JP2021110157A - コンクリート締固め装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、実施の形態1に係るコンクリート締固め装置100の斜視図である。図2は、実施の形態1に係るコンクリート締固め装置100の三面図である。図1及び図2において、コンクリート締固め装置100の詳細の構造は、一部模式的に表されている。また、図2(a)は、コンクリート締固め装置100の正面図であり、図2(b)は、コンクリート締固め装置100の上面図であり、図2(c)はコンクリート締固め装置100の側面図である。コンクリート締固め装置100は、把持フレーム40の上端部にある把持部41を作業者が保持し、締固めボード15の接触面16をコンクリートの表面に接触させながら移動させることにより、建築物の床スラブ又は道路橋の床版等に打設されたコンクリートの締固めを行うための装置である。
コンクリート締固め装置100は、接触面16をコンクリートの表面に接するようにして、コンクリートに直接振動を伝える締固めボード15を備える。締固めボード15には、長手方向に直角方向、つまり短辺に沿った方向の両端に立ち上がるように補剛フィン11が設置されている。また、締固めボード15の短辺に沿った方向の両端にそれぞれ配置されている補剛フィン11を連結するように固定台12及び13が配置されている。固定台12及び13は、締固めボード15の長手方向の両端に位置している固定台12と、締固めボード15の中央に配置された固定台13と、を含む。固定台13の上には、動力源20及び回転伝達部30が載置されている。固定台12の上には、振動体34が内部に配置された振動体箱32及び把持フレーム40の下部を構成するアーム51が固定されている。
締固め部10は、締固めボード15と、締固めボード15の上に載置された振動体34を振動させる機構とを総称したものである。
締固めボード15は、コンクリート締固め装置100の施工時の進行方向に対し直角方向に長手方向が向けられた平板形状を有する。締固めボード15の底面は、コンクリート表面に均一に接する平坦な接触面16となっている。コンクリート締固め装置100は、人力にて運搬及び締固め作業としてコンクリート上での移動が行われるため、重量が200Nよりも軽く設定されることが望ましい。そのため、実施の形態1においては、締固めボード15は、軽量なアルミニウム又はFRPにより構成されており、厚さ寸法は30mm程度に構成されている。また、締固めボード15は、薄い板状の材料を組み合わせて内部が空洞になっている箱形状に構成されていても良い。この場合、締固めボード15の剛性を確保するため、内部にリブが設けられていると良い。
補剛フィン11は、締固めボード15の上面に固定されており、締固めボード15の長辺に沿って立設されている。補剛フィン11は、締固めボード15の剛性を確保することと、締固め作業においてコンクリートが締固めボード上に遡上を防止すること、及び固定台12及び13の取付位置の調整という役割を有する。コンクリート締固め装置100は、締固めボード15の振動によって、コンクリート表面から振動を伝達し、例えば床スラブの深部に位置するコンクリートに伝達させる。そのためには、締固めボード15の面外剛性は、大きくする必要がある。締固めボード15の面外剛性が小さい場合、締固めボード15の上方に配置された振動体34から伝達される振動が、締固めボード15の全体に伝わらず、コンクリートの深部までに振動を伝達させることができない。ひいては、面外剛性が小さい締固めボード15の場合、床スラブを構成するコンクリートを均一に締固めることができない。補剛フィン11は、締固めボード15の上面に鉛直方向に立ち上げられており、長手方向に延伸しているため、締固めボード15の面外変形に対する剛性を高めることができる。そして、締固めボード15は、面外剛性が高いため、振動体34による局所的な振動入力を締固めボード15全体の均一な振動に変換することができる。補剛フィン11は、例えば鋼材又はアルミニウムを使用し、コンクリート締固め装置100の全体の重量を極力軽量にしつつ、締固めボード15の面外剛性を向上させる。
固定台12及び13は、動力源20、回転伝達部30、シャフト31、及び振動体34等の振動を発生させるための機構が載置されるものである。また、固定台12は、作業者が保持する把持フレーム40の下部を構成するアーム51が上面に連結される。振動体34によって発生した振動は、固定台12から締固めボード15の短辺方向の両端に配置された補剛フィン11に伝達され、補剛フィン11によって締固めボード15の長手方向に均一に分散し、締固めボード15の接触面16からコンクリートに伝達される。この振動伝達機構によって、例えば床スラブを構成するコンクリートの均一な締固めが達成される。振動を発生させる機構は、同一の固定台12及び13の上に配置することもできるが、動力源20、回転伝達部30、シャフト31、及び振動体34を複数の固定台12及び13に分散配置することもできる。
図3は、実施の形態1に係るコンクリート締固め装置100の動力源20から振動体34までの回転伝達機構の上面図である。動力源20は、例えばエンジン、又はモーターが用いられる。動力源20は、固定台13の上に弾性体を介して載置されている。実施の形態1においては、弾性体は、防振ゴムにより構成されている。ただし、弾性体は、防振ゴムのみに限定されるものではなく、例えばバネなどから構成されていても良い。動力源20の出力軸21は、回転伝達部30の動力源側プーリ22に接続されている。
図4は、実施の形態1に係るコンクリート締固め装置100の回転伝達部30の内部構造の側面図である。回転伝達部30は、動力源20の回転を振動体34に伝達する部分である。回転伝達部30は、例えば、動力源側プーリ22とシャフト側プーリ33をベルト23で連結し、動力源20の出力軸21の回転をシャフト31に伝達する機構である。このとき、動力源側プーリ22及びシャフト側プーリ33の外径の設定を調整することにより、動力源20からシャフト31に伝達する回転数を調整することができる。実施の形態1においては、回転伝達部30は、動力源側プーリ22よりもシャフト側プーリ33の外径が大きく設定されており、動力源20の回転数を減らしてシャフト31に伝達する。例えば動力源20の回転数は2000回転毎分程度であり、締固めボード15及びコンクリートの固有振動数に合わせる様に動力源20の回転を減速又は増速して振動体34に伝達することが有効である。実施の形態1に係るコンクリート締固め装置100は、上記の回転伝達部30を備えることにより、振動体34を適正な回転数で回転させることができる。
図5は、実施の形態1に係るコンクリート締固め装置100の振動体34の正面図及び側面図である。振動体34は、回転伝達部30からシャフト31を経て伝達された回転を振動に変換するものである。振動体34は、円柱形であり偏心振動子となっており、シャフト31の中心軸C1に対して振動体34の中心軸C2が偏心して固定されている。シャフト31が中心軸C1周りに回転するため、振動体34は偏心回転し、振動がシャフト31及びシャフト31を支持する構造に伝わる。この振動が、シャフト31からシャフト31を支持する軸受36、固定台12、補剛フィン11、そして締固めボード15の順に伝達される。締固めボード15が振動することにより、接触面16と接触しているコンクリートに振動が伝達し、コンクリートが締固められる。軸受36は、固定台12の上に設けられた振動体箱32に設けられており、振動体34の近傍においてシャフト31を支持する。振動体34は、円柱形状である。振動体34は、円柱の中心軸からずれた位置に孔が形成され、その孔にスリーブ35を填め込み、スリーブ35に設けられた孔にシャフト31を填め込むことにより、シャフト31に固定される。振動体34、スリーブ35、及びシャフト31は、圧入又は焼き嵌め等の手段により互いに固定される。
図1及び図2に示される様に、締固めボード15及びその上に搭載された振動体34を振動させる機構から構成された締固め部10は、上方に延びる把持フレーム40が接続されている。把持フレーム40は、締固めボード15の上に固定されている固定台12に接続されている固定プレート50と、固定プレート50から上方に延びるアーム51と、を備える。アーム51の上端部には、ハンドル42が取り付けられている。ハンドル42は、アーム51に対して角度が変更自在に構成されており、作業者に合わせて把持部41の位置を変更することができる。コンクリートの締固めを行う作業者は、把持部41を保持してコンクリート締固め装置100の移動及び進行方向を制御する。
把持フレーム40のアーム51の上端部54には、動力源20の回転数を計測し表示する動力源回転数計43が設置されている。動力源20の回転数は、回転センサ(図示せず)などにより計測され、動力源回転数計43に表示される。コンクリートへ振動を有効に伝達できる動力源の回転数を維持するために、作業者は、ハンドル42に設置された動力源制御装置44の調整レバーを操作することにより、動力源20の回転数を制御する。又は、動力源制御装置44は、計測された動力源20の回転数に基づき、動力源20を所定の回転数に維持するように制御しても良い。
実施の形態1に係るコンクリート締固め装置100は、コンクリートの表面に接する締固めボード15と、締固めボード15の上に配置された動力源20と、動力源20の回転をシャフト31に伝達する回転伝達部30と、シャフト31に固定され回転伝達部30の回転により振動する振動体34と、振動体34の近傍においてシャフト31を回転自在に支持する軸受36と、を備える。締固めボード15は、上面に立設された補剛フィン11と、補剛フィン11に接合された固定台12及び13と、を備える。軸受36は、固定台12の上に固定され、動力源20は、振動体34を回転させて振動を励起し、振動体34の振動は、補剛フィン11及び固定台12を介して、締固めボード15に伝達される。
このように構成されることにより、補剛フィン11により面外剛性が高められ曲げ変形が抑制された締固めボード15により、均一にコンクリート表面に振動を伝達できるため、コンクリートの深層にいたるまで均一に締固めることが可能になる。
Claims (11)
- コンクリートの表面に接する締固めボードと、
前記締固めボードの上に配置された動力源と、
前記動力源の回転をシャフトに伝達する回転伝達部と、
前記シャフトに固定され前記回転伝達部の回転により振動する振動体と、
前記振動体の近傍において前記シャフトを回転自在に支持する軸受と、を備え、
前記締固めボードは、
上面に立設され当該締固めボードの長手方向に延伸する補剛フィンと、前記補剛フィンに接合された固定台と、を備え、
前記軸受は、
前記固定台の上に固定され、
前記動力源は、
前記振動体を回転させて振動を励起し、前記振動体の振動を前記補剛フィン及び前記固定台を介して、前記締固めボードに伝達する、コンクリート締固め装置。 - 前記補剛フィンは、
前記締固めボードの前記長手方向の直角方向の両端にそれぞれ立設されている、請求項1に記載のコンクリート締固め装置。 - 前記固定台は、
前記締固めボードの前記直角方向の両端に配置された2つの前記補剛フィンにまたがって接合されている、請求項2に記載のコンクリート締固め装置。 - 前記振動体は、
複数の振動体を含み、
前記複数の振動体は、
前記シャフトの前記長手方向の両端に固定される、請求項1〜3の何れか1項に記載のコンクリート締固め装置。 - 前記固定台は、
複数の固定台を含み、
前記補剛フィンは、
前記長手方向に沿って配置された複数のボルト孔を有し、
前記複数の固定台は、
前記長手方向に分散配置され、前記複数のボルト孔にボルト接合される、請求項1〜4の何れか1項に記載のコンクリート締固め装置。 - 前記回転伝達部は、
前記動力源の回転数を減速して前記振動体に伝達する、請求項1〜5の何れか1項に記載のコンクリート締固め装置。 - 前記回転伝達部は、
前記動力源に接続された動力源側プーリと、
前記シャフトに接続されたシャフト側プーリと、
前記動力源側プーリから前記シャフト側プーリに回転を伝達するベルトと、を備える、請求項1〜6の何れか1項に記載のコンクリート締固め装置。 - 前記回転伝達部は、
ベルトの緊張力を調整するベルト緊張ロールを更に備える、請求項7に記載のコンクリート締固め装置。 - 前記動力源の回転数を読み取る動力源回転数計と、
前記動力源の回転数を制御する制御装置と、を更に備える、請求項1〜8の何れか1項に記載のコンクリート締固め装置。 - 前記締固めボードから上方に延びる把持フレームを備え、
前記把持フレームは、
弾性体を介して前記固定台に接続された、請求項1〜9の何れか1項に記載のコンクリート締固め装置。 - 前記締固めボードは、
コンクリートと接触する接触面の周縁に曲面を備える、請求項1〜10の何れか1項に記載のコンクリート締固め装置。
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