JP2021109858A - メタボリックシンドロームの予防または改善剤 - Google Patents

メタボリックシンドロームの予防または改善剤 Download PDF

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Abstract

【課題】安全かつ簡便に利用できる、メタボリックシンドロームの予防または改善のために有用な、新規な技術を提供することを課題とする。【解決手段】オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、メタボリックシンドロームの予防または改善剤。【選択図】図4

Description

本発明は、新規なメタボリックシンドロームの予防または改善剤に関する。
また、本発明は、新規な内臓脂肪蓄積抑制剤、インスリン抵抗性改善剤、レプチン抵抗性改善剤、血中遊離脂肪酸低下剤、血中中性脂肪低下剤、およびα−グルコシダーゼ阻害剤に関する。
さらに、本発明は、これらの剤のいずれか1つ以上を含む、食品および医薬品に関する。
日本人の死因の約3分の1を占める心臓病や脳卒中の多くは、動脈硬化が原因となっていることが知られている。また、動脈硬化を亢進する危険因子として、肥満、脂質異常、高血糖、高血圧等が知られている。これらの危険因子が重複すると、心臓病や脳卒中を発症するリスクが高まる。
現在、肥満の中でも、内臓脂肪が蓄積する肥満(内臓脂肪型肥満)が、動脈硬化を進行させる原因の1つであることが明らかとなっている。
そこで、内臓脂肪の蓄積に加えて、脂質異常、高血糖、高血圧を合併している状態を「メタボリックシンドローム」と呼び、医療機関は、健康診断の受診者や患者に対してこの状態にならないように注意を促している。
日本のメタボリックシンドロームの診断基準は、内臓脂肪蓄積の指標となる(1)ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)を必須要件として、以下の(2)脂質異常、(3)高血糖、(4)高血圧のうちの2つ以上に該当する状態であると定められている。
(1)ウエスト周囲径が、男性では85cm以上、女性では90cm以上
(2)脂質異常:以下のいずれか、もしくは両方が該当する場合
・血中の中性脂肪が、150mg/dL以上
・血中のHDLコレステロールが、40mg/dL未満
(3)高血糖:空腹時血糖値が、110mg/dL以上
(4)高血圧:以下のいずれか、もしくは両方が該当する場合
・収縮期(最大)血圧が、130mmHg以上
・拡張期(最小)血圧が、85mmHg以上
メタボリックシンドロームを予防するために、野菜不足、間食、食べ過ぎ、就寝前の食事、早く食べる等の食生活の改善や、運動不足を解消すること等が勧められている。また、メタボリックシンドロームを改善するために、まず体重を減らすことが勧められている。体重を減らすことにより、内臓脂肪も減少する。体重を減少させる場合もまた、食生活の改善と運動不足を解消することが求められる。しかしながら、多くの人にとって、これまでの生活習慣を変えて継続することは難しい。
一方、メタボリックシンドロームを改善するために、医療用の医薬品を利用する選択肢もある。しかしながら、選択できる医薬品の種類が少ない、医療機関への受診が必要になる、薬の副作用がある等の問題がある。
このような状況下、天然物由来であって、メタボリックシンドロームの予防または改善に用いられる食品が提案されている(例えば、特許文献1)。
一方、クスノキ科クロモジ属の植物から得られる抽出物の生物活性が報告されている。
特許文献2では、高脂肪食を摂取させたマウスにおいて、ケクロモジの茎および葉のそれぞれから、80%メタノールと70%エタノールを用いて得られた抽出エキスを7:3の割合で混合した抽出物を投与することにより、対照群と比べて、血清中のトリグリセリド、血清中のコレステロールが減少していたが、内臓脂肪の量には差がなかったことが記載されている。
特許文献3では、三酪酸ジメルカプロールを基質として用いた、in vitroの実験系において、クロモジから得られた抽出物がリパーゼ阻害活性を有していたことが記載されている。
特開2018−143110号公報 特開2018−70570号公報 特開2018−168144号公報
これまでに、メタボリックシンドロームの予防または改善のために用いることができる、さまざまな食品が提案されているが、それらを毎日の生活習慣に取り入れなければ、その効果を期待できない。よって、天然物由来で安全性が高く、簡便に摂取できる食品や医薬品のさらなる選択肢が望まれている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、安全かつ簡便に利用でき、メタボリックシンドロームの予防または改善に有用な、新規な技術を提供することを課題とする。
本発明者は、安全かつ簡便に利用でき、メタボリックシンドロームの予防または改善に有用な、新規な技術を提供することを目的として、鋭意検討を行った。
その結果、クスノキ科クロモジ属のオオバクロモジの葉の熱水抽出物を経口摂取することにより、メタボリックシンドロームを予防または改善できることを見出した。
また、この熱水抽出物が、内臓脂肪蓄積抑制作用、インスリン抵抗性改善作用、レプチン抵抗性改善作用、血中遊離脂肪酸低下作用、血中中性脂肪低下作用、α−グルコシダーゼ阻害作用を有することを見出した。
本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、以下の構成を含む。
(構成1)
オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、メタボリックシンドロームの予防または改善剤。
(構成2)
オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、内臓脂肪蓄積抑制剤。
(構成3)
オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、インスリン抵抗性改善剤。
(構成4)
オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、レプチン抵抗性改善剤。
(構成5)
オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、血中遊離脂肪酸低下剤。
(構成6)
オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、血中中性脂肪低下剤。
(構成7)
オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、α―グルコシダーゼ阻害剤。
(構成8)
構成1〜7のいずれか1つに記載の剤を含むことを特徴とする、メタボリックシンドロームの予防用食品、メタボリックシンドロームの改善用食品、内臓脂肪蓄積抑制用食品、インスリン抵抗性改善用食品、レプチン抵抗性改善用食品、血中遊離脂肪酸低下用食品、血中中性脂肪低下用食品、またはα−グルコシダーゼ阻害用食品。
(構成9)
構成1〜7のいずれか1つに記載の剤を含むことを特徴とする、メタボリックシンドロームの予防用医薬品、メタボリックシンドロームの改善用医薬品、内臓脂肪蓄積抑制用医薬品、インスリン抵抗性改善用医薬品、レプチン抵抗性改善用医薬品、血中遊離脂肪酸低下用医薬品、血中中性脂肪低下用医薬品、またはα−グルコシダーゼ阻害用医薬品。
本発明によれば、安全かつ簡便に利用できる、メタボリックシンドロームの予防または改善に有用な、新規な技術を提供することができる。
また、本発明によれば、新規な内臓脂肪蓄積抑制剤、インスリン抵抗性改善剤、レプチン抵抗性改善剤、血中遊離脂肪酸低下剤、血中中性脂肪低下剤、およびα−グルコシダーゼ阻害剤を提供することができる。
マウスの体重の変化率を測定した結果を示すグラフである。 マウスによる飼料の摂取量を経時的に測定した結果を示すグラフである。 マウスによる飼料の摂取カロリーを経時的に測定した結果を示すグラフである。 マウスの体重を経時的に測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、例示的に説明する。当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内において、本発明を変形や改良することが可能である。また、本発明の単純な変形または変更は、いずれも本発明の範囲に属するものである。よって、以下に記載する実施形態は、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
(クスノキ科クロモジ属の植物)
日本では、「クロモジ」と名のつく植物として、クロモジ(Lindera umbellata Thunb.)、オオバクロモジ(Lindera umbellata Thunb. var. membranacea (Maxim.) Momiy. ex H.Hara et M.Mizush.)、ケクロモジ(Lindera sericea (Siebold et Zucc.) Blume var. sericea)、ウスゲクロモジ(Lindera sericea (Siebold et Zucc.) Blume var. glabrata Blume)、ヒメクロモジ(Lindera lancea (Momiy.) H.Koyama)が生育している。このうち、クロモジとオオバクロモジ、またケクロモジとウスゲクロモジがそれぞれ変種関係にある。これらはいずれもクスノキ科クロモジ属の落葉広葉低木であり、山地の落葉樹林内やスギ植林内に生育しているが分布地域が異なる。クロモジは東北地方の太平洋側から中国地方に分布しているのに対して、オオバクロモジは日本海側の多雪地帯に分布している。主に太平洋側に分布するクロモジの葉は冬季の乾燥に対応してオオバクロモジに比較して小さく厚いのが特徴である。また、ケクロモジは、主に四国地方と九州地方に分布している。
クロモジの幹と枝は、生薬名を「烏樟(ウショウ)」といい、沈静や鎮咳去痰、気管支粘膜の充血を取る作用を有する。また、クロモジの根皮は、生薬名を「釣樟(チョウショウ)」といい、健胃効果や、急性胃腸炎、下痢に対する効果があると言われている。
(オオバクロモジ葉の熱水抽出物)
従来、クロモジの幹、枝、根皮が生薬として用いられてきたが、本発明では、オオバクロモジの葉を原料として得られる、熱水抽出物を用いる。
オオバクロモジ葉は、自生しているオオバクロモジから入手することができる。また、市販されているオオバクロモジを入手して、その葉を本発明に用いることができる。
オオバクロモジの生葉をそのまま熱水抽出物の原料として用いることができるが、乾燥葉を用いることが好ましい。乾燥葉は、保存や持ち運びに便利であり、熱水抽出工程の管理も容易になるためである。
生葉を乾燥する方法として、葉の水分含有率を低下させるための任意の処理方法が用いられる。例えば、太陽光を利用する天日干し、風通しの良い日陰(例えば室内)に放置することによる陰干し、機器設備による加熱送風乾燥、凍結乾燥、常温送風乾燥、真空乾燥、マイクロ波照射による乾燥方法を挙げることができるが、これらに限定されない。製造コストの観点からは、天日干しが好ましい。
生葉や乾燥葉をそのままの大きさで熱水抽出に用いることができるが、細断しても良い。
乾燥葉を細断する方法として、熱水抽出に適したサイズに調整する任意の方法が用いられる。例えば、手作業による細断、粉砕機による細断、粗粉砕機により粗粉砕処理を行った後に微粉砕機で微粉砕処理を行うことによる細断、微粉砕処理後に10メッシュ程度の篩を通過させることによる細断を挙げることができるが、これらに限定されない。
熱水抽出方法として、オオバクロモジ葉を熱水に浸漬させることにより、葉の水溶性成分を抽出することができる任意の方法が用いられる。
熱水抽出に用いられる抽出水としては、水道水、井戸水、蒸留水、脱イオン水等を挙げることができる。
抽出温度は、30℃〜100℃、好ましくは60℃〜100℃、より好ましくは70℃〜98℃、さらに好ましくは80℃〜95℃の熱水を挙げることができ、加圧下では、100℃以上、好ましくは100℃〜200℃を挙げることができる。必要に応じて、撹拌処理、超音波処理、加熱還流を併用することもできる。
熱水抽出時間は、本発明の効果が得られる有効成分を抽出できる条件であれば、特に制限されない。抽出時間は、抽出温度や抽出スケール等を考慮して、適宜設定することができる。1回目の抽出を行った残渣を用いて2回目の抽出を行い、1回目の一番液と2回目の二番液とを合わせて本発明に用いる抽出物とすることもできる。
熱水抽出における、乾燥葉の質量に対する、水(熱水)の容量比は、本発明の効果が得られる有効成分を抽出できる条件であれば、特に制限されない。例えば、オオバクロモジの乾燥葉1kgに対して熱水5〜50リットル、好ましくは熱水10〜30リットル、より好ましくは熱水12〜25リットルの比率を挙げることができる。
上記のようにして、オオバクロモジ葉の熱水抽出物を調製することができる。例えば、オオバクロモジの乾燥葉350gを5リットルの脱イオン水に浸漬して、80℃で3時間かけて抽出することにより、不溶物を含む液状のオオバクロモジ葉の熱水抽出物を調製することができる。
熱水抽出後、ストレーナー、ろ紙、もしくはガーゼ等を用いた濾過、あるいは遠心分離処理を施すことにより、不溶物が除去された液状のオオバクロモジ葉の熱水抽出物を調製することができる。
上記のようにして得られた抽出物を濃縮することにより、濃縮液状態のオバクロモジ葉の熱水抽出物を調製することができる。また、濃縮液状態の抽出物を凍結乾燥することにより乾燥状態のオオバクロモジ葉の熱水抽出物を調製することができる。
上記のようにして得られるオオバクロモジ葉の熱水抽出物の調製の任意の段階において適当な精製手段を施しても良い。例えば、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、遠心液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー等のいずれか1つ、または2以上を組み合わせて用いて、より活性の高い画分に分画して、本発明に用いるオオバクロモジ葉の抽出物を調製することができる。
従来、クスノキ科クロモジ属のクロモジの枝、幹、根皮が生薬として用いられてきたのに対して、本発明では、オオバクロモジの葉を原料として用いる。
本発明では、葉を用いるため、伐採や切断が必要な枝、幹、根皮に比べて収穫しやすく、同じ樹木から継続的に収穫できるため、抽出物の製造コストを抑えられる利点がある。
本発明では、抽出溶媒として水を用いるため、有機溶媒を主たる抽出溶媒として使用する場合に比べて、安全性が高く、操作性が良いだけでなく、製造コストが抑えられる利点がある。例えば、メタノールは、エタノールと比較すると安価であるが、毒性を有しているため、食品衛生法においても残留濃度が厳しく制限されている。一方、エタノールの使用は製造コストを上昇させる。
本発明に用いる抽出物に含まれる成分は水溶性であるため、加工性および取り扱い性において優れている。
後に詳述する実施例に記載の通り、オオバクロモジ葉の熱水抽出物の安全性が確認されている。また、オオバクロモジの葉はお茶として飲む地方もある。
よって、オバクロモジ葉の熱水抽出物は、安全かつ簡便に本発明に利用できる。
(メタボリックシンドロームの予防または改善剤)
本発明のメタボリックシンドロームの予防または改善剤は、オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする。
本明細書において、メタボリックシンドロームの予防または改善とは、メタボリックシンドロームの診断基準として定められている、少なくとも1つ以上の項目がその基準に該当しないように予防する、または該当項目の少なくとも1つ以上が基準から外れる方向に改善することを意味する。
メタボリックシンドロームの診断基準の必須要件に、内臓脂肪蓄積の指標であるウエスト周囲径(腹囲)がある。
後に詳述する実施例に記載の通り、高脂肪食を摂取させたマウスを用いた実験において、オオバクロモジ葉の熱水抽出物を経口摂取することにより、対照群と比較して、体重が減少すること、内臓脂肪蓄積が抑制されること、血中の中性脂肪濃度が低くなることが明らかとなった。
また、オオバクロモジ葉の熱水抽出物がα−グルコシダーゼ阻害活性を有することが明らかとなった。α−グルコシダーゼ活性を阻害することにより食後血糖値の上昇を緩やかにすることは、高血糖の予防および改善に有用である。
よって、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、メタボリックシンドロームの予防または改善剤として、新規な用途に用いることができる。
本発明の効果は、その作用機序の全てが明らかになっているわけではないが、後述するオオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有する種々の剤と同様の作用・効果が相まって、相乗的に得られる効果であると考えられる。
(内臓脂肪蓄積抑制剤)
本発明の内臓脂肪蓄積抑制剤は、オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする。
後に詳述する実施例に記載の通り、高脂肪食を摂取させたマウスを用いた実験において、オオバクロモジ葉の熱水抽出物を経口摂取することにより、対照群と比較して、内臓脂肪の蓄積が抑制されることが明らかとなった。
よって、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、内臓脂肪蓄積抑制剤として、新規な用途に用いることができる。
(インスリン抵抗性改善剤)
本発明のインスリン抵抗性改善剤は、オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする。
本明細書において、インスリン抵抗性改善とは、既に獲得されたインスリン抵抗性およびその亢進を抑制することのほか、インスリン抵抗性が新たに獲得されないように予防することも意味する。
インスリン抵抗性は、生体内でインスリンに対する感受性が低下して、インスリンの作用が鈍くなっている状態である。インスリン抵抗性が獲得されると、血糖値が下がりにくくなるため、インスリンの分泌量が増大する。また、この状態が継続して悪化すると、2型糖尿病を引き起こす。
後に詳述する実施例に記載の通り、高脂肪食を摂取させたマウスを用いた実験において、オオバクロモジ葉の熱水抽出物を経口摂取することにより、対照群と比較して、血中のインスリン濃度が低くなることが明らかとなった。
本実施例のように高脂肪食を摂取させたマウスは、インスリン抵抗性を獲得することが知られている。インスリン抵抗性を獲得したマウスが血糖値を正常に保つためには血中のインスリン濃度を上昇させる必要があり、結果として血中インスリン濃度が上昇する。一方、オオバクロモジ熱水抽出物を経口摂取させたマウスで血中インスリン濃度が低下していることは、血糖コントロールに必要となるインスリン量が減少したこと、すなわち、対照群と比較して血中のインスリン濃度が低いことは、インスリン抵抗性が改善されていることを示す。
よって、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、インスリン抵抗性改善剤として、新規な用途に用いることができる。
(レプチン抵抗性改善剤)
本発明のレプチン抵抗性改善剤は、オオバクロモジの葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする。
本明細書において、レプチン抵抗性改善とは、既に獲得されたレプチン抵抗性もしくはその亢進を抑制することのほか、レプチン抵抗性が新たに獲得されないように予防することも意味する。
レプチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンであり、視床下部にある満腹中枢に作用して食欲を抑え、エネルギー消費を亢進させる作用を有している。
レプチン抵抗性は、レプチンに対する感受性が低下した状態である。すなわち、レプチンの血中濃度が上昇しても、それに応じた摂食抑制とエネルギー消費亢進が起こらない状態である。
後に詳述する実施例に記載の通り、高脂肪食を摂取させたマウスを用いた実験において、オオバクロモジの葉の熱水抽出物を経口摂取することにより、対照群と比較して、血中のレプチン濃度が低くなることが明らかとなった。
本実施例のように高脂肪食を摂取させたマウスは、レプチン抵抗性を獲得することが知られている。本実施例において高脂肪食を摂取させた対照群で、血中レプチン濃度が上昇しているにも関わらず、摂餌量(カロリーベース)に変化がなく、エネルギー消費亢進による体重減少も認められなかったことは、高脂肪食摂取がレプチン抵抗性を惹起したことを示している。オオバクロモジ熱水抽出物を経口摂取させた高脂肪食摂取群で、血中レプチン濃度が低下しているにもかかわらず、摂餌量(カロリーベース)に変化がなく、かつ体重減少が認められたことはレプチン抵抗性が改善したことを示している。
よって、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、レプチン抵抗性改善剤として、新規な用途に用いることができる。
(血中遊離脂肪酸低下剤)
本発明の血中遊離脂肪酸低下剤は、オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする。
血中の遊離脂肪酸は、脂肪細胞内に蓄えられた中性脂肪が分解されて血液中に放出されたものである。血中の遊離脂肪酸濃度が高い状態は、インスリン抵抗性や膵臓β細胞からのインスリン分泌の低下といった、いわゆる脂肪毒性を引きおこすことが知られている。さらに、心臓の状態が良くない状況で、遊離脂肪酸が高濃度で存在すると心不全を引き起こすこともある。
後に詳述する実施例に記載の通り、マウスを用いた実験において、オオバクロモジの葉の熱水抽出物を経口摂取することにより、対照群と比較して、血中の遊離脂肪酸濃度が低くなることが明らかとなった。
よって、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、血中遊離脂肪酸低下剤として、新規な用途に用いることができる。
(血中中性脂肪低下剤)
本発明の血中中性脂肪低下剤は、オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする。
後に詳述する実施例に記載の通り、マウスを用いた実験において、オオバクロモジの葉の熱水抽出物を経口摂取することにより、対照群と比較して、血中中性脂肪濃度が低くなることが明らかとなった。
よって、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、血中中性脂肪低下剤として、新規な用途に用いることができる。
(α−グルコシダーゼ阻害剤)
本発明のα−グルコシダーゼ阻害剤は、オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする。
α−グルコシダーゼは、アミラーゼにより分解された二糖類を単糖類に分解する酵素である。食事により摂取された糖質は単糖類にまで分解されて小腸で吸収される。
小腸内で働くα−グルコシダーゼを阻害することにより、糖の分解、吸収を遅延させる結果、食後の血糖値の上昇を抑えて緩やかにすることができる。食後の過剰な血糖値の上昇を抑えることで、インスリン抵抗性の獲得と亢進、インスリン分泌能の低下を予防または改善することができる。
後に詳述する実施例に記載の通り、オオバクロモジ葉の熱水抽出物がα−グルコシダーゼ阻害活性を有することが明らかとなった。
よって、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、α−グルコシダーゼ阻害剤として、新規な用途に用いることができる。
上記の通り、本発明は、メタボリックシンドロームの予防剤、メタボリックシンドロームの改善剤、内臓脂肪蓄積抑制剤、インスリン抵抗性改善剤、レプチン抵抗性改善剤、血中遊離脂肪酸低下剤、血中中性脂肪低下剤、α−グルコシダーゼ阻害剤(以下、これらの1つ以上、または全てを指して、単に「本発明の剤」ということがある)に関する。
本発明の剤は、液状、半固形状、固形状のような任意の形態で、経口摂取用の剤として提供することができる。
また、本発明の剤は、オオバクロモジの葉の熱水抽出物のみで、あるいはこの抽出物と、食品もしくは医薬品などの製品に用いられる他の素材もしくは添加物とを組み合わせた組成物として提供することができる。
本発明の剤は、サプリメント、特定の用途に用いられる食品用の添加剤、医薬品もしくはその原材料などとして用いられる。
また、本発明の剤をそのまま、食品用の添加物、医薬品用の添加物などの製品とすることができる。
また、本発明の剤は、本発明の剤の用途が適用され得るヒト以外の動物にも用いることができる。
本発明の剤の適用量は特に制限されないが、投与される動物の条件(種類、体重、年齢、性別、症状の重篤度)を考慮して、本発明の効果が得られる範囲で適宜設定することができる。例えば、ヒトの場合、不溶物が除去されたオオバクロモジの葉の熱水抽出物を固形分換算で、1日あたり10mg〜5000mg/kg体重、好ましくは50mg〜2000mg/kg体重、より好ましくは100mg〜1000mg/kg体重で摂取されるように設定することができる。また、摂取回数は、任意であり、1日1〜数回で、適宜設定することができる。
本発明に用いる抽出物は水溶性であるため、有機溶媒によって抽出され脂溶性の成分をより多く含む抽出物に比べて、加工性および取り扱い性において、優れている。例えば、抽出溶媒が可燃性のエタノール等ではなく、水であるため、噴霧乾燥における乾燥媒体が制限されない。
また、本発明の剤は、様々な作用を有しており、種々の疾患の進行抑制、予防および治療において、特定の用途に用いることができ、これまでになかった新たな選択肢となるものである。本発明の剤は、特にメタボリックシンドロームの状態にある人にとって、極めて有用性が高い。
(本発明の剤を含む食品)
本発明の食品は、本発明の剤のいずれか1つを含むことを特徴とし、その剤の用途に用いられる。
また、本発明の食品は、本発明の剤と他の食品素材や添加物などとを組み合わせた食品組成物として、当業者に公知の食品の製造方法により製造することができる。
本発明の食品は、溶液、懸濁液、乳濁液、粉末、固体成形物などの、経口摂取が可能な任意の形態とすることができる。
また、後述の本発明の医薬品と同様にして、カプセル、トローチ、シロップ、顆粒などの剤形に成形することができる。
本発明の食品は、例えば、茶、紅茶、コーヒー、清涼飲料、アルコール飲料、炭酸飲料、乳飲料、果汁飲料、栄養ドリンク、濃縮飲料、粉末飲料(粉末ジュース、粉末スープなど)などの飲料、飴、グミ、ガム、チョコレート、クッキー、ビスケットなどの菓子類、アイスクリームなどの冷菓、ヨーグルト、加工乳などの乳製品、シリアル、パン、ケーキミックスなどの小麦粉製品、そばなどの麺類、マヨネーズ、ホイップクリーム、ドレッシングなどの油脂加工品、水産加工品、畜産加工品、農産加工品として製造することができる。これらの食品の製造時に、本発明の剤を添加して含有させることにより、本発明の食品を製造することができる。
本発明の食品には、他の食品素材のほか、必要に応じて、甘味料、着色料、保存料、増粘剤、安定剤、ゲル化剤もしくは糊料、アスコルビン酸等の酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤もしくは防ばい剤、イーストフード、ガムベース、かんすい、苦味料、酵素、光沢剤、香料、酸味料、チューインガム軟化剤、調味料、豆腐用凝固剤、乳化剤、pH調整剤、膨脹剤、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類などの栄養強化剤、製造用剤などの添加物を添加することができる。
本発明の食品は、保健機能食品(特定保健機能食品、機能性表示食品、栄養機能食品)、病者用、妊産婦用、授乳婦用、乳児用、えん下困難者用などの特別の用途に用いる特別用途食品、いわゆる健康食品、濃厚栄養剤、流動食、乳児・幼児食として製造することができる。
本発明の食品は、各国の制度の下、本発明の剤の作用、効果、機能、もしくは用途を表示した食品として、提供することができる。
例えば、本発明の剤の作用や効果に基づいて、特定の機能性や特定の保健の用途として、「ウエスト周囲径を減らすのを助ける機能がある」、「体重(BMI)が気になる方、おなかの脂肪が気になる方に適した食品」、「肥満気味の方の内臓脂肪を減少させる機能がある」、「高めの空腹時血糖値を正常に近づけることをサポートする」、「遊離脂肪酸が高めの方の健康に役立つ」、「中性脂肪が高めの方の健康に役立つ」、「食後血糖の上昇を抑制する」、「血糖値が高めの方の血糖値を下げる機能がある」旨や、これに準じた表示をした食品として提供することができる。
本発明の食品におけるオオバクロモジ葉の熱水抽出物の含有量は、本発明の剤と同様にして本発明の効果が得られる範囲で適宜設定することができる。摂取回数は、任意であり、1日1〜数回で適宜設定することができる。
本発明の剤の効果を得るために必要な量のオオバクロモジ葉の熱水抽出物を食品に配合することにより、本発明の食品を提供することができる。
本発明の食品は、本発明の剤を含有することを特徴としているため、各種の本発明の剤の利点を共有し、極めて有用である。
また、食品であり、特定の疾患に罹患した患者だけでなく、健常人にも、安全かつ簡便に用いられる。
本発明の食品は、例えば、現実にメタボリックシンドロームの状態に該当する人、内臓脂肪が過剰に蓄積している人、インスリン抵抗性がある人、レプチン抵抗性がある人、血中遊離脂肪酸が高い人、血中中性脂肪が高い人、高血糖の人のみならず、これらのいずれかを予防したい人、気になる人にとって、将来的な不安を減らすための、新たな選択肢となり得る。
また、本発明の食品は、本発明の剤の用途が適用され得るヒト以外の動物にも用いることができる。
(本発明の剤を含む医薬品)
本発明の医薬品は、本発明の剤のいずれか1つを含むことを特徴とし、その剤の用途に用いられる。
また、本発明の医薬品は、経口的に投与される内服薬(経口剤)である。
本発明の医薬品には、各国の制度の下、医薬品に準じた製品も含まれる。これには例えば、日本における医薬部外品が挙げられる。
本発明の医薬品は、本発明の剤を有効成分として添加し、錠剤、軟カプセル、硬カプセルなどのカプセル剤、散剤、顆粒剤、ドロップ、丸剤などの固形製剤、ゼリー等の半固形製剤、シロップ剤、懸濁剤、内用液剤などの液状製剤の任意の剤形として製造することができる。
この場合、本発明の医薬品は、本発明の剤と経口剤の製造に通常用いられる他の添加物とを組み合わせた医薬組成物として、当業者に公知の医薬品の製造方法により製剤化することができる。
本発明の医薬品の製造に用いられる添加物としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、分散剤、流動化剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、矯味剤、懸濁化剤、乳化剤、着香剤、溶解補助剤、着色剤、粘稠剤などが挙げられる。
また、薬学的に許容される担体をさらに組み合わせることにより、本発明の剤の作用・効果をさらに高めた、本発明の医薬品を提供することができる。
本発明の医薬品は、患者に投与される場合、肥満症、脂質異常症、糖尿病の進行抑制、予防、または治療のために用いることができる。
本発明の医薬品における有効成分であるオオバクロモジ葉の熱水抽出物の含有量は、本発明の剤と同様にして本発明の効果が得られる範囲で適宜設定することができる。摂取回数は、任意であり、1日1〜数回で適宜設定することができる。
本発明の剤の効果を得るために必要な量のオオバクロモジ葉の熱水抽出物を医薬品に含有させることにより、対象疾患の種類に応じて、その疾患の進行抑制、予防または治療する効果が期待できる本発明の医薬品を提供することができる。
オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、主に水溶性の成分で構成されているため、製剤化における加工性および取り扱い性に優れている。例えば、脂溶性物質を成形する手段の1つであり、服用数量がかさばるカプセル剤を選択する必然性がない。
また、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、水溶性であるため、オオバクロモジ葉の熱水抽出物をそのまま、あるいは賦形剤としてデキストリンを添加して、噴霧乾燥することにより散剤とすることができる。オオバクロモジ葉の熱水抽出物の水溶液の濃度を調整し、噴霧乾燥の条件を適宜設定することにより、所望の粒度の散剤を得ることもできる。
また、本発明の医薬品は、本発明の剤のいずれか1つを含むことを特徴としているため、その剤の利点を共有し、極めて有用である。
本発明者は、オオバクロモジ葉の熱水抽出物を経口摂取することにより、メタボリックシンドロームを予防または改善できることを見出して、本発明を完成させた。
内臓脂肪の蓄積、脂質異常、高血糖は様々な疾患を引き起こす危険因子となっている。よって、その危険因子を低減できるオオバクロモジ葉の熱水抽出物を特徴的に含有する本発明の剤、食品、および医薬品は、極めて有用性が高い。
また、メタボリックシンドロームの診断基準となっている種々の項目において、直接的もしくは間接的に、予防または改善できる本発明の剤、食品、および医薬品は、メタボリックシンドロームに対して特に有用性が高い。
<実施例1>
(オオバクロモジ葉の熱水抽出物の毒性試験)
1.オオバクロモジ葉の熱水抽出物の調製
オオバクロモジ乾燥葉100gを手で細かく砕き、90℃のイオン交換水を全体の体積が1Lなるように加えた。90℃の恒温機内に静置し3時間抽出した後、上清を濾過分取し、ロータリーエバポレーターにて60℃で加熱しながら減圧乾固して、本発明に用いるオオバクロモジ葉の熱水抽出物(抽出物1)を調製した。
2.試験方法
経済協力開発機構(OECD)の化学物質の試験に関するガイドラインに掲載されている「急性経口毒性試験−固定用量法−」(http://www.nihs.go.jp/hse/chem−info/oecdindex.html)に基づいて、抽出物1の毒性試験を行った。
7週齢のSPFグレードのICRマウス(雌)を日本SLCから購入し、11週齢まで飼育した後、試験に供した。対照群および抽出物1の投与群(各群5匹)において、体重の分布と平均体重がほぼ同じになるようにマウスを選抜した。その結果、対照群の平均体重が34.8±0.849g、投与群の体重は34.8±0.708gであった。
水に懸濁した抽出物1をステンレス製の経口投与針(夏目製作所)を用いて投与群のマウスに強制経口投与した。抽出物1の投与用量をOECDのガイドラインが示す許容濃度の最高値である2g/kgとし、投与容量を0.25ml/個体(35g体重)で単回投与した。対照群のマウスには、同様にして水のみを0.25ml/個体で投与した。
投与の1時間後にマウスの様子を観察した後、さらに24時間おきに7日目まで毎日観察を行い、7日目に体重を測定した。また、15日目にマウスの観察を行うとともに体重を測定した後、剖検して肝臓、脾臓、膵臓、腎臓、心臓、肺、胃、大腸、小腸における異常の有無を観察した。
投与前(0日目)、投与後7日目、および15日目における、マウスの体重の変化率の平均値を図1に示す
図1に示される通り、投与後15日目において、対象群と比較して、抽出物1を投与した群の体重が若干低かったが、有意な差ではなかった。また、投与後15日目の剖検では、抽出物1の投与群のいずれの臓器においても異常を認めなかった。
以上の結果から、オオバクロモジ葉の熱水抽出物の安全性が確認された。
<実施例2>
(オオバクロモジ葉の熱水抽出物の摂食試験)
1.オオバクロモジ葉の熱水抽出物の調製
青森県産のオオバクロモジの乾燥葉350gに90℃のイオン交換水を加えて総量を5リットルとし、80℃の恒温機内に静置して3時間、熱水抽出を行った。次いで、ブフナー漏斗を用いた吸引濾過により不溶物を除去して抽出液を分取した。続けて、得られた抽出液を、ロータリーエバポレーターを用いて60℃に加熱しながら200mlに濃縮した後、凍結乾燥することにより、乾燥状態のオオバクロモジ葉の熱水抽出物(抽出物2)を調製した。
2.飼料の調製
市販の飼料(CE−2:日本クレア社製)を基礎飼料として、牛脂、デキストリン、および抽出物2を混合して、表1に記載の組成の飼料(粉餌)を調製した。
Figure 2021109858
3.摂食試験
6週齢のddYマウス(雄)を日本SLCから購入し、2週間飼育した後、8週齢で摂食試験に供した。摂食試験を開始する3日前に固形飼料から粉餌に切り替え、自由摂食させた状態で体重を測定した。体重の分布と平均体重が同じになるように、9匹ずつの4つの群(通常食群、対照群(高脂肪食)、2%配合群(高脂肪食)、5%配合群(高脂肪食)に分けて、表1に記載の飼料を自由摂食させた。
飼育条件は、気温23℃、湿度55%、12時間ごとの明暗サイクルとした。原則的には1ケージに2匹ずつ飼育したが、3匹飼育するケージが各群1つずつ発生した。床敷きはウッドチップを用いた。ケージ交換は1週間に1度行った。飼料は粉末給餌器(アズワン社製)に詰め、1ケージにつき2個を設置した。飼料の補給は1日おきに行い、その都度、給餌器に入ったウッドチップを取り除き、飼料の重さを測定した。摂食試験開始からおおよそ1週間ごとに体重を測定した。
摂食試験の開始から40日目に、マウスの尾静脈から採血して得られた血漿を分析時までマイナス80℃で保存した。その血漿について、インスリン、レプチンおよび脂質濃度の測定を行った。また、各測定項目について、スチューデントのt検定により、2標本間で統計学的処理を行った。なお、各項目の測定方法は以下の通りであった。
・血中インスリン濃度(ng/ml)
測定はELISA法により行った。モリナガ マウスインスリン測定キット(株式会社森永生科学研究所)を用い、キットの説明書に従って測定を行った。
・血中レプチン濃度(pg/ml)
Mouse Leptin ELISA Kit(Novo life technologies)を用い、キットの説明書に従って測定を行った。血漿はキットに付属のStandard Diluent Bufferで1/5に希釈し測定に供した。
・血中中性脂肪濃度(mg/dl)
ラボアッセイTMトリグリセライド(富士フイルム和光純薬(株))を用いて酵素法により測定を行った。
・血中遊離脂肪酸濃度(mEq/l)
ラボアッセイTMNEFA(富士フイルム和光純薬(株))を用いて酵素法により測定を行った。
・血中コレステロール濃度(mg/dl)
ラボアッセイTMコレステロール(富士フイルム和光純薬(株))を用いて酵素法により測定を行った。
また、41日目に剖検して、腎周囲脂肪、副睾丸周囲脂肪(内臓脂肪)、腎臓、肝臓を摘出しそれらの湿重量を測定した。
各群の飼料の摂取量および摂取カロリーの経時変化を図2および図3に示す。また、各群の体重の経時変化を図4に示す。
図2および図3に示される通り、高脂肪食を摂取させた3つの群(高脂肪食群)の間では、飼料の摂取量および摂取カロリーにはほとんど差がなかった。
また、図4に示される通り、通常食群と比較して、高脂肪食を摂取させた対照群では体重の増加量が大きかった。一方、高脂肪食群の間では、対照群と比較して、抽出物2を摂取させた群(2%配合群および5%配合群)では体重の増加量が抑制されていた。驚くべきことに、抽出物2を摂取させた群の体重の増加量は、通常食群とほぼ同じレベルであった。
よって、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、体重の増加を抑制する作用を有しており、メタボリックシンドロームの予防または改善剤として有用である。
剖検時に採取した内臓脂肪(腎周囲脂肪、副睾丸周囲脂肪)、ならびに腎臓および肝臓の重量を測定した結果を表2に示す。
Figure 2021109858
表2に示される通り、通常食群と比較して、高脂肪食を摂取させた対照群の内臓脂肪の量が多かった。一方、高脂肪食群の間では、対照群と比較して、抽出物2を摂取させた5%配合群では、内臓脂肪の蓄積が有意に抑制されていた。
よって、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、内臓脂肪の蓄積を抑制する作用を有しており、内臓脂肪蓄積抑制剤として有用である。
また、摂食試験開始後41日目の剖検において、通常食群と抽出物2を摂取させた群との間で、安全性の指標となり得る肝臓および腎臓の重量にほとんど差がなかった。
摂食試験開始後40日目に採血して得られた血漿中のインスリン濃度(ng/ml)、レプチン濃度(pg/ml)を測定した結果を表3に示す。
Figure 2021109858
表3に示される通り、通常食群と比較して、高脂肪食を摂取させた対照群では血漿中のインスリン濃度が高かった。一方、高脂肪食群の間では、対照群と比較して、抽出物2を摂取させた2%配合群では、インスリン濃度が有意に低かった。
前述の通り、高脂肪食を摂取させたマウスの実験において、対照群と比較して、血液中のインスリン濃度の上昇を抑制できたことは、インスリン抵抗性を改善できたことを示す。
よって、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、インスリン抵抗性を改善する作用を有しており、インスリン抵抗性改善剤として有用である。
また、表3に示される通り、通常食群と比較して、高脂肪食を摂取させた対照群では血漿中のレプチン濃度が高かった。一方、高脂肪食群の間では、対照群と比較して、抽出物2を摂取させた5%配合群では、レプチン濃度が有意に低かった。
前述の通り、高脂肪食を摂取させたマウスの実験において、対照群と比較して、血液中のレプチン濃度の上昇を抑制できたことは、レプチン抵抗性を改善できたことを示す。
よって、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、レプチン抵抗性を改善する作用を有しており、レプチン抵抗性改善剤として有用である。
摂食試験開始後40日目に採血して得られた血漿中の中性脂肪濃度(mg/dl)、遊離脂肪酸濃度(mEq/l)、コレステロール濃度(mg/dl)を測定した結果を表4に示す。
Figure 2021109858
表4に示される通り、高脂肪食を摂取させた対照群と比較して、抽出物2を摂取させた5%配合群では、血漿中の中性脂肪濃度が有意に低かった。
よって、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、血液中の中性脂肪を減少させる作用を有しており、血中中性脂肪低下剤として有用である。
また、表4に示される通り、高脂肪食を摂取させた対照群と比較して、抽出物2を摂取させた5%配合群では、血漿の遊離脂肪酸濃度が有意に低かった。
よって、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、血液中の遊離脂肪酸を減少させる作用を有しており、血中遊離脂肪酸低下剤として有用である。
一方、高脂肪食群の間で、血漿中のコレステロール濃度には有意な差がなかった。
<実施例3>
(オオバクロモジ葉の熱水抽出物のリパーゼ阻害活性の確認試験)
1.試料の調製
オオバクロモジ葉の熱水抽出物として、実施例2で用いた抽出物2を用いた。
また、水、メタノール、またはエタノールを用いて、種々の抽出物を調製した。すなわち、青森県で採取されたオオバクロモジの乾燥葉または乾燥枝100gに対して、水、または種々の濃度のメタノールもしくはエタノール溶液を1リットル加えて、抽出物を調製した。水で抽出する場合は、80℃で2時間抽出した。また、他の溶媒で抽出する場合は、超音波を付与しながら25℃から40℃で2時間抽出した。抽出操作後、円形(直径110cm)の定量ろ紙5Aで上清部分を濾しとり、ロータリーエバポレーターを用いて60℃に加熱しながら濃縮した。得られた濃縮液を真空乾燥機で乾燥させて、種々の抽出物を調製した。
また、同様にして、宮崎県で採取されたケクロモジの乾燥葉または乾燥枝を用いて、抽出物を調製した。
2−1.合成基質に対するリパーゼ活性の測定
(基質溶液)
4−メチルウンベリフェリルオレイト(4−MUO)(Tronto Research chemicals inc.)を0.1MとなるようにDMSOに溶解し、さらに200mMリン酸緩衝液(pH−7.4)を用いて0.5mMとなるように希釈して基質溶液を調製した。
4−MUOは、リパーゼによって加水分解されて蛍光物質を生成するため、リパーゼ活性の測定に用いられている合成基質である。しかしながら、食事から摂取される脂質と同じ構造(脂肪酸とグリセリンの結合)を有していない。本発明者が確認したところ、4−MUOを基質とした場合と、食事から摂取される天然の脂質を基質とした場合では、被験物質のリパーゼ阻害活性が大きく異なることがある。すなわち、4−MUOを基質とした場合に、強力なリパーゼ阻害活性があると判断された被験物質が、天然の脂質を基質とした場合にはリパーゼ阻害活性がほとんど認められないと判断されることがある。
(酵素溶液)
豚膵臓リパーゼ(SIGMA L3129−25G)をリン酸緩衝液で50U/mlとなるように希釈して酵素溶液を調製した。
(試料溶液)
水を溶媒として調製された抽出物は、水に溶解した後、リン酸緩衝液で希釈して試料溶液を調製した。また、エタノールを用いて調製された抽出物は、DMSOに溶解した後、リン酸緩衝液で希釈して試料溶液を調製した。抽出物を溶解せずに同様にして調製した溶液をコントロールとした。
(酵素活性の測定)
試料溶液50μlと酵素溶液50μlを混合し、室温で10分間インキュベーションした後、酵素溶液100μl加えて酵素反応を開始した。酵素反応開始後、ただちにマイクロプレートをプレートリーダーに入れ、励起/蛍光波長=355/460nmにて、反応開始直後、その後2分おきに10分目まで蛍光強度を測定した。蛍光強度が直線的に増加している区間において、蛍光強度の増加量を求め、以下の計算式1を用いて阻害活性を計算し、50%阻害濃度(IC50)を算出した。また、ポジティブコントロールとして、セチリスタット(リパーゼ阻害剤)を用いた。
[計算式1]
阻害活性(%)=(試料溶液添加時の蛍光強度の増加量/コントロールの蛍光強度の増加量)×100
2−2.リピッドエマルジョンに対するリパーゼ活性の測定
(基質溶液(リピッドエマルジョン))
レシチン13mg、タウロコール酸5mg、オリーブオイル100mgに、0.1M NaClを含有する0.1M TES−NaClバッファー(pH−7)を4880μl加え、超音波を45分間付すことにより、リピッドエマルジョン(基質溶液)を調製した。
(酵素溶液)
ブタ膵臓由来のリパーゼ(SIGMA社製)を、TES−NaClバッファーで0.1mg/mlとなるように溶解して酵素溶液を調製した。
(試料溶液)
水を溶媒として調製された抽出物は、純水で10mg/mlとなるように溶解した後、0.1M TES−NaClバッファーで希釈して、試料溶液を調製した。また、メタノールまたはエタノールを用いて調製された抽出物は、DMSOで10mg/mlとなるように溶解した後、0.1M TES−NaClバッファーで希釈して、試料溶液を調製した。また、抽出物を溶解せずに同様にして調製した溶液をコントロールとした。
(反応停止液)
セチリスタット(リパーゼ阻害剤)をDMSOで0.05mMとなるように溶解して、反応停止液を調製した。
(酵素活性の測定)
酵素溶液25μlと試料溶液25μlを混合し、37℃で5分間インキュベーションした後、基質溶液50μlを加えて、37℃で25分間反応させた。次いで、反応液25μlを反応停止液15μlに加えて酵素反応を停止させた後、反応液中の遊離脂肪酸濃度をラボアッセイTMNEFA(富士フィルム和光純薬(株)社製)を用いて測定した。以下の計算式2から阻害活性を計算した。なお、酵素溶液の代わりにTES−NaClバッファーを添加して同様に操作したものをブランクとした。また、ポジティブコントロールとして、セチリスタットを用いた。
[計算式2]
阻害活性(%)=遊離脂肪酸測定における((1−(試料溶液添加時のABS−ブランクのABS)/(コントロールのABS−ブランクのABS))×100
合成基質である4−MUOを基質とした場合のリパーゼ活性に対する、オオバクロモジの葉または枝を用いて調製された抽出物による阻害活性を測定した結果を表5に示す。
Figure 2021109858
表5に示される通り、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、合成基質に対するリパーゼ阻害活性を有していた。なお、ポジティブコントロールとして用いたセチリスタットのIC50は、7.77μg/mlであり、オオバクロモジ葉の熱水抽出物よりもやや低い阻害活性を有していた。
現実に食事から摂取される脂質で構成されるリピッドエマルジョンを基質とした場合のリパーゼ活性に対する、種々の抽出物による阻害活性を測定した結果を表6に示す。
Figure 2021109858
表6に示される通り、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、リピッドエマルジョンに対するリパーゼ阻害活性をほとんど示さなかった。なお、ポジティブコントロールとして用いたセチリスタットは、IC50が1.43μg/mlであり、オオバクロモジ葉の熱水抽出物よりもはるかに高いリパーゼ阻害活性を有していた。
これらの結果から、本発明に用いるオオバクロモジ葉の熱水抽出物による内臓脂肪蓄積抑制作用の主たる作用機序は、リパーゼ活性の阻害によるものではないと考えられた。
<実施例4>
(オオバクロモジ葉の熱水抽出物のα−グルコシダーゼ阻害活性)
1.試料の調製
実施例2で用いた抽出物2を用いた。
また、実施例3と同様にして、水、メタノール、またはエタノールを用いて、種々の抽出物を調製した。
2−1.酵母由来α−グルコシダーゼ阻害活性の測定
(基質溶液)
p−ニトロフェニル−α−D−グルコピラノシド(ナカライテスク社)を、0.2Mのリン酸緩衝液(pH6.8)で4mMとなるように溶解して、基質溶液を調製した。
(酵素溶液)
酵母由来α−グルコシダーゼ(SIGMA社)を0.2Mリン酸緩衝液(pH−6.8)で1U/mlとなるように溶解して、酵素溶液を調製した。
(試料溶液)
水を溶媒として調製された抽出物は、水に溶解した後、リン酸緩衝液で希釈して試料溶液を調製した。また、メタノールまたはエタノールを用いて調製された抽出物は、DMSOに溶解した後、リン酸緩衝液で希釈して試料溶液を調製した。抽出物を溶解せずに同様にして調製した溶液をコントロールとした。
(酵素阻害活性の測定)
試料溶液10μlと酵素溶液10μlおよび0.2Mリン酸緩衝液60μlを混合し、37℃で5分間インキュベーションした後、基質溶液20μlを加えて反応を開始した。反応開始から2分おきに405nmにおける吸光度を測定し、以下の計算式3から阻害活性を計算し、50%阻害濃度(IC50)を算出した。また、ポジティブコントロールとして、医薬品として用いられているアカルボース(α−グルコシダーゼ阻害剤)を用いた。
[計算式3]
阻害活性(%)=(試料溶液添加時の吸光度の増加/コントロールの吸光度の増加)×100
2−2.ラット腸管由来のα−グルコシダーゼ阻害活性の測定
(基質溶液)
マルトースを、純水で80mMとなるように溶解して、基質溶液を調製した。
(酵素溶液)
ラット腸管アセトンパウダー(SIGMA社製)から抽出したα−グルコシダーゼを用いた。ラット腸管アセトンパウダー50mgに、0.1Mマレイン酸緩衝液(pH−6.9)1mlを加えて超音波ホモジナイザーでホモジナイズ(30Hzで30秒間を3回)した後、9000回転で5分間、遠心分離して得られた上清を酵素原液とした。得られた酵素原液をマレイン酸緩衝液で5倍希釈して酵素溶液を調製した。
(試料溶液)
酵母由来α−グルコシダーゼ阻害活性の測定の場合と同様にして試料溶液を調製した。また、抽出物を溶解せずに同様にして調製した溶液をコントロールとした。
(酵素阻害活性の測定)
試料溶液40μlと酵素溶液20μlを混和し、37℃で5分間インキュベーションした後、基質溶液20μlを添加して酵素反応を開始した。反応開始から10分後、96wellマイクロプレートに200μlずつ分注したグルコースCII−テストワコー(富士フイルム和光純薬(株)社製))の発色試薬に、反応液を10μl加えて、マルターゼによる反応を停止させると同時に、酵素反応によって生成したグルコースの量を505nmの吸光度で測定した。以下の計算式4から阻害活性を計算し、50%阻害濃度(IC50)を算出した。なお、発色試薬200μlに試料溶液10μlを添加したものブランクとして用いた。
[計算式4]
阻害活性(%)=((試料溶液添加時の吸光度−ブランクの吸光度)/(コントロールの吸光度−ブランクの吸光度))×100
酵母由来のα−グルコシダーゼに対する、種々の抽出物の阻害活性を測定した結果を表7に示す。
Figure 2021109858
表7に示される通り、本発明に用いるオオバクロモジの熱水抽出物は、酵母由来のα−グルコシダーゼに対して阻害活性を有していた。また、オオバクロモジでは、枝よりも葉を用いて調製した抽出物の阻害活性が高かった。
なお、ポジティブコントロールとして用いたアカルボースのIC50は、383.2μg/mlであり、オオバクロモジ葉の熱水抽出物よりも阻害活性が低かった。
ラット腸管由来のα−グルコシダーゼに対する、種々の抽出物の阻害活性を測定した結果を表8に示す。
Figure 2021109858
表8に示される通り、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、ラット(哺乳類)由来のα−グルコシダーゼに対しても阻害活性を有していた。また、オオバクロモジでは、枝よりも葉を用いて調製した抽出物の阻害活性が高かった。
ケクロモジと比較すると、抽出溶媒として熱水を用いた場合、オオバクロモジの葉を用いて調製された抽出物の阻害活性が特に高かった。
また、オオバクロモジでは枝よりも葉から調製された抽出物の阻害活性が高かったのに対して、ケクロモジではその逆であった。
これらの結果から、クスノキ科クロモジ属の植物であっても、種および部位によって含まれる成分が異なり、有効な利用方法が異なることが理解できる。
以上の結果から、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、α−グルコシダーゼを阻害する作用を有しており、α−グルコシダーゼ阻害剤として有用である。
以上の結果から、オオバクロモジ葉の熱水抽出物は、経口摂取することにより種々の効果が得られるため、それぞれの作用・効果に応じて新規な用途に利用することができる。
よって、本発明の剤、ならびにこれを含有する食品および医薬品もまた、それらの用途において、有用である。

Claims (9)

  1. オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、メタボリックシンドロームの予防または改善剤。
  2. オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、内臓脂肪蓄積抑制剤。
  3. オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、インスリン抵抗性改善剤。
  4. オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、レプチン抵抗性改善剤。
  5. オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、血中遊離脂肪酸低下剤。
  6. オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、血中中性脂肪低下剤。
  7. オオバクロモジ葉の熱水抽出物を含有することを特徴とする、α―グルコシダーゼ阻害剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の剤を含むことを特徴とする、メタボリックシンドロームの予防用食品、メタボリックシンドロームの改善用食品、内臓脂肪蓄積抑制用食品、インスリン抵抗性改善用食品、レプチン抵抗性改善用食品、血中遊離脂肪酸低下用食品、血中中性脂肪低下用食品、またはα−グルコシダーゼ阻害用食品。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の剤を含むことを特徴とする、メタボリックシンドロームの予防用医薬品、メタボリックシンドロームの改善用医薬品、内臓脂肪蓄積抑制用医薬品、インスリン抵抗性改善用医薬品、レプチン抵抗性改善用医薬品、血中遊離脂肪酸低下用医薬品、血中中性脂肪低下用医薬品、またはα−グルコシダーゼ阻害用医薬品。

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