JP2021117401A - 金属調加飾成形品の製造方法、金属調加飾成形品、表示装置 - Google Patents

金属調加飾成形品の製造方法、金属調加飾成形品、表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】意匠性及び機能性に優れた金属調加飾成形品を提供する。【解決手段】金属調加飾成形品20の製造方法であって、本体部材21に金属層32を積層する金属層形成工程と、金属層形成工程の後、金属層32に、レーザー照射を行うことにより、複数の開口部32bを形成する開口部形成工程と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、金属調の意匠を有する金属調加飾成形品及びその製造方法、並びに、金属調加飾成形品の背面側に光源を配置した表示装置に関する。
従来、金属調加飾シートを成形品に成形した金属調加飾成形品が知られている。また、金属調加飾成形品の背面側に光源を配置することにより、その金属調加飾成形品を、光源の消灯時には金属調の意匠を有し、光源の点灯時には光源からの透過光により変調された意匠を有するようにすることも提案されている。例えば、特許文献1には、光源の消灯時には金属調の意匠を奏し、光源の点灯時には光源からの透過光による優れた意匠を奏する金属調加飾シート、及び、その金属調加飾シートを成形品に成形した加飾樹脂成形品が開示されている。
特開2017−189983号公報
従来の金属調加飾シート及び金属調加飾成形品は、優れた金属光沢感を得るために、高反射率及び低透過率に設定され、光源からの透過光強度が弱いものとなっている。この点、特許文献1に開示されている金属調の加飾成形品も、そのようなものであって、光源の点灯時において、光の透過による優れた意匠性が発現されにくくなることを抑制するため、透過率及びヘイズ値が設定されている。
これに対して、本発明の発明者は、金属調加飾シート及び金属調加飾成形品の優れた金属光沢感と合わせて、優れた金属光沢感と透過光強度とを両立させることにより、従来の金属調加飾シート及び金属調加飾成形品とは異なる意匠性及び機能性を有し、新しい用途に適用可能な金属調加飾シート及び金属調加飾成形品を提供できるという着想を得て、優れた金属光沢感と光源からの強い透過光強度とを両立させるという新たな課題を設定した。さらに、本発明の発明者は、光を透過する複数の開口部が設けられた金属層を有する金属調加飾シートで成形品を加飾すると、加飾する際の金属調加飾シートの延伸に対応して開口部の形状がばらけてしまい、透過光強度を一定としにくいという新たな問題点を見出した。
本発明は、上記の点に鑑み、優れた金属光沢感と透過光強度とが両立し、意匠性及び機能性に優れた金属調加飾成形品及び表示装置その製造方法を提供すること、並びに、金属層の開口部の形状を制御しやすく、透過光強度を一定とし得る金属調加飾成形品及び表示装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の金属調加飾成形品の製造方法は、本体部材に金属層を積層する金属層形成工程と、前記金属層形成工程の後、前記金属層に、レーザー照射を行うことにより、複数の開口部を形成する開口部形成工程と、を有する。前記金属層は、金属が存在する島部と金属が存在しない海部とを有する海島構造をとるものであってもよい。
前記金属層形成工程は、基材層と前記金属層とを有する金属調加飾シートを前記本体部材に積層するものであってもよい。
前記金属層形成工程は、金属を前記本体部材に蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、めっき法、又は、金属を含むペーストを塗工する方法により積層するものであってもよい。前記金属調加飾成形品の製造方法は、さらに、前記金属層形成工程の後、前記金属層に表面保護層を積層する表面保護層形成工程を有するものであってもよい。前記表面保護層形成工程は、前記金属層形成工程と前記開口部形成工程との間になされてもよい。
本発明の金属調加飾成形品は、前記金属調加飾成形品の製造方法によって製造された金属調加飾成形品であって、前記金属層の開口率は、10%以上、50%以下である。また、本発明の金属調加飾成形品は、前記金属調加飾成形品の製造方法によって製造された金属調加飾成形品であって、JIS K 7361−1:1997に従って測定される全光線透過率が、15%以上、50%以下である。
また、本発明の金属調加飾成形品は、曲面を有する本体部材と、複数の開口部が形成された金属層を有する金属調加飾シートと、を有し、前記金属層は、前記金属調加飾シートの厚みが小さい領域ほどその開口率が小さくなっている。また、本発明の金属調加飾成形品は、曲面を有する本体部材と、複数の開口部が形成された金属層と、を有し、前記金属層は、島部と海部とを有する海島構造をとり、前記海部の占める割合が大きい領域ほどその開口率が小さくなっている。
本発明の表示装置は、前記金属調加飾成形品と、前記金属調加飾成形品の背面側に配置された光源と、を備える。前記表示装置は、さらに、前記光源と前記金属調加飾成形品との間に配置され、遮蔽部と所定の形状にパターニングされた光透過部とを有する遮蔽マスクを備えてもよい。
本発明によれば、意匠性及び機能性に優れた金属調加飾成形品及び表示装置を提供することができる。また、本発明によれば、金属層の開口部の形状を制御しやすく、透過光強度を一定とし得る金属調加飾成形品及び表示装置を提供することができる。
第1実施形態の表示装置の構成を示す断面図である。 光源と金属調加飾成形品との間に遮蔽マスクを配置した表示装置の構成を示す断面図である。 第1実施形態の金属調加飾成形品の構成を示す断面図である。 第1実施形態の金属調加飾成形品の構成を示す正面図である。 金属層の開口部の別の構成例を示す金属調加飾成形品の正面図である。 第1実施形態の金属調加飾成形品の別の構成例を示す断面図である。 第1実施形態の金属調加飾成形品の別の構成例を示す断面図である。 第1実施形態の金属調加飾成形品の製造方法を示す断面図である。 第1実施形態の金属調加飾成形品の製造方法を示す断面図である。 第1実施形態の金属調加飾成形品の製造方法を示す断面図である。 第1実施形態の金属調加飾成形品の製造方法を示す断面図である。 第1実施形態の金属調加飾成形品の製造方法を示す断面図である。 第2実施形態の金属調加飾成形品の構成を示す断面図である。 第2実施形態の金属調加飾成形品の別の製造方法を示す断面図である。 第2実施形態の金属調加飾成形品の製造方法を示す断面図である。 第2実施形態の金属調加飾成形品の製造方法を示す断面図である。 第2実施形態の金属調加飾成形品の製造方法を示す断面図である。 第2実施形態の金属調加飾成形品の別の製造方法を示す断面図である。 第2実施形態の金属調加飾成形品の別の製造方法を示す断面図である。 第2実施形態の金属調加飾成形品の別の製造方法を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜、縮尺及び縦横の寸法比などを、実物のそれらから変更し誇張している。
また、以下の説明において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
最初に、本発明の第1の実施形態(以下、「第1実施形態」という。)の金属調加飾成形品20及び表示装置10について説明する。
図1は、第1実施形態の表示装置10の構成を示す断面図である。
第1実施形態の表示装置10は、金属調加飾成形品20と、金属調加飾成形品20の背面側に配置された光源11と、を備える。
金属調加飾成形品20は、板状の本体部材21と、本体部材21に積層された金属調加飾積層体30Aと、を有する。金属調加飾積層体30Aは、基材層31と、基材層31に積層された金属層32と、を有する。また、本実施形態の金属調加飾積層体30Aは、金属層32の基材層31とは反対側に積層された粘着層33を有する。金属層32には、複数の開口部32bが形成されており、これらの開口部32bは分散配置されている。粘着層33は、本体部材21に粘着している。本実施形態の金属調加飾積層体30Aは、金属調加飾シート30を本体部材21に積層することにより構成されている。
光源11は、可視光を出射する発光体であり、金属調加飾成形品20の背面側に配置される。光源11の種類としては、特に制限されないが、例えば、LED、蛍光灯、電球、ハロゲンランプ、ディチャージランプ、OLED、レーザーダイオードなどが挙げられる。
第1実施形態の金属調加飾成形品20は、後述の構成により、光源11の消灯時における金属光沢感と光源11の点灯時における光源11からの強い透過光強度とが両立したものとなっている。そのため、表示装置10の金属調加飾成形品20は、光源11の消灯時には十分な金属光沢感を有する意匠を奏し、光源11の点灯時には、光源11からの強い透過光強度が得られるものとなっている。
また、第1実施形態の表示装置10は、図2に示すように、光源11と金属調加飾成形品20との間に、遮蔽部12aと所定の形状にパターニングされた光透過部12bとを有する遮蔽マスク12を配置することにより、光源11の点灯時において、金属調加飾成形品20の表面に当該所定の形状に対応する情報が表示されるものとすることができる。
このような表示装置10の用途としては、例えば、自動車のバックリット式ウインカー、Bピラー、サイドバイザー、ブレーキランプ、ガーニッシュなどの光源11からの強い透過光強度が求められるバックリット製品が挙げられる。
図3は、第1実施形態の金属調加飾成形品20の構成を示す断面図である。図4は、第1実施形態の金属調加飾成形品20の構成を示す正面図である。
金属調加飾成形品20は、板状の本体部材21と、本体部材21に積層された金属調加飾積層体30Aと、を有する。第1実施形態の金属調加飾積層体30Aは、金属調加飾シート30を本体部材21に積層することにより構成されている。図3に示す金属調加飾成形品20は平板状のものとなっているが、これは図示の便宜によるものであり、実際の金属調加飾成形品20は、その用途に合った形状に成形されたものとなっている。
本体部材21は、透明な板状の部材により構成されている。本体部材21の材料としては、金属調加飾成形品20の用途に合った形状に成形でき、金属調加飾シート30を適切に積層し得るものであれば特に制限されないが、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリオレフィン系樹脂などを挙げることができる。本体部材21の厚みは、特に制限されないが、透明性、強度及び成形性などの観点から、0.1cm以上、2.0cm以下とするのが好ましく、0.3cm以上、1.0cm以下とするのがさらに好ましい。
なお、本明細書において、「透明」とは、部材を介して当該部材の一方の側から他方の側を透視し得る程度の透明性を有していることを意味しており、例えば、30%以上、より好ましくは70%以上の可視光透過率を有していることを意味する。可視光透過率は、JIS K 0115:2004に従い、分光光度計を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
金属調加飾成形品20に用いられる金属調加飾シート30は、基材層31と、基材層31に積層された金属層32と、金属層32の基材層31とは反対側に積層された粘着層33と、を有する。
基材層31は、透明なフィルム状の部材からなり、基材層31に積層された金属層32を適切に支持する。基材層31の材料としては、透明であって、金属層32を適切に支持し、適切に成形し得るものであれば特に制限されないが、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリオレフィン系樹脂などを挙げることができる。
基材層31の厚みは、特に制限されないが、透明性や、金属層32の適切な支持性、及び、成形性などの観点から、25μm以上、250μm以下であるのが好ましく、25μm以上、125μm以下であるのがさらに好ましい。
金属層32は、金属からなり、金属調加飾シート30に金属調の意匠を付与する。この金属層32は、金属光沢性の観点から、金属含有インキで構成されたものではなく、金属の蒸着又はスパッタなどにより形成される金属薄膜により構成されたものであるのが好ましい。金属層32の材料としては、金属調加飾積層体30Aに金属調の意匠を付与し得るものであれば特に制限されないが、例えば、インジウム、スズ、クロム、金、アルミニウムなどを挙げることができる。
図4に示す例では、金属層32は、金属調加飾成形品20表面の法線方向からの観察において、金属が存在する島部32xと、金属が存在しない海部32yと、を有する海島構造をとるものとなっている。このような海島構造をとる金属層32は、例えば、インジウム、スズ、金などにより形成することができる。一例として、この島部32xの幅は、数百nm程度であり、海部32yの幅は、5〜50nm程度である。
金属層32が海島構造をとる金属調加飾シート30は、加熱成形などにおいて引き伸ばされたときに、島部32xが広がらずに、海部32yが広がることになるので、金属調加飾シート30が引き伸ばされたときの意匠への影響が小さいものとなる。一方、金属層32が海島構造をとらずに一様に広がっている金属調加飾シート30は、加熱成形などにおいて引き伸ばされたときに、金属層32に亀裂が生じて意匠性が悪化することになる。また、本発明の発明者らの研究の結果、金属層32が海島構造をとる金属調加飾シート30であっても、金属調加飾シート30の法線方向から観測した島部32xの最長部分の幅の平均が250nmより大きくなると、加熱成形などにおいて引き伸ばされたときに、金属層32に亀裂が生じて意匠性が悪化しやすくなることが見出された。
このような観点から、金属層32は、金属調加飾成形品20表面の法線方向からの観察において、金属が存在する島部32xと、金属が存在しない海部32yと、を有する海島構造をとるものが好ましい。また、金属層32の海島構造の島部32xの最長部分の幅の平均が250nm以下であるのが好ましく、230nm以下であるのがさらに好ましい。また、金属層32は、インジウム、スズ、アルミニウム、金、クロムにより形成されたものが好ましい。
金属層32の厚みは、特に制限されないが、金属光沢感及び金属調加飾シート30の成形性などの観点から、30nm以上、100nm以下とするのが好ましく、40nm以上、80nm以下とするのがさらに好ましい。
粘着層33は、透明な材料からなり、金属調加飾シート30が積層される被着体(例えば、本体部材21)に粘着することのできる層である。粘着層33の材料としては、透明であって、被着体に適切に粘着し得るものであれば特に制限されないが、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、塩化ビニル系樹脂若しくは酢酸ビニル系樹脂、又は、これらの2種以上の混合物若しくは共重合体を挙げることができる。また、粘着層33は、加熱により被着体と熱融着するヒートシール層として構成してもよい。このようなヒートシール層の材料としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの中から選ばれる少なくとも1種の樹脂を挙げることができる。
粘着層33の厚みは、特に制限されないが、透明性、被着体との粘着性、及び、成形性などの観点から、10μm以上、150μm以下とするのが好ましく、25μm以上、50μm以下とするのがさらに好ましい。なお、この粘着層33は、第1実施形態の金属調加飾シート30に必須の構成ではなく、第1実施形態の金属調加飾シート30は、粘着層33を有さないものであってもよい。
図4に示すとおり、金属調加飾成形品20の金属層32は、金属調加飾成形品20表面の法線方向からの観察において金属層32の中に複数の開口部32bと、非開口部32aと、を有している。開口部32bは、金属が存在せずに開口となっている部分である。非開口部32aは、開口部32b以外の部分であって、金属が存在する部分である。図4に示す例では、金属調加飾成形品20表面の法線方向から観察において、円形形状の開口部32bが正方格子状に配列されている。開口部32bの形成方法については後述する。
金属層32の各開口部32bの大きさ及び配列のピッチは、光源11の消灯時の金属調加飾積層体30Aの金属光沢感と、光源11の点灯時の光源からの透過光強度と、のバランスの観点から設定される。一例として、各開口部32bの直径は、50μm以上、250μm以下であり、開口部32bの配列のピッチ(つまり、隣り合う開口部32bの中心間距離)は、80μm以上、700μm以下である。開口部32bが大きくなり、配列のピッチが小さくなるほど、円形形状の開口部32bが視認されやすくなり、その結果、金属光沢感が悪化する。他方、開口部32bが小さくなり、配列のピッチが大きくなるほど、光源からの透過光強度が小さくなる。
図5は、金属層32の開口部32bの別の構成例を示す金属調加飾成形品20の正面図である。図5に示す例では、ストライプ形状の開口部32bが並んで配置されている。一例として、各開口部32bの幅は、50μm以上、250μm以下であり、開口部32bの配列のピッチは、100μm以上、2500μm以下である。開口部32bの幅が大きくなり、配列のピッチが小さくなるほど、ストライプ形状の開口部32bが視認されやすくなり、その結果、金属光沢感が悪化する。他方、開口部32bの幅が小さくなり、配列のピッチが大きくなるほど、光源からの透過光強度が小さくなる。
金属層32における開口部32bの領域の割合(以下、「開口率」という。)は、光源の点灯時において光源からの透過光強度を十分に得るために、10%以上とするのが好ましく、さらに十分な明るさの透過光強度を得るために、20%以上とするのがさらに好ましい。また、金属層32の開口率は、光源11の消灯時において十分な金属光沢感を得るために、50%以下とするのが好ましく、さらに十分な金属光沢感を得るために、40%以下とするのがさらに好ましい。
なお、金属層32の開口率は、金属層32のうちの開口部32bが占める面積の割合であって、(開口率)=(開口部32bの面積の合計)/((非開口部32aの面積の合計)+(開口部32bの面積の合計))×100の式を用いて算出することができる。
図6A及び図6Bは、第1実施形態の金属調加飾成形品20の別の構成例を示す断面図である。
図6Aに示す金属調加飾成形品20に用いられる金属調加飾シート30は、基材層31と金属層32との間に、プライマー層34が積層されている。プライマー層34は、透明な材料からなり、金属層32と基材層31との密着性を高めたり、他の層に含まれる成分(例えば、塩素など)による金属層32の劣化を抑制したりするための層である。プライマー層34の材料は、このような機能を有するものであれば特に制限されないが、例えば、主材としてのアクリルポリオールと硬化剤としてのイソシアネート化合物との反応生成物を挙げることができる。プライマー層34の厚みは、特に制限されないが、透明性、金属層32と基材層31との密着性、金属層32の劣化防止、及び、成形性などの観点から、0.5μm以上、5.0μm以下とするのが好ましく、1.0μm以上、3.0μm以下とするのがさらに好ましい。
図6Bに示す金属調加飾成形品20に用いられる金属調加飾シート30は、被着体と粘着する粘着層33が基材層31の金属層とは反対側に積層されているとともに、金属層32の基材層31とは反対側に表面保護層35が積層されている。また、この金属調加飾シート30は、図6Aの金属調加飾シート30と同様、基材層31と金属層32との間に、プライマー層34が積層されている。表面保護層35は、透明な材料からなり、金属層32を保護するための層である。
表面保護層35は、金属調加飾シート30の耐薬品性、耐傷付き性などを高める。本発明において、表面保護層35を形成する樹脂としては、特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、金属調加飾シート30の耐傷付き性を高め、優れた表面特性を付与する観点からは、電離放射線硬化性樹脂が好ましいが、表面保護層35を形成する樹脂は、金属調加飾シート30の用途に応じて適宜選択することができる。表面保護層35は、例えば電離放射線硬化性樹脂1層により形成されていてもよいし、これらの2層以上により形成されていてもよい。
熱硬化性樹脂としては、特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂などが挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂;などが挙げられる。
表面保護層35の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合したものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(U V)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層35の形成において好適に使用される。
電離放射線硬化性樹脂として使用される上記モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)、好ましくは3個以上(3官能以上)有する(メタ)アクリレートモノマーであればよい。多官能性(メタ)アクリレートとして、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ) アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、電離放射線硬化性樹脂として使用される上記オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーが好適であり、中でも分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等)等が挙げられる。ここで、ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端または側鎖に(メタ)アクリレート基を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリカーボネートポリオールを(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートなどであってもよい。ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールと、多価イソシアネート化合物と、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。アクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、シリコーンマクロモノマーを(メタ)アクリレートモノマーとラジカル共重合させることにより得ることができる。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物の反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレートを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートも用いることができる。ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、或いは多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレートは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。シリコーン(メタ)アクリレートは、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーンの末端又は側鎖に(メタ)(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。これらの中でも、多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが特に好ましい。これらのオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記した電離放射線硬化性樹脂の中でも、優れた三次元成形性を得る観点からは、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。また、三次元成形性と耐傷付き性を両立する観点からは、ポリカーボネート(メタ)アクリレートとウレタン(メタ)アクリレートを組み合わせて使用することがより好ましい。また、電離放射線硬化性樹脂として多官能性(メタ)アクリレートモノマーを用いる場合、優れた三次元成形性を得る観点からは、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂と組み合わせて使用することが好ましく、三次元成形性と耐傷付き性を両立する観点からは、電離放射線硬化性樹脂組成物中の多官能性(メタ)アクリレートモノマーと熱可塑性樹脂との質量比を25:75〜75:25とすることがより好ましい。
表面保護層35の厚みは、特に制限されないが、透明性、金属層32の保護、及び、成形性などの観点から、1μm以上、10μm以下とするのが好ましく、1μm以上、5μm以下とするのがさらに好ましい。
このように、第1実施形態の金属調加飾成形品20は、その金属調加飾シート30が、基材層31及び金属層32以外の層を有するものであってもよく、また、基材層31の金属層32とは反対側に被着体と粘着する粘着層33が積層されたものであってもよい。
また、以上の構成を有する金属調加飾成形品20は、その全光線透過率が、15%以上、50%以下であるのが好ましく、20%以上、40%以下であるのがさらに好ましい。この全光線透過率は、JIS K 7361−1:1997に従って測定される。全光線透過率が15%より小さくなると、光源11からの透過光強度が十分に得られなくなり、全光線透過率が50%より大きくなると、光源11の消灯時において十分な金属光沢感を得ることができなくなる。
次に、第1実施形態の金属調加飾成形品20の製造方法を説明する。
図7Aから図7Eは、第1実施形態の金属調加飾成形品20の製造方法を示す断面図である。
最初に、図7Aに示すように、基材層31に金属層32を積層する。金属層32は、例えば、真空蒸着法などの蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、めっき法、金属を含むペーストを塗工する方法などにより形成される。特に、金属光沢感のある金属層32を形成する観点から、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、めっき法が好ましく、コスト及び基材層31が受けるダメージの観点から、蒸着法がさらに好ましい。
次に、図7Bに示すように、金属層32の基材層31とは反対側に粘着層33を積層する。粘着層33は、例えば、粘着層33の材料の塗布又は粘着シートの貼り付けなどによって形成される。これにより、金属調加飾シート30が製造される。
次に、図7C及び図7Dに示すように、上述の工程によって製造された金属調加飾シート30を本体部材21に積層する。金属調加飾シート30の本体部材21への積層は、例えば、所定の形状に成形された本体部材21に金属調加飾シート30を加熱成形によって貼り合わせることにより行うことができる。
また、金属調加飾シート30の本体部材21への積層は、金属調加飾シート30に対して、本体部材21の材料を、インサート成形法、インモールド成形法などの各種射出成形法によって射出成形することによって行うこともできる。
次に図7Eに示すように、金属層32にレーザー照射を行うことにより、開口部32bを形成する。これにより、金属調加飾成形品20が製造される。
この開口部32bの形成については、金属調加飾シート30を製造する段階で行うというというのが通常考えられる方法である。なぜなら、本体部材21及び粘着層33と基材層31とに挟まれた領域に閉じ込められている金属層32にレーザー照射を行っても、レーザー照射により飛ばされた金属の逃げ場がなく、基材層31に膨れなどの外観異常が発生し、適切に開口部32bを形成できないと考えられるからである。しかし、本発明の発明者は、あえて本体部材21に金属調加飾シート30を積層した後に開口部32bを形成するという着想を得て、実際にそのような工程で開口部32bを形成してみたところ、意外にも、基材層31に膨れなどの外観異常が発生することなく、適切に開口部32bが形成されることが確認された。特に、金属層32が前述の海島構造をとる場合、この傾向が顕著である。
さらに、インジウム又はスズにより形成され、海島構造を有する金属層32に遠赤外線波長の炭酸ガスレーザ照射によって開口部32bを形成したところ、その開口部32bの周辺において、島部32xがつながって連続構造となることが確認された。一方、インジウム又はスズにより形成され、海島構造を有する金属層32に紫外線波長から赤外線波長のレーザー照射によって開口部32bを形成したところ、その開口部32bの周辺は、意外にも、島部32xがつながって連続構造となることなく、海島構造を保つとともに、島部32xの分布密度が、開口部32bの中心方向へ行くほど低くなるように、連続的に変化していることが確認された。そして、紫外線波長から赤外線波長のレーザー照射によって形成された開口部32bは、その周辺において島部32xの分布密度が連続的に変化していることから、開口部32bが目立ちにくいものとなることが確認された。そのため、金属層32の開口部32bは、紫外線波長から赤外線波長のレーザー照射によって形成されるのが好ましい。レーザー照射のパルス幅は、ナノ秒、ピコ秒、フェムト秒が好ましい。パルス幅がマイクロ秒の場合、レーザー照射部分に熱がたまり基材層31などが損傷する虞がある。また、パルス幅が短くなるほどレーザー装置が高価なものとなる。そのため、基材層31などへ影響とコストとのバランスの観点から、レーザー照射のパルス幅は、ナノ秒が好ましい。
以上の第1の実施形態の金属調加飾成形品20の製造方法は、本体部材21に金属層32を積層する金属層形成工程と、この金属層形成工程の後、金属層32に、レーザー照射を行うことにより、複数の開口部32bを形成する開口部形成工程と、を有する。そして、その金属層形成工程は、基材層31と金属層32とを有する金属調加飾シート30を本体部材21に積層するものである。
このような第1の実施形態の金属調加飾成形品20の製造方法では、本体部材21に金属調加飾シート30を積層した後に開口部32bを形成するので、金属層32に任意の形状及び配置を有する開口部32bを形成することが可能となっている。つまり、第1の実施形態の金属調加飾成形品20の製造方法は、開口部32bの形状の制御が容易なものとなっている。
例えば、この第1の実施形態の金属調加飾成形品20の製造方法では、曲面を有する本体部材21の表面に同一形状で等間隔に配置された開口部32bを形成することや、本体部材21の表面において形状及び配置が連続的に変化する開口部32bを形成することや、本体部材21の表面の一部のパターニングされた領域に開口部32bを形成することなどが可能となっている。
また、曲面を有する本体部材21に金属調加飾シート30を加熱成形などにより積層した場合、金属調加飾シート30が大きく引き伸ばされている領域ほど、金属調加飾シート30の厚みが小さくなる。そして、金属調加飾シート30の厚みが小さくなると、その全光線透過率が大きくなる。そのため、全光線透過率の面内均一性の観点から、金属調加飾シート30の厚みが小さい領域ほど金属層32の開口率が小さくなっていることが好ましい。
つまり、第1実施形態の金属調加飾成形品20は、曲面を有する本体部材21と、複数の開口部が形成された金属層32を有する金属調加飾シート30と、を有し、金属層32は、金属調加飾シート30の厚みが小さい領域ほどその開口率が小さくなっているものが好ましい。この金属調加飾シート30の厚み及び金属層32の開口率の評価は、例えば、金属調加飾シート30を10mm×10mmの領域に区分し、それぞれの領域における金属調加飾シート30の厚みの平均値及び金属層32の開口率を用いることにより行うことができる。
また、金属層32が上述の島部32xと海部32yを有する海島構造をとる場合、金属調加飾シート30が大きく引き伸ばされている領域ほど、金属層32において海部32yの占める割合が大きくなる。そして、金属層32は、その海部32yの占める割合が大きい領域ほど、その全光線透過率が大きくなる。そのため、全光線透過率の面内均一性の観点から、その海部32yの占める割合が大きい領域ほど金属層32の開口率が小さくなっていることが好ましい。
つまり、第1実施形態の金属調加飾成形品20は、曲面を有する本体部材21と、複数の開口部が形成された金属層32と、を有し、金属層32は、島部32xと海部32yを有する海島構造をとり、その海部32yの占める割合が大きい領域ほどその開口率が小さくなっているものが好ましい。この金属層32の海部32yの占める割合及び開口率の評価は、例えば、金属層32を10mm×10mmの領域に区分し、それぞれの領域における金属層32の海部32yの占める割合及び開口率を用いることにより行うことができる。
この第1の実施形態の金属調加飾成形品20の製造方法では、このような金属層32の開口部32bの形成を容易に行うことが可能である。
次に、本発明の第2の実施形態(以下、「第2実施形態」という。)の金属調加飾成形品20及び表示装置10について説明する。
第2実施形態の金属調加飾成形品20及び表示装置10は、金属調加飾成形品20の金属調加飾積層体30Aの構成及び金属調加飾成形品20の製造方法において第1実施形態の金属調加飾成形品20及び表示装置10と異なっているが、それ以外の構成は第1実施形態の金属調加飾成形品20及び表示装置10と同一である。
図8は、第2の実施形態の金属調加飾成形品20の構成を示す断面図である。
第2実施形態の金属調加飾成形品20は、板状の本体部材21と、本体部材21に積層された金属調加飾積層体30Aと、を有する。上述の第1実施形態の金属調加飾積層体30Aは、金属調加飾シート30によって構成されていることを特徴とするものであったが、第2実施形態の金属調加飾積層体30Aは、後述のとおり、本体部材21表面に直接形成されたものであることを特徴とする。
金属調加飾積層体30Aは、金属層32と、金属層32の本体部材21とは反対側に積層された表面保護層35と、を有する。
金属層32は、金属からなり、金属調加飾成形品20の表面に金属調の意匠を付与する。この金属層32は、金属光沢性の観点から、金属含有インキで構成されたものではなく、金属の蒸着又はスパッタなどにより形成される金属薄膜により構成されたものであるのが好ましい。金属層32の材料としては、金属調加飾シート30に金属調の意匠を付与し得るものであれば特に制限されないが、例えば、インジウム、スズ、クロム、金、アルミニウムなどを挙げることができる。
金属層32の厚みは、特に制限されないが、金属光沢感及び金属調加飾シート30の成形性などの観点から、30nm以上、100nm以下とするのが好ましく、40nm以上、80nm以下とするのがさらに好ましい。
表面保護層35は、透明な材料からなり、金属層32を保護するための層である。表面保護層35は、金属調加飾積層体30Aの耐薬品性、耐傷付き性などを高める。本発明において、表面保護層35を形成する樹脂としては、特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、金属調加飾積層体30Aの耐傷付き性を高め、優れた表面特性を付与する観点からは、電離放射線硬化性樹脂が好ましいが、表面保護層35を形成する樹脂は、金属調加飾成形品20の用途に応じて適宜選択することができる。表面保護層35は、例えば電離放射線硬化性樹脂1層により形成されていてもよいし、これらの2層以上により形成されていてもよい。熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及び電離放射線硬化性樹脂の具体例については、第1実施形態の金属調加飾シート30の表面保護層35と同様である。
表面保護層35の厚みは、特に制限されないが、透明性及び金属層32の保護などの観点から、1μm以上、10μm以下とするのが好ましく、1μm以上、5μm以下とするのがさらに好ましい。なお、この表面保護層35は、第2実施形態の金属調加飾成形品20に必須の構成ではなく、第2実施形態の金属調加飾成形品20は、表面保護層35を有さないものであってもよい。
また、第2実施形態の金属調加飾成形品20の金属層32は、第2実施形態と同様、金属調加飾成形品20表面の法線方向からの観察において、金属層32の中に複数の開口部32bと、非開口部32aと、を有している。第2実施形態の金属調加飾成形品20の金属層32の好ましい開口部32bの構成及び開口率は、第1実施形態と同じである。
図9は、第2実施形態の金属調加飾成形品20の別の構成例を示す断面図である。
図9に示す金属調加飾成形品20は、本体部材21と金属層32との間に、プライマー層34が積層されている。プライマー層34は、透明な材料からなり、金属層32と本体部材21との密着性を高めたり、他の層に含まれる成分(例えば、塩素など)による金属層32の劣化を抑制したりするための層である。プライマー層34の材料は、このような機能を有するものであれば特に制限されないが、例えば、主材としてのアクリルポリオールと硬化剤としてのイソシアネート化合物との反応生成物を挙げることができる。プライマー層34の厚みは、特に制限されないが、透明性、金属層32と本体部材21との密着性、金属層32の劣化防止、及び、成形性などの観点から、0.5μm以上、5.0μm以下とするのが好ましく、1.0μm以上、3.0μm以下とするのがさらに好ましい。
このように、第2実施形態の金属調加飾成形品20は、金属層32及び表面保護層35以外の層を有するものであってもよい。
また、以上の構成を有する第2実施形態の金属調加飾成形品20は、第1実施形態の金属調加飾成形品20と同様、その全光線透過率が、15%以上、50%以下であるのが好ましく、20%以上、40%以下であるのがさらに好ましい。
次に、第2実施形態の金属調加飾成形品20の製造方法を説明する。
図10Aから図10Cは、第2実施形態の金属調加飾成形品20の製造方法を示す断面図である。
最初に、図10Aに示すように、本体部材21に金属層32を積層する。金属層32は、例えば、真空蒸着法などの蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、めっき法、又は、金属を含むペーストを塗工する方法により積層される。特に、金属光沢感のある金属層32を形成する観点から、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、めっき法が好ましく、コスト及び基材層31が受けるダメージの観点から、蒸着法又スパッタリング法がさらに好ましい。
次に、図10Bに示すように、金属層32に表面保護層35を積層する。表面保護層35は、例えば、表面保護層35の材料の塗布又は表面保護シートの貼り付けなどによって形成される。
次に、図10Cに示すように、金属層32にレーザー照射を行うことにより、開口部32bを形成する。これにより、金属調加飾成形品20が製造される。
この開口部32bの形成については、金属層32に表面保護層35を積層する前に開口部32bを形成し、その後に表面保護層35を積層するというというのが通常考えられる方法である。なぜなら、本体部材21と表面保護層35とに挟まれた領域に閉じ込められている金属層32にレーザー照射を行っても、レーザー照射により飛ばされた金属の逃げ場がなく、表面保護層35に膨れなどの外観異常が発生し、適切に開口部32bを形成できないと考えられるからである。
しかし、本発明の発明者は、あえて金属層32に表面保護層35を積層した後に開口部32bを形成するという着想を得て、実際にそのような工程で開口部32bを形成してみたところ、意外にも、表面保護層35に膨れなどの外観異常が発生することなく、適切に開口部32bが形成されることが確認された。特に、金属層32が前述の海島構造をとる場合、この傾向が顕著である。この観点から、第2実施形態の金属調加飾成形品20の金属層32も、海島構造をとるものが好ましい。この金属層32に表面保護層35を積層した後に開口部32bを形成する方法によると、レーザー照射の工程の前又はその最中において、金属層32の蒸着面などに傷がつくことを防止することができる。
図11Aから図11Cは、第2実施形態の金属調加飾成形品20の別の製造方法を示す断面図である。
この製造方法においては、最初に、図11Aに示すように、本体部材に21に金属層32を積層する。次に、図11Bに示すように、金属層32に開口部32bを形成する。次に、図11Cに示すように、金属層32に表面保護層35を積層する。これにより、金属調加飾成形品20が製造される。
以上の第2の実施形態の金属調加飾成形品20の製造方法は、本体部材21に金属層32を積層する金属層形成工程と、この金属層形成工程の後、金属層32に、レーザー照射を行うことにより、複数の開口部32bを形成する開口部形成工程と、を有する。そして、その金属層形成工程は、本体部材21に金属を蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、めっき法、又は、金属を含むペーストを塗工する方法により積層するものである。また、第2の実施形態の金属調加飾成形品20の製造方法は、その金属層形成工程の後に、金属層32に表面保護層35を積層する表面保護層形成工程を有していてもよい。また、この表面保護層形成工程は、金属層形成工程とその開口部形成工程との間になされてもよい。
このような第2実施形態の金属調加飾成形品20の製造方法では、本体部材21に金属層32を積層した後に開口部32bを形成するので、任意の形状及び配置を有する開口部32bを形成することが可能となっている。つまり、第2の実施形態の金属調加飾成形品20の製造方法は、開口部32bの形状の制御が容易なものとなっている。例えば、この金属調加飾成形品20の製造方法では、曲面を有する本体部材21表面に同一形状で等間隔に配置された開口部32bを形成することや、本体部材21表面において形状及び配置が連続的に変化する開口部32bを形成することや、本体部材21表面の一部のパターニングされた領域に開口部32bを形成することなどが可能となっている。また、金属層形成工程の後に表面保護層形成工程を有する場合、金属層32の傷つきを防止することができる。また、金属層形成工程とその開口部形成工程との間に表面保護層形成工程を有する場合、開口部形成工程を含む製造時における金属層32の傷つきを防止することができる。
以上で説明したように、第1実施形態及び第2実施形態の金属調加飾成形品20及び表示装置10は、光源11の消灯時における金属光沢感と光源11の点灯時における光源11からの強い透過光強度とが両立し、意匠性及び機能性に優れたものとなっている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の金属調加飾成形品20及び表示装置10は上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の金属調加飾シート30、金属調加飾成形品20及び表示装置10は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加を行うことができる。
10 表示装置
11 光源
12 遮蔽マスク
12a 遮蔽部
12b 光透過部
20 金属調加飾成形品
21 本体部材
30 金属調加飾シート、30A 金属調加飾積層体
32 金属層
32a 非開口部
32b 開口部
32x 島部
32y 海部
33 粘着層
34 プライマー層
35 表面保護層

Claims (12)

  1. 本体部材に金属層を積層する金属層形成工程と、
    前記金属層形成工程の後、前記金属層に、レーザー照射を行うことにより、複数の開口部を形成する開口部形成工程と、を有する
    金属調加飾成形品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の金属調加飾成形品の製造方法であって、
    前記金属層は、金属が存在する島部と金属が存在しない海部とを有する海島構造をとる金属調加飾成形品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の金属調加飾成形品の製造方法であって、
    前記金属層形成工程は、基材層と前記金属層とを有する金属調加飾シートを前記本体部材に積層するものである金属調加飾成形品の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の金属調加飾成形品の製造方法であって、
    前記金属層形成工程は、金属を前記本体部材に蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、めっき法、又は、金属を含むペーストを塗工する方法により積層するものである金属調加飾成形品の製造方法。
  5. 請求項1、2又は4のいずれか1つに記載の金属調加飾成形品の製造方法であって、
    さらに、前記金属層形成工程の後、前記金属層に表面保護層を積層する表面保護層形成工程を有する金属調加飾成形品の製造方法。
  6. 請求項5に記載の金属調加飾成形品の製造方法であって、
    前記表面保護層形成工程は、前記金属層形成工程と前記開口部形成工程との間になされる金属調加飾成形品の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の金属調加飾成形品の製造方法によって製造された金属調加飾成形品であって、
    前記金属層の開口率は、10%以上、50%以下である金属調加飾成形品。
  8. 請求項1から6のいずれか1つに記載の金属調加飾成形品の製造方法によって製造された金属調加飾成形品であって、
    JIS K 7361−1:1997に従って測定される全光線透過率が、15%以上、50%以下である金属調加飾成形品。
  9. 曲面を有する本体部材と、複数の開口部が形成された金属層を有する金属調加飾シートと、を有し、
    前記金属層は、前記金属調加飾シートの厚みが小さい領域ほどその開口率が小さくなっている
    金属調加飾成形品。
  10. 曲面を有する本体部材と、複数の開口部が形成された金属層と、を有し、
    前記金属層は、島部と海部とを有する海島構造をとり、前記海部の占める割合が大きい領域ほどその開口率が小さくなっている
    金属調加飾成形品。
  11. 請求項7から10のいずれか1つに記載の金属調加飾成形品と、
    前記金属調加飾成形品の背面側に配置された光源と、を備える
    表示装置。
  12. 請求項11に記載の表示装置であって、
    さらに、前記光源と前記金属調加飾成形品との間に配置され、遮蔽部と所定の形状にパターニングされた光透過部とを有する遮蔽マスクを備える表示装置。
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