JP2021107804A - ディスプレイmtf測定装置およびそのプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
一方、ディスプレイの画素構造は、従来のRGBストライプだけではなく、ペンタイル、RGBW、RGB原色以外の光学カラーチャンネルを有したマルチ・クロマティックディスプレイ等、様々な新しいテクノロジが普及してきている。また、従来のRGBストライプは、その3つの光学カラーチャンネルのセットで一画素を構成しているが、マルチ・クロマティックディスプレイでは、必ずしもそれぞれの画素にRGBとその他の光学カラーチャンネルが揃って一画素を構成しておらず、画素の単位が曖昧な場合があり、4K、8Kといった画素数が同じディスプレイであっても、空間解像度特性が異なり得る。
そのため、ピクセル解像度でディスプレイの空間解像度特性を代表させることは適切ではなくなってきている。
そこで、ピクセル解像度(画素数)ではなく、客観的で正確なディスプレイの空間解像度特性を測定する方法が求められている。
このディスプレイの変調度を測定する従来手法は、図22(a)に示すように、水平方向または垂直方向に白黒の矩形波のパターンPをディスプレイに表示し、カメラで撮影する。なお、図22(a)は、画素構造の例としてRGBWの構造を示し、1画素ごとに白黒を表した水平方向の矩形波のパターンPを表示した例を示している。
そして、従来手法は、カメラで撮影した画像から、図22(b)に示すように、横軸をカメラ画素位置(水平方向または垂直方向)、縦軸を輝度(画素値)とした、サブピクセル単位の位置の輝度(図22(b)中、実線)に1画素幅の平滑化フィルタをかけて(図22(b)中、破線)変調度を測定している。
この場合、従来手法は、水平方向または垂直方向でしか変調度を測定することができないという問題がある。
しかし、実際にディスプレイに表示される画像は、水平方向や垂直方向に限定されず、斜め方向の線も多用され、その特性を把握することが望まれている。
そして、ディスプレイMTF測定装置は、ROI画像抽出手段によって、撮影画像から、直線のラインを含んで設定された関心領域のROI画像を抽出する。
そして、ディスプレイMTF測定装置は、ライン投影情報生成手段によって、カメラの出力信号に基づいた画素幅よりも狭いビンが水平に配置されたサブピクセル間隔の投影軸に、直線のラインの傾きに沿ってROI画像の各画素の位置を対応付けてライン投影情報を生成する。
そして、ディスプレイMTF測定装置は、線広がり関数生成手段によって、ROI画像の各画素の画素値を、ライン投影情報で対応付けられた投影軸のビンごとに平均化する。この投影軸上において平均化された画素値は、撮影画像における直線のラインの広がり特性を示す、投影軸のサブピクセル単位の座標系における線広がり関数となる。
そこで、ディスプレイMTF測定装置は、MTF補正手段によって、ディスプレイおよびカメラの空間周波数比と、カメラのMTFであるカメラMTFとにより、測定MTFを補正する。
これによって、MTF補正手段は、測定MTFの空間周波数を、ディスプレイの空間周波数に変換するとともに、カメラのMTF分減衰した値を持ち上げたディスプレイMTFを算出する。
本発明によれば、ディスプレイに表示するラインに垂直な空間周波数方向のディスプレイMTFを測定することができる。
また、本発明によれば、ディスプレイのサブピクセル配列の種類によらずディスプレイMTFを測定することができる。
[ディスプレイMTF測定装置の構成]
最初に、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るディスプレイMTF測定装置1の構成について説明する。
ディスプレイMTF測定装置1は、ディスプレイ2の空間周波数特性を表すMTF(以下、ディスプレイMTF)を測定するものである。
ディスプレイMTF測定装置1は、ディスプレイ2、カメラ3および表示装置4を接続して動作する。
カメラ3は、相対画素倍率1以上でディスプレイ2の画面を撮影する。ここで、相対画素倍率とは、カメラ3で撮影されるディスプレイ2の入力信号フォーマットの1画素幅分に対応するカメラ出力信号の画素数である。
この相対画素倍率は、特に限定するものではないが、例えば、3倍、10倍、30倍等である。なお、この相対画素倍率は1倍、すなわち、ディスプレイ2の空間周波数とカメラ3の空間周波数とが同じであっても構わない。
また、カメラ3は、ディスプレイ2と正対させるとともに、カメラ3が撮影する画像が、ディスプレイ2が表示する画像に対して数度(例えば、3度)傾いた状態で配置する。
以下、ディスプレイMTF測定装置1の構成について詳細に説明する。
なお、画像入力手段11は、カメラ3がビデオカメラの場合、逐次入力される撮影画像(フレーム)を予め定めたフレーム数ごとに加算平均することが好ましい。
画像入力手段11は、入力した撮影画像を、図示を省略したメモリに記憶する。
なお、ディスプレイ2とカメラ3との空間周波数の違いにより、図4に示すように、撮影画像Gには、直線のラインLが、複数画素のライン幅で撮影される。
画像入力手段11が入力しメモリに記憶した撮影画像は、図示を省略した画像出力手段を介して表示装置4に出力されるとともに、ROI画像抽出手段13によって読み出される。
なお、ROI設定手段12によるROIの設定は、ROIを変更する必要がなければ、一度の設定でよい。
ROI設定手段12は、設定したROIを特定するROI情報をROI画像抽出手段13に出力する。
ROI画像抽出手段13は、抽出したROI画像をライン投影情報生成手段14に出力する。
また、ROI画像抽出手段13は、ライン投影情報生成手段14におけるライン投影情報の生成の完了後、ROI画像を線広がり関数生成手段16に出力する。
ここでは、ROI画像抽出手段13は、ROI画像をライン投影情報生成手段14に出力し、ライン投影情報生成手段14からライン投影情報の生成の完了通知を入力した後に、ROI画像を線広がり関数生成手段16に出力する。
ライン投影情報生成手段14は、ライン傾き検出手段14aと、画素位置投影手段14bと、を備える。
このラインの傾き角度は、一般的な手法で求めることができる。例えば、ライン傾き検出手段14aは、ROI画像Rにおいて、Sobelエッジ検出によりエッジを検出し、図5に示すように、ROI画像Rをエッジeの境界で2値化して2値画像を生成する。そして、ライン傾き検出手段14aは、2値画像のROI画像Rをハフ(Hough)変換し、エッジeの傾き角度θeを、ラインLの傾き角度として検出する。このとき、ライン傾き検出手段14aは、例えば、0.1度程度の角度間隔でエッジeの傾き角度θeを求める。
ライン傾き検出手段14aは、検出したラインの傾き角度を画素位置投影手段14bに出力する。
なお、投影軸は、ROI画像の画素単位よりも小さいサブピクセル単位とし、例えば、1画素の1/4や1/8とする。
具体的には、画素位置投影手段14bは、図6に示すように、ROI画像Rの各画素位置(x,y)を、ラインの傾き角度(エッジeの傾き角度θe)の回転方向と逆方向の傾き角度(−θe)だけ、予め定めた回転中心(例えば、ROI画像の画素のxy座標の平均値)で回転させる。
そして、画素位置投影手段14bは、ROI画像Rの回転前の各画素位置(x,y)と、画素を投影したサブピクセル単位の投影軸のサブピクセル幅で区切られたビンの位置とを対応付けることで、ライン投影情報を生成する。
画素位置投影手段14bは、生成したライン投影情報をライン投影情報記憶手段15に記憶する。
なお、ライン投影情報生成手段14は、画素位置投影手段14bがライン投影情報をライン投影情報記憶手段15に記憶した後、ライン投影情報の生成の完了通知をROI画像抽出手段13に出力する。
ライン投影情報記憶手段15に記憶されたライン投影情報は、線広がり関数生成手段16によって参照される。
具体的には、線広がり関数生成手段16は、図7に示すように、ライン投影情報記憶手段15に記憶されているライン投影情報に基づいて、ROI画像抽出手段13で抽出されたROI画像から、投影軸の同じビンに投影される画素の画素値を読み出し、ビンごとに平均化する。
これによって、線広がり関数生成手段16は、投影軸のサブピクセル位置と画素値とを対応付けた、ラインの特性を示す線広がり関数LSFを生成することができる。
線広がり関数生成手段16は、生成した線広がり関数をMTF算出手段17に出力する。
具体的には、MTF算出手段17は、線広がり関数をフーリエ変換して絶対値を求め、定数成分(DC成分)で正規化することで、空間周波数ごとのMTFの値を求める。
なお、MTF算出手段17で求められるMTF(測定MTF)は、ディスプレイ2のMTF(ディスプレイMTF)に対して、さらに、カメラ3のMTF(カメラMTF)が重畳されている。
MTF算出手段17は、算出した測定MTFをMTF補正手段19に出力する。
カメラMTFは、空間周波数ごとにMTFの値が対応付けられたデータである。
このカメラMTF記憶手段18に予め記憶するカメラMTFは、既知のカメラ用のMTF測定装置によって予め測定されたものを用いることができる。既知のカメラ用のMTF測定装置は、例えば、特開2018−136222、特開2018−013416、特開2015−094701等に開示されている。
なお、ディスプレイ2およびカメラ3の空間周波数比(例えば、サンプリング周波数の比)は、予め既知の情報として外部から設定されるものとする。この空間周波数比は、ディスプレイ2およびカメラ3のそれぞれの画素サイズと、カメラ3の倍率とから求めることができる。なお、カメラ3の倍率は、カメラ3のレンズの焦点距離と被写体距離とから求めることができる。
空間周波数fにおける測定MTFの値をMTFDISP+CAM(f)、カメラMTFの値をMTFCAM(f)、カメラ3の空間周波数に対するディスプレイ2の空間周波数の倍率である空間周波数比をm(m=fSDISP/fSCAM)とする。ここで、fSDISPはディスプレイ2のサンプリング周波数、fSCAMはカメラ3のサンプリング周波数を示す。
そこで、MTFDISP+CAM(f)は、ローパスフィルタがかかった実際の測定MTFであるMTFDISP+CAM+binning(f)を、以下の式(1)により補正したものとする。
これによって、MTF補正手段19は、ディスプレイMTFを求めることができる。
MTF補正手段19は、補正後のディスプレイMTFを、測定結果として外部(表示装置4)に出力する。
また、ディスプレイMTF測定装置1は、ディスプレイ2に表示したラインの傾きから線広がり関数を求めるため、画素構造に関係なくディスプレイMTFを測定することができる。
なお、ディスプレイMTF測定装置1は、コンピュータを前記した各手段として機能させるためのプログラム(ディスプレイMTF測定プログラム)で動作させることができる。
次に、図10を参照(構成については、図1参照)して、ディスプレイMTF測定装置1の動作について説明する。
なお、カメラMTF記憶手段18には、予め測定したカメラ3のMTF(カメラMTF)が記憶されているものとする。また、ディスプレイ2とカメラ3との空間周波数比は、既知であって、外部から入力されるものとする。
ステップS2において、画像入力手段11は、カメラ3で撮影した画像(撮影画像)を入力する。なお、このとき、カメラ3は、ディスプレイ2が表示する垂直のラインに対して、数度傾いた状態で撮影を行う。
ステップS4において、ROI画像抽出手段13は、ステップS2で入力した撮影画像から、ステップS3で設定されたROIの画像(ROI画像)を抽出する。
ステップS8において、線広がり関数生成手段16は、ステップS4で抽出されたROI画像から線広がり関数(LSF)を生成する。ここでは、線広がり関数生成手段16は、ライン投影情報記憶手段15に記憶されているライン投影情報に基づいて、ROI画像から、投影軸の同じサブピクセルのビンに投影される画素の画素値を読み出し、ビンごとに平均化することで、線広がり関数を生成する(図7参照)。
以上の動作によって、ディスプレイMTF測定装置1は、ディスプレイ2に表示した垂直のラインによって、ディスプレイMTFを測定することができる。
次に、図11を参照して、本発明の第2実施形態に係るディスプレイMTF測定装置1Bの構成について説明する。
ディスプレイMTF測定装置1Bは、ディスプレイMTF測定装置1(図1)と同様、ディスプレイ2のMTF(ディスプレイMTF)を測定するものである。
ディスプレイMTF測定装置1(図1)は、ライン投影情報生成手段14のライン傾き検出手段14aにおいて、0.1度程度の角度間隔で、ハフ変換によりラインの傾き角度を検出するのに対し、ディスプレイMTF測定装置1Bは、さらに、ラインの傾き角度を精度よく検出する構成とした。
ライン投影情報生成手段14B以外の構成は、ディスプレイMTF測定装置1(図1)と同じ構成であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
ライン投影情報生成手段14Bは、ライン傾き検出手段14aと、第2ライン傾き検出手段14a2と、画素位置投影手段14b2と、を備える。
ライン傾き検出手段14aは、検出したラインの傾き角度を第2ライン傾き検出手段14a2に出力する。
図13(a)は、ピークフィッティング関数に用いるピーク関数の例を示すグラフである。横軸はx座標、縦軸は関数値vを示す。ピークフィッティング関数は、ピーク位置(x=p1)で凸形状となるピーク関数である。例えば、このピーク関数は、ガウス関数、ローレンツ関数等である。あるいは、凸部分に余弦曲線、2次曲線、三角波等を用い、他の部分を“0”等の定数とする関数を用いてもよい。
図13(b)は、図13(a)のピークフィッティング関数を、基準軸(y軸)方向に適用して算出される関数値v(x,y)の分布を示す。
そこで、第2ライン傾き検出手段14a2は、ピーク位置p1の基準軸(y軸)に対する傾きp2を求めることで、より正確なラインの傾き角度θe′を算出する。なお、図13(c)中、μは(p1+p2y)を示す。
以下、ピークフィッティング関数として、以下の式(3)に示す関数とする。
第2ライン傾き検出手段14a2は、図12に示した回転ROI画像の画素値と、前記式(3)の関数値v(x,y)との相関が最大になるパラメータp1,p2を探索する。
例えば、図14に示すように、前記式(3)の関数を、回転ROI画像のラインLにフィッティングさせる場合、フィッティングのばらつきを防止するため、関数の半値全幅(FWHM:Full Width at Half Maximum)が、ラインLの幅の画素数に相当することが好ましい。なお、半値全幅(FWHM)は、必ずしもラインLの幅の画素数と一致する必要はなく、ラインLの幅の画素数に近似した値であることが好ましい。
そこで、前記式(3)のσは、例えば、ディスプレイ2の空間周波数に対するカメラ3の空間周波数の倍率、すなわち、ディスプレイ2の1画素の幅に相当するカメラ3の画素数である相対画素倍率をmとしたとき、例えば、m/3とする。なお、図14中、μは前記式2の(p1+p2y)を示す。
これによって、第2ライン傾き検出手段14a2は、精度よくp1,p2を探索することができる。
そして、画素位置投影手段14b2は、ROI画像Rの回転前の各画素位置(x,y)と、補正回転ROI画像の画素を垂直方向に投影したサブピクセル単位の投影軸のサブピクセル幅で区切られたビンの位置とを対応付けることで、ライン投影情報を生成する。
なお、画素位置投影手段14b2は、ROI画像抽出手段13で抽出したROI画像を、傾き角度(θe+θe′)の回転方向と逆方向の傾き角度(−(θe+θe′))だけ一度に回転させて補正回転画像を生成し、垂直方向の投影軸に投影することとしてもよい。
なお、ディスプレイMTF測定装置1Bは、コンピュータを前記した各手段として機能させるためのプログラム(ディスプレイMTF測定プログラム)で動作させることができる。
例えば、ここでは、ディスプレイ2に、垂直なラインを描画したが、水平、斜め45度、あるいはそれ以外の方向のラインを描画しても構わない。
また、ここでは、ディスプレイMTF測定装置1,1Bは、ディスプレイ2を接続し、測定用画像表示手段10によって、ディスプレイ2の画面上に直線のラインを表示することとした。しかし、ディスプレイ2は、ディスプレイMTF測定装置1,1Bと独立して、直線のラインを描画した画像を表示することが可能な場合、ディスプレイMTF測定装置1,1Bは、ディスプレイ2を接続する必要はない。また、その場合、ディスプレイMTF測定装置1,1Bは、測定用画像表示手段10を構成から省略してもよい。
しかし、カメラ3がビデオカメラで、逐次入力される撮影画像に対して、ディスプレイ2に表示した直線のラインの傾きが不変とみなせる場合、必ずしも、逐次、ライン投影情報を生成する必要はない。その場合、ライン投影情報生成手段14,14Bは、ROI設定手段12でROIを設定された最初の1回だけライン投影情報を生成し、ライン投影情報記憶手段15に記憶すればよい。
しかし、第2ライン傾き検出手段14a2は、元のROI画像を回転させず、前記式(3)のパラメータp2の初期値を、ライン傾き検出手段14aで検出された0でないラインの傾き角度とし、元のROI画像の基準軸に対するラインの傾き角度を補正した補正傾き角度として検出することとしてもよい。
これは、第2ライン傾き検出手段14a2が、ROI画像抽出手段13で抽出された元のROI画像の画素値の分布と、基準軸に垂直な軸上のピークフィッティング関数を基準軸の方向に適用した関数値の分布とが、最も近似するピーク位置の基準軸に対する傾きを、補正傾き角度として検出することに相当する。
そして、画素位置投影手段14b2は、ラインが投影軸に垂直となるように、ROI画像抽出手段13で抽出された元のROI画像を、第2ライン傾き検出手段14a2で検出された補正傾き角度で回転させればよい。これによって、1度の回転で、補正回転ROI画像を生成することができる。
次に、図15を参照して、参考例の実施形態に係る空間周波数比測定装置5の構成について説明する。
ディスプレイMTF測定装置1(図1)に入力される空間周波数比(相対画素倍率)は、ディスプレイ2およびカメラ3のそれぞれの画素サイズと、カメラ3の倍率とから算出することが可能な情報である。しかし、ここでは、ディスプレイ2とカメラ3との空間周波数比を測定により求める空間周波数比測定装置5について説明する。
ディスプレイ2は、空間周波数比を測定する対象となる表示装置である。このディスプレイ2は、図1で説明したディスプレイ2と同じものを用いることができる。
カメラ3は、空間周波数比を測定する対象となる撮影装置である。このカメラ3は、図1で説明したカメラ3と同じものを用いることができる。また、カメラ3は、ディスプレイ2の空間周波数よりも高い空間周波数でディスプレイ2の画面を撮影する。
なお、カメラ3は、ディスプレイ2と正対させて配置するが、ディスプレイ2の画面と平行な面において回転していてもよい。
表示装置4は、カメラ3が撮影した画像、測定結果等を表示するものである。例えば、表示装置4は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。
以下、空間周波数比測定装置5の構成について詳細に説明する。
測定用画像表示手段50は、ディスプレイ2の任意の位置に、点と当該点を中心点とする予め定めた半径(例えば、10ピクセル)の円を描画した測定用画像をディスプレイ2に表示する。例えば、測定用画像表示手段50は、図16に示すように、黒色の背景画像に背景画像よりも画素値が高い(明るい)白色の点(中心点O)と円Cとを描画した測定用画像をディスプレイ2に表示する。中心点Oは、円Cよりも高い(明るい)画素値とする。なお、測定用画像は、画素値の明るさを反転(白黒反転)したものであっても構わない。
図17に示すように、画像入力手段51が入力した撮影画像Gは、中心点Oと円Cとが、背景画像よりも画素値が高い状態で撮影される。また、撮影画像Gは、中心点Oが円Cよりも画素値が高い状態で撮影される。
なお、画像入力手段51は、撮影画像に、ガウシアンフィルタ等のローパスフィルタをかけることが好ましい。これによって、画像入力手段51は、撮影画像に撮影されたディスプレイ2の画素構造(サブピクセル構造)をぼかしたり、カメラ3のノイズを抑制したりすることができる。また、画像入力手段51は、カメラ3がビデオカメラの場合、逐次入力される撮影画像(フレーム)を予め定めたフレーム数ごとに加算平均することが好ましい。
画像入力手段51は、入力した撮影画像を円中心探索手段52および局所ピーク探索手段53に出力する。
円中心探索手段52は、探索した円の中心点の位置を局所ピーク探索手段53に出力する。
中心点を通る水平ラインにおいて、中心点と、水平ラインおよび円が交差する2点との計3か所が局所ピークとなる。
同様に、中心点を通る垂直ラインにおいて、中心点と、垂直ラインおよび円が交差する2点との計3か所が局所ピークとなる。
局所ピーク探索手段53は、水平ラインおよび垂直ラインにおいて、それぞれ求めた3点の局所ピークの画素位置をピーク間画素数算出手段54に出力する。
ピーク間画素数算出手段54は、水平ラインの3点の局所ピークの画素位置から、右側の局所ピークの画素位置と中央の局所ピークの画素位置との差を算出する。この差は、円の中心から右側の半径の画素数に相当する。また、ピーク間画素数算出手段54は、中央の局所ピークの画素位置と左側の局所ピークの画素位置との差を算出する。この差は、円の中心から左側の半径の画素数に相当する。
このように、ピーク間画素数算出手段54は、円の中心点から、4方向の半径を算出する。
そして、ピーク間画素数算出手段54は、4方向の半径の平均値を算出し、撮影された円の半径の画素数とする。
これによって、測定者は、カメラ3をディスプレイ2と正対するように配置することが容易になる。
ピーク間画素数算出手段54は、算出した局所ピークのピーク間の画素数である円の半径の画素数を画素数比算出手段55に出力する。
画素数比算出手段55は、ディスプレイ2に表示された測定用画像の円の半径については、予め外部の入力装置(不図示)を介して設定されることとしてもよいし、測定用画像表示手段50から入力することとしてもよい。
また、画素数比算出手段55は、撮影画像上の円の半径の画素数については、ピーク間画素数算出手段54から入力する。
測定用画像の円の半径の画素数(ディスプレイ2の画素数)と撮影画像上の円の半径の画素数(カメラ3の画素数)との比は、カメラ3の画素を基準としたディスプレイ2の空間周波数とカメラ3の空間周波数との比と対応するものである。
ここで、測定用画像の円の半径の画素数をND(pixelDISP)、撮影画像上の円の半径の画素数をNC(pixelCAM)、カメラ3の画素を基準としたディスプレイ2の空間周波数をFD(cycles/pixelCAM)、カメラ3の空間周波数をFC(cycles/pixelCAM)とした場合、NC/ND=FC/FDとなる。なお、通常、ディスプレイ2の画素(pixelDISP)サイズは、カメラ3の画素(pixelCAM)サイズよりも大きくする。
画素数比算出手段55は、例えば、撮影画像上の円の半径の画素数NCを測定用画像の円の半径の画素数NDで除算して、カメラ3の画素を基準としたディスプレイ2とカメラ3との空間周波数比(相対画素倍率)とする。
なお、空間周波数比測定装置5は、コンピュータを前記した各手段として機能させるためのプログラム(空間周波数比測定プログラム)で動作させることができる。
次に、図20を参照(構成については、図15参照)して、空間周波数比測定装置5の動作について説明する。
ステップS23において、円中心探索手段52は、撮影画像の中で画素値が最も高い画素位置を、円の中心点の位置として探索する。
なお、このとき、ステップとして図示は省略するが、ピーク間画素数算出手段54は、4方向のそれぞれのピーク間の画素数を表示装置4に表示することとする(図19参照)。もし、4方向のそれぞれのピーク間の画素数によって、カメラ3がディスプレイ2と正対していないと測定者が判断した場合、測定者がカメラ3を配置し直して、最初から測定を行えばよい。
ステップS27において、画素数比算出手段55は、ステップS21でディスプレイ2に表示した測定用画像の円の半径と、ステップS26で算出されたカメラ3で撮影した撮影画像上の円の半径との画素数の比を空間周波数比として算出する。
これによって、空間周波数比測定装置5は、図1で説明したディスプレイMTF測定装置1で説明した空間周波数比を測定により求めることができる。
例えば、ここでは、ピーク間画素数算出手段54は、中心点となる局所ピークと、上下左右の局所ピークとのピーク間の画素数で、円の半径の画素数を算出した。しかし、円の大きさは、半径の代わりに直径で特定することも可能である。
その場合、局所ピーク探索手段53は、円中心探索手段52で探索された撮影画像内の円の中心点を通る水平ラインおよび垂直ラインにおいて、それぞれ中心点を除く2点の局所ピークの位置を探索する。そして、ピーク間画素数算出手段54は、上下の両端の局所ピーク間、左右の両端の局所ピーク間の画素数で、直径を算出する。そして、画素数比算出手段55は、ディスプレイ2に表示した測定用画像の円の直径と、ピーク間画素数算出手段54で算出した円の直径との画素数の比で、空間周波数比を算出すればよい。
もちろん、空間周波数比測定装置5は、図11で説明したディスプレイMTF測定装置1Bの内部に備える構成としてもよい。その場合、図21のライン投影情報生成手段14を、図11で説明したライン投影情報生成手段14Bに置き換えればよい。
10 測定用画像表示装置
11 画像入力手段
12 ROI設定手段
13 ROI画像抽出手段
14,14B ライン投影情報生成手段
14a ライン傾き検出手段(第1ライン傾き検出手段)
14a2 第2ライン傾き検出手段
14b,14b2 画素位置投影手段
15 ライン投影情報記憶手段
16 線広がり関数生成手段
17 MTF算出手段
18 カメラMTF記憶手段
2 ディスプレイ
3 カメラ
4 表示装置
5 空間周波数比測定装置
50 測定用画像表示手段
51 画像入力手段
52 円中心探索手段
53 局所ピーク探索手段
54 ピーク間画素数算出手段
55 画素数比算出手段
Claims (10)
- ディスプレイに表示された直線のラインを描画した測定用画像を、カメラで撮影した撮影画像から、前記ディスプレイの空間周波数特性を表すディスプレイMTFを測定するディスプレイMTF測定装置であって、
前記カメラから前記撮影画像を入力する画像入力手段と、
前記撮影画像から、前記ラインを含んで設定された関心領域のROI画像を抽出するROI画像抽出手段と、
サブピクセル間隔のビンの投影軸に、前記ラインの傾きに沿って前記ROI画像の各画素の位置を対応付けてライン投影情報を生成するライン投影情報生成手段と、
前記ROI画像の各画素の画素値を、前記ライン投影情報で対応付けられた前記投影軸のビンごとに平均化して、線広がり関数を生成する線広がり関数生成手段と、
前記線広がり関数から、前記撮影画像で測定されるMTFとして測定MTFを算出するMTF算出手段と、
前記ディスプレイおよび前記カメラの空間周波数比と、前記カメラのMTFであるカメラMTFとにより、前記測定MTFを補正することで、前記ディスプレイMTFを算出するMTF補正手段と、
を備えることを特徴とするディスプレイMTF測定装置。 - 前記測定用画像を前記ディスプレイに表示する測定用画像表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイMTF測定装置。
- 前記カメラとして、逐次画像を入力するビデオカメラを用いる場合、
前記ライン投影情報生成手段は、前記関心領域が設定された前記ROI画像において、最初の1回だけ前記ライン投影情報を生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のディスプレイMTF測定装置。 - 前記MTF算出手段は、前記線広がり関数をフーリエ変換し、空間周波数ごとに絶対値をとり、定数成分で正規化することで、前記測定MTFを算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のディスプレイMTF測定装置。
- ある空間周波数fにおける前記測定MTFの値をMTFDISP+CAM+binning(f)、前記カメラMTFの値をMTFCAM(f)、前記カメラの空間周波数に対する前記カメラの空間周波数の倍率である空間周波数比をmとしたとき、
前記MTF補正手段は、前記カメラの空間周波数fCAMにおけるMTFDISP+CAM(fCAM)をMTFDISP+CAM+binning(fCAM)/sinc(fCAM/nbin)により補正した後、前記ディスプレイの空間周波数fDISPにおける前記ディスプレイMTFの値であるMTFDISP(fDISP)を、MTFDISP(fDISP)=MTFDISP+CAM(fDISP/m)/MTFCAM(fDISP/m)により算出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のディスプレイMTF測定装置。 - 前記ライン投影情報生成手段は、
ハフ変換により、予め定めた基準軸に対する前記ラインの傾き角度を検出する第1ライン傾き検出手段と、
前記第1ライン傾き検出手段で検出された前記ラインの傾き角度で前記ROI画像を回転して傾きを補正した回転ROI画像の画素値の分布と、前記基準軸に垂直な軸上のピークフィッティング関数を前記基準軸の方向に適用した関数値の分布とが、最も近似するピーク位置の前記基準軸に対する傾きを、前記ラインの傾き角度のずれ量として検出する第2ライン傾き検出手段と、
前記ラインが前記投影軸に垂直となるように前記ずれ量で前記回転ROI画像を回転させた補正回転ROI画像の画素を前記投影軸に投影し、回転前の元の前記ROI画像の各画素の位置と、前記投影軸のビンとを対応付けて前記ライン投影情報を生成する画素位置投影手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のディスプレイMTF測定装置。 - 前記定数σは、前記関数の半値全幅が、前記回転ROI画像におけるラインの幅の画素数に近似した値であることを特徴とする請求項7に記載のディスプレイMTF測定装置。
- 前記ライン投影情報生成手段は、
ハフ変換により、予め定めた基準軸に対する前記ラインの傾き角度を検出する第1ライン傾き検出手段と、
前記第1ライン傾き検出手段で検出された前記ラインの傾き角度を初期値として、前記ROI画像の画素値の分布と、前記基準軸に垂直な軸上のピークフィッティング関数を前記基準軸の方向に適用した関数値の分布とが、最も近似するピーク位置の前記基準軸に対する傾きを、前記ラインの補正傾き角度として検出する第2ライン傾き検出手段と、
前記ラインが前記投影軸に垂直となるように前記補正傾き角度で前記ROI画像を回転させた画像の画素を前記投影軸に投影し、回転前の元の前記ROI画像の各画素の位置と、前記投影軸のビンとを対応付けて前記ライン投影情報を生成する画素位置投影手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のディスプレイMTF測定装置。 - コンピュータを、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のディスプレイMTF測定装置として機能させるためのディスプレイMTF測定プログラム。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019145124 | 2019-08-07 | ||
JP2019145124 | 2019-08-07 | ||
JP2020006498 | 2020-01-20 | ||
JP2020006498 | 2020-01-20 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021107804A true JP2021107804A (ja) | 2021-07-29 |
JP7503443B2 JP7503443B2 (ja) | 2024-06-20 |
Family
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114577444A (zh) * | 2022-03-04 | 2022-06-03 | 合肥视涯技术有限公司 | 一种调制传递函数的检测方法及检测装置 |
JP7432377B2 (ja) | 2020-01-28 | 2024-02-16 | 日本放送協会 | ディスプレイmtf測定装置およびそのプログラム |
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