JP2021107389A - 粉末固形化粧料 - Google Patents

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莉捺 吉田
Rina Yoshida
莉捺 吉田
友 大澤
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Abstract

【課題】ガラスフレークを多配合して透明性やツヤを向上させながら、耐衝撃性にも優れた粉末固形化粧料を提供する。【解決手段】(a)20〜30質量%のガラスフレーク;(b)4〜10質量%の微粒子酸化チタン;及び、(c)11〜15質量%の液状油分を含有することを特徴とする、粉末固形化粧料。好ましくは、前記ガラスフレークの平均厚さが0.1〜1μmであり、平均粒径(D50)が1〜50μmであり、アスペクト比が10以上である。さらに好ましくは、前記微粒子酸化チタンの平均一次粒径が10nm〜100nmである。【選択図】なし

Description

本発明は粉末固形化粧料に関する。さらに詳しくはガラスフレークを多配合して透明性やツヤを向上させながら、耐衝撃性にも優れた粉末固形化粧料に関する。
アイシャドー等の粉末固形化粧料には、色や質感にバリエーションを持たせるため、パール剤(光輝性顔料)が配合されてきた。しかしながら、パール剤は一般に化粧料の成形性及び耐衝撃性を低下させることが知られている。そこで、タルク等の体質顔料を配合して成形性を改善することが行われていたが、体質顔料の配合によって塗布膜の透明感やパール感が失われることがあった。
特許文献1には、60重量%以上という多量のパール剤を、無機性値/有機性値(すなわち、IOB値)が0.1以上の液状油分及び固形油分と組み合わせて配合することで、パール感及び耐衝撃性に優れたアイシャドーが得られることが記載されている。また、特許文献2には、(a)窒化ホウ素、(b)光輝性顔料、及び(c)油剤を各々所定量含有する粉末固型化粧料が、プレス成形性、耐衝撃性、塗布時の透明性、使用感を損なうことなく、パール感に優れることが記載されている。
光輝性顔料(パール剤)には、特許文献1及び2で使用されている雲母チタン以外にも、ガラスフレークやシリカフレーク等も知られている。例えば、特許文献3には、平均粒径65〜180μmのガラスフレークを、平均粒径9〜25μmの窒化ホウ素、ワセリン、エステル油、及び金属石鹸を配合した粉末固形化粧料(アイシャドウ)が開示され、窒化ホウ素と金属石鹸の配合量比率を所定範囲内にすることによって、透明感が高く、耐衝撃性にも優れた化粧料が得られるとされている。
特許文献4は、特許文献3に記載されたものより大きな平均粒径を持つ窒化ホウ素を用い、好ましくは平均粒径が10μm以上、アスペクト比が50以上の合成金雲母を配合することで、透明感やツヤ感、耐衝撃性が更に向上することを示唆している。特許文献4ではガラスフレークの平均粒径は特定されていないが、特許文献3を参照すると、配合するガラスフレークの平均粒径が65μmに満たないと耐衝撃性を含む所望の特性が得られない(比較例5)。また、当該ガラスフレークは表面が酸化チタン等で被覆された光輝性顔料であるためパール感が強くなり過ぎる場合がある。
特開平7−215822号公報 特開2000−186012号公報 特開2010−77043号公報 特開2018−8906号公報
本発明は上記したような技術の現状に鑑み、ガラスフレークを多配合することにより透明感及び優れたツヤ感を発揮し、なおかつ耐衝撃性も良好な粉末固形化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく鋭意検討した結果、ガラスフレークの配合量を20〜30質量%に増量するとともに、所定量の微粒子酸化チタン及び所定量の液状油分を配合することによって、透明感及びツヤ感を与えると同時に耐衝撃性に優れた粉末固形化粧料が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
(a)20〜30質量%のガラスフレーク;
(b)4〜10質量%の微粒子酸化チタン;及び、
(c)11〜15質量%の液状油分を含有することを特徴とする、粉末固形化粧料を提供する。
本発明の粉末固形化粧料は、従来は高々10質量%程度しか配合されていなかったガラスフレークを20〜30質量%配合しているので化粧膜の透明感及びツヤ感に優れる。さらに、所定量の微粒子酸化チタン及び所定量の液状油分を配合することにより成形性が良好であり、成形された粉末固形化粧料は、ガラスフレークを多配合していても使用性及び耐衝撃性に優れている。
本発明の粉末固形化粧料(以下、単に「化粧料」ともいう)は、(a)ガラスフレーク、(b)微粒子酸化チタン、及び、(c)液状油分を必須成分として含有する。以下に詳述する。
(a)ガラスフレーク
本発明の化粧料に配合されるガラスフレーク((a)成分ともいう)は、化粧料等に通常用いられるものであれば特に限定されないが、板状(鱗片状)の形状を有するものが好ましい。よって、本発明におけるガラスフレークは、「板状ガラス粉末」又は「鱗片状ガラス」と呼ばれることもある。
(a)ガラスフレークの厚さは、平均で0.1〜1μmが好ましく、より好ましくは0.2〜0.8μmである。ガラスフレークの平均粒径(累積質量百分率が50%に相当する粒径:D50)は、1〜50μmが好ましく、より好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは10〜25μmである。アスペクト比(平均粒径を平均厚さで除した値)は、10以上であるものが好ましい。また、粒径の揃ったガラスフレークを用いるのが外観や使用感等の点で好ましく、例えば、粒度分布において、粒径の小さい側からの質量累積が90%に相当する粒径(D90)を、粒径の小さい側からの質量累積が10%に相当する粒径(D10)で除した粒径分布指数(D90/D10)が5.0以下となるガラスフレークを使用するのが好ましい。
本発明における(a)ガラスフレークは、表面未処理の鱗片状カルシウムアルミノケイ酸塩ガラス(ホウケイ酸ガラス)粉末であるのが好ましいが、場合によっては、1種以上の貴金属、金属酸化物、及び/又はシリカで被覆したものであってもよい。例えば、酸化チタン被覆ガラスフレーク、銀被覆ガラスフレーク、金被覆ガラスフレーク、酸化鉄被覆ガラスフレーク等が例示される。
本発明に用いる(a)ガラスフレークは市販品でもよく、例えば、日本板硝子株式会社製のシルキーフレーク(登録商標)FTD010FY−F01(平均粒径10μm)、シルキーフレーク(登録商標)FTD025FY−F02(平均粒径25μm)等が挙げられる。
本発明の化粧料における(a)ガラスフレークの配合量は、化粧料全量に対して(特記しない限り以下も同じ)、20〜30質量%であり、好ましくは20〜25質量%である。ガラスフレークの配合量が20質量%未満であると、化粧膜の透明性が不十分となり、30質量%を超えて配合すると耐衝撃性が低下する。
(b)微粒子酸化チタン
本発明の化粧料に配合する微粒子酸化チタン((b)成分ともいう)は、平均一次粒径が10nm〜100nm、より好ましくは10nm〜50nmの微粒子酸化チタンである。平均粒径は透過電子顕微鏡写真の画像解析による個数平均径などの方法によって測定される。
また、本発明における(b)微粒子酸化チタンは、表面を疎水化処理されたものを用いるのが好ましい。疎水化処理の方法は、特に制限されるものでなく、公知の方法にて処理することができる。例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジメチルポリシロキサンコポリマー、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類を用いた処理;オクチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のシラン化合物を用いた処理;パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸を用いた処理;前記脂肪酸の金属塩等を用いた金属セッケン処理;パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩、パーフルオロアルキルトリメトキシシラン等を用いたフッ素処理等が挙げられる。
本発明における(b)微粒子酸化チタンの配合量は、4〜10質量%であり、好ましくは5〜8質量%である。配合量が4質量%未満であると、粉末化粧料が密に成形されずに「とれつき」が多くなり過ぎる傾向があり、耐衝撃性も不十分となる。配合量が10質量%を超えると塗布時に微粒子酸化チタン特有のキシミを感じ好ましくない。
なお、本発明で用いられる(b)微粒子酸化チタンは、後述の製造方法の説明で述べるように、(a)ガラスフレークと別々に添加して混合されるものであり、ガラスフレークの表面に予め付着させて配合するものではない。従って、本発明の化粧料においては、(a)ガラスフレーク、(b)微粒子酸化チタン、及び他の配合成分が略均一に分散していると考えられる。
(c)液状油分
本発明の化粧料に配合される液状油分((c)成分ともいう)は、化粧料等に通常用いられている液状油性成分(常温(25℃)で液状の油性成分)であってよく、特に限定されない。例えば、エステル油、液体油脂、炭化水素油、シリコーン油等が挙げられる。これらの液状油分は、単独でも2種以上を組み合わせて配合してもよい。
エステル油としては、エチルへキサン酸セチル、トリエチルヘキサノイン、オクタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソパルミチン酸オクチル、オレイン酸イソデシル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、コハク酸2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル等が例示される。
液体油脂としては、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、アルモンド油、ナタネ油、ゴマ油、大豆油、落花生油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が例示される。
炭化水素油としては、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パラフィン、イソパラフィン、セレシン等が例示される。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーンが例示できる。
上記の例示に加えて、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル等の常温で液状の油性紫外線吸収剤、トコフェロール等の常温で液状の油性薬剤も、本発明における(c)液状油分に含まれる。なお、本発明の化粧料は、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、(イソステアリン酸/ベヘン酸)(グリセリル/ポリグリセリル−6)エステルズ、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル等の抱水性油剤を含んでもよいが、それらの配合量は1質量%未満とするのが好ましく、より好ましくは0.5質量%未満である。
本発明の化粧料における(c)液状油分の配合量は、11〜15質量%であり、好ましくは12〜14質量%である。配合量が11質量%未満であると、粉末化粧料が密に成形されずに「とれつき」が多くなり過ぎる傾向があり、耐衝撃性も不十分となる。配合量が15質量%を超えるとケーキングが起こり易くなるため好ましくない。
本発明の化粧料には、前記の必須成分(a)〜(c)に加えて、粉末固形化粧料に通常用いられる他の化粧料成分を適宜配合することができる。他の化粧料成分としては、例えば、粉体(上記(a)、(b)以外)、固形又は半固形油分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、香料、酸化防止剤、各種薬剤等が挙げられる。
粉体(上記(a)、(b)以外)の具体例としては、有機顔料(例えば、赤色104号、赤色202号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、青色1号、黒色401号等);レーキ顔料(例えば、黄色4号アルミニウムレーキ、青色1号アルミニウムレーキ等);無機着色顔料(例えば、黄酸化鉄、赤酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青、マンガンバイオレット等);無機白色顔料(例えば、酸化亜鉛、酸化チタン(顔料級)等);体質顔料(例えば、タルク、マイカ、セリサイト等);その他の無機顔料(例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素等);球状樹脂粉体(例えば、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、ナイロンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、シリコーンパウダー(例えば、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー等)、シリコーンゴムパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、セルロースパウダー、ポリフッ化エチレン等);金属石鹸粉体等が挙げられる。なお、本発明の化粧料が窒化ホウ素を含む場合、その配合量は10質量%未満とするのが好ましく、より好ましくは5質量%未満である。
これらの粉体の大きさ、形状等は特に限定されず、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの粉体は適宜表面処理を施してもよい。表面疎水化処理としては、微粒子酸化チタンについて上記した方法が用いられる。
なお、本発明の化粧料に配合される粉体((a)、(b)以外)としてタルク、マイカ等の体質顔料を用いる場合、これらの体質顔料は、(A)アミノ基を有するシリコーンポリマーと、(B)カルボキシル基を有するシリコーンポリマー又はカルボキシル基を有するアクリルポリマーとからなるエラストマーで表面を被覆したものが好ましい。前記エラストマーにおいては、アミノ基とカルボキシル基のモル比が、Y/X=0.1〜1.2(Yは、(B)成分に含まれるカルボキシル基のモル量、Xは、(A)成分に含まれるアミノ基のモル数)となっている。当該エラストマーについての詳細は、特開2017−214565号公報に記載されている。
前記エラストマーは、下記式(1):
Figure 2021107389
[式中、Xは炭素数1〜18のアルキル基、Rはアルキレン基(好ましくはプロピレン基)、R’はアルキレン基(好ましくはエチレン基)、mは20〜2000の数、nは1〜100の数である]で表されるアミノ基を有するシリコーンポリマー(側鎖型アミノ変性シリコーン:(A)成分)と、
下記式(2):
Figure 2021107389
[式中、R1及びR2は、メチル基又は下記式(2’)で表される基であり、下記式(2’)で表される基を1分子中に1〜100含有し、yは1〜50000の数を表す]
Figure 2021107389
で表されるカルボキシル基を有するシリコーンポリマー、又は、下記式(3):
Figure 2021107389
[式中、m/(m+n)=0〜0.5である]で表されるカルボキシル基を有するアクリルポリマーと、から構成されるエラストマーである。
本発明の化粧料は、前記エラストマーで表面被覆した体質顔料(例えばタルク)を、化粧料全量に対して10質量%〜50質量%含有するのが好ましく、それにより使用感触や耐衝撃性が更に改善される。一方、本発明の化粧料は、フッ素処理したタルクを含まなくてもよい。
本発明の化粧料は、上記の必須成分(a)、(b)及び(c)を組み合わせて配合することで十分に優れた耐衝撃性を有する。従って、従来の粉末固形化粧料に配合される場合のある粉末結合剤、例えばフマル酸ステアリルナトリウム等を配合する必要はない。
本発明の化粧料は、粉末固形化粧料の製造に従来から使用されている方法に従って製造することができる。例えば、粉末成分と油性成分を、溶媒添加することなく混合し、容器に充填して加圧成形する乾式成型、あるいは粉末成分と油性成分に揮発性分散媒を添加してスラリー化し、スラリーの状態で容器に充填し、真空吸引などにより溶媒を除去して固化する湿式成型のいずれを用いてもよい。しかし、優れた耐衝撃性という観点からは湿式成型、特に水性溶媒を使用した湿式成型で製造するのが好ましい。
よって本発明は、(a)原料混合物全量に対して20〜30質量%のガラスフレーク、(b)原料混合物全量に対して4〜10質量%の微粒子酸化チタン、及び(c)原料混合物全量に対して11〜15質量%の液状油分を含有する原料混合物を、揮発性分散媒中に溶解ないし分散させ、容器に充填後、前記揮発性分散媒を除去する粉末固形化粧料の製造方法を提供する。
本発明の製造方法においては、前記揮発性分散媒は水を主分散媒とし、水に可溶な有機溶媒(例えば、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコール等)を副分散媒として前記揮発性分散媒中に0〜30質量%、好ましくは1〜30質量%有し、前記揮発性分散媒中に溶解ないし分散させる前記混合物に対し、前記揮発性分散媒の接触角が125度以上、好ましくは125度〜135度である。
なお、前記製造方法において、前記混合物は実質的に界面活性剤を含まず、実質的に多価アルコールを含まないのが好ましい。また、本発明においては、ガラスフレーク表面に微粒子酸化チタンを付着させる必要がないことは上述の通りである。
本発明の粉末固形化粧料は、従来の製品に比較してガラスフレークの配合量が多く、透明感やツヤ感に優れている。また、ガラスフレークは汎用されている他のパール剤に比較すると適度なパール感を与えるため、化粧上地、化粧下地、ファンデーション、又はおしろいとして提供するのに特に適している。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、配合量は特記しない限り、質量%を意味する。
下記の表1及び2に示す処方で各例の粉末固形化粧料を製造した。
専門パネルに各例の化粧料を肌に塗布してもらい、化粧塗膜の透明性を目視で評価した。
A:透明性に優れる
B:透明性が不十分
C:未測定
耐衝撃性の確認は、30cmの高さからの落下試験によるもので、何回目の落下で割れたかによって評価した。
A:7回以上
B:5〜6回
C:4回以下
表1及び2に示すように、ガラスフレークを20〜30質量%、微粒子酸化チタンを4〜10質量%、液状油分を11〜15質量%含有する本発明の化粧料(実施例1〜3)は、透明性に優れ、なおかつ高い衝撃耐性を有していた。これらに対して、微粒子酸化チタンの配合量が4質量%未満の比較例1及び微粒子酸化チタンを含有しない比較例2は耐衝撃性が低下した。また、微粒子酸化チタンではなく顔料級(平均粒径=250nm)の酸化チタンを配合した比較例3でも耐衝撃性は向上せず透明性は低下した。耐衝撃性は、液状油分の配合量が10質量%になっても低下し(比較例4)、10質量%より少量では完全に脆くなった(比較例5)。一方、ガラスフレークの配合量が20質量%未満であると透明性に欠けるものとなった(比較例6)。
Figure 2021107389
Figure 2021107389
以下に、本発明に係る粉末固形化粧料の別の処方例を挙げる。下記の処方例について前記実施例と同様の評価を実施したところ、いずれの処方でも「透明性」及び「耐衝撃性(落下試験)」の評価結果が「A」であった。
処方例1
配合成分 配合量(質量%)
エラストマー被覆タルク 9.77
マイカ 5
窒化ホウ素 4
ガラスフレーク(※11) 30
微粒子酸化チタン(※12) 3.5
微粒子酸化チタン(※13) 3.5
顔料級酸化チタン(※14) 10
酸化亜鉛 3
赤酸化鉄 0.36
黄酸化鉄 2.2
黒酸化鉄 0.17
(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロスポリマー(※15) 15
ジメチコン 2.5
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 1
エチルヘキサン酸セチル 5
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5
合計 100
※11:シルキーフレーク(登録商標)FTD010FY−F01(平均粒径10μm)
※12:MT−100TV(製品名:テイカ株式会社)(平均粒径15nm)
※13:ステアリン酸処理微粒子酸化チタン(平均粒径30〜35nm)
※14:RC402P(製品名)
※15:KSP−100(製品名:信越化学工業)
処方例2
配合成分 配合量(質量%)
エラストマー被覆タルク 22.41
マイカ 5
窒化ホウ素 4
ガラスフレーク(※21) 30
微粒子酸化チタン(※22) 3.5
微粒子酸化チタン(※23) 3.5
酸化亜鉛 3
赤酸化鉄 0.03
黄酸化鉄 0.06
球状粉末(**) 15
ジメチコン 2.5
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 1
エチルヘキサン酸セチル 5
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5
合計 100
※21:シルキーフレーク(登録商標)FTD010FY−F01(平均粒径10μm)
※22:MT−100TV(製品名:テイカ株式会社)(平均粒径15nm)
※23:ステアリン酸処理微粒子酸化チタン(平均粒径30〜35nm)
**:ナイロン球状粉末(ナイロンSP−500:日興理化学産業株式会社)、多孔質球状シリカ(サンスフェアL−51:AGCエスアイテック株式会社)、又は無孔質球状シリカ(サンスフェアNP−30:AGCエスアイテック株式会社)
処方例3
配合成分 配合量(質量%)
エラストマー被覆タルク 22.41
マイカ 5
窒化ホウ素 4
ガラスフレーク(※31) 30
微粒子酸化チタン(※32) 3.5
微粒子酸化チタン(※33) 3.5
酸化亜鉛 3
赤酸化鉄 0.03
黄酸化鉄 0.06
(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロスポリマー(※34) 15
ジメチコン 2.5
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 1
エチルヘキサン酸セチル 5
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5
合計 100
※31:シルキーフレーク(登録商標)FTD025FY−F02(粒径:25μm)
※32:MT−100TV(製品名:テイカ株式会社)(平均粒径15nm)
※33:ステアリン酸処理微粒子酸化チタン(平均粒径30〜35nm)
※34:KSP−100(製品名:信越化学工業株式会社)

Claims (6)

  1. (a)20〜30質量%のガラスフレーク;
    (b)4〜10質量%の微粒子酸化チタン;及び、
    (c)11〜15質量%の液状油分を含有することを特徴とする、粉末固形化粧料。
  2. 前記(a)ガラスフレークの平均厚さが0.1〜1μmであり、平均粒径(D50)が1〜50μmであり、アスペクト比が10以上である、請求項1に記載の化粧料。
  3. 前記(b)微粒子酸化チタンの平均一次粒径が10nm〜100nmである、請求項1又は2に記載の化粧料。
  4. (A)アミノ基を有するシリコーンポリマーと、(B)カルボキシル基を有するシリコーンポリマー又はカルボキシル基を有するアクリルポリマーとからなるエラストマーであって、アミノ基とカルボキシル基のモル比が、Y/X=0.1〜1.2(Yは、(B)成分に含まれるカルボキシル基のモル量、Xは、(A)成分に含まれるアミノ基のモル量)であるエラストマーで表面被覆された体質顔料を更に含有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧料。
  5. 化粧上地、化粧下地、ファンデーション、又はおしろいである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧料。
  6. (a)原料混合物全量に対して20〜30質量%のガラスフレーク、(b)原料混合物全量に対して4〜10質量%の微粒子酸化チタン、及び(c)原料混合物全量に対して11〜15質量%の液状油分を含有する原料混合物を、揮発性分散媒中に溶解ないし分散させ、容器に充填後、前記揮発性分散媒を除去することを含む粉末固形化粧料の製造方法において、
    前記揮発性分散媒は水を主分散媒とし、水に可溶な有機溶媒を副分散媒として前記揮発性分散媒中に0〜30質量%含有し、前記揮発性分散媒中に溶解ないし分散させる前記混合物に対し、前記揮発性分散媒の接触角が125度以上であることを特徴とする、製造方法。
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