JP2021106816A - 発熱具 - Google Patents

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Ayumi Kimura
あゆみ 木村
円香 松宗
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円香 松宗
由博 氏原
Yoshihiro Ujihara
由博 氏原
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Abstract

【課題】所望の発熱特性を発揮できる新たな発熱具を提供する。【解決手段】被酸化性金属粉、酸化促進剤及び保水剤を含む混合物を収容した収容袋5と、含水体とを備え、収容袋の含水体と接触する側の少なくとも一部が通水性を有し、含水体が、収容袋と含水体とを接触させた時から、混合物100質量部あたり水10〜210質量部を放出する、発熱具。【選択図】図1

Description

本発明は発熱具に関する。
身体の保温具として、使い捨てカイロが知られている。使い捨てカイロは、通常、空気(酸素)の存在下で発熱する発熱性組成物が使用されており、この発熱原理によって保温効果を発揮する。このため、発熱性組成物は、使用時まで空気との接触を遮断するために非通気性の外袋内に保管されており、使用時に該外袋から発熱性組成物を取り出すだけで、簡単に発熱させることができる。また、例えば、特許文献1に記載されるような貼るタイプの使い捨てカイロは、保温したい所望の場所に貼付して使用できる点で、使い勝手がよい。このように使い捨てカイロは、その使用手順が簡便であり、更に、保温具として携帯性、安全性に優れており、また、安価であることから、広く利用されている。
しかし、このような使い捨てカイロでは、例えば、発熱性組成物を酸素存在下で製造した場合、その製造中に発熱性組成物を構成する成分同士が反応したり、非通気性の外袋内で保管しても発熱性組成物を構成する成分同士が徐々に反応することがある。これらは使用時に所望の温度に発熱し難くなる、発熱ムラが生じる等の発熱特性が低下する原因となる。このような問題に対して、例えば、非通気性の外袋を改善して発熱性組成物と空気との接触を一層遮断できるようにするといった対応が取られている。
特開平7−80018号公報
本発明は、所望の発熱特性を発揮できる新たな発熱具を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、被酸化性金属粉、酸化促進剤及び保水剤を含む混合物を、通水性を有する収容袋に収容し、また、これとは別に含水体を用意し、該収容袋と該含水体とを接触させて、該混合物100質量部あたり水10〜210質量部の割合で該含水体から水を放出させることにより、発熱温度等の点で所望の発熱特性を発揮できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成されたものである。すなわち、本発明は次の発明を提供する。
項1.被酸化性金属粉、酸化促進剤及び保水剤を含む混合物を収容した収容袋と、含水体とを備え、
該収容袋の該含水体と接触する側の少なくとも一部が通水性を有し、
該含水体が、該収容袋と該含水体とを接触させた時から、該混合物100質量部あたり水10〜210質量部を放出する、発熱具。
項2.前記含水体が、圧縮変形により水を放出するシートである、項1に記載の発熱具。
項3.前記含水体が、前記収容袋と接触した時から1800Pa以上で加圧される、項1または2に記載の発熱具。
項4.前記混合物が、前記収容袋と前記含水体とを接触させた時から、前記混合物100質量部あたり水10〜210質量部を吸水する、項1〜3のいずれかに記載の発熱具。
項5.前記混合物の含水率が5質量%以下である、項1〜4のいずれかに記載の発熱具。
項6.前記含水体と前記収容袋とを接触させるための、前記含水体を収容する収容部を更に備える、項1〜5のいずれかに記載の発熱具。
本発明によれば、所望の発熱特性(発熱温度、発熱持続時間及び/または発熱立ち上がり)を発揮できる新たな発熱具を提供することができる。
図1は、混合部を収容した収容袋、含水体、含水体用の収容部、担体を備える本発熱具の一例を示す。 図2は、混合部を収容した収容袋、含水体、含水体用の収容部、担体を備える本発熱具の一例を示す。 図3は、図1に示す本発熱具の略断面図の一例を示す。
本発明は、被酸化性金属粉、酸化促進剤及び保水剤を含む混合物を収容した収容袋と、含水体とを備え、該収容袋の該含水体と接触する側の少なくとも一部が通水性を有し、該含水体が、該収容袋と該含水体とを接触させた時から、該混合物100質量部あたり水10〜210質量部を放出する、発熱具に関する。
混合物
本発熱具において混合物は、被酸化性金属粉、酸化促進剤及び保水剤を含む。
・被酸化性金属粉
被酸化性金属粉は、酸化されることによって発熱する金属粉であれば制限されず、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、マグネシウム粉、銅粉が例示され、好ましくは鉄粉が例示される。また、鉄粉として還元鉄粉、鋳鉄粉、アトマイズド鉄粉、電解鉄粉が例示される。被酸化性金属粉の形状等も制限されず、従来の一般的な使い捨てカイロに使用されている粉末状、粒状、繊維状等の粉状が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
被酸化性金属粉の含有量は制限されないが、被酸化性金属粉は、該混合物中、20〜80質量%、好ましくは25〜70質量%、より好ましくは30〜65質量%が例示される。
・酸化促進剤
酸化促進剤は、空気を取り込むことによって前記混合物への、特に被酸化性金属粉への、酸素の供給を促進することを目的として使用される。酸化促進剤として、本発明を制限するものではないが、活性炭、石炭、木炭、竹炭、石墨、カーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック、コーヒーカス炭等が例示され、好ましくは活性炭、カーボンブラック、竹炭、木炭、コーヒーカス炭等が例示される。酸化促進剤の形状等も制限されず、従来の一般的な使い捨てカイロに使用されている粉末状、粒状、繊維状等の粉状が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
酸化促進剤の含有量は制限されないが、酸化促進剤は、該混合物中、1〜30質量%が例示され、好ましくは3〜25質量%、より好ましくは5〜23質量%が例示される。
・保水剤
保水剤は、本発明を制限するものではないが、多孔質物質や吸水性樹脂等が例示される。保水剤として、より具体的には、本発明を制限するものではないが、バーミキュライト、パーライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、カオリン、タルク、スメクタイト、マイカ、ベントナイト、炭酸カルシウム、シリカゲル、アルミナ、ゼオライト、二酸化珪素、珪藻土等の天然または合成の無機物、パルプ、木粉(おがくず)、綿、ポリアクリル酸塩系樹脂、ポリスルホン酸塩系樹脂、無水マレイン酸塩系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリアスパラギン酸塩系樹脂、ポリグルタミン酸塩系樹脂、ポリアルギン酸塩系樹脂、デンプン類、セルロース類等の天然または合成の有機物等が例示される。
保水剤として、好ましくはバーミキュライト、パーライト、シリカゲル、珪藻土、酸化アルミニウム、木粉(おがくず)、ポリアクリル酸塩系樹脂等が例示される。また、保水剤として、ポリアクリル酸塩系樹脂、特にポリアクリル酸ナトリウムを含有することがより好ましく例示される。また、ポリアクリル酸塩系樹脂として、好ましくは吸水速度が10秒以上のポリアクリル酸塩系樹脂が例示され、好ましくは吸水速度が10秒以上のポリアクリル酸ナトリウム、より好ましくは吸水速度が20秒以上のポリアクリル酸ナトリウムが例示される。この限りにおいて制限されないが、吸水速度として、好ましくは10〜90秒、より好ましくは20〜60秒が例示される。ここで、吸水速度は、JIS K7224(1996年)に順ずる方法により測定される。本発明において吸水速度が10秒以上のポリアクリル酸塩系樹脂とは、ポリアクリル酸塩系樹脂2gが生理食塩水50gを吸水する時間を意味する。保水剤の形状等も制限されず、従来の一般的な使い捨てカイロに使用されている形状が例示される。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
保水剤の含有量は制限されないが、保水剤は、該混合物中、1〜65質量%が例示され、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜60質量%が例示される。
該混合物は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて任意の他の成分を更に含有してもよい。該他の成分として、本発明を制限するものではないが、水溶性塩類、水、水素発生抑制剤、増粘剤、賦形剤、界面活性剤、金属イオン封鎖剤、また、香料、温感成分、抗疲労成分、鎮痛成分、炎症抑制成分、血行促進成分、清涼化(冷却、リフレッシュ)成分、忌避成分の各種有用成分等が例示される。該他の成分は、目的に応じて適宜選択して使用すればよく、1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよく、その配合量も適宜選択すればよい。
本発明を制限するものではないが、他の成分の一例として水溶性塩類を説明すると、水溶性塩類としては、本発明を制限するものではないが、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩化物塩や硫化物塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩化物塩や硫化物塩、鉄、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、銀、バリウム等の金属の塩化物塩や硫化物塩等が例示される。水溶性塩類として、好ましくは塩化ナトリウム、塩化カリウム等が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。該混合物が水溶性塩類を含有する場合、本発明の効果が得られる限りその含有量は制限されないが、水溶性塩類は、該混合物中、0.1〜10質量%が例示され、好ましくは0.5〜7質量%、より好ましくは1〜5質量%が例示される。
本発明を制限するものではないが、他の成分の一例として水を説明すると、水としては蒸留水、水道水、イオン交換水、純粋、超純水、工業用水等が例示される。水の含有量も、本発明の効果を妨げない範囲で制限されないが、該混合物中、0〜5質量%(5質量%以下)が例示される。
また、本発明を制限するものではないが、該他の成分として香料等の有用成分を用いる場合、発熱具において発生する熱により有用成分に起因する有用作用をより効果的に発揮させる観点からは、該有用成分として、該混合物が酸素の存在下で発熱する温度(例えば38〜85℃程度)によってその有用作用を揮発できる成分がより好ましい。
従来の空気(酸素)の存在下で発熱する発熱性組成物が使用される使い捨てカイロは、前述の通り、使用時まで空気との接触を遮断するために非通水性の外袋内に保管されており、使用時に該外袋から発熱性組成物を取り出すだけで所望の温度に発熱する。本発熱具は、従来の、使用時に該外袋から発熱性組成物を取り出すだけで所望の温度に発熱する発熱具とは異なり、後述する含水体から放出される所定量の水が混合物に供給されることによって所望の発熱特性を発揮する発熱具である。
該混合物は、酸化性金属粉、酸化促進剤及び保水剤、必要に応じて前記他の成分を混合することにより製造できる。該混合物は、酸素存在下で調製してもよく、真空下または不活性ガス雰囲気下で製造してもよく、従来公知の発熱具の製造手順に従い製造することができる。特に、本発熱具は、使用時に該外袋から混合物を収容した収容袋を取り出し、酸素と接触させるだけでは発熱しないため、該混合物は、空気(酸素)存在下で調製されてもよい。
このようにして得た混合物を後述の収容袋に収容することにより、混合物を収容した収容袋を得ることができる。
本発熱具において混合物は、この限りにおいて制限されないが、所望の発熱特性(発熱温度、発熱持続時間及び/または発熱立ち上がり)をより効率良く発揮する点から、混合物として、室温(約15〜25℃)で、後述する含水体から供給される水を、混合物100質量部あたり水10〜210質量部で吸水する混合物が好ましく例示される。また、混合物は、この限りにおいて制限されないが、混合物100質量部あたり、より好ましくは水10〜180質量部を吸水する混合物、更に好ましくは水60〜115質量部を吸水する混合物が例示される。
また、本発熱具において混合物は、この限りにおいて制限されないが、所望の発熱特性を更に効率良く発揮する点から、混合物として、室温(約15〜25℃)で、混合物を収容する収容袋と含水体との接触により該混合物へ水を供給開始した時から60秒間に、該混合物100質量部あたり、より好ましくは水10〜210質量部を吸水することが例示され、更に好ましくは水10〜180質量部を吸水し、特に好ましくは水60〜115質量部を吸水することが例示される。
発熱時に所望の発熱特性を発揮するためには、該混合物が所定量の水を吸収することが好ましく、また、所望の発熱特性をより効率良く発揮するためには、水が供給されてから所定時間内に所定量の水を吸収することがより好ましい。吸水が多過ぎても少な過ぎても発熱し難くなり、また、同じ水量であっても吸収速度が速すぎたり遅すぎたりすると、効率の良い発熱が難しくなる。この観点から、該混合物は、前述のように収容袋と含水体とを接触させた時から60秒間に、前述の水を吸収することが好ましい。
ここで、混合物の吸水量は、収容袋への接触前の、含水体の重さ(重さA)を測定し、また、収容袋へ接触させた後の含水体の重さ(重さB)を測定し、前者の重さ(重さA)から後者の重さ(重さB)を減じることにより算出する。
また、前述の混合物100質量部あたり水10〜210質量部といった割合は、重さAから重さBを減じることにより得た値を、収容袋に収容された(含水体との接触前の)混合物の重さで除し、このようにして得た値に100を乗じることにより算出する。すなわち、次の式により算出する。
混合物100質量部あたりの吸水割合
=((重さA)−(重さB))×100/収容袋に収容された混合物の重さ
該混合物として、好ましくは、前記収容袋と含水体との接触により該混合物へ水を供給開始した時から60秒後に測定した含水体の重さを前記重さBとして、前記値を満たす混合物が例示される。
該混合物の一例として、本発明を制限するものではないが、該混合物中、被酸化性金属粉を20〜70質量%、酸化促進剤を5〜20質量%、保水剤を10〜35質量%、水溶性塩類を0〜10質量%含有する混合物が例示される。また、該混合物の一例として、本発明を制限するものではないが、好ましくは、該混合物中、被酸化性金属粉を40〜60質量%、酸化促進剤を5〜20質量%、保水剤を15〜35質量%、水溶性塩類を0〜5質量%含有する混合物が例示される。また、該混合物の一例として、本発明を制限するものではないが、好ましくは、更にこれらの混合物において水が0〜5質量%である混合物が例示される。
収容袋に収容する該混合物の量は、本発明の効果が得られる限り制限されず、従来公知の使い捨てカイロ等を参考にして、収容袋の大きさ、形状、発熱具の使用目的、適用対象等に応じて適宜決定すればよい。本発明を制限するものではないが、例えば、収容袋1袋あたり、前記混合物が4〜20g、好ましくは8〜16gが挙げられる。
また、本発熱具において所望の発熱特性とは、発熱具の使用目的、適用対象等に応じて適宜決定すればよく、本発明を制限するものではないが、該混合物の発熱最高温度として38〜85℃程度、好ましくは40〜70℃程度が例示される。また、本発熱具は、この限りにおいて制限されないが、該混合物の40℃を越える発熱温度の持続時間として10分以上、より好ましくは30分以上が例示される。また、本発熱具は、この限りにおいて制限されないが、該混合物が40℃を越える発熱に達するまでの時間(立ち上がり時間)として、該混合物に水を供給した時から12分以内、より好ましくは7分以内が例示される。本発熱具は、これら発熱最高温度、持続時間、立ち上がり時間の少なくとも1つにおいて所望の発熱特性を発揮できればよく、好ましくは2つ、更に好ましくは3において所望の発熱特性が発揮される。
これらの温度、時間は、JIS S4100(2007年)に基づく測定値に従い決定する。具体的には、これらの温度、時間は、後述の実施例に記載する通り、混合物を収容した収容袋の、含水体を接触させる面とは反対側の面に温度センサーを予めテープで貼り付けて固定しておき、次いで、該収容袋(温度センサーを固定していないもう一方の片面)に含水体を接触させ、次いで、前記反対側の面(温度センサーを固定した面)が下向きになるように網棚の上に収容袋を置いて、室温(約15〜25℃)で測温を行うことにより、発熱温度、時間を測定し、決定する。後述の実施例では時間も測定可能な温度センサーを使用しており、従って、これに従い時間も測定すればよい。
前記混合物を収容するための収容袋
前記混合物は、少なくとも一部が通水性を有する収容袋に収容されている。収容袋は、前記混合物を収容でき、収容袋の少なくとも一部が通水性を有し、前記混合物の漏出を防ぎ、発熱具としての発熱に対して耐久性があるものであれば、従来公知の袋を使用できる。
収容袋は、本発明を制限するものではないが、通常、扁平状の袋が例示され、また、四角形状、三角形状、円形状、楕円形状、足型等を問わず、任意の形状とすることができる。袋の内部空間に前記混合物が収容される。
本発熱具において収容袋に収容された混合物は、水が供給されることにより発熱する。このため、収容袋は少なくとも一部に通水性を有する。
収容袋の一例として、本発明を限定するものではないが、通水性を備えた樹脂フィルム製の収容袋、通水性を備えた織布または不織布製の収容袋、通水性を備えた樹脂フィルムと通水性を備えた織布または不織布製とが積層されて積層構造を備えた収容袋等が挙げられる。該積層構造を備えた収容袋である場合、収容袋の内側に通水性を備えた樹脂フィルムが配置され、外側に通水性を備えた織布または不織布が配置されてもよく、その逆であってもよい。収容袋として、本発明を制限するものではないが、従来公知の使い捨てカイロに使用される収容袋のうち、通水性を有する袋等が例示される。
通水性を備えた樹脂フィルムに使用される樹脂として、本発明を制限するものではないが、好ましくは熱可塑性樹脂フィルムが例示される。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が例示され、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
通水性を備えた樹脂フィルムには、通水性を確保するための細孔が少なくとも一部に設けられている。該樹脂フィルムに形成されている細孔は、収容袋の少なくとも外から内に水を通過させることができ、前記混合物の収容袋外への漏出を防止できる程度の大きさであれば、その細孔の大きさ、形状、数、細孔の形成方法等は制限されない。樹脂フィルムに細孔を設ける手段も従来公知であり、従来の手順に従って行うことができる。通水性を備えた樹脂フィルムにとして、従来公知の穿孔フィルム、多孔質フィルム等であればよい。多孔質フィルムは従来の一般的な意味であり、複数の孔が連続した細孔を多数有する多孔質フィルムをいう。細孔は、樹脂フィルムの全域に均一に形成されていてもよく、一部に密集して形成されていてもよい。
樹脂フィルムの厚みも、収容袋として使用できる限り制限されず、好ましくは10〜2000μm、より好ましくは10〜1000μmが例示される。
通水性を備えた織布または不織布の繊維素材としては、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、レーヨン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセテート、ポリ塩化ビニル、ポリブチレンテレフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の合成繊維、綿、麻、絹、紙等の天然繊維、合成繊維と天然繊維との混合繊維等が例示される。使用感の観観点から、繊維素材として好ましくはナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等、より好ましくはナイロン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
該織布または不織布は、収容袋の少なくとも外から内に水を通過させることができ、前記混合物の収容袋外への漏出を防止できる限り制限されないが、その目付は好ましくは25〜70g/mが例示される。
不織布や織布の厚みも、本発明の効果が得られる限り制限されず、好ましくは10〜2000μm、より好ましくは10〜1000μmが例示される。
樹脂フィルムと織布または不織布との積層は、得られた積層体が収容袋としての強度を備え、少なくとも一部に通水性が確保されている限り制限されない。一例としてラミネート法によって積層でき、ラミネート法として熱接合により積層する方法、ホットメルト接着剤、アクリル系接着剤、またはウレタン系接着剤等の接着剤で積層する方法等が例示される。なお、これらの積層は、所望の効果が得られる限り、収容袋の全面に形成されていてもよく、一部に積層されていてもよい。
本発熱具は、前述の通り、含水体から所定量の水が供給され、収容袋の通水性部分を介して、混合物に吸水されることによって所望の発熱特性を発揮する発熱具であり、従って、収容袋は、少なくともその一部に、含水体から放出される所定量の水を混合物に供給できる程度の通水性を有していればよい。
また、本発熱具において収容袋に収容された混合物は、空気(酸素)と接触することにより発熱する。このため、収容袋は少なくとも一部に通気性を有する。このように、収容袋に収容された混合物は、水が供給され且つ空気(酸素)と接触することにより発熱する。収容袋において、通水性を有する部分は通気性を有する部分を兼ねていてもよく、通水性を有する部分が通気性を有する部分とは別に設けられていてもよい。本発明を制限するものではないが、該混合物に水を供給するために該収容袋の通水性を有する部分に含水体を接触させながら、収容袋内の混合物と空気(酸素)とを接触させやすくする観点からは、好ましくは、含水体が接触する通水性を有する部分とは異なる部分に、通気性を有する部分が設けられていることが例示される。
通常、通水性を有する部分は通気性も有するといえることから、収容袋の通気性を有する部分は、前述の通水性を有する部分と同様に製造されたものであってもよい。また、このように、通常、通水性を有する部分は通気性も有するといえるが、収容袋の通気性を有する部分は、収容袋の少なくとも外から内に空気(酸素)通過させることができる通気性を少なくとも有していれよく、通気性を少なくとも一部に有する収容袋等と同様に製造されたものであってもよく、制限されない。
収容袋が通水性を有する部分以外に通気性を有する部分を有する場合、通気性を有する部分は、本発明を限定するものではないが、通気性を備えた樹脂フィルム製、通気性を備えた織布または不織布製、通気性を備えた樹脂フィルムと通気性を備えた織布または不織布とが積層されて積層構造を備えるもの等のいずれであってよい。また、積層構造を備える場合、収容袋の内側に通気性を備えた樹脂フィルムが配置され、外側に通気性を備えた織布または不織布が配置されてもよく、その逆であってもよい。通気性を備える以外は前述と同様にして、樹脂フィルム、織布、不織等を説明することができる。このような通気性を有する部分として、本発明を制限するものではないが、従来公知の使い捨てカイロに使用される収容袋のうち、通気性を有する部分を構成する樹脂フィルム、織布、不織等が例示される。
また、収容袋は、この限りにおいて制限されず、非通水性の部分を有していても良い。
収容袋は市販のものを用いてもよく、その大きさも、所望の効果が得られる限り制限されず、発熱具の使用目的、適用対象等に応じて適宜決定すればよい。また、収容袋の大きさ、使用目的、適用対象等に応じて、収容袋に収容する前記混合物の量を適宜決定すればよい。
収容袋として、本発明を制限するものではないが、扁平状の袋であって、収容袋の片面の少なくとも一部が通水性を有し、もう一方の面の少なくとも一部が通気性を有するものが例示される。この場合、該片面の通水性の部分に、含水体を接触させることにより、収容袋内の混合物に含水体から水を供給することができ、また、この接触により該通水性の部分は含水体で覆われて通気性が低下しているまたは非通気状態となっているとしても、該もう一方の面の通気性を有する部分から収容袋内の混合物に空気(酸素)を供給することができ、従って、発熱具において混合物を効率よく発熱させることができる。
本発熱具が衣服や皮膚等に貼って使用される場合、本発熱具と衣服や皮膚等とを剥離可能な力で固定するための粘着シートを、収容袋の外側に設けてもよい。所望の発熱特性が得られる限り、任意の手段、収容袋の任意の場所に粘着シートを設ければよい。このような粘着シートの一例としては、従来公知の、いわゆる貼るタイプの使い捨てカイロに使用されている粘着シート、あるいは直貼りタイプの粘着シートが挙げられる。
含水体
本発熱具は、前記該混合物に水を供給する含水体を備える。含水体は、水を保持しており、前記混合物を収容する収容袋に接触して水を放出する。本発熱具では、このように放出された水が前記混合物に供給される。より詳細には、含水体は、前記混合物を収容する収容袋の外側の通水性を有する少なくとも一部に接触して、該収容袋内に水を放出することで前記混合物に水を供給する。前記混合物は、このように供給された水を吸収して発熱する。
含水体は、前記収容袋の少なくとも一部の通水性部分に接触する限り、前記収容袋の全体に接触させて使用されるものであってもよく、一部分に接触させて使用されるものであってもよい。前記混合物に水を吸収させつつ混合物に空気(酸素)を供給する観点からは、好ましくは前記収容袋の一部分に接触させて使用される。
含水体は、室温(約15〜25℃)で、該収容袋と該含水体とを接触させた時から、前記混合物100質量部あたり水10〜210質量部の水を放出する限り制限されない。含水体は、この限りにおいて制限されないが、該混合物100質量部あたり、より好ましくは10〜180質量部、更に好ましくは60〜115質量部の水を放出することが例示される。
含水体は、この限りにおいて制限されず、その大きさ、形状、素材等は問わず、例えば、シート状、袋状が例示される。水の担持は、浸漬、塗布、注入、噴霧等の手段を問わず行うことができる。
本発明を制限するものではないが、含水体の一例として、所定の厚みを有するシート状の含水体について説明する。所定の厚みを有するシート状以外の含水体については、次の説明に従い当業者であれば理解でき、また、適宜決定できる。
所定の厚みを有するシート状の含水体は、四角形状、三角形状、円形状、楕円形状、足型等を問わず、任意の形状とすることができる。
例えば、前記収容袋が扁平状の正方形状である場合であって、該袋の通水性を有する片面に含水体を接触させる場合を説明すると、例えば、該袋の片面に、正方形状の1枚のシート状の含水体を接触させてもよく、該袋の片面に、三角形状の2枚のシート状の含水体を正方形状になるように並べて接触させてもよく、該袋の片面に、円形状のシート状の含水体を接触させてもよい。ここで、該片面の全面が含水体と接触していてもよく、該片面の一部の面が含水体と接触していてもよい。
効率よく発熱させる観点からは、含水体の形状は、該片面の全面の形状とほぼ同じ形状で接触できる形状が例示される。つまり、該片面が例えば長方形状である場合、含水体も長方形状であり、該片面が例えば正方形状である場合、含水体も正方形状であり、該片面が例えば円形状や楕円形状である場合、含水体も円形状や楕円形状であることが好ましく例示される。ここで、「ほぼ同じ形状」とは、厳密に同じ形状である必要はなく、例えば角が面取りされているか否か等の軽微な形状の違いを許容する意味である。
効率よく発熱させる観点からは、含水体の形状は、該片面の形状、特に、該片面の発熱領域(該片面の収容袋内に前記混合物が存在する部分)の形状とほぼ同じ形状が好ましく例示される。
また、効率よく発熱させる観点からは、含水体の大きさは、該片面の大きさ、特に、該片面の発熱領域(該片面の収容袋内に前記混合物が存在する部分)の大きさとほぼ同じ大きさが例示される。ここで、「ほぼ同じ」とは、該片面の大きさ(特に発熱領域)と含水体の大きさとが全く同じ大きさであることに加えて、一方が他方よりも僅かに大きいことを許容する意味である。これらがほぼ同じ大きさであることで、含水体から収容袋内に収容される混合物の全体に均一に水を放出しやすくなるとともに、混合物以外に水を放出することがほぼないという利点を有する。また、含水体により収容袋の発熱領域が覆われることで、発熱具を皮膚等に適用させた際、収容袋の発熱領域が適用部位に直接触れることを防止でき、従って低温やけどのリスクを低減できるという利点を有する。
含水体の大きさは、この限りにおいて限定されず適宜に決定すればよいが、使い勝手等の観点から、好ましくは横方向に4〜14cm、縦方向に2〜10cmが例示され、より好ましくは横方向に7〜11cm、縦方向に3〜6cmが例示される。なお、面積では、好ましくは8〜98cmが例示され、より好ましくは25〜55cmが例示される。
含水体の厚みも、この限りにおいて限定されず適宜に決定すればよいが、使い勝手等の観点から、好ましくは0.5〜5mm、より好ましくは2〜4mmが例示される。
含水体は、水を保持するとともに接触する収容袋に水を放出して収容袋内の混合物に水を供給することができるものであれば、その素材は特に限定されない。
含水体は、例えば、種々の繊維素材、好ましくは親水性繊維、親水性繊維及び合成繊維の混紡繊維を用いた織布または不織布により形成することができる。繊維素材として、特に限定されないが、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、コットン、パルプ等が例示され、柔軟性、保水性の観点からパルプが好適に例示される。繊維素材からなる含水体の製法は、特に限定されないが、好ましくはエアレイド法が例示される。
含水体は、生産性、加工性、耐久性の観点から主成分たるパルプにポリエチレン等の熱融着性繊維を所定の割合で混紡して形成することが好ましい。パルプと熱融着性繊維との配合割合は、特に限定されないが、好ましくは60:40〜80:20が例示される。
含水体は、収容袋に供給する量の水を保持できれば、その目付は特に限定されないが、好ましくは50g/m以上が例示され、より好ましくは100g/m以上が例示される。なお、目付が大きすぎると含水体が硬くなり、従って、本発熱具が皮膚に適用される場合などは適用時の使用感が低下するおそれがある。このため、含水体が特に皮膚に適用される場合、その目付は、好ましくは50〜1000g/m、より好ましくは100〜600g/mが例示される。
また、含水体は、単層構造または複数層構造とすることができ、本発明を制限するものではないが、耐久性、保水性の観点から、前述の繊維素材を1対の不織布で更に挟んだ3層構造とすることが好ましく例示される。このとき、1対の不織布で挟まれる層を中層、1対の不織布からなる層を両端層という。両端層の不織布は互いに同素材としてもよく、異なる素材としてもよい。両端層の不織布の素材としては、親水性繊維、疎水性繊維、合成繊維、または親水性繊維と合成繊維との混紡繊維が例示され、親水性繊維としては、特に限定されないが、好ましくはレーヨン、コットンが例示され、より好ましくはレーヨンが例示される。親水性にすると製造時に水分をパルプ等の親水性繊維に吸収させやすくなり、製造が容易になるという利点がある。疎水性繊維としては、特に限定されないが、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルが例示され、より好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンが例示される。疎水性にするとぬれやべたつきを防止できるという利点がある。このため、例えば、本発熱具を使用する際に含水体が皮膚に当たる場合や、本発熱具が含水体を介して皮膚に適用される場合は、含水体の皮膚側に向く面を疎水性繊維で構成するとともに、それとは反対側の面(収容袋に接触する面)をレーヨン等の親水性繊維で構成することが好ましく例示される。このような1対の不織布の目付は、特に限定されないが、好ましくは20〜50g/m以下が例示される。
含水体としては、織布又は不織布以外にも、例えばスポンジ等の多孔質体により形成することができる。多孔質体は、内部に小孔、割れ目、空隙等の空間を連続して有する構造のものであり、前記空間内に水が保持される。スポンジとしては、特に限定されないが、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂材料を主原料とする合成スポンジ、海綿、セルロース等の天然材料を主原料とする天然スポンジ、合成ゴム、天然ゴム等のゴム材料を主原料とするゴムスポンジ等、種々のスポンジが例示される。
含水体は、特に限定されないが、外力の作用により圧縮変形可能であることが好ましい。つまり、含水体は、保持する水が圧縮変形により外部に押し出されることで水を放出するものであることが好ましい。含水体は、保持する水が自然に外部に染み出ることで水を放出するものであってもよいが、圧縮変形により水を放出するよう構成されることで、含水体から水を確実性高く放出させることができる。また、含水体は、容易に圧縮変形する柔軟性を有していることがさらに好ましい。これにより、含水体に大きな力を加えなくても、発熱に十分な前述の量の水を含水体から放出させることができる。この容易に圧縮変形する含水体としては、特に限定されないが、ウレタンスポンジ等のスポンジや、クラレクラフレックス株式会社製の「フェリベンディ」(登録商標)のような伸縮性を有する不織布が好ましく例示される。また、含水体は、必ずしも弾性を有する必要はないが、弾性を有することで、外力が取り除かれると元の形に戻ろうとすることが好ましく例示される。弾性としては、外力が加わって圧縮変形した含水体が、元の形に戻ろうとする性質であればよく、必ずしも元の形に完全に戻る性質までは必要としない。
このことから、含水体から収容袋への水の放出方法として、本発明を制限するものではないが、例えば、含水体を収容袋に接触させた時から、含水体が保持する水を含水体から自然に染み出させることで収容袋に放出させてもよい。
また、含水体から収容袋への水の放出方法として、本発明を制限するものではないが、例えば、含水体を収容袋に接触させた時から含水体を加圧して圧縮変形させ、含水体が保持する水を含水体から押し出すことで収容袋に放出させてもよい。
含水体は、前述の通り、室温(約15〜25℃)で、前記収容袋と含水体とを接触させた時から、前記混合物100質量部あたり水10〜210質量部の水を放出する限り制限されないが、より好ましくは、室温(15〜25℃)で、収容袋と接触させた時から60秒間に、該混合物100質量部あたり10〜210質量部の水を放出することが好ましい。また、本発明を制限するものではないが、含水体は、収容袋と接触させた時から60秒間に、混合物100質量部あたり、より好ましくは10〜180質量部、更に好ましくは60〜115質量部の水を放出することが好ましい。放出された水が前記混合物に供給されて、前記混合物が発熱する。
収容袋内の混合物が発熱時に望ましい発熱特性(発熱温度、発熱持続時間及び/または発熱開始後に発熱温度に立ち上がるまでの時間)を発揮するためには、含水体は、該収容袋に接触後、所定量の水を放出することが好ましく、また、また、所望の発熱特性をより効率良く発揮するためには、含水体は、所定時間内に所定量の水を放出することがより好ましい。水の放出量が多過ぎても少な過ぎても発熱し難くなり、また、同じ水量であっても放出速度が速すぎたり遅すぎたりすると、効率の良い発熱が難しくなる。この観点から、含水体は、前述のように収容袋と含水体とを接触させた時から60秒間に、前述の水を放出することが好ましい。
このことから、本発明を制限するものではないが、含水体から収容袋への水の放出方法として、好ましくは、含水体を収容袋に接触させ加圧して圧縮変形させ、含水体が保持する水を含水体から押し出すことで、混合物100質量部あたり10〜210質量部の水を放出させてもよい。また、このように圧縮変形させて水を押し出すことで、前述の量で水を放出させることがより好ましい。
また、本発明を制限するものではないが、含水体から収容袋への水の放出方法として、より好ましくは、含水体を収容袋に接触させた時から含水体を60秒間加圧して圧縮変形させ、含水体が保持する水を含水体から押し出すことで、混合物100質量部あたり10〜210質量部の水を放出させることが好ましい。また、このように60秒間加圧して圧縮変形させて水を押し出すことで、前述の量で水を放出させることがより好ましい。これにより、収容袋内の混合物は、含水体から所定時間内に所定量の水の供給を確実性高く受けることができる。
この場合、含水体に加える力は、特に限定されないが、人の手で無理なく含水体を押圧できる程度の力であることが好ましく、約1800Pa以上が例示され、好ましくは約1800〜6500Paが例示される。ここで、含水体が上述したスポンジや伸縮性を有する不織布のような容易に圧縮変形する柔軟性を有している場合には、含水体に加える力は比較的小さくてよく、例えば約1800〜3000Paが例示される。これに対して含水体が通常の不織布のような圧縮変形し難いものである場合には、含水体に加える力は比較的大きくする必要があり、例えば約4000〜6500Paが例示される。収容袋内の混合物100質量部あたり10〜210質量部の水が収容袋に放出されるように、含水体の柔軟性に応じて含水体を加圧する際の力を加減すればよい。
ここで、含水体からの水の放出量は、収容袋への接触前の、含水体の重さ(重さA)を測定し、また、収容袋へ接触させた後の含水体の重さ(重さB)を測定し、前者の重さ(重さA)から後者の重さ(重さB)を減じることにより算出する。
また、前述の該混合物100質量部あたり水10〜210質量部といった割合は、重さAから重さBを減じることにより得た値を、収容袋に収容された(含水体との接触前の)混合物の重さで除し、このようにして得た値に100を乗じることにより算出する。すなわち、次の式により算出する。
混合物100質量部あたりの放出割合
=((重さA)−(重さB))×100/収容袋に収容された混合物の重さ
含水体として、好ましくは、前記収容袋と含水体との接触により該混合物へ水を供給開始した時から60秒後に測定した含水体の重さを前記重さBとして、前記値を満たす含水体が例示される。
含水体に保持される水の量(水保持量)は、前述の所定量の水を放出できる限り制限されず、また、前記混合物の量、所望の発熱温度、本発熱具の適用対象等を考慮して適宜決定すればよい。含水体に保持される水の量は、本発明を制限するものではないが、1g以上、3g以上、6〜30g、8〜25g等の任意の量が例示される。
本発熱具において、含水体が前記混合物に吸収されるよりも多くの水を保持している場合、混合物の発熱によって含水体に保持されている水が蒸気となり、本発熱具の適用部位やその周辺を加湿することができる。このように加湿できる場合、本発熱具は加湿作用、保湿作用も備え、すなわち、加湿用発熱具、保湿用発熱具としても有用である。
前記混合物の発熱中、含水体は前記収容袋に接触させたままの状態であってもよく、前記混合物の発熱後、含水体は前記収容袋から取り除いても良い。例えば、前記混合物が皮膚等に直接接触することによる低温やけどを防止する点、または、前述のように、前記混合物の発熱中、水を保持した含水体から発する温蒸気を適用部位やその周辺に供給する観点からは、前記混合物の発熱中、含水体は前記収容袋に接触させたままの状態とすることが好ましく例示される。また、この観点からは、前記収容袋側ではなく含水体側が皮膚等に接触するように、本発熱具が使用されることが好ましく例示される。
含水体に保持される水には、他の成分を添加することもできる。
水に添加される他の成分として、本発明を制限するものではないが、食塩を例示することができる。食塩を含む水として0.1〜10質量%の食塩水が例示される。この場合、食塩水が含水体に保持されるといえる。例えば、発熱ムラをより抑制するといった観点から、食塩を水に添加してもよい。
また、他の成分として、本発明を制限するものではないが、ポリオールを例示することができる。ポリオールとしては、特に限定されないが、好ましくはグリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、1,2ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等が例示され、より好ましくは安全性の点でグリセリンが例示される。これらの他にも、メチルパラベンやフェノキシエタノール等の防腐剤、ヒアルロン酸塩やベタイン等の保湿剤、植物エキス、キサンタンガムやヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、寒天、グアーガム、カラギーナン等の水溶性増粘剤、ユーカリやミント等の香料、香料を可溶化する界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤)等を適宜添加することができる。
含水体は、収容袋に接触させるまで、不透過性のアルミラミネートフィルム、アルミ蒸着PETフィルム、透明(シリカ)蒸着PETフィルムからなる袋等に収容しておくことが好ましい。
発熱具
本発熱具は、前記混合物、前記収容袋及び前記含水体を備える。本発熱具において、前記混合物は前記収容袋に収容されている。
本発熱具は、前記収容袋の通水性を有する部分と前記含水体とを接触させて、前記含水体が保持する水を放出し、放出された水を前記収容袋に収容された前記混合物が吸水することにより、空気(酸素)存在下で発熱する。このことから、該接触は、本発熱具の使用時に行えばよい。
本発熱具は、更に、前記含水体と前記収容袋とを接触させるための、前記含水体及び/または前記収容袋を収容する収容部を備えていてもよい。収容部は、前記含水体と前記収容袋の一方のみを収容するものであってもよく、両方を収容するものであってもよく、好ましくは前記含水体を収容する。
このような収容部の一例を説明すると、本発明を制限するものではないが、前記収容袋の外側(例えば通水性を有する片面)に収容部が設けられていてもよく、この場合、該収容部に、前記含水体を収容することにより、前記含水体と前記収容袋の該片面とを接触させて、発熱させてもよい。本発明を制限するものではないが、例えば、該収容部はその内部に含水体を収納可能であれば形状や大きさは特に限定されず、収容袋と同じ形状や大きさに形成されていることが好ましく例示される。
本発明を制限するものではないが、前記含水体の一部に収容部が設けられていてもよく、この場合、該収容部に前記収容袋の通水性を有する片面が前記含水体側に向くように収容することにより、前記含水体と前記収容袋とを接触させてもよい。
本発明を制限するものではないが、本発熱具が、前記含水体と前記収容袋の両方を収容可能な収容部を備える場合、前記含水体と前記収容袋の両方を該収容部内に収容して、このように収容させた状態で前記含水体と前記収容袋とを接触させてもよい。
本発明を制限するものではないが、本発熱具が、前記含水体と前記収容袋の両方を収容可能な収容部を備えおり、該収容部内に仕切りが設けられており前記含水体と前記収容袋とをそれぞれ別々に収容できる個室構造になっている場合、前記含水体と前記収容袋を各個室内に収容して、このように収容させた状態で前記含水体と前記収容袋とを接触させてもよい。
なお、前記含水体と前記収容袋とが、このように直接接触せず、仕切り等を介して接触する場合、その接触部分を介して含水体から収容袋へ水が供給される。この点から、該接触部分の仕切りの少なくとも一部は、含水体から収容袋へ水が供給できる通水性を有する。これにより、前記含水体から前記収容袋へ水が供給され、前記混合物が発熱する。接触、発熱、通水性等は前述と同様にして説明される。
本発明を制限するものではないが、収容部は、非透湿性、透湿性を問わないが、本発熱具の適用部位やその周辺を加湿する観点からは、収容部の少なくとも一部、好ましくは皮膚等に適用される部分全域が透湿性を有することが好ましい。
このような透湿性を有する収容部としては、透湿性を有する樹脂フィルム製の収容部、透湿性を有する織布または不織布製の収容部、透湿性を有する樹脂フィルムと透湿性を有する織布または不織布との積層体等が例示される。本発熱具が皮膚に適用されるものであって、肌触りを考慮すると、織布または不織布を使用し、織布または不織布が皮膚に当たるようにすることが好ましい。収容部の樹脂フィルムに用いられる樹脂、織布または不織布の繊維素材としては、透湿性を有する限り制限されない。
透湿性を有する収容部の樹脂フィルムは、透湿性を確保するための細孔を少なくとも一部に有している。該細孔は、蒸気が通過することができれば、その大きさは特に限定されず、また細孔の形状や数等も特に限定されない。細孔を有する樹脂フィルムは、従来公知であり、多数の穿孔を有する樹脂フィルムや多孔質フィルム等が例示される。細孔は、樹脂フィルムの全域に均一に存在していてもよく、一部に密集して存在していてもよい。透湿性を有する収容部の織布又は不織布も、蒸気が通過することができれば、その目付は特に限定されない。
収容部の厚みは、特に限定されず、また、収容部の透湿性も、含水体から発せられる温蒸気が通過することができれば特に限定されない。収容部の透湿性は、収容部を構成する樹脂フィルムの孔の数や孔の大きさ、織布または不織布の目付等に応じて適宜設定される。収容部は、通気性を有していてもよい。
本発熱具は、前述のように発熱できる限り、前記混合物を収容した収容袋を1袋含有するものであってもよく、2袋以上含有するものであってもよい。また、本発熱具は、前記含水体を1個含有するものであってもよく、2個以上含有するものであってもよい。
また、本発明を制限するものではないが、任意の担体に前記収容袋を備え付けて、且つ、同担体に前記含水体を収容する収容部を備え付けて、該収容部に前記含水体を収容して、このように収容させた状態で前記含水体と前記収容袋とを接触させてもよい。
本発明を制限するものではないが、このような担体を用いた例として図1〜3に示すマスクが挙げられる。
図1〜3は、マスク1を示し、装着時に着用者の顔の一部(目の下の領域、特に鼻及び口)を覆う本体部2と、本体部2を着用者の顔に保持するための左右一対の耳掛け部3と、混合物4(図3に示す)を収容した収容袋5と、混合物4に供給可能な水を保持した含水体6と、含水体6を収納しながら収容袋5に接触させる収容部7とを備える。収容部7には、開口70が形成されており、開口70は、その開口内の空間に含水体6を入れるための部位であり、開口70から収容部7内に含水体6を収納することで、含水体6を保持しながら収容袋5と含水体6とを接触させることができる。収容袋5内の混合物4は、収容袋5と接触する含水体6から水の供給を受けるとともに空気と接触することで発熱する。
本発明を制限するものではないが、収容袋5は、混合物4の発熱によって、収容袋5と接触する含水体6を加熱することもできる。含水体6が、混合物4の加熱に必要な量以上の水を保持している場合、マスク1の装着時に含水体6から温蒸気が発せられる。図1は、マスク1の例示であるが、これはマスク以外の本発熱具の収容部等の説明の理解を助けるものでもある。
前記含水体、前記収容袋及び/または担体が収容部を備える場合、例えば、前記含水体、前記収容袋及び/または担体の一部に、接着、溶着(熱溶着、超音波溶着等)、縫合等の方法で収容部を任意に接合することによって、収容部を取り付けることができる。
本発熱具は、保温具、温熱治療器、マスク、アイマスク等を問わず、任意の用途に使用される。また、例えば、前記混合物、収容袋及び/または含水体に有効成分として鎮痛成分を含有する場合には、本発熱具は鎮痛効果を備えるもの(鎮痛具)ということもでき、炎症抑制作用、血行促進作用等を有するものを含有する場合は、本発熱具はそれぞれ炎症抑制効果を備えるもの(炎症抑制具)、血行促進効果を備えるもの(血行促進具)等ということもできる。また、含水体に保持される水に由来する蒸気を発する場合、本発熱具は加湿具、保湿具等として使用されるものであってもよく、この場合、適用部位やその周辺の加湿、保湿に有用である。本発明を制限するものではないが、本発熱具が、例えば、蒸気を発するマスクとして使用される場合、これはのどや鼻を蒸気で加湿するマスクということができ、また、蒸気を発するアイマスクとして使用される場合、これは目元を蒸気で加湿するマスクということができる。
本発熱具の持ち運びを容易にする観点から、本発熱具は、通気性及び/または非通気性の任意の外袋等に収容されてもよい。このような外袋等は従来公知である。
本発明によれば、このように前記混合物を収容した収容袋に、含水体を接触させるだけで、所望の発熱特性(発熱温度、発熱持続時間及び/または発熱立ち上がり)を発揮できる。また、このように、本発明によれば、該収容袋に該含水体を1回接触させるだけで、所望の発熱特性を発揮できる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
試験例1
混合物の調製
表1に記載する組成に従い、被酸化性金属粉、酸化促進剤、保水剤、水溶性塩類を混合し、混合物(実施例1〜8、比較例1及び2)を得た。表中、混合物の含有量の単位は重量%である。なお、各成分は次の通りである。
被酸化性金属粉:鉄粉(商品名アトメル80AF−2、神戸製鋼株式会社製)
酸化促進剤:活性炭、合成ケイ酸アルミニウム(商品名キョーワード700、協和化学工業株式会社製、)
保水剤:ポリアクリル酸ナトリウム(商品名サンフレッシュK31、三洋化成工業株式会社製、吸水速度35秒)、結晶セルロース1(商品名Comprecel S 101、伏見製薬所社製)、結晶セルロース2(商品名セオラスKG−802、旭化成株式会社製)
水溶性塩類:塩化ナトリウム(商品名TF−100、株式会社ソルト関西社製)
得られた各混合物12gを、通水性を備えた収容袋(大きさ50mm×80mm)に収容し、封をすることにより、前記混合物を収容した収容袋を得た。該混合物は空気と接触しても発熱しないため、後述の含水体と接触させるまで、非通気性の袋に収納することなく、このまま放置した。
含水体の調製
含水体として、不織布(商品名フェリベンディ150g/m、クラレクラフレックス株式会社製、エチレン−ビニルアルコール共重合体、スチームジェット製法)を用いた。具体的には、実施例1〜8ならびに比較例1及び2では、含水体として、該不織布(大きさ60mm×90mm)を用い、実施例7及び8では、含水体として、実施例1で用いた不織布を2枚重ね合わせたものを用いた。
各含水体に吸水させた水の量は、実施例1は2g、実施例2は4g、実施例3は10g、実施例4は11g、実施例5は14g、実施例6は20g、実施例7は22g、実施例8は25g、比較例1は0.5g、比較例2は1gである。
含水体からの水の放出
含水体から混合物への水の放出は次のように行った。室温(約15〜25℃)で、前述の混合物を収容した収容袋の片面(通水性面)に前述の水を担持させた含水体を重ねて接触させ、直ちに3.6kg荷重(約6500Pa)の負荷をかけて1分間静置した。
含水体から水の放出量は、接触直前に、含水体の重さ(接触前重量)を測定し、また、前述のように1分間静置後に含水体の重さ(接触後重量)を測定し、接触前重量から接触後重量を減じ、得られた値を含水体から水の放出量とした。なお、このようにして放出された水が収容袋等から漏れ出たことは観察されず、すなわち、放出された水は全て、収容袋内の混合物が吸水した。
発熱評価
次の手順に従い発熱を評価した。まず、前記混合物を収容した収容袋の、重量を接触させる面とは反対側の面に温度センサーを予めテープで貼り付けて固定しておき、次いで、該収容袋(温度センサーを固定していないもう一方の片面)に含水体を接触させ、次いで、前記反対側の面(温度センサーを固定した面)が下向きになるように網棚の上に収容袋を置いて、室温(約15〜25℃)で測温を行うことにより、発熱温度、時間を測定した。この際、該温度センサーを用いて、5秒間隔でデータを記録した。また、前述の通り負荷をかけて1分間静置した後、含水体を収容袋から外した。
次いで、このように測定した発熱温度と時間に基づき、発熱最高温度(前記負荷をかけた時から3時間内の最高発熱温度)、40℃を越える発熱温度の持続時間、40℃を越える発熱に達するまでの時間(立ち上がり時間)を評価した。具体的には、発熱最高温度は、40℃を超えたものを〇、40℃以下で30℃を超えたものを△、30℃以下を×とした。持続時間は、40℃を超えた時間が30分以上を〇、30分未満で10分以上を△、10分未満を×とした。立ち上がりは、前記接触後、40℃を超えるまでに要した時間が7分以内を〇、7分より長く12分以内を△、12分より長い場合を×とした。
結果
結果を表1に示す。
Figure 2021106816
表1から明らかなように、混合物100重量部あたりの水の放出量が少ない比較例1及び2では、発熱(最高温度)が低く、また、所望の発熱持続時間、発熱立ち上がりは認められなかった。これに対して、混合物100重量部あたりの水の放出量を増加させた実施例1〜8では、良好な発熱(最高温度)が達成され、また、10分以上の発熱持続時間、12分以内での発熱の立ち上がりが認められた。
このことから、実施例1〜8によれば、良好な発熱特性が得られることが確認された。また、このことから、使用時に、収容袋に含水体を接触させて水を放出させ、収容袋内の該混合物に水を吸収させた場合であっても、良好な発熱特性が得られることが確認された。
試験例2
混合物の調製
表2に記載する組成に従い、被酸化性金属粉、酸化促進剤、保水剤、水溶性塩類を混合し、混合物(実施例9及び10、比較例3)を得た。表中、混合物の含有量の単位は重量%である。なお、各成分は試験例1と同じものを用いた。
得られた各混合物11gを、通水性を備えた収容袋(試験例1と同じ、大きさ50mm×80mm)に収容し、封をすることにより、前記混合物を収容した収容袋を得た。該混合物は空気と接触しても発熱しないため、後述の含水体と接触させるまで、非通気性の袋に収納することなく、このまま放置した。
含水体の調製
含水体は、実施例9及び実施例10は試験例1と同じもの、比較例3は不織布(商品名HP−55、日本バイリーン株式会社製、ニードルパンチ製法)を使用し、同様に水を担持させた。各含水体に吸水させた水の量は全て11gである。
含水体からの水の放出
含水体から混合物への水の放出も試験例1と同じように行った。なお、実施例9では1kg荷重(約1800Pa)の負荷をかけて1分間静置し、実施例10では3.6kg荷重(約6500Pa)の負荷をかけて1分間静置し、比較例3では1kg荷重(約1800Pa)の負荷をかけて1分間静置した。含水体から水の放出量も試験例1と同じように算出した。本試験例においても、放出された水が収容袋等から漏れ出たことは観察されず、すなわち、放出された水は全て、収容袋内の混合物が吸水した。
発熱評価
前記接触後、試験例1と同様にして発熱を評価した。
結果
結果を表2に示す。
Figure 2021106816
表2から明らかなように、混合物100重量部あたりの水の放出量が少ない比較例3では、発熱(最高温度)が低く、また、所望の発熱持続時間、発熱立ち上がりは認められなかった。これに対して、混合物100重量部あたりの水の放出量を増加させた実施例9及び10では、良好な発熱(最高温度)が達成され、また、30分以上の発熱持続時間、7分以内での発熱の立ち上がりが認められた。
このことから、実施例9及び10によれば、含水体から所定量の水が放出され、これが混合物に吸水されて、良好な発熱特性が得られることが確認された。また、このことから、使用時に、収容袋に含水体を接触させて水を放出させて、収容袋内の該混合物に吸水させた場合であっても、良好な発熱特性が得られることが確認された。
1 マスク
2 本体部
3 耳掛け部
4 混合物
5 収容袋
6 含水体
7 収容部

Claims (6)

  1. 被酸化性金属粉、酸化促進剤及び保水剤を含む混合物を収容した収容袋と、含水体とを備え、
    該収容袋の該含水体と接触する側の少なくとも一部が通水性を有し、
    該含水体が、該収容袋と該含水体とを接触させた時から、該混合物100質量部あたり水10〜210質量部を放出する、発熱具。
  2. 前記含水体が、圧縮変形により水を放出するシートである、請求項1に記載の発熱具。
  3. 前記含水体が、前記収容袋と接触した時から1800Pa以上で加圧される、請求項1または2に記載の発熱具。
  4. 前記混合物が、前記収容袋と前記含水体とを接触させた時から、前記混合物100質量部あたり水10〜210質量部を吸水する、請求項1〜3のいずれかに記載の発熱具。
  5. 前記混合物中、水の含有量が5質量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の発熱具。
  6. 前記含水体と前記収容袋とを接触させるための、前記含水体を収容する収容部を更に備える、請求項1〜5のいずれかに記載の発熱具。
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