JP2005317505A - 燃料電池及びそのセパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 薄型でありながら高いシール性能を備えた燃料電池及びセパレータを提供する。
【解決手段】 発電体(1)とこの発電体(1)を狭持する一対のセパレータ(3)とこれらセパレータ(3)に狭持されるシール部材(2)を備える燃料電池(Cn)において、シール部材(2)が当接する前記セパレータの一部領域には、当該一部領域の剛性を当該セパレータ(3)の他の領域の剛性に比べ大きくする剛性増加手段(60)を備えている。シール部材が当接する一部領域に剛性増加手段(60)が設けられているので、この領域の剛性を保つことができ、シール性能を低下させることがない。
【選択図】 図3

Description

本発明は燃料電池のセパレータ構造に関する。
燃料電池システムでは、高電圧の発電電圧を得るために多数の燃料電池モジュールを積層して燃料電池スタックを形成する。そのため燃料電池モジュールを構成するセパレータも金属薄板を使用している。
このような金属薄板の変形を防止するための方法として、例えば特開2003−220664号公報には、金属薄板の少なくとも片面に、弾性プライマー層を介してシール用樹脂層を成形したシール用樹脂−金属接合体において、シール用樹脂層を積層するときに、金型と当接する弾性プライマー層の厚みを当接しない他の部分よりも厚く形成して金型を締め付ける圧力を受けるように形成した接合体が開示されている(特許文献1)。
特開2003−220664号公報
しかし、セパレータに対する薄膜化の要望はますます高まっており、セパレータを薄くするほど前記シール部材が接する部分の剛性が確保できないため、シール性能が低下する可能性があった。
そこで本発明は、セパレータが薄型でありながら高いシール性能を備えた燃料電池及びセパレータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、発電体とこの発電体を狭持する一対のセパレータとこれらセパレータに当接するシール部材を備える燃料電池において、シール部材が当接する前記セパレータの一部領域には、当該一部領域の剛性を当該セパレータの他の領域の剛性に比べ大きくする剛性増加手段を備えていることを特徴とする。
シール部材が当接する領域の周辺には応力が作用するため、セパレータを形成するプレートが薄ければ薄いほど材料自体の剛性が下がるため変形しやすくなるが、上記構成によれば、シール部材が当接する一部領域に剛性増加手段が設けられているので、この領域の剛性を保つことができ、シール性能を低下させることがない。しかも剛性を増加させているのは一部領域のみであるため、全体の厚みを厚くする必要がない。
ここで「シール部材」は一対のセパレータ間や積層された燃料電池において隣接するセパレータとの間に設けられる接着剤としての機能を備えたシール部材を含む。
ここでセパレータの非発電領域に前記剛性増加手段が設けられていることは好ましい。発電体には一定の厚みが必要でありその部分のセパレータを厚くすることは適当ではないが、当該構成によれば、剛性増加手段が設けられているのはセパレータの非発電領域であるため、燃料電池スタック全体の厚みを厚くすることがない。
例えば、剛性増加手段は、前記セパレータに形成した段差である。段差を形成すればその段差構造によって剛性が高まるため、一部領域の剛性を増加させることができる。
ここで「段差」はセパレータに形成された凹凸構造またはリブ構造とすることができる。例えば互いに独立した点状の凹凸構造を設けることが考えられる。また、凹部(谷部)と凸部(山部)とがほぼ平行になるよう設けられたリブ構造、すなわち、凹凸構造を連続的に繰り返したいわゆる波形構造も含む。
例えば、剛性増加手段は、前記セパレータの前記一部領域の厚みを他の領域の厚みに比べて厚くする肉厚手段である。肉厚にすればその厚みに応じて剛性が上がるため、肉厚手段によって一部領域の剛性を増加させることができる。
例えば、肉厚手段は、前記セパレータの端部を折り返して形成されている。折り返しにより一部領域に肉厚な部分を設けることができ、その一部領域の剛性を増加させることができる。
例えば、肉厚手段は、前記セパレータとは別部材を積層して形成されている。別部材を積層することによってもその部分に肉厚な部分を設けることができ、その一部領域の剛性を増加させることができる。
ここで例えば別部材は、前記セパレータと同一材料である。同一部材を用いれば、利用する材料を増やすことなく肉厚な部分を設けることができる。
また例えば別部材は、前記セパレータと異種材料であるとしてもよい。セパレータには流路の形成等、微細な構造の加工をし易いことが要件とされるところ、一部領域であればセパレータに要求され仕様とは異なるものでもよい。例えば異種材料として剛性の相対的に高いものを選択することができ、一部領域における剛性を効果的に高めることができる。
本発明は、燃料電池の発電体を狭持するためのセパレータであって、シール部材が当接する一部領域には、当該一部領域の剛性を他の領域の剛性に比べ大きくする剛性増加手段を備えている。上記構成によれば、シール部材が当接するセパレータの一部領域に剛性増加手段が設けられているので、この領域の剛性を保つことができ、シール性能を低下させることがない。しかも剛性を増加させているのは一部領域のみであるため、全体の厚みを厚くする必要がない。
なお、セパレータにおける剛性増加手段の態様については前述したとおりである。
また本発明は、シール部材がセパレータに当接する構造を備える燃料電池において、当該シール部材と当該セパレータとが当接する一部領域であって、当該シール部材が当接する当該セパレータの一方の面とは反対側の面に、当該シール部材の当接による応力に対抗する剛性増加手段が設けられているものでもよい。
上記構成によれば、シール部材がセパレータに当接する場合、必ずしもセパレータ自体に剛性増加手段が設けられていなくても、セパレータのシール部材が当接する面の反対側に剛性増加手段が設けられていることで、シール部材の及ぼす応力に対抗させてセパレータの変形を抑制することができる。例えば、セパレータの一方の面にシール部材、他方の面に接着層等シール部材以外の部材が設けられている場合、シール材部材以外の部材の剛性(ヤング率等)をシール部材から受ける応力に対抗できる程度に高めておくことでセパレータの変形を抑制可能である。
以上本発明によれば、セパレータの一部領域には剛性を他の領域の剛性に比べ大きくする剛性増加手段を備えているので、セパレータはシール部材の当接によっても変形せず、シール性能を低下させることがない。また総ての領域に剛性増加手段を設けてはいないため全体を厚くし過ぎることもない。
次に、本発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。以下の実施形態は本発明を実施する態様の単なる例示であり、発明の範囲を限定するものではない。
(実施形態1)
本発明の実施形態1は、電気自動車等に利用される燃料電池システムのセルに本発明のセパレータを適用したものであり、特にセパレータに剛性増加手段として段差を設けた点に特徴がある。図1に本実施形態1におけるセパレータの平面図を示し、図2に本セパレータを利用したセルのスタック構造を示す。図2は、この燃料電池スタックの周辺部分の拡大断面図であり、図1にA−A切断面を観察したものである。
図2に示すように、燃料電池スタックは、複数の単セルCn、Cn−1、Cn+1…(以下、n番目のセルCnに単セルを代表させる。)を所望の発電電圧が得られるまで積層して構成される。個々の単セルCnは、発電体1、この発電体1の周囲を封止するためのシール部材2、発電体1を狭持する、本発明に係る一対のセパレータ3を備えて構成されている。隣接する単セルCn間は、一対のガスケット4及び分離板5が設けられている。なお、この一対のガスケット4及び分離板5は、高分子電解質膜を利用する燃料電池では不要になり、ガスケットを一つだけで隣接する単セルと接触する構造とすることもできる。特に本実施形態のセパレータ3には剛性増加手段6が設けられていることに特徴がある。この剛性増加手段6の各種態様について、本実施形態を含む各実施形態で説明する。
燃料電池の発電を担う発電体1には、燃料電池の方式により種々の構造が考えられる。例えば、固体酸化物形燃料電池であれば、ジルコニア等の電解質をランタンマンガナイト等の空気極とニッケル等の燃料極との間に挟み込んだものが基本構造となる。溶融炭酸塩形燃料電池であれば、炭酸塩をLiAlO2等の保持材にしみこませた電解質板を燃料極と空気極との間に挟み込んだもの、リン酸形燃料電池であれば、リン酸を電解質として燃料極と空気極との間に挟み込んだもの、高分子電解質形燃料電池であれば、フッ素系イオン交換膜等の高分子電解質含んだ電解質膜を燃料極と空気極との間に挟み込んだ構造を備える。
当該実施形態では特に電気自動車の発電源として適する発電体1として、高分子電解質膜の両側に多孔質支持層に触媒を担持させた触媒電極が形成された高分子電解質膜利用のMEA(Membrane Electrode Assembly)構造を備えるものとする。
図1に示すように、セパレータ3は、互いの単セルCnを隔てるとともに、発電体1の水素極側に燃料ガスである水素ガス、または、酸素源である空気を供給させるための流路31が形成している。水素ガスまたは空気は、各流路31にこれらのガスを供給するための共通通路であるマニホールド33が設けられている。また図1に示す面の裏側には図示しない冷却水用の流路が設けられており、単セルCnで起こる電気化学反応の結果発生した熱を奪うことが可能に構成されている。マニホールド33の中にはこのような冷却水用の流路も形成されている。セパレータ3の隅には、多数の単セルを積層させて一つのスタックとしてまとめるためのボルト等の締結部材が挿通する締結用孔32が設けられている。
セパレータ3の構成材料としては導電性を有する必要から、金属セパレータを利用可能である。具体的には、セパレータには、カーボンセパレータといわれるカーボンと樹脂とで構成されたもの、金属セパレータといわれるステンレス金属の平体またはステンレス表面に導電性材と耐食材とを塗布したもの等があるが、以下では金属セパレータの場合を例示する。また、セパレータ3には流路31のように複雑な微細構造を形成する必要があるため精密加工のし易さも必要である。さらに、高電圧発電に対する要求から、多数積層を可能にするため、セパレータ3はできる限り薄く形成する必要がある。このため、セパレータ3の金属プレート30としては、加工しやすい金属材料、例えばアルミニウム、鉄、チタン、ステンレスなどにカーボンを含有させたものが利用される。例えば、このような金属プレート30の厚みは、0.05〜0.3mm程度となり、多数積層するためには0.1mm以下の厚みであることが好ましい。加工容易性からある程度の弾性を備えることが要求され、ヤング率は7×1010Pa以上となる。また物理的耐性としては使用環境における温度範囲、例えば−30℃〜+120℃に耐え、化学的耐性としてはpH2以上の酸性雰囲気に耐えることが必要である。発電体1を狭持しうるだけの構造と上記のような条件を満たす金属プレート30であれば、図1における発電体1の領域と重なる領域において微細な流路31を形成しつつ、一定の機械的強度を保有させることができる。
発電体1には、ガスケット(単セル内シール部材)2が周設されている。ガスケット2は、発電体1とセパレータ3との間の流路31を含む空間を密封可能な形状を備えており、水素ガスや空気を外部に漏れ出さないようになっている。ガスケットの材料としては、一般樹脂や高分子材料であるエストラマー等の化学的耐性のある弾性部材で構成されている。このガスケット2は一対のセパレータ間や積層された燃料電池において隣接するセパレータとの間に設けられる接着剤としての機能を備えている。
ここでガスケット2とセパレータ3とは相対的に小さい面積で接触することによって内部空間を封止するが、この接触領域には比較的大きな力が加わるため、セパレータ3の金属プレート30が薄い場合に変形する可能性がある。この点、本発明では、後に説明するようにセパレータ3に剛性増加手段を設けるので、セパレータ3の変形が防止され、シール性能を減少させることがない。
図3に、本実施形態1におけるセパレータ3の周辺領域の断面構造を示す。図3は、一つの単セルCnについての構造を拡大したものである。
図3に示すように、発電体1に周設されたガスケット2には当接部21が設けられており、この当接部21でセパレータ3の金属プレート30に接触している。またセパレータ3の発電体1とは反対側の空間を封止するガスケット4(単セル間シール部材)にも当接部41が設けられており、分離板5に当接して当該空間を充填する冷却水等が外部に漏れ出ることを防止するようになっている。
さて、本実施形態1におけるセパレータ3は、ガスケット2が当接するセパレータの一部領域にこの一部領域の剛性をセパレータ3の他の領域の剛性に比べ大きくするための剛性増加手段6として段差60を備えている。この段差60が複数セパレータ3の辺に平行に形成されることにより、セパレータ3の周辺部には溝61が形成されている。段差61は、その構造から当該セパレータ3の周辺領域の機械的、構造的な強度を増加させることとなっており、剛性増加手段として作用している。なお、この段差60はセパレータ3に形成された凹凸構造またはリブ構造とすることができる。
ここで段差60の高さhは、金属プレート30の厚みや発電体1とセパレータ3との間隔によって定められるが、例えば段差60の高さhを0.1〜0.5mm程度の高さに設定すれば、効果的にセパレータ3の剛性を増加させることができる。
ガスケット2が当接するセパレータ3の周辺領域付近には応力が強い作用するため、セパレータ3を形成する金属プレートが薄ければ薄いほど材料自体の剛性が下がるため変形しやすくなる。
当該段差4の形成方法としては、セパレータ3を板金から打ち抜いて形成する際、または、セパレータ形状に打ち抜いた後に、段差60をプレス等の板金変形法によって設ける方法が挙げられる。
本実施形態1における上記構成によれば、シール部材2が当接する一部領域に段差60という剛性増加手段6が設けられているので、この領域の剛性を保つことができる。例えば、単セルCnを積層し、締結孔32に挿通される締結部材で強く締結することにより、単セルが互いに圧着され、ガスケット2の当接部21が当接するセパレータ3の周辺に大きなストレスが作用したとしても、段差60が存在するためセパレータ3の変形が防止できる。
また、金属プレート30の剛性を増加させているのは発電体1の領域以外の一部の周辺領域のみである。このため、厚みを削ることのできない発電体1の領域では金属プレート30の平板構造のままでよく、発電体1が存在しない周辺領域に段差を設けるので、燃料電池スタック全体の厚みを厚くさせずに、構造的に強度を上げることが可能である。
(実施形態2)
本発明の実施形態2は、セパレータ3の剛性増加手段6として、折り返し構造を設けるものである。図4に本実施形態2におけるセパレータ3の周辺領域の断面構造を示す。図4も、一つの単セルCnについての構造を拡大したものである。
図4に示すように、発電体1に周設されたガスケット2及びセパレータ3の発電体1とは反対側の空間を封止するガスケット4については、上記実施形態1と同様である。
特に本実施形態2では、剛性増加手段6として、上記実施形態の段差に代わり、折り返し構造62が設けられている点に特徴がある。この折り返し構造62は、セパレータ3を構成する金属プレート30の周辺を折り返して構成されている。この折り返し構造62によって、セパレータ3の周辺領域は、肉厚な構造を備えることになり、その肉厚になった分だけ剛性が増加している。
ここで折り返し構造62の幅wは、どの程度の剛性を付与したいかに応じて定めることができる。折り返している構造であるため、金属プレート30を二枚貼りあわせた構造と同様の強度を備えているが、その折り返しに係る屈曲部が存在する分だけさらに構造的に強くなっている。
折り返し構造62の形成方法は、セパレータ3を当該折り返し構造62の折りしろ分も含めて打ち抜いたのちに、折り返して形成する方法が挙げられる。折り返して合わせられる領域を接着剤等により接着したり、圧着や溶着を適用したりすることによって、折り返し構造62の剥離を防止してもよい。
本実施形態2によれば、ガスケット2が当接する一部領域に折り返し構造62という剛性増加手段6が設けられているので、この領域の剛性を保つことができる。
また、金属プレート30の剛性を増加させているのは発電体1の領域以外の一部の周辺領域のみである。このため、厚みを削ることのできない発電体1の領域では金属プレート30の平板構造のままでよいため、燃料電池スタック全体の厚みを厚くさせずに、構造的に強度を上げることが可能である。
特に本実施形態2によれば、製造工程において、折り返し構造62の部分を考慮して金属プレートを切り出しておき、切り出した後に折りしろを折り曲げるだけで剛性増加手段6とすることができ、セパレータ3が比較的簡単に製造できる。
なお、本実施形態2の折り返し構造36と上記実施形態1の段差60とを併用してもよい。このように二つの剛性増加手段を組み合わせれば、セパレータ3の周辺領域の剛性をさらに向上させることができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3は、セパレータ3の剛性増加手段6として、同種の金属プレートを貼り合わせるものである。図5に本実施形態3におけるセパレータ3の周辺領域の断面構造を示す。図5も、一つの単セルCnについての構造を拡大したものである。
図5に示すように、発電体1に周設されたガスケット2及びセパレータ3の発電体1とは反対側の空間を封止するガスケット4については、上記実施形態1と同様である。
特に本実施形態3では、剛性増加手段6として、上記実施形態1の段差や実施形態2の折り返し構造に代わり、同種の金属プレート63を貼り合わせて形成されている点に特徴がある。金属プレート63は、セパレータ3の本体の金属プレート30と同種の金属であり、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、ステンレスなどにカーボンを含有させたものが利用できる。剛性増加手段6に係る金属プレート63の厚みは、折り返し構造ではないため、必ずしもセパレータ3本体の金属プレート30と同じくする必要がないが、例えば0.05〜0.3mm程度の範囲から選択される。特に当該剛性増加手段としては剛性の増加を目的として厚みを選択すればよいため、セパレータ3の本体の金属プレート30より厚いものを用いてもよい。剛性増加手段としての金属プレート63の幅wは、実施形態2と同様に、どの程度の剛性を付与したいかに応じて定めることができる。
別部材である金属プレート63の形成方法は、セパレータ3の周辺の剛性増加手段6を設けたい領域の形状に、金属プレートを打ち抜いて枠構造を形成し、その枠構造を金属プレート63として貼り合わせるか、セパレータ3の周囲の辺に合わせて金属プレートを加工し、貼り合わせるかの方法が挙げられる。別部材である金属プレート63とセパレータ3本体の金属プレート30との貼り合わせ方法としては、接着剤または圧着若しくは溶着等のいずれかの方法を利用する。
本実施形態3によれば、ガスケット2が当接する一部領域に別部材である金属プレート63という剛性増加手段6が設けられているので、この領域の剛性を保つことができる。
また、金属プレート63が形成されるのは発電体1の領域以外の一部の周辺領域のみである。このため、厚みを削ることのできない発電体1の領域では金属プレート30の単板構造のままでよいため、燃料電池スタック全体の厚みを厚くさせずに、構造的に強度を上げることが可能である。
特に本実施形態3によれば、同種の金属で剛性増加手段6を形成するので、材料の無駄が無く、また、弾性その他の性質がセパレータ3本体と同じであるため、両金属は馴染みやすく剥離等も生じにくい。
なお、本実施形態3の別部品貼り合わせ構造と上記実施形態1の段差60とを併用してもよい。このように二つの剛性増加手段6を組み合わせれば、セパレータ3の周辺領域の剛性をさらに向上させることができる。
(実施形態4)
本発明の実施形態4は、セパレータ3の剛性増加手段6として、異種の金属プレートを貼り合わせるものである。図6に本実施形態4におけるセパレータ3の周辺領域の断面構造を示す。図6も、一つの単セルCnについての構造を拡大したものである。
図6に示すように、発電体1に周設されたガスケット2及びセパレータ3の発電体1とは反対側の空間を封止するガスケット4については、上記実施形態1と同様である。
特に本実施形態4では、剛性増加手段として、上記実施形態3の同種金属の貼り合わせ構造に代わり、異なる種類の異種金属プレート64を貼り合わせて形成されている点に特徴がある。
異種金属プレート64は、セパレータ3本体の金属プレート30とは異なる金属材料が選択される。この異種金属プレート64としては、セパレータ3本体の金属プレートと同様の物理的・化学的耐性を有することが要求されるが、この異種金属プレート64にはセパレータ3本体の金属プレート30に要求されたほどの微細構造の形成容易性等を考慮する必要が無い。一方でこの異種金属プレート64は、金属プレート30と貼り合わされた場合における剛性増加が目的である。このため、セパレータ3本体の金属プレート3に比べて、加工容易性よりも剛性向上の観点から選択することができる。例えば異種金属プレート64としては、ステンレスやインコネルなど多数のものが利用できる。
異種金属プレート64の厚みについても、パレータ3本体の金属プレート30と同じくする必要がないが、例えば0.05〜0.3mm程度の範囲から選択される。特に当該剛性増加手段としては剛性の増加を目的として厚みを選択すればよいため、セパレータ3の本体の金属プレート30より厚いものを用いてもよい。
異種金属プレート64の幅wは、実施形態2や3と同様に、どの程度の剛性を付与したいかに応じて定めることができる。
異種金属プレート64の形成方法は、セパレータ3の周辺の剛性増加手段6を設けたい領域の形状に、この異種金属でできた金属プレートを打ち抜いて枠構造を形成し、その枠構造を貼り合わせるか、セパレータ3の周囲の辺に合わせて異種金属でできた金属プレートを加工し、貼り合わせるかの方法が挙げられる。異種金属プレート64とセパレータ3本体の金属プレート30との貼り合わせ方法としては、接着剤または圧着若しくは溶着等のいずれかの方法を利用する。
本実施形態4によれば、ガスケット2が当接する一部領域に異種金属プレート64という剛性増加手段6が設けられているので、この領域の剛性を保つことができる。
また、異種金属プレート64が設けられるのは発電体1の領域以外の一部の周辺領域のみである。このため、厚みを削ることのできない発電体1の領域では金属プレート30の単板構造のままでよいため、燃料電池スタック全体の厚みを厚くさせずに、構造的に強度を上げることが可能である。
特に本実施形態4によれば、異種の金属で剛性増加手段6を形成するので、剛性向上という観点から制約無く、最適な金属材料を選ぶことができる。
なお、本実施形態4の別部品貼り合わせ構造と上記実施形態1の段差構造や実施形態3の別部材の金属プレートの貼り合わせとを併用してもよい。このように二つの剛性増加手段を組み合わせれば、セパレータ3の周辺領域の剛性をさらに向上させることができる。
また異種金属プレート64を貼り合わせる面をセパレータ3のガスケット2側の面としてもよい。
(実施形態5)
本発明の実施形態5は、セパレータ3の剛性増加手段6として、金属以外の材料を用いるものである。図7に本実施形態5におけるセパレータ3の周辺領域の断面構造を示す。図7も、一つの単セルCnについての構造を拡大したものである。
図7に示すように、発電体1に周設されたガスケット2及びセパレータ3の発電体1とは反対側の空間を封止するガスケット4については、上記実施形態1と同様である。特に本実施形態5では、剛性増加手段6として、セパレータ3の周辺領域とガスケット4との間に、弾性膜65が設けられている点に特徴がある。
弾性膜65は、弾性を有する材料で構成されており、セパレータ3本体の金属プレートと同様の物理的・化学的耐性を有することが要求される。また当該弾性膜65は、ある程度の剛性とともに弾性を備えていることが要求される。剛性については必ずしも金属プレート30程の剛性を備えていなくてもよい。代わりに、当該弾性膜65は、大きな弾性を備えることにより、応力作用時に弾性変形して応力を緩和し、金属プレート30自体の変形を抑制するように作用するものである。
例えば弾性膜65としては、一般樹脂やエストラマーを利用できる。樹脂を用いる場合には、ヤング率が300〜25000MPa程度の範囲のものを選択する。このようなもとして、例えばフェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミドやLCP等の高分子材料を利用できる。またエストラマーとしては、ヤング率が1〜1000MPa程度の範囲のものを選択する。このようなものとして、例えばフッ素系、シリコーン系、EPDM等を利用可能である。このような弾性膜65は、インサート成型によって直接金属プレート30の周囲に形成する他、成型品を貼り付けて設けてもよい。
弾性膜65の厚みは、弾性があり応力に応じて変形するため、金属プレート30と同じくする必要がないが、例えば0.05〜0.3mm程度の範囲から選択される。弾性膜65の幅wは、実施形態2や3と同様に、どの程度の剛性を付与したいかに応じて定めることができる。
弾性膜65の形成方法としては、金属プレート30の周辺部に所定のモールド法、例えばインサート成型で弾性膜65を直接成型するか、接着剤等を用いて別途成型した弾性膜65を接着するかの方法が選択される。
本実施形態5によれば、ガスケット2が当接する一部領域に弾性膜65という剛性増加手段6が設けられているので、この領域の剛性を保つことができる。
また、弾性膜65が設けられるのは発電体1の領域以外の一部の周辺領域のみである。このため、厚みを削ることのできない発電体1の領域では金属プレート30の単板構造のままでよいため、燃料電池スタック全体の厚みを厚くさせずに、構造的に強度を上げることが可能である。
特に本実施形態5によれば、弾性膜を形成するので、剛性向上の他に、セパレータ3に加わる応力を緩和するという作用効果を奏する。
なお、本実施形態5の弾性膜の貼り合わせ構造と、上記実施形態1の段差構造や第2の折り返し構造、実施形態3または4の別部材の金属プレートの貼り合わせ構造とを併用してもよい。このように二つ以上の剛性増加手段を組み合わせれば、セパレータ3の周辺領域の剛性をさらに向上させることができる。
また図8に示すように、弾性膜65を貼り合わせる面をセパレータ3のガスケット2側の面としてもよい。
(実施形態6)
本発明の実施形態6は、セパレータ3の剛性増加手段6として、弾性体で形成されたガスケットを設けるものである。図9に本実施形態6におけるセパレータ3の周辺領域の断面構造を示す。図9も、一つの単セルCnについての構造を拡大したものである。
図9に示すように、発電体1に周設されたガスケット2及びセパレータ3の発電体1とは反対側の空間を封止するガスケット4については、上記実施形態1と同様である。特に本実施形態6では、剛性増加手段6として、セパレータ3の周辺領域に弾性ガスケット66が周設されている点に特徴がある。
弾性ガスケット66は、上記実施形態5と同様の弾性を有する材料で構成されており、セパレータ3本体の金属プレートと同様の物理的・化学的耐性を有することが要求される。また弾性ガスケット66は、ある程度の剛性とともに弾性を備えていることが要求される。具体的な要件については、上記実施形態5の弾性膜38と同様に考えることができる。
弾性ガスケット66は金属プレート30の両側に厚みが存在するため、それらの合計が所定の範囲、例えば0.05〜0.3mm程度の範囲を越えないようにする。弾性ガスケット66の幅wは、実施形態2や3と同様に、どの程度の剛性を付与したいかに応じて定めることができる。金属プレート30の両側に形成される幅を異ならせてもよい。
弾性ガスケット66の形成方法としては、所定のモールド法、例えばインサート成型によって直接金属プレート30の周囲に樹脂または選らすトラマーを付着させて形成するか、別途形成した弾性ガスケット66をはめ込む等の方法を利用する。
本実施形態6によれば、上記実施形態5と同様の効果を奏する他、セパレータ3の両側に弾性膜を備えた構造に等しくなるので、セパレータ3に加わる応力を大幅に緩和することができる。
(実施形態7)
以下の実施形態7〜9は、フレームを備えたセル構造に本発明を適用したものである。実施形態7は、セパレータ3の剛性増加手段6として、実施形態1と類似の段差構造を設けたものである。図10に本実施形態7におけるセパレータ3の周辺領域の断面構造を示す。図10は、積層された二つの単セルCn及びCn+1についての周辺部分を拡大したものである。
図10に示すように、本実施形態における単セルはフレーム11A及び11Bを備えている点で上記各実施形態と異なる。一対のフレーム11A及び11Bは、接着層10を介して接着されている。フレーム11Aと11Bとは同一形状を備えており、単セルの形状を整える構造物になっている。これらフレームは、硬化性樹脂等の絶縁性材料によって成型されている。接着層10は、フレーム同士の接着に適する接着剤であり、接着層内に上記発電体1(図示せず)が介挿されて接着されている。フレーム11A及び11Bの片側周辺部位にはシール用の凹部13が形成されている。この凹部13は、単セル間を封止するガスケット42が介挿された場合に適度な応力により単セル間が密封されるような構造になっている。
セパレータ3A及び3Bは、フレーム11A及び11Bの外側に接着層12により接着されている。セパレータ3A及び3Bは、同一構造を備えており、上記実施形態と同様の条件で形成されている。セパレータ3A及び3Bには、フレーム11A及び11Bの凹部13に対応する部位に凹部構造が設けられている。この凹部構造に本発明に係る剛性増加手段6A及び6Bが形成されている。剛性増加手段6A及び6Bは、谷部67と山部68とがほぼ平行に形成された、いわゆるリブ構造を備えている。このようなリブ構造は、実施形態1における段差の一種であり、ガスケットからの応力に対抗しセパレータの変形を抑制するための剛性増加作用を示している。このリブ構造は、セパレータ3A及び3Bの周囲に連続的に設けられていても、断続的に設けられていてもよい。
隣接する単セル間で対抗するセパレータ3A及び3Bの対向する凹部構造で形成される空間にはガスケット42が介挿され、それぞれの剛性増加手段6A及び6Bの山部68に当接している。また、さらに好ましい態様として、それぞれのセパレータ3A及び3Bとフレーム11A及び11Bとの間にガスケット22が介挿され、剛性増加手段6A及び6Bの谷部67に当接している。これらガスケット22及び42は、山部68や谷部67に均一の応力で当接するような滑らかな平板形状に成型されている。これらガスケット22及び42の材料等については上記実施形態1と同様である。またこれらガスケットは実施形態5で説明したような弾性ガスケットであってもよい。その厚み等の条件も上記実施形態と同様である。セパレータ3A及び3Bの凹部構造が幅wを備えている場合、この幅より小さい幅となるようにガスケットが成型される。凹部構造の幅wは、十分なシール性能が得られるような幅に定められている。
上記実施形態7によれば、単セルの積層時、ガスケット42からセパレータ3Aと3Bの凹部構造に、変形させようとする応力が加わるが、剛性増加手段6A及び6Bを備えているのでその変形が抑制され、実施形態1と同様の効果を奏する。さらに好ましくは、セパレータ3A及び3Bとフレーム11A及び11Bとの間にガスケット22を設ければ、剛性増加手段6A及び6Bには両側から同等の応力が加わり、セパレータの変形が、より確実に抑制され、しかも剛性増加手段の段差構造により山部68や谷部67が潰れることも抑制される。
(実施形態8)
本実施形態8は、上記実施形態7におけるガスケット構造の変形例に関する。図11に本実施形態8におけるセパレータ3の周辺領域の断面構造を示す。図11は、積層された二つの単セルCn及びCn+1についての周辺部分を拡大したものである。
図11に示すように、一対のフレーム11A及び11B、セパレータ3A及び3B、接着層10及び12については、上記実施形態7と同様である。特に、本実施形態8は、単セル間に介挿される、剛性増加手段6A及び6Bのリブ構造に当接するガスケット43に、剛性増加手段のリブ構造に対応させた凹凸構造が設けられている点で異なる。すなわち、ガスケット43の山部が剛性増加手段6A及び6Bの谷部67に歯合するような構造に形成されている。また、それぞれのセパレータ3A及び3Bとフレーム11A及び11Bとの間に設けられるガスケット24においても、剛性増加手段のリブ構造に対応した凹凸構造が設けられていることが好ましい。ガスケット24の山部が剛性増加手段6A及び6Bの山部68に歯合するような構造に形成されている。これらガスケット24及び43の材料等については上記実施形態1や7と同様である。
ガスケット24及び43の凹凸構造は、剛性増加手段6A及び6Bの凹凸構造に適合するように形成されていればよいが、ガスケット側の山部の高さを剛性増加手段6A及び6Bの山部68の高さより低くしておくことは好ましい。ガスケット24や43の山部の高さのバラツキがあっても総ての部位において同等の応力で当接し、均等な応力分布となるからである。同様に、ガスケットの凹凸構造のテーパの斜度(平面と山部の斜面がなす角)も、剛性増加手段6A及び6Bのテーパの斜度とほぼ同じか、やや緩めにしておくことは好ましい。このように凹凸構造を形成しておけば、ガスケットの各山部の斜面が剛性増加手段6A及び6Bの斜面とが確実に当接し、ガスケットの凹凸形状や剛性増加手段の形状に多少のバラツキがあっても応力分布を均等にできるからである。このような構造により、ガスケット43における山部と剛性増加手段6A及び6Bの谷部67とが確実に歯合し、また、ガスケット24における山部と剛性増加手段6A及び6Bの山部68とが確実に歯合するようになる。
上記実施形態8によれば、上記実施形態7と同様の効果を奏する他、ガスケットの平坦さや剛性増加手段のリブ形状のバラツキがあってもそのバラツキを吸収し、均等な応力分布とすることができる。特に発熱によってセパレータとガスケット等の間に熱膨張率の差から位置ずれを生ずるような場合でも、その変化を抑制または吸収し、気密性と応力緩和能力を維持することが可能である。
また、上記実施形態8によれば、セパレータ3A及び3Bとガスケット24及び43の接触面積が増大するので、ガスケットのシール性能を格段に上昇させることが可能である。
さらに、上記実施形態8によれば、ガスケット24や43とセパレータ3A及び3Bとが歯合するように構成されているので、フレーム11A及び11Bに対するセパレータ3A及び3Bの位置決めや、単セル同士を積層する際の位置決めが容易になる。ガスケットとセパレータの凹凸構造が噛み合った位置において位置決めが完了するからである。
(実施形態9)
本実施形態9は、レームを備えたセル構造における剛性増加手段の変形例に関する。図12に本実施形態9におけるセパレータ3の周辺領域の断面構造を示す。図12は、積層された二つの単セルCn及びCn+1についての周辺部分を拡大したものである。
図12に示すように、シール部材であるガスケット26とセパレータ3A及び3Bとが当接する一部領域であって、ガスケットが当接するセパレータの一方の面とは反対側の面に、当該ガスケット44の当接による応力に対抗する剛性増加手段6が設けられている。
一対のフレーム11A及び11B及び接着層10については、上記実施形態7と同様である。本実施形態では、上記実施形態7とは異なり、セパレータ3A及び3B自体にはリブ構造が設けられていない。その代わり、本実施形態では、ガスケット44が当接するセパレータ3A及び3Bの凹部構造の内側の接着層14が、ガスケット44に比べて近似した硬さの材料で構成されている。すなわち、接着剤の硬化時のヤング率がガスケット44自体のヤング率と近い値を持っているものである。
シリコーン系の接着剤等は硬化後の硬度が、ガスケットのそれに比べて低く、相対的に柔らかい。上記実施形態7や8では、例えばガスケット22や24を用いることとした場合、これらガスケット22や24がシール部材であるガスケット23や25と当接するセパレータの面の反対側から応力に対抗していた。このためセパレータに設けられたリブ構造と相まってセパレータの変形を抑制していた。
この点、本実施形態9では、セパレータ自体にリブ構造等の剛性増加手段が設けられていないものの、接着層14が剛性増加手段6として作用するよう、硬化後の接着層14の硬度が、ガスケット44の硬度に比べ一定の差以内となるように構成されている。接着層14とガスケット44との硬度の差は、少なければ少ない程好ましいが、セパレータの変形量が許容値に収まる程度に硬度の差を縮めれば実際には設計上はよい。具体的に硬化後に高めのヤング率を備える接着剤としては、例えばエポキシ系樹脂の接着剤を利用して接着層14を形成することが考えられる。エポキシ系樹脂は燃料電池の接着によく用いられるシリコーン系の接着剤に比べ、硬化後の硬度が高いからである。
なお、本実施形態9の接着層14と併せてセパレータ3A及び3Bにリブ構造等の剛性増加手段を用いることは更に好ましい。接着層14の硬度とガスケット44の硬度との差が大きくてもセパレータの変形をセパレータ自体の強度によって抑制可能だからである。
上記実施形態9によれば、必ずしもセパレータ自体に剛性増加手段が設けられていなくても、シール部材が当接するセパレータ面の反対面に設けられた接着層14が剛性増加手段として作用するので、シール部材の及ぼす応力に対抗させてセパレータの変形を抑制することができる。 (その他の変形例)
本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々に変更して適用することが可能である。
例えば、剛性増加手段6は、必ずしもシール部材やガスケットの当接部に設ける必要はなく、応力がかかることにより変形をする可能性がある部位に適用することができる。すなわち、図1における締結孔32には多数の単セルを積層することにより大きなストレスが作用する。このような締結孔32の周囲を囲むように当該実施形態の剛性増加手段6を設けることにより、セパレータ3の変形を抑制することができる。
また、上記各実施形態における構造を複数組み合わせて、剛性増加手段6を設けてもよい。複数の剛性増加手段を組み合わせることにより、剛性をさらに向上させることができる。
さらに、上記剛性増加手段を設ける領域は、発電体1が存在するセパレータ間の空間またはセパレータ自体のみならず、単セル同士を積層する際に生じる、シール部材やガスケットが設けられる空間に適用してもよい。すなわち、燃料電池スタックの中で薄板に何らかのシール部材やガスケットが当接する場合にはその箇所にストレスが生じるので、このような箇所に当該発明の剛性増加手段を設けることが可能である。
本実施形態に係るセパレータの全体平面図。 燃料電池スタックの周辺領域の断面図(図1のA−A断面図)。 実施形態1のセパレータ周辺領域の構造を示す断面図。 実施形態2のセパレータ周辺領域の構造を示す断面図。 実施形態3のセパレータ周辺領域の構造を示す断面図。 実施形態4のセパレータ周辺領域の構造を示す断面図。 実施形態5のセパレータ周辺領域の構造を示す断面図。 実施形態5のセパレータ周辺領域の構造の変形例を示す断面図。 実施形態6のセパレータ周辺領域の構造を示す断面図。 実施形態7のセパレータ周辺領域の構造を示す断面図。 実施形態8のセパレータ周辺領域の構造を示す断面図。 実施形態9のセパレータ周辺領域の構造を示す断面図。
符号の説明
Cn、Cn−1,Cn+1…単セル、1…MEA、2、22、24…ガスケット(単セル内シール部材)、3、3A、3B…セパレータ、4、42、43、44…ガスケット(単セル間シール部材)、5…分離板、36、6A、6B…剛性増加手段

Claims (12)

  1. 発電体とこの発電体を狭持する一対のセパレータとこれらセパレータに当接するシール部材を備える燃料電池において、
    前記シール部材が当接する前記セパレータの一部領域には、当該一部領域の剛性を当該セパレータの他の領域の剛性に比べ大きくする剛性増加手段を備えていることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記セパレータの非発電領域に前記剛性増加手段が設けられている、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記剛性増加手段は、前記セパレータに形成した段差である、請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記剛性増加手段は、前記セパレータの前記一部領域の厚みを他の領域の厚みに比べて厚くする肉厚手段である、請求項1に記載の燃料電池。
  5. 前記肉厚手段は、前記セパレータの端部を折り返して形成されている、請求項4に記載の燃料電池。
  6. 前記肉厚手段は、前記セパレータとは別部材を積層して形成されている、請求項4に記載の燃料電池。
  7. 前記別部材は、前記セパレータと同一材料である、請求項6に記載の燃料電池。
  8. 前記別部材は、前記セパレータと異種材料である、請求項6に記載の燃料電池。
  9. 燃料電池の発電体を狭持するためのセパレータであって、
    シール部材が当接する一部領域には、当該一部領域の剛性を他の領域の剛性に比べ大きくする剛性増加手段を備えていることを特徴とするセパレータ。
  10. 前記剛性増加手段は、前記セパレータに形成した段差である、請求項9に記載のセパレータ。
  11. 前記剛性増加手段は、前記セパレータの前記一部領域の厚みを他の領域の厚みに比べて厚くする肉厚手段である、請求項9に記載のセパレータ。
  12. 請求項1に記載の燃料電池であって、
    前記シール部材がセパレータに当接する構造を備えており、
    当該シール部材と当該セパレータとが当接する一部領域であって、当該シール部材が当接する当該セパレータの一方の面とは反対側の面に、当該シール部材の当接による応力に対抗する前記剛性増加手段が設けられていることを特徴とする燃料電池。
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