JP2021106576A - 変異体腫瘍溶解性ワクシニアウイルスおよびその使用法 - Google Patents
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Abstract
【課題】増進された抗腫瘍特性を持つ組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルスを提供する。【解決手段】a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、b)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、およびc)変異体B5ポリペプチドの1つまたはそれより多くをコードするヌクレオチド配列を含む、複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス(OVV)であって、変異体A33、変異体A34、および変異体B5ポリペプチドが、対応する野生型A33、A34およびB5ポリペプチドをコードするウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播または増進されたEEV産生を提供する、1つまたはそれより多いアミノ酸置換を含む、前記OVVを提供する。本開示はまた、腫瘍を有する個体において腫瘍溶解を誘導するための、OVVを含む組成物およびOVVまたは組成物の使用も提供する。【選択図】なし
Description
関連出願に対するクロスリファレンス
本出願は、2019年12月12日出願の米国仮出願第62/947,200号、2019年12月12日出願の米国仮出願第62/947,202号、および2019年12月12日出願の米国仮出願第62/947,204号の恩典を請求する。各仮出願の開示は、その全体が本明細書に援用される。
本出願は、2019年12月12日出願の米国仮出願第62/947,200号、2019年12月12日出願の米国仮出願第62/947,202号、および2019年12月12日出願の米国仮出願第62/947,204号の恩典を請求する。各仮出願の開示は、その全体が本明細書に援用される。
テキストファイルとして提供される配列表の参照による援用
配列表は、2020年11月3日に作成され、そして152KBのサイズを有するテキストファイル、「PC040318A_SeqListing_ST25.txt」として本明細書とともに提供される。テキストファイルの内容は、その全体が本明細書に援用される。
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本開示は、一般に、腫瘍溶解性ウイルスに、そして特に、増進された抗腫瘍特性を持つ組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルスに関する。
腫瘍溶解性ウイルス(OV)は、非癌細胞においてよりも、癌細胞において、選択的にまたはより効率的に複製するウイルスである。このウイルス群には、天然に見出されたウイルス(例えば野生型または天然ウイルス)、ならびにその抗腫瘍特性、例えば腫瘍選択性または腫瘍細胞における優先的複製、宿主指向性、表面付着、溶解、ならびに伝播が改善されるように、遺伝子破壊または遺伝子付加によって、天然ウイルスから操作されているウイルスが含まれる。生存複製OVが、多様なヒト癌における臨床試験で試験されてきている。OVは、抗腫瘍免疫反応、ならびに腫瘍細胞の直接溶解(すなわち腫瘍溶解)を誘導しうる。一般的なOVには、単純ヘルペスウイルス(HSV)、アデノウイルス(Ad)、麻疹ウイルス(MV)、コクサッキーウイルス(CV)、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、およびワクシニアウイルス(VV)の弱毒化株が含まれる。
腫瘍溶解性ウイルス(OV)は、非癌細胞においてよりも、癌細胞において、選択的にまたはより効率的に複製するウイルスである。このウイルス群には、天然に見出されたウイルス(例えば野生型または天然ウイルス)、ならびにその抗腫瘍特性、例えば腫瘍選択性または腫瘍細胞における優先的複製、宿主指向性、表面付着、溶解、ならびに伝播が改善されるように、遺伝子破壊または遺伝子付加によって、天然ウイルスから操作されているウイルスが含まれる。生存複製OVが、多様なヒト癌における臨床試験で試験されてきている。OVは、抗腫瘍免疫反応、ならびに腫瘍細胞の直接溶解(すなわち腫瘍溶解)を誘導しうる。一般的なOVには、単純ヘルペスウイルス(HSV)、アデノウイルス(Ad)、麻疹ウイルス(MV)、コクサッキーウイルス(CV)、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、およびワクシニアウイルス(VV)の弱毒化株が含まれる。
ワクシニアウイルスは、オルソポックスウイルス属のプロトタイプメンバーであり、宿主細胞の細胞質において複製する。複製中、3つの形態学的および抗原的に別個の型のウイルス:細胞内成熟ビリオン(IMV)、細胞内エンベロープビリオン(IEV)、および細胞外ビリオンが産生される。最初に産生される感染性子孫であるIMVのサブセットは、トランスゴルジネットワーク(TGN)に輸送され、ここで2つのさらなる膜でエンベロープ形成されて、IEVが産生される。IEVは細胞質を通じて細胞外縁に輸送され、ここで最も外側の膜が形質膜と融合して、EVと称される二重膜型を放出する。細胞表面で保持されるEVは、細胞会合エンベロープビリオン(CEV)と称される一方、もはや細胞表面に付着していないEVは、細胞外エンベロープビリオン(EEV)と称される。IMVは最も豊富な感染型であり、そして宿主間の伝播に関与すると考えられ;CEVは細胞間伝播に役割を果たすと考えられ;そしてEEVは、宿主生物内での長期播種に重要であると考えられる。
VVは、およそ200kbpの二本鎖DNAゲノムを含有し、該ゲノムは200を超えるオープンリーディングフレームをコードすると予測される。ウイルスによってコードされる7つのタンパク質、すなわち、A33、A34、A36、A56、B5、F12、およびF13は、ウイルスのエンベロープ型(IEV/EEV/CEV)にユニークである。ワクシニアウイルスオープンリーディングフレームは、HindIII制限エンドヌクレアーゼ断片を示す大文字で示され、数字はHindIII断片における位を示し、そして文字(LまたはR)は、転写方向を示し、例えばA34Rとなる。対応するタンパク質は、大文字および数字、例えばA34によって示される。細胞外ビリオン膜に特異的な糖タンパク質A33、A34、およびB5は、EV表面上に曝露され、そして細胞外ビリオン形成および続く感染中に役割を有する。
本開示は、複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス(本明細書において、以後、「腫瘍溶解性ワクシニアウイルス」または「OVV」と称する)であって、変異体ウイルスポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、該変異体ウイルスポリペプチドが増進されたウイルス伝播または増進されたEEV産生を提供する、前記ワクシニアウイルスを提供する。用語「増進された」は、本明細書において、本開示における「増加した」と同じものを意味し、そして交換可能に用いられる。いくつかの側面において、OVVは、変異体A33ポリペプチド、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、または上記ヌクレオチド配列の任意の組み合わせより選択される変異体ウイルスポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、ここで変異体A33、変異体A34、および変異体B5ポリペプチドは、それぞれの突然変異を含まない対応するポリペプチドに比較して、増進されたウイルス伝播または増進されたEEV産生を提供する、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれより多いアミノ酸突然変異(例えば置換、欠失、または挿入)を含む。いくつかの態様において、OVVは、コペンハーゲン株に基づいて構築される。他の態様において、OVVは、ウェスタンリザーブ株に基づいて構築される。
本開示は、OVVを含む組成物をさらに提供する。本開示はまた、腫瘍を有する個体において腫瘍溶解を誘導する方法であって、該個体に、本開示のOVVまたは本開示の組成物の有効量を投与する工程を含む、前記方法も提供する。本開示はまた、腫瘍を有する個体において腫瘍溶解を誘導する方法において使用するための本開示のOVVまたは組成物、ならびにこうした方法において使用するための薬剤の製造における本開示のOVVまたは組成物の使用も提供する。
定義
本発明を記載する前に、本開示の背景で用いるいくつかの用語を定義する。これらの用語に加えて、必要に応じて他のものを、本明細書の別の箇所に定義する。本明細書に明らかに定義しない限り、本明細書で用いる技術分野の用語は、技術分野に認識される意味を有するであろう。
本発明を記載する前に、本開示の背景で用いるいくつかの用語を定義する。これらの用語に加えて、必要に応じて他のものを、本明細書の別の箇所に定義する。本明細書に明らかに定義しない限り、本明細書で用いる技術分野の用語は、技術分野に認識される意味を有するであろう。
用語「腫瘍溶解性」ワクシニアウイルスは、正常(非癌性)細胞に比較して、癌細胞に優先的に感染し、そして癌細胞を優先的に殺す、ワクシニアウイルスを指す。
用語「異種」は、それぞれ、天然核酸またはタンパク質に見られない、ヌクレオチドまたはポリペプチド配列を指す。例えば、本開示の組換えワクシニアウイルスの背景において、「異種」免疫調節ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸は、ワクシニアウイルスに天然には見られない、すなわち、コードされる免疫調節ポリペプチドが、天然存在ワクシニアウイルスによってはコードされない、核酸である。
用語「異種」は、それぞれ、天然核酸またはタンパク質に見られない、ヌクレオチドまたはポリペプチド配列を指す。例えば、本開示の組換えワクシニアウイルスの背景において、「異種」免疫調節ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸は、ワクシニアウイルスに天然には見られない、すなわち、コードされる免疫調節ポリペプチドが、天然存在ワクシニアウイルスによってはコードされない、核酸である。
用語「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、本明細書において交換可能に用いられ、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれであっても、任意の長さのヌクレオチドのポリマー型を指す。したがって、この用語には、限定されるわけではないが、一本鎖、二本鎖または多重鎖DNAまたはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA−RNAハイブリッド、あるいはプリンおよびピリミジン塩基または他の天然の、化学的もしくは生化学的修飾された、非天然、もしくは誘導体化ヌクレオチド塩基を含むポリマーが含まれる。
本明細書において、用語「治療」、「治療する」等は、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを指す。効果は、疾患またはその症状を完全にまたは部分的に防止する観点で、予防的であってもよいし、そして/または疾患および/または疾患に寄与しうる副作用の部分的または完全な治癒の観点で、療法的であってもよい。「治療」は、本明細書において、哺乳動物、例えばヒトにおいて疾患のいかなる治療も含み、そしてこれには:(a)疾患に対する素因がありうるが、該疾患を有するとはまだ診断されていない被験体において、疾患が生じることを防止すること;(b)疾患を阻害する、すなわち該疾患の発展を抑止すること;および(c)疾患を軽減させる、すなわち疾患の後退を引き起こすことが含まれる。
用語「個体」、「被験体」、「宿主」、および「患者」は、本明細書において交換可能に用いられ、限定されるわけではないが、ネズミ(例えばラット、マウス)、ウサギ目(lagomorph)(例えばウサギ(rabbit))、非ヒト霊長類、ヒト、イヌ(canine)、ネコ(feline)、有蹄動物(ungulate)(例えばウマ(equine)、ウシ(bovine)、ヒツジ(ovine)、ブタ(porcine)、ヤギ(caprine))等を含む哺乳動物を指す。
「療法的有効量」または「有効量」は、疾患を治療するために哺乳動物または他の被験体に投与された際に、疾患のこうした治療を達成するために十分である、剤(例えば、本開示の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス)の量、または2つの剤(例えば、本開示の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルスおよび第二の療法剤)の組み合わせた量を指す。「療法的有効量」は、剤(単数または複数)、疾患およびその重症度、ならびに治療しようとする被験体の年齢、体重等に応じて多様であろう。
用語「変異体」ポリペプチドは;前記変異体が本明細書に定義するような生物学的活性を有するならば、そのアミノ酸配列が、参照ポリペプチドのアミノ酸配列と、少なくとも90%であるが、100%未満の同一性を示すポリペプチドを指す。変異体は、1つまたはそれより多いアミノ酸の挿入、置換、または欠失のような修飾による、参照ポリペプチドのアミノ酸配列の修飾によってもたらされうる。したがって、用語「変異体」ポリペプチドは、所望の生物学的特性を与える十分な数の隣接アミノ酸残基を含む、参照ポリペプチドの断片を含む。
用語「置換」は、ポリペプチド中の1つのアミノ酸の異なるアミノ酸での置き換えを指す。本開示の背景において、変異体における置換は:元来のアミノ酸−位−置換アミノ酸として示される。したがって、表記「K151E」は、変異体が、親ポリペプチドの151位のアミノ酸に対応する変異体アミノ酸位で、リジン(K)のグルタミン酸(E)での置換を含むことを意味する。
本発明をさらに記載する前に、本発明は、記載するいかなる特定の態様にも限定されず、こうしたものとしてもちろん、多様でありうることが理解されるものとする。本発明の範囲は付随する請求項によってのみ限定されるであろうため、本明細書に用いる用語が、特定の態様を記載する目的のみのためであり、そして限定することは意図されないこともまた理解されるものとする。
ある範囲の値を提供する場合、文脈が明らかに別に示さない限り、下限単位の1/10までの介在する値各々は、範囲の上限および下限の間で、そしてその言及する範囲内のいかなる他の言及するまたは介在する値もいずれも、本発明内に含まれることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立により小さい範囲内に含まれてもよく、そしてまた、言及する範囲において、任意の特に排除される限界次第で、本発明に含まれる。言及する範囲に、限界の一方または両方が含まれる場合、こうした含まれる限界のいずれかまたは両方が排除された範囲もまた、本発明に含まれる。
別に定義しない限り、本明細書で用いるすべての技術的および化学的用語は、本発明が属する技術分野の一般の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載するものと類似のまたは同等のいかなる方法および材料もまた、本発明の実施または試験において用いられてもよいが、好ましい方法および材料をここで記載する。本明細書で言及するすべての刊行物は、刊行物が引用されるものと関連した方法および/または材料を開示し、そして記載するため、本明細書に援用される。
本明細書において、そして付随する請求項において、単数形「a」、「an」、および「the」には、背景が別に明らかに示さない限り、複数の参照物が含まれることに注目しなければならない。したがって、例えば、「(単数の)ワクシニアウイルス」に対する言及には、複数のこうしたワクシニアウイルスが含まれ、そして「(単数の)A33ポリペプチド」への言及には、1つまたはそれより多いA33ポリペプチドおよび当業者に知られるその同等物への言及が含まれるなどである。請求項は、いかなる場合による要素も排除するよう起草される可能性もあることがさらに注目される。こうしたものとして、この言及は、「もっぱら」、「のみ」等の排除性の用語の、請求項要素の列挙と組み合わせての使用、または「負の」限定の使用のための先行詞として働くと意図される。
明確にするために、別個の態様の背景で記載される本発明の特定の特徴はまた、単一の態様において組み合わせて提供されてもよいことが認識される。逆に、簡潔にするために、単一の態様の背景で記載される本発明の多様な特徴はまた、別個に、または任意の適切なサブコンビネーションで提供されてもよい。本発明に関する態様のすべての組み合わせは、本発明に特に含まれ、そして各々のそしてすべての組み合わせが、個々にそして明確に開示されるのと同じように、本明細書に開示される。さらに、多様な態様およびその要素のすべてのサブコンビネーションもまた、本発明に特に含まれ、そして各々のそしてすべてのこうしたサブコンビネーションが、本明細書に個々にそして明確に開示されるのと同じように、本明細書に開示される。
本明細書で論じる刊行物は、単に本出願の出願日の前の開示に関して提供される。本明細書のなにものも、本発明が以前の発明のためにこうした刊行物に先行する資格がないことの承認と見なされてはならない。さらに、提供する刊行物の日付は、実際の公開日とは異なる可能性もあり、これは独立に確認する必要がありうる。
腫瘍溶解性ワクシニアウイルス
本開示は、所望の腫瘍溶解特性を示す、複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス(「腫瘍溶解性ワクシニアウイルス」または「OVV」とも称される)を提供する。該ウイルスは、任意のワクシニアウイルス株、好ましくはエルスツリー、ワイエス、コペンハーゲンおよびウェスタンリザーブ株に由来してもよい。別に示さない限り、本明細書で用いる遺伝子命名は、コペンハーゲンワクシニアウイルス株のものである。OVVは、遺伝子産物の産生、活性、機能、または任意の他の特性を変化させる、1つまたはそれより多いウイルス遺伝子の改変(例えば、ウイルス遺伝子またはその制御要素内の1つまたはそれより多いヌクレオチドの欠失、挿入、置換)ならびに/あるいは外因性ポリペプチド(すなわちウイルスによって天然には発現されないポリペプチド)をコードする1つまたはそれより多い導入遺伝子の挿入によって、親ワクシニアウイルスに由来してもよい。
本開示は、所望の腫瘍溶解特性を示す、複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス(「腫瘍溶解性ワクシニアウイルス」または「OVV」とも称される)を提供する。該ウイルスは、任意のワクシニアウイルス株、好ましくはエルスツリー、ワイエス、コペンハーゲンおよびウェスタンリザーブ株に由来してもよい。別に示さない限り、本明細書で用いる遺伝子命名は、コペンハーゲンワクシニアウイルス株のものである。OVVは、遺伝子産物の産生、活性、機能、または任意の他の特性を変化させる、1つまたはそれより多いウイルス遺伝子の改変(例えば、ウイルス遺伝子またはその制御要素内の1つまたはそれより多いヌクレオチドの欠失、挿入、置換)ならびに/あるいは外因性ポリペプチド(すなわちウイルスによって天然には発現されないポリペプチド)をコードする1つまたはそれより多い導入遺伝子の挿入によって、親ワクシニアウイルスに由来してもよい。
いくつかの側面において、本開示は、変異体ウイルスポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むOVVであって、変異体ウイルスポリペプチドがウイルスの1つまたはそれより多い増進された腫瘍溶解特性、例えば増進されたウイルス伝播または増進されたEEV産生を提供する、前記OVVを提供する。ウイルス伝播またはEEV産生に対する変異体ウイルスポリペプチドの影響は、本明細書に提供される実施例に記載される方法、ならびに当該技術分野に知られる任意の他の適切な方法を用いて決定されうる。
いくつかの態様において、OVVは、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A33ポリペプチド、例えば図1Cに示すアミノ酸配列を有するA33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの他の態様において、本開示は、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A34ポリペプチド、例えば図2Cに示すアミノ酸配列を有するA34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むOVVを提供する。いくつかのさらなる態様において、本開示は、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型B5ポリペプチド、例えば図4Dに示すアミノ酸配列を有するB5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/またはEEV産生を提供する1つまたはそれより多いアミノ酸置換を含む、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むOVVを提供する。いくつかのさらにさらなる態様において、本開示は、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、および変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を任意の組み合わせで含む、OVVを提供する。適切な対照の例には、実施例に記載するようなIGV−007およびIGV−006が含まれる。増進されたウイルス伝播および/またはEEV産生を提供する変異体A33ポリペプチド、変異体A34ポリぺプチド、および変異体B5ポリペプチドの例を以下に詳細に記載する。
いくつかの場合、本開示のOVVは、a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;b)増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供するいかなるアミノ酸置換も含まない、A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにc)増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供するいかなるアミノ酸置換も含まない、B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合、本開示のOVVは:a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;b)野生型A34ポリペプチド(例えば、天然存在アミノ酸配列を有するA34ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列;ならびにc)野生型B5ポリペプチド(例えば、天然存在アミノ酸配列を有するB5ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合、本開示のOVVは:a)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;b)増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供するいかなるアミノ酸置換も含まない、A33ポリペプチド(例えば、野生型A33ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列;ならびにc)増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供するいかなるアミノ酸置換も含まない、B5ポリペプチド(例えば、野生型B5ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合、本開示のOVVは:a)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;b)野生型A33ポリペプチド(例えば、天然存在アミノ酸配列を有するA33ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列;ならびにc)野生型B5ポリペプチド(例えば、天然存在アミノ酸配列を有するB5ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合、本開示のOVVは:a)変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;b)増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供するいかなるアミノ酸置換も含まない、A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにc)増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供するいかなるアミノ酸置換も含まない、A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合、本開示のOVVは:a)変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;b)野生型A33ポリペプチド(例えば、天然存在アミノ酸配列を有するA33ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列;ならびにc)野生型A34ポリペプチド(例えば、天然存在アミノ酸配列を有するA34ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合、本開示のOVVは:a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A33ポリペプチド、例えば図1Cに示すアミノ酸配列を有するA33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;b)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A34ポリペプチド、例えば図2Cに示すアミノ酸配列を有するA34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにc)野生型B5ポリペプチド(例えば、天然存在アミノ酸配列を有するB5ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合、本開示のOVVは:a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A33ポリペプチド、例えば図1Cに示すアミノ酸配列を有するA33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;b)変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型B5ポリペプチド、例えば図4Dに示すアミノ酸配列を有するB5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにc)野生型A34ポリペプチド(例えば、天然存在アミノ酸配列を有するA34ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合、本開示のOVVは:a)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A34ポリペプチド、例えば図2Cに示すアミノ酸配列を有するA34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;b)変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型B5ポリペプチド、例えば図4Dに示すアミノ酸配列を有するB5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにc)野生型A33ポリペプチド(例えば、天然存在アミノ酸配列を有するA33ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合、本開示のOVVは:a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A33ポリペプチド、例えば図1Cに示すアミノ酸配列を有するA33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;b)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A34ポリペプチド、例えば図2Cに示すアミノ酸配列を有するA34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにc)変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型B5ポリペプチド、例えば図4Dに示すアミノ酸配列を有するB5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合、本開示のOVVは、本明細書に記載するような変異体A33ポリペプチドおよび/または変異体A34ポリペプチドおよび/または変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増加したウイルス伝播および/または増加したEEV産生を示す。例えば、いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列および/または変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列および/または変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む本開示のOVVは、変異体A33ポリペプチドおよび/または変異体A34ポリペプチドおよび/または変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(単数または複数)を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(または2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、または25倍より高い伝播を示す。所定の変異体A33ポリペプチド、所定の変異体A34ポリペプチド、所定のB5ポリペプチド、あるいは所定のA33ポリペプチド、所定の変異体A45ポリペプチド、および所定の変異体B5ポリペプチドの2つまたは3つの組み合わせが、対照に比較して増加したウイルス伝播を提供するかどうかは、本明細書の実施例に記載するような方法、例えば実施例2に記載するU−2 OS細胞を用いた2段階感染性アッセイを含む、任意の既知の方法を用いて決定可能である。2段階感染性アッセイは、(1)ワクシニアウイルスの感染多重度(MOI)の異なる3倍希釈でU−2細胞を感染させ、(2)感染22時間後、上清を収集し、(3)U−2 OS細胞の新規プレートを上清で感染させ、そして(4)感染15時間後にウイルスから発現されるルシフェラーゼを測定する工程を含み、ルシフェラーゼレベルの増加が、ウイルス伝播の増加の指標となる。
いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、または変異体A33、A34、およびB5ポリペプチドの任意の組み合わせをコードするヌクレオチド配列を含む本開示のOVVは、対応する野生型A33、A34、およびB5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(単数または複数)を含む対照ワクシニアウイルスに比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(または2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、または25倍より高いEEV産生を示す。所定の変異体A33ポリペプチド、所定の変異体A34ポリペプチド、所定の変異体B5ポリペプチド、あるいは所定のA33ポリペプチド、所定の変異体A45ポリペプチド、および所定のB5ポリペプチドの2つまたは3つの組み合わせが、対照に比較して増加したEEV産生を提供するかどうかは、本明細書の実施例に記載するような方法、例えば実施例3に記載するプラークアッセイを含む、任意の既知の方法を用いて決定可能である。プラークアッセイは、(1)1つまたはそれより多い細胞株をウイルスに感染させ、(2)ウイルス吸着の1時間後に細胞を洗浄し、(3)感染24時間後、上清(潜在的にEEV)を収集し、そして(4)プラークアッセイを通じて、上清中で産生された感染性ウイルスの数を決定する工程を含む。
いくつかの場合、本開示のOVVは、本明細書に記載するような変異体A33ポリペプチドおよび/または変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増加したウイルス伝播および/または増加したEEV産生を示す。例えば、いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列および/または変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む本開示のOVVは、変異体A33ポリペプチドおよび/または変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(単数または複数)を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば、野生型A33ポリペプチド、例えば図1Cに示すアミノ酸配列を有するA33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む;そして/または野生型A34ポリペプチド、例えば図2Cに示すアミノ酸配列を有するA34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(または2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、または25倍より高い伝播を示す。所定の変異体A33ポリペプチド、所定のA34ポリペプチド、または所定のA33ポリペプチドおよび所定の変異体A34ポリペプチドの組み合わせが、対照に比較して増加したウイルス伝播を提供するかどうかは、本明細書の実施例に記載するような方法を含む、任意の既知の方法を用いて決定可能である。
いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列および/または変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む本開示のOVVは、変異体A33ポリペプチドおよび/または変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(単数または複数)を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば、野生型A33ポリペプチド、例えば図1Cに示すアミノ酸配列を有するA33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む;そして/または野生型A34ポリペプチド、例えば図2Cに示すアミノ酸配列を有するA34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(または2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、または25倍より高いEEV産生を示す。所定の変異体A33ポリペプチド、所定の変異体A34ポリペプチド、または所定の変異体A33ポリペプチドおよび所定の変異体A34ポリペプチドの組み合わせが、対照に比較して増加したEEV産生を提供するかどうかは、本明細書の実施例に記載するような方法を含む、任意の既知の方法を用いて決定可能である。
いくつかの場合、本開示のOVVは、本明細書に記載するような変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば、野生型B5ポリペプチド、例えば図4Dに示すアミノ酸配列を有するB5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増加したウイルス伝播および/または増加したEEV産生を示す。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む本開示のOVVは、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば、野生型B5ポリペプチド、例えば図4Dに示すアミノ酸配列を有するB5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(または2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、または25倍より高い伝播を示す。所定の変異体B5ポリペプチドが、対照に比較して増加したウイルス伝播を提供するかどうかは、本明細書の実施例に記載するような方法を含む、任意の既知の方法を用いて決定可能である。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む本開示のOVVは、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば、野生型B5ポリペプチド、例えば図4Dに示すアミノ酸配列を有するB5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(または2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、または25倍より高いEEV産生を示す。所定の変異体B5ポリペプチドが、対照に比較して増加したEEV産生を提供するかどうかは、本明細書の実施例に記載するような方法を含む、任意の既知の方法を用いて決定可能である。
いくつかの場合、本開示のOVVを用いて産生される感染性ビリオンの少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または75%より多くは、EEVである。いくつかの場合、本開示のOVVを用いて産生される総物理的ウイルス粒子の少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または75%より多くは、EEVである。
変異体A33ポリペプチド
ワクシニアウイルスの一般的な株のA33ポリペプチドの野生型アミノ酸配列の例を図1Cに表し、そして配列番号8〜14に示す。変異体A33ポリペプチドは、1つ、2つ、3つ、またはそれより多いアミノ酸突然変異、例えばアミノ酸番号付けが図1Cに示す番号付けに基づく場合(例えばアミノ酸番号付けが、コペンハーゲンA33アミノ酸配列;配列番号8のアミノ酸番号付けに基づく場合)、例えばM63、A88、およびE129の1つまたはそれより多くでの置換を含んでもよい。
ワクシニアウイルスの一般的な株のA33ポリペプチドの野生型アミノ酸配列の例を図1Cに表し、そして配列番号8〜14に示す。変異体A33ポリペプチドは、1つ、2つ、3つ、またはそれより多いアミノ酸突然変異、例えばアミノ酸番号付けが図1Cに示す番号付けに基づく場合(例えばアミノ酸番号付けが、コペンハーゲンA33アミノ酸配列;配列番号8のアミノ酸番号付けに基づく場合)、例えばM63、A88、およびE129の1つまたはそれより多くでの置換を含んでもよい。
いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして63位でMet以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、63位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、M63R置換、M63H、またはM63K置換を含む。いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、M63R置換を含む。
いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして88位でAla以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、88位にGly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、A88D置換またはA88E置換を含む。いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、A88D置換を含む。
いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして129位でGlu以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、129位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、E129M置換を含む。
いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、63位でMet以外のアミノ酸を含み;そして図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、88位でAla以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてM63R置換およびA88D置換を含む。
いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、63位でMet以外のアミノ酸を含み;そして図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、129位でGlu以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてM63R置換およびE129M置換を含む。
いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、88位でAla以外のアミノ酸を含み;そして図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、129位でGlu以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてA88D置換およびE129M置換を含む。
いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、63位でMet以外のアミノ酸を含み;図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、88位でAla以外のアミノ酸を含み;そして図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、129位でGlu以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体A33ポリペプチドは、図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてM63R置換、A88D置換、およびE129M置換を含む。
変異体A34ポリペプチド
ワクシニアウイルスの一般的な株のA34ポリペプチドの野生型アミノ酸配列の例を図2Cに表し、そして配列番号22〜28に示す。変異体A34ポリペプチドは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれより多いアミノ酸突然変異、アミノ酸番号付けが図2Cに示す番号付けに基づく場合(例えばアミノ酸番号付けが、コペンハーゲンA34アミノ酸配列;配列番号22のアミノ酸番号付けに基づく場合)、例えばM66、F94、R84、R91、およびT127の1つ、2つ、3つ、4つ、または5つでのアミノ酸置換を含んでもよい。
ワクシニアウイルスの一般的な株のA34ポリペプチドの野生型アミノ酸配列の例を図2Cに表し、そして配列番号22〜28に示す。変異体A34ポリペプチドは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれより多いアミノ酸突然変異、アミノ酸番号付けが図2Cに示す番号付けに基づく場合(例えばアミノ酸番号付けが、コペンハーゲンA34アミノ酸配列;配列番号22のアミノ酸番号付けに基づく場合)、例えばM66、F94、R84、R91、およびT127の1つ、2つ、3つ、4つ、または5つでのアミノ酸置換を含んでもよい。
いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして66位でMet以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、66位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、M66T置換またはM66S置換を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドはM66T置換を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位にLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位にGluを含む。
いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして94位でPhe以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、94位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、F94H置換、F94R置換、またはF94K置換を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、F94H置換を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でGluを含む。
いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして84位でArg以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、84位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、R84G置換、R84A置換、R84I置換、R84L置換、またはR84V置換を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、R84G置換を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でGluを含む。
いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして91位でArg以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、91位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、R91S置換、R91A置換、またはR91T置換を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、R91S置換を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、R91A置換を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でGluを含む。
いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして127位でThr以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、127位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、T127E置換またはT127D置換を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、T127E置換を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でGluを含む。
いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてアミノ酸番号付けが図2Cに示す番号付けに基づく場合、M66、F94、R84、R91、およびT127より選択される2つの位でアミノ酸置換を含む。したがって、例えばいくつかの場合、変異体A34は、M66およびF94;M66およびR84;M66およびR91;M66およびT127;F94およびR84;ならびにF94およびF91;F94およびT127;R84およびR91;R84およびT127;またはR91およびT127で置換を含む。いくつかの場合、M66の置換はM66T置換である。いくつかの場合、F94の置換はF94H置換である。いくつかの場合、R84の置換はR84G置換である。いくつかの場合、R91の置換はR91S置換である。いくつかの場合、R91の置換はR91A置換である。いくつかの場合、T127の置換はT127E置換である。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でGluを含む。
いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてアミノ酸番号付けが図2Cに示す番号付けに基づく場合、M66、F94、R84、R91、およびT127より選択される3つの位でアミノ酸置換を含む。したがって、例えばいくつかの場合、変異体A34は、M66、F94、およびR84;M66、F94、およびR91;M66、F94、およびT127;F94、R84、およびR91;R94、R84、およびT127;F94、R91、およびT127;R84、R91、およびT127;M66、R84、およびR91;またはM66、R91、およびT127で置換を含む。いくつかの場合、M66の置換はM66T置換である。いくつかの場合、F94の置換はF94H置換である。いくつかの場合、R84の置換はR84G置換である。いくつかの場合、R91の置換はR91S置換である。いくつかの場合、R91の置換はR91A置換である。いくつかの場合、T127の置換はT127E置換である。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でGluを含む。
いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてアミノ酸番号付けが図2Cに示す番号付けに基づく場合、M66、F94、R84、R91、およびT127より選択される4つの位でアミノ酸置換を含む。したがって、例えばいくつかの場合、変異体A34は、M66、F94、R84、およびR91;M66、F94、R84、およびT127;F94、R84、R91、およびT127;M66、R84、R91、およびT127;またはM66、F94、R91、およびT127で置換を含む。いくつかの場合、M66の置換はM66T置換である。いくつかの場合、F94の置換はF94H置換である。いくつかの場合、R84の置換はR84G置換である。いくつかの場合、R91の置換はR91S置換である。いくつかの場合、R91の置換はR91A置換である。いくつかの場合、T127の置換はT127E置換である。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、151位でGluを含む。
上記態様のいずれにおいても、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示す番号付けに基づいて、151位で、Lysを有してもよい。上記態様のいずれにおいても、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示す番号付けに基づいて、151位に、Lys以外のアミノ酸を有してもよい。上記態様のいずれにおいても、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示す番号付けに基づいて、151位でGluを有してもよい。したがって、例えば、いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてF94でのアミノ酸置換およびK151でのアミノ酸置換を含む。例えば、いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、F94H置換およびK151E置換を含む。
変異体A33ポリペプチドおよび変異体A34ポリペプチドの組み合わせ
上述のように、いくつかの場合、本開示のOVVは:a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A33ポリペプチド、例えば図1Cに示すアミノ酸配列を有するA33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A34ポリペプチド、例えば図2Cに示すアミノ酸配列を有するA34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
上述のように、いくつかの場合、本開示のOVVは:a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A33ポリペプチド、例えば図1Cに示すアミノ酸配列を有するA33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A34ポリペプチド、例えば図2Cに示すアミノ酸配列を有するA34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
変異体A33ポリペプチドおよび変異体A34ポリペプチドの両方をコードするヌクレオチド配列を含む本開示のOVVは、任意の組み合わせの上述の変異体A33ポリペプチドのいずれかおよび上述のA34ポリペプチドのいずれかをコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。組み合わせの限定されない例を表2に示す。
したがって、例えばいくつかの場合、本開示のOVVは:a)上述のように、M63、A88、およびE129で1つ、2つ、または3つのアミノ酸置換を含む変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにb)上述のように、M66、F94、R84、R91、およびT127で1つ、2つ、3つ、4つ、または5つのアミノ酸置換を含む変異体A34ポリペプチドを含む。
以下は、例示的な組み合わせであり、そして限定することを意味しない。
A33(A88X)およびA34(F94X)
例として、本開示のOVVは、a)図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、88位でAla以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A33ポリペプチドは、88位にGly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして94位でPhe以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A34ポリペプチドは、94位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。例えば、本開示のOVVは、a)A88D置換を含む変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)F94H置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でGluを含む。例えば、いくつかの場合、本開示のOVVは、a)A88D置換を含む変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)i)F94H置換;およびii)K151E置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
A33(A88X)およびA34(F94X)
例として、本開示のOVVは、a)図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、88位でAla以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A33ポリペプチドは、88位にGly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして94位でPhe以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A34ポリペプチドは、94位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。例えば、本開示のOVVは、a)A88D置換を含む変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)F94H置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でGluを含む。例えば、いくつかの場合、本開示のOVVは、a)A88D置換を含む変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)i)F94H置換;およびii)K151E置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
A33(E129X)およびA34(F94X)
例えば、本開示のOVVは、a)129位でGlu以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A33ポリペプチドは、129位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして94位でPhe以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A34ポリペプチドは、94位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。例えば、本開示のOVVは、a)E129M置換を含む変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)F94H置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でGluを含む。したがって、例えば、いくつかの場合、本開示のOVVは、a)E129M置換を含む変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)i)F94H置換;およびii)K151E置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
例えば、本開示のOVVは、a)129位でGlu以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A33ポリペプチドは、129位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして94位でPhe以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A34ポリペプチドは、94位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。例えば、本開示のOVVは、a)E129M置換を含む変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)F94H置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でGluを含む。したがって、例えば、いくつかの場合、本開示のOVVは、a)E129M置換を含む変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)i)F94H置換;およびii)K151E置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
A33(A88X;およびE129X)およびA34(F94X)
例えば、本開示のOVVは:a)図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてi)図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、88位でAla以外のアミノ酸を含み(例えば、変異体A33ポリペプチドは、88位にGly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む);そしてii)129位でGlu以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A33ポリペプチドは、129位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして94位でPhe以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A34ポリペプチドは、94位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。例えば、本開示のOVVは、a)i)A88D置換;およびii)E129M置換を含む変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにb)F94H置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でGluを含む。例えば、いくつかの場合、本発明のOVVは、a)i)A88D置換;およびii)E129M置換を含む変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにb)i)F94H置換;およびii)K151E置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
例えば、本開示のOVVは:a)図1Cに示すA33アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてi)図1Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、88位でAla以外のアミノ酸を含み(例えば、変異体A33ポリペプチドは、88位にGly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む);そしてii)129位でGlu以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A33ポリペプチドは、129位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして94位でPhe以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A34ポリペプチドは、94位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。例えば、本開示のOVVは、a)i)A88D置換;およびii)E129M置換を含む変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにb)F94H置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でGluを含む。例えば、いくつかの場合、本発明のOVVは、a)i)A88D置換;およびii)E129M置換を含む変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにb)i)F94H置換;およびii)K151E置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
変異体A56ポリペプチド
上述の任意の態様において、いくつかの場合、本開示のOVVは、図3Dに示すA56アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;コードされる変異体A56ポリペプチドは、図3Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、269位でIle以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A56ポリペプチドは、269位にAla、Gly、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A56ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。例えば、変異体A56ポリペプチドは、アミノ酸269でPhe、Trp、またはTyrを含んでもよい。いくつかの場合、変異体A56ポリペプチドは、アミノ酸269でPheを含む。
上述の任意の態様において、いくつかの場合、本開示のOVVは、図3Dに示すA56アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;コードされる変異体A56ポリペプチドは、図3Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、269位でIle以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A56ポリペプチドは、269位にAla、Gly、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A56ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。例えば、変異体A56ポリペプチドは、アミノ酸269でPhe、Trp、またはTyrを含んでもよい。いくつかの場合、変異体A56ポリペプチドは、アミノ酸269でPheを含む。
例えば、本開示のOVVは:a)図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして91位でArg以外のアミノ酸を含む(例えば、いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すアミノ酸番号付けに基づいて、91位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)図3Dに示すA56アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;コードされる変異体A56ポリペプチドが、図3Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、269位でIle以外のアミノ酸を含む(例えば、変異体A56ポリペプチドは、269位にAla、Gly、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む)、変異体A56ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。例えば、本開示のOVVは:a)R91S置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびb)I269F置換を含む変異体A56ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でLysを含む。いくつかの場合、変異体A34ポリペプチドは151位でGluを含む。例えば、本開示のOVVは、a)i)R91S置換およびii)K151E置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにb)I269F置換を含む変異体A56ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。
変異体B5ポリペプチド
いくつかの態様において、本開示によって提供されるOVVは、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。ワクシニアウイルスB5ポリペプチドの野生型アミノ酸配列の例を図4Dに表し、そして配列番号50〜56に示す。変異体B5ポリペプチドは、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれより多いアミノ酸突然変異を、アミノ酸番号付けが図4Dに示す番号付けに基づく場合、N39、L90、N94、S197、S199、K229、V233、I236、V238、T240、N241、E243、V247、D248、G250、D263、E268、E270、D272、S273、D275、およびA276のアミノ酸位で含んでもよい。
いくつかの態様において、本開示によって提供されるOVVは、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。ワクシニアウイルスB5ポリペプチドの野生型アミノ酸配列の例を図4Dに表し、そして配列番号50〜56に示す。変異体B5ポリペプチドは、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれより多いアミノ酸突然変異を、アミノ酸番号付けが図4Dに示す番号付けに基づく場合、N39、L90、N94、S197、S199、K229、V233、I236、V238、T240、N241、E243、V247、D248、G250、D263、E268、E270、D272、S273、D275、およびA276のアミノ酸位で含んでもよい。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、アミノ酸番号付けが図4Dに示す番号付けに基づく場合、N39、L90、N94、S197、S199、K229、V233、I236、V238、T240、N241、E243、V247、D248、G250、D263、E268、E270、E272、S273、E275、およびA276の1つで単一アミノ酸置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、アミノ酸番号付けが図4Dに示す番号付けに基づく場合、N39、L90、N94、S197、S199、K229、V233、I236、V238、T240、N241、E243、V247、D248、G250、D263、E268、E270、E272、S273、E275、およびA276より選択される位で2つのアミノ酸置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、アミノ酸番号付けが図4Dに示す番号付けに基づく場合、N39、L90、N94、S197、S199、K229、V233、I236、V238、T240、N241、E243、V247、D248、G250、D263、E268、E270、E272、S273、E275、およびA276より選択される位で3つのアミノ酸置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、アミノ酸番号付けが図4Dに示す番号付けに基づく場合、N39、L90、N94、S197、S199、K229、V233、I236、V238、T240、N241、E243、V247、D248、G250、D263、E268、E270、E272、S273、E275、およびA276より選択される位で4つのアミノ酸置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、アミノ酸番号付けが図4Dに示す番号付けに基づく場合、N39、L90、N94、S197、S199、K229、V233、I236、V238、T240、N241、E243、V247、D248、G250、D263、E268、E270、E272、S273、E275、およびA276より選択される位で5つのアミノ酸置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、アミノ酸番号付けが図4Dに示す番号付けに基づく場合、N39、L90、N94、S197、S199、K229、V233、I236、V238、T240、N241、E243、V247、D248、G250、D263、E268、E270、E272、S273、E275、およびA276より選択される位で6つのアミノ酸置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして39位でAsn以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、39位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはN39G置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして90位でLeu以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、90位にAla、Gly、Ile、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはL90R置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはL90H置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはL90K置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして94位でAsn以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、94位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはN94T置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはN94S置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはN94Q置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして197位でSer以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、197位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはS197F置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはS197V置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして199位でSer以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、199位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはS199M置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはS199L置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはS199I置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして229位でLys以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、xx位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはK229C置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして233位でVal以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、xx位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV233D置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV233E置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして236位でIle以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、236位にAla、Gly、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはI236P置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはI236L置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドI236C置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはI236V置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして238位でVal以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、238位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV238R置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV238H置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV238K置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV238W置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV238Y置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV238F置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして240位でThr以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、240位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはT240R置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはT240H置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはT240K置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはT240Y置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはT240W置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはT240F置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして241位でAsn以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、241位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはN241T置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはN241S置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはN241Q置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはN241G置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして243位でGlu以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、243位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE243G置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE243V置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE243A置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE243I置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE243L置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE243S置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE243T置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE243R置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして247位でVal以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、247位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV247S置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV247T置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV247N置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV247Q置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV247W置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV247Y置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはV247F置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして248位でAsp以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、248位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはD248Y置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはD248F置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはD248W置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして250位でGly以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、250位にAla、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはG250A置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはG250V置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはG250I置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはG250L置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはG250R置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはG250H置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはG250K置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして263位でAsp以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、263位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはD263V置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはD263A置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはD263I置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはD263L置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして268位でGlu以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、268位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE268T置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE268S置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドE268N置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE268Q置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして270位でGlu以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、270位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE270S置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE270T置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドE270N置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE270Q置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE270G置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして272位でGlu以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、272位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE272G置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE272P置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして273位でSer以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、273位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはS273I置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはS273L置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはS273V置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはS273A置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして275位でGlu以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、275位にAla、Gly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE275F置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE275Y置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE275W置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE275S置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE275T置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE275N置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはE275Q置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして276位でAla以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、276位にGly、Ile、Leu、Pro、Val、Phe、Trp、Tyr、Asp、Glu、Arg、His、Lys、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、またはGlnを含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはA276F置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはA276Y置換を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドはA276W置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、90位でLeu以外のアミノ酸を含み;そして図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、273位でSer以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてL90R置換およびS273V置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、229位でLys以外のアミノ酸を含み;そして図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、273位でSer以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてK229C置換およびS273L置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、39位でAsn以外のアミノ酸を含み;そして図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、273位でSer以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてN39G置換およびS273I置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、236位でIle以外のアミノ酸を含み;そして図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、238位でVal以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてI236P置換およびV238R置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、233位でVal以外のアミノ酸を含み;そして図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、236位でIle以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてV233D置換およびI236L置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、263位でAsp以外のアミノ酸を含み;そして図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、268位でGlu以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてD263V置換およびE268T置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、263位でAsp以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、270位でGlu以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、272位でGlu以外のアミノ酸を含み;そして図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、275位でGlu以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてD263A置換、E270S置換、E272G置換およびE275F置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、236位でIle以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、238位でVal以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、240位でThr以外のアミノ酸を含み;そして図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、243位でGlu以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてI236P置換、V238R置換、T240R置換、およびE243G置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、233位でVal以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、236位でIle以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、238位でVal以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、240位でThr以外のアミノ酸を含み;そして図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、243位でGlu以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてV233D置換、I236L置換、V238W置換、T240Y置換、およびE243R置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、241位でAsn以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、243位でGlu以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、247位でVal以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、250位でGly以外のアミノ酸を含み;そして図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、276位でAla以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてN241T置換、E243V置換、V247S置換、G250R置換、およびA276F置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、263位でAsp以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、268位でGlu以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、270位でGlu以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、272位でGlu以外のアミノ酸を含み;そして図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、275位でGlu以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてD263V置換、E268T置換、E270G置換、E272P置換、およびE275S置換を含む。
いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、241位でAsn以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、243位でGlu以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、247位でVal以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、248位でAsp以外のアミノ酸を含み;図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、250位でGly以外のアミノ酸を含み;そして図4Dに示すアミノ酸番号付けに基づいて、276位でAla以外のアミノ酸を含む。いくつかの場合、変異体B5ポリペプチドは、図4Dに示すB5アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そしてN241G置換、E243S置換、V247W置換、D248Y置換、G250A置換、およびA276F置換を含む。
上述の態様の任意の1つにおいて、複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルスには、K151E置換を有する変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列がさらに含まれてもよい。例えば、変異体A34ポリペプチドは、図2Cに示すA34アミノ酸配列に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでもよく;そしてK151E置換を含む。組み合わせの限定されない例を表2に示す。
変異体A34ポリペプチドおよび変異体B5ポリペプチド
いくつかの場合、本開示のOVVは、変異体A34ポリペプチドおよび変異体B5ポリペプチドの両方をコードするヌクレオチド配列を含み;こうしたOVVは、任意の組み合わせで、上記変異体A34ポリペプチドのいずれかおよび上記B5ポリペプチドのいずれかをコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。組み合わせの限定されない例を表2に示す。
いくつかの場合、本開示のOVVは、変異体A34ポリペプチドおよび変異体B5ポリペプチドの両方をコードするヌクレオチド配列を含み;こうしたOVVは、任意の組み合わせで、上記変異体A34ポリペプチドのいずれかおよび上記B5ポリペプチドのいずれかをコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。組み合わせの限定されない例を表2に示す。
1つの限定されない例として、本開示のOVVは:a)F94H置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにb)N39G置換およびS273I置換を含む変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。別の限定されない例として、本開示のOVVは:a)F94H置換およびK151E置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびにb)N39G置換およびS273I置換を含む変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
腫瘍溶解性ワクシニアウイルスの構築
本開示のOVVを、任意の多様なワクシニアウイルス株から構築してもよい。使用に適したワクシニアウイルス株の例には、限定されるわけではないが、リスター、ニューヨーク市衛生局(NYBH)、ワイエス、コペンハーゲン、ウェスタンリザーブ(WR)、修飾ワクシニアアンカラ(MVA)、EM63、池田、ダリアン、LIVP、天壇、IHD−J、タシケント、ベルン、パリ、大連株および誘導体などが含まれる。いくつかの場合、本開示のOVVはコペンハーゲン株ワクシニアウイルスである。いくつかの場合、本開示のOVVはWR株ワクシニアウイルスである。
本開示のOVVを、任意の多様なワクシニアウイルス株から構築してもよい。使用に適したワクシニアウイルス株の例には、限定されるわけではないが、リスター、ニューヨーク市衛生局(NYBH)、ワイエス、コペンハーゲン、ウェスタンリザーブ(WR)、修飾ワクシニアアンカラ(MVA)、EM63、池田、ダリアン、LIVP、天壇、IHD−J、タシケント、ベルン、パリ、大連株および誘導体などが含まれる。いくつかの場合、本開示のOVVはコペンハーゲン株ワクシニアウイルスである。いくつかの場合、本開示のOVVはWR株ワクシニアウイルスである。
多様な株のワクシニアウイルスのゲノムのヌクレオチド配列は、当該技術分野に知られ、例えばGoebelら(1990) Virology 179:247; Goebelら(1990) Virology 179:517を参照されたい。コペンハーゲン株ワクシニアウイルスのヌクレオチド配列が知られており;例えばGenBank寄託番号第M35027号を参照されたい。WR株ワクシニアウイルスのヌクレオチド配列が知られており;例えば、GenBank寄託番号第AY243312号;およびGenBank寄託番号第NC_006998号を参照されたい。ワクシニアウイルスのWR株は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC);ATCC VR−1354より入手可能である。
本開示のOVVを構築するために用いられるワクシニアウイルスには、弱毒化および/または腫瘍選択的ワクシニアウイルスが含まれてもよい。本明細書において、「弱毒化」は、正常細胞(例えば非腫瘍細胞)に対する低い毒性(例えば低ウイルス複製、低細胞溶解活性、低細胞傷害活性)を意味する。本明細書において、「腫瘍選択的」は、正常細胞(例えば非腫瘍細胞)のものよりも高い腫瘍細胞に対する毒性(例えば腫瘍溶解性)を意味する。特定のタンパク質機能を欠損させるように、あるいは特定の遺伝子またはタンパク質の発現を抑制するように遺伝子修飾されているワクシニアウイルス(Guseら(2011) Expert Opinion on Biological Therapy 11:595)を、本開示の腫瘍溶解性ウイルスに用いてもよい。例えば、ワクシニアウイルスの腫瘍選択性を増加させるため、ワクシニア増殖因子(VGF)の機能が欠損しているワクシニアウイルス(McCartら(2001) Cancer Research 61:8751);修飾ワクシニアウイルスTK遺伝子、修飾赤血球凝集素(HA)遺伝子、および修飾F3遺伝子または中断されたF3遺伝子座を有するワクシニアウイルス(WO 2005/047458)、VGFおよびO1Lの機能が欠損しているワクシニアウイルス(WO 2015/076422);癌細胞において発現が減少しているマイクロRNAのターゲット配列がB5R遺伝子の3’非コード領域内に挿入されているワクシニアウイルス(WO 2011/125469);HAおよびF14.5Lの機能が欠損しているワクシニアウイルス(Zhangら(2007) Cancer Research 67:10038);リボヌクレオチドレダクターゼの機能が欠損しているワクシニアウイルス(Gammonら(2010) PLoS Pathogens 6:e1000984);セリンプロテアーゼ阻害剤(例えばSPI−1、SPI−2)の機能が欠損しているワクシニアウイルス(Guoら(2005) Cancer Research 65:9991);SPI−1およびSPI−2の機能が欠損しているワクシニアウイルス(Yangら(2007) Gene Therapy 14:638);リボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子F4LまたはI4Lの機能が欠損しているワクシニアウイルス(Childら(1990) Virology 174:625; Pottsら(2017) EMBO Mol. Med. 9:638);B18R(コペンハーゲン株においてはB19R)の機能が欠損しているワクシニアウイルス(Symonsら(1995) Cell 81:551; Kirnら(2007) PLoS Medicine 4:e353);A48Rの機能が欠損しているワクシニアウイルス(Hughesら(1991) J. Biol. Chem. 266:20103);B8Rの機能が欠損しているワクシニアウイルス(Verardiら(2001) J. Virol. 75:11);B15R(コペンハーゲン株においてはB16R)の機能が欠損しているワクシニアウイルス(Spriggsら(1992) Cell 71:145);A41Rの機能が欠損しているワクシニアウイルス(Ngら(2001) Journal of General Virology 82:2095);A52Rの機能が欠損しているワクシニアウイルス(Bowieら(2000) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97:10162);F1Lの機能が欠損しているワクシニアウイルス(Gerlicら(2013) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 110:7808);E3Lの機能が欠損しているワクシニアウイルス(Changら(1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:4825);A44R−A46Rの機能が欠損しているワクシニアウイルス(Bowieら(2000) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97:10162);K1Lの機能が欠損しているワクシニアウイルス(Bravo Cruzら(2017) Journal of Virology 91:e00524);A48R、B18R、C11R、およびTKの機能が欠損しているワクシニアウイルス(Mejias−Perezら(2017) Molecular Therapy: Oncolytics 8:27);あるいはE3LおよびK3L領域に突然変異を有するワクシニアウイルス(WO 2005/007824)を用いてもよい。さらに、O1Lの機能が欠損しているワクシニアウイルス(Schwenekerら(2012) J. Virol. 86:2323)を用いてもよい。さらに、B5Rの細胞外領域が欠損しているワクシニアウイルス(Bellら(2004) Virology 325:425)またはA34R領域が欠損しているワクシニアウイルス(Thirunavukarasuら(2013) Molecular Therapy 21:1024)を用いてもよい。さらに、インターロイキン−1b(IL−1b)受容体が欠損しているワクシニアウイルス(WO 2005/030971)を用いてもよい。外来遺伝子のこうした挿入あるいは遺伝子の欠失または突然変異を、例えば既知の相同組換えまたは部位特異的突然変異誘発によって作製してもよい。さらに、2つまたはそれより多いこうした遺伝子修飾の組み合わせを有するワクシニアウイルスを、本開示のOVVにおいて用いてもよい。
本明細書において、「欠損している」は、この用語によって特定される遺伝子領域または遺伝子産物が、減少した機能を有するかまたは機能をまったく持たず、そしてこうした領域または産物には:i)突然変異(例えば置換、反転等)および/または遺伝子領域の一部切除(truncation)および/または欠失;ii)遺伝子領域の発現を制御するプロモーター領域の突然変異および/または一部切除および/または欠失;ならびにiii)遺伝子領域によってコードされるポリペプチドの翻訳が減少するかまたは排除されるような、ポリアデニル化配列の突然変異および/または一部切除および/または欠失の1つまたはそれより多くから生じる欠損が含まれることを意味する。複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルスが所定のワクシニアウイルス遺伝子において「欠損している」ような遺伝子改変を含む、本開示のOVVは、遺伝子の遺伝子産物(例えばmRNA遺伝子産物;ポリペプチド遺伝子産物)の減少した産生および/または活性を示し;例えば遺伝子産物の量および/または活性は、野生型ワクシニアウイルスによって、または遺伝子改変を含まない対照ワクシニアウイルスによって産生される同じ遺伝子産物の量および/または活性の75%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、または1%未満である。例えば、「欠損している」は、明記する遺伝子領域からなる領域中の欠失または明記する遺伝子領域を含む近隣遺伝子領域における欠失の結果であってもよい。例えば、遺伝子領域の転写を減少させる、プロモーター領域の突然変異および/または一部切除および/または欠失は、欠損を生じうる。遺伝子領域によってコードされるポリペプチドの翻訳が減少しているかまたは排除されるように、転写終結要素の取り込みを通じて、遺伝子領域を欠損させてもよい。また、遺伝子領域の転写を減少させるかまたは排除するための遺伝子編集酵素または遺伝子編集複合体の使用を通じて、遺伝子領域を欠損させてもよい。また、遺伝子領域の転写を減少させるかまたは排除するための競合的逆プロモーター/ポリメラーゼ占有の使用を通じて、遺伝子領域を欠損させてもよい。また、遺伝子領域内に核酸を挿入し、それによって遺伝子領域をノックアウトすることによって、遺伝子領域を欠損させてもよい。
いくつかの態様において、本開示によって提供されるOVVは、チミジンキナーゼ(TK)が欠損したワクシニアウイルスである。いくつかの場合、本開示のOVVは、複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルスがTK欠損性であるように、ワクシニアウイルスTKコード領域のすべてまたは一部の欠失を含む。例えば、いくつかの場合、本開示のOVVは、J2R遺伝子(すなわちウイルスチミジンキナーゼをコードする遺伝子)における欠失を含む。例えば、Mejia−Perezら(2018) Mol. Ther. Oncolytics 8:27を参照されたい。いくつかの場合、本開示のOVVは、J2R領域内への挿入を含み、それによって、減少したワクシニアウイルスTK発現または活性を生じる。
本開示のOVVは、いくつかの場合、K151E置換を有する(すなわちコードされるポリペプチド中にK151E置換を提供する修飾を含む)A34R遺伝子にコードされるA34ポリペプチドを含む。例えば、Blascoら(1993) J. Virol. 67(6):3319−3325;およびThirunavukarasuら(2013) Mol. Ther. 21:1024を参照されたい。A34R遺伝子はワクシニアウイルスgp22−24をコードする。
いくつかの場合、本開示のOVVは、免疫調節ポリペプチド(異種免疫調節ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列を含む異種核酸を含む。免疫調節ポリペプチドの例には、サイトカイン(例えばIL−2、およびIL−12)、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、および腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)が含まれる。
本開示のOVVは腫瘍溶解活性を示す。所定のウイルスが腫瘍溶解活性を示すかどうかを評価するための方法の例には、ウイルスの付加による癌細胞の生存率の減少を評価するための方法が含まれる。評価に用いるべき癌細胞の例には、悪性黒色腫細胞RPMI−7951(例えば、ATCC HTB−66)、肺腺癌HCC4006(例えば、ATCC CRL−2871)、肺癌A549(例えば、ATCC CCL−185)、肺癌HOP−62(例えば、DCTD Tumor Repository)、肺癌EKVX(例えば、DCTD Tumor Repository)、小細胞肺癌細胞DMS 53(例えば、ATCC CRL−2062)、肺扁平上皮癌NCI−H226(例えば、ATCC CRL−5826)、腎癌細胞Caki−1(例えば、ATCC HTB−46)、膀胱癌細胞647−V(例えば、DSMZ ACC 414)、頭頸部癌細胞デトロイト562(例えば、ATCC CCL−138)、乳癌細胞JIMT−1(例えば、DSMZ ACC 589)、乳癌細胞MDA−MB−231(例えば、ATCC HTB−26)、乳癌細胞MCF7(例えば、ATCC HTB−22)、乳癌HS−578T(例えば、ATCC HTB−126)、乳管癌細胞T−47D(例えば、ATCC HTB−133)、食道癌細胞OE33(例えば、ECACC 96070808)、神経膠芽腫U−87MG(例えば、ECACC 89081402)、神経芽細胞腫GOTO(例えば、JCRB JCRB0612)、骨髄腫RPMI 8226(例えば、ATCC CCL−155)、卵巣癌細胞SK−OV−3(例えば、ATCC HTB−77)、卵巣癌細胞OVMANA(例えば、JCRB JCRB1045)、子宮頸癌HeLa(例えば、ATCC CCL−2)、結腸癌細胞RKO(例えば、ATCC CRL−2577)、結腸癌細胞HT−29(例えば、ATCC HTB−38)、結腸癌Colo 205(例えば、ATCC CCL−222)、結腸癌SW620(例えば、ATCC CCL−227)、結腸直腸癌HCT 116(例えば、ATCC CCL−247)、膵臓癌細胞BxPC−3(例えば、ATCC CRL−1687)、骨肉腫U−2 OS(例えば、ATCC HTB−96)、前立腺癌細胞LNCaPクローンFGC(例えば、ATCC CRL−1740)、肝細胞癌JHH−4(例えば、JCRB JCRB0435)、中皮腫NCI−H28(例えば、ATCC CRL−5820)、子宮頸癌細胞SiHa(例えば、ATCC HTB−35)、および胃癌細胞Kato III(例えば、RIKEN BRC RCB2088)が含まれる。使用にやはり適切なのは、患者から得た癌細胞である。例えば、患者から得た結腸直腸癌細胞、乳癌細胞、または非小細胞肺癌細胞を用いてもよい。
上述のように、本開示のOVVは、a)本明細書に記載するような変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(例えば野生型A33ポリペプチド、例えば図1Cに示すアミノ酸配列を有するA33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して);および/またはb)本明細書に記載するような変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(例えば野生型A34ポリペプチド、例えば図2Cに示すアミノ酸配列を有するA34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)および/またはc)本明細書に記載するような変異体B5ポリペプチド(例えば野生型B5ポリペプチド、例えば図4Dに示すアミノ酸配列を有するB5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を示す。
組成物
本開示は、本開示のOVVを含む組成物を提供する。いくつかの場合、組成物は薬学的組成物である。本開示のOVVを含む薬学的組成物は、薬学的に許容されうるキャリアー(単数または複数)をさらに含んでもよい。本明細書において、用語「薬理学的に許容されうるキャリアー」および「薬理学的に許容されうる賦形剤」は、交換可能に用いられ、そしてヒトへの投与のためのOVV配合物において使用するために適した任意の物質を指す。こうしたキャリアーは、一般的に、本開示のOVVと混合され、そして固形、半固形、または液体の剤であってもよい。組成物は、所望のキャリアーまたは希釈剤中の溶液または懸濁物であってもよい。多様な薬学的に許容されうるキャリアーのいずれを用いてもよく、これらには、限定なしに、水性媒体、例えば蒸留脱イオン水、生理食塩水;溶媒;分散媒体;コーティング;抗細菌および抗真菌剤;等張剤および吸収遅延剤;または任意の他の不活性成分が含まれる。薬理学的に許容されうるキャリアーの選択は、投与様式に応じうる。任意の薬理学的に許容されうるキャリアーが本開示のOVVと不適合である場合を除き、薬学的に許容されうる組成物中の使用が意図される。こうした薬学的キャリアーの特定の使用の限定されない例は、“Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems”(Howard C. Anselら監修, Lippincott Williams & Wilkins Publishers, 第7版 1999); “Remington: The Science and Practice of Pharmacy”(Alfonso R. Gennaro監修, Lippincott, Williams & Wilkins, 20th 2000); “Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics” Joel G. Hardmanら監修, McGraw−Hill Professional, 第10版 2001);および“Handbook of Pharmaceutical Excipients” (Raymond C. Roweら, APhA Publications, 第4版 2003)に見出されうる。
本開示は、本開示のOVVを含む組成物を提供する。いくつかの場合、組成物は薬学的組成物である。本開示のOVVを含む薬学的組成物は、薬学的に許容されうるキャリアー(単数または複数)をさらに含んでもよい。本明細書において、用語「薬理学的に許容されうるキャリアー」および「薬理学的に許容されうる賦形剤」は、交換可能に用いられ、そしてヒトへの投与のためのOVV配合物において使用するために適した任意の物質を指す。こうしたキャリアーは、一般的に、本開示のOVVと混合され、そして固形、半固形、または液体の剤であってもよい。組成物は、所望のキャリアーまたは希釈剤中の溶液または懸濁物であってもよい。多様な薬学的に許容されうるキャリアーのいずれを用いてもよく、これらには、限定なしに、水性媒体、例えば蒸留脱イオン水、生理食塩水;溶媒;分散媒体;コーティング;抗細菌および抗真菌剤;等張剤および吸収遅延剤;または任意の他の不活性成分が含まれる。薬理学的に許容されうるキャリアーの選択は、投与様式に応じうる。任意の薬理学的に許容されうるキャリアーが本開示のOVVと不適合である場合を除き、薬学的に許容されうる組成物中の使用が意図される。こうした薬学的キャリアーの特定の使用の限定されない例は、“Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems”(Howard C. Anselら監修, Lippincott Williams & Wilkins Publishers, 第7版 1999); “Remington: The Science and Practice of Pharmacy”(Alfonso R. Gennaro監修, Lippincott, Williams & Wilkins, 20th 2000); “Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics” Joel G. Hardmanら監修, McGraw−Hill Professional, 第10版 2001);および“Handbook of Pharmaceutical Excipients” (Raymond C. Roweら, APhA Publications, 第4版 2003)に見出されうる。
本薬学的組成物には、随意に、限定なしに、他の薬学的に許容されうる構成要素が含まれてもよく、これには、限定なしに、緩衝剤、保存剤、浸透圧調節剤、塩、酸化防止剤、生理学的物質、薬理学的物質、膨張剤、乳化剤、湿潤剤等が含まれる。生じる調製物が薬学的に許容されうる限り、pHを調節するための多様な緩衝剤および手段を用いて、本明細書に開示する薬学的組成物を調製してもよい。こうした緩衝剤には、限定なしに、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、中性緩衝生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水およびホウ酸緩衝剤が含まれる。酸または塩基を用いて、必要に応じて組成物のpHを調整してもよいことが理解される。薬学的に許容されうる酸化防止剤には、限定なしに、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチル化ヒドロキシトルエンが含まれる。有用な保存剤には、限定なしに、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀および安定化オキシクロロ組成物、例えばPURITETMが含まれる。本薬学的組成物に含まれるために適した等張性調節剤には、限定なしに、塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトールまたはグリセリンおよび他の薬学的に許容されうる等張性調節剤が含まれる。これらのおよび薬理学業に既知の他の物質が、本薬学的組成物中に含まれてもよいことが理解される。
薬学的に許容されうるキャリアーとして働きうる物質のいくつかの例には:(1)糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;(3)セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;(4)粉末化トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えばココアバターおよび座薬ワックス;(9)油、例えばピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油およびダイズ油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコール;(12)エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱物質不含水;(17)等調性生理食塩水;(18)リンゲル溶液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝溶液;(21)ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ無水物;および(22)薬学的配合物に使用される他の非毒性適合性物質が含まれる。
本開示の薬学的組成物は、1mlあたり約102プラーク形成単位(pfu)(pfu/ml)〜約104pfu/ml、約104pfu/ml〜約105pfu/ml、約105pfu/ml〜約106pfu/ml、約106pfu/ml〜約107pfu/ml、約107pfu/ml〜約108pfu/ml、約108pfu/ml〜約109pfu/ml、約109pfu/ml〜約1010pfu/ml、約1010pfu/ml〜約1011pfu/ml、または約1011pfu/ml〜約1012pfu/mlの量で本開示のOVVを含んでもよい。
腫瘍溶解を誘導する方法
本開示は、腫瘍を有する個体において腫瘍溶解を誘導する方法であって、該個体に本開示のOVVまたは本開示の組成物の有効量を投与する工程を含む、前記方法を提供する。本開示のOVVまたは本開示の組成物の有効量の投与はまた、本明細書において、「ウイルス療法」とも称される。本開示は、腫瘍を有する個体において、腫瘍溶解を誘導する方法において使用するための、本開示のOVVまたは組成物をさらに提供する。本開示は、こうした方法において使用するための薬剤の製造における、本開示のOVVまたは組成物の使用をさらに提供する。
本開示は、腫瘍を有する個体において腫瘍溶解を誘導する方法であって、該個体に本開示のOVVまたは本開示の組成物の有効量を投与する工程を含む、前記方法を提供する。本開示のOVVまたは本開示の組成物の有効量の投与はまた、本明細書において、「ウイルス療法」とも称される。本開示は、腫瘍を有する個体において、腫瘍溶解を誘導する方法において使用するための、本開示のOVVまたは組成物をさらに提供する。本開示は、こうした方法において使用するための薬剤の製造における、本開示のOVVまたは組成物の使用をさらに提供する。
いくつかの場合、本開示のOVVの「有効量」は、その必要がある個体に1回、2回、またはさらなる回数の用量を投与した際、個体における癌細胞の数が減少する量である。例えば、いくつかの場合、本開示のOVVの「有効量」は、その必要がある個体に1回またはそれより多い回数の用量を投与した際、個体における癌細胞の数を、複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルスの投与前、または複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス投与の非存在下での個体における癌細胞の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%減少させる量である。いくつかの場合、本開示のOVVの「有効量」は、その必要がある個体に1回またはそれより多い回数の用量を投与した際、個体における癌細胞の数を検出不能なレベルに減少させる量である。いくつかの場合、本開示のOVVの「有効量」は、その必要がある個体に1回またはそれより多い回数の用量を投与した際、個体における腫瘍重量を減少させる量である。例えば、いくつかの場合、本開示のOVVの「有効量」は、その必要がある個体に1回またはそれより多い回数の用量を投与した際、個体における腫瘍重量を、複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルスの投与前、または複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス投与の非存在下での個体における腫瘍重量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%減少させる量である。
いくつかの場合、本開示のOVVの「有効量」は、その必要がある個体に1回またはそれより多い回数の用量を投与した際、個体の生存時間を増加させる量である。例えば、いくつかの場合、本開示のOVVの「有効量」は、その必要がある個体に1回またはそれより多い回数の用量を投与した際、個体の生存時間を、複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス投与の非存在下での個体の予期される生存時間に比較して、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、3ヶ月〜6ヶ月、6ヶ月〜1年、1年〜2年、2年〜5年、5年〜10年、または10年より長く増加させる量である。
いくつかの場合、本開示のOVVの「有効量」は、その必要がある個体に1回またはそれより多い回数の用量を投与した際、耐久性のある抗腫瘍免疫反応、例えば少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも6ヶ月、または少なくとも1年、腫瘍細胞数および/または腫瘍重量および/または腫瘍増殖の減少を提供する、抗腫瘍免疫反応を誘導する量である。
多様な臨床要因に基づいて、主治医または他の認定された医療従事者によって、適切な投薬量が決定可能である。医学業において周知であるように、任意の1人の患者に関する投薬量は、患者の大きさ、体表面積、年齢、腫瘍負荷、および他の関連要因を含む多くの要因に応じる。
本開示のOVVを、用量あたり約102プラーク形成単位(pfu)〜約104pfu、約104pfu〜約105pfu、約105pfu〜約106pfu、約106pfu〜約107pfu、約107pfu〜約108pfu、約108pfu〜約109pfu、約109pfu〜約1010pfu、約1010pfu〜約1011pfu、または約1011pfu〜約1012pfuの量で投与してもよい。
いくつかの場合、本開示のOVVを、約1x109pfu〜5x1012pfuの総量で投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを、約1x109pfu〜約5x109pfu、約5x109pfu〜約1010pfu、約1010pfu〜約5x1010pfu、約5x1010pfu〜約1011pfu、約1011pfu〜約5x1011pfu、約5x1011pfu〜約1012pfu、または約1012pfu〜約5x1012pfuの総量で投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを、約2x1010pfuの総量で投与する。
いくつかの場合、本開示のOVVを、約1x108pfu/患者体重kg〜約1x1010pfu/患者体重kgで投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを、約1x108pfu/患者体重kg〜約5x108pfu/患者体重kg、約5x108pfu/患者体重kg〜約109pfu/患者体重kg、約109pfu/患者体重kg〜約5x109pfu/患者体重kg、または約5x109pfu/患者体重kg〜約1010pfu/患者体重kgの量で投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを、1x108pfu/患者体重kgの量で投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを、2x108pfu/患者体重kgの量で投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを、3x108pfu/患者体重kgの量で投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを、4x108pfu/患者体重kgの量で投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを、5x108pfu/患者体重kgの量で投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを、109pfu/患者体重kgの量で投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを、5x109pfu/患者体重kgの量で投与する。
いくつかの場合、本開示のOVVの多数回用量を投与する。本開示のOVVの投与頻度は、多様な要因のいずれか、例えば症状の重症度等に応じて多様であってもよい。例えば、いくつかの態様において、本開示のOVVを月1回、月2回、月3回、1週おき(qоw)、週1回(qw)、週2回(biw)、週3回(tiw)、週4回、週5回、週6回、1日おき(qоd)、毎日(qd)、1日2回(qid)、または1日3回(tid)投与する。
本開示のOVVの投与期間、例えば本開示の多量体ポリペプチド、本開示のOVVを投与する期間は、多様な要因、例えば患者の反応等のいずれかに応じて多様でありうる。例えば、本開示のOVVを、約1日〜約1週、約2週〜約4週、約1ヶ月〜約2ヶ月、約2ヶ月〜約4ヶ月、約4ヶ月〜約6ヶ月、約6ヶ月〜約8ヶ月、約8ヶ月〜約1年、約1年〜約2年、または約2年〜約4年、またはそれより長期間、投与してもよい。
in vivoおよびex vivo法、ならびに全身および局所投与経路を含めて、薬剤送達に適した任意の利用可能な方法および経路を用いて、本開示のOVVを個体に投与する。
投与の慣用的および薬学的に許容されうる経路には、腫瘍内、腫瘍周辺、筋内、気管内、クモ膜下腔内、頭蓋内、皮下、皮内、局所適用、静脈内、動脈内、腹腔内、膀胱内、直腸、鼻、経口、ならびに他の経腸および非経口投与経路が含まれる。望ましい場合、複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルスおよび/または望ましい効果に応じて、投与経路を組み合わせてもよいし、または調節してもよい。本開示のOVVを単回用量または多数回用量で投与してもよい。
いくつかの場合、本開示のOVVを静脈内投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを筋内投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを局所投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを腫瘍内投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを腫瘍周辺投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを頭蓋内投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを皮下投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを動脈内投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを腹腔内投与する。いくつかの場合、本開示のOVVを、膀胱内投与経路を通じて投与する。いくつかの場合、本開示のOVVをクモ膜下腔内投与する。
組み合わせ
いくつかの場合、本開示のOVVを、別の癌療法、例えば手術(例えば癌性組織の外科的除去)、放射線療法、骨髄移植、化学療法治療、抗体治療、生物学的反応修飾因子治療、免疫療法治療、および前述の特定の組み合わせと組み合わせて投与する。いくつかの場合、本開示の方法は:a)その必要がある個体に、本開示のOVVまたは該OVVを含む組成物を投与し;そしてb)該個体に第二の癌療法を投与する工程を含む。いくつかの場合、第二の癌療法は、化学療法、生物学的療法、放射線療法、免疫療法、ホルモン療法、抗血管療法、凍結療法、毒素療法、腫瘍溶解性ウイルス療法(例えば本開示のOVV以外の腫瘍溶解性ウイルス)、細胞療法、および手術より選択される。
いくつかの場合、本開示のOVVを、別の癌療法、例えば手術(例えば癌性組織の外科的除去)、放射線療法、骨髄移植、化学療法治療、抗体治療、生物学的反応修飾因子治療、免疫療法治療、および前述の特定の組み合わせと組み合わせて投与する。いくつかの場合、本開示の方法は:a)その必要がある個体に、本開示のOVVまたは該OVVを含む組成物を投与し;そしてb)該個体に第二の癌療法を投与する工程を含む。いくつかの場合、第二の癌療法は、化学療法、生物学的療法、放射線療法、免疫療法、ホルモン療法、抗血管療法、凍結療法、毒素療法、腫瘍溶解性ウイルス療法(例えば本開示のOVV以外の腫瘍溶解性ウイルス)、細胞療法、および手術より選択される。
放射線療法には、限定されるわけではないが、ビームなどの外部から適用される供給源から、または小型放射性供給源の移植によってのいずれかで送達される、X線またはガンマ線が含まれる。
癌治療において使用するために適した抗体には、限定されるわけではないが、例えばトラスツズマブ(ハーセプチン)、ベバシズマブ(アバスチンTM)、セツキシマブ(エルビタックスTM)、パニツムマブ(ベクティビックスTM)、イピリムマブ(ヤーボイTM)、リツキシマブ(リツキサン)、アレムツズマブ(レムトラダTM)、オファツムマブ(アーゼラTM)、オレゴボマブ(オバレックスTM)、ラムブロリズマブ(MK−3475)、ペルツズマブ(ペルジェタTM)、ラニビズマブ(ルセンティスTM)等、およびコンジュゲート化抗体、例えばゲムツズマブ・オゾガマイシン(ミロターグTM)、ブレンツキジマブ・ベドチン(アドセトリスTM)、90Y標識イブリツモマブ・チウキセタン(ゼヴァリンTM)、131I標識トシツモマブ(ベキサールTM)等が含まれる。癌治療に使用するために適した抗体には、限定されるわけではないが、例えば、CTLA−4をターゲティングするイピリムマブ(黒色腫、前立腺癌、RCCの治療に用いられるようなもの);CTLA−4をターゲティングするトレメリムマブ(CRC、胃癌、黒色腫、NSCLCの治療に用いられるようなもの);PD−1をターゲティングするニボルマブ(黒色腫、NSCLC、RCCの治療に用いられるようなもの);PD−1をターゲティングするMK−3475(黒色腫の治療に用いられるようなもの);PD−1をターゲティングするピディリズマブ(血液学的悪性腫瘍の治療に用いられるようなもの);PD−L1をターゲティングするBMS−936559(黒色腫、NSCLC、卵巣癌、RCCの治療に用いられるようなもの);PD−L1をターゲティングするMEDI4736;PD−L1をターゲティングするMPDL33280A(黒色腫の治療に用いられるようなもの);CD20をターゲティングするリツキシマブ(非ホジキンリンパ腫の治療に用いられるようなもの);イブリツモマブ・チウキセタンおよびトシツモマブ(リンパ腫の治療に用いられるようなもの);CD30をターゲティングするブレンツキシマブ・ベドチン(ホジキンリンパ腫の治療に用いられるようなもの);CD33をターゲティングするゲムツズマブ・オゾガマイシン(急性骨髄性白血病の治療に用いられるようなもの);CD52をターゲティングするアレムツズマブ(慢性リンパ球性白血病の治療に用いられるようなもの);EpCAMをターゲティングするIGN101およびアデカツムマブ(上皮腫瘍(乳房腫瘍、結腸腫瘍および肺腫瘍)の治療に用いられるようなもの);CEAをターゲティングするラベツズマブ(乳房腫瘍、結腸腫瘍および肺腫瘍の治療に用いられるようなもの);gpA33をターゲティングするhuA33(結腸直腸癌の治療に用いられるようなもの);ムチンをターゲティングするペムツモマブおよびオレゴボマブ(乳房腫瘍、結腸腫瘍、肺腫瘍および卵巣腫瘍の治療に用いられるようなもの);TAG−72をターゲティングするCC49(ミンレツモマブ)(乳房腫瘍、結腸腫瘍および肺腫瘍の治療に用いられるようなもの);CAIXをターゲティングするcG250(腎細胞癌の治療に用いられるようなもの);PSMAをターゲティングするJ591(前立腺癌の治療に用いられるようなもの);葉酸結合タンパク質をターゲティングするMOv18およびMORAb−003(ファーレツズマブ)(卵巣腫瘍の治療に用いられるようなもの);ガングリオシド(例えばGD2、GD3およびGM2)をターゲティングする3F8、ch14.18およびKW−2871(神経外胚葉性腫瘍およびいくつかの上皮腫瘍の治療に用いられるようなもの);Le yをターゲティングするhu3S193およびIgN311(乳房腫瘍、結腸腫瘍、肺腫瘍および卵巣腫瘍の治療に用いられるようなもの);VEGFをターゲティングするベバシズマブ(腫瘍血管系の治療に用いられるようなもの);VEGFRをターゲティングするIM−2C6およびCDP791(上皮由来固形腫瘍の治療に用いられるようなもの);インテグリンV_3をターゲティングするエトラシズマブ(腫瘍血管系の治療に用いられるようなもの);インテグリン5_1をターゲティングするボロシキシマブ(腫瘍血管系の治療に用いられるようなもの);EGFRをターゲティングするセツキシマブ、パニツムマブ、ニモツズマブおよび806(神経膠腫、肺腫瘍、乳房腫瘍、結腸腫瘍および頭頸部腫瘍の治療に用いられるようなもの);ERBB2をターゲティングするトラスツズマブおよびペルツズマブ(乳房腫瘍、結腸腫瘍、肺腫瘍、卵巣腫瘍および前立腺腫瘍の治療に用いられるようなもの);ERBB3をターゲティングするMM−121(乳房腫瘍、結腸腫瘍、肺腫瘍、卵巣腫瘍および前立腺腫瘍の治療に用いられるようなもの);METをターゲティングするAMG102、METMABおよびSCH900105(乳房腫瘍、卵巣腫瘍および肺腫瘍の治療に用いられるようなもの);IGF1RをターゲティングするAVE1642、IMC−A12、MK−0646、R1507およびCP751981(神経膠腫、肺癌、乳癌、頭頸部癌、前立腺癌および甲状腺癌の治療に用いられるようなもの);EPHA3をターゲティングするKB004およびIIIA4(肺腫瘍、腎臓および結腸腫瘍、黒色腫、神経膠腫および血液学的悪性腫瘍の治療に用いられるようなもの);TRAILR1をターゲティングするマパツムマブ(HGS−ETR1)(結腸腫瘍、肺腫瘍および膵臓腫瘍および血液学的悪性腫瘍の治療に用いられるようなもの);TRAILR2をターゲティングするHGS−ETR2およびCS−1008;RANKLをターゲティングするデノスマブ(前立腺癌および骨転移の治療に用いられるようなもの);FAPをターゲティングするシブロツズマブおよびF19(結腸腫瘍、乳房腫瘍、肺腫瘍、膵臓腫瘍、および頭頸部腫瘍の治療に用いられるようなもの);テネイシンをターゲティングする81C6(神経膠腫、乳房腫瘍および前立腺腫瘍の治療に用いられるようなもの);CD3をターゲティングするブリナツモマブ(ビーリンサイト;Amgen)(ALLの治療に用いられるようなもの);癌免疫療法で用いられるようなPD−1をターゲティングするペムブロリズマブ;c−Mycをターゲティングする9E10抗体等が含まれる。
いくつかの場合、本開示の方法は:a)有効量の本開示のOVV;およびb)抗PD−1抗体を投与する工程を含む。いくつかの場合、本開示の方法は:a)有効量の本開示のOVV;およびb)抗PD−L1抗体を投与する工程を含む。本開示の併用療法で有用でありうる抗PD−1および抗PD−L1抗体の例には、限定されるわけではないが、ペムブロリズマブ(キートルーダ(登録商標);MK−3475)、ニボルマブ(オプディーボ(登録商標);BMS−926558;MDX1106)、ピディリズマブ(CT−011)、AMP−224、AMP−514(MEDI−0680)、PDR001、およびPF−06801591(ササンリマブまたはRN888としてもまた知られる)、BMS−936559(MDX1105)、デュルバルマブ(MEDI4736;IMFINZI(登録商標))、アテゾリズマブ(MPDL33280A;TECENTRIQ(登録商標))、MSB0010718C、BCD−100(BIOCAD Biopharmaceutical Company)、チスレリズマブ(BGB−A317、BeiGene Ltd./Celgene Corporation)、ゲノリムズマブ(CBT−501、CBT Pharmaceuticals)、CBT−502(CBT Pharmaceuticals)、GLS−010(Harbin Gloria Pharmaceuticals Co., Ltd.)、シンチリマブ(IBI308、Innovent Biologics, Inc.)、WBP3155(CStone Pharmaceuticals Co., Ltd.)、AMP−224(GlaxoSmithKline plc)、BI 754091(Boehringer Ingelheim GmbH)、BMS−936559(Bristol−Myers Squibb Company)、CA−170(Aurigene Discovery Technologies)、FAZ053(Novartis AG)、スパルタリズマブ(PDR001、Novartis AG)、LY3300054(Eli Lilly & Company)、MEDI0680(AstraZeneca PLC)、PDR001(Novartis AG)、セミプリマブ(LIBTAYO(登録商標)、REGN2810、Regeneron Pharmaceuticals、Inc.)、カムレリズマブ(SHR−1210、Incyte Corporation)、TSR−042(Tesaro、Inc.)、AGEN2034(Agenus Inc.)、CX−072(CytomX Therapeutics、Inc.)、JNJ−63723283(Johnson & Johnson)、MGD013(MacroGenics、Inc.)、AN−2005(Adlai Nortye)、ANA011(AnaptysBio、Inc.)、ANB011(AnaptysBio、Inc.)、AUNP−12(Pierre Fabre Medicament S.A.)、BBI−801(住友大日本製薬)、BION−004(Aduro Biotech)、CA−327(Aurigene Discovery Technologies)、CK−301(Fortress Biotech、Inc.)、ENUM 244C8(Enumeral Biomedical Holdings、Inc.)、FPT155(Five Prime Therapeutics、Inc.)、FS118(F−star Alpha Ltd.)、hAb21(Stainwei Biotech、Inc.)、J43(Transgene S.A.)、JTX−4014(Jounce Therapeutics、Inc.)、KD033(Kadmon Holdings、Inc.)、KY−1003(Kymab Ltd.)、MCLA−134(Merus B.V.)、MCLA−145(Merus B.V.)、PRS−332(Pieris AG)、SHR−1316(Atridia Pty Ltd.)、STI−A1010(Sorrento Therapeutics、Inc.)、STI−A1014(Sorrento Therapeutics、Inc.)、STI−A1110(Les Laboratoires Servier)、およびXmAb20717(Xencor、Inc.)が含まれる。さらなる抗PD−1および抗PD−L1抗体は、例えば、SunshineおよびTaube(2015) Curr. Opin. Pharmacol. 23:32;ならびにHeeryら(2017) The Lancet Oncology 18:587; Iwaiら(2017) J. Biomed. Sci. 24:26; Hu−Lieskovanら(2017) Annals of Oncology 28: issue Suppl. 5、mdx376.048; WO2016/092419および米国特許公報第2016/0159905号に見出されうる。
いくつかの場合、適切な抗体は、二重特異性抗体、例えば二重特異性モノクローナル抗体である。カツマキソマブ、ブリナツモマブ、ソリトマブ、パソツキシズマブ、およびフロテツズマブは、癌療法で使用するために適した二重特異性抗体の限定されない例である。例えば、ChamesおよびBaty(2009) MAbs 1:539;ならびにSedykhら(2018) Drug Des. Devel. Ther. 12:195を参照されたい。
本開示の方法と関連した使用に適した生物学的反応修飾因子には、限定されるわけではないが、(1)チロシンキナーゼ(RTK)活性の阻害剤;(2)セリン/スレオニンキナーゼ活性の阻害剤;(3)腫瘍関連抗原アンタゴニスト、例えば腫瘍抗原に特異的に結合する抗体;(4)アポトーシス受容体アゴニスト;(5)インターロイキン−2;(6)インターフェロン−α;(7)インターフェロン−γ;(8)コロニー刺激因子;(9)血管新生の阻害剤;および(10)腫瘍壊死因子のアンタゴニストが含まれる。
化学療法剤は、癌細胞の増殖を減少させる非ペプチド性(すなわち非タンパク質性)化合物であり、そして細胞傷害性剤および細胞分裂停止剤を含む。化学療法剤の限定されない例には、アルキル化剤、ニトロソ尿素、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、植物(ビンカ)アルカロイド、およびステロイドホルモンが含まれる。
細胞増殖を減少させるように働く剤が当該技術分野に知られ、そして広く用いられている。こうした剤には、アルキル化剤、例えばナイトロジェンマスタード、ニトロソ尿素、エチレンイミン誘導体、スルホン酸アルキル、およびトリアゼンが含まれ、限定されるわけではないが、メクロレタミン、シクロホスファミド(サイトキサンTM)、メルファラン(L−サルコリシン)、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、セムスチン(メチル−CCNU)、ストレプトゾシン、クロロゾトシン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イフォスファミド、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、ダカルバジン、およびテモゾロミドが含まれる。
代謝拮抗剤には、葉酸類似体、ピリミジン類似体、プリン類似体、およびアデノシンデアミナーゼ阻害剤が含まれ、限定されるわけではないが、シタラビン(CYTOSAR−U)、シトシンアラビノシド、フルオロウラシル(5−FU)、フロクスウリジン(FudR)、6−チオグアニン、6−メルカプトプリン(6−MP)、ペントスタチン、5−フルオロウラシル(5−FU)、メトトレキセート、10−プロパルギル―5,8−ジデアザフォレート(PDDF、CB3717)、5,8−ジデアザテトラヒドロ葉酸(DDATHF)、ロイコボリン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、およびゲムシタビンが含まれる。
適切な天然産物およびその誘導体(例えばビンカアルカロイド、抗腫瘍抗生物質、酵素、リンホカイン、およびエピポドフィロトキシン)には、限定されるわけではないが、Ara−C、パクリタキセル(タキソール(登録商標))、ドセタキセル(タキソテール(登録商標))、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン−C、L−アスパラギナーゼ、アザチオプリン;ブレキナル;アルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン等;ポドフィロトキシン、例えばエトポシド、テニポシド等;抗生物質、例えばアントラサイクリン、ダウノルビシン塩酸(ダウノマイシン、ルビドマイシン、セルビジン)、イダルビシン、ドキソルビシン、エピルビシンおよびモルホリノ誘導体等;フェノキシゾンビスシクロペプチド、例えばダクチノマイシン;塩基性糖ペプチド、例えばブレオマイシン;アントラキノングリコシド、例えばプリカマイシン(ミトラマイシン);アントラセンジオン、例えばミトキサントロン;アジリノピロロインドールジオン、例えばマイトマイシン;大環状免疫抑制剤、例えばシクロスポリン、FK−506(タクロリムス、プログラフ)、ラパマイシン等などが含まれる。
他の抗増殖性細胞傷害性剤は、ナベルベン、CPT−11、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサフィン(reloxafine)、シクロホスファミド、イフォサミド(ifosamide)、およびドロロキサフィンである。
抗増殖活性を有する、微小管に影響を及ぼす剤もまた、使用に適しており、そしてこれには、限定されるわけではないが、アロコルヒチン(NSC 406042)、ハリコンドリンB(NSC 609395)、コルヒチン(NSC 757)、コルヒチン誘導体(例えばNSC 33410)、ドルスタチン10(NSC 376128)、メイタンシン(NSC 153858)、リゾキシン(NSC 332598)、パクリタキセル(タキソール(登録商標))、タキソール(登録商標)誘導体、ドセタキセル(タキソテール(登録商標))、チオコルヒチン(NSC 361792)、トリチルシステリン(trityl cysterin)、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、天然および合成エポチロンが含まれ、限定されるわけではないが、エポチロン(eopthilone)A、エポチロンB、ディスコデルモリド;エストラムスチン、ノコダゾール等が含まれる。
使用に適したホルモン調節剤およびステロイド(合成類似体を含む)には、限定されるわけではないが、アドレノコルチコステロイド、例えばプレドニゾン、デキサメタゾン等;エストロゲンおよびプレゲスチン(pregestin)、例えばカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、エストラジオール、クロミフェン、タモキシフェン等;および副腎皮質抑制剤、例えばアミノグルテチミド;17α−エチニルエストラジオール;ジエチルスチルベストロール、テストステロン、フロキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、メチルプレドニゾロン、メチル−テストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、リュープロリド、フルタミド(ドロゲニル)、トレミフェン(ファレストン)、およびゾラデックス(登録商標)が含まれる。エストロゲンは、増殖および分化を刺激し、したがって、エストロゲン受容体に結合する化合物を用いて、この活性をブロックする。コルチコステロイドは、T細胞増殖を阻害しうる。
他の化学療法剤には、金属錯体、例えばシスプラチン(シス−DDP)、カルボプラチン等;尿素、例えばヒドロキシ尿素;およびヒドラジン、例えばN−メチルヒドラジン;エピドフィロトキシン(epidophyllotoxin);トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキサントロン;ロイコボリン;テガファー等が含まれる。関心対象の他の抗増殖剤には、免疫抑制剤、例えばミコフェノール酸、サリドマイド、デスオキシスパガリン(desoxyspergualin)、アザスポリン、レフルノミド、ミゾリビン、アザスピラン(SKF 105685);イレッサ(登録商標)(ZD 1839、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシ−6−(3−(4−モルホリニル)プロポキシ)キナゾリン等)が含まれる。
「タキサン類」には、パクリタキセル、ならびに任意の活性タキサン誘導体またはプロドラッグが含まれる。「パクリタキセル」(本明細書において、類似体、配合物、および誘導体、例えばドセタキセル、タキソールTM、タキソテールTM(ドセタキセルの配合物)、パクリタキセルの10−デスアセチル類似体およびパクリタキセルの3’N−デスベンゾイル―3’N−t−ブトキシカルボニル類似体などを含むと理解されなければならない)は、当業者に知られる技術を利用して、容易に調製可能であり(WO 94/07882、WO 94/07881、WO 94/07880、WO 94/07876、WO 93/23555、WO 93/10076;米国特許第5,294,637号;第5,283,253号;第5,279,949号;第5,274,137号;第5,202,448号;第5,200,534号;第5,229,529号;およびEP 590,267もまた参照されたい)、または例えば、Sigma Chemical Co.、ミズーリ州セントルイス(セイヨウイチイ(Taxus brevifolia)由来のT7402;またはタキサス・ヤンナネンシス(Taxus yannanensis)由来のT−1912)を含む多様な商業的供給源から得られうる。
パクリタキセルは、パクリタキセルの一般的な化学的に入手可能な型だけでなく、類似体および誘導体(例えば上述のようなタキソテールTMドセタキセル)、ならびにパクリタキセルコンジュゲート(例えばパクリタキセル−PEG、パクリタキセル−デキストラン、またはパクリタキセル−キシロース)も指すと理解されなければならない。
細胞療法には、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法(CAR−T療法);ナチュラルキラー(NK)細胞療法;樹状細胞(DC)療法(例えばDCに基づくワクチン);T細胞受容体(TCR)操作T細胞に基づく療法等が含まれる。
免疫チェックポイント阻害剤は当該技術分野に知られ、そしてこれには、免疫チェックポイントポリペプチドに特異的な抗体が含まれる。例えば、免疫チェックポイント阻害剤には、例えばCD27、CD28、CD40、CD122、CD96、CD73、CD47、OX40、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAM、アルギナーゼ、CD137、ICOS、A2AR、B7−H3、B7−H4、BTLA、CTLA−4、LAG3、TIM3、VISTA、CD96、TIGIT、CD122、PD−1、PD−L1およびPD−L2より選択される免疫チェックポイントポリペプチドに特異的な抗体が含まれる。
免疫チェックポイントに特異的であり、そして免疫チェックポイント阻害剤として機能する、抗体、例えばモノクローナル抗体が、当該技術分野に知られる。例えば、Wurzら(2016) Ther. Adv. Med. Oncol. 8:4;およびNaidooら(2015) Ann. Oncol. 26:2375を参照されたい。
適切な抗免疫チェックポイント抗体には、限定されるわけではないが、ニボルマブ(Bristol−Myers Squibb)、ペムブロリズマブ(Merck)、ピディリズマブ(Curetech)、AMP−224(GlaxoSmithKline/Amplimmune)、MPDL3280A(Roche)、MDX−1105(Medarex、Inc./Bristol Myer Squibb)、MEDI−4736(Medimmune/AstraZeneca)、アレルマブ(Merck Serono)、イピリムマブ(YERVOY、(Bristol−Myers Squibb)、トレメリムマブ(Pfizer)、ピディリズマブ(CureTech、Ltd.)、IMP321(Immutep S.A.)、MGA271(Macrogenics)、BMS−986016(Bristol−Meyers Squibb)、リリルマブ(Bristol−Myers Squibb)、ウレルマブ(Bristol−Meyers Squibb)、PF−05082566(Pfizer)、IPH2101(Innate Pharma/Bristol−Myers Squibb)、MEDI−6469(MedImmune/AZ)、CP−870,893(Genentech)、モガムリズマブ(協和キリン株式会社)、バルリルマブ(CelIDex Therapeutics)、ガリキシマブ(Biogen Idec)、AMP−514(Amplimmune/AZ)、AUNP 12(Aurigene and Pierre Fabre)、インドキシモド(NewLink Genetics)、NLG−919(NewLink Genetics)、INCB024360(Incyte);KN035;およびその組み合わせが含まれる。
癌
本開示の方法および組成物によって治療されうる癌細胞には、膀胱、血液、骨、骨髄、脳、乳房、結腸、食道、胃腸、歯茎、頭部、腎臓、肝臓、肺、上咽頭、頸部、卵巣、前立腺、皮膚、胃、脊髄、精巣、舌、または子宮由来の細胞が含まれる。さらに、癌は、これらに限定されるわけではないが、特に、以下の組織学的タイプのものであってもよい:新生物、悪性;癌腫;癌腫、未分化;巨細胞および紡錘細胞癌腫;小細胞癌;乳頭癌;扁平上皮癌;リンパ上皮癌;基底細胞癌;石灰化上皮癌;移行上皮癌;乳頭状移行上皮癌;腺癌;ガストリン産生腫瘍、悪性;胆管細胞癌;肝細胞癌;肝細胞癌および胆管細胞癌の組み合わせ;索状腺癌;腺様嚢胞癌;腺腫性ポリープ中の腺癌;腺癌、家族性大腸線維症;固形癌;カルチノイド腫瘍、悪性;細気管支肺胞腺癌;乳頭状腺癌;嫌色素性癌;好酸性(acidophil)癌腫;好酸性(oxyphilic)腺癌;好塩基性癌;明細胞腺癌;顆粒細胞癌;濾胞腺癌;乳頭状および濾胞腺癌;非被包性硬化性癌;副腎皮質癌;類内膜癌;皮膚付属器癌;アポクリン腺癌;皮脂腺癌;耳道腺癌;粘表皮癌;嚢胞腺癌;乳頭状嚢胞腺癌;乳頭状漿液性嚢胞腺癌;粘液性嚢胞腺癌;粘液性腺癌;印環細胞癌;浸潤性乳管癌;髄様癌;小葉癌;炎症性癌;パジェット病、乳房;腺房細胞癌;腺扁平上皮癌;扁平上皮化生を伴う腺癌;胸腺腫、悪性;卵巣間質腫瘍、悪性;莢膜細胞腫、悪性;顆粒膜細胞腫瘍、悪性;アンドロブラストーマ、悪性;セルトリ細胞癌;ライディッヒ細胞腫瘍、悪性;脂質細胞(lipid cell)腫瘍、悪性;パラガングリオーマ、悪性;乳房外パラガングリオーマ、悪性;褐色細胞腫;血管球血管肉腫;悪性黒色腫;無色素性黒色腫;表在拡大型黒色腫;巨大色素性母斑中の悪性黒色腫;類上皮細胞黒色腫;青色母斑、悪性;肉腫;線維肉腫;線維性組織球腫、悪性;粘液肉腫;脂肪肉腫;平滑筋肉腫;横紋筋肉腫;胚性横紋筋肉腫;胞巣状横紋筋肉腫;間質性肉腫;混合腫瘍、悪性;ミュラー管混合腫瘍;腎芽腫;肝芽腫;癌肉腫;間葉腫、悪性;ブレンナー腫瘍、悪性;葉状腫瘍、悪性;滑膜肉腫;中皮腫、悪性;未分化胚細胞腫;胚性癌腫;奇形腫、悪性;卵巣甲状腺腫、悪性;絨毛癌;中腎腫、悪性;血管肉腫;血管内皮腫、悪性;カポジ肉腫;血管外皮腫、悪性;リンパ管肉腫;骨肉腫;傍骨性骨肉腫;軟骨肉腫;軟骨芽細胞腫、悪性;間葉性軟骨肉腫;骨の巨細胞腫瘍;ユーイング肉腫;歯原性腫瘍、悪性;エナメル上皮肉腫;エナメル上皮腫、悪性;エナメル上皮線維肉腫;松果体腫、悪性;脊索腫;神経膠腫、悪性;上衣腫;星状細胞腫;原形質星状細胞腫;線維性星状細胞腫;星状芽細胞腫;神経膠芽腫;乏突起神経膠腫;乏突起膠芽細胞腫;原始神経外胚葉性腫瘍;小脳肉腫;神経節芽細胞腫;神経芽細胞腫;網膜芽細胞腫;嗅神経腫瘍;髄膜腫、悪性;神経線維肉腫;神経鞘腫、悪性;顆粒細胞腫瘍、悪性;悪性リンパ腫;ホジキン病;ホジキン腫瘍;側肉芽腫;悪性リンパ腫、小リンパ球性;悪性リンパ腫、巨細胞、びまん性;悪性リンパ腫、濾胞;菌状息肉症;他の明記される非ホジキンリンパ腫;悪性組織球増殖症;多発性骨髄腫;マスト細胞肉腫;免疫増殖性小腸疾患;白血病;リンパ性白血病;形質細胞白血病;赤白血病;リンパ肉腫細胞白血病;骨髄性白血病;好塩基球性白血病;好酸球性白血病;単球性白血病;マスト細胞白血病;巨核芽球性白血病;骨髄肉腫;膵臓癌;直腸癌;および毛様細胞白血病。
本開示の方法および組成物によって治療されうる癌細胞には、膀胱、血液、骨、骨髄、脳、乳房、結腸、食道、胃腸、歯茎、頭部、腎臓、肝臓、肺、上咽頭、頸部、卵巣、前立腺、皮膚、胃、脊髄、精巣、舌、または子宮由来の細胞が含まれる。さらに、癌は、これらに限定されるわけではないが、特に、以下の組織学的タイプのものであってもよい:新生物、悪性;癌腫;癌腫、未分化;巨細胞および紡錘細胞癌腫;小細胞癌;乳頭癌;扁平上皮癌;リンパ上皮癌;基底細胞癌;石灰化上皮癌;移行上皮癌;乳頭状移行上皮癌;腺癌;ガストリン産生腫瘍、悪性;胆管細胞癌;肝細胞癌;肝細胞癌および胆管細胞癌の組み合わせ;索状腺癌;腺様嚢胞癌;腺腫性ポリープ中の腺癌;腺癌、家族性大腸線維症;固形癌;カルチノイド腫瘍、悪性;細気管支肺胞腺癌;乳頭状腺癌;嫌色素性癌;好酸性(acidophil)癌腫;好酸性(oxyphilic)腺癌;好塩基性癌;明細胞腺癌;顆粒細胞癌;濾胞腺癌;乳頭状および濾胞腺癌;非被包性硬化性癌;副腎皮質癌;類内膜癌;皮膚付属器癌;アポクリン腺癌;皮脂腺癌;耳道腺癌;粘表皮癌;嚢胞腺癌;乳頭状嚢胞腺癌;乳頭状漿液性嚢胞腺癌;粘液性嚢胞腺癌;粘液性腺癌;印環細胞癌;浸潤性乳管癌;髄様癌;小葉癌;炎症性癌;パジェット病、乳房;腺房細胞癌;腺扁平上皮癌;扁平上皮化生を伴う腺癌;胸腺腫、悪性;卵巣間質腫瘍、悪性;莢膜細胞腫、悪性;顆粒膜細胞腫瘍、悪性;アンドロブラストーマ、悪性;セルトリ細胞癌;ライディッヒ細胞腫瘍、悪性;脂質細胞(lipid cell)腫瘍、悪性;パラガングリオーマ、悪性;乳房外パラガングリオーマ、悪性;褐色細胞腫;血管球血管肉腫;悪性黒色腫;無色素性黒色腫;表在拡大型黒色腫;巨大色素性母斑中の悪性黒色腫;類上皮細胞黒色腫;青色母斑、悪性;肉腫;線維肉腫;線維性組織球腫、悪性;粘液肉腫;脂肪肉腫;平滑筋肉腫;横紋筋肉腫;胚性横紋筋肉腫;胞巣状横紋筋肉腫;間質性肉腫;混合腫瘍、悪性;ミュラー管混合腫瘍;腎芽腫;肝芽腫;癌肉腫;間葉腫、悪性;ブレンナー腫瘍、悪性;葉状腫瘍、悪性;滑膜肉腫;中皮腫、悪性;未分化胚細胞腫;胚性癌腫;奇形腫、悪性;卵巣甲状腺腫、悪性;絨毛癌;中腎腫、悪性;血管肉腫;血管内皮腫、悪性;カポジ肉腫;血管外皮腫、悪性;リンパ管肉腫;骨肉腫;傍骨性骨肉腫;軟骨肉腫;軟骨芽細胞腫、悪性;間葉性軟骨肉腫;骨の巨細胞腫瘍;ユーイング肉腫;歯原性腫瘍、悪性;エナメル上皮肉腫;エナメル上皮腫、悪性;エナメル上皮線維肉腫;松果体腫、悪性;脊索腫;神経膠腫、悪性;上衣腫;星状細胞腫;原形質星状細胞腫;線維性星状細胞腫;星状芽細胞腫;神経膠芽腫;乏突起神経膠腫;乏突起膠芽細胞腫;原始神経外胚葉性腫瘍;小脳肉腫;神経節芽細胞腫;神経芽細胞腫;網膜芽細胞腫;嗅神経腫瘍;髄膜腫、悪性;神経線維肉腫;神経鞘腫、悪性;顆粒細胞腫瘍、悪性;悪性リンパ腫;ホジキン病;ホジキン腫瘍;側肉芽腫;悪性リンパ腫、小リンパ球性;悪性リンパ腫、巨細胞、びまん性;悪性リンパ腫、濾胞;菌状息肉症;他の明記される非ホジキンリンパ腫;悪性組織球増殖症;多発性骨髄腫;マスト細胞肉腫;免疫増殖性小腸疾患;白血病;リンパ性白血病;形質細胞白血病;赤白血病;リンパ肉腫細胞白血病;骨髄性白血病;好塩基球性白血病;好酸球性白血病;単球性白血病;マスト細胞白血病;巨核芽球性白血病;骨髄肉腫;膵臓癌;直腸癌;および毛様細胞白血病。
本開示の方法を用いて治療してもよい腫瘍には、例えば脳癌腫瘍、頭頸部癌腫瘍、食道癌腫瘍、皮膚癌腫瘍、肺癌腫瘍、胸腺癌腫瘍、胃癌腫瘍、結腸癌腫瘍、肝臓癌腫瘍、卵巣癌腫瘍、子宮癌腫瘍、膀胱癌腫瘍、精巣癌腫瘍、直腸癌腫瘍、乳癌腫瘍、または膵臓癌腫瘍が含まれる。
いくつかの場合、腫瘍は結腸直腸腺癌である。いくつかの場合、腫瘍は非小細胞肺癌である。いくつかの場合、腫瘍はトリプルネガティブ乳癌である。いくつかの場合、腫瘍は固形腫瘍である。いくつかの場合、腫瘍は液性腫瘍である。いくつかの場合、腫瘍は再発性である。いくつかの場合、腫瘍は原発性腫瘍である。いくつかの場合、腫瘍は転移性である。
癌を治療する本方法での治療には、多様な被験体が適している。適切な被験体には、癌を有するか、癌と診断されているか、癌を発展させるリスクがあるか、癌を有していたことがあり、そして癌の再発のリスクがあるか、癌のために本開示の腫瘍溶解性ワクシニアウイルス以外の剤で治療されたことがあり、そしてこうした治療にうまく反応しなかったか、または癌のために本開示の腫瘍溶解性ワクシニアウイルス以外の剤で治療されたことがあるが、こうした治療に最初に反応した後、再発した、任意の個体、例えばヒトまたは非ヒト動物が含まれる。
ワクシニアウイルス免疫原性組成物
本開示は:a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A33ポリペプチド、例えば図1Cに示すアミノ酸配列を有するA33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;b)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A34ポリペプチド、例えば図2Cに示すアミノ酸配列を有するA34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびc)変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型B5ポリペプチド、例えば図4Dに示すアミノ酸配列を有するB5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の1つまたはそれより多くを含むOVVを含む組成物を提供する。
本開示は:a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A33ポリペプチド、例えば図1Cに示すアミノ酸配列を有するA33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;b)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型A34ポリペプチド、例えば図2Cに示すアミノ酸配列を有するA34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;およびc)変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して(例えば野生型B5ポリペプチド、例えば図4Dに示すアミノ酸配列を有するB5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む対照ワクシニアウイルスに比較して)、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の1つまたはそれより多くを含むOVVを含む組成物を提供する。
癌抗原に対する個体における免疫反応を誘導するかまたは増進させるため、本開示のOVVを必要な個体に投与する。治療に適した被験体には、上述のものが含まれる。いくつかの場合、複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルスを、低用量で、例えば用量あたり約102プラーク形成単位(pfu)〜約104pfu、約104pfu〜約105pfu、または約105pfu〜約106pfuで、必要な個体に投与する。いくつかの場合、複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルスを、約106pfu〜約1012pfuの用量、例えば約106pfu〜約107pfu、約107pfu〜約108pfu、約108pfu〜約109pfu、約109pfu〜約1010pfu、約1010pfu〜約1011pfu、または約1011pfu〜約1012pfuの用量で、必要な個体に投与する。
本開示のOVVを薬学的組成物中で必要な個体に投与してもよく、例えば薬学的組成物は:a)本開示のOVV;およびb)薬学的に許容されうる賦形剤を含んでもよい。したがって、本開示は:a)本開示のOVV;およびb)薬学的に許容されうる賦形剤を含む、薬学的組成物を提供する。適切な薬学的に許容されうる賦形剤は、上述のとおりである。いくつかの場合、薬学的組成物はアジュバントを含む。適切なアジュバントには、限定されるわけではないが、ミョウバン、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、MF59(4.3%w/vスクアレン、0.5%w/v Tween 80TM、0.5%w/v Span85)、CpG含有核酸(シトシンがメチル化されていない)、モノホスホリル脂質A(MPL)、3−Q−デスアシル−4’−モノホスホリル脂質A(3DMPL)等が含まれる。
本開示のOVVを、任意の適切な投与経路、例えば上述のような投与経路を通じて、必要な個体に投与してもよい。例えば、本開示の組換えワクシニアウイルスを、筋内、静脈内、皮下投与経路を通じて、必要な個体に投与してもよい。
本開示の限定されない側面の例
上述の本主題の態様を含む側面は、単独で、あるいは1つまたはそれより多い他の側面または態様と組み合わせて有益でありうる。前述の説明を限定することなく、1〜72と番号付けられた本開示の特定の限定されない側面を、以下に提供する。本開示を読めば当業者には明らかであるように、個々の番号付けされた側面は、各々用いられてもよいし、あるいは先行するまたは続く個々の番号付けされた側面と組み合わされてもよい。これは、側面のすべてのこうした組み合わせに対する支持を提供するよう意図され、そして以下に明確に提供する側面の組み合わせに限定されない:
側面1. a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進された細胞外エンベロープビリオン(EEV)産生を提供する、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
b)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および
c)変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
の1つまたはそれより多くを含む、OVV。
上述の本主題の態様を含む側面は、単独で、あるいは1つまたはそれより多い他の側面または態様と組み合わせて有益でありうる。前述の説明を限定することなく、1〜72と番号付けられた本開示の特定の限定されない側面を、以下に提供する。本開示を読めば当業者には明らかであるように、個々の番号付けされた側面は、各々用いられてもよいし、あるいは先行するまたは続く個々の番号付けされた側面と組み合わされてもよい。これは、側面のすべてのこうした組み合わせに対する支持を提供するよう意図され、そして以下に明確に提供する側面の組み合わせに限定されない:
側面1. a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進された細胞外エンベロープビリオン(EEV)産生を提供する、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
b)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および
c)変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
の1つまたはそれより多くを含む、OVV。
側面2. a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および
b)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
を含む、側面1の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
b)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
を含む、側面1の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面3. a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
b)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および
c)変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
を含む、側面1の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
b)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および
c)変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含まない対照ワクシニアウイルスに比較して、増進されたウイルス伝播および/または増進されたEEV産生を提供する、変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
を含む、側面1の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面4. 変異体A33ポリペプチドが、M63、A88、およびE129の1つ、2つ、または3つの置換を含む、側面1〜3のいずれか1つの複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面5. 置換が、M63R置換、A88D置換、およびE129M置換の1つまたはそれより多くである、側面4の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面6. 変異体A33ポリペプチドがA88D置換およびE129M置換を含む、側面5の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面6. 変異体A33ポリペプチドがA88D置換およびE129M置換を含む、側面5の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面7. 変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、変異体A34ポリペプチドがK151E置換を含む、側面4〜6のいずれか1つの複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面8. 変異体A34ポリペプチドが、M66、F94、R84、R91、およびT127の1つ、2つ、3つ、4つ、または5つの置換を含む、側面1〜3のいずれか1つの複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面9. 置換が、M66T置換、F94H置換、R84G置換、R91A置換、R91S置換、およびT127E置換の1つまたはそれより多くである、側面8の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面10. 変異体A34ポリペプチドがK151E置換を含む、側面9の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面11. 変異体A34ポリペプチドがF94H置換を含む、側面9の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面11. 変異体A34ポリペプチドがF94H置換を含む、側面9の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面12. 変異体A34ポリペプチドがF94H置換およびK151E置換を含む、側面10の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面13. 変異体A33ポリペプチドが、M63、A88、およびE129の1つまたはそれより多くの置換を含み;そして
変異体A34ポリペプチドが、M66、F94、R84、R91、およびT127の1つまたはそれより多くの置換を含む、
側面2の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面13. 変異体A33ポリペプチドが、M63、A88、およびE129の1つまたはそれより多くの置換を含み;そして
変異体A34ポリペプチドが、M66、F94、R84、R91、およびT127の1つまたはそれより多くの置換を含む、
側面2の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面14. 変異体A33ポリペプチドが、M63R置換、A88D置換、およびE129M置換の1つまたはそれより多くを含み;そして変異体A34ポリペプチドが、M66T置換、F94H置換、R84G置換、R91S置換、R91A置換およびT127E置換の1つまたはそれより多くを含む、側面13の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面15. 変異体A34ポリペプチドがK151E置換を含む、側面14の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面16. 変異体A33ポリペプチドがA88D置換を含み;そして変異体A34ポリペプチドがF94H置換を含む、側面14の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面16. 変異体A33ポリペプチドがA88D置換を含み;そして変異体A34ポリペプチドがF94H置換を含む、側面14の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面17. 変異体A33ポリペプチドがE129M置換を含み、そして変異体A34ポリペプチドがF94H置換を含む、側面14の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面18. 変異体A33ポリペプチドがA88D置換およびE129置換を含み、そして変異体A34ポリペプチドがF94H置換を含む、側面14の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面19. 変異体A33ポリペプチドがA88D置換およびE129M置換を含み、そして変異体A34ポリペプチドがK151E置換を含む、側面15の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面20. 変異体A33ポリペプチドがA88D置換を含み、そして変異体A34ポリペプチドがF94H置換およびK151E置換を含む、側面15の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面21. 変異体A33ポリペプチドがE129M置換を含み、そして変異体A34ポリペプチドがF94H置換およびK151E置換を含む、側面15の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面22. 変異体A33ポリペプチドがA88D置換およびE129M置換を含み、そして変異体A34ポリペプチドがF94H置換およびK151E置換を含む、側面15の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面23. 変異体B5ポリペプチドが、N39、L90、N94、S199、K229、V233、I236、V238、T240、N241、E243、V247、D248、G250、D263、E268、E270、D272、S273、D275、およびA276の位で、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれより多くのアミノ酸置換を含む、側面1または側面3の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面24. 変異体B5ポリペプチドがS197FまたはS197V置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面25. 変異体B5ポリペプチドがS199M置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面25. 変異体B5ポリペプチドがS199M置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面26. 変異体B5ポリペプチドがS273L置換またはS273I置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面27. 変異体B5ポリペプチドがN39G置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面27. 変異体B5ポリペプチドがN39G置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面28. 変異体B5ポリペプチドがN94T置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面29. 変異体B5ポリペプチドがL90R置換およびS273V置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面29. 変異体B5ポリペプチドがL90R置換およびS273V置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面30. 変異体B5ポリペプチドがN39G置換およびS273I置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面31. 変異体B5ポリペプチドがK229C置換およびS273L置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面31. 変異体B5ポリペプチドがK229C置換およびS273L置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面32. 変異体B5ポリペプチドが、D263A置換、E270S置換、E272G置換、およびE275F置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面33. 変異体B5ポリペプチドが、I236P置換、V238R置換、T240R置換、およびE243G置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面34. 変異体B5ポリペプチドが、V233D置換、I236L置換、V238W置換、T240Y置換、およびE243R置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面35. 変異体B5ポリペプチドが、D263V置換、E268T置換、E270G置換、E272P置換、およびE275S置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面36. 変異体B5ポリペプチドが、N241T置換、E243V置換、V247S置換、G250R置換、およびA276F置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面37. 変異体B5ポリペプチドが、N241G置換、E243S置換、V247W置換、D248Y置換、G250A置換、およびA276F置換を含む、側面23の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面38. K151E置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、側面1〜37のいずれか1つの複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面39. 変異体A56ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、側面1〜38のいずれか1つの複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面40. 変異体A56ポリペプチドがアミノ酸269の置換を含む、側面39の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面40. 変異体A56ポリペプチドがアミノ酸269の置換を含む、側面39の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面41. アミノ酸269の置換がI269F置換である、側面40の複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面42. 免疫調節ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む異種核酸を含む、側面1〜41のいずれか1つの複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面42. 免疫調節ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む異種核酸を含む、側面1〜41のいずれか1つの複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面43. J2R発現および/または機能の欠如を生じる修飾を含む、側面1〜41のいずれか1つの複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面44. i)免疫調節ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む異種核酸;およびii)J2R発現および/または機能の欠如を生じる修飾の両方を含む、側面1〜41のいずれか1つの複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面44. i)免疫調節ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む異種核酸;およびii)J2R発現および/または機能の欠如を生じる修飾の両方を含む、側面1〜41のいずれか1つの複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス。
側面45. a)側面1〜44のいずれか1つのワクシニアウイルス;および
b)薬学的に許容されうる賦形剤
を含む、組成物。
b)薬学的に許容されうる賦形剤
を含む、組成物。
側面46. 腫瘍を有する個体において腫瘍溶解を誘導する方法であって、側面1〜44のいずれか1つのワクシニアウイルスまたは側面45の組成物の有効量を、個体に投与する工程を含む、前記方法。
側面47. 前記投与が、ウイルスまたは組成物の単回用量を投与する工程を含む、側面46の方法。
側面48. 単回用量が、ワクシニアウイルスの少なくとも106プラーク形成単位(pfu)を含む、側面47の方法。
側面48. 単回用量が、ワクシニアウイルスの少なくとも106プラーク形成単位(pfu)を含む、側面47の方法。
側面49. 単回用量がワクシニアウイルスの109〜1012pfuを含む、請求項47の方法。
側面50. 前記投与が、ワクシニアウイルスまたは組成物の複数回用量を投与する工程を含む、側面46の方法。
側面50. 前記投与が、ワクシニアウイルスまたは組成物の複数回用量を投与する工程を含む、側面46の方法。
側面51. ワクシニアウイルスまたは組成物を1日おきに投与する、側面50の方法。
側面52. ワクシニアウイルスまたは組成物を週1回投与する、側面50の方法。
側面52. ワクシニアウイルスまたは組成物を週1回投与する、側面50の方法。
側面53. ワクシニアウイルスまたは組成物を1週おきに投与する、側面50の方法。
側面54. 腫瘍が、脳癌腫瘍、頭頸部癌腫瘍、食道癌腫瘍、皮膚癌腫瘍、肺癌腫瘍、胸腺癌腫瘍、胃癌腫瘍、結腸癌腫瘍、肝臓癌腫瘍、卵巣癌腫瘍、子宮癌腫瘍、膀胱癌腫瘍、精巣癌腫瘍、結腸癌腫瘍、乳癌腫瘍、または膵臓癌腫瘍である、側面46〜53のいずれか1つの方法。
側面54. 腫瘍が、脳癌腫瘍、頭頸部癌腫瘍、食道癌腫瘍、皮膚癌腫瘍、肺癌腫瘍、胸腺癌腫瘍、胃癌腫瘍、結腸癌腫瘍、肝臓癌腫瘍、卵巣癌腫瘍、子宮癌腫瘍、膀胱癌腫瘍、精巣癌腫瘍、結腸癌腫瘍、乳癌腫瘍、または膵臓癌腫瘍である、側面46〜53のいずれか1つの方法。
側面55. 腫瘍が結腸直腸癌である、側面46〜53のいずれか1つの方法。
側面56. 腫瘍が非小細胞肺癌である、側面46〜53のいずれか1つの方法。
側面57. 腫瘍が乳癌である、側面46〜53のいずれか1つの方法。
側面56. 腫瘍が非小細胞肺癌である、側面46〜53のいずれか1つの方法。
側面57. 腫瘍が乳癌である、側面46〜53のいずれか1つの方法。
側面58. 腫瘍がトリプルネガティブ乳癌である、側面5576の方法。
側面59. 腫瘍が固形腫瘍である、側面46〜58のいずれか1つの方法。
側面60. 腫瘍が液状腫瘍である、側面46〜58のいずれか1つの方法。
側面59. 腫瘍が固形腫瘍である、側面46〜58のいずれか1つの方法。
側面60. 腫瘍が液状腫瘍である、側面46〜58のいずれか1つの方法。
側面61. 腫瘍が再発性である、側面46〜60のいずれか1つの方法。
側面62. 腫瘍が原発性腫瘍である、側面46〜60のいずれか1つの方法。
側面63. 腫瘍が転移性である、側面46〜62のいずれか1つの方法。
側面62. 腫瘍が原発性腫瘍である、側面46〜60のいずれか1つの方法。
側面63. 腫瘍が転移性である、側面46〜62のいずれか1つの方法。
側面64. 個体に第二の癌療法を投与する工程をさらに含む、側面46〜63のいずれか1つの方法。
側面65. 第二の癌療法が、化学療法、生物学的療法、放射線療法、免疫療法、ホルモン療法、抗血管療法、凍結療法、毒素療法、腫瘍溶解性ウイルス療法、細胞療法、遺伝子療法、および手術より選択される、側面64の方法。
側面65. 第二の癌療法が、化学療法、生物学的療法、放射線療法、免疫療法、ホルモン療法、抗血管療法、凍結療法、毒素療法、腫瘍溶解性ウイルス療法、細胞療法、遺伝子療法、および手術より選択される、側面64の方法。
側面66. 第二の癌療法が免疫チェックポイント阻害剤である、側面64の方法。
側面67. 免疫チェックポイント阻害剤が、CD27、CD28、CD40、CD122、CD96、CD73、CD47、OX40、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAM、アルギナーゼ、CD137、ICOS、A2AR、B7−H3、B7−H4、BTLA、CTLA−4、LAG3、TIM3、VISTA、CD96、TIGIT、CD122、PD−1、PD−L1およびPD−L2より選択される免疫チェックポイント阻害剤に特異的な抗体である、側面66の方法。
側面67. 免疫チェックポイント阻害剤が、CD27、CD28、CD40、CD122、CD96、CD73、CD47、OX40、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAM、アルギナーゼ、CD137、ICOS、A2AR、B7−H3、B7−H4、BTLA、CTLA−4、LAG3、TIM3、VISTA、CD96、TIGIT、CD122、PD−1、PD−L1およびPD−L2より選択される免疫チェックポイント阻害剤に特異的な抗体である、側面66の方法。
側面68. 個体が免疫無防備状態である、側面46〜67のいずれか1つの方法。
側面69. ワクシニアウイルスまたは組成物の前記投与が、動脈内、腹腔内、膀胱内、またはクモ膜下腔内投与である、側面46〜68のいずれか1つの方法。
側面69. ワクシニアウイルスまたは組成物の前記投与が、動脈内、腹腔内、膀胱内、またはクモ膜下腔内投与である、側面46〜68のいずれか1つの方法。
側面70. ワクシニアウイルスまたは組成物の前記投与が腫瘍内投与である、側面46〜68のいずれか1つの方法。
側面71. ワクシニアウイルスまたは組成物の前記投与が腫瘍周辺投与である、側面46〜68のいずれか1つの方法。
側面71. ワクシニアウイルスまたは組成物の前記投与が腫瘍周辺投与である、側面46〜68のいずれか1つの方法。
側面72. ワクシニアウイルスまたは組成物の前記投与が静脈内投与である、側面46〜68のいずれか1つの方法。
側面73. 腫瘍を有する個体において腫瘍溶解を誘導する方法において使用するための、側面1〜44のいずれか1つのワクシニアウイルス、または側面45の組成物。
側面73. 腫瘍を有する個体において腫瘍溶解を誘導する方法において使用するための、側面1〜44のいずれか1つのワクシニアウイルス、または側面45の組成物。
側面74. 腫瘍を有する個体において腫瘍溶解を誘導する方法において使用するための薬剤製造における、側面1〜44のいずれか1つのワクシニアウイルス、または側面45の組成物の使用。
一般の当業者に、本発明をどのように作製しそして使用するかの完全な開示および説明を提供するために、以下の実施例を示し、そして該実施例は、本発明者らが本発明と見なす範囲を限定することを意図されず、また以下の実験が行うすべてのまたは唯一の実験であることを示すとは意図されない。用いる数値(例えば量、温度等)に関する正確さを確実にするように努力は行っているが、ある程度の実験誤差および逸脱は考慮されるべきである。別に示さない限り、部分は重量部分であり、分子量は重量平均分子量であり、温度はセルシウス度であり、そして圧は大気圧かまたは大気圧近くである。標準的な略語を用いてもよく、例えばbp、塩基対(単数または複数);kb、キロ塩基(単数または複数);pl、ピコリットル(単数または複数);sまたはsec、秒(単数または複数);min、分(単数または複数);hまたはhr、時間(単数または複数);aa、アミノ酸(単数または複数);kb、キロ塩基(単数または複数);bp、塩基対(単数または複数);nt、ヌクレオチド(単数または複数);i.m.、筋内(に);i.p.、腹腔内(に);s.c.、皮下(に)等である。
実施例1
A. ワクシニアウイルスライブラリー骨格の生成
骨格ウイルスを生成して、ワクシニアウイルスゲノム内の関心対象の遺伝子座への多数のライブラリーのクローニング、再活性化、および構築を容易にした。骨格ウイルスは、選択可能マーカー、単純ヘルペスウイルス−チミジンキナーゼ(HSV−TK)およびmCherry融合タンパク質(ワクシニアウイルス発現のために最適化されたコドン)を、合成初期後期プロモーター(pSEL)の制御下で含有した。ホーミングエンドヌクレアーゼ部位I−SceIおよびI−CeuIが隣接したpSEL−HSV−TK/mCherryカセット、ならびに1)A33R/A34R遺伝子座、2)A56R遺伝子座、または3)B5R遺伝子座に対する相同性の上流および下流領域におけるAarI部位のユニークな対を含有するドナーDNAを、各領域の特異的プライマー(IDT)およびPhusion−HF(Thermo Fisher)を用いた重複ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を通じて生成した。Zymo DNA clean−and−concentrator−5キット(ZymoResearch)を用いてPCR産物を精製し、そしてZeroBluntTM TOPOTM PCRクローニングキット(Thermo Fisher)によって供給されるDNAシャトルベクター内に平滑端クローニング(blunt−cloning)した。Elim Biopharmaceuticals(カリフォルニア州ヘイワード)によってDNAを配列決定した。J2R欠失およびpSELプロモーターによって駆動されるホタル(firefly)ルシフェラーゼ2A−eGFPの挿入を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス由来のウイルスゲノムDNAを抽出し、そして関心対象の3つの遺伝子座の1つで切断した。ウイルス再活性化を用いて、関心対象の各遺伝子座:1)ワクシニアウイルスゲノムのA33R/A34R遺伝子座、2)A56R遺伝子座、および3)B5R遺伝子座を、選択可能マーカーで置換した。簡潔には、VERO−B4細胞(DSMZ)をShope線維腫ウイルス(SFV;ATCC)に室温で2時間感染させ、洗浄し、そして37℃および5%CO2で1時間回復を許した。回復中、製造者の指示にしたがって、ゲノムDNAおよびドナーDNAを含有するトランスフェクション混合物を、Lipofectamine 2000(Thermo Fisher)と混合した。感染細胞をトランスフェクション混合物で、37℃および5%CO2で2日間トランスフェクションした。BSC−40細胞から、連続希釈およびプラーク単離によって、機能性ウイルスを回収した(Earlら(1998) Curr. Protocol. Mol. Biol. 43:16.17.1.)。QuickExtract(Epicentre/Lucigen)を用いてウイルスプラークをDNA抽出し、そしてElim Biopharmaceuticalsによって、プラーク精製前およびプラーク精製3ラウンド後にサンガー配列決定した。配列検証されたウイルスを、HeLa S3細胞(DSMZ)中で増幅し、そして以下に記載するように精製した。DNAを抽出し(Cotterら(2015) Curr. Protocol Mol. Biol. 39:14A.3.1.)、そして全ゲノム配列決定(WGS)(Seqmatic、カリフォルニア州ヘイワード)のために提出した(summited)。Geneiousデスクトップソフトウェア(Biomatters Ltd.)を用いて、WGS分析を社内で行った。
A. ワクシニアウイルスライブラリー骨格の生成
骨格ウイルスを生成して、ワクシニアウイルスゲノム内の関心対象の遺伝子座への多数のライブラリーのクローニング、再活性化、および構築を容易にした。骨格ウイルスは、選択可能マーカー、単純ヘルペスウイルス−チミジンキナーゼ(HSV−TK)およびmCherry融合タンパク質(ワクシニアウイルス発現のために最適化されたコドン)を、合成初期後期プロモーター(pSEL)の制御下で含有した。ホーミングエンドヌクレアーゼ部位I−SceIおよびI−CeuIが隣接したpSEL−HSV−TK/mCherryカセット、ならびに1)A33R/A34R遺伝子座、2)A56R遺伝子座、または3)B5R遺伝子座に対する相同性の上流および下流領域におけるAarI部位のユニークな対を含有するドナーDNAを、各領域の特異的プライマー(IDT)およびPhusion−HF(Thermo Fisher)を用いた重複ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を通じて生成した。Zymo DNA clean−and−concentrator−5キット(ZymoResearch)を用いてPCR産物を精製し、そしてZeroBluntTM TOPOTM PCRクローニングキット(Thermo Fisher)によって供給されるDNAシャトルベクター内に平滑端クローニング(blunt−cloning)した。Elim Biopharmaceuticals(カリフォルニア州ヘイワード)によってDNAを配列決定した。J2R欠失およびpSELプロモーターによって駆動されるホタル(firefly)ルシフェラーゼ2A−eGFPの挿入を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス由来のウイルスゲノムDNAを抽出し、そして関心対象の3つの遺伝子座の1つで切断した。ウイルス再活性化を用いて、関心対象の各遺伝子座:1)ワクシニアウイルスゲノムのA33R/A34R遺伝子座、2)A56R遺伝子座、および3)B5R遺伝子座を、選択可能マーカーで置換した。簡潔には、VERO−B4細胞(DSMZ)をShope線維腫ウイルス(SFV;ATCC)に室温で2時間感染させ、洗浄し、そして37℃および5%CO2で1時間回復を許した。回復中、製造者の指示にしたがって、ゲノムDNAおよびドナーDNAを含有するトランスフェクション混合物を、Lipofectamine 2000(Thermo Fisher)と混合した。感染細胞をトランスフェクション混合物で、37℃および5%CO2で2日間トランスフェクションした。BSC−40細胞から、連続希釈およびプラーク単離によって、機能性ウイルスを回収した(Earlら(1998) Curr. Protocol. Mol. Biol. 43:16.17.1.)。QuickExtract(Epicentre/Lucigen)を用いてウイルスプラークをDNA抽出し、そしてElim Biopharmaceuticalsによって、プラーク精製前およびプラーク精製3ラウンド後にサンガー配列決定した。配列検証されたウイルスを、HeLa S3細胞(DSMZ)中で増幅し、そして以下に記載するように精製した。DNAを抽出し(Cotterら(2015) Curr. Protocol Mol. Biol. 39:14A.3.1.)、そして全ゲノム配列決定(WGS)(Seqmatic、カリフォルニア州ヘイワード)のために提出した(summited)。Geneiousデスクトップソフトウェア(Biomatters Ltd.)を用いて、WGS分析を社内で行った。
B. ワクシニアウイルスA33R、A34R、A56R、およびB5R DNAライブラリーの生成
PCRを通じて単一アミノ酸置換を含有するライブラリーを生成した。最初の遺伝子のプロモーターの上流および最後の遺伝子のターミネーターの下流に挿入されたユニークなAarIおよびSfiIクローニング部位を含み、各遺伝子座に関して、A33RおよびA34R(K151E置換を含有する)、A56R、またはB5Rのコペンハーゲンワクシニアウイルスを含有するテンプレートDNAを合成した(Genescript)。A33R、A34R、A56R、およびB5Rコード配列に関して、遺伝子の長さに渡るNNKライブラリーを設計した。各タンパク質のコード領域に渡ってタイリングされた縮重NNK含有プライマー(IDT)を用いて、PCRによって各遺伝子座に関するNNK変異体を生成した。順方向および逆方向プライマーの間の相同性によって、NEBuilder(登録商標)HiFi DNAアセンブリー(NEB)を用いて、各コドンに関するNNK変異体の自己アセンブリーが可能になった。アセンブリー反応を、Endura化学的コンピテント大腸菌(E. coli)(Lucigen)に形質転換し、そして選択寒天培地(100μg/mLカルベニシリンを含むルリアブロスまたはLB+Carb、Teknova)上で増殖させた。コロニーを計数し、そして各遺伝子座における各コドンに関して、NNKあたり〜20xコロニー形成単位(CFU)が達成されるまで、形質転換を続けた。液体培地LB+Carb(Teknova)を注ぎ、そして掻き取ることによってプレートからコロニーを回収し、アリコットし、そして30%グリセロール中で凍結した。各コドンに関して1つのアリコットを、LB+50μg/mL Carbを含有する96ウェルプレート内に接種し、37℃および900rpmで一晩振盪し;次いで、Nucleospin 96プラスミドトランスフェクション等級キット(Macherey−Nagel)を用いてミニプレップした。ミニプレップを滅菌水中で1:100に希釈し;次いで、A33R/A34R、A56R、およびB5Rに関する特異的プライマー(IDT)それぞれで、Phusion−HF(Thermo Fisher)を用いて、各コドンに関してドナーDNAを増幅した。各ランダム化コドンに関するPCRアンプリコンを、Spectramax M5プレート読み取り装置(Molecular Devices)上、AccuClear超高感度dsDNA定量化キット(Biotium)を用いて定量化し、そしてElim Biopharmaceuticals(カリフォルニア州ヘイワード)によって配列決定した。Geneious(Biomatters Ltd.)を用いて、配列決定結果を社内分析した。検証されたNNK PCR産物を濃度によって標準化し、プールし、そしてワクシニアウイルスに組み換えるドナーDNAとして用いた。B5R遺伝子内に関心対象のランダム化領域を含有するライブラリーを、ランダム化の定義された領域での縮重合成プロセスを用いて、Genewizによって合成した。ライブラリー多様性概算およびDNAライブラリー段階でのアレル頻度をすべてのライブラリーに関して概算した。
PCRを通じて単一アミノ酸置換を含有するライブラリーを生成した。最初の遺伝子のプロモーターの上流および最後の遺伝子のターミネーターの下流に挿入されたユニークなAarIおよびSfiIクローニング部位を含み、各遺伝子座に関して、A33RおよびA34R(K151E置換を含有する)、A56R、またはB5Rのコペンハーゲンワクシニアウイルスを含有するテンプレートDNAを合成した(Genescript)。A33R、A34R、A56R、およびB5Rコード配列に関して、遺伝子の長さに渡るNNKライブラリーを設計した。各タンパク質のコード領域に渡ってタイリングされた縮重NNK含有プライマー(IDT)を用いて、PCRによって各遺伝子座に関するNNK変異体を生成した。順方向および逆方向プライマーの間の相同性によって、NEBuilder(登録商標)HiFi DNAアセンブリー(NEB)を用いて、各コドンに関するNNK変異体の自己アセンブリーが可能になった。アセンブリー反応を、Endura化学的コンピテント大腸菌(E. coli)(Lucigen)に形質転換し、そして選択寒天培地(100μg/mLカルベニシリンを含むルリアブロスまたはLB+Carb、Teknova)上で増殖させた。コロニーを計数し、そして各遺伝子座における各コドンに関して、NNKあたり〜20xコロニー形成単位(CFU)が達成されるまで、形質転換を続けた。液体培地LB+Carb(Teknova)を注ぎ、そして掻き取ることによってプレートからコロニーを回収し、アリコットし、そして30%グリセロール中で凍結した。各コドンに関して1つのアリコットを、LB+50μg/mL Carbを含有する96ウェルプレート内に接種し、37℃および900rpmで一晩振盪し;次いで、Nucleospin 96プラスミドトランスフェクション等級キット(Macherey−Nagel)を用いてミニプレップした。ミニプレップを滅菌水中で1:100に希釈し;次いで、A33R/A34R、A56R、およびB5Rに関する特異的プライマー(IDT)それぞれで、Phusion−HF(Thermo Fisher)を用いて、各コドンに関してドナーDNAを増幅した。各ランダム化コドンに関するPCRアンプリコンを、Spectramax M5プレート読み取り装置(Molecular Devices)上、AccuClear超高感度dsDNA定量化キット(Biotium)を用いて定量化し、そしてElim Biopharmaceuticals(カリフォルニア州ヘイワード)によって配列決定した。Geneious(Biomatters Ltd.)を用いて、配列決定結果を社内分析した。検証されたNNK PCR産物を濃度によって標準化し、プールし、そしてワクシニアウイルスに組み換えるドナーDNAとして用いた。B5R遺伝子内に関心対象のランダム化領域を含有するライブラリーを、ランダム化の定義された領域での縮重合成プロセスを用いて、Genewizによって合成した。ライブラリー多様性概算およびDNAライブラリー段階でのアレル頻度をすべてのライブラリーに関して概算した。
C. ワクシニアウイルスA33、A34、A56、およびB5ウイルスライブラリーの生成
ワクシニア骨格生成またはウイルス再活性化に関して記載したものと同じ戦略を用いて、ワクシニアウイルスゲノム内にライブラリーを挿入した。簡潔には、VERO−B4細胞(DSMZ)をShope線維腫ウイルス(SFV、ATCC)に感染させ、そして消化したウイルスゲノムDNAおよびドナーDNAでトランスフェクションした。ワクシニアウイルスのウイルス粒子を24時間後に回収した。上述のように、プラークを単離し、Quick Extract(Epicentre/Lucigen)でDNAを抽出し、そしてPCRアンプリコンの配列を決定することによって、ウイルス再活性化直後の多様性を概算した。各ライブラリー由来のウイルスをHeLa S3細胞中で増幅した。各遺伝子座を増幅し、そしてアンプリコン次世代配列決定(NGS、SeqMatic)のために提出することによって、多様性に関してウイルスシードストックを分析した。各遺伝子座特異的ライブラリー中に存在する多様性の分析を、フリーのコマンドラインプログラム、VirVarSeq(https://omictools.com/virvarseq−tool)によって容易にし、そしてMicrosoft Excelを用いて後処理した。以下に記載するように、スクロース勾配および超遠心によって、増幅されたウイルスライブラリーを精製した(Cotterら(2015) Curr. Protocol Mol. Biol. 39:14A.3.1)。精製したウイルスライブラリーを−80℃で保存し、そしてプラークアッセイによって2つ組で力価決定し、以下に記載するように、精製ウイルスの連続希釈をBSC−40細胞(ATCC)に添加した(Earlら(1998) Curr. Protocol. Mol. Biol. 43:16.17.1.)。
ワクシニア骨格生成またはウイルス再活性化に関して記載したものと同じ戦略を用いて、ワクシニアウイルスゲノム内にライブラリーを挿入した。簡潔には、VERO−B4細胞(DSMZ)をShope線維腫ウイルス(SFV、ATCC)に感染させ、そして消化したウイルスゲノムDNAおよびドナーDNAでトランスフェクションした。ワクシニアウイルスのウイルス粒子を24時間後に回収した。上述のように、プラークを単離し、Quick Extract(Epicentre/Lucigen)でDNAを抽出し、そしてPCRアンプリコンの配列を決定することによって、ウイルス再活性化直後の多様性を概算した。各ライブラリー由来のウイルスをHeLa S3細胞中で増幅した。各遺伝子座を増幅し、そしてアンプリコン次世代配列決定(NGS、SeqMatic)のために提出することによって、多様性に関してウイルスシードストックを分析した。各遺伝子座特異的ライブラリー中に存在する多様性の分析を、フリーのコマンドラインプログラム、VirVarSeq(https://omictools.com/virvarseq−tool)によって容易にし、そしてMicrosoft Excelを用いて後処理した。以下に記載するように、スクロース勾配および超遠心によって、増幅されたウイルスライブラリーを精製した(Cotterら(2015) Curr. Protocol Mol. Biol. 39:14A.3.1)。精製したウイルスライブラリーを−80℃で保存し、そしてプラークアッセイによって2つ組で力価決定し、以下に記載するように、精製ウイルスの連続希釈をBSC−40細胞(ATCC)に添加した(Earlら(1998) Curr. Protocol. Mol. Biol. 43:16.17.1.)。
D. 定向進化
いくつかのin vitroおよびin vivo定向進化プログラムを行って、多様な腫瘍タイプの形質導入と組み合わせて、増加したEEV産生およびウイルス伝播が可能な変異体を同定した。プログラムを表1に要約する。一般的な定向進化プロセスを図5に要約する。
いくつかのin vitroおよびin vivo定向進化プログラムを行って、多様な腫瘍タイプの形質導入と組み合わせて、増加したEEV産生およびウイルス伝播が可能な変異体を同定した。プログラムを表1に要約する。一般的な定向進化プロセスを図5に要約する。
表1
図5は、in vitroでEEV変異体を同定するために用いられる定向進化プロセスの単一の段階の模式的例を提供する。関心対象の適切な領域、この例ではA33/A34、B5およびA56領域中のウイルス変異体のライブラリーを含有するワクシニアウイルスをまず、大規模ウイルス再活性化実験を通じて操作した後、特定の細胞タイプにおける多数ラウンドの選択に供した。定向進化プロセスを、癌患者由来初代細胞または不死化癌細胞株のいずれかに適応させてもよい。ウイルス変異体を、1つまたは多様な細胞タイプにおける選択ラウンドに通過させてもよい。簡潔には、プロセスは、選択した第一の細胞タイプにおいて、複製および上清中への放出が可能なウイルスで始まり、その後、24時間のインキュベーション期間後に採取し、増幅し、そして精製する(ラウンド1)。次いで、ラウンド1から得た感染性ウイルスを用いて、別の細胞タイプまたは同じ細胞タイプのいずれかを感染させる(ラウンド2)。ラウンド1〜4の実施を定向進化プロセスの1ステージと見なす。全部で合わせて3ステージを完了した。用いた細胞タイプ(癌患者由来一次細胞または不死化癌細胞株)に応じて、多様な感染多重度(MOI)を考慮すべきである。
定向進化プロセスの多数ラウンドに関して、アンプリコン次世代配列決定(NGS)、個々のプラークのサンガー配列決定、および全ゲノム配列決定(WGS)の組み合わせを用いて、ライブラリーの代表的な部分の配列決定を行った。最も蔓延している変異体の、総集団の割合として表される頻度は、選択の経過に渡って有意に増加した。
E. プラスミド構築
遺伝子合成技術を用いて、変異体A33Rおよび/またはA34R配列を含有するプラスミドを生成した。以下に記載する置換変異体各々をコードする配列を、遺伝子合成のため、GenScriptに提出し、そしてpUC57−ミニベクター内に挿入した。変異体A33およびA34配列によってコードされるアミノ酸配列を、配列番号57〜60、61〜67、および81として、図16の簡単な説明中に注解した。変異体B5配列によってコードされるアミノ酸配列を、配列番号68〜79として、図23の簡単な説明中に注解した。変異体A56配列によってコードされるアミノ酸配列を、配列番号80として、図24の簡単な説明中に注解した。
遺伝子合成技術を用いて、変異体A33Rおよび/またはA34R配列を含有するプラスミドを生成した。以下に記載する置換変異体各々をコードする配列を、遺伝子合成のため、GenScriptに提出し、そしてpUC57−ミニベクター内に挿入した。変異体A33およびA34配列によってコードされるアミノ酸配列を、配列番号57〜60、61〜67、および81として、図16の簡単な説明中に注解した。変異体B5配列によってコードされるアミノ酸配列を、配列番号68〜79として、図23の簡単な説明中に注解した。変異体A56配列によってコードされるアミノ酸配列を、配列番号80として、図24の簡単な説明中に注解した。
F. ウイルスおよび細胞
ワクシニアウイルスのコペンハーゲン株のチミジンキナーゼウイルス遺伝子J2R内への、pSELプロモーターの制御下のルシフェラーゼ−2A−GFPカセットの相同組換え挿入によって、ワクシニアウイルスコペンハーゲンIGV−007を構築した。Bright−GloTMルシフェラーゼアッセイ系(Promega)およびSpectramax M5(Molecular Devices)を用い、発光によって、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を確認した。蛍光顕微鏡観察を通じて、GFP発現を確認した。
ワクシニアウイルスのコペンハーゲン株のチミジンキナーゼウイルス遺伝子J2R内への、pSELプロモーターの制御下のルシフェラーゼ−2A−GFPカセットの相同組換え挿入によって、ワクシニアウイルスコペンハーゲンIGV−007を構築した。Bright−GloTMルシフェラーゼアッセイ系(Promega)およびSpectramax M5(Molecular Devices)を用い、発光によって、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を確認した。蛍光顕微鏡観察を通じて、GFP発現を確認した。
再活性化およびIGV−007のA33R/A34R遺伝子領域内への合成遺伝子の相同組換えによって、A34中のK151E置換(IGV−006)、A33中のA88D置換(IGV−060)、A33中のE129M置換(IGV−061)、A34中のF94H置換(IGV−062)、A33中のA88DおよびE129M置換(IGV−063)、A33中のA88D置換およびA34中のF94H置換(IGV−064)、A33中のE129M置換およびA34中のF94H置換(IGV−066)、ならびにA33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のF94H置換(IGV−066)を含有するワクシニアウイルスコペンハーゲン株を構築した。再活性化およびIGV−006のA33R/A34R遺伝子領域内への合成遺伝子の相同組換えによって、A33中のA88D置換およびA34中のK151E置換(IGV−067)、A33中のE129M置換およびA34中のK151E置換(IGV−068)、A34中のF94HおよびK151E置換(IGV−073)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−069)、A33中のA88D置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−070)、A33中のE129M置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−071)、ならびにA33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−072)を含有するワクシニアウイルスコペンハーゲン株を構築した。IGV−007またはIGV−006内への変異体A33R遺伝子および/またはA34R遺伝子の挿入成功を、個々の単離プラークのサンガー配列決定によって検証した。以下に記載するように、ウイルスを増幅し、そして精製した。
再活性化およびIGV−013のA33R/A34R遺伝子領域内への合成遺伝子の相同組換えによって、A34中のK151E置換(IGV−117)、A34中のF94HおよびK151E置換(IGV−118)、A33中のA88D置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−119)、ならびにA33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−120)を含有するワクシニアウイルスウェスタンリザーブ株を構築した。ワクシニアウイルスのウェスタンリザーブ(WR;ATCC)株のチミジンキナーゼウイルス遺伝子J2R内への、テトラサイクリンオペレーターを伴うpSELプロモーターの制御下のルシフェラーゼ−2A−GFPカセットの相同組換え挿入によって、ワクシニアウイルスWR IGV−013を構築した。Bright−GloTMルシフェラーゼアッセイ系(Promega)およびSpectramax M5(Molecular Devices)を用い、発光によって、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を確認した。蛍光顕微鏡を通じて、GFP発現を確認した。
HeLa、U−2 OS、およびBSC−40細胞をATCCから得た。A549、HCT116、Colo205、およびMDA−MB−231細胞を腫瘍および腫瘍細胞株のNCI DCTDレポジトリーより得た。HeLa S3およびVERO−B4細胞をDSMZより得た。癌患者由来初代細胞(乳房、結腸直腸、および肺)を、Conversant Bioより得た。ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)をLonzaより得た。RK−13細胞をSigma−Aldrichより得た。
G. ウイルス増幅および精製
単層細胞にウイルスを添加し、そして2.5%FBSを含む培地中で1時間インキュベーションすることによって、HeLa S3細胞(DSMZ)を感染させた。感染後、新鮮な培地を添加し、そして感染細胞単層を48時間インキュベーションして、ウイルス複製および増幅を可能にした。インキュベーション後、細胞を採取し、そして遠心分離によって収集した。Dounceホモジナイザー(Wheaton)での機械的破壊によって細胞を溶解した。24%〜40%スクロース勾配および超遠心でウイルス精製を完了した。精製したウイルスをアリコットし、−80℃で保存して、そしてプラークアッセイによって2つ組で力価決定し、以前記載されるように(Earlら(1998) Curr. Protocol. Mol. Biol. 43:16.17.1.)、精製ウイルスの連続希釈をBSC−40細胞またはU−2 OS細胞(ATCC)に添加した。
単層細胞にウイルスを添加し、そして2.5%FBSを含む培地中で1時間インキュベーションすることによって、HeLa S3細胞(DSMZ)を感染させた。感染後、新鮮な培地を添加し、そして感染細胞単層を48時間インキュベーションして、ウイルス複製および増幅を可能にした。インキュベーション後、細胞を採取し、そして遠心分離によって収集した。Dounceホモジナイザー(Wheaton)での機械的破壊によって細胞を溶解した。24%〜40%スクロース勾配および超遠心でウイルス精製を完了した。精製したウイルスをアリコットし、−80℃で保存して、そしてプラークアッセイによって2つ組で力価決定し、以前記載されるように(Earlら(1998) Curr. Protocol. Mol. Biol. 43:16.17.1.)、精製ウイルスの連続希釈をBSC−40細胞またはU−2 OS細胞(ATCC)に添加した。
H. プラークアッセイによるウイルス力価決定
最終希釈が濃縮精製ウイルスストックの10−9である10倍連続希釈によってウイルス力価を決定した。ウイルス希釈を用いて、BSC−40細胞またはU−2 OS細胞を感染させて、mLあたりのプラーク形成単位数(PFU/mL)を決定した。1mLの各連続希釈を、標準6ウェルマイクロプレート(BD Falcon)中の集密細胞単層を含有するウェルに2つ組で適用した。細胞を1時間感染させ、新鮮な培地で洗浄し、そして1.5%カルボキシメチルセルロース(Teknova)を含有する新鮮な培地溶液を重層した。48または72時間インキュベーションした後、培地を除去し、そして細胞を固定し、そして0.1%クリスタルバイオレット(Sigma)を含有する20%エタノール溶液で染色した。次いで、各ウェル中のプラーク数をカウントし、2つ組力価の間で平均し、そして希釈因子に関して調整することによって、ストック力価を決定した。
最終希釈が濃縮精製ウイルスストックの10−9である10倍連続希釈によってウイルス力価を決定した。ウイルス希釈を用いて、BSC−40細胞またはU−2 OS細胞を感染させて、mLあたりのプラーク形成単位数(PFU/mL)を決定した。1mLの各連続希釈を、標準6ウェルマイクロプレート(BD Falcon)中の集密細胞単層を含有するウェルに2つ組で適用した。細胞を1時間感染させ、新鮮な培地で洗浄し、そして1.5%カルボキシメチルセルロース(Teknova)を含有する新鮮な培地溶液を重層した。48または72時間インキュベーションした後、培地を除去し、そして細胞を固定し、そして0.1%クリスタルバイオレット(Sigma)を含有する20%エタノール溶液で染色した。次いで、各ウェル中のプラーク数をカウントし、2つ組力価の間で平均し、そして希釈因子に関して調整することによって、ストック力価を決定した。
I. ヒト腫瘍細胞の上清中の感染性ウイルス
1または3のMOIで1時間、細胞単層をウイルスに感染させることによって、腫瘍細胞株A549(NCI)、Colo205(NCI)、MDA MB231(NCI)、HT−29(NCI)、SW−620(NCI)、およびHeLa(DSMZ)中のウイルス複製を、3つ組で決定した。感染後、ウイルス接種を3回洗浄し、そして新鮮な培地で置き換えた。感染24時間後、上清中で産生されたウイルスおよび細胞を別個に培地に採取した。上述のプラークアッセイプロトコルを用いて、上清中のウイルスを直ちに、2つ組で力価決定した。細胞ペレット中に含有されたウイルスを凍結し、そして−80℃で保存した。
1または3のMOIで1時間、細胞単層をウイルスに感染させることによって、腫瘍細胞株A549(NCI)、Colo205(NCI)、MDA MB231(NCI)、HT−29(NCI)、SW−620(NCI)、およびHeLa(DSMZ)中のウイルス複製を、3つ組で決定した。感染後、ウイルス接種を3回洗浄し、そして新鮮な培地で置き換えた。感染24時間後、上清中で産生されたウイルスおよび細胞を別個に培地に採取した。上述のプラークアッセイプロトコルを用いて、上清中のウイルスを直ちに、2つ組で力価決定した。細胞ペレット中に含有されたウイルスを凍結し、そして−80℃で保存した。
J. コメットアッセイ
6ウェルプレート中に植え付けられたBSC−40細胞単層を、1mLの10倍連続希釈ウイルスに1時間感染させた。感染細胞を3回洗浄し、新鮮な培地を補充し、そして角度40°、37℃で48または72時間インキュベーションした。細胞単層を、0.1%クリスタルバイオレット(Sigma)を含有する20%エタノール溶液で2時間染色して、コメットを視覚化した。
6ウェルプレート中に植え付けられたBSC−40細胞単層を、1mLの10倍連続希釈ウイルスに1時間感染させた。感染細胞を3回洗浄し、新鮮な培地を補充し、そして角度40°、37℃で48または72時間インキュベーションした。細胞単層を、0.1%クリスタルバイオレット(Sigma)を含有する20%エタノール溶液で2時間染色して、コメットを視覚化した。
K. 伝播アッセイ
2段階感染性アッセイのため、U−2 OS(骨肉腫)、RK−13(ウサギ腎臓)、VERO−B4(アフリカミドリザル腎臓)、A549(肺腺癌)またはMDA−MB−231(乳癌)細胞を、ある範囲のMOIで1時間感染させた。感染細胞を3回洗浄し、そして20〜24時間インキュベーションし、この時点で上清を収集した。低速遠心分離によって、細胞破片から上清を清澄化し、そして96ウェル白壁プレート(Greiner)中に植え付けられた対応する細胞の新規プレートを感染させた。第二のプレート上で15または24時間感染させた後、Bright−Gloルシフェラーゼアッセイ系(Promega)を用い、Spectramax M5分光光度計上でルシフェラーゼ活性を評価した。
2段階感染性アッセイのため、U−2 OS(骨肉腫)、RK−13(ウサギ腎臓)、VERO−B4(アフリカミドリザル腎臓)、A549(肺腺癌)またはMDA−MB−231(乳癌)細胞を、ある範囲のMOIで1時間感染させた。感染細胞を3回洗浄し、そして20〜24時間インキュベーションし、この時点で上清を収集した。低速遠心分離によって、細胞破片から上清を清澄化し、そして96ウェル白壁プレート(Greiner)中に植え付けられた対応する細胞の新規プレートを感染させた。第二のプレート上で15または24時間感染させた後、Bright−Gloルシフェラーゼアッセイ系(Promega)を用い、Spectramax M5分光光度計上でルシフェラーゼ活性を評価した。
L. EEV定量化
CsCl密度勾配超遠心法を用いて、細胞内成熟ウイルス(IMV)粒子の濃縮または細胞外エンベロープウイルス(EEV)粒子の濃縮を含有するウイルス試料を分離し、そして精製した。ウイルスを、25%〜30%CsCl勾配上に重層し、そして175,000rcfで18時間遠心分離した。濃縮分画を含有するバンドを、密度勾配内の定義された位置で抽出し、そしてCsClを除去した。試料をコンジュゲート化抗B5抗体とインキュベーションした後、定量化した。マイクロフローサイトメーター(Apogee)を用いて、ウイルスサイズ粒子(VSP)およびB5抗原(EEVの指標)を含有するVSPを定量化した。
CsCl密度勾配超遠心法を用いて、細胞内成熟ウイルス(IMV)粒子の濃縮または細胞外エンベロープウイルス(EEV)粒子の濃縮を含有するウイルス試料を分離し、そして精製した。ウイルスを、25%〜30%CsCl勾配上に重層し、そして175,000rcfで18時間遠心分離した。濃縮分画を含有するバンドを、密度勾配内の定義された位置で抽出し、そしてCsClを除去した。試料をコンジュゲート化抗B5抗体とインキュベーションした後、定量化した。マイクロフローサイトメーター(Apogee)を用いて、ウイルスサイズ粒子(VSP)およびB5抗原(EEVの指標)を含有するVSPを定量化した。
実施例2
最初の選択は、異なる初代癌細胞(結腸、乳房および肺)およびVEGF刺激内皮細胞の感染後、増進された伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定した。配列決定集団内で増加した頻度を示す2つの変異体を同定した(図6)。1つはA33配列に対するA88DおよびE129M置換を含有し、そして1つはA34配列に対するF94H置換を含有する、2つの変異体が、ラウンド11で実質的な濃縮(それぞれ、900倍および400倍)を示した(図6)。
最初の選択は、異なる初代癌細胞(結腸、乳房および肺)およびVEGF刺激内皮細胞の感染後、増進された伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定した。配列決定集団内で増加した頻度を示す2つの変異体を同定した(図6)。1つはA33配列に対するA88DおよびE129M置換を含有し、そして1つはA34配列に対するF94H置換を含有する、2つの変異体が、ラウンド11で実質的な濃縮(それぞれ、900倍および400倍)を示した(図6)。
図6は、異なるヒト初代癌細胞およびVEGF刺激内皮細胞の感染後、増進された伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定する定向進化プロセスの多様なラウンドにおいて、特定のワクシニアウイルス変異体の頻度に関するデータを提供する。ライブラリーの代表的な分画を、最初のHeLa S3増幅、ラウンド3、ラウンド4、ラウンド9、ラウンド10、およびラウンド11の後に、アンプリコン次世代配列決定(NGS)、個々のプラークのサンガー配列決定(プラーク配列決定)、および全ゲノム配列決定(WGS)の組み合わせを用いて、配列決定した。総集団の割合として表される、2つの最も蔓延している変異体の頻度は、選択経過に渡って有意に増加した。A88DおよびE129M置換を含有するA33変異体、ならびにF94HおよびK151E置換を含有するA34変異体に関する濃縮によって、ワクシニアウイルスが、初代ヒト癌細胞の感染後、伝播を増加させそしてEEVを産生する能力を、これらの置換が増加させることが立証される。n.d.、未実行。
BSC−40(アフリカミドリザル腎臓)およびU−2 OS(ヒト骨肉腫)細胞株を用い、ウイルス伝播およびEEV産生に対する置換変異体の影響をin vitroで評価した。野生型A33およびA34配列(IGV−007)、A34中のK151E置換(IGV−006;伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−051)、またはA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−052)を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスを、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。実施例1に記載するように、コメットアッセイを行った。野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスに比較した、変異体ワクシニアウイルスに関するより長いコメットテールの存在(図7A)は、変異体ワクシニアウイルス、特にIGV−051およびIGV−52によって、ウイルス伝播が増進し、そしてしたがってより多くのEEVが産生されたことを示す。実施例1に記載する伝播アッセイを用いて、変異体伝播をさらに評価した。野生型A33およびA34配列(IGV−007)、ならびにA34中のK151E置換(IGV−006)を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスに比較して、変異体ワクシニアウイルス(IGV−051およびIGV−052)は、より多量の相対光単位(RLU)を生じ、増進されたウイルス伝播を示す(図7B)。これらの研究は、A33およびA34への置換の取り込み、特に、A33中のA88およびE129の位置、ならびにA34中のF94の位置での置換を、A34中のK151E置換と組み合わせると、増進されたEEV産生およびしたがってウイルス伝播を導くことを例示する。
図7A〜7Bは、A33およびA34置換を含有するワクシニアウイルス変異体のウイルス伝播およびEEV産生に関するデータを提供する。A)BSC−40細胞の感染後に形成されるコメットの代表的な画像は、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(上部左)、ならびにA34中にK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異;上部右)に比較して、ワクシニアウイルス変異体がより長いコメットテールを生じることを示し、これは、より優れた伝播および増進されたEEV産生の指標である。B)ウイルス伝播を測定する2段階感染性アッセイであって、ここで、U−2 OS細胞をまず、異なる3倍希釈の多重度(MOI)のワクシニアウイルスに感染させ、次いで、22時間後に上清を収集し、清澄化して、そしてこれを用いてU−2 OS細胞の新規プレートを感染させた。ウイルスから発現されるルシフェラーゼを感染15時間後に測定し、そしてルシフェラーゼの増加したレベルは、感染およびウイルス複製のより高い速度と相関する。したがって、より高いルシフェラーゼレベルは、伝播増加の指標である。IGV−006(A34中にK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス)中のルシフェラーゼ発現に比較した倍変化として、データを提供する。どちらのワクシニアウイルス変異体も、A34中に置換をまったく含まないコペンハーゲンウイルス(IGV−007)に比較して、ウイルス伝播のほぼ7倍の増加を示し、これはよりよい腫瘍内伝播能によって、癌における腫瘍溶解活性改善を導きうる。IGV−007はコペンハーゲン(対照)であり、IGV−006はコペンハーゲンA34 K151E置換であり、IGV−051はコペンハーゲンA34 F94HおよびK151E置換であり、IGV−052はA33 A88DおよびE129MならびにA34 K151E置換である。エラーバーはSDを示す(n=3)。アステリスクは、A34R遺伝子中にK151E置換を含むコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006)に対する統計的有意性を示す(*p<0.05;**p<0.001;スチューデントのt検定)。
実施例3
異なるヒト癌細胞株において上清中に生成される感染性ウイルス(EEV産生)に対する置換変異体の影響を、A549細胞(肺腺癌)、MDA−MB−231細胞(乳腺癌)、Colo205細胞(結腸直腸腺癌)、およびHeLa細胞(子宮頸癌)を用いて、in vitroで評価した。野生型A33およびA34配列(IGV−007)、A34中のK151E置換(IGV−006;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−051)、またはA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−052)を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスを、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。上記のすべての細胞株を、1のMOIで感染させ、そしてウイルス吸着の1時間後、徹底的に3回洗浄した。感染24時間後、上清を収集し、そして上清中で産生された感染性ウイルス(潜在的にEEV)の数を、実施例1に記載するように、プラークアッセイによって決定した。4つの細胞株すべてにおいて、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−051)またはA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−052)を含有する置換変異体は、上清中により多数の感染性ウイルス(潜在的にEEV)を生じた(図8A〜8D)。この研究は、A33およびA34への突然変異の取り込み、特にA33中のA88およびE129の位置、ならびにA34中のF94の位置の突然変異をA34中のK151E置換と組み合わせると、異なる癌細胞株において、増進された感染性EEV産生につながることを立証する。
異なるヒト癌細胞株において上清中に生成される感染性ウイルス(EEV産生)に対する置換変異体の影響を、A549細胞(肺腺癌)、MDA−MB−231細胞(乳腺癌)、Colo205細胞(結腸直腸腺癌)、およびHeLa細胞(子宮頸癌)を用いて、in vitroで評価した。野生型A33およびA34配列(IGV−007)、A34中のK151E置換(IGV−006;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−051)、またはA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−052)を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスを、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。上記のすべての細胞株を、1のMOIで感染させ、そしてウイルス吸着の1時間後、徹底的に3回洗浄した。感染24時間後、上清を収集し、そして上清中で産生された感染性ウイルス(潜在的にEEV)の数を、実施例1に記載するように、プラークアッセイによって決定した。4つの細胞株すべてにおいて、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−051)またはA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−052)を含有する置換変異体は、上清中により多数の感染性ウイルス(潜在的にEEV)を生じた(図8A〜8D)。この研究は、A33およびA34への突然変異の取り込み、特にA33中のA88およびE129の位置、ならびにA34中のF94の位置の突然変異をA34中のK151E置換と組み合わせると、異なる癌細胞株において、増進された感染性EEV産生につながることを立証する。
図8A〜8Dは、代表的なヒト癌細胞株において、感染周期の初期に、上清に放出された感染性ウイルス(潜在的にEEV)のワクシニアウイルス産生に関するデータを提供する。A)A549細胞(肺腺癌)、B)MDA−MB−231細胞(乳腺癌)、C)Colo205細胞(結腸直腸腺癌)、およびD)HeLa細胞(子宮頸癌)を、1のMOIでワクシニアウイルスに感染させた。感染24時間後、プラークアッセイによって、上清に放出された感染性ウイルス(潜在的にEEV粒子)の数を決定した。各癌細胞株において、上清中に放出された感染性ウイルスの倍増加を、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンウイルス(IGV−007)に比較して、各ウイルス変異体に関して計算した。試験したすべての癌細胞株において、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲン、ならびにA34中のK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)に比較して、どちらのワクシニアウイルス変異体に関しても上清中の感染性ウイルスの有意な増加がある。IGV−007はコペンハーゲン(対照)であり、IGV−006はコペンハーゲンA34 K151E置換であり、IGV−051はコペンハーゲンA34 F94HおよびK151E置換であり、IGV−052はA33 A88DおよびE129MならびにA34 K151E置換である。エラーバーはSDを示す(n=3)。アステリスクは、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)に対する統計的有意性を示す(*p<0.5;****<0.0001;一方向ANOVAおよびDunnettの多重比較検定)。
実施例4
異なるヒト癌細胞株におけるワクシニアウイルス伝播に対する置換変異体の影響を、A549細胞(肺腺癌)およびMDA−MB−231細胞(乳腺癌)を用いて、in vitroで評価した。野生型A33およびA34配列(IGV−007)、A34中のK151E置換(IGV−006;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−051)、またはA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−052)を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスを、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。A549細胞(肺腺癌)およびMDA−MB−231細胞(乳腺癌)を、試験したすべてのウイルスのMOIの連続希釈に感染させ、そして1時間後に細胞を3回洗浄した。感染22時間後、上清を収集し、清澄化し、そして細胞の新規プレートを感染させるために用いた。感染15時間後、Bright−Gloルシフェラーゼアッセイ系(Promega)を用いて発光を定量化することによって、第二のプレート上の細胞におけるルシフェラーゼ活性を評価した。どちらの細胞株においても、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−051)またはA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−052)を含有する置換変異体は、より高いルシフェラーゼ検出を導き(図9A〜9B)、これは優れた感染および伝播の指標である。本研究はさらに、A33およびA34への置換の取り込み、特にA33中のA88およびE129の位置ならびにA34中のF94の位置での置換を、A34中のK151置換と組み合わせると、異なるヒト癌細胞株において増進されたウイルス伝播が導かれることを例示する。
異なるヒト癌細胞株におけるワクシニアウイルス伝播に対する置換変異体の影響を、A549細胞(肺腺癌)およびMDA−MB−231細胞(乳腺癌)を用いて、in vitroで評価した。野生型A33およびA34配列(IGV−007)、A34中のK151E置換(IGV−006;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−051)、またはA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−052)を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスを、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。A549細胞(肺腺癌)およびMDA−MB−231細胞(乳腺癌)を、試験したすべてのウイルスのMOIの連続希釈に感染させ、そして1時間後に細胞を3回洗浄した。感染22時間後、上清を収集し、清澄化し、そして細胞の新規プレートを感染させるために用いた。感染15時間後、Bright−Gloルシフェラーゼアッセイ系(Promega)を用いて発光を定量化することによって、第二のプレート上の細胞におけるルシフェラーゼ活性を評価した。どちらの細胞株においても、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−051)またはA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−052)を含有する置換変異体は、より高いルシフェラーゼ検出を導き(図9A〜9B)、これは優れた感染および伝播の指標である。本研究はさらに、A33およびA34への置換の取り込み、特にA33中のA88およびE129の位置ならびにA34中のF94の位置での置換を、A34中のK151置換と組み合わせると、異なるヒト癌細胞株において増進されたウイルス伝播が導かれることを例示する。
図9A〜9Bは、代表的なヒト癌細胞株におけるワクシニアウイルス伝播に関するデータを提供する。A)A549細胞(肺腺癌)、およびB)MDA−MB−231細胞(乳癌)を、1.25のMOIで1時間、ワクシニアウイルスに感染させた。感染22時間後、上清を収集し、清澄化し、そして細胞の新規プレートを感染させるために用いた。二次感染15時間後、ルシフェラーゼ活性(RLUとして測定)を決定した。変異体ワクシニアウイルスにおいて、より高いルシフェラーゼ活性が観察され、これらが異なるヒト癌細胞において、より強い伝播が可能であることを立証した。IGV−007はコペンハーゲン(対照)であり、IGV−006はコペンハーゲンA34 K151E置換であり、IGV−051はコペンハーゲンA34 F94HおよびK151E置換であり、IGV−052はA33 A88DおよびE129MならびにA34 K151E置換である。エラーバーはSDを示す(n=3)。アステリスクは、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)に対する統計的有意性を示す(***p<0.001;****<0.0001;一方向ANOVAおよびDunnettの多重比較検定)。
実施例5
実施例1に記載するように、IGV−051およびIGV−052ウイルスにおいて同定されるA33およびA34突然変異を用いて、すべてのありうる組み合わせで、ウイルス骨格としてIGV−006およびIGV−007を用いて、新規ウイルスを操作した。A88D、E129M、F94H、およびK151E突然変異のすべての単一の置換および組み合わせの評価によって、伝播上の利点を与えるさらなる組み合わせおよび置換の同定が可能になった。実施例1に記載するように、EEV産生およびウイルス伝播に対する単一のまたは多数の置換の影響を、BSC−40(アフリカミドリザル腎臓)およびU−2 OS(ヒト骨肉腫)細胞株を用いて、in vitroで評価した。野生型A33およびA34配列(IGV−007)、A34中のK151E置換(IGV−006;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)、A33中のA88D置換(IGV−060)、A33中のE129M置換(IGV−061)、A34中のF94H置換(IGV−062)、A33中のA88DおよびE129M置換(IGV−063)、A33中のA88D置換およびA34中のF94H置換(IGV−064)、A33中のE129M置換およびA34中のF94H置換(IGV−065)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のF94H置換(IGV−066)、A33中のA88D置換およびA34中のK151E置換(IGV−067)、A33中のE129M置換およびA34中のK151E置換(IGV−068)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−069)、A33中のA88D置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−070)、A33中のE129M置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−071)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−072)、またはA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−073)を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスを、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。実施例1に記載するようにコメットアッセイを行った。このアッセイにおいて、F94Hを含む置換の組み合わせは、一貫してより長くそしてより広いコメットテールを生じた(図10A;IGV−062、IGV−064、IGV−065、IGV−066対IGV−007)。逆に、A88DまたはE129Mの存在は、わずかにしかし認識可能に、元来のコメットのサイズに影響を及ぼすようであった(図10A:IGV−066、IGV−064、IGV−061対IGV−007)。A88DおよびF94Hの組み合わせは相乗性であり;プラークサイズはわずかに減少する一方、コメットテール拡散は増進した(図10A:IGV−60、IGV−62対IGV−64)。K151Eの存在下で、F94H含有ウイルスは、一貫して、増進されたコメット形成を有した(図11A:IGV−073対IGV−006、IGV−070対IGV−067、IGV−071対IGV−068、IGV−072対IGV−069)。実施例1に記載する伝播アッセイを用いて、変異体伝播を評価した。ルシフェラーゼ活性を、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)のルシフェラーゼ活性およびA34中のK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006)のルシフェラーゼ活性に比較し、そして倍増加として報告する(図10B、図11B)。野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)に比較すると、A34中のF94H置換(IGV−062)、A33中のA88D置換およびA34中のF94H置換(IGV−064)、A33中のE129M置換およびA34中のF94H置換(IGV−065)、ならびにA33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のF94H置換(IGV−066)は、より高いルシフェラーゼ活性を生じ、変異体ワクシニアウイルスが、より強く伝播可能であることを立証した(図10B)。A34中のK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006)に比較して、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−069)、A33中のA88D置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−070)、A33中のE129M置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−071)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−072)、ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−073)は、より高いルシフェラーゼアッセイを生じ、変異体ワクシニアウイルスがより強い伝播が可能であることを示した(図11B)。この研究は、A33およびA34への突然変異の取り込み、特にA33中のA88およびE129の位置、ならびにA34中のF94の位置の突然変異が、単独でまたは組み合わされて、ヒト癌細胞において、増進されたEEV産生および増進されたウイルス伝播につながることを立証する。
実施例1に記載するように、IGV−051およびIGV−052ウイルスにおいて同定されるA33およびA34突然変異を用いて、すべてのありうる組み合わせで、ウイルス骨格としてIGV−006およびIGV−007を用いて、新規ウイルスを操作した。A88D、E129M、F94H、およびK151E突然変異のすべての単一の置換および組み合わせの評価によって、伝播上の利点を与えるさらなる組み合わせおよび置換の同定が可能になった。実施例1に記載するように、EEV産生およびウイルス伝播に対する単一のまたは多数の置換の影響を、BSC−40(アフリカミドリザル腎臓)およびU−2 OS(ヒト骨肉腫)細胞株を用いて、in vitroで評価した。野生型A33およびA34配列(IGV−007)、A34中のK151E置換(IGV−006;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)、A33中のA88D置換(IGV−060)、A33中のE129M置換(IGV−061)、A34中のF94H置換(IGV−062)、A33中のA88DおよびE129M置換(IGV−063)、A33中のA88D置換およびA34中のF94H置換(IGV−064)、A33中のE129M置換およびA34中のF94H置換(IGV−065)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のF94H置換(IGV−066)、A33中のA88D置換およびA34中のK151E置換(IGV−067)、A33中のE129M置換およびA34中のK151E置換(IGV−068)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−069)、A33中のA88D置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−070)、A33中のE129M置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−071)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−072)、またはA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−073)を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスを、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。実施例1に記載するようにコメットアッセイを行った。このアッセイにおいて、F94Hを含む置換の組み合わせは、一貫してより長くそしてより広いコメットテールを生じた(図10A;IGV−062、IGV−064、IGV−065、IGV−066対IGV−007)。逆に、A88DまたはE129Mの存在は、わずかにしかし認識可能に、元来のコメットのサイズに影響を及ぼすようであった(図10A:IGV−066、IGV−064、IGV−061対IGV−007)。A88DおよびF94Hの組み合わせは相乗性であり;プラークサイズはわずかに減少する一方、コメットテール拡散は増進した(図10A:IGV−60、IGV−62対IGV−64)。K151Eの存在下で、F94H含有ウイルスは、一貫して、増進されたコメット形成を有した(図11A:IGV−073対IGV−006、IGV−070対IGV−067、IGV−071対IGV−068、IGV−072対IGV−069)。実施例1に記載する伝播アッセイを用いて、変異体伝播を評価した。ルシフェラーゼ活性を、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)のルシフェラーゼ活性およびA34中のK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006)のルシフェラーゼ活性に比較し、そして倍増加として報告する(図10B、図11B)。野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)に比較すると、A34中のF94H置換(IGV−062)、A33中のA88D置換およびA34中のF94H置換(IGV−064)、A33中のE129M置換およびA34中のF94H置換(IGV−065)、ならびにA33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のF94H置換(IGV−066)は、より高いルシフェラーゼ活性を生じ、変異体ワクシニアウイルスが、より強く伝播可能であることを立証した(図10B)。A34中のK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006)に比較して、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−069)、A33中のA88D置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−070)、A33中のE129M置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−071)、A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−072)、ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−073)は、より高いルシフェラーゼアッセイを生じ、変異体ワクシニアウイルスがより強い伝播が可能であることを示した(図11B)。この研究は、A33およびA34への突然変異の取り込み、特にA33中のA88およびE129の位置、ならびにA34中のF94の位置の突然変異が、単独でまたは組み合わされて、ヒト癌細胞において、増進されたEEV産生および増進されたウイルス伝播につながることを立証する。
図10A〜10Bは、EEV産生およびウイルス伝播に対する、A34中のK151E置換の非存在下での、異なる変異体ワクシニアウイルス置換および置換の組み合わせに関するデータを提供する。A)BSC−40細胞の感染後に形成されるコメットの代表的な画像は、A34 K151E置換の非存在下のいくつかの変異体ワクシニアウイルスが、A34中の置換を含まないコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007、上部左)に比較して、増加したウイルス伝播およびEEV産生の指標であるより長いコメットテールを生じることを示す。B)U−2 OS細胞をMOI 0.6で1時間、ワクシニアウイルスに感染させた。感染22時間後、上清を収集し、清澄化し、そして細胞の新規プレートを感染させるために用いた。二次感染の15時間後、ルシフェラーゼレベル(RLUとして測定)を決定した。A34中の置換を含まないコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)のルシフェラーゼレベルに比較したルシフェラーゼレベルを、倍増加として報告する。大部分の単一の置換および置換組み合わせに関して、より高いルシフェラーゼレベルが観察され、変異体ワクシニアウイルスが、より強い伝播が可能であることを立証する。IGV−007はコペンハーゲン(対照)であり、IGV−060はA33 A88D置換であり、IGV−061はA33 E129M置換であり、IGV−062はA34 F94H置換であり、IGV−063はA33 A88DおよびE129M置換であり、IGV−064はA33 A88DおよびA34 F94H置換であり、IGV−065はA33E E129MおよびA34 F94H置換であり、IGV−066はA33 A88DおよびE129MならびにA34 F94H置換である。エラーバーはSDを示す(n=3)。アステリスクは、A34中に置換を含まないコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)に対する統計的有意性を示す(**p<0.01;***p<0.001;****<0.0001;一方向ANOVAおよびDunnettの多重比較検定)。
図11A〜11Bは、EEV産生およびウイルス伝播に対する、A34中のK151E置換に加えた、異なる変異体ワクシニアウイルス置換および置換の組み合わせに関するデータを提供する。A)BSC−40細胞感染後に形成されるコメットの代表的な画像は、A34 K151E置換の存在下の変異体ワクシニアウイルスが、A34中のK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006、上部左)に比較して、増加したウイルス伝播およびEEV産生の指標であるより長いコメットテールを生じることを示す。B)U−2 OS細胞をMOI 0.33で1時間、ワクシニアウイルスに感染させた。感染22時間後、上清を収集し、清澄化し、そして細胞の新規プレートを感染させるために用いた。二次感染の15時間後、ルシフェラーゼレベル(RLUとして測定)を決定した。A34中のK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006)のルシフェラーゼレベルに比較したルシフェラーゼレベルを、倍増加として報告する。大部分の変異体組み合わせに関して、より高いルシフェラーゼレベルが観察され、変異体ワクシニアウイルスが、より強く伝播可能であることを立証する。IGV−006はコペンハーゲンA34 K151E置換(対照)であり、IGV−067はA33 A88DおよびA34 K151E置換であり、IGV−068はA33 E129MおよびA34 K151置換であり、IGV−073はA34 F94HおよびK151K置換であり、IGV−069はA33 A88DおよびE129MならびにA34 K151E置換であり、IGV−070はA33 A88DならびにA34 F94HおよびK151E置換であり、IGV−071はA33 E129MならびにA34 F94HおよびK151E置換であり、IGV−072はA33 A88DおよびE129MならびにA34 F94HおよびK151E置換である。エラーバーはSDを示す(n=3)。アステリスクは、コペンハーゲンA34 K151E(IGV−006)に対する統計的有意性を示す(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****<0.0001;一方向ANOVAおよびDunnettの多重比較検定)。
実施例6
癌細胞におけるEEV総物理的粒子産生および特異的感染性に関する置換変異体の影響をさらに評価するため、感染24時間後のHeLa S3細胞(子宮頸腺癌)において産生される物理的および感染性EEVの数を決定した。感染HeLa S3細胞由来の上清を収集し、そして塩化セシウム(CsCl)勾配によって精製して、精製EEVを得た。実施例1に記載するようなプラークアッセイによって、感染性EEVを力価決定した。ビリオンサイズ粒子(VSP)の物理的数およびB5抗体で染色されるこれらの粒子の割合を、Apogeeによって定量化した。A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−051)、A34中のF94HおよびK151E置換(IGV−052)、ならびにA33中のA88D置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−070)を含有するウイルス変異体は、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)に比較した際、EEV膜タンパク質B5に関する抗体染色によって測定すると、より高い割合の物理的EEV粒子を生じた(図12A)。生じる物理的EEV粒子の増加に加えて、ウイルス変異体(IGV−051、IGV−052およびIGV−070)は、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)ならびにA34中のK151E置換を含むコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)に比較した際、PFUで割ったVSPの感染性を計算することによって測定される特異的感染性の増加を伴うEEVを産生した(図12B)。この研究はさらに、A33およびA34への突然変異の取り込み、特にA33中のA88およびE129の位置、ならびにA34中のF94の位置の突然変異をA34中のK151E置換と組み合わせると、特異的感染性が増加した、増進された感染性EEV産生につながることを立証する。
癌細胞におけるEEV総物理的粒子産生および特異的感染性に関する置換変異体の影響をさらに評価するため、感染24時間後のHeLa S3細胞(子宮頸腺癌)において産生される物理的および感染性EEVの数を決定した。感染HeLa S3細胞由来の上清を収集し、そして塩化セシウム(CsCl)勾配によって精製して、精製EEVを得た。実施例1に記載するようなプラークアッセイによって、感染性EEVを力価決定した。ビリオンサイズ粒子(VSP)の物理的数およびB5抗体で染色されるこれらの粒子の割合を、Apogeeによって定量化した。A33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のK151E置換(IGV−051)、A34中のF94HおよびK151E置換(IGV−052)、ならびにA33中のA88D置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−070)を含有するウイルス変異体は、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)に比較した際、EEV膜タンパク質B5に関する抗体染色によって測定すると、より高い割合の物理的EEV粒子を生じた(図12A)。生じる物理的EEV粒子の増加に加えて、ウイルス変異体(IGV−051、IGV−052およびIGV−070)は、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)ならびにA34中のK151E置換を含むコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)に比較した際、PFUで割ったVSPの感染性を計算することによって測定される特異的感染性の増加を伴うEEVを産生した(図12B)。この研究はさらに、A33およびA34への突然変異の取り込み、特にA33中のA88およびE129の位置、ならびにA34中のF94の位置の突然変異をA34中のK151E置換と組み合わせると、特異的感染性が増加した、増進された感染性EEV産生につながることを立証する。
図12A〜12Bは、HeLa S3(子宮頸腺癌)細胞株における物理的EEVの産生および特異的感染性におけるワクシニアウイルスの異なる変異体に関するデータを提供する。HeLa S3細胞(子宮頸腺癌)を異なるワクシニアウイルス変異体に感染させた。感染24時間後、上清からウイルス粒子を収集し、そしてCsCl勾配によって精製した。EEV密度に対応する勾配バンドを回収した。ウイルスサイズ粒子(VSP)の総数、B5+ VSPの割合、および上清中に産生された感染性ウイルスを定量化した。A)B5+ VSP(EEVエンベロープタンパク質の存在の指標)の割合をApogeeによって定量化した。データは、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)に対する各組換えウイルス変異体の倍増加として報告される。B)EEV粒子の特異的感染性を、上清中の物理的VSPあたりの感染性ウイルスの比として計算する。データは、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)と比較した倍増加として報告される。野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス、ならびにA34中にK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006)に比較した、物理的および感染性EEVウイルス粒子の量の増加は、変異体ワクシニアウイルスが、EEV産生ならびにその特異的感染性を増加させることを立証する。IGV−007はコペンハーゲン(対照)であり、IGV−006はコペンハーゲンA34 K151E置換(対照)であり、IGV−051はA33 A88DおよびE129MならびにA34 K151E置換であり、IGV−052はA34 F94HおよびK151E置換であり、IGV−070はA33 A88DならびにA34 F94HおよびK151E置換である。
実施例7
ウェスタンリザーブ(WR)ワクシニアウイルス株におけるEEV産生およびウイルス伝播に対するウイルス変異体の影響を、RK−13(ウサギ腎臓)およびVERO−B4(アフリカミドリザル腎臓)細胞株を用いて、in vitroで評価した。野生型A33およびA34配列(IGV−013)、A34中のK151E置換(IGV−117;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)、A34中のF94HおよびK151E置換(IGV−118)、A33中のA88D置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−119)、ならびにA33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−120)を含有するWRワクシニアウイルスを、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。実施例1に記載する伝播アッセイを用いて、変異体伝播を評価した。野生型A33およびA34配列を含有するWRワクシニアウイルス(IGV−013)に比較して、変異体ワクシニアウイルスは、より高い度合いの相対光単位(RLU)を生じ、増進されたウイルス伝播を示す(図13)。これらの研究は、WRのような他のワクシニアウイルス株において、A33およびA34への突然変異の取り込み、特に、A33中のA88およびE129の位置、ならびにA34中のF94の位置の突然変異をA34中のK151E置換と組み合わせると、増進されたEEV産生およびしたがってウイルス伝播を導くことを例示する。
ウェスタンリザーブ(WR)ワクシニアウイルス株におけるEEV産生およびウイルス伝播に対するウイルス変異体の影響を、RK−13(ウサギ腎臓)およびVERO−B4(アフリカミドリザル腎臓)細胞株を用いて、in vitroで評価した。野生型A33およびA34配列(IGV−013)、A34中のK151E置換(IGV−117;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)、A34中のF94HおよびK151E置換(IGV−118)、A33中のA88D置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−119)、ならびにA33中のA88DおよびE129M置換ならびにA34中のF94HおよびK151E置換(IGV−120)を含有するWRワクシニアウイルスを、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。実施例1に記載する伝播アッセイを用いて、変異体伝播を評価した。野生型A33およびA34配列を含有するWRワクシニアウイルス(IGV−013)に比較して、変異体ワクシニアウイルスは、より高い度合いの相対光単位(RLU)を生じ、増進されたウイルス伝播を示す(図13)。これらの研究は、WRのような他のワクシニアウイルス株において、A33およびA34への突然変異の取り込み、特に、A33中のA88およびE129の位置、ならびにA34中のF94の位置の突然変異をA34中のK151E置換と組み合わせると、増進されたEEV産生およびしたがってウイルス伝播を導くことを例示する。
図13A〜13Bは、EEV産生およびウイルス伝播に対する、ウェスタンリザーブ株上のA34中のK151E置換と組み合わせた、異なる変異体ワクシニアウイルス置換に関するデータを提供する。A)RK−13細胞を、MOI 50で1時間、ワクシニアウイルスに感染させた。感染24時間後、上清を収集し、清澄化し、そして細胞の新規プレートを感染させるために用いた。二次感染24時間後、ルシフェラーゼレベル(RLUとして測定)を決定した。ウェスタンリザーブワクシニアウイルス(IGV−013)のルシフェラーゼレベルに比較した変異体のルシフェラーゼレベルを倍増加として報告する。B)VERO−B4細胞を、MOI 50で1時間、ワクシニアウイルスに感染させた。感染24時間後、上清を収集し、清澄化し、そして細胞の新規プレートを感染させるために用いた。二次感染24時間後、ルシフェラーゼレベル(RLUとして測定)を決定した。ウェスタンリザーブワクシニアウイルス(IGV−013)のルシフェラーゼレベルに比較した変異体のルシフェラーゼレベルを倍増加として報告する。すべての変異体組み合わせに関して、より高いルシフェラーゼレベルが観察され、変異体ワクシニアウイルスが、より強く伝播可能であることが立証された。IGV−013は野生型A33およびA34配列を含むウェスタンリザーブ(対照)であり、IGV−117はウェスタンリザーブA34 K151E置換(対照)であり、IGV−118はA34 F94HおよびK151E置換であり、IGV−119はA33 A88DならびにA34 F94HおよびK151E置換であり、IGV−120はA33 A88DおよびE129MならびにA34 F94HおよびK151E置換である。エラーバーはSDを示す(n=3)。アステリスクは、ウェスタンリザーブ(IGV−013)に対する統計的有意性を示す(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****<0.0001;一方向ANOVAおよびDunnettの多重比較検定)。
実施例8
次の選択は、HCT116結腸直腸ヒト癌細胞の感染後の増進されたウイルス伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定した。配列決定した集団内で増加した頻度を示す4つの変異体を同定した(図14)。4つの変異体のうち、A34配列に対するR91S置換を含有するものは、最終選択ラウンドにおいて、最大の濃縮を示した(図14)。
次の選択は、HCT116結腸直腸ヒト癌細胞の感染後の増進されたウイルス伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定した。配列決定した集団内で増加した頻度を示す4つの変異体を同定した(図14)。4つの変異体のうち、A34配列に対するR91S置換を含有するものは、最終選択ラウンドにおいて、最大の濃縮を示した(図14)。
図14は、HCT 116ヒト結腸直腸癌細胞に対する感染および選択後、増進されたウイルス伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定する、定向進化プロセスの最終ラウンドにおける、特定のワクシニアウイルス変異体の頻度に関するデータを提供する。ライブラリーの代表的な分画を、全ゲノム配列決定(WGS)または個々のプラークのサンガー配列決定を用いて、最終選択ラウンド後に配列決定した。総集団の割合として表される、4つの最も蔓延している変異体の頻度は、選択の経過に渡って有意に増加した。R91S、T127E、R84G、またはF94H置換を含有するA34変異体に関する濃縮は、ワクシニアウイルスが、ヒト癌細胞感染後、伝播し、そしてEEVを産生する能力を、これらの置換が増加させることを立証する。
BSC−40(アフリカミドリザル腎臓)およびU−2 OS(ヒト骨肉腫)細胞株を用い、EEV産生およびウイルス伝播に対する置換変異体の影響をin vitroで評価した。野生型A33およびA34配列(IGV−007)、A34中のK151E置換(IGV−006;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)、A34中のR91SおよびK151E置換ならびにA56中のI269F置換(IGV−084)、A34中のT127EおよびK151E置換(IGV−085)、A34中のR84GおよびK151E置換(IGV−086)、またはA34中のR91AおよびK151E置換(IGV−087)を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスを、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。実施例1に記載するように、コメットアッセイを行った。野生型A34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスに比較した、変異体ワクシニアウイルスに関するより長いコメットテールの存在(図15A)は、変異体ワクシニアウイルスによって、ウイルスがより伝播し、そしてEEV産生が増加したことを示す。実施例1に記載する伝播アッセイを用いて、変異体伝播を評価した。A34中のK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006)に比較して、A34中のR91SおよびK151E置換ならびにA56中のI269F置換(IGV−084)、A34中のT127EおよびK151E置換(IGV−085)、またはA34中のR84GおよびK151E置換(IGV−086)、またはA34中のR91AおよびK151E置換(IGV−087)は、より高いルシフェラーゼレベルを生じ、変異体ワクシニアウイルスが、より強い伝播が可能であることを示す(図15B)。異なるヒト結腸直腸癌細胞株における上清中の感染性ウイルス粒子産生(EEV産生)に対する置換変異体の影響を、HCT 116細胞(結腸直腸癌腫)、HT−29細胞(結腸直腸腺癌)、Colo205細胞(結腸直腸腺癌)、およびSW−520細胞(結腸直腸腺癌)を用いて、in vitroで評価した。上記細胞株すべてを、3のMOIで感染させ、そしてウイルス吸着1時間後、徹底的に3回洗浄した(1回洗浄したColo205細胞以外)。感染24時間後、上清を収集し、そして実施例1に記載するようなプラークアッセイを行うことによって、生じた感染性ウイルス粒子(潜在的なEEV)の数を決定した。4つの細胞株すべてにおいて、A34中のK151E置換およびA34中のT127置換の組み合わせ(IGV−085)、またはA34中のR84G置換(IGV−086)を含有する置換変異体は、上清中により多数の感染性ウイルス粒子を生じ、EEV粒子形成増加が示唆された(図15C〜15F)。この研究はさらに、A34に対する突然変異の取り込み、特にA34中のR84、R91、およびT127での突然変異をA34中のK151EおよびA56中のI269Fと組み合わせると、ヒト結腸直腸癌細胞において、増進されたEEV産生および増進されたウイルス伝播が導かれることをさらに例示する。
図15A〜A15Fは、A34置換を含有するさらなるワクシニアウイルス変異体のウイルス伝播およびEEV産生に関するデータを提供する。A)BSC−40細胞の感染後に形成されるプラークの代表的な画像は、変異体ワクシニアウイルスがより長いコメットテールを生じることを示し、これは、野生型A33およびA34配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(上部左)、ならびにA34中にK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異;上部右)に比較して、より優れたおよび増進されたEEV産生の指標である。B)ウイルス伝播を測定する2段階感染性アッセイであって、ここで、U−2 OS細胞をまず、等しい感染多重度(MOI)のワクシニアウイルスに感染させ、次いで、感染22時間後に上清を収集し、そしてこれを用いてU−2 OS細胞の新規プレートを感染させた。ウイルスから発現されるルシフェラーゼを感染15時間後に測定し、そしてルシフェラーゼの増加したレベルは、感染のより高い速度と相関する。したがって、より高いルシフェラーゼは、伝播増加の指標である。IGV−006(A34中にK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス)中のルシフェラーゼ発現に比較した倍増加として、データを提供する。A34中のR91SおよびK151置換ならびにA56中のI269F置換(IGV−084)、A34中のT127EおよびK151E置換(IGV−085)、A34中のR84GおよびK151E置換(IGV−086)、またはA34中のR91AおよびK151E置換(IGV−087)を含有するワクシニアウイルス変異体は、A34中のK151E置換を含むコペンハーゲンウイルス(IGV−006)に比較して、ウイルス伝播の2.5倍を超える増加を示し、これは、癌における腫瘍溶解活性改善を導きうる。C)HCT 116(結腸直腸癌腫)、D)HT−29(結腸直腸癌腫)、E)Colo205(結腸直腸腺癌)、およびF)SW−620(結腸直腸腺癌)細胞株の感染24時間後の上清中の感染性ウイルスの定量化。細胞株を3のMOIでワクシニアウイルスに感染させた。感染24時間後、上清中に産生された感染性ウイルス粒子(EEV)の数をプラークアッセイによって決定した。IGV−007はコペンハーゲン(対照)であり、IGV−006はコペンハーゲンA34 K151置換であり、IGV−084はコペンハーゲンA34 R91SおよびK151E置換ならびにA56 I269F置換であり、IGV−085はコペンハーゲンA34 T127EおよびK151E置換であり、IGV−086はコペンハーゲンA34 R84GおよびK151E置換であり、IGV−087はコペンハーゲンA34 R91AおよびK151E置換である。エラーバーはSDを示す(n=3)。アステリスクは、A34R遺伝子中にK151E置換を含むコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006)に対する統計的有意性を示す(**p<0.01、***p<0.001、****<0.0001;通常の一方向ANOVA後、Tukeyの多数比較検定)。
実施例9
次の選択は、Colo 205結腸直腸ヒト癌細胞の感染後の増進されたウイルス伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定した。配列決定した集団内で増加した頻度を示す2つの変異体を同定した(図17)。2つの変異体のうち、B5配列に対するS197F置換を含有するものは、最終選択ラウンドにおいて、最大の濃縮を示した(図17)。
次の選択は、Colo 205結腸直腸ヒト癌細胞の感染後の増進されたウイルス伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定した。配列決定した集団内で増加した頻度を示す2つの変異体を同定した(図17)。2つの変異体のうち、B5配列に対するS197F置換を含有するものは、最終選択ラウンドにおいて、最大の濃縮を示した(図17)。
図17は、Colo 205ヒト結腸直腸癌細胞に対する感染および選択後、増進されたウイルス伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定する、定向進化プロセスの最終ラウンドにおける、特定のワクシニアウイルス変異体の頻度に関するデータを提供する。ライブラリーの代表的な分画を、アンプリコン次世代配列決定(NGS)を用いた最終選択ラウンド後に配列決定した。総集団の割合として表される、2つの最も蔓延している変異体の頻度は、選択の経過に渡って有意に増加した。S197FまたはS197V置換を含有するB5変異体に関する濃縮は、ワクシニアウイルスが、ヒト癌細胞感染後、伝播し、そしてEEVを産生する能力を、これらの置換が増加させることを立証する。
実施例10
以下の選択は、ワクシニアウイルスをワクチン接種されたドナー由来の血清の非存在下または存在下での、MDA−MB−231乳癌細胞の感染後、増進されたウイルス伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定した。配列決定された集団内で増加した頻度を示す変異体が、血清の非存在下で3つ、および血清の存在下で2つ、全部で5つ同定された(図18)。
以下の選択は、ワクシニアウイルスをワクチン接種されたドナー由来の血清の非存在下または存在下での、MDA−MB−231乳癌細胞の感染後、増進されたウイルス伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定した。配列決定された集団内で増加した頻度を示す変異体が、血清の非存在下で3つ、および血清の存在下で2つ、全部で5つ同定された(図18)。
図18A〜18Bは、ワクシニアウイルスをワクチン接種されたドナー由来の血清の非存在下または存在下での、MDA−MB−231ヒト乳癌細胞の感染後、増進されたウイルス伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定する、定向進化プロセスの最終ラウンドにおける特定のワクシニアウイルス変異体の頻度に関するデータを提供する。ライブラリーの代表的な分画を、全ゲノム配列決定(WGS)または個々のプラークのサンガー配列決定のいずれかを用いて、最終選択ラウンド後に配列決定した。総集団の割合として表される、5つの最も蔓延している変異体の頻度は、選択の経過に渡って有意に増加した。N39GおよびS273I置換、S199M置換、L90RおよびS273V置換、K229CおよびS273L置換、またはS273I置換を含有するB5変異体に関する濃縮は、ワクシニアウイルスが、ヒト乳癌細胞感染後、ウイルス伝播を増進し、そしてEEVを産生する能力を、これらの置換が増加させることを立証する。
BSC−40(アフリカミドリザル腎臓)およびU−2 OS(ヒト骨肉腫)細胞株を用い、EEV産生およびウイルス伝播に対する置換変異体の影響をin vitroで評価した。野生型A33、A34、およびB5配列(IGV−007)、A34中のK151E置換(IGV−006;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)、B5中のK229CおよびS273L置換(IGV−110)、B5中のN39GおよびS273I置換(IGV−112)、B5中のS199M置換(IGV−116)、B5中のL90RおよびS273V置換(IGV−114)、またはB5中のS273I置換(IGV−111)を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスを、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。実施例1に記載するように、コメットアッセイを行った。野生型B5配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスに比較した、変異体ワクシニアウイルスに関するより長いコメットテールの存在(図19A)は、変異体ワクシニアウイルスによって、ウイルスEEV型がより多く産生されていることを示す。実施例1に記載する伝播アッセイを用いて、変異体伝播を評価した。A34中のK151E置換のみを含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006)に比較して、A34中のK151E置換およびB5中の大部分の置換の組み合わせは、より高いルシフェラーゼ活性を生じ、変異体ワクシニアウイルスが、より強く伝播可能であることを示す(図19B)。特に、A34中のK151E置換とB5中のS273L置換(IGV−109)、B5中のS273I置換(IGV−111)、B5中のN39GおよびS273I置換(IGV−112)、B5中のL90RおよびS273V置換(IGV−114)、またはB5中のS199M置換(IGV−116)の組み合わせは、有意に増進された伝播につながる。この研究はさらに、B5に対する突然変異の取り込みが、単独でまたは組み合わせで、癌細胞において、増進されたEEV産生および増進されたウイルス伝播を導くことをさらに例示する。
図19A〜19Bは、B5置換を含有するワクシニアウイルス変異体のウイルス伝播およびEEV産生に関するデータを提供する。A)BSC−40細胞の感染後に形成されるコメットの代表的な画像は、B5中の置換およびA34 K151E置換の組み合わせを含む変異体ワクシニアウイルスがより長いコメットテールを生じることを示し、これは、コペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007、上部左)に比較して、増加したEEV産生の指標である。B)U−2 OS細胞をMOI 0.33で1時間、ワクシニアウイルスに感染させた。感染22時間後、上清を収集し、そして細胞の新規プレートを感染させるために用いた。二次感染15時間後、ルシフェラーゼレベル(RLUとして測定)を決定した。A34中のK151E置換を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−006)のルシフェラーゼレベルに比較した、ウイルス変異体のルシフェラーゼレベルを、倍増加として報告する。大部分の変異体組み合わせに関して、より高いルシフェラーゼレベルが観察され、変異体ワクシニアウイルスが、より強く伝播可能であることを立証した。IGV−007はコペンハーゲン(対照)であり、IGV−006はコペンハーゲンA34 K151E置換(対照)であり、IGV−109はB5 S273LおよびA34 K151E置換であり、IGV−110はB5 K229CおよびS273LならびにA34 K151E置換であり、IGV−111はB5 S273IおよびA34 K151E置換であり、IGV−112はB5 N39GおよびS273IならびにA34 K151E置換であり、IGV−113はB5 S273VおよびA34 K151E置換であり、IGV−114はB5 L90RおよびS273VならびにA34 K151E置換であり、IGV−115はB5 N39GおよびS273IならびにA34 F94HおよびK151E置換であり、IGV−116はB5 S199MおよびA34 K151E置換である。エラーバーはSDを示す(n=3)。アステリスクは、コペンハーゲンA34R_K151E(IGV−006)に対する統計的有意性を示す(*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001;****<0.0001;一方向ANOVAおよびDunnettの多重比較検定)。
実施例11
異なるヒト癌細胞株における、上清中の感染性ウイルス粒子産生(EEV産生)に対する置換変異体の影響を、MDA−MB−231細胞(乳腺癌)、MCF7細胞(乳腺癌)、T47D細胞(乳癌)、およびHCT 116細胞(結腸直腸癌)を用いて、in vitroで評価した。野生型A33、A34、およびB5配列(IGV−007)、A34中のK151E置換(IGV−006;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス、ならびにA34中のK151E置換ならびにB5中のK229CおよびS273L置換(IGV−110)、B5中のS273I置換(IGV−111)、B5中のN39GおよびS273I置換(IGV−112)、B5中のL90RおよびS273V置換(IGV−114)、またはB5中のS199M置換(IGV−116)の組み合わせを含有するワクシニアウイルス変異体を、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。上記のすべての細胞株を、3のMOIで感染させ、そしてウイルス吸着の1時間後、徹底的に3回洗浄した。感染24時間後、上清を収集し、そして産生された感染性ウイルス(EEV)粒子の数を、実施例1に記載するようなプラークアッセイを行うことによって決定した。4つの細胞株すべてにおいて、A34中のK151置換、ならびにB5中のK229CおよびS273L置換(IGV−110)、B5中のS273I置換(IGV−111)、B5中のN39GおよびS273I置換(IGV−112)、B5中のL90RおよびS273V置換(IGV−114)、またはB5中のS199M置換(IGV−116)の組み合わせを含有する置換変異体は、上清中により多数の感染性ウイルス粒子を生じ、EEV粒子形成の増加が示唆された(図20A〜20D)。この研究は、B5への突然変異の取り込みが、異なる癌細胞株において、増進された感染性EEV産生につながることを立証する。
異なるヒト癌細胞株における、上清中の感染性ウイルス粒子産生(EEV産生)に対する置換変異体の影響を、MDA−MB−231細胞(乳腺癌)、MCF7細胞(乳腺癌)、T47D細胞(乳癌)、およびHCT 116細胞(結腸直腸癌)を用いて、in vitroで評価した。野生型A33、A34、およびB5配列(IGV−007)、A34中のK151E置換(IGV−006;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス、ならびにA34中のK151E置換ならびにB5中のK229CおよびS273L置換(IGV−110)、B5中のS273I置換(IGV−111)、B5中のN39GおよびS273I置換(IGV−112)、B5中のL90RおよびS273V置換(IGV−114)、またはB5中のS199M置換(IGV−116)の組み合わせを含有するワクシニアウイルス変異体を、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。上記のすべての細胞株を、3のMOIで感染させ、そしてウイルス吸着の1時間後、徹底的に3回洗浄した。感染24時間後、上清を収集し、そして産生された感染性ウイルス(EEV)粒子の数を、実施例1に記載するようなプラークアッセイを行うことによって決定した。4つの細胞株すべてにおいて、A34中のK151置換、ならびにB5中のK229CおよびS273L置換(IGV−110)、B5中のS273I置換(IGV−111)、B5中のN39GおよびS273I置換(IGV−112)、B5中のL90RおよびS273V置換(IGV−114)、またはB5中のS199M置換(IGV−116)の組み合わせを含有する置換変異体は、上清中により多数の感染性ウイルス粒子を生じ、EEV粒子形成の増加が示唆された(図20A〜20D)。この研究は、B5への突然変異の取り込みが、異なる癌細胞株において、増進された感染性EEV産生につながることを立証する。
図20A〜20Dは、代表的なヒト癌細胞株において、上清に放出されたワクシニアウイルス感染性ビリオン(潜在的にEEV)に関するデータを提供する。A)MDA−MB−231細胞(乳腺癌)、B)MCF7細胞(乳腺癌)、C)T47D細胞(乳癌)、およびD)HCT116細胞(結腸直腸癌)を、3のMOIでワクシニアウイルスに感染させた。感染24時間後、プラークアッセイによって、上清に放出された感染性ウイルス粒子(EEV)の数を決定した。各癌細胞株において産生された、上清中の感染性ウイルスの倍増加を、野生型A33、A34、およびB5配列を含有するコペンハーゲンウイルス(IGV−007)に比較して、各ウイルス変異体に関して計算した。試験したすべての癌細胞株において、野生型A33、A34、およびB5配列を含有するコペンハーゲンに比較して、ワクシニアウイルス変異体に関して感染性ウイルスの有意な増加がある。IGV−007はコペンハーゲン(対照)であり、IGV−006はコペンハーゲンA34 K151E置換(対照)であり、IGV−110はB5 K229CおよびS273LならびにA34 K151E置換であり、IGV−111はB5 S273IおよびA34 K151E置換であり、IGV−112はB5 N39GおよびS273IならびにA34 K151E置換であり、IGV−114はB5 L90RおよびS273VならびにA34 K151E置換であり、IGV−116はB5 S199MおよびA34R K151E置換である。エラーバーはSDを示す(n=3)。アステリスクは、野生型A33、A34、およびB5配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)に対する統計的有意性を示す(*p<0.5;****<0.0001;一方向ANOVAおよびDunnettの多重比較検定)。
実施例12
マウス癌モデルで行ったin vivo選択は、ヒト患者由来癌細胞を含有するマウスをワクシニアウイルスに感染させた後、増進された伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定した。配列決定された集団内で増加した頻度を示す、結腸直腸癌の患者由来異種移植(PDX)マウス両側モデルを用いて2つ、そしてヒト化血液系もまた含有する結腸直腸癌の患者由来異種移植(PDX)マウス両側モデルを用いて6つの、総数8の変異体が同定された(図21)。
マウス癌モデルで行ったin vivo選択は、ヒト患者由来癌細胞を含有するマウスをワクシニアウイルスに感染させた後、増進された伝播およびEEV産生が可能な変異体を同定した。配列決定された集団内で増加した頻度を示す、結腸直腸癌の患者由来異種移植(PDX)マウス両側モデルを用いて2つ、そしてヒト化血液系もまた含有する結腸直腸癌の患者由来異種移植(PDX)マウス両側モデルを用いて6つの、総数8の変異体が同定された(図21)。
図21A〜21Bは、in vivoで増進された伝播が可能な変異体を同定するための定向進化プロセスにおける、特定のワクシニアウイルス変異体の頻度に関するデータを提供する。ライブラリーの代表的な分画を、全ゲノム配列決定(WGS)または個々のプラークのサンガー配列決定(プラーク配列決定)を用いて、最終選択ラウンド後に配列決定した。総集団の割合として表される、8つの最も蔓延している変異体の頻度は、選択の経過に渡って有意に増加した。ストーク領域内またはその周辺での多数の置換を含有するB5変異体およびA33/A34変異体に関する濃縮は、ワクシニアウイルスが、in vivoで、ヒト癌細胞感染後の伝播を増進させる能力を、これらの置換が増加させることを立証する。
BSC−40(アフリカミドリザル腎臓)およびU−2 OS(ヒト骨肉腫)細胞株を用い、EEV産生およびウイルス伝播に対する置換変異体の影響をin vitroで評価した。野生型A33、A34、およびB5配列(IGV−007)、A34中のK151E置換(IGV−006;ウイルス伝播およびEEV産生を増加させる既知の突然変異)を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス、ならびにA34中のK151E置換と、B5中のI236P、V238R、T240R、およびE243G置換(IGV−101)、B5中のV233D、I236L、V238W、T240Y、およびE243R置換(IGV−102)、B5中のD263V、E268T、E270G、E272P、およびE275S置換(IGV−103)、B5中のN94T置換(IGV−104)、A33中のM63R置換およびA34中のM66T置換(IGV−105)、B5中のN241G、E243S、V247W、D248Y、G250A、およびA276F置換(IGV−106)、B5中のD263A、E270S、E272G、およびE275F置換(IGV−107)、またはB5中のN241T、E243V、V247S、G250R、およびA276F置換(IGV−108)を含有する変異体を、実施例1に記載するように生成し、そして製造した。実施例1に記載するように、コメットアッセイを行った。野生型A33、A34、およびB5配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルスに比較した、変異体ワクシニアウイルスに関するより長いコメットテールの存在(図22A〜22C)は、変異体ワクシニアウイルスによって、ウイルスがよりよく伝播し、そしてしたがってより多いEEV型が産生されたことを示す。実施例1に記載する伝播アッセイを用いて、変異体伝播をさらに評価した。野生型A33、A34、およびB5配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)に比較して、A34中のK151E置換およびA33/A34またはB5中の置換の組み合わせは、より高いルシフェラーゼレベルを生じ、変異体ワクシニアウイルスが、より強い伝播が可能であることを示す(図22D)。特に、A34中のK151E置換と、B5中のV233D、I236L、V238W、T240Y、およびE243R置換(IGV−102)、A33中のM63RおよびA34中のM66T置換(IGV−105)、B5中のN241G、E243S、V247W、D248Y、G250A、およびA276F置換(IGV−106)、B5中のD263A、E270S、E272G、およびE275F置換(IGV−107)、またはB5中のN241T、E243V、V247S、G250R、およびA276F置換(IGV−108)の組み合わせは、有意に増進された伝播を導いた。この研究はさらに、A33、A34、またはB5に対する突然変異の取り込みが、単独でまたは組み合わせて、癌細胞において、増進されたEEV産生および増進されたウイルス伝播を導くことをさらに例示する。
図22A〜22Dは、A33/A34またはB5置換を含有するさらなるワクシニアウイルス変異体のウイルス伝播およびEEV産生に関するデータを提供する。A)BSC−40細胞の感染後に形成されるコメットの代表的な画像は、B5中の置換およびA34 K151E置換の組み合わせを含む変異体ワクシニアウイルスが、より長いコメットテールを生じることを示し、これは、コペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007、左)に比較して、増加した伝播およびEEV産生の指標である。B)BSC−40細胞の感染後に形成されるコメットの代表的な画像は、A33/A34またはB5中の置換およびA34 K151E置換の組み合わせを含む変異体ワクシニアウイルスが、より長いコメットテールを生じることを示し、これは、コペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007、上部左)に比較して、増加した伝播およびEEV産生の指標である。C)BSC−40細胞の感染後に形成されるコメットの代表的な画像は、B5中の置換およびA34 K151E置換の組み合わせを含む変異体ワクシニアウイルスが、より長いコメットテールを生じることを示し、これは、コペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007、上部左)に比較して、増加した伝播およびEEV産生の指標である。D)U−2 OS細胞を、1のMOIで1時間、ワクシニアウイルスに感染させた。感染22時間後に上清を収集し、そしてこれを用いて細胞の新規プレートを感染させた。ルシフェラーゼ発現レベル(RLUとして測定される)を二次感染の15時間後に決定した。野生型A33、A34、およびB5配列を含有するコペンハーゲンワクシニアウイルス(IGV−007)のルシフェラーゼ発現レベルに比較した、変異体のルシフェラーゼ発現レベルを、倍増加として報告する。すべての変異体組み合わせに関して、より高いルシフェラーゼレベルが観察され、変異体ワクシニアウイルスが、より強く伝播可能であることを立証した。IGV−007はコペンハーゲン(対照)であり、IGV−006はコペンハーゲンA34 K151E置換(対照)であり、IGV−101はB5 I236P、V238R、T240R、およびE243GならびにA34 K151E置換であり、IGV−102はB5 V233D、I236L、V238W、T240Y、およびE243RならびにA34 K151E置換であり、IGV−103はB5 D263V、E268T、E270G、E272P、およびE275SならびにA34 K151E置換であり、IGV−104はB5 N94TおよびA34 K151E置換であり、IGV−105はA33 M63RならびにA34 M66TおよびK151E置換であり、IGV−106はB5 N241G、E243S、V247W、D248Y、G250A、およびA276FならびにA34 K151E置換であり、IGV−107はB5 D263A、E270S、E272G、およびE275FならびにA34 K151E置換であり、そしてIGV−108はB5 N241T、E243V、V247S、G250R、およびA276FならびにA34 K151E置換である。エラーバーはSDを示す(n=3)。アステリスクは、コペンハーゲン(IGV−007)に対する統計的有意性を示す(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****<0.0001;一方向ANOVAおよびDunnettの多重比較検定)。
定向進化を通じて同定されたすべてのワクシニアウイルス置換変異体の要約を表2に提供する。
表2
表2
本明細書に記載するような治療法を指す態様において、こうした態様はまた、その治療における使用に関する、あるいはその治療において使用するための薬剤の製造に関するさらなる態様である。
本発明は、その特定の態様に言及して記載されてきているが、当業者には、多様な変化が作製可能であり、そして同等物は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく置換可能であることが理解されなければならない。さらに、特定の状況、物質、組成物、単数または複数のプロセス工程が、本発明の目的、精神および範囲に適応するように、多くの修飾を作製してもよい。こうしたすべての修飾は、本発明に付随する請求項の範囲内であると意図される。
Claims (72)
- a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
b)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;または
c)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列および変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
を含む、複製可能組換え腫瘍溶解性ワクシニアウイルス(OVV)であって、
変異体A33ポリペプチドおよび変異体A34ポリペプチドが、それぞれ、対応する野生型A33ポリペプチドおよび野生型A34ポリペプチドに比較して、各々、増進されたウイルス伝播または増進された細胞外エンベロープビリオン(EEV)産生を提供する、前記OVV。 - 変異体B5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むOVVであって、変異体B5ポリペプチドが、対応する野生型B5ポリペプチドに比較して、増進されたウイルス伝播または増進されたEEV産生を提供する、前記OVV。
- さらに:
a)変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および
b)変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
の一方または両方を含む、請求項2のOVVであって、変異体A33ポリペプチドおよび変異体A34ポリペプチドが、それぞれ、対応する野生型A33ポリペプチドおよび野生型A34ポリペプチドに比較して、各々、増進されたウイルス伝播または増進されたEEV産生を提供する、前記OVV。 - 変異体A33ポリペプチドが、M63、A88、およびE129の1つまたはそれより多くの置換を含む、請求項1または請求項3のOVV。
- 置換が、M63R置換、A88D置換、およびE129M置換の1つまたはそれより多くである、請求項4のOVV。
- 変異体A33ポリペプチドがA88D置換およびE129M置換を含む、請求項5のOVV。
- 変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、請求項4〜6のいずれか一項のOVV。
- 変異体A34ポリペプチドが、M66、F94、R84、R91、T127、およびK151の1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの置換を含む、請求項1または請求項3のOVV。
- 置換が、M66T置換、F94H置換、R84G置換、R91S置換、R91A置換、T127E置換、およびK151E置換の1つまたはそれより多くである、請求項8のOVV。
- 変異体A34ポリペプチドがK151E置換を含む、請求項9のOVV。
- 変異体A34ポリペプチドがF94H置換を含む、請求項9のOVV。
- ワクシニアウイルスが変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、請求項8〜11のいずれか一項のOVV。
- ワクシニアウイルスが、変異体A33ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列および変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、変異体A33ポリペプチドが、M63、A88、およびE129の1つ、2つ、または3つの置換を含み;そして変異体A34ポリペプチドが、M66、F94、R84、R91、T127、およびK151の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つの置換を含む、請求項1または請求項3のOVV。
- 変異体A33ポリペプチドが、M63R置換、A88D置換、およびE129M置換の1つ、または3つを含み;そして変異体A34ポリペプチドが、M66T置換、F94H置換、R84G置換、R91S置換、R91A置換、T127E置換、およびK151E置換の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つを含む、請求項13のOVV。
- 変異体A34ポリペプチドがK151E置換を含む、請求項14のOVV。
- 変異体A33ポリペプチドがA88D置換を含み;そして変異体A34ポリペプチドがF94H置換を含む、請求項14のOVV。
- 変異体A33ポリペプチドがE129M置換を含み、そして変異体A34ポリペプチドがF94H置換を含む、請求項14のOVV。
- 変異体A33ポリペプチドがA88D置換およびE129置換を含み、そして変異体A34ポリペプチドがF94H置換を含む、請求項14のOVV。
- 変異体A33ポリペプチドがA88D置換およびE129M置換を含み、そして変異体A34ポリペプチドがK151E置換を含む、請求項14のOVV。
- 変異体A33ポリペプチドがA88D置換を含み、そして変異体A34ポリペプチドがF94H置換およびK151E置換を含む、請求項14のOVV。
- 変異体A33ポリペプチドがE129M置換を含み、そして変異体A34ポリペプチドがF94H置換およびK151E置換を含む、請求項14のOVV。
- 変異体A33ポリペプチドがA88D置換およびE129M置換を含み、そして変異体A34ポリペプチドがF94H置換およびK151E置換を含む、請求項14のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドが、N39、L90、N94、S199、K229、V233、I236、V238、T240、N241、E243、V247、D248、G250、D263、E268、E270、D272、S273、D275、およびA276の位で、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれより多くのアミノ酸置換を含む、請求項2または請求項3のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドがS197FまたはS197V置換を含む、請求項23のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドがS199M置換を含む、請求項23のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドがS273L置換またはS273I置換を含む、請求項23のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドがN39G置換を含む、請求項23のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドがN94T置換を含む、請求項23のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドがL90R置換およびS273V置換を含む、請求項23のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドがN39G置換およびS273I置換を含む、請求項23のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドがK229C置換およびS273L置換を含む、請求項23のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドが、D263A置換、E270S置換、E272G置換、およびE275F置換を含む、請求項23のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドが、I236P置換、V238R置換、T240R置換、およびE243G置換を含む、請求項23のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドが、V233D置換、I236L置換、V238W置換、T240Y置換、およびE243R置換を含む、請求項23のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドが、D263V置換、E268T置換、E270G置換、E272P置換、およびE275S置換を含む、請求項23のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドが、N241T置換、E243V置換、V247S置換、G250R置換、およびA276F置換を含む、請求項23のOVV。
- 変異体B5ポリペプチドが、N241G置換、E243S置換、V247W置換、D248Y置換、G250A置換、およびA276F置換を含む、請求項23のOVV。
- K151E置換を含む変異体A34ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1および3〜37のいずれか一項のOVV。
- 変異体A56ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列をさらに含む、請求項1〜38のいずれか一項のOVV。
- 変異体A56ポリペプチドがアミノ酸269の置換を含む、請求項39のOVV。
- アミノ酸269の置換がI269F置換である、請求項40のOVV。
- 免疫調節ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む異種核酸を含む、請求項1〜41のいずれか一項のOVV。
- J2R発現および/または機能の欠如を生じる修飾を含む、請求項1〜41のいずれか一項のOVV。
- i)免疫調節ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む異種核酸;およびii)J2R発現および/または機能の欠如を生じる修飾の両方を含む、請求項1〜41のいずれか一項のOVV。
- リスター、ニューヨーク市衛生局、ワイエス、コペンハーゲン、ウェスタンリザーブ、ワクシニアアンカラ、EM63、池田、ダリアン、LIVP、天壇、IHD−J、タシケント、ベルン、パリ、および大連からなる群より選択されるワクシニアウイルス株に基づいて構築されている、請求項1〜44のOVV。
- a)請求項1〜45のいずれか一項のOVV;および
b)薬学的に許容されうる賦形剤
を含む、組成物。 - 腫瘍を有する個体において腫瘍溶解を誘導する方法であって、請求項1〜45のいずれか一項のOVVまたは請求項46の組成物の有効量を、個体に投与する工程を含む、前記方法。
- 前記投与が、OVVまたは組成物の単回用量を投与する工程を含む、請求項47の方法。
- 単回用量が、OVVの少なくとも106プラーク形成単位(pfu)を含む、請求項48の方法。
- 前記投与が、OVVまたは組成物の複数回用量を投与する工程を含む、請求項47の方法。
- OVVウイルスまたは組成物を1日おきに投与する、請求項50の方法。
- OVVウイルスまたは組成物を週1回投与する、請求項50の方法。
- OVVウイルスまたは組成物を1週おきに投与する、請求項50の方法。
- 腫瘍が、脳癌腫瘍、頭頸部癌腫瘍、食道癌腫瘍、皮膚癌腫瘍、肺癌腫瘍、胸腺癌腫瘍、胃癌腫瘍、結腸癌腫瘍、肝臓癌腫瘍、卵巣癌腫瘍、子宮癌腫瘍、膀胱癌腫瘍、精巣癌腫瘍、結腸癌腫瘍、乳癌腫瘍、または膵臓癌腫瘍である、請求項47〜53のいずれか一項の方法。
- 腫瘍が結腸直腸癌である、請求項47〜53のいずれか一項の方法。
- 腫瘍が非小細胞肺癌である、請求項47〜53のいずれか一項の方法。
- 腫瘍が乳癌である、請求項47〜53のいずれか一項の方法。
- 腫瘍がトリプルネガティブ乳癌である、請求項57の方法。
- 腫瘍が固形腫瘍である、請求項47〜58のいずれか一項の方法。
- 腫瘍が液状腫瘍である、請求項47〜58のいずれか一項の方法。
- 腫瘍が再発性である、請求項47〜60のいずれか一項の方法。
- 腫瘍が原発性腫瘍である、請求項47〜60のいずれか一項の方法。
- 腫瘍が転移性である、請求項46〜62のいずれか一項の方法。
- 個体に第二の癌療法を投与する工程をさらに含む、請求項46〜63のいずれか一項の方法。
- 第二の癌療法が、化学療法、生物学的療法、放射線療法、免疫療法、ホルモン療法、抗血管療法、凍結療法、毒素療法、腫瘍溶解性ウイルス療法、細胞療法、遺伝子療法、および手術より選択される、請求項64の方法。
- 第二の癌療法が免疫チェックポイント阻害剤である、請求項64の方法。
- 免疫チェックポイント阻害剤が、CD27、CD28、CD40、CD122、CD96、CD73、CD47、OX40、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAM、アルギナーゼ、CD137、ICOS、A2AR、B7−H3、B7−H4、BTLA、CTLA−4、LAG3、TIM3、VISTA、CD96、TIGIT、CD122、PD−1、PD−L1およびPD−L2より選択される免疫チェックポイント阻害剤に特異的な抗体である、請求項66の方法。
- 個体が免疫無防備状態である、請求項47〜67のいずれか一項の方法。
- OVVまたは組成物の前記投与が、動脈内、腹腔内、膀胱内、またはクモ膜下腔内投与である、請求項47〜68のいずれか一項の方法。
- OVVまたは組成物の前記投与が腫瘍内投与である、請求項47〜68のいずれか一項の方法。
- OVVまたは組成物の前記投与が腫瘍周辺投与である、請求項47〜68のいずれか一項の方法。
- OVVまたは組成物の前記投与が静脈内投与である、請求項47〜68のいずれか一項の方法。
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