JP2021112366A - 手術用骨鉗子 - Google Patents

手術用骨鉗子 Download PDF

Info

Publication number
JP2021112366A
JP2021112366A JP2020006309A JP2020006309A JP2021112366A JP 2021112366 A JP2021112366 A JP 2021112366A JP 2020006309 A JP2020006309 A JP 2020006309A JP 2020006309 A JP2020006309 A JP 2020006309A JP 2021112366 A JP2021112366 A JP 2021112366A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cup
shaft
handle
movable shaft
foot plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020006309A
Other languages
English (en)
Inventor
宗人 吉田
Munehito Yoshida
宗人 吉田
義生 大居
Yoshio Oi
義生 大居
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Flex Kk
YYP Co Ltd
Original Assignee
Fuji Flex Kk
YYP Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Flex Kk, YYP Co Ltd filed Critical Fuji Flex Kk
Priority to JP2020006309A priority Critical patent/JP2021112366A/ja
Publication of JP2021112366A publication Critical patent/JP2021112366A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)

Abstract

【課題】より安全に手術を行うことができる手術用骨鉗子を提供する。【解決手段】シャフト部及びハンドル部を含む手術用骨鉗子10であって、シャフト部は、a)先端が上方に向いたフットプレート13aを有する可動シャフト13と、b)前記可動シャフトの上に配置され、かつ、前記フットプレートに当接可能な先端部14aを有する固定シャフト14とを含み、ハンドル部は、前記可動シャフトを動かすために前記可動シャフトにつながった前方ハンドル11と、前記固定シャフトを支持するために前記固定シャフトにつながった後方ハンドル12とを含み、前記ハンドル部を握り締めることによって、可動シャフトの前記先端から他端に向かう方向に可動シャフトがスライドすることにより前記フットプレートと前記先端部とが当接する、ことを特徴とする手術用骨鉗子。【選択図】図1

Description

本発明は、新規な手術用骨鉗子に関する。特に、本発明は、脊椎内視鏡下手術等に有用な手術用骨鉗子(ケリソンパンチ又はケリソン鉗子)に関する。
脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア等の脊椎疾患又は脊髄疾患における外科的治療の代表例として脊椎内視鏡下手術がある。この方法は、例えば、患部近くの皮膚を切開し、筋肉をダイレーターで周囲に押し広げて脊椎を露出させた後、切開部からチューブ(円筒レトラクター)を挿入し、さらにチューブ内に内視鏡、手術用骨鉗子等を挿入し、内視鏡下で骨、軟骨、靱帯等を切断しながらヘルニアの摘出、神経の除圧等の施術を行うものである。この方法では、従来法と比較して切開範囲が小さく、また近接して観察できることから病変を確認しやすいことから、正確なヘルニア摘出あるいは神経除圧が可能となる。しかも、この手術方法では、骨切除、痛み、合併症リスク、出血量等が少なくて済むという利点があることから、現在では多くの医療機関で採用されている。
脊椎内視鏡下手術では、例えばロンジュール、キューレット、ケリソンパンチ等の数種の器具が使用されるが、その中でも大きな役割を果たす器具の一つが手術用骨鉗子(以下、特にことわりのない限り「骨鉗子」ともいう。)であり、ケリソンパンチ又はケリソン鉗子とも呼ばれている長尺状のハサミのような器具である。このような骨鉗子は、従前より市販もされており、また種々のタイプの骨鉗子も提案されている。
例えば、ハンドル部分と挿入部分を備え、挿入部分は本体部材とスライド部材からなり、ハンドル部分を操作すると、前記の本体部材に対してスライド部材が前後に移動し、挿入部分先端のフットプレートに対して切刃が当接して術部の切截が行われるケリソンパンチであって、挿入部分は先端側が挿入部分の基部付近において前後軸周りに30°〜90°の範囲において設定した所定の角度で捩ってあると共に前後方向の前後軸線に沿って先端側の部分が上方と側方へ湾曲していることを特徴としたケリソンパンチが知られている(特許文献1)。
特開2014−226214
従来のケリソンパンチ又はケリソン鉗子の基本的な構成例を図5に示す。図5に示すように、ケリソンパンチ20は、ハンドル(グリップ)21,22を握り締めると、前方のハンドル21が後方(A方向)に引かれ、それに連動した上側シャフト24が前方(B方向)にスライドする機構となっている。すなわち、上側シャフト24を前方に押しながら病変組織等を切除することを前提とするものである。
ところで、脊椎内視鏡下手術の対象部位となる脊椎は、その周辺に脊髄をはじめ、重要な神経がはりめぐらされており、これらの神経系を傷つけずに病変組織を切除することが要求される。
これに対し、従来のケリソンパンチ又はケリソン鉗子では、上記のように、シャフトを前方に押しながら施術するものであるため、何らかの原因で押し誤って患部の奥方向にある神経又はその周辺組織をシャフトで損傷させるリスクが少なからずある。特に、骨等のような硬い組織を手指の力で切除しようとすると、それだけ手指ないしは腕に力が入るため、その力がケリソンパンチ全体にかかり、上記のような事態に発展するおそれがある。このため、このようなリスクをなるべく低減すべく、より安全に使える骨鉗子の開発が要請されている。
従って、本発明の主な目的は、より安全に手術を行うことができる手術用骨鉗子を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の構成を有する骨鉗子によって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の手術用骨鉗子に係る。
1. シャフト部及びハンドル部を含む手術用骨鉗子であって、
(1)シャフト部は、a)先端が上方に向いたフットプレートを有する可動シャフトと、b)前記可動シャフトの上に配置され、かつ、前記フットプレートに当接可能な先端部を有する固定シャフトとを含み、
(2)ハンドル部は、前記可動シャフトを動かすために前記可動シャフトにつながった前方ハンドルと、前記固定シャフトを支持するために前記固定シャフトにつながった後方ハンドルとを含み、
(3)前記ハンドル部を握り締めることによって、可動シャフトの前記先端から他端に向かう方向に可動シャフトがスライドすることにより前記フットプレートと前記先端部とが当接する、
ことを特徴とする手術用骨鉗子。
2. 前記固定シャフトの先端部の前方側の面に切刃が形成されている、前記項1に記載の手術用骨鉗子。
3. 前記フットプレートの後方側の面の内側が略カップ型であり、そのカップ外縁に切刃が形成されている、前記項1又は2に記載の手術用骨鉗子。
4. 1)前記フットプレートの後方側の面の内側が略カップ型であり、カップ外縁の平面部がカップ外側からカップ内側に向かって下方に傾斜した切刃を有し、2)前記固定シャフトの先端部の前方側の面の内側が略カップ型であり、カップ外縁の平面部がカップ外側からカップ内側に向かって上方に傾斜した切刃を有し、3)前記ハンドル部を握りしめた際に、前記フットプレートの切刃と前記先端部の切刃とが互いに平面部で当接する、前記項1〜3のいずれかに記載の手術用骨鉗子。
5. 前記固定シャッフト又は前記後方ハンドルの任意の位置を支点として前記前方ハンドルが前記方向に動き、その動きにより可動シャフトがスライドする、前記項1〜4のいずれかに記載の手術用骨鉗子。
6. 前記固定シャッフトと前記後方ハンドルとが一体的に成形されたものである、前記項1〜5のいずれかに記載の手術用骨鉗子。
本発明によれば、より安全に手術を行うことができる手術用骨鉗子を提供することができる。従来のケリソンパンチでは、前述したように、可動シャフトが前方(患部の奥に向かう方向)にスライドするため、患部の奥方向(手術用骨鉗子の進行方向)に向かって可動シャフトが誤って進入するおそれが高くなる。これに対し、本発明の手術用骨鉗子では、特にハンドル部を握り締めることにより可動シャフトがハンドル部の方向(手前)に向かってスライドする機構(いわば引き切る機構)となっている。すなわち、シャフトのスライド方向が患部から離れる方向に向かって骨、軟骨、靱帯等を切除できるため、患部又はその周辺を誤ってシャフトで突き刺すようなリスクを効果的に低減することができる。
また、本発明の手術用骨鉗子において、前記フットプレートの内側が略カップ型の形状に形成されている場合は、特にそのカップ外縁を利用して病変組織等を剥離したり、掻き出すことが可能となる。すなわち、キューレットとしての機能を併せ持たせることができる。従来、例えば脊椎管狭窄症等を治療するための脊椎内視鏡下手術等においては、骨ドリル、ケリソンパンチで進入路を確保した後に、いったんキューレット等に持ち替えて脊髄に癒着した靱帯を剥離した後に、あらためてケリソンパンチで靱帯等をかじり取る必要があったため、時間及び手間がかかり、それだけ患者及び施術者に負担が強いられるという問題がある。これに対し、特にフットプレートの内側が略カップ型となっている本発明鉗子を用いれば、本発明鉗子で脊髄から剥離させた黄色靱帯を(器具を持ち替えることなく)そのまま本発明鉗子でかじり取ってくることができる。
さらに、本発明の手術用骨鉗子において、1)前記フットプレートの後方側の面の内側が略カップ型であり、カップ外縁の平面部がカップ外側からカップ内側に向かって下方に傾斜した切刃を有し、2)前記固定シャフトの先端部の前方側の面の内側が略カップ型であり、カップ外縁の平面部がカップ外側からカップ内側に向かって上方に傾斜した切刃を有し、3)前記ハンドル部を握りしめた際に、前記フットプレートの切刃と前記先端部の切刃とが互いに平面部で当接する構造を採用する場合は、骨、軟骨、靱帯等が切除しやすくなるだけでなく、可動シャフトが固定シャフトのフットプレート内のカップに収まるので、可動シャフト先端がその動線から飛び出るような事態を効果的に防止することができる。
このような特徴もつ本発明の手術用骨鉗子は、脊椎内視鏡下手術(例えば腰部脊柱管狭窄症に対する内視鏡下除圧術(MEL))等に用いられる鉗子(とりわけ黄色靱帯切除用鉗子)として有効に利用することができる。
本発明の手術用骨鉗子の構成例を示す概略図である。 図1の本発明の手術用骨鉗子の先端付近の拡大図である。 図2におけるC−C’面に該当する面で本発明の手術用鉗子先端付近を見た時の断面概略図である。 図1の本発明の手術用骨鉗子の可動シャフトと固定シャフトとの連結状態を示す模式図である。 従来のケリソンパンチの構成例を示す概略図である。
10 本発明の手術用骨鉗子
11 前方ハンドル
12 後方ハンドル
13 可動シャフト
13a フットプレート
13b フットプレートのカップ外縁の平面部
13d 溝部
13s カップ凹部(カップ内空間)
14 固定シャフト
14a 先端部
14b 先端部のカップ外縁の平面部
14d 凸部
14s カップ凹部(カップ内空間)
15 板バネ
16 支点
17 連結部
18 すべり止め
19 ネジ
20 従来のケリソンパンチ
21 前方ハンドル
22 後方ハンドル
23 固定シャフト
24 可動シャフト
本発明の手術用骨鉗子(本発明鉗子)は、シャフト部及びハンドル部を含む手術用骨鉗子であって、
(1)シャフト部は、a)先端が上方に向いたフットプレートを有する可動シャフトと、b)前記可動シャフトの上に配置され、かつ、前記フットプレートに当接可能な先端部を有する固定シャフトとを含み、
(2)ハンドル部は、前記可動シャフトを動かすために前記可動シャフトにつながった前方ハンドルと、前記固定シャフトを支持するために前記固定シャフトにつながった後方ハンドルとを含み、
(3)前記ハンドル部を握り締めることによって、可動シャフトの前記先端から他端に向かう方向に可動シャフトがスライドすることにより前記フットプレートと前記先端部とが当接する、
ことを特徴とする。
なお、本発明において、可動シャフト部の先端(フットプレートの位置)から他端(ハンドル部)への方向を「後方」とし、その逆の方向を「前方」という。
本発明鉗子の構成例を図1に示す。図1に示す本発明鉗子10は、シャフト部として、可動シャフト13と固定シャフト14とを含む。シャフト部は、主として、体内に挿入される部材であり、可動シャフト13及び固定シャフト14ともに一定の長さをもつ長尺体から構成される。通常は、図1のように可動シャフト13が下側に位置し、その上に固定シャフト14が配置された構成となっており、基本的には両者は互いに接触した状態で互いに長尺方向に摺動することができる。この場合、可動シャフトと固定シャフトとは、その一部においては非接触となっていても良い。
可動シャフト13は、図1に示すように、その先端において上方に向いたフットプレート13aを有する。そして、(施術者が)前記ハンドル部を握り締めることによって、可動シャフトの前記先端から他端に向かう方向に可動シャフトがスライドすることにより前記フットプレートと前記先端部とが当接する。このようにして、フットプレート13aは、固定シャフト14の先端部14aに当接することによる圧力、剪断力等により骨、軟骨、靱帯等を切断する機能を果たす。このような機能が発揮される限り、フットプレートの形状及び大きさは、特に限定されず、公知又は市販のケリソンパンチのフットプレートと同様のものも採用することができる。例えば、フットプレートの後方に向いた面の内側が略凹状に窪んだ形状を好適に採用することができる。これにより、切断した病変組織等を一時的に凹部に保持することができる。
フットプレート13aは上方に向いている。その角度(仰角)は、通常は可動シャフトの長尺方向(又は水平方向)に対して5〜90度程度の範囲内で適宜設定することができるが、これに限定されない。
可動シャフト13は、必要に応じて固定シャフトと接触し得る面に長尺方向に伸びる溝部を形成することもできる。固定シャフト14が可動シャフト13と接触し得る面に前記溝部に対応する凸部を形成し、凸部を溝部に挿入することによって、可動シャフトをより安定的にスライドさせることができる。前記の溝部及び凸部の断面形状(両シャフトの長尺方向に対して垂直の面)は、特に限定されず、例えば図4Aに示す(a)〜(c)のような形状を採用することができる。いずれも、溝部13dが凸部14dに対してレールのような役割を果たし、可動シャフト13が常に固定シャフト14の真下をスライドするように設計されている。図4Bには、図1Aの点線枠の拡大図を示す。図4Bに示すように、凸部14dは、一定の間隔をおいて2個形成されているが、固定シャフト全体にわたって1個だけでも良いし、2個又は3個以上であっても良い。また、その設置場所は、固定シャフト14のいずれの場所であっても良いが、一般的には少なくとも両端部及び中間点の3点とすることが好ましい。
なお、図4では、可動シャフト13に溝部、固定シャフト14に凸部が形成されている実施形態を示しているが、逆に可動シャフト13に凸部、固定シャフト14に溝部が形成されている場合も本発明に包含される。
可動シャフト13の大きさは、特に限定されず、例えば手術の種類、患部の位置等に応じて適宜設定することができる。例えば、長さ15〜30cm程度の範囲、幅1〜8mm程度の範囲内に設定することができるが、これに限定されない。可動シャフトの幅は、図1に示すように、細部の施術の容易性等の見地から、前方に向かうに従って細くなるような構造であることが望ましい。なお、本発明において、可動シャフトの長さは、通常は図1における支点16から先端部14aの先端までを図1Bから見た距離とすることができる。
また、可動シャフト13の材質は、公知又は市販のケリソンパンチで採用されている材質と同様とすることができ、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金、ニッケル合金等の金属又は合金のほか、プラスチックス等を用いることができる。これらの複合材料を用いることもできる。さらに、これらの各材料にセラミックスコーティング、樹脂コーティング等の表面処理を施した材料も使用することができる。この点は、ハンドル部等の各部材においても同様の表面処理を施すことができる。
固定シャフト14は、図1に示すように、先端部14aを有しており、フットプレート13aに当接した際に病変組織等を切断する役割を果たす。このような機能が有する限りは先端部の形状は限定されないが、固定シャフトの先端部の前方の面に切刃が形成されていることが望ましい。切刃の形状自体は、公知又は市販のケリソンパンチの刃部(切刃)と同様の形状も採用することができる。特に、前記固定シャフトの先端部の前方の面の内側が略カップ型であり、カップ外縁の平面部がカップ外側からカップ内側に向かって上方に傾斜した切刃を有することが好ましい。これにより、切断した生体組織を一時的にカップの凹部に保持することができる。図2には図1に示す本発明鉗子の先端周辺の拡大図を示し、図2のC−C’面と同じ方向で見た場合の断面の概略図を図3に示す。図3に示すように、先端部14aの前方の面の内側が略カップ型に加工されており、そのカップの凹部14sに切断片等を収容することができる。
先端部14aは、ハンドル部を握り締めた際にフットプレート13aと密着することで生体組織が切断できるように、フットプレート13aの設置角度に対応する角度で形成される。すなわち、先端部14aの前方の側の面と、フットプレート13aの後方の側の面とが当接するように構成されている。
固定シャフト14の大きさは、特に限定されず、例えば手術の種類、患部の位置等に応じて適宜設定することができる。例えば長さ15〜30cm程度、幅1〜8mm程度の範囲内に設定することができるが。これに限定されない。特に、本発明では、可動シャフトの幅とほぼ同じ幅とすることが好ましい。従って、固定シャフトの幅は、可動シャフトと同様、先端方向(刃部)に向かうに従って細くなるような構造であることが望ましい。なお、本発明において、固定シャフトの長さは、通常は図1における連結部17からフットプレート13aの先端までを図1Bから見た距離とすることができる。
また、固定シャフト14(切刃を含む。)の材質は、公知又は市販のケリソンパンチで採用されている材質と同様とすることができ、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金、ニッケル合金等の金属又は合金のほか、プラスチックス等を用いることができる。これらの複合材料を用いることもできる。さらに、これらの各材料にセラミックスコーティング、樹脂コーティング等の表面処理を施した材料も使用することができる。
本発明鉗子においては、1)前記フットプレートの後方側の面の内側が略カップ型であり、カップ外縁の平面部がカップ外側からカップ内側に向かって下方に傾斜した切刃を有し、2)前記固定シャフトの先端部の前方側の面の内側が略カップ型であり、カップ外縁の平面部がカップ外側からカップ内側に向かって上方に傾斜した切刃を有し、3)前記ハンドル部を握りしめた際に、前記フットプレートの切刃と前記先端部の切刃とが互いに平面部で当接するような構造であることが好ましい。これにより、組織を切断しやすくなるとともに、刃部がフットプレート内に収まりやすくなるため、刃部がフットプレートからそれて患部以外の組織を傷つけるような事態を効果的に防止することができる。
上記のような構造の一例を図3に示す。図3は、図1において、フットプレート13aと先端部14aとが当接する様子を水平方向で切った断面(図2におけるC−C’面に相当)からみた図である。図3において、フットプレート13aの内側が略カップ型となっている。そして、そのカップ外縁の平面部13bがカップ外側らカップ内側に向かって下方に傾斜している。刃部14aの内側が略カップ型であり、カップ外縁の平面部14bがカップ外側からカップ内側に向かって上方に傾斜している。これにより、ハンドル部を握りしめた際に、フットプレート13aのカップ外縁と先端部14aのカップ外縁とが互いに平面部13b,14bで当接するようになっている。すなわち、先端部14aの一部(端部)がフットプレート13aのカップ内に入り込むような動きをすることができる。
ハンドル部は、手指で握ることにより可動シャフトをスライドさせる機構をもつものであればその形式はいずれであっても良いが、図1に示すように前方ハンドル11と後方ハンドル12とから構成されている形式(いわゆるプライヤ型)であることが好ましい。また、図1に示すように、前方ハンドル11と後方ハンドル12には板バネ15が設けられていることが好ましい。これにより、握力を解除することで自動的に前方ハンドル11と後方ハンドル12とが開くような機構とすることができる。また、必要に応じて、前記機構を付与するため、例えば板バネに代えて又は板バネと併用して支点16にキックバネ等を内蔵させることもできる。
前方ハンドル11は、例えば親指以外の4本の指で引くことで、可動シャフト13を前後にスライドさせることができる。すなわち、図1では、前方ハンドル11は、後方ハンドル12の一部を支点16とし、その支点16を旋回軸として前後に動くように支持されている。そして、前方ハンドル11の上方にある連結部17を介して前方ハンドル11が可動シャフト13に連結されている。図1において、連結部17では、前方ハンドル11に縦方向に長い貫通孔を形成し、可動シャフト13の端部が前記貫通孔及びその周辺部を挟持できる構造となっており、可動シャフト13の端部が前記貫通孔及びその周辺部を挟持した状態でネジ等を貫通孔を通して連結される。このような構造によって可動シャフト13と前方ハンドル11とが可動式で連結される結果、前方ハンドル11を手前(A方向)に引いた際に、それに連動して可動シャフト13が手前(B方向)に引かれる。その結果、固定シャフト14の刃部14aに可動シャフト13のフットプレート13aが接触することによって骨、軟骨、靱帯等の切除を行うことが可能となる。
後方ハンドル12は、親指ないしは手のひらをあてがって前方ハンドル11を引くための支持体(グリップ)として機能する。図1に示すように、後方ハンドル12は、固定シャフト14に連結されている。この場合、後方ハンドル12と固定シャフト14は、別部材であっても良いし、一体的に成形された部材であっても良い。また、図1のように、必要に応じてすべり止め18を設けても良い。
本発明鉗子は、基本的には、上記のように前方ハンドル、後方ハンドル、可動シャフト、固定シャフトの各部材から構成されており、さらに必要に応じて板バネ等も使用することもできる。これらの部材は、例えばビス、ネジ等の連結部材で連結することによって組み立てることができる。また、前記で説明したように、例えば後方ハンドル及び固定シャフトのように、2つの部材を一体的に成形したり、あるいは両者を溶接、接着剤等で接合して用いることもできる。
このような本発明鉗子は、従来のケリソンパンチが使用される施術(内視鏡下での手術、一般的な外科手術等)に適用することができる。すなわち、従来のケリソンパンチに代えて本発明鉗子を用いることによって、より安全に手術を行うことが可能である。特に、本発明鉗子は、脊髄等の重要かつ損傷しやすい神経系に近い部位の手術(例えば脊椎内視鏡下手術等)に用いる鉗子として有用である。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
図1に示すような本発明鉗子を用い、その使用例として脊椎管狭窄症等を治療するための脊椎内視鏡下手術(MEL)を行う手順の概要を示す。
(1)手術用骨鉗子
このような手術で用いる鉗子は、図1に示すような鉗子10である。図1Aに示すように、本発明鉗子10は、シャフト部として可動シャフト13と固定シャフト14とを有する。
固定シャフトは、後方ハンドルと一体的に成形された部材であり、その部材が一定の箇所で90〜140度程度の角度で曲がるように加工されており、前記の箇所を支点16として前方ハンドル11が連結されている。
前方ハンドル11は、前記支点を図1BのX方向に相当する旋回軸として前方〜後方の間で往復するように設計されている。また、前方ハンドル11は、板バネ15が設けられており、ハンドル部を握り締めていない時(開放時)はハンドル部が常に開く状態になるように設定されている。前方ハンドル11の上方(支点付近)には可動シャフト13が、前方〜後方の間でスライドしながら往復するように設計されている。板バネ15は、1対の板状金属部材から構成されており、一方は前方ハンドル11の下部にネジ19で固定され、他方は後方ハンドル12の下部にネジ19で固定されている。
可動シャフト13は、旋回可能な状態でネジにて前方ハンドル11と連結されている。その連結部から前方に向かって略直線状に伸びており、先端付近で上方に湾曲されている。湾曲させる場合の仰角(可動シャフトの長尺方向に対する角度)は5〜30度程度とすることができる。他の実施形態としては、上記のように湾曲せずに、そのまま直線状に延伸している形状であっても良い。また、図1Bには、図1Aにおいて本発明鉗子10をY方向から見た状態を示す。図1Bでは、固定シャフト14が見え、可動シャフト13が見えない状態となっている。このように、可動シャフト13の幅は、固定シャフトの幅とほぼ一致する形状に加工されている。より具体的には、最も幅広い場所(前方ハンドル付近)では幅6mmであり、最も狭い場所(先端部付近)では幅2mmとなっており、先端に向かうに従って先細りとなる形状に加工されている。また、可動シャフト13の長さは約200mmである。
可動シャフト13の先端(端部)に設けられているフットプレート13aは、図1A又は図2に示すように、上方を向いており、その角度は30〜50度程度に設定されている。図2のC−C’面の断面の概要図を図3に示す。フットプレート13aの後方の側の面は、略カップ型の形状となるような凹部13sが形成されている。カップ外縁の平面部13bは、カップ底部に向かって下方に斜め向きに加工されており、これが切刃となっている。つまり、フットプレート13aのカップ外周が切刃となっている。これによって、キューレットのように用いて癒着した黄色靱帯等の剥離も行うことができる。また、病変組織等を引き切る際の施術の容易性等の観点から、フットプレート13aの幅は、図3に示すように、シャフト本体の幅よりも数mm(片側だけでは例えば0.1〜2mm程度)広くなるように形成されている。
固定シャフト14は、フットプレート13aに当接可能な先端部14aを有している。また、図3に示すように、その先端部の前方の側の面が略カップ型に形成されており、カップは凹部14sを有し、カップ外縁14bが切刃となっている。この切刃は、フットプレート13のカップ外縁13bの切刃と当接するようになっており、ハンドル部を握り締めることで可動シャフト13が固定シャフト14に摺動しながら両者が接触する。これにより骨、軟骨、靱帯等の把持、ひいては切断・切除が可能となる。また、図1Aに示すように、この鉗子10では固定シャフト14と後方ハンドル12とは一体成形により構成されている。後方ハンドル12には左右いずれかの方向に湾曲したすべり止め18が形成されている。図1Aに示す鉗子10は、右手で操作するものであるため、図1Bに示すようにハンドル部をもつ右手の甲の方向に曲がるように加工されている。これにより、より持ちやすい形状となっている。左手で操作する場合は、ハンドル部をもつ左手の甲の方向に曲がるように加工すれば良い。
また、本発明鉗子10においては、図4に示すように、可動シャフト13と固定シャフト14は、可動シャフト13の上面の中心にその長尺方向にわたって溝部を形成し、固定シャフト14が可動シャフト13に対向する面(下面)の中心線上の一部に1個又は2個以上の凸部を形成し、前記溝部が前記凸部のレールのように可動式で連結されている。本発明鉗子10の固定シャフト14においては、ハンドル部に近い位置に1個、固定シャフト14の長さ方向の中間地点付近に1個、先端部付近に1個の合計3個の凸部が設けられている。このようなレール状構造を採用することによって、可動シャフトと固定シャフトとが互いに離別することを抑制し、より操作性、安全性等を高めることができる。上記の溝部と凸部の断面形状は、図4A(a)〜(c)の形状に限定されず、種々の形状を採用することができる。
(2)脊椎内視鏡下手術(MEL)
手術に際しては、まず、うつ伏せの姿勢になった患者を全身麻酔下においたうえ、円筒レトラクター(チューブ)を挿入する下穴を確保するために腰部の皮膚を切開し、ダイレーターを用いて切開部を大きく拡げる。この際の拡張された切開部(内視鏡進入路)の直径は、一般的には15〜25mm程度である。次いで、内視鏡を円筒レトラクター内に挿入した状態で患部に近くまで進入させる。内視鏡が患部付近に到達した後、内視鏡により映し出されたモニターを見ながら患部の治療を行う。
施術(MEL)に際しては、椎弓を削ったうえで、脊髄圧迫の原因となる肥大化した黄色靱帯等の切除を行うが、その際に用いる器具の一つとして本発明鉗子を用いることができる。この場合、例えば各シャフトの長さ、フットプレートの大きさ及び角度等が異なる2種以上の本発明鉗子を用いることができる。このような本発明鉗子を用いることによって、いずれの場合も引く方向(図1におけるB方向)にスライドさせながら、神経を圧迫している骨、軟骨、靱帯(特に黄色靱帯)等をより安全に把持し、ひいてはより安全に切除することができる。より具体的には、切除に先立って、まずは本発明鉗子10(特にフットプレート13a)をキューレットのように用いて脊髄に癒着した黄色靱帯を剥離した後、ハンドル部を握り締めてフットプレート13aと先端部14aを当接させて切断し、肥大化した黄色靱帯を取り除く。この場合、特に、固定シャフトの先端部14aが図3に示すように、前方の面の内側が略カップ型に加工されており、そのカップ外縁の平面部14bがカップ外側からカップ内側に向かって高くなるように傾斜しており、その形状がフットプレート13aの後方の側に内側に収容されるような構成となっている。このような構成も、本発明鉗子の安全性に寄与することができる。
また、本発明鉗子10は、図3に示すようにフットプレート13aの後方の面の内側がカップ状に加工されており、そのカップ外縁の平面部13bが切刃となるように加工されているので、前記のように、目的部位の切除に先立って、脊髄に癒着した黄色靱帯等の剥離も1つの鉗子で行うことができる(すなわち、実質的にキューレットの役割も果たすことができる)ので便利である。
これらの病変組織を摘出し、神経の圧迫を除去できたことを確認した後は、内視鏡及び円筒レトラクターを抜去し、通常の方法により切開部を縫合することによって、一連の手術が完了する。

Claims (6)

  1. シャフト部及びハンドル部を含む手術用骨鉗子であって、
    (1)シャフト部は、a)先端が上方に向いたフットプレートを有する可動シャフトと、b)前記可動シャフトの上に配置され、かつ、前記フットプレートに当接可能な先端部を有する固定シャフトとを含み、
    (2)ハンドル部は、前記可動シャフトを動かすために前記可動シャフトにつながった前方ハンドルと、前記固定シャフトを支持するために前記固定シャフトにつながった後方ハンドルとを含み、
    (3)前記ハンドル部を握り締めることによって、可動シャフトの前記先端から他端に向かう方向に可動シャフトがスライドすることにより前記フットプレートと前記先端部とが当接する、
    ことを特徴とする手術用骨鉗子。
  2. 前記固定シャフトの先端部の前方側の面に切刃が形成されている、請求項1に記載の手術用骨鉗子。
  3. 前記フットプレートの後方側の面の内側が略カップ型であり、そのカップ外縁に切刃が形成されている、請求項1又は2に記載の手術用骨鉗子。
  4. 1)前記フットプレートの後方側の面の内側が略カップ型であり、カップ外縁の平面部がカップ外側からカップ内側に向かって下方に傾斜した切刃を有し、2)前記固定シャフトの先端部の前方側の面の内側が略カップ型であり、カップ外縁の平面部がカップ外側からカップ内側に向かって上方に傾斜した切刃を有し、3)前記ハンドル部を握りしめた際に、前記フットプレートの切刃と前記先端部の切刃とが互いに平面部で当接する、請求項1〜3のいずれかに記載の手術用骨鉗子。
  5. 前記固定シャッフト又は前記後方ハンドルの任意の位置を支点として前記前方ハンドルが前記方向に動き、その動きにより可動シャフトがスライドする、請求項1〜4のいずれかに記載の手術用骨鉗子。
  6. 前記固定シャッフトと前記後方ハンドルとが一体的に成形されたものである、請求項1〜5のいずれかに記載の手術用骨鉗子。
JP2020006309A 2020-01-17 2020-01-17 手術用骨鉗子 Pending JP2021112366A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020006309A JP2021112366A (ja) 2020-01-17 2020-01-17 手術用骨鉗子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020006309A JP2021112366A (ja) 2020-01-17 2020-01-17 手術用骨鉗子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021112366A true JP2021112366A (ja) 2021-08-05

Family

ID=77077133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020006309A Pending JP2021112366A (ja) 2020-01-17 2020-01-17 手術用骨鉗子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021112366A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102074171B1 (ko) 복강경에서 사용하기 위한 조합형 가위-그래스퍼 도구
US6740102B2 (en) Vessel harvesting retractor with bilateral electrosurgical ligation
EP2358281B1 (en) A surgical instrument for cutting tissue
JP5149904B2 (ja) 筒状の軸機器
EP3406207A1 (en) Surgical clip applier with integrated cutter
US5681337A (en) Bone shaver
JP6618913B2 (ja) 超音波骨切断器具
US20020123763A1 (en) Arteriotomy scissors for minimally invasive surgical procedures
WO2006041317A1 (en) Multipurpose surgical tool
EP2939618B1 (en) Surgical instrument
US6379298B2 (en) Medical dissection spatula having spreadable spatula jaw parts
US10413290B1 (en) Combined needle holder scissors
JP5775866B2 (ja) 医療器具
JP6013507B2 (ja) 医療用器具
JP2021112366A (ja) 手術用骨鉗子
US6102925A (en) Surgical instruments for operating on joints
CN209490062U (zh) 一种椎管内韧带剪
JP4734469B1 (ja) 医療用マイクロ手術器具
US20160106440A1 (en) Surgical rongeur with disposable and replaceable cutting blade
JP2010035669A (ja) 脊椎内視鏡手術における骨切除ロンジュール
JPH11299799A (ja) 鋏鉗子
CN110192907A (zh) 椎体前移术开槽工具
CN216021339U (zh) 一种椎弓根钉断钉取出钳
JP3170888U (ja) 脊椎内視鏡手術における骨切除ロンジュール
JP3129929U (ja) 椎弓板開大器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231003

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240402