JP2005108524A - 燃料電池用インシュレータ - Google Patents

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寛昭 安信
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Abstract


【課題】燃料電池用インシュレータを、軽量で強度が高く、良好な絶縁性を持つガラス繊維含有FRP製としながら、生成水にガラス繊維が溶解しないためのガスケットを、取付強度十分に一体化装備させる。
【解決手段】セルスタックの両端に配置される集電板と、エンドプレートとの間に介在される燃料電池用インシュレータ13において、ガラス繊維含有FRP製の平板基材に、流体を通すための開口部23が形成されて成るインシュレータ本体13Aと、開口部23に形成されたガスケット22とを有し、ガスケット22は、開口部23の表裏側周縁部、及び内周面に亘って連続的に延びて開口部23を被覆する断面略コ字状のシール部材27を、開口部23に接着剤を用いて一体的に貼着して構成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、燃料電池用インシュレータに係り、詳しくは、セルスタックの両端に配置される集電板と、エンドプレートとの間に介在される燃料電池用インシュレータに関するものである。
固体高分子型燃料電池は、平板状の電極構造体の両側にセパレータが積層されたものが一つのセルとなり、複数のセルを積層して燃料電池のスタックとして構成されている。電極構造体は、正極側の電極触媒層(カソード)と、負極側の電極触媒層(アノード)との間に高分子電極膜が挟まれ、各電極触媒層の外側にガス拡散層が配置された積層体である。セパレータは電子伝達機能を有する材料から成るもので、電極構造体への対向面にはガス通路が形成され、少なくとも一方のセパレータの表面には冷媒通路が形成されている。
これら通路はいずれも溝状であって、ガス通路には燃料ガスである水素ガスと酸素や空気等の酸化剤ガスが夫々独立して流され、冷媒通路には水或いはエチレングリコール等の冷媒が流される。セパレータは、各ガス通路間の突起部がガス拡散層に接触する状態で電極構造体に積層される。
このような燃料電池によると、例えば、負極側に配されたセパレータのガス通路に燃料ガスを流し、正極側に配されたセパレータのガス通路に酸化剤ガスを流すと電気化学反応が起こって電気が発生する。この燃料電池の作動中においては、ガス拡散層は電気化学反応によって生成した電子を電極触媒層とセパレータとの間で伝達させると同時に燃料ガス及び酸化剤ガスを拡散させる。また、負極側の電極触媒層は酸素とプロトンと電子から水を生成し、電解膜はプロトンをイオン伝導させる。そして、正負の電極触媒層を通して電力が取り出される。
そのとき発生した生成水は、カソード側のセパレータの表面に設けられた流路を経由して未反応の酸素と共にマニホールドを通じて排出される。この生成水中には電解膜から発生する硫酸及びフッ酸が含まれており、これらの酸に対して影響を受け難い素材がセパレータやガスケット材料として用いられている。因みに、セパレータは現在カーボンの成形品が、ガスケット材料としてはフッ素系のエラストマーが主流になりつつある。
ところで、燃料電池のスタックは2枚のセパレータの間にアノード電極、電解質膜、カソード電極が組み込まれて一つのセルに構成されていて、そのセルが数十から数百枚積層し、かつ、その末端に絶縁を目的としたインシュレータを装備することで燃料電池本体を形成している。このような燃料電池に関する例としては、例えば、特許文献1や特許文献2において開示されたものが知られている。
インシュレータの材料には、熱や荷重による変形を防止するために、近年では、エポキシ等の高強度の合成樹脂材を用いることが多い。そして、この合成樹脂製のインシュレータにもガスや生成水等の流体の通過するマニホールドが設けられており、反応によって発生した生成水等がマニホールド部を流れることとなる。
そこで、従来、インシュレータにおけるマニホールド部分の構造は、図8に示すように、合成樹脂製のインシュレータ1の表裏の各面1a,1bには、マニホールド6を構成する開口部2の周縁部に位置させて凹入溝3,4を形成し、それら各凹入溝3,4に断面が略山型形状のゴム製のシールリング5を嵌め込んで装着させる構造とされていた。つまり、燃料電池として組付けられた状態では、各シールリング5が圧縮されてマニホールド6をその全周に亘ってシールし、ガスや生成水を、それらの漏洩がない状態としてマニホールド6に流すのである。このように、シールリング等のガスケットを嵌め込みによって装着するものの例としては、特許文献3において開示されたものがある。
しかしながら、ガスケットをインシュレータに装着するのに、嵌め込みとする手段では、実現が困難であることが判明した。何故なら、絶縁を目的としてポリカーボネート等の合成樹脂材で形成されたインシュレータでは、より強固にガスケットを設けることが要求されるが、嵌め込みだけではしっかりと固定できないからである。
つまり、嵌め込みによる場合では、結露や毛細管現象によって、ガスケットとインシュレータとの間に水分が入り込むおそれがあり、そうなると絶縁性に悪影響を及ぼす問題が生じる。そして、合成樹脂はカーボンに比べて、生成水等の燃料電池用流体の悪影響を受け易いという、材料面での不利があり、燃料電池用インシュレータには更なる改善の余地が残されていた。
ところで、上述したように、生成水には硫酸とフッ酸とが含まれているので、インシュレータを構成する合成樹脂を、より強度に優れるガラス繊維含有FRPとした場合には、過酷な運転条件下では、その生成水がマニホールド内を流れるときに、生成水中に含まれるフッ酸とFRP中のガラス繊維とが反応して、ガラス繊維が溶解するという不都合を招くおそれがある。
前述の従来技術(図8のもの)の構造では、インシュレータ1におけるシールリング5の内側部分(マニホールド2側部分)6を設けてあり、インシュレータ本体にまで影響が及ぶには時間が掛かるが、その内側部分6からガラス繊維が溶解する不都合は早期に生じ易い。そして、その不都合が、時間の経過に伴って次第にインシュレータ本体に及んでゆくとともに、溶解したガラス繊維が生成水中に流れ出すという問題がある。
そこで、燃料電池に使用されるセパレータにおいて、マニホールドをシールするガスケットを、その断面形状を略コ字状として、セパレータの開口部を覆う構造とするものに形成することにより、セパレータを流体からほぼ完全に遮断可能とした技術が、前述の特許文献3において開示されている。従って、この技術をインシュレータに適用すれば、流体からインシュレータを遮断可能となり、ガラス繊維溶解の不都合を解決できるように思われる。しかしながら、特許文献3に示された技術をインシュレータにそのまま適用したとしても、その装着手段は、やはり嵌め込みによるものであるから、前述した絶縁に関する課題は解決されないとともに、それによってラス繊維溶解のおそれも拭い去れない。
特開2000−48849号公報 特開2002−298899号公報 特開2002−260692号公報
本発明の目的は、燃料電池用インシュレータを、軽量でありながら強度が有り、かつ、良好な絶縁性を持つ合成樹脂製とする構成を踏襲しながら、結露や毛細管現象にも対処できるようにして、絶縁性をより確実なものとして維持できるガスケットを、取付強度十分に装備できるようにする点にある。また、インシュレータの材料を、より強度に優れるガラス繊維含有FRP製とした場合に、ガラス繊維が溶解するおそれを回避できるガスケットを、取付強度十分に装備できるようにする点も目的である。
請求項1の構成は、セルスタックの両端に配置される集電板と、エンドプレートとの間に介在される燃料電池用インシュレータにおいて、
平板基材に、流体を通すための開口部が形成されて成るインシュレータ本体と、前記開口部に形成されたガスケットとを有し、
前記ガスケットは、前記開口部の表裏側周縁部、及び内周面に亘って連続的に延びて前記開口部を被覆するシール部材を、前記開口部に一体的に装着することで構成されていことを特徴とする。
請求項2の構成は、請求項1において、
前記シール部材は、前記表裏側周縁部の夫々に、インシュレータ本体の厚み方向に突出したビードを形成して構成されていることを特徴とする。
請求項3の構成は、請求項2において、
前記開口部の表裏側周縁部には、インシュレータ本体の厚み方向に凹入した凹溝を周設するとともに、この凹溝に嵌入する凸条が前記シール部材に形成されていることを特徴とする。
請求項4の構成は、請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記シール部材は、接着剤を用いて前記開口部に貼着されていることを特徴とする。
請求項5の構成は、請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記インシュレータ本体は、ガラス繊維含有FRP製の平板基材であることを特徴とする。
請求項1の燃料電池用インシュレータでは、流体の通路からインシュレータ本体が遮断可能になり、インシュレータとシール材との境目が露呈されない点で絶縁性が向上するとともに、そのためのシール部材は開口部に一体的に装着されているので、単に嵌め込む手段に比べて、より強固にインシュレータ本体に取付けられる。また、ガスケットはインシュレータに一体的に装備されているので、毛細管現象が生じないとともに、結露が生じてもそれらの間に水分が入り込むことは回避されるので、良好な絶縁性が維持されるようになる。
その結果、強度を有しながらも軽量化でき、しかも安価で絶縁性に優れる合成樹脂製であり、かつ、生成水等の流体から確実に遮断できる良好なシール性を有したガスケットが強固に一体化装備されたので、セルスタックを締付て組付ける際に生じる応力や歪による部品変形を回避しながら、運転時の流体通路の内圧上昇によるシール部材の変形や移動が防止されてガス漏れ等の流体漏洩が防止でき、長期に亘って安定した性能が得られる優れた燃料電池インシュレータを提供することができた。
請求項2の燃料電池用インシュレータでは、ビードの存在によってシール性が一層強化される利点がある。
請求項3の燃料電池用インシュレータでは、開口部の凹溝に嵌入する凸条をシール部材に形成したので、セルスタックに組み付けられた際のシール部材の応力が上昇し過ぎず、適正な範囲に設定し易く、シール変形量を大きくしてより確実にシールできるとともに、開口部からのシール部材の抜け出しをより確実に阻止できる効果もある。
請求項4の燃料電池用インシュレータでは、開口部にシール部材を接着剤を用いて貼着してあるので、一般的で経済的な接着工程を設けることで、これら両者の間に結露水が入り込むことや、それら両者の間に毛細管現象の生じる余地が無くなり、絶縁性を良好に維持できて信頼性に優れるようにしながら、簡単便利にガスケットのインシュレータ本体への一体化装着強度を高めることができた。
請求項5の燃料電池用インシュレータでは、インシュレータ本体をガラス繊維含有FRP製としたので、軽くてより強度に優れ、しかも安価で絶縁性に優れるものとしながら、生成水等の流体から確実に遮断できて、ガラス繊維が溶解するとか、溶解したガラス繊維が生成水中に流れ出すという問題が無く、良好なシール性が得られる利点がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、自動車に搭載される燃料電池の概略の全体斜視図が、図2に燃料電池の端部構造を示す部分側面図が、そして、図3にはインシュレータの平面図が夫々示されている。図4にはインシュレータのガスケット部分の断面図を示し、図5には、インシュレータ本体とシール部材との組付け前の状態を示す断面図が示されている。
燃料電池Eは、図1、図2に示すように、所期の電圧を得るべく、セパレータ12を介して積層された多数のセル(単電池)11を、一対のインシュレータ13に間に配置し、さらにその両外側に配置した一対の圧力プレート14で挟み込む構造とされている。両端の圧力プレート14どうしは、図示しない緊張機構によって互いに接近する方向に押圧されており、それによって、多数のセル11、多数のセパレータ12、及び一対のインシュレータ13を挟持固定して一体化してある。
セル11は、板状カーボン製の燃料極(アノード)15と、板状カーボン製の空気極(カソード)16とを、固体高分子電解膜17を介して対向配置して成る三層構造のものに構成されている。セパレータ12も、カーボンの成形品によるものが多い。つまり、三層構造で成る一つのセル11は、一対のセパレータ12の間にサンドイッチされたような構成とされている。
この燃料電池Eには、これを積層方向に貫通する状態で、ガスや生成水等の流体通路であるマニホールド18,19が形成されている。即ち、第1マニホールド18と、第2マニホールド19とを上下に並べての対が、燃料電池Eとしての左右夫々に配備されており、両端の圧力プレート14に形成された取出し筒20,21により、図示しない所定の配管構造に接続される。セパレータ12やインシュレータ13には、各マニホールド18,19からシールするためのガスケット22が装備されている。
インシュレータ13は、最も端に配置されたセパレータ(即ち、セルスタックの両端に配置される集電板)12、と、圧力プレート(エンドプレート)14との間に介在されるものであり、図3に示すように、FRP製のインシュレータ本体13Aと、ガスケット22とから構成されている。これら両端のセパレータ12や圧力プレート14は、ステンレス鋼板製であることが多い。尚、セルスタックとは、セパレータ12を介してセル11を多数積層した構成を指し、燃料電池本体と呼ばれることも多い。
図3〜図5に示すように、この燃料電池用インシュレータ13は、ガラス繊維含有FRP製の平板基材に、流体を通すための開口部23が形成されて成るインシュレータ本体13Aと、開口部23に形成されたガスケット22とを有して構成されている。尚、開口部23とは、インシュレータ本体13Aにおける、マニホールド19を形成するために形成された孔k(図5参照)部分を指す。
ガスケット22は、図3に示すように、第1及び第2マニホールド18,19を流れるガスや生成水等の流体から、インシュレータ本体13Aをシールするための第1ガスケット22Aと第2ガスケット22Bとの総称である。これら両ガスケット22A,22Bは、いずれも同じ断面構造を有しており、その構造を第2ガスケット22Bのもので説明する。
第2ガスケット22Bは、図4、図5に示すように、開口部23の表裏側周縁部24,25、及び内周面26に亘って連続的に延びて開口部23を被覆する断面略コ字状で、かつ、平面視ループ状のシール部材27を、開口部23に一体的に装着することで構成されている。つまり、シール部材27は、表側周縁部24に沿う表横シール部28、裏側周縁部25に沿う裏横シール部29、及び内周面26に沿う縦シール部30を有している。
ここで用いられるシール部材27の材料としては、シリコーンゴム、バーフロロエラストマー、ブチルゴム、スチレン−ブタジェン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メテル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、エチレン−プロピレンゴム等があり、要求される性能によって適宜に選択して採用する。
開口部23は、インシュレータ本体13Aの基本厚みに比べて、表裏の両側共に段差を持たせて厚みを薄くした薄肉部に形成されているとともに、表裏側周縁部24,25の夫々には、さらに段差を深くした係合凹溝24a,25aが形成されている。そして、シール部材27の各横シール部28,29には、各凹溝24a,25aに係入される係合凸条28a,29a、及び、インシュレータ本体13Aの厚み方向に突出した断面三角形のビード31が形成されている。
ガスケット22Bは、次のような工程によって作成される。先ず、シール部材27をインシュレータ本体13Aに組付けるには、予めアルコールやケトン等の有機溶剤によって開口部23の汚れや油分を十分に除去する洗浄工程を行い、それから表裏側周縁部24,25、及び内周面26に接着剤を塗布する塗布工程を行う。ここで、接着剤の塗布方法としては、ディッピング、スプレー、刷毛塗り、ディスペンサーによる塗布等のいずれでも良い。また、接着剤の種類によっては、風乾させた後に、所定の温度にて焼き付け処理を行うこともある。
そして、開口部23に接着剤が塗られたインシュレータ本体13Aを金型にセットし、射出成形によって開口部23部分にシール部材27の材料を射出し、各横シール部28,29及び縦シール部30を、表裏側周縁部24,25及び内周面26に接着させる貼着工程を行う。この貼着工程では、射出された材料の熱により、開口部23に塗布されている接着剤が熱せられ、インシュレータ本体13Aとシール部剤27とが、いわゆる「焼き付け接着」される状態になり、これら両者をより強固に一体化できる利点がある。尚、各図において、接着剤を描くことは省略してある。
このように、各横シール部28,29においては、ビード31が存在する部分の内側に係合凸条28a,29aを形成して、それらの部分の肉厚を厚くしてあるので、インシュレータ13を燃料電池Eとして組付けて、ビード31が強く圧迫された場合の、横シール部28、29の応力上昇を適切な範囲内に抑えることが可能になるとともに、ビード31の突出高さを大きくして反発弾性を増し、より確実なシール性が得られるという利点がある。これらの好ましい効果の程度は、係合凹溝24a,25aの彫り込み深さを浅くしたり深くしたりして、適宜に調節設定することが可能である。
また、ガスケット22とインシュレータ本体13Aとは接着剤によって隙間なく一体化されているので、結露が生じてもそれらの間に水分が入り込むことが無いとともに、ガスケット22とインシュレータ本体13との間には毛細管現象の生じる余地が無いので、その毛細管現象によって水分が浸透する不都合も生じない。従って、水分による絶縁性の悪影響が解消され、良好な絶縁性が維持されるという信頼性に優れるインシュレータ13を提供できるようになる。
ガスケット22は、図4に示すように、インシュレータ本体13Aの厚みと、シール部材27におけるビード31を除いた基本部分の厚みとが同じに設定してあるが、シール部材27の基本部分の厚みがインシュレータ本体13Aの厚みより若干小さい場合や、若干大きい場合のいずれも可能である。
以上のように、本発明による燃料電池用インシュレータでは、ガラス繊維含有FRP製の平板基材に、流体を通すための開口部が形成されて成るインシュレータ本体と、開口部に形成されたガスケットとを有するとともに、ガスケットは、開口部の表裏側周縁部、及び内周面に亘って連続的に延びて開口部を被覆する断面略コ字状のシール部材を、開口部に一体的に装着されているから、流体の通路からインシュレータ本体が完全に遮断可能になり、ガラス繊維が溶解する不都合を回避できるとともに、そのためのシール部材は開口部に一体的に装着されているので、単に嵌め込む手段に比べて、より強固にインシュレータ本体に取付けられる。また、ガスケットはインシュレータに一体的に装備されているので、毛細管現象が生じないとともに、結露が生じてもそれらの間に水分が入り込むことは回避されるので、絶縁性が維持されるようになる。
その結果、軽くて強く、しかも安価で絶縁性に優れるガラス繊維含有FRP製であり、かつ、生成水等の流体から確実に遮断できる良好なシール性を有したガスケットが強固に一体化装備されたので、セルスタックを締付て組付ける際に生じる応力や歪による部品変形を回避しながら、運転時の流体通路の内圧上昇によるシール部材の変形や移動が防止されてガス漏れ等の流体漏洩が防止でき、長期に亘って安定した性能が得られる優れた燃料電池インシュレータを提供することができた。
シール部材が、表裏側周縁部の夫々に、インシュレータ本体の厚み方向に突出したビードを形成して構成されるようにすれば、ビードの存在によってシール性が一層強化される利点がある。そして、開口部の表裏側周縁部に、インシュレータ本体の厚み方向に凹入した凹溝を周設するとともに、この凹溝に嵌入する凸条をシール部材に形成すれば、セルスタックに組み付けられた際のシール部材の応力が上昇し過ぎず、適正な範囲に設定し易く、シール変形量を大きくしてより確実にシールできるとともに、開口部からのシール部材の抜け出しをより確実に阻止できる効果もある。
また、シール部材を、接着剤を用いて開口部に貼着してあるので、一般的で経済的な接着工程を設けることで、これら両者の間に結露水が入り込むことや、それら両者の間に毛細管現象の生じる余地が無くなり、絶縁性を良好に維持できて信頼性に優れるようにしながら、簡単便利にガスケットのインシュレータ本体への一体化装着強度を高めることができた。
先の実施形態においては、ガスケット22は、シール部剤27をインシュレータ本体13Aの開口部23に、直接、金型による射出成形を行って焼き付け接着させて構成されていたが、予め、所定の形状に金型成形されたシール部材27、及びインシュレータ本体13A(図5参照)を用意しておき、開口部23に接着剤が塗られたインシュレータ本体13Aに、シール部剤27を強制的に嵌め入れて貼着一体化させる、という作り方によって作成しても良い。
この作成方法によって形成されたガスケット22は、結果的には、図4に示す状態となるが、この場合では、係合凹溝24a,25aと係合凸条28a,29aが係合されることによって一体化強度が向上するとともに、シール部材27の開口部23からの抜け止め作用が強化される利点もある。
シール部材27の材料硬度、形状や厚みを適宜に工夫すること(例えば、、スポンジ体のような圧縮変形率の大なる材料を用いる等)により、図6に示す要に、開口部23の厚みを薄くすること(彫り込み部を設けること)なく、インシュレータ本体13Aに貼着一体化することが可能である。これによれば、開口部23の形状、並びにシール部材27の形状がシンプルになり、全体としてガスケット22を安価に構成できる利点がある。
ガスケット22の構造としては、図7(a)に示すように、開口部23を段差が無く肉厚の薄い形状として、シール部材27におけるビード31を除いた基本部分の厚みd1を、インシュレータ本体13Aの厚みd2よりも小とし、かつ、ビード31部分のシール部材27の厚みd3は、インシュレータ本体13Aの厚みd2より大としたもの(d3>d2>d1)でも良い。
また、図7(b)に示すように、開口部23を基本的には肉厚がインシュレータ本体13Aと同等として、係合凹溝24a,25aは形成しておき、シール部材27の基本部分の厚みd1を、インシュレータ本体13Aの厚みd2よりも大に設定した構造のガスケット22としても良い。
尚、インシュレータ13(インシュレータ本体13A)は、ガラス繊維含有FRP製以外にポリカーボネ―ト製でも良く、その材質は問わないとともに、ガスケット22を形成するシール部材(符号27等)は、断面略コ字状以外でも良く、その断面形状は問わない。
燃料電池の概略構造を示す全体斜視図 燃料電池の端部構造を示す部分側面図 インシュレータの平面図 ガスケットの構造を示すインシュレータ開口部の断面図(実施例1) 開口部及びガスケット夫々の構造を示す断面図(実施例2) ガスケットの別構造を示す要部の断面図(実施例3) (a)、(b)共に、ガスケットの他の別構造を示す要部の断面図(実施例4) 従来のガスケットの構造を示す要部の断面図
符号の説明
12 集電板
13A インシュレータ本体
14 エンドプレート
23 開口部
24 表側周縁部
24a,25a 凹溝
25 裏側周縁部
26 内周面
27 シール部材
28a,29a 凸条
31 ビード

Claims (5)

  1. セルスタックの両端に配置される集電板と、エンドプレートとの間に介在される燃料電池用インシュレータであって、
    平板基材に、流体を通すための開口部が形成されて成るインシュレータ本体と、前記開口部に形成されたガスケットとを有し、
    前記ガスケットは、前記開口部の表裏側周縁部、及び内周面に亘って連続的に延びて前記開口部を被覆するシール部材を、前記開口部に一体的に装着することで構成されている燃料電池用インシュレータ。
  2. 請求項1において、
    前記シール部材は、前記表裏側周縁部の夫々に、インシュレータ本体の厚み方向に突出したビードを形成して構成されている燃料電池用インシュレータ。
  3. 請求項2において、
    前記開口部の表裏側周縁部には、インシュレータ本体の厚み方向に凹入した凹溝を周設するとともに、この凹溝に嵌入する凸条が前記シール部材に形成されている燃料電池用インシュレータ。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記シール部材は、接着剤を用いて前記開口部に貼着されている燃料電池用インシュレータ。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記インシュレータ本体は、ガラス繊維含有FRP製の平板基材である燃料電池用インシュレータ。
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