JP2021109371A - ストレッチャブルデバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シート状の機能層を含む部材に伸縮性を付与したストレッチャブルデバイス及びその製造方法の提供。【解決手段】 有機高分子膜の間に機能層を挟み込んだシート状の多層構造体を弾性体基板の主面上に与えたストレッチャブルデバイスである。多層構造体は、弾性体基板の主面と密着しつつその界面を周期的な凹凸形状とし、弾性体基板の主面に沿った変形に対して凹凸形状を平坦化させて追従する。かかるデバイスは、弾性体基板の上に多層構造体を与え、弾性体基板の主面に沿って1軸又は直交2軸方向に延伸し、多層構造体を弾性体基板の主面と密着させつつその機能を失わせることなく塑性変形を与え、延伸を解除することで、多層構造体と弾性体基板の界面に周期的な凹凸形状を与え、弾性体基板の主面に沿った変形に対して凹凸形状を平坦化させて追従するようにさせて製造される。【選択図】 図1

Description

本発明は、シート状の機能層を含む部材に伸縮性を付与したストレッチャブルデバイス及びその製造方法に関し、特に、複合化させることでシート状の機能層を含む部材に伸縮性を付与したストレッチャブルデバイス及びその製造方法に関する。
シート状の機能層を含む柔軟な可撓性部材に伸縮性を付与するには、界面活性剤やイオン液体などの添加材料を与える方法が提案されている。一方で、伸縮性を与えるための添加材料の付与と、可撓性部材の有する機能、例えば、導電性などとはトレードオフの関係にある場合が多く、伸縮性が付与される一方で、その機能が失われやすい。そこで、可撓性部材を他の材料と複合化させることでこれを達成しようとの試みがある。
例えば、特許文献1では、ウエアラブルデバイスに使用されて生体の激しい動きにも追従するストレッチャブル(伸縮性)電極について、生体に密着する金属製導電糸と導電性高分子とを複合化させることを開示している。導電性高分子が繊維構造物に含浸されたシート状の導電体の表面にステンレスなどからなる金属製導電糸が配置されるとともに、金属製導電糸が固定糸により導電体に固定され、金属製導電糸の平面視形状が屈曲部及び湾曲部のいずれか一方又は両方を含む形状であるとしている。金属製導電糸を導電体にしっかりと固定するとともに、金属製導電糸が直線状に導電体に固定されている場合に比べて伸縮性に優れており、使用時に生体が激しく動いてもその動きに追従でき、生体を締め付けることが抑制され、装着感に優れるとしている。
また、特許文献2では、可撓性(柔軟性)電極では、可撓性は確保されるものの、伸縮性に劣り、高伸長時に電気抵抗が増大し、繰返し伸縮時に電気抵抗にバラツキが生じることを述べた上で、エラストマー組成物からなる基材と一体化された電極本体に、繊維長さが50μm以上の多層カーボンナノチューブを複合化させた伸縮性電極を開示している。かかる伸縮性電極は、比較的長さの大きい多層カーボンナノチューブによって、柔軟性、伸縮性及び導電性に優れ、伸長時の電気抵抗の増大や、繰返し伸縮時に電気抵抗のバラツキの発生を抑制することができるとしている。
特開2019−33809号公報 特開2019−91717号公報
従来から織布においては、コンジュゲートヤーンなどを用いた伸縮性織布の如きが数多く提案されており、かかるヤーンに導電性繊維を用いることで容易に織布に導電性を与え得る。また、かかる導電性織布を弾性部材と複合化させることで、伸縮性を有するシート状の導電性部材を得ることも可能である。一方で、機能を有する材料によっては、繊維形状に加工することが困難であり、また、繊維形状への加工で機能を失ってしまうものも多い。そこで、繊維形状に加工することなく、機能を有するシート状の部材に伸縮性を付与することも求められる。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、複合化させることでシート状の機能層を含む部材に伸縮性を付与したストレッチャブルデバイス及びその製造方法を提供することにある。
本発明によるストレッチャブルデバイスは、有機高分子膜の間に機能層を挟み込んだシート状の多層構造体を弾性体基板の主面上に与えたストレッチャブルデバイスであって、前記多層構造体は、前記弾性体基板の前記主面と密着しつつその界面を周期的な凹凸形状とし、前記弾性体基板の前記主面に沿った変形に対して前記凹凸形状を平坦化させて追従することを特徴とする。
かかる特徴によれば、有機高分子膜で挟み込まれることで、機能層が塑性変形を与えられつつも機能を失うことなくシート状を維持し、且つ、周期的な凹凸形状の界面が変形を吸収して伸縮性を得られるのである。
上記した発明において、前記機能層は電極であることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、電極としての機能を失うことなく、周期的な凹凸形状の界面が変形を吸収して伸縮性を得られるのである。
上記した発明において、前記機能層は、銀ペースト又はPEDOT:PSS系導電性材料からなることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、伸縮性を有する電極を比較的容易に得ることができる。
上記した発明において、前記高分子膜は塑性変形を与えられ前記凹凸形状を形成していることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、機能を失わせることなく、周期的な凹凸形状の界面が変形を吸収して伸縮性を得られるのである。
上記した発明において、前記有機高分子膜は、パリレンからなることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、機能層がシート状を維持するため、周期的な凹凸形状の界面が変形を吸収して伸縮性を得られるのである。
上記した発明において、前記凹凸形状は前記弾性体基板の前記主面の1軸方向に沿った波形状であることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、機能層の機能を失わせることなく、波形状界面が1軸方向の変形を吸収して伸縮性を得られるのである。
上記した発明において、前記凹凸形状は前記弾性体基板の前記主面内の直行する2軸方向に沿った略複合波形状であることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、機能層の機能を失わせることなく、略複合波形状界面が2軸方向の変形を吸収して伸縮性を得られるのである。
また、本発明による製造方法は、有機高分子膜の間に機能層を挟み込んだシート状の多層構造体を弾性体基板の主面上に与えたストレッチャブルデバイスの製造方法であって、前記弾性体基板の上に前記多層構造体を与え、前記弾性体基板の前記主面に沿って1軸方向又は直交2軸方向に延伸し、前記多層構造体を前記弾性体基板の前記主面と密着させつつ前記機能層の機能を失わせることなく塑性変形を与え、前記延伸を解除することで、前記多層構造体と前記弾性体基板の界面に周期的な凹凸形状を与え、前記弾性体基板の前記主面に沿った変形に対して前記凹凸形状を平坦化させて追従するようにさせたことを特徴とする。
かかる特徴によれば、有機高分子膜で挟み込まれることで、機能層が塑性変形を与えられつつも機能を失うことなくシート状を維持し、且つ、周期的な凹凸形状の界面が変形を吸収して伸縮性を与えるストレッチャブルデバイスを与え得るのである。
上記した発明において、前記機能層は電極であることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、電極としての機能を失うことなく、周期的な凹凸形状の界面が変形を吸収して伸縮性を得られるのである。
上記した発明において、前記機能層は、銀ペースト又はPEDOT:PSS系導電性材料からなることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、伸縮性を有する電極を比較的容易に得られるのである。
上記した発明において、前記有機高分子膜は、パリレンからなることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、機能層がシート状を維持するため、周期的な凹凸形状の界面が変形を吸収して伸縮性を得られるのである。
上記した発明において、前記凹凸形状を前記弾性体基板の前記主面の1軸方向に沿った波形状とするように延伸することを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、波形状界面が1軸方向の変形を吸収して伸縮性を有するストレッチャブルデバイスを得られるのである。
上記した発明において、前記凹凸形状を前記弾性体基板の前記主面内の直行する2軸方向に沿った略複合波形状とするように延伸することを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、略複合波形状界面が2軸方向の変形を吸収して伸縮性を有するストレッチャブルデバイスを得られるのである。
本発明による1つの実施例であるストレッチャブルデバイスの側断面図である。 ストレッチャブルデバイスの製造方法の例を示す側面図である。 製造試験において延伸させたときの(a)2層及び(b)3層の多層構造体を用いたデバイスの(a1、b1)側面図、(a2、b2)表面写真(a3、b3)表面拡大写真である。 3層の多層構造体を用いたデバイスの延伸を解除したときの(a)表面の拡大写真、(b)表面のプロファイルの斜視図である。 2層及び3層の多層構造体を用いたデバイスの繰り返し伸縮させたときの電気抵抗値の比のグラフである。 2層及び3層の多層構造体を用いたデバイスの1回延伸による電気抵抗の変化率のグラフである。 製造試験に用いた発光デバイスの側断面図である。 発光デバイスの(a)電圧の印加前、(b)電圧を印加した状態、(c)電圧を印加しさらに延伸させた状態の外観写真である。 製造試験に用いた他の発光デバイスの側断面図である。 他の発光デバイスの(a)電圧を印加した状態、(b)電圧を印加して延伸させた状態の外観写真である。
以下に、本発明による1つの実施例であるストレッチャブルデバイス及びその製造方法について、図1及び図2を用いて説明する。
図1に示すように、ストレッチャブルデバイス10は、弾性体基板1の主面上に多層構造体2を備える。弾性体基板1としては、主面に沿った方向への伸縮性に富む材料を用いる。例えば、PDMS(ポリジメチルシロキサン)などを好適に用い得る。
ここで、多層構造体2は、可撓性を有するシート状体(膜状体)であり、弾性体基板1の主面に密着しつつ、その界面を周期的な凹凸形状としている。そして、この凹凸形状を平坦化させ又は険阻化させて、弾性体基板1の主面に沿った方向の変形に対し多層構造体2を追従させることができる。
例えば、図1(a)に示すように、周期的な凹凸形状として、紙面左右に延びる1軸方向に沿った波形状、すなわち、1軸方向に伸縮可能な蛇腹のごとき形状とすることができる。
この場合、図1(b)に示すように、弾性体基板1を左右方向に延伸させたときに、多層構造体2は波形状を平坦化させて弾性体基板1の変形に追従する。逆に、弾性体基板1を左右方向に短縮したときに波形状を険阻化させて追従する(同図(b)→(a))。このように、周期的な凹凸形状の界面が弾性体基板1の変形を吸収することでストレッチャブルデバイス10全体としての伸縮性を確保できる。
つまり、多層構造体2は可撓性を有し、弾性体基板1の変形に追従するための撓み変形においてその機能を失わないものである。そこで、多層構造体2としては、所定の機能を有する機能層22を有機高分子膜21及び23の間に挟み込んだ構造とされる。このような構造とすることで、可撓性を有する有機高分子膜21及び23で挟まれた機能層22は、主面に沿った方向の塑性変形を与えられても機能を失うことなくシート状を維持できる。後述する製造方法によれば、このような塑性変形に対して機能を失わないようにし得るとともに、上記した周期的な凹凸形状を比較的簡単に付与できる。
ここで、機能層22を構成する材料としては、上記したように有機高分子膜21及び23の間に挟み込まれることで、主面に沿った方向の塑性変形に対しても機能を失わないものである。例えば、PEDOT:PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホン酸)系導電性材料も機能層22として好適に用い得る。また、粉体やペースト状体など、流動しやすい材料であっても有機高分子膜21及び23の間に挟み込まれることで塑性変形に対して機能を維持し得て好ましい。例えば、銀ペーストを機能層22に用いることも好適である。PEDOT:PSSや銀ペーストを機能層22に用いると、有機高分子膜21及び23で挟み込まれたことで、例えば、その塑性変形に対しても導電性という機能を失わず、かかる機能層22又はこれを含む多層構造体2を電極として好適に用いることができる。
また、有機高分子膜21及び23としては、上記したような凹凸形状を平坦化させ又は険阻化させつつ多層構造体2のシート状の形状を維持するような可撓性を有する材料を用いる。例えば、パラキシリレン系ポリマーであるパリレンを用いることもできる(「パリレン」は登録商標)。これによれば、機能層2のシート形状の維持を容易として好ましい。特に、パリレンは、後述するような主面に沿った方向に延伸させて塑性変形させる製造方法によっても、多層構造体2のシート状又は膜状の形状を維持するとともに十分な可撓性を維持できて好ましい。
なお、上記した周期的な凹凸形状としては、弾性体基板1の主面内の直行する2軸方向に沿った略複合波形状とすることもできる。つまり、上記したストレッチャブルデバイス10に対して、さらに紙面に垂直な方向にも波形形状を有するように多層構造体2を撓ませる。これによって得たストレッチャブルデバイスであれば、多層構造体の機能性を維持しつつ、略複合波形状界面が2軸方向の変形を吸収して伸縮性を得られることになる。つまり、弾性体基板の主面に沿ったあらゆる方向に伸縮可能とし得る。
このようなストレッチャブルデバイス10は、例えば以下のような方法で製造できる。
まず、図2(a)に示すように、弾性体基板1の主面上に有機高分子膜21、機能層22、有機高分子膜23を順に積層させるよう成膜し、弾性体基板1の主面に多層構造体2を密着させるようにして配置する。
次いで、図2(b)に示すように、弾性体基板1を主面に沿った1軸方向又は主面に沿った直行する2軸方向に延伸させる。すると、弾性体基板1に密着する多層構造体2もこれに追従するように延伸されて塑性変形する。このとき、多層構造体2は、含まれる機能層22の機能を失わせることのない範囲で変形される。つまり、多層構造体2は、塑性変形の後でも有機高分子膜21及び23によってシート状を維持されることで機能層22の機能を維持できる。
さらに、図2(c)に示すように、弾性体基板1の延伸を解除すると、多層構造体2は、塑性変形にて延伸したため、弾性体基板1の主面に密着したまま弾性体基板1との界面に周期的な凹凸形状を付与することになる。これによって、ストレッチャブルデバイス10を得ることができる。なお、上記したように1軸方向に延伸して多層構造体2を組成変形させた上でその延伸を解除すれば、1軸方向に沿った波形状を得ることができる。また、直行する2軸方向に延伸して多層構造体2を塑性変形させてその延伸を解除すれば、2軸方向に沿った略複合波形状を得ることができる。
なお、ストレッチャブルデバイス10は、予め蛇腹形状にさせた多層構造体2上に弾性体基板1の代わりとなるシート状の弾性体を成形するなど、多層構造体2に塑性変形を与えない製造方法によって得ることも可能である。
次に、実際に上記したストレッチャブルデバイスと同様のデバイスを製造した製造試験の結果について図3乃至図10を用いて説明する。
[製造試験1]
図3に示すように、多層構造体の代わりに機能層22と有機高分子膜21との2層の構造体を弾性体基板1に積層させたデバイス10’((a1)〜(a3)、以降、「2層のデバイス」と称する。)と、上記したように有機高分子膜21、23で機能層22を挟み込んだ3層の多層構造体2を弾性体基板1に積層させたストレッチャブルデバイス10((b1)〜(b3)、以降、「3層のデバイス」と称する。)と、を比較した。
まず、有機高分子膜としてパリレン、機能層としてPEDOT:PSSをそれぞれ用いて上記したような2層の構造体2’及び3層の多層構造体2を得た上で、PDMSを用いた弾性体基板1と積層させ、積層体とした。積層体のそれぞれは、幅2cmとして、長さ方向の両端を治具で固定して治具の間の長さを2cmとなるようにした。ここで、長さを75%増加させるよう治具の間隔を広げて紙面略左右方向に延伸させ、そのまま両者の表面を観察した。2層のデバイスの場合、表面の機能層に亀裂を生じた(特に(a3)を参照)。3層のデバイスの場合、このような亀裂は生じなかった(特に(b3)を参照)。
さらに、図4に示すように、3層のデバイスの延伸を解除した場合、弾性体基板1と多層構造体2との界面に延伸方向に沿った波形の周期的な凹凸形状を生じた。つまり、弾性体基板1の収縮は多層構造体2の波形への形状変化によって吸収された。なお、再度、延伸させた場合に、弾性体基板1と多層構造体2との界面の波形は平坦化されて、多層構造体2を弾性体基板1の延伸へ追従させることも確認された。
[製造試験2]
製造試験1と同じ2層の構造体2’及び3層の多層構造体2を弾性体基板1と積層させてデバイスを作製し、幅3cmとして上記と同様に長さ方向の両端を治具で固定して治具の間の長さを2cmとなるようにした。それぞれのデバイスに対して2cmから50%増加させた長さとなるよう治具の間隔を広げて延伸率50%まで延伸させ、2cmから20%増加させた長さとなるよう延伸率20%まで縮小させる伸縮を繰り返し行った。そして、それぞれのデバイスの治具間の電気抵抗値(以下、抵抗値と称する。)を測定した。
図5に示すように、初期の延伸時に測定した抵抗値に対する抵抗値の比を伸縮の繰り返し数に対して記録した。その結果、2層のデバイスの場合(A)、伸縮の繰り返し1000回で抵抗値を25%増加させ、繰り返し4000回で抵抗値を80%増加させた。これに対し、3層のデバイスの場合(B)、繰り返し1000回で抵抗値を1%増加させ、繰り返し4000回で抵抗値を8%増加させるに止まった。つまり、3層のデバイスでは伸縮によって機能(導電性)を失わないが、2層のデバイスでは伸縮の繰り返しで機能(導電性)を失ってしまうことが判った。なお、延伸率20%と50%との間の伸縮における抵抗値の変化は2層のデバイスで約10%であるのに対し、3層のデバイスでは約5%と小さかった。
[製造試験3]
図6に示すように、上記と同じ2層及び3層のデバイスを製作し、1回の延伸における抵抗値の変化を調べた。詳細には、長さを1.5倍増加させるまで、つまり延伸率を150%として元の長さの250%の長さとなるまで延伸させ、その間の抵抗値の変化率を記録した。2層のデバイスの場合(A)に比べて3層のデバイスの場合(B)の方が抵抗値の変化率を小さくできることが判った。つまり、1回の延伸であっても、機能(導電性)の維持に関しては3層の方が優れていた。
[製造試験4]
上記と同様に、2層及び3層のデバイスを作製し比較したが、ここでは機能層に銀ペーストを用いた。すなわち、PDMSからなる弾性体基板に有機高分子膜としてパリレンを厚さ約1μmで成膜し、さらにその上に銀ペーストを厚さ約2μmで成膜した。これを上記と同様に2層のデバイスとし、さらにその上に有機高分子膜としてパリレンを厚さ約1μmで成膜したものを3層のデバイスとし、それぞれのデバイスを幅3mmに成形した。
これらのデバイスの長さ方向の両端を治具で固定して治具間の長さを2cmとした。治具同士を離間させてデバイスを延伸させ、それぞれのデバイスの導通を調べた。2層のデバイスでは50%の延伸で導通を得られなくなったのに対し、3層のデバイスでは75%の延伸でも導通を維持することができた。つまり、機能層として銀ペーストを用いた場合でも、3層の多層構造体を用いることで、延伸に対して導電性という機能を失わないストレッチャブルデバイスを得られることが判った。なお、この3層のデバイスについて、伸縮を繰り返した場合に導通を維持できることも確認された。
[製造試験5]
図7に示すように、ストレッチャブルデバイスとして交流電界で発光する発光デバイス11を製作した。多層構造体2は、上記と同じくPEDOT:PSSを用いた機能層22をパリレンによる有機高分子膜21及び23(図1、図2参照)で挟み込んで3層とした。一方、弾性体基板1’には、無機EL粒子(Sylvania社製:728 Green EL phosphor)19をPDMSに混ぜ込んで分散配置させたものを使用した。そして、弾性体基板1’の両面に多層構造体2を電極として配置することで発光デバイス11とした。つまり、導電性を機能とする機能層22を含む多層構造体2による2枚の電極で、発光を機能とする無機EL粒子を混ぜ込んだ弾性体基板1’を挟んだ構造である。
図8(a)に示すように、発光デバイス11の長さ方向両端を治具で固定し、両面の多層構造体2を交流電源と接続させた。
そして、図8(b)に示すように、発光デバイス11の両面の多層構造体2からなる電極の間に周波数30kHz、電圧1.2kVの高周波電圧を印加したところ、発光デバイス11の発光が確認された。
さらに、図8(c)に示すように、上記した電圧を印加させたまま、治具同士の間の距離を100%増加させたところ、発光を維持していた。なお、この発光デバイス11は、曲げや捩りを加えられても同様に発光することが確認された。つまり、無機EL粒子をまぜ込んだ弾性体基板1’による発光は維持されて、特に、機能層22を含む多層構造体2における導電性という機能も維持されたのである。
また、図9に示すように、同様の発光デバイス11’において、片側の電極である多層構造体2の一部を切除するようパターニングを施して除去部2aを設けた。パターニングにはプラズマを用いた。
その結果、図10(a)及び(b)に示すように、高周波電圧を印加したところパターニングされた除去部2aを残して、他の部分を発光させることができ、延伸させても同様の発光を維持できた。
他方、弾性体基板1’上に多層構造体を積層させるときにパターニングを施すこともできる。すなわち、弾性体基板1’上に有機高分子膜21を成膜し、その上にPEDOT:PSSを所望のパターンで反転印刷して機能層22とする(図1、図2参照)。例えば、機能層22として配線パターンを形成させることができた。そして、その上に有機高分子膜23を成膜することで内部に配線パターンを有する多層構造体を形成できた。これによって得られる伸縮可能な発光デバイスをさらに高機能化させ得る。
ここまで本発明による代表的実施例及びこれに基づく改変例について説明したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。当業者であれば、添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、種々の代替実施例を見出すことができるだろう。例えば、弾性体基板としてPDMSにCaCl溶液を混合したものを用いることで伸縮可能な湿度センサを得ることができる。
1 弾性体基板
2 多層構造体
10 ストレッチャブルデバイス
21、23 有機高分子膜
22 機能層

Claims (13)

  1. 有機高分子膜の間に機能層を挟み込んだシート状の多層構造体を弾性体基板の主面上に与えたストレッチャブルデバイスであって、
    前記多層構造体は、前記弾性体基板の前記主面と密着しつつその界面を周期的な凹凸形状とし、前記弾性体基板の前記主面に沿った変形に対して前記凹凸形状を平坦化させて追従することを特徴とするストレッチャブルデバイス。
  2. 前記機能層は電極であることを特徴とする請求項1記載のストレッチャブルデバイス。
  3. 前記機能層は、銀ペースト又はPEDOT:PSS系導電性材料からなることを特徴とする請求項2記載のストレッチャブルデバイス。
  4. 前記有機高分子膜は塑性変形を与えられ前記凹凸形状を形成していることを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載のストレッチャブルデバイス。
  5. 前記有機高分子膜は、パリレンからなることを特徴とする請求項4記載のストレッチャブルデバイス。
  6. 前記凹凸形状は前記弾性体基板の前記主面の1軸方向に沿った波形状であることを特徴とする請求項4又は5に記載のストレッチャブルデバイス。
  7. 前記凹凸形状は前記弾性体基板の前記主面内の直行する2軸方向に沿った略複合波形状であることを特徴とする請求項4又は5に記載のストレッチャブルデバイス。
  8. 有機高分子膜の間に機能層を挟み込んだシート状の多層構造体を弾性体基板の主面上に与えたストレッチャブルデバイスの製造方法であって、
    前記弾性体基板の上に前記多層構造体を与え、
    前記弾性体基板の前記主面に沿って1軸方向又は直交2軸方向に延伸し、前記多層構造体を前記弾性体基板の前記主面と密着させつつ前記機能層の機能を失わせることなく塑性変形を与え、前記延伸を解除することで、前記多層構造体と前記弾性体基板の界面に周期的な凹凸形状を与え、前記弾性体基板の前記主面に沿った変形に対して前記凹凸形状を平坦化させて追従するようにさせたことを特徴とするストレッチャブルデバイスの製造方法。
  9. 前記機能層は電極であることを特徴とする請求項8記載のストレッチャブルデバイスの製造方法。
  10. 前記機能層は、銀ペースト又はPEDOT:PSS系導電性材料からなることを特徴とする請求項9記載のストレッチャブルデバイスの製造方法。
  11. 前記有機高分子膜は、パリレンからなることを特徴とする請求項10記載のストレッチャブルデバイスの製造方法。
  12. 前記凹凸形状を前記弾性体基板の前記主面の1軸方向に沿った波形状とするように延伸することを特徴とする請求項11記載のストレッチャブルデバイスの製造方法。
  13. 前記凹凸形状を前記弾性体基板の前記主面内の直行する2軸方向に沿った略複合波形状とするように延伸することを特徴とする請求項11記載のストレッチャブルデバイスの製造方法。
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JP2016076484A (ja) * 2014-10-02 2016-05-12 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. ストレッチャブル/フォールダブル光電子素子及びその製造方法、並びに該光電子素子を含む装置
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