JP2021115864A - 転写体、画像記録装置及び画像記録方法 - Google Patents

転写体、画像記録装置及び画像記録方法 Download PDF

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光敏 野口
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義一 齋藤
勇一郎 金杉
Yuichiro Kanasugi
勇一郎 金杉
哲弥 小菅
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哲弥 小菅
司 佐野
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Abstract

【課題】 中間画像の記録媒体への転写性が良好であり、耐久性が向上された転写体、および前記転写体を用いた画像記録装置、画像記録方法を提供する。【解決手段】 本発明にかかる転写体は、弾性層および圧縮層を有する転写体であって、前記弾性層は、熱伝導率が5[W/m・K]以上の熱伝導性フィラーを含有し、前記弾性層の圧縮弾性率をE1[MPa]、前記弾性層の熱伝導率をλ1[W/m・K]、前記圧縮層の圧縮弾性率をE2[MPa]、前記圧縮層の熱伝導率をλ2[W/m・K]としたとき、1≦E1≦50、E2≦10、0.25≦λ1、λ2≦0.2、である。【選択図】図1

Description

本発明は、転写体、画像記録装置及び画像記録方法に関する。
転写体の画像形成面に中間画像を形成し、前記中間画像を記録媒体へ転写する転写型の画像記録方法が知られている。
特許文献1には、インク組成物中に樹脂微粒子を含有し、転写体を該樹脂微粒子の最低造膜温度以上に加熱して転写する画像記録方法が提案されている。また、その転写体として、金属上にゴム材を積層したものが提案されている。
特開平7−32721号公報
転写型の画像記録方法では、転写体上に付与したインク組成物中の樹脂微粒子の最低造膜温度以上に加熱することにより、中間画像の転写性を向上させる。そのため、一連の画像記録プロセスによる負荷が繰り返し付与されることによって、転写体の画像形成面へのダメージが発生する場合がある。特に、転写体の表面に欠陥箇所が発生すると、中間画像の画像品質の低下や、記録媒体への転写性が低下する場合がある。
本発明の目的は、中間画像の記録媒体への転写性が良好であり、耐久性が向上された転写体、および前記転写体を用いた画像記録装置、画像記録方法を提供することにある。
本発明にかかる転写体は、弾性層および圧縮層を有する転写体であって、前記弾性層は、熱伝導率が5[W/m・K]以上の熱伝導性フィラーを含有し、前記弾性層の圧縮弾性率をE1[MPa]、前記弾性層の熱伝導率をλ1[W/m・K]、前記圧縮層の圧縮弾性率をE2[MPa]、前記圧縮層の熱伝導率をλ2[W/m・K]、としたとき、
1≦E1≦50
E2≦10
0.25≦λ1
λ2≦0.2
であることを特徴とする。
また、本発明にかかる画像記録装置は、転写体と、前記転写体の表面に中間画像を形成する中間画像形成手段と、前記転写体を加熱することによって前記中間画像を加熱する加熱手段と、前記加熱された中間画像を前記転写体から記録媒体に転写する転写手段と、を有する画像記録装置であって、前記転写体が上記の転写体であることを特徴とする。
さらに、本発明にかかる画像記録方法は、転写体の表面に中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記転写体を加熱することによって前記中間画像を加熱する加熱工程と、前記加熱された中間画像を前記転写体から記録媒体に転写する転写工程と、を有する画像記録方法であって、前記転写体が、上記の転写体であることを特徴とする。
本発明によれば、中間画像の記録媒体への転写性が良好であり、耐久性が向上された転写体、並びに、前記転写体を用いた画像記録装置および画像記録方法を提供することができる。
本発明の一実施形態における転写体の構成を表す模式図である。 本発明の一実施形態における画像記録装置の構成を表す模式図である。
以下に、本発明を好適な実施形態を例にして詳細に説明する。
まず、転写体の構成について説明する。
記録媒体への転写性を発現するためには、転写体表面の記録媒体への追従性が高いことが好ましい。
一方で、追従性が高すぎる場合、変形による応力が大きくなることから転写体の表面へのダメージが発生する懸念が高まる。そのため、転写体の転写性と耐久性を両立するためには、転写体の弾性層の圧縮弾性率が適切に制御されることが必要である。しかしながら、転写体の転写性と耐久性をさらに向上させるためには、弾性層の圧縮弾性率の制御だけでなく、圧縮層の圧縮弾性率、並びに、弾性層及び圧縮層の熱伝導率を適切に制御することが重要であることを本発明者らが見出し、本発明に至った。具体的には、弾性層の圧縮弾性率E1を1MPa以上50MPa以下としつつ、圧縮層の圧縮弾性率E2を10MPa以下とした。これにより、弾性層だけでなく、圧縮層によっても転写体の表面への圧力の負荷を抑制することができ、その結果、転写体の表面へのダメージを抑制することが可能となる。さらに、弾性層の熱伝導率λ1を0.25W/m・K以上とし、圧縮層の熱伝導率λ2を0.2W/m・K以下とすることで、転写体の画像形成面側から付与された熱を弾性層に効率的に保持することができ、転写体の表面の温度制御性を向上させることができる。
また、画像記録プロセスを繰り返した場合、本発明における画像記録方法では、各工程において適切な温度範囲に制御されることが転写性や画像品質のために好ましく、その温度制御性を発現するためには、熱伝導率を制御することが好ましい。この制御を適切に行うことにより、例えば転写工程時の温度を過剰に高くすることなく、転写性の発現に必要な範囲に調整すること可能となり、繰り返し時の転写性を向上させることができる。
<転写体>
本発明における転写体は、必要に応じて支持部材により支持された状態で転写型の画像記録装置に用いられてもよい。図1に、本発明の一実施形態における転写体の構成を表す模式図を示す。図1において、101は表面層、102は弾性層、103は中間層、104は圧縮層をそれぞれ示す。
転写型の画像記録装置において、中間画像を記録媒体に転写する際の中間画像の転写性を向上させるために、加熱装置(加熱手段)によって表面(画像形成面)に中間画像を有する転写体が加熱される。そのとき、転写体上の中間画像中に含まれる樹脂、または樹脂粒子等が溶融し、中間画像の記録媒体への付着性が向上する。転写体の表面の記録媒体への追従性が高いと記録媒体への中間画像の付着性は向上し、その結果、中間画像の記録媒体への転写性を向上させることができる。前記追従性および付着性は転写工程時の圧力や温度の制御によっても向上させることができる。しかしながら、前記の画像記録装置において、転写工程時に転写体に過剰な加圧や加熱を繰り返し行った場合、転写体の表面におけるダメージが発生し、転写性の低下が見られることがあった。そして、本発明者らは、これらの現象の原因が、転写体が加圧されることによる転写体への物理的なダメージ、及び、中間画像を形成するためのインクや反応液等の化学物質が加熱されることによる転写体への化学的ダメージが複合的に発生することによるものと推測している。
転写体の大きさは、目的の印刷画像サイズに合わせて自由に選択することができる。転写体の全体的な形状としては、シート形状、ローラ形状、ドラム形状、ベルト形状、無端ウェブ形状等が挙げられる。
本発明の転写体は、支持部材上に設置することができる。設置方法として、各種接着剤や粘着テープを用いてもよい。または、転写体に金属、セラミック、樹脂等を材質とした設置用部材を取り付けることで、設置用部材を用いて転写体を支持部材上に固定・保持してもよい。
本発明における転写体は少なくとも弾性層および圧縮層を有する。
(弾性層)
弾性層を形成するための材料としては、加工特性の点等から、各種ゴム材料または各種エラストマー材料を用いることができ、連続層や多孔質層の形態として弾性層を設けることができる。エラストマー材料及びゴム材料としては、例えばシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。他には、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴムは、寸法安定性、耐久性、耐熱性等の点で好ましく用いられる。
また、弾性層は、温度制御の観点から熱伝導率を制御するための熱伝導性フィラーが含有されていることが好ましい。熱伝導率を向上するために、熱伝導性フィラーとしては、例えば、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、金属ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、結晶性シリカ、などを用いることができる。
特に中間画像形成に用いる材料に水分を使用する場合や、前記熱伝導性フィラーと弾性層を形成する材料の界面の密着性が低い場合には、繰り返し使用により、転写体にダメージが発生する場合があった。本発明者らの検討の結果、熱伝導性フィラーは金属ケイ素を含むことが温度制御性と耐久性との両立の観点から好ましいことがわかった。
また、圧力均一性の観点から熱伝導性フィラーはアルミナを含むことが好ましい。さらに、アルミナには任意のシランカップリング処理を施すことにより、熱伝導性フィラーと弾性層材料との界面の密着性を向上させることができるため好ましい。また、熱伝導性フィラーは弾性層中における分散均一性の観点から、粒径が小さいことが好ましい。熱伝導性フィラーの平均粒径としては、例えば10μm以下、より好ましくは8μm以下、さらに好ましくは5μmである。平均粒径を小さくすることにより、転写工程などで弾性層表面に圧力が付与された場合、局所的に圧力が集中してダメージが発生するのを防止することができる。
ここで、熱伝導性フィラーの熱伝導率は、5W/m・K以上であることが重要である。また、熱伝導性フィラーの熱伝導率は、30W/m・K以上であることが好ましく、100W/m・K以上であることがより好ましい。
弾性層に含有される熱伝導性フィラーの含有量はとしては、特に制限はないが、弾性層としての機能である記録媒体への追従性や、圧力等の負荷に対する耐久性を考慮して決定することができる。具体的には、弾性層は、熱伝導性フィラーを弾性層全体の質量を基準として1質量%以上70質量%以下含有することが好ましく、5質量%以上60質量%以下含有することがより好ましい。熱伝導性フィラーの含有量を上記範囲にすることにより、弾性層の熱伝導率を向上させることができ、また、表面ダメージが発生しにくくなり、耐久性が向上することとなる。
弾性層の熱伝導率をλ1[W/m・K]としたとき、0.25≦λ1であることが重要である。またλ1は0.5≦λ1であることが好ましい。
0.25≦λ1であることにより、転写体表面の温度制御性が高く、繰り返しの使用においては、転写工程時に適正な温度範囲への制御が可能となり、転写性の低下を抑えることができる。
また、画像形成面側からの温度制御のために、900nm以上2500nm以下の波長を含む近赤外線の照射による加熱を用いてもよい。この場合、照射される近赤外線を吸収できる添加物(以下、「近赤外線吸収用の添加剤」、とも称する。)が、弾性層に含有されていることが好ましい。近赤外線吸収用の添加剤としては、具体的には、フタロシアニン系色素、ジチオレン錯体化合物(ジチオレン配位子を有する金属錯体)、スクアリリウム系色素、キノン系色素、ジインモニウム系化合物等の有機色素や有機化合物を挙げることができる。また、カーボンブラック、酸化鉄、アルミナ、鉄、アルミニウム、ケイ素等の無機材料を挙げることができる。特に、カーボンブラックはコスト面などから有用に適用できる。有機色素は、その種類に応じて染料または顔料の形態として利用することができる。また、無機材料は、粒子状あるいは繊維状等の無機フィラーとしての形態として利用することができる。炭素材料からなる無機フィラーとしては、カーボンナノチューブを挙げることができる。
弾性層への近赤外線吸収用の添加剤の含有量は、添加剤の種類に応じて目的とする吸熱及び蓄熱効果が得られるように設定すればよく特に限定されない。弾性層の900nm以上2500nm以下の波長に対する近赤外線の吸収率が60%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上である。そのため、弾性層の900nm以上2500nm以下の波長に対する近赤外線の吸収率が60%以上になるように、添加物を添加することが好ましく、前記吸収率が80%以上になるように、弾性層は近赤外線吸収用の添加剤を含有することが好ましい。このような観点から、弾性層における近赤外線吸収用の添加剤の含有量は1質量%以上90質量%以下とすることが好ましい。
弾性層の圧縮弾性率をE1[MPa]としたとき、1≦E1≦50であることが重要である。また、E1は、3≦E1≦25とすることが好ましい。弾性層の圧縮弾性率E1を1MPa以上とすることで、弾性層の大きな変形を抑制しながら、記録媒体へ追従させやすくなる。また、弾性層の圧縮弾性率E1を50MPa以下とすることで、特に高速時において局所的に表面層にかかる応力を、弾性層で十分に緩和することができ、表面へのダメージを低減することができる。
弾性層の厚さをt1[mm]としたとき、0.03≦t1≦0.2であることが好ましい。t1を0.03mm以上とすることにより、転写工程時の記録媒体への追従性が向上し、転写性が良好となる。t1を0.2mm以下とすることにより、弾性層の温度制御性が向上し、繰り返しの使用においても、転写工程時に適正な温度範囲への制御が可能となり、転写性が向上する。
(圧縮層)
本発明における圧縮層は、圧縮歪みにより転写圧力を発生する。圧縮層の部材としては、例えばアクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム等のゴム材料が挙げられる。また、ゴム材料の形態としては、多孔質のゴム材料を用いることが好ましい。例えば、ゴム材料の成形時に、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに消泡剤、中空微粒子あるいは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し、多孔質とすることができる。さらに本発明における圧縮層は、転写体表面の変形を吸収し、局所的な圧力変動に対してその変動を分散し、高速印刷時においても良好な転写性を維持することができる。特に多孔質ゴム材料を用いた場合、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質ゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがある。本発明ではいずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。
また、圧縮層の圧縮弾性率をE2[MPa]としたとき、適正な転写圧力を発生させるために、E2≦10であることが重要である。圧縮層の圧縮弾性率E2を10MPa以下とすることにより、転写体の表面にかかる圧力負荷を抑え、表面へのダメージ発生を抑制することとなる。
圧縮層の熱伝導率をλ2[W/m・K]としたとき、λ2≦0.2である。圧縮層の熱伝導率λ2を0.2W/m・K以下にすることにより、画像形成面側から付与された熱が弾性層に効率的に蓄熱することができる。これにより、弾性層表面の温度制御性が向上し、繰り返しの使用においても、転写工程時に適正な温度範囲への制御が可能となり、転写性が向上する。
また、圧縮層の厚さをt2[mm]としたとき、0.1≦t2≦0.6であることが好ましい。圧縮層の厚さt2を0.1mm以上とすることにより、圧縮歪み量に対する圧力変化を小さくすることでき、転写体の表面にかかる圧力負荷を減らすことができ、表面へのダメージ発生を抑制できる。また、圧縮層の厚さt2を0.6mm以下とすることにより、適正な転写圧力を発生するための圧縮歪み量を小さくでき、表面の変形応力が大きくなってもダメージを抑えることができる。
(基層)
本発明における転写体は、搬送性や機械的な強度を付与するために、圧縮層の下方に基層を有することが好ましい。具体的には、圧縮層の弾性層に対向する面とは逆の面に基層を有することが好ましい。転写体が基層を有する場合、転写体は、転写体の表面(画像形成面)側から、弾性層、圧縮層、及び基層をこの順に有することが好ましい。基層を構成する材料としては、金属、セラミック、樹脂、綿等の天然繊維、またはその合繊からなる織布等が好ましく用いられる。
特に、基層は、セルロース繊維を含む織布およびセルロース繊維を含む不織布からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
なお、転写体がドラム状の場合、支持部材に基層を介さずに圧縮層、弾性層を形成する実施形態でもよい。
(中間層)
図1において、前記弾性層102と圧縮層104の間には、中間層103を有することが好ましい。中間層103により弾性層102の変形挙動を制御できる。前記のように、弾性層102と圧縮層104は中間画像の転写性を発現するために、記録媒体への追従性と転写圧力の発生、さらに温度制御性を有するように形成される。また、上述のように弾性層102と圧縮層104はゴム材料、またはエラストマー材料を主成分としている。弾性層102の変形挙動は画像形成面へのダメージに関係し、繰り返し使用時の耐久性に影響を与える場合がある。耐久性を向上させるために、弾性層102の変形挙動は転写性が発現できる範囲で最小の変形となることが好ましいが、中間層103を有することで、弾性層の変形挙動の制御性を向上させることができる。
ここで、中間層の圧縮弾性率をE3[MPa]としたとき、1000≦E3≦7000であることが好ましい。中間層の圧縮弾性率E3をこの範囲に制御することにより、弾性層の変形挙動が抑えられ、耐久性が向上する。
また、中間層の厚さをt3[mm]としたとき、0.003≦t3≦0.05であることが好ましい。中間層の厚さt3を0.003mm以上とすることにより、弾性層の変形挙動への影響を抑えることができる。また、中間層の厚さt3を0.05mm以下とすることにより、弾性層の変形挙動が抑制され、耐久性が向上する。
また、中間層の熱伝導率をλ3[W/m・K]としたとき、0.1≦λ3≦0.5であることが好ましい。中間層の熱伝導率λ3をこの範囲に制御することで転写性を向上させることができる。
中間層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、アクリルなどを好適に用いることができる。
(表面層)
さらに、図1において、前記弾性層102の中間画像形成面に、表面層101を有することができる。すなわち、転写体は、転写体の表面(画像形成面)側から、表面層、弾性層、圧縮層、及び基層をこの順に有することがより好ましい。表面層を構成する材料としては、樹脂、セラミクス等の各種材料を適宜用いることができる。
また、表面層の厚さをt4[mm]としたとき、0.001≦t4≦0.015であることが好ましい。表面層の厚さt4を0.001mm以上とすることにより、転写工程時に表面ダメージを抑制し、耐久性が向上する。また、表面層の厚さt4を0.015mm以下とすることにより、転写工程時に記録媒体の表面に対する圧力の均一性が維持され、転写性が向上する。
表面層に用いられる樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂等を挙げることができる。表面層に用いられるセラミックとしては、加水分解性有機ケイ素化合物の縮合物等が挙げられる。
表面層の形成に利用できるその他の材料としては、例えば、金属アルコキシドの加水分解、重縮合により得られる化合物、一般的にはゾルゲル法により得られる無機化合物を挙げることができる。金属アルコキシドとしては、一般式:M(OR)(Mはケイ素、チタン、ジルコニウムまたはアルミニウム等の金属であり、Rはアルキル基を表す)で表される化合物を挙げることができる。
中でも、加水分解性有機ケイ素化合物の縮合物が、インクによる画像形成性及び転写性の点から好ましい。更に、カチオン重合やラジカル重合等による重合構造を有する加水分解性有機ケイ素化合物の縮合物が、耐久性の点からより好ましい。
表面層が、加水分解性有機ケイ素化合物に由来するシロキサン結合を含む分子構造を有していることにより、中間画像を構成するインクにより付与された成分が表面層の有する画像形成面に効果的に広がり、転写性が向上するものと推測される。また、中間画像の転写体からの剥離が容易となり、転写性が向上するものと推測される。
加水分解性有機ケイ素化合物の具体例としては、以下のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。また、グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランが挙げられる。そして、これらの化合物のエポキシ基をオキセタニル基に置換した化合物も挙げられる。さらに、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、アクリロキシプロピルジメチルメトキシシランが挙げられる。また、アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。また、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが挙げられる。さらに、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン等が挙げられる。表面層は、上述した材料から選択された1種により、あるいは2種以上を組み合わせて形成することができる。
表面層は、これら樹脂やセラミックを、合計で10質量%以上100質量%以下含有していることが好ましい。また、30質量%以上含有していることがより好ましく、50質量%以上含有していることがさらに好ましい。表面層は前記範囲内において、各種フィラーや添加剤を含有することができる。
表面層の圧縮弾性率をE4[MPa]としたとき、10≦E4≦300であることが好ましい。表面層の圧縮弾性率E4を10MPa以上とすることで、繰り返し使用時の表面ダメージを低減することができる。また、表面層の圧縮弾性率E4を300MPa以下とすることで、記録媒体への追従性を有し、転写性を発現することが可能となる。
また、表面層の熱伝導率をλ4[W/m・K]としたとき、0.1≦λ4≦0.5であることで上記の特性を発現することができる。
以上説明した本発明の転写体は、表面に中間画像を形成し、前記中間画像を加熱手段によって温度制御し、記録媒体に転写させる画像記録方法に好適に用いられる。
<画像記録装置>
以下に本実施形態に係る画像記録装置について図面に基づいて説明する。本実施形態に係る画像記録装置は、転写体と、転写体の表面に中間画像を形成する中間画像形成手段と、転写体を加熱することによって中間画像を加熱する加熱手段と、加熱された中間画像を転写体から記録媒体に転写する転写手段と、を有する。中間画像形成手段は、転写体の表面にインクを高粘度化する成分を含む反応液を付与する反応液付与手段と、転写体の表面にインクを付与して中間画像を形成するインク付与手段とを有する。また、反応液付与手段は反応液を収容する反応液収容部を有していてもよい。また、インク付与手段はインクを収容するインク収容部を有していてもよい。
図2は、本実施形態における画像記録装置の概略構成を示す模式図である。
図2において、画像記録装置は、支持部材12によって支持された転写体11、反応液付与手段としての反応液付与装置14、インク付与手段としてのインク付与装置15、液体成分除去手段としての送風装置16、加熱手段としての加熱装置17、押圧ローラ(押圧部材)19、クリーニング手段としてのクリーニング装置20を有する。転写体11として、図1に示す構成の転写体が用いられている。なお、転写体11の形態としては、図1に示す形態に限られず、その画像形成面が記録媒体18と接触可能なものであれば良く、適用する画像記録装置の形態ないしは記録媒体への転写条件に合わせて、例えばローラ状、無端ベルト状の物を好適に使用することができる。
図2において、転写体11は、回転可能なドラム状の支持部材12の外周面上に配置されている。転写体11は矢印方向に回転軸13を中心として回転駆動し、その回転と同期して、周辺に配置された各装置が作動して、中間画像の形成、転写による記録媒体への最終画像の形成が行われる。本実施形態のようなドラム状の転写体11を用いると、同一の転写体11を連続して繰り返し使用することが容易となり、生産性の面からも極めて好適な構成となる。本実施形態における中間画像形成手段は、反応液付与装置14及びインク付与装置15を有する。反応液付与装置14(14a:反応液、14b、14c:反応液塗布ローラ)として、ロールコータを有する反応液付与装置が設けられている。インク付与装置としては、インクジェット記録ヘッドを備えたインクジェットデバイスが設けられている。これらの装置は、転写体11の回転方向における上流側から下流側にこの順に配置されており、インク付与前に反応液が転写体11の画像形成面に付与される。
インクジェットデバイスは、インクジェット記録ヘッドを複数有していてもよい。例えば、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクを用いてそれぞれの色画像を形成する場合、インクジェットデバイスは上記4種類のインクを転写体上にそれぞれ吐出する4つのインクジェット記録ヘッドを有する。
送風装置16は、中間画像に送風して、中間画像から液体成分の少なくとも一部を除去する液除去処理用として設けられている。
加熱装置17は、支持部材12の内部に設けられたヒータでもよく、加熱装置17により転写体11の画像形成面側から中間画像を加熱することができる。
押圧ローラ19とドラム状の支持部材12により、転写用の一対の押圧ローラが形成されている。押圧ローラ19の外周面とドラム状の支持部材12の外周面が接触して形成されたニップ部に、記録媒体18を転写体11の中間画像を有する画像形成面に重ね合わせて通過させることで、記録媒体18に中間画像を押圧して転写することができる。転写時の温度は、加熱装置17により付与される。本実施形態では、転写用の押圧部材としての押圧ローラ19と、転写体11の支持部材12によって転写手段が形成されている。
クリーニング装置20(20a:クリーニング液、20b、20c:クリーニングローラ)は、転写体11を繰り返し連続的に用いる場合に、次の中間画像を形成する前に転写体11の表面をクリーニングする。本実施形態では、濡らしたモルトンローラーを転写体の画像形成面に当接させて払拭することで、画像形成面をクリーニングするクリーニング装置が設けられている。
<画像記録方法>
以下に、本実施形態に係る画像記録方法の概略を説明する。本実施形態の画像記録方法は、転写体の表面に中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記転写体を加熱することによって前記中間画像を加熱する加熱工程と、前記加熱された中間画像を前記転写体から記録媒体に転写する転写工程と、を有する。
まず、画像データ供給装置(図示せず)から画像データが送信され、画像記録装置10に画像記録を行うように指示する。そして、その画像データについてインクジェット記録ヘッドを備えたインク付与装置15により画像形成を行うための所要の画像処理が行われる。
[中間画像形成工程]
中間画像形成工程は、転写体の表面にインクを付与して中間画像を形成する工程である。さらに、中間画像形成工程は、転写体の表面にインクを高粘度化する成分を含む反応液を付与する工程も含んでいることが好ましい。すなわち、中間画像形成工程は、転写体の表面にインクを高粘度化する成分を含む反応液を付与する反応液付与工程と、転写体の表面にインクを付与して中間画像を形成するインク付与工程と、を有することが好ましい。
反応液の付与は、インクの付与前及びインクの付与後の少なくとも一方において行うことができる。インクと反応液は、これらの少なくとも一部が重なり合うように転写体の画像形成面に付与される。反応液によるインクの高粘度化をより効果的に行うには、反応液が付与された転写体の画像形成面にインクを付与することが好ましい。
(反応液)
反応液は、本発明の画像記録方法で使用するインクを高粘度化させる成分(以下では、「インク高粘度化成分」と記載する場合がある。)を含有する。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している色材や樹脂等が、インク高粘度化成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、インク全体の粘度上昇が認められる場合を表す。また、この場合に限らず、色材などインク組成物の一部が凝集することにより局所的に粘度上昇を生じる場合をも含む。なお、ここで、「反応液」における「反応」とは、インクとの間に化学反応が起こるだけでなく、物理的な作用(吸着など)が起こる場合も含む。インク高粘度化成分は、転写体上でのインク、及び/又はインク組成物の一部の流動性を低下させて、画像形成時のブリーディング、ビーディングを抑制する効果がある。
インク高粘度化成分としては、多価の金属イオン、有機酸、カチオンポリマー、多孔質性微粒子など、旧来から公知の物を特に制限無く用いることができる。これらの中でも特に多価の金属イオン、及び有機酸が好適である。また、複数の種類のインク高粘度化成分を含有させることも好適である。なお、反応液中のインク高粘度化成分の含有量は、反応液全質量に対して5質量%以上であることが好ましい。
インク高粘度化成分として使用できる金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+、及びZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+、Cr3+、Y3+、及びAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。
またインク高粘度化成分として使用できる有機酸としては、シュウ酸、ポリアクリル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、レブリン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタミン酸等が挙げられる。また、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸等が挙げられる。
反応液は、適量の水や有機溶剤を含有していてもよい。この場合に用いる水はイオン交換等により脱イオン化した水であることが好ましい。また、反応液に用いることのできる有機溶剤としては特に限定されず、公知の有機溶剤を何れも用いることができる。
反応液には、各種樹脂を添加することもできる。例えば、反応液に適当な樹脂を添加することで転写時の、中間画像の記録媒体への接着性を良好なものとしたり、最終画像の機械強度を高めたりすることが可能であるため好適である。この樹脂に用いる材料としては、インク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無い。
また、反応液中に界面活性剤や粘度調整剤を加えて、その表面張力や粘度を適宜、調整して用いることができる。この際に用いられる材料としては、インク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無い。具体的に用いられる界面活性剤としては、アセチレノールE100(商品名、川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。反応液の表面エネルギーは50mN/m以下に調整されることが好ましく、さらには20mN/m〜40mN/mに調整されることがより好ましい。
また、本発明に用いることのできる反応液は、フッ素系界面活性剤を含有することが好ましい。ここで、フッ素系界面活性剤は分子構造中に少なくとも疎水性のフルオロカーボン鎖と親水性の分子鎖(親水性部)を有する化合物のことである。疎水性のフルオロカーボン鎖を有することにより、前述のように優れた表面張力低下能を発現する。
この中でも特に疎水部にフルオロアルキル鎖、親水性部としてエチレンオキサイド鎖を有しているノニオン性界面活性剤が好適に用いられる。疎水部にフルオロアルキル鎖、親水性部としてエチレンオキサイド鎖を有することにより、溶剤や反応剤との相溶性が高いため、乾燥等により水分量が低下した組成においても優れた溶解性を示すため、反応液層の均一性、及び表面張力低下能を保つことができる。
また、ノニオン性の界面活性剤であることにより、インク組成物との反応後においても構造変化することなくその特性を維持することができるため、反応液層の均一性、及び表面張力低下能を保つことができる。
本件で好適に用いられる界面活性剤としては、例えば、FSO100、FSN100、FS3100(Du Pont社製)、F444、F477、F553(DIC社製)等が挙げられる。反応液の表面エネルギーは20mN/m以下に調整されることが好ましい。
フッ素系界面活性剤は、反応液全質量に対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。フッ素系界面活性剤の含有量が少ない場合、表面張力低下能が低減するため、転写体の表面の単位面積当たりの表面積の平均比率Rを大きくすることが好ましい。例えば、フッ素系界面活性剤が5重量%の場合、Rは1.5以上にすることが好ましい。また、フッ素系界面活性剤が1重量%の場合、Rは1.7以上にすることが好ましい。
[反応液の付与(反応液付与工程)]
転写体の表面(画像形成面)へ反応液を付与する反応液付与工程は、従来知られている各種手法を適宜用いることができる。具体例としてはダイコーティング、ブレードコーティング、グラビアローラーを用いる手法、オフセットローラーを用いる手法、スプレーコーティング等が挙げられる。また、インクジェットデバイスを用いて付与する方法も好適である。さらにいくつかの方法を複数、組み合わせることも極めて好適である。
また、反応液の付与性を向上し中間画像の品位を向上させたり、転写効率を高めたりする目的で、反応液の付与工程の前に複数の処理液を付与する工程を設けることもできる。
[中間画像の形成(インク付与工程)]
転写体の表面(画像形成面)に、インクを付与することにより中間画像が形成される。なお、本明細書では、転写体の表面上での反応液とインクの付与により形成されてから、最終的に記録媒体に転写されるまでの画像を便宜上、「中間画像」と呼ぶ。
インクの付与には例えば、インクジェットデバイスを使用することができる。インクジェットデバイスとしては例えば、下記の形態等を挙げることができる。
・電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態、
・電気−機械変換体によってインクを吐出する形態、
・静電気を利用してインクを吐出する形態。
上記のようにインクジェット液体吐出技術で提案される各種インクジェットデバイスをいずれも用いることができる。これらの中でも特に高速で高密度の印刷の観点からは電気−熱変換体を利用した形態が好適に用いられる。
また、インクジェットデバイス全体の形態としては特に制限はない。例えば、下記のインクジェットヘッドを用いることができる。
・転写体の進行方向と垂直にヘッドを走査しながら記録を行う、いわゆるシャトル形態のインクジェットヘッド。
・転写体の進行方向に対し略垂直(すなわち、転写体がドラム形状の場合は軸方向に略平行)にインク吐出口をライン状に配列した、いわゆるラインヘッド形態のインクジェットヘッド。
(インク)
以下では、インクに用いることのできる各成分について説明する。
(1)色材
インクは、公知の染料やカーボンブラック、有機顔料等を溶解、及び/または分散させた色材を用いることができる。これらの中でも各種顔料は印刷物の耐久性や品位に特徴があり好適であり、インクは色材として顔料を含むことが好ましい。
顔料としては特に限定されず、公知の無機顔料・有機顔料を用いることができる。具体的にはC.I.(カラーインデックス)ナンバーであらわされる顔料を用いることができる。また、黒色顔料としては、カーボンブラックを用いることも好ましい。インク中の顔料の含有量は、インク全質量に対し0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
(2)顔料分散剤
顔料を分散させる顔料分散剤としては、従来公知のインクジェットに用いられるものであれば、いずれも使用することができる。これらの中でも、その分子構造中に親水性部と疎水性部とを併せ持つ水溶性の分散剤を用いることが好ましい。特に、少なくとも親水性のモノマーと疎水性のモノマーとを含んで共重合させた樹脂からなる顔料分散剤が好ましく用いられる。ここで用いられる各モノマーについては特に制限はなく、旧来公知の物が好適に用いられる。具体的には、疎水性モノマーとしてはスチレン、スチレン誘導体、アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。分散剤の酸価は50mgKOH/g以上、550mgKOH/g以下であることが好ましい。また、分散剤の重量平均分子量は1000以上、50000以下であることが好ましい。なお、インク中の顔料と分散剤の質量比は1:0.1〜1:3の範囲であることが好ましい。
また、他のインクの態様として、分散剤を用いず、顔料自体を表面改質して分散可能としたいわゆる自己分散性顔料を用いることも好適である。
(3)樹脂微粒子
インクは、色材を有しない各種微粒子を含有することができる。これらの中でも、樹脂微粒子は画像品位や定着性の向上に効果がある場合があり、好適である。樹脂微粒子の材質は特に限定されず、公知の樹脂を適宜、用いることができる。具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ尿素、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、及びその塩が挙げられる。また、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリジエン等の単独重合物、もしくはこれらを複数、組み合わせた共重合物が挙げられる。樹脂の質量平均分子量は、1,000以上、2,000,000以下の範囲が好適である。また、インク中における樹脂微粒子の含量は、インク全質量に対して1質量%以上、50質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上、40質量%以下である。
さらに、樹脂微粒子は、インク中に分散した樹脂微粒子分散体として用いることが好ましい。分散の手法については特に限定はないが、解離性基を有するモノマーを単独重合もしくは複数種、共重合させた樹脂を用いて分散させたいわゆる自己分散型樹脂微粒子分散体が好適である。ここで解離性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられ、この解離性基を有するモノマーとしてはアクリル酸やメタクリル酸等が挙げられる。また、乳化剤により樹脂微粒子を分散させたいわゆる乳化分散型樹脂微粒子分散体も、同様に好適に用いることができる。ここで言う乳化剤としては、低分子量、高分子量に関わらず公知の界面活性剤が好適に用いられる。界面活性剤はノニオン性か、もしくは樹脂微粒子と同じ電荷を持つ物が好適である。樹脂微粒子分散体は、10nm以上、1000nm以下の分散粒径をもつことが好ましく、さらに100nm以上500nm以下の分散粒径が好ましい。
また、樹脂微粒子分散体を作製する際に、安定化のために各種添加剤を加えておくことも好ましい。この添加剤としては例えば、n−ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン、オリーブ油、青色染料(Blue70)、ポリメチルメタクリレート等が好適である。
(4)界面活性剤
インクは、界面活性剤を含んでいても良い。界面活性剤としては、具体的には、アセチレノ−ルEH(川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。インク中の界面活性剤の含量は、インク全質量に対して0.01質量%以上、5.0質量%以下であることが好ましい。
(5)水、及び水溶性有機溶剤
インクは、溶剤として水、及び/または水溶性有機溶剤を含むことができる。水は、イオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、インク中の水の含量は、インク全質量に対して30質量%以上、97質量%以下であることが好ましい。また、インク中に用いる水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。具体的には、グリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン等が挙げられる。また、インク中の水溶性有機溶剤の含量は、インク全質量に対して3質量%以上、70質量%以下であることが好ましい。
(6)その他添加剤
インクは、上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂、及びその中和剤、粘度調整剤など種々の添加剤を含有してもよい。
(転写補助液)
本発明では、中間画像の転写性を向上させるために、転写補助液を用いることができる。転写補助液は、上記インク組成から色材除いた成分、いわゆるクリアインクとすることができる。各色のインク付与後の転写体上にクリアインクを付与することで、インク像(中間画像)の最表面にはクリアインクが存在することになる。記録媒体への中間画像の転写において、中間画像の表面のクリアインクはある程度の粘着力で記録媒体に粘着し、これによって、液除去後の中間画像が記録媒体へ移動しやすくなる。このようなクリアインクはインク付与装置15にて付与することができる。また、別途クリアインクを付与する手段を用いてもよい。
[液体成分除去工程]
本発明の方法には、転写体上に形成された中間画像から液体成分を減少させる工程(液体成分除去工程)を設けることも好ましい。中間画像の液体成分が過剰であると転写工程において余剰液体がはみ出したりあふれ出したりして、画像乱れや転写不良の原因となりうる。中間画像からの液体成分除去の手法としては旧来用いられている各種手法が何れも好適に適用できる。例えば、加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法、吸収体を接触させる方法、またこれらを組み合わせる手法がいずれも好適に用いられる。また、自然乾燥により行うことも可能である。
[加熱工程]
中間画像形成工程の次の工程、中間画像形成工程がインク付与工程または液体成分除去工程を設けている場合は、これらの次の工程として、加熱手段により転写体の表面の中間画像を加熱する加熱工程が設けられる。
加熱工程に用いる加熱装置(加熱手段)としては、ヒータ等の発熱による加熱装置、赤外線あるいは近赤外線の照射による加熱装置等を例示することができる。
この加熱工程は、先に説明した液体成分除去工程を兼ねていてもよい。
加熱により転写性が向上する中間画像の場合には、中間画像を加熱して、その温度(転写温度)を転写に好適な温度にした状態で、転写工程において中間画像を記録媒体に押圧して転写することが好ましい。
加熱温度は、インク像の加熱による転写性の向上と熱による転写体の耐久性の向上の観点から、70℃以上120℃以下であることが好ましい。
[中間画像の転写(転写工程)]
中間画像の形成後、転写工程において、転写体の中間画像を有する表面を記録媒体に押圧して、中間画像を記録媒体に転写することで、最終的な画像を得る。なお、本明細書において「記録媒体」とは、一般的な印刷で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック、フィルムその他の印刷媒体、記録メディアも含めて言う。
転写体と記録媒体の押圧の手法については特に制限はないが、押圧ローラを用いて転写体と記録媒体の両側から加圧すると、効率良く画像が転写形成されるため好適である。また、多段階に加圧することも転写不良の軽減に効果が有る場合があり好適である。
[クリーニング工程]
以上のように、本実施形態の画像記録方法では、反応液の付与、インクの付与による中間画像の形成、液体成分の除去、中間画像の加熱、及び中間画像の転写によって、画像形成は完了する。しかし、転写体は、生産性の観点から繰り返し連続的に用いることがあり、その際には次の画像形成を行う前に表面を洗浄再生することが好ましい。転写体の洗浄再生を行う手段としては、旧来用いられている各種手法を何れも好適に適用でき、例えば、下記の方法を何れも好適に使用できる。
・転写体の表面上にシャワー状にクリーニング液を当てる方法。
・クリーニング液で濡らしたモルトンローラーを、転写体の表面に当接させて払拭する方法。
・転写体の表面をクリーニング液面に接触させる方法。
・転写体の表面をワイパーブレードで掻き取る方法。
・転写体の表面に、各種エネルギーを付与する方法。
また、これらの方法を複数、組み合わせる手法も好適である。
[定着工程]
転写後に、画像が記録された記録媒体を加熱及び加圧することによって、記録媒体と画像の定着性を高める定着工程を有していてもよい。また、記録媒体を加熱することで定着性が向上する場合もあり、記録媒体の加熱も好適である。無論、加熱ローラを用いてこれらを同時に行ってもよい。
以下では、転写体、及び画像記録方法の実施例、及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって限定されるものではない。また、各材料の組成に関する「部」または「%」は特に断りがない限り、質量基準である。
転写体は、図1に示す層構造を有し、基層(図示せず)、圧縮層104、中間層103、弾性層102、表面層101をこの順に積層することにより製造した。また、表1に従い、実施例1から22、および比較例1から3に示す物性の転写体を作製した。なお、実施例1〜13、及び、比較例1、3では、弾性層、圧縮層、及び基層を有する転写体を作製した。実施例14〜16、及び、比較例2では、弾性層、中間層、圧縮層、及び基層を有する転写体を作製した。実施例17〜21では、表面層、弾性層、中間層、圧縮層、及び基層を有する転写体を作製した。実施例22では、表面層、弾性層、圧縮層、及び基層を有する転写体を作製した。
(基層)
綿糸を製織した第一の基層、アクリロニトリルゴムを有するゴムスポンジ層、綿糸を製織した第二の基層をこの順番に接着剤を用いて積層された基材を作製した。
(圧縮層)
前記基材の第二の基層側の表面に、平均粒径が約60μmの中空微粒子を混合した未加硫のシリコーンゴムを真空撹拌脱泡機によって混合し、ナイフコーターを用いて0.3mmの厚さで塗布した後、加硫を行い形成した。
(中間層)
中間層として、実施例14ではポリイミドフィルム(ユーピレックスS、宇部興産製)、実施例15から21ではポリエステルフィルム(ルミラーS10、東レ製)、比較例2ではポリエチレンフィルム(太洋プラスチックス製)を使用した。
(弾性層)
カーボンブラックを含むシリコーンゴム用黒色マスターバッチを5質量%の割合でシリコーンゴムに添加し、更に表1に記載の熱伝導性フィラーを添加し、真空撹拌脱泡機によって混合した。得られた混合物を、加硫を行い、弾性層を形成した。
(表面層)
グリシドキシプロピルトリエトキシシランとメチルトリエトキシシランとを任意の比率で混合し、水溶媒中で24時間以上加熱還流を行い、有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物を含有する溶液を得た。この溶液を、メチルイソブチルケトンにより12質量%に希釈し、光カチオン重合開始剤SP150(ADEKA製)を固形分に対して5質量%添加して、メチルイソブチルケトンにて任意の濃度に調整し、コーティング液とした。コーティング液を、プラズマ処理を行った弾性層上に塗布して成膜を行った。次に、UVランプ(紫外線ランプ)を照射して露光後、150℃にて2時間の加熱を行い硬化させて表面層を形成して転写体を得た。
上記、各層を構成する材料を、シリコーンゴム、アクリロニトリルゴムのトルエン溶解物を塗布し、圧着することにより接合した。
転写体を構成する各層の物性は以下の方法により求めた。
(1)厚さ
転写体を構成する各層の厚さは、転写体を任意の大きさで切り出し、その断面観察結果から測長した。偏りがないように選んだ任意の10点の厚さを電子顕微鏡で測定し、これらを平均した値である。
(2)圧縮弾性率
圧縮弾性率は、粘弾性スペクトロメータ(製品名:DMS6100、日立ハイテクサイエンス社)を用い、JIS K 7181に従って測定した値である。
(3)熱伝導率
熱伝導率は、各層の構成材料を用いた測定用のテストピースを作製し、ホットディスク法熱物性測定装置(製品名:TPS2500S、京都電子工業社)で測定することにより求めた。
Figure 2021115864
本実施例にて用いた反応液、インクは以下のようにして調製した。
(反応液の調製)
下記の各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、反応液を調製した。
・レブリン酸 :40.0部
・グリセリン :5.0部
・界面活性剤(商品名:メガファックF444、DIC製):1.0部
・イオン交換水 :54.0部
次いで、反応液が付与された転写体の表面に、転写体の表面と対向するように設けられたインクジェット記録ヘッドによって各色のインク及び転写補助液をこの順に付与した。インク及び転写補助液の調製方法及び組成は表2に示したとおりである。なお、各色のインク用として顔料を用いた。
<樹脂粒子の調製>
撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、ブチルメタクリレート18.0部、重合開始剤(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))2.0部、及びn−ヘキサデカン2.0部を入れた。その後、反応系に窒素ガスを導入し、0.5時間撹拌した。このフラスコに、乳化剤(商品名:NIKKOL BC15、日光ケミカルズ製)の6.0%水溶液78.0部を滴下して、0.5時間撹拌した。次いで、超音波照射機で超音波を3時間照射することで、混合物を乳化させた。その後、窒素雰囲気下、80℃で4時間重合反応を行った。反応系を25℃まで冷却した後、成分をろ過し、適量の純水を添加して、樹脂粒子1(固形分)の含有量が20.0%である樹脂粒子1の水分散液を調製した。
<樹脂水溶液の調製>
酸価が150mgKOH/gで、重量平均分子量が8,000のスチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体(樹脂1)を準備した。20.0部の樹脂1を、その酸価と等モルの水酸化カリウムで中和し、適量の純水を加え、樹脂(固形分)の含有量が20.0%である樹脂1の水溶液を調製した。
<インクの調製>
(顔料分散液の調製)
顔料(カーボンブラック)10.0部、樹脂1の水溶液15.0部、及び純水75.0部を混合した。この混合物と、0.3mm径のジルコニアビーズ200部を、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に入れて、水冷しながら5時間分散させた。その後、遠心分離して粗大粒子を除去し、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過して、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤(樹脂1)の含有量が3.0%の顔料分散液Kを調製した。
(インクの調製)
下記表2に示す各成分(単位:部)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、ブラックインクを調製した。アセチレノールE100(商品名)は、川研ファインケミカル製の界面活性剤である。
Figure 2021115864
<転写補助液の調製>
下記の各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、転写補助液を調製した。
・樹脂粒子1の水分散液 :30.0%
・樹脂1の水溶液 :3.0%
・グリセリン :5.0%
・ジエチレングリコール :4.0%
・アセチレノールE100(商品名、界面活性剤、川研ファインケミカル製):1.0%
・イオン交換水 :57.0%
(画像記録装置および画像記録方法)
図2の画像記録装置を用いて画像形成を行った。転写体11の支持部材12としては、アルミニウム合金からなる円筒形のドラムを用いた。これにより、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、回転のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上する等、要求される特性を満たすことができる。
図2に示すように、支持部材12の外周面に上述の方法で作製した転写体11を設置した。次に、画像を形成する際にはまず、転写体11を図2の矢印の方向に回転させながら、反応液付与装置14により、転写体11の表面上に反応液を付与した。次に、インク付与装置15から、転写体の表面上にインク(転写補助液を含む)を吐出した。これにより、転写体11の表面上で、反応液とインクが反応して中間画像が形成される。中間画像の形成後、転写体11の支持部材12に内蔵された加熱ヒータ(図示せず)と送風装置16により、中間画像中の水分を除去した。次に、転写体の回転に伴い、中間画像は、転写体と押圧ローラ19の間を通る。この際、中間画像は記録媒体18に押圧され、転写体から記録媒体18に中間画像が転写される。中間画像の転写後の転写体の表面は、クリーニング装置20によってクリーニングされ、清浄化される。転写体の回転と共に上記の操作を繰り返すことにより、繰り返し画像記録が行われる。前記中間画像の形成工程における転写体表面温度は60℃、中間画像の転写工程直前における転写体表面温度は120℃とした。
中間画像の吐出パターンは、記録デューティが100%のベタ画像を1cm×1cmの範囲に形成した100%ベタパターンを用いた。尚、上記画像記録装置では、解像度1,200dpi×1,200dpiで1/1,200インチ×1/1,200インチの単位領域に4ngのインク滴を1滴付与する条件を、記録デューティが100%であると定義される。
その後、転写体の表面と対向するように設けられた加熱装置17によって転写体及び中間画像を加熱した。なお、加熱装置としては、温風ヒータを用いた。次いで、押圧ローラ19で転写体11に中間画像を押圧し、記録媒体18上に画像を転写した。記録媒体としては、記録媒体A(オーロラコート(商品名)、日本製紙社、坪量73.5g/m)および記録媒体B(OKプリンス上質(商品名)、王子製紙社、坪量73.5g/m)を用いた。
加熱装置17により加熱した状態、記録媒体18を接触させ押圧ローラで押圧する直前の状態、押圧ローラで押圧した記録媒体を剥離した直後の状態、の各状態における転写体の表面の温度を、放射温度計を用いて測定した。
転写体を洗浄した後、同様の画像記録プロセスを10000回繰り返し、1枚目と10000枚目の画像を、以下の基準で転写性を評価した。
3:記録媒体への転写率が90%以上
2:記録媒体への転写率が70%以上90%未満
1:記録媒体への転写率が70%未満
なお、転写工程後の転写体を光学顕微鏡にて観察し、中間画像の残存面積を求め、
[100−(中間画像の残存面積)/(中間画像の面積)]
の式を用いて、記録媒体への転写率を算出した。
また、10000回画像記録を行った後の転写体の表面を、光学顕微鏡を用いて観察して、以下の耐久性を基準でした。
3:観察範囲にクラック等のダメージが全く見られない。
2:観察範囲にクラック等のダメージが少数見られる。
1:観察範囲にクラック等のダメージが多数見られる。
記録媒体への転写性と転写体の耐久性の評価結果を、表3に示す。
Figure 2021115864
表3より、本発明の画像記録装置および画像記録方法は、良好な転写性を有し、また、本発明の転写体は優れた耐久性を有することがわかる。
10 画像記録装置
11 転写体
12 支持部材
14 反応液付与装置
15 インク付与装置
16 送風装置
17 加熱装置
18 記録媒体
19 押圧ローラ
20 クリーニング装置
101 表面層
102 弾性層
103 中間層
104 圧縮層

Claims (12)

  1. 弾性層および圧縮層を有する転写体であって、
    前記弾性層は、熱伝導率が5[W/m・K]以上の熱伝導性フィラーを含有し、
    前記弾性層の圧縮弾性率をE1[MPa]、前記弾性層の熱伝導率をλ1[W/m・K]、
    前記圧縮層の圧縮弾性率をE2[MPa]、前記圧縮層の熱伝導率をλ2[W/m・K]、としたとき、
    1≦E1≦50
    E2≦10
    0.25≦λ1
    λ2≦0.2
    であることを特徴とする転写体。
  2. 前記弾性層の厚さをt1[mm]、前記圧縮層の厚さをt2[mm]としたとき、
    0.03≦t1≦0.2
    0.1≦t2≦0.6
    である、請求項1に記載の転写体。
  3. 前記熱伝導性フィラーが、金属ケイ素を含む、請求項1または2に記載の転写体。
  4. 前記熱伝導性フィラーが、アルミナを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の転写体。
  5. 前記弾性層が、前記熱伝導性フィラーを前記弾性層全体の質量を基準として1質量%以上70質量%以下含有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の転写体。
  6. 前記弾性層と前記圧縮層の間に、中間層を有し、前記中間層の圧縮弾性率をE3[MPa]、熱伝導率をλ3[W/m・K]、厚さをt3[mm]としたとき、
    1000≦E3≦7000
    0.1≦λ3≦0.5
    0.003≦t3≦0.05
    である、請求項1から5のいずれか1項に記載の転写体。
  7. 前記弾性層の中間画像を形成する面に表面層を有し、前記表面層の圧縮弾性率をE4[MPa]、熱伝導率をλ4[W/m・K]、厚さをt4[mm]としたとき、
    10≦E4≦300
    0.1≦λ4≦0.5
    0.001≦t4≦0.015
    である、請求項1から6のいずれか1項に記載の転写体。
  8. 前記圧縮層の弾性層に対向する面とは逆の面に基層を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の転写体。
  9. 前記基層が、セルロース繊維を含む織布およびセルロース繊維を含む不織布からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項8に記載の転写体。
  10. 前記転写体は、表面に中間画像を形成し、前記中間画像を加熱手段によって温度制御し、記録媒体に転写させる画像記録方法に用いる転写体である、請求項1から9のいずれか1項に記載の転写体。
  11. 転写体と、前記転写体の表面に中間画像を形成する中間画像形成手段と、前記転写体を加熱することによって前記中間画像を加熱する加熱手段と、前記加熱された中間画像を前記転写体から記録媒体に転写する転写手段と、を有する画像記録装置であって、
    前記転写体が、請求項1から10のいずれか1項に記載の転写体であることを特徴とする画像記録装置。
  12. 転写体の表面に中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記転写体を加熱することによって前記中間画像を加熱する加熱工程と、前記加熱された中間画像を前記転写体から記録媒体に転写する転写工程と、を有する画像記録方法であって、
    前記転写体が、請求項1から10のいずれか1項に記載の転写体であることを特徴とする画像記録方法。
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