JP2021107661A - 防災住宅 - Google Patents

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Abstract

【課題】広い居住スペースを確保できるとともに、居住スペースを上昇させる機構が故障し難く、かつ、保守が容易であって、しかも、災害の種類に応じて、居住スペースを上昇させる高さを調節することが可能な防災住宅を提供する。【解決手段】本発明の防災住宅1は、地面GLの下に大部分が埋設された根巻きコンクリート5に4本の支柱3が立設されるとともに、この支柱3によって鉛直方向へ昇降自在に支持された可動土台4に居住スペース2が設置された構造であり、居住スペース2が、可動土台4に固定されるとともに周囲が矩形状の側板6によって覆われた直方体状の居室部2aと、居室部2aの上に設けられた屋根裏2bからなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、津波、洪水、地震及び土石流などが発生した場合にそれらの影響を受けないように居住スペースを上方へ移動させることが可能な防災住宅に係り、特に、居住スペースを昇降させる機構のメンテナンスが容易な防災住宅に関する。
火事によって住居が燃えた場合、被災者は一時的に他の場所へ避難することを余儀なくされるものの、住居を立て直すことなどにより、比較的早く、元の生活に戻ることができる。これに対し、津波や川の氾濫などによって、住居が水没してしまった場合には、室内に入り込んだ泥や粗大ゴミを取り除く必要があることから、復旧作業が極めて困難なものになる。
このような課題に対処するものとして、例えば、特許文献1には、「災害緊急避難塔」という名称で、自宅において一緒に建築することができる避難塔に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される発明は、杭基礎を用いて組設された基台座と、この基台座によって支持される4本の支柱と、その支柱と平行に設置される間柱と、支柱や間柱を繋ぐ横梁と、昇降自在に4本の支柱の内側に設置される浮遊体ルームと、この浮遊体ルームを昇降させる大輪ハンドル及び複合錘昇降手動装置を備えた構造となっている。
このような構造によれば、浮遊体ルームが水に浮くため、遠方に避難することが困難な者であっても浮遊体ルームの中に居ることで、津波や洪水などの水害を避けることができる。
また、特許文献2には、「耐震耐津波住居」という名称で、地震などの揺れを低減させるとともに、津波の被害を受け難い住居に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示される発明は、地面に立設された複数本の柱の間に架け渡された第一床部及び第二床部と、第二床部に設置されるウィンチと、このウィンチによってロープを介して吊り上げ可能に設置される住居と、この住居と柱の間に設置されるバネと、第一床部と住居の間に設置されるダンパと、第二床部の上方に設置されるソーラーパネル及び風力発電装置と、地震感知器を備えた構造となっている。
このような構造によれば、津波が発生した場合には、ウィンチで住居を吊り上げ、住居の下部空間に津波を通すことで、住居が水没するという事態を避けることができる。また、住居がロープに吊り下げられるとともに、柱と住居がバネを介して連結されているため、地震によって柱が揺れた場合でも、柱から住居に伝わる揺れを低減することができる。
さらに、特許文献3には、「津波から家屋を保護させてなる防護柵」という名称で、地震等によって発生した津波から家屋や舟を守る防護柵に関する考案が開示されている。
特許文献3に開示された考案は、矩形状の第1の枠体内に十字型の第2の枠体が設けられた基盤体と、断面釣型の軌条が設けられるとともに基盤体の四隅に樹立される支柱を備えており、基盤体上に建設された木造の家屋の四隅が支柱の軌条に昇降自在に係合された構造となっている。
このような構造によれば、地震が起きて地割れが生じた場合でも、家屋が基盤体上に組み立てられているため、地割れに落ち込んだりして倒壊することもない。また、地震の後に津波が押し寄せた場合には、木造の家屋が海水によって基盤体の四隅に設けられた断面釣型の軌条を有する支柱に沿って押し上げられる一方、津波が引くとともに、海面と一緒に家屋も下方へ移動するため、家屋が被害を受けるおそれがない。
特開2017−206934号公報 特開2013−15001号公報 実開平7−16861号公報
特許文献1に開示された発明は、浮遊体ルームが4本の支柱の内側に設置されているため、その内部が狭く、一時的な避難場所としては利用できるものの、日常的に生活するスペースとしては利用できないという課題があった。
また、浮遊体ルームを昇降させる機構が露出しているため、破損したり、故障したりする可能性が高いという課題があった。
特許文献2に開示された発明では、地面に立設された複数本の柱の間に住居が設置されるとともに、柱が末広がりの形状をしているため、住居の内部を広くしようとすると、柱の下端が設置されるエリアを必要以上に広く確保しなければならないという課題があった。また、ウィンチが風雨に晒される状態になるため、錆びて故障してしまうおそれがあった。
特許文献3に開示された考案では、家屋を上昇させる機構がないため、津波などが発生した場合に、短時間で家屋を上昇させることができないという課題があった。また、災害の種類に応じて、家屋を上昇させる高さを調節することができないという課題があった。さらに、家屋が支柱に囲まれているため、その内部が狭いという課題があった。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、広い居住スペースを確保できるとともに、居住スペースを上昇させる機構が故障し難く、かつ、保守が容易であって、しかも、災害の種類に応じて、居住スペースを上昇させる高さを調節することが可能な防災住宅を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る防災住宅は、鉛直方向と平行をなすとともに、平面視した場合に矩形の各頂点を構成するように配置された4本の支柱と、この支柱が内部に配置された居住スペースと、この居住スペースを下方から支持する可動土台と、この可動土台が鉛直方向へのみ移動するように支柱の長手方向に沿って可動土台を案内するガイド部材と、4本の支柱のうち、隣り合う2本の支柱を互いに連結する複数本の梁と、可動土台に一部が連結されたワイヤロープと、このワイヤロープを介して可動土台を吊り上げ可能に支柱の上部に設置されたウィンチと、このウィンチを駆動する電動モーターと、を備え、居住スペースは、可動土台とともに支柱の長手方向に沿って移動可能に形成されていることを特徴とするものである。
なお、本発明において、「ウィンチが支柱の上部に設置された」場合には、支柱の上端近傍を連結する梁にウィンチが設置された場合も含まれる。また、矩形には、長方形だけでなく、正方形も含まれる。
第1の発明において、電動モーターでウィンチを駆動してワイヤロープを巻き上げると、可動土台がウィンチによってワイヤロープを介して吊り上げられる結果、居住スペースが鉛直上方へ移動する。一方、ウィンチを駆動してワイヤロープを巻き下げると、ワイヤロープがウィンチから繰り出される結果、居住スペースが下方へ移動する。すなわち、第1の発明においては、ウィンチを稼働させることによって、居住スペースが鉛直方向へ上昇又は下降するという作用を有する。
支柱が居住スペースの外部に配置されていると、支柱の上端に設置された梁やウィンチ等が居住スペースを上昇させる際の障害となるのに対し、第1の発明では、支柱が居住スペースの内部に配置されているため、居住スペースを上昇させる際に上述の梁やウィンチ等が障害とならない。また、4本の支柱の間に居住スペースが配置されている場合とは異なり、上記構造の防災住宅においては、居住スペースが形状や大きさの制約を受けないという作用を有する。
さらに、支柱、ウィンチ、電動モーター及びワイヤロープ等の居住スペースを昇降させるための機構が居住スペースの内部に配置されており、風雨に晒されることがないため、故障し難いことに加え、当該機構の保守や点検が容易であるという作用を有する。加えて、支柱が外部に露出しておらず、外観が通常の住宅と変わらないため、第1の発明に係る防災住宅は、他の住宅と比べた場合でも違和感がなく、周囲の景観に溶け込み易いという作用を有する。
また、第1の発明では、4本の支柱が居住スペースを囲むように配置されている場合とは異なり、4本の支柱がまとまった状態で配置されているため、梁や筋交等によって支柱同士を連結し易いことに加え、支柱の下端を固定するための基礎工事が簡略化されるという作用を有する。
第2の発明は、第1の発明において、可動土台は、平面視矩形状をなし、4本の支柱が内部に配置される開口部が中央に設けられた基礎フレームと、4本の支柱を外側から囲むように基礎フレームの上面中央部に設けられたガイドフレームと、からなり、ガイドフレームは、鉛直方向と平行をなし、4本の支柱にそれぞれ近接するように基礎フレームに立設されるとともにガイド部材が設置された4本のガイド支柱を備えていることを特徴とするものである。
第2の発明においては、第1の発明の作用に加えて、鉛直方向と平行をなし、支柱に近接配置されたガイド支柱にガイド部材が設置されていることから、可動土台がガイド部材により支柱の長手方向に沿って鉛直方向へ正確に案内されるという作用を有する。
第3の発明は、第2の発明において、ガイド部材は、支柱の側面に近接するように配置されたガイドローラと、このガイドローラを水平な回転軸を中心として回転可能に保持する保持金具と、この保持金具が取り付けられるとともにガイド支柱に固設された固定金具と、からなることを特徴とするものである。
このような構造の防災住宅においては、第2の発明の作用に加え、ワイヤロープを介して吊り下げられた状態の居住スペースが風の影響等を受けて揺動した場合でも、ガイドローラが支柱の側面に当接することで、支柱との干渉による固定金具の破損を防ぐという作用を有する。
また、居住スペースが上下方向へ振動した場合、支柱の側面に当接したガイドローラは支柱の側面に沿って転動することで、支柱から固定金具に加わる上下方向の力を弱めるという作用を有する。
第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明において、居住スペースは、支柱が内部を鉛直方向へ貫通するように形成された居室部と、この居室部の上に設けられ支柱の上端を内部へ突出可能に形成された屋根裏と、からなり、可動土台が接地している場合には、ウィンチ及び電動モーターが屋根裏の内部に配置されることを特徴とするものである。
第4の発明においては、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の作用に加えて、可動土台が接地しているときは、ウィンチ及び電動モーターが屋根裏の内部に配置されているため、ウィンチ及び電動モーターの点検や保守が容易であるという作用を有する。
第5の発明は、第1の発明乃至第4の発明のいずれかの発明において、居住スペースの上部には、保守用開口部が設けられるとともに、この保守用開口部を覆う屋根材が着脱可能に設置されていることを特徴とするものである。
第5の発明においては、第1の発明乃至第4の発明のいずれかの発明の作用に加えて、屋根材を外すことにより保守用開口部を通してウィンチ及び電動モーターの点検や保守等の作業が可能となるため、当該作業が容易であるという第4の発明の作用がより一層発揮される。
第6の発明は、第1の発明乃至第5の発明のいずれかの発明において、水平な第1の回転軸を中心として回転可能に支柱の上部に設置された少なくとも1つ以上の定滑車と、可動土台の上面に定滑車と同一平面内において第1の回転軸に平行な第2の回転軸を中心として回転可能に設置された複数の動滑車と、を備え、動滑車の数は定滑車の数よりも1つ多く、ワイヤロープは、その一端が支柱の上部に固定されるとともに、動滑車と定滑車に交互に巻回された状態で、その他端がウィンチによって巻き上げられることを特徴とするものである。
このような構造の防災住宅においては、第1の発明乃至第5の発明のいずれかの発明の作用に加え、例えば、動滑車の数をnとした場合、ウィンチがワイヤロープを巻き上げる力の2n倍に相当する重量の物体がウィンチによって吊り上げ可能になるという作用を有する。
第7の発明は、第1の発明乃至第6の発明のいずれかの発明において、蓄電池が前記支柱の上部に設置されていることを特徴とするものである。
このような構造の防災住宅においては、第1の発明乃至第6の発明のいずれかの発明の作用に加えて、津波などの災害の発生により発電所からの送電がストップした場合や居住スペースが吊り上げられていて送電線から電力の供給が受けられない状態にある場合に、居住スペース内で生活する上で必要な電力や電動モーターを駆動するための電力が蓄電池によって賄われるという作用を有する。
第8の発明は、第7の発明において、蓄電池を充電する太陽光発電設備を備えていることを特徴とするものである。
このような構造の防災住宅においては、第7の発明の作用に加えて、居住スペース内で生活する上で必要な電力や電動モーターを駆動するための電力が太陽光発電によって得られるという作用を有する。
以上説明したように、第1の発明によれば、ウィンチによって居住スペースを吊り上げることによって、津波や洪水等による被害を確実に避けることができる。
また、居住スペースが支柱に沿って昇降し、移動時に居住スペースの姿勢が変化し難いため、居住スペースを短時間で正確に安全な高さまで移動させることが可能である。そして、支柱によって居住スペースの大きさや形状が制約されないため、広い居住スペースを確保することができる。
さらに、第1の発明は、居住スペースが支柱よりも上方へ移動可能な構造であり、高い支柱を必要としないため、製造コストが安いという効果を有する。
そして、居住スペースを昇降させるための機構が故障し難く、当該機構の保守や点検も容易であることから、保守や点検に要する費用が削減されるというメリットがある。また、第1の発明に係る防災住宅においては、4本の支柱の強度を容易に高くすることが可能であり、安全性に優れている。さらに、基礎工事に要する費用の削減を図ることが可能である。加えて、第1の発明に係る防災住宅は、周囲の景観に溶け込み易いため、設置場所が制約されないという効果を有する。
第2の発明によれば、第1の発明の効果に加え、可動土台がガイド部材によって支柱の長手方向に沿って正確に案内されるため、居住スペースを短時間で正確に安全な高さまで移動することができるという効果がより一層発揮される。
第3の発明によれば、第2の発明の効果に加え、ガイド部材が破損し難いため、安全に長期間使用できるという効果を奏する。
第4の発明によれば、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の効果に加え、ウィンチ及び電動モーターの点検や保守が容易であるため、保守や点検に要する費用が削減されるという第1の発明の効果がより一層発揮される。
第5の発明によれば、第1の発明乃至第4の発明のいずれかの発明の効果に加え、保守用開口部を通してウィンチ及び電動モーターの点検や保守等の作業を容易に行うことができるため、保守や点検に要する費用が削減されるという第1の発明の効果がより一層発揮される。
第6の発明によれば、第1の発明乃至第5の発明のいずれかの発明の効果に加え、巻き上げ力の大きい高価なウィンチを用いる必要がなく、小型で安価なウィンチを用いることができるため、製造コストが削減されるという効果を奏する。
第7の発明によれば、第1の発明乃至第6の発明のいずれかの発明の効果に加え、送電線から電力の供給を受けられない状態でも居住スペース内で一定の期間生活をすることができるという効果を奏する。また、蓄電池から供給される電力によって電動モーターを駆動することができるため、災害により発電所からの送電がストップした場合でも、津波などの影響を受け難いように居住スペースを上方へ移動させることで、居住者の安全を速やかに確保することができる。
第8の発明によれば、第7の発明の効果に加え、太陽光発電設備によって発電した電力が蓄電池に蓄えられるため、送電線から電力の供給を受けられない状態でも居住スペース内での生活を第7の発明の場合よりもさらに長い期間にわたって続けることが可能である。
本発明に係る防災住宅の外観の一例を示した正面図である。 (a)は図1に示した防災住宅の屋根の上方から見た図であり、(b)は地中における支柱の下端の状態を示した図である。 居住スペースの骨組みを示した正面図である。 (a)は支柱の正面図であり、(b)は支柱の上面を示した図であり、(c)は同図(a)におけるA−A線矢視断面図である。 (a)は可動土台の正面図であり、(b)は基礎フレームの平面図である。 (a)は図5(a)に示したガイドフレームのB−B線矢視断面の拡大図であり、(b)は同図(a)におけるC部の拡大図である。 支柱の上部に配置された梁に設置されたウィンチによって可動土台が吊り上げられた状態を示す図である。 図7におけるD部の拡大図である。 制御ユニットの動作を説明するためのブロック図である。 図1において居住スペースを上昇させた状態を示す図である。
本発明の防災住宅について、図1乃至図10を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の説明では、底面が水平方向と平行をなすように居住スペースが設置されるとともに、鉛直方向と平行に支柱が設置された状態を想定して、「上面」や「下面」あるいは「上端」や「下端」などの表現を用いている。
図1は本発明に係る防災住宅の外観の一例を示した正面図であり、図2(a)は図1に示した防災住宅1の屋根を上方から見た図であり、図2(b)は地中における支柱3の下端の状態を示した図である。また、図3は居住スペース2の骨組みを示した正面図である。
なお、図1では、電動モーターや太陽光発電設備に接続される各種のケーブルの図示を省略している。また、図が煩雑になるのを避けるため、図2(b)では、アンカーボルト14aとスタッドジベル14bについて、その一部にのみ符号を付している。また、図3では、居住スペース2について側板6の図示を省略している。
本発明の防災住宅では、災害が発生していない場合に、発電所から電線を通して送られてくる電力を使用できるように、電線からの引き込み線に対して切り離し可能な状態で接続されるケーブルが居住スペースに設置されている。また、水道管等の水道設備に対して切り離し可能な状態で接続される各種の配管も居住スペースに設置されている。ただし、図が煩雑になるのを避けるため、図1及び後述する図8では、それらの図示を省略している。
図1及び図2に示すように、防災住宅1は、地面GLの下に大部分が埋設されている根巻きコンクリート5に、構造用鋼材からなる4本の支柱3が立設されるとともに、この支柱3によって鉛直方向へ昇降自在に支持された可動土台4に居住スペース2が設置されたことを特徴とする。
居住スペース2は、可動土台4に固定された直方体状の居室部2aと、この居室部2aの上に設けられた屋根裏(機械室)2bからなる。居室部2aの周囲は、矩形状をなす4枚の側板6によって覆われている。
屋根裏2bの上部には、頂部に矩形状の保守用開口部7c(図2(a)又は図3を参照)が設けられた山型状の屋根材7aが設置されるとともに、この屋根材7aに対し、保守用開口部7cを覆うように屋根材7bが着脱可能に設置されている。また、屋根材7bの頂部には、クレーン等によって屋根材7bを吊り上げる際に使用する吊り上げ用フック7dが取り付けられている。
なお、屋根材7a,7bは、金属製や樹脂製の平板材だけでなく、陶器製や樹脂製の瓦を用いたものであっても良い。また、4枚の側板6のうち、少なくともいずれか1枚には、居住スペース2に出入りするための扉(図示せず)が開閉自在に設けられている。
屋根材7aの上面には、後述の電動モーターに電力を供給するための太陽光発電設備を構成する太陽電池パネル8が設置されており、屋根裏2bには、太陽電池パネル8によって発電された電力を蓄えるための蓄電池11とともに、居住スペース2の扉の開閉状態や電動モーターの動作を制御するための制御ユニット(図示せず)が設置されている。
支柱3は、居室部2aを鉛直方向に貫通し、かつ、上端が屋根裏2bの内部へ突出するように配置されており、蓄電池11は、支柱3の上端に設けられた架台9に対して貯水槽10とともに固定されている。
なお、居住スペース2には、水道管等の水道設備に対して切り離し可能な状態で接続される各種の配管が設置されており、貯水槽10は、それらの配管を介して水道管等に対して切り離し可能な状態で接続されている。
このように、防災住宅1は、蓄電池11を備えているため、津波などの災害の発生により発電所からの送電がストップした場合や居住スペース2が吊り上げられていて送電線から電力の供給が受けられない状態にある場合でも居住スペース2の中で生活する際に必要な電力が蓄電池11によって賄われる。これにより、居住スペース2では、一定の期間生活をすることが可能となっている。
また、防災住宅1においては、蓄電池11から供給される電力によって電動モーターを駆動することができるため、災害の発生に伴って発電所からの送電が即座にストップした場合でも、津波などの影響を受け難いように居住スペース2を上方へ移動させることで、居住者の安全を速やかに確保することができる。
さらに、防災住宅1では、蓄電池11を充電するための太陽光発電設備を構成する太陽電池パネル8を備えていることから、送電線から電力の供給が受けられない状態が長く続いた場合でも支障なく居住スペース2の中で生活することができる。
図2(b)に示すように、支柱3の下端が立設される地中には、最下層に砕石12aが敷き詰められており、その上に「捨てコン」と呼ばれる無筋コンクリート層12bが形成されている。
無筋コンクリート層12bの上には、ブロック状のベース13がコンクリートによって形成されており、このベース13の上に根巻きコンクリート5が形成されている。そして、支柱3の下端には、アンカーボルト14aが取り付けられるとともに、外周面に複数本のスタッドジベル14bが水平に取り付けられている。
なお、図2(b)ではベース13について鉄筋の図示を省略している。また、支柱3が立設される場所については、地耐力を高めるために必要な地盤改良や杭事業を事前に行っておくことが望ましい。
図3に示すように、居住スペース2の居室部2aは、図1に示した側板6の他に、木材又は鋼材からなる複数本の柱15a及び梁15bと、鋼材からなる筋違(後述する軸ブレス17e及び水平ブレス17f)と、各階を仕切るように梁15bと平行に設置された床板16や天井板(図示せず)を備えている。
なお、居室部2aと屋根裏2bの間は、図示しない天井板によって仕切られている。
図4(a)は支柱3の正面図であり、図4(b)は支柱3の上面を示した図であり、図4(c)は図4(a)におけるA−A線矢視断面図である。
図4(a)乃至図4(c)に示すように、4本の支柱3は、平面視した場合に正方形の各頂点を構成するように配置されており、その上端にはエンドキャップ3aが設置されている。そして、隣り合う2本の支柱3,3は、平面視した場合に正方形の4辺を構成するように配置された鋼材からなる4組の梁17a〜17dと軸ブレス17e,17eを介して側面同士が互いに連結されている。また、梁17a〜17dによって連結されていない2本の支柱3,3は、正方形の対角線を構成するように配置された水平ブレス17f,17fによって互いの側面同士が連結されている。
支柱3の上端近傍に設置された4本の梁17aには、上面に免震ゴム18を介して4基の電動モーター(図示せず)とともに、この電動モーターによって駆動される4台のウィンチ19がローラ19aを上記正方形の外側へ向け、かつ、ローラ19aの回転軸を梁17aに対して直交させた状態でそれぞれ設置されている。また、4本の梁17aの下面には、4個の定滑車20aと4個のワイヤ固定具20bがそれぞれ設置されている。
図5(a)は可動土台4の正面図であり、図5(b)は基礎フレーム4aの平面図である。なお、図5(a)では、根巻きコンクリート5を破線で示している。
図5(a)及び図5(b)に示すように、可動土台4は、平面視略正方形をなし、上面に滑車固定具22が取り付けられるとともに複数の支持脚23が下面に取り付けられた基礎フレーム4aと、基礎フレーム4aの上面に設置されたガイドフレーム4bからなる。
基礎フレーム4aは、正方形の各辺を構成するように配置された鋼材からなる4本の大梁24a〜24dと、互いに平行な大梁24c,24dの中点同士を結んだ直線を中心として左右対称に配置されて両端が大梁24c,24dにそれぞれ接続された鋼材からなる一対の大梁25a,25aと、上記中点同士を結んだ直線を中心として左右対称をなすように大梁24a,25aの間及び大梁24b,25aの間にそれぞれ配置されて両端が大梁24c,24dにそれぞれ接続された鋼材からなる一対の大梁25b,25bと、互いに平行な大梁24a,24bの中点同士を結んだ直線を中心として左右対称に配置されて両端が大梁25a,25aにそれぞれ接続された鋼材からなる一対の大梁25c,25cを備えている。なお、図5(b)に示すように、基礎フレーム4aを平面視した場合、大梁25a,25aの一部と大梁25c,25cによって、内部に4本の支柱3を配置可能な正方形の開口部4cが中央に形成されている。
大梁24c,25cの間及び大梁24d,25cの間には、互いに平行な大梁24a,24bの中点同士を結んだ直線を中心として左右対称をなし、かつ、両端が大梁25a,25aにそれぞれ接続された鋼材からなる一対の小梁26a,26aが配置されている。
大梁24a,25bの間、大梁25a,25bの間及び大梁24b,25bの間は、大梁25c又は小梁26aの延長線上に配置された鋼材からなる小梁26b,26cによって互いに連結されている。
大梁25a,25aの間であって、かつ、大梁24cと小梁26aの間、大梁25cと小梁26aの間、大梁24dと小梁26aの間及び大梁25cと小梁26aの間には、正方形の対角線を構成するように水平ブレス17f,17fがそれぞれ配置されている。
また、小梁26b,26bの間であって、かつ、大梁24a,25bの間、大梁25a,25bの間及び大梁24b,25bの間には、正方形の対角線を構成するように水平ブレス17f,17fがそれぞれ配置されている。
ガイドフレーム4bは、鋼材からなる4本のガイド支柱27及び4本の梁28と、ガイド支柱27の上端と下端の近傍にそれぞれ固設された計8個のガイド部材29を備えている。
4本のガイド支柱27は、平面視した場合に正方形の各頂点を構成するように配置されるとともに、大梁25a,25aに対して垂直に立設されており、そのうち、隣り合う2本のガイド支柱27,27は、平面視した場合に正方形の4辺を構成するように配置された4本の梁28を介して上端の側面同士が互いに連結されている。
図6(a)は図5(a)に示したガイドフレーム4bのB−B線矢視断面の拡大図であり、図6(b)は図6(a)におけるC部の拡大図である。なお、図6(a)では、支柱3を破線で示している。
図6(a)に示すように、一対の大梁25a,25a及び一対の大梁25c,25cの上面には、開口部4cが設けられている側へ突出するように4対の動滑車21が滑車固定具22を介してそれぞれ取り付けられている。
図6(b)に示すように、ガイド部材29は、耐候性を有するゴムによって形成され、支柱3の隣り合う2つの側面にそれぞれ近接するように配置された2つのガイドローラ30と、この2つのガイドローラ30を水平な回転軸を中心として回転可能にそれぞれ保持する4つの保持金具31と、ガイド支柱27に固設され、4つの保持金具31がL字の内側の面に取り付けられた平面視略L字をなす固定金具32からなる。
なお、ガイドローラ30の材質は、上述のゴムに限らず、耐候性と弾性を有するものであれば良い。例えば、エラストマーなどのような合成樹脂によってガイドローラ30を形成することもできる。
このような構造によれば、後述するようにワイヤロープ33を介して吊り下げられた状態の居住スペース2が風の影響等を受けて揺動した場合でも、ガイドローラ30が支柱3の側面に当接することで、支柱3との干渉による固定金具32の破損を防ぐように作用する。
また、居住スペース2が上下方向へ振動した場合、支柱3の側面に当接したガイドローラ30は支柱3の側面に沿って転動するため、支柱3から固定金具32に加わる上下方向の力が弱まる。
さらに、防災住宅1においては、居住スペース2が風の影響等を受けて揺動してガイドローラ30が支柱3の側面に衝突した場合でも、ガイドローラ30が弾性変形することで支柱3からガイドローラ30に加わる衝撃力が緩和されるため、ガイドローラ30が破損し難い。
このように、防災住宅1は、ガイド部材29が破損し難いため、長期間にわたって安全に使用することが可能となっている。
図7は支柱3の上部に配置された梁17aに設置されたウィンチ19によって可動土台4が吊り上げられた状態を示す図であり、図8は図7におけるD部の拡大図である。
なお、図7及び図8では、電動モーターや太陽光発電設備に接続される各種のケーブルの図示を省略するとともに、図が煩雑になるのを避けるため、軸ブレス17eを破線で示している。
図7及び図8に示すように、梁17aの下面には定滑車20aがウィンチ19のローラ19aと同一平面内で水平な回転軸を中心としてそれぞれ回転可能に取り付けられている。また、基礎フレーム4aの上面に設置された滑車固定具22によって、2つの動滑車21,21が定滑車20aと同一平面内において水平な回転軸を中心としてそれぞれ回転可能に保持されている。
定滑車20aと2つの動滑車21,21には、一端がウィンチ19のローラ19aに巻き付けられるとともに他端がワイヤ固定具20bによって固定されたワイヤロープ33が交互に巻回されている。
すなわち、防災住宅1では、梁17aを介して支柱3に固定されたウィンチ19が可動土台4の基礎フレーム4aに、動滑車21,21と滑車固定具22を介して連結されており、ウィンチ19のローラ19aを回転させてワイヤロープ33の一端を巻き上げると、可動土台4が吊り上げられて支柱3に沿って上昇する構造となっている。なお、ウィンチ19のローラ19aを上述と逆の方向に回転させると、ワイヤロープ33の一端が巻き下げられるため、可動土台4は下降する。
ウィンチ19を稼働させてワイヤロープ33をそれぞれ巻き上げようとすると、ワイヤロープ33には所定の大きさの張力が発生する。この張力の大きさをTとすると、定滑車20aとワイヤ固定具20bには、ワイヤロープ33を介して大きさ2T及びTの下向きの力が加わり、ウィンチ19には、大きさTの下向きの力がワイヤロープ33を介して加わる。この場合、ウィンチ19がワイヤロープ33を巻き上げる力はTとなる。
これに対し、2つの動滑車21,21にワイヤロープ33を介して加わる上向きの力の大きさはそれぞれ2Tとなる。すなわち、ウィンチ19によってワイヤロープ33をTの力で巻き上げると、可動土台4には、2つの動滑車21,21が取り付けられている滑車固定具22を介して4Tの大きさの上向きの力が発生することになる。
ただし、防災住宅1は、ウィンチ19、定滑車20a、ワイヤ固定具20b及び動滑車21,21からなる上述の機構を4組備えている。したがって、4台のウィンチ19を稼働させて4本のワイヤロープ33をそれぞれ巻き上げると、可動土台4には、16Tの大きさの上向きの力が発生する。
可動土台4には、基礎フレーム4aの上面に居住スペース2が固定されていることから、可動土台4が4本のワイヤロープ33によって吊り上げられている場合、8個の動滑車21と4個の滑車固定具22と可動土台4と居住スペース2の総重量が上述の16Tの大きさの上向きの力に相当する。すなわち、防災住宅1においては、1台のウィンチ19が1本のワイヤロープ33を巻き上げるのに要する力の16倍に相当する重量の物を吊り上げることが可能となっている。
なお、動滑車21と定滑車20aの数は、図7や図8に示したものに限定されない。例えば、動滑車21の数をn個とし、定滑車20aの数を(n−1)個とした場合、ウィンチ19によって、ワイヤロープ33が巻き上げられる力の2n倍に相当する重量の物が吊り上げられることになる。すなわち、防災住宅1では、ウィンチ19が巻き上げ能力の高いものでなくとも良いため、小型で安価なウィンチを用いることにより製造コストの削減を図ることができる。
図9は制御ユニットの動作を説明するためのブロック図であり、図10は図1において居住スペース2を上昇させた状態を示す図である。
図9に示すように、防災住宅1は、可動土台4の支持脚23の接地状態を検出するセンサー34aと、ウィンチ19がワイヤロープ33を巻き上げた長さを検出するセンサー34bと、災害警報を受信した場合に災害発生信号Pを発する通信ユニット35と、居住スペース2の側板6に設置された前述の扉に取り付けられた電子錠36と、ウィンチ19を駆動する前述の電動モーター37及び電子錠36の動作を制御する制御ユニット38を備えている。
制御ユニット38は、通信ユニット35が発した災害発生信号Pを受信すると、電動モーター37に対して巻き上げ開始信号Qを送る。
巻き上げ開始信号Qを受信した電動モーター37はウィンチ19を駆動してワイヤロープ33を巻き上げる方向へローラ19aを回転させる。その結果、居住スペース2はウィンチ19によってワイヤロープ33を介して可動土台4ごと吊り上げられるようにして上方へ移動する。
センサー34bは、居住スペース2が所定の高さに達し、ウィンチ19がワイヤロープ33を予め定められた長さだけ巻き上げたことを検知すると、巻き上げ終了信号Pを制御ユニット38に送る。
センサー34bが発した巻き上げ終了信号Pを受信した制御ユニット38は電動モーター37に対して巻き上げ停止信号Qを送り、その巻き上げ停止信号Qを受信した電動モーター37はウィンチ19の駆動を停止する。これにより、ローラ19aの回転が停止して、ワイヤロープ33が巻き上げられなくなるため、居住スペース2は、図10に示すように地面GLから所定の高さまで移動した状態で支柱3に固定される。
センサー34aは、可動土台4の支持脚23の下面が地面GLから離れたことを検知すると上昇開始信号Pを発する。また、センサー34aは、上昇開始信号Pを発した後に、支持脚23の下面が接地したことを検知すると接地信号Pを発する。
制御ユニット38は、センサー34aが発した上昇開始信号Pを受信すると、電子錠36に対して施錠信号Qを送る。そして、施錠信号Qを受信した電子錠36は居住スペース2の扉を施錠する。
一方、制御ユニット38は、センサー34aが発した接地信号Pを受信すると、電子錠36に対して開錠信号Qを送り、開錠信号Qを受信した電子錠36は居住スペース2の扉を開錠する。
このように、防災住宅1においては、災害が発生すると、自動的にウィンチ19が電動モーター37に駆動されて居住スペース2の吊り上げを開始することから、災害が発生した場合に、津波や洪水等の被害を受け難い高さまで居住スペース2を短時間で上昇させて、居住者の安全を速やかに確保することができる。
また、防災住宅1では、居住スペース2が吊り上げられている間は、その扉が常に施錠されており、吊り上げられた状態の居住スペース2の中で生活している居住者が居住スペース2から誤って落下するおそれがない。したがって、防災住宅1は安全性に優れている。
さらに、居住スペース2が4本の支柱3に沿って昇降するため、移動時に居住スペース2の姿勢が変化し難い。加えて、防災住宅1では、鉛直方向と平行をなし、4本の支柱3に対してそれぞれ近接配置された4本のガイド支柱27にガイド部材29が設置されており、可動土台4がガイド部材29により支柱3の長手方向に沿って鉛直方向へ正確に案内されることから、居住スペース2を短時間で正確に安全な高さまで移動させることが可能である。
支柱3が居住スペース2の外部に配置されている場合、支柱3の上端に設置された梁17aやウィンチ19などが居住スペース2を上昇させる際の障害となる。しかし、防災住宅1では、支柱3が居住スペース2の内部に配置されているため、居住スペース2を上昇させる際に梁17aやウィンチ19などは障害とならない。
すなわち、居住スペース2が支柱3よりも上方へ移動可能な構造であり、高い支柱3を必要としないため、防災住宅1は安価に製造することができる。
さらに、防災住宅1では、4本の支柱3の間に居住スペース2が配置されている場合とは異なり、支柱3によって居住スペース2の形状や大きさが制約されないため、広い居住スペース2を確保することができる。
防災住宅1では、支柱3、ウィンチ19、電動モーター37及びワイヤロープ33等の居住スペース2を昇降させるための機構が居住スペース2の内部に配置されており、風雨に晒されることがないため、故障し難い。さらに、当該機構の保守や点検が容易であるため、防災住宅1では、保守や点検に要する費用が削減される。
加えて、支柱3が外部に露出しておらず、外観が通常の住宅と変わらないため、防災住宅1は、他の住宅と比べた場合でも違和感がなく、周囲の景観に溶け込み易い。したがって、防災住宅1は設置場所が制約されないという効果を有している。
防災住宅1では、4本の支柱3が居住スペース2を囲むように配置されている場合とは異なり、4本の支柱3がまとまった状態で配置されていることから、梁17a〜17dや軸ブレス17e等によって互いに連結し易いことに加え、支柱3の下端を固定するための基礎工事が簡略化されるという作用を有する。すなわち、防災住宅1は、4本の支柱3の強度を容易に高くすることが可能であり、安全性に優れている。また、防災住宅1では、基礎工事に要する費用の削減を図ることが可能である。
さらに、防災住宅1では、可動土台4が接地しているときは、ウィンチ19及び電動モーター37が屋根裏2bの内部に配置されていることに加え、保守用開口部7cを通してウィンチ19及び電動モーター37の点検や保守等の作業が可能であるため、ウィンチ19及び電動モーター37の点検や保守が容易である。これにより、保守や点検に要する費用が削減される。
上述の実施例では、4本の支柱3や4本のガイド支柱27が平面視した場合に正方形の各頂点を構成するように配置されているが、支柱3やガイド支柱27は長方形の各頂点を構成するように配置されていても良い。また、基礎フレーム4aは平面視した場合に略正方形ではなく、略長方形をなした構造であっても良い。このような場合でも、前述の本発明の作用及び効果は同様に発揮される。
本発明は、津波の被害を受け易い沿岸部に限らず、洪水や土石流が発生し易い山間部においても利用可能である。
1…防災住宅 2…居住スペース 2a…居室部 2b…屋根裏 3…支柱 3a…エンドキャップ 4…可動土台 4a…基礎フレーム 4b…ガイドフレーム 4c…開口部 5…根巻きコンクリート 6…側板 7a,7b…屋根材 7c…保守用開口部 7d…吊り上げ用フック 8…太陽電池パネル 9…架台 10…貯水槽 11…蓄電池 12a…砕石 12b…無筋コンクリート層 13…ベース 14a…アンカーボルト 14b…スタッドジベル 15a…柱 15b…梁 16…床板 17a〜17d…梁 17e…軸ブレス 17f…水平ブレス 18…免震ゴム 19…ウィンチ 19a…ローラ 20a…定滑車 20b…ワイヤ固定具 21…動滑車 22…滑車固定具 23…支持脚 24a〜24d…大梁 25a〜25c…大梁 26a〜26c…小梁 27…ガイド支柱 28…梁 29…ガイド部材 30…ガイドローラ 31…保持金具 32…固定金具 33…ワイヤロープ 34a,34b…センサー 35…通信ユニット 36…電子錠 37…電動モーター 38…制御ユニット GL…地面

Claims (8)

  1. 鉛直方向と平行をなすとともに、平面視した場合に矩形の各頂点を構成するように配置された4本の支柱と、
    この支柱が内部に配置された居住スペースと、
    この居住スペースを下方から支持する可動土台と、
    この可動土台が鉛直方向へのみ移動するように前記支柱の長手方向に沿って前記可動土台を案内するガイド部材と、
    4本の前記支柱のうち、隣り合う2本の前記支柱を互いに連結する複数本の梁と、
    前記可動土台に一部が連結されたワイヤロープと、
    このワイヤロープを介して前記可動土台を吊り上げ可能に前記支柱の上部に設置されたウィンチと、
    このウィンチを駆動する電動モーターと、を備え、
    前記居住スペースは、前記可動土台とともに前記支柱の長手方向に沿って移動可能に形成されていることを特徴とする防災住宅。
  2. 前記可動土台は、
    平面視矩形状をなし、4本の前記支柱が内部に配置される開口部が中央に設けられた基礎フレームと、
    4本の前記支柱を外側から囲むように前記基礎フレームの上面中央部に設けられたガイドフレームと、からなり、
    前記ガイドフレームは、
    鉛直方向と平行をなし、4本の前記支柱にそれぞれ近接するように前記基礎フレームに立設されるとともに前記ガイド部材が設置された4本のガイド支柱を備えていることを特徴とする請求項1に記載の防災住宅。
  3. 前記ガイド部材は、
    前記支柱の側面に近接するように配置されたガイドローラと、
    このガイドローラを水平な回転軸を中心として回転可能に保持する保持金具と、
    この保持金具が取り付けられるとともに前記ガイド支柱に固設された固定金具と、からなることを特徴とする請求項2に記載の防災住宅。
  4. 前記居住スペースは、
    前記支柱が内部を鉛直方向へ貫通するように形成された居室部と、
    この居室部の上に設けられ前記支柱の上端を内部へ突出可能に形成された屋根裏と、からなり、
    前記可動土台が接地している場合には、前記ウィンチ及び前記電動モーターが前記屋根裏の内部に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の防災住宅。
  5. 前記居住スペースの上部には、保守用開口部が設けられるとともに、この保守用開口部を覆う屋根材が着脱可能に設置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の防災住宅。
  6. 水平な第1の回転軸を中心として回転可能に前記支柱の上部に設置された少なくとも1つ以上の定滑車と、
    前記可動土台の上面に前記定滑車と同一平面内において前記第1の回転軸に平行な第2の回転軸を中心として回転可能に設置された複数の動滑車と、を備え、
    前記動滑車の数は前記定滑車の数よりも1つ多く、
    前記ワイヤロープは、
    その一端が前記支柱の上部に固定されるとともに、
    前記動滑車と前記定滑車に交互に巻回された状態で、その他端が前記ウィンチによって巻き上げられることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の防災住宅。
  7. 蓄電池が前記支柱の上部に設置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の防災住宅。
  8. 前記蓄電池を充電する太陽光発電設備を備えていることを特徴とする請求項7に記載の防災住宅。
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