JP2021109735A - ロープ伸び位置表示システム、およびロープ伸び位置表示方法 - Google Patents

ロープ伸び位置表示システム、およびロープ伸び位置表示方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021109735A
JP2021109735A JP2020002332A JP2020002332A JP2021109735A JP 2021109735 A JP2021109735 A JP 2021109735A JP 2020002332 A JP2020002332 A JP 2020002332A JP 2020002332 A JP2020002332 A JP 2020002332A JP 2021109735 A JP2021109735 A JP 2021109735A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rope
index
light emitting
position display
display system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020002332A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6834035B1 (ja
Inventor
正葵 本間
Masaki Homma
正葵 本間
和久 金沢
Kazuhisa Kanazawa
和久 金沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Elevator and Building Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Elevator Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Elevator Co Ltd filed Critical Toshiba Elevator Co Ltd
Priority to JP2020002332A priority Critical patent/JP6834035B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6834035B1 publication Critical patent/JP6834035B1/ja
Publication of JP2021109735A publication Critical patent/JP2021109735A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)

Abstract

【課題】ロープの伸びが発生している位置を容易かつ迅速に保守員等に認識させることができるロープ伸び位置表示システムを提供する。【解決手段】ロープ伸び位置表示システム100は、例えば、測定部28と、発光部30とを備える。測定部28は、エレベータの乗りかご16を昇降路12に沿って昇降させるロープ14の長手方向に一定の間隔で付された指標42を検出し、隣り合う指標42の間隔と予め定められた間隔閾値とに基づき、ロープ14の長手方向の伸び状態を測定する。発光部30は、測定部28の測定結果に基づき、ロープ14が間隔閾値を超えて伸びている位置を示す指標42に光を照射して指標42に含まれる蛍光物質を励起させて蛍光状態に移行させる。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、ロープ伸び位置表示システム、およびロープ伸び位置表示方法に関する。
従来、乗りかごとカウンターウエイトとをロープで連結して、昇降路内を上昇または下降させる、いわゆるつるべ式のエレベータが周知である。乗りかごとカウンターウエイトとを連結するロープは、一般的には、複数本の鋼鉄製のストランドを所定のピッチで撚り合わせることで構成している。このロープは、常時テンションが付与された状態で、巻上機に接続されたトラクションシーブに巻き掛けられている。その結果、時間経過とともに、繰り返し曲げ等を受けることで疲労することで、ロープを構成する素線が断線し、ロープの残存強度が低下する。そのため、定期的な点検時に例えば保守員による目視によるロープ検査が実施されている。なお、近年では、耐摩耗性が高く、高摩擦係数を有する例えばポリウレタン等の樹脂でロープを被覆している場合があるため、目視によるロープの検査が不可能になり、非破壊検査装置を用いた技術が種々提案されている。例えば、ロープに一定間隔で存在する検出点や指標をセンサによって検出し、初期位置と比較することでロープの伸びを検出し、伸び量からロープの残存強度を算出することでロープの品質を維持する技術が提案されている。また、伸びが検出された場合に、検出位置に着色剤等を自動塗布して、視覚的に伸びの発生を認識させ易くする技術が提案されている。
特開平10−318741号公報 特開2011−51751号公報
しかしながら、エレベータのロープは、階層数に応じて定まり、高層ビル等では、ロープ長が長くなる。その結果、センサ等によって伸びが検出された場合でも、その位置の特定が困難であったり、着色剤の塗布位置が発見し難かったりする場合があり、作業効率が低下してしまう場合があった。したがって、ロープの伸びが発生している位置を容易かつ迅速に保守員等に認識させることができるロープ伸び位置表示システムが提供できれば、保守作業の効率化が図れて、有意義である。
実施形態のロープ伸び位置表示システムは、例えば、測定部と、発光部とを備える。測定部は、エレベータの乗りかごを昇降路に沿って昇降させるロープの長手方向に一定の間隔で付された指標を検出し、隣り合う指標の間隔と予め定められた間隔閾値とに基づき、ロープの長手方向の伸び状態を測定する。発光部は、測定部の測定結果に基づき、ロープが間隔閾値を超えて伸びている位置を示す指標に光を照射して指標に含まれる蛍光物質を励起させて蛍光状態に移行させる。
図1は、実施形態のロープ伸び位置表示システムを適用可能なエレベータの構成を示す例示的かつ模式的な図である。 図2は、実施形態のロープ伸び位置表示システムの伸び位置表示の対象となるロープの例示的かつ模式的な断面図である。 図3は、実施形態のロープ伸び位置表示システムで伸び位置表示の対象となる指標付きのロープの例示的かつ模式的な斜視図である。 図4は、実施形態のロープ伸び位置表示システムを巻上機のトラクションシーブの近傍に配置した場合を示す例示的かつ模式的な斜視図である。 図5は、実施形態のロープ伸び位置表示システムで伸び位置表示の対象となるロープの伸び率と残存強度との関係を示す例示的かつ模式的な図である。 図6Aは、実施形態のロープ伸び位置表示システムにおける、ロープ伸び状態を測定する場合の指標の検出状態を示す例示的かつ模式的な図である。 図6Bは、実施形態のロープ伸び位置表示システムにおける、ロープ伸び状態を測定する場合で、隣の指標の検出状態を示す例示的かつ模式的な図である。 図7Aは、実施形態のロープ伸び位置表示システムにおける、ロープ伸び状態が間隔閾値を超えた場合に、伸び位置を特定する指標に光の照射をしている状態を示す例示的かつ模式的な図である。 図7Bは、実施形態のロープ伸び位置表示システムにおける、ロープ伸び状態が間隔閾値を超えた場合に、伸び位置を特定する指標の蛍光物質が励起されて蛍光状態に移行した場合を示す例示的かつ模式的な図である。 図8Aは、実施形態のロープ伸び位置表示システムによる検査開始時の乗りかご位置を示す例示的かつ模式的な図である。 図8Bは、実施形態のロープ伸び位置表示システムにより、ロープの伸び状態が検出されて、対応位置の指標の蛍光物質が蛍光状態に移行している場合を示す例示的かつ模式的な図である。 図8Cは、実施形態のロープ伸び位置表示システムにおいて、指標の蛍光物質が蛍光状態に移行している状態を保守員が確認していることを示す例示的かつ模式的な図である。 図9は、実施形態のロープ伸び位置表示システムによる、ロープ伸び位置表示処理を示す例示的なフローチャートである。 図10は、実施形態のロープ伸び位置表示システムのエレベータにおける測定部、発光部の配置バリエーションを示す例示的かつ模式的な図である。 図11は、実施形態のロープ伸び位置表示システムのエレベータにおける測定部、発光部の他の配置バリエーションを示す例示的かつ模式的な図である。
以下に、実施形態に係るロープ伸び位置表示システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれ、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態のロープ伸び位置表示システム100を適用可能なエレベータ10の構成を示す例示的かつ模式的な図である。
エレベータ10は、建屋に設けられた昇降路12を有し、この昇降路12の内部をロープ14の移動に伴い昇降する乗りかご16を備える。ロープ14は、乗りかご16の例えば底面の外壁部に設けられたかごシーブ18(図1の場合、例えば2個が図示されている)に巻き掛けられている。ロープ14の一方の端部14aは、例えば、昇降路12の天上面等に固定されている。ロープ14は、昇降路12の上部(例えば、天上面付近)に設置された巻上機20のトラクションシーブ22に巻き掛けられる。ロープ14は、さらに、カウンターウエイト24の例えば上部に設けられたカウンターシーブ26(図1の場合、例えば2個が図示されてる)に巻き掛けられる。そして、ロープ14の他方の端部14bが、昇降路12の天上面等において、端部14aの固定位置から乗りかご16、トラクションシーブ22、カウンターウエイト24の幅に応じて離間した位置に固定されている。
乗りかご16およびカウンターウエイト24は、それぞれ図示を省略したガイドレールを介して昇降動可能に支持されている。なお、図1では、一本のロープ14のみを図示しているが、乗りかご16およびカウンターウエイト24は、複数本のロープ14を介して昇降路12内に吊り下げられている。
図1のエレベータ10の場合、乗りかご16とカウンターウエイト24は、2:1ローピンク形式で支持されている。巻上機20の駆動によりトラクションシーブ22が回転すると、そのトラクションシーブ22の回転に伴い、乗りかご16とカウンターウエイト24がロープ14を介して昇降路12内をつるべ式に昇降動作する。
なお、図1に示されるような、機械室がないマシンルームレスタイプのエレベータでは、巻上機20が昇降路12内に設置されるが、本実施形態は特にこの構成に限定されるものではなく、機械室を有するエレベータであってもよい。機械室を有するエレベータでは、巻上機20が昇降路12の最上部の機械室に設置される。また、ローピングについても、図1に示したような2:1ローピングに限らず、例えば1:1ローピングなどの他の方式であってもよい。
本実施形態のロープ伸び位置表示システム100は、測定部28と発光部30を例えば、巻上機20のトラクションシーブ22の近傍に備える。
測定部28は、エレベータ10の乗りかご16を昇降路12に沿って昇降させるロープ14の長手方向に一定の間隔で付された指標42を検出する。そして、測定部28は、隣り合う指標42の間隔と予め定められた間隔閾値とに基づき、ロープ14の長手方向の伸び状態を測定する。また、発光部30は、測定部28の測定結果に基づき、ロープ14が間隔閾値を超えて伸びている位置を示す指標に光を照射して指標に含まれる蛍光物質を励起させて蛍光状態に移行させる。測定部28および発光部30の詳細は後述する。
図2は、実施形態のロープ伸び位置表示システム100の伸び位置表示の対象となるロープ14の例示的かつ模式的な断面図である。また、図3は、ロープ14の例示的かつ模式的な斜視図である。
エレベータ10のロープ14としては、例えばワイヤロープが用いられる。図2に示すように、ロープ14は、抗張力部材としてのロープ本体32Aと、ロープ本体32Aを全体的に被覆した被覆層34とを主要な要素として備えている。
ロープ本体32Aは、心綱を中心にして複数本の鋼鉄製のストランド32を所定のピッチで撚り合わせることで構成されている。被覆層34は、例えばポリウレタンのような耐摩耗性および高摩擦係数を有する熱可塑性の樹脂材で形成され、隣り合うストランド32の間に隙間無く充填されている。被覆層34は、略円形の断面形状を有し、ロープ14の表面36を形成している。被覆層34の表面36は、各シーブ(かごシーブ18、トラクションシーブ22、カウンターシーブ26等)に巻き掛けられた際に各シーブに対して摩擦を伴いながら接触する。
図3に示されるように、ロープ14の表面36(被覆層34の外周面)には、複数の指標42が設けられている。これらの指標42は、ロープ14の劣化による伸び量を検出するための要素であって、ロープ14の全長に亘って長手方向に一定の間隔(例えば500mm間隔)で並んでいる。これらの指標42の1つ1つは、ロープ14の周方向に図3に示すように連続的な実線で形成されている。なお、指標42の間隔は一例であり、500mmに限らず、500mmより狭くてもよいし、広くてもよい。また、指標42は、実線に限らず、ロープ14の伸びを示す要素であれば、他の線種(例えば破線)や他のマークでもよい。
指標42は、例えば、印刷等の簡便な手段で被覆層34の表面36に形成され得る。指標42の色は、測定部28の測定光(例えば、レーザ光)を被覆層34の表面36に照射したときに、指標42が存在しない部分の表面36で反射された強度と指標42で反射された強度との間に明確な差異が生じるように、表面36の色と異ならせることが望ましい。例えば、指標42の反射強度が指標42以外の部分の反射強度より高くなるように設定されている。指標42には、所定の波長の光が照射された場合に、励起され発光する蛍光物質(例えば、蓄光材料)が練り込まれている。蛍光物質は、例えば、数分〜十数分間発光可能な材料が選択される。蛍光物質の詳細は後述する。
図4は、ロープ伸び位置表示システム100を巻上機20のトラクションシーブ22の近傍に配置した場合を示す例示的かつ模式的な斜視図である。図4において、巻上機20は、昇降路12の上部に設けられたマシンビーム38に支持されている。巻上機20の出力軸にはトラクションシーブ22が接続されている。図4の場合、上述したように構成されるロープ14が複数本(図4の場合、例えば6本)巻き掛けられるように、トラクションシーブ22は、巻き掛け方向に対して平行に複数(例えば6本)の溝が設けられている。ロープ14が巻き掛けたトラクションシーブ22の周囲には、所定の距離離間した状態でカバー40が設けられている。測定部28および発光部30は、カバー40の一部に固定されている。ロープ14は、トラクションシーブ22に個別に巻き掛けられるため、各ロープ14の指標42の位置は、ロープ14の配列方向(トラクションシーブ22の溝幅方向)で、基本的には揃わない。したがって、測定部28および発光部30は、ロープ14ごとに指標42の位置を検出し、必要に応じて指標42を発光させられるように、複数設けられている。測定部28の測定光の出射面および受光面、発光部30の出射面は、トラクションシーブ22に巻き掛けられたロープ14に非接触状態を維持して露出して対向するように固定されている。
測定部28の設置位置は、ロープ14の伸び測定処理が行われる場合に基本的には、ロープ14の移動方向に対して上流側であり、発光部30は測定部28より下流側に設置される。なお、測定部28の設置位置は、ロープ14の指標42の測定が可能であれば他の位置でもよい。同様に、発光部30の設置位置は、ロープ14の伸びが検出された場合に、指標42に対して光を照射できれば他の位置でもよい。図4に示されるように、トラクションシーブ22の近傍では、ロープ14が移動する際に、ロープ14の挙動がトラクションシーブ22によって規制されるため、ロープ14の移動時の揺れ(ばたつき、暴れ)が抑制できる。その結果、ロープ14が所定距離離間して設置された測定部28や発光部30と接触してしまうことを回避しやすくすることができる。なお、ロープ14の伸び状態の確認が特に必要となるロープ14上の位置は、第1の位置として、ロープ14の曲げ回数が多い位置、第2の位置として、基準階(基本的には1階)の加減速回数が多い位置である。したがって、測定部28および発光部30をトラクションシーブ22の近傍(直下)に配置することにより、第1の位置および第2の位置を確認領域として、概ね網羅できる。なお、ロープ14には、トラクションシーブ22を通過しない部分も存在する。その部分は、ロープ14の全長に対して僅かであり、例えば、保守員により実測検査で対応することができる。
ところで、ロープ14は使用期間の経過に伴い、ストランド32とストランド32の間の隙間およびストランド32を構成する複数の素線間の隙間が減少する傾向がある。この隙間の減少により、ストランド32や素線が互いに摩擦を繰り返し、ストランド32や素線の摩耗や断線が進行する場合がある。特に、ロープ14が各シーブ(かごシーブ18、トラクションシーブ22、カウンターシーブ26等)を通過する部分では、ロープ14が各シーブとの接触に基づく摩擦を繰り返し受けることになる。これにより、ロープ14の摩耗や断線の進行具合は、シーブを通過しない部分に比べて大きくなりロープ径が減少し、ロープ14の局所的な伸びが生じる。なお、前述したように、ロープ14は、被覆層34で被覆されているので、ストランド32や素線の摩耗や断線の進行が目視では確認出来ないのが現状である。
そこで、ロープ14における被覆層34の表面36に設けられた指標42の間隔を測定して、ロープ14の伸びの程度を検出する。そして、ロープ14の伸びとロープ14の強度低下との関係を明確にしつつ、ロープ14において、劣化が最大となる箇所を特定することで、ロープ14の強度管理を行うことができる。図5は、ロープ14の伸び率(%)と残存強度(%)の関係を例示的かつ模式的に示す図である。エレベータ10の場合、ロープ14の強度(残存強度)が予め定めた規定値を下回った場合に、ロープ交換時期となる。したがって、図5に示されるような、ロープ14の残存強度に対応するロープ14の伸び率において、所定の伸び率(例えば、1.0%)を交換基準とすることでストランド32や素線の摩耗状態を直接目視できない状況下においてもロープ14の管理を十分に行い、ロープ14(エレベータ10)を安全に運行することができる。
次に、図6A、図6B、および図7A、図7Bを用いて、測定部28および発光部30の動作を説明する。
図6Aにおいて、測定部28は、ロープ14の被覆層34の表面36に所定の間隔(例えば、500mm間隔)で形成された指標42を検出する装置である。測定部28は、例えば、光学センサ等である。図6Aに示すように、矢印A方向に移動するロープ14に、測定光28aを照射し、ロープ14の被覆層34の表面36にて反射された反射光28bを検出する。前述したように、指標42は、指標42が付されていない部分より反射強度が高くなるように設定されている。したがって、測定部28は、ロープ14が矢印A方向に移動している間に測定光28aを継続的に照射し、反射光28bの強度が高くなる位置を取得することにより、指標42(指標42−1)の有無を判定することができる。
したがって、図6Bに示すように、測定部28の位置(測定光28aの照射位置)を指標42(指標42−2)が通過した際の反射光28bの反射強度が他の部分より高くなり、指標42(指標42−2)の有無を判定することができる。
測定部28は、前回検出した指標42(例えば、指標42−1)から今回検出した指標42(例えば、指標42−2)までの経過時間とロープ14の移動速度とに基づき、指標42−1から指標42−2との間の距離を算出する。移動速度は、例えば、巻上機20に設けられたエンコータ(不図示)の検出結果に基づき算出することができる。なお、測定部28による指標42の検出は、例えば、乗りかご16が一定の低速で運行される検査モードのときに実施される。検査モードの場合、乗りかご16は、例えば、32m/min(約53cm/s)で移動するモードであり、検査モードによるロープ14の移動速度は、乗りかご16の移動開始とほぼ同時に所定速度(約53cm/s)に到達することができる。したがって、検査モードの開始の直後に指標42が検出された場合でも、次に検出される指標42までの距離は、他の位置で指標42間の距離を測定する場合と実質的に同様の精度で測定することができる。
前述したように、各指標42の間の距離は、所定値(例えば、500mm)に設定されている。したがって、測定部28によって検出された隣り合う指標42間の距離と所定値との差分に基づき、ロープ14の伸び率を得ることができる。図5に示されるように、ロープ14の伸び率と残存強度率の関係が既知となっているので、測定部28によって測定された伸び率が所定の間隔閾値(伸び率)を超えて場合、測定部28は、ロープ14のその部分に、確認を必要とする伸びが発生している可能性があることを検出できる。
測定部28によって間隔閾値を超えるロープ14の伸びが検出された場合、図7Aに示されるように検出対象となった指標42(図7Aの場合、指標42−2)が発光部30の位置を通過した際に、発光部30を発光させて、所定の波長の光を指標42(指標42−2)に照射する。その結果、図7Bに示されるように、指標42(指標42−2)に含まれる蛍光物質が励起され、所定の色で発光する。つまり、発光している指標42を基準に矢印A方向の1つ下流側の指標42との間でロープ14に間隔閾値以上の伸びが発生している可能性があることを示すことができる。
蛍光物質は、例えば硫化物タイプや酸化物タイプがある。蛍光物質は、吸収した光の波長と異なる波長の光を放出する特性がある。通常、蛍光物質が放出する波長は、吸収した光よりも低エネルギーである。蛍光物質が、例えば、青色の光を吸収した場合、例えば緑色の光で発する。また、緑色の光を吸収した場合、例えば、赤色光を発する。したがって、発光部30は、測定部28が測定したロープ14の伸び状態に応じて異なる波長の光を指標42に照射することにより、ロープ14の伸びの程度に応じた識別可能な状態で、指標42を異なる色で発光させる(蛍光状態にさせる)ことができる。例えば、ロープ14の交換基準には到達していないが経過観察が必要な部分の指標42を緑色で発光させたり、早急にロープ14の交換を検討する必要がある部分の指標42を赤色で発光させたりすることができる。つまり、指標42は、ロープ14の伸びが発生している位置の通知と、ロープ14のメンテナンスの緊急性の程度の通知を行うことができる。
このように構成されるロープ伸び位置表示システム100の処理を、図8A、図8B、図8Cおよび図9のフローチャートに基づき説明する。
前述したように、ロープ伸び位置表示システム100によるロープ14の伸び測定および伸び位置の表示は、乗りかご16が一定の低速で運行される検査モードで実施される。エレベータ10の保守員は、検査モードを実行する場合、操作盤や操作端末(不図示)を操作して、エレベータ10の運行状態を通常運行モード(乗客を輸送可能な高速運行モード)から低速の検査モードに切り替える。このとき、各指標42を識別するための指標Noがn=1にセットされる(S100)。そして、図8Aに示されるように、巻上機20は、ロープ14の伸び測定の開始位置に乗りかご16を移動させて低速運転(例えば32m/min)を開始する(S102)。例えば、乗りかご16を最上階に移動させて、下降方向D1への移動を開始させる。すなわち、カウンターウエイト24は、上昇方向D2に移動を開始する。なお、S100において、乗りかご16を測定の開始位置に移動させる場合は、通所運行時の高速運転で移動させてもよい。
乗りかご16の低速運行が開始されると、測定部28はロープ14に対して測定光の照射を開始し、指標No:n(n=1)の指標42の反射光(nr)を検知する(S104)。そして、次の指標42である指標Noがn=n+1の反射光(nr+1)を検知したか否かの確認を行い(S106のNo)、反射光(nr+1)を確認した場合(S106のYes)、指標Noがnの指標42(例えば、図6Aの指標42−1)と指標Noがn+1の指標42(例えば、図6Bの指標42−2)との間の距離を算出する(S108)。したがって、例えば、S104〜S108が、ロープ伸び位置表示処理における測定ステップとなる。
測定部28は、指標Noがnの指標42と、指標Noがn+1の指標42との間の距離が、間隔閾値を超えたか否か、すなわち、伸び率が所定値を超えたか否かを判定する。そして、間隔閾値を超えている場合には(S110のYes)、発光部30は、指標Noがn+1の指標42に対して、所定の周波数の光を照射(発光)する(S112)。つまり、指標Noがn+1の指標42の蛍光物質を励起させて、図8Bに示されるように、対応する指標42(指標42f:指標No=n+1)を発光(蛍光)させる。したがって、例えば、S110、S112が、ロープ伸び位置表示処理における発光ステップとなる。なお、S110において、指標Noがnの指標42と、指標Noがn+1の指標42との間の距離が、間隔閾値以下の場合(S110のNo)、S112の処理をスキップする。
続いて、指標42を識別するための指標Noをn=n+1とし(S114)、乗りかご16が停止したか否か確認する(S116)。すなわち、乗りかご16が検査位置(例えば、最下階)にて停止したか否かを確認する。乗りかご16が停止していない場合、すなわち、最上階から最下階に向けて移動中の場合(S116のNo)、S106に移行し、次の指標42(例えば、図6Bの指標42−3)を検知したか否か確認するS106以降の処理を実行する。つまり、乗りかご16が最下階に到達して停止するまで、指標42の検出を繰り返すともに、隣り合う指標42の距離を測定し、測定部28を通過するロープ14において間隔閾値を超えている部分が存在するか否か判定する。そして、間隔閾値を超えている部分が存在する位置を示す指標42の蛍光物質を励起させ発光(蛍光)させる。
上述のように、最上階から最下階までの測定部28によるロープ14の伸び測定および間隔閾値以上の伸びが認められた場合に発光部30による指標42の発光処理が完了したら、図8Cに示されるように、保守員Wは、例えば乗りかご16のかご上に乗込み、指標42の発光位置を目視で確認する。前述したように、指標42の励起された蛍光物質は、数分〜十数分間発光するので、昇降路12内で発光している指標42(指標42f)の発見は容易である。発光している指標42を発見した保守員Wは、乗りかご16を停止させ、発光している指標42と隣り合う指標42との間の距離を、例えば、測定工具を用いて実測して、伸び状態の確認を行い、ロープ14の状態確認や対応を決定する。図8Cの場合、発光している指標42fを基準に隣の指標42間の領域Sが、間隔閾値を超えて伸びているロープ14の部分であることが確認できる。発光している指標42が複数存在する場合、その都度、乗りかご16を停止させ、指標42間の距離を実測確認する。なお、保守員Wが乗りかご16のかご上に乗込み、指標42の発光位置を目視で確認する作業を行うタイミングで、間隔閾値を超えて伸びているロープ14の部分に対応する指標42に発光部30の光を照射して、発光強度を高めるようにしてもよい。
このように、本実施形態のロープ伸び位置表示システム100によれば、ロープ14の伸びが発生している位置を容易かつ迅速に保守員W等に認識させることができる。その結果、保守作業の効率化が図れる。
なお、測定部28は、ロープ14の長手方向の伸び状態が間隔閾値を超えた場合に、ロープ伸び報知を外部システムに出力するようにしてもよい。ロープ14の検査頻度は、例えば、1年に1回とすることができる。したがって、保守員Wがロープ検査を行うタイミングで検査モードを実行して、効率的な検査を実行することができる。他の実施形態では、例えば、エレベータ10の遠隔監視項目にロープ14の伸び検査を含め、例えば、1月に一回、測定部28による自動測定を行い、ロープ14の長手方向の伸び状態が間隔閾値を超えた指標42の位置を記憶部等に記憶しておき、エレベータ10の定期点検時(例えば、3ヶ月に1回の定期点検時)に、間隔閾値を超えている記憶した指標42を発光部30によって発光(蛍光)させるようにしてもよい。また、定期点検のタイミングに拘わらず、ロープ14の長手方向の伸び状態が間隔閾値を超えた場合には、管理センタ等に警報を出力して、ロープ14の点検を促すようにしてもよい。
図10および図11は、実施形態のロープ伸び位置表示システム100における測定部28、発光部30の配置バリエーションを示す例示的かつ模式的な図である。図1に示す例の場合、昇降路12の上部の巻上機20のカバー40に測定部28および発光部30を設置している。測定部28と発光部30とは、ロープ14の巻上機20の近傍と、乗りかご16の近傍と、乗りかご16に対してトラクションシーブ22を挟んで接続されるカウンターウエイト24の近傍のうち、少なくとも一箇所に配置されてもよい。例えば、図10に示されるように、乗りかご16のかごシーブ18の近傍に測定部28および発光部30を設置してもよい。測定部28および発光部30は、乗りかご16に設けられたブラケット(不図示)に固定することができる。同様に、図11に示されるように、カウンターウエイト24のカウンターシーブ26の近傍に測定部28および発光部30を設置してもよい。測定部28および発光部30は、カウンターウエイト24に設けられたブラケット(不図示)に固定することができる。特に、昇降路12の長さが長い(昇降行程が長い建物)の場合、昇降路12の上部(頂部)位置で発光部30によって指標42が発光(蛍光)状態になった場合、指標42の蛍光物質の励起が時間経過に伴い減衰し発光が弱まったり、納まってしまったりする場合がある。つまり、伸びが間隔閾値を超えたことを示す指標42が視認可能となる位置に保守員Wの乗った乗りかご16が移動したとしても、該当する指標42の判別がし難くなってしまう場合がある。一方、図10や図11に示されるように、かごシーブ18やカウンターシーブ26の近傍に測定部28および発光部30を配置することにより、昇降行程の長い建物でも、昇降路12の上部のトラクションシーブ22近傍で伸び測定およびその結果に基づき指標42の発光が行われる場合より、短時間で発光している指標42に保守員Wの乗った乗りかご16が到達することができる。つまり、発光期間(蛍光期間)が短い比較的安価な蛍光物質を含む指標42の利用が可能となり、コストを軽減しつつ良好なロープ伸び位置表示システムを構築することができる。
また、他の実施形態では、測定部28と発光部30とを別の場所に設置してもよい。例えば、測定部28をトラクションシーブ22の近傍に設置し、発光部30をかごシーブ18やカウンターシーブ26の近傍に設置してもよい。発光部30をかごシーブ18やカウンターシーブ26の近傍に設置することにより、図10、図11で説明し例と同様に、昇降行程の長い建物でも、発光部30がトラクションシーブ22(昇降路12の最上部付近)に設置されている場合に比べて、短時間で発光している指標42に保守員Wの乗った乗りかご16が到達することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…エレベータ、12…昇降路、14…ロープ、16…乗りかご、18…かごシーブ、20…巻上機、22…トラクションシーブ、24…カウンターウエイト、26…カウンターシーブ、28…測定部、30…発光部、34…被覆層、36…表面、42…指標、100…ロープ伸び位置表示システム。

Claims (5)

  1. エレベータの乗りかごを昇降路に沿って昇降させるロープの長手方向に一定の間隔で付された指標を検出し、隣り合う前記指標の間隔と予め定められた間隔閾値とに基づき、前記ロープの長手方向の伸び状態を測定する測定部と、
    前記測定部の測定結果に基づき、前記ロープが前記間隔閾値を超えて伸びている位置を示す前記指標に光を照射して前記指標に含まれる蛍光物質を励起させて蛍光状態に移行させる発光部と、
    を備える、ロープ伸び位置表示システム。
  2. 前記測定部と前記発光部とは、前記ロープの巻上機の近傍と、前記乗りかごの近傍と、前記乗りかごに対してシーブを挟んで接続されるカウンターウエイトの近傍のうち、少なくとも一箇所に配置される、請求項1に記載のロープ伸び位置表示システム。
  3. 前記発光部は、前記ロープの伸び状態に応じて異なる波長の光を前記指標に照射する、請求項1または請求項2に記載のロープ伸び位置表示システム。
  4. 前記測定部は、前記ロープの長手方向の伸び状態が前記間隔閾値を超えた場合に、ロープ伸び報知を外部システムに出力する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロープ伸び位置表示システム。
  5. エレベータの乗りかごを昇降路に沿って昇降させるロープの長手方向に一定の間隔で付された指標を検出し、隣り合う前記指標の間隔と予め定められた間隔閾値とに基づき、前記ロープの長手方向の伸び状態を測定する測定ステップと、
    前記測定ステップの測定結果に基づき、前記ロープが前記間隔閾値を超えて伸びている位置を示す前記指標に光を照射して前記指標に含まれる蛍光物質を励起させて蛍光状態に移行させる発光ステップと、
    を含む、ロープ伸び位置表示方法。
JP2020002332A 2020-01-09 2020-01-09 ロープ伸び位置表示システム、およびロープ伸び位置表示方法 Active JP6834035B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020002332A JP6834035B1 (ja) 2020-01-09 2020-01-09 ロープ伸び位置表示システム、およびロープ伸び位置表示方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020002332A JP6834035B1 (ja) 2020-01-09 2020-01-09 ロープ伸び位置表示システム、およびロープ伸び位置表示方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6834035B1 JP6834035B1 (ja) 2021-02-24
JP2021109735A true JP2021109735A (ja) 2021-08-02

Family

ID=74661681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020002332A Active JP6834035B1 (ja) 2020-01-09 2020-01-09 ロープ伸び位置表示システム、およびロープ伸び位置表示方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6834035B1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005512921A (ja) * 2001-12-19 2005-05-12 オーチス エレベータ カンパニー 外面マーキング付き吊り上げベルト
JP2008056385A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータのロープマーキング装置及びその方法
JP2011051751A (ja) * 2009-09-03 2011-03-17 Toshiba Elevator Co Ltd ロープ検査治具
JP2015036319A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 東芝エレベータ株式会社 エレベータのメインロープ点検装置
JP2019077963A (ja) * 2017-10-25 2019-05-23 東芝テック株式会社 ロール状用紙および印字装置
JP2019137489A (ja) * 2018-02-08 2019-08-22 東芝エレベータ株式会社 エレベータ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005512921A (ja) * 2001-12-19 2005-05-12 オーチス エレベータ カンパニー 外面マーキング付き吊り上げベルト
JP2008056385A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータのロープマーキング装置及びその方法
JP2011051751A (ja) * 2009-09-03 2011-03-17 Toshiba Elevator Co Ltd ロープ検査治具
JP2015036319A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 東芝エレベータ株式会社 エレベータのメインロープ点検装置
JP2019077963A (ja) * 2017-10-25 2019-05-23 東芝テック株式会社 ロール状用紙および印字装置
JP2019137489A (ja) * 2018-02-08 2019-08-22 東芝エレベータ株式会社 エレベータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP6834035B1 (ja) 2021-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6271680B1 (ja) エレベータのロープ検査システム
CN110040604B (zh) 电梯带的磨损检测
JP6445657B1 (ja) エレベータのロープ検査システム
US11008702B2 (en) High-strength fiber rope for lifting devices such as cranes
JP4599024B2 (ja) サスペンションロープ摩耗検出器
US9643816B2 (en) Method and device for determining the replacement state of wear of a support means of an elevator
JP3896764B2 (ja) ロープの劣化状態判別方法、及びそれを用いたエレベータ
JP2015037997A (ja) ロープの劣化診断方法およびエレベータ装置
US11732410B2 (en) Device for adjusting the discard state detection of high-strength fiber ropes and lifting gear comprising such a device
JP6449376B2 (ja) エレベータ
JP4640907B2 (ja) エレベーター用合成繊維ロープ
EP3461779A1 (en) Rope deterioration detection
JP2020186101A (ja) エレベータのロープ検査システム
JP2001192183A (ja) 合成繊維ロープの劣化状態判別方法およびエレベータ
JP6958975B2 (ja) エレベータのロープ検査システム
EP2592033B1 (en) Elevator rope
JP2004075221A (ja) エレベータ
CN210505153U (zh) 电梯及电梯中的标记检测部
JP2019119555A (ja) エレベータのロープ検査システム
JP6834035B1 (ja) ロープ伸び位置表示システム、およびロープ伸び位置表示方法
JP5334868B2 (ja) エレベータ装置
JP6143834B1 (ja) エレベータ用ワイヤロープの検査治具および診断方法
JP2016060550A (ja) エレベーター用主索の寿命診断方法
EP1795483A1 (en) Elevator apparatus
CN110683440A (zh) 报告装置及报告方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6834035

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150