JP2021117029A - コンデンサの監視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンデンサの異常判定における誤判定を防止し、監視対象のコンデンサの劣化状況をより正確に把握できるコンデンサの監視装置を得ることを目的とする。【解決手段】コンデンサの監視装置100は、監視対象のコンデンサのコンデンサ容量を演算する計測部10A〜10Cと、コンデンサのコンデンサ容量を含むコンデンサ容量データCdを計測部から取得して、コンデンサ容量に基づいて監視対象のコンデンサの異常の有無を判定するデータ処理部20とを備え、データ処理部20は、複数のコンデンサ容量データCdにより構成される配列データを、予め定められたコンデンサ容量の幅を一区間とする区間A〜Kで分割し、最も多くのコンデンサ容量データが含まれる区間を最頻区間として決定した後、最頻区間の中央値C1と予め定められた閾値thとを比較することにより、コンデンサの異常の有無を判定する。【選択図】図3
Description
本願は、コンデンサの監視装置に関するものである。
従来のコンデンサの監視装置は、監視対象のコンデンサ容量を一定時間毎に計測して1日の平均計測値を取得し、この平均計測値と寿命判断の閾値とを比較することで異常判定を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記のようなコンデンサの監視装置では、平均計測値計算の基礎となる計測値のうち、例えば半数以上が一時的な外部要因により大きく低下した場合、監視対象のコンデンサのコンデンサ容量が正常であっても異常判定をしてしまう虞がある。このような外部要因としては、いわゆるフレッティングコロージョンに起因するコネクタ部の接触抵抗上昇などが挙げられる。すなわち、スイッチギヤまたは配電盤において、遮断器の動作に伴う微小振動により電子機器のコネクタ部のめっきが剥がれ、剥がれためっきが通電電流により酸化することでコネクタ部の接触抵抗が上昇することがある。そして、このようなコネクタ部の接触抵抗の上昇はコンデンサ容量の計測値を実際の値よりも小さくしてしまう。フレッティングコロージョン等による接触抵抗の上昇が起こりうる場合は、コンデンサ容量が実際の値よりも小さく計測されるため、監視対象のコンデンサに対する正確な異常判定を行えず、監視対象のコンデンサの劣化状況を正確に把握できない虞があるという問題点がある。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、コンデンサの異常判定における誤判定を防止し、監視対象のコンデンサの劣化状況をより正確に把握できるコンデンサの監視装置を得ることを目的とする。
本願に開示されるコンデンサの監視装置は、直列に接続された放電抵抗と放電スイッチとを含み、監視対象のコンデンサと並列に接続された放電回路と、放電スイッチを導通させることによりコンデンサを放電させ、放電によるコンデンサの電圧降下値を用いてコンデンサのコンデンサ容量を演算する計測部と、コンデンサのコンデンサ容量を含むコンデンサ容量データを計測部から取得して、コンデンサ容量に基づいてコンデンサの異常の有無を判定するデータ処理部とを備えるコンデンサの監視装置であって、データ処理部は、複数のコンデンサ容量データにより構成される配列データを、予め定められたコンデンサ容量の幅を一区間とする区間で分割し、最も多くのコンデンサ容量データが含まれる区間を最頻区間として決定した後、最頻区間の代表値と予め定められた閾値とを比較することにより、コンデンサの異常の有無を判定するものである。
本願に開示されるコンデンサの監視装置によれば、コンデンサの異常判定における誤判定を防止し、監視対象のコンデンサの劣化状況をより正確に把握することができる。
実施の形態1.
実施の形態1を図1から図5に基づいて説明する。図1は、実施の形態1におけるコンデンサの監視装置の構成を示すブロック図である。コンデンサの監視装置100は、それぞれの監視対象のコンデンサのコンデンサ容量を計測する複数の計測部10A、10B、10Cと、計測部10A〜10Cの計測結果に対して所定の演算を施し、コンデンサの異常判定を行うデータ処理部20と、データ処理部20の演算結果などを記憶する記憶部30と、監視対象のコンデンサに異常があると判定された場合に警報を発報する警報部40と、監視対象のコンデンサの状況を表示する表示部50とを備えている。
実施の形態1を図1から図5に基づいて説明する。図1は、実施の形態1におけるコンデンサの監視装置の構成を示すブロック図である。コンデンサの監視装置100は、それぞれの監視対象のコンデンサのコンデンサ容量を計測する複数の計測部10A、10B、10Cと、計測部10A〜10Cの計測結果に対して所定の演算を施し、コンデンサの異常判定を行うデータ処理部20と、データ処理部20の演算結果などを記憶する記憶部30と、監視対象のコンデンサに異常があると判定された場合に警報を発報する警報部40と、監視対象のコンデンサの状況を表示する表示部50とを備えている。
計測部10A〜10Cは、それぞれの監視対象のコンデンサについて、そのコンデンサ容量を複数回計測し、計測したコンデンサ容量をコンデンサ容量データCdとしてデータ処理部20に伝送する。
データ処理部20は、計測部10A〜10Cからのコンデンサ容量データCdを統計的に処理することにより、計測部10A〜10Cがそれぞれ監視対象とするコンデンサついて異常判定を行い、警報の発報が必要か否かを判定する。データ処理部20は、異常が判定されたコンデンサについて、警報部40に対して発報指示を出力する。
記憶部30は、異常判定用の閾値を予め記憶するとともに、計測部10A〜10Cによるコンデンサ容量の計測結果およびデータ処理部20による演算、および判定結果などをログとして記憶する。記憶部30が記憶するログには、それぞれの監視対象のコンデンサの毎に、コンデンサ容量データCd、異常判定を実施した日時、および判定結果などの情報が含まれている。
次に、計測部10Aの構成について、より具体的に説明する。図2は、実施の形態1に係る計測部の構成を示す回路図である。計測部10Aは、監視対象のコンデンサであるコンデンサ12のコンデンサ容量を計測するものであり、電源13と、放電回路14と、抵抗分圧回路15と、A/D(アナログ/デジタル)変換回路16と、制御演算部17とを備える。コンデンサ12、放電回路14、および抵抗分圧回路15は、互いに並列に接続されている。
電源13は、コンデンサ12に直流電力を供給して電力エネルギーを蓄積させるDC電源13aと、コンデンサ12とDC電源13aとの間に接続され、コンデンサ12に印加する電圧の大きさを調整するDC/DCコンバータ13bとを有する。放電回路14は、互いに直列に接続された放電抵抗14a(抵抗値Rd)および放電スイッチ14bを有する。放電スイッチ14bは、例えばトランジスタであり、そのスイッチングにより、コンデンサ12に蓄積された電力エネルギーを放電させる。抵抗分圧回路15は、コンデンサ12のコンデンサ電圧を分圧するためのものであり、互いに直列に接続された第1の抵抗15a(抵抗値R1)および第2の抵抗15b(抵抗値R2)を有する。
A/D変換回路16は、増幅器16aとA/Dコンバータ16bとを有する。増幅器16aの非反転入力端子および反転入力端子は第2の抵抗15bの両端に接続されており、増幅器16aは、抵抗分圧回路15で分圧されたコンデンサ電圧を増幅する。増幅器16aの出力端子はA/Dコンバータ16bに接続されており、増幅器16aで増幅されたコンデンサ電圧がA/Dコンバータ16bによりアナログ量からデジタル量に変換される。
制御演算部17は、A/Dコンバータ16bの出力側に接続され、A/Dコンバータ16bによりデジタル量に変換されたコンデンサ電圧からコンデンサ12のコンデンサ容量Ckを算出する。また制御演算部17は、コンデンサ12の充電指令および充電停止指令をDC/DCコンバータ13bに出力してコンデンサ12の充電を制御するとともに、導通指令および遮断指令を放電スイッチ14bに出力し、コンデンサ12の放電を制御する。
コンデンサ容量Ckの算出について説明する。コンデンサ12に蓄積される電荷量が放電によりΔQ減少し、電圧降下値ΔVで電圧降下が起こる場合、Ck=ΔQ/ΔVより、以下の式(1)が成立する。
Ck=(Id×T)/ΔV=(V0×T)/(ΔV×Rd)・・(1)
ここで、Idは放電電流であり、Id=V0/Rdである。また、Tは放電時間、V0は初期電圧である。式(1)より、電圧降下値ΔVからコンデンサ容量Ckを求めることができる。電圧降下値ΔVは初期電圧V0と放電終了後のコンデンサ電圧の差なので、放電前後でコンデンサ12のコンデンサ電圧を計測すればよい。制御演算部17は、予め定められたタイミングでコンデンサ容量Ckの計測を行い、結果をコンデンサ容量データCdとしてデータ処理部20に伝送する。コンデンサ容量データCdの伝送は、1回の計測毎に行ってもよいし、計測部10A側でコンデンサ容量データCdを一時的に記憶しておき、複数のコンデンサ容量データCdをまとめて伝送してもよい。
なお、計測部10Bおよび計測部10Cについても計測部10Aと同様であるので、説明を省略する。
Ck=(Id×T)/ΔV=(V0×T)/(ΔV×Rd)・・(1)
ここで、Idは放電電流であり、Id=V0/Rdである。また、Tは放電時間、V0は初期電圧である。式(1)より、電圧降下値ΔVからコンデンサ容量Ckを求めることができる。電圧降下値ΔVは初期電圧V0と放電終了後のコンデンサ電圧の差なので、放電前後でコンデンサ12のコンデンサ電圧を計測すればよい。制御演算部17は、予め定められたタイミングでコンデンサ容量Ckの計測を行い、結果をコンデンサ容量データCdとしてデータ処理部20に伝送する。コンデンサ容量データCdの伝送は、1回の計測毎に行ってもよいし、計測部10A側でコンデンサ容量データCdを一時的に記憶しておき、複数のコンデンサ容量データCdをまとめて伝送してもよい。
なお、計測部10Bおよび計測部10Cについても計測部10Aと同様であるので、説明を省略する。
なお、コンデンサ容量Ckを正確に計測するためには、コンデンサ12のコンデンサ電圧を正確に計測する必要がある。しかしながら、制御演算部17に入力される電圧値は、抵抗分圧回路15でR2/(R1+R2)に分圧され、かつ、A/D変換回路16において増幅およびデジタル変換されるため、接触抵抗の異常な上昇など、コネクタ部の抵抗値上昇が生じていると、コンデンサ12のコンデンサ電圧を正確に計測することができず、式(1)で算出されるコンデンサ容量Ckも不正確になる虞がある。
データ処理部20は、予め定められた取得タイミングで計測部10A〜10Cからコンデンサ容量データCdを取得し、監視対象のコンデンサ毎に分け、同じコンデンサの複数のコンデンサ容量データCdを配列データとして記憶する。データ処理部20は、特定のコンデンサについて予め定められた数のコンデンサ容量データCdを取得すると、そのコンデンサから取得されたコンデンサ容量データCdに対して処理を実施する。図3は、実施の形態1に係るコンデンサ容量データの処理について説明する図である。なお、図3に示すデータは一例である。データ処理部20は、図3に示すように、コンデンサ容量データCdを取得順に「インデックス」を付し、その内容(コンデンサ容量Ck)を「計測値」として、インデックスおよび「計測値」を配列データ901として保持する。予め定められた数(図3では20)の「計測値」を取得すると、データ処理部20は、「計測値」の大きさ順にコンデンサ容量データCdを並べ替え、配列データ9011を得る。図3の例では、「計測値」の昇順にコンデンサ容量データCdを並べている。さらに、データ処理部20は、「計測値」の大きさ順に並べられたコンデンサ容量データCdによって構成される配列データ9011を、予め定められたコンデンサ容量の幅を一区間として区切る。図3の例では、最初の区間を「2951μFから3000μF」、「一区間50μF」として配列データ9011を区切っている。区別のため、各区間にはA、B、C、・・・Kとアルファベットなどの符号を付す。なお、コンデンサ容量データCdを並べ替える手法は特に限定されず、例えばクイックソートまたはバブルソートを用いることができる。
配列データ9011を区間A〜Kの各区間に区切った後、データ処理部20は、各区間のうち最も多くのコンデンサ容量データCdを含む区間を「最頻区間」として決定する。図3の例では、5つのコンデンサ容量データCdを含む区間Kが「最頻区間」となる。データ処理部20は、この最頻区間の代表値として、最頻区間の中央値C1を取得する。図3の例では、最頻区間である区間Kに含まれるコンデンサ容量データCdが5つであるため、インデックスが小さい方から3つ目の「計測値」、すなわち、インデックスが17の「計測値」が最頻区間の中央値C1となる。図3の例のように最頻区間に含まれるデータ数が奇数の場合、中心となる1つの値を最頻区間の中央値C1とする。最頻区間に含まれるデータ数が偶数の場合、中心となる2つの値のうち数値が大きい方を最頻区間の中央値C1として採用する。ただし、中心となる2つの値のうち数値が小さい方、あるいは中心となる2つの値の平均値を最頻区間の中央値C1として採用してもよい。データ処理部20は、最頻区間の中央値C1を予め定められた閾値Cthと比較し、警報発報の要否を判定する。
なお、データによっては、最頻区間が複数となる場合がある。このような場合、コンデンサ容量Ckの初期値に最も近い区間を最頻区間として決定することが考えられる。
ここで、コンデンサの監視装置100の各機能部を実現するハードウェア構成について説明する。図4は、実施の形態1におけるコンデンサの監視装置を示すハードウェア構成図である。なお、図4に示すハードウェア構成は一例であり、これに限られるものではない。コンデンサの監視装置100は、主に、プロセッサ91と、主記憶装置としてのメモリ92および補助記憶装置93から構成される。プロセッサ91は、例えばCPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などで構成される。メモリ92はランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置で構成され、補助記憶装置93はフラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置またはハードディスクなどで構成される。補助記憶装置93には、プロセッサ91が実行する所定のプログラムが記憶されており、プロセッサ91は、このプログラムを適宜読み出して実行し、各種演算処理を行う。この際、補助記憶装置93からメモリ92に上記所定のプログラムが一時的にメモリ92に保存され、プロセッサ91はメモリ92からプログラムを読み出す。図1、図2に示した各機能部による処理、特にデータ処理部20および制御演算部17の演算処理は、上記のようにプロセッサ91が所定のプログラムを実行することで実現される。また、記憶部30によるログなどの保存は、補助記憶装置93により実現される。
警報器インターフェース94は、例えばアラームなどの警報器101に接続され、プロセッサ91からの発報指示を警報器101に出力する。表示装置インターフェース95は、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置102に接続され、各種演算結果、監視対象のコンデンサのステータス、および警告表示などを表示装置102に出力する。警報部40は、警報器インターフェース94および警報器101により実現される。表示部50は、表示装置インターフェース95および表示装置102により実現される。
次に、動作について説明する。図5は、実施の形態1におけるコンデンサの監視装置の動作を示すフロー図である。なお、ここでは計測部10Aのコンデンサ12を監視対象とする場合について説明するが、計測部10B、10Cのコンデンサ12を監視対象とする場合も同様である。まず、コンデンサ容量データCdの取得タイミングであるか否かを判定する(ステップST101)。取得タイミングでない場合は、何もせずに取得タイミングまで待機する。
コンデンサ容量データCdの取得タイミングである場合、計測部10Aにおいて制御演算部17により放電スイッチ14bを導通させ、監視対象のコンデンサ12を放電させる。制御演算部17は、放電によるコンデンサ12の電圧降下値ΔVを計測し、式(1)を用いてコンデンサ12のコンデンサ容量Ckを算出する。制御演算部17は、コンデンサ容量Ckをコンデンサ容量データCdとしてデータ処理部20に伝送する(ステップST102)。データ処理部20は、計測部10Aから取得したコンデンサ容量データCdにインデックスを付しながら順に記憶していき、配列データ901を生成する。コンデンサ容量データCdの取得は、予め定められた数のコンデンサ容量データCdを取得するまで行う。
予め定められた数のコンデンサ容量データCdを取得した後、データ処理部20は、コンデンサ容量データCdの並べ替えを行い(ステップST103)、並べ替え後の配列データ9011を生成する。上述したように、データ処理部20は「計測値」の大きさ順(昇順)でコンデンサ容量データCdを並べ替える。
次に、データ処理部20は「最頻区間」を決定する(ステップST104)。データ処理部20は、複数のコンデンサ容量データCdによって構成される配列データ9011を「一区間50μF」で区間A〜Kに区切った後、最も多くのコンデンサ容量データCdを含む区間である区間Kを最頻区間に決定する。
次に、データ処理部20は最頻区間である区間Kの中央値C1を取得する(ステップST105)。
最頻区間の中央値C1を取得した後、データ処理部20は、中央値C1と閾値Cthを比較し、中央値C1が閾値Cth以上であるか否かを判定する。(ステップST106)。中央値C1が閾値Cth以上である場合、ステップST108に進む。
中央値C1が閾値Cthより小さい場合、データ処理部20は監視対象のコンデンサのコンデンサ容量Ckが異常であると判定し、警報部40に警報を発報させる(ステップST107)。また、異常を示す表示を表示部50に表示させてもよい。
データ処理部20は、コンデンサ容量データCd、中央値C1、異常判定を実施した日時、および判定結果などを記憶部30に記憶させ、ログとして保存させる(ステップST108)。ステップST108の後は、再びステップST101に戻る。
なお、実施の形態1では最頻区間の決定において配列データ901をコンデンサ容量Ckの大きさ順で並び替えているが、区間が決まれば各コンデンサ容量データCdがいずれの区間に含まれるかも決定する。このため、配列データ901を各区間に分割することもでき、最頻区間」の決定も可能である。このことから、コンデンサ容量Ckの大きさ順に配列データ901を並び替えることは必須ではない。ただし、このような並び替えを実施することにより、どのコンデンサ容量データCdがどの区間に含まれるかを容易に把握することができる。また、インデックスと区間の対応も明確になる。
実施の形態1によれば、監視対象のコンデンサの異常判定における誤判定を防止し、監視対象のコンデンサの劣化状況をより正確に把握することができる。より具体的には、予め定められた数のコンデンサ容量データから構成される配列データを、予め定められたコンデンサ容量の幅を一区間として区切り、最も多くのコンデンサ容量データを含む区間を「最頻区間」として決定する。コンデンサの異常判定においては、最頻区間の中央値を異常判定のための閾値と比較する。一時的な異常値は数が少なく、最頻区間の決定において排除されるため、最頻区間の中央値も異常値の影響を受けない。このため、コンデンサの異常判定も異常値の影響を受けることがなく、異常値による誤判定を防止し、監視対象のコンデンサの劣化状況をより正確に把握することができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2を図6および図7に基づいて説明する。なお、図1から図5と同一又は相当部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。実施の形態2は、最頻区間の代表値を最頻区間の平均値としている点が実施の形態1と異なる。図6は、実施の形態2に係るコンデンサ容量データの処理について説明する図である。配列データ901および配列データ9011、および区間A〜Kについては実施の形態1と同様であるが、実施の形態2では、最頻区間である区間Kの平均値C2を算出する。
その他については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
次に、実施の形態2を図6および図7に基づいて説明する。なお、図1から図5と同一又は相当部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。実施の形態2は、最頻区間の代表値を最頻区間の平均値としている点が実施の形態1と異なる。図6は、実施の形態2に係るコンデンサ容量データの処理について説明する図である。配列データ901および配列データ9011、および区間A〜Kについては実施の形態1と同様であるが、実施の形態2では、最頻区間である区間Kの平均値C2を算出する。
その他については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
次に、動作について説明する。図7は、実施の形態2におけるコンデンサの監視装置の動作を示すフロー図である。実施の形態2においても最頻区間の決定まで(ステップST101〜ステップST104)は実施の形態1と同様である。最頻区間の決定後、データ処理部20は、最頻区間である区間Kの平均値C2を算出する(ステップST205)。
最頻区間の平均値C2を算出した後、データ処理部20は、平均値C2と閾値Cthを比較し、平均値C2が閾値Cth以上であるか否かを判定する。(ステップST206)。平均値C2が閾値Cth以上である場合、ステップST108に進む。なお、閾値Cthの値は実施の形態1と同じ値でもよいし、異なる値でもよい。
平均値C2が閾値Cthより小さい場合、データ処理部20は監視対象のコンデンサのコンデンサ容量Ckが異常であると判定し、警報部40に警報を発報させる(ステップST107)。また、異常を示す表示を表示部50に表示させてもよい。
データ処理部20は、コンデンサ容量データCd、平均値C2、異常判定を実施した日時、および判定結果などを記憶部30に記憶させ、ログとして保存させる(ステップST208)。ステップST208の後は、再びステップST101に戻る。
実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3を図8および図9に基づいて説明する。なお、図1から図7と同一又は相当部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。実施の形態3は、最頻区間の代表値を用いて監視対象のコンデンサの異常判定を行うことに加え、外部要因による異常を検出する点が実施の形態1、2と異なる。図8は、実施の形態3に係るコンデンサ容量データの処理について説明する図である。データ処理部20は、配列データ901の全ての「計測値」より全区間の平均値Cmを算出する。その後、実施の形態1と同様にして、最頻区間の中央値C1を取得する。なお、全区間の平均値Cmの算出は、配列データ9011への並び替え後に行ってもよい。データ処理部20は、全区間の平均値Cmと最頻区間の中央値C1との差Cdiffを算出し、予め定められた第2の閾値Cthdと差Cdiffとを比較することにより異常判定を行うことで警報発報の要否を判定する。
次に、実施の形態3を図8および図9に基づいて説明する。なお、図1から図7と同一又は相当部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。実施の形態3は、最頻区間の代表値を用いて監視対象のコンデンサの異常判定を行うことに加え、外部要因による異常を検出する点が実施の形態1、2と異なる。図8は、実施の形態3に係るコンデンサ容量データの処理について説明する図である。データ処理部20は、配列データ901の全ての「計測値」より全区間の平均値Cmを算出する。その後、実施の形態1と同様にして、最頻区間の中央値C1を取得する。なお、全区間の平均値Cmの算出は、配列データ9011への並び替え後に行ってもよい。データ処理部20は、全区間の平均値Cmと最頻区間の中央値C1との差Cdiffを算出し、予め定められた第2の閾値Cthdと差Cdiffとを比較することにより異常判定を行うことで警報発報の要否を判定する。
差Cdiffに基づく異常判定は、外部要因によるコネクタ部の抵抗値上昇を検出するためのものである。上述したように、外部要因によるコネクタ部の抵抗値上昇は「計測値」(コンデンサ容量Ck)を不正確なものとし、「計測値」の中に異常値が入る原因となる。また、この異常値は全区間の平均値Cmに影響を与える一方で、最頻区間の中央値C1には影響を与えない。すなわち、異常値の影響を受けている平均値Cmと異常値の影響を受けていない中央値C1の差Cdiffが大きい場合、コンデンサ容量Ckの計測に影響を与える外部要因が生じていることとなる。
その他については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
その他については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
次に、動作について説明する。図9は、実施の形態3におけるコンデンサの監視装置の動作を示すフロー図である。実施の形態3においても、予め定められた数のコンデンサ容量データCdの取得まで(ステップST101〜ステップST102)は実施の形態1と同様である。予め定められた数のコンデンサ容量データCdを取得した後、データ処理部20は、コンデンサ容量Ckの全区間の平均値Cmを算出する(ステップST303)。次に、データ処理部20は、コンデンサ容量データCdの並べ替えから最頻区間の中央値C1による異常判定、異常が有る場合の警報発報までの処理(ステップST103〜ステップST107)を行う(ステップST304)。すなわち、実施の形態1の手法による監視対象のコンデンサの異常判定を実施する。
コンデンサの異常判定の実施後、データ処理部20は、全区間の平均値Cmと最頻区間の中央値C1との差Cdiffを算出する(ステップST305)。
差Cdiffを算出した後、データ処理部20は、差Cdiffと第2の閾値Cthdを比較し、差Cdiffが第2の閾値Cthd以下であるか否かを判定する。(ステップST306)。差Cdiffが第2の閾値Cthd以下である場合、ステップST308に進む。
差Cdiffが第2の閾値Cthdより大きい場合、データ処理部20は外部要因によるコネクタ部の抵抗値上昇があると判定し、警報部40に警報を発報させる(ステップST307)。また、異常を示す表示を表示部50に表示させてもよい。
データ処理部20は、コンデンサ容量データCd、中央値C1、平均値Cm、差Cdiff、異常判定を実施した日時、および判定結果などを記憶部30に記憶させ、ログとして保存させる(ステップST308)。ステップST308の後は、再びステップST101に戻る。
実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、全区間の平均値と最頻区間の中央値との差に基づく異常判定を行うため、外部要因によるコネクタ部の抵抗値上昇を検出することができる。
なお、実施の形態3では全区間の平均値と最頻区間の中央値との差に基づく異常判定を行ったが、全区間の平均値と最頻区間の平均値との差に基づく異常判定を行ってもよい。また、全区間の中央値または最頻値と最頻区間の中央値または平均値との差に基づく異常判定を行うことも考えられる。要は、取得した全てのコンデンサ容量の代表値と最頻区間の代表値との差に基づいて異常判定を行えばよい。
また、全区間の平均値と最頻区間の中央値との差に基づく異常判定を行うため、外部要因によるコネクタ部の抵抗値上昇を検出することができる。
なお、実施の形態3では全区間の平均値と最頻区間の中央値との差に基づく異常判定を行ったが、全区間の平均値と最頻区間の平均値との差に基づく異常判定を行ってもよい。また、全区間の中央値または最頻値と最頻区間の中央値または平均値との差に基づく異常判定を行うことも考えられる。要は、取得した全てのコンデンサ容量の代表値と最頻区間の代表値との差に基づいて異常判定を行えばよい。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
例えば、上記した各実施の形態では「最頻区間」の代表値として「中央値」または「平均値」を用いているが、「最頻値」、「重み付き平均値」などを用いてもよい。また、最頻区間における「最大値」または「最小値」を最頻区間の代表値とすることも考えられる。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
例えば、上記した各実施の形態では「最頻区間」の代表値として「中央値」または「平均値」を用いているが、「最頻値」、「重み付き平均値」などを用いてもよい。また、最頻区間における「最大値」または「最小値」を最頻区間の代表値とすることも考えられる。
10A、10B、10C 計測部、12 コンデンサ、14 放電回路、14a 放電抵抗、14b 放電スイッチ、17 制御演算部、20 データ処理部、30 記憶部、40 警報部、100 コンデンサの監視装置、901、9011 配列データ、Cd コンデンサ容量データ、C1 最頻区間の中央値、C2 最頻区間の平均値、Cm 平均値
Claims (6)
- 直列に接続された放電抵抗と放電スイッチとを含み、監視対象のコンデンサと並列に接続された放電回路と、前記放電スイッチを導通させることにより前記コンデンサを放電させ、放電による前記コンデンサの電圧降下値を用いて前記コンデンサのコンデンサ容量を演算する計測部と、
前記コンデンサのコンデンサ容量を含むコンデンサ容量データを前記計測部から取得して、前記コンデンサ容量に基づいて前記コンデンサの異常の有無を判定するデータ処理部とを備えるコンデンサの監視装置であって、
前記データ処理部は、複数の前記コンデンサ容量データにより構成される配列データを、予め定められたコンデンサ容量の幅を一区間とする区間で分割し、最も多くのコンデンサ容量データが含まれる区間を最頻区間として決定した後、前記最頻区間の代表値と予め定められた閾値とを比較することにより、前記コンデンサの異常の有無を判定することを特徴とするコンデンサの監視装置。 - 警報を発報する警報部をさらに備え、
前記データ処理部は、前記コンデンサに異常が有ると判定した場合に、前記警報部に警報を発報させる請求項1に記載のコンデンサの監視装置。 - 前記データ処理部は、前記計測部から取得した全てのコンデンサ容量の代表値と前記最頻区間の代表値との差が予め定められた第2の閾値よりも大きい場合に、前記警報部に警報を発報させる請求項2に記載のコンデンサの監視装置。
- 前記データ処理部は、前記配列データを前記区間で分割する際に、前記配列データを構成するコンデンサ容量データをコンデンサ容量の大きさ順に並べ替える請求項1から3のいずれか1項に記載のコンデンサの監視装置。
- 前記最頻区間の代表値は、前記最頻区間の中央値である請求項1から4のいずれか1項に記載のコンデンサの監視装置。
- 前記最頻区間の代表値は、前記最頻区間の平均値である請求項1から4のいずれか1項に記載のコンデンサの監視装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020008858A JP2021117029A (ja) | 2020-01-23 | 2020-01-23 | コンデンサの監視装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN116183058A (zh) * | 2023-04-21 | 2023-05-30 | 实德电气集团有限公司 | 一种智能电容器的监测方法 |
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2020
- 2020-01-23 JP JP2020008858A patent/JP2021117029A/ja active Pending
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