図1は、本発明のパチンコ機1の正面図であり、図2は、パチンコ機1が有する遊技盤20の概略構成図であり、図3は、パチンコ機1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施例では、始動口に遊技球が入球したことを契機として特別図柄の変動表示を開始し、当該特別図柄が所定の大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技を開始する、いわゆるセブン機タイプ(第1種タイプ)の遊技機に本発明を適用した例について説明する。
[パチンコ機1の外観構成]
本実施例のパチンコ機1は、図1に示すように、前面枠(ガラス枠)3に嵌め込まれたガラス板(透明板)4を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤20と、遊技球を貯留する上受け皿11および下受け皿12と、上受け皿11に貯留されている遊技球を遊技盤20へ発射するための発射ハンドル13と、を備える。本実施例のパチンコ機1は、プリペイドカードに対応したCR機であり、当該パチンコ機1の左側には、プリペイドカードの読み書きを行なうためのCRユニット50が設けられている。
前面枠3は、内枠5に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として内枠5に対して開閉可能となっている。また、内枠5は、外枠2に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として外枠2に対して開閉可能となっている。前面枠3と内枠5は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。一方、外枠2は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、遊技ホールの島設備の島枠に固定される。
前面枠3の上部左右には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に対して注意喚起するための警告音を鳴らしたりするスピーカ14が設けられている。また、前面枠3には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ(ランプ)15が複数設けられている。
上受け皿11には賞球や貸球が払い出されるようになっている。上受け皿11の上面右部には、CRユニット50に挿入されたプリペイドカードの残高等を表示する精算表示装置52が配設され、当該精算表示装置52には、遊技球の貸し出しを指示する球貸ボタン53と、CRユニット50に挿入されているプリペイドカードの精算(返却)を指示する精算ボタン54と、が設けられている。また、上受け皿11の上面中央部には、遊技者の操作に応じて各種演出を行なうための演出ボタン16が配設されている。下受け皿12は上受け皿11から溢れた球を受けることができるようになっている。
発射ハンドル13は、下受け皿12の右方に設けられており、遊技者により時計回りに回動操作されると、図示しない発射装置が有する発射モータ83(図3参照)が作動し、発射ハンドル13の回動操作量に応じた発射威力で遊技球を1球ずつ遊技盤20へ向けて打ち出す。
[遊技盤20の構成]
遊技盤20は、図2に示すように、外レール21aと内レール21bとによって囲まれる遊技領域21が形成されている。この遊技盤20は、遊技領域21の略中央部に設けられた演出図柄表示装置37と、演出図柄表示装置37の周囲に配置されたワープ入口やワープ樋,ステージ等を含むセンター役物38と、センター役物38の右方に配置された普通図柄作動ゲート22と、センター役物38の下方に配置された常時開放の第1始動口23と、普通図柄作動ゲート22の下方に配置された開閉式の第2始動口24と、遊技領域21の右下部に配置された大入賞口25と、遊技領域21の左下部に配置された常時開放の普通入賞口26と、何れの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口29と、を備える。また、遊技盤20には、遊技領域21を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする多数の釘21cが植設されている。
第2始動口24は、普通電動役物として構成される可変式の入球口であり、左右一対の開閉羽根(開閉部材)24bと、開閉羽根24bを作動させる第2始動口ソレノイド24c(図3参照)と、を備える。この第2始動口24は、通常は、開閉羽根24bが直立して遊技球の入球が困難な通常状態とされており、普通図柄が当り図柄で停止表示されて当り遊技(普通図柄当り遊技)が実行されるときに、第2始動口ソレノイド24cによって開閉羽根24bが左右に開くことにより、遊技球の入球が容易な開放状態とされる。第2始動口24には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第2始動口スイッチ24aが取り付けられている。第2始動口24は、第2始動口スイッチ24aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。
大入賞口25は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、開閉板(開閉部材)25bと、開閉板25bを作動させる大入賞口ソレノイド25c(図3参照)と、を備える。この大入賞口25は、通常は、開閉板25bによって塞がれて遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、特別図柄が大当り図柄で停止表示されて大当り遊技が実行されるときに、大入賞口ソレノイド25cによって開閉板25bが手前に開くことにより、遊技球の入球が可能な開放状態とされる。大入賞口25には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための大入賞口スイッチ25aが取り付けられている。大入賞口25は、大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を9個カウントするか、9個カウントする前に所定の開放時間(例えば、28.0秒)が経過すると閉鎖される(大当りラウンド)。大当り遊技は、上記大当りラウンドを予め定められた所定回数(例えば5回や10回など)繰り返すことにより行なう。
第1始動口23は、遊技者が遊技球を遊技領域21の左側領域(第1遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる左打ち)することにより遊技球を入球させることができる。一方、第2始動口24,大入賞口25は、左打ちによって遊技球を入球させることは不可能であり、遊技球を遊技領域21の右側領域(第2遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる右打ち)することにより遊技球を入球させることができる。もっとも、第2始動口24および大入賞口25は、可変式の入賞口であり、それぞれ、普通図柄が当選した場合,特別図柄が大当りで当選した場合に開放されてはじめて遊技球が入球可能となる。
遊技盤20の右下部には、第1特別図柄表示装置(第1特図表示装置)31と、第2特別図柄表示装置(第2特図表示装置)32と、第1特別図柄保留数表示装置(第1特図保留数表示装置)33と、第2特別図柄保留数表示装置(第2特図保留数表示装置)34と、普通図柄表示装置(普図表示装置)35と、普通図柄保留数表示装置(普図保留数表示装置)36と、が配置されている。
第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、本実施例では、7セグメント表示装置として構成されており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数種類の表示態様を表現する。第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、始動口への遊技球の入球に基づいて表示態様を順次切り替えることにより特別図柄の変動表示を開始し、所定の変動時間が経過したときに予め定められた複数の停止表示態様の何れかで停止表示することにより特別図柄を停止表示する。そして、特別図柄が所定の停止表示態様(大当り図柄)で停止表示されると、大当り遊技が実行される。第1特図表示装置31は、第1始動口23への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第1始動口入球用の表示装置であり、第2特図表示装置32は、第2始動口24への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第2始動口入球用の表示装置である。なお、第1特図表示装置31により表示される特別図柄を第1特別図柄(第1特図)とも呼び、第2特図表示装置32により表示される特別図柄を第2特別図柄(第2特図)とも呼ぶ。
なお、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に第1始動口23に遊技球が入球した場合、第1特別図柄の変動表示を所定数(実施例では4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第1特別図柄の変動表示を順次開始する。第1特別図柄の保留数は、第1特図保留数表示装置33に表示される。また、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に第2始動口24に遊技球が入球した場合も、第2特別図柄の変動表示を所定数(例えば、4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第2特別図柄の変動表示を順次開始する。第2特別図柄の保留数は、第2特図保留数表示装置34に表示される。
普図表示装置35は、本実施例では、当りの場合に点灯し外れの場合に消灯する第1表示部と、当りの場合に消灯し外れの場合に点灯する第2表示部と、を有するLED表示装置として構成されている。普図表示装置35は、普通図柄作動ゲート22に設けられたゲートスイッチ22aが遊技球を検知したことに基づいて、第1表示部の点灯と第2表示部の点灯とを交互に繰り返すことにより普通図柄を変動表示し、所定の変動時間が経過すると、第1表示部および第2表示部の何れか一方を点灯し他方を消灯することにより普通図柄を停止表示する。普通図柄が当り図柄で停止表示されると、第2始動口24が開放される。
なお、本実施例では、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート22を通過したときには、普通図柄の変動表示を所定数(例えば、4個)まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留している普通図柄の変動表示を順次開始する。普通図柄の保留数は、普図保留数表示装置36に表示される。
演出図柄表示装置37は、液晶ディスプレイ等により構成される画像表示装置であり、表示画面上で特別図柄に対応する演出図柄(疑似図柄)371L,371C,371Rの表示(図柄変動演出)の他、リーチ演出や各種報知演出(後述の前兆演出)等の様々な演出表示を行なう。なお、リーチ演出には、「ノーマルリーチ」や、ノーマルリーチから発展する「スーパーリーチ」、ノーマルリーチから発展する「ストーリーリーチ」等が含まれる。図4は、演出図柄表示装置37の演出表示の一例を示す説明図である。図示するように、演出図柄表示装置37の表示画面の中央部には、数字や英字、文字、記号、キャラクタ等(図の例では、数字)からなる左,中,右の3つの演出図柄371L,371C,371R(図柄変動演出用の図柄)が表示される。3つの演出図柄371L,371C,371Rは、始動口(第1始動口23または第2始動口24)に遊技球が入球すると、上から下へスクロールするように変動表示され、所定の変動時間が経過すると、左,右,中の順に停止表示される。右の演出図柄371Rが停止表示されたときに当該右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致しなかったときには、外れ(通常外れ)となる。一方、右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致したときには、リーチとなり、リーチ演出に移行する。そして、当該リーチ演出を経て中の演出図柄371Cが停止表示されたときに当該中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致しなかったときには、外れとなり(リーチ外れ)、中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致したときには、大当りとなる。なお、演出図柄表示装置37の表示画面には、演出内容に応じて表示態様(表情)が変化するキャラクタ図柄373が表示される。
また、図4に示すように、演出図柄表示装置37の表示画面の下部には、左右両側に保留図柄372を表示するための保留図柄表示領域(所定表示領域)37aが設けられ、左右の保留図柄表示領域37aの間(表示画面下部の中央)に変動中図柄374を表示するための変動中図柄表示領域(特定表示領域)37bが設けられている。左側の保留図柄表示領域37aには、保留図柄372として第1特別図柄の保留記憶に対応する第1保留図柄372aが表示され、右側の保留図柄表示領域37aには、保留図柄372として第2特別図柄の保留記憶に対応する第2保留図柄372bが表示される。第1保留図柄372aは、特別図柄の変動表示中等に第1始動口23に遊技球が入球する毎に左側の保留図柄表示領域37aに1つずつ追加表示され、第1特別図柄の変動表示が開始される毎に1つずつ消去され、1つ消去される毎に右側に順次移動表示(シフト)する。また、第2保留図柄372bは、特別図柄の変動表示中等に第2始動口24に遊技球が入球する毎に右側の保留図柄表示領域37aに1つずつ追加表示され、第2特別図柄の変動表示が開始される毎に1つずつ消去され、1つ消去される毎に左側に順次移動表示(シフト)する。変動中図柄374は、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が開始される際に変動中図柄表示領域37bに表示され、当該変動表示が終了する際に消去される。このため、第1特別図柄の変動表示の開始により、第1保留図柄372aが1つ消去されて右側(中央側)に順次移動表示したタイミングで変動中図柄374が中央に表示されることになるから、第1保留図柄372aが右側に移動して変動中図柄374に変わったように見えるものとなる。同様に、第2特別図柄の変動表示の開始により、第2保留図柄372bが1つ消去されて左側(中央側)に順次移動表示したタイミングで変動中図柄374が中央に表示されることになるから、第2保留図柄372bが左側に移動して変動中図柄374に変わったように見えるものとなる。なお、変動中図柄374は、変動表示の終了時に消去されるものに限られず、変動表示中の所定タイミング、例えばリーチが開始されるタイミングなどで消去されるものとしてもよい。
図5は、保留図柄372と変動中図柄374の表示態様の一例を示す説明図である。図示するように、保留図柄372(第1保留図柄372a,第2保留図柄372b)は、例えば丸形状(第1形状)の図柄であり、例えば青色など(第1色)の第1所定表示態様の保留図柄Aと、例えば黄色など(第2色)の第2所定表示態様の保留図柄Bと、例えば赤色など(第3色)の第3所定表示態様の保留図柄Cとを表示可能となっている。保留図柄372は、保留図柄Aから保留図柄B、保留図柄Bから保留図柄Cにそれぞれ変化可能となっており、保留図柄Aから保留図柄Cに一気に2段階変化可能としてもよい。また、保留図柄372が追加表示される際には第1所定表示態様の保留図柄Aが表示されるが、追加表示される際に、第2所定表示態様の保留図柄Bが表示されたり、第3所定表示態様の保留図柄Cが表示されたりしてもよい。変動中図柄374は、例えば星形状(第2形状)の図柄であり、例えば青色など(第1色)の第1特定表示態様の変動中図柄Aと、例えば黄色など(第2色)の第2特定表示態様の変動中図柄Bと、例えば赤色など(第3色)の第3特定表示態様の変動中図柄Cとを表示可能となっている。変動中図柄374は、変動中図柄Aから変動中図柄B、変動中図柄Bから変動中図柄Cにそれぞれ変化可能となっており、変動中図柄Aから変動中図柄Cに一気に2段階変化可能としてもよい。また、後述するように、変動表示の開始に伴って第1所定表示態様の保留図柄Aが消去された場合には、第1特定表示態様の変動中図柄Aが表示され、変動表示の開始に伴って第2所定表示態様の保留図柄Bが消去された場合には、第2特定表示態様の変動中図柄Bが表示され、変動表示の開始に伴って第3所定表示態様の保留図柄Cが消去された場合には、第3特定表示態様の変動中図柄Cが表示される。また、保留図柄372の表示態様が変化する場合や変動中図柄374の表示態様が変化する場合には、通常は後述する前兆演出が行なわれる。保留図柄372と変動中図柄374とは、到達段階が多段階になるほど大当り期待度(信頼度)が高いものとなる。即ち、保留図柄372の大当り期待度は、高い方から保留図柄C,保留図柄B,保留図柄Aの順となり、変動中図柄374の大当り期待度は、高い方から変動中図柄C,変動中図柄B,変動中図柄Aの順となる。
[制御回路の構成]
また、パチンコ機1は、図3に示すように、その制御回路として、主制御装置60と、払出制御装置70と、発射制御装置80と、サブ統合制御装置90と、演出図柄制御装置91と、を備える。主制御装置60は、CPU60aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU60aの他に、処理プログラムやテーブルを記憶するROM60b,処理プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM60c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。なお、図示しないが、払出制御装置70や発射制御装置80も同様に、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPUの他に、ROM,RAM,入出力ポート,通信ポートなどを備える。また、パチンコ機1には外部接続端子板65が設けられており、外部接続端子板65により遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ100(図3参照)へ送信される。
主制御装置60は、遊技の基本的な進行の制御を行なうものである。図3に示すように、主制御装置60には、前面枠3の開放を検知する前面枠開放スイッチ3aや、内枠5の開放を検知する内枠開放スイッチ5a等からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力される。また、主制御装置60には、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過を検知するゲートスイッチ22aや、第1始動口23への遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ23a、第2始動口24への遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ24a、大入賞口25への遊技球の入球を検知する大入賞口スイッチ25a、普通入賞口26への遊技球の入球を検知する普通入賞口スイッチ26a等からの検知信号が遊技盤中継端子板61を介して入力される。更に、主制御装置60には、パチンコ機1の裏側に設けられた設定キースイッチ67やRAMクリアスイッチ68からの操作信号が入力され、設定キースイッチ67やRAMクリアスイッチ68を用いた設定内容をパチンコ機1の裏側に設けられた設定表示装置(性能表示装置)69に表示可能となっている。
設定キースイッチ67は、特別図柄の大当り確率などの各種設定を行なう際に操作されるスイッチである。また、RAMクリアスイッチ68はRAMクリアを実行するためのスイッチであり、遊技ホールの管理者は、RAMクリアスイッチ68を押下した状態で電源を投入することでRAMクリアを実行することができる。本実施例では、各種設定を行なう際の設定値の選択にもRAMクリアスイッチ68が用いられる。設定表示装置69は、7セグメント表示装置として構成されており、各種設定における設定値やパチンコ機1の性能、エラー発生時のエラーコードなどを表示する。ここで、本実施例では、特別図柄の大当り確率としてそれぞれ異なる確率が定められた3つの設定1〜3の何れかを選択してセット可能な確率設定機能を有する。遊技ホールの管理者は、所定の鍵を設定キースイッチ67に挿入して回転させることで、設定値の変更が可能な状態とすると、現在の大当り確率の設定1〜3に対応する「1」〜「3」のいずれかの数字が設定表示装置69に表示される。また、設定表示装置69は、RAMクリアスイッチ68が押下される度に「1」〜「3」の数字を順番に表示する。このため、管理者は、設定表示装置69に表示される数字が所望の設定値に対応する数字となるようにRAMクリアスイッチ68を押下して所望の設定値を選択し、設定キースイッチ67に挿入した鍵を回転させて初期位置に戻すことにより、選択した設定値(設定1〜3の何れか)を確定して特別図柄の大当り確率としてセットすることができる。なお、本実施例では、設定キースイッチ67およびRAMクリアスイッチ68を用いて設定値の選択およびセットを行なう構成としたが、例えば、回転つまみ等、外部から操作できるものであれば、他の如何なる操作手段を用いて設定値の選択やセットを行なう構成であってもよく、設定値を選択する専用のスイッチを設ける構成であってもよい。また、パチンコ機1は、設定値を設定表示装置69に表示するものとしたが、他の表示装置に表示してもよいし、音声により報知してもよい。また、設定1〜3の3つに限られず、複数の設定値のうちから選択可能なものであれば幾つであっても構わない。
また、主制御装置60からは、第2始動口ソレノイド24cや大入賞口ソレノイド25c等への駆動信号が遊技盤中継端子板61を介して出力される。また、主制御装置60からは、第1特図表示装置31や第2特図表示装置32、第1特図保留数表示装置33、第2特図保留数表示装置34、普図表示装置35、普図保留数表示装置36等への表示信号が図柄表示装置中継端子板62を介して出力される。更に、主制御装置60からは、ホールコンピュータ100への信号が裏配線中継端子板64および外部接続端子板65を介して出力される。
払出制御装置70は、賞球や貸球の払い出しに関する制御を司るものである。この払出制御装置70には、上受け皿11に払い出す遊技球を貯留するための図示しない球タンクの球切れを検知する球切れスイッチ76からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力され、上受け皿11に払い出される遊技球を検知する払出スイッチ74からの検知信号が払出中継端子板71および裏配線中継端子板64を介して入力され、下受け皿12の満杯を検知する満杯スイッチ75からの検知信号が直接に入力される。一方、払出制御装置70からは、払出モータ73への駆動信号が裏配線中継端子板64および払出中継端子板71を介して出力される。払出制御装置70は、主制御装置60と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置60から送信されるコマンドに従って払出モータ73を駆動して賞球の払い出しを行なう。払出制御装置70は、球切れスイッチ76および満杯スイッチ75の何れかから検知信号を入力すると、その検知の状況が解消して検知信号を入力しなくなるまで、払出モータ73を駆動停止し、賞球の払出動作を中断する。
また、払出制御装置70は、CRユニット端子板51を介してCRユニット50と通信可能に構成されている。CRユニット端子板51は精算表示装置52と双方向通信が可能に構成されており、払出制御装置70には、精算表示装置52に設けられた球貸スイッチ53aや精算スイッチ54aからの検知信号がCRユニット端子板51を介して入力される。なお、球貸スイッチ53aは、球貸ボタン53の操作を検知して検知信号を出力するものであり、精算スイッチ54aは、精算ボタン54の操作を検知して検知信号を出力するものである。払出制御装置70は、球貸コマンドを入力すると、払出モータ73を駆動して貸球の払い出しを行なう。また、払出制御装置70は、発射制御装置80とも双方向通信が可能に構成され、満杯スイッチ75から検知信号を入力する等の所定の発射停止条件が成立したときに、発射制御装置80に対して発射停止コマンドを送信する。
発射制御装置80は、遊技領域21への遊技球の発射に関する制御を司るものである。この発射制御装置80には、発射ハンドル13の回動操作に応じて出力される回動量信号や、発射停止ボタンの操作を検知する発射停止スイッチ81からの発射停止信号、遊技者が発射ハンドル13に触れていることを検知するタッチスイッチ82からのタッチ信号等が入力される。一方、発射制御装置80からは、発射モータ83への駆動信号が出力される。発射制御装置80は、回動量信号に基づく発射強度で遊技球が遊技領域21へ発射されるよう発射モータ83を制御する。なお、発射制御装置80は、タッチ信号を入力していないときや発射停止コマンドを入力しているときには、発射ハンドル13の操作に拘わらず発射モータ83の駆動を停止し、遊技球を発射させない。
サブ統合制御装置90は、遊技の演出に関する制御を司るものである。サブ統合制御装置90は、CPU90aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU90aの他に、ROM90b,RAM90c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。このサブ統合制御装置90は、演出中継端子板63を介して主制御装置60から一方向通信により各種コマンドを受信可能となっており、受信したコマンドに応じた演出制御を行なう。サブ統合制御装置90には、演出ボタン16の操作(押下)を検知する演出ボタンスイッチ16aからの検知信号が入力される。一方、サブ統合制御装置90からは、スピーカ14への音声信号や各種LEDやランプ15への点灯信号が出力される。また、サブ統合制御装置90からは、演出図柄制御装置91への演出表示制御用のコマンドが一方向通信により出力される。演出図柄制御装置91は、サブ統合制御装置90からの演出表示制御用のコマンドを受信し、そのコマンドに応じた演出画像が演出図柄表示装置37に表示されるよう当該演出図柄表示装置37の表示制御を行なう。
[パチンコ機1の遊技の概要]
次に、こうして構成されたパチンコ機1における遊技の概要について説明する。図6は、パチンコ機1の仕様を説明する説明図である。本実施例のパチンコ機1では、特別図柄の大当り確率は、第1特別図柄と第2特別図柄で同じ確率となっており、設定値1の通常状態(低確率状態,通常遊技状態)では1/319.9、確変状態(高確率状態,確変遊技状態)では1/74.6であり、設定値2の通常状態では1/299.4、確変状態では1/69.9であり、設定値3の通常状態では1/281.3、確変状態では1/65.6である。即ち、設定値1,2,3の順に大当り確率が高いものとなる。大当りが発生した後に遊技状態が確変状態に移行する確率は、第1特別図柄,第2特別図柄ともに60%であり、当該確変状態は、特別図柄の変動表示の回数が10,000回に達するまで、すなわち実質的に次に大当りを引くまで継続する。また、普通図柄の当り確率は、通常状態では、1/10であるが、時短状態では、約1/1(約100%)である。普通図柄が当選したときの第2始動口24(普通電動役物)の開放パターンは、通常状態では、最大0.2秒間、1回開放されるが、時短状態と共に発生する開放延長状態では、最大3.0秒間、1回に延長される。第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示は共に4個まで保留され、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示が優先して行なわれる(特図2優先変動)。
こうした仕様のパチンコ機1において、左打ち(第1遊技領域への遊技球の発射)により第1始動口23に遊技球が入球する(所定の始動条件が成立する)と、第1特別図柄の変動表示が開始される。そして、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示されると、大当りとなり、大入賞口25が開放される大当り遊技が実行される。大入賞口25は、左打ちでは遊技球の入球が不能であり、右打ち(第2遊技領域への遊技球の発射)することにより遊技球の入球が可能となる。したがって、大当り遊技が実行されると、遊技者は右打ちすることにより大当り遊技が消化されることになる。なお、特別図柄の当り図柄に、大入賞口25の開放時間が大当り遊技よりも短い小当り遊技が実行される小当り図柄を含めてもよい。
大当り図柄には、通常大当り図柄と確変大当り図柄とがあり、特別図柄が通常大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技の終了後の遊技状態は通常状態となり、特別図柄が確変大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技の終了後の遊技状態は確変状態となる。上述したように、確変状態は、特別図柄の変動表示の回数が10,000回に達するまで、すなわち実質的に次に大当りを引くまで継続する。確変状態では、特別図柄の当選確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる。また、本実施形態では、確変状態の開始に伴って時短状態(開放延長状態を含む)も発生させる。この時短状態では、図柄の変動時間が通常状態よりも短縮され、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高くなり、且つ、普通図柄が当選したときの第2始動口24の開放時間が通常状態よりも延長される。したがって、確変状態では、遊技者は、右打ちして主に第2特別図柄を変動させる遊技を進行させることにより、大当りを有利に発生させることができ、短時間で多くの出玉を獲得できるチャンスとなる。
[主制御処理]
次に、パチンコ機1の動作、特に主制御装置60の動作について更に詳細に説明する。図7は、主制御装置60のCPU60aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機1の電源スイッチが操作されたときに実行される。主制御処理は、パチンコ機1の電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S100)、乱数更新処理(S110)と、入賞確認処理(S120)と、始動入賞処理(S130)と、普通図柄遊技処理(S140)と、普通図柄当り遊技処理(S150)と、特別図柄遊技処理(S160)と、大当り遊技処理(S170)と、を繰り返し実行することにより行なわれる。なお、本実施例では、S110〜S170の処理に要する時間は約2msecであり、これらの処理は、約2msecの間隔で繰り返し実行される。主制御装置60は、主制御処理の実行により、各種コマンドを担当する制御装置に送信してコマンドに応じた処理を実行させることで、パチンコ機1の全体の遊技を進行させている。なお、S100の電源投入処理では初期状態から起動する際に、上述したように設定キースイッチ67およびRAMクリアスイッチ68を用いて選択された大当り確率の設定値などの各種設定値が読み出されて設定される。
[乱数更新処理]
S110の乱数更新処理は、各種判定用乱数(判定用情報)を更新する処理である。判定用乱数としては、例えば、始動口(第1始動口23または第2始動口24)への遊技球の入球に基づいて行なわれる大当り判定(当否判定)に用いる大当り判定用乱数(特別図柄当否判定用乱数)や、大当り判定の結果が大当りであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる大当り図柄の決定に用いる大当り図柄決定用乱数,大当り判定の結果が外れであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる外れ図柄の決定に用いる外れ図柄決定用乱数、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過に基づいて行なわれる当否判定に用いる普通図柄当否判定用乱数、特別図柄の変動表示パターン(変動時間)の決定に用いる変動パターン決定用乱数、変動表示中にリーチになるか否かやリーチの種類の決定に用いるリーチ決定用乱数などを挙げることができる。乱数更新処理を終了すると、主制御処理に戻って次の入賞確認処理(S120)に進む。
[入賞確認処理]
S120の入賞確認処理は、各種センサ(第1始動口スイッチ23aや第2始動口スイッチ24a、ゲートスイッチ22a、大入賞口スイッチ25a、普通入賞口スイッチ26aなど)の状態を検出してRAM60cの所定の状態記憶領域に保存する。また、賞球に関わるスイッチ(ゲートスイッチ22aを除く上記入賞口スイッチ)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM60cの所定の賞球情報記憶領域に保存する。そして、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御装置70に送信して入賞確認処理を終了する。払出制御装置70は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ73を駆動して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出スイッチ74により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御装置60から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。入賞確認処理を終了すると、主制御処理に戻って次の始動入賞処理(S130)に進む。
[始動入賞処理]
図8は、始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。S130の始動入賞処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、第1始動口スイッチ23aからの検知信号を入力して第1始動口23に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口23に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新し(S204)、第1特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S206)。ここで、S206で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ決定用乱数など第1特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。次に、開放延長状態中であるか否かを、確変フラグが値1であるかに基づいて判定し(S208)、開放延長状態中でなく通常状態中であると判定すると、取得した判定用乱数に基づいて先読み判定処理を実行し(S210)、通常状態中でなく開放延長状態中であると判定すると、S214に進む。ここで、先読み判定処理は、S206で取得した判定用乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ決定用乱数)に基づいて第1特別図柄を変動表示する直前に行なわれる判定に先立って当該判定用乱数に基づいて行なう処理である。本実施例では、大当り判定用乱数の確認を行なうと共に、確認の結果、大当りに該当するものであった場合には大当り図柄決定用乱数を用いていずれの大当り図柄に該当するかの確認を行なう。なお、通常状態中であるため、後述する低確率用の大当り判定テーブルを用いて、大当り判定用乱数が大当りに該当するかを確認する。また、変動パターン決定用乱数やリーチ決定用乱数の確認を行なってもよく、いずれの変動パターンに該当するかやリーチになるか否か、いずれの種類のリーチに該当するかなどを確認してもよい。そして、先読み判定に係る確認の結果などを含む第1特別図柄先読み判定コマンドをサブ統合制御装置90に送信すると共に(S212)、第1特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S214)、S216の処理に進む。なお、先読み判定コマンドに確認結果を含むものに限られず、取得した各判定用乱数の情報を含むものとし、そのコマンドを受信したサブ統合制御装置90がS210の先読み判定処理を実行するものなどとしてもよい。また、第1特別図柄保留数指示コマンドには、演出図柄表示装置37に第1保留図柄372aを表示させるための第1特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S200で第1始動口23に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限数に達していると判定すると、S204〜S214の処理をスキップして次のS216の処理に進む。
次に、第2始動口スイッチ24aからの検知信号を入力して第2始動口24に遊技球が入球したか否かを判定する(S216)。第2始動口24に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S218)。第2特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新し(S220)、第2特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S222)。ここで、S222で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ決定用乱数など第2特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。次に、大当り遊技中または確変状態中であるか否かを、大当りフラグが値1であるかまたは確変フラグが値1であるかに基づいて判定し(S224)、大当り遊技中または確変状態中であると判定すると、取得した判定用乱数に基づいて先読み判定処理を実行し(S226)、大当り遊技中または確変状態中のいずれでもないと判定すると、S230に進む。ここで、先読み判定処理は、S222で取得した判定用乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ決定用乱数)に基づいて第2特別図柄を変動表示する直前に行なわれる判定に先立って当該判定用乱数に基づいて行なう処理である。本実施例では、大当り判定用乱数の確認を行なうと共に、確認の結果、大当りに該当するものであった場合には大当り図柄決定用乱数を用いていずれの大当り図柄に該当するかの確認を行なう。なお、確変状態中や確変大当りに係る大当り遊技中は、後述する高確率用の大当り判定テーブルを用いて、大当り判定用乱数が大当りに該当するかを確認する。また、変動パターン決定用乱数やリーチ決定用乱数の確認を行なってもよく、いずれの変動パターンに該当するかやリーチになるか否か、いずれの種類のリーチに該当するかなどを確認してもよい。そして、先読み判定に係る確認の結果などを含む第2特別図柄先読み判定コマンドをサブ統合制御装置90に送信する(S228)。第2特別図柄先読み判定コマンドを送信するか、S224で大当り遊技中および確変状態中のいずれでもないと判定すると、第2特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S230)、S232の処理に進む。なお、先読み判定コマンドに確認結果を含むものに限られず、取得した各判定用乱数の情報を含むものとし、そのコマンドを受信したサブ統合制御装置90がS226の先読み判定処理を実行するものとしてもよい。また、遊技の状態に拘わらず第2特別図柄の先読み判定処理を行なうものとしてもよい。また、第2特別図柄保留数指示コマンドには、演出図柄表示装置37に第2保留図柄372bを表示させるための第2特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S216で第2始動口24に遊技球が入球していないと判定したり、S218で第2特別図柄の保留数が上限数に達していると判定すると、S220〜S230の処理をスキップして次のS232の処理に進む。
なお、判定用乱数記憶領域を当否判定用の記憶領域と先読み判定用の記憶領域とに分け、取得した判定用乱数をそれぞれの記憶領域に記憶する構成を採用することもできるし、判定用乱数記憶領域に記憶した判定用乱数を当否判定と先読み判定とで共用する構成を採用することもできる。また、判定用乱数を取得した際にそのまま先読み判定を実行し、その後に、取得した判定用乱数を当否判定のために判定用乱数記憶領域に記憶する構成を採用することもできる。いずれの構成を採用しても、先読み判定を問題なく実行することができる。
次に、ゲートスイッチ22aからの検知信号を入力して普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したか否かを判定する(S232)。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したと判定すると、現在の普通図柄の保留数がその上限数(例えば、値4)よりも少ないか否かを判定する(S234)。普通図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、普通図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に普図保留数表示装置36の表示を更新する(S236)。次に、普通図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S238)。なお、普通図柄の判定用乱数としては、上述した普通図柄当否判定用乱数などの普通図柄の変動遊技の進行に関する情報を例示することができる。そして、普通図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S240)、始動入賞処理を終了する。S232で普通図柄作動ゲート22に遊技球が通過していないと判定したり、S234で普通図柄の保留数が上限値に達していると判定したりすると、S236〜S240の処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄遊技処理(S140)に進む。
[普通図柄遊技処理]
S140の普通図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、普通図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する。保留数が値0であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、保留数が値0よりも多いと判定したときには保留数を値1だけデクリメントして普通図柄の当否判定を行なうと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる普通図柄(停止図柄)を決定する。普通図柄の当否判定は、普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過することに基づいて取得される普通図柄当否判定用乱数と普通図柄当り判定テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行ない、普通図柄当否判定用乱数がいずれかの当り値と一致したときには当りと判定し、普通図柄当否判定用乱数がいずれの当り値とも一致しなかったときには外れと判定する。本実施例では、通常状態のときには当り値の少ない、即ち当り確率の低い(例えば、1/10)低確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられ、時短状態にあるときには当り値の多い、即ち当り確率の高い(例えば、1/1)高確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられる。当否判定の結果が当りのときには、当り図柄を停止図柄に決定し、当否判定の結果が外れのときには、外れ図柄を停止図柄に決定する。そして、普通図柄の変動時間を設定して普通図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過していないと判定すると、普通図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間の設定は、通常状態のときには長時間(例えば、20秒)に設定され、時短状態のときには短時間(例えば、2秒)に短縮される。変動時間が経過すると、決定した停止図柄で普通図柄を停止表示する。停止表示した普通図柄が外れ図柄のときには、外れとして、普通図柄遊技処理を終了する。一方、停止表示した普通図柄が当り図柄のときには、当りとして、第2始動口24の開放時間を設定し、第2始動口24の開放作動を開始して普通図柄遊技処理を終了する。第2始動口24の開放時間は、通常状態のときには短時間(例えば、0.2秒×1回)に設定され、時短状態(開放延長状態)のときには長時間(例えば、3.0秒×1回)に延長される。また、第2始動口24の開放作動は、上述したように、第2始動口ソレノイド24cを駆動制御することによって、開閉羽根24bを左右に開くことにより行なう。普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄当り遊技処理(S150)に進む。
[普通図柄当り遊技処理]
S150の普通図柄当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、第2始動口24が開放作動中であるか否かを判定する。第2始動口24が開放作動中でないと判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、第2始動口24が開放作動中であると判定すると、開放作動を開始してからの経過時間(開放時間)が普通図柄遊技処理で設定された設定時間に達しているか否か、規定数(例えば、4個)の遊技球が第2始動口24に入球しているか否かを判定する。開放時間が設定時間に達しておらず規定数の遊技球が第2始動口24に入球してもいないと判定すると、第2始動口24の開放作動を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、開放時間が設定時間に達していると判定したり、開放時間が設定時間に達する前であっても既に規定数の遊技球が第2始動口24に入球していると判定したりすると、第2始動口24の開放作動を終了(第2始動口ソレノイド24cの駆動を終了)して、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の特別図柄遊技処理(S160)に進む。
[特別図柄遊技処理]
図9および図10は、特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S160の特別図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1であるか否か、即ち大当り遊技中であるか否かを判定する(S300)。大当りフラグが値1であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。なお、特別遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の大当り遊技処理(S170)に進む。一方、大当りフラグが値1でないと判定すると、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが、変動表示中であるか否か(S302)、確定図柄表示中であるか否か(S304)、をそれぞれ判定する。第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中ではなく確定図柄表示中でもないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S306)。第2特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第2特別図柄の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S308)、第2特別図柄の変動表示を行なうための変動表示関連処理を実行して(S310)、特別図柄遊技処理を終了する。
一方、第2特別図柄の保留数が値0であると判定すると、第1特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S312)。第1特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第1特別図柄の複数の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S314)、第1特別図柄の変動表示を行なうための変動表示関連処理を実行して(S316)、特別図柄遊技処理を終了する。S312で第1特別図柄の保留数が値0であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。S306〜S316では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0よりも多いときには第2特別図柄の変動表示(保留の消化)が優先して実行される(特図2優先変動)。勿論、これに限定されるものではなく、第1特別図柄の変動表示(保留の消化)を優先して行なうものとしてもよいし(特図1優先変動)、特別図柄の変動表示を始動口(第1始動口23,第2始動口24)への遊技球の入球順に行なうものとしてもよいし(入球順変動)、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して行なうものとしてもよい(同時変動)。以下、S310の第1特別図柄の変動表示関連処理およびS316の第2特別図柄の変動表示関連処理の詳細について説明する。図11は、変動表示関連処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下、重複を避けるため、第1特別図柄の変動表示関連処理と第2特別図柄の変動表示関連処理とを共通の図11のフローチャートを用いて説明する。
変動表示関連処理では、まず、確変フラグが値0であるか否か、即ち通常状態中であるか否かを判定する(S400)。確変フラグが値0(通常状態)であると判定すると、大当り確率が低確率である低確率用の大当り判定処理(当否判定)を行ない(S402)、確変フラグが値1(確変状態)であると判定すると、大当り確率が高確率である高確率用の大当り判定処理を行なう(S404)。大当り判定処理は、第1始動口23または第2始動口24への遊技球の入球に基づいて取得される大当り判定用乱数と大当り判定テーブルに含まれる大当り値とを比較することにより行ない、大当り判定用乱数がいずれかの大当り値と一致したときには大当りと判定し、大当り判定用乱数がいずれの大当り値とも一致しなかったときには外れと判定する。大当り判定テーブルは、大当り確率の現在の設定値(設定値1〜3のいずれか)に応じた低確率用および高確率用の大当り判定テーブルのうち、確変フラグが値0(低確率状態)のときには大当り値の少ない低確率用の大当り判定テーブルが用いられ、確変フラグが値1(高確率状態)のときには大当り値の多い高確率用の大当り判定テーブルが用いられる。大当り判定処理を行なうと、大当り判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S406)。
大当り判定処理の結果が大当りであると判定すると、S308またはS314で読み出した大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する(S408)。この処理は、大当り図柄決定用乱数を用いて大当り遊技の内容(ラウンド数)や大当り遊技終了後の遊技状態(通常状態,確変状態)が異なる複数の大当り図柄の中から一の図柄を選択することにより行なう。例えば、大当り遊技として5R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後に通常状態とする5R通常大当り図柄や、大当り遊技として5R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後に確変状態とする5R確変大当り図柄、大当り遊技として10R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後に確変状態とする10R確変大当り図柄などを有する。また、5R通常大当り図柄,5R確変大当り図柄,10R確変大当り図柄は、第1特別図柄ではそれぞれ40%,30%,30%の割合で出現し、第2特別図柄ではそれぞれ40%,10%,50%の割合で出現する。なお、決定した大当り図柄は、大当り遊技終了時まで保存される。これは、大当り遊技中は、遊技状態を設定する確変フラグの値をクリアする必要があることによる措置である。そして、S308またはS314で読み出した変動パターン決定用乱数やリーチ決定用乱数に基づいて特別図柄の変動表示を開始してから決定した大当り図柄で停止表示するまでの特別図柄の変動時間(大当り変動パターン)やリーチの内容(リーチの有無や種類)を決定する(S410)。
S406で大当り判定の結果が外れであると判定すると、S308またはS314で読み出した外れ図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄を決定する(S412)。そして、S308またはS314で読み出した変動パターン決定用乱数やリーチ決定用乱数に基づいて特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で停止表示するまでの特別図柄の変動時間(外れ変動パターン)やリーチの内容などを決定する(S414)。特別図柄の変動パターンは、例えば、通常状態のときには、平均変動時間が10秒の第1変動テーブルを用いて決定され、時短状態のときには、平均変動時間が3秒の第2変動テーブルを用いて決定される。
こうして変動パターンを決定すると、特別図柄の変動表示を開始し(S416)、特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に特図保留数表示装置の表示を更新する(S418)。この処理は、第1特別図柄の変動表示を開始する際には、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新する処理となり、第2特別図柄の変動表示を開始する際には、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新する処理となる。また、特別図柄の保留数の更新に伴って今回消化する保留に係る判定用乱数をクリアする。そして、変動指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S420)、変動表示関連処理を終了する。変動指示コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出図柄表示装置37で図柄変動演出が開始されるように演出図柄制御装置91に制御コマンドを送信する。変動指示コマンドには、大当り判定の結果や特別図柄の変動パターン(変動時間、リーチの内容)、確定図柄(通常大当り図柄、確変大当り図柄または外れ図柄)などが含まれる。
図9および図10の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S302で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御装置60のCPU60aは、変動時間が経過したか否かを判定する(S318)。変動時間はS410またはS414で決定した特別図柄の変動パターンに応じて設定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行なうことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置90に送信すると共に(S320)、変動表示中の特別図柄の確定図柄を表示する(S322)。図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出図柄表示装置37で図柄変動演出を終了するように演出図柄制御装置91に制御コマンドを送信する。そして、確定図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S324)。ここで、確定図柄表示時間は、本実施例では0.5秒に設定される。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。特別図柄の停止表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S304で確定図柄表示中と判定するため、再びS324で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示時間が経過していると判定すると、確定図柄の表示を終了し(S326)、確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S328)。
S328で大当り図柄と判定すると、大当りを発生させるために、条件装置の作動を開始すると共に(S330)、役物連続作動装置の作動を開始し(S332)、大当りフラグに値1を設定する(S334)。そして、大当り遊技の内容などを含む大当り遊技開始演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信する(S336)。大当り遊技開始演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、大当り遊技開始演出(オープニング演出)を実行する。大当り遊技中には確変機能や時短機能、開放延長機能を停止させるために、確変フラグが値1のときには確変フラグを値0とし(S338,S340)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S342)、特別図柄遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、大当りフラグの値や確変フラグの値が含まれる。特別図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS170の大当り遊技処理に進む。
一方、S328で大当り図柄でないと判定すると、確変フラグが値1(確変状態)であるか否かを判定し(S344)、確変フラグが値1でなく値0(通常状態)であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。確変フラグが値1であると判定すると、確変カウンタを値1だけデクリメントして(S346)、確変カウンタが値0であるか否かを判定する(S348)。ここで、確変カウンタは、確変状態が終了するまでの特別図柄の残り変動回数を示すものであり、確変カウンタには、大当り遊技の終了に際して予め定められた値が設定される。本実施例では、確変大当りで当選すると、値10,000がセットされるため、実質的に次に大当りを引くまで確変状態が維持される。確変カウンタが値0でないと判定すると、確変状態を維持したまま特別図柄遊技処理を終了し、確変カウンタが値0であると判定すると、確変状態を終了させるために、確変フラグを値0とする(S350)。そして、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S342)、特別図柄遊技処理を終了する。
[大当り遊技処理]
図12および図13は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S170の大当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1(大当り遊技中)であるか否かを判定する(S500)。大当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、大当り遊技処理を終了する。一方、大当りフラグが値1であると判定すると、ラウンド遊技中であるか否かを判定する(S502)。ラウンド遊技中でないと判定すると、オープニング演出(大当り遊技開始演出)中であるか否か(S504)、インターバル中であるか否か(S506)、をそれぞれ判定する。大当り遊技が開始された直後は、オープニング演出中であるから、S504で肯定的な判定がなされ、次に、オープニング演出時間(実施例では5秒)が経過したか否かを判定する(S508)。オープニング演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了する。S508でオープニング演出時間が経過したと判定すると、所定の開放パターンによって大入賞口25を開放するラウンド遊技を開始すると共に(S510)、ラウンド遊技演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S512)、大当り遊技処理を一旦終了する。なお、ラウンド遊技演出コマンドには、開始したラウンド遊技が何ラウンド目であるかの情報が含まれる。大入賞口25の開放パターンは、所定時間(実施例では28.0秒)のラウンド遊技を予め定められた所定回数(例えば5回や10回など)行なう開放パターンがある。開放パターンは、大当り図柄に応じて決定される。
ラウンド遊技を開始すると、次に大当り遊技処理を実行したときにS502でラウンド遊技中であると判定するため、大入賞口スイッチ25aからの検知信号に基づいて大入賞口25への遊技球の入球数が規定数(実施例では9個)に達しているか否かを判定すると共に(S514)、ラウンド遊技を開始してからの大入賞口25の通じての開放時間が最大開放時間(実施例では28.0秒)に達しているか否かを判定する(S516)。大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、大入賞口25の通じての開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、ラウンド遊技の実行を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達する前に大入賞口25の通じての開放時間が最大開放時間に達したと判定すると、大入賞口25を閉鎖してラウンド遊技を終了し(S518)、インターバル時間(実施例では2秒)を設定するインターバル処理を行なって(S520)、大当り遊技処理を終了する。ラウンド遊技を終了すると、次に大当り遊技処理が実行されたときには、S506でインターバル中であると判定するため、インターバル時間が経過したか否かを判定する(S522)。インターバル時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、インターバル時間が経過したと判定すると、最終ラウンドが終了したか否かを判定する(S524)。最終ラウンドが終了していないと判定すると、再びラウンド遊技を開始する(S510)。
こうして大入賞口25の開放と閉鎖とを行なうラウンド遊技を、インターバル時間を挟んで所定回数繰り返し、S522,S524において最終ラウンド終了後のインターバル時間(終了インターバル時間)が経過したと判定すると、大当り遊技終了演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S526)、大当り遊技処理を一旦終了する。大当り遊技終了演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、大当り遊技終了演出(エンディング演出)を実行する。そして、次に大当り遊技が実行されたときに、S502,S504,S506でラウンド遊技中でなくオープニング中でもなくインターバル中でもないと判定するため、エンディング演出時間が経過したか否かを判定する(S528)。エンディング演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了する。一方、エンディング演出時間が経過したと判定すると、役物連続作動装置の作動を停止すると共に(S530)、条件装置の作動を停止して(S532)、大当りフラグに値0を設定する(S534)。
そして、今回の大当り図柄が確変大当り図柄であるか否かを判定する(S536)。今回の大当り図柄が確変大当り図柄であると判定すると、確変状態を発生させるために、確変カウンタに値10,000をセットする確変カウンタ設定処理を行なうと共に(S538)、確変フラグに値1をセットする(S540)。なお、上述したように、本実施形態では、確変状態の開始に伴って時短状態も発生させる。また、今回の大当り図柄が確変大当り図柄でないと判定すると、S538,S540をスキップすることにより大当り確率を通常確率(低確率)に保持してS542の処理に進む。続いて、大当り遊技終了コマンドと遊技状態指定コマンドとをサブ統合制御装置90に送信して(S542,S544)、大当り遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、確変フラグの値が含まれる。
次に、主制御装置60から各種コマンドを受信したサブ統合制御装置90の処理について説明する。サブ統合制御装置90が主制御装置60から受信するコマンドとしては、上述したように、先読み判定コマンド(第1特別図柄先読み判定コマンド,第2特別図柄先読み判定コマンド)、保留数指示コマンド(第1特別図柄保留数指示コマンド、第2特別図柄保留数指示コマンド)、変動指示コマンド、図柄停止コマンド、遊技状態指定コマンド、大当り遊技開始演出コマンド、ラウンド遊技演出コマンド、大当り遊技終了演出コマンドなどがある。なお、図示は省略するが、サブ統合制御装置90は、受信した遊技状態指定コマンドに基づいて、通常状態と確変状態とで異なる演出モードを設定する。図14は、サブ統合制御装置90により実行される保留発生時演出処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
[保留発生時演出処理]
図14の保留発生時演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、図8の始動入賞処理のS214,S230で主制御装置60により送信される保留数指示コマンド(第1特別図柄保留数指示コマンド、第2特別図柄保留数指示コマンド)を受信したか否かを判定し(S600)、受信していないと判定すると、保留発生時演出処理を終了する。一方、保留数指示コマンドを受信したと判定すると、特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S602)、保留図柄372を1つ追加表示する(S604)。S600で第1特別図柄保留数指示コマンドを受信した場合には、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に演出図柄表示装置37の保留図柄表示領域37aに第1保留図柄372aが1つ追加表示されるよう制御コマンドを演出図柄制御装置91に送信する処理となる。また、S600で第2特別図柄保留数指示コマンドを受信した場合には、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に演出図柄表示装置37の保留図柄表示領域37aに第2保留図柄372bが1つ追加表示されるよう制御コマンドを演出図柄制御装置91に送信する処理となる。このように、始動口(第1始動口23,第2始動口24)への遊技球の入球に基づいて取得される判定用乱数(第1特別図柄の判定用乱数,第2特別図柄の判定用乱数)に対応付けて1の保留図柄372(第1保留図柄372a,第2保留図柄372b)が表示されることになる。また、S604では、第1所定表示態様(例えば青色の丸形状)の保留図柄Aが追加表示されるが、例えば第2所定表示態様の保留図柄Bなど他の表示態様の保留図柄が追加表示される場合があってもよい。
次に、図8の始動入賞処理のS212,S228で主制御装置60により送信される先読み判定コマンド(第1特別図柄先読み判定コマンド,第2特別図柄先読み判定コマンド)を受信したか否かを判定する(S606)。図8の始動入賞処理では、通常状態中に第1特別図柄の保留が発生した場合や大当り遊技中または確変状態中に第2特別図柄の保留が発生した場合に主制御装置60により先読み判定コマンドが送信されるから、確変状態中に第1特別図柄の保留が発生した場合や、通常状態中に第2特別図柄の保留が発生した場合には、先読み判定コマンドを受信していないと判定する。S606で先読み判定コマンドを受信していないと判定すると、保留発生時演出処理を終了する。
一方、S606で先読み判定コマンドを受信したと判定すると、先読み判定コマンドに含まれる確認の結果(例えば大当りに該当するか否かなど)や現在の特別図柄の保留数、表示中の他の保留図柄372や変動中図柄374に後述する前兆演出の対象図柄があるか否かなどに基づいて、今回発生した保留の保留図柄372の表示態様や当該保留に係る変動表示中に表示される変動中図柄374の表示態様について態様変化可能条件が成立するか否かを判定する(S608)。S608では、例えば、現在の特別図柄の保留数が複数であって、先読み判定の確認の結果が大当りに該当するものであれば、態様変化可能条件が成立すると判定する。また、先読み判定の確認の結果が外れに該当するものでも、現在の特別図柄の保留数が複数であって、表示中の他の保留図柄372や変動中図柄374に前兆演出の対象図柄がなく、当該保留に係る変動表示でリーチになるなどの場合には、態様変化可能条件が成立すると判定する。
S608で態様変化可能条件が成立すると判定すると、態様変化の有無を決定する抽選を行ない(S610)、抽選に当選(図柄表示態様の変化あり)したか否かを判定する(S612)。S610では、先読み判定の確認の結果が大当りに該当する場合には殆ど態様変化する確率で抽選を行ない、先読み判定の確認の結果が外れに該当する場合には大当りの場合よりも低い所定確率(例えば数十分の一から数百分の一など)で抽選を行なう。なお、大当りに該当する場合において態様変化しないとした場合の大当りの可能性(信頼度)が、後述するように約0.1%となるような確率でS610の抽選が行なわれる。抽選に当選したと判定すると、態様変化ありパターンの設定処理を行なう(S614)。一方、S608で態様変化可能条件が成立しないと判定したり、S612で抽選に当選していないと判定すると、態様変化なしパターンの設定処理を行なう(S616)。
ここで、図15は、保留図柄372と変動中図柄374の変化パターンの一例を示す説明図である。図示するように、本実施例の変化パターンとしては、変化なしパターン(態様変化なしパターン)P1と、変化ありパターン(態様変化ありパターン)P2〜P8とが設けられている。
変化なしパターンP1は、保留発生時に保留図柄Aが表示され、その保留図柄Aから表示態様が変化しないまま図柄変動開始時に消去されて変動中図柄Aが表示され、その変動中図柄Aから表示態様が変化しないまま消去されるパターンである。一方、変化ありパターンP2〜P8は、保留図柄372や変動中図柄374が最終的に変化する最終態様(到達段階)が異なったり、最終態様が同じであっても途中(途中段階)に表示される態様である途中態様(途中表示態様)が異なったりするパターンである。変化ありパターンP2は、保留発生時に保留図柄Aが表示された後に表示態様が保留図柄Bに変化し、図柄変動開始時に保留図柄Bが消去されて変動中図柄Bが表示され、表示態様が変化しないまま変動中図柄Bが消去されるパターンである。変化ありパターンP3は、保留発生時に保留図柄Aが表示され、表示態様が変化しないまま保留図柄Aが図柄変動開始時に消去されて変動中図柄Aが表示され、その後に表示態様が変動中図柄Bに変化し、表示態様が変化しないまま変動中図柄Bが消去されるパターンである。即ち、変化ありパターンP2,P3は、最終的に同じ表示態様の変動中図柄Bまで2段階に変化するが、途中の表示態様が互いに異なるパターンである。
変化ありパターンP4は、保留発生時に保留図柄Aが表示された後に表示態様が保留図柄Bに変化し、図柄変動開始時に保留図柄Bが消去されて変動中図柄Bが表示され、その後に表示態様がさらに変動中図柄Cに変化した後に消去されるパターンである。変化ありパターンP5は、保留発生時に保留図柄Aが表示され、その保留図柄Aから表示態様が変化しないまま図柄変動開始時に消去されて変動中図柄Aが表示され、その後に表示態様が変動中図柄Bに変化し、さらに変動中図柄Cに変化した後に消去されるパターンである。変化ありパターンP6は、保留発生時に保留図柄Aが表示された後に表示態様が保留図柄Bに変化し、さらに保留図柄Cに変化し、図柄変動開始時に保留図柄Cが消去されて変動中図柄Cが表示され、表示態様が変化しないまま変動中図柄Cが消去されるパターンである。即ち、変化ありパターンP4,P5,P6は、最終態様として変動中図柄Cまで1段階ずつ順に3段階に変化するが、途中態様が互いに異なるパターンである。
変化ありパターンP7は、保留発生時に保留図柄Aが表示された後に、保留図柄Bをスキップして表示態様が保留図柄Cに変化し、図柄変動開始時に保留図柄Cが消去されて変動中図柄Cが表示され、表示態様が変化しないまま変動中図柄Cが消去されるパターンである。変化ありパターンP8は、保留発生時に保留図柄Aが表示され、その保留図柄Aから表示態様が変化しないまま図柄変動開始時に消去されて変動中図柄Aが表示され、その後に変動中図柄Bをスキップして表示態様が変動中図柄Cに変化した後に消去されるパターンである。即ち、変化ありパターンP7,P8は、最終態様として変動中図柄Cまで変化し、いずれも途中態様を1段階スキップして2段階一気に変化する場合があるが、変化する途中態様が互いに異なるパターンである。
これらの各パターンP1〜P8は、先読み判定に係る確認の結果が大当りの場合と外れの場合のいずれも設定されるものであるが、大当りの場合には、変化なしパターンP1を設定する設定確率、変化ありパターンP2,P3をそれぞれ設定する設定確率、変化ありパターンP4〜P8をそれぞれ設定する設定確率の順に高確率となっている。一方、外れの場合には、変化なしパターンP1を設定する設定確率、変化ありパターンP2,P3をそれぞれ設定する設定確率、変化ありパターンP4〜P8をそれぞれ設定する設定確率の順に低確率となっている。本実施例では、大当りの可能性(信頼度)が、変化なしパターンP1では約0.1%、変化ありパターンP2,P3ではそれぞれ約10%、変化ありパターンP4〜P8ではそれぞれ約30%となるように、各パターンの設定確率と、S612の抽選結果で当選となる確率とが定められるものとする。このように、最終的に表示される(消去される直前の)変動中図柄374の表示態様が変動中図柄A,B,Cの順に信頼性が高いものとなる。なお、変化ありパターンP2,P3の信頼度を異なるものとしたり、変化ありパターンP4〜P8の信頼度を異なるものとしてもよい。例えば、最終的に表示される変動中図柄374の表示態様が同じパターンであっても、保留図柄372の表示中の変化段階よりも変動中図柄374の表示中の変化段階が多い方が信頼度が高いものとしてもよい。そのようにする場合、変化ありパターンP2,P3のうち変化ありパターンP3の信頼度が高いものとしたり、変化ありパターンP4〜P8のうち変化ありパターンP5の信頼度が最も高く、変化ありパターンP4,P6,P8の信頼度が次に高く、変化ありパターンP7の信頼度が最も低いものなどとすればよい。また、最終的に表示される変動中図柄374の表示態様が同じパターンであっても、変化段階を1段階スキップして表示態様を一気に2段階(複数段階)変化させる場合がある方が信頼度が高いものとしてもよい。そのようにする場合、変化ありパターンP4〜P8のうち変化ありパターンP7,P8の信頼度が高く、変化ありパターンP4〜P6の信頼度が低いものなどとすればよい。
保留発生時演出処理のS614で態様変化ありパターンを設定すると、態様変化タイミングを設定する(S618)。態様変化タイミングは、例えば、変化対象が保留図柄372の場合、当該保留の1つ前の保留における図柄変動遊技中のタイミングや当該保留の2つ前の保留における図柄変動遊技中のタイミング、当該保留の3つ前の保留における図柄変動遊技中のタイミングなどに定められるものである。なお、図柄変動遊技中の変化タイミングは、各変動パターンにおいて図柄変動を開始してからの経過時間に基づくタイミングなどに予め定められたタイミングであり、1のタイミングに限られず複数のタイミングが選択可能に定められていてもよい。
態様変化ありパターンを設定して態様変化タイミングを設定すると、態様変化あり時の前兆演出の実行有無を決定する抽選を行ない(S620)、抽選に当選(前兆演出の実行あり)したか否かを判定する(S622)。また、S616で態様変化なしパターンを設定すると、態様変化なし時の前兆演出、いわゆるガセの前兆演出の実行有無を決定する抽選を行ない(S624)、抽選に当選したか否かを判定する(S626)。S622またはS626で抽選に当選したと判定すると、前兆演出の実行内容(前兆演出の種類および実行タイミング)を設定して(S628)、保留発生時演出処理を終了する。また、S622またはS626で抽選に当選していないと判定すると、前兆演出の実行内容を設定することなく、保留発生時演出処理を終了する。
ここで、前兆演出は、保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化する際に、その前兆として実行されるものである。このため、S628では基本的には表示態様の変化タイミングに基づいて、その数秒程度前のタイミングが前兆演出の実行タイミングとして定められる。ただし、前兆演出が実行されずに保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化してもよい。S618で態様変化タイミングを設定してもS610,S622で前兆演出の実行有無の抽選に当選せず前兆演出の実行内容を設定しない場合、前兆演出が実行されずに保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化することになる。また、前兆演出が実行されても保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化しなくてもよい。即ち、ガセの前兆演出が実行されてもよい。S616で態様変化なしパターンを設定してもS624〜S628で前兆演出の実行有無の抽選に当選して前兆演出の実行内容を設定した場合、前兆演出が実行されても保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化しないことになる。表示態様が変化しない場合のガセの前兆演出の実行タイミングは、表示態様が変化する場合の前兆演出の実行タイミングと同じタイミングなどに設定すればよい。なお、態様変化ありパターンが設定された場合に、表示態様の変化タイミング以外のタイミングでガセの前兆演出が実行されてもよい。また、S620の抽選では前兆演出の実行有りに当選する確率が高くなっており、S622では殆どの場合で抽選に当選したと判定する。また、S624の抽選では前兆演出の実行無しに当選する確率が高くなっており、S626では殆どの場合で抽選に当選していないと判定する。
本実施例では、前兆演出として通常前兆演出と最終前兆演出とが設けられている。図16は通常前兆演出と最終前兆演出の実行可否の一例を示す説明図である。図16(a)に示すように、通常前兆演出は、保留図柄372または変動中図柄374の表示態様が変化した場合に、その変化後の表示態様が最終の変化態様(最終態様)および最終態様となる前の途中の変化態様(途中態様)のいずれも実行可能な前兆演出である。一方、最終前兆演出は、保留図柄372または変動中図柄374の表示態様が変化した場合に、その変化後の表示態様が最終の変化態様(最終態様)である場合に実行され、変化後の表示態様が途中態様の場合に実行されることはない。即ち、通常前兆演出は、その実行後に保留図柄372または変動中図柄374の表示態様が変化してもさらに変化する可能性があることを示唆するものとなる。また、最終前兆演出は、その実行後に保留図柄372または変動中図柄374の表示態様が変化するとそれ以上変化する可能性がなく、最終変化の機会であることを示唆するものとなる。なお、表示態様の変化には、保留図柄372の表示態様の変化と変動中図柄374の表示態様の変化とを含み、保留図柄372から変動中図柄374への変化は含まない。
また、図16(b)に示すように、保留図柄372または変動中図柄374の表示態様が変化しない場合であっても、上述したガセの前兆演出として通常前兆演出を実行可能であるが、最終前兆演出は実行不可である。即ち、通常前兆演出は、保留図柄372または変動中図柄374の表示態様が変化する場合と変化しない場合のいずれも実行可能であるが、最終前兆演出は保留図柄372または変動中図柄374の表示態様が変化する場合のみに実行されるものとなる。このため、最終前兆演出が実行されると、保留図柄372または変動中図柄374のいずれかの表示態様が必ず変化することになる。
図17は保留図柄372を対象とする前兆演出と表示態様の変化の有無の一例を示す説明図であり、図18は変動中図柄374を対象とする前兆演出と表示態様の変化の有無の一例を示す説明図である。図17では、前兆演出が実行された場合の様子の一例として、通常前兆演出の実行により保留図柄372の表示態様が変化する場合と保留図柄372の表示態様が変化しない場合とを示し、最終前兆演出の実行により保留図柄372の表示態様が変化する場合を示す。本実施例では、3種類の通常前兆演出A〜Cと、1種類の最終前兆演出とを有する。各前兆演出は、表示中の保留図柄372や変動中図柄374のうち変化させる対象図柄を特定して実行される。通常前兆演出Aは、ナイフを模した前兆演出図柄を用いて、変化の対象図柄(例えば保留図柄A)の外表面を壊すような演出が行なわれる。通常前兆演出Bは、金槌を模した前兆演出図柄を用いて、変化の対象図柄(例えば保留図柄A)の外表面を壊すような演出が行なわれる。通常前兆演出Cは、電動ドリルを模した前兆演出図柄を用いて、変化の対象図柄(例えば保留図柄B)の外表面を壊すような演出が行なわれる。最終前兆演出は、バーナーを模した前兆演出図柄を用いて、変化の対象図柄(例えば保留図柄B)の外表面を壊す(燃やす)ような演出が行なわれる。保留図柄372の表示態様が変化する場合には、保留図柄Aの外表面が壊されて保留図柄Bが現れたり、保留図柄Bの外表面が壊されて保留図柄Cが現れたりする。保留図柄372の表示態様が変化しない場合、保留図柄Aや保留図柄Bの外表面が壊れることがなく表示態様が維持される。なお、図18は、前兆演出の対象図柄(変化の対象図柄)を保留図柄372に代えて変動中図柄374とした点のみが図17と異なるため、説明は省略する。ここで、通常前兆演出A〜Cは、実行後に保留図柄372の表示態様が変化する確率が異なるものとなっている。例えば変化確率は、通常前兆演出Aで10%などの低確率、通常前兆演出Bで40%などの中確率、通常前兆演出Cで70%などの高確率となるように、上述したS620,S624の抽選確率やS628での通常前兆演出A〜Cの設定確率(選択確率)が定められている。このため、通常前兆演出A〜Cの信頼度は、高い方から通常前兆演出C,B,Aの順となる。なお、上述したように、最終前兆演出が実行された場合に保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化する可能性は100%となる。したがって、最終前兆演出は、通常前兆演出A〜Cに比べて信頼度が高い前兆演出となる。このように、「変化確率」とは、前兆演出の実行により、異なる保留図柄、変動中図柄に変化する確率のことであり、変化前が保留図柄A,Bや変動中図柄A,Bのいずれであっても共通の確率である。なお、通常前兆演出Aが実行された場合に、保留図柄Aが保留図柄Bに変化する確率と、保留図柄Bが保留図柄Cに変化する確率とが異なるようにしてもよい。ただし、そのように構成した場合であってもトータルの変化確率は、通常前兆演出よりも最終前兆演出のほうが変化率が高くなるようにする。
[図柄変動演出処理]
図19は、サブ統合制御装置90により実行される図柄変動演出処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。図19の図柄変動演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、図11の変動表示関連処理のS420で主制御装置60により送信される変動指示コマンドを受信したか否かを判定し(S700)、受信していないと判定すると、S714に進む。一方、変動指示コマンドを受信したと判定すると、演出図柄の停止図柄を決定すると共に(S702)、図柄変動演出の演出パターンを決定する(S704)。前述したように、変動指示コマンドには、大当り判定の結果や特別図柄の変動パターン(変動時間)、確定図柄(通常大当り図柄、確変大当り図柄または外れ図柄)などが含まれる。このため、演出図柄の決定は、ROM90bに予め記憶されている演出図柄設定テーブルの中から現在の演出モードおよび特別図柄の確定図柄に対応する演出図柄の停止図柄を決定することにより行なうことができ、演出パターンの決定は、ROM90bに予め記憶されている演出パターンテーブルの中から現在の演出モードおよび特別図柄の変動パターンに対応する演出パターンを決定することにより行なうことができる。
演出図柄の停止図柄や演出パターンを決定すると、演出図柄の変動表示を開始して(S706)、特別図柄の保留数を値1だけデクリメントする(S708)。また、当該変動の保留図柄372を消去して他の保留図柄372を移動表示すると共に(S710)、変動中図柄374を表示する(S712)。S708〜S712では、S700で第1特別図柄の変動表示を開始する際の変動指示コマンドを受信した場合には、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に、演出図柄表示装置37の左側の保留図柄表示領域37aから第1保留図柄372aが1つ消去されて残りの第1保留図柄372aが移動表示され、変動中図柄表示領域37bに変動中図柄374が表示されるよう制御コマンドを演出図柄制御装置91に送信する処理となる。また、S700で第2特別図柄の変動表示を開始する際の変動指示コマンドを受信した場合には、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に、演出図柄表示装置37の右側の保留図柄表示領域37aから第2保留図柄372bが1つ消去されて残りの第2保留図柄372bが移動表示され、変動中図柄表示領域37bに変動中図柄374が表示されるよう制御コマンドを演出図柄制御装置91に送信する処理となる。このように、判定用乱数(判定用情報)に基づく大当り判定処理が行なわれ、その判定用乱数が消去されると共に判定結果を示す演出図柄の変動表示が開始される際に、消去された判定用乱数に対応付けられた1の保留図柄372を消去すると共に変動中図柄を表示するのである。なお、図15に示したように、S710で保留図柄Aを消去した場合にはS712で変動中図柄Aを表示し、S710で保留図柄Bを消去した場合にはS712で変動中図柄Bを表示し、S710で保留図柄Cを消去した場合にはS712で変動中図柄Cを表示する。
次に、表示中の保留図柄372や変動中図柄374に前兆演出の対象があるか否かを判定し(S714)、前兆演出の対象があると判定すると、前兆演出処理を実行して(S716)、S718に進み、前兆演出の対象がないと判定すると、S716をスキップしてS718に進む。なお、S716の前兆演出処理の詳細は後述するが、例えば表示中の保留図柄372や変動中図柄374に大当りに係る図柄が複数あるなど、前兆演出の対象が複数ある場合には、先に図柄変動演出が実行される方を対象としてS716の前兆演出処理を実行するものとする。
S714で前兆演出の対象がないと判定するか、S716で前兆演出処理を実行すると、図9の特別図柄遊技処理のS320で主制御装置60により送信される図柄停止コマンドを受信したか否かを判定する(S718)。図柄停止コマンドを受信していないと判定すると、図柄変動演出処理を終了する。一方、図柄停止コマンドを受信したと判定すると、演出図柄の変動表示を終了して停止表示させると共に(S720)、変動中図柄374を消去して(S722)、図柄変動演出処理を終了する。なお、演出図柄の変動表示を終了して停止表示させる際、即ち図柄変動演出を終了する際に変動中図柄374を消去するものとしたが、これに限られず、図柄変動演出を終了する前に(図柄変動演出の途中で)変動中図柄374を消去するものとしてもよい。
ここで、図20は、一連の保留図柄372および変動中図柄374の表示開始から消去までの様子を示す説明図である。図20では、説明の対象である一連の保留図柄372および変動中図柄374を太線で示し、他の保留図柄372および変動中図柄374を細線で示す。なお、図示の都合上、対象の保留図柄372の後に、新たな保留図柄372が発生していないが、新たな保留図柄372が発生してもよい。上述したように、始動口(例えば第1始動口23)への遊技球の入球に基づいて取得される判定用乱数(第1特別図柄の判定用乱数)に対応付けて1の保留図柄372(第1保留図柄372a)が表示される(図20(a))。その後、図柄変動演出の開始に伴って他の保留図柄372が消去される毎に、変動中図柄374側に順次移動していく(図20(b)〜(d))。なお、保留図柄372は、元の表示位置から消去されるとそれに隣接する表示位置(図20では右隣の位置)に表示されることで、移動表示していくように見えるものであってもよい。そして、当該保留図柄372の判定用乱数に基づく変動表示が開始される際に、保留図柄372が消去されて変動中図柄374が表示され(図20(e))、当該変動表示が終了すると、変動中図柄374が消去される(図20(f))。このように、ある判定用乱数に対応付けて表示が開始されて移動表示する1の保留図柄372と、当該判定用乱数に基づく変動表示の開始時に当該1の保留図柄372の消去に伴って表示される1の変動中図柄374とを、一連の保留図柄372および変動中図柄374という。上述したように、本実施形態では、前兆演出が実行されると、保留図柄372および変動中図柄374のいずれかの図柄の表示態様を変更可能となっている。また、最終前兆演出は、保留図柄372または変動中図柄374の表示態様が変化した場合に、その変化後の表示態様が最終の変化態様(最終態様)である場合のみに実行される前兆演出である。即ち、最終前兆演出が実行されると、一連の保留図柄372および変動中図柄374における最終態様の図柄に変化し、一連の保留図柄372および変動中図柄374において図柄の表示態様が再度変化することはないものとなる。このため、最終前兆演出は、一連の保留図柄372および変動中図柄374において表示態様が変化する最終(最後)の機会であることを示唆する演出となる。以下、S716の前兆演出処理および前兆演出処理の実行による保留図柄372や変動中図柄374の表示態様の変化について説明する。
S716の前兆演出処理は、図21のフローチャートに基づいて行なわれる。図21の前兆演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、前兆演出の開始タイミングであるか否かを判定する(S800)。前兆演出の開始タイミングであると判定すると、前兆演出図柄を表示して前兆演出を開始し(S802)、前兆演出の開始タイミングでないと判定すると、S802をスキップする。なお、前兆演出の開始タイミングは、図柄変動遊技中の変化タイミングから前兆演出に必要な所要時間(数秒程度)前のタイミングなどに予め設定されるから、前兆演出の開始タイミングであるか否かは、図柄変動演出が開始されてからの経過時間と、前兆演出タイミングとを比較することにより行なうことができる。
次に、前兆演出開始後の所定タイミングとなったか否かを判定する(S804)。この所定タイミングは、保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化する場合にはその変化タイミングである。また、保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化しない場合も変化する場合と同様なタイミングに定められている。演出開始後の所定タイミングでないと判定すると、前兆演出処理を終了する。一方、所定タイミングであると判定すると、前兆演出図柄を消去して前兆演出を終了し(S806)、さらに表示態様が変化するか否か、即ち今回の前兆演出がガセの前兆演出として行なわれてないかを判定する(S808)。表示態様が変化すると判定すると、今回の前兆演出の変化対象が保留図柄372であるか否かを判定し(S810)、変化対象が保留図柄372であると判定すると保留図柄372の表示態様を変化させ(S812)、変化対象が保留図柄372でなく変動中図柄374であると判定すると変動中図柄374の表示態様を変化させる(S814)。こうして、変化対象の図柄の表示態様を変化させるか、S808で表示態様が変化しないと判定すると、前兆演出処理を終了する。
ここで、図22は、図柄変動演出中に実行される前兆演出処理と保留図柄372が変化する様子の一例を示す説明図であり、図23は、図柄変動演出中に実行される前兆演出処理と変動中図柄374が変化する様子の一例を示す説明図である。3つの演出図柄371L,371C,371Rが停止表示している状態から(図22(a))、各演出図柄371L,371C,371Rが上から下へスクロールして図柄変動演出が開始されると、保留図柄372(372a)が1つ消去されると共に変動中図柄374が表示される(図22(b))。次に、前兆演出の開始タイミングになると、前兆演出図柄を表示して前兆演出が開始される(図22(c),(d))。ここでは、電動ドリルを模した前兆演出図柄を用いる通常前兆演出Cが実行される様子を示す。そして、変化タイミングになると、対象の保留図柄372の外表面を壊して保留図柄Aから保留図柄Bに変化させる(図22(e))。また、この例では、3つの演出図柄371L,371C,371Rが、左の演出図柄371L、右の演出図柄371R、中の演出図柄371Cの順に外れ図柄で停止表示して(図22(d)〜(f))、図柄変動演出が終了し、図柄変動演出が終了する際に変動中図柄374が消去される。
続いて、次の図柄変動演出が開始されると、保留図柄372(372a)が1つ消去されると共に変動中図柄374が表示される(図23(a))。ここでは、保留図柄Bが消去されるから、変動中図柄Bが表示される。次に、前兆演出の開始タイミングになると、前兆演出図柄を表示して前兆演出が開始される(図23(b),(c))。ここでは、バーナーを模した前兆演出図柄を用いる最終前兆演出が実行される様子を示す。このため、今回の前兆演出が実行されることにより図柄(この例では変動中図柄374)が最終態様に変化することを示すことができる。また、本実施例では、最終前兆演出により表示態様が必ず変化(100%変化)することを示すから、大当り発生への期待感を高めることができる。そして、変化タイミングになると、変動中図柄374の外表面を壊して(燃やして)変動中図柄Bから変動中図柄Cに変化させる(図23(d))。変動中図柄Cに変化させることで、先読み判定の信頼度(大当り確率)がさらに高いことを報知して、期待感を一層高めることができる。この例では、左の演出図柄371Lと右の演出図柄371Rとが一致してリーチとなり(図23(d))、リーチ演出に移行した後(図示略)、中の演出図柄371Cも同じ図柄で停止表示して大当りとなり(図23(e))、大当りの発生を報知して図柄変動演出が終了する(図23(f))。また、図柄変動演出を終了する際に、変動中図柄374が消去される。
また、図24〜図26は、前兆演出が実行される場合のタイムチャートである。なお、図24〜図26では、演出図柄371L,371C,371Rを用いた図柄変動演出と、保留図柄372や変動中図柄374の図柄表示態様と、保留図柄372や変動中図柄374の表示態様の変化の可否(態様変化可否)と、前兆演出との時間変化の様子を示す。図24〜図26では、時刻t4で図柄変動演出が開始される対象保留について、図柄(保留図柄と変動中図柄)の表示態様の変化の様子を示し、時刻t1で対象保留の1つ前の保留の図柄変動演出が開始される様子を示す。
図24では、対象保留の1つ前の保留の図柄変動演出中において、時刻t2で金槌を模した前兆演出図柄を用いる通常前兆演出Bが実行されて、時刻t3で保留図柄372の表示態様が保留図柄Aから保留図柄Bに変化する。なお、通常前兆演出が実行された場合であるため、態様変化可否は、変化可能のままである。そして、1つ前の保留の図柄変動演出が終了し、時刻t4で対象保留の図柄変動演出が開始される際に、保留図柄Bから変動中図柄Bに変化する。この例では、通常前兆演出Bが実行された後に前兆演出が実行されず、図柄の表示態様が変化しないまま、時刻t5で対象保留の図柄変動演出が終了される際に変動中図柄Bが消去される。
図25では、対象保留の1つ前の保留の図柄変動演出中において、時刻t12でバーナーを模した前兆演出図柄を用いる最終前兆演出が実行されて、時刻t13で保留図柄372の表示態様が保留図柄Aから保留図柄Bに変化する。なお、最終前兆演出が実行されたため態様変化可否は変化不可となる。このように最終前兆演出を実行することで、遊技者に表示態様の最終変化の機会であることを報知した上で表示態様を保留図柄Bに変化させるから、それ以降に遊技者は当該保留図柄372やそれに対応する変動中図柄374の表示態様が変化するか否かに関心をもつ必要はないものとなる。そして、時刻t4で対象保留の図柄変動演出が開始される際に、保留図柄Bから変動中図柄Bに変化し、時刻t5で対象保留の図柄変動演出が終了される際に変動中図柄Bが消去される。
図26では、図25と同様に時刻t22で最終前兆演出が実行されるため、遊技者は表示態様の最終変化の機会であることを認識し、保留図柄Aから2段階一気に変化することを強く望むことになる。即ち、図24のように通常前兆演出Bが実行される場合に比べて、表示態様が保留図柄Cに変化することを遊技者がより強く望んで図柄表示の態様変化に注目させることができる。この例では、時刻t23で保留図柄Aから保留図柄Cに変化し、態様変化可否が変化不可となる。これにより、表示態様の最終変化の機会で表示態様が一気に2段階変化して保留図柄Cが表示されるから、大当り発生への遊技者の期待感を一層高めることができる。以降は、時刻t4で対象保留の図柄変動演出が開始される際に、保留図柄Cから変動中図柄Cに変化し、時刻t5で対象保留の図柄変動演出が終了される際に変動中図柄Cが消去される。なお、通常前兆演出が実行される場合よりも最終前兆演出が実行される場合の方が、保留図柄372や変動中図柄374が2段階一気に変化する確率が高くてもよく、例えば変化ありパターンP7,P8では他の変化ありパターンよりも最終前兆演出が設定される確率が高くてもよい。このように、通常前兆演出が実行される場合よりも最終前兆演出が実行される場合の方が、判定用情報に対応する図柄の表示態様が信頼度の高い表示態様に変化する確率が高いものとしてもよい。
以上説明した実施例のパチンコ機1では、保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が異なる表示態様に変化する前に実行される前兆演出として、通常前兆演出と最終前兆演出とが設けられている。最終前兆演出は、保留図柄372の表示態様が変化した場合に変化後の表示態様が保留図柄372の最終態様である場合(保留図柄372の消去により表示される変動中図柄374も最終態様となる)および変動中図柄374の表示態様が変化した場合に変化後の表示態様が変動中図柄374の最終態様である場合に実行される。通常前兆演出は、保留図柄372の表示態様が変化した場合に変化後の表示態様が保留図柄372の途中態様および最終態様のいずれの場合も実行可能であって、変動中図柄374の表示態様が変化した場合に変化後の表示態様が変動中図柄374の途中態様および最終態様のいずれの場合も実行可能である。そして、通常前兆演出が実行された場合よりも最終前兆演出が実行された場合の方が、保留図柄372または変動中図柄374のいずれかの表示態様が異なる表示態様に変化する確率が高くなるように構成される。これにより、通常前兆演出が実行される場合には、その実行後に保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化してもまだ変化する可能性があるという期待感を遊技者に与えることができる。一方、最終前兆演出が実行される場合には、その実行後に保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化する最終の機会であるという緊張感を遊技者に与えることができる。このため、最終前兆演出が実行された場合には通常前兆演出が実行される場合に比して保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化するか否かに遊技者をより注目させることができる。したがって、前兆演出によって遊技者に与える印象を変化させることで遊技興趣を向上させることができる。
また、パチンコ機1では、最終前兆演出が実行されると、保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が必ず変化するから、表示態様の変化に対する遊技者の期待感を高めて遊技興趣をさらに向上させることができる。
実施例では、保留図柄372が変化する前の前兆演出と、変動中図柄374が変化する前の前兆演出として、共用(共通)の通常前兆演出と共用の最終前兆演出とを設けたが、これに限られず、通常前兆演出として保留図柄372の専用の通常前兆演出と変動中図柄374の専用の通常前兆演出とを設けてもよいし、最終前兆演出として保留図柄372の専用の最終前兆演出と変動中図柄374の専用の最終前兆演出とを設けてもよい。そのようにする場合、保留図柄372の専用の最終前兆演出が実行されて保留図柄372の表示態様が最終態様に変化した後も、その保留図柄372が変動中図柄374に変化すると、変動中図柄374の表示態様が変化する場合があるものとすればよい。また、通常前兆演出は、それぞれ保留図柄372の専用の通常前兆演出と変動中図柄374の専用の通常前兆演出とを設け、最終前兆演出は、保留図柄372と変動中図柄374とで共用の最終前兆演出などとしてもよい。
実施例では、表示態様が変化する確率(可能性)が異なる3種類の通常前兆演出A〜Cを有するものとしたが、これに限られず、通常前兆演出を1種類のみ有するものとしてもよい。また、1種類の最終前兆演出のみを有するものとしたが、これに限られず、表示態様が変化する確率が異なる複数種類の最終前兆演出を有するものとしてもよい。
実施例では、最終前兆演出が実行された際に保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化する確率を100%(必ず変化する)としたが、これに限られず、通常前兆演出が実行される場合よりも表示態様が変化する確率が高いものであればよく、表示態様が変化しない場合(ガセの場合)があってもよい。そのようにする場合、最終前兆演出が実行された後に保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化しなかった場合でも、それ以降は表示態様が変化しないものとすればよい。即ち、最終前兆演出は、態様変化の有無に限られず、保留図柄372や変動中図柄374の表示態様が変化可能な最終の機会であることを示唆する前兆演出であればよい。
実施例では、表示態様が変化する対象図柄を明示して前兆演出を行なうものとしたが、これに限られるものではない。例えば、前兆演出用のキャラクタを登場させたりセリフを表示したりするなどにより、表示中の保留図柄372および変動中図柄374のうちいずれが対象かを明示することなく前兆演出を行なうものとしてもよい。あるいは、実施例で例示した前兆演出図柄を用いて全ての図柄を壊すような前兆演出、即ち全ての図柄を対象とする前兆演出を行ない、変化対象の図柄の表示態様のみを変化させてもよい。
実施例では、保留図柄372と変動中図柄374の両方を前兆演出の対象図柄としたが、これに限られず、保留図柄372と変動中図柄374の一方のみを前兆演出の対象図柄としてもよい。また、遊技状態(通常状態や確変状態)などに応じた複数の演出モードのうち所定の演出モード中のみ前兆演出を実行してもよいし、保留図柄372を前兆演出の対象図柄とするか変動中図柄374を前兆演出の対象図柄とするかが演出モードによって変化するものとしてもよい。
保留図柄372のみを前兆演出の対象とする場合、図18のような変動中図柄374を対象とする前兆演出を行なわないものとすればよい。この場合、変動中図柄374の表示態様が変化しないものとしてもよいし、変動中図柄374の表示態様は変化するものの前兆演出を行なわずに変化するものとしてもよい。また、保留図柄372から変動中図柄374に変わることなく保留図柄372が消去されるもの、即ち、判定用情報(判定用乱数)に対応する対応図柄として保留図柄372のみが表示されるものとしてもよい。このように、保留図柄372のみを前兆演出の対象とする場合、最終前兆演出は、変化後の保留図柄372の表示態様が途中態様(保留途中態様)となる場合には実行されずに最終態様(保留最終態様)となる場合に実行可能で、通常前兆演出は、変化後の保留図柄372の表示態様が最終態様(保留最終態様)および途中態様(保留途中態様)のいずれの場合も実行可能であって、通常前兆演出が実行された場合よりも最終前兆演出が実行された場合の方が保留図柄372が異なる表示態様に変化する確率が高くなるように構成されるものとなる。これにより、通常前兆演出が実行される場合には、その実行後に保留図柄372の表示態様が変化してもまだ変化する可能性があるという期待感を遊技者に与えることができ、最終前兆演出が実行される場合には、その実行後に保留図柄372の表示態様が変化する最終の機会であるという緊張感を遊技者に与えることができる。このため、実施例と同様に前兆演出によって遊技者に与える印象を変化させることで遊技興趣を向上させることができる。
また、変動中図柄374のみを前兆演出の対象とする場合、図17のような保留図柄372を対象とする前兆演出を行なわないものとすればよい。この場合、保留図柄372の表示態様が変化しないものとしてもよいし、保留図柄372の表示態様は変化するものの前兆演出を行なわずに変化するものとしてもよい。また、保留図柄372から変動中図柄374に変わるものに限られず、図柄変動遊技の実行が開始されると変動中図柄374が表示されるものであればよく、保留図柄372の表示は必須ではない。このように、変動中図柄374のみを前兆演出の対象とする場合、最終前兆演出は、変化後の変動中図柄374の表示態様が途中態様(変動途中態様)となる場合には実行されずに最終態様(変動最終態様)となる場合に実行可能で、通常前兆演出は、変化後の変動中図柄374の表示態様が最終態様(保留最終態様)および途中態様(保留途中態様)のいずれの場合も実行可能であって、通常前兆演出が実行された場合よりも最終前兆演出が実行された場合の方が変動中図柄374が異なる表示態様に変化する確率が高くなるように構成されるものとなる。これにより、通常前兆演出が実行される場合には、その実行後に変動中図柄374の表示態様が変化してもまだ変化する可能性があるという期待感を遊技者に与えることができ、最終前兆演出が実行される場合には、その実行後に変動中図柄374の表示態様が変化する最終の機会であるという緊張感を遊技者に与えることができる。このため、実施例と同様に前兆演出によって遊技者に与える印象を変化させることで遊技興趣を向上させることができる。
実施例では、図柄変動演出の開始に伴って、保留図柄Aが消去されると変動中図柄Aを表示させ、保留図柄Bが消去されると変動中図柄Bを表示させ、保留図柄Cが消去されると変動中図柄Cを表示させるもの即ち消去される保留図柄372の表示態様に対応する表示態様の変動中図柄374を表示させるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、大当りの信頼度が低い場合には保留図柄Bが消去されると変動中図柄Bを表示させ、大当りの信頼度が高い場合には保留図柄Bが消去されると変動中図柄Cを表示させるものなど、保留図柄372が消去されて変動中図柄374が表示される際に保留図柄372に対応する表示態様とは異なる表示態様の変動中図柄374が表示されてもよい。即ち、消去された保留図柄372の表示態様に対応する表示態様の変動中図柄374を表示する場合と、消去された保留図柄372の表示態様に対応しない表示態様の変動中図柄374を表示する場合とを有するものとしてもよい。なお、保留図柄372の表示態様に対応しない変動中図柄374が表示される場合でも、保留図柄372の表示中に最終前兆演出が実行されて表示態様が変化していれば、その保留図柄372が消去された際には表示態様が対応する変動中図柄374が表示されるものとし、変動中図柄374を表示した後もその表示態様が変化しないものとすればよい。
実施例では、保留図柄372が保留図柄A,B,Cの3種類(段階)の表示態様を有し、変動中図柄374が変動中図柄A,B,Cの3種類の表示態様を有するものとしたが、これに限られず、保留図柄372が2以上の複数種類の表示態様を有し、保留図柄372が有する種類数以上の複数種類の表示態様を変動中図柄374が有するものであればよく、変動中図柄374の方が保留図柄372よりも多い種類数の表示態様を有するものでもよい。
実施例では、左右の保留図柄表示領域37aの間に設けられた変動中図柄表示領域37bに、第1特別図柄と第2特別図柄とを区別することなく変動中図柄374が表示されるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄用の変動中図柄表示領域と第2特別図柄用の変動中図柄表示領域とが別々に設けられるものとしてもよい。また、演出図柄表示装置37の表示画面の下部に保留図柄表示領域37aや変動中図柄表示領域37bが設けられるものに限られず、演出図柄表示装置37の表示画面以外に保留図柄表示領域や変動中図柄表示領域が設けられるものとしてもよい。
実施例では、保留図柄372や変動中図柄374を丸形状や星形状、三角形状などで示したが、これに限られるものではない。例えば、保留図柄372と変動中図柄374とが同じ形状であるが大きさや色が異なる図柄としてもよいし、色、形状、大きさのいずれかが異なる図柄としてもよい。あるいは、保留図柄372と変動中図柄374とを、色、形状、大きさなどが同じ共通の図柄とし、表示領域のみが異なるものとしてもよい。
実施例では、確変大当りの大当り遊技終了後に確変カウンタに10,000回を設定して実質的に次回大当りまで確変状態が継続するものとしたが、これに限られず、例えばいわゆるSTタイプ(回数切りタイプ)のパチンコ機として、大当り遊技終了後に確変カウンタに10回や20回、100回などの所定回数を設定するものなどとしてもよい。
実施例では、本発明を、特別図柄が大当り図柄で停止表示されると大入賞口25を開放する大当り遊技を実行し、大当り図柄が確変大当り図柄であれば当該大当り遊技終了後に確変状態に移行するパチンコ機1に適用するものとした。しかし、内部に特定領域(確変口)を有する第2大入賞口を備え、大当り遊技中に当該第2大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過すると、当該大当り遊技終了後に確変状態に移行するパチンコ機に適用してもよい。このパチンコ機では、特別図柄の大当り図柄として、確変口に遊技球が入球容易な態様で大当り遊技が実行される確変用大当り図柄と、確変口に遊技球が入球困難な態様で大当り遊技が実行される通常用大当り図柄とを有する。なお、確変状態で発生した確変用大当り図柄を、特定大当りとして実施例と同様に処理を行なうものなどとしてもよく、確変口に遊技球が入球容易な態様を略確実に入球する態様としてもよい。また、この変形例のパチンコ機では、大入賞口を1つのみ備え、所定のラウンドにのみ当該大入賞口に設けられた確変口を有効とするものであってもよい。
実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を賞球や貸球として上受け皿11に払い出す構成としたが、いわゆる封入式のパチンコ機であってもよい。封入式のパチンコ機は、内部に封入した遊技球を循環させることにより遊技を行なうものである。また、実施例や変形例のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機に適用されてもよい。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを制限するものであり、枠制御装置(実施例の払出制御装置に相当)から主制御装置へは特定情報(遊技の性能に影響を与える情報や、遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報)以外を送信可能とし、枠制御装置はCRユニットと接続され、枠制御装置を介してのみ外部と通信可能に構成されたものである。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、第1始動口23や第2始動口24が「始動口」に相当し、主制御装置60のRAM60cが「判定用情報記憶手段」に相当し、図11の変動表示関連処理のS400〜S404の処理を実行する主制御装置60のCPU60aが「当否判定手段」に相当し、図9,図10,図11の特別図柄遊技処理(図11のS400〜S404を除く)を実行する主制御装置60のCPU60aが「図柄変動遊技実行手段」に相当し、図12,図13の大当り遊技処理を実行する主制御装置60のCPU60aが「大当り遊技実行手段」に相当し、図8の始動入賞処理のS208〜S212,S224〜S228の処理を実行する主制御装置60のCPU60aが「先読み手段」に相当する。また、図14の保留発生時演出処理のS604と図19の図柄変動演出処理のS710と図21の前兆演出処理のS812とを実行するサブ統合制御装置90のCPU90aと演出図柄制御装置91とが「保留図柄表示手段」に相当する。図柄変動演出処理のS712,S722と前兆演出処理のS814とを実行するサブ統合制御装置90のCPU90aと演出図柄制御装置91とが「変動中図柄表示手段」に相当する。保留発生時演出処理のS604と図柄変動演出処理のS710,S712,S722と前兆演出処理のS812,S814とを実行するサブ統合制御装置90のCPU90aと演出図柄制御装置91とが「変化図柄表示手段(対応図柄表示手段)」に相当する。前兆演出処理のS800〜S806を実行するサブ統合制御装置90のCPU90aと演出図柄制御装置91とが「前兆演出実行手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。