JP2021117438A - 色変換素子 - Google Patents

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利彦 佐藤
Toshihiko Sato
利彦 佐藤
陽介 溝上
Yosuke Mizogami
陽介 溝上
徹 平野
Toru Hirano
徹 平野
剛 森住
Takeshi Morizumi
剛 森住
孝典 明田
Takanori Akeda
孝典 明田
識成 七井
Satoshige Nanai
識成 七井
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Abstract

【課題】集光効率を向上可能な色変換素子を提供する。【解決手段】色変換素子1は、外部からのレーザー光Lを受光して、当該レーザー光Lとは異なる色の光を出射する蛍光部3と、蛍光部3における白色光を出射する表面31(出射面)側に設けられ、蛍光部3から出射した白色光の配光を制御する配光制御層4とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、基板上に蛍光部が積層された色変換素子に関する。
例えば、プロジェクタなどの投影装置に用いられる蛍光体ホイール(色変換素子)においては、放熱性を高めるべく、蛍光部と基板とを熱伝導性接着剤で接合した技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
特開2016−99566号公報
ここで、蛍光部で波長変換された光は、散乱光として外部へと放出されるために、投影装置においては当該散乱光を集光するための集光レンズが搭載されている。しかしながら、蛍光部から放出された散乱光は、集光レンズに到達するまでにも散乱しているので、集光レンズから外れてしまう光も生じており、集光効率が低下しているのが実状である。
そこで本発明は、集光効率を向上可能な色変換素子を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る色変換素子は、外部からのレーザー光を受光して、当該レーザー光とは異なる色の光を出射する蛍光部と、蛍光部における光を出射する出射面側に設けられ、蛍光部から出射した光の配光を制御する配光制御層とを備える。
本発明に係る色変換素子によれば、集光効率を高めることができる。
実施の形態に係る色変換素子の概略構成を示す模式図である。 図1におけるII−II線を含む切断面を見た断面図である。 変形例1に係る色変換素子の概略構成を示す断面図である。 変形例2に係る色変換素子の概略構成を示す断面図である。 変形例2に係る粒子を拡大して示す断面図である。 変形例3に係る色変換素子の概略構成を示す断面図である。 変形例4に係る色変換素子の概略構成を示す模式図である。 図7におけるVIII−VIII線を含む切断面を見た断面図である。 変形例5に係る照明装置の概略構成を示す模式図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る色変換素子について、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである
。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の一形態に係る実現形態を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。本開示の実現形態は、現行の独立請求項に限定されるものではなく、他の独立請求項によっても表現され得る。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図においては、同じ構成部材に対して同じ符号を付している。
[実施の形態]
以下、実施の形態について説明する。図1は、実施の形態に係る色変換素子1の概略構成を示す模式図である。図2は、図1におけるII−II線を含む切断面を見た断面図である。つまり、図2は、色変換素子を径方向で切断した場合の断面図である。
色変換素子1は、プロジェクタ等の投影装置に用いられる蛍光体ホイールである。投影装置には、光源部として、青紫〜青色(430〜490nm)の波長のレーザー光Lを色変換素子1に対して放射する半導体レーザー素子が設けられている。色変換素子1は、光源部から照射されたレーザー光Lを励起光として、白色光を放射する。以下、色変換素子1について具体的に説明する。
図1及び図2に示すように、色変換素子1は、基板2と、蛍光部3と、配光制御層4とを備えている。なお、以降の説明において、色変換素子1をなす各積層体の光源側の主面を「表面」と称し、その反対側の主面を「背面」と称する。また、図1及び図2においては、レーザー光Lをドットハッチングで図示している。色変換素子1において、レーザー光Lが照射される領域を照射領域Rと称す。照射領域Rは固定されているが、色変換素子1が回転するために、照射領域Rは相対的に色変換素子1上を周方向に移動することになる。図1では、色変換素子1に対する照射領域Rの中心の軌道を破線L1で示している。
基板2は、平面視形状が例えば円形状の基板であり、その中央部に貫通孔21が形成されている。貫通孔21に対して、投影装置内にある回転軸が取り付けられることで、基板2が回転駆動するようになっている。
基板2は、蛍光部3よりも熱伝導率の高い基板である。これにより、蛍光部3から伝導した熱を基板2から効率的に放熱できるようになっている。具体的には、基板2は、Al、Al、AlN、Fe、Tiなどの金属材料から形成されている。なお、基板2は、蛍光部3よりも熱伝導率が高いのであれば、金属材料以外から形成されていてもよい。金属材料以外の材料としては、Si、セラミック、サファイア、グラファイトなどが挙げられる。基板2の1つの表面22は平坦状に形成されており、当該表面22側に蛍光部3が配置されている。
蛍光部3は、全体として肉厚が均一である。蛍光部3は、例えば、レーザー光Lによって励起されて蛍光を発する蛍光体の粒子(蛍光体粒子34)を分散状態で複数備えており、レーザー光Lの照射により蛍光体粒子34が蛍光を出射する。このため、蛍光部3の表面31が出射面となる。蛍光部3の表面31から出射される蛍光は拡散光となる。表面31は、蛍光部3における基板2とは反対側の主面である。また、蛍光部3の背面32は、蛍光部3における基板2側の主面である。本実施の形態では、蛍光部3の背面32の法線方向と、蛍光部3に対するレーザー光Lの入射方向とが略一致しているものとする。「略一致」とは、完全に一致しているだけでなく、数%程度の誤差を許容する表現である。
蛍光部3は、全体として平面視形状が環状に形成されている。この蛍光部3は、肉厚が均一なシート状の個片33が複数、環状に配列されることにより形成されている。複数の個片33は、同一形状であり、同一種類である。具体的には、個片33は平面視台形状に形成されている。なお、個片33はシート状であればその形状は如何様でもよい。個片33のその他の平面視形状としては、矩形状、三角形状、その他の多角形状などが挙げられる。
隣り合う個片33同士は、互いの隣り合う辺がほぼ一致するように配置されている。個片33には、少なくとも一種類の蛍光体粒子34が含まれている。本実施の形態の場合、個片33は、白色光を放射するものであり、レーザー光Lの照射によって赤色を発光する赤色蛍光体、黄色を発光する黄色蛍光体、緑色を発光する緑色蛍光体の3種類の蛍光体粒子34が適切な割合で含まれている。
蛍光体粒子34の種類及び特性は特に限定されるものではないが、比較的高い出力のレーザー光Lが励起光となるため、熱耐性が高いものが望ましい。また、蛍光体粒子34を分散状態で保持する基材35の種類は特に限定されるものではないが、励起光の波長及び蛍光体粒子34から発光する光の波長に対して透明性の高い基材35であることが望ましい。具体的には、ガラス又はセラミックなどからなる基材35が挙げられる。なお、蛍光部3は、1種類の蛍光体による多結晶体又は単結晶体であってもよい。
配光制御層4は、蛍光部3の表面に対して直接積層されている。配光制御層4は、複数の凸部41の集合体である。複数の凸部41は、照射領域Rの軌道L1上に沿って環状に配列されている。本実施の形態では、1つの個片33に対して複数(3つ)の凸部41が設けられている。個片33内においては、複数の凸部41の全体が収まるように配置されている。
凸部41は、例えばSiOなどの透光性材料から形成されている。凸部41内には蛍光体は含有されていない。凸部41は、平面視においては円形状であり、蛍光部3から離れるにつれて滑らかに先細る凸曲面形状を有している。つまり、凸部41は平凸レンズ状となっている。これにより、蛍光部3から出射した拡散光(蛍光)は、凸部41を透過することで集光されることとなる。ここで、凸部41は、蛍光部3からの突出量Hが、当該凸部41における底部の幅Wよりも大きく形成されていることがよい。ここで、突出量Hは、凸部41の底部から先端部までの長さである。このように、突出量Hが幅Wよりも大きければ、凸部41から出射する白色光の配光角をより狭角化することができる。
また、例えば、凸部41内に蛍光体が含まれているとこの蛍光体が配光制御を阻害するおそれがあるが、凸部41内に蛍光体が含まれていないために所望の配光を確実に得ることができる。
ここで、各凸部41が照射領域Rに対向する位置に配置された場合、平面視において照射領域Rの全体が各凸部41内に収まるようになっている。例えば、照射領域Rの直径が3mmである場合には、凸部41の直径は3mmよりも大きい。つまり、凸部41の直径は、照射領域Rの直径よりも大きい。これにより、照射領域Rで蛍光部3に入射し、蛍光として出射された拡散光は、概ね全て凸部41を透過することとなり、集光される。
また、隣り合う凸部41同士は、隣接するように配置されていることがよい。これにより、隣り合う凸部41同士の間では、蛍光部3の表面31が露出しにくくなる。このため、蛍光部3から出射した拡散光が凸部41を透過せずに放出されることを抑制することができる。
[投影装置の動作]
次に、投影装置の動作について説明する。
投影装置の光源からレーザー光Lが照射される際には、色変換素子1は回転駆動しながら配光制御層4を介して蛍光部3でレーザー光Lを受光する。蛍光部3では、一部のレーザー光Lが直接蛍光体粒子34に当たる。また、蛍光体粒子34に直接当たらなかった一部のレーザー光Lは、基板2で反射され、蛍光体粒子34に当たる。蛍光体粒子34に到達したレーザー光Lは、蛍光体粒子34によって白色光に変換されて、放射される。蛍光体粒子34から放射された白色光は、蛍光部3から配光制御層4を介して放出される。このとき、白色光は拡散光であるが、配光制御層4の凸部41を透過することにより集光され、外部へ放出される。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る色変換素子1は、外部からのレーザー光Lを受光して、当該レーザー光Lとは異なる色の光を出射する蛍光部3と、蛍光部3における白色光を出射する表面31(出射面)側に設けられ、蛍光部3から出射した白色光の配光を制御する配光制御層4とを備える。
これによれば、蛍光部3の表面31側に配光制御層4が設けられているので、蛍光部3の表面31から出射した拡散光である白色光は、配光制御層4を透過することになる。これにより、白色光は配光制御層4によって集光されるので、集光効率が高められる。
また、配光制御層4は、蛍光部3におけるレーザー光Lが照射される照射領域Rに対して、少なくとも一部が平面視で重なる凸部41を有する。
これによれば、配光制御層4が凸部41を有しているので、凸部41を平凸レンズとして機能させることができる。これにより、簡単な構造で白色光を集光することができる。なお、上記実施の形態では、平面視において凸部41の全体が照射領域Rに重なる場合を例示したが、凸部41は少なくとも一部が照射領域Rに重なっていればよい。
また、凸部41は、当該凸部41における底部の幅Wよりも、当該凸部41における底部からの突出量Hの方が大きい。
これによれば、凸部41の突出量Hが底部の幅Wよりも大きいので、凸部41から出射する白色光の配光角をより狭角化することができる。したがって、集光効率をより高めることができる。
また、蛍光部3は、少なくとも一種類の蛍光体(蛍光体粒子34)を含むシート状の複数の個片33が面状に配列されることにより形成されている。
これによれば、蛍光部3が、面状に配列された複数の個片33によって形成されているので、加熱時に作用する応力を分散させることができる。これにより、レーザー光Lの受光時における蛍光部3の変形を抑制することができる。したがって、安定した反射特性を維持することができる。
ここで、全体として一体的に形成された蛍光部の場合、その平面視形状が環状であると、応力集中に弱く、上記した不具合が生じやすい。しかしながら、本実施の形態のように、複数の個片33が環状に配置されることで形成された蛍光部3であれば、応力を分散させることができるので、高い応力緩和効果を得ることができる。
なお、上記実施の形態では、蛍光部3が複数の個片33から形成されている場合を例示した。しかし、蛍光部は全体として一体成型された一体物であってもよい。この場合、基板2を省略することも可能である。つまり、色変換素子は基板を有していなくてもよい。
[変形例1]
次に、変形例1について説明する。図3は、変形例1に係る色変換素子1Aの概略構成を示す断面図であり、具体的には図2に対応した図である。なお、以降の説明においては、実施の形態に係る色変換素子1と同等の部分には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
上記実施の形態では、色変換素子1を径方向で切断した場合において、照射領域R内に凸部41が1つのみ配置されている場合を例示した。この変形例1では、同様の場合において照射領域R内に複数の凸部41aが配置されている場合を例示する。
図3に示すように、凸部41aは、断面視において照射領域Rに対して4つ設けられている。両端の凸部41aにおいては、その一部が照射領域Rから外方に出ているが、その間の2つの凸部41aにおいては、全体が照射領域R内に収まっている。各凸部41aは平面視においては、平面上に均等に分散されている。各凸部41aは、例えばSiOなどの透光性材料から形成されており、同形状である。具体的には、各凸部41aは、平面視においては円形状であり、蛍光部3から離れるにつれて滑らかに先細る凸曲面形状を有している。各凸部41a間には、隙間が空いており蛍光部3の表面31が露出している。凸部41aの幅W1は、蛍光部3から放出された白色光が光学的に干渉しうる長さとなっている。具体的には、凸部41aの幅W1は、400nm以上1mm以下である。
このように、凸部41aは、照射領域Rに対して、それぞれの少なくとも一部が平面視で重なるように複数設けられている。各凸部41aの少なくとも一部が照射領域Rに対して平面視で重なるように設けられているので、レーザー光Lが蛍光部3に対して傾いたとしても、複数の凸部41aで補い合うことができる。したがって、レーザー光Lの経路の自由度を高めることができる。
なお、この変形例1では、各凸部41aの間に隙間が設けられている場合を例示した。隙間が空いていると蛍光部3の表面31から凸部41aを透過しない白色光(拡散光)が放出されるため、集光効率が低下してしまう。この集光効率の低下を抑制するために、各凸部41aは平面視で稠密に配置されていることがよい。これによって、各凸部41aの間の隙間を低減することができ、極力多くの白色光が各凸部41aを透過することとなる。したがって、集光効率の低下を抑制することができる。
[変形例2]
次に、変形例2について説明する。図4は、変形例2に係る色変換素子1Bの概略構成を示す断面図であり、具体的には図2に対応した図である。なお、以降の説明においては、変形例1に係る色変換素子1Aと同等の部分には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
上記変形例1では、配光制御層4aが凸部41aのみから構成されている場合を例示した。この変形例2では、配光制御層4bがバインダ層42bと粒子43bとを有する場合について説明する。
図4に示すように、配光制御層4bは、蛍光部3の表面31に直接積層されたバインダ層42bと、バインダ層42bにより支持された複数の粒子43bとを備えている。バインダ層42bは、例えばSiOなどの透光性材料からなるバインダ層であり、蛍光体が含有されていない。バインダ層42bは、各粒子43bと蛍光部3とを接合している。
複数の粒子43bは、例えばSiOなどの透光性材料からなる中実な球状の粒子である。各粒子43b内には蛍光体は含有されていない。バインダ層42bと、各粒子43bとが同じSiOで形成されている場合には、それぞれの屈折率が同じとなる。このため、外方から蛍光部3に至るまで屈折率の変化が大きくならないので、レーザー光Lが外気から各粒子43b及びバインダ層42bを介して蛍光部3に到達するまでの光損失を抑制することができる。
粒子43bは、その一部がバインダ層42bに埋設されており、残りの部分がバインダ層42bから突出している。つまり、粒子43bの一部は、凸部41bを形成している。
図5は、変形例2に係る粒子43bを拡大して示す断面図である。具体的には、図5の(a)は、変形例2に係る凸部41bを示し、図5の(b)は比較例に係る凸部49bを示している。図5の(a)に示すように、変形例2では凸部41bにおけるバインダ層42bからの突出量H1は、粒子43bの半径R1よりも小さい。一方、図5の(b)に示すように、比較例では凸部49bの突出量H2は、粒子43bの半径R1よりも大きい。比較例では、凸部49bは、バインダ層42bから先端部に向かうに連れて徐々に拡径した後に縮径しているので、バインダ層42bとの境界部分では空気層が介在する部分が生じてしまう(図5の(b)における円C1部分)。当該部分では、白色光がバインダ層42bを通過した後に凸部49bの外面に至り、当該外面により反射されてしまうおそれがある(図5の(b)の矢印Y1参照)。つまり、白色光を拡散してしまう可能性がある。
図5の(a)に示すように、変形例2に係る凸部41bでは、凸部41bの突出量H1が、粒子43bの半径R1よりも小さい。つまり、凸部41bは、バインダ層42bから先端部に向かうに連れて徐々に縮径しているので、バインダ層42bとの境界部分に空気層が介在しない。このため、白色光を拡散することが抑制されている。
このように、配光制御層4bは、凸部41bをなす透光性の粒子43bと、粒子43bの一部を埋設した状態で粒子43bと蛍光部3とを接合する透光性のバインダ層42bとを有する。
これによれば、配光制御層4bがバインダ層42bと粒子43bとを有しているので、バインダ層42bを蛍光部3の表面31に塗布した後に、複数の粒子43bを散布してバインダ層42b内に埋設することで配光制御層4bを形成することができる。したがって、製造工程を容易化するとともに、蛍光部3に対する配光制御層4bの密着性を高めることができる。
また、粒子43bの屈折率は、バインダ層42bの屈折率以下である。
これによれば、粒子43bの屈折率が、バインダ層42bの屈折率以下であるので、外方から蛍光部3に至るまで屈折率の変化が大きくならず、レーザー光Lが外気から各粒子43b及びバインダ層42bを介して蛍光部3に到達するまでの光損失を抑制することができる。
なお、変形例2では、粒子43bとバインダ層42bとのそれぞれがSiOから形成されていたために、粒子43bとバインダ層42bとの屈折率が同等となっていた。しかしながら、粒子43bの屈折率がバインダ層42bの屈折率以下となるのであれば粒子43bとバインダ層42bとの形成材料は如何様でもよい。光損失の抑制の観点からすると、粒子43bの屈折率がバインダ層42bの屈折率よりも小さくなることがよい。
また、粒子43bは、バインダ層42bからの突出量H1が、当該粒子43bの半径R1よりも小さい。
これによれば、凸部41bである粒子43bの突出量H1が、半径R1よりも小さいので、凸部41bとバインダ層42bとの境界部分に空気層が介在しない。このため、白色光を拡散することが抑制されている。
また、バインダ層42bは、SiOにより形成されている。
これによれば、バインダ層42bがSiOにより形成されているので、バインダ層42bが無機化され、耐熱性を向上することができる。したがって、色変換素子1Bを長期的に安定化することができる。
[変形例3]
次に、変形例3について説明する。図6は、変形例3に係る色変換素子1Cの概略構成を示す断面図であり、具体的には図4に対応した図である。なお、以降の説明においては、変形例2に係る色変換素子1Bと同等の部分には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
上記変形例2では、配光制御層4bがバインダ層42bと粒子43bとを有する場合について説明した。この変形例3では、配光制御層4cが凸部41cを一体的に備えた透光性基板44cである場合について説明する。
図6に示すように、配光制御層4cは、例えばSiOなどの透光性材料から形成された板状の透光性基板44cであり、その表面上に複数の凸部41cが一体的に形成されている。透光性基板44c内には、蛍光体は含有されていない。透光性基板44cは、蛍光部3の表面31に直接積層された透光性の接着層9により、蛍光部3と接合されている。
以上のように、配光制御層4cは、凸部41cを一体的に備えた透光性基板44cであるので、例えば溶融した透光性材料を鋳型に対して流し込んだり、表面が溶融した透光性材料に対して型を押し付けたりすることで配光制御層4cを形成することができる。したがって、均質な配光制御層4cを容易に製造することが可能である。
[変形例4]
次に、変形例4について説明する。図7は、変形例4に係る色変換素子1Dの概略構成を示す模式図であり、図1に対応する図である。図8は、図7におけるVIII−VIII線を含む切断面を見た断面図である。なお、以降の説明においては、上記実施の形態に係る色変換素子1と同等の部分には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
上記実施の形態では、配光制御層4が、透光性を有した複数の凸部41の集合体である場合を例示した。この変形例4では、凹部48dを有する配光制御層4dについて説明する。
図7及び図8に示すように、色変換素子1Dに備わる配光制御層4dは、蛍光部3の表面31上に直接積層された非透光性層である。配光制御層4dは、例えば金属などの非透光性材料から形成されている。配光制御層4dは、照射領域Rの軌道L1に沿って連続した凹部48dを有している。凹部48dは、平面視において円環状に形成されている。凹部48dの幅は、全周にわたって均等である。
凹部48dは、断面視において配光制御層4dを貫通しており、蛍光部3の表面31の一部を露出している。凹部48dの内面は、凹曲面となっており、蛍光部3から出射した白色光を反射する反射部49dである。つまり、反射部49dは、凹面鏡として機能する。具体的には、反射部49dは、環状の凹部48dにおいて内方側の内面と、外方側の内面とのそれぞれに設けられている。反射部49dは、凹部48dの内面に反射性の高い素材を成膜した部位である。なお、凹部48dの内面が露出していても、一定の反射性を発揮することができる。この場合、凹部48dの内面が反射部となる。凹部48dの内面を研磨して反射性を高めることも可能である。
前述したように凹部48dの幅は全周にわたって均等であるので、色変換素子1Dが回転したとしても、照射領域Rに対して凹部48dの位置関係は一定となる。これにより、反射部49dで集光された光も、色変換素子1Dの回転を起因とした揺らぎを生じにくい。つまり、集光性を安定させることができる。
蛍光部3の表面31において凹部48dにより露出された部位には、照射領域Rの全体が収められるようになっている。このため、凹部48dで露出された蛍光部3の一部にレーザー光Lの全体を照射することができる。蛍光部3から放出された白色光は、拡散光であるが、反射部49dで反射されることで集光される。
このように、配光制御層4dは、蛍光部3の一部を露出させる凹部48dを有した非透光性層であり、凹部48dの内面には、蛍光部3から出射した光を反射する反射部49dが形成されている。
これによれば、配光制御層4dが蛍光部3の一部を露出させる凹部48dを有していて、凹部48dの内面に反射部49dが形成されているので、蛍光部3から放出された拡散光(白色光)を集光することができる。
また、蛍光部3におけるレーザー光Lが照射される照射領域Rは、凹部48dにより露出された蛍光部3の一部に収められている。
これによれば、照射領域Rが、凹部48dで露出された蛍光部3の一部に収められているので、凹部48dで露出された蛍光部3の一部にレーザー光Lの全体を照射することができる。したがって、レーザー光Lが遮られにくくなり、色変換効率の低下を抑制することができる。
また、配光制御層4dが金属から形成されているので、蛍光部3で発せられた熱を外部へ放熱することができる。特に、金属であれば蛍光部3よりも熱伝導率が高いために、効率的に放熱することが可能である。したがって、蛍光部3の高温化を抑制することができる。なお、配光制御層4dは、蛍光部3よりも熱伝導率が高いのであれば、金属材料以外から形成されていてもよい。
[変形例5]
上記実施の形態では、色変換素子1が投影装置に適用される場合を例示して説明したが、色変換素子は照明装置に用いることも可能である。その場合、色変換素子は回転しないために、ホイール状でなくともよい。以下、照明装置に用いられる色変換素子の一例について説明する。
図9は、変形例5に係る照明装置100の概略構成を示す模式図である。図9に示すように、照明装置100は、光源部101と、導光部材102と、色変換素子1Eとを備える。
光源部101は、レーザー光L10を発生させ、導光部材102を介して色変換素子1Eにレーザー光L10を供給する装置である。例えば、光源部101は、青紫〜青色(430〜490nm)の波長のレーザー光L10を放射する半導体レーザー素子である。導光部材102は、光源部101が放射したレーザー光L10を色変換素子1Eまで導く導光部材であり、例えば光ファイバーなどである。
色変換素子1Eの基板2eは、平面視矩形状であり、その一つの表面22eには、蛍光部3eが積層されている。蛍光部3eは平面視矩形状に形成されており、その表面31eには配光制御層4eが積層されている。
配光制御層4eは、1つの凸部41eを有している。凸部41eは、平凸レンズ状であり、レーザー光L10の照射領域R10に対して平面視で重なる位置に配置されている。凸部41eは、平面視において照射領域R10の全体を包含する大きさに形成されている。
このように、変形例5に係る照明装置100においても、蛍光部3eの表面31e側に配光制御層4eが設けられているので、蛍光部3eの表面31eから出射した拡散光である白色光は、配光制御層4eを透過することになる。これにより、白色光は配光制御層4eによって集光されるので、集光効率が高められる。
なお、照明装置に用いられる色変換素子においても、蛍光部が複数の個片から形成されていてもよい。
[その他の実施の形態]
以上、本発明に係る照明装置について、上記実施の形態及び各変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び各変形例に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、蛍光部3が全体として白色光を放射する個片33から形成されている場合を例示した。しかしながら、蛍光部が複数色の光を発する場合においては、蛍光部における各色を放射する部位が、同一種類の個片によって形成されていればよい。例えば、赤色蛍光部、緑色蛍光部及び青色蛍光部の3層が面状に配列された蛍光部の場合を想定する。赤色蛍光部は、赤色蛍光体を含む同一種類の複数の個片によって形成される。青色蛍光部は、青色蛍光体を含む同一種類の複数の個片によって形成される。緑色蛍光部は、緑色蛍光体を含む同一種類の複数の個片によって形成される。
また、上記実施の形態では、蛍光部3の表面31に対して配光制御層4が直接積層されている場合を例示した。しかしながら、蛍光部3と配光制御層4との間に、他の機能層が介在していてもよい。他の機能層は、一層であっても、種類の異なる層が複数積層されていてもよい。他の機能層としては、平坦化層、反射抑制層などが挙げられる。平坦化層は、蛍光部3の表面31を平坦化するための透光性の層である。反射抑制層は、例えばARコート層などの透光性の層である。反射抑制層が設けられている場合には、光取り出し効率を高めることができる。このように、配光制御層4は、蛍光部3の表面31に対して間接的に積層されていてもよい。つまり、配光制御層4は、蛍光部3の表面31側に配置されていればよい。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、実施の形態及び各変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1、1A、1B、1C、1D、1E 色変換素子
3、3e 蛍光部
4、4a、4b、4c、4d、4e 配光制御層
31、31e 表面(出射面)
41、41a、41b、41c、41e 凸部
42b バインダ層
43、43b 粒子
44c 透光性基板
48d 凹部
49d 反射部
H、H1、H2 突出量
L、L10 レーザー光
R、R10 照射領域
R1 半径
W、W1 幅

Claims (11)

  1. 外部からのレーザー光を受光して、当該レーザー光とは異なる色の光を出射する蛍光部と、
    前記蛍光部における前記光を出射する出射面側に設けられ、前記蛍光部から出射した光の配光を制御する配光制御層とを備える
    色変換素子。
  2. 前記配光制御層は、前記蛍光部における前記レーザー光が照射される照射領域に対して、少なくとも一部が平面視で重なる凸部を有する
    請求項1に記載の色変換素子。
  3. 前記凸部は、前記照射領域に対して、それぞれの少なくとも一部が平面視で重なるように複数設けられている
    請求項2に記載の色変換素子。
  4. 前記凸部は、当該凸部における底部の幅よりも、当該凸部における前記底部からの突出量の方が大きい
    請求項2または3に記載の色変換素子。
  5. 前記配光制御層は、前記凸部をなす透光性の粒子と、前記粒子の一部を埋設した状態で前記粒子と前記蛍光部とを接合する透光性のバインダ層とを有する
    請求項2〜4のいずれか一項に記載の色変換素子。
  6. 前記粒子の屈折率は、前記バインダ層の屈折率以下である
    請求項5に記載の色変換素子。
  7. 前記粒子は、前記バインダ層からの突出量が、当該粒子の半径よりも小さい
    請求項5または6に記載の色変換素子。
  8. 前記バインダ層は、SiOにより形成されている
    請求項5〜7のいずれか一項に記載の色変換素子。
  9. 前記配光制御層は、前記凸部を一体的に備えた透光性基板である
    請求項2〜4のいずれか一項に記載の色変換素子。
  10. 前記配光制御層は、前記蛍光部の一部を露出させる凹部を有した非透光性層であり、
    前記凹部の内面には、前記蛍光部から出射した光を反射する反射部が形成されている
    請求項1に記載の色変換素子。
  11. 前記蛍光部における前記レーザー光が照射される照射領域は、前記凹部により露出された前記蛍光部の一部に収められている
    請求項10に記載の色変換素子。
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