JP2021109948A - ポリアセタール共重合体の押出方法 - Google Patents

ポリアセタール共重合体の押出方法 Download PDF

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Yuichi Kihara
雄一 木原
知宏 近藤
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Abstract

【課題】押出機スクリューへの付着物が少ないポリアセタール共重合体の押出方法を提供する。【解決手段】押出機と、押出機の後に設けられたギアポンプとを用いてポリアセタール共重合体を押し出す方法であって、押出機のスクリュー外径部の回転周速(A)の、ギアポンプの歯車外径部の回転周速(B)に対する比率(A/B)が2.5〜12.0であることを特徴とする、ポリアセタール共重合体の押出方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアセタール共重合体の押出方法に関する。
ポリアセタール共重合体は、加工性と生産性に優れるため、溶融射出成型や溶融押出成型等の成型方法により、所望の形状の製品や部品を効率良く生産できるという利点を有している。このような利点を生かし、ポリアセタール共重合体は、電気・電子材料分野、自動車分野、その他各種工業材料分野、食品の包装分野、部品用材料分野に幅広く用いられている。これらの用途の製品製造に際し、押出機スクリューへの付着物が少なく安定してポリアセタール共重合体を得る製造方法が求められている。
重合体を、溶融押出成型にてペレット、フィルムとして得る場合に、押出機やその他反応器の生産安定性や品質の向上を目的として、押出機やその他反応器の先端にギアポンプを設置することが一般的であり、これまでに種々の提案がされている。
例えば、ポリアセタール樹脂の変質を抑制するために、横型反応器の出口にスクリューポンプ、ギアポンプを設置する方法(例えば、特許文献1参照)や、繊維強化樹脂ペレット内の繊維の破損を抑制するために、押出機先端にギアポンプを設置する方法(例えば、特許文献2参照)、ポリマーブレンド樹脂を押し出す際、混練状態の制御を行うために押出機の後にギアポンプを設置する方法(例えば、特許文献3参照)がある。
特許第6225523号公報 特開2010−654号公報 特許第4171867号公報
上記特許文献1〜3では、押出機スクリューへの付着物による不具合について課題が残る。スクリューに付着物が存在すると、押出機中での圧力上昇や、それに伴う樹脂ペレット中への金属異物混入、付着物混入によるペレット性能低下等の問題が発生する。
そこで、本発明は、押出機スクリューへの付着物が少ないポリアセタール共重合体の押出方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、押出機と、押出機の後に設けられたギアポンプとを用い、押出機のスクリュー外径部の回転周速の、ギアポンプの歯車外径部の回転周速に対する比率を特定の範囲とすることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本実施形態は以下のとおりである。
[1]
押出機と、前記押出機の後に設けられたギアポンプとを用いてポリアセタール共重合体を押し出す方法であって、
前記押出機のスクリュー外径部の回転周速(A)の、前記ギアポンプの歯車外径部の回転周速(B)に対する比率(A/B)が2.5〜12.0であることを特徴とする、ポリアセタール共重合体の押出方法。
[2]
前記ポリアセタール共重合体の末端安定化を前記押出機内で行う、[1]に記載のポリアセタール共重合体の押出方法。
[3]
前記押出機がサイドアームを有し、前記サイドアームから添加剤を投入する、[1]又は[2]に記載のポリアセタール共重合体の押出方法。
本発明のポリアセタール共重合体の押出方法によれば、押出機スクリューへの付着物を抑制することができる。
押出機と、押出機の末端に直接接続されたギアポンプとを備えた、本実施形態の押出方法に用いられる装置の一例を示す概略側面図である。押出機は、末端安定化ゾーン、減圧脱揮ゾーン、及び添加剤分散ゾーンをこの順に備え、サイドアームが添加剤分散ゾーンに接続されている。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定するものではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<ポリアセタール共重合体の押出方法>
本実施形態のポリアセタール共重合体の押出方法は、押出機と、前記押出機の後に設けられたギアポンプとを用いてポリアセタール共重合体を押し出す方法であって、前記押出機のスクリュー外径部の回転周速(A)の、前記ギアポンプの歯車外径部の回転周速(B)に対する比率(A/B)が2.5〜12.0であることを特徴とする。
<押出機>
本実施形態のポリアセタール共重合体の押出方法で用いられる押出機は、特に限定されず、単軸又は多軸押出機のいずれも使用でき、好ましくは二軸押出機であり、より好ましくはベント式二軸スクリュー押出機である。
本実施形態の押出機は、末端安定化ゾーン、減圧脱揮ゾーン、及び添加剤分散ゾーンを有していることが好ましい。また、末端安定化ゾーン、減圧脱揮ゾーン、及び添加剤分散ゾーンは、この順で押出機に設けられることが好ましい。
<末端安定化ゾーン>
本実施形態の押出機における末端安定化ゾーンとは、加圧状態で塩基性物質等の末端安定化剤及び/又は助剤を用いて、後述するポリアセタール共重合体の末端安定化を行う場所をいう。ポリアセタール共重合体と末端安定化剤及び/又は助剤との十分な混練のために、押出機に用いられるスクリューは、末端安定化ゾーンの一部又は全部の領域においてニーディングエレメントで構成されていることが好ましい。ニーディングエレメントとしては、ディスクタイプのニーディングエレメントが挙げられるが、複数のニーディングエレメントを組み合わせたブロックタイプのものを使用してもよい。
1つの押出機中に末端安定化ゾーン、減圧脱揮ゾーン、及び添加剤分散ゾーンを全て備える場合、末端安定化ゾーンは、押出機のバレル全長を100%として、ポリアセタール共重合体の押出方向に対し、最上流の端から10〜70%の範囲に位置することが好ましく、15〜60%の範囲に位置することがより好ましい。末端安定化ゾーンが上記範囲の位置にあると、ポリアセタール共重合体と末端安定化剤及び/又は助剤との混練が十分になされ、熱安定性の良好なポリマーを得ることができる。
また、末端安定化ゾーンの温度は、ポリアセタール共重合体の融点以上260℃以下であることが好ましく、より好ましくは200〜240℃である。
末端安定化は、ポリアセタール共重合体の熱的に不安定な末端部(不安定末端部)が安定化されれば特に限定されず、具体的には、不安定末端部(−CH2OH基、−(OCH2n−OH基等のヒドロキシメチル基を含む基)が分解除去され、安定な官能基に置換等されるものである。ポリアセタール共重合体が不安定末端部を含んでいると、加熱した際にホルムアルデヒド等を発生する。
末端安定化を行う方法としては、後述の末端安定化剤をポリアセタール共重合体に添加する方法が好ましい。
<減圧脱揮ゾーン>
本実施形態の押出機における減圧脱揮ゾーンとは、ポリアセタール共重合体に含まれる未反応モノマー、末端安定化により発生したホルムアルデヒド、末端安定化剤、助剤等を減圧により除去する場所をいう。減圧脱揮ゾーンは、ベント部を有していることが好ましい。
1つの押出機中に末端安定化ゾーン、減圧脱揮ゾーン、及び添加剤分散ゾーンを全て備える場合、減圧脱揮ゾーンは、押出機のバレル全長を100%として、ポリアセタール共重合体の押出方向に対し、最上流の端から30〜90%の範囲に位置することが好ましく、40〜85%の範囲に位置することがより好ましい。減圧脱揮ゾーンが上記範囲の位置にあると、末端安定化により発生したホルムアルデヒド、末端安定化剤、助剤等を効率的に除去することができる。
<添加剤分散ゾーン>
本実施形態の押出機における添加剤分散ゾーンとは、後述の添加剤を投入する場所をいう。添加剤分散ゾーンには、サイドアームが接続されていることが好ましく、サイドアームを用いて添加剤の投入を行うことが好ましい。
1つの押出機中に末端安定化ゾーン、減圧脱揮ゾーン、及び添加剤分散ゾーンを全て備える場合、添加剤分散ゾーンは、押出機のバレル全長を100%として、ポリアセタール共重合体の押出方向に対し、最上流の端から60〜100%の範囲に位置することが好ましく、70〜90%の範囲に位置することがより好ましい。添加剤分散ゾーンが上記範囲の位置にあると、末端安定化ゾーン、減圧脱揮ゾーンにて熱安定性が改善されたポリアセタール共重合体中に添加剤を均一に分散させることができる。
サイドアームとは、添加剤とポリアセタール共重合体とを事前に溶融混錬するための装置であり、その排出口が直接的又は間接的に押出機側面に接続される。
サイドアームから添加剤を投入する際、添加剤は末端安定化済みのポリアセタール共重合体との混合物の状態であることが好ましい。添加剤と末端安定化済みのポリアセタール共重合体との混合方法は、特に限定されないが、別に準備した押出機での溶融混練により行うことが好ましく、特に2軸押出機で行うことが好ましい。
添加剤と混合される末端安定化済みのポリアセタール共重合体は、本実施形態の押出機の末端安定化ゾーンで末端安定化されたポリアセタール共重合体と同じであっても異なっていてもよい。
また、サイドアームの代わりに別の押出機を直列に接続して、添加剤、又はポリアセタール共重合体と添加剤との混合物を添加、溶融混錬してもよい。即ち、末端安定化ゾーン及び減圧脱揮ゾーンを1台目の押出機に設け、添加剤分散ゾーンを2台目の押出機に設けて押出を行ってもよい。
<ギアポンプ>
本実施形態のポリアセタール共重合体の押出方法で用いられるギアポンプは、押出機の後に(押出方向の下流側に続けて)設置されるものであれば特に限定されず、押出機の直近に設置されていることが好ましく、押出機の押出方向末端に直接接続されていることがより好ましい。
図1は、末端安定化ゾーン、減圧脱揮ゾーン、及び添加剤分散ゾーンをこの順に備え、サイドアームが添加剤分散ゾーンに接続された押出機と、押出機の末端に直接接続されたギアポンプとを備えた装置の一例を示す。
<押出機のスクリュー外径部の回転周速(A)のギアポンプの歯車外径部の回転周速(B)に対する比率(A/B)>
本実施形態において、押出機のスクリュー外径部の回転周速(A)のギアポンプの歯車外径部の回転周速(B)に対する比率(A/B)は2.5〜12.0であり、5.2〜10.9であることが好ましく、5.5〜9.5であることがより好ましい。比率(A/B)が上記範囲内であることで、押出機スクリューへの付着物が減少する顕著な効果が見られる。
<ポリアセタール共重合体>
本実施形態の末端安定化していないポリアセタール共重合体(以下、「粗ポリアセタール共重合体」ともいう)は、オキシメチレン単位を主鎖に有する重合体であり、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)及び4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソランや1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコール又はジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル又は環状ホルマールとを共重合させて得られる。また、ホルムアルデヒドの単量体及び/又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーと単官能グリシジルエーテルとを共重合させて得られる分岐を有するポリアセタール共重合体、ホルムアルデヒドの単量体及び/又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーと多官能グリシジルエーテルとを共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタール共重合体も用いることができる。
さらに、ポリアセタール共重合体は、両末端または片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えば、ポリアルキレングリコールの存在下、ホルムアルデヒドの単量体又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するポリアセタールホモポリマーを用いることができる。
同じく、ポリアセタール共重合体は、両末端または片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えば、水素添加ポリブタジエングリコールの存在下、ホルムアルデヒドの単量体又はその3量体(トリオキサン)及び4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテル又は環状ホルマールとを共重合させて得られるブロック成分を有するポリアセタール共重合体を用いることができる。
上記のポリアセタール共重合体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリアセタール共重合体中の1,3−ジオキソラン等のコモノマーの割合は、一般的には、トリオキサン1molに対して0.01〜60mol%が好ましく、より好ましくは0.03〜20mol%であり、更に好ましくは0.05〜15mol%、最も好ましくは0.1〜10mol%用いられる。
ポリアセタール共重合体の製造方法は、特に限定されるものでなく、公知の重合方法を用いることができ、オキシメチレン単位を構成するモノマーと共重合成分単位を構成するモノマーとを重合触媒の存在下で共重合させることにより得られる。
<末端安定化剤>
本実施形態のポリアセタール共重合体の製造方法においては、押出機内(末端安定化ゾーン)で末端安定化剤及び/又は助剤を用いて不安定末端部を安定化することが好ましい。
本実施形態で用いられる末端安定化剤としては、ポリアセタール共重合体を末端安定化するものであれば特に限定されないが、塩基性物質が好ましい。塩基性物質として、具体的には、アンモニア、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、第4級アンモニウム化合物等のアミン類;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機弱酸塩、又は有機酸塩等が挙げられる。
上記のアミン類の中でも、第4級アンモニウム化合物がより好ましく、下記式(1)で示される第4級アンモニウム化合物が、少量の添加量で短時間に不安定末端部の少ないポリアセタール共重合体を得ることができるため、より好ましい。
[R9101112+mm- ・・・(1)
(式中、R9、R10、R11、R12は、各々独立して、炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基における少なくとも1個の水素原子が炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜20のアリール基における少なくとも1個の水素原子が炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を表わし、非置換アルキル基又は置換アルキル基は直鎖状、分岐状、又は環状である。上記置換アルキル基の置換基は、ハロゲン原子、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基であることが好ましい。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。mは1〜3の整数を表わす。Xは水酸基、又は、炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸若しくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を表わす。)
また、上記末端安定化剤は、水やメタノールと共に用いてもよいし、2種類以上の末端安定化剤を併用することも可能である。
第4級アンモニウム化合物としては、上記式(1)で表わされるものが好ましく、上記式(1)におけるR9、R10、R11及びR12が、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であることがより好ましく、この中でも、R9、R10、R11及びR12の少なくとも1つが、ヒドロキシエチル基であるものがさらに好ましい。具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリ−n−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、トリメチル−2−オキシエチルアンモニウム、モノメチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、モノエチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、オクダデシルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシエチル)アンモニウム等の、水酸化物;塩酸、臭酸、フッ酸等の水素酸塩;硫酸、硝酸、燐酸、炭酸、ホウ酸、塩素酸、よう素酸、珪酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、二硫酸、トリポリ燐酸等のオキソ酸塩;チオ硫酸等のチオ酸塩;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、シュウ酸等のカルボン酸塩等が挙げられる。中でも、水酸化物(OH-)、硫酸(HSO4 -、SO4 2-)、炭酸(HCO3 -、CO3 2-)、ホウ酸(B(OH)4 -)、カルボン酸の塩が好ましい。これらのカルボン酸の中でも、蟻酸、酢酸、プロピオン酸がより好ましい。これら第4級アンモニウム化合物は、単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記第4級アンモニウム化合物に加えて、アンモニアやトリエチルアミン等のアミン類等を併用してもよい。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機弱酸塩、又は有機酸塩等としては、具体的には、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等の水酸化物;炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の無機弱酸塩;ギ酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の有機酸塩等が挙げられる。
末端安定化剤の添加量は、末端安定化前のポリアセタール共重合体1.00質量部に対して、下記式(2)で表わされる末端安定化剤由来の窒素の量に換算して、好ましくは0.05〜50質量ppmである。なお、末端安定化剤由来の窒素がない場合は、他の適当な原子の量に換算して、同様に添加量を算出することができる。
P×14/Q ・・・(2)
(式中、Pは、末端安定化剤の、末端安定化前のポリアセタール共重合体に対する濃度(質量ppm)を表わし、14は窒素の原子量である。Qは、末端安定化剤の分子量を表わす。)
末端安定化剤の添加量が0.05質量ppm以上であると不安定末端部の分解除去速度が良好であり、50質量ppm以下であると不安定末端部の分解除去後のポリアセタール共重合体の色調に優れる。
末端安定化剤の添加方法には特に制限はなく、重合触媒を失活する工程にて水溶液として加える方法、溶融前のポリアセタール共重合体に吹きかける方法、溶融後に添加する方法等が挙げられる。いずれの添加方法を用いても、ポリアセタール共重合体を本実施形態の押出機で溶融処理する工程で末端安定化剤が存在していればよく、本実施形態の押出機の末端安定化ゾーンで末端安定化反応が行われることが好ましい。
末端安定化剤は、本実施形態の押出機において、押出方向の最上流の原料投入口(トップフィード)からポリアセタール共重合体と共に投入してもよく、末端安定化ゾーンに設けた別の原料投入口から投入してもよい。
<助剤>
本実施形態で用いられる助剤としては、特に限定されず、ポリアセタール共重合体の末端安定化に一般的に使用されているものを用いることができる。
助剤は、本実施形態の押出機において、トップフィードからポリアセタール共重合体と共に投入してもよく、末端安定化ゾーンに設けた別の原料投入口から投入してもよい。
<添加剤>
本実施形態で用いられる添加剤は、従来のポリアセタール共重合体に使用されている添加剤を用いてよく、具体的には、安定剤、耐候(光)安定剤、離型剤等を単独、又はこれらを組み合わせて用いる。
安定剤としては、特に限定されないが、酸化防止剤、ホルムアルデヒドやぎ酸の捕捉剤等が挙げられ、酸化防止剤と捕捉剤との併用が好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコールービス―〔3―(3―t―ブチルー5―メチルー4―ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。
また、捕捉剤としては、例えば、ジステアリン酸カルシウムが好ましい。
耐候(光)安定剤としては、特に限定されず、(イ)ベンゾトリアゾール系物質、(ロ)シュウ酸アニリド系物質及び(ハ)ヒンダードアミン系物質が好ましい。
離型剤としては、特に限定されず、アルコール、及びアルコールと脂肪酸とのエステル、アルコールとジカルボン酸とのエステル、シリコーンオイル等が挙げられる。
添加剤の添加量は、末端安定化済みのポリアセタール共重合体100質量部に対して、0.001〜20質量部であることが好ましい。
添加剤とポリアセタール共重合体とを混練する場合、末端安定化前のポリアセタール共重合は熱的に不安定な構造を有しているため、末端安定化した後のポリアセタール共重合体と混合することが好ましい。そのため、本実施形態の押出方法において、添加剤は、末端安定化ゾーンよりも後の段階で押出機に投入されることが好ましく、添加剤分散ゾーンに設けたサイドアームから投入することがより好ましい。
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて本実施形態について詳細に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で適用した物性測定方法、及び原料は以下ととおりとした。
[物性測定方法]
〔押出性〕
ポリアセタール共重合体を押出後、押出機のスクリューを観察し、付着物の有無を確認した。以下の評価基準で評価した。
〈評価基準〉
〇:押出機のスクリューに付着物がほとんど見られず、継続して良好に押出を行うことができた。
×:運転継続は可能であったが、押出機のスクリューに顕著に付着物が見られ、実用レベルではなかった。
[原料]
〔粗ポリアセタール共重合体〕
熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸セルフクリーニングタイプの連続重合反応機を温度80℃に調整した。
重合触媒として三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラートをシクロヘキサンにて1質量%に希釈した触媒調合液38g/hrと、トリオキサン12kg/hr、1,3−ジオキソラン414.6g/hr(トリオキサン1molに対して、4.2mol%)、連鎖移動剤としてメチラール7.3g/hrを、重合反応機に連続的に供給し重合を行った。
重合反応機から排出されたものは、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート(重合触媒1molに対して10倍mol)を含有した水溶液中に投入し、重合触媒の失活を行った後、濾過、洗浄、乾燥(140℃)を行い、粗ポリアセタール共重合体を得た。
〔末端安定化剤〕
・トリエチルアミン
〔捕捉剤〕
・ジステアリン酸カルシウム
〔酸化防止剤〕
・トリエチレングリコールービス―〔3―(3―t―ブチルー5―メチルー4―ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
(実施例1)
末端安定化ゾーン、減圧脱揮ゾーン、及び添加剤分散ゾーンをこの順に備え、サイドアームが添加剤分散ゾーンへ二重管にて接続されている押出機と、押出機の末端に直接接続されているギアポンプとを備える装置にて、ポリアセタール共重合体のペレット化を行った。
粗ポリアセタール共重合体90質量部をトップフィードから押出機に供給した。押出機のスクリュー外径部の周速(A)は1.52m/sとした。粗ポリアセタールを210℃で加熱溶融しながら、末端安定化ゾーンへ圧送した。
末端安定化ゾーンでは、粗ポリアセタール共重合体に対して当該ゾーンに設けた別の原料投入口から0.6質量%トリエチルアミン水溶液4質量部を添加して210℃で粗ポリアセタール共重合体の末端安定化を行い、次の減圧脱揮ゾーンへ圧送した。
減圧脱揮ゾーンでは、末端安定化に伴い発生したホルムアルデヒド等を減圧操作により系外に除去した。
添加剤分散ゾーンでは、サイドアームにて、ポリアセタール共重合体10質量部と、酸化防止剤としてトリエチレングリコールービス―〔3―(3―t―ブチルー5―メチルー4―ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.4質量部と、捕捉剤としてジステアリン酸カルシウム0.2質量部とを190℃で溶融混練した添加剤混合物を、溶融状態のまま供給し、減圧脱揮ゾーンから圧送された末端安定化されたポリアセタール共重合体と混練した。
押出機を通過した樹脂をギアポンプで更に混練し、ペレット化した。ギアポンプの歯車外径部の周速(B)は0.14m/sとした。結果を表1に示す。
(実施例2〜4)
押出機のスクリュー外径部の周速(A)及びギアポンプの歯車外径部の周速(B)を表1に示した条件とした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
(実施例5)
サイドアームを用いた添加剤分散ゾーンの代替として、末端安定化及び減圧脱揮を行う押出機の直後に、ポリアセタール共重合体、酸化防止剤、及び捕捉剤の添加剤混合物を添加、溶融混練する別の押出機を直列に設置し、当該別の押出機の末端にギアポンプを直接接続して押出を行った。上記添加剤混合物は、別の押出機のトップフィードから添加した。
押出機のスクリュー外径部の周速(A)は、両方の押出機ともに1.54m/sとし、ギアポンプの歯車外径部の周速(B)は0.19m/sとした。
その他は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
(比較例1、2)
押出機のスクリュー外径部の周速及びギアポンプの歯車外径部の周速を表2に示した条件とした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。
(比較例3)
ギアポンプを用いず、押出機のみで押出したこと以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。
表1に示すように、実施例1〜5では、押出機のスクリュー外径部の回転周速(A)の、ギアポンプの歯車外径部の回転周速(B)に対する比率(A/B)が2.5〜12.0の範囲内であるため、押出機スクリューへの付着物がほとんどなく、安全上問題なく継続して良好に押出を行うことができた。
実施例3では、押出機のスクリュー外径部の回転周速(A)が他の実施例と比較して相対的に速いため、押出機にて多少のベントアップが発生したが、品質良好なポリアセタール共重合体が得られた。
実施例5では、サイドアームの代替として、添加剤混合物を添加、溶融混練する更に別の押出機を用いたため、スペースを拡張してしまう点に難があるものの、押出性に問題はなく、良好にポリアセタール共重合体が得られた。
表2に示すように、比較例1〜3では、垂直な回転周速(A)と、平行な回転周速(B)の比(A/B)が2.5〜12.0の範囲外であるため、運転継続は可能であったものの、押出機スクリューへのスケール付着や金属異物の発生等が見られ、実用レベルではなかった。
Figure 2021109948
Figure 2021109948
1: 押出機
2: サイドアーム
3: ギアポンプ
11: 末端安定化ゾーン
12: 減圧脱揮ゾーン
13: 添加剤分散ゾーン

Claims (3)

  1. 押出機と、前記押出機の後に設けられたギアポンプとを用いてポリアセタール共重合体を押し出す方法であって、
    前記押出機のスクリュー外径部の回転周速(A)の、前記ギアポンプの歯車外径部の回転周速(B)に対する比率(A/B)が2.5〜12.0であることを特徴とする、ポリアセタール共重合体の押出方法。
  2. 前記ポリアセタール共重合体の末端安定化を前記押出機内で行う、請求項1に記載のポリアセタール共重合体の押出方法。
  3. 前記押出機がサイドアームを有し、前記サイドアームから添加剤を投入する、請求項1又は2に記載のポリアセタール共重合体の押出方法。
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