JP2021122456A - 靴底及びそれを備える履物 - Google Patents

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Abstract

【課題】セルロース繊維を配合した靴底において耐摩耗性を向上させた靴底を提供する。また、この靴底を備える履物を提供する。【解決手段】加硫された非発泡のゴムと、充填材と、セルロース繊維と、メルカプト系シランカップリング剤とを含有する靴底であって、JIS K 6264−2のウイリアムス摩耗試験B法により求めた摩耗量が470mm3/1000回転以下である靴底である。また当該靴底を備える履物である。【選択図】なし

Description

本発明は、靴底及びそれを備える履物に関する。
履物が地面に接する面には、靴底が配されている。靴底は、地面と接するため、靴の耐滑性能や履物を履いたときの疲れやすさに影響を及ぼす。以下に示す特許文献1のように、機能性を向上させた靴底も提案されている。
特許文献1には、ゴムに対して、特定の平均繊維径と、特定の平均繊維長とを有するセルロース繊維を、セルロース繊維の配合量が特定の配合量となるように配合したゴム組成物で構成された履物底が記載されている。この履物底は、水や油が付着した床面に対して高い耐滑性を発揮するとされている。
特許文献2には、スチレン‐ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、シリカ、シランカップリング剤、及び、架橋剤を含有し、スチレン‐ブタジエンゴムと、ブタジエンゴムとを所定の割合で含有するゴム組成物で、靴成形用部材を構成することが記載されている。特許文献2には、メルカプト系シランカップリング剤を配合するとゴムの耐摩耗性が向上する一方で、硬度が上昇する旨が記載されている。
特開2018−15149号公報 WO2015−151164号公報
本発明者らが検討したところ、特許文献1のように、ゴムに対してセルロース繊維を配合して構成した靴底では、防滑性能が向上するものの、靴底の耐摩耗性が十分でないことがあり、摩擦によって靴底がすり減りやすくなる懸念があった。
また、本発明者らが検討したところ、ゴムに対してセルロース繊維を配合して構成した靴底においては、メルカプト系シランカップリング剤を配合しただけでは、靴底の耐摩耗性が十分でないことがあり、摩擦により靴底がすり減りやすい傾向があった。
本発明は、セルロース繊維を配合した靴底において耐摩耗性を向上させた靴底を提供することを目的とする。また、この靴底を備える履物を提供することを目的とする。
加硫された非発泡のゴムと、充填材と、セルロース繊維と、メルカプト系シランカップリング剤とを含有する靴底であって、JIS K 6264−2のウイリアムス摩耗試験B法により求めた耐摩耗量が470mm/1000回転以下である靴底により、上記の課題を解決する。また、当該靴底を備える履物により、上記の課題を解決する。
上記の靴底、及び履物において、セルロース繊維は、その平均繊維長が1900μm以下であることが好ましい。また、前記の靴底、及び履物において、靴底の硬度は55〜72であることが好ましい。また、前記の靴底、及び履物において、充填材は、中空構造の充填材を含有するものであることが好ましい。また、前記の靴底、及び履物において、靴底の比重は、1.3以下であることが好ましい。
本発明によれば、セルロース繊維を配合した靴底において耐摩耗性を向上させることを可能にし、そのような耐摩耗性を向上させた靴底を備える履物を提供することが可能である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明の技術的範囲は、例示に過ぎず、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明は、加硫された非発泡のゴムと、充填材と、セルロース繊維と、メルカプト系シランカップリング剤とを含有する靴底、及び当該靴底を備える履物である。靴底は、JIS K 6264−2のウイリアムス摩耗試験B法により求めた摩耗量が470mm/1000回転以下である。
上記のゴムは、靴底に一般的に使用されるものを使用することが可能であり、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる1種以上のゴムが挙げられる。
上記の熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、又はアミド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、一種を使用してもよいし、2種以上の混合物として使用してもよい。
上記の充填材は、無機物質からなる粉体、又は粒体を使用することが可能であり、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、カーボン、クレー及びアルミナからなる群より選ばれる中実な充填材を使用することが可能である。また、上記の充填材として、例えば、ガラスバルーン、及びフライアッシュバルーンからなる群より選ばれる1種以上の中空構造を有する充填材を使用することができる。中実な充填材を使用すれば、例えば、比重が1.3以下の靴底を製造することができる。また、中空構造を有する充填材を使用すれば、軽量な靴底が得られる。例えば、比重が1.1以下の靴底を得ることができる。比重の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.8以上である。充填材として、シリカを使用する場合は、ヒュームドシリカなどの乾式シリカを使用してもよいし、コロイダルシリカなどの湿式シリカを使用してもよい。充填材の粒度は、特に限定されないが、例えば、BET比表面積で50〜600m/g、より好ましくは50〜350m/gのものを使用することができる。
セルロース繊維としては、任意の平均繊維幅を有するものを使用することができる。例えば、平均繊維幅が500μm以下のものを使用してもよいし、セルロース繊維の平均繊維幅が50μm以下のものを使用してもよいし、セルロース繊維の平均繊維幅が30μm以下のものを使用してもよいし、セルロース繊維の平均繊維幅が1000nm未満のものを使用してもよい。セルロース繊維の平均繊維長は、1000nm未満のものを使用すると、靴底の硬度の上昇を抑えつつ強度を向上させることができるので好ましい。セルロース繊維の平均繊維長は、特に限定されないが、例えば、5nm以上のものを使用することができる。
セルロース繊維の平均繊維幅又は平均繊維長は、以下のようにして求める。セルロース繊維を含有する懸濁液を調製し、当該懸濁液を親水処理したカーボン被覆グリッド上に載せて透過型電子顕微鏡で観察する。このとき走査型電子顕微鏡により観察してもよい。観察する試料に含まれるセルロース繊維の幅に応じて、1000倍、5000倍、1万倍、2万倍、5万倍、10万倍のいずれかの倍率で観察する。ただし、試料の調製と観察は、以下の2つの条件を満たすようにする。
1.観察した画像の中に一本の直線を引いた際に、当該直線と20本以上の繊維が交差するようにする。
2.上記の画像内に引いた直線に交差する2本目の直線を引き、当該2本目の直線と20本以上の繊維が交差するようにする。
上記の2本の直線を引いた画像について、1本目の直線に交差する20本以上の繊維について、繊維の短手方向における長さ、すなわち繊維幅と、繊維の長手方向における長さ、すなわち繊維長とを測定する。次に、2本目の直線に交差する20本以上の繊維について、繊維の短手方向における長さ、すなわち繊維幅と、繊維の長手方向における長さ、すなわち繊維長とを測定する。1本目の直線を用いて読み取った20本以上の繊維について繊維幅の小計値と、2本目の直線を用いて読み取った20本以上の繊維についての繊維幅の小計値とを合計して合計値を算出する。前記合計値を繊維幅を読み取った繊維の本数で除して、平均繊維幅を算出する。平均繊維長についても、平均繊維幅と同様に算出する。
セルロース繊維として、植物原料から製造されたセルロース繊維を使用してもよいし、植物原料から製造されたセルロース繊維を化学的に修飾したセルロース繊維を使用してもよい。例えば、パルプなどの植物由来の原料を粉砕したり、TEMPO酸化したり、セルラーゼを用いて微細化したセルロース繊維が市販されているので、それを利用すればよい。セルロース繊維は、粉末の剤型のものを好適に使用することができる。
メルカプト系シランカップリング剤は、例えば、シリル基(Si)と、反応基としてメルカプト基(SH)を有するものを使用することができる。例えば、シリル基が、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は水素原子により置換されたものを好適に使用することができる。
メルカプト基は、シアネート基とチオウレタン化反応し反応生成物を生じるとされている。またメルカプト基は、プロピレンなどの二重結合とエン・チオール反応し反応生成物を生じるとされている。メルカプト系シランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、又は3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、2−メルカプトエチルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、又は4−メルカプトブチルトリエトキシシランを含有するものなどを使用することができる。
ゴムを加硫する際には、加硫剤を使用する。加硫剤は特に限定されず任意のものを使用すればよい。加硫剤としては、例えば、硫黄、ジチオジモルホリン又はアルキルフェノールジスルフィドなどの硫黄供与体、パーオキサイドなどの有機過酸化物などが挙げられる。
靴底には、加硫促進剤、老化防止剤、プロセスオイルなどのその他の成分を配合してもよい。加硫促進剤は、特に限定されないが、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、1,3−ジフェニルグアニジン、N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ヘキサメチレンテトラミン、1,3−ジエチル−2−チオ尿素、エチレンチオ尿素(2−メルカプトイミダゾリン)などが挙げられる。老化防止剤は、特に限定されないが、2,5−ジ−tert−ブチル−ハイドロキノン、モノ(又はジ,又はトリ)(α−メチルベンジル)フェノール、2-メルカプトベンズイミダゾール、4,4'−ビス(α, α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどが挙げられる。また、老化防止剤とともに、亀裂防止剤を併用することも可能である。プロセスオイルは、特に限定されないが、ナフテン系鉱油、芳香族系鉱油、又はパラフィン系鉱油などが挙げられる。
靴底は、硬すぎると靴を着用して歩いた際に、履き心地が悪く、また、足が疲れやすくなる傾向がある。一方、靴底が柔らかすぎると、靴底が減りやすくなる傾向がある。このため、靴底の硬度は、55〜72度であることが好ましい。靴底の硬度は、より好ましくは、60〜70度である。なお、ここでいう硬度とは、JIS K 6253-3:2012に準拠して測定したものであり、タイプAのデュロメーターで測定したものをいう。
本発明によれば、JIS K 6264−2のウイリアム摩耗試験B法により求めた摩耗量が470mm/1000回転以下である靴底を得ることができる。摩耗量の下限値は特に限定されないが、0mm/1000回転より大きい摩耗量、又は240mm/1000回転以上の摩耗量を例示することができる。
靴底を固定する対象となる履物は、特に限定されない。例えば、スニーカー、地下足袋、革靴などの短靴;作業用の長靴、革製のブーツ、レインブーツなどの長靴;又はサンダル、スリッパなどの踵を覆う部分のない履物などが挙げられる。
靴底の引裂強度又は引張強度は、高いにこしたことはない。しかしながら、履物を普段履きする程度の用途であれば、過度な引裂強度又は引張強度よりは、靴底の密度を小さくして軽量な靴底とする方が好ましい。そのような場合は、引裂強度は2.9〜3.9N/mmであってもよい。また、引張強度は、5.0〜9.0MPaであってもよい。ここでいう、引裂強度とは、JIS K 6252-1:2015の試験方法Bの方法に準拠した試験で求めた値であり、切り込みなしアングル形試験片を用いて求めた値である。また、引張強度とは、JIS K 6251:2017の方法に準拠した試験において、ダンベル状2号形試験片を使用した試験で求めた値である。
例えば、作業靴などの靴底に引裂強度が求められる用途においては、引裂強度は、4.8〜6.8N/mmとすることが好ましい。また、靴底に引張強度が求められる用途においては、引張強度は、14.0〜18.0MPaにすることが好ましい。
靴底は、伸びやすいと履き心地がよくなる傾向がある。このため、引張200%モジュラスの値は、4.0〜6.0MPaとなるようにすることが好ましい。ここでいう200%モジュラスとは、JIS K 6251:2017の方法に準拠した試験で求めた200%の伸びが生じたときにおける引張応力の値である。
セルロース繊維の配合量は、特に限定されないが、ゴム100重量部に対して、セルロース繊維を5〜30重量部配合することが好ましい。中実な充填材については、ゴム100重量部に対して、35〜65重量部配合することが好ましい。中空構造を有する充填材については、ゴム100重量部に対して、5〜25重量部配合することが好ましい。メルカプト系シランカップリング剤については、ゴム100重量部に対して、0.5〜5.0重量部配合することが好ましい。
以下、本発明の実施例について、説明する。以下に挙げる実施例は一例に過ぎず、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
表1の組成の欄に記載した各原料を使用して、靴底用のゴム組成物を製造した。実施例1では、未架橋のゴムとして、天然ゴム(NR)と、スチレンブタジエンゴム(SBR)と、ブタジエンゴム(BR)との混合物100重量部を使用した。表1において「セルロース繊維1」と記載したセルロース繊維は、市販のセルロース繊維(中越パルプ工業社製PDP−01)10重量部を使用した。当該セルロース繊維は、セルロース繊維の分散液と分散剤とを混合した後、液分を除いて粉末化されたものである。当該セルロース繊維の平均繊維長は1.0μm以上であり、平均繊維幅は3〜200nmである。表1において「充填材1」と記載した充填材は、BET比表面積がカタログ値で50〜350m/gである湿式シリカ50重量部を使用した。なお、湿式シリカは、液分が除去された市販品であり、配合量は固形分換算となっている。表1において「カップリング剤1」と記載したシランカップリング剤は、市販のメルカプト系シランカップリング剤2.5重量部を使用した。
上記の各原料と、硫黄3重量部と、加硫促進剤であるチアゾール系、スルフェンアミド系、アルデヒドアンモニア系、グアニジン系及びチウラム系の加硫促進剤を3重量部と、ナフテン系プロセスオイル14重量部とを、バンバリーミキサーとオープンロールを使用して、混練りした。混練りしたゴム組成物を後述する各物性試験に適した寸法に成形し、成形したものを加熱して加硫し、各物性試験用の実施例1に係る試験片を製造した。
[実施例2ないし5]
表2に記載したように、各原料の配合比を変更した点以外は、実施例1と同様の方法によって、各物性試験用の実施例2ないし5に係る試験片を製造した。なお、表2において、「セルロース繊維2」と記載したセルロース繊維は、レッテンマイヤージャパン株式会社製の市販のセルロース繊維(ARBOCEL FIF400)であり、表1においても同様である。また、表2において、「セルロース繊維3」と記載したセルロース繊維は、レッテンマイヤージャパン株式会社製の市販のセルロース繊維(ARBOCEL BE600−30)であり、表1においても同様である。また、表2において「カップリング剤2」と記載したシランカップカップリング剤は、市販のスルフィド系シランカップリング剤であり、表1においても同様である。セルロース繊維2の平均繊維長及び平均繊維幅は、それぞれ、2000μmと35μmである。セルロース繊維3の平均繊維長及び平均繊維幅は、それぞれ、30μmと18μmである。
[比較例1ないし4、比較例5ないし7]
表1に記載したように、各原料の配合比を変更した点以外は、実施例1と同様の方法によって、各物性試験用の比較例1ないし4に係る試験片を製造した。同様に、表2に記載したように、各原料の配合比を変更した点以外は、実施例1と同様の方法によって、各物性試験用の比較例5ないし7に係る試験片を製造した。
[実施例6ないし8、比較例8ないし10]
表3に記載したように、各原料の配合比を変更した点以外は、実施例1と同様の方法によって、各物性試験用の実施例6ないし8に係る試験片を製造した。同様に、表3に記載したように、各原料の配合比を変更した点以外は、実施例1と同様の方法によって、各物性試験用の比較例8ないし10に係る試験片を製造した。
上記の方法によって製造した各試験片について、以下に示す物性試験を行った。
[硬度測定]
JIS K 6253-3:2012の方法に準拠して、硬度を測定した。試験片は、JIS K 6250の方法にしたがって作成した。デュロメーターは、西東京精密株式会社製のタイプAデュロメーターを使用した。
[引裂強度]
JIS K 6252-1:2015の方法に準拠して、引裂強度を測定した。引裂強度は、切り込みなしアングル形試験片を用いて試験方法Bにより、求めた。
[引張試験]
JIS K 6251:2017の方法に準拠して、引張伸び率、引張100%モジュラス、引張200%モジュラス、引張300%モジュラス、引張強度を求めた。試験片は、ダンベル状2号形試験片を使用した。なお、引張伸び率は、当該JIS試験における「切断時伸び」にあたり、引張100%モジュラスは、当該JIS試験に「所定伸びにおける引張応力」にあたり、試験片に100%の伸びを与えたときの引張力を試験片の試験前の断面積で除した値のことである。引張200%モジュラス、及び引張300%モジュラスは、それぞれ上記の100%を200%、300%に読み替える。引張強度は、当該JIS試験における「引張強さ」にあたる。
[摩耗試験]
JIS K 6264−2:2005に規定されたウイリアムス摩耗試験機を用いてB法により、上記の各試験片の耐摩耗性を調べた。
上記の各実施例及び各比較例の組成と物性試験の結果を以下の表1ないし表3に示す。
Figure 2021122456
Figure 2021122456
Figure 2021122456
表1及び表2に示した実施例1ないし実施例5に係る試験片は、ゴムと、セルロース繊維と、充填材と、メルカプト系シランカップリング剤とを含有しており、比較例1ないし6に係る試験片に比して、試験片の耐摩耗性が向上していることがわかる。
上記の比較例7の試験片における摩耗量と、比較例7の組成にセルロース繊維を配合した比較例3の摩耗量とを比較すると、セルロース繊維のみを配合した比較例3の試験片において、耐摩耗性が低下していることがわかる。比較例9及び比較例10の比較からも、セルロース繊維を配合すると耐摩耗性が低下することがわかる。
実施例1の試験片と、比較例3の試験片と、比較例4の試験片と、比較例5の試験片との比較からは、メルカプト系シランカップリング剤とセルロース繊維と充填材とをゴムに配合することによって、セルロース繊維と充填材とゴムとを含有しているがメルカプト系シランカップリング剤を含有しない試験片、メルカプト系シランカップリング剤と充填材とゴムとを含有するがセルロース繊維を含有しない試験片、メルカプト系シランカップリング剤とセルロース繊維と充填材とを含有するが充填材の配合量が少ない試験片のそれぞれに比して、試験片の耐摩耗性がより向上していることがわかる。
また、実施例1の試験片と、比較例1又は比較例2の試験片との比較から、メルカプト系シランカップリング剤と充填材とセルロース繊維とゴムとを含有する試験片の方が、スルフィド系シランカップリング剤と充填材とセルロース繊維とゴムとを含有する比較例1又は比較例2の試験片よりも耐摩耗性が向上していることがわかる。
実施例1の試験片と実施例4の試験片との比較から、セルロース繊維の平均繊維幅が35μmを越える大きな値になると、靴底の耐摩耗性は向上するものの、靴底が硬くなることがわかる。また、実施例1の試験片と実施例5の試験片との比較から、セルロース繊維の平均繊維幅が1000nm未満となるいわゆるナノセルロース繊維を配合した方が、平均繊維幅18μmのような中程度の繊維長のセルロース繊維を配合するよりも、靴底の耐摩耗性が向上し、靴底の柔軟性も過度には硬くならないことがわかる。また、実施例1の試験片と実施例4又は実施例5の試験片との比較から、ナノセルロース繊維を配合すると、硬度の上昇を抑えて、靴底の強度を向上させることができることがわかる。
ガラスバルーンをゴムに配合すると靴底が硬くなり、靴底の耐摩耗性が著しく低下することが知られている。実施例6ないし実施例8の試験片では、ガラスバルーンを配合しているにもかかわらず、高い耐摩耗性を備えていることがわかる。実施例6ないし実施例8の試験片では、実施例1ないし5の試験片に比して、比重が小さくなっている。例えば、右足又は左足の靴一足分の靴底を実施例1の試験片で構成すると142g程度の重量となる。一方、右足又は左足の靴一足分の靴底を実施例1の試験片で構成すると約120gの軽量な靴底を構成することができる。
比較例5の摩耗量の結果からは、充填材の量を減らすと、耐摩耗性が低下することがわかる。実施例6の摩耗量の結果から、中実な充填材に加えて、中空構造を有する充填材を加えることにより、耐摩耗性の低下を防ぐことができることがわかる。

Claims (6)

  1. 加硫された非発泡のゴムと、充填材と、セルロース繊維と、メルカプト系シランカップリング剤とを含有する靴底であって、
    JIS K 6264−2のウイリアムス摩耗試験B法により求めた摩耗量が470mm/1000回転以下である靴底。
  2. セルロース繊維は、その平均繊維幅が500μm以下である請求項1に記載の靴底。
  3. 硬度が55〜72である請求項1又は2に記載の靴底。
  4. 充填材は、中空構造の充填材を含有するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の靴底。
  5. 靴底の比重は、1.3以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の靴底。
  6. 請求項1ないし5のずれかに記載の靴底を備える履物。
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