JP2021119556A - 二次電池の正極シートの製造方法 - Google Patents

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靖 土田
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大樹 加藤
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Abstract

【課題】正極合材の塗工性、および生産効率に優れ、かつ放電抵抗の小さい二次電池の正極シートを製造可能な方法を提供する。【解決手段】ここに開示される二次電池の正極シートの製造方法は、アルミニウム圧延品製の正極集電箔を準備する工程と、前記正極集電箔の表面に、極性有機溶媒を塗布する溶媒塗布工程と、前記正極集電箔の前記極性有機溶媒が塗布された表面に、正極合材を塗工する合材塗工工程と、を包含する。前記溶媒塗布工程において、前記正極集電箔の表面の残油量をA(mg/m2)とし、前記正極集電箔の単位面積あたりの前記極性有機溶媒の量をB(mg/m2)としたときに、「A/B≦28」を満たすように前記極性有機溶媒を塗布する。【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池の正極シートの製造方法に関する。
近年、リチウム二次電池等の二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
典型的な二次電池の正極、特にリチウム二次電池の正極は、一般的に、正極集電箔上に正極活物質を含有する正極合材層が設けられた構成を有する。このような正極は、一般的に、正極集電箔上に正極合材を塗工することによって製造される。正極集電箔には、アルミニウム圧延品、すなわち、圧延法により製造されたアルミニウム箔が一般的に用いられている。
アルミニウム箔の表面には、製造時の圧延工程において使用される圧延油等が残存する。これに関し、特許文献1には、圧延によって得られたアルミニウム箔の表面に残存する圧延油を成分とする油膜中に水分を含有させた後、アルミニウム箔に電極合材スラリーを塗工する、二次電池の正極の製造方法が開示されている。特許文献1には、このような製造方法によれば、電極合材スラリーの塗工効率に優れることが記載されている。
特開2019−106260号公報
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、上記従来技術においては、正極集電箔の表面の残存油に水分を含有させた場合には、形成後の正極合材層中にこの水分が含まれるようになり、この水分によって放電抵抗が増加するという問題があることがわかった。正極合材層から水分を除去する工程を設けることによって放電抵抗の増加を抑制できると考えられるが、このような工程を設けることは、工程数の増加による生産効率の低下を招く。
そこで本発明は、正極合材の塗工性、および生産効率に優れ、かつ放電抵抗の小さい二次電池の正極シートを製造可能な方法を提供することを目的とする。
ここに開示される二次電池の正極シートの製造方法は、アルミニウム圧延品製の正極集電箔を準備する工程と、前記正極集電箔の表面に、極性有機溶媒を塗布する溶媒塗布工程と、前記正極集電箔の前記極性有機溶媒が塗布された表面に、正極合材を塗工する合材塗工工程と、を包含する。前記溶媒塗布工程において、前記正極集電箔の表面の残油量をA(mg/m)とし、前記正極集電箔の単位面積あたりの前記極性有機溶媒の量をB(mg/m)としたときに、
A/B≦28
を満たすように前記極性有機溶媒を塗布する。
このような構成によれば、正極合材の塗工性、および生産効率に優れ、かつ放電抵抗の小さい二次電池の正極シートを製造可能な方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る製造方法により得られる正極シートを用いた二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 図1の二次電池の捲回電極体の構成を模式的に示す分解図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及していない事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
本実施形態に係る二次電池の正極シートの製造方法は、アルミニウム圧延品製の正極集電箔を準備する集電箔準備工程と、当該正極集電箔の表面に、極性有機溶媒を塗布する溶媒塗布工程と、当該正極集電箔の当該極性有機溶媒が塗布された表面に、正極合材を塗工する合材塗工工程と、を包含する。ここで、当該溶媒塗布工程において、当該正極集電箔の表面の残油量をA(mg/m)とし、当該正極集電箔の単位面積あたりの前記極性有機溶媒の量をB(mg/m)としたときに、以下を満たすように当該極性有機溶媒を塗布する。
A/B≦28
まず、集電箔準備工程について説明する。当該工程では、アルミニウム圧延品製の正極集電箔を準備する。
アルミニウム圧延品製の正極集電箔は、言い換えると、圧延法によって製造されるアルミニウム箔である。なお、アルミニウム箔は、通常は圧延法によって製造される。
アルミニウム箔は、純度が99.00%以上の純アルミニウムから構成されていてもよいし、アルミニウム合金から構成されていてもよい。
アルミニウムの圧延の際には、圧延油が用いられる。そのため、正極集電箔の表面には、この圧延油等に起因する油分が残存する。すなわち、正極集電箔の表面には残存油が存在する。
アルミニウム圧延品製の正極集電箔は、公知の圧延法によってアルミニウム箔を製造することにより準備することができる。また、アルミニウム圧延品製の正極集電箔は、市販品として入手することもできる。
次に、溶媒塗布工程について説明する。当該工程では、上記正極集電箔の表面に、極性有機溶媒を塗布する。ここで、正極集電箔の表面の残油量をA(mg/m)とし、正極集電箔の単位面積あたりの極性有機溶媒の量をB(mg/m)としたときに、下記(1)を満たすように、極性有機溶媒の塗布を行う。
A/B≦28・・・(1)
圧延油の主成分は、鉱油などの非極性溶媒である。したがって、正極集電箔の表面には、残存油としての非極性溶媒が存在する。後の工程で塗布する正極合材には、通常、N−メチルピロリドン(NMP)等の極性溶媒が用いられる。そのため、正極集電箔の表面に非極性溶媒が残存すると、非極性溶媒が正極合材に含まれる極性溶媒と反発し、その結果、正極合材のはじきや収縮を招き、正極合材の塗工性が悪くなる。
そこで、本実施形態においては、当該正極集電箔の表面に、上記比A/Bが28以下となるように極性有機溶媒を塗布する。これにより、当該正極集電箔の表面の極性が効果的に高められて、正極集電箔の表面と正極合材との親和性が向上する。その結果、正極合材の塗工性が向上する。
上述の従来技術においては、残存油に水を含有させることによって、正極合材の塗工性を向上させているが、上述のように、水は、得られる正極シートの放電抵抗を増加させる。よって、従来技術においては、放電抵抗の増加を抑制するためには、水を除去する工程を実施する必要があり、このため、工程数の増加により生産効率が低下する。しかしながら、本実施形態では、上記比A/Bが28以下となるように極性有機溶媒を塗布する。このような量で用いられる極性有機溶媒は、水のように除去する必要がなく、また、このような量で用いられる極性有機溶媒は、水とは異なり電池特性(特に放電抵抗)に悪影響をほとんど、またはまったく及ぼすことがない。
したがって、溶媒塗布工程の実施によって、本実施形態に係る製造方法は、正極合材の塗工性、および正極シートの生産効率が高いものとなる。また、得られる二次電池の正極シートの放電抵抗が小さくなる。
極性有機溶媒の好適な例としては、エタノール、およびNMPが挙げられる。放電抵抗がより小さくなることから、エタノールは、無水エタノールであることが好ましい。
正極集電箔の表面の残油量A(mg/m)は、公知方法に従って測定することができる。例えば、公知の残油量測定器を用いて測定することができる。なお、残油量Aは、正極集電箔の製造条件(特に圧延油の使用量等)を変えることによって調整することができる。
また、上記比A/Bは、下記(2)を満たすことが好ましい。
4≦A/B≦28・・・(2)
極性有機溶媒の塗布は、公知方法に従い塗布することができる。極性有機溶媒の塗布は、正極合材層が形成される正極集電箔の表面に対して行われる。よって、正極シートが正極集電箔の片面上に正極合材層を有する構成においては、極性有機溶媒の塗布は、正極集電箔の一方の主面に対して行えば十分であり、両主面に対して行ってもよい。正極シートが正極集電箔の両面上に正極合材層を有する構成においては、極性有機溶媒の塗布は、正極集電箔の両主面に対して行われる。
次に、合材塗工工程について説明する。当該工程では、上記正極集電箔の上記極性有機溶媒が塗布された表面に、正極合材を塗工する。
正極合材は、塗工が可能なように、典型的には、溶剤と、当該溶剤中に分散する正極活物質とを含有する。したがって、正極合材は、典型的には、ペースト、スラリー等の形態にある。
正極活物質としては、リチウム複合酸化物を用いることができる。リチウム複合酸化物の例としては、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物(例、LiNi0.5Mn1.5)、リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物(例、LiNi1/3Mn1/3Co1/3)等が挙げられる。正極活物質として、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)を用いることもできる。
正極活物質の性状は特に限定されないが、典型的には粒子状である。粒子状正極活物質の平均粒径は、通常20μm以下(典型的には1μm以上20μm以下、例えば5μm以上15μm以下)である。なお、本明細書において「平均粒径」とは、一般的なレーザー回折・光散乱法に基づく体積基準の粒度分布において、粒径が小さい微粒子側からの累積頻度50体積%に相当する粒径(D50、メジアン径ともいう。)をいう。
正極活物質は、正極合材を構成する全固形成分中、50質量%を超えて含まれることが好ましく、より好ましくは80質量%以上97質量%以下、さらに好ましくは85質量%以上96質量%以下含有される。
正極合材は、固形分として、正極活物質以外の物質を含有していてもよい。その例としては、リン酸リチウム(LiPO)、導電材、バインダ等が挙げられる。
リン酸リチウムは、正極活物質に対し、0.5質量%以上15質量%以下含有されることが好ましく、1質量%以上10質量%以下含有されることがより好ましい。
導電材としては、カーボンブラック(例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等)、コークス、黒鉛の炭素材料が挙げられ、なかでも、カーボンブラックが好ましい。導電材は、正極活物質に対し、0.1質量%以上20質量%以下含有されることが好ましく、1質量%以上15質量%以下含有されることがより好ましく、2質量%以上10質量%以下含有されることがさらに好ましい。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダや、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム系バインダを好適に使用することができる。バインダは、正極活物質に対し、0.5質量%以上15質量%以下含有されることが好ましく、1質量%以上12質量%以下含有されることがより好ましい。
正極合材に含まれる溶剤の例としては、NMP等の極性溶剤が挙げられる。
正極合材中の固形分濃度は、特に限定されないが、例えば、30質量%以上80質量%以下であり、好ましくは50質量%以上70質量%以下である。
正極合材は、公知方法に従い、正極活物質、溶剤、および任意成分を混合することにより、作製することができる。
正極合材の塗工は、公知方法に従い行うことができる。例えば、スリットコーター、ダイコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ディップコーター等の塗工装置を用いて、上記正極集電箔の極性溶媒が塗布された表面上に正極合材を塗工することにより行うことができる。
正極シートが、正極集電箔の片面上に正極合材層を有する構成においては、正極合材は、正極集電箔の上記極性有機溶媒が塗布された主面に対して行われる。正極シートが、正極集電箔の両面上に正極合材層を有する構成においては、正極合材の塗布は、正極集電箔の両主面に対して行われる。
合材塗工工程の後は、通常、塗布された正極合材を乾燥する乾燥工程が行われる。
当該乾燥工程は、公知方法に従い行うことができる。例えば、正極合材が塗工された正極集電箔から、乾燥炉等の乾燥装置を用いて正極合材の溶剤を除去することにより行うことができる。乾燥温度および乾燥時間は、正極合材中に含まれる溶剤の量に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。乾燥温度は、例えば70℃〜200℃(典型的には110℃〜180℃)である。乾燥時間は、例えば20秒〜120分である。
乾燥工程を実施することにより、正極集電箔上に正極合材層が形成される。
乾燥工程の後、正極合材層の、厚み、密度等を調整することを目的として、正極合材層をプレス処理するプレス工程を行ってもよい。プレス処理は、ロールプレス等を用いて公知方法に従って行うことができる。
以上のようにして、正極集電箔上に正極合材層が形成された正極シートを製造することができる。
以上説明した本実施形態に係る二次電池の正極シートの製造方法は、正極合材の塗工性、および生産効率に優れる。また、得られる二次電池の正極シートは、放電抵抗が小さいという利点を有する。
よって、本実施形態に係る製造方法により得られる二次電池の正極シートを用いて二次電池を構築した場合には、放電抵抗の小さい二次電池を得ることができる。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイスをいい、いわゆる蓄電池、および電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
また、本明細書において「リチウム二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
そこで、以下、図1および図2を参照しながら、本実施形態に係る製造方法により得られる正極シートを用いて作製される二次電池(具体的にはリチウム二次電池)の構成例について説明する。
図1に示すリチウム二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解質(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。また、電池ケース30には、非水電解質を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、正極シート50と、負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。正極シート50は、長尺状の正極集電箔52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極合材層54が形成された構成を有する。負極シート60は、長尺状の負極集電箔62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極合材層64が形成されている構成を有する。正極合材層非形成部分52a(即ち、正極合材層54が形成されずに正極集電箔52が露出した部分)および負極合材層非形成部分62a(すなわち、負極合材層64が形成されずに負極集電箔62が露出した部分)は、捲回電極体20の捲回軸方向(すなわち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成されている。正極合材層非形成部分52aおよび負極合材層非形成部分62aには、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50には、上述の本実施形態に係る製造方法により得られる正極シートが用いられる。なお、本構成例においては、正極シート50は、正極集電箔52の両面に正極合材層54が形成されている。
負極シート60を構成する負極集電箔62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極合材層64に含まれる負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。負極合材層64は、活物質以外の成分、例えば結着材や増粘剤等を含み得る。結着材としては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
非水電解質は従来のリチウム二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、一般的なリチウム二次電池の非水電解質に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
非水電解質は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した成分以外の成分、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;増粘剤;等の各種添加剤を含んでいてもよい。
以上のようにして構成されるリチウム二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウム二次電池100は、複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、本実施形態に係る製造方法により得られる正極シートを用いて構成される二次電池は、上記の例に限られない。上記では、捲回電極体を備える扁平角型のリチウム二次電池について説明したが、積層型電極体を備えるリチウム二次電池として構成することもできる。また、円筒型リチウム二次電池、コイン型リチウム二次電池、ラミネート型リチウム二次電池等として構成することもできる。また、本実施形態に係る製造方法により得られる正極シートを用いて、リチウム二次電池以外の二次電池を構築することもできる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<正極シートの作製>
〔実施例1〕
厚みが15μm、残油量が9.2mg/mの長尺状のアルミニウム箔を正極集電箔として用意した。なお、アルミニウム箔の残油量は、残油量測定器(堀場製作所製「OCMA−305」)を用いて測定した。
このアルミニウム箔の両面に、0.46mg/mの量となるように、極性溶媒を塗布した。
分散機を用いて、導電材としてのアセチレンブラック(AB)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が混合されたペーストを得た。このペーストに、正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)を混合し、正極合材ペーストを調製した。なお、正極合材ペーストは、LNCM:AB:PVdF=87:9:4(質量比)となるように調製した。
この正極合材ペーストを、アルミニウム箔の両面に帯状に塗工した。
次いで、180℃で40秒間乾燥し、プレスすることにより、実施例1の正極シートを得た。
〔実施例2〜10および比較例1〜3〕
アルミニウム箔の残油量、アルミニウム箔に塗布する極性溶媒の種類と量を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2〜10および比較例1〜3の正極シートを得た。
<塗工性の評価>
各実施例および各比較例において、正極合材ペーストをアルミニウム箔に塗工して5秒経過後における、正極合材ペーストにはじきの有無を目視により観察した。結果を表1に示す。
<評価用リチウム二次電池の作製>
負極活物質として、天然黒鉛が非晶質な炭素材料でコートされたもの(非晶質炭素被覆天然黒鉛)を準備した。非晶質炭素被覆天然黒鉛(C)と、結着材としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の重量比でイオン交換水と混合して、負極合材層形成用ペーストを調製した。このペーストを、長尺状の銅箔の両面に正極シートの正極合材層よりも幅広に、帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより、負極シートを作製した。
また、2枚のセパレータシート(多孔性ポリオレフィンシート)を用意した。
各実施例および比較例1の正極シートと、上記作製した負極シートと、用意した2枚のセパレータシートとを重ね合わせ、捲回して捲回電極体を作製した。正極シートと負極シートにそれぞれ電極端子を取り付け、これを、注液口を有する電池ケースに収容した。
続いて、電池ケースの注液口から非水電解質を注入し、当該注液口を気密に封止した。なお、非水電解質には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
このようにして、各実施例および各比較例の正極シートを用いた評価用リチウム二次電池を得た。
<電池性能(放電抵抗)評価>
25℃の温度環境下で、SOC27%に調整した各評価用リチウム二次電池を、10Cのレートで2秒間放電し、そのときの放電カーブより抵抗値を求めた。比較例3の正極シートを用いたリチウム二次電池の抵抗値を基準(基準値:100%)として、各実施例およびその他の比較例の正極シートを用いた評価用リチウム二次電池の抵抗値の比(%)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2021119556
表1の結果より、正極集電箔の表面の残油量A(mg/m)/極性有機溶媒の量B(mg/m)の比が28以下となるように、極性有機溶媒を塗布した後、正極合材ペーストを塗工した場合には、正極合材ペーストの塗工性に優れることがわかる。また、水を塗布した比較例3に対して、放電抵抗が小さいことがわかる。したがって、追加の工程を実施することなく、放電抵抗を小さくできることがわかる。
このことから、ここに開示される二次電池の正極シートの製造方法は、正極合材の塗工性、および生産効率に優れることがわかる。また、ここに開示される製造方法によって得られる二次電池の正極シートは、放電抵抗が小さいことがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電箔
52a 正極合材層非形成部分
54 正極合材層
60 負極シート(負極)
62 負極集電箔
62a 負極合材層非形成部分
64 負極合材層
70 セパレータシート(セパレータ)
100 リチウム二次電池

Claims (1)

  1. アルミニウム圧延品製の正極集電箔を準備する工程と、
    前記正極集電箔の表面に、極性有機溶媒を塗布する溶媒塗布工程と、
    前記正極集電箔の前記極性有機溶媒が塗布された表面に、正極合材を塗工する合材塗工工程と、
    を包含し、
    前記溶媒塗布工程において、前記正極集電箔の表面の残油量をA(mg/m)とし、前記正極集電箔の単位面積あたりの前記極性有機溶媒の量をB(mg/m)としたときに、
    A/B≦28
    を満たすように前記極性有機溶媒を塗布する、
    二次電池の正極シートの製造方法。
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