JP2021120640A - X線検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】物品や異物の特性に合わせてエネルギー閾値を設定できる。【解決手段】X線検査装置1は、被検査物Wを搬送する搬送機2と、被検査物WにX線を照射するX線照射部3と、被検査物Wの透過X線が入力される複数のピクセルからなるX線検出素子4と、X線検出素子4の各ピクセルに入力されるX線光子のエネルギーをエネルギー閾値で弁別して複数のエネルギー領域毎の光子数を検出するX線検出部5と、X線検出部5の検出結果に基づいて被検査物Wそれぞれの良否を検査する検査部7dと、被検査物Wと被検査物WのX線帯域におけるエネルギースペクトルから得られる少なくとも複数の特徴的なエネルギーデータとを関連付けて記憶する記憶部7aと、記憶部7aから読み出した被検査物Wに対応する複数の特徴的なエネルギーデータを元にエネルギー閾値を算出してX線検出部5に設定するエネルギー閾値算出部7bとを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、物品にX線を照射して透過したX線を検出することによって物品中の異物を検出するX線検査装置に関する。
X線は物体を透過する力が強く、物体の内部を検査できるため、食品、医療、工業と様々な分野で活用されており、生産ラインにおいては物品の異物混入を検査するX線検査装置に多用されている。
そして、この種のX線検査装置として、例えば下記特許文献1には、被検査物の通過方向に交差するように一列に並び、X線の光子が入力される毎にその光子のエネルギーに対応した波高値のパルス信号を出力する光子検出型の複数のX線センサにより、X線発生部から被検査物の通過路に出射されたX線を検出し、各X線センサから所定期間内に出力されるパルス信号の波高値が複数に区分けした領域のいずれに入るかを判定し、所定期間内のパルス信号入力数を領域毎に累積し、その累積結果を用いてX線透過エネルギーが異なる複数の透過画像データを生成し、生成した複数の透過画像データに対して所定の画像処理を行って被検査物の異物の有無を判定する異物検査装置が開示されている。
特開2017−161396号公報
しかしながら、上述した特許文献1の異物検査装置では、境界値(以下「エネルギー閾値」ともいう)を用いて測定するエネルギー範囲を等分割する領域を設定する実施例が開示されており、その中から画像の組み合わせ(既知の場合は決められた組み合わせ)で画像処理する技術が開示されているが、物品や異物の特性に合わせてエネルギー閾値を設定することができないという課題がある。しかも、設定できるエネルギー閾値の自由度を高めようとすると、分割するエネルギー範囲が細かくなり、画像処理の負担が大きくなってしまう課題がある。なお、境界値(エネルギー閾値)とは、測定するエネルギー範囲を分割するための閾値を意味する。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、物品や異物の特性に合わせてエネルギー閾値を設定することができるX線検査装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載されたX線検査装置は、検査対象となる被検査物Wを搬送するための搬送機2と、
前記被検査物にX線を照射するX線照射部3と、
前記X線照射部に対向し前記搬送機の搬送方向Xに直交する方向に並べられ、前記被検査物の透過X線が入力される複数のピクセルからなるX線検出素子4と、
前記X線検出素子の各ピクセルに入力されるX線光子のエネルギーを、所定のエネルギー閾値で弁別して複数のエネルギー領域毎の光子数を検出するX線検出部5と、
該X線検出部の検出結果に基づいて前記検査対象となる被検査物それぞれの良否を検査する検査部7dとを備えたX線検査装置1において、
前記被検査物と、該被検査物のX線帯域におけるエネルギースペクトルから得られる少なくとも複数の特徴的なエネルギーデータとを関連付けて記憶する記憶部7aと、
前記記憶部から読み出した前記被検査物に対応する前記複数の特徴的なエネルギーデータを元に前記エネルギー閾値を算出して前記X線検出部に設定するエネルギー閾値算出部7bとを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載されたX線検査装置は、請求項1のX線検査装置において、
前記記憶部7aは、前記被検査物Wと、該被検査物のX線帯域におけるエネルギースペクトルのうち特徴的な複数のスペクトルのエネルギーデータとを関連付けて記憶し、
前記検査部7dは、前記被検査物の情報に基づいて前記記憶部から該当する前記エネルギーデータを読み出し、前記X線検出部5で測定した前記被検査物の透過X線のエネルギー頻度と前記エネルギーデータとを比較して前記被検査物の良否を検査することを特徴とする。
本発明の請求項3に記載されたX線検査装置は、請求項1のX線検査装置において、
前記記憶部7aは、前記被検査物Wと、該被検査物のX線帯域におけるエネルギースペクトルのうち特徴的な複数のスペクトルのエネルギーデータと、該特徴的な複数のスペクトルのエネルギーデータの基準エネルギー頻度データとを関連付けて記憶し、
前記検査部7dは、前記被検査物の情報に基づいて前記記憶部から該当する前記基準エネルギー頻度データを読み出し、前記X線検出部5で測定した前記被検査物の透過X線のエネルギー頻度と前記基準エネルギー頻度データとを比較して前記被検査物の良否を検査することを特徴とする。
本発明の請求項4に記載されたX線検査装置は、請求項1〜3の何れかのX線検査装置において、
前記エネルギー閾値算出部7bは、前記複数のエネルギーデータのうち、隣接するエネルギーデータ間の中間値を算出し、当該算出した値を前記X線検出部5のエネルギー閾値とすることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載されたX線検査装置は、請求項1〜3の何れかのX線検査装置において、
前記エネルギー閾値算出部7bは、前記複数のエネルギーデータのうち、隣接するエネルギーデータ間の値であって、該隣接するエネルギーデータに対応する前記基準エネルギー頻度データの比に等しい値を算出し、当該算出した値を前記X線検出部5のエネルギー閾値とすることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載されたX線検査装置は、請求項1〜5の何れかのX線検査装置において、
前記複数の特徴的なエネルギーデータは正常な被検査物の特徴を示すエネルギーデータを含むことを特徴とする。
本発明の請求項7に記載されたX線検査装置は、請求項1〜5の何れかのX線検査装置において、
前記複数の特徴的なエネルギーデータは異物の特徴を示すエネルギーデータを含むことを特徴とする。
本発明によれば、X線検査における被検査物の特徴が表れるエネルギー、および被検査物に混入する恐れのある異物の特性が表れるエネルギーから、エネルギー領域を弁別するための最適なエネルギー閾値を容易に設定することができる。また被検査物のエネルギースペクトルを元に、弁別するエネルギーを設定することにより、エネルギー領域を弁別するための最適なエネルギー閾値を容易に設定することができるため、直感的でわかりやすい。
さらに、そのエネルギー閾値設定時の被検査物の標準的なエネルギースペクトルが対応付けられているため、被検査物に適した測定を行うことができ、しかも標準的なエネルギースペクトルと比較することで、より高精度で検査することが可能となる。
本発明に係るX線検査装置のブロック構成図である。 (a)〜(c)本発明に係るX線検査装置の記憶部に記憶されるデータテーブルの各例を示す図である。 (a)、(b)異常品のエネルギースペクトルの各例を示す図である。 X線のエネルギーと吸光度との関係を示す図である。 元素毎の吸収端のエネルギーの一覧を示す図である。 被検査物と吸収端のエネルギーによるエネルギーデータとの関係を示すデータテーブルの一例を示す図である。 (a)〜(c)エネルギースペクトルの特徴的なエネルギーデータからエネルギー閾値を算出する方法の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態のX線検査装置1は、搬送機2、X線照射部3、X線検出素子4、X線検出部5、入力部6、信号処理部7、表示部8を備えて概略構成される。
搬送機2は、検査対象の被検査物Wを搬送路上で所定間隔おきに順次搬送するもので、例えば装置本体に対して水平に配置されたベルトコンベアで構成される。
搬送機2としてのベルトコンベアは、X線を透過しやすい材料(原子量の大きい元素以外の元素)からなる搬送ベルトを備える。搬送機2としてのベルトコンベアは、被検査物Wの検査を行うときに、予め入力部6にて設定される搬送速度となるように駆動モータの回転が制御されて搬送ベルトが駆動する。これにより、搬入口から搬入された被検査物Wは、設定された搬送速度で搬出口側に向けて図1の搬送方向Xに搬送される。
なお、搬送機2は、被検査物Wを一定速度で水平に搬送するベルトコンベアに限定されるものではなく、X線照射部3からのX線が被検査物Wに対して満遍なく照射され、被検査物Wを透過したX線がX線検出素子4に検出されるように被検査物Wを搬送する形態であればよい。例えば被検査物Wの重量を利用して傾斜路を滑走させる形態、被検査物Wを上方から落下させる形態などであってもよい。
X線照射部3は、搬入口から搬出口に向かって搬送方向Xに搬送路上を搬送される被検査物WにX線を照射するもので、電圧を印加して加速させた電子をターゲットに射突させてX線を発生させる円筒状のX線管と、X線管が発生させたX線をX線検出器4に向けて照射するための照射スリットとを有する。
X線管は、例えば金属製の箱体内部に設けられる円筒状のX線管を絶縁油により浸漬した構成であり、X線管の陰極からの電子ビームを陽極ターゲットに照射させてX線を生成する。X線管は、その長手方向が被検査物Wの搬送方向(図1のX方向)の平面上で直交する方向に設けられ、生成したX線を、下方のX線検出器4に向けて、長手方向に沿った照射スリットによりスクリーン状にして照射する。
なお、X線の強さを表す物理量には、X線のエネルギー(波長)と強度(頻度:光子数)がある。また、X線のエネルギーは、単位[eV]で表され、X線の波長(振動数)を意味する(換算できる)。そして、X線のエネルギー(波長)は、X線発生時の管電圧やターゲット材によって決定され、連続的な分布を持って発生する。さらに、X線の強度は、単位[cps](1秒当たりの光子数)で表され、光子量を意味し、X線管電流の変化に伴って変化するが、X線のエネルギー(波長)は変化しない。
X線検出素子4は、例えばCdTe半導体検出器などの光子検出型センサで構成され、X線照射部3に対向して搬送機2の搬送方向に直交する方向に並べられ、被検査物Wの透過X線が入力される複数のピクセルからなり、被検査物Wを透過したX線光子が入力される毎に、そのX線光子のエネルギーに対応した波高値のパルス信号を出力する。
X線検出部5は、X線検出素子4の各ピクセルに入力されるX線光子のエネルギーを、後述するエネルギー閾値算出部7bにて算出設定されるエネルギー閾値で弁別して複数のエネルギー領域毎の光子数を検出する。
入力部6は、装置本体に設けられる例えばキー、押しボタン、スイッチ、表示部8の表示画面上のソフトキーなどで構成され、被検査物Wの情報(例えば製品名など)を含め、一連の検査に必要な情報(例えば搬送機2の搬送速度、被検査物Wの検査総数、被検査物Wの良否を判定するためのエネルギー頻度の判定閾値など)を入力する。
信号処理部7は、図1に示すように、記憶部7a、エネルギー閾値算出部7b、頻度測定部7c、検査部7dを備える。
記憶部7aは、被検査物Wと被検査物WのX線帯域におけるエネルギースペクトルから得られる複数の特徴的なエネルギーデータとを関連付けて記憶する。
エネルギーデータは、例えば被検査物Wのエネルギースペクトルの特徴的なスペクトルを示すエネルギー領域のエネルギー中心、または被検査物Wに混入する恐れのある異物の特性を示すエネルギー領域のエネルギー中心を示す。
具体的には、石や砂などの鉱物の主成分であるケイ素や、塗膜片の顔料に使用されるチタンやバリウムなどの元素や、骨や歯の主成分であるリン酸カルシウム(カルシウム、リン、酸素の元素)をエネルギーデータとすることができる。
記憶部7aには、被検査物Wと被検査物WのX線帯域におけるエネルギースペクトルの特徴的な複数のスペクトルのエネルギーデータに加えて、基準エネルギー頻度データを関連付けて記憶することもできる。これにより、実際に測定した被検査物Wのエネルギー頻度と基準エネルギー頻度データとを比較することで被検査物Wの良否を検査することができ、より高精度の検査が可能になる。被検査物のエネルギー頻度と基準エネルギー頻度データとを比較する際には、例えば、頻度の最大値を1にし、最小値を0にする等のデータの正規化をして成分比を比較したり、標準偏差を比較したりすれば良い。
なお、基準エネルギー頻度データは、それぞれのエネルギーデータが含まれるエネルギー(波長)区間に対応した被検査物Wの標準的な頻度データ(光子数)を示す。
ここで、図2(a),(b),(c)は記憶部7aに記憶されるデータテーブルの各例を示す。
図2(a)のデータテーブルは、被検査物Wのサンプルと被検査物Wのサンプルのエネルギースペクトルの特徴的なスペクトルとを被検査物Wのサンプル毎に関連付けたテーブルである。図2(a)では、例えば被検査物Wのサンプル1とエネルギー1(Emax_1)、…、エネルギーN(Emax_N)とを関連付け、被検査物Wのサンプル2とエネルギー1(Emax_1’)、…、エネルギーM(Emax_M’)とを関連付けてそれぞれ記憶部7aに記憶する。
図2(b)のデータテーブルは、被検査物Wのサンプルと被検査物Wのサンプルの検出異物のエネルギースペクトルの特徴的なスペクトルとを被検査物Wのサンプル毎に関連付けたテーブルである。図2(b)では、例えば被検査物Wのサンプル1と異物1のエネルギー1(Emax_1)、…、異物Nのエネルギー(Emax_N)とを関連付け、被検査物Wのサンプル2と異物1のエネルギー1(Emax_1’)、…、異物Mのエネルギー(Emax_M’)とを関連付けてそれぞれ記憶部7aに記憶する。
図2(c)のデータテーブルは、被検査物Wのサンプルと被検査物Wのサンプルのエネルギースペクトルの特徴的なスペクトルと基準エネルギー頻度データとを被検査物Wのサンプル毎に関連付けたテーブルである。図2(c)では、例えば被検査物Wのサンプル1とエネルギー1(Emax_1)と頻度1(Cmax_1)、…、エネルギーN(Emax_N)と頻度N(Cmax_N)とを関連付け、被検査物Wのサンプル2のエネルギー1(Emax_1’)と頻度1(Cmax_1’)、…、エネルギーM(Emax_M’)と頻度M(Cmax_M’)とを関連付けて記憶部7aに記憶する。
ここで、被検査物Wのエネルギースペクトルから複数の特徴的なエネルギーデータを選択して記憶部7aにデータテーブルとして記憶する方法(記憶方法1、記憶方法2)について図3を参照しながら説明する。
[記憶方法1]
被検査物Wの正常品1を検査する際、異物として異物(n)を抽出したい場合には、特徴的なエネルギーデータを選択するため、被検査物Wの正常品1(OK品)のエネルギースペクトル(図3(a)の上の図の実線)と、抽出したい異物(n)を含む正常品1のエネルギースペクトル(図3(a)の上の図の点線)を取得する。
そして、得られた2つのエネルギースペクトルの差を、異常品(n)のエネルギースペクトルとする(図3(a)の下の図の実線)。また、異常品(n)のエネルギースペクトルの頻度(カウント数)の最大値をCmax_1、最大値をとるエネルギー値をEmax_1とする。
同様に、被検査物Wの正常品2を検査する際、異物として異物(n)を抽出したい場合には、特徴的なエネルギーデータを選択するため、被検査物Wの正常品2(OK品)のエネルギースペクトル(図3(b)の上の図の実線)と、抽出したい異物(n)を含む正常品2のエネルギースペクトル(図3(b)の上の図の点線)を取得する。
そして、得られた2つのエネルギースペクトルの差を、異常品(n)のエネルギースペクトルとする(図3(b)の下の図の実線)。また、異常品(n)のエネルギースペクトルの頻度(カウント数)の最大値をCmax_2、最大値をとるエネルギー値をEmax_2とする。
このように、被検査物Wのサンプル(正常品)毎に、検出したい異物(個数:N)の種類(数)の異常品(N)のエネルギースペクトルを取得し、それらから得られる頻度(カウント数)の最大値(Cmax_n)と、最大値をとるエネルギー値(Emax_n)を算出し、それぞれの値を図2に示すようなデータテーブルの形式で記憶部7aに記憶する。
なお、上述した算出を行う前処理として、k(=2〜10)のエネルギー区間の移動平均スペクトラムを使用してもよい。
[記憶方法2]
物質の吸収係数μは、X線の波長λが短いほど、つまり振動数γが大きいほど減少することは一般的に知られている。
図4に示すように、X線のエネルギー(波長)と吸光度(吸収係数)との関係を見ると、X線の特定のエネルギー(特定の波長)のところで吸光度μが急に大きくなって不連続になっている。これは吸収端と呼ばれ、原子核の周囲にある電子が、外側の軌道にちょうど移れるだけのエネルギーをX線からもらって自由電子(光電子)としてふるまうようになることに対応する。その電子がK殻にあった電子であれば、この不連続はK吸収端と呼ばれる。
このように、吸収端のエネルギーは、図5に示すように、元素ごとに決まっており、例えば、ヨウ素53(I)の吸収端は33169.4[eV]であり、鉄(Fe)の吸収端は7110.8[eV]である。
そして、このような特徴的に生じる吸収端が明らかな異物の吸収端エネルギー(E)をエネルギーデータとして、被検査物Wと関連付けて記憶部7aに記憶して使用してもよい。図6は被検査物Wのサンプルと被検査物Wのサンプルの吸収端エネルギーとを被検査物Wのサンプル毎に関連付けたテーブルの一例を示している。図6では、例えば被検査物Wのサンプル1と吸収端エネルギーとしてFe(7110.8)、Zn(9660.8)、Ag(25515.6)とを関連付け、被検査物Wのサンプル2と吸収端エネルギーとしてFe(7110.8)、Cu(8980.5)とを関連付けてそれぞれ記憶部7aに記憶する。
エネルギー閾値算出部7bは、記憶部7aから読み出した被検査物Wに対応する複数の特徴的なエネルギーデータを元にエネルギー閾値を算出し、算出したエネルギー閾値をX線検出部5に設定する。
ここで、エネルギー閾値算出部7bにてエネルギー閾値を算出してX線検出部5に設定する方法(設定方法1、設定方法2)について図7を参照しながら説明する。
なお、記憶部7aには、被検査物Wと被検査物Wのエネルギースペクトルの特徴的なスペクトルと基準エネルギー頻度データとを関連付けたデータテーブルとして、図7(a)に示すように、被検査物Wとエネルギー1(Emax_1)と頻度1(Cmax_1)、エネルギー2(Emax_2)と頻度2(Cmax_2)とを関連付けて記憶されているものとする。
[設定方法1]
設定方法1では、それぞれ隣接するエネルギーデータ間隔(Ed)の中間のエネルギー値をエネルギー閾値として算出してX線検出部5に設定する。具体的には、図7(b)に示すように、エネルギー1(Emax_1)とエネルギー2(Emax_2)の中点(Emax_1+(Emax_2−Emax1)/2)をエネルギー閾値(Eth_1)として算出する。そして、算出したエネルギー閾値(Eth_1)をX線検出部5に設定する。
[設定方法2]
設定方法2では、それぞれ隣接するエネルギーデータ間隔(Ed)におけるエネルギー値であって、隣接するエネルギーデータに対応する基準エネルギー頻度データ(n1,n2)の比に等しい値をエネルギー閾値として算出してX線検出部5に設定する。具体的には、図7(c)に示すように、頻度の比(Cmax_1とCmax_2の比)を用い、Emax_1+(Emax_2−Emax_1)×Cmax_1/(Cmax_1+Cmax_2)をエネルギー閾値(Eth_1)として算出する。そして、算出したエネルギー閾値をX線検出部5に設定する。
頻度測定部7cは、X線検出部5にて検出されたX線検出素子4の各ピクセルにおけるエネルギー領域毎の光子数から被検査物Wの透過X線のエネルギー頻度をエネルギー領域毎に測定する。
検査部7dは、X線検出部5の検出結果に基づいて検査対象となる被検査物Wそれぞれの良否を検査するものである。さらに説明すると、検査部7dは、X線検出部5の検出結果に基づいて頻度測定部7cが測定した被検査物Wの透過X線のエネルギー頻度と基準エネルギー頻度データ(または予め設定される判定閾値)とをエネルギー領域毎に比較し、その比較結果に基づいて検査対象として順次搬送される被検査物Wそれぞれの良否を検査する。
表示部8は、例えば液晶表示器などの表示装置で構成され、例えば被検査物Wの検査に関する情報(例えば被検査物Wの製品名など)を入力設定するための設定画面、被検査物Wを平面視した透過画像、「OK」や「NG」の良否判定結果、総検査数、良品数、NG総数などの検査結果を入力部6の操作に基づいて表示画面に表示する。
また、表示部8は、上述した表示の他、頻度測定部7cにて測定したエネルギー領域毎のエネルギー頻度を輝度表示したり、X線検出素子4の全ピクセル分を合成したエネルギー領域毎のエネルギー弁別画像をエネルギー領域毎に異なる色で表示したり、全てのエネルギー弁別画像を合成表示する。
次に、上述した構成のX線検査装置1にて被検査物Wの検査を行う場合の動作について説明する。
まず、被検査物Wの検査を行うにあたっては、検査対象となる被検査物Wの情報(例えば製品名など)を含め、一連の検査に必要な情報(例えば搬送機2の搬送速度、被検査物Wの検査総数、被検査物Wの良否を判定するためのエネルギー頻度の判定閾値など)を入力部6にて入力する。
また、前述した記憶方法により図2(a)〜(c)に示すようなデータテーブルを予め記憶部7aに記憶しておく。そして、エネルギー閾値算出部7bは、入力部6にて設定された被検査物Wの情報(例えば製品名など)に基づいて記憶部7aから該当する被検査物Wのエネルギーデータや基準エネルギー頻度データを読み出し、前述した設定方法によりエネルギー閾値を算出してX線検出部5に設定する。
X線検査装置1による被検査物Wの検査が開始されると、検査対象となる被検査物Wを搬送機2にて図1の搬送方向Xに一定間隔をおいて順次搬送し、順次搬送される被検査物Wに対してX線照射部3からX線を照射する。
一方、X線検出素子4は、被検査物Wに対してX線が照射されると、被検査物Wを透過したX線光子が入力される毎に、そのX線光子のエネルギーに対応した波高値のパルス信号を出力する。
そして、X線検出部5は、X線検出素子4の各ピクセルに入力されるX線光子のエネルギーを、エネルギー閾値算出部7bにて設定されたエネルギー閾値で弁別して複数のエネルギー領域毎の光子数を検出する。
続いて、頻度測定部7cは、X線検出部5にて検出した複数のエネルギー領域毎の光子数に基づいて被検査物Wの透過X線のエネルギー頻度をエネルギー領域毎に測定する。
そして、検査部7dは、頻度測定部7cにて測定したエネルギー領域毎のエネルギー頻度に基づいて被検査物Wの良否を検査する。その際の検査結果(例えば被検査物Wを平面視した透過画像、「OK」や「NG」の良否判定結果、総検査数、良品数、NG総数など)は、表示部8の表示画面上に表示される。
このように、本実施の形態によれば、被検査物にX線を照射して透過したX線を検出することによって物品中の異物を検出するX線検査において、被検査物の特徴を示すエネルギー領域、または被検査物に混入する恐れのある異物の特性を示すエネルギー領域を弁別して測定する際、エネルギー領域を弁別するためのエネルギー閾値を容易に設定でき、高精度の測定が可能なX線検査装置を提供することができる。
以上、本発明に係るX線検査装置の最良の形態について説明したが、この形態による記述および図面により本発明が限定されることはない。例えば、検査に使う検査波はX線に限るものではなく、α線、β線、γ線などの放射線を用いても良い。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例および運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
1 X線検査装置
2 搬送機
3 X線照射部
4 X線検出素子
5 X線検出部
6 入力部
7 信号処理部
7a 記憶部
7b エネルギー閾値算出部
7c 頻度測定部
7d 検査部
8 表示部
W 被検査物

Claims (7)

  1. 検査対象となる被検査物(W)を搬送するための搬送機(2)と、
    前記被検査物にX線を照射するX線照射部(3)と、
    前記X線照射部に対向し前記搬送機の搬送方向(X)に直交する方向に並べられ、前記被検査物の透過X線が入力される複数のピクセルからなるX線検出素子(4)と、
    前記X線検出素子の各ピクセルに入力されるX線光子のエネルギーを、所定のエネルギー閾値で弁別して複数のエネルギー領域毎の光子数を検出するX線検出部(5)と、
    該X線検出部の検出結果に基づいて前記検査対象となる被検査物それぞれの良否を検査する検査部(7d)とを備えたX線検査装置(1)において、
    前記被検査物と、該被検査物のX線帯域におけるエネルギースペクトルから得られる少なくとも複数の特徴的なエネルギーデータとを関連付けて記憶する記憶部(7a)と、
    前記記憶部から読み出した前記被検査物に対応する前記複数の特徴的なエネルギーデータを元に前記エネルギー閾値を算出して前記X線検出部に設定するエネルギー閾値算出部(7b)とを備えたことを特徴とするX線検査装置。
  2. 前記記憶部(7a)は、前記被検査物(W)と、該被検査物のX線帯域におけるエネルギースペクトルのうち特徴的な複数のスペクトルのエネルギーデータとを関連付けて記憶し、
    前記検査部(7d)は、前記被検査物の情報に基づいて前記記憶部から該当する前記エネルギーデータを読み出し、前記X線検出部(5)で測定した前記被検査物の透過X線のエネルギー頻度と前記エネルギーデータとを比較して前記被検査物の良否を検査することを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
  3. 前記記憶部(7a)は、前記被検査物(W)と、該被検査物のX線帯域におけるエネルギースペクトルのうち特徴的な複数のスペクトルのエネルギーデータと、該特徴的な複数のスペクトルのエネルギーデータの基準エネルギー頻度データとを関連付けて記憶し、
    前記検査部(7d)は、前記被検査物の情報に基づいて前記記憶部から該当する前記基準エネルギー頻度データを読み出し、前記X線検出部(5)で測定した前記被検査物の透過X線のエネルギー頻度と前記基準エネルギー頻度データとを比較して前記被検査物の良否を検査することを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
  4. 前記エネルギー閾値算出部(7b)は、前記複数のエネルギーデータのうち、隣接するエネルギーデータ間の中間値を算出し、当該算出した値を前記X線検出部(5)のエネルギー閾値とすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のX線検査装置。
  5. 前記エネルギー閾値算出部(7b)は、前記複数のエネルギーデータのうち、隣接するエネルギーデータ間の値であって、該隣接するエネルギーデータに対応する前記基準エネルギー頻度データの比に等しい値を算出し、当該算出した値を前記X線検出部(5)のエネルギー閾値とすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のX線検査装置。
  6. 前記複数の特徴的なエネルギーデータは正常な被検査物の特徴を示すエネルギーデータを含むことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のX線検査装置。
  7. 前記複数の特徴的なエネルギーデータは異物の特徴を示すエネルギーデータを含むことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のX線検査装置。
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