JP2006214952A - 爆発物探知装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、X線装置の高い処理性能を損なうことなく爆薬に対する低い誤法率の実現を可能とする爆発物探知装置を提供することにある。
【解決手段】
上記目的を達成するために、本発明では、荷物内の爆発物検査においてまずX線を照射して得たX線像から得られる密度および実効原子番号の一方または両方から爆発物の存在可能性を判定し、次にX線像から得られた情報をもとに最適となるように爆発物の存在範囲に0.1から6MHzの周波数範囲の電波を照射し、N−14核の核四重極共鳴により発生した電波を受信して予め登録された爆発物に対応する共鳴電波周波数位置の信号値があらかじめ定められた一定値以上であることを条件に爆発物の存在を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は爆発物探知装置および方法に係り、特に、空港等における手荷物内の爆発物を探知するものに好適な爆発物探知装置および方法に関する。
空港等における手荷物検査は、主として爆発物等の危険物,拳銃や刃物、及び麻薬等の輸入禁止物を探知するために行われる。このような検査は、空港に限らず人が多く集まるイベント会場等、或いは郵便局や貨物ターミナル等々でも実施される。また、探知は爆発物等の危険物あるいは拳銃等に限らず薬物等の輸入禁止品,その他の薬物、あるいは炭素菌等の有害微生物等々の物質を対象とする。
拳銃や刃物等の金属類の探知装置としてはX線探知装置が広く用いられている。即ち、レントゲンによるX線の発見以来、X線の高い透過力を利用したX線探知装置で物品あるいは生体の内部を調べることが行われている。また、空港や郵便局等で実施される荷物あるいは郵便物の検査にもX線透過装置が一般的に用いられている。X線を用いて得られる情報は、主として荷物あるいは郵便物内部の画像イメージであり、X線CT(コンピュータトモグラフィ)技術を活用して内部の3次元イメージを得ることも可能になっている。
しかし、荷物等の検査の探知対象は通常は限定されている。例えば、空港の手荷物検査においては、爆薬等の危険物と武器の発見がその目的であるが、X線透過像では、拳銃やナイフは見えても不定形で、かつ、密度の違いも顕著でないから爆発物かどうかの同定はできない。特にプラスチック爆薬は形を自由に変えることができ、形状からの判定は極めて困難である。
これに対して複数の異なるエネルギー領域のX線を照射して、照射したエネルギー領域から検査対象物の密度と実効原子番号を計算して表示することも行われているが、プラスチック爆薬の同定には十分ではないので誤報の発生確率が非常に高くなると言う問題が存在する。
一般的に荷物の検査は空港等の物流量の多い場所で実施されることから、誤報率が高くなることは検査時間を長引かせ、きわめて大きな問題となる。また、プラスチック爆薬を薄く加工されるとたとえCT画像を使ってもX線探知装置では発見が難しくなる問題も存在する。
これに対して爆薬だけに特徴的な信号を得ることができる他の手段が検討されており、核四重極共鳴(以下、NQRと呼ぶ)は有力な方法のひとつである(特許文献1,特許文献2参照)。
このNQRは、爆薬に含まれるニトロ基のうちN−14核(天然存在比100%)が
NQRを生じる特性を利用している。NQRはラジオ波の領域で生じるが、N−14核の周りの化学的な配置により共鳴周波数は大きく異なり、爆薬についても0.05 から20MHzの範囲、好ましくは0.1 から6MHzの範囲に分散しており、十分に個々の爆薬の種類を同定可能であるとともに他の化合物を爆薬と誤認する確率は極めて小さい。
特許第3002476号 特許第3542598号
ところで、空港やイベント会場等の物理量の多い場所で実施される手荷物検査は、極めて短時間(例えば、検査台を通過する数秒の時間内)で、かつ、手荷物を開けないで爆発物を探知することが望まれる。また、郵便物の検査においても、多量の郵便物を検査しなければならないから、スループットを向上する必要がある。
しかしながら、上述したNQRを用いた探知では、NQRにより得られる信号強度は極めて弱く、また、通常多数回の測定結果を積算して感度を向上させるが、比較的時間がかかるという問題がある。また、ラジオ波は金属以外の物質は透過するが、金属表面では反射されてしまうために金属容器に爆薬が入れられているような状況では爆薬を検出することができない。
一方、X線探知装置をNQRに配置することも提案されているが、単純に二つの装置を用いただけでは個々の装置の誤報率は重畳されることになり、X線探知装置の誤報率低減には役立たない。また、各々の検査装置が十分な感度で検査ができる時間が異なるため、同じ装置内で同時に検知を実施すると遅い方の装置が律速となり、結局NQRでは時間がかかる問題が解決されないで残ってしまう。
本発明は上述の点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、爆発物の探知を短時間で、かつ、低い誤報率で実現可能とする爆発物探知装置および方法を提供するにある。
上記目的を達成するために本発明は、X線の高い透過性能と、NQRの爆発物に対する高い同定性能とを有機的に結合して、爆発物等に対して低い誤報率を達成することを特徴とする。
即ち、本発明では、検査対象物にX線を照射して前記検査対象物を透過するX線に基づいてX線の透過像を生成するX線装置と、該X線装置の透過像から得られる前記検査対象物内の物品の密度及び/又は実効原子番号から爆発物の存在可能性を判定する判定装置と、該判定装置で爆発物の存在の可能性が判定された前記検査対象物に電波を照射する照射装置と、該照射装置からの電波が照射されたことにより前記検査対象物から発生した共鳴信号を受信し、この共鳴信号と予め登録されている特定爆発物に対応する共鳴信号の大きさを比較して爆発物であるか否かを判定する信号処理装置とを備えている爆発物探知装置、及び検査対象物にX線を照射して該検査対象物を透過するX線に基づいてX線の透過像を生成し、該X線の透過像から得られる前記検査対象物内の物品の密度及び/又は実効原子番号から爆発物の存在可能性を判定し、爆発物の存在の可能性が判定された前記検査対象物に核四重極共鳴周波数の電波が照射され、該核四重極共鳴周波数の電波が照射されたことにより前記検査対象物から発生した共鳴信号を受信し、この共鳴信号と予め登録されている特定爆発物に対応する共鳴信号の大きさを比較して爆発物であるか否かを判定する爆発物探知方法としたことを特徴とする。
本発明によりX線探知装置の高い処理性能にNQRの爆薬に対して高い同定性能を付与でき、爆発物を短時間、かつ、低誤報率で探知が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1及び図2に本発明の爆発物探知装置の一実施例を示し、その爆発物探知装置を空港持ち込み手荷物の検査に用いた場合の例である。
該図に示すように、搬送装置を構成するベルトコンベア1の上に検査対象物である手荷物2が載せられて、X線遮蔽容器10の入口3から容器内部に運ばれるようになっている。入口3,入口3と容器内部の境,容器内部と出口17の境、及び出口17の手荷物2の通過部には、図示しないがゴムなどの柔軟材で形成された帯状のX線遮蔽部材が設けられている。また、X線遮蔽容器10の入口3の進入口には、手荷物2が通過したことを検知する光センサー4が設けられている。更に、X線遮蔽容器10の頂部にX線発生装置5が設けられ、図示していないコリメータによって面状に形成されたX線ビーム6が、手荷物2に向けて照射されるようになっている。手荷物2を透過したX線はラインセンサー7で検知され、画像データとして画像生成手段を含んで構成される演算装置を備えている監視装置8に入力される。監視装置8は、手荷物2内に爆発物の存在可能性を判定する判定装置であり、これによって、ベルトコンベア1に載って移動する手荷物2をスキャンし、監視装置8によって画像化されたX線透過像はスクリーン9に表示される。監視装置8にはスクリーン9の他、レベル1アラーム14,レベル2アラーム15,OK表示16が備えられている。
一方、X線発生装置5よりもベルトコンベア1の下流側には、ベルトコンベア1で搬送されてきた手荷物2に電波を照射する照射装置であるNQR検出器11が設けられている。
このNQR検出器11は、パルス状電波をNQR検出器11中の手荷物2に向けて照射するパルス源12と、パルス状電波をNQR検出器11中の手荷物2に向けて照射することにより手荷物2から発生する共鳴信号を受信し、この共鳴信号と予め登録されている特定爆発物に対応する共鳴信号の大きさと比較検討して爆発物であるか否かを判定する信号処理装置13とから構成され、信号処理装置13での結果が監視装置8に送付されるようになっている。監視装置8では判定結果に応じて、レベル1アラーム14,レベル2アラーム15,OK表示16のいずれかが表示される。
なお、X線遮蔽容器10は、X線遮蔽と電磁波遮蔽を兼ねている。場合によってはX線照射と電波の照射を別室で実施するようにして、それぞれに最適の遮蔽をすることも可能である。
次に、本実施例の爆発物探知装置における動作について詳細に説明する。
図1に示すように、ベルトコンベア1に手荷物2を載せるとX線遮蔽容器10の入口3からベルトコンベア1により手荷物2がX線遮蔽容器10の内部に運ばれる。
手荷物2を光センサー4が検知するとX線発生装置5からシート状にコリメートされたX線ビーム6が放射される。手荷物2を透過したX線ビーム6は、ラインセンサー7で検知され画像データとして処理される。その結果、ベルトコンベア1に載って移動する手荷物2のX線透過像が監視装置8のスクリーン9に表示される。スクリーン9に表示されたX線透過像から手荷物2の密度を推定し、爆薬付近の中間密度領域を特定の色で表示するように設定されている。
このような表示機能は多くのX線手荷物検査装置がすでに有しているが、手荷物2の密度の情報だけでは実際には爆薬でない中間密度の多くの物質が爆薬と判定されてしまい、これをそのまま信用して開披検査を実施すると多くの手荷物を開披検査することになり非常に効率が悪く、多くの乗客を待たせることになる。
そこで、密度が爆薬の属する一定領域にある場合には、自動的に図2に示すように手荷物2は次の位置2′に送られ、ベルトコンベア1は自動的に停止する。手荷物2の停止位置2′の周りは、上述したNQR検出器11で囲まれている。
NQR検出器11は全体がコイルとなっており、0.05 から20MHzの範囲、好ましくは0.1 から6MHzの周波数範囲の電波を送受信できるようになっている。位置
2′の手荷物2には、パルス源12で発生させた爆薬分子内に存在するN−14原子核の共鳴周波数付近の周波数であるパルス状電波が連続的に照射される。もし、手荷物2内に当該爆薬が存在すると、NQR検出器11により共鳴周波数に相当する微弱な電波が放出される。
ひとつひとつの信号強度は微弱であるので、信号処理装置13で積算処理してS/N比を高めた後に爆薬分子からの共鳴信号が所定の閾値以上であるか判定し、閾値以上である場合には監視装置8のレベル1アラーム14が点灯する。この場合は、手荷物2を開披検査して該当物が存在するかどうかチェックすることになる。判定が困難な場合はレベル2アラーム15が点灯し、X線透過像情報等も加味して開披検査するかどうかオペレーターが判断する。問題の無い場合にはOK表示16が点灯する。
判定終了後、ベルトコンベア1は再起動し、位置2′の手荷物2はX線遮蔽容器の出口17より排出される。レベル1アラームの場合には同時に警報音が発生するが、レベル2アラームの場合には爆薬の危険を即には意味しないので警報音は出ない。
上記のように、レベルごとにアラームを分けることにより危険レベルの違いを明確にオペレーターに伝えることが可能となる。
なお、警報音の他にスクリーン表示,ランプ点灯,音声による警報が考えられる。
手荷物検査用の判定ロジックを図3に示す。
該図に示す如く、先ず最初にX線発生装置5で密度が爆薬付近の一定値内にない場合にはベルトコンベア1は停止させず、手荷物2は位置2′を通過し、そのままX線遮蔽容器
10の出口17から排出される。しかし、スクリーン9上で銃器,ナイフ等の武器類や他の機内持込禁止物品等の不審な映像が見つかった場合は、開披検査が必要となる。
一方、X線発生装置5で密度が爆薬に一致していると判定された場合には、NQR検出器11による判定が必要となる。NQR検出器11によるNQR信号のピーク位置が特定爆薬に一致した場合にはレベル1アラーム14が点灯し、開披検査が必要となる。
特定爆薬のNQR信号に一致しない場合でも、コイルが掛けている磁場に平行に金属ループが置かれている場合には、照射電波のエネルギーがコイルで消費され信号強度が極端に弱くなる。ループは爆発物が金属で覆われている場合にも形成され、爆発物があっても金属で完全に覆われている場合には信号は検出されない。
このような事象により爆発物が検出されずに通過するのを防ぐために、金属ループが存在して電波のエネルギー消費が大きい場合には、レベル2アラーム15を点灯させ、開披検査をするようにする。ただし、この場合にはX線透過像で明確に爆薬・武器等の機内持込禁止物品がないと容易に判定される場合には開披検査の必要はない。
爆薬と言ってもその種類は数が多い。爆薬の構成分子は窒素を含んでおり、N−14は天然存在比100%であるために爆薬はN−14核のNQRにより検出できる。しかし、爆薬の種類により共鳴周波数は広い帯域に分散しており、ひとつのパルス電波に含まれる周波数範囲でカバーできる領域をはるかに超えており、それぞれの爆薬化合物に対応した領域の電波を照射する必要がある。
このため、すべての爆薬を検知するように設定すると検知に時間がかかり過ぎる問題がある。危険度と状況に応じて2−3種類を選定するのが適切である。また、何十種類かの爆薬のデータを登録しておき、監視装置8を用いて状況に応じてNQR検出器11での検知の必要な爆薬を選定できるようにしておくことも可能である。パルスシーケンスの初期に幅の広い周波数を含むパルスを照射し、その積算値が一定時間で一定の値以上になった場合に、その周波数領域に絞り込むような機構を持たせることにより自動的に検知すべき爆発物を絞り込むことが可能になる。
また、初期の測定で荷物が入ったことによるコイル内の容量変化を把握して最適なパルスシーケンスを選定する機構を持たせることにより存在する可能性がある爆薬に応じた最適なパルス条件での検知が可能となる。
X線では多くの爆薬が一定範囲の密度領域に存在することからまとめて検知することが可能である。問題となるのはプラスチック爆弾と呼ばれる形状を自由に変えることができ、薄い形状にしたりして偽装することのできる爆薬である。プラスチック爆薬は金属を最小しか含まないためにX線発生装置5で爆弾として把握することが難しく特にNQR検出器11での検知が必要なものである。
テロ等に用いられるプラスチック爆弾には、例えばC4,SEMTEX,DETASHEET などの種類があるが、いずれもRDX(シクロトリエチレン トリニトラミン)またはPETN(ペンタエリスリトール テトラナイトレート)のどちらかが主成分である。この中でもRDXはほとんどのプラスチック爆弾に使われており、もっとも重要な検知対象である。
RDXは室温付近で5.2MHz付近と3.4MHz付近に大きな共鳴周波数のピークを持つ。これに対して線幅は200Hz程度である。一方、−NO2基を持つPETNや
TNT(2,4,6−トリニトロトルエン)は830−880kHzに共鳴周波数がある。
これだけ周波数が離れていると化合物の個別同定は容易であるが、ひとつのパルスに含まれる周波数成分だけでは広い周波数範囲に分散している各化合物のピークをカバーできない。各々の周波数に対応したパルスを別に照射して共鳴周波数を測定する必要がある。測定周波数範囲を0.1 −6MHz付近までとするとほぼすべての問題となる爆発物をカバーすることが可能となる。検知時間の短縮にはX線発生装置5と役割分担をして、とくにX線発生装置5で見つけにくい爆薬だけに絞ってNQR検出器11で検知することが有効である。プラスチック爆薬の主要成分であるRDX等がNQR検出器11での検知対象の候補である。デュアルエネルギータイプのX線発生装置5は、密度と実効原子番号を利用してある程度爆薬であるかどうかを判別できる。
図4は、検出される可能性の高い化合物の密度と実効原子番号をパラメーターとして表した図である。X線発生装置5により手荷物の密度および実効原子番号が測定できる。特に爆薬は丸印で囲った領域に存在する。
爆薬はこの比較的狭い領域に集中しているのがわかる。しかし、この範囲に重なる非爆薬化合物も多い。同じ爆薬内でもこれらのパラメーターには微妙な差異がある。これらの差異は測定精度を考えると同定に十分なものではないが、この情報を利用してNQR検出器11での検知時間の短縮を図ることは可能となる。
図4からは最も可能性の高い化合物が判定できるとともに、場合によっては可能性のない化合物を判定することが可能となる。そこで、図1の監視装置8にてX線発生装置5からの密度および実効原子番号の情報をもとに可能性のある爆薬を絞り込み、可能性の高い化合物に対応する周波数から照射を開始するように監視装置8からパルス源12に制御信号を送る(点線で示す)ことで、すべての爆薬をいつも同じ順序で検知する場合に比べて検知時間が大幅に短縮可能である。
具体的には、X線発生装置5による手荷物2の密度の情報を用いて、NQR検出器11で探知する爆薬の種類を限定するように監視装置8内にプログラムされている。
X線発生装置5で得られたX線透過像中の一定領域が、密度1.4−2.0(g/cm3)の範囲にある場合は、爆薬が存在する可能性が高いと判定されるように設定しておき、赤い色擬似カラーでスクリーン表示するとともに、次のNQR検出器11での検査に移行するようにしてある。
たとえば実効原子番号7.8、かつ、密度1.5(g/cm3)の領域があると判定された場合、図4からもっとも可能性の高い爆薬はSEMTEXである。また、DETASHEET が次に近いと判定される。一方、TNTである可能性は低い。そこでこの場合には、SEMTEXの主成分であるRDXのNQR共鳴周波数を最初に用いて検知を実施するようにプログラムしておく。RDXが検知されれば警報を出し、RDXが検知されなければDETASHEET の主成分であるPETNの共鳴周波数を用いて検知を行い、それでも検知されなければ爆薬は存在しないと判定する。C4はRDXが主成分であり、最初のRDXの検知により実際には有無が判定されている。
また、密度が1.9(g/cm3)の領域があると判定された場合には、TNTの爆薬成分はTNTであり、近い密度の爆薬はないのでTNTについてだけNQR検出器11で検知を行う。実効原子番号のデータも合わせて使うとより正確な判定が可能となる。
たとえば図4で密度が1.9(g/cm3) 、かつ、実効原子番号が7.5の場合は、TNTについてのみNQR検出器11による検知を行う。実効原子番号のデータも合わせて使うことにより、無機材が爆薬と判定されNQR検知が必要となる可能性が小さくできる。
本例では多くの種類の爆薬をNQRで検知できるようにしておいても、実際にNQRで検知すべき爆薬の種類を少数に限定できるので、効率的な検知を多くの種類の爆薬について実施することが可能となる。
以上述べてきたように、本実施例によればX線発生装置5だけでは不可能であった爆薬の高信頼・短時間での検知が可能となる。
図5には、上述した実施例の変形例を示す。本例では、NQR検出器11が小型であり、手荷物2の大きさより小さい以外は図1及び図2の構成とほぼ同じである。
本例では、NQR検出器11を構成するコイル11′の大きさが想定される平均的な手荷物の大きさより小さく、手荷物の一部にしかコイル11′からの電波が十分に届かない場合である。コイル11′は小さな表面コイル状にして荷物の上部または下部から電波を照射するようにしても良い。
図6はX線透過像とコイルの位置の関係を示す。X線透過像に爆発物の存在が疑われる領域18が存在する場合には、ベルトコンベア1の動きを調整して前記領域18がコイル11′からの電波の照射をもっとも効率よく受ける位置2′に手荷物が来るようにして自動的に停止し、NQR検出器11で爆発物の検知を行う。
X線透過像から爆発物の存在が検知できない場合には、ベルトコンベア1は停止せずにOK表示16を点灯して荷物を排出する。NQR検出器11により爆薬が検知できなかった場合にもOK表示16を点灯する。NQR検出器11の共鳴信号が所定の閾値以上であるか判定し、閾値以上である場合には監視装置8のレベル1アラーム14が点灯する。
本例では、コイル11′を小さくしているので、装置が小さくできるとともにコイル
11′に流す電流量も小さくでき、エネルギー消費を低減できるとともに電源を小さくできるメリットがある。
本発明のもうひとつの実施例を図7に基づいて説明する。該図に示す実施例は、2方向X線発生装置とNQR検出器を組み合わせて空港の預け入れ荷物の検査に適用した場合の例である。
図7に示す如く、ベルトコンベア19には光センサー20がとり付けられており、ベルトコンベア19上の荷物21が入ってくると、これを光センサー20で検知し、荷物21の進行方向に対して水平方向及び垂直方向からX線を照射するように設置された水平方向X線源22と垂直方向X線源23からX線が発生させられる。これら水平方向X線源22と垂直方向X線源23は、図1に示したX線発生装置5と同様な機能を有している。
X線は荷物21を透過した後にL型ラインセンサー24で検知されX透過像が得られる。L型ラインセンサー24は二段にX線検出器が組み込まれており、間にあるエネルギーフィルタ25で低エネルギー成分を除去して2段目のX線検出器で高エネルギー成分だけを検知できるシステムにしてある。これにより、高エネルギー成分のみの検出と全エネルギー成分での検出の両方が可能となる。両成分からコンプトン散乱による密度と光電効果による実効原子番号を分けて計算することが可能である。
この両方の情報を用いて、図4に示したような爆薬のある程度の判定が可能となる。また、高密度,高原子番号であることから金属の判定も可能である。
26はベルトコンベア19上の荷物21を検出する位置センサーで、この位置センサー26で荷物21を検出したらNQR検出器27を構成するコイル内に荷物21を停止させ、電波をパルス状に照射してNQR探知をおこなう。NQR検出器27の機能は、図1に示したNQR検出器11と同様な機能を有している。
図8及び図9は、密度及び実効原子番号の両方の情報を加味して金属および爆発物の存在をイメージ化したものである。
図8では荷物21の垂直方向断面28と水平方向断面29が表示されており、爆発物類似物30と金属31が両方の断面に認められるが、それぞれは明確に別の位置に存在している。一方、図9では、荷物21の垂直方向断面32と水平方向断面33の両方で爆発物類似物34が金属35で囲まれていることが判る。
図8の場合には、位置センサー26で荷物21を検出して爆発物類似物30に対してもっとも感度が高い位置になるようにNQR検出器27のコイル内に停止させ、パルス状の電波を照射してNQR信号の測定を実施する。NQR検出器27で爆薬が検知された場合には警報を出す。
これに対して図9の場合には、電波を照射しても金属35で遮蔽されて有効なNQR信号の検知ができないので、NQR検出器27のコイル内に荷物21を停止させずにそのまま通過させ、警報とともに開披検査等の詳細な二次検査をするように指示を出す。これにより不要なNQR測定を排除することが可能となる。
預け入れ手荷物検査用の判定ロジック例を図10に示す。
該図に示す如く、密度または密度と実効原子番号の両方が爆薬の範囲にあると判別された場合には、その領域に赤等の特徴的な色を付けスクリーンに表示する。当該領域が金属のように重い物質で囲われている場合には、NQR検出器での検知は困難であるので、爆薬存在の可能性が高いとして開披等の二次検査に移行させる。また、その他の密度等が爆薬の範囲内にあると判定された場合には、NQR検出器による検知を行う。また、密度等が爆薬の範囲外と判定された場合でも、オペレーター判断でNQR検出器による検知に移行できるようにしておく。NQR検出器で共鳴吸収が予め登録された爆薬のひとつに一致した場合には二次検査に移行する。また、金属ループの存在がNQRで検出された場合も二次検査に移行する。
X線発生装置としては2方向X線検査装置ではなく、2軸以上のX線透過装置あるいはX線CTやX線マルチビュートモグラフィーにより3次元イメージを得て金属で囲まれているか判定すると判定はより高確度となる。また、3次元情報からX線発生装置の情報から金属や水のように、コイル内の容量に影響の大きい物質の量を判定して容量の変化を推定して、NQRの測定条件の初期変化を自動設定することも可能である。つまり、X線発生装置からのX線の照射により金属または水の存在をX線透過像または3次元像から検知した場合には、その総体積を推定し、その数値に基づいて電波を照射するためのコイルのパラメーターを変化させてもよい。また、図5及び図6に示したように、コイルが全荷物をカバーしない場合にコイル位置に磁性体が来ないように荷物の停止位置を調整することも有効である。
また、ベルトコンベアの材質は、コイル容量を大きく変化させるような磁性材料や金属の使用を避けるべきである。また、ベルトコンベア上またはベルトコンベア内に特有の窒素化合物を含ませて置き、この化合物の信号値を検知し、その値からコイル容量のずれを補正して正確な共鳴周波数を計算することができる。これはコイル内またはコイルから一定距離の位置に当該化合物を設置しておくことによっても実現できる。
本実施例によれば預け入れ手荷物内の爆薬の高い精度での高速検知が可能となる。
本発明の手荷物検査に用いた他の実施例を図11に基づいて説明する。図11はX線発生装置の後でNQRによる爆発物検査を行う場合の一実施例である。
該図に示す如く、ベルトコンベア39に来客40Aが荷物41Aを置く。荷物41AはX線発生装置42に入り、荷物41A内の物品のX線透視像をモニター43に映し出す。検査要員44Aはモニター43を監視し、荷物41内に爆薬・武器等がないと判定した場合には、X線発生装置42から出てきた荷物41Bをそのままベルトコンベア39に載せて移動させ、来客40Bから来客40Cの位置で荷物41Dを受け取る。
モニター43で爆薬・武器等があると判断された場合には、検査員44Bは顧客40Bに荷物の開披を行うことを通知した後に荷物を開披し、モニター43に映った不審物を選別する。
液体の入ったボトル45や爆発物が内包されている疑いのある物品46は、NQR検出器49に掛けられる。また,金属物47や電気回路を含む物品48はできる限り取り除き、武器の有無を目視で検査し、NQR検出器49内には入れない。爆発物が内包されている疑いのある物品46が金属で覆われている場合には、これを取り除く。モニター43にはこれらの物品の透視像が表示されており、対応した物品を手荷物中から取り出して確認する。NQR検出器49では、登録された爆薬に対応する核四重極共鳴がないかチェックし、共鳴吸収が閾値以下の場合には来客40Dは手荷物40Eを受け取ることができる。爆発物が検知された場合には警報が爆発物の種類とともに表示される。
ペットボトルの場合には核四重極共鳴は生じないが、NQR検出器49に設置されたコイルの容量変化が水が入っている場合と異なり、ガソリン等の可燃物が入っている場合に相当すると警報が出る。問題となる可燃物や爆薬がなければベルトコンベア50に載せて荷物を来客に引き渡す。開披検査では拳銃やナイフ等の発見は容易であるが、爆薬や可燃物を見分けることは難しい。本実施例により容易にこれらの確認が可能となる。
尚、本実施例のX線発生装置42とNQR検出器49は、図1に示した実施例と同様な機能を有するものである。
本実施例の判定ロジックを図12に示す。
まず、X線発生装置で密度が爆薬に相当するか、ペットボトルが入っていないかを調べる。これらに該当する場合には開披してX線透過像を頼りに爆薬と推定される物品およびペットボトルを取り出し、NQR検出器に掛ける。NQR検出器の共鳴吸収が爆薬に一致した場合またはペットボトル内容物が水を主成分としない場合には来客に荷物を引き渡さず、詳しく調べることになる。どちらにも該当せず、また荷物内に銃器等の武器がない場合には荷物を来客がピックアップできるようにする。本実施例により容易にこれらの危険な物品の確認が可能となる。
本発明の爆発物探知装置の一実施例を示し、空港持ち込み手荷物の検査に用いた場合の例で手荷物にX線を照射している状態の図である。 図1に示した状態から手荷物がNQR検出器に移動した状態を示す図である。 図1に示した爆発物探知装置を空港持ち込み手荷物の検査に適応する場合の判定ロジックを示すフローチャートである。 本発明の爆発物探知装置に採用されるX線検査装置から得られる密度と実効原子番号で見た場合の爆薬の存在領域を示す図である。 図1に示した爆発物探知装置の変形例を示す図である。 図5に示した爆発物探知装置のNQR検出器で検出した際のX線透過像とコイルの位置関係を示す図である。 本発明の爆発物探知装置の他の実施例を示し、空港受託手荷物の検査に用いた場合の例である。 図7に示した爆発物探知装置のX線の透過像における金属体と爆発物類似物との位置関係を示す図である。 図8とは違う方向から断面して示すX線の透過像における金属体と爆発物類似物との位置関係を示す図である。 図7に示した爆発物探知装置を空港受託手荷物の検査に適応する場合の判定ロジックを示すフローチャートである。 本発明の爆発物探知装置の更に他の実施例を示し、手荷物検査に用いた場合の例である。 図11に示した爆発物探知装置を手荷物検査に適応する場合の判定ロジックを示すフローチャートである。
符号の説明
1,19,39,50…ベルトコンベア、2…手荷物、3…X線遮蔽容器の入口、4,20…光センサー、5、42…X線発生装置、6…X線ビーム、7…ラインセンサー、8…監視装置、9…スクリーン、10…X線遮蔽容器、11,27,49…NQR検出器、11′…コイル、12…パルス源、13…信号処理装置、14…レベル1アラーム、15…レベル2アラーム、16…OK表示、17…X線遮蔽容器の出口、18…領域、30,34,46…爆発物類似物、22…水平方向X線源、23…垂直方向X線源、24…L型ラインセンサー、25…エネルギーフィルタ、26…位置センサー、31,35…金属、43…モニター、45…ペットボトル、47…金属品、48…電気製品。

Claims (21)

  1. 検査対象物にX線を照射して前記検査対象物を透過するX線に基づいてX線の透過像または3次元像を生成するX線装置と、該X線装置の透過像または3次元像から得られる前記検査対象物内の物品の密度及び/又は実効原子番号から爆発物の存在可能性を判定する判定装置と、該判定装置で爆発物の存在の可能性が判定された前記検査対象物に電波を照射する照射装置と、該照射装置から電波が照射されたことにより前記検査対象物から発生した核四重極共鳴信号を受信し、この共鳴信号と予め登録されている特定爆発物に対応する共鳴信号を比較して爆発物であるか否かを判定する信号処理装置とを備えていることを特徴とする爆発物探知装置。
  2. 検査対象物が搬送される搬送装置と、該搬送装置上を搬送される前記検査対象物にX線を照射して前記検査対象物を透過するX線に基づいてX線の透過像または3次元像を生成するX線装置と、該X線装置の透過像または3次元像から得られる前記検査対象物内の物品の密度及び/又は実効原子番号から爆発物の存在可能性を判定する判定装置と、前記X線装置よりも前記搬送装置の下流側に設けられ、前記判定装置で爆発物の存在の可能性が判定された前記検査対象物に電波を照射する照射装置と、該照射装置から電波が照射されることにより前記検査対象物から発生した核四重極共鳴信号を受信し、この共鳴信号と予め登録されている特定爆発物に対応する共鳴信号の大きさを比較して爆発物であるか否かを判定する信号処理装置と、該信号処理装置での判定結果を報知する監視装置とを備えていることを特徴とする爆発物探知装置。
  3. 検査対象物が搬送される搬送装置と、該搬送装置上を搬送される前記検査対象物にシート状にコリメートされたX線を照射して前記検査対象物を透過するX線に基づいてX線の透過像または3次元像を生成するX線装置と、該X線装置の透過像または3次元像から得られる前記検査対象物内の物品の密度及び/又は実効原子番号から爆発物の存在可能性を判定する判定装置と、前記X線装置よりも前記搬送装置の下流側に設けられ、前記判定装置で爆発物の存在の可能性が判定された前記検査対象物にパルス状電波を連続的に照射する照射装置と、該照射装置から電波が照射されることにより前記検査対象物から発生した核四重極共鳴信号を受信して積算処理し、この積算処理された共鳴信号が予め登録されている特定爆発物に対応する共鳴信号の所定の閾値以上であるかを判定する信号処理装置と、該信号処理装置で積算処理された共鳴信号が所定の閾値以上である場合には、そのレベルに応じて判定結果を報知する監視装置とを備えていることを特徴とする爆発物探知装置。
  4. 前記照射装置から前記検査対象物に照射される電波の周波数は、0.05 〜20MHzの範囲、好ましくは0.1 〜6MHzの範囲で選択され、N−14核の核四重極共鳴により発生した電波であることを特徴とする請求項1,2または3に記載の爆発物探知装置。
  5. 前記X線を照射して得られたX線透過像または3次元像の一部に密度と実効原子番号の一方または両方が前記爆発物の存在の可能性があると判定された場合には、前記密度と実効原子番号に近い爆薬を判定し、該爆薬の共鳴周波数位置付近の電波から電波の照射を開始する機構を有することを特徴とする請求項2記載の爆発物検知装置。
  6. 前記検査対象物のX線透過像または3次元像から爆薬と疑われる領域がある場合には、前記搬送装置の動きを調整して前記領域が照射装置のコイルからの電波の照射を効率よく受ける位置に前記検査対象物が来るような機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載の爆発物検知装置。
  7. 前記検査対象物より小さい前記照射装置を構成するコイルが核四重極共鳴受信のため設置されており、前記検査対象物のX線透過像または3次元像から爆薬と疑われる領域がある場合には、前記検査対象物内の前記領域が前記コイルのある位置に移送される機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載の爆発物検知装置。
  8. 前記監視装置は、スクリーン,レベル1アラーム,レベル2アラーム、及びOK表示が備えられていることを特徴とする請求項2または3に記載の爆発物探知装置。
  9. 前記監視装置のスクリーンには、前記搬送装置に載って移動する検査対象物のX線透過像が表示され、このスクリーンに表示されたX線透過像から前記検査対象物内の物品の密度を推定して爆薬付近の中間密度領域を特定の色で表示するように設定されていることを特徴とする請求項8に記載の爆発物探知装置。
  10. 前記監視装置のレベル1アラームは、前記信号処理装置で積算処理された共鳴信号が所定の閾値以上である場合に点灯し、前記レベル2アラームは、前記検査対象物が爆発物かどうかの判定が困難な場合に点灯し、前記OK表示は、前記検査対象物が問題ない場合に点灯することを特徴とする請求項8に記載の爆発物探知装置。
  11. 検査対象物が搬送される搬送装置と、該搬送装置上を搬送される前記検査対象物を検知するセンサーと、該センサーで検知した前記検査対象物に、該検査対象物の進行方向に対して水平方向及び垂直方向からX線を照射する2つのX線装置と、該2つのX線装置から照射されて前記検査対象物を透過したX線を検知してX線の透過像または3次元像を得るラインセンサーと、該ラインセンサーで得られたX線の透過像または3次元像から前記検査対象物内の物品の密度及び/又は実効原子番号から爆発物の存在可能性を判定する判定装置と、前記X線装置よりも前記搬送装置の下流側に設けられ、前記判定装置で爆発物の存在の可能性が判定された前記検査対象物に電波を照射する照射装置と、該照射装置からの電波が照射されたことにより前記検査対象物から発生した核四重極共鳴信号を受信し、この共鳴信号と予め登録されている特定爆発物に対応する共鳴信号の大きさを比較して爆発物であるか否かを判定する信号処理装置と、該信号処理装置での判定結果を報知する監視装置とを備えていることを特徴とする爆発物探知装置。
  12. 前記X線装置からの2方向以上から照射されたX線によるX線透過像または3次元像から得られた画像から実効原子番号の一方または両方が前記爆発物の存在可能性のある場所が金属で囲まれている場合には電波の照射をせずにX線透過像または3次元像の密度と実効原子番号の情報から爆発物の存在判定をすることを特徴とする請求項11に記載の爆発物検知装置。
  13. 前記X線装置からのX線照射により金属または水の存在をX線透過像または3次元像から検知した場合には、前記照射装置を構成するコイル内の容量に影響の大きい物質の量を判断して容量の変化を推定し、前記コイルの初期変化を自動設定することを特徴とする請求項11に記載の爆発物検知装置。
  14. 検査対象物にX線を照射して該検査対象物を透過するX線に基づいてX線の透過像または3次元像を生成し、該X線の透過像または3次元像から得られる前記検査対象物内の物品の密度及び/又は実効原子番号から爆発物の存在可能性を判定し、爆発物の存在の可能性が判定された前記検査対象物に電波が照射され、電波が照射されたことにより前記検査対象物から発生した核四重極共鳴信号を受信し、この共鳴信号と予め登録されている特定爆発物に対応する共鳴信号の大きさを比較して爆発物であるか否かを判定することを特徴とする爆発物探知方法。
  15. 搬送装置上を搬送される検査対象物にX線を照射して該検査対象物を透過するX線に基づいてX線の透過像または3次元像を生成し、該X線の透過像または3次元像から得られる前記検査対象物内の物品の密度及び/又は実効原子番号から爆発物の存在可能性を判定し、爆発物の存在の可能性が判定された前記検査対象物に電波が、前記X線の照射位置よりは前記搬送装置の下流側で照射され、電波が照射されることにより前記検査対象物から発生した共鳴信号を受信し、この共鳴信号と予め登録されている特定爆発物に対応する共鳴信号の大きさを比較して爆発物であるか否かを判定して、その判定結果を報知することを特徴とする爆発物探知方法。
  16. 前記核四重極共鳴周波数の電波はパルス状であり、該パルス状の周波数は、0.05〜20MHzの範囲、好ましくは0.1〜6MHzの範囲で選択され、N−14核の核四重極共鳴により発生した電波であることを特徴とする請求項14又は15に記載の爆発物探知方法。
  17. 搬送装置上を搬送される検査対象物にシート状にコリメートされたX線を照射して該検査対象物を透過するX線に基づいてX線の透過像または3次元像を生成し、該X線の透過像または3次元像から得られる前記検査対象物内の物品の密度及び/又は実効原子番号から爆発物の存在可能性を判定し、爆発物の存在の可能性が判定された前記検査対象物に核四重極共鳴用のパルス状電波が、前記X線の照射位置よりは前記搬送装置の下流側で連続的に照射され、該電波が照射されることにより前記検査対象物から発生した共鳴信号を受信して積算処理し、この積算処理された信号が予め登録されている特定爆発物に対応する共鳴信号の所定の閾値以上であるかを判定し、該共鳴信号が所定の閾値以上である場合には、そのレベルに応じて判定結果を報知することを特徴とする爆発物探知方法。
  18. 前記パルス状電波の周波数は、0.05 〜20MHzの範囲、好ましくは0.1 〜6
    MHzの範囲で選択され、N−14核の核四重極共鳴により発生した電波であることを特徴とする請求項17に記載の爆発物探知装置。
  19. 搬送装置上を搬送される検査対象物を検知し、検知した該検査対象物に、該検査対象物の進行方向に対して水平方向及び垂直方向からX線を照射し、該水平方向及び垂直方向から照射されて前記検査対象物を透過したX線を検知してX線の透過像または3次元像を得、該X線の透過像または3次元像から前記検査対象物内の物品の密度及び/又は実効原子番号から爆発物の存在可能性を判定し、爆発物の存在の可能性が判定された前記検査対象物に電波が、前記X線の照射位置よりは前記搬送装置の下流側で照射され、該電波が照射されることにより前記検査対象物から発生した核四重極共鳴信号を受信し、この共鳴信号と予め登録されている特定爆発物に対応する共鳴信号の大きさを比較して爆発物であるか否かを判定して、その判定結果を報知することを特徴とする爆発物探知方法。
  20. 搬送装置上を搬送される検査対象物にシート状にコリメートされたX線を照射して該検査対象物を透過するX線に基づいてX線の透過像または3次元像を生成し、該X線の透過像または3次元像から得られる前記検査対象物内の物品の密度及び/又は実効原子番号から爆発物の存在可能性を判定し、爆発物の存在の可能性が判定された前記検査対象物を開披して疑わしい物品を取り出し、該物品にパルス状電波を照射して爆発物かそれ以外の物品かを判定することを特徴とする爆発物探知方法。
  21. 前記爆発物か疑わしい物品に前記パルス状電波を照射することにより前記物品から発生した共鳴信号を受信し、この共鳴信号と予め登録されている特定爆発物に対応する共鳴信号の大きさを比較して爆発物であるか否かを判定すると共に、前記のパルス状電波を照射する照射装置に設置されているコイルの容量変化を見て可燃物かを判定することを特徴とする請求項20に記載の爆発物探知方法。
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