JP2009053090A - 材質識別検査装置および方法 - Google Patents

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七三雄 金子
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Abstract

【課題】被検査物を連続的に検査して、短時間にその材質を識別することができ、かつ予めX線の検出出力と対象物の厚みとの特性データを求める必要がない材質識別検査装置および方法を提供する。
【解決手段】検査物5を搬送する搬送装置12と、被検査物に対し、搬送方向に直交する同一断面内で、2以上の異なる方向から、所定のエネルギー分布を有する入射X線7を、同時又は時間をずらして照射するX線照射装置14と、入射X線が被検査物を透過した透過X線8から2以上のエネルギー領域のX線強度を弁別して計測するX線検出装置16と、2以上のエネルギー領域における入射X線と透過X線の強度から、被検査物の実効原子番号Zeffと電子密度ρeを算出し、これから被検査物の材質を識別する演算装置18とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、X線により被検査物の材質識別を行う材質識別検査装置および方法に関する。
税関や空港における手荷物検査等において、X線を被検査物に照射し、透過したX線の強度分布を画像化して内部の危険物(銃器等)を検出するX線検査装置が従来から広く用いられている。
さらに、近年になって、被検査物の材質を識別する手段が種々提案されている(例えば特許文献1〜4)。
特許文献1の「材質特定X線検査装置」は、被測定物に含まれる対象物の元素を特定して、材質を特定することを目的とする。
そのため、この発明では、図6に模式的に示すように、予め元素が既知の対象物にX線を照射して、透過X線の検出出力と対象物の厚みとの特性データを、照射X線のエネルギー別および元素別に求めて特性データとして特性データ格納手段(特性データメモリ50)に格納しておき、X線源(第1,2X線管52H,52L)からエネルギーの異なる2つのX線を被測定物51に照射し、各X線に対する透過X線を検出器(第1,2ラインセンサX線管56H,56L)で検出して検出出力レベルを求める。材質特定手段(画像メモリ54a,演算,比較回路54b,制御回路54c)は、特性データを用いて2つの検出出力レベルに対応する対象物の厚みを求め、厚みが一致する元素を求める。異なるX線エネルギーによる検出出力レベルに対する厚みの一致から、被測定物中に含まれる対象物の元素を特定し、被測定物の材質を特定するものである。
特許文献2の「内容物識別装置および内容物識別方法」は、容器,袋あるいは機器の中に存在する内容物を簡便にかつ正確に表示してその識別を行うことを目的とする。
そのため、この発明の装置は、X線透視画像信号を作成する手段、中性子画像信号を作成する手段、これらの信号を基にX線透視画像の中に中性子透視画像を合成して表示する手段からなるものである。
特許文献3の「対象物の吸収率に依存した輝度制御を含むX線検査装置」では、図7に模式的に示すように、輝度制御入力63を有し対象物OのX線画像を生成するX線画像生成手段61と、輝度制御入力63へ輝度制御信号を出力するためにX線画像生成手段61に結合される画像処理手段62とを有するX線検査装置であって、X線画像生成手段61にX線データ出力66が設けられ、画像処理手段62にX線データ出力に結合されるX線データ入力67が設けられ、画像処理手段62は、対象物Oの吸収率の特性を計算し吸収率の特性に依存して輝度制御信号CSを生成する対象物吸収率特性計算手段65として配置されるものである。
特許文献4の「高速中性子及び連続エネルギー・スペクトルX線により材料識別する方法及びその装置」は、高速中性子及び連続エネルギー・スペクトルX線による材料識別の方法と装置を提供することを目的とする。
そのため、この発明では、図8に模式的に示すように、(a)高速中性子源71及び連続エネルギー・スペクトルX線源74でそれぞれ産生された高速中性子ビーム72及び連続エネルギー・スペクトルX線ビーム75を被検対象77に照射する;(b)X線検出器アレー76及び中性子検出器アレー73にて、透過したX線ビーム75及び高速中性子ビーム72の強度を直接計測する;(c)被検対象77の異なる材料を透過した中性子ビームとX線ビームの減衰差によって形成された曲線により、被検対象の材料に対して材料識別を行う;ステップを含む。高速中性子と連続エネルギー・スペクトルX線との透過減衰強度が異なるように構成され、被検対象の厚さと無関係に被検対象の等効原子番号Zとのみ関係するn−X曲線を利用して材料識別を行う。
特開平10−104175号公報、「材質特定X線検査装置」 特開平11−64248号公報、「内容物識別装置および内容物識別方法」 特表2002−532837号公報、「対象物の吸収率に依存した輝度制御を含むX線検査装置」 特開2007−127617号公報、「高速中性子及び連続エネルギー・スペクトルX線により材料識別する方法及びその装置」
X線CT装置(X線断層撮影装置)では、検査対象物の周囲を180度回転させて対象物の断層データを取得し、これからコンピュータによって画像を再構築して二次元断面像を得ることができる。さらに内部にある物質を識別することもできる。
しかし、X線CT装置では、X線と検出器を回転させるための回転機構を有するため、検査速度が遅い。また検査対象物の周囲、180度分のデータを取得するため、バッチ式処理となってしまい、連続的に検査できない。さらにX線エネルギーもスペクトルが連続であるため、物質は経験値利用による目安でしか識別できなかった。
また、上述した特許文献3では、対象物の吸収率に依存した輝度制御はできるが、材質識別はできず、特許文献1では、材質識別はできるが予め元素が既知の対象物に関して、X線の検出出力と対象物の厚みとの特性データを求めておく必要があり、特許文献2と特許文献4では、中性子ビームを用いた中性子透視画像が別途必要となる問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、税関や空港における手荷物検査等において、被検査物を連続的に検査して、短時間にその材質を識別することができ、かつ予めX線の検出出力と対象物の厚みとの特性データを求める必要がない材質識別検査装置および方法を提供することにある。
本発明によれば、被検査物を搬送する搬送装置と、
前記被検査物に対し、搬送方向に直交する同一断面内で、2以上の異なる方向から、所定のエネルギー分布を有する入射X線を、同時又は時間をずらして照射するX線照射装置と、
前記入射X線が被検査物を透過した透過X線から2以上のエネルギー領域のX線強度を弁別して計測するX線検出装置と、
前記2以上のエネルギー領域における入射X線と透過X線の強度から、被検査物の実効原子番号と電子密度を算出し、これから被検査物の材質を識別する演算装置と、を備えたことを特徴とする材質識別検査装置が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記X線照射装置は、前記同一断面内で前記被検査物に対し所定のエネルギー分布のX線を線状に照射するX線管であり、
前記X線検出装置は、前記被検査物を透過した線状のX線から2以上のエネルギー領域の強度分布を弁別して計測する線状検出器である。
また、前記演算装置は、2以上の異なる方向から得られたX線の強度分布から、前記各方向の被検査物の厚さxを特定し、
前記2以上のエネルギー領域における入射X線と透過X線の強度と前記厚さから、各エネルギー領域における2以上の減弱係数μを求め、
光電効果、コンプトン効果及び減弱係数の関係から実効原子番号Zeffと電子密度ρeを算出し、これから被検査物の材質を識別する。
また本発明によれば、被検査物を搬送し、
前記被検査物に対し、搬送方向に直交する同一断面内で、2以上の異なる方向から、所定のエネルギー分布を有する入射X線を、同時又は時間をずらして照射し、
前記入射X線が被検査物を透過した透過X線から2以上のエネルギー領域のX線強度を弁別して計測し、
前記2以上のエネルギー領域における入射X線と透過X線の強度から、被検査物の実効原子番号と電子密度を算出し、これから被検査物の材質を識別する、ことを特徴とする材質識別検査方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記同一断面内で前記被検査物に対し所定のエネルギー分布のX線を線状に照射し、
前記被検査物を透過した線状のX線から2以上のエネルギー領域の強度分布を弁別して計測する。
また、2以上の異なる方向から得られたX線の強度分布から、前記各方向の被検査物の厚さxを特定し、
前記2以上のエネルギー領域における入射X線と透過X線の強度と前記厚さから、各エネルギー領域における2以上の減弱係数μを求め、
光電効果、コンプトン効果及び減弱係数の関係から実効原子番号Zeffと電子密度ρeを算出し、これから被検査物の材質を識別する。
上述した本発明の装置と方法によれば、搬送装置により被検査物を搬送しながら、2以上の異なる方向から、所定のエネルギー分布の入射X線を、同時又は時間をずらして照射し、被検査物を透過した透過X線から2以上のエネルギー領域のX線強度を弁別して計測するので、被検査物を連続的に検査して、短時間に結果を得ることができる。
また、演算装置により前記2以上のエネルギー領域における入射X線と透過X線の強度から、被検査物の実効原子番号と電子密度を算出し、これから被検査物の材質を識別するので、短時間にその材質を識別することができ、かつ予めX線の検出出力と対象物の厚みとの特性データを求める必要がない。
すなわち、本発明はX線を用いて複数方向からの透過X線の強度(又は強度分布)とX線のエネルギー弁別によって取得した情報を利用して、物質を正確に識別することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
はじめに本発明の原理について説明する。
図1は、本発明で使用するX線管とX線検出器のスペクトル図である。
この図において、横軸はX線のエネルギー、1はX線管から放射される入射X線の強度分布、2はエネルギー弁別機能付きX線検出器による入射X線の検出強度分布、3はある物質を透過した透過X線のX線検出器による検出強度分布である。
この図から明らかなように、X線管から放射されるX線の強度分布1は、ある波長領域において、連続した連続X線である。
X線の波長は、約0.01〜100Å(10-12〜10-8m)程度であり、波長λ[Å]とX線エネルギーE[keV]との間には、式(1)の関係がある。
E=12.4/λ・・・(1)
従って、波長λ[Å]と光量子エネルギーE[keV]は1対1で対応している。
図1において、X線エネルギーE,Eの2種の入射X線(強度I10,I20)を厚さxの物質に照射し、その透過X線の強度I,Iを計測すると、以下の関係がある。
=I10exp(−μx)・・・(2a)
=I20exp(−μx)・・・(2b)
ここで、μ,μはX線エネルギーE,Eにおける減弱係数(又は線吸収係数)である。
上記(2a)(2b)の式から、厚さxが既知であれば、入射X線(強度I10,I20)と透過X線強度(I,I)から減弱係数μ,μを求めることができる。
また、減弱係数μ,μは、光電効果とコンプトン効果の和であり、以下の関係がある。
μ=ρeeff +ρe・・・(3a)
μ=ρeeff +ρe・・・(3b)
ここで、Zeffは物質の実効原子番号、ρeは物質の電子密度、A,A,B,Bは、実効原子番号によって決まる比例定数である。
減弱係数μ,μを実験的に求めることにより、上記式(3a)(3b)において、A,A,B,Bは理論的に求まるため、2つの未知数Zeff,ρeを求めることができる。
図2は、本発明による材質識別検査装置の第1実施形態を示す構成図である。この図において、本発明の材質識別検査装置10は、搬送装置12、X線照射装置14、X線検出装置16及び演算装置18を備える。
搬送装置12は、例えばベルトコンベアであり、被検査物5を水平(この図で紙面に直交する方向)に搬送する。被検査物5は、X線に対して透明な任意の容器6(例えば旅行用ケース)内に収納されている。
X線照射装置14は、被検査物5に対し、搬送方向に直交する同一断面内で、2以上の異なる方向から、所定のエネルギー分布を有する入射X線7を、同時又は時間をずらして照射する。入射X線7のエネルギー分布は、例えば図1に1で示した入射X線の連続した強度分布であるのがよい。
またこの例において、X線照射装置14は、垂直方向と水平方向に固定配置された2台のX線管15a,15bであり、搬送方向に直交する同一断面内で被検査物5に対し所定のエネルギー分布の入射X線7を線状かつ扇状に照射するようになっている。
X線検出装置16は、上述したエネルギー弁別機能付きX線検出器であり、入射X線7が被検査物5を透過した透過X線8から2以上のエネルギー領域E,EのX線強度I,Iを弁別して計測する。
またこの例において、X線検出装置16は、2台のX線管15a,15bに対向するように水平方向と垂直方向に固定配置された2台の線状検出器17a,17bであり、被検査物5を透過した線状のX線から2以上のエネルギー領域E,Eの強度分布I,Iを弁別して計測するようになっている。
演算装置18は、例えばコンピュータであり、2以上のエネルギー領域E,Eにおける入射X線7と透過X線8の強度I10,I20、I,Iから、被検査物5の実効原子番号Zeffと電子密度ρeを算出し、これから被検査物5の材質を識別する。
演算装置18は、2以上の異なる方向から得られた透過X線8の強度分布から、各方向の被検査物5の厚さxを特定する。この特定は、例えば異なる方向が互いに直交していれば、X線強度の変化から容易にできる。
次いで、2以上のエネルギー領域E,Eにおける入射X線7と透過X線8の強度と厚さxから、式(2a)(2b)により、各エネルギー領域E,Eにおける2以上の減弱係数μ,μを求める。
次に、光電効果、コンプトン効果及び減弱係数の関係(上記(3a)(3b)の式)から、実効原子番号Zeffと電子密度ρeを算出する。被検査物5の材質は、実効原子番号Zeffと電子密度ρeから一般的に容易に特定でき識別が完了する。
図3は、本発明の材質識別検査方法を示す全体フロー図である。
本発明の材質識別検査方法は、上述した装置を用い、搬送ステップS1、照射ステップS2、計測ステップS3、および識別ステップS4からなる。
搬送ステップS1では、例えばベルトコンベアにより被検査物5を水平に搬送する。
照射ステップS2では、被検査物5に対し、搬送方向に直交する同一断面内で、2以上の異なる方向から、所定のエネルギー分布1を有する入射X線7を照射する。
計測ステップS3では、入射X線7が被検査物5を透過した透過X線8から2以上のエネルギー領域E,EのX線強度I,Iを弁別して計測する。
識別ステップS4では、2以上のエネルギー領域E,Eにおける入射X線7と透過X線8の強度I10,I20、I,Iから、被検査物5の実効原子番号Zeffと電子密度ρeを算出し、これから被検査物5の材質を識別する。
これらの各ステップS1〜S4は、同時に行うのが好ましいが、時間をずらして同一断面に関して行ってもよい。また、コンベア上の同一箇所で行うのが好ましいが、搬送方向に位置をずらして同一断面に関して行ってもよい。
上記照射ステップS2では、同一断面内で被検査物5に対し所定のエネルギー分布1のX線を線状かつ扇状に照射し、計測ステップS3では、被検査物5を透過した線状のX線から2以上のエネルギー領域E,Eの強度分布を弁別して計測する。
図3において、識別ステップS4は、厚さ特定ステップS41、減弱係数算出ステップS42、実効原子番号・電子密度算出ステップS43、および材質識別ステップS44からなる。
厚さ特定ステップS41では、2以上の異なる方向から得られたX線の強度分布から、前記各方向の被検査物5の厚さxを特定する。
減弱係数算出ステップS42では、2以上のエネルギー領域における入射X線7と透過X線8の強度と被検査物5の厚さxから、各エネルギー領域E,Eにおける2以上の減弱係数μ,μを求める。
実効原子番号・電子密度算出ステップS43では、光電効果、コンプトン効果及び減弱係数の関係から実効原子番号Zeffと電子密度ρeを算出する。
材質識別ステップS44では、実効原子番号Zeffと電子密度ρeから被検査物の材質を決定する。
上述した本発明の装置と方法によれば、搬送装置12により被検査物5を搬送しながら、2以上の異なる方向から、所定のエネルギー分布1の入射X線7を、同時又は時間をずらして照射し、被検査物5を透過した透過X線8から2以上のエネルギー領域E,EのX線強度I,Iを弁別して計測するので、被検査物5を連続的に検査して、短時間に結果を得ることができる。
また、演算装置18により2以上のエネルギー領域E,Eにおける入射X線7と透過X線8の強度から、被検査物5の実効原子番号Zeffと電子密度ρeを算出し、これから被検査物5の材質を識別するので、短時間にその材質を識別することができ、かつ予めX線の検出出力と対象物の厚みとの特性データを求める必要がない。
すなわち、本発明は、X線を用いて複数方向からの透過X線の強度(又は強度分布)とX線のエネルギー弁別によって取得した情報を利用して、物質を正確に識別することができる。
図4は、本発明による材質識別検査装置の第2実施形態を示す構成図である。この図において、本発明の材質識別検査装置10は、搬送装置12、X線照射装置14、X線検出装置16及び演算装置18を備える。
この例において、X線照射装置14は、互いに120°の周方向間隔で配置された3台のX線管15a,15b,15cであり、搬送方向に直交する同一断面内で被検査物5に対し所定のエネルギー分布1の入射X線7を線状かつ扇状に照射するようになっている。
また、3台のX線管15a,15b,15cは、被検査物5およびその容器6を囲みながら周方向に所定の角度範囲(例えば120°以内)で互いに同期して図示しない駆動装置により旋回するようになっている。
またこの例において、X線検出装置16は、3台のX線管15a,15b,15cに対向するように互いに120°の周方向間隔で配置された3台の線状検出器17a,17b,17cであり、被検査物5を透過した線状のX線から2以上のエネルギー領域E,Eの強度分布I,Iを弁別して計測するようになっている。
また、3台の線状検出器17a,17b,17cは、被検査物5およびその容器6を囲みながら3台のX線管15a,15b,15cに対向しながら周方向に所定の角度範囲(例えば120°以内)で互いに同期して図示しない駆動装置で旋回可能になっている。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
上述した構成により、3台のX線管15a,15b,15cと3台の線状検出器17a,17b,17cが、被検査物5およびその容器6を囲みながら周方向に所定の角度範囲で互いに同期して旋回することにより、3以上の異なる方向(例えば16以上の方向)から、所定のエネルギー分布1の入射X線7を、同時又は時間をずらして照射し、透過した透過X線8から2以上のエネルギー領域E,EのX線強度I,Iを弁別して計測するので、第1実施形態と比較して、被検査物5の厚さxを特定することがより容易となる。また、情報量も飛躍的に増加するので、第1実施形態よりもさらに精密に被検査物を検査して、より精密な結果を得ることができる。
なおその他の効果は、第1実施形態と同様である。
以下、本発明の実施例を説明する。
上述した(3a)(3b)の式から、2つの未知数Zeff,ρeを求める手段について以下に説明する。
式(3a)(3b)から、以下の関係が得られる。
eff =(μ−μ)/(μ−μ)・・・(4a)
ρe=(μ−μ)/(A−A)・・・(4b)
ここで式(4a)(4b)の左辺−右辺をそれぞれf(Zeff)、ρe(Zeff)とすると、以下の関係が得られる。
f(Zeff)=Zeff −(μ−μ)/(μ−μ)・・・(5a)
ρe(Zeff)=ρe−(μ−μ)/(A−A)・・・(5b)
光電効果に関する比例定数A,Aは、Jackson−Hawlsの式(数1の式(6))から求めることができる。
またコンプトン効果に関する比例定数B,Bは、Klein−Nishnaの式から求めることができる。
ここで、非弾性散乱の補正と弾性散乱をあわせた式として、数1の式(7)を使用する。さらにσcohは、式(8)を使用する。なお物質の電子密度ρeは、物質の実効原子番号Zeffにより一意に決まる。
Figure 2009053090
原子番号Zを1から30まで順に変化させ、各実効原子番号Zeffに対応する電子密度ρe、比例定数A,A、比例定数B,Bを式(6)〜(8)から求め、更に、入射X線(強度I10,I20)と透過X線強度(I,I)から減弱係数μ,μを求めることにより、式(5a)(5b)のf(Zeff)、ρe(Zeff)を計算することができる。
図5は、上述した実効原子番号Zeffと電子密度ρeを求めるアルゴリズムの実施例である。
この図において、横軸は実効原子番号Zeff、縦軸は上述したf(Zeff)とρe(Zeff)を示している。この実施例において、2種の入射X線は、単色ではなく、図1に模式的に示した強度分布2,3の中心エネルギーE,Eを用いている。
この図から、炭素、マグネシウム、アルミニウム、鉄にそれぞれ対応する原子番号Zにおいて、f(Zeff)、ρe(Zeff)がそれぞれ0に近い最小極値を示しているのがわかる。
すなわち、比例定数A,A、比例定数B,Bを実効原子番号Zeffに対応させてそれぞれ理論式から求めることにより、式(5a)(5b)を満たす物質の実効原子番号Zeffと物質の電子密度ρeを正確に計算することができる。
上述したように本発明の装置と方法によれば、搬送装置により被検査物を搬送しながら、2以上の異なる方向から、入射X線を、同時又は時間をずらして照射し、透過した透過X線から2以上のエネルギー領域のX線強度を弁別して計測するので、被検査物を連続的に検査して、短時間に結果を得ることができる。
また、演算装置により前記2以上のエネルギー領域における入射X線と透過X線の強度から、被検査物の実効原子番号と電子密度を算出し、これから被検査物の材質を識別するので、短時間にその材質を識別することができ、かつ予めX線の検出出力と対象物の厚みとの特性データを求める必要がない。
すなわち、本発明はX線を用いて複数方向からの透過X線の強度(又は強度分布)とX線のエネルギー弁別によって取得した情報を利用して、物質を正確に識別することができる。
本発明は、2以上のエネルギー領域のX線強度を弁別できる検出器を使って、物質固有のX線減弱係数を分解して連立方程式で解くアルゴリズムに特徴がある。
なお、上述の例ではエネルギー領域が2つの場合を示したが、3以上のエネルギー領域を用いて、連立方程式の数を増やし、より高精度な材質識別を行ってもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
本発明で使用するX線管とX線検出器のスペクトル図である。 本発明による材質識別検査装置の第1実施形態を示す構成図である。 本発明の材質識別検査方法を示す全体フロー図である。 本発明による材質識別検査装置の第2実施形態を示す構成図である。 実効原子番号Zeffと電子密度ρeを求めるアルゴリズムの実施例である。 特許文献1の装置の模式図である。 特許文献3の装置の模式図である。 特許文献4の装置の模式図である。
符号の説明
1 入射X線の強度分布、
2 入射X線の検出強度分布、
3 透過X線の検出強度分布、
5 被検査物、7 入射X線、8 透過X線、
10 材質識別検査装置、12 搬送装置、
14 X線照射装置、15a,15b,15c X線管、
16 X線検出装置、17a,17b,17c 線状検出器、
18 演算装置、

Claims (6)

  1. 被検査物を搬送する搬送装置と、
    前記被検査物に対し、搬送方向に直交する同一断面内で、2以上の異なる方向から、所定のエネルギー分布を有する入射X線を、同時又は時間をずらして照射するX線照射装置と、
    前記入射X線が被検査物を透過した透過X線から2以上のエネルギー領域のX線強度を弁別して計測するX線検出装置と、
    前記2以上のエネルギー領域における入射X線と透過X線の強度から、被検査物の実効原子番号と電子密度を算出し、これから被検査物の材質を識別する演算装置と、を備えたことを特徴とする材質識別検査装置。
  2. 前記X線照射装置は、前記同一断面内で前記被検査物に対し所定のエネルギー分布のX線を線状に照射するX線管であり、
    前記X線検出装置は、前記被検査物を透過した線状のX線から2以上のエネルギー領域の強度分布を弁別して計測する線状検出器である、ことを特徴とする請求項1に記載の材質識別検査装置。
  3. 前記演算装置は、2以上の異なる方向から得られたX線の強度分布から、前記各方向の被検査物の厚さxを特定し、
    前記2以上のエネルギー領域における入射X線と透過X線の強度と前記厚さから、各エネルギー領域における2以上の減弱係数μを求め、
    光電効果、コンプトン効果及び減弱係数の関係から実効原子番号Zeffと電子密度ρeを算出し、これから被検査物の材質を識別する、ことを特徴とする請求項2に記載の材質識別検査装置。
  4. 被検査物を搬送し、
    前記被検査物に対し、搬送方向に直交する同一断面内で、2以上の異なる方向から、所定のエネルギー分布を有する入射X線を、同時又は時間をずらして照射し、
    前記入射X線が被検査物を透過した透過X線から2以上のエネルギー領域のX線強度を弁別して計測し、
    前記2以上のエネルギー領域における入射X線と透過X線の強度から、被検査物の実効原子番号と電子密度を算出し、これから被検査物の材質を識別する、ことを特徴とする材質識別検査方法。
  5. 前記同一断面内で前記被検査物に対し所定のエネルギー分布のX線を線状に照射し、
    前記被検査物を透過した線状のX線から2以上のエネルギー領域の強度分布を弁別して計測する、ことを特徴とする請求項4に記載の材質識別検査方法。
  6. 2以上の異なる方向から得られたX線の強度分布から、前記各方向の被検査物の厚さxを特定し、
    前記2以上のエネルギー領域における入射X線と透過X線の強度と前記厚さから、各エネルギー領域における2以上の減弱係数μを求め、
    光電効果、コンプトン効果及び減弱係数の関係から実効原子番号Zeffと電子密度ρeを算出し、これから被検査物の材質を識別する、ことを特徴とする請求項5に記載の材質識別検査方法。
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