JP2021121997A - 燃料電池用ガスケット付きセパレータおよびそれを備える燃料電池セル - Google Patents

燃料電池用ガスケット付きセパレータおよびそれを備える燃料電池セル Download PDF

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秀哉 門野
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Abstract

【課題】 接着剤などを使用せずにガスケットがセパレータに一体化されており、他の構成部材を積層して燃料電池セルを構成した場合にガスケットが干渉しない燃料電池用ガスケット付きセパレータを提供する。【解決手段】 燃料電池用ガスケット付きセパレータ4は、セパレータ本体40と、ガスケット50と、を有する。セパレータ本体40は、自身が屈曲することにより電極部材2とは反対側に突出しガスケット50が配置される固定用凸部45を有し、固定用凸部45は、セパレータ本体40を厚さ方向に貫通する取付孔48を有する。ガスケット50は、固定用凸部45の表面に配置される本体部51と、裏面に配置される抜け止め部52と、取付孔48内に配置される連結部53と、を有し、抜け止め部52の厚さは、固定用凸部45によりセパレータ本体40の電極部材2側に形成される凹部49の深さ以下である。【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料電池の構成部材であるセパレータに関し、特にガスケットが一体化されているガスケット付きセパレータに関する。
燃料電池においては、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を含む電極部材をセパレータで挟持したセルが発電単位となる。燃料電池は、セルの積層体を積層方向両外側から所定の力で締結して構成される。セパレータの厚さ方向(積層方向)一面側には、水素などの燃料ガスまたは空気などの酸化剤ガスが流れ、他面側には水などの冷媒が流れる。セパレータは、厚さ方向に貫通する貫通孔を有し、それが反応ガスおよび冷媒の流路になる。セパレータの厚さ方向両面において、電極部材や貫通孔などの周囲には、ゴム製のシール部材(ガスケット)が枠状に配置される。ガスケットは、積層方向両外側からの締結力で圧縮され、相手部材に弾接する。これにより、ガスケットの枠内外方向における流体の移動が禁止される。
燃料電池の作動時においては、セパレータの両側を流れる流体の差圧変動などにより、セパレータが積層方向に変位したり振動したりする。この際のガスケットの位置ずれを抑制したり、シール性を高めるため、ガスケットをセパレータに接着している。接着方法としては、特許文献1に記載されているように、セパレータとガスケットとを接着剤により接着する方法や、特許文献2に記載されているように、接着成分が配合されたゴム材料をセパレータに接触させた状態で架橋することにより、ガスケットの成形と同時にセパレータに接着する方法などが知られている。
特開2017−183198号公報 特開2012−226908号公報 特開2004−55427号公報 特開2004−245341号公報 特開2011−3453号公報
しかしながら、接着剤を用いる方法においては、接着剤を塗布する工程に加えて、接着剤が溶剤希釈されているものであれば塗布後に乾燥する工程が必要になる。また、接着剤が飛散したりジグなどに付着したりするため、その清掃作業が必要になる。さらに、接着剤の使用期限や保管方法などを配慮して、適切に管理することも必要になる。他方、ガスケットを成形するゴム材料に接着成分を配合する方法においては、成形型にもゴム材料が付着するため、成形型に高い離型性が要求されることに加え、高圧水洗浄などのより洗浄能力の高い方法による清掃作業が必要になる。また、脱型時にセパレータに力が加わることにより、セパレータが変形するなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対して、例えば特許文献3には、セパレータにガスケットを一体化する方法として、セパレータの溝部に液状ゴムをディスペンサーで塗布し、その一部を溝部底部の貫通孔を通してセパレータの裏側に回し込んで硬化させることにより抜け止め部を形成する方法が記載されている。特許文献4には、ガスケットの一部がセパレータの貫通孔を介して裏側にはみ出しているガスケット付きセパレータにおいて、貫通孔をシール性に寄与するリップ領域からオフセットした位置に配置することが記載されている。特許文献5には、セパレータの厚さ方向の表裏両面にシール突条が配置されたセパレータにおいて、表面のシール突条と裏面のシール突条とを貫通孔を介して連続させることが記載されている。
特許文献3に記載された方法においては、液状ゴムをディスペンサーで塗布してガスケットを成形する。この方法においては、塗布する際に液状ゴムが流れ出さないよう、セパレータにガスケット成形用の溝部を形成している。また、特許文献3および特許文献4によると、貫通孔を通してセパレータの裏側に形成した抜け止め部が、セパレータにおける相手部材との接触面よりも突出している(特許文献3の図1、図2、特許文献4の図5など)。このため、セパレータの裏側に相手部材を積層しようとしても、抜け止め部が邪魔になり、燃料電池の構成部材を面方向(積層方向に対する垂直方向)に均一に積層させることができない。なお、特許文献3の図3には、セパレータの裏面(相手部材との接触面)から抜け止め部が突出しない形態が示されているが、このようにする場合には、セパレータの表面だけでなく裏面にも溝部を形成する必要がある。セパレータは薄板状を呈するため、厚さ方向の表裏両面を切削して溝部を形成すると、その部分だけ極端に薄くなってしまい強度を確保することが難しい。また、特許文献5に記載されているのは、セパレータの厚さ方向の表裏両面においてシールする構造であるから、一方がガスケット本体で他方が抜け止め部という構成ではなく、セパレータの表裏両面において、相手部材との接触面よりもガスケットが突出している。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、接着剤などを使用せずにガスケットがセパレータに一体化されており、他の構成部材を積層して燃料電池セルを構成した場合にガスケットが干渉しない燃料電池用ガスケット付きセパレータを提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の第一の燃料電池用ガスケット付きセパレータは、膜電極接合体を有する電極部材に積層され、セパレータ本体と、該セパレータ本体に固定されるエラストマー製のガスケットと、を有する燃料電池用ガスケット付きセパレータであって、該セパレータ本体は、自身が屈曲することにより該電極部材とは反対側に突出し該ガスケットが配置される固定用凸部を有し、該固定用凸部は、該セパレータ本体を厚さ方向に貫通する取付孔を有し、該セパレータ本体の厚さ方向両面のうち、該電極部材側に配置される面を裏面、該電極部材とは反対側に配置される面を表面として、該ガスケットは、該固定用凸部の表面に配置される本体部と、該固定用凸部の裏面に配置される抜け止め部と、該取付孔内に配置され該本体部および該抜け止め部に連続する連結部と、を有し、該抜け止め部の厚さは、該固定用凸部により該セパレータ本体の該電極部材側に形成される凹部の深さ以下であることを特徴とする。
(2)本発明の第二の燃料電池用ガスケット付きセパレータは、膜電極接合体を有する電極部材に積層され、セパレータ本体と、該セパレータ本体に固定されるエラストマー製のガスケットと、を有する燃料電池用ガスケット付きセパレータであって、該セパレータ本体は、自身が屈曲することにより形成され該ガスケットが配置される固定用凹部を有し、該固定用凹部は、底壁部と、該底壁部から該電極部材とは反対側に突出する二つの立壁部と、を有し、二つの該立壁部は、各々、該セパレータ本体を厚さ方向に貫通する取付孔を有し、該セパレータ本体において、該電極部材側に配置される面を裏面、該電極部材とは反対側に配置される面を表面として、該ガスケットは、該固定用凹部の表面に配置される本体部と、二つの該立壁部の各々の裏面に配置される抜け止め部と、該取付孔内に配置され該本体部および該抜け止め部に連続する連結部と、を有し、該抜け止め部は、該固定用凹部の該底壁部よりも該電極部材側に突出しないことを特徴とする。
(3)本発明の燃料電池用セルは、膜電極接合体を有する電極部材と、該電極部材の外周を囲むように配置されるシート部材と、該電極部材および該シート部材を厚さ方向に挟んで配置される第一セパレータおよび第二セパレータと、を備え、該第一セパレータは、上記(1)または(2)の構成を有する本発明の燃料電池用ガスケット付きセパレータであり、前記セパレータ本体における前記固定用凸部または前記固定用凹部は、該シート部材に対応する位置に配置されることを特徴とする。
(1)本発明の第一の燃料電池用ガスケット付きセパレータ(以下、「本発明の第一のガスケット付きセパレータ」と称す場合がある。)によると、ガスケットは、セパレータ本体の固定用凸部に配置される。固定用凸部は、電極部材とは反対側に突出する形状、すなわちシールする側に突出する形状を有する。これに対して、上記特許文献3、4に記載されているセパレータとガスケットとの一体品によると、ガスケットは、セパレータのシールする側に凹設された溝部に配置される。この点において、本発明の第一のガスケット付きセパレータは、上記特許文献3、4に記載されている一体品とは異なる。
固定用凸部は、セパレータ本体を厚さ方向に貫通する取付孔を有する。ガスケットは、固定用凸部の表面に配置される本体部と、固定用凸部の裏面に配置される抜け止め部と、取付孔内に配置され本体部および抜け止め部に連続する連結部と、を有する。すなわち、ガスケットの一部は連結部として取付孔に貫装され、別の一部は抜け止め部としてセパレータ本体の裏面に配置される。したがって、本発明の第一のガスケット付きセパレータによると、接着剤などを使用しなくても、連結部および抜け止め部のアンカー効果により、ガスケットをセパレータ本体に強固に固定することができる。また、燃料電池の組み付け状態において、ガスケットは、積層方向からの締結力で圧縮される。これにより、本体部は固定用凸部の表面で圧縮され、反力によるシールが可能になる。また、燃料電池の作動時にセパレータ本体が積層方向に変位したり振動したりしても、ガスケットとセパレータ本体との摩擦力に、連結部および抜け止め部のアンカー効果が加わるため、ガスケットが位置ずれしにくい。
ガスケットの抜け止め部の厚さは、固定用凸部によりセパレータ本体の電極部材側に形成される凹部の深さ以下である。すなわち、組み付け前の状態において、抜け止め部は、固定用凸部によりセパレータ本体の電極部材側に形成される凹部に収容されており、電極部材側に突出しない。したがって、本発明の第一のガスケット付きセパレータを電極部材を含む相手部材に積層する際に、抜け止め部が干渉することはない。よって、燃料電池の構成部材を面方向に均一に積層させることができる。また、本発明の第一のガスケット付きセパレータにおける固定用凸部は、セパレータ本体自身が屈曲することにより形成される。このため、切削によりセパレータ本体の厚さを薄くすることなく、ガスケットを一体化することができる。
(2)本発明の第二の燃料電池用ガスケット付きセパレータ(以下、「本発明の第二のガスケット付きセパレータ」と称す場合がある。)によると、ガスケットは、セパレータ本体の固定用凹部に配置される。固定用凹部は、底壁部と、底壁部から電極部材とは反対側に突出する二つの立壁部と、を有し、セパレータ本体を厚さ方向に貫通する取付孔は、底壁部ではなく二つの立壁部に形成される。これに対して、上記特許文献3、4に記載されているセパレータとガスケットとの一体品によると、貫通孔はセパレータ本体に凹設された溝部の底部に配置される。特許文献4には、貫通孔の位置をシール性に寄与するリップ領域からずらす(オフセットする)ことが記載されているが、貫通孔の位置は、溝部の底部において幅方向にずらされているに過ぎない。この点において、本発明の第二のガスケット付きセパレータは、上記特許文献3、4に記載されている一体品とは異なる。
ガスケットは、固定用凹部の表面に配置される本体部と、二つの立壁部の各々の裏面に配置される抜け止め部と、取付孔内に配置され本体部および抜け止め部に連続する連結部と、を有する。すなわち、ガスケットの一部は連結部として取付孔に貫装され、別の一部は抜け止め部としてセパレータ本体(立壁部)の裏面に配置される。したがって、本発明の第二のガスケット付きセパレータによると、接着剤などを使用しなくても、連結部および抜け止め部のアンカー効果により、ガスケットをセパレータ本体に強固に固定することができる。ガスケットの本体部は、底壁部および二つの立壁部に囲まれるようにして配置される。このため、ガスケットとセパレータ本体との接触面積が大きくなり、ガスケットが面方向に位置ずれしにくい。燃料電池の組み付け状態において、ガスケットは、積層方向からの締結力で圧縮される。これにより、本体部は底壁部の表面で圧縮され、反力によるシールが可能になる。また、燃料電池の作動時にセパレータ本体が積層方向に変位したり振動したりしても、ガスケットとセパレータ本体との摩擦力に、連結部および抜け止め部のアンカー効果が加わるため、ガスケットが位置ずれしにくい。
取付孔は、底壁部を挟んで対向する二つの立壁部の各々に形成される。これにより、本体部の幅方向両側に抜け止め部を配置することができるため、ガスケットの位置ずれをより抑制することができる。取付孔を底壁部に形成すると、シール機能を有する本体部の圧縮方向の下側に取付孔が配置されることになる。本体部は、燃料電池の組み付け状態において、圧縮に対する反力によりシール性を発揮するため、本体部の下側に取付孔が配置されると、反力が小さくなりシール性に影響を与えるおそれがある。この点、本発明の第二のガスケット付きセパレータによると、取付孔が立壁部に配置されるため、シール性への影響は小さい。
組み付け前の状態において、ガスケットの抜け止め部は、固定用凹部の底壁部よりも電極部材側に突出しない。したがって、本発明の第二のガスケット付きセパレータを電極部材を含む相手部材に積層する際に、抜け止め部が干渉することはない。よって、燃料電池の構成部材を面方向に均一に積層させることができる。また、本発明の第二のガスケット付きセパレータにおける固定用凹部は、セパレータ本体自身が屈曲することにより形成される。このため、切削によりセパレータ本体の厚さを薄くすることなく、ガスケットを一体化することができる。
(3)本発明の燃料電池セルにおいては、上記(1)または(2)の構成を有する本発明の燃料電池用ガスケット付きセパレータを、電極部材およびシート部材の厚さ方向一方側に配置される第一セパレータとして備える。したがって、第一セパレータを電極部材およびシート部材に積層する際に、ガスケットの抜け止め部が邪魔にならず、構成部材を面方向に均一に積層させることができる。
第一実施形態の燃料電池セルの上面図である。 図1のII−II断面図である。 図2の円IIIの拡大図である。 図1の枠IVにおける取付孔の配置形態を示す模式図である。 第二実施形態のアノード側セパレータにおけるガスケットの固定部分の積層方向断面図である。 第三実施形態のアノード側セパレータにおけるガスケットの固定部分の積層方向断面図である。 同アノード側セパレータにおける取付孔の配置形態を示す模式図である。
以下に、本発明の燃料電池用ガスケット付きセパレータおよびそれを備える燃料電池セルの実施の形態について説明する。本発明の第一の燃料電池用ガスケット付きセパレータは、第一、第二実施形態において燃料電池セルを構成するアノード側セパレータとして具現化されている。本発明の第二の燃料電池用ガスケット付きセパレータは、第三実施形態において燃料電池セルを構成するアノード側セパレータとして具現化されている。
<第一実施形態>
[燃料電池セルの構成]
まず、本実施形態の燃料電池セルの構成について説明する。図1に、本実施形態の燃料電池セルの上面図を示す。図2に、図1のII−II断面図を示す。図3に、図2の円IIIの拡大図を示す。図の方位のうち、前後左右方向は各部材の面方向、上下方向は各部材の積層方向を示す。図1〜図3に示すように、燃料電池セル1は、電極部材2と、シート部材3と、アノード側セパレータ4と、カソード側セパレータ6と、を備えている。
電極部材2は、矩形薄膜状を呈しており、シート部材3の枠内側に配置されている。電極部材2は、MEAと、その厚さ方向両面に配置される一対の多孔質層と、からなる。MEAは、高分子膜とその厚さ方向両面に配置される一対の電極層と、からなる。
シート部材3は、ポリプロピレン製であって、上方から見て矩形枠状を呈している。シート部材3は、電極部材2の外周を囲むように配置され、電極部材2の外周端面に接着されている。シート部材3は、電極部材2を保持し、アノード側セパレータ4およびカソード側セパレータ5間の絶縁性を確保している。シート部材においては、後述するアノード側セパレータ4に形成されている六つの貫通孔(冷却水供給孔42a、冷却水排出孔42bなど)に対応して、六つの貫通孔(冷却水供給孔32a、冷却水排出孔32bなど)が形成されている。
アノード側セパレータ4は、セパレータ本体40と、ガスケット50と、を有している。セパレータ本体40は、電極部材2およびシート部材3の上側に配置されている。セパレータ本体40は、ステンレス鋼製であって、矩形薄板状を呈している。セパレータ本体40の厚さは、0.1mmである。セパレータ本体40は、厚さ方向に貫通する六つの貫通孔を有している。すなわち、セパレータ本体40の左方には、後方から順に空気供給孔41a、冷却水供給孔42a、水素供給孔43aが開設されており、右方には、後方から順に水素排出孔43b、冷却水排出孔42b、空気排出孔41bが開設されている。セパレータ本体40の中央部分には、電極部材2が配置される発電領域20に対応するように、左右方向に延在する流路44が形成されている。セパレータ本体40の下面側の流路44には水素(燃料ガス)が流れ、上面側の流路44には冷却水が流れる。セパレータ本体40の下面の一部は、シート部材3に接着されている。
ガスケット50は、図1においてハッチングを施して示すように、セパレータ本体40の上面の周縁部および六つの貫通孔(空気供給孔41a、空気排出孔41b、冷却水供給孔42a、冷却水排出孔42b、水素供給孔43a、水素排出孔43b)の周囲に配置されている。ガスケット50は、エチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)製であって、矩形枠状を呈している。ガスケット50は、セパレータ本体40(アノード側セパレータ4)の上側に積層される相手部材(別のセルのカソード側セパレータ)に弾接される。ガスケット50は、セパレータ本体40に固定されている。ガスケット50の固定構造については後述する。アノード側セパレータ4は、本発明における第一セパレータの概念に含まれる。
カソード側セパレータ6は、電極部材2およびシート部材3の下側に配置されている。カソード側セパレータ6は、ステンレス鋼製であって、矩形薄板状を呈している。カソード側セパレータ6においても、アノード側セパレータ4およびシート部材3に各々形成されている六つの貫通孔(冷却水供給孔42a、冷却水排出孔42bなど)に対応して、六つの貫通孔(冷却水供給孔62a、冷却水排出孔62bなど)が形成されている。カソード側セパレータ6の上面の一部は、シート部材3に接着されている。カソード側セパレータ6は、本発明における第二セパレータの概念に含まれる。
[アノード側セパレータにおけるガスケットの固定構造]
次に、本実施形態のアノード側セパレータ4におけるガスケット50の固定構造について説明する。図3に拡大して示すように、セパレータ本体40は、ガスケット50が固定される固定用凸部45を有している。固定用凸部45は、ガスケット50が配置される位置(図1のハッチング参照)に形成されている。固定用凸部45は、シート部材3の上方(シート部材3に対応する位置)に配置されている。固定用凸部45は、プレス加工によりセパレータ本体40を屈曲させるなどして形成されている。固定用凸部45は、シート部材3とは反対側(電極部材2に対しても反対側、以下同じ。)の上方に突出している。固定用凸部45は、左右方向に対向して配置される二つの立壁部46a、46bと、頂壁部47と、取付孔48と、を有している。二つの立壁部46a、46bは、いずれもシート部材3とは反対側の上方に突出している。頂壁部47は、二つの立壁部46a、46bの上端部同士を水平に橋渡しするように配置されている。取付孔48は、頂壁部47に複数配置されている。取付孔48は、頂壁部47(セパレータ本体40)を厚さ方向に貫通している。取付孔48は、後述するガスケット50の本体部51の頂部直下に形成されている。
図4に、前出図1の枠IVにおける取付孔の配置形態を模式的に示す。説明の便宜上、図4においては、ガスケット50を省略して示す。図4に示すように、取付孔48は、頂壁部47に所定の間隔Pで離間して貫設されている。取付孔48は、頂壁部47の延在方向に一列に配置されている。取付孔48の開口部は円形状を呈し、開口部の直径は0.3mmである。隣り合う取付孔48の間隔Pは10mmである。
図3に戻って、セパレータ本体40の厚さ方向両面のうち、電極部材2側に配置される面を裏面、電極部材2とは反対側に配置される面を表面とする。ガスケット50は、本体部51と、抜け止め部52と、連結部53と、を有している。本体部51は、頂壁部47の上面(固定用凸部45の表面)に配置されている。本体部51は、平板状の台座部510と、それから上方に突出する山部511とを有している。山部511の頂部は、厚さ方向断面において略半円状の曲面状を呈している。セパレータ本体40における固定用凸部45以外の平坦部の上面から本体部51の頂部までの高さは、1.5mmである。抜け止め部52は、頂壁部47の下面(固定用凸部45の裏面)に配置されている。抜け止め部52は、頂壁部47の下側で連続し、本体部51と同じように延在している。抜け止め部52の厚さは、0.3mmである。抜け止め部52の厚さは、固定用凸部45とシート部材3との間に形成される凹部49の深さと同じである。抜け止め部52は、シート部材3の上面に接触している。連結部53は、本体部51および抜け止め部52の両方に連続し、取付孔48内に配置されている。
アノード側セパレータ4は、予め固定用凸部45を形成したセパレータ本体40に、ガスケット成形用のエラストマー材料を射出成形することにより製造されている。エラストマー材料は、EPDMをゴム成分とするソリッドゴムからなる。頂壁部47の上面に射出されたエラストマー材料は、取付孔48を通過して下面側に回り込み硬化する。こうすることにより、セパレータ本体40にガスケット50が一体化されたアノード側セパレータ4が完成する。
[作用効果]
次に、本実施形態のアノード側セパレータおよびそれを備える燃料電池セルの作用効果について説明する。本実施形態のアノード側セパレータ4によると、ガスケット50が配置される固定用凸部45は、シート部材3とは反対側に突出する形状を有している。これにより、固定用凸部45とシート部材3との間には凹部49が形成されている。頂壁部47の下面に配置される抜け止め部52の厚さは、凹部49の深さと同じである。すなわち、組み付け前の状態において、抜け止め部52は、凹部49内に収容されており、セパレータ本体40における固定用凸部45以外の平坦部の下面(シート部材3との接触面)より下方に突出していない。したがって、シート部材3および電極部材2にアノード側セパレータ4を積層する際に、抜け止め部52が干渉せず、各部材を面方向に均一に積層させることができる。
ガスケット50は、シール機能を有する本体部51と、アンカー効果を有する抜け止め部52および連結部53と、を有している。このため、接着剤などを使用しなくても、ガスケット50をセパレータ本体40に強固に固定することができる。また、燃料電池の組み付け状態において、ガスケット50は、積層方向からの締結力で圧縮される。この際、ガスケット50の本体部51は頂壁部47の上面で圧縮され、反力によるシールが可能になる。抜け止め部52もシート部材3の上面に接触しているため、抜け止め部52にも積層方向からの圧縮力が加わる。これにより、ガスケット50全体により反力シールが可能になり、シール性が向上する。また、燃料電池の作動時にセパレータ本体40が積層方向に変位したり振動したりしても、ガスケット50とセパレータ本体40との摩擦力に、連結部53および抜け止め部52のアンカー効果が加わるため、ガスケット50が位置ずれしにくい。
取付孔48は、ガスケット50の延在方向に所定の間隔Pで離間して複数形成されている。このため、ガスケット50の成形時に、エラストマー材料を頂壁部47の下面側に流入させやすく、連結部53によるガスケット50の保持効果も高くなる。
固定用凸部45は、セパレータ本体40自身が屈曲することにより形成される。このため、切削によりセパレータ本体40の厚さを薄くすることなく、ガスケット50を一体化することができる。
<第二実施形態>
本実施形態の燃料電池セルと第一実施形態の燃料電池セルとの相違点は、アノード側セパレータにおけるガスケットの形状を変更した点である。ここでは、主に相違点を説明する。図5に、本実施形態のアノード側セパレータにおけるガスケットの固定部分の積層方向断面図を示す。図5は、前出図3(前出図2の円IIIの拡大図)に対応している。図5において、図3と対応する部位については、同じ符号で示す。
図5に示すように、ガスケット54は、本体部55と、抜け止め部56と、連結部53と、を有している。本体部55は、固定用凸部45の表面全体に配置されている。より詳細に言うと、本体部55は、二つの立壁部46a、46bおよび頂壁部47の表面全体を被覆するように配置されている。本体部55は、平板状の台座部550と、それから上方に突出する山部551とを有している。山部551の頂部は、厚さ方向断面において略半円状の曲面状を呈している。セパレータ本体40における固定用凸部45以外の平坦部の上面から本体部55の頂部までの高さは、第一実施形態と同じ1.5mmである。抜け止め部56は、頂壁部47の下面(固定用凸部45の裏面)に配置されている。抜け止め部56は、頂壁部47の下側で連続せず、取付孔48の近傍にのみ配置されている。すなわち、抜け止め部56は、取付孔48に対応する位置に点在している。抜け止め部56の厚さは、0.3mmである。抜け止め部56の厚さは、固定用凸部45とシート部材3との間に形成される凹部49の深さと同じである。抜け止め部56は、シート部材3の上面に接触している。
本実施形態のアノード側セパレータおよびそれを備える燃料電池セルと第一実施形態のそれとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のアノード側セパレータにおいては、ガスケット54の本体部55が、二つの立壁部46a、46bおよび頂壁部47の表面全体を被覆するように配置されている。このため、ガスケット54の幅方向(図5における左右方向)における安定性が増し、ガスケット54が位置ずれしにくい。また、抜け止め部56は取付孔48に対応する位置に点在しているが、シート部材3の上面に接触している。よって、第一実施形態と同様、燃料電池の組み付け状態において、抜け止め部56にも積層方向からの圧縮力が加わるため、ガスケット54全体により反力シールが可能になり、シール性が向上する。
<第三実施形態>
本実施形態の燃料電池セルと第一実施形態の燃料電池セルとの相違点は、アノード側セパレータにおけるガスケットの固定構造を変更した点である。ここでは、主に相違点を説明する。図6に、本実施形態のアノード側セパレータにおけるガスケットの固定部分の積層方向断面図を示す。図6は、前出図3(前出図2の円IIIの拡大図)に対応している。図6において、図3と対応する部位については、同じ符号で示す。
図6に示すように、セパレータ本体70は、ガスケット80が固定される固定用凹部71を有している。固定用凹部71は、ガスケット80が配置される位置(前出図1のハッチング参照)に形成されている。固定用凹部71は、シート部材3の上方(シート部材3に対応する位置)に配置されている。固定用凹部71は、後述する第一凸部72および第二凸部73の間に形成されている。
セパレータ本体70は、シート部材3とは反対側の上方に突出する第一凸部72および第二凸部73を有している。第一凸部72および第二凸部73は、プレス加工によりセパレータ本体70を屈曲させるなどして形成されている。第一凸部72および第二凸部73は、ガスケット80の幅方向(図6における左右方向)に対向して配置されている。第一凸部72および第二凸部73は、本発明における「二つの凸部」の概念に含まれる。
第一凸部72は、左右方向に対向して配置される二つの立壁部720、721と、頂壁部722と、取付孔75と、を有している。二つの立壁部720、721は、いずれもシート部材3とは反対側の上方に突出している。頂壁部722は、二つの立壁部720、721の上端部同士を水平に橋渡しするように配置されている。取付孔75は、立壁部721にのみ形成されている。第二凸部73も第一凸部72と同様に、左右方向に対向して配置される二つの立壁部730、731と、頂壁部732と、取付孔75と、を有している。二つの立壁部730、731は、いずれもシート部材3とは反対側の上方に突出している。頂壁部732は、二つの立壁部730、731の上端部同士を水平に橋渡しするように配置されている。取付孔75は、立壁部730にのみ形成されている。
固定用凹部71は、第一凸部72の立壁部721と、第二凸部73の立壁部730と、により区画されている。すなわち、固定用凹部71は、底壁部74と、二つの立壁部721、730と、取付孔75と、を有している。底壁部74の下面は、セパレータ本体70における第一凸部72および第二凸部73以外の平坦部の下面(シート部材3との接触面)と面一である。二つの立壁部721、730は、底壁部74からシート部材3とは反対側の上方に突出している。取付孔75は、二つの立壁部721、730の各々に、複数配置されている。取付孔75は、立壁部721、730(セパレータ本体70)を厚さ方向に貫通している。
図7に、本実施形態のアノード側セパレータにおける取付孔の配置形態を模式的に示す。図7は、前出図4(前出図1の枠IVの模式図)に対応している。図7において、図4と対応する部位については、同じ符号で示す。説明の便宜上、図7においては、ガスケット80を省略して示す。図7に示すように、取付孔75は、立壁部721および立壁部730に所定の間隔で離間して貫設されている。立壁部721に貫設された取付孔75と立壁部730に貫設された取付孔75とは、底壁部74の延在方向において交互に配置されている。上方から見た取付孔75の間隔Pは10mmである。取付孔75の開口部は楕円形状を呈し、開口部の最大径は0.5mmである。
図6に戻って、セパレータ本体70の厚さ方向両面のうち、電極部材2側に配置される面を裏面、電極部材2とは反対側に配置される面を表面とする。ガスケット80は、本体部81と、抜け止め部82と、連結部83と、を有している。本体部81は、固定用凹部71の表面に配置されている。本体部81は、平板状の台座部810と、それから上方に突出する山部811とを有している。山部811の頂部は、厚さ方向断面において略半円状の曲面状を呈している。セパレータ本体70における第一凸部72および第二凸部73以外の平坦部の上面から本体部81の頂部までの高さは、1.5mmである。抜け止め部82は、二つの立壁部721、730の裏面の下方に配置されている。抜け止め部82は、立壁部721、730の裏側で連続せず、取付孔75の近傍にのみ配置されている。すなわち、抜け止め部82は、取付孔75に対応する位置に点在している。抜け止め部82の厚さは、0.1mmである。抜け止め部82は、第一凸部72および第二凸部73とシート部材3との間に形成される凹部76に収容されている。抜け止め部82は、底壁部74よりも下方に突出していない。連結部83は、本体部81および抜け止め部82の両方に連続し、取付孔75内に配置されている。
本実施形態のアノード側セパレータは、予め固定用凹部71を形成したセパレータ本体70に、ガスケット成形用のエラストマー材料を射出成形することにより製造されている。エラストマー材料は、EPDMをゴム成分とするソリッドゴムからなる。固定用凹部71内に射出されたエラストマー材料は、取付孔75を通過して二つの立壁部721、730の裏面に回り込み硬化する。こうすることにより、セパレータ本体70にガスケット80が一体化されたアノード側セパレータが完成する。
本実施形態のアノード側セパレータおよびそれを備える燃料電池セルと第一実施形態のそれとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のアノード側セパレータによると、連結部83および抜け止め部82のアンカー効果により、接着剤などを使用しなくても、ガスケット80をセパレータ本体70に強固に固定することができる。本体部81は、底壁部74および二つの立壁部721、730に囲まれるようにして配置されている。このため、ガスケット80とセパレータ本体70との接触面積が大きくなり、ガスケット80が面方向に位置ずれしにくい。取付孔75は、底壁部74を挟んで対向する二つの立壁部721、730の各々に形成されている。これにより、本体部81の両側に抜け止め部82を配置することができるため、ガスケット80の位置ずれをより抑制することができる。また、ガスケット80の山部811の直下に取付孔75が配置されないため、ガスケット80のシール性への影響は小さい。また、燃料電池の作動時にセパレータ本体70が積層方向に変位したり振動したりしても、ガスケット80とセパレータ本体70との摩擦力に、連結部83および抜け止め部82のアンカー効果が加わるため、ガスケット80が位置ずれしにくい。
抜け止め部82は、第一凸部72および第二凸部73とシート部材3との間に形成される凹部76に収容されており、底壁部74よりも下方に突出していない。したがって、本実施形態のアノード側セパレータをシート部材3および電極部材2に積層する際に、抜け止め部82が干渉せず、各部材を面方向に均一に積層させることができる。
<その他>
以上、本発明の燃料電池用ガスケット付きセパレータおよびそれを備える燃料電池セルの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
上記実施形態においては、本発明の燃料電池用ガスケット付きセパレータをアノード側セパレータとして具現化したが、カソード側セパレータとして具現化してもよい。セパレータ本体の材質は、上記実施形態に限定されず、ステンレス鋼の他、鉄、チタン、アルミニウムなどが挙げられる。また、セパレータ本体に形成される流路、貫通孔などの構成も限定されない。セパレータ本体の厚さは、発電性能の観点から、0.1mm以上0.3mm以下が望ましい。
固定用凸部、固定用凹部は、セパレータ本体が屈曲することにより形成されていればよく、その形状は特に限定されない。固定用凸部、固定用凹部は、セパレータ本体をプレス加工、曲げ加工するなどして形成すればよい。
固定用凸部に形成される取付孔の位置は、特に限定されない。上記第一実施形態においては、取付孔を頂壁部に配置したが、二つの立壁部に配置してもよい。頂壁部に配置する場合、必ずしもその中央に配置する必要はない。すなわち、上記第一実施形態のように、本体部の山部の直下(山部と同軸上)に配置する必要はなく、山部の軸からずれた位置に配置してもよい。固定用凹部の二つの立壁部に形成される取付孔の位置も、特に限定されない。取付孔は、本体部を挟んで対向していてもしていなくてもよい。上記第三実施形態のように、積層方向から見て互い違いになるように配置してもよい。一つの立壁部における取付孔の位置も、上側、下側など特に限定されない。
取付孔の開口部の形状は、円、楕円の他、三角、四角などの多角形状でもよい。開口部の大きさ(最大径)も特に限定されない。例えば、上記第一、第二実施形態のように固定用凸部に形成する場合には、開口部の大きさを0.3mm以上3mm程度にするとよい。
上記第三実施形態のように、固定用凹部に形成する場合には、開口部の大きさを0.3mm以上1mm程度にするとよい。取付孔を複数配置する場合、その間隔は特に限定されない。ガスケットの固定力を大きくするという観点から、取付孔の間隔(ピッチ)は1.0mm以上20mm以下であるとよい。
ガスケットの配置形態は特に限定されない。セパレータ本体の外周縁に沿って環状に配置してもよく、反応ガスまたは冷媒の流路としての貫通孔の周囲にのみ配置してもよい。ガスケットは、エラストマー製であればよく、その種類は限定されない。ガスケットを成形するためのエラストマー材料は、液状ゴムでもソリッドゴムでもよい。ガスケットは、ゴム成分の他に、架橋剤、共架橋剤、加工助剤、軟化剤、補強材などを含んでいてもよい。好適なゴム成分としては、EPDMの他、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)などが挙げられる。
上記実施形態においては、ガスケットの本体部を、台座部と、該台座部から突出し曲面を有する山部と、を有するように構成したが、ガスケットを構成する本体部、抜け止め部、および連結部の形状は、特に限定されない。例えば本体部において、山部の厚さ方向の断面形状は、半円形状の他、楕円形状、台形状、三角形状、幅が階段状に変化する形状などでもよい。また、山部が無く台座部のみからなるものでもよい。本体部の高さおよび幅などの寸法は、本体部の形状、ガスケットを配置する位置、セパレータ本体の厚さなどに応じて適宜決定すればよい。
ガスケットにおいて、抜け止め部は、連続していてもしていなくてもよい。抜け止め部は、取付孔ごとに点在していてもよい。抜け止め部の形状は特に限定されない。抜け止め部の厚さは、積層される相手部材に接触するセパレータ本体の裏面(相手部材との接触面)から突出しない範囲であれば、限定されない。抜け止め部は、積層される相手部材に接触しても接触しなくてもよい。例えば、ガスケット直下が弾性変形するようなセパレータ本体の場合には、シール性を考慮して、抜け止め部を相手部材に接触させることが望ましい。
上記実施形態においては、ガスケットを射出成形により製造した。しかしながら、ガスケットの成形方法としては、射出成形の他、トランスファ成形、ディスペンサー法などを採用してもよい。なお、射出成形を採用すると、トンラスファ成形と比較して、成形型を薄く軽くしやすく、ゲートに残存するエラストマー材料の量を少なくすることができる。このため、セパレータ本体の変形を抑制することができると共に、昇温時間を短くすることができるため、生産性の向上に有利である。
燃料電池セルの構成は特に限定されない。例えば、電極部材においては、MEAを挟んで配置される一対の多孔質層を、ガス拡散層のみの単層構造としてもよく、ガス拡散層およびガス流路層の二層構造としてもよい。電極部材の外周を囲むように配置されるシート部材についても、材質、厚さなどは特に限定されない。上記実施形態においては、シート部材の材料としてポリプロピレンを採用したが、それ以外の樹脂でもよく、先にガスケットの材料として挙げたエラストマーや、熱可塑性エラストマーを採用してもよい。
1:燃料電池セル、2:電極部材、3:シート部材、4:アノード側セパレータ(燃料電池用ガスケット付きセパレータ)、6:カソード側セパレータ、20:発電領域、32a:冷却水供給孔、32b:冷却水排出孔、40:セパレータ本体、41a:空気供給孔、41b:空気排出孔、42a:冷却水供給孔、42b:冷却水排出孔、43a:水素供給孔、43b:水素排出孔、44:流路、45:固定用凸部、46a、46b:立壁部、47:頂壁部、48:取付孔、49:凹部、50:ガスケット、51:本体部、52:抜け止め部、53:連結部、54:ガスケット、55:本体部、56:抜け止め部、62a:冷却水供給孔、62b:冷却水排出孔、70:セパレータ本体、71:固定用凹部、72:第一凸部、73:第二凸部、74:底壁部、75:取付孔、76:凹部、80:ガスケット、81:本体部、82:抜け止め部、83:連結部、510:台座部、511:山部、550:台座部、551:山部、720、721:立壁部、722:頂壁部、730、731:立壁部、732:頂壁部、810:台座部、811:山部。

Claims (7)

  1. 膜電極接合体を有する電極部材に積層され、セパレータ本体と、該セパレータ本体に固定されるエラストマー製のガスケットと、を有する燃料電池用ガスケット付きセパレータであって、
    該セパレータ本体は、自身が屈曲することにより該電極部材とは反対側に突出し該ガスケットが配置される固定用凸部を有し、該固定用凸部は、該セパレータ本体を厚さ方向に貫通する取付孔を有し、
    該セパレータ本体の厚さ方向両面のうち、該電極部材側に配置される面を裏面、該電極部材とは反対側に配置される面を表面として、
    該ガスケットは、該固定用凸部の表面に配置される本体部と、該固定用凸部の裏面に配置される抜け止め部と、該取付孔内に配置され該本体部および該抜け止め部に連続する連結部と、を有し、
    該抜け止め部の厚さは、該固定用凸部により該セパレータ本体の該電極部材側に形成される凹部の深さ以下であることを特徴とする燃料電池用ガスケット付きセパレータ。
  2. 前記固定用凸部は、前記電極部材とは反対側に突出する二つの立壁部と、二つの該立壁部の間に配置される頂壁部と、を有し、
    前記取付孔は、該頂壁部に複数配置される請求項1に記載の燃料電池用ガスケット付きセパレータ。
  3. 膜電極接合体を有する電極部材に積層され、セパレータ本体と、該セパレータ本体に固定されるエラストマー製のガスケットと、を有する燃料電池用ガスケット付きセパレータであって、
    該セパレータ本体は、自身が屈曲することにより形成され該ガスケットが配置される固定用凹部を有し、該固定用凹部は、底壁部と、該底壁部から該電極部材とは反対側に突出する二つの立壁部と、を有し、二つの該立壁部は、各々、該セパレータ本体を厚さ方向に貫通する取付孔を有し、
    該セパレータ本体において、該電極部材側に配置される面を裏面、該電極部材とは反対側に配置される面を表面として、
    該ガスケットは、該固定用凹部の表面に配置される本体部と、二つの該立壁部の各々の裏面に配置される抜け止め部と、該取付孔内に配置され該本体部および該抜け止め部に連続する連結部と、を有し、
    該抜け止め部は、該固定用凹部の該底壁部よりも該電極部材側に突出しないことを特徴とする燃料電池用ガスケット付きセパレータ。
  4. 前記セパレータ本体は、自身が屈曲することにより前記電極部材とは反対側に突出する二つの凸部を有し、二つの該凸部は前記立壁部を一つずつ有し、前記固定用凹部は二つの該凸部の間に形成され、
    前記抜け止め部は、二つの該凸部により該セパレータ本体の該電極部材側に形成される凹部に収容される請求項3に記載の燃料電池用ガスケット付きセパレータ。
  5. 前記固定用凹部における前記底壁部の裏面は、前記電極部材に接する前記セパレータ本体の裏面と面一である請求項3または請求項4に記載の燃料電池用ガスケット付きセパレータ。
  6. 前記ガスケットは、ソリッドゴムから製造される請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の燃料電池用ガスケット付きセパレータ。
  7. 膜電極接合体を有する電極部材と、該電極部材の外周を囲むように配置されるシート部材と、該電極部材および該シート部材を厚さ方向に挟んで配置される第一セパレータおよび第二セパレータと、を備え、
    該第一セパレータは、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の燃料電池用ガスケット付きセパレータであり、前記セパレータ本体における前記固定用凸部または前記固定用凹部は、該シート部材に対応する位置に配置されることを特徴とする燃料電池セル。
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