JP2019210278A - コレステロール低減用組成物及びコレステロール低減機能性付与方法 - Google Patents

コレステロール低減用組成物及びコレステロール低減機能性付与方法 Download PDF

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Abstract

【課題】食品等の利用形態に適合可能な天然植物素材を用いて、機能性に優れた組成物を提供する。【解決手段】クロモジエキスをコレステロール低減用組成物に用いる。この組成物は、血中の総コレステロール濃度を低減させるためのものであることが好ましい。また、血中のLDLコレステロール濃度を低減させるためのものであることが好ましい。また、血中のLDLコレステロール/HDLコレステロールの濃度比を低減させるためのものであることが好ましい。また、血中のnon−HDLコレステロール濃度を低減させるためのものであることが好ましい。また、コレステロールによる血管壁の肥厚を予防するためのものであることが好ましい。クロモジエキスとしては、クロモジの熱水抽出物が好ましく用いられる。【選択図】なし

Description

本発明は、天然植物素材を利用する、コレステロール低減用組成物及びコレステロール低減機能性付与方法に関する。
クスノキ科植物のクロモジは北海道の南部から九州まで広く分布している落葉低木であり、その枝葉は烏樟(うしょう)と呼ばれ、古くから消化器系を助ける生薬や民間薬の原料として用いられてきた。また、良い香りがあるのが特徴で、和菓子に添える高級爪楊枝や、水蒸気蒸留して採取した精油がアロマなどに利用されている。
従来、このクロモジには、種々の機能性が報告されている。例えば、特許文献1には、クスノキ科クロモジ樹皮の抽出物からなるメラニン産生抑制剤が記載されている。また、特許文献2には、クロモジ等の植物の抽出物を有効成分とする抗ヘリコバクター・ピロリ剤が記載されている。また、特許文献3には、クロモジ等のクスノキ科の植物の一部位の粉砕物またはその脂溶性溶媒抽出エキスを含有するアルコール障害予防剤が記載されている。また、特許文献4には、クロモジ属(Lindera Thunb.)に属する植物の抽出物を有効成分とするプロテアーゼ阻害剤が記載されている。また、特許文献5には、クロモジ等のクスノキ科植物の水蒸気蒸留水を含有することを特徴とする化粧料組成物が記載されている。また、特許文献6には、クロモジ等の植物の抽出物を有効成分とする抗インフルエンザウイルス剤が記載されている。また、特許文献7には、クロモジ等の植物又はそのエキスを含有することを特徴とする血圧降下剤が記載されている。また、特許文献8には、クロモジ等の植物エキスを有効成分として含有するメイラード反応阻害剤が記載されている。また、特許文献9には、クロモジ等の植物の処理物を含有することを特徴とするIgE産生抑制組成物及び抗アレルギー組成物が記載されている。また、特許文献10には、クロモジ等の植物の抽出物を有効成分として含有することを特徴とするセラミダーゼ活性阻害剤が記載されている。
特開平07−277941号公報 特開平11−001429号公報 特開2000−344675号公報 特開2001−122728号公報 特開2001−226218号公報 特開2004−059463号公報 特開2007−051129号公報 特開2010−077123号公報 特開2010−180141号公報 特開2017−124984号公報
本発明の目的は、食品等の利用形態に適合可能な天然植物素材を用いて、機能性に優れた組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、クスノキ科植物のクロモジから抽出したクロモジエキスには、コレステロールを低減する作用効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第1には、クロモジエキスを含有するコレステロール低減用組成物を提供するものである。
上記コレステロール低減用組成物においては、該組成物は、血中の総コレステロール濃度を低減させるためのものであることが好ましい。
上記コレステロール低減用組成物においては、該組成物は、血中のLDLコレステロール濃度を低減させるためのものであることが好ましい。
上記コレステロール低減用組成物においては、該組成物は、血中のLDLコレステロール/HDLコレステロールの濃度比を低減させるためのものであることが好ましい。
上記コレステロール低減用組成物においては、該組成物は、血中のnon−HDLコレステロール濃度を低減させるためのものであることが好ましい。
上記コレステロール低減用組成物においては、該組成物は、コレステロールによる血管壁の肥厚を予防するためのものであることが好ましい。
上記コレステロール低減用組成物においては、前記クロモジエキスは、クロモジの熱水抽出物を含むことが好ましい。
一方、本発明は、第2には、組成物中にクロモジエキスを含有せしめる該組成物のコレステロール低減機能性付与方法を提供するものである。
上記方法においては、前記クロモジエキスは、クロモジの熱水抽出物を含むことが好ましい。
本発明によれば、クスノキ科植物のクロモジから抽出したクロモジエキスには、コレステロールを低減する作用効果があることが明らかとなった。よって、そのクロモジエキスを利用して、例えばコレステロール低減用組成物等、機能性に優れた組成物を提供することができる。本発明による組成物は、食品等の利用形態にも適している。
試験例1においてクロモジエキスによるコレステロール低減作用を検証した結果のうち、血中の総コレステロール濃度を調べた結果を示す図表である。 試験例1においてクロモジエキスによるコレステロール低減作用を検証した結果のうち、血中のLDLコレステロール濃度を調べた結果を示す図表である。 試験例1においてクロモジエキスによるコレステロール低減作用を検証した結果のうち、血中のHDLコレステロール濃度を調べた結果を示す図表である。 試験例1においてクロモジエキスによるコレステロール低減作用を検証した結果のうち、血中のLDLコレステロール/HDLコレステロールの濃度比を評価した結果を示す図表である。 試験例1においてクロモジエキスによるコレステロール低減作用を検証した結果のうち、血中のnon−HDLコレステロール濃度を評価した結果を示す図表である。
本発明は、クスノキ科植物のクロモジから抽出したクロモジエキスにコレステロールを低減する作用効果があることを見出し、これに基づいて、コレステロール低減用組成物を提供するものである。より詳細には、後述の実施例に示されるように、クロモジエキスには、血中の総コレステロール濃度を低減させたり、血中のLDLコレステロール濃度を低減させたり、血中のLDLコレステロール/HDLコレステロールの濃度比を低減させたり、血中のnon−HDLコレステロール濃度を低減させたりする作用効果がある。
生体内でコレステロールは、血中のリポ蛋白に含まれて、その血流に乗って全身を廻っている。リポ蛋白は、LDL(低密度リポ蛋白)とHDL(高密度リポ蛋白)とに分類される。前者は、概して、肝臓で生成したコレステロールを全身の組織や細胞に運ぶはたらきを有するが、一方で血管壁に入り込んで動脈硬化の原因になったりするので、これに含まれるLDLコレステロールは「悪玉コレステロール」などと呼ばれることもある。一方、後者のHDLは、概して、生体にとって不要となったコレステロールをその分解の場である肝臓に戻すはたらきを有しており、これに含まれるHDLコレステロールは、前者のLDLに含まれるLDLコレステロール対して「善玉コレステロール」などと呼ばれることもある。これらはいずれも、一般的な健康診断や医療の現場において主要な血液検査項目となっており、その血中濃度の測定などは、血中の総コレステロール濃度の測定も含め、汎用的な方法が知られている。また、近年では、血中のnon−HDLコレステロール濃度も主要な指標となっている。すなわち、non−HDLコレステロール値は、血中の総コレステロールからHDLコレステロールを除いた値であり、LDL(低密度リポ蛋白)に加えて、カイロミクロン、VLDL、レムナントなど、HDL(高密度リポ蛋白)を除く血中リポ蛋白中に含まれるコレステロール総量の指標となる。
一方、総頸動脈内膜中膜複合体肥厚度(CCA−IMT)や冠動脈狭窄度など、血管壁の肥厚を、動脈硬化度の指標にすることが広く知られているが、コレステロール値との関係性としては、例えば、総頸動脈内膜中膜複合体肥厚度(CCA−IMT)の低値群では、高値群に比べて、総コレステロールとLDLコレステロールが有意に低値を示したことの報告がある(糖尿病 50(7) : 479〜483, 2007)。更に、LDLコレステロールを低下させると冠動脈狭窄度の進展抑制効果があるという報告がある(循環器疾患と生活習慣病 Metabolic Cardiologyの診療 (2000) 55〜61)。
したがって、本発明により提供される組成物は、このような血管壁の肥厚の予防のために用いられてもよい。なお、「予防」とは、本発明による組成物を適用しない場合に比べて、諸般の症状や身体的状態を適用者にとってより悪い状態にさせるリスクを低減することを意味する。よって、日頃からそのようなより良い状態を崩さずに維持するための適用をも含む意味である。また、「改善」とは、本発明による組成物を適用しない場合に比べて、適用したほうが諸般の症状や身体的状態を適用者にとってより良い状態にさせることを意味するともに、日頃からそのようなより良い状態を崩さずに維持するための予防的適用をも含む意味である。
本発明によれば、上記のとおり、ヒトや動物の生体に作用して健康保健的な側面で良い影響を与える組成物が提供される。以下では、更なる説明の便宜のため、本発明により提供される、クロモジエキスを含有する組成物を、単に「機能性組成物」という場合がある。
本発明に用いられるクロモジエキスの基原としては、クロモジ属(Lindera)に属する植物であればよく、例えば、クロモジ(Lindera umbellata Thunb.)、オオバクロモジ(Lindera umbellata var. membranacea (Maxim.) Momiyam)、ヒメクロモジ(Lindera umbellata var.lancea Momjyama)、ケクロモジ(Lindera sericea(Sieb.et Zucc.)Blume)、ウスゲクロモジ(Lindera sericea var.glabrata Blume)、シロモジ(Lindera triloba(Sieb.et Zucc.)Blume)、アメリカクロモジ(Lindera benzoin(L.)Blume)、ヤマコウバシ(Lindera glauca Blume)、ダンコウバイ(Lindera obtusiloba Blume)、テンダイウヤク(Lindera strychnifolia(Sieb.et Zucc.)F.Vill.)などが挙げられる。これらの中でも、特に、クロモジ(Lindera umbellata Thunb.)が好ましい。
上記植物の部位としては、特に制限はなく、例えば、幹枝、幹、枝葉、葉、樹皮、根、根茎、根皮、茎、花、種子、果皮、果肉、果実、地上部、地下部、全木などが挙げられる。これらの中でも、特に、幹枝が好ましい。
本発明においては、上記植物を基原として抽出物を調製してコレステロール低減の機能性を発揮させる成分として用いる。より具体的には、本発明においてはクロモジエキスが有効成分ないしは機能性関与成分である。その抽出に用いられる抽出溶媒としては、適宜適当なものを用いればよいが、典型的には水又は含水有機溶媒が挙げられる。特には、水であることがより好ましい。含水有機溶媒の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール、酢酸エチル、アセトン、クロロホルム、n−ヘキサンなどが挙げられる。これら有機溶媒は二種以上を混合して用いることもできる。また、その抽出に用いられる含水有機溶媒の有機溶媒含量としては、50体積%以下であることが好ましく、5〜50体積%であることがより好ましく、10〜45体積%が更により好ましく、20〜40体積%が最も好ましい。特に、含水エタノールの場合には、エタノール含量50体積%以下の含水エタノールが好ましく、エタノール含量5〜50体積%の含水エタノールがより好ましく、エタノール含量10〜45体積%の含水エタノールが更により好ましく、エタノール含量20〜40体積%の含水エタノールが最も好ましい。
抽出の具体的手法としては、一般的な抽出手段を採用することができ、例えば、クロモジの幹枝の乾燥物を適当に裁断した後、その全質量に対して1〜50倍、好ましくは5〜20倍量の抽出溶媒を加え、1〜24時間程度、室温〜使用溶媒の沸点の範囲で浸漬・加熱抽出を行うことができる。必要に応じて、加圧下に抽出を行ってもよい。抽出後には、必要に応じて濾過を行い、得られた抽出液を減圧濃縮したり、乾燥等により使用した抽出溶媒を除去したりして、目的とする抽出物を調製することができる。乾燥手段としては、凍結乾燥、減圧乾燥、噴霧乾燥等が挙げられる。なお、例えば、抽出溶媒が水である場合には、抽出温度は5〜100℃であることが好ましく、30〜100℃であることがより好ましく、50〜100℃であることが更により好ましい。また、抽出溶媒が含水エタノールである場合には、抽出温度は5〜70℃であることが好ましく、30〜70℃であることがより好ましく、50〜70℃であることが更により好ましい。
本発明により提供される機能性組成物は、例えば、経口的に摂取するように用いることが好ましい。経口摂取のための形態としては、特に制限はなく、上記に説明したクロモジエキスと、経口摂取用として許容される基材や担体、溶媒等を用いて、固体状物、液状物、乳化状物、ペースト状物、ゼリー状物等の形態とすることができる。また、錠剤、顆粒剤、散剤、液剤、カプセル剤等の形態とすることができる。また、上記に説明したクロモジエキスを濃縮液状のまま、もしくは固形状に調製したものを適宜溶媒に溶解・分散したうえ、その液状のまま適当な担体、好ましくは脂肪酸トリグリセライドと混合し、ソフトカプセル外皮に充填して、ソフトカプセルを調製することもできる。
製剤化においては、必要に応じて、通常使用されている賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、界面活性剤、溶解補助剤、還元剤、緩衝剤、吸着剤、流動化剤、帯電防止剤、抗酸化剤、甘味剤、矯味剤、清涼化剤、遮光剤、着香剤、香料、芳香剤、コーティング剤、可塑剤等の製剤添加物の1種または2種以上を適宜選択して添加してもよい。
そのような製剤添加物としては、具体的には、例えば、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、マルトデキストリン、エチルセルロース、乳糖、ソルビトール、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸、オレイン酸、流動パラフィン、第二リン酸カルシウム、セバチン酸ジブチル、マクロゴール、プロピレングリコール、コーンスターチ、デンプン、アルファー化デンプン、ゼラチン、ポピドン、クロスポピドン、グリセリン、ポリソルベート80、クエン酸、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、炭酸ナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等を挙げることができる。
本発明により提供される機能性組成物においては、上記に説明したクロモジエキスを含有し、更に、本発明の作用効果を損なわない範囲で、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸、食物繊維等の他の成分を添加してもよい。
本発明により提供される機能性組成物においては、上記に説明したクロモジエキスを全体中に乾燥分換算で0.001〜100質量%含有していることが好ましく、0.01〜70質量%含有していることがより好ましく、0.05〜50質量%含有していることが最も好ましい。
本発明により提供される機能性組成物をヒトに経口投与する場合、その投与量としては、年齢や体重によっても異なるが、例えば、成人1日当たり、上記に説明したクロモジエキスの乾燥分換算で1.0mg〜50g程度であることが好ましく、5.0mg〜20g程度であることがより好ましく、10mg〜10g程度であることが最も好ましい。
本発明により提供される機能性組成物の使用形態としては、その作用効果を損なわない限り、特に制限はない。例えば、機能性食品、サプリメント、医薬品などの形態であってよい。これらの形態は、ヒト用だけに限られず、動物用であってもよい。より具体的には、機能性表示食品、特定保健用食品、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、医薬品、医薬部外品、動物用健康食品、動物用機能性食品、動物用栄養補助食品、動物用サプリメント、動物用医薬品、動物用医薬部外品など各種の製品形態で、あるいはそれら製品と組み合わせて使用されることが可能である。
上記使用形態としては、食品組成物の形態であってもよい。すなわち、クロモジエキスを飲食物に所定量配合することにより、所定の機能性を発揮させるための食品組成物と成すことができる。具体的には、例えば、固形状、粉末状、顆粒状のものとしては、ビスケット、クッキー、ケーキ、スナック、煎餅などの各種の菓子類、パン、粉末飲料(粉末コーヒー、粉末ココアなど)、飴、キャラメル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、液状、乳化状、ペースト状、ゼリー状のものとしては、ドリンク、ゼリー、ムースなどの各種製品や薬用酒等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。更には、これら飲食物に配合するために用いられる食品添加用の組成物の形態であってもよい。
上述したとおり、本発明によれば、クロモジエキスには、血中の総コレステロール濃度を低減させたり、血中のLDLコレステロール濃度を低減させたり、血中のLDLコレステロール/HDLコレステロールの濃度比を低減させたり、血中のnon−HDLコレステロール濃度を低減させたりする作用効果があることが示された。よって、このようなクロモジエキスによれば、それを上記食品等の組成物に含有せしめるように使用して、それを添加された組成物にコレステロール低減の機能性を付与する、コレステロール低減機能性付与方法が提供され得る。
以下に実施例を挙げて本発明について更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
[調製例1]
クロモジ(Lindera umbellata Thunb.)の幹枝の乾燥物を裁断した後、その全質量に対して10倍量の水を加え加熱し、沸騰後1時間浸漬・加熱抽出を行った。抽出後は濾過により不溶物を除き、得られた抽出液を減圧濃縮し、更に凍結乾燥により抽出溶媒を除去して、乾燥粉末状のクロモジエキスを得た。
<試験例1>
調製例1で得られたクロモジエキスを用いて、コレステロール低減作用を検証した。
試験動物としては、生活習慣病モデルマウスであるC57BLKS/J Iar-+Lwprdb /+Lwprdb (db/dbマウス)を使用し、生活習慣病モデルマウスでは、正常マウスであるC57BLKS/J Iar-m+/+Lwprdb (db/+マウス)と比較したとき、血中コレステロールに増加傾向がみられるが、これをクロモジエキスが抑制できるかどうか評価した。
試験動物(生活習慣病モデルマウスと正常マウス、雄、7週齢)は、1週間予備飼育後、オールフレッシュエアー、温度24±2℃、湿度:50±10%、照明時間:1日12時間(7〜19時)に設定されたバリア施設内の飼育室で飼育した。餌は放射線滅菌した固形飼料(ラボMRストック、日本農産工業株式会社)を使用し、飲料水は塩素消毒した井水を給水瓶を用いて自由摂取させた。
投与群としては、正常群(正常マウス)及び対照群(生活習慣病モデルマウス)には蒸留水を、クロモジエキス低投与群にはクロモジエキスを100mg/kg/dayの投与量で、クロモジエキス高投与群にはクロモジエキスを300mg/kg/dayの投与量で、それぞれ経口ゾンデを用いて12週間毎日経口投与した。また、参考群には参考薬剤としてメトホルミン塩酸塩を350mg/kg/dayの投与量で、同様に経口ゾンデを用いて12週間毎日経口投与した。なお、メトホルミン塩酸塩はビグアナイド系の血糖降下剤として知られるが、近年には、db/dbマウスにおける脂質プロファイルを変化させて血中コレステロールを低下させる作用を有することについて報告がある(参考1:Xu T, et al.「Effects of metformin on metabolite profiles and LDL cholesterol in patients with type 2 diabetes.」Diabetes Care. 2015 Oct;38(10):1858-67、参考2:Qinwen Bao, et al.「Anti-diabetic activities of catalpol in db/db mice」Korean J Physiol Pharmacol. 2016 Mar; 20(2): 153-160)。
投与期間終了後、イソフルラン吸入麻酔下で心臓より全採血を行い、その血清サンプルを調製した。
動物試験は、各投与群についてそれぞれ9〜10例行って、以下に示した各測定結果について、その平均値及び標準偏差を求めた。更にBonferroniの多重比較検定により、正常群又は対照群に対する有意差検定を行った。
(1)血中の総コレステロール濃度
各投与群から調製した血清サンプルを、総コレステロール濃度測定キット(「LabAssayTM Cholesterol」、和光純薬工業株式会社)に供して、血中の総コレステロール濃度を求めた。
具体的には、96穴マイクロプレートのウェル内でマウス血清検体1μLとキットに備わる発色試薬150μLを混合し、37℃で5分加温後、主波長600nm/副波長700nmの吸光度を測定した。別途、既知濃度検体を使用して、「y=ax2+bx+c」(x:コレステロール濃度、y:吸光度)を近似曲線式とした検量線を引き、その検量線に測定値をあてはめて、総コレステロール濃度(mg/dL)を算出した。
(2)血中のLDLコレステロール濃度
各投与群から調製した血清サンプルを、LDLコレステロール濃度測定キット(「Lタイプワコー LDL-C・M」、和光純薬工業株式会社)に供して、血中のLDLコレステロール濃度を求めた。
具体的には、96穴マイクロプレートのウェル内でマウス血清検体2μLとキットに備わる前処理液180μLを混合し37℃で5分加温して、更にキットに備わる反応試液60μLを添加し、37℃で5分加温後、主波長600nm/副波長700nmの吸光度を測定した。別途、既知濃度検体を使用して、上記(1)と同様にして検量線を引き、その検量線に測定値をあてはめて、LDLコレステロール濃度(mg/dL)を算出した。
(3)血中のHDLコレステロール濃度
各投与群から調製した血清サンプルを、HDLコレステロール濃度測定キット(「HDL-コレステロール E-テストワコー」、和光純薬工業株式会社)に供して、血中のHDLコレステロール濃度を求めた。
具体的には、マウス血清検体2μLとキットに備わる沈殿試液2μLを混合し、室温で10分間放置した後、3000rpmで10分間遠心して、その上清を測定試料とした。96穴マイクロプレートのウェル内でその測定試料2μLとキットに備わる発色試薬120μLを混合し、37℃で5分加温後、主波長600nm/副波長700nmの吸光度を測定した。別途、既知濃度検体を使用して、上記(1)と同様にして検量線を引き、その検量線に測定値をあてはめて、HDLコレステロール濃度(mg/dL)を算出した。
(4)血中のLDLコレステロール/HDLコレステロールの濃度比
上記(2)で求められたLDLコレステロール濃度(mg/dL)を、上記(3)で求められたHDLコレステロール濃度(mg/dL)で除し、算出した。
(5)血中のnon−HDLコレステロール濃度
上記(1)で求められた総コレステロール濃度(mg/dL)から、上記(3)で求められたHDLコレステロール濃度(mg/dL)を引き、算出した。
上記(1)の結果を図1に、上記(2)の結果を図2に、上記(3)の結果を図3に、上記(4)の結果を図4に、上記(5)の結果を図5に、それぞれ示す。
図1にみられるように、対照群(生活習慣病モデルマウス)では、正常群(正常マウス)と比較して、血中の総コレステロール濃度の増加がみられたが、それをクロモジエキスの投与により低減させることができた。特に高投与群では、対照群に対して危険率p<0.05で有意差がみられた。
図2にみられるように、対照群(生活習慣病モデルマウス)では、正常群(正常マウス)と比較して、血中のLDLコレステロール濃度の増加がみられたが、それをクロモジエキスの投与により低減させることができた。特に高投与群では、対照群に対して危険率p<0.05で有意差がみられた。
図3にみられるように、対照群(生活習慣病モデルマウス)では、正常群(正常マウス)と比較して、血中のHDLコレステロール濃度の増加がみられたが、クロモジエキスを投与しても有意な変化はみられなかった。
図4にみられるように、クロモジエキスの投与により、血中のLDLコレステロール/HDLコレステロールの濃度比を低減させることができ、特に高投与群では、対照群に対して危険率p<0.01で有意差がみられた。
図5にみられるように、クロモジエキスの投与により、血中のnon−HDLコレステロール濃度を低減させることができ、特に高投与群では、対照群に対して危険率p<0.01で有意差がみられた。

Claims (9)

  1. クロモジエキスを含有するコレステロール低減用組成物。
  2. 血中の総コレステロール濃度を低減させるためのものである、請求項1記載のコレステロール低減用組成物。
  3. 血中のLDLコレステロール濃度を低減させるためのものである、請求項1記載のコレステロール低減用組成物。
  4. 血中のLDLコレステロール/HDLコレステロールの濃度比を低減させるためのものである、請求項1記載のコレステロール低減用組成物。
  5. 血中のnon−HDLコレステロール濃度を低減させるためのものである、請求項1記載のコレステロール低減用組成物。
  6. コレステロールによる血管壁の肥厚を予防するためのものである、請求項1記載のコレステロール低減用組成物。
  7. 前記クロモジエキスは、クロモジの熱水抽出物を含む、請求項1〜6のいずれか1つに記載のコレステロール低減用組成物。
  8. 組成物中にクロモジエキスを含有せしめる該組成物のコレステロール低減機能性付与方法。
  9. 前記クロモジエキスは、クロモジの熱水抽出物を含む、請求項8記載の方法。
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