優れた光特性を発揮することができる量子ドットに関する開発が望まれている。
さらに、量子ドットを用いて分散体又は塗膜を形成した場合、分散体の分散性を増加させ且つ塗膜の密着性及び硬度を増加させることができると共に、アウトガスの発生を抑制する方案が必要である。
本発明の一目的は、優れた光特性、分散性、密着性、及び塗膜硬度を確保することができる量子ドットを提供することである。
本発明の他の目的は、前記量子ドットを含む量子ドット分散体を提供することである。
本発明のまた他の目的は、前記量子ドット分散体を含む硬化性組成物を提供することである。
本発明のまた他の目的は、前記硬化性組成物を用いて形成される硬化膜を提供することである。
本発明のまた他の目的は、前記硬化膜を含む画像表示装置を提供することである。
一方、本発明は、表面上に配位子層を有する量子ドットであって、
前記配位子層が、下記の化学式1で表される化合物と、下記の化学式2及び3で表される化合物のうちの一つ以上を含む量子ドットを提供する。
Figure 2021123724
前記式中、
Aは、C〜C30のアルキル基、C〜C30のシクロアルキル基、アリール基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルキニル基、C〜C31のアルキルエステル基、チオエーテル基、チオエステル基、シリル基又はシリルエステル基で、
は、存在しないか、C〜C30のアルキレン基、C〜C30のアルキレンオキシ基、ポリアルキレングリコール基又はC〜C31のアルキレンエステル基であり、
B及びEは、それぞれ独立して、存在しないか、O、S又はNRであり、
Dは、O、S又はNRであり、
は、C〜C30のアルキレン基、C〜C30のアルキレンオキシ基又はポリアルキレングリコール基であり、
Xは、チオール、カルボキシル基又はアミン基であり、
Rは、水素又はC〜Cのアルキル基であり、
及びRは、それぞれ独立して、水素又はメチル基であり、
は、C〜C30のアルキレン基、C〜C30のアルケニレン基、C〜C30のシクロアルキレン基、C〜C30のヘテロシクロアルキレン基、C〜C30のアルキレンオキシ基、アリーレン基又はアリールアルキレン基であり、
は、存在しないか、C〜C30のアルキレン基であり、
は、C〜C30のアルキレン基、C〜C30のアルケニレン基、C〜C30のシクロアルキレン基、C〜C30のヘテロシクロアルキレン基、C〜C30のアルキレンオキシ基、C〜C31のアルキレンエステル基、アリーレン基又はアリールアルキレン基であり、
n及びmは、それぞれ独立して、0〜100の整数である。
本発明の一実施形態において、R及びRの少なくともいずれか一つは、ポリアルキレングリコール基であってよい。
本発明の一実施形態において、Aは、C〜C30のアルキル基又はC〜C30のアルケニル基であってよく、Rは、ポリアルキレングリコール基であってよく、B及びEは、それぞれ独立して、存在しないか、O、S又はNRであってよく、Dは、Oであってよく、Rは、C〜C30のアルキレン基であってよく、Xは、チオール基であってよく、Rは、水素又はC〜Cのアルキル基であってよい。
本発明の一実施形態において、Rは、水素又はメチル基であってよく、Rは、存在しなくてよく、Rは、C〜C30のアルキレン基であってよく、mは、1〜10の整数であってよい。
本発明の一実施形態において、前記化学式1で表される化合物は、下記の化学式1−1〜1−23のいずれか一つで表される化合物であってよい。
Figure 2021123724
Figure 2021123724
Figure 2021123724
本発明の一実施形態において、前記化学式2で表される化合物は、下記の化学式2−1〜2−42のいずれか一つで表される化合物であってよい。
Figure 2021123724
Figure 2021123724
Figure 2021123724
Figure 2021123724
Figure 2021123724
Figure 2021123724
本発明の一実施形態において、前記化学式3で表される化合物は、下記の化学式3−1〜3−19のいずれか一つで表される化合物であってよい。
Figure 2021123724
Figure 2021123724
Figure 2021123724
他の一方で、本発明は、前記量子ドットと、硬化性モノマー及び溶剤のうちの一つ以上を含む量子ドット分散体を提供する。
本発明の一実施形態に係る量子ドット分散体は、重合禁止剤を更に含んでよい。
また他の一方で、本発明は、前記量子ドット分散体を含む硬化性組成物を提供する。
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物は、無溶剤型の光変換インク組成物であってよい。
また他の一方で、本発明は、前記硬化性組成物を用いて形成される硬化膜を提供する。
また他の一方で、本発明は、前記硬化膜を含む画像表示装置を提供する。
本発明に係る量子ドットは、酸化安定性が十分に確保されて優れた光特性を示す。さらに、本発明に係る量子ドットは、分散体又は塗膜への適用時に、分散体の分散性を増加させ且つ塗膜の密着性及び硬度を増加させることができるのみならず、アウトガスの発生を抑制することができる。このため、本発明に係る量子ドットは、カラーフィルタ、光変換シートなどの多様な量子ドット活用分野に有効に適用でき、信頼性に優れる画像表示装置を具現することができる。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明の一実施形態は、表面上に配位子層を有する量子ドットであって、前記配位子層が、特定構造の有機配位子の組み合わせを含む量子ドットに関する。
本発明の一実施形態において、前記量子ドットは、表面上に下記の化学式1で表される化合物と、下記の化学式2及び3で表される化合物のうちの一つ以上を含む配位子層を有するものである。
Figure 2021123724
前記式中、
Aは、C〜C30のアルキル基、C〜C30のシクロアルキル基、アリール基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルキニル基、C〜C31のアルキルエステル基、チオエーテル基、チオエステル基、シリル基又はシリルエステル基で、
は、存在しないか、C〜C30のアルキレン基、C〜C30のアルキレンオキシ基、ポリアルキレングリコール基又はC〜C31のアルキレンエステル基であり、
B及びEは、それぞれ独立して、存在しないか、O、S又はNRであり、
Dは、O、S又はNRであり、
は、C〜C30のアルキレン基、C〜C30のアルキレンオキシ基又はポリアルキレングリコール基であり、
Xは、チオール、カルボキシル基又はアミン基であり、
Rは、水素又はC〜Cのアルキル基であり、
及びRは、それぞれ独立して、水素又はメチル基であり、
は、C〜C30のアルキレン基、C〜C30のアルケニレン基、C〜C30のシクロアルキレン基、C〜C30のヘテロシクロアルキレン基、C〜C30のアルキレンオキシ基、アリーレン基又はアリールアルキレン基であり、
は、存在しないか、C〜C30のアルキレン基であり、
は、C〜C30のアルキレン基、C〜C30のアルケニレン基、C〜C30のシクロアルキレン基、C〜C30のヘテロシクロアルキレン基、C〜C30のアルキレンオキシ基、C〜C31のアルキレンエステル基、アリーレン基又はアリールアルキレン基であり、
n及びmは、それぞれ独立して、0〜100の整数である。
本明細書において用いられるC〜C30のアルキル基は、炭素数1〜30個からなる直鎖状若しくは分岐状の1価炭化水素を意味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、1−メチル−ブチル、1−エチル−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、n−オクチル、tert−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2,2−ジメチルヘプチル、n−デシルなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において用いられるC〜C30のシクロアルキル基は、炭素数3〜30個からなる単環式又は融合環式の1価炭化水素基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において用いられるアリール基は、1価の芳香族基とヘテロ芳香族基及びそれらの部分的に還元された誘導体をいずれも含む。前記芳香族基は、5員〜15員の単環式又は融合環式であり、ヘテロ芳香族基は、酸素、硫黄又は窒素を一つ以上含む芳香族基を意味する。代表的なアリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ピリジニル(pyridinyl)、フラニル(furanyl)、チオフェニル(thiophenyl)、インドリル(indolyl)、キノリニル(quinolinyl)、イミダゾリニル(imidazolinyl)、オキサゾリル(oxazolyl)、チアゾリル(thiazolyl)、テトラヒドロナフチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において用いられるC〜C30のアルケニル基は、一つ以上の炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜30個からなる直鎖状若しくは分岐状の不飽和炭化水素を意味し、エチレニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニルなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において用いられるC〜C30のアルキニル基は、一つ以上の炭素−炭素三重結合を有する炭素数2〜30個からなる直鎖状若しくは分岐状の不飽和炭化水素を意味し、アセチレニル、プロピニル、ブチニルなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において用いられるアルキルエステル基は、化学式−C(=O)OR又は−OC(=O)R基(このとき、Rは、C〜C30のアルキル基である)を表し、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において用いられるチオエーテル基は、化学式−SRの基(このとき、Rは、C〜C30のアルキル基又はアリール基である)を表し、メチルチオ基、エチルチオ基などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において用いられるチオエステル基は、化学式−C(=O)SR又は−SC(=O)Rの基(このとき、Rは、C〜C30のアルキル基又はアリール基である)を表す。
本明細書において用いられるシリル基は、化学式−SiR(R)(R)の基(このとき、R、R、及びRは、それぞれ独立して、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルコキシ基、ヒドロキシ基又はアリール基である)を表す。
本明細書において用いられるシリルエステル基は、化学式−C(=O)OSiR(R)(R)又は−OC(=O)SiR(R)(R)の基(このとき、R、R、及びRは、それぞれ独立して、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルコキシ基、ヒドロキシ基又はアリール基である)を表す。
本明細書において用いられるC〜C30のアルキレン基は、炭素数1〜30個からなる直鎖状若しくは分岐状の2価炭化水素を意味し、例えば、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、tert−ブチレン、sec−ブチレン、n−ペンチレン、イソペンチレン、ネオペンチレン、tert−ペンチレン、n−ヘキシレン、1−メチルペンチレン、2−メチルペンチレン、4−メチル−2−ペンチレン、3,3−ジメチルブチレン、2−エチルブチレン、n−ヘプチレン、1−メチルヘキシレン、n−オクチレン、tert−オクチレン、1−メチルヘプチレン、2−エチルヘキシレン、2−プロピルペンチレン、n−ノニレン、2,2−ジメチルヘプチレン、n−デシレンなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において用いられるC〜C30のアルキレンオキシ基は、直鎖状若しくは分岐状の2価炭化水素で鎖炭素のうちの一つ以上が酸素で置換された官能基を意味し、炭素数1〜30個からなるものである。アルキレンオキシ基の具体例としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において用いられるポリアルキレングリコール基は、炭素数1〜6個からなるアルキレングリコール基が縮合してなるものであり、炭素数1〜6個からなるアルキレンオキシ基単位が繰り返される構造を有する官能基を表す。例えば、炭素数2〜300個からなるものであってよい。ポリアルキレングリコール基の具体例としては、ポリエチレングリコール基、ポリプロピレングリコール基などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において用いられるアルキレンエステル基は、化学式−C(=O)OR−、−OC(=O)R−、−ROC(=O)R−又は−RC(=O)OR−の基(このとき、R及びRは、それぞれ独立して、C〜C30のアルキレン基である)を表す。
本明細書において用いられるC〜Cのアルキル基は、炭素数1〜6個からなる直鎖状若しくは分岐状の1価炭化水素を意味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において用いられるC〜C30のアルケニレン基は、一つ以上の炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜30個からなる直鎖状若しくは分岐状の2価不飽和炭化水素を意味し、ビニレン、プロピレン、ブチレンなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において用いられるC〜C30のシクロアルキレン基は、炭素数3〜30個からなる単環式又は融合環式の2価炭化水素基を意味する。
本明細書において用いられるC〜C30のヘテロシクロアルキレン基は、炭素数3〜30個からなる単環式又は融合環式炭化水素の環炭素のうちの一つ以上が酸素、硫黄又は窒素で置換された2価炭化水素基を意味する。
本明細書において用いられるアリーレン基は、2価の芳香族基とヘテロ芳香族基及びそれらの部分的に還元された誘導体をすべて含む。前記芳香族基は、5員〜15員の単環式又は融合環式であり、ヘテロ芳香族基は、酸素、硫黄又は窒素を一つ以上含む芳香族基を意味する。代表的なアリーレン基の例としては、フェニレン、ナフチレン、ピリジニレン(pyridinylene)、フラニレン(furanylene)、チオフェニレン(thiophenylene)、インドリレン(indolylene)、キノリニレン(quinolinylene)、イミダゾリニレン(imidazolinylene)、オキサゾリレン(oxazolylene)、チアゾリレン(thiazolylene)、テトラヒドロナフチレンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において用いられるアリールアルキレン基は、アリーレン基とアルキレン基とが連結されなる複合基を意味する。すなわち、アリールアルキレン基は、2価の芳香族基とヘテロ芳香族基及びそれらの部分的に還元された誘導体がアルキレン基の炭素に連結されてなる複合基であって、アリーレン基とアルキレン基の連結順序は互いに変更可能であり、アリーレン基の両方に2個のアルキレン基が連結された構造も含む概念である。
本明細書において用いられるC〜C30のアルコキシ基は、炭素数1〜30個からなる直鎖状若しくは分岐状アルコキシ基を意味し、メトキシ、エトキシ、n−プロパンオキシなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
前記各官能基は、一つ又はそれ以上の水素がC〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基、C〜Cのアルキニル基、C〜C10のシクロアルキル基、C〜C10のヘテロシクロアルキル基、C〜C10のヘテロシクロアルキルオキシ基、C〜Cのハロアルキル基、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのチオアルコキシ基、アリール基、アシル基、ヒドロキシ、チオ(thio)、ハロゲン、アミノ、アルコキシカルボニル、カルボキシ、カルバモイル、シアノ、ニトロなどで置換されてよい。
本発明の一実施形態において、前記化学式1で表される化合物は有機配位子であって、量子ドットの表面に配位結合されて量子ドットを安定化させる役割をし、特に、分散性を向上させ且つ量子ドット分散体の粘度を下げると共に、アウトガスの発生を抑制することができる。
前記化学式1で表される化合物としては、分散性、低粘度、及びアウトガスの発生の抑制特性の面から、R及びRのうちの少なくともいずれか一つがポリアルキレングリコール基であることが好ましい。
前記化学式1で表される化合物としては、輝度の特性の面から、Aが、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のシクロアルキル基、アリール基、シリル基又はシリルエステル基であることが好ましく、特に、C〜C30のアルキル基又はC〜C30のアルケニル基であることが好ましい。
前記化学式1で表される化合物としては、光特性の面から、Xがチオール基であることが好ましい。
前記化学式1で表される化合物としては、分散性の面から、B及びEは、それぞれ独立して、存在しないか、O、S又はNRであることが好ましい。
特に、前記化学式1で表される化合物としては、分散性、低粘度、アウトガスの発生の抑制、及び輝度特性の面から、
Aは、C〜C30のアルキル基又はC〜C30のアルケニル基であり、
は、ポリアルキレングリコール基であり、
B及びEは、それぞれ独立して、存在しないか、O、S又はNRであり、
Dは、Oであり、
は、C〜C30のアルキレン基であり、
Xは、チオール基であり、
Rは、水素又はC〜Cのアルキル基であることが好ましい。
本発明の一実施形態において、前記化学式2及び3で表される化合物は有機配位子であって、量子ドットの表面に配位結合されて量子ドットを安定化させる役割をし、特に、塗膜工程の間に量子ドットが酸化することを阻止することで、高い光特性を保持させることができ、且つアウトガスの発生を抑制することができる。
前記化学式2及び3で表される化合物としては、耐光性の面から、R及びRが、それぞれ独立して、C〜C30のシクロアルキレン基、C〜C30のヘテロシクロアルキレン基、アリーレン基又はアリールアルキレン基であることが好ましい。
前記化学式2及び3で表される化合物としては、アウトガスの発生の抑制の面から、R及びRがそれぞれ独立して、C〜C30のアルキレン基であることが好ましい。
前記化学式2及び3で表される化合物としては、低粘度特性の面から、n及びmが、それぞれ独立して、1〜10の整数であることが好ましい。
本発明の一実施形態において、光特性、粒度変化率、及びアウトガスの発生の抑制特性の面から、前記化学式1で表される化合物とともに前記化学式3で表される化合物を組み合わせて用いてよい。
特に、前記化学式3で表される化合物としては、光特性、粒度変化率、及びアウトガスの発生の抑制特性の面から、
は、水素又はメチル基であり、
は、存在せず、
は、C〜C30のアルキレン基であり、
mは、1〜10の整数であることが好ましい。
本発明の一実施形態において、前記化学式1で表される化合物は、下記の化学式1−1〜1−23のいずれか一つで表される化合物であってよい。
Figure 2021123724

Figure 2021123724
Figure 2021123724
本発明の一実施形態において、前記化学式2で表される化合物は、下記の化学式2−1〜2−42のいずれか一つで表される化合物であってよい。
Figure 2021123724
Figure 2021123724
Figure 2021123724
Figure 2021123724
Figure 2021123724
Figure 2021123724
本発明の一実施形態において、前記化学式3で表される化合物は、下記の化学式3−1〜3−19のいずれか一つで表される化合物であってよい。
Figure 2021123724
Figure 2021123724
Figure 2021123724
本発明の一実施形態において、前記量子ドットとは、ナノ大きさの半導体物質を称するものであってよい。原子が分子をなし、分子がクラスタという小さな分子の集合体を構成してナノ粒子をなすが、このようなナノ粒子が半導体特性を呈しているときにこれを量子ドットという。前記量子ドットは、外部からエネルギーを受けて励起状態になると、当該量子ドットの自ら該当するエネルギーバンドギャップに応じたエネルギーを放出するようになる。
本発明の一実施形態において、前記量子ドットは、非カドミウム系量子ドットであってよい。
前記非カドミウム系量子ドットは、光による刺激で発光し得る量子ドット粒子であれば特に限定されない。例えば、II−VI族半導体化合物;III−V族半導体化合物;IV−VI族半導体化合物;I−III−VI族半導体化合物;II−III−VI族半導体化合物;I−II−IV−VI族半導体化合物;IV族元素又はこれを含む化合物;及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれるものであってよく、これらは、単独で又は2種以上混合して用いてよい。
具体的に、前記II−VI族半導体化合物は、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる二元素化合物;ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる三元素化合物;及びHgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる四元素化合物からなる群より選ばれるものであってよいが、これらに限定されるものではない。
前記III−V族半導体化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる二元素化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる三元素化合物;及びGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる四元素化合物からなる群より選ばれるものであってよいが、これらに限定されるものではない。
前記IV−VI族半導体化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる二元素化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる三元素化合物;及びSnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる四元素化合物からなる群より選ばれる一つ以上であってよいが、同様にこれらに限定されるものではない。
前記I−III−VI族半導体化合物は、CuInS、CuInSe、CuInTe、CuGaS、CuGaSe、CuGaTe、AgInS、AgInSe、AgInTe、AgGaS、AgGaSe、AgGaTe、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる三元素化合物;及びCuInGaS、CuInGaSe、CuInSeS、CuGaSeS、AgInGaS、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる四元素化合物からなる群より選ばれる一つ以上であってよいが、これらに限定されるものではない。
前記II−III−VI族半導体化合物は、ZnGaS、ZnAlS、ZnInS、ZnGaSe、ZnAlSe、ZnInSe、ZnGaTe、ZnAlTe、ZnInTe、ZnGaO、ZnAlO、ZnInO、HgGaS、HgAlS、HgInS、HgGaSe、HgAlSe、HgInSe、HgGaTe、HgAlTe、HgInTe、MgGaS、MgAlS、MgInS、MgGaSe、MgAlSe、MgInSe、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる三元素化合物から選ばれる一つ以上であってよいが、これらに限定されるものではない。
前記I−II−IV−VI族半導体化合物は、CuZnSnSe、CuZnSnS、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる四元素化合物から選ばれる一つ以上であってよいが、これらに限定されるものではない。
これらに限定されるものではないが、前記IV族元素又はこれを含む化合物は、Si、Ge、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる元素;及びSiC、SiGe、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる二元素化合物からなる群より選ばれるものであってよい。
前記量子ドットは、均質な(homogeneous)単一構造;コア−シェル(core−shell)、グラディエント(gradient)構造などのような二重構造;又はこれらの混合構造を有するものであってよい。好ましくは、前記量子ドットは、コア及びコアを覆うシェルを含むコア−シェル構造を有するものであってよい。
具体的に、前記コア−シェルの二重構造において、それぞれのコアとシェルをなす物質は、前述した互いに異なる半導体化合物からなるものであってよい。例えば、前記コアは、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb、及びAgInGaSからなる群より選ばれる一つ以上を含み、前記シェルは、ZnSe、ZnS、及びZnTeからなる群より選ばれる一つ以上を含んでよいが、これらに限定されるものではない。
例えば、コア−シェル構造の量子ドットは、InP/ZnS、InP/ZnSe、InP/GaP/ZnS、InP/ZnSe/ZnS、InP/ZnSeTe/ZnS、及びInP/MnSe/ZnSなどが挙げられる。
前記量子ドットは、湿式化学工程(wet chemical process)、有機金属化学蒸着工程(MOCVD、metal organic chemical vapor deposition)、又は分子線エピタキシ工程(MBE、molecular beam epitaxy)によって合成されてよいが、これらに限定されるものではなく、湿式化学工程(wet chemical process)によって合成したほうがより光特性に優れる量子ドットが得られるため、好ましい。
前記湿式化学工程とは、有機溶剤に前駆体物質を入れて粒子を成長させる方法である。湿式化学工程では、結晶が成長するときに有機溶剤が自然に量子ドット結晶の表面に配位し、分散剤の役割をして結晶の成長を調節するようになるので、有機金属化学蒸着工程や分子線エピタキシのような気相蒸着法よりも容易且つ低廉な工程によってナノ粒子の成長を制御することができる。そのため、前記湿式化学工程を用いて前記量子ドットを製造したほうが好ましい。
湿式化学工程によって量子ドットを製造する場合、量子ドットの凝集を抑え且つ量子ドットの粒子の大きさをナノレベルに制御するために有機配位子が用いられる。このような有機配位子としては、一般的にオレイン酸が用いられてよい。
本発明の一実施形態において、前記量子ドットの製造過程で用いられたオレイン酸は、前記化学式1で表される化合物と、化学式2及び3で表される化合物のうちの一つ以上によって配位子交換方法により置き換えられる。
前記配位子交換は、本来の有機配位子、すなわちオレイン酸を有する量子ドットを含有する分散液に、交換したい有機配位子、すなわち前記化学式1で表される化合物と、化学式2及び3で表される化合物のうちの一つ以上を添加しこれを常温〜200℃で30分〜3時間撹拌して、前記化学式1で表される化合物と、化学式2及び3で表される化合物のうちの一つ以上が結合された量子ドットを収得することで行われてよい。必要に応じて前記化学式1で表される化合物と、化学式2及び3で表される化合物のうちの一つ以上が結合された量子ドットを分離し精製する過程を更に行ってもよい。
<量子ドット分散体>
本発明の一実施形態は、上述した量子ドットと、硬化性モノマー及び溶剤のうちの一つ以上を含む量子ドット分散体に関する。
前記量子ドットは、量子ドット分散体の全体100重量%に対し、10〜95重量%、好ましくは、20〜80重量%の範囲で含まれてよい。前記量子ドットが前記範囲内で含まれると、発光特性及び分散性に優れる。
前記硬化性モノマーは、光や熱の作用による反応性を有し、量子ドットの分散媒として作用する。
例えば、前記硬化性モノマーは、単官能単量体、2官能単量体、その他の多官能単量体などが挙げられ、これらのうち2官能単量体が好ましく用いられる。
前記単官能単量体の種類は特に限定されず、例えば、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
前記2官能単量体の種類は特に限定されず、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイルオキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記多官能単量体の種類は特に限定されず、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシレイテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシレイテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシレイテッドジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシレイテッドジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記硬化性モノマーは、量子ドット分散体の全体100重量%に対し、5〜90重量%、好ましくは、20〜80重量%の範囲で含まれてよい。前記硬化性モノマーが、量子ドット分散体の全体100重量%に対し、5重量%未満の量で含まれると、量子ドットの分散性が低下することがあり、また、90重量%超の量で含まれると、発光効率や色再現性が低下することがある。
前記溶剤は特に制限されず、当該技術分野において通常用いられる有機溶剤であってよい。
例えば、前記溶剤としては、エーテル又はエステル系溶剤、脂肪族飽和炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤などを用いてよい。
具体的に、前記エーテル又はエステル系溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、n−ペンチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどが挙げられる。
前記脂肪族飽和炭化水素系溶剤としては、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ケロシン(kerosene)などが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素系溶剤としては、クロロホルム、ジクロロメタン、4塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタンなどが挙げられる。
前記芳香族炭化水素系溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ジクロロベンゼンなどが挙げられる。
前記ケトン系溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
前記アルコール系溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
前記らの溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いてよい。
本発明の一実施形態において、前記溶剤は実質的に含まれなくてよい。すなわち、前記量子ドット分散体は無溶剤型のものであってよい。
前記量子ドット分散体が、溶剤型のものである場合、前記溶剤は、量子ドット分散体の全体100重量%に対し、5〜90重量%、好ましくは、20〜80重量%の範囲で含まれてよい。前記溶剤が前記範囲内で含まれると、分散性及び保管安定性に優れる。
本発明の一実施形態に係る量子ドット分散体は、保管安定性及び分散安定性の確保のために、重合禁止剤を更に含んでよい。
前記重合禁止剤としては、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩、フェノチアジン、フェノキサジン、4−メトキシナフトール、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル、ニトロベンゼン、ジメチルアニリン、トリス(N−ヒドロキシ−N−ニトロソフェニルアミナト−O,O’)アルミニウム(tris(N−hydroxy−N−nitrosophenylaminato−O,O’)aluminium)又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記重合禁止剤は、量子ドット分散体の全体100重量%に対し、0.001〜5重量%、好ましくは、0.001〜3重量%の範囲で含まれてよい。前記重合禁止剤が量子ドット分散体の全体100重量%に対し、0.001重量%未満の量で含まれると、量子ドット分散体の保管安定性及び分散安定性が低下することがあり、また5重量%超の量で含まれると、硬化性が低下することがある。
<硬化性組成物>
本発明の一実施形態は、上述した量子ドット分散体を含む硬化性組成物に関する。
例えば、前記硬化性組成物は、光変換インク組成物、光変換樹脂組成物、又は自発光感光性樹脂組成物であってよい。
本発明の一実施形態において、前記光変換インク組成物は、前記量子ドット分散体の他、光重合性モノマー及び光重合開始剤を更に含んでよい。
前記光重合性モノマーは、光及び後述する光重合開始剤の作用で重合し得る化合物であれば、その種類は特に制限されずに用いてよく、上述した量子ドット分散体で用いられる硬化性モノマーと同一のものであってよい。
前記光重合性モノマーは、前記光変換インク組成物の全体100重量%に対し、20〜90重量%、好ましくは、30〜80重量%の範囲で含まれてよい。前記光重合性モノマーが前記範囲内で含まれると、画素部の強度や平滑性の面で好ましいという利点がある。前記光重合性モノマーが前記範囲未満で含まれると、画素部の強度がやや低下することがあり、また、前記光重合性モノマーが前記範囲を超えて含まれると、平滑性がやや低下することがあるため、前記範囲内で含まれることが好ましい。
前記光重合開始剤は、前記光重合性モノマーを重合させ得るものであれば、その種類は特に制限されずに用いてよい。特に、前記光重合開始剤は、重合特性、開始効率、吸収波長、入手性、価格などの観点から、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ビイミダゾール系化合物、オキシム系化合物、及びチオキサントン系化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物を用いることが好ましい。
前記光重合開始剤は、前記光変換インク組成物の全体100重量%に対し、0.01〜20重量%、好ましくは、0.5〜15重量%の範囲で含まれてよい。前記光重合開始剤が前記範囲内で含まれると、前記光変換インク組成物が高感度化して露光時間が短縮することで生産性が向上するため好ましい。また、本発明に係る光変換インク組成物を用いて形成した画素部の強度と前記画素部の表面での平滑性が良好になるという利点がある。
前記光重合開始剤は、本発明に係る光変換インク組成物の感度を向上させるために、光重合開始補助剤を更に含んでよい。前記光重合開始補助剤が含まれると、感度が一層高められて生産性が向上するという利点がある。
前記光重合開始補助剤は、例えば、アミン化合物、カルボン酸化合物、チオール基を有する有機硫黄化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物が好ましく用いられてよいが、これらに限定されるものではない。
前記光重合開始補助剤は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜追加して用いてよい。
本発明の一実施形態において、前記光変換インク組成物は、散乱粒子を更に含んでよい。
前記散乱粒子は、量子ドットから放出された光の経路を増やして全体的な光効率を高める役割をする。
前記散乱粒子としては、通常の無機材料を用いてよく、好ましくは、金属酸化物を用いてよい。
前記金属酸化物は、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Mo、Cs、Ba、La、Hf、W、Tl、Pb、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Ti、Sb、Sn、Zr、Nb、Ce、Ta、In、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれた1種以上の金属を含む酸化物であってよいが、これらに限定されるものではない。
具体的に、Al、SiO、ZnO、ZrO、BaTiO、TiO、Ta、Ti、ITO、IZO、ATO、ZnO−Al、Nb、SnO、MgO、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれた1種であってよい。必要に応じて、アクリレートなどの不飽和結合を有する化合物で表面処理された材質も使用してよい。
散乱粒子は、50〜1000nmの平均粒径を有してよく、好ましくは、100〜500nm、より好ましくは、150〜300nmの範囲のものがよい。このとき、粒子の大きさが小さ過ぎると、量子ドットから放出された光の十分な散乱効果を期待することができず、これと逆に大き過ぎると、組成物中に沈んだりして均一な品質の光変換層表面を得ることができないため、前記範囲内で適宜調節して用いる。
本発明において平均粒径とは、数平均粒径のことであってよく、例えば、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)又は透過電子顕微鏡(TEM)によって観察した像から求めることができる。具体的に、FE−SEM又はTEMの観察画像から幾つかのサンプルを抽出し、これらのサンプルの径を測定して算術平均した値から得ることができる。
前記散乱粒子は、前記光変換インク組成物の全体100重量%に対し、0.5〜20重量%、好ましくは、1〜15重量%の範囲で含んでよい。前記散乱粒子が前記範囲内で含まれると、発光強さの増加効果が極大化するため好ましい。前記散乱粒子が前記範囲未満で含まれると、得ようとする発光強さの確保が難しくなることがあり、また前記範囲を超えると、青色照射光の透過度が低下するため発光効率に問題が生じることがある。
本発明の一実施形態に係る光変換インク組成物は、前記した成分の他、塗膜平坦性や密着性を高めるために界面活性剤、密着促進剤といった添加剤を更に含んでよい。
本発明の一実施形態に係る光変換インク組成物は、溶剤型又は無溶剤型のものであってよい。
好ましくは、本発明の一実施形態に係る光変換インク組成物は、連続工程性などの物性の面から溶剤を実質的に含まず、含むとしても光変換インク組成物の全体100重量%に対し、2重量%以下、好ましくは、1重量%以下の量で含んでよい。本発明の一実施形態に係る光変換インク組成物は、溶剤を含まない無溶剤型のものであるか2重量%以下の極少量を含む低溶剤型のものであるにも係わらず、量子ドットの光特性及び分散性に優れ、低粘度の実現が可能である。
前記光変換インク組成物が、溶剤型のものである場合、上述した量子ドット分散体で説明したのと同一の溶剤を用いてよい。
本発明の一実施形態において、前記光変換樹脂組成物は、前記量子ドット分散体の他、硬化性樹脂を更に含む。
前記硬化性樹脂は、量子ドットの分散媒として且つ結合剤樹脂として作用する。
前記硬化性樹脂としては、光を透過する透明な高分子を用いてよく、特に、量子ドットの劣化防止の面から、低透湿、低透気特性を有する樹脂を用いてよい。
例えば、前記硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルクロリドなどを単独で又は2種以上含んでよく、特にエポキシ樹脂を含んでよい。
前記硬化性樹脂のゲル透過クロマトグラフィー(GPC;テトラヒドロフロンを溶出溶剤とする)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、略して「重量平均分子量」という)は、5,000g/mol〜50,000g/mol、好ましくは、8,000g/mol〜40,000g/molの範囲であることが好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、塗膜の硬度が増加するという長所があるため好ましい。
前記硬化性樹脂は、光変換樹脂組成物の固形分全体100重量%に対し、5〜60重量%、好ましくは、10〜50重量%の範囲の量で含まれてよい。前記硬化性樹脂が5重量%未満の量で含まれると、工程上、厚膜の硬化膜を得ることが難しくなり、また60重量%超の量で含まれると、均一な厚さの硬化膜の形成が難しくなることがある。
本発明の一実施形態において、前記光変換樹脂組成物は、散乱粒子、溶剤、分散剤及び/又は硬化剤を更に含んでよい。
前記散乱粒子は、上述した光変換インク組成物で用いるものと同一のものを用いてよい。
前記散乱粒子は、光変換樹脂組成物の固形分全体100重量%に対し、0.5〜30重量%の範囲の量で含まれてよい。前記散乱粒子が0.5重量%未満の量で含まれると、光散乱の効果が低すぎて塗膜で用いることができる適切な光出力が得られないことがあり、また30重量%超の量で含まれれると、散乱の効果が強すぎて量子ドットの発光した光が透過できず、塗膜を通り抜けることができないため光出力が低下することがある。
前記溶剤としては、上述した量子ドット分散体で説明したのと同一の溶剤を用いてよい。
前記分散剤は、量子ドットの脱凝集効果を奏する。前記分散剤としては、カルボン酸及び不飽和二重結合を含む化合物を用いてよい。
前記硬化剤としては、エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、オキセタン化合物などを用いてよい。
本発明に係る光変換樹脂組成物は、必要に応じて界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの添加剤を更に含んでよい。
本発明の一実施形態において、前記自発光感光性樹脂組成物は、前記量子ドット分散体の他、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、及び光重合開始剤を更に含む。
前記アルカリ可溶性樹脂は、前記自発光感光性樹脂組成物で製造するパターンの非露光部をアルカリ可溶性にして除去可能にし、露光領域を残留させる役割を遂行することができる。また、前記自発光感光性樹脂組成物が前記アルカリ可溶性樹脂を含む場合、前記量子ドットが組成物中に一様に分散できるようにし、且つ工程中に前記量子ドットを保護して輝度を保つようにする役割を遂行することができる。
前記アルカリ可溶性樹脂は、50〜200(KOHmg/g)の範囲の酸価を有するものを選定して用いてよい。前記「酸価」とは、重合体1gを中和するのに要する水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であって溶解性に関与する。前記アルカリ可溶性樹脂の酸価が前記範囲未満であると、十分な現像速度を確保し難くなることがあり、また前記範囲を超えると、基板との密着性が減少してパターンの短絡が生じ易くなり、且つ組成物全体の保存安定性が低下して粘度が上昇するという問題が生じることがある。
また、前記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、3,000〜30,000、好ましくは、5,000〜20,000の範囲であってよく、分子量分布度は、1.5〜6.0、好ましくは、1.8〜4.0の範囲であってよい。
前記アルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基含有不飽和単量体の重合体、又はこれと共重合可能な不飽和結合を有する単量体との共重合体、及びこれらの組み合わせであってよい。
前記カルボキシル基含有不飽和単量体としては、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などが挙げられる。具体的に、不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、桂皮酸などが挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。不飽和ジカルボン酸は酸無水物であってもよく、具体的には、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物などが挙げられる。また、不飽和ジカルボン酸は、そのモノ(2−(メタ)アクリロイルオキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)などが挙げられる。不飽和ジカルボン酸は、その両末端ジカルボキシ重合体のモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。これらのカルボキシル基含有単量体は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いていてよい。
また、カルボキシル基含有不飽和単量体と共重合が可能な単量体は、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物、不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物、カルボン酸ビニルエステル化合物、不飽和エーテル化合物、シアン化ビニル化合物、不飽和アミド化合物、不飽和イミド化合物、脂肪族共役ジエン化合物、分子鎖の末端にモノアクリロイル基又はモノメタクリロイル基を有する巨大単量体、バルキー性単量体、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれた1種であってよい。
前記アルカリ可溶性樹脂は、自発光感光性樹脂組成物の固形分全体100重量%に対し、5〜80重量%、具体的に、10〜70重量%、より具体的に、15〜60重量%の範囲で含まれてよい。
前記光重合性モノマーは、光及び後述する光重合開始剤の作用で重合し得る化合物であれば、上述した量子ドット分散体で用いられる硬化性モノマーと同一のものであってよい。
前記光重合性モノマーは、自発光感光性樹脂組成物の固形分全体100重量%に対し、5〜70重量%、具体的に、10〜60重量%、より具体的に、15〜50重量%の範囲で含まれてよい。
前記光重合開始剤は、上述した光変換インク組成物で用いるものと同一のものを用いてよく、必要に応じて光重合開始補助剤を更に含んでよい。
前記光重合開始剤は、自発光感光性樹脂組成物の固形分全体100重量%に対し、0.1〜20重量%、好ましくは、0.5〜15重量%、より好ましくは、1〜10重量%の範囲で含まれてよい。
前記自発光感光性樹脂組成物は、溶剤を更に含んでよく、前記溶剤としては、上述した量子ドット分散体で説明したものと同一の溶剤を用いてよい。
前記自発光感光性樹脂組成物中の溶剤の含量は、前記自発光感光性樹脂組成物の全体100重量%に対し、20〜90重量%、好ましくは、25〜85重量%、より好ましくは、30〜80重量%の範囲であってよい。
本発明に係る自発光感光性樹脂組成物は、必要に応じて密着促進剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの添加剤を更に含んでよい。
<硬化膜>
本発明の一実施形態は、上述した硬化性組成物を用いて形成される硬化膜に関する。
本発明の一実施形態において、前記硬化膜は、カラーフィルタ又は光変換シートであってよい。
本発明に係るカラーフィルタ及び光変換シートは、本発明に係る量子ドット分散体を含む硬化性組成物の硬化物を含むため、量子ドットの耐光性に優れ且つ塗膜の硬度に優れるという利点がある。
前記カラーフィルタは、基板及び前記基板の上部に形成されたパターン層を含む。
前記基板は、前記カラーフィルタそれ自体基板であってよく、又は、ディスプレイ装置などにカラーフィルタが位置する部位であってもよく、特に制限されない。前記基板は、ガラス、シリコン(Si)、シリコン酸化物(SiO)、Al、GaAs又は高分子基板であってよく、前記高分子は、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどであってよい。前記基板は、隔壁マトリックスが形成されていてもよい。
前記パターン層は、本発明に係る硬化性組成物を含む層であって、インクジェット印刷パターニング方式にてパターン化され、又はフォトリソグラフィにてパターン化されたものであってよい。
前記インクジェット印刷パターニング方式を用いたパターン形成方法は、上述した硬化性組成物をインクジェット方式にて所定の領域に塗布し、該塗布された硬化性組成物を硬化することで行われてよい。
先ず、本発明に係る硬化性組成物をインクジェット噴射機に注入し基板の所定の領域をプリントする。
インクジェット噴射機の一例であるピエゾインクジェットヘッドから噴射され基板の上で適切な相(phase)を形成するために、粘度、流動性、量子ドット粒子などの特性がインクジェットヘッドと釣り合う必要がある。本発明で用いられたピエゾインクジェットヘッドは制限されないが、約10〜100pL、好ましくは、約20〜40pLの液滴の大きさを有するインクを噴射する。
インクジェット印刷パターニング方式を用いる場合、本発明に係る硬化性組成物の粘度は約3〜30cPの範囲が適当であり、より好ましくは、7〜20cPの範囲で調節される。
前記フォトリソグラフィ方式を用いたパターン形成方法は、上述した硬化性組成物を塗布し所定のパターンに露光、現像、及び熱硬化することで行われてよい。前記フォトリソグラフィ方式を用いたパターン形成方法は、当該技術分野において通常的に知られた方法を行うことで形成してよい。
前記カラーフィルタは、赤色パターン層、緑色パターン層、及び青色パターン層のうちの2種色相のパターン層のみを備えてもよいが、これに限定されない。なお、前記カラーフィルタが2種色相のパターン層のみを備える場合、前記パターン層は、前記量子ドット粒子を含有しない透明パターン層を更に備えてよい。
前記カラーフィルタが前記2種色相のパターン層のみを備える場合は、前記2種色相以外の色相を呈する波長の光を放出する光源を用いてよい。例えば、前記カラーフィルタが赤色パターン層及び緑色パターン層を含む場合は、青色光を放出する光源を用いてよく、この場合、赤量子ドットは赤色光を、緑量子ドットは緑色光を放出し、前記透明パターン層は、前記光源による青色光が素通しすることによって青色を呈してよい。
前記光変換シートは、発光素子が放出する光の波長を変換して放出するシートである。
前記光変換シートは、基材を更に含んでよい。
前記光変換シートは、基材上に上述した硬化性組成物を塗布し乾燥した後に硬化してなるものであってよい。
前記基材は、必要に応じて離型処理が施されたものであってよい。
前記基材としては、ガラス又はポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどを用いてよい。
前記硬化は、熱硬化又は光硬化条件で行われてよい。
<画像表示装置>
本発明の一実施形態は、上述した硬化膜を含む画像表示装置に関する。
本発明の一実施形態に係る画像表示装置において上述した硬化膜は、カラーフィルタ又は光変換シートとして適用されてよく、これにより、カラーフィルタ基板やバックライトユニットの光源の製造の際に用いられ得る。
本発明に係る硬化膜は、通常の液晶表示装置(LCD)だけでなく、電界発光表示装置(EL)、プラズマ表示装置(PDP)、電界放出表示装置(FED)、有機発光素子(OLED)、量子ドット発光ダイオード(Quantum Dot Light−Emitting Diode、QLED)などの各種の画像表示装置に適用可能である。
本発明に係る画像表示装置は、上述した硬化膜を備えたことを除いては、当該技術分野において知られた構成を含む。
また、本発明の一実施形態に係る量子ドットは、上述したディスプレイだけでなく、照明用光源、太陽電池、半導体レーザ/光増幅器、バイオイメージングなどの素材としても適用可能である。
以下、実施例、比較例及び実験例によって本発明をより具体的に説明することにする。なお、これらの実施例、比較例及び実験例は、単に本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらに限定されるものではないことは当業者にとって自明である。
合成例1:InP/ZnSe/ZnSコア−シェル量子ドットの合成
インジウムアセテート(Indium acetate)0.4mmol(0.058g)、パルミチン酸(palmitic acid)0.6mmol(0.15g)及び1−オクタデセン(octadecene)20mLを反応器に入れ、真空下、120℃で加熱した。1時間後に反応器内の雰囲気を窒素に置換した。280℃で加熱した後、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン(TMS3P)0.2mmol(58μl)及びトリオクチルホスフィン1.0mLの混合溶液を素早く注入し、0.5分間反応させた。
次いで、亜鉛アセテート2.4mmoL(0.448g)、オレイン酸4.8mmol及びトリオクチルアミン20mLを反応器に入れ、真空下、120℃で加熱した。1時間後に反応器内の雰囲気を窒素に置換し、反応器を280℃に昇温させた。先に合成したInPコア溶液2mLを入れ、次いで、トリオクチルホスフィン中のセレニウム(Se/TOP)4.8mmolを入れた後、最終混合物を2時間反応させた。常温に素早く冷却させた反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離して得た沈澱物を減圧ろ過後に減圧乾燥して、InP/ZnSeコア−シェルを形成させた。
次いで、亜鉛アセテート2.4mmol(0.448g)、オレイン酸4.8mmol及びトリオクチルアミン20mLを反応器に入れ、真空下、120℃で加熱した。1時間後に反応器内の雰囲気を窒素に置換し、反応器を280℃に昇温させた。先に合成したInP/ZnSeコア−シェル溶液2mLを入れ、次いで、トリオクチルホスフィン中の硫黄(S/TOP)4.8mmolを入れた後、最終混合物を2時間反応させた。常温に素早く冷却させた反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離して得た沈澱物を減圧ろ過後に減圧乾燥して、InP/ZnSe/ZnSコア−シェル構造の量子ドットを収得した後、クロロホルムに分散させた。固形分は10%に調整した。最大発光波長は520nmであった。
実施例1:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−1)
合成例1で得られた量子ドット溶液5mLを遠心分離チューブに入れ、エタノール20mLを入れて沈澱させた。遠心分離によって上層液は捨て、沈殿物に3mLのクロロホルムを入れて量子ドットを分散させた後、0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物を入れ、窒素雰囲気下、60℃で加熱しながら1時間反応させた。反応物に25mLのn−ヘキサンを入れて量子ドットを沈澱させた後、遠心分離を施して沈殿物を分離してから、PGMEAを固形分10%になるように投入して分散させた。最大発光波長は521nmであった。
実施例2:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−2)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−4で表される化合物及び0.5gの化学式2−4で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例3:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−3)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−6で表される化合物(lは14である)及び0.5gの化学式2−6で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例4:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−4)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−9で表される化合物及び0.5gの化学式2−20で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例5:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−5)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式3−1で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例6:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−6)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−4で表される化合物及び0.5gの化学式3−3で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例7:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−7)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−6で表される化合物(lは14である)及び0.5gの化学式3−8で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例8:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−8)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−9で表される化合物及び0.5gの化学式3−15で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例9:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−9)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.4gの化学式1−1で表される化合物、0.3gの化学式2−1で表される化合物及び0.3gの化学式3−1で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例10:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−10)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−2で表される化合物及び0.5gの化学式3−1で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例11:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−11)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−22で表される化合物及び0.5gの化学式3−1で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例12:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−12)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−23で表される化合物及び0.5gの化学式3−1で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例13:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−13)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−2で表される化合物及び0.5gの化学式3−2で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例14:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−14) 0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−3で表される化合物及び0.5gの化学式3−1で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例15:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−15)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−3で表される化合物及び0.5gの化学式3−2で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例16:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−16)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−7で表される化合物及び0.5gの化学式3−1で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例17:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−17)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−9で表される化合物及び0.5gの化学式3−1で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例18:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−18)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−10で表される化合物及び0.5gの化学式3−1で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
実施例19:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−19)
0.5gの化学式1−1で表される化合物及び0.5gの化学式2−1で表される化合物の代わりに、0.5gの化学式1−11で表される化合物及び0.5gの化学式3−1で表される化合物を用いることを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
比較例1:配位子交換反応の非実施のInP/ZnSe/ZnSの量子ドットの準備(P−1)
オレイン酸が表面に結合されている合成例1の量子ドットをクロロホルムに10%濃度で分散させた。
比較例2:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−20)
実施例1で行った配位子置換反応と同様に進め、1.0gの化学式1−1で置換後、PGMEAを固形分10%になるように投入して分散させた。
比較例3:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−21)
実施例1で行った配位子置換反応と同様に進め、1.0gの化学式2−1で置換後、PGMEAを固形分10%になるように投入して分散させた。
比較例4:配位子が置換された量子ドットの製造(LE−22)
実施例1で行った配位子置換反応と同様に進め、1.0gの化学式3−1で置換後、PGMEAを固形分10%になるように投入して分散させた。
実施例及び比較例:量子ドット分散体の製造
下記の表1及び表2の組成でそれぞれの成分を混合して量子ドット分散体を製造した(重量%)。
Figure 2021123724
Figure 2021123724
実施例及び比較例:光変換インク組成物の製造
下記の表3及び表4の組成でそれぞれの成分を混合して光変換インク組成物を製造した(重量%)。
Figure 2021123724
Figure 2021123724
実験例1:
前記実施例及び比較例で製造された量子ドット分散体の量子効率及び分散安定性を下記のような方法にて測定し、その結果を下記の表5に表した。
(1)量子効率
前記実施例及び比較例で製造された量子ドット分散体の製造初期の量子効率(QY%)と常温で15日放置後の量子効率(QY%)をQE−2100(大塚電子社製)を用いて測定した。
量子ドットの表面の酸化によって量子効率が低減するようになるので、量子効率の低減量を測定して酸化安定性を確認することができる。すなわち、ΔQY%を測定して酸化安定性を確認することができる。
(2)分散安定性
前記実施例及び比較例で製造された量子ドット分散体に対し、R型粘度計(VISCOMETER MODEL RE120L SYSTEM、東機産業株式会社製)を用いて、回転数20rpm、温度25℃の条件で初期粘度及び温度5℃で1ヶ月保管後の粘度を測定した。初期粘度に対する粘度の変化率を測定して分散安定性を確認することができる。
<評価基準>
○:粘度変化率105%以下
△:粘度変化率105%超〜110%以下
×:粘度変化率110%超
Figure 2021123724
前記表5から、本発明に係る表面上に化学式1で表される化合物と、化学式2及び3で表される化合物のうちの一つ以上を含む配位子層を有する量子ドットを含む実施例20〜39の量子ドット分散体は、比較例5〜8の量子ドット分散体に比べて量子効率の低下が抑制され且つ分散安定性に優れることを確認することができる。
実験例2:
前記実施例及び比較例で製造された光変換インク組成物の粒度変化率を測定してその結果を下記の表6に表した。また、光変換インク組成物を用いて下記のように光変換コーティング層を製造し、このときの光変換効率、密着性、塗膜硬度、及びアウトガスの発生特性を下記のような方法にて測定し、その結果を下記の表6に表した。
<光変換コーティング層の製造>
実施例及び比較例で製造されたそれぞれの光変換インク組成物をインクジェット方式で5cm×5cmガラス基板上に塗布した後、紫外線光源としてg、h、i線をいずれも含有する1kWの高圧水銀灯を用いて100mJ/cmで照射後、180℃の加熱オーブンで30分間加熱して、光変換コーティング層を製造した。
(1)光変換効率
製造された光変換コーティング層を青色(blue)光源(XLamp XR−E LED、Royal blue 450、Cree社製)の上部に位置させた後、輝度測定器(CAS140CT Spectrometer、Instrument systems社製)を用いて光変換効率を下記の数学式1にて測定した。
光変換効率(%)が高いほど優れた輝度を得ることができる。
Figure 2021123724
(2)密着性
製造された光変換コーティング層をASTM D3359に基づいてクロス−カットテストを実施し、このときの接着力を下記の評価基準によって評価した。
<評価基準>
OB:薄片に壊れ、65%以上剥離する
1B:カットした部位の末端及び格子が剥離され、その面積が35%以上65%未満
2B:カットした部位の交差部分から小さな領域が剥離され、その面積が15%以上35%未満
3B:カットした部位の交差部分から小さな領域が剥離され、その面積が5%以上15%未満
4B:カットした部位の交差部分から小さな領域が剥離され、その面積が5%未満
5B:カットした部分の末端がなめらかで、剥離した格子なし
(3)塗膜の硬度
塗膜の硬度特性は鉛筆硬度で確認した。鉛筆硬度はJIS K 5400、5600規格に準して鉛筆硬度測定機(Pencil Hardness Tester、ソックホ科学社製)で測定し、鉛筆は三菱社製の硬度保証用鉛筆のうちの6B〜6H硬度範囲を用いた。先ず、目視にて圧痕やキズなどを観察し、5回測定のうち2回未満で圧痕やキズが発生したとき、OKと判定した。OKと判定された最大硬度を塗膜の硬度とした。
(4)粒度変化率
ELSZ−2000ZS(大塚電子社製)を用いて光変換インク組成物の初期分散粒度と40℃で2週間保管後の分散粒度を測定し、粒度変化率を下記の数学式2を用いて求め、下記の評価基準によって評価した。通常、量子ドット粒子が凝集すると分散粒度は大きくなり、これにより発光特性が低下するという問題を引き起こし得る。
[数学式2]
粒度変化率=光変換インク組成物の40℃で2週間保管後の分散粒度/光変換インク組成物の初期分散粒度
<評価基準>
○:粒度変化率105%以下
△:粒度変化率105%超〜110%以下
×:粒度変化率110%超
(5)アウトガス(outgas)の発生特性
Py−GC/MSにて180℃で30分間熱分解して捕集された化合物を分析した。評価結果は、その基準として比較例9のアウトガス総量を100%にして百分率にて求めた。前記アウトガスの測定は、いずれも10.0μm厚さの塗膜を対象に行った。
Figure 2021123724
前記表6から、本発明に係る表面上に化学式1で表される化合物と、化学式2及び3で表される化合物のうちの一つ以上を含む配位子層を有する量子ドットを含む実施例40〜58の光変換インク組成物は、比較例9〜12の光変換インク組成物に比べて光変換効率に優れ、且つ密着性及び塗膜硬度が良好であるのみならず、粒度変化率が小さく且つアウトガスの発生が抑制されることを確認することができる。
以上、本発明の特定の部分について詳しく記述したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、このような具体的な記述は単に好適な具現例であるに過ぎず、これらによって本発明の範囲が制限されるものではないことは明らかである。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、前記内容を基に本発明の範疇内で種々の応用および変形を行うことが可能であろう。
したがって、本発明の実質的な範囲は、特許請求の範囲とその等価物によって定義されると言えよう。

Claims (13)

  1. 表面上に配位子層を有する量子ドットであって、
    前記配位子層が下記の化学式1で表される化合物と、下記の化学式2及び3で表される化合物のうちの一つ以上を含む、量子ドット。
    Figure 2021123724

    前記式中、
    Aは、C〜C30のアルキル基、C〜C30のシクロアルキル基、アリール基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルキニル基、C〜C31のアルキルエステル基、チオエーテル基、チオエステル基、シリル基又はシリルエステル基で、
    は、存在しないか、C〜C30のアルキレン基、C〜C30のアルキレンオキシ基、ポリアルキレングリコール基又はC〜C31のアルキレンエステル基であり、
    B及びEは、それぞれ独立して、存在しないか、O、S又はNRであり、
    Dは、O、S又はNRであり、
    は、C〜C30のアルキレン基、C〜C30のアルキレンオキシ基又はポリアルキレングリコール基であり、
    Xは、チオール、カルボキシル基又はアミン基であり、
    Rは、水素又はC〜Cのアルキル基であり、
    及びRは、それぞれ独立して、水素又はメチル基であり、
    は、C〜C30のアルキレン基、C〜C30のアルケニレン基、C〜C30のシクロアルキレン基、C〜C30のヘテロシクロアルキレン基、C〜C30のアルキレンオキシ基、アリーレン基又はアリールアルキレン基であり、
    は、存在しないか、C〜C30のアルキレン基であり、
    は、C〜C30のアルキレン基、C〜C30のアルケニレン基、C〜C30のシクロアルキレン基、C〜C30のヘテロシクロアルキレン基、C〜C30のアルキレンオキシ基、C〜C31のアルキレンエステル基、アリーレン基又はアリールアルキレン基であり、
    n及びmは、それぞれ独立して、0〜100の整数である。
  2. 及びRのうちの少なくともいずれか一つがポリアルキレングリコール基である、請求項1に記載の量子ドット。
  3. Aは、C〜C30のアルキル基又はC〜C30のアルケニル基であり、
    は、ポリアルキレングリコール基であり、
    B及びEは、それぞれ独立して、存在しないか、O、S又はNRであり、
    Dは、Oであり、
    は、C〜C30のアルキレン基であり、
    Xは、チオール基であり、
    Rは、水素又はC〜Cのアルキル基である、請求項1に記載の量子ドット。
  4. は、水素又はメチル基であり、
    は、存在せず、
    は、C〜C30のアルキレン基であり、
    mは、1〜10の整数である、請求項1に記載の量子ドット。
  5. 前記化学式1で表される化合物は、下記の化学式1−1〜1−23のいずれか一つで表される化合物である、請求項1に記載の量子ドット。
    Figure 2021123724

    Figure 2021123724

    Figure 2021123724
  6. 前記化学式2で表される化合物は、下記の化学式2−1〜2−42のいずれか一つで表される化合物である、請求項1に記載の量子ドット。
    Figure 2021123724

    Figure 2021123724

    Figure 2021123724

    Figure 2021123724

    Figure 2021123724

    Figure 2021123724
  7. 前記化学式3で表される化合物は、下記の化学式3−1〜3−19のいずれか一つで表される化合物である、請求項1に記載の量子ドット。
    Figure 2021123724

    Figure 2021123724

    Figure 2021123724
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の量子ドットと、硬化性モノマー及び溶剤のうちの一つ以上を含む、量子ドット分散体。
  9. 重合禁止剤を更に含む、請求項8に記載の量子ドット分散体。
  10. 請求項8に記載の量子ドット分散体を含む、硬化性組成物。
  11. 当該硬化性組成物は、無溶剤型の光変換インク組成物である、請求項10に記載の硬化性組成物。
  12. 請求項10に記載の硬化性組成物を用いて形成される、硬化膜。
  13. 請求項12に記載の硬化膜を含む、画像表示装置。
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