JP2021130269A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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明子 富永
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【課題】転写体上のワックス残渣が有効に除去され、高品位な画像を安定して繰り返し記録することが可能な転写型のインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】水性インクを用いて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法である。ワックスを転写体に塗布するワックス塗布工程、反応液付与工程、中間画像形成工程、転写工程、及びクリーニング部材を転写体に接触させてワックス残渣を除去するクリーニング工程をこの順に有し、クリーニング工程が、転写体にクリーニング部材を押し当て、転写体の表面層を変形させながらワックス残渣を除去する工程であり、クリーニング工程を実施する温度における、転写体の表面層のMD−1硬度HT、ワックスのMD−1硬度HW、及びクリーニング部材のMD−1硬度HCLが、HT<HW≦HCLの関係を満たす。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法では、色材を含有する液体組成物(インク)を紙などの記録媒体に直接又は間接的に付与して画像を記録する。記録媒体にインクを付与した際に、インク中の液体成分が記録媒体に過剰に吸収されてしまうと、記録媒体にカールやコックリングなどに不具合が生ずることがある。カールやコックリングなどの不具合を防止すべく、例えば、温風や赤外線などの乾燥手段を用いて記録媒体を乾燥する方法が提案されている。さらに、転写体上に中間画像を形成した後、中間画像に含まれる液体成分を熱エネルギーの付与などにより除去し、次いで、記録媒体に中間画像を転写する方式(以下、「転写方式」とも記す)を採用した記録方法が考案されている。
転写方式を採用した記録方法としては、例えば、温度によってインクの濡れ性が変化するワックスなどの材料を付与した転写ベルトを冷却後、インクを付与して中間画像を記録する工程を有する記録方法が提案されている(特許文献1)。なお、転写後の転写ベルトに洗浄液を付与しながらクリーニングブレードで残留物を掻き取ることが開示されている。また、転写体に液体を付与して清掃する第1クリーニング手段と、転写体よりも粘着力が大きい粘着手段を転写体に接触させて清掃する第2クリーニング手段と、を有する記録装置が提案されている(特許文献2)。
特開2009−214439号公報 特開2009−072928号公報
しかし、特許文献1及び2で提案された方法や装置では、転写後の転写体上に残ったワックスなどの残渣(ワックス残渣)を十分に除去することが困難であった。転写体上に存在するワックス残渣は、その後の画像記録を阻害し、繰り返し記録した際にドット欠けや白抜けなどの不具合が画像に生じやすく、画像品位が低下する原因となっていた。
したがって、本発明の目的は、転写体上のワックス残渣が有効に除去され、高品位な画像を安定して繰り返し記録することが可能な転写型のインクジェット記録方法を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、水性インクを用いて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、ワックスを転写体に塗布するワックス塗布工程と、前記水性インクと反応する反応剤を含有する反応液を前記転写体に付与する反応液付与工程と、前記水性インクを前記転写体に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記中間画像を前記記録媒体に接触させて転写する転写工程と、クリーニング部材を前記転写体に接触させて、前記転写体上のワックス残渣を除去するクリーニング工程と、をこの順に有し、前記クリーニング工程が、前記転写体に前記クリーニング部材を押し当て、前記転写体の表面層を変形させながら前記転写体上の前記ワックス残渣を除去する工程であり、前記クリーニング工程を実施する温度における、前記転写体の前記表面層のMD−1硬度H、前記ワックスのMD−1硬度H、及び前記クリーニング部材のMD−1硬度HCLが、H<H≦HCLの関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
本発明によれば、転写体上のワックス残渣が有効に除去され、高品位な画像を安定して繰り返し記録することが可能な転写型のインクジェット記録方法を提供することができる。
転写型のインクジェット記録装置の構成の一例を示す模式図である。 転写体の層構成の一例を模式的に示す断面図である。 転写体の層構成の他の例を模式的に示す断面図である。 転写体の層構成のさらに他の例を模式的に示す断面図である。 転写体の層構成のさらに他の例を模式的に示す断面図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性の反応液及び水性のインクのことを、単に「反応液」及び「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」と記載した場合は、それぞれ「アクリル酸、メタクリル酸」、「アクリレート、メタクリレート」を意味する。
本発明のインクジェット記録方法は、水性インクを用いて記録媒体に画像を記録する方法であり、ワックス塗布工程、反応液付与工程、中間画像形成工程、転写工程、及びクリーニング工程をこの順に有する。ワックス塗布工程は、ワックスを転写体に塗布する工程である。反応液付与工程は、水性インクと反応する反応剤を含有する反応液を転写体に付与する工程である。中間画像形成工程は、水性インクを転写体に付与して中間画像を形成する工程である。転写工程は、中間画像を記録媒体に接触させて転写する工程である。また、クリーニング工程は、転写体にクリーニング部材を押し当て、転写体の表面層を変形させながら転写体上のワックス残渣を除去する工程である。そして、クリーニング工程を実施する温度における、転写体の表面層のMD−1硬度H、ワックスのMD−1硬度H、及びクリーニング部材のMD−1硬度HCLが、H<H≦HCLの関係を満たす。
融点以上の液体状態のワックスは、通常、転写体との濡れ性を示さない。このため、ワックスを付与するときの転写体の表面温度はワックスの融点未満とすることが好ましい。このように、ワックスの融点未満となるように温度制御した転写体にワックスを付与し、ワックスを液体から固体へと急激に状態変化させて、濡れにくい転写体上にワックスの薄膜(ワックス層)を形成しやすくなる。次いで、反応液及びインクを転写体、より具体的には、転写体上に形成したワックス層上に順次付与し、膜状の中間画像を転写体上に形成する。
転写工程では、転写体上に形成されたワックス層及び中間画像を記録媒体に接触させる。ワックス層は転写体に対する濡れ性を示さないため、通常、中間画像とともに記録媒体へと転写される。さらに、転写時の転写体の表面温度をワックスの融点以上の温度に制御することで、ワックス層は転写体から弾かれるように記録媒体へと容易に転写される。
しかし、転写工程後の転写体上には、記録媒体へと転写されなかったワックス(ワックス残渣)が残ることがあるので、転写体上のワックス残渣を除去するクリーニング工程が必要となる。ここで、ワックス残渣の除去(クリーニング)が不十分な状態で次の画像記録を実施すると、得られる画像の品位が低下しやすくなる。具体的には、転写体上にワックスを均一に塗布することが困難になり、記録媒体への中間画像の転写性が低下する。さらに、ドットの欠けや白抜けなどの不具合が画像に生じやすくなり、画像品位が低下する。
転写体上のワックス残渣には、ワックスが含まれている。ワックスを溶解しやすい疎水性の有機溶剤を用いて転写体をクリーニングすることが有効であるとも考えられる。しかし、疎水性の有機溶剤を繰り返し用いると、転写体の表面や転写体の周囲に配置される部材などにダメージを与えることが懸念されるとともに、廃液の処理が必要となり、工程が複雑化する。また、ブレードやスクレイパーなどの部材でワックス残渣を強引に「掻き取る」動作を繰り返すと、転写体の表面に物理的なダメージを与えることが懸念される。そこで、本発明者らは、転写体の表面や部材などに与えるダメージを低減しながら、ワックス残渣を十分に除去する方法について検討し、本発明の構成を見出すに至った。
本発明のインクジェット記録方法では、クリーニング工程を実施する温度における、転写体の表面層のMD−1硬度H、ワックスのMD−1硬度H、及びクリーニング部材のMD−1硬度HCLを、H<H≦HCLの関係を満たすように制御する。H≧Hであると、クリーニング部材を押し当てても転写体の表面層が変形しないため、ワックス残渣を割る(亀裂を生じさせる)ことができず、クリーニングが不十分になる。H<H≦HCLであると、クリーニング部材を押し当てることで、転写体の表面層を可逆的に変形(弾性変形)させることができる。これにより、ワックス残渣が割れて転写体から剥離しやすくなり、転写体を有効にクリーニングすることができる。
なお、クリーニング工程では、転写体の表面層の変形を利用して亀裂を生じさせたワックス残渣を除去するので、クリーニング部材を比較的軽く転写体に当接させればよい。このため、転写体へのダメージを低減することができる。以下、本発明のインクジェット記録方法の詳細につき、好適に使用しうるインクジェット記録装置の構成など参酌しつつ、説明する。
<転写型のインクジェット記録装置>
まず、本発明のインクジェット記録方法に用いる転写型のインクジェット記録装置について説明する。図1は、転写型のインクジェット記録装置の構成の一例を示す模式図である。転写方式には、ベルト搬送を用いるベルト型;円筒表面に転写体を張り付けたドラム型;任意のサイズに設定された転写体を個別搬送するタンデム型;などがある。図1に示す転写型のインクジェット記録装置100では、ドラム型の転写方式を採用している。このインクジェット記録装置100は、転写体101を介して記録媒体108に中間画像を転写して記録物を製造する、枚葉式の記録装置である。図1中、X方向、Y方向、及びZ方向が、それぞれ、インクジェット記録装置100の幅方向(全長方向)、奥行き方向、及び高さ方向を示す。記録媒体108はX方向に搬送される。
インクジェット記録装置100は、転写体101、ワックス層形成装置110、反応液付与装置103、インクジェットヘッドを有するインク付与装置104、液除去装置105、押圧部材106、及びローラ形状のクリーニング部材109を備える。転写体101は、支持部材102によって支持されている。ワックス層形成装置110により、ワックスが転写体102に塗布され、転写体101上にワックス層が形成される。反応液付与装置103により、インクと反応する反応剤を含有する反応液が転写体101に付与される。インク付与装置104により、反応液が付与された転写体101にインク及び転写補助液が付与され、転写体101上に中間画像が形成される。液除去装置105により、転写体101上の中間画像から液体成分が除去される。液体成分が除去された転写体101上の中間画像は、紙などの記録媒体108に接触するとともに、押圧部材106により押圧されることで記録媒体108に転写される。クリーニング部材109は、中間画像が記録媒体108に転写された後の転写体101に接触することで、転写体101上のワックス残渣を除去する部材である。転写体101、反応液付与装置103、インク付与装置104のインクジェットヘッド、液除去装置105、及びクリーニング部材109は、それぞれ、記録媒体108の幅に対応するY方向における長さを有している。
転写体101は支持部材102の回転軸102aを中心として図1中の矢印Aの方向に回転する。この支持部材102の回転により、転写体101が移動する。移動する転写体101上に、反応液付与装置103及びインク付与装置104によって反応液及びインクが順次付与され、転写体101上に中間画像が形成される。転写体101上に形成された中間画像は、転写体101の移動によって液除去装置105まで移動する。
液除去装置105によって液体成分が除去された中間画像は、液体成分が除去される前の中間画像と比べて、インクが濃縮された状態となっている。液体成分が除去された中間画像は、転写体101により、記録媒体搬送装置107によって搬送される記録媒体108と接触する転写部へと移動される。中間画像が記録媒体108と接触している間に、押圧部材106が転写体101を押圧し、記録媒体108上に中間画像が転写される。その後、記録媒体108に転写しきれなかった中間画像の残留分をクリーニング部材109によって除去する。転写後の転写体101上には、中間画像の残留分が転写残りとして少なからず存在する。
ワックスは、画像に堅牢性を付与するための成分であるため、転写体101に最初に付与され、ワックス層が形成される。そして、形成されたワックス層上に、反応液付与及びインクが順次付与されて、中間画像が形成される。このため、転写体101に直接的に接触しているワックスが、中間画像の残留分(ワックス残渣)となって転写体101上に残りやすい。
<転写体>
転写体は、中間画像を記録媒体に転写する際の転写性を向上させるために、加熱装置によって加熱されることが好ましい。転写体を加熱することで、転写体上に形成された中間画像に含まれる樹脂や樹脂粒子などの成分が溶融し、転写性が向上する。
図2A〜2Dは、転写体の層構成の例を模式的に示す断面図である。図2Aに示す転写体101Aは、支持層201、支持層201上に積層配置される圧縮層202、及び圧縮層202上に積層配置される弾性層203を備える。図2Bに示す転写体101Bは、支持層201、支持層201上に積層配置される圧縮層202、圧縮層202上に積層配置される中間層204、及び中間層204上に積層配置される弾性層203を備える。すなわち、圧縮層202と弾性層203の間に中間層204を設けてもよい。
図2Cに示す転写体101Cは、支持層201、支持層201上に積層配置される圧縮層202、圧縮層202上に積層配置される弾性層203b、弾性層203b上に積層配置される中間層204、及び中間層204上に積層配置される弾性層203aを備える。すなわち、圧縮層202と中間層204の間に第二の弾性層(弾性層203b)を設けてもよい。図2Dに示す転写体101Dは、支持層201、支持層201上に積層配置される圧縮層202、圧縮層202上に積層配置される弾性層203、及び弾性層203上に積層配置される表層205を備える。すなわち、弾性層203上に表層205を設けてもよい。転写体の大きさは、目的の印刷画像サイズに合わせて自由に選択することができる。転写体の形状としては、シート形状、ローラ形状、ベルト形状、無端ウェブ形状などを挙げることができる。
クリーニング工程では、転写体にクリーニング部材を押し当て、転写体の表面層を変形させながら転写体上のワックス残渣を除去する。このため、転写体の表面層は、可逆的に変形(弾性変形)可能な層であることを要する。図2A〜2D中、弾性層203、203a、及び表層205が、「転写体の表面層」に相当する。そして、転写体の表面層の厚さは、50μm以上であることが好ましい。以下、転写体を構成する各層の詳細について説明する。
(弾性層)
弾性層を構成する材料としては、加工特性などの観点から、各種ゴム材料やエラストマー材料を用いることができる。弾性層は、連続層や多孔質層であってもよい。ゴム材料及びエラストマー材料としては、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム、アクリルゴムなどを挙げることができる。なかでも、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴムが、寸法安定性、耐久性、及び耐熱性などの観点から好ましい。
温度制御など観点から、熱伝導率を制御するための熱伝導性フィラーが弾性層に含有されていることが好ましい。熱伝導性フィラーとしては、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、金属ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、結晶性シリカなどを挙げることができる。なかでも、金属ケイ素が温度制御性の観点から好ましい。熱伝導性フィラーの平均粒径は、10μm以下であることが好ましい。熱伝導性フィラーの粒径が大きすぎると、転写工程などで付加される圧力が局所化しやすいので、転写体が損傷しやすくなることがある。アルミナをシランカップリング処理することで、アルミナと弾性層を形成する材料との界面の密着性を向上させることができるために好ましい。
フィラーの熱伝導率は、5W/K・m以上であることが好ましく、30W/K・m以上であることがさらに好ましく、100W/K・m以上であることが特に好ましい。弾性層を形成するゴム材料やエラストマー材料の特性変化を抑えるべく、フィラーの添加量は少量であることが好ましい。さらに、耐久性及び記録媒体への追従性などの観点から、弾性層中のフィラーの含有量(質量%)は、弾性層全体を基準として、1質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
弾性層の熱伝導率は、0.25W/m・K以上であることが好ましく、0.5W/m・K以上であることがさらに好ましい。弾性層の熱伝導率が0.25W/m・Kよ未満であると、転写体の表面の温度制御性が低下しやすい。このため、画像を繰り返し記録する場合に、適正な温度範囲に制御することが困難になりやすく、転写性がやや低下することがある。
900nm以上2,500nm以下の波長を含む近赤外線を照射して転写体を温度制御する場合、照射される近赤外線を吸収しうる添加物(近赤外線吸収用の添加剤)を弾性層に含有させることが好ましい。近赤外線吸収用の添加剤としては、フタロシアニン系色素、ジチオレン錯体化合物(ジチオレン配位子を有する金属錯体)、スクアリウム系色素、キノン系色素、ジインモニウム系化合物等の有機色素や有機化合物;カーボンブラック、酸化鉄、アルミナ、鉄、アルミニウム、ケイ素等の無機材料;などを挙げることができる。なかでも、コスト面からカーボンブラックが好ましい。弾性層の、900nm以上2,500nm以下の波長を含む近赤外線の吸収率は、60%以上であることが好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。弾性層の近赤外線の吸収率を上記の範囲とする観点から、弾性層中の近赤外線吸収用の添加剤の含有量(質量%)は、弾性層全体を基準として、1質量%以上90質量%以下とであることが好ましい。
弾性層の厚さは、50μm以上であることが好ましい。弾性層が薄すぎると記録媒体への追従性が低下し、転写性が低下しやすくなることがあるとともに、耐久性が低下する場合がある。表層205(図2D)が存在しない場合、弾性層203(図1)が転写体の表面層となる。転写体の表面層(弾性層又は表層)のMD−1硬度Hは、45以下であることが好ましい。転写体の表面層のMD1硬度Hが高すぎると、クリーニング部材を押し当てても変形しにくくなり、クリーニング性が低下することがある。
(圧縮層)
圧縮層は、圧縮歪みにより転写圧力を発生する層である。圧縮層を構成する材料としては、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴムなどを挙げることができる。また、多孔質のゴム材料を用いて圧縮層を形成してもよい。また、圧縮層は、転写体の表面層の変形を吸収するとともに、局所的な圧力変動を分散させることができる。これにより、高速印刷時であっても優れた転写性が維持される。なかでも、多孔質のゴム材料を用いて圧縮層を形成すると、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性及び耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものとがあり、いずれの構造であってもよい。
また、圧縮層の圧縮弾性率は、適正な転写圧力を発生させるために、10MPa以下であることが好ましい。圧縮層の圧縮弾性率が大きすぎると、圧縮歪み量に対する圧力変化が大きくなるので、転写体の表面にかかる圧力が大きくなり、ダメージが生じやすくなる場合がある。
圧縮層の熱伝導率は、0.2W/m・K以下であることが好ましい。圧縮層の熱伝導率が0.2W/m・K超であると、弾性層表面の温度制御性が低下しやすくなる。このため、画像を繰り返し記録する場合に、適正な温度範囲に制御することが困難になりやすく、転写性がやや低下することがある。
圧縮層の厚さは、100μm以上600μm以下であることが好ましい。圧縮層の厚さが100μm未満であると、圧縮歪み量に対する圧力変化が大きくなるので、転写体の表面にかかる圧力が大きくなり、ダメージが生じやすくなる場合がある。一方、圧縮層の厚さが600μm超であると、適正な転写圧力を発生するための圧縮歪み量を大きくする必要がある。これにより、表面の変形応力が過大となった場合にダメージが発生しやすくなることがある。
(中間層)
中間層は、弾性層の変形挙動を制御するための層である。中間層の厚さは、3μm以上50μm以下であることが好ましい。中間層の厚さが3μm未満であると、弾性層の変形挙動への影響が小さくなりやすい。一方、中間層の厚さが50μm超であると、弾性層の変形挙動が過度に抑制されるので、転写性が低下しやすくなることがある。
中間層の熱伝導率は、0.1W/K・m以上0.5W/K・m以下であることが好ましい。中間層を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂の他、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、アクリル樹脂などを挙げることができる。
(表層)
表層は、中間画像の転写性を向上させるための層であるとともに、転写体の表面近傍の剛性を高めるための層である。転写体の表面近傍の剛性を高めると、転写体の表面における圧縮歪みが抑制され、耐久性を向上させることができる。
表層の厚さは、50μm以上であることが好ましい。表層の厚さが50μm未満であると、記録媒体への追従性が低下し、転写性が低下しやすくなることがあるとともに、耐久性が低下する場合がある。
表層を構成する材料としては、樹脂、セラミックスなどを挙げることができる。樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂などを挙げることができる。セラミックスとしては、加水分解性有機ケイ素化合物の縮合物などを挙げることができる。表層を構成する材料としては、金属アルコキシドの加水分解、重縮合により得られる化合物、ゾルゲル法により得られる無機化合物などを用いることもできる。金属アルコキシドとしては、一般式:M(OR)(Mは、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムなどの金属元素を表し、Rは、アルキル基を表す)で表される化合物を挙げることができる。なかでも、表層を構成する材料としては、加水分解性有機ケイ素化合物の縮合物が、画像形成性及び転写性の観点から好ましい。また、カチオン重合やラジカル重合などによる重合構造を有する加水分解性有機ケイ素化合物の縮合物が、耐久性の観点点からさらに好ましい。加水分解性有機ケイ素化合物に由来するシロキサン結合を含む分子構造を持った材料で表層が形成されていることで、転写性を向上させることができる。
加水分解性有機ケイ素化合物としては、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、これらの化合物のエポキシ基をオキセタニル基に置換した化合物、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
表層は、上記の樹脂やセラミックスを10質量%以上100質量%以下含有することが好ましく、30質量%以上含有することがさらに好ましく、50質量%以上含有することが特に好ましい。表層には、各種フィラーや添加剤を含有させてもよい。表層の熱伝導率は、0.1W/K・m以上0.5W/K・m以下であることが好ましい。
(支持層)
支持層は、搬送性や機械的な強度を付与するための層であり、必要に応じて設けることができる。支持部材を構成する材料としては、金属、セラミックス、樹脂、綿などの天然繊維、合成繊維からなる織布などを挙げることができる。
<支持部材>
転写体101は、支持部材102上に支持されている(図1)。転写体の支持には、各種接着剤や両面テープを用いてもよい。また、転写体に取り付けた金属、セラミックス、樹脂などの材質で構成された設置用部材を用いて、支持部材上に転写体を支持してもよい。
支持部材は、その搬送精度や耐久性の観点からある程度の構造強度が求められる。支持部材の材質には、金属、セラミックス、樹脂などが好ましく用いられる。なかでも、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上しうる材質が好ましい。このような材質としては、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクス、アルミナセラミクスなどを挙げることができる。
<ワックス層形成装置>
ワックス層形成装置110は、ワックスを収容するワックス収容部110a、及びワックス収容部110aに収容されたワックスを転写体101上に付与するワックス付与部材110b、110cを備える(図1)。ワックス層形成装置110によって転写体101上にワックスが塗布され、薄膜状のワックス層が転写体101上に形成される。形成されたワックス層上には、反応液及びインクが順次付与されて中間画像が形成される。
ワックスは、流動性を示す液体状態でワックス収容部110a内に収容されており、ワックス付与部材110b、110cを経由して液体状態のままで転写体101に塗布される。ワックス付与部材110cと接触する位置(図1中、「F」で示される位置)における転写体101の表面温度がワックスの融点未満の温度に制御されることが好ましい。これにより、転写体101に塗布されたワックスは冷却固化し、薄膜状のワックス層が形成しやすくなる。ワックス層の厚さは、均一であることが好ましい。ワックス塗布工程では、ワックスを転写体に塗布して厚さ5μm以下のワックス層を形成することが好ましく、厚さ3μm以下のワックス層を形成することがさらに好ましい。ワックス層が厚すぎると、クリーニング部材を押し当てて転写体の表面層を変形させてもワックス残渣が割れにくくなり、クリーニング性がやや低下する場合がある。
転写体にワックスを塗布するには、従来公知の各種装置を適宜用いることができる。具体的には、グラビアオフセットローラ、インクジェットヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などを挙げることができる。図1に示すワックス層形成装置110においては、ワックス付与部材110bがグラビアオフセットローラに対応し、ワックス付与部材110cがオフセットローラに対応する。
<ワックス>
ワックスとしては、蜜蝋、ラノリン、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックスなどの天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ワックスなどの合成ワックス;ウレタン変性ワックス、アルコール変性ワックスなどの変性ワックス;の他、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体ワックスなどを挙げることができる。なかでも、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、及びこれらの変性物からなる群より選択される少なくとも1種のワックスを用いることが好ましい。
ワックスは、常温(25℃)で固体であることが好ましい。ワックスの融点は、JIS K 2235:1991(石油ワックス)の5.3.1(融点試験方法)に記載の試験法に準拠して測定することができる。マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、及び複数種のワックスの混合物の場合は、5.3.2に記載の試験法を利用すると、より精度よく測定することができる。ワックスの融点は、分子量、分子構造、結晶性、密度など特性の影響を受けやすい。このため、これらの特性を制御することで、所望の融点を有するワックスとすることができる。ワックスは、シャープメルト性を有していたほうが、融点付近までMD−1硬度の値が大きく割れやすいため、クリーニング性が向上する。
クリーニング工程を実施する温度における、転写体の表面層の表面張力S、ワックスの表面張力S、及びクリーニング部材の表面張力SCLは、S<S<SCLの関係を満たすことが好ましい。S、S、及びSCLが上記の関係を満たすことで、転写体の表面層の変形によって割れたワックス残渣が転写体の表面層から剥がれやすくなるとともに、クリーニング部材に付着しやすくなる。これにより、クリーニング性をさらに向上させることができる。
ワックス、転写体の表面層、及びクリーニング部材の表面張力は、JIS K 6768:1999(プラスチック−フィルム及びシート−ぬれ張力試験方法)に記載の試験法に準拠して測定することができる。ぬれ張力試験方法で用いる試薬としては、市販の混合液、有機溶剤、有機溶剤の混合液などを挙げることができる。具体的には、段階的に増加する表面張力を有する一連の試薬を測定対象の試料に滴下して、ぬれの状態(ぬれている/ぬれていない)を確認し、ぬれが生ずる試薬の表面張力を、試料の表面張力(mN/m)とする。
固体の表面特性を示す指標としては、「表面張力(mN/m)」ではなく、「表面自由エネルギー(mJ/m)」が利用されることが多い。但し、J=N・mであることから、「表面自由エネルギー(mJ/m)」と「表面張力(mN/m)」の値は等しくなる。物質の表面張力は、通常、常温(25℃)からの温度上昇にしたがって低下する傾向にある。しかし、一般的なインクジェット記録方法であれば、常温と加熱状態で表面張力の大小関係が逆転したり、表面張力の差が顕著に拡大したりすることはない。そこで、本発明においては、便宜上、固体であるワックス、転写体の表面層、及びクリーニング部材の常温(25℃)における「表面張力(mN/m)」の大小関係を判断する。
転写体の表面層のMD−1硬度Hと、ワックスのMD−1硬度Hとの差は、5以上であることが好ましい。HとHの差が5未満であると、クリーニング工程時の転写体の表面層の変形に固化したワックス残渣が追従しやすくなる。このため、ワックス残渣が割れにくくなることがあり、クリーニング性がやや不十分になることがある。
ワックスのMD−1硬度Hは、40以上80以下であることが好ましく、45以上80以下であることがさらに好ましい。ワックスのMD−1硬度Hが小さすぎると、ワックス残渣自体が変形しやすくなるので、クリーニング部材を押し当てても割れにくくなり、クリーニング性がやや低下することがある。一方、ワックスのMD−1硬度Hが大きすぎると、転写体の表面層が変形してもワックス残渣が割れにくくなる。このため、クリーニング部材をより強い力で転写体に押し当てる必要があり、転写体やクリーニング部材の耐久性が低下しやすくなることがある。
<反応液付与装置>
反応液付与装置103は、反応液を収容する反応液収容部103a、反応液収容部103aに収容された反応液を転写体101上に付与する反応液付与部材103b、103cを備える(図1)。反応液付与装置としては、反応液を転写体に付与しうる従来公知の各種装置を適宜用いることができる。具体的には、グラビアオフセットローラ、インクジェットヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などを挙げることができる。図1及び2に示す反応液付与装置103においては、反応液付与部材103bがグラビアオフセットローラに対応し、反応液付与部材103cがオフセットローラに対応する。
反応液は、インクを付与する前に転写体に付与する。インクを付与する前に反応液を転写体に付与することで、インクジェット方式により吐出されたインクの液滴同士が混ざり合うブリーディングや、先に着弾したインクの液滴が後に着弾したインクの液滴に引き寄せられるビーディングを抑制することができる。
<反応液>
反応液は、インクと反応する反応剤を含有する。この反応剤は、インクと接触することによりインク中のアニオン性基を有する成分(樹脂、自己分散顔料など)を凝集させる成分である。反応剤としては、多価金属イオン、カチオン性樹脂などのカチオン性成分や、有機酸など挙げることができる。
多価金属イオンとしては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+などの二価の金属イオン;Fe3+、Cr3+、Y3+及びAl3+などの三価の金属イオン;を挙げることができる。反応液に多価金属イオンを含有させるために、多価金属イオンとアニオンとが結合して構成される多価金属塩(水和物であってもよい)を用いることができる。アニオンとしては、Cl、Br、I、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、NO 、NO 、SO 2−、CO 2−、HCO 、PO 3−、HPO 2−、及びHPO などの無機アニオン;HCOO、(COO、COOH(COO)、CHCOO、C(COO、CCOO、C(COO及びCHSO などの有機アニオンを挙げることができる。反応剤として多価金属イオンを用いる場合、反応液中の多価金属塩換算の反応剤の含有量(質量%)は、反応液全質量を基準として、1.00質量%以上10.00質量%以下であることが好ましい。
有機酸を含有する反応液は、酸性領域(pH7.0未満、好ましくはpH2.0〜5.0)に緩衝能を有することによって、インク中に存在する成分のアニオン性基を酸型にして凝集させる。有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピコリン酸、ニコチン酸、チオフェンカルボン酸、レブリン酸、クマリン酸などのモノカルボン酸及びその塩;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、セバシン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸などのジカルボン酸、及びその塩や水素塩;クエン酸、トリメリット酸などのトリカルボン酸、及びその塩や水素塩;ピロメリット酸などのテトラカルボン酸、及びその塩や水素塩;などを挙げることができる。
カチオン性樹脂としては、1〜3級アミンの構造を有する樹脂、4級アンモニウム塩の構造を有する樹脂などを挙げることができる。カチオン性樹脂としては、ビニルアミン、アリルアミン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、エチレンイミン、グアニジンなどの構造を有する樹脂などを挙げることができる。反応液への溶解性を高めるために、カチオン性樹脂と酸性化合物とを併用したり、カチオン性樹脂に4級化処理を施したりすることもできる。反応剤としてカチオン性樹脂を用いる場合、反応液中のカチオン性樹脂の含有量(質量%)は、反応液全質量を基準として、1.00質量%以上10.00質量%以下であることが好ましい。
反応液には、反応剤以外の成分として、後述するインクに含有させることができる水、水溶性有機溶剤、その他の添加剤などと同様のものを含有させることができる。
<インク付与装置>
転写型のインクジェット記録装置100は、転写体101にインクを付与するインク付与装置104を備える(図1)。転写体上では反応液とインクが接触及び混合し、中間画像が形成される。そして、液除去装置によって中間画像像から液体成分が除去される。
インクを付与するインク付与装置として、インクジェット法によりインクを吐出するインクジェットヘッドを用いる。インクジェットヘッドとしては、電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態;電気−機械変換体によってインクを吐出する形態;静電気を利用してインクを吐出する形態;などを挙げることができる。インクジェットヘッドとしては、公知のインクジェットヘッドを用いることができる。なかでも、高速で高密度の印刷を実施する観点から、電気−熱変換体を利用するインクジェットヘッドが好ましい。画像信号を受け、各位置に必要なインク量を付与することで描画される。
図1に示すインク付与装置104のインクジェットヘッドは、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体108の画像記録領域の幅分をカバーする範囲にノズルが配列されている。インクジェットヘッドは、その下面(転写体101側)にノズルが開口したインク吐出面を有する。インク吐出面は、微小な隙間(数ミリ程度)を空けて転写体101の表面と対向している。
インク付与量は、画像濃度(duty)やインク厚みで表現することができる。また、各インクドットの質量に付与個数を掛け、印字面積で割った平均値をインク付与量(g/m)としてもよい。画像領域における最大インク付与量は、インク中の液体成分を除去する観点から、転写体の情報として用いられる領域内において、少なくとも5mm以上の面積において付与されているインク付与量を示す。
インク付与装置は、転写体上に各色のカラーインクを付与するために、複数のインクジェットヘッドを有していてもよい。例えば、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、及びブラックインクを用いて各色の画像を形成する場合、インク付与装置は4種類のインクを転写体上にそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッドを有する。4つのインクジェットヘッドは、X方向に並ぶように配置される。
また、インク付与装置は、色材を含有しない又は極少量含有する、実質的に透明なクリアインクを吐出するインクジェットヘッドを有していてもよい。クリアインクを、反応液及びカラーインクとともに中間画像を形成するために利用することができる。例えば、画像の光沢性を向上させるためにクリアインクを用いることができる。転写後の画像に光沢感が付与されるように、クリアインクに配合する樹脂成分の含有量を適宜調整すればよい。また、クリアインクの吐出位置を制御してもよい。クリアインクは、最終的に得られる画像において、カラーインクよりも表層側に存在していることが好ましい。このため、転写体型のインクジェット記録装置では、カラーインクよりも前にクリアインクを転写体に付与することが好ましい。すなわち、インク付与装置と対面する転写体の移動方向において、クリアインク用のインクジェットヘッドを、カラーインク用のインクジェットヘッドよりも上流側に配置することが好ましい。
また、転写体から記録媒体への中間画像の転写性を向上させるために、クリアインクを利用することもできる。例えば、粘着性を発現する成分をクリアインクに多く配合することで、クリアインクを転写性向上液として利用することができる。例えば、インク付与装置と対面する転写体の移動方向において、クリアインク用のインクジェットヘッドを、カラーインク用のインクジェットヘッドよりも下流側に配置する。そして、転写体にカラーインクを付与した後、クリアインクをさらに付与して、中間画像の最表面にクリアインクを存在させる。記録媒体に中間画像を転写する際、最表面のクリアインクが適度な粘着力で記録媒体に粘着するので、転写性が向上する。
<インク>
インクは、通常、色材、樹脂粒子、及び水性媒体などを含有する。以下、インクの各成分について説明する。
(色材)
色材として、顔料や染料を用いることができる。インク中の色材の含有量は、インク全質量を基準として、0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
顔料としては、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料;アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン、イソインドリノン系、イミダゾロン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系などの有機顔料;を挙げることができる。顔料を分散方式で分類すると、樹脂分散剤により分散させた樹脂分散顔料;顔料の粒子表面にアニオン性基などの親水性基を直接又は他の原子団を介して結合させた自己分散顔料などを挙げることができる。分散方式の異なる顔料を組み合わせて用いてもよい。
樹脂分散剤としては、インクジェット用の水性インクに用いられる公知の樹脂分散剤を使用することができる。なかでも、親水性ユニット及び疎水性ユニットを分子鎖中に併せ持つアクリル系の水溶性の樹脂分散剤を用いることが好ましい。樹脂の形態としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及びこれらの組み合わせなどを挙げることができる。
インク中の樹脂分散剤は、液媒体に溶解した状態であってもよく、液媒体中に樹脂粒子として分散した状態であってもよい。水溶性樹脂とは、酸価と当量のアルカリで中和した場合に、動的光散乱法により粒子径を測定しうる粒子を形成しない樹脂を意味する。
アニオン性基などの親水性基を有する親水性ユニットは、親水性基を有するモノマーを重合することで形成することができる。親水性基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸などのアニオン性基を有する酸性モノマー、これらの酸性モノマーの無水物や塩などのアニオン性モノマーなどを挙げることができる。酸性モノマーの塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。
アニオン性基などの親水性基を実質的に有しない疎水性ユニットは、疎水性基を有するモノマーを重合することで形成することができる。疎水性基を有するモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環を有するモノマー;エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの脂肪族基を有するモノマー((メタ)アクリルエステル系モノマー);などを挙げることができる。
樹脂分散剤の酸価は、50mgKOH/g以上550mgKOH/g以下であることが好ましく、100mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。樹脂分散剤の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上50,000以下であることが好ましい。インク中の顔料の含有量(質量%)は、樹脂分散剤の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.3倍以上10.0倍以下であることが好ましい。
自己分散顔料としては、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基などのアニオン性基が、直接又は他の原子団(−R−)を介して顔料の粒子表面に結合しているものを用いることができる。アニオン性基は、酸型及び塩型のいずれであってもよく、塩型である場合は、その一部が解離した状態及び全てが解離した状態のいずれであってもよい。アニオン性基が塩型である場合のカウンターイオンとなるカチオンとしては、アルカリ金属カチオン;アンモニウム;有機アンモニウム;などを挙げることができる。また、他の原子団(−R−)としては、炭素原子数1乃至12の直鎖又は分岐のアルキレン基、フェニレン基やナフチレン基などのアリーレン基、アミド基、スルホニル基、アミノ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基などを挙げることができる。また、これらの基を組み合わせた基としてもよい。
染料としては、アニオン性基を有する染料を用いることが好ましい。染料としては、アゾ系、トリフェニルメタン系、(アザ)フタロシアニン系、キサンテン系、アントラピリドン系などの染料を挙げることができる。
(樹脂粒子)
樹脂粒子は、色材を含むものである必要はない。樹脂粒子を含有するインクを用いることで、得られる画像の品位や定着性を向上させることができる。
樹脂粒子としては、オレフィン系、ポリスチレン系、ウレタン系、アクリル系などの各種の樹脂で構成される樹脂粒子を挙げることができる。樹脂粒子を構成する樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上2,000,000以下であることが好ましい。動的光散乱法により測定される樹脂粒子の体積平均粒子径は、10nm以上1,000nm以下であることが好ましく、100nm以上500nm以下であることがさらに好ましい。インク中の樹脂粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以上40.0質量%以下であることがさらに好ましい。
(水性媒体)
インクは、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する水性インクである。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものを用いることができる。
(その他添加剤)
インクには、上記成分以外にも必要に応じて、消泡剤、界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂など種々の添加剤を含有させることができる。
<液除去装置>
液除去装置105は、転写体101上に形成された中間画像から液体成分を除去する装置である(図1)。液除去装置によれば、例えば、加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法などによって中間画像から液体成分を除去することができる。加熱による方法としては、短時間で効率的に加熱できることから、赤外線ヒータを用いる方法が好ましい。さらに、多孔質体を含む液吸収部材を中間画像に押し当てることで、中間画像から液体成分を吸収して除去する手段を採用した液吸収装置としてもよい。
中間画像に含まれる、除去対象となる液体成分は、通常、一定形状を有さず、流動性を有し、ほぼ一定の体積を有する。液体成分は、例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒などである。
多孔質体を含む液吸収部材は、ローラの外周面に配設されてもよいし、液吸収部材自体が無端のシート状に形成されており、循環的に走行されるものであってもよい。中間画像を保護する観点から、液吸収部材の移動速度と、転写体の周速度とを同期させることが好ましい。
インク中の固形分が付着するのを抑制すべく、液吸収部材に用いる多孔質体の孔径は、10μm以下であることが好ましい。多孔質体の孔径は、多数の孔の平均直径を意味する。多孔質体の孔径(平均直径)は、水銀圧入法、窒素吸着法、SEM画像観察などの方法によって測定することができる。
<転写用の押圧部材>
転写体101上の液除去後の中間画像を、記録媒体搬送装置107によって搬送される記録媒体108に接触させるとともに、転写用の押圧部材106により押圧することで、記録媒体108に中間画像が転写される(図1)。液体成分を除去後の中間画像を記録媒体に転写することで、カールやコックリングなどの不具合の発生を抑制しつつ、画像を記録することができる。
押圧部材は、記録媒体の搬送精度や耐久性の観点からある程度の構造強度が求められる。押圧部材の材質としては、金属、セラミック、樹脂などが好ましい。なかでも、転写時の加圧に耐えうる剛性や寸法精度のほか、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上しうる材質が好ましい。このような材質としては、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミックス、アルミナセラミックスなどを挙げることができる。
転写体上の中間画像を記録媒体に転写する際に、押圧部材が転写体を押圧する時間(押圧時間)は、転写が良好に行われ、かつ、転写体の耐久性が損なわれない範囲とすることが好ましく、5ms以上100ms以下とすることがさらに好ましい。押圧時間は、記録媒体と転写体が接触している時間である。押圧時間は、面圧分布測定器(商品名「I−SCAN」、新田製)を使用して面圧を測定し、加圧領域の搬送方向長さを搬送速度で除して得ることができる。
押圧部材が転写体を押圧する圧力は、転写が良好に行われ、かつ、転写体の耐久性が損なわれない範囲とすることが好ましい。押圧部材が転写体を押圧する圧力は、9.8N/cm(1kg/cm)以上294.2N/cm(30kg/cm)以下とすることが好ましい。押圧部材が転写体を押圧する圧力は、記録媒体と転写体の間のニップ圧である。押圧部材が転写体を押圧する圧力は、面圧分布測定器(商品名「I−SCAN」、新田製)を使用して面圧を測定し、加圧領域における加重を面積で除して得ることができる。
押圧部材が転写体を押圧する際の温度は、インクに含まれる樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移点以上又は軟化点以上の温度とすることが好ましい。転写体上の中間画像、転写体、及び記録媒体を加熱する加熱手段を使用して、押圧部材が転写体を押圧する際の温度を制御することが好ましい。転写手段の形状としては、例えば、ローラ形状などを挙げることができる。
<記録媒体及び記録媒体搬送装置>
記録媒体108を搬送する記録媒体搬送装置107は、記録媒体繰り出しローラ107a及び記録媒体巻き取りローラ107bにより構成されている(図1)。そして、記録媒体搬送装置107は、記録媒体108を矢印Cの方向に搬送する。記録媒体としては、従来公知の記録媒体を用いることができる。記録媒体としては、ロール状に巻回された長尺物や、所定の寸法に裁断された枚葉物などを挙げることができる。記録媒体の材質としては、紙(段ボール紙などのボール紙を含む)、樹脂、木、金属などを挙げることができる。
<クリーニング部材>
クリーニング部材109は、中間画像が記録媒体108に転写された後の転写体101に接触し、転写体101の表面層を変形させながら、転写体101上のワックス残渣を除去する部材である(図1)。すなわち、クリーニング工程においては、転写体101上の固化したワックス残渣を割って除去することが好ましい。また、クリーニング工程を実施する温度は、クリーニング位置(図1中、「E」で示される位置)における転写体101の表面温度のことである。そして、クリーニング工程において、クリーニング部材109の押し当てによる転写体101の表面層の変形量は、転写体101の表面層の厚さ以下であるとともに、10μm以上500μm以下であることが好ましい。表面層の変形量が10μm未満であると、ワックス残渣が割れにくくなり、クリーニング性が低下しやすくなることがある。一方、表面層の変形量が500μm超であると、転写体の表面層へのダメージが大きくなり、繰り返しの記録によって画像品位が徐々に低下しやすくなる。
クリーニング部材を構成する材料としては、SUS、アルミニウム、スチール等の金属の他、ポリウレタン、シリコン、有機シロキサン化合物などを挙げることができる。クリーニング部材の形状としては、ローラ形状、ブレード形状、ワイパー形状などを挙げることができる。なかでも、クリーニング部材の形状は、ローラ形状であることが好ましい。ローラ形状のクリーニング部材を用いることで、クリーニングによる転写体へのダメージを低減することができるとともに、繰り返し記録した場合であっても画像の品位がさらに低下しにくくなる。
図1に示すように、ローラ形状のクリーニング部材109の回転方向は、転写体101の回転方向(時計回り)と逆方向(反時計回り)であることが好ましい。これにより、転写体101とクリーニング部材109との摩擦を低減することができ、転写体101の表面への物理的なダメージを減らすことができる。また、転写体101とクリーニング部材109との間の相対速度差は小さいことが好ましい。これにより、転写体101の表面への物理的なダメージをさらに減らすことができる。
<転写体の温度制御>
本発明のインクジェット記録方法で使用するインクジェット記録装置は、クリーニング工程時の転写体の温度を制御するための温度制御機構を備えることが好ましい。転写体の温度を制御することで、クリーニングによるワックス残渣の除去効率を高めることができる。また、クリーニング工程だけでなく、他の工程においても転写体の温度制御をすることで、繰り返し記録する場合であっても画像品位を高く保つことができるために好ましい。
図1に示すインクジェット記録装置100は、ワックス層形成装置110、反応液付与装置103、インク付与装置104、液除去装置105、押圧部材106、及びクリーニング装置109などを備える。転写体の温度を制御するための温度制御機構は、これらの装置同士の間に適宜設けることが好ましい。また、転写体101の内部や支持部材102に温度制御機構を内蔵させることも好ましい。
温度制御機構は、例えば、転写体の温度を検知する手段、加熱手段、及び冷却手段などを備える。転写体の温度を検知する手段としては、熱電対を用いた温度センサ、赤外線を感知する放射温度計などを挙げることができる。転写体の温度を検知する手段は、支持部材102(図1)に内蔵させてもよく、転写体の表面温度を検知するものであってもよい。具体的には、図1に示すように、転写工程直前における転写体101の表面温度を測定しうる位置に温度計111を設置することで、「転写工程における転写体の表面温度」を測定することができる。また、クリーニング工程直前における転写体101の表面温度を測定しうる位置に温度計112を設置することで、「クリーニング工程における転写体の表面温度」を測定することができる。
転写体の加熱手段としては、加熱ヒータ、赤外線ヒータ、温風ヒータなどを挙げることができる。転写体に加熱した部材(例えばローラ)を接触させる機構であってもよい。このような加熱手段は、転写体の内部や支持部材に内蔵させてもよい。また、転写体の表面を加熱しうる位置に加熱手段を設置してもよい。
転写体の冷却手段としては、放熱による冷却、送風機構などを挙げることができる。転写体に冷却した部材(例えばローラ)を接触させる機構であってもよい。このような冷却手段は、転写体の内部や支持部材に内蔵させてもよい。また、転写体の表面を冷却しうる位置に冷却手段を設置してもよい。
<クリーニング部材の温度制御>
本発明のインクジェット記録方法で使用するインクジェット記録装置は、クリーニング工程時のクリーニング部材の温度を制御するための温度制御機構を備えることが好ましい。クリーニング部材の温度を制御するための温度制御機構を、インクジェット記録装置を構成する装置同士の間に適宜設けることが好ましい。また、クリーニング部材に温度制御機構を内蔵させることも好ましい。
温度制御機構は、例えば、クリーニング部材の温度を検知する手段、加熱手段、及び冷却手段などを備える。クリーニング部材の温度を検知する手段としては、熱電対を用いた温度センサ、赤外線を感知する放射温度計などを挙げることができる。クリーニング部材の温度を検知する手段は、クリーニング部材に内蔵させてもよく、クリーニング部材の表面温度を検知するものであってもよい。
クリーニング部材の加熱手段としては、加熱ヒータ、赤外線ヒータ、温風ヒータなどを挙げることができる。このような加熱手段は、クリーニング部材に内蔵させてもよい。また、クリーニング部材の表面を加熱しうる位置に加熱手段を設置してもよい。クリーニング部材の冷却手段としては、放熱による冷却、送風機構などを挙げることができる。クリーニング部材に冷却した部材(例えばローラ)を接触させる機構であってもよい。
<クリーニング部材のクリーニング>
クリーニング部材へと転移するワックス残渣の量は、画像の記録を繰り返すにしたがって増加する。クリーニング部材へと転移したワックス残渣は、クリーニング部材と、転写体上のワックス残渣との間の熱の伝達を阻害する要因となるので、可能な限り除去することが好ましい。このため、インクジェット記録装置は、クリーニング部材に付着及び蓄積したワックス残渣を除去するためのクリーニング装置をさらに備えることが好ましい。クリーニング部材上のワックス残渣の融点は、通常、ワックス自体の融点よりも低い。このため、クリーニング部材上のワックス残渣の状態は、固体状又は半固体状である。クリーニング装置としては、ブラシで擦る方式や、ブレードで掻き取る方式のものを適宜採用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<ワックス>
表1に示す種類のワックスを用意した。ワックスのMD−1硬度Hは、マイクロゴム硬度計(製品名「MD−1capa」、高分子計器製)を使用し、タイプA(一般ゴム用)、ピークホールドモード、サンプル厚さ5mm以上、の条件で測定した。ワックスの表面張力S(mN/m)は、ポリエチレンテレフタレート製のフィルム上にワックスを付与して形成した厚さ8μmのワックス層を測定対象物とし、JIS K 6768:1999に準拠して測定した。表面張力測定用の試薬としては、測定対象物の表面張力に合わせて、以下に示す試薬から選択して用いた。
・商品名「ぬれ張力試験用混合液」(富士フイルム和光純薬工業製)
・n−ヘキサン(表面張力18.4mN/m)
・エタノール(表面張力22.6mN/m)
・n−ヘキサン及びエタノールを所定の割合で混合して得た、表面張力が既知の混合液
単一の成分で構成されるワックスの融点(℃)は、JIS K 2235:1991(石油ワックス)の5.3.1(融点試験方法)に記載の試験法に準拠して測定した。複数の成分で構成されるワックス(ワックス混合物)の融点は、JIS K 2235:1991の5.3.2に記載の試験法に準拠して測定した。
Figure 2021130269
<転写体>
表2に示す種類の転写体を用意した。用意した転写体は、それぞれ、両面粘着テープを用いて支持部材に固定した。ワックスのMD−1硬度及び表面張力を測定した前述の方法と同様の方法により、用意した転写体の表面層のMD−1硬度H及び表面張力S(mN/m)を測定した。転写体の表面層のMD−1硬度Hは温度依存性が低いため、室温(25℃)条件下で測定した。
(転写体1)
シリコーンゴム(商品名「KE−12」、信越シリコーン製)98.0部、及びカーボンブラック2.0部を混合して混合物を得た。得られた混合物をポリエチレンテレフタレート製の厚さ0.05mmのフィルム上にスピンコートし、厚さ40μm、50μm、150μm、及び600μmのシート状のシリコーンゴム(転写体1)を得た。
(転写体2)
シランカップリング剤及びアルコキシシランを1:1のモル比で混合して加熱し、還流させて縮合物を得た。シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(商品名「KBE−403」、信越シリコーン製)を用いた。アルコキシシランとしては、メチルトリエトキシシラン(商品名「KBE−13」、信越シリコーン製)を用いた。得られた縮合物及びカチオン系光重合開始剤(商品名「アデカアークルズSP150」、アデカ製)を混合して混合物を調製した。シリコーンゴムにプラズマ処理を施して親和性を高めた基材の表面に、調製した混合物の適量を付与した。高圧水銀ランプを使用し、積算露光量:5,000mJ/cmとなるようにUV照射した。その後、150℃で2時間熱硬化させて、シリコーンゴムの表面にシロキサン変性樹脂1からなる厚さ150μmの表面層が設けられた転写体2を得た。
(転写体3〜5)
シランカップリング剤及びアルコキシシランのモル比を変更したこと以外は、前述の転写体2の場合と同様にして、シリコーンゴムの表面にシロキサン変性樹脂2〜4からなる表面層がそれぞれ設けられた転写体3〜5を得た。転写体3及び4の表面層の厚さは、150μmであった。また、転写体5の表面層の厚さは、40μmであった。
Figure 2021130269
<反応液の調製>
(反応液1)
以下に示す成分を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、反応液1を調製した。以下に示す成分のうち、「メガファックF444」は、フッ素系のノニオン性界面活性剤(DIC製)の商品名である。
・リンゴ酸:30.0質量%
・グリセリン:7.0質量%
・水酸化カリウム(中和剤):5.0質量%
・メガファックF444:5.0質量%
・イオン交換水:53.0質量%
(反応液2)
以下に示す成分を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、反応液2を調製した
・硝酸カルシウム・4水和物:30.0質量%
・グリセリン:7.0質量%
・メガファックF444:5.0質量%
・イオン交換水:58.0質量%
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液1)
酸価150mgKOH/g、重量平均分子量8,000のスチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体(樹脂1)を用意した。樹脂1 20.0部を、その酸価と等モルの水酸化カリウムで中和した後、適量の純水を加え、樹脂(固形分)の含有量が20.0%である樹脂1の水溶液を調製した。顔料(カーボンブラック)10.0部、樹脂1の水溶液15.0部、及び純水75.0部を混合して混合物を得た。得られた混合物及び0.3mm径のジルコニアビーズ200部をバッチ式の縦型サンドミル(アイメックス製)に入れ、水冷しながら5時間分散させた。遠心分離して粗大粒子を除去した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過して、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤(樹脂1)の含有量が3.0%の顔料分散液1を調製した。
(顔料分散液2)
顔料をC.I.ピグメントブルー15:3に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤(樹脂1)の含有量が3.0%の顔料分散液2を調製した。
<樹脂粒子の調製>
撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水74部及び過硫酸カリウム0.2部を混合して得た溶液を入れた。ブチルメタクリレート34部、メタクリル酸1.5部、及び商品名「アクアロン(登録商標)KH−05」(第一工業製薬製)0.3部を混合及び乳化して得た混合物を1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下、80℃で撹拌しながら重合反応を行った。さらに2時間撹拌した後、室温まで冷却した。イオン交換水及び水酸化カリウム水溶液を添加して、アニオン性の樹脂の含有量が40%、pH8.5の樹脂粒子分散体を得た。得られた樹脂粒子分散体中の樹脂粒子の体積平均粒子径(D50)は、220nmであった。
<インクの調製>
表3に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。表3中、「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製の界面活性剤の商品名である。
Figure 2021130269
<クリーニング部材>
表4に示す種類のクリーニング部材を用意した。クリーニング部材3は、前述のシロキサン変性樹脂3を用いて作製した厚さ5mmのフィルムをSUS製のローラに巻き付けて製造した。また、クリーニング部材4は、前述のシロキサン変性樹脂4を用いて作製した厚さ5mmのフィルムをSUS製のローラに巻き付けて製造した。さらに、シランカップリング剤及びアルコキシシランのモル比を変更したこと以外は、前述の転写体2の場合と同様にして、シロキサン変性樹脂5を調製した。そして、調製したシロキサン変性樹脂5を用いて作製した厚さ5mmのフィルムをSUS製のローラに巻き付けて、クリーニング部材5を製造した。
ワックスのMD−1硬度及び表面張力を測定した前述の方法と同様の方法により、用意したクリーニング部材のMD−1硬度HCL及び表面張力SCL(mN/m)を測定した。クリーニング部材のMD−1硬度HCLは温度依存性が低いため、室温(25℃)条件下で測定した。
Figure 2021130269
<画像の記録>
表5−1及び5−2に示す種類の転写体、ワックス、クリーニング部材、反応液、及びインクを組み合わせたインクジェット記録装置100(図1)を用意した。転写体101の各位置(図1中、「E」及び「F」で示される位置)の表面温度は、放射温度計(商品名「IT−545」、堀場製作所製)を用いて測定した。
アルミニウム合金で形成された円柱状の支持部材102の表面に、両面粘着テープを用いて転写体101をそれぞれ固定した。転写体101は、表面の移動速度が0.4m/秒となるように回転させて用いた。ワックス収容部110a内に収容したワックスを、不図示の加熱機構により融点以上の温度に加熱して溶融させ、ワックス付与部材110b、110cにワックスを供給した。そして、ワックス付与部材110cが接触する位置(F)の表面温度を80℃に調整した転写体101に、所定の厚さのワックス層が形成されるようにワックスを塗布した。形成されるワックス層の厚さは、使用したバーコーターの線径、及びバーコーターの当接圧力を調整することで制御した。転写体101上に形成されたワックス層の厚さは、50倍の対物レンズを搭載したレーザーマイクロスコープ(商品名「OPTELICS HYBRID」、レーザーテック製)を用いて測定した。具体的には、転写体101の表面からワックス層の表面までの高さをランダムに4点測定した平均値を算出し、ワックス層の厚さとした。ワックス収容部110aに収容されたワックスを転写体101に塗布するまでの間、ワックス収容部110a、ワックス付与部材110b、110cは、ワックスの融点以上の温度に保持し、ワックスの溶融状態を保った。ワックス層は、転写体101上の記録媒体に対応する領域の全体にわたって形成した。
反応液及びインクを、インクジェット記録装置100の反応液付与装置103及びインク付与装置104にそれぞれ充填した。反応液付与装置103を使用して、転写体101上に反応液を0.6g/mとなるように付与した。電気−熱変換素子を備えたオンデマンド方式にてインクを吐出するタイプの記録ヘッドをインク付与装置104として使用し、転写体101の反応液が付与された領域にインクを付与して中間画像を形成した。
次いで、液除去装置105(赤外線加熱及び送風)によって中間転写体101上の中間画像から液体分を除去した。転写体101の回転速度と同等の速度となるように、記録媒体繰り出しローラ107a及び記録媒体巻き取りローラ107bを駆動させて記録媒体108を搬送した。転写体101と押圧部材106の間で記録媒体108と転写体101上の中間画像を接触させ、転写体101から記録媒体108へと中間画像を転写して画像を記録した。転写体101及び押圧部材106の間のニップ圧は、3kgf/cmに調整した。
転写体101の回転速度と同等の速度となるように、クリーニング部材109の回転速度を調整した。クリーニング部材109の押し当てにより、転写体101の表面層が表5−1及び5−2に示す変形量となるように調整した。転写体101の表面温度と、クリーニング部材109の表面温度は、それぞれに内蔵させた温度制御機構により制御した。画像記録時のその他の条件を表5−1及び5−2に示す。
Figure 2021130269
Figure 2021130269
<評価>
図1に示す構成のインクジェット記録装置100を使用して、記録媒体108に画像を記録した。このインクジェット記録装置100では、1/1,200インチ×1/1,200インチの単位領域に3.0ngのインク滴を1滴付与する条件で記録した画像を、記録デューティが100%であると定義する。本発明においては、以下に示す各項目の評価基準で、「AA」、「A」、及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表6に示す。
(クリーニング性)
2種類の記録媒体に記録デューティが100%である5cm×5cmのベタ画像をそれぞれ記録した。記録媒体としては、コート紙1(商品名「OKプリンス上質紙」、王子製紙製)、及びコート紙2(商品名「タント」、特種東海製紙製)を用いた。1回転写後にクリーニングした転写体の表面を目視及び光学顕微鏡で観察し、以下に示す評価基準にしたがってクリーニング性を評価した。
AA:光学顕微鏡で観察してもワックス残渣は認められなかった。
A:目視ではワックス残渣は認められなかったが、光学顕微鏡で観察すると細かいワックス残渣がわずかに認められた。
B:目視ではワックス残渣は認められなかったが、光学顕微鏡で観察するとワックス残渣が認められた。
C:目視によりワックス残渣が認められた。
(転写性)
2種類の記録媒体に記録デューティが100%である5cm×5cmのベタ画像をそれぞれ記録した。記録媒体としては、コート紙1(商品名「OKプリンス上質紙」、王子製紙製)、及びコート紙2(商品名「タント」、特種東海製紙製)を用いた。50回転写後の転写工程後の転写体の表面と記録媒体に記録した画像を目視及び光学顕微鏡で観察し、以下に示す評価基準にしたがって転写性を評価した。
AA:光学顕微鏡で観察しても、2種類の記録媒体に記録した画像のいずれにも転写不良による乱れが認められず、転写体にもワックスやインクが残存していなかった。
A:目視で観察した際には、2種類の記録媒体に記録した画像のいずれにも転写不良による乱れが認められず、転写体にもワックスやインクが残存していなかった。但し、光学顕微鏡で観察すると、一方の記録媒体に記録した画像に転写不良による乱れが認められ、転写体にもワックス及びインクが少し残存していた。
B:目視で観察した際には、2種類の記録媒体に記録した画像のいずれにも転写不良による乱れが認められず、転写体にもワックスやインクが残存していなかった。但し、光学顕微鏡で観察すると、2種類の記録媒体に記録した画像のいずれにも転写不良による乱れが認められ、転写体にもワックス及びインクが少し残存していた。
C:目視による観察で、2種類の記録媒体に記録した画像のいずれにも転写不良による乱れやインクの抜けが認められ、転写体にもワックス及びインクが残存していた。
Figure 2021130269
100 インクジェット記録装置
101 転写体
102 支持部材
103 反応液付与装置
104 インク付与装置
105 液除去装置
106 押圧部材
107 記録媒体搬送装置
108 記録媒体
109 クリーニング部材
110 ワックス層形成装置

Claims (10)

  1. 水性インクを用いて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    ワックスを転写体に塗布するワックス塗布工程と、
    前記水性インクと反応する反応剤を含有する反応液を前記転写体に付与する反応液付与工程と、
    前記水性インクを前記転写体に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、
    前記中間画像を前記記録媒体に接触させて転写する転写工程と、
    クリーニング部材を前記転写体に接触させて、前記転写体上のワックス残渣を除去するクリーニング工程と、をこの順に有し、
    前記クリーニング工程が、前記転写体に前記クリーニング部材を押し当て、前記転写体の表面層を変形させながら前記転写体上の前記ワックス残渣を除去する工程であり、
    前記クリーニング工程を実施する温度における、前記転写体の前記表面層のMD−1硬度H、前記ワックスのMD−1硬度H、及び前記クリーニング部材のMD−1硬度HCLが、H<H≦HCLの関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記転写体の前記表面層のMD−1硬度Hと、前記ワックスのMD−1硬度Hとの差が、5以上である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記クリーニング工程を実施する温度における、前記転写体の前記表面層の表面張力S、前記ワックスの表面張力S、及び前記クリーニング部材の表面張力SCLが、S<S<SCLの関係を満たす請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記転写体の前記表面層のMD−1硬度Hが、45以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記ワックスのMD−1硬度Hが、40以上80以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記転写体の前記表面層の厚さが、50μm以上である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記クリーニング工程における、前記転写体の前記表面層の変形量が、前記転写体の前記表面層の厚さ以下であるとともに、10μm以上500μm以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記クリーニング工程において、前記転写体上の固化した前記ワックス残渣を割って除去する請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記ワックス塗布工程において、前記ワックスを前記転写体に塗布して厚さ5μm以下のワックス層を形成する請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記クリーニング部材の形状が、ローラ形状である請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。

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