JP2021113520A - ポート噴射式内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関において、ポート噴射式の利点を享受しつつ、ポートウエット現象を防止する。【解決手段】インジェクタ20は、燃料を40〜45μm程度に微細化・低ペネトレーション化して噴出できるタイプであり、インジェクタ20のノズル27を吸気噴出口9に例えば15〜45mm程度まで近づけることにより、霧化燃料30の大部分が吸気ポート6の吸気噴出口9に向かうように設定されている。霧化燃料30の噴霧角度θ3を30〜70°に保持できるため、吸気に対する霧化燃料30の分散性を向上できる。かつ、霧化燃料30は気筒1の内部で気化するため、充填効率を高めて出力を向上できると共に、気化潜熱による燃焼室冷却効果を確実にして高いノッキング防止効果を享受できる。【選択図】図3

Description

本願発明は、燃料をインジェクタによって霧化して吸気ポートに噴出させるポート噴射式内燃機関に関するものである。
内燃機関において、吸気ポートに燃料噴射用のインジェクタを配置することは広く知られている。ポート噴射タイプでは、吸気と燃料との混合性を高めることができる利点があるが、霧化を促進すると共に混合性を高めるためにインジェクタのノズルを吸気ポートの吸気噴出口からかなり遠くに位置させているため、1つの問題として、吸気ポートの内面に燃料が付着するポートウエット現象が発生しやすい点がある。
そして、吸気ポートの内面に燃料が付着する状態では、付着量を見越して燃料を増量せねばならず、すると、付着した燃料が蒸発して気筒に流入して燃料過多になってしまい、回転数が安定せずに自動車ではドライバビリティが悪化するという問題がある。
また、インジェクタのノズルを吸気ポートの吸気噴出口からかなり遠くに位置させていることに起因した他の問題として、吸気ポート内で燃料が気化することによって体積膨張を起こして充填効率が低下する問題や、同じく吸気ポート内で燃料が気化することにより、気化潜熱による燃焼室の冷却効果を期待できない問題があり、充填効率が低下すると圧縮比をアップできずに所望の出力を確保できず、気化潜熱による燃焼室の冷却効果が低下してノッキングが発生しやすくなるという弊害がある。
そこで、例えば特許文献1に開示されているように、気筒内に燃料を直接噴射する方式が登場して実際に多くの内燃機関で実施されているが、直噴式内燃機関に使用されるインジェクタは、ポート噴射式内燃機関に使用されるインジェクタに比べて噴射圧力が格段に高いためコストが大幅に嵩む問題や、吸気と燃料との混合性が不十分になって不完全燃焼を引き起こしやすいという問題がある。
他方、ポート噴射方式において、特許文献2,3には、インジェクタを吸気ポートの下方に配置して、ノズルを吸気噴出口に近づけた構成が開示されており、この構成によると、燃料が吸気ポートに付着することを防止又は大幅に抑制できると共に、充填効率の悪化や気化潜熱の喪失を防止できると云える。
特開2003−206830号公報 特開平06−249108号公報 特開昭63−61716号公報
さて、霧化燃料と吸気との混合性を確保するためには、霧化燃料にある程度の広がりを持たせるのが好ましく、そのためには、インジェクタから噴射するに際してある程度の広がりの噴霧角度(例えば30〜70°程度)が必要である。また、燃料と吸気との混合性を高めるには、霧化燃料をできるだけ微細化して低ペネトレーション化するのが好ましい。
しかし、特許文献2,3では、霧化燃料をピンポイント的な状態で吸気噴出口に向けて噴出させる必要があるため、燃料を微細化させずに直進性を確保しせねばならず、すると、燃料の気化促進による完全燃焼化を期待できないということになる。
他方、近年、燃料を微細化して低ペネトレーション化したインジェクタの開発が進んでおり、実際に自動車用等の内燃機関に使用されているが、インジェクタは吸気噴出口から遠く離して配置されているため、背景技術の項において説明した問題が現れている。
本願発明はこのような現状を背景に成されたものであり、低コストのインジェクタを使用できる利点や吸気と燃料との高い混合性を確保できるという利点を有するポート噴射方式を採用しつつ、燃料を微細化して低ペネトレーション化できるインジェクタを有効利用することにより、ポートウエット等の問題を解消しようとするものである。
本願発明は、
「吸気噴出口が気筒に向けて開口した吸気ポートに、燃料を1MPa/mm以下の圧力で45μm以下の粒径に霧化して噴出するインジェクタが配置されている構成であって、
前記インジェクタを、噴出した霧化燃料の大部分が前記吸気噴出口に向かうように前記吸気噴出口に近づけて配置している」
という構成になっている。インジェクタによる噴射圧力は、好適には、300KPa/mm〜1000K(1M)Pa/mmである。
本願発明は様々に展開できる。その例として請求項2では、
「前記インジェクタによる霧化燃料の噴霧角度は30〜70°で、前記インジェクタのノズルと吸気噴出口の中心との距離は45〜15mmに設定されている」
という構成になっている。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2において、
「前記インジェクタによる霧化燃料の噴霧形態が、前記吸気噴出口を開閉する吸気バルブのバルブステムを回避して流れる形態に設定されているか、又は、前記吸気バルブに、霧化燃料の付着を防止する撥液処理が施されている」
という構成になっている。
本願発明では、インジェクタから噴出した霧化燃料の大部分が吸気噴出口に向かうため、吸気ポートの内面に燃料が付着するポートウエット現象を防止又は著しく抑制できる。従って、燃料の付着を見込んで燃料を供給する必要はなくて回転を安定化できる。その結果、自動車内燃機関においてはドライバビリティを向上できる。
また、吸気ポートへの霧化燃料の付着を防止又は大幅に抑制して、吸気ポート内での霧化燃料の蒸発を防止又は大幅に抑制できるため、充填効率を向上して出力アップに貢献できると共に、気化潜熱による気筒やピストンの冷却効果を享受してノッキング防止に貢献できる。
更に、本願発明では、インジェクタは、燃料を1MPa/mm以下の圧力で45μm以下の粒径に霧化して噴出する微細化するものであるため、燃料は低ペネトレーション化されており、このインジェクタを吸気噴出口に近づけて配置することによって霧化燃料が吸気ポートに付着することを防止したものであるが、微細化されて低ペネトレーション化した燃料は吸気の流れに乗って気筒(燃焼室)内に流入して、気筒内で燃料は蒸発しつつ吸気と均一に混ざり合う。
すなわち、本願発明では、燃料を低圧噴射により微細化・低ペネトレーション化することによって吸気との混合性を向上させつつ、インジェクタを吸気噴出口に近づけて配置することにより、霧化燃料と吸気と混合と霧化燃料の気化(蒸発)とを主として気筒内で行わせる点を特徴とするものであり、燃料の気化が気筒内で行われることによって上記した充填効率向上効果と気化潜熱による冷却性向上効果とを享受できる一方、燃料が微細化・低ペネトレーション化されていることにより、燃料と吸気との混合性を高めて完全燃焼化を促進できる。
背景技術の項において述べたように、ポート噴射方式の問題点であるポートウェット現象を防止すべく直噴方式が開発されており、直噴方式はポートウエット現象は回避できてもコストアップ等の新たな問題があるが、本願発明では、低圧のインジェクタを使用しつつ、ポートウエット現象を防止した状態で直噴方式と同じ効果を享受できるため、直噴方式に代替する技術として期待される。
霧化燃料と吸気との混合性を高めるには、霧化燃料にある程度の広がりがあるのが好ましい。この点、請求項2のように燃料の噴霧角度を30〜70°に設定すると、吸気に対する霧化燃料の分散性を向上させて、均一な混合を確実化できる。そして、インジェクタのノズルと吸気噴出口との距離を45〜15mmに設定することにより、噴霧角度を30〜70°に保持しつつ、霧化燃料の大部分を吸気噴出口に向かわせてポートウエット現象を防止又は大幅に抑制できる。
さて、吸気バルブが開いた状態で吸気噴出口にはバルブステムが位置しているため、吸気に乗って流れた霧化燃料が吸気バルブのバルブステムに付着することがある。吸気バルブは燃焼熱によって昇温しているため、霧化燃料がバルブステムに付着しても通常は即座に蒸発するが、低温環境下での始動時などでは、霧化燃料がある程度の時間付着したままになることが想定される。この点、請求項3の構成を採用すると、霧化燃料がバルブステムに付着することを防止できるため、低温環境下での運転であっても、上記した各効果を享受できる。
実施形態をクランク軸線方向から見た縦断正面図であり、図4のI-I視断面図である。 図2の部分拡大図である。 開弁状態での要部の縦断正面図である。 (A)は概略底面図、(B)は図3をインジェクタの軸心方向から見た図である。 他の実施形態を示す図である。 更に他の実施形態を示す図で、図7のVI-VI視断面図である。 (A)は副燃焼室の火炎噴孔を表示した状態での図6のVI-VI視断面図、(B)は火炎噴孔の別例図である。
(1).構造の説明
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は自動車用内燃機関に適用している。内燃機関の基本構造は従来と同様であり、気筒(シリンダボア)1が形成されたシリンダブロック2の上面に、ガスケット3を介してシリンダヘッド4が固定されている。
シリンダヘッド4には、ペントルーフ形の燃焼凹所5が形成されており、一対ずつの吸気ポート6と排気ポート7とが燃焼凹所5に開口している。吸気ポート6の上流端はシリンダヘッド4の吸気側面8に開口し、排気ポート7は集合部を介してシリンダヘッド4の排気側面に開口している。吸気ポート6の吸気噴出口9と排気ポート7の排気入り口10とは、それぞれバルブシート11,12によって構成されている。
吸気ポート6は、クランク軸線方向から見て全体としてシリンダヘッド4の下面に近づくように傾斜しており、上面は、クランク軸線方向から見て基本的には直線状になっているが、下面のうち吸気噴出口9に近い端部は、シリンダヘッド4の下面に近づくように寝た緩傾斜部6aになっている。また、図3では吸気バルブ13が最大に開いた状態を示しているが、この状態で、緩傾斜部6aの延長線O4が吸気バルブ13における傘部13bの上面13b′と略重なるように設定している。
緩傾斜部6aは緩く湾曲しているが、直線状であってもよい(すなわち、下面がく字状に屈曲していてもよい。)。また、緩傾斜部6aは、吸気噴出口9に向かって低くなるように僅かに傾斜しているが、シリンダヘッド4の下面と平行であってもよいし、吸気噴出口9に向かって高さが高くなるように傾斜していてもよい。
更に、シリンダヘッド4には、吸気ポート6の吸気噴出口9を開閉する吸気バルブ13と、排気ポート7の排気入り口10を開閉する排気バルブ14とがブッシュ15,16を介して摺動自在に装着されている。両バルブ13,14は、クランク軸線方向から見て、気筒軸心O1に対して若干の角度θ1で傾斜している。
敢えて説明するまでもないが、バルブ13,14はバルブステム13a,14aと傘部13b,14bを有しており、また、バルブ13,14はばね17に抗してカム軸(図示せず)によって駆動される。なお、図1において符号18で示すのは、ロッカーアームのクリアランスを無くすラッシュアジャスタを装着するための穴である。また、図4(A)において符号19で示すのは点火プラグである。
シリンダヘッド4には、各吸気ポート6に対応してインジェクタ20が装着されている。インジェクタ20は、吸気バルブ13よりも吸気側面8の側に配置されており、クランク軸線方向から見て、吸気バルブ13よりも大きい角度で吸気側面8の側に傾いている。従って、吸気バルブ13の軸心O2とインジェクタ20の軸心O3とは相対的に傾斜しており、両者の夾角θ2は25°程度になっている。
インジェクタ20の基端には、燃料デリバリ管が取り付く流入口21が開口しており、また、基端寄りの部位には、制御プラグを接続するコネクタ23が一体に形成されている。また、インジェクタ20のボデーは段違いになっており、先端寄り部位に形成した溝部29にOリング24が装着されており、取り付け穴25との間のシールが成されている。インジェクタ20の先端には凹所26が形成されており、凹所26にノズル27が形成されており、ノズル27は吸気ポート6の緩傾斜部6aの上方に位置している。
燃料の噴霧角度θ3は、図示の例では40°程度になっているが、30〜70°の範囲であればよい(30〜45°程度が好適である。)。また、インジェクタ20は、燃料を300〜1000KPa/mmの噴射圧力で40〜45μm程度に微細化して噴出できるスワールインジェクタが使用されており、直噴用インジェクタに比べて噴射圧力は遥かに低圧であるため、霧化燃料の粒径を40〜45μm程度に微細化すると、霧化燃料30は 低ペネトレーション化される。なお、霧化燃料の粒径は10μm程度まで微細化できると好ましいが、40〜45μmでも十分に効果を享受できる。
インジェクタ20の先端部20aは吸気ポート6の上面に形成された溝部29に配置されており、大部分が溝部29に収まっているが、先端の下部の一部は吸気ポート6に露出している。
(2).まとめ
インジェクタ20は、その軸心O3が吸気噴出口9(バルブシート11)の中心28を通るように設定しており、かつ、霧化燃料30の大半が吸気噴出口9に向かうように設定している。従って、吸気ポート6への燃料の付着を防止又は著しく抑制して、燃料噴射量を安定化させて、ドライバビリティを安定化させることができる。
そして、霧化燃料30の噴霧角度θ3は40°程度であり、吸気噴出口9に入る状態で霧化燃料30を十分に広がっているため、霧化燃料30を吸気バルブ13の流れ全体に乗せることができるが、インジェクタ20のノズル27を吸気噴出口9に近づけることにより、霧化燃料30の大半を吸気噴出口9に向かわせることができる。従って、霧化燃料30が吸気全体に均一に分散した混合気を、吸気ポート6の内面に殆ど付着させることなく気筒1の内部に供給することができる。インジェクタ20のノズル27から吸気噴出口9の中心28まで距離は、吸気ポート6の全長の1/3半分よりも短い寸法に設定している。
このように、霧化燃料30が微細化・低ペネトレーション化されていることにより、霧化燃料30と吸気(空気)との混合性が向上して完全燃焼化に貢献できるが、インジェクタ20は吸気噴出口9に近づけられていて霧化燃料30の大部分が吸気噴出口9に向かい、霧化燃料の気化は気筒1の内部で行われるため、充填効率の悪化を防止できると共に、気化潜熱による気筒やピストンの冷却効果を向上できる。
さて、吸気バルブ13の軸心O2は吸気噴出口9の垂線と一致しているが、バルブシート11の垂線とインジェクタ20の軸心O3とが交叉しているため、図4(B)に示すように、吸気噴出口9はクランク軸線方向に長い楕円として見える一方、吸気噴出口9の平面で切断した霧化燃料30の断面は、クランク軸線と直交した方向に長い楕円状に見える。
従って、図4(B)のとおり、インジェクタ20の軸心O2が吸気噴出口9の中心28を通っていると、霧化燃料30の断面と吸気噴出口9の形状とは一致せずに、霧化燃料30が吸気噴出口9よりも気筒軸心O1の側にずれている。しかし、霧化燃料30が吸気噴出口9から外れる割合はごく僅かである、霧化燃料30の大部分(例えば95%以上)は吸気噴出口9に向かう。従って、吸気ポート6の端部に接触する霧化燃料の量はごく僅かであり、また、吸気ポート6のうち吸気噴出口9に近い端部は燃焼熱によって昇温しているため、若干の霧化燃料30が付着しても即座に蒸発してしまい、霧化燃料30が吸気ポート6の内面に付着したままになることはないと云える。
また、図3に示すように、吸気は気筒1に流入してタンブル流31が生成されるが、吸気ポート6の終端部に緩傾斜部6aを設けたことによって吸気ポート6は先窄まりになっていることにより、吸気は吸気噴出口9を通過するに際して流速が速めて気筒1の内部に流入するため、タンブル流31の生成機能を向上させて、吸気と霧化燃料30との混合性を向上できる。
更に、吸気ポート6の下面の終端部に緩傾斜部6aが形成されていることにより、吸気はジャンプ効果によって燃焼凹所5の側に流れる傾向を呈するため、気筒1の内面に沿って流れてタンブル流31の生成機能を更に向上できる。
実施形態のように、吸気噴出口9の下流端部に緩傾斜部6aを形成すると、吸気ポート6が吸気の流れ方向に向かって先窄まりになるため、吸気は流速を速めた状態で気筒1に流入する。このため、吸気ポート6の吸気噴出口9に噴射された霧化燃料30は吸気の流れに乗って気筒内に効率よく流入する。このため、霧化燃料30が吸気噴出口9の近傍で滞留するような現象は発生せず、吸気ポート6の内面への付着防止効果を更に向上できると共に、気筒1内でのタンブル流の生成を促進して燃料と吸気との混合性を更に向上できる。
更に、実施形態のように、吸気バルブ13の最大開き状態で、緩傾斜部6aの延長線O4が吸気バルブ13における傘部13bの上面13b′と略重なるように設定すると、吸気は燃焼室の上部を横切るように流れるため、タンブル流の生成を更に促進して吸気と霧化燃料30との混合性を更に向上できる。従って、完全燃焼を促進して出力を向上できると共に、排気ガスの成分悪化も防止できる。
図2から容易に理解できるように、霧化燃料30を吸気噴出口9に向かわせるには、吸気バルブ13の軸心O2とインジェクタ20の軸心O3との成す夾角θ2はできるだけ小さいのが好ましい(30°よりも小さいのが好ましいと云える。)。
(3).他の実施形態
図5では他の実施形態を示している。このうち(A)に示す例では、第1実施形態を基準にすると、インジェクタ20の軸心O3が吸気噴出口9の中心28よりも少し下を通るように設定することにより、霧化燃料30が吸気噴出口9の上下に少しはみ出るように設定している。いずれにしても、霧化燃料30は90%以上(好適には95%以上)が吸気噴出口9とオーバーラップしている。
他方、(B)に示す例では、霧化燃料30の全体が吸気噴出口9に向かうように設定している。この場合は、インジェクタ20と吸気バルブ13との夾角θ2を第1実施形態よりも少し小さくしつつ、インジェクタ20を吸気噴出口9に少し近づけるか、又は、噴霧角度θ3を少し小さくすることになる。
吸気バルブ13が開いた状態でバルブステム13aは吸気噴出口9に位置しているため、霧化燃料30がバルブステム13aに接触する。バルブステム13aは吸気ポート6に比べて温度が高く、また、高速で上下動するため霧化燃料30が付着したままになる可能性は低いが、低温環境下の始動時などには霧化燃料30が付着するおそれがないとも云えない。
従って、霧化燃料30がバルブステム13aに付着することを防止できると好ましい。この付着防止手段として、図5(C)に示す例では、霧化燃料30が2方向に噴出するインジェクタを採用することにより、霧化燃料30がバルブステム13aを回避するように設定しており、(D)に示す例では、燃料を馬蹄形に噴射するように設定している。他方、(E)に示す例では、吸気バルブ13のうち吸気が当たる面に撥液層32を設けることにより、霧化燃料30の付着を防止している。
図6,7に示す実施形態では、混合気への点火手段として、シリンダヘッド4のうち凹所5の略中央部に、凹所5に露出した副燃焼室35を配置している。副燃焼室35は、下半部が下方に膨れた半球面状に形成しており、上端には、シリンダヘッド4に下方から入り込む筒状の本体部36が一体に形成されている。本体部36は、ねじ込み又は圧入若しくは溶接によってシリンダヘッド4に固定されている。
副燃焼室35の本体部36に、点火プラグ37が取り付けられている。実施形態では点火プラグ37は副燃焼室35とは別体に構成して、副燃焼室35の本体部36に螺着しているが、点火プラグ37を副燃焼室35の本体部36と一体構造に形成したり、副燃焼室35とは別体に形成して本体部36に溶接で固定するなどで、様々な構造を採用できる。
副燃焼室35の本体部36及び点火プラグ37はシリンダボア軸心と略同心に配置されており(軸心に対してオフセットされていてもよい)、点火プラグ37の下端(先端)には、副燃焼室35の内部に露出した中心電極38と接地電極39とを設けている。中心電極38は、台座40に中心極芯41を設けた構成である一方、接地電極39は、プラグ本体から延出した略L型のアーム部42と、アーム部42の下端部から上向きに突設した接地極芯43とを備えた構成であり、中心極芯41と接地極芯43との間が放電ギャップになっている。
そして、副燃焼室35に、4つの火炎噴孔44,45が周方向に並んで形成されているが、図7(A)に示すように、4つの火炎噴孔44,45は、吸気ポート6の吸気噴出口9及び排気ポート7の排気入り口10に対応した位置に形成されており、火炎噴孔44,45の軸心が対になっている吸気噴出口9又は排気入り口10の略中心に向かうように設定している。
さて、シリンダヘッドに副燃焼室(サブチャンバー)を設けることは予てから提案されており、副燃焼室を設けると、副燃焼室で生成した火炎は燃料の着火性に優れているため、吸気の燃料がリーン気味であっても確実に燃焼させることができる利点がある。そこで、燃費向上や排気ガスクリーン化の有望な技術として注目されている。
しかし、ポート噴射方式では実用化が進んでいないのが現状である。その理由の一つに、副燃焼室は小径の火炎噴孔を介して主燃焼室と連通しているに過ぎないため、内部に発生した燃焼ガスの掃気が不十分になりやすいと共に、副燃焼室への混合気の流入も不十分になりやすい点が挙げられる。
これに対して本実施形態では、各火炎噴孔44,45は、対になっているポート6の吸気噴出口9又は排気ポート7の排気入り口10に向けて開口しているため、排気行程では、吸気側の火炎噴孔44から排気側の火炎噴孔45に向けてガスの流れが発生することによって掃気を確実化できる一方、吸気行程では、吸気側の火炎噴孔44から混合気が吹き込まれて排気側の火炎噴孔45に抜ける現象を呈することになり、副燃焼室35の内部に混合気を充満させることができる。
このように、副燃焼室35の掃気性と混合気流入性とを向上できることにより、副燃焼室35での安定した燃焼を実現して実用化を促進できると云える。また、副燃焼室35の掃気性と混合気流入性とが向上することにより、副燃焼室35の内部での熱の籠もりを抑制して冷却性能も向上できる。
そして、本実施形態では、既述とおり、インジェクタ20が主燃焼室に近づけて配置されていることや、燃料が微粒子に霧化されて噴射されていることにより、吸気との混合性が高くなっているため、燃料と吸気との混合性が高い混合気を副燃焼室35の内部に流入させることができるのであり、これにより、副燃焼室35の内部での燃焼の確実化を促進できる。
実施形態のように、吸気ポート6の終端部に緩傾斜部6aを設けると、混合気は上向きに流れるようにガイドされて、凹所5の内面を舐めるようにして流れていくため、副燃焼室35への混合気の流入性に更に向上できる。
図7(B)では、吸気ボート6の吸気噴出口9に向いた火炎噴孔44に、吸気ボート6の吸気噴出口9に向けて拡径したテーパ部44aを形成している。このように形成すると、混合気が火炎噴孔44に誘い込まれるため、副燃焼室35への混合気の流入性を更に向上できる。なお、火炎噴孔44の全体をテーパ形状に形成してもよい。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。
本願発明は、ポート噴射式内燃機関に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 気筒
4 シリンダヘッド
6 吸気ポート
6a 緩傾斜部
9 吸気噴出口
11 バルブシート
13 吸気バルブ
13a バルブステム
13b 傘部
20 インジェクタ
27 ノズル
35 副燃焼室
44,45 火炎噴孔
θ3 霧化燃料の噴霧角度(霧化燃料の広がり角度)

Claims (3)

  1. 吸気噴出口が気筒に向けて開口した吸気ポートに、燃料を1MPa/mm以下の圧力で45μm以下の粒径に霧化して噴出するインジェクタが配置されている構成であって、
    前記インジェクタを、噴出した霧化燃料の大部分が前記吸気噴出口に向かうように前記吸気噴出口に近づけて配置している、
    ポート噴射式内燃機関。
  2. 前記インジェクタによる霧化燃料の噴霧角度は30〜70°で、前記インジェクタのノズルと吸気噴出口の中心との距離は45〜15mmに設定されている、
    請求項1に記載したポート噴射式内燃機関。
  3. 前記インジェクタによる霧化燃料の噴霧形態が、前記吸気噴出口を開閉する吸気バルブのバルブステムを回避して流れる形態に設定されているか、又は、前記吸気バルブに、霧化燃料の付着を防止する撥液処理が施されている、
    請求項1又は2に記載したポート噴射式内燃機関。
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