以下に、実施の形態にかかる空気調和換気システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本開示が限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100の全体概要構成を示す図である。空気調和換気システム100は、サーバ1と、換気装置2と、空気調和機3と、送風機4と、情報端末5と、を備えて構成されている。換気装置2と空気調和機3と送風機4とは、空気調和換気システム100が使用される建物内に設置されている建物内機器である。
図1においては、換気装置2として、換気装置A、換気装置B、・・・、換気装置Xといった複数の換気装置2を示している。また、図1においては、空気調和機3として、空気調和機A、空気調和機B、・・・、空気調和機Xといった複数の空気調和機3を示している。また、図1においては、送風機4として、送風機A、送風機B、・・・、送風機Xといった複数の送風機4を示している。なお、換気装置2、空気調和機3および送風機4は、各々1台であってもよい。
図1において、矢印(1)は、建物内機器の運転状態の情報および気象環境情報の各建物内機器からサーバ1への送信を示している。気象環境情報は、温度および湿度といった、各建物機器に設けられたセンサによって計測された情報である。矢印(2)は、サーバ1から建物内機器への運転の指示の送信を示している。矢印(3)は、サーバ1の情報端末5からの地域情報の取得を示している。矢印(4)は、建物内機器から情報端末5への、建物内機器の運転状態の情報、ヒートショックリスクの通知および屋外空気の情報の通知の送信を示している。矢印(5)は、サーバ1によるWEB上の気象情報の要求を示している。矢印(6)は、サーバ1による気象情報の取得を示している。
空気調和換気システム100において、サーバ1は、グローバルな情報通信網であるインターネットを介して通信可能に接続された建物内機器である換気装置2、空気調和機3および送風機4から、各建物内機器で測定された温度情報、湿度情報などの気象環境情報および各建物内機器の運転状態の情報といった各種情報を収集する。また、サーバ1は、インターネットを介して通信可能に接続された情報端末5から、使用者から入力された地域情報を取得する。また、サーバ1は、情報端末5から取得した地域情報に基づいて、建物内機器が設置されている地域の気象情報6を、インターネットを介してWEB上より取得する。すなわち、サーバ1は、気象情報を保持している、空気調和換気システム100の外部の装置から気象情報6を取得する。
地域情報は、空気調和換気システム100における建物内機器が設置されている地域の地理情報であり、具体的には空気調和換気システム100における建物内機器が設置されている位置の地理情報である。地域情報は、建物内機器が設置されている建物の位置の地理情報と換言できる。
そして、サーバ1は、取得した気象情報6、温度情報、湿度情報および運転状態の情報といった情報に基づいて、換気装置2、空気調和機3および送風機4のうち少なくとも1つの建物内機器の運転の制御を行う。これにより、取得した気象情報6に起因した建物内の室内環境を改善して、室内環境を快適な状態とすることができる。
図2は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100の具体的な構成例を示す図である。図3は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100のクラウドサーバ11の機能構成を示す図である。図4は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100の熱交換換気装置12の機能構成を示す図である。図5は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100の熱交換換気装置12の構成を簡略化して示す模式図である。図6は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100の浴室暖房機13の機能構成を示す図である。図7は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100の脱衣室暖房機14の機能構成を示す図である。図8は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100のエアコンディショナ15の機能構成を示す図である。図9は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100の中間取付形送風機16の機能構成を示す図である。図10は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100のスマートフォン17の機能構成を示す図である。
空気調和換気システム100は、サーバ1であるクラウドサーバ11と、換気装置2である熱交換換気装置12と、空気調和機3である浴室暖房機13と、空気調和機3である脱衣室暖房機14と、空気調和機3であるエアコンディショナ15と、送風機4である中間取付形送風機16と、情報端末5であるスマートフォン17と、を備えて構成されている。熱交換換気装置12と浴室暖房機13と脱衣室暖房機14とエアコンディショナ15と中間取付形送風機16とは、住宅の建物内に設置されている宅内機器である。
熱交換換気装置12と浴室暖房機13と脱衣室暖房機14とエアコンディショナ15と中間取付形送風機16とは、ブロードバンドルータ18に接続された無線ローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)アダプタ19と無線通信可能である。ブロードバンドルータ18は、インターネット20に接続している。また、スマートフォン17は、ブロードバンドルータ18および不図示の公衆回線と無線通信可能である。また、クラウドサーバ11は、インターネット20に接続している。
これにより、熱交換換気装置12と浴室暖房機13と脱衣室暖房機14とエアコンディショナ15と中間取付形送風機16とは、無線LANアダプタ19とブロードバンドルータ18とを介してインターネット20に接続し、クラウドサーバ11との間で通信可能とされている。また、スマートフォン17は、ブロードバンドルータ18または公衆回線を介してインターネット20に接続し、クラウドサーバ11との間で通信可能とされている。したがって、熱交換換気装置12と浴室暖房機13と脱衣室暖房機14とエアコンディショナ15と中間取付形送風機16と情報端末5とは、インターネット20に接続してクラウドサーバ11との間で情報の送受信が可能とされている。
これにより、クラウドサーバ11は、熱交換換気装置12と浴室暖房機13と脱衣室暖房機14とエアコンディショナ15と中間取付形送風機16とから、各建物内機器で測定された温度、湿度情報および建物内の運転状態などの各種の情報を、インターネット20を介して取得することができる。また、クラウドサーバ11は、使用者から情報端末5に入力された地域情報を、インターネット20を介して情報端末5から取得することができる。
なお、本実施の形態1では、熱交換換気装置12と浴室暖房機13と脱衣室暖房機14とエアコンディショナ15と中間取付形送風機16とブロードバンドルータ18との間の通信は、上記の構成のように無線通信であってもよく、また有線通信であってもよい。
熱交換換気装置12は、第1種換気方式で住宅の内部の換気を行う第1種換気装置であり、図4に示すように、熱交換器121と、給気用送風機122と、排気用送風機123と、温湿度センサ124と、換気装置通信部125と、換気装置制御部126とを有している。熱交換換気装置12は、例えば建物の屋根裏または各階の天井裏などの、室内以外のスペースに配置される。
熱交換器121は、建物外から熱交換換気装置12を介して建物内に導入される外気と、建物内の室内から熱交換換気装置12を介して建物外に排出される室内空気との間で熱および湿度の交換を行う。すなわち、熱交換器121は、建物外と建物内との間で排気および給気を同時に行い、建物外から吸い込んだ外気と建物内の室内から吸い込んだ室内空気との間で熱および湿度の交換を行う。
給気用送風機122は、建物外から外気を吸い込むとともに熱交換後の外気を室内へ送り出す熱交換給気のための送風を行う送風機である。排気用送風機123は、建物内の室内から室内空気を吸い込むとともに熱交換後の室内空気を建物の外側へ送り出して排出する熱交換排気のための送風を行う送風機である。
温湿度センサ124は、熱交換換気装置12に導入される屋外の空気である外気、熱交換換気装置12から室内に供給される給気、室内から熱交換換気装置12に導入される室内空気である還気について、温度および湿度を計測する温湿度センサである。温湿度センサ124は、予め決められた周期で、温度および湿度を計測し、計測結果である温度情報および湿度情報をクラウドサーバ11に送信する。
換気装置通信部125は、無線LANアダプタ19と無線通信を行い、無線LANアダプタ19とブロードバンドルータ18とを介してインターネット20に接続し、クラウドサーバ11との間で通信を行う。
換気装置制御部126は、熱交換換気装置12全体の処理を制御する。換気装置制御部126は、給気用送風機122と排気用送風機123との動作を制御して熱交換換気装置12の運転を制御する。換気装置制御部126は、不図示の操作スイッチから設定される運転条件に従って、熱交換換気装置12の運転を制御する。また、換気装置制御部126は、クラウドサーバ11から送信される制御情報に従って、熱交換換気装置12の運転を制御する。また、換気装置制御部126は、温湿度センサ124における計測結果である温度情報および湿度情報をクラウドサーバ11に送信する制御を行う。
熱交換換気装置12は、通常、在室者が居ない場合においても小風量で常時換気、すなわち24時間換気が行われる24時間換気システムに用いられる。24時間換気システムとは、室内の空気をファンなどの機械を使って小風量で計画的に入れ替え、常に新鮮な空気を維持するシステムである。24時間換気は、住宅内から発生するVOC(Volatile Organic Compounds)を排出することを目的としている。
浴室暖房機13は、浴室の暖房および換気を行う空気調和機であり、図6に示すように、浴室暖房部131と、温度センサ132と、浴室暖房通信部133と、浴室暖房制御部134とを有している。浴室暖房機13は、例えば浴室の天井裏のスペースに配置される。
浴室暖房部131は、不図示のヒータおよびファン等の構成部を備え、浴室の空気の暖房および浴室の空気の換気を行う。
温度センサ132は、浴室の空気の温度を予め決められた周期で計測し、計測結果である温度情報をクラウドサーバ11に送信する。
浴室暖房通信部133は、無線LANアダプタ19と無線通信を行い、無線LANアダプタ19とブロードバンドルータ18とを介してインターネット20に接続し、クラウドサーバ11との間で通信を行う。
浴室暖房制御部134は、浴室暖房機13全体の処理を制御する。浴室暖房制御部134は、不図示のヒータおよびファン等の構成部の動作を制御して浴室暖房機13の運転を制御する。浴室暖房制御部134は、不図示の操作スイッチから設定される運転条件に従って、浴室暖房機13の運転を制御する。また、浴室暖房制御部134は、クラウドサーバ11から送信される制御情報に従って、浴室暖房機13の運転を制御する。また、浴室暖房制御部134は、温度センサ132における計測結果である温度情報をクラウドサーバ11に送信する制御を行う。
脱衣室暖房機14は、脱衣室の暖房を行う空気調和機であり、図7に示すように、脱衣室暖房部141と、温度センサ142と、脱衣室暖房通信部143と、脱衣室暖房制御部144とを有している。脱衣室暖房機14は、例えば脱衣室の天井裏のスペースに配置される。
脱衣室暖房部141は、不図示のヒータおよびファン等の構成部を備え、脱衣室の空気の暖房を行う。
温度センサ142は、脱衣室の空気の温度を予め決められた周期で計測し、計測結果である温度情報をクラウドサーバ11に送信する。
脱衣室暖房通信部143は、無線LANアダプタ19と無線通信を行い、無線LANアダプタ19とブロードバンドルータ18とを介してインターネット20に接続し、クラウドサーバ11との間で通信を行う。
脱衣室暖房制御部144は、脱衣室暖房機14全体の処理を制御する。脱衣室暖房制御部144は、不図示のヒータおよびファン等の構成部の動作を制御して脱衣室暖房機14の運転を制御する。脱衣室暖房制御部144は、不図示の操作スイッチから設定される運転条件に従って、脱衣室暖房機14の運転を制御する。また、脱衣室暖房制御部144は、クラウドサーバ11から送信される制御情報に従って、脱衣室暖房機14の運転を制御する。また、脱衣室暖房制御部144は、温度センサ142における計測結果である温度情報をクラウドサーバ11に送信する制御を行う。
エアコンディショナ15は、基本的に一般的な空気調和機の機能を有し、図8に示すように、空気調和対象空間の空気調和を行う。エアコンディショナ15は、室内に配置された室内機151と、屋外に配置された室外機152とを備える。室内機151と室外機152とは、互いに情報の双方向通信が可能な状態で接続されている。また、室内機151と室外機152とは、冷媒を循環させる冷媒回路により接続されている。
室内機151は、基本的に一般的な空気調和機の室内機の機能を有し、室内機空気調和部1511と、室内温度センサ1512と、室内機通信部1513と、空気調和制御部1514とを有している。室内機151は、例えばリビングおよび和室などの居室に配置される。
室内機空気調和部1511は、基本的に一般的な空気調和機の室内機の機能を有する。室内機空気調和部1511は、室内機151が配置された室内の空気と冷媒回路中を流れる冷媒との熱交換を行う室内熱交換器、室内熱交換器で熱交換された調和空気を室内機151から室内に送り出す送風ファン、調和空気を室内機151から送り出す方向を調整する風向調整部などを備えている。
室内温度センサ1512は、室内機151が配置された室内の空気の温度である室内温度を予め決められた周期で計測し、計測結果である温度情報をクラウドサーバ11に送信する。
室内機通信部1513は、無線LANアダプタ19と無線通信を行い、無線LANアダプタ19とブロードバンドルータ18とを介してインターネット20に接続し、クラウドサーバ11との間で通信を行う。
空気調和制御部1514は、エアコンディショナ15全体の処理を制御する。空気調和制御部1514は、室内機空気調和部1511および室外機152の動作を制御してエアコンディショナ15の運転を制御する。空気調和制御部1514は、不図示のリモートコントローラから設定される運転条件に従って、エアコンディショナ15の運転を制御する。また、空気調和制御部1514は、クラウドサーバ11から送信される制御情報に従って、エアコンディショナ15の運転を制御する。また、空気調和制御部1514は、室内温度センサ1512における計測結果である温度情報をクラウドサーバ11に送信する制御を行う。
室外機152は、基本的に一般的な空気調和機の室外機の機能を有し、室外機空気調和部1521と、温湿度センサ1522と、室外機通信部1523とを有している。
室外機空気調和部1521は、室外の空気と冷媒回路中を流れる冷媒との熱交換を行うための室外熱交換器、室外に風を送り出すファン、冷媒回路において冷媒圧縮を行うコンプレッサなどを備えている。
温湿度センサ1522は、屋外の空気である外気について、温度および湿度を計測する温湿度センサである。温湿度センサ1522は、予め決められた周期で、温度および湿度を計測し、計測結果である温度情報および湿度情報をクラウドサーバ11に送信する。
室外機通信部1523は、室内機151の室内機通信部1513と通信を行う。
中間取付形送風機16は、建物内の異なる空間の間で送風を行うための送風機であり、図9に示すように、送風部161と、温度センサ162と、送風機通信部163と、送風機制御部164とを有している。中間取付形送風機16は、例えば送風を行う異なる空間の間の天井裏のスペースに配置される。
送風部161は、不図示のファンおよびモータ等の構成部を備え、異なる空間の間で送風を行う。
温度センサ162は、中間取付形送風機16が送風を行う異なる空間の空気の温度を予め決められた周期で計測し、計測結果である温度情報をクラウドサーバ11に送信する。
送風機通信部163は、無線LANアダプタ19と無線通信を行い、無線LANアダプタ19とブロードバンドルータ18とを介してインターネット20に接続し、クラウドサーバ11との間で通信を行う。
送風機制御部164は、中間取付形送風機16全体の処理を制御する。送風機制御部164は、不図示のファンおよびモータ等の構成部の動作を制御して中間取付形送風機16の運転を制御する。送風機制御部164は、不図示の操作スイッチから設定される運転条件に従って、中間取付形送風機16の運転を制御する。また、送風機制御部164は、クラウドサーバ11から送信される制御情報に従って、中間取付形送風機16の運転を制御する。また、送風機制御部164は、温度センサ162における計測結果である温度情報をクラウドサーバ11に送信する制御を行う。
スマートフォン17は、クラウドサーバ11から送信される情報を表示し、またクラウドサーバ11に各種の情報を送信可能な情報端末である。なお、情報端末5として、スマートフォン17の代わりにタブレットなどの無線通信端末を用いてもよい。スマートフォン17は、端末操作部171と、端末表示部172と、端末記憶部173と、端末通信部174と、端末制御部175と、を備える。
端末操作部171は、使用者からの設定操作を受け付ける入力部である。端末操作部171は、使用者から設定入力される地域情報を受け付けて、端末制御部175に送信する。
端末表示部172は、各種情報を表示する表示部である。
端末記憶部173は、各種の情報を記憶する記憶部である。
端末通信部174は、ブロードバンドルータ18または公衆回線と無線通信を行い、ブロードバンドルータ18または公衆回線を介してインターネット20に接続し、クラウドサーバ11との間で通信を行う。
端末制御部175は、スマートフォン17全体の処理を制御する制御部である。端末制御部175は、端末操作部171から送信された地域情報を、端末通信部174を介してクラウドサーバ11に送信する。端末制御部175は、端末通信部174を介してクラウドサーバ11と通信を行うことにより、クラウドサーバ11に記憶される各種情報の設定および変更が可能である。また、端末制御部175は、端末通信部174を介して宅内機器と通信を行うことにより、宅内機器に記憶される各種情報の設定および変更が可能である。
クラウドサーバ11は、宅内機器である熱交換換気装置12と浴室暖房機13と脱衣室暖房機14とエアコンディショナ15と中間取付形送風機16との各機器に実装された各種センサで計測されたセンサ計測結果である温度情報および湿度情報を取得する。また、クラウドサーバ11は、各宅内機器から、各機器の運転状態の情報を取得する。また、クラウドサーバ11は、スマートフォン17から地域情報を取得する。また、クラウドサーバ11は、情報端末5から取得した地域情報に基づいて、宅内機器が設置されている地域の気象情報6を、インターネット20を介してWEB上より取得する。
そして、クラウドサーバ11は、取得した温度情報、湿度情報、運転状態の情報および気象情報6といった情報に基づいて、換気装置2、空気調和機3および送風機4のうち少なくとも1つの機器の運転の制御を行う。これにより、空気調和換気システム100は、取得した気象情報6に基づいて建物内の室内環境を改善して、室内環境を快適な状態とすることができる。
クラウドサーバ11は、サーバ通信部111と、サーバ記憶部112と、サーバ制御部113と、を備える。
サーバ通信部111は、インターネット20に接続し、ブロードバンドルータ18と無線LANアダプタ19とを介して、各宅内機器との間で通信を行う。また、サーバ通信部111は、インターネット20に接続し、ブロードバンドルータ18または公衆回線を介してスマートフォン17との間で通信を行う。
サーバ記憶部112は、取得した温度情報、湿度情報、運転状態の情報および気象情報6といった情報を含む、空気調和換気システム100の制御に関する各種の情報を記憶する。
サーバ制御部113は、スマートフォン17から取得される地域情報に基づいて、建物内機器が設置されている地域の気象情報6を、インターネット20を介してWEB上より取得する。すなわち、サーバ制御部113は、気象情報を保持している、空気調和換気システム100の外部の装置から気象情報6を取得する。また、サーバ制御部113は、各宅内機器が備えるセンサの情報および各宅内機器の運転状態の情報を取得する。サーバ制御部113は、取得した温度情報、湿度情報、運転状態の情報および気象情報6といった情報に基づいて、空気調和換気システム100全体の動作を制御する。したがって、サーバ制御部113は、空気調和換気システム100の動作を制御するシステム制御部の機能を有する制御部である。サーバ制御部113の行う制御については後述する。
なお、サーバ1として、クラウドサーバ11の代わりに物理サーバを用いてもよい。
つぎに、空気調和換気システム100が一般家庭住宅に適用された場合について説明する。図11は、図2に示した宅内機器の住宅における設置例を示す第1の模式図である。図11における矢印は、空気の流れる方向を示している。図12は、図2に示した宅内機器の住宅における設置例を示す第2の模式図である。なお、図11に示された構成部と図12に示された構成部とは、実際には同一の住宅に設置されているものであるが、図示の関係上、図11と図12とに分けて示している。なお、図11と図12とにおいては、天井を透過して見た状態を示している。
図11に示すように、住宅のリビング201および和室202には、エアコンディショナ15の室内機151が設置されている。住宅のリビング201の天井および和室202の天井には、給気口211が設置されている。また、廊下203の天井には、還気口212と分岐チャンバー213とが設置されている。
廊下203の天井裏には、熱交換換気装置12が設置されている。図5に示すように、熱交換換気装置12は、本体81を備える。本体81は、板金によって構成された直方体状を有する筐体81aの内部に熱交換器121を有する熱交換型の換気装置である。本体81は、廊下203の天井裏に隠蔽された状態で設置されている。
本体81は、前述の熱交換器121の他に、筐体81aの長手方向の一端面81bにおいて並べて設けられた排気吐出口87および外気吸込口84と、筐体81aの長手方向において一端面81bと対向する他端面81cにおいて並べて設けられた給気吐出口85および室内空気吸込口86と、を備える。本体81は、熱交換器121を介して外気吸込口84と給気吐出口85とを結ぶ給気風路88と、熱交換器121を介して室内空気吸込口86と排気吐出口87とを結ぶ排気風路89と、を備える。給気風路88と排気風路89とは、熱交換器121において交差している。
本体81は、給気風路88の入口端から出口端へ向かう給気流の流れ、すなわち外気吸込口84から給気吐出口85へ向かう給気流の流れを生成する給気用送風機122を給気風路88に備える。また、本体81は、排気風路89の入口端から出口端へ向かう排気流の流れ、すなわち室内空気吸込口86から排気吐出口87へ向かう排気流の流れを生成する排気用送風機123を排気風路89に備える。給気用送風機122が運転することにより、給気流の流れが生成され、熱交換換気装置12を介して外気を室内に取り入れることができる。排気用送風機123が運転することより、排気流の流れが生成され、熱交換換気装置12を介して室内空気を屋外に排出することができる。
熱交換器121は、四角柱状の直方体の形状を有し、熱交換器121の正面視において、筐体81aの概ね中央に配置されている。そして、熱交換器121の正面視において、正方形の4つの稜角部における2本の対角線が鉛直方向および水平方向になるように配置されている。換言すると、熱交換器121の4つの稜角部が、熱交換器121の正面視における上下左右方向に位置している。
熱交換器121は、熱交換器121の正面視において熱交換器121の稜角部が、給気風路88と排気風路89とを仕切る仕切壁94、仕切壁95、仕切壁96および仕切壁97に接するように組み込まれている。これにより、筐体81aの内部は、外気室84a、還気室86a、給気室85aおよび排気室87aに区分されている。外気室84aは、給気風路88における熱交換器121よりも上流側の領域である。還気室86aは、排気風路89における熱交換器121よりも上流側の領域である。給気室85aは、給気風路88における熱交換器121よりも下流側の領域である。排気室87aは、排気風路89における熱交換器121よりも下流側の領域である。
給気用送風機122は、給気用送風機122を駆動するための不図示の給気用モータを内部に備えている。排気用送風機123は、排気用送風機123を駆動するための不図示の排気用モータを内部に備えている。給気用モータと排気用モータとは、換気装置制御部126による制御によって回転速度が変化する。
給気風路88には、外気に含まれる塵埃の目詰まりによる熱交換器121の性能低下を防止するために、熱交換器121に吸い込まれる外気の塵埃を取り除いて外気を清浄化するエアフィルタである給気用空気清浄フィルタ92が、取り外し自在に外気室84aに設置されている。すなわち、給気用空気清浄フィルタ92は、給気風路88における熱交換器121よりも上流側に設置されている。熱交換換気装置12に取り込まれた外気は、給気用空気清浄フィルタ92を通過し、含まれる浮遊粒子の一部が除去される。給気用空気清浄フィルタ92は、通常の除塵フィルタから、通常の除塵フィルタよりも微小粒子状物質および花粉を高捕集率で捕集できる高性能除塵フィルタに交換することが可能である。微小粒子状物質は、PM(Particulate Matter)2.5とも呼ばれる。高性能除塵フィルタは、熱交換換気装置12の給気風路に設置されている通常の除塵フィルタよりも空気汚染物質の捕集率が相対的に高い除塵フィルタである。
また、排気風路89には、還気に含まれる塵埃の目詰まりによる熱交換器121の性能低下を防止するために、熱交換器121に吸い込まれる還気の塵埃を取り除くエアフィルタである排気用空気清浄フィルタ93が、取り外し自在に還気室86aに設置されている。すなわち、排気用空気清浄フィルタ93は、排気風路89における熱交換器121よりも上流側に設置されている。
また、筐体81aの内部には、熱交換換気装置12の動作を制御する制御装置82が配置されている。制御装置82は、上述した換気装置通信部125と、換気装置制御部126とを備える。
給気口211と分岐チャンバー213とは、給気用のダクトである第1給気用ダクト301を介して接続されている。分岐チャンバー213と熱交換換気装置12とは、給気用のダクトである第2給気用ダクト302を介して接続されている。第2給気用ダクト302は、一端が熱交換換気装置12の給気吐出口85に接続され、他端が分岐チャンバー213に接続されている。
還気口212と熱交換換気装置12とは、排気用のダクトである第1排気用ダクト311を介して接続されている。第1排気用ダクト311は、一端が還気口212に接続され、他端が室内空気吸込口86に接続されている。
建物の外壁には、外気取入口304と、第1屋外排気口305とが設けられている。
外気取入口304は、建物の外部まで配設されて建物外に連通した給気用のダクトである第3給気用ダクト303を介して熱交換換気装置12に接続されている。第3給気用ダクト303の一端は、外気取入口304に接続されている。第3給気用ダクト303の他端は、熱交換換気装置12の外気吸込口84に接続されている。
第1屋外排気口305は、建物の外部まで配設されて建物外に連通した排気用のダクトである第2排気用ダクト312を介して熱交換換気装置12に接続されている。第2排気用ダクト312の一端は、熱交換換気装置12の排気吐出口87に接続されている。第2排気用ダクト312の他端は、第1屋外排気口305に接続されている。
浴室204の天井には、浴室暖房機13が設置されている。また、建物の外壁には、第2屋外排気口306が設けられている。
第2屋外排気口306は、建物の外部まで配設されて建物外に連通した排気用のダクトである第3排気用ダクト313を介して浴室暖房機13に接続されている。第3排気用ダクト313の一端は、浴室暖房機13に接続されている。第3排気用ダクト313の他端は、第2屋外排気口306に接続されている。
脱衣室205の壁面には、脱衣室暖房機14が設置されている。
図12に示すように、リビング201の天井裏には、中間取付形送風機16として、第1中間取付形送風機16aと、第2中間取付形送風機16bとが設置されている。リビング201の天井には、第1吸込口214aと第2吸込口214bとが設置されている。廊下203の天井には、第1吹出口215aが設置されている。脱衣室205の天井には、第2吹出口215bが設置されている。第1吸込口214aと第2吸込口214bと第1吹出口215aと第2吹出口215bとには、中間取付形送風機16の温度センサ162が配置されている。
第1中間取付形送風機16aは、リビング201と廊下203との間で送風を行うための中間取付形送風機16である。第1吸込口214aと第1中間取付形送風機16aとは、送風用のダクトである第1送風用ダクト321aを介して接続されている。第1中間取付形送風機16aと第1吹出口215aとは、送風用のダクトである第2送風用ダクト322aを介して接続されている。
第2中間取付形送風機16bは、リビング201と脱衣室205との間で送風を行うための中間取付形送風機16である。第2吸込口214bと第2中間取付形送風機16bとは、送風用のダクトである第1送風用ダクト321bを介して接続されている。第2中間取付形送風機16bと第2吹出口215bとは、送風用のダクトである第2送風用ダクト322bを介して接続されている。
上述した構成を有する空気調和換気システム100において、クラウドサーバ11のサーバ制御部113は、各宅内機器のセンサにおける計測結果である温度情報と、WEB上の気象情報6と、を取得する。クラウドサーバ11のサーバ制御部113は、各宅内機器から取得した温度情報と、気象情報6と、リビング201、廊下203、浴室204および脱衣室205の室内温度と、の関係を算出する。そして、クラウドサーバ11のサーバ制御部113は、気象情報6と住宅の屋外温度との関係、屋外温度とリビング201、廊下203、浴室204および脱衣室205の各々の室内温度と、の温度差の関係を把握する。すなわち、クラウドサーバ11のサーバ制御部113は、取得した各情報間の温度差を算出することができる。
(第1の動作例)
つぎに、上記のように構成された空気調和換気システム100の動作について説明する。図13は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100の第1の動作例の手順を説明するフローチャートである。ここでは、冬期において、空気調和換気システム100の宅内機器が設置された地域の気象情報6の予報により、浴室204および脱衣室205の室内温度が低く、住宅内の部屋間の温度差により引き起こされる人の急激な血圧変動による健康被害、いわゆるヒートショックによる健康被害が予測される場合について説明する。
ステップS10において、クラウドサーバ11のサーバ制御部113は、宅内機器である熱交換換気装置12と浴室暖房機13と脱衣室暖房機14とエアコンディショナ15と中間取付形送風機16との各機器に実装された各種センサで計測されたセンサ計測結果である温度情報および湿度情報を取得する。また、サーバ制御部113は、各宅内機器から、各機器の運転状態の情報を取得する。
ステップS20において、サーバ制御部113は、スマートフォン17から地域情報を取得する。なお、サーバ制御部113は、予めスマートフォン17から地域情報を取得して記憶しておいてもよい。
ステップS30において、サーバ制御部113は、スマートフォン17から取得した地域情報に基づいて、地域情報に示される地域の気象情報6の予報を、すなわち空気調和換気システム100の宅内機器が設置されている地域の気象情報6の予報を、インターネット20を介してWEB上より取得する。
ステップS40において、サーバ制御部113は、取得したWEB上の気象情報6の予報の外気温度の情報より、浴室204および脱衣室205でのヒートショックの発生が予測されるか否かを判定する。サーバ制御部113は、取得したWEB上の気象情報6の予報に含まれる、地域情報に示される地域の現在の外気温度の情報と、予め記憶しているヒートショック閾値とを比較して、浴室204および脱衣室205でのヒートショックが予測されるか否かを判定する。ヒートショック閾値は、浴室204および脱衣室205でのヒートショックの発生が予測されるか否かをサーバ制御部113が判定するための閾値であり、予めサーバ制御部113に記憶されている。なお、浴室204および脱衣室205は隣り合っており、暖房を行わない時点においては、室内温度は同等となるため、浴室204の室内温度と脱衣室205の室内温度とを組としてヒートショック閾値と比較する。
サーバ制御部113は、地域情報に示される地域の現在の外気温度がヒートショック閾値以下である場合に、浴室および脱衣室でのヒートショックの発生が予測されると判定する。サーバ制御部113は、地域情報に示される地域の現在の外気温度がヒートショック閾値より高い場合に、浴室および脱衣室でのヒートショックの発生が予測されないと判定する。浴室および脱衣室でのヒートショックの発生が予測されると判定された場合は、ステップS40においてYesとなり、ステップS50に進む。浴室および脱衣室でのヒートショックの発生が予測されないと判定された場合は、ステップS40においてNoとなり、一連の処理を終了する。ヒートショックの発生を防止するため、浴室204の室内温度と脱衣室205の室内温度とのうち少なくとも一方がヒートショック閾値以下であれば、ステップS40においてYesとなり、ステップS50に進む。このとき、サーバ制御部113は、地域情報に示される地域の現在の外気温度の情報でなく、WEB上から取得可能な、WEB上で予測されたヒートショックのリスク情報を用いて、浴室204および脱衣室205でのヒートショックの発生が予測されるか否かを判定してもよい。
ステップS50において、サーバ制御部113は、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14と第1中間取付形送風機16aとの運転を開始させる制御を行う。具体的に、サーバ制御部113は、運転開始を指示する運転開始情報を、浴室暖房機13の浴室暖房制御部134と、脱衣室暖房機14の脱衣室暖房制御部144と、第1中間取付形送風機16aの送風機制御部164と、に送信する。浴室暖房制御部134は、運転開始情報を受信すると、浴室暖房部131を動作させて浴室暖房機13を運転させる。脱衣室暖房制御部144は、運転開始情報を受信すると、脱衣室暖房部141を動作させて脱衣室暖房機14を運転させる。送風機制御部164は、運転開始情報を受信すると、送風部161を動作させて第1中間取付形送風機16aを運転させる。
ここで、運転開始情報に従って浴室暖房機13が運転する際の運転条件である運転開始条件は、予め浴室暖房制御部134に記憶されている。浴室暖房機13の運転開始条件は、ヒートショックによる健康被害を予防できる任意の条件に、使用者がスマートフォン17から設定および変更可能である。浴室暖房機13の運転開始条件には、浴室204の室内温度をヒートショックによる健康被害を予防できる予め決められた温度以上に昇温させて保持できる条件として、調和空気の暖房温度、調和空気の吹き出し風量および運転時間などの条件が含まれる。ヒートショックによる健康被害を予防できる予め決められた温度は、例えば18℃である。なお、浴室暖房機13の運転開始条件は、サーバ制御部113に記憶され、運転開始情報とともにサーバ制御部113から浴室暖房制御部134に送信されてもよい。
また、運転開始情報に従って脱衣室暖房機14が運転する際の運転条件である運転開始条件は、予め脱衣室暖房制御部144に記憶されている。脱衣室暖房機14の運転開始条件は、ヒートショックによる健康被害を予防できる任意の条件に、使用者がスマートフォン17から設定および変更可能である。脱衣室暖房機14の運転開始条件には、脱衣室205の室内温度をヒートショックによる健康被害を予防できる予め決められた温度以上に昇温させて保持できる条件として、調和空気の暖房温度、調和空気の吹き出し風量および運転時間などの条件が含まれる。なお、脱衣室暖房機14の運転開始条件は、サーバ制御部113に記憶され、運転開始情報とともにサーバ制御部113から脱衣室暖房制御部144に送信されてもよい。
また、運転開始情報に従って第1中間取付形送風機16aが運転する際の運転条件である運転開始条件は、予め送風機制御部164に記憶されている。第1中間取付形送風機16aの運転開始条件は、ヒートショックによる健康被害を予防できる任意の条件に、使用者がスマートフォン17から設定および変更可能である。第1中間取付形送風機16aの運転開始条件には、リビング201の室内温度と廊下203の温度との温度差を、ヒートショックによる健康被害を予防できる予め決められた温度範囲内に保持できる条件として、送風風量および運転時間などの条件が含まれる。ヒートショックによる健康被害を予防できる予め決められた温度範囲は、例えば5℃以下である。なお、第1中間取付形送風機16aの運転開始条件は、サーバ制御部113に記憶され、運転開始情報とともにサーバ制御部113から送風機制御部164に送信されてもよい。
サーバ制御部113は、中間取付形送風機16の温度センサ162における計測結果である温度情報によってリビング201の室内温度を判定し、中間取付形送風機16の温度センサ162における計測結果である温度情報によって廊下203の温度を判定する。
運転開始情報に従って浴室暖房機13が自動運転することにより、浴室204の室内温度を浴室暖房機13の自動運転開始前よりも高く改善し、浴室204の室内温度をヒートショックによる健康被害を予防できる温度以上の温度に保ち、使用者のヒートショックによる健康被害を予防できる。
運転開始情報に従って脱衣室暖房機14が自動運転することにより、脱衣室205の室内温度を脱衣室暖房機14の自動運転開始前よりも高く改善し、脱衣室205の室内温度をヒートショックによる健康被害を予防できる温度以上の温度に保ち、使用者のヒートショックによる健康被害を予防できる。
運転開始情報に従って第1中間取付形送風機16aが自動運転することにより、リビング201の室内温度と廊下203の温度との温度差を第1中間取付形送風機16aの自動運転開始前よりも小さく改善し、リビング201の室内温度と廊下203の温度との温度差をヒートショックによる健康被害を予防できる温度範囲内に保ち、使用者のヒートショックによる健康被害を予防できる。
また、サーバ制御部113は、ステップS50において浴室暖房機13と脱衣室暖房機14と第1中間取付形送風機16aとの運転を開始させる制御を行う前に、ヒートショックリスクの事前通知をスマートフォン17に送信してもよい。ヒートショックリスクの事前通知は、浴室204、脱衣室205および廊下203でのヒートショックの発生が予測されることを使用者に知らせるとともに、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14と第1中間取付形送風機16aとの自動運転の要否の判断を使用者に促すための通知である。ヒートショックリスクの事前通知には、取得したWEB上の気象情報6の予報の外気温度の情報およびリビング201の室内温度と廊下203の温度との温度差の情報が含まれる。
使用者は、スマートフォン17に送信されたリスクの事前通知を確認し、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14と第1中間取付形送風機16aとの自動運転の要否の情報をスマートフォン17からサーバ制御部113に送信する。サーバ制御部113は、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14と第1中間取付形送風機16aとの自動運転が必要である旨の必要情報をスマートフォン17から受信した場合には、ステップS50において浴室暖房機13と脱衣室暖房機14と第1中間取付形送風機16aとの運転を開始させる制御を行う。サーバ制御部113は、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14と第1中間取付形送風機16aとの自動運転が不要である旨の不要情報をスマートフォン17から受信した場合には、ステップS50を実施せずに処理を終了する。
すなわち、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14と第1中間取付形送風機16aとの自動運転が不要であると使用者が判断した場合には、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14と第1中間取付形送風機16aとの自動運転が実施されない。これにより、空気調和換気システム100の省エネルギー運転が可能である。また、リスクの事前通知を行うことにより、使用者にヒートショックによる健康被害の予防を喚起することができる。
また、ヒートショックリスクの事前通知は、使用者のスマートフォン17以外に、家族のスマートフォンへも通知される。これにより、特に注意の必要な脱衣時および入浴時に、家族が互いに注意を払うことにより、ヒートショックによる健康被害の予防効果がより高まる。
(第2の動作例)
つぎに、空気調和換気システム100の他の動作について説明する。図14は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100の第2の動作例の手順を説明するフローチャートである。ここでは、冬期において、空気調和換気システム100の宅内機器が設置された地域の気象情報6の予報により、浴室および脱衣室の室内温度が低く、住宅内の部屋間の温度差により引き起こされるいわゆるヒートショックによる健康被害が予測される場合について説明する。
サーバ制御部113は、上述したステップS10からステップS40を実施する。
ステップS110において、サーバ制御部113は、浴室204における給湯器の湯張り運転の開始時に、浴室204および脱衣室205の室内温度が予め決められた第1閾値以下であるか否かを判定する。第1閾値は、浴室204における給湯器の湯張り運転の開始時に浴室暖房機13と脱衣室暖房機14との運転を実施するか否かをサーバ制御部113が判定するための第1の閾値であり、予めサーバ制御部113に記憶されている。第1閾値は、例えば18℃である。なお、浴室204および脱衣室205は隣り合っており、暖房を行わない時点においては、室内温度は同等となるため、浴室204の室内温度と脱衣室205の室内温度とを組として第1閾値と比較する。
サーバ制御部113は、浴室暖房機13の温度センサ132における計測結果である温度情報によって浴室204の室内温度を判定する。サーバ制御部113は、脱衣室暖房機14の温度センサ142における計測結果である温度情報によって脱衣室205の室内温度を判定する。
浴室204および脱衣室205の室内温度が第1閾値以下であると判定された場合は、ステップS110においてYesとなり、ステップS120に進む。浴室204および脱衣室205の室内温度が第1閾値より高いと判定された場合は、ステップS110においてNoとなり、ステップS130に進む。ヒートショックの発生を防止するため、浴室204の室内温度と脱衣室205の室内温度とのうち少なくとも一方が第1閾値以下であれば、ステップS110においてYesとなり、ステップS120に進む。
ステップS120において、サーバ制御部113は、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14との運転を開始させる制御を行う。具体的に、サーバ制御部113は、運転開始を指示する運転開始情報を、浴室暖房機13の浴室暖房制御部134と、脱衣室暖房機14の脱衣室暖房制御部144と、に送信する。浴室暖房制御部134は、運転開始情報を受信すると、浴室暖房部131を動作させて浴室暖房機13を運転させる。脱衣室暖房制御部144は、運転開始情報を受信すると、脱衣室暖房部141を動作させて脱衣室暖房機14を運転させる。
ステップS130において、サーバ制御部113は、浴室204および脱衣室205の室内温度と、リビング201の室内温度との温度差が予め決められた第2閾値以上であるか否かを判定する。第2閾値は、浴室204における給湯器の湯張り運転の開始時に浴室暖房機13と脱衣室暖房機14との運転を実施するか否かをサーバ制御部113が判定するための第2の閾値であり、予めサーバ制御部113に記憶されている。第2閾値は、例えば5℃である。サーバ制御部113は、リビング201に設置された室内機151の室内温度センサ1512における計測結果である温度情報によってリビング201の室内温度を判定する。
浴室204および脱衣室205の室内温度と、リビング201の室内温度との温度差が第2閾値以上であると判定された場合は、ステップS130においてYesとなり、ステップS120に進む。浴室204および脱衣室205の室内温度と、リビング201の室内温度との温度差が第2閾値より低いと判定された場合は、ステップS130においてNoとなり、一連の処理を終了する。
運転開始情報に従って浴室暖房機13が自動運転することにより、給湯中に浴室204の室内温度を浴室暖房機13の自動運転開始前よりも高く改善し、浴室204の室内温度をヒートショックによる健康被害を予防できる温度以上の温度に保ち、使用者のヒートショックによる健康被害を予防できる。これにより、特にヒートショックリスクに対する注意が必要な入浴時の浴室204の暖房運転の設定忘れによるヒートショックリスクの軽減が可能である。
運転開始情報に従って脱衣室暖房機14が自動運転することにより、給湯中に脱衣室205の室内温度を脱衣室暖房機14の自動運転開始前よりも高く改善し、脱衣室205の室内温度をヒートショックによる健康被害を予防できる温度以上の温度に保ち、使用者のヒートショックによる健康被害を予防できる。これにより、特にヒートショックリスクに対する注意が必要な入浴時の脱衣室205の暖房運転の設定忘れによるヒートショックリスクの軽減が可能である。
また、サーバ制御部113は、ステップS130において浴室暖房機13と脱衣室暖房機14との運転を開始させる制御を行う前に、ヒートショックリスクの事前通知をスマートフォン17に送信してもよい。リスクの事前通知は、浴室204および脱衣室205でのヒートショックの発生が予測されることを使用者に知らせるとともに、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14との自動運転の要否の判断を使用者に促すための通知である。
使用者は、スマートフォン17に送信されたヒートショックリスクの事前通知を確認し、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14との自動運転の要否の情報をスマートフォン17からサーバ制御部113に送信する。サーバ制御部113は、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14との自動運転が必要である旨の必要情報をスマートフォン17から受信した場合には、ステップS130において浴室暖房機13と脱衣室暖房機14との運転を開始させる制御を行う。サーバ制御部113は、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14との自動運転が不要である旨の不要情報をスマートフォン17から受信した場合には、ステップS130を実施せずに処理を終了する。
すなわち、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14との自動運転が不要であると使用者が判断した場合には、浴室暖房機13と脱衣室暖房機14との自動運転が実施されない。これにより、空気調和換気システム100の省エネルギー運転が可能である。
また、ヒートショックリスクの事前通知は、使用者のスマートフォン17以外に、家族のスマートフォンへも通知される。これにより、特に注意の必要な脱衣時および入浴時に、家族が互いに注意を払うことにより、ヒートショックによる健康被害の予防効果がより高まる。
(第3の動作例)
つぎに、空気調和換気システム100の他の動作について説明する。図15は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100の第3の動作例の手順を説明するフローチャートである。ここでは、WEB上の気象情報6の予報において、台風、大雨、大雪、霧の発生といった天候不良が予測される場合について説明する。台風、大雨、大雪、霧といった天候において熱交換換気装置12の給気運転を続けた場合には、第3給気用ダクト303および熱交換換気装置12の内部への水の浸入および第3給気用ダクト303および熱交換換気装置12の内部での水の凝縮が発生し、居室であるリビング201および和室202への、水の滴下または高湿度空気の流入といった問題が発生する。
このため、WEB上の気象情報6の予報において天候不良の予報が存在する場合、サーバ制御部113は、リビング201および和室202への、水の滴下または高湿度空気の流入といった問題の発生を抑制または防止する水浸入防止モードで熱交換換気装置12を制御する。水浸入防止モードは、熱交換換気装置12の給気用送風機122の出力を停止または抑制することによって、熱交換換気装置12における給気運転を停止または抑制する運転モードである。また、水浸入防止モードは、熱交換換気装置12における給気用送風機122の風量を停止または抑制する運転モードと換言できる。
熱交換換気装置12の換気装置制御部126が、通常運転モードで熱交換換気装置12の運転を制御している状態で、サーバ制御部113は、上述したステップS20およびステップS30を実施する。通常運転モードは、24時間換気で運転する運転モードである。
ステップS210において、サーバ制御部113は、取得したWEB上の気象情報6の予報に天候不良の予報があるか否かを判定する。天候不良の予報は、台風、大雨、大雪、霧のうちの少なくとも1つの発生を予測する予報である。WEB上の気象情報6の予報に天候不良の予報があると判定された場合は、ステップS210においてYesとなり、ステップS220に進む。WEB上の気象情報6の予報に天候不良の予報がないと判定された場合は、ステップS210においてNoとなり、ステップS250に進む。
ステップS220において、サーバ制御部113は、水浸入防止モードの制御指示情報を熱交換換気装置12の換気装置制御部126に送信する。
ステップS230において、換気装置制御部126は、水浸入防止モードの制御指示情報を受信すると、現在実施している24時間換気での換気風量よりも換気風量を増加させる制御を行う。具体的には、換気装置制御部126は、給気用送風機122と排気用送風機123との出力を、現在実施している24時間換気での給気用送風機122と排気用送風機123との出力よりも増加させて、換気風量を増加させる。この場合、給気用送風機122の出力と排気用送風機123の出力とは同じ出力とされ、給気用送風機122の風量と排気用送風機123の風量とは同じ風量とされる。
ここで増加させる出力の情報は、予め換気装置制御部126に記憶されている。増加させる出力は、使用者がスマートフォン17から任意の条件に設定および変更可能である。なお、増加させる出力の情報は、サーバ制御部113に記憶され、水浸入防止モードの制御指示情報とともにサーバ制御部113から換気装置制御部126に送信されてもよい。
熱交換換気装置12は、上記のように換気風量を増加させた換気運転を予め決められた運転時間だけ実施した後、ステップS240に進む。
ステップS240において、換気装置制御部126は、給気用送風機122の出力を停止させることにより熱交換換気装置12における給気用送風機122の給気運転を停止させ、または給気用送風機122の出力を抑制することにより熱交換換気装置12における給気用送風機122の給気運転の風量を抑制する。換気装置制御部126は、給気運転の風量を抑制する場合は、ステップS230において換気風量を増加させる前の24時間換気よりも、給気運転の風量を少なく抑制する。
ここで、給気運転を停止させるか、または給気運転の風量を抑制するのかの情報は、予め換気装置制御部126に記憶されている。また、給気用送風機122の出力を抑制する場合の給気用送風機122の出力である抑制出力の情報は、予め換気装置制御部126に記憶されている。なお、給気用送風機122の抑制出力の情報は、サーバ制御部113に記憶され、水浸入防止モードの制御指示情報とともにサーバ制御部113から換気装置制御部126に送信されてもよい。
そして、ステップS240の後、予め決められた時間の経過後、ステップS30に戻る。
ステップS250において、サーバ制御部113は、通常運転モードの制御指示情報を熱交換換気装置12の換気装置制御部126に送信する。熱交換換気装置12の換気装置制御部126は、通常運転モードの制御指示情報を受信した場合、運転制御の変更は行わない。
そして、ステップS250の後、予め決められた時間の経過後、ステップS30に戻る。
上述した処理が実行されることにより、空気調和換気システム100は、屋外の雨水および高湿度空気を積極的に第3給気用ダクト303および熱交換換気装置12の内部に取り込むことがない。これにより、空気調和換気システム100は、リビング201および和室202への、水の滴下または高湿度空気の侵入を防止でき、台風、大雨、大雪、霧の発生といった天候不良時におけるリビング201および和室202の快適性の向上を実現できる。
また、空気調和換気システム100は、第3給気用ダクト303および熱交換換気装置12の内部への雨水および高湿度空気の侵入を抑制できることにより、雨水および高湿度空気の侵入に起因した第3給気用ダクト303および熱交換換気装置12の不具合の発生を抑制できる。
空気調和換気システム100は、ステップS240において給気運転を停止させ、または給気運転の風量を抑制する前に、ステップS230において換気風量を増加させて、予め換気風量を増やすことで、リビング201および和室202の二酸化炭素濃度の低減を予め実施する。これにより、ステップS240において給気運転を停止させ、または給気運転の風量を抑制しているときのリビング201および和室202における二酸化炭素濃度の増加による室内環境の悪化を抑制でき、リビング201および和室202の快適性の低下を抑制できる。
なお、サーバ制御部113は、水浸入防止モードの制御指示情報を熱交換換気装置12の換気装置制御部126に送信する代わりに、上述した換気風量の増加を指示する風量増加指示情報を換気装置制御部126に送信し、予め決められた時間の経過後に、給気用送風機122の出力の停止を指示する出力停止指示情報または給気用送風機122の出力の抑制を指示する出力抑制指示情報を換気装置制御部126に送信してもよい。
(第4の動作例)
つぎに、空気調和換気システム100の他の動作について説明する。図16は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100の第4の動作例の手順を説明するフローチャートである。例えば、春先において花粉、PM2.5および黄砂などの空気汚染物質の飛散量が増加する場合がある。ここでは、WEB上の気象情報6の予報において、空気汚染物質である花粉、PM2.5、黄砂の飛散が予測される場合について説明する。
熱交換換気装置12の換気装置制御部126が、通常運転モードで熱交換換気装置12の運転を制御している状態で、サーバ制御部113は、上述したステップS20およびステップS30を実施する。
ステップS310において、サーバ制御部113は、取得したWEB上の気象情報6の予報に空気汚染物質の飛散の予報があるか否かを判定する。空気汚染物質の飛散の予報は、空気汚染物質の飛散を予測する予報である。WEB上の気象情報6の予報に空気汚染物質の飛散の予報があると判定された場合は、ステップS310においてYesとなり、ステップS320に進む。WEB上の気象情報6の予報に空気汚染物質の飛散の予報がないと判定された場合は、ステップS310においてNoとなり、ステップS350に進む。
ステップS320において、サーバ制御部113は、取得したWEB上の気象情報6の予報における空気汚染物質の飛散の予報の情報を熱交換換気装置12の換気装置制御部126に送信する。
ステップS330において、熱交換換気装置12の換気装置制御部126は、空気汚染物質の飛散の予報の情報を受信すると、空気汚染物質の飛散の予報に示される空気汚染物質の濃度が予め決められた第3閾値以上であるか否かを判定する。第3閾値は、空気汚染物質浸入防止モードで熱交換換気装置12の運転を制御するか否かを換気装置制御部126が判定するための閾値であり、空気汚染物質の種類ごとに予め決められて換気装置制御部126に記憶されている。
空気汚染物質の飛散の予報における空気汚染物質の濃度が第3閾値以上であると判定された場合は、ステップS330においてYesとなり、ステップS340に進む。空気汚染物質の飛散の予報における空気汚染物質の濃度が予め決められた第3閾値未満であると判定された場合は、ステップS330においてNoとなり、予め決められた時間の経過後、ステップS30に戻る。
ステップS340において、換気装置制御部126は、空気汚染物質侵入防止モードで熱交換換気装置12の運転を制御する。すなわち、換気装置制御部126は、給気用送風機122の出力と排気用送風機123の出力とを調整する。具体的に、換気装置制御部126は、給気風量QSAを排気風量QRAに対して予め決められた風量だけ大きくする制御、すなわち給気風量QSA>排気風量QRAとする制御を行う。
なお、空気汚染物質侵入防止モードにおける給気風量QSAと排気風量QRAとは、熱交換換気装置12の通常運転モードにおいて要求される換気量Q1に対して、給気風量QSA>換気量Q1とされてもよく、排気風量QRA<換気量Q1とされてもよい。なお、通常運転モードにおいては、給気風量QSAと排気風量QRAと換気量Q1とは、等しい。
上述した処理が実行されることにより、住宅の内部の室内空間は正の圧力となり、住宅の建物の隙間からの空気汚染物質の侵入を防止することができる。これにより、空気調和換気システム100は、住宅の内部への空気汚染物質の侵入を防止でき、花粉、PM2.5および黄砂といった空気汚染物質の飛散時における住宅の内部環境の快適性の向上を実現できる。
また、空気調和換気システム100は、WEB上から取得した気象情報6の予報を用いることにより、空気汚染物質の飛散が予測される場合において、専用のセンサを用いることなく、建物の隙間からの空気汚染物質の侵入を未然に防ぐことができる。これにより、空気調和換気システム100の建物内機器に実装するセンサを低減でき、建物内機器の構成の簡略化、および建物内機器の製品コストの増加の抑制が可能である。特に、主粒径レンジが0.5μm以上1.0μm以下のPM2.5の検知には、他の空気汚染物質を検出するセンサよりも高精度の光学センサが必要となるため、製品コストの増加の抑制効果は大きい。
また、空気調和換気システム100は、WEB上から取得した気象情報6の予報として、予報情報を活用することで、予め室内環境を整えることができるため、空気汚染物質の飛散といった特異な気象時の換気抑制により生ずる悪影響を最小限にとどめることが可能となる。また、気象情報6の予報以外に、現在の屋外の気象情報6を用いてもよい。現在の屋外の気象情報6を用いることで、室内環境を整える制御を早急に開始することができる。現在の屋外の気象情報6を用いることで、外気温度の変化に即座に対応することができる。
また、サーバ制御部113は、ステップS330の後に、使用者に窓を開けないように推奨する推奨通知を気象情報6の予報の情報とともにスマートフォン17に送信してもよい。これにより、窓を介した住宅の内部への空気汚染物質の侵入を未然に防ぐことができる。
また、サーバ制御部113は、予め決められた期間にわたって空気汚染物質の飛散量が増加することがWEB上から取得した気象情報6の予報から予測される場合は、高性能除塵フィルタの一時的な使用を推奨する推奨通知をスマートフォン17に送信してもよい。これにより、室内空気環境の維持を使用者に促進することができる。ここで、高性能除塵フィルタを年中使い続けた場合、高性能除塵フィルタの寿命が早まり早期の性能低下およびフィルタ交換が発生するため、高性能除塵フィルタは空気汚染物質の濃度が高いときのみ使用することが好ましい。
また、空気汚染物質の室内への侵入を抑制するため、フィルタを搭載していない熱交換換気装置12以外の換気機器、例えば、浴室暖房機13においては、換気運転の排気風量を抑制するか、停止とする。
(第5の動作例)
図17は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システムの第5の動作例の手順を説明するフローチャートである。ここでは、夏期において昼間の屋外温度が予め決められた閾値を超えることが想定される場合について説明する。
ステップS410において、サーバ制御部113は、取得したWEB上の気象情報6の予報に基づいて、昼間の屋外温度が予め決められた第4閾値を超えることが予測されるか否かを判定する。昼間の屋外温度が予め決められた第4閾値を超えると判定された場合は、ステップS410においてYesとなり、ステップS420に進む。昼間の屋外温度が予め決められた第4閾値を超えないと判定された場合は、ステップS410においてNoとなり、サーバ制御部113は、一連の処理を終了する。
ステップS420において、サーバ制御部113は、早朝などの、室内温度>屋外温度が成立する条件時に、予め熱交換換気装置12の換気風量を通常運転モードでの運転時よりも増加させて室内の温度を下げておく。これにより、室内温度が第4閾値を超えて高くなる前に事前に室内温度を下げることができ、エアコンディショナ15の空気調和負荷を低減することができる。
(第6の動作例)
図18は、本実施の形態1にかかる空気調和換気システムの第6の動作例の手順を説明するフローチャートである。ここでは、冬期において夜間および早朝の屋外温度が予め決められた閾値を下回ることが想定される場合について説明する。
ステップS510において、サーバ制御部113は、取得したWEB上の気象情報6の予報に基づいて、夜間および早朝の屋外温度が予め決められた第5閾値を下回ることが予測されるか否かを判定する。夜間および早朝の屋外温度が予め決められた第5閾値を下回ると判定された場合は、ステップS510においてYesとなり、ステップS520に進む。夜間および早朝の屋外温度が予め決められた第5閾値を下回らないと判定された場合は、ステップS510においてNoとなり、サーバ制御部113は、一連の処理を終了する。
ステップS520において、サーバ制御部113は、昼間の室内温度<屋外温度が成立する条件時に、予め熱交換換気装置12の換気風量を通常運転モードでの運転時よりも増加させて室内の温度を下げておく。これにより、室内温度が第5閾値を下回わって低くなる前に事前に室内温度を上げておくことができ、エアコンディショナ15の空気調和負荷を低減することができる。なお、換気風量を増加させる際には、排気流を熱交換器121を通さないバイパス換気も有効である。
クラウドサーバ11のサーバ制御部113、熱交換換気装置12の換気装置制御部126、浴室暖房機13の浴室暖房制御部134、脱衣室暖房機14の脱衣室暖房制御部144、エアコンディショナ15の室内機151の空気調和制御部1514、中間取付形送風機16の送風機制御部164およびスマートフォン17の端末制御部175の各制御部は、図19に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。図19は、本実施の形態1における処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。上記の各制御部が図18に示す処理回路により実現される場合、上記の各制御部は、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記の各制御部の機能を実現してもよい。また、上記の各制御部の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。
上述したように、本実施の形態1にかかる空気調和換気システム100は、空気調和換気システム100が使用される建物の位置する地域の気象情報6をWEB上から取得し、空気調和換気システム100において室内の温度環境を調整する建物内機器の動作を、取得した気象情報6に基づいて自動で制御する。これにより、空気調和換気システム100では、空気調和機器、換気機器または建物内で送風を行う送風機器といった室内の温度環境を調整する異なる複数の機器をどのように運転させるかを屋外の温度および建物内の温度などの情報を考慮して使用者が設定する手間を省くことができる。
また、空気調和換気システム100は、室内の温度環境を調整する異なる複数の建物内機器の動作を気象情報6および建物内機器設置されたセンサの計測結果に基づいて自動で制御するため、温度調整の対象となる室内の温度を短時間で適切な温度に調整することができる。
また、空気調和換気システム100は、WEB上から取得した気象情報6を用いることにより、天候不良が予測される場合および空気汚染物質の飛散が予測される場合において、温度センサ、湿度センサ、空気汚染センサ、埃センサといった多種類のセンサを用いることなく、室内の温度環境悪化、換気機器および室内への水の浸入、建物の隙間からの空気汚染物質の侵入を未然に防ぐことができる。これにより、空気調和換気システム100の建物内機器に実装するセンサを低減でき、建物内機器の構成の簡略化、および建物内機器の製品コストの増加の抑制が可能である。
また、空気調和換気システム100は、取得したWEB上の気象情報6の外気温度の情報、部屋間の温度差の情報を使用者のスマートフォン17に通知することにより、ヒートショックによる健康被害の予防を使用者に喚起することができる。また、空気調和換気システム100は、室内温度が高温である旨の情報、室内温度が低温である旨の情報、部屋間の温度差の情報などを使用者のスマートフォン17に通知することにより、ヒートショックによる健康被害の予防を使用者に喚起することができる。また、空気調和換気システム100は、ヒートショックリスクの事前通知を使用者のスマートフォン17に行うことにより、ヒートショックによる健康被害の抑制を促進できる。また、空気調和換気システム100は、推奨通知を行うことにより、窓開けの制止、一時的な高性能除塵フィルタの使用を促すことができ、さらなる室内空気環境の維持を達成することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。