JP2021103938A - モータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータへの要求トルクが大きくなる場合にキャリア周波数を確実に変更する。【解決手段】PCU14は、キャリア周波数に応じて変調した駆動信号を供給することで、移動体の動力源としてのMG12を駆動する。モータ駆動制御ECU18によって実現される予測部は、MG12への要求トルクを予測する。そして、モータ駆動制御ECU18によって実現される制御部は、予測部によってMG12への要求トルクが大きくなると予測された場合に、PCU14のキャリア周波数を変更する。【選択図】図1

Description

本発明はモータ駆動装置に関する。
特許文献1には、モータ駆動システムから発生するEMI(Electro Magnetic Interference)ノイズ(電磁波ノイズともいう)のうち、発生させたくないEMIノイズの周波数値を設定し、設定した周波数値のキャリア周波数を発生させないようにキャリア周波数を決定する技術が記載されている。
特開2006−288100号公報
例えば、上り勾配の大きい道路に車両が差し掛かったなどの場合、車両の動力源であるモータに対しては瞬間的に大きなトルクの発生が要求される。特許文献1に記載の技術では、モータに対して瞬間的に大きなトルクの発生が要求されると、キャリア周波数の変更が間に合わない可能性がある。これによりEMIノイズを発生させてしまい、他の機器へ悪影響を与えるなどの不都合が発生する可能性がある。
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、モータへの要求トルクが大きくなる場合にキャリア周波数を確実に変更できるモータ駆動装置を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係るモータ駆動装置は、キャリア周波数に応じて変調した駆動信号を供給することで、移動体の動力源としてのモータを駆動する駆動部と、前記モータへの要求トルクを予測する予測部と、前記予測部によって前記モータへの要求トルクが大きくなると予測された場合に、前記駆動部のキャリア周波数を変更する制御部と、を含んでいる。
請求項1記載の発明では、モータへの要求トルクが実際に大きくなるよりも前に、キャリア周波数を予め変更しておくことができるので、モータへの要求トルクが大きくなる場合にキャリア周波数を確実に変更することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御部は、前記予測部によって前記モータへの要求トルクが大きくなると予測された場合に、前記キャリア周波数を、変更前の前記キャリア周波数と比較して、前記モータからEMIノイズを発生させ難いキャリア周波数へ変更する。
請求項2記載の発明では、モータへの要求トルクが大きくなると予測された場合に、モータからEMIノイズを発生させ難いキャリア周波数へ変更するので、モータへの要求トルクが大きくなる場合のEMIノイズの発生を抑制することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記移動体は車両であり、前記予測部は、前記モータの動作履歴と、アクセル開度、前記車両がこれから走行する道路の勾配、および、前記車両の重量の少なくとも1つと、に基づいて、前記モータへの要求トルクを予測する。
請求項3記載の発明では、アクセル開度、道路の勾配、および、車両の重量の少なくとも1つを用いることにより、モータへの要求トルクを予測する精度を向上させることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項記載の発明において、前記予測部は、前記モータの回転数とトルクとの関係を表すトルクカーブにより規定される前記モータの駆動領域上で、前記モータへの要求トルクの推移を予測し、前記駆動領域のうち少なくともトルクが所定値以上の高トルク領域は、前記モータの回転数の方向に沿って複数の部分領域に分割され、前記部分領域の各々に前記キャリア周波数が予め設定され、前記制御部は、前記予測部によって予測された前記モータへの要求トルクのピークが前記高トルク領域に入る場合に、前記ピークにおけるキャリア周波数が低くなるように前記部分領域の境界位置を移動させることで、前記キャリア周波数の変更を行う。
請求項4記載の発明によれば、モータへの要求トルクのピークが高トルク領域に入る場合に、前記ピークにおけるキャリア周波数を低くしてEMIノイズの発生を抑制することを、部分領域の境界位置を移動させるという簡易な処理で実現することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記移動体は車両であり、前記駆動部は、第1モータおよび第2モータを含む複数のモータを駆動するように構成されており、前記第1モータの回転数とトルクとの関係を表す第1トルクカーブ、および前記第2モータの回転数とトルクとの関係を表す第2トルクカーブを変更することで前記車両の走行モードを変更する走行モード変更部をさらに備え、前記制御部は、前記走行モード変更部によって変更された前記第1トルクカーブおよび前記第2トルクカーブに基づいてキャリア周波数の変更を行う。
請求項5記載の発明によれば、駆動部は、第1モータおよび第2モータを含む複数のモータを駆動する。このため、1個のモータを駆動源とした車両と比較して、車両の走行性能が向上する。また、走行モード変更部は、第1トルクカーブおよび第2トルクカーブを変更することで車両の走行モードを変更する。これにより、燃費優先および加速性能優先など運転者の要望に応じて走行モードを変更することができる。
ここで、制御部は、走行モード変更部によって変更された第1トルクカーブおよび第2トルクカーブに基づいてキャリア周波数の変更を行う。これにより、走行モードの変更によって第1モータおよび第2モータのそれぞれのトルクカーブが変更された場合であっても、制御部がキャリア周波数を適宜変更することでEMIノイズの発生を抑制することができる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記走行モード変更部は、前記第1トルクカーブおよび前記第2トルクカーブにおけるトルクの上限を変更することで走行モードを変更する。
請求項6記載の発明によれば、例えば、走行モード変更部が第1トルクカーブおよび第2トルクカーブにおけるトルクの上限値を設定する、又はトルクの上限値を下げることで、燃費優先で走行する走行モードに変更できる。また逆に、走行モード変更部が第1トルクカーブおよび第2トルクカーブにおけるトルクの上限値を解除する、又はトルクの上限値を上げることで、加速性能優先で走行する走行モードに変更できる。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記予測部は、前記走行モード変更部がトルクの上限値を上げた前記第1トルクカーブおよび前記第2トルクカーブの少なくとも一方に対して、前記要求トルクを予測するタイミングを遅らせる。
請求項7記載の発明によれば、例えば、走行モード変更部が第1トルクカーブの上限値を上げた場合、トルクのピークがより高いトルク値となる。このため、要求トルクを予測するタイミングを遅らせることで、より高いトルク値で要求トルクのピークを予測することとなり、ピークの位置をより正確に予測することができる。走行モード変更部が第1トルクカーブの上限値を上げた場合も同様に、要求トルクを予測するタイミングを遅らせることで、ピークの位置をより正確に予測することができる。
請求項8記載の発明は、請求項5〜請求項7の何れか1項記載の発明において、前記駆動部は、車両の前輪の動力源である前記第1モータ、および車両の後輪の動力源である前記第2モータをそれぞれ駆動する。
請求項8記載の発明によれば、車両の前輪が第1モータによって駆動され、後輪が第2モータによって駆動される。これにより、車両の前輪および後輪の一方のみをモータで駆動する構成と比較して、車両の走行性能を向上することができる。
本発明は、モータへの要求トルクが大きくなる場合にキャリア周波数を確実に変更できる、という効果を有する。
第1実施形態に係るモータ駆動システムの概略構成を示すブロック図である。 第1実施形態におけるモータ駆動制御ECUの機能ブロック図である。 MGの駆動領域(全体)を示す線図である。 MGの駆動領域のうち図3の拡大領域を拡大して示す線図である。 モータ駆動制御処理を示すフローチャートである。 アクセル開度の履歴の一例を示す線図である。 MGに対する要求トルクのピーク位置を推定する処理を説明するための線図である。 部分領域の境界の位置をMGの回転数の方向に沿って移動させる処理を説明するための線図である。 第2実施形態に係るモータ駆動システムが適用された車両の概略図であり、後席に乗員が着座していない状態を示す図である。 車両の前席および後席に乗員が着座している状態を示す概略図である。 部分領域の境界の位置をMGの回転数の方向に対して傾斜させて移動させる処理を説明するための線図である。 第3実施形態に係るモータ駆動システムの概略構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係るモータ駆動システムが適用された車両の概略図であり、車両の前席および後席に乗員が着座している状態を示す図である。 第3実施形態におけるモータ駆動制御ECUの機能ブロック図である。 第3実施形態における第1MGの駆動領域を示す線図である。 第3実施形態における第2MGの駆動領域を示す線図である。 第2MGに対する要求トルクのピーク位置を推定する処理を説明するための線図である。 走行モード変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すモータ駆動システム10は、移動体の一例である車両に搭載され、車両を走行させる動力源であるモータとして動作したり発電機として動作するモータ・ジェネレータ(以下「MG」という)12、パワー・コントロール・ユニット(以下「PCU」という)14およびバッテリ16を含んでいる。バッテリ16はPCU14に接続されており、PCU14にはMG12が接続されている。なお、MG12はモータの一例である。
PCU14は、直流電力の交流電力への変換および交流電力の直流電力への変換が可能なインバータを含んでいる。MG12がモータとして動作する場合には、バッテリ16からPCU14を経由してMG12へ電力が供給される。このとき、PCU14は、後述するモータ駆動制御ECU18から入力されたキャリア周波数に応じて変調した駆動信号をMG12へ供給することでMG12を駆動する。MG12はモータの一例であり、PCU14は駆動部の一例である。なお、MG12が発電機として動作する場合には、MG12で発電された電力がPCU14を経由してバッテリ16に供給されることで、バッテリ16が充電される。
PCU14にはモータ駆動制御ECU18が接続されており、モータ駆動制御ECU18には、アクセル開度センサ36、モータ回転数センサ38、モータトルクセンサ40、勾配予測ECU44および車重検出ECU50が接続されている。なお、PCU14およびモータ駆動制御ECU18はモータ駆動装置の一例である。
アクセル開度センサ36は、車両のアクセルペダルの開度(アクセル開度)を検出し、モータ回転数センサ38は、MG12の出力軸の回転数を検出し、モータトルクセンサ40は、MG12の出力軸の発生トルクを検出する。勾配予測ECU44には、車両の現在位置を検出するGPS(global positioning system)センサ42が接続されている。勾配予測ECU44は、GPSセンサ42によって検出された車両の現在位置を地図情報と照合することで、車両がこれから走行する道路の勾配を予測する。
車重検出ECU50には、車両の車内を撮影する車内カメラ46および車両の各シートに設けられた着座センサ48の少なくとも一方が接続されている。車重検出ECU50は、車内カメラ46および着座センサ48の少なくとも一方によって検出された車両の乗車人数に基づいて、車両の重量を検出する。なお、車両の重量の検出には、例えば車両のサスペンションのストローク量などの別のパラメータを用いてもよい。
モータ駆動制御ECU18は、プロセッサの一例としてのCPU(Central Processing Unit)20と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ22と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部24と、通信部26と、を含んでいる。CPU20、メモリ22、記憶部24および通信部26は内部バス28を介して互いに通信可能に接続されている。
モータ駆動制御ECU18の記憶部24にはモータ駆動制御プログラム30およびキャリア周波数マップ32が記憶されている。モータ駆動制御ECU18は、モータ駆動制御プログラム30が記憶部24から読み出されてメモリ22に展開され、メモリ22に展開されたモータ駆動制御プログラム30がCPU20によって実行されることで、図2に示す予測部54および制御部56として機能し、後述するモータ駆動制御処理を行う。
予測部54は、MG12の動作履歴、アクセル開度センサ36によって検出されたアクセル開度、勾配予測ECU44によって検出された車両がこれから走行する道路の勾配、および、車重検出ECU50によって検出された車両の重量に基づいて、MG12への要求トルクを予測する。制御部56は、予測部54によってMG12への要求トルクが大きくなると予測された場合に、PCU14のキャリア周波数を変更する。
本実施形態では、図3および図4に示すように、MG12の回転数とトルクとの関係を表すトルクカーブ60により規定されるMG12の駆動領域62が複数の部分領域に分割されており、個々の分割領域に対してキャリア周波数が予め各々設定されている。詳しくは、MG12の駆動領域のうちトルクが所定値未満の低トルク領域は1つの部分領域62Aとされ(図4参照)、当該部分領域に対しては、PCU14やMG12の温度、電費効率などを考慮したキャリア周波数F0が設定されている。
一方、MG12の駆動領域のうちトルクが所定値以上の高トルク領域は、MG12の回転数の方向に沿って複数(例えば3つ)の部分領域62B,62C,62Dに分割されている。そして、EMIノイズなどを考慮して、部分領域62Bに対してはキャリア周波数F1が予め設定され、部分領域62Cに対してはキャリア周波数F2が予め設定され、部分領域62Dに対してはキャリア周波数F3が予め設定されている。なお、キャリア周波数F1、F2、F3の大小関係は、F1<F2<F3とされている。キャリア周波数マップ32は、MG12の駆動領域上での複数の部分領域の境界位置を表す情報と、個々の分割領域に設定されたキャリア周波数を表す情報と、を含んでいる。
次に本第1実施形態の作用を説明する。モータ駆動制御ECU18は、車両のイグニッションスイッチがオンで、かつMG12をモータとして動作させている間、図5に示すモータ駆動制御処理を行う。
モータ駆動制御処理のステップ100において、予測部54は、アクセル開度センサ36によって検出されたアクセル開度を取得し、取得したアクセル開度の履歴(一例を図6に示す)から、今後のアクセル開度の推移を表すアクセル挙動を、例えば外挿などにより推定する。
ステップ102において、予測部54は、モータ回転数センサ38によって検出されたMG12の出力軸の回転数、モータトルクセンサ40によって検出されたMG12の出力軸の発生トルク、勾配予測ECU44によって予測された道路の勾配、および、車重検出ECU50によって検出された車両の重量を各々取得する。そして予測部54は、取得したMG12の回転数と発生トルクの履歴、道路勾配の予測値および車重検出値から、例えば予め作成した予測式を用いるなどにより、車両の今後の走行負荷の推移を表す走行負荷の推定値を算出する。なお、MG12の回転数と発生トルクの履歴は、モータの動作履歴の一例である。
ステップ104において、予測部54は、ステップ100で得られたアクセル挙動の推定値およびステップ102で得られた走行負荷の推定値から、MG12に対する要求トルクの、MG12の駆動領域上における推移を予測し、そのピーク位置(図7参照)を推定する。MG12に対する要求トルクのピーク位置は、例えば、機械学習によって予め作成された学習済みモデルを用いて推定することができる。上記の学習済みモデルは、例えば、過去のアクセル挙動の推定値および走行負荷の推定値を入力とし、過去のMG12の回転数と発生トルクの履歴を出力とする学習用データを用いて作成することができる。
ステップ106において、制御部56は、ステップ104の処理で推定したMG12に対する要求トルクのピーク位置に基づいて、MG12の駆動領域のうち高トルク領域に設定された複数の部分領域(異なるキャリア周波数が設定された領域)の境界位置を移動させるか否か判定する。
ここで、MG12に対する要求トルクのピークがMG12の駆動領域のうちの高トルク領域に至らない場合、および、MG12に対する要求トルクのピークがMG12の駆動領域のうちの高トルク領域に達するものの部分領域の境界に掛からない場合には、ステップ106の判定が否定される。この場合は、部分領域の境界位置を移動させることなくステップ110へ移行する。
一方、例として図8に示すように、MG12に対する要求トルクのピークがMG12の駆動領域のうちの高トルク領域に達しており、かつ前記ピークが部分領域の境界に掛かっている(図8では部分領域62Bと部分領域62Cを跨いでいる)場合には、ステップ106の判定が肯定されてステップ108へ移行する。
ステップ108において、制御部56は、MG12に対する要求トルクのピークにおけるキャリア周波数が低下するように(変更後のキャリア周波数が、変更前のキャリア周波数と比較して、MG12からEMIノイズを発生させ難いキャリア周波数となるように)、キャリア周波数マップ32を変更する。一例として図8では、MG12に対する要求トルクのピークにおけるキャリア周波数が、キャリア周波数F2からキャリア周波数F1へ切り替わるように(矢印A参照)、キャリア周波数F1の部分領域62Bとキャリア周波数F2の部分領域62Cとの境界の位置を、MG12の回転数の方向に沿って移動させている。
なお、上記のように部分領域の境界位置を移動してキャリア周波数を変更する目的はEMIノイズの低減であるが、EMIノイズがピークとなる位置はMG12に対する要求トルクがピークとなる位置と若干ずれている可能性がある。このため、MG12からのEMIノイズがピークとなる位置でのキャリア周波数を低下させるために、MG12に対する要求トルクがピークとなる位置を基準とする前後の所定範囲を含む範囲でキャリア周波数が低下するように、キャリア周波数マップ32を変更することが好ましい。
ステップ110において、制御部56は、MG12の現在の回転数およびトルクの組み合わせに対応するキャリア周波数をキャリア周波数マップ32から読み出し、キャリア周波数マップ32から読み出したキャリア周波数をPCU14へ出力する。これにより、PCU14は、入力されたキャリア周波数に応じて変調した駆動信号をMG12へ供給することでMG12を駆動する。
ステップ110の処理を行うとステップ100に戻る。これにより、MG12をモータとして動作させている間、上述したステップ100〜ステップ110の処理が繰り返される。そして、MG12に対する要求トルクのピークが高トルク領域に達し、かつ前記ピークが部分領域の境界に掛かることが予測された場合は、前記ピークにおけるキャリア周波数が低下するように部分領域の境界の位置が移動されるので、EMIノイズの発生を抑制することができる。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態は第1実施形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略する。
第1実施形態では、「MG12に対する要求トルクのピークが高トルク領域に達し、かつ前記ピークが部分領域の境界に掛かることが予測された」という第1条件を満足した場合に、前記ピークにおけるキャリア周波数が低下するように部分領域の境界位置を移動させる態様を説明した。
これに対して第2実施形態に係る制御部56は、上記の第1条件に加えて、「MG12に対する要求トルクのピークが高トルク領域に達することが予測され、EMIノイズの発生源に近接した位置に乗員が着座している」という第2条件を満足した場合にも、ステップ106の判定が肯定されることで、MG12に対する要求トルクのピークにおけるキャリア周波数が低下するように部分領域の境界位置を移動させる。
一例として図9には、車両Vの床下にバッテリ16が配置され、車両Vのボンネット内にPCU14が配置され、車両Vの後輪66を駆動する位置にMG12が配置された構成を示す。この構成において、車両Vの走行時にはバッテリ16、PCU14およびMG12からそれぞれ電磁波が放射されるが、車両の前席よりも後席の方がEMIノイズの発生源(MG12など)に接近している。
このため、第2実施形態では、車重検出ECU50から車両の車室内における乗員の着座状態を取得する。そして、車両Vの後席に乗員が着座している場合(図10参照)には、MG12に対する要求トルクのピークが高トルク領域に達することが予測されると、前述の第2条件を満足することで、MG12に対する要求トルクのピークにおけるキャリア周波数が低下するように部分領域の境界位置を移動させる。これにより、EMIノイズの発生源に近接したV車両の後席に着座している乗員へのEMIノイズによる影響を抑制することができる。
なお、車両Vの後席に乗員が着座していない場合(図9参照)には、MG12に対する要求トルクのピークが高トルク領域に達することが予測されても、前述の第2条件を満足しないので、部分領域の境界位置の移動は行われない。
以上説明したように、上記の実施形態では、PCU14は、キャリア周波数に応じて変調した駆動信号を供給することで、車両の動力源としてのMG12を駆動し、予測部54は、MG12への要求トルクを予測する。そして制御部56は、予測部54によってMG12への要求トルクが大きくなると予測された場合に、PCU14のキャリア周波数を変更する。これにより、例えば車両Vが急発進したり勾配の大きい道路に差し掛かったなどによりMG12への要求トルクが大きくなる場合に、キャリア周波数を確実に変更することができる。
また、上記の実施形態では、制御部56は、予測部54によってMG12への要求トルクが大きくなると予測された場合に、キャリア周波数を、変更前のキャリア周波数と比較して、MG12からEMIノイズを発生させ難いキャリア周波数へ変更する。これにより、MG12への要求トルクが大きくなる場合のEMIノイズの発生を抑制することができる。
また、上記の実施形態では、予測部54は、MG12の動作履歴と、アクセル開度、車両がこれから走行する道路の勾配、および、車両の重量の少なくとも1つと、に基づいて、MG12への要求トルクを予測する。これにより、MG12への要求トルクを予測する精度を向上させることができる。
また、上記の実施形態では、予測部54は、MG12の回転数とトルクとの関係を表すトルクカーブにより規定されるMG12の駆動領域上で、MG12への要求トルクの推移を予測する。また、MG12の駆動領域のうち少なくともトルクが所定値以上の高トルク領域は、MG12の回転数の方向に沿って複数の部分領域に分割され、前記部分領域の各々にキャリア周波数が予め設定されている。そして、制御部56は、予測部54によって予測されたMG12への要求トルクのピークが高トルク領域に入る場合に、前記ピークにおけるキャリア周波数が低くなるように前記部分領域の境界位置を移動させることで、キャリア周波数の変更を行う。これにより、MG12への要求トルクのピークが高トルク領域に入る場合に、前記ピークにおけるキャリア周波数を低くしてEMIノイズの発生を抑制することを、部分領域の境界位置を移動させるという簡易な処理で実現することができる。
また、第2実施形態では、制御部56は、MG12に対する要求トルクのピークが高トルク領域に達することが予測され、EMIノイズの発生源に近接した位置に乗員が着座している場合にも、MG12に対する要求トルクのピークにおけるキャリア周波数が低下するように部分領域の境界位置を移動させる。これにより、EMIノイズの発生源に近接した位置に着座している乗員へのEMIノイズによる影響を抑制することができる。
なお、上記ではMG12に対する要求トルクのピークが高トルク領域に達し、かつ前記ピークが部分領域の境界に掛かることが予測された場合に、部分領域の境界位置をMG12の回転数の方向に沿って移動させる態様を説明したが、これに限定されるものではない。一例として図11に矢印Bで示すように、部分領域の境界位置をMG12の回転数の方向に対して傾斜させて移動させるようにしてもよい。
また、上記ではMG12に対する要求トルクの推移を機械学習により予測する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、アクセル開度の履歴、車両の走行負荷、MG12の限界値、タイヤの転がり抵抗、車両のcd値などの各種パラメータの少なくとも1つに基づいて、MG12に対する要求トルクの推移を予測する予測式を作成しておき、当該予測式に基づいてMG12の要求トルクの推移を予測するようにしてもよい。
また、上記では移動体として車両を適用した態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、モータを動力源とする移動体であれば適用可能である。
〔第3実施形態〕
次に、図12から図18を参照して第3実施形態に係るモータ駆動システム70ついて説明する。なお、第1実施形態および2実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図12に示されるように、第3実施形態に係るモータ駆動システム70は、PCU14、バッテリ16、第1モータ・ジェネレータ(以下「第1MG」という)72、および第2モータ・ジェネレータ(以下「第2MG」という)74を含んでいる。バッテリ16はPCU14に接続されている。また、PCU14には第1MG72および第2MG74が接続されている。なお、第1MG72および第2MG74は、モータの一例である。
図13に示されるように、第1MG72は、車両Vの前輪68の動力源であり、車両Vの前部に配設されている。第2MG74は、車両Vの後輪66の動力源であり、車両Vの後部に配設されている。そして、バッテリ16からPCU14を経由して第1MG72および第2MG74へ電力が供給されることで、第1MG72および第2MG74が駆動する。なお、本実施形態では一例として、第1MG72は、第2MG74よりも大型のモータとなっている。このため、第1MG72は、第2MG74よりも出力が大きく、動力性能を高めたモータとなっている。一方、第2MG74は、第1MG72よりも出力が小さく、低消費電力のモータとなっている。
PCU14には第1MG72および第2MG74が接続されている。PCU14は、モータ駆動制御ECU18から入力されたキャリア周波数に応じて変調した駆動信号を第1MG72へ供給する。また、PCU14は、モータ駆動制御ECU18から入力されたキャリア周波数に応じて変調した駆動信号を第2MG74へ供給する。このようにして、PCU14が第1MG72および第2MG74を駆動する。なお、第1MG72および第2MG74で発電された電力がPCU14を経由してバッテリ16に供給されることで、バッテリ16が充電される。
図12に示されるように、モータ駆動制御ECU18の記憶部24には、モータ駆動制御プログラム30および走行モード変更プログラム71が格納されている。そして、CPU20によってモータ駆動制御プログラム30および走行モード変更プログラム71が実行されることで、図14に示す機能を実現する。
図14に示されるように、モータ駆動制御ECU18は、機能構成として、予測部54、制御部56、走行モード変更部76、走行シミュレーション部78および再計画部80を含んで構成されている。各機能構成は、CPU20がモータ駆動制御プログラム30および走行モード変更プログラム71を読み出して実行することにより実現される。
走行モード変更部76は、第1MG72の第1トルクカーブ、および第2MG74の第2トルクカーブを変更することで、車両Vの走行モードを変更する。例えば、走行モード変更部76は、通常の運転時に選択されるノーマルモード、低消費電力のエコモード、および動力性能を高めたスポーツモードの3つの走行モードに変更できるように構成されている。また、車両Vの始動直後の走行モードは、ノーマルモードに設定されている。
一例として、走行モード変更部76がノーマルモードからエコモードに走行モードを変更した場合について説明する。この場合、走行モード変更部76は、出力の大きい第1MG72に対して、第1トルクカーブのトルクの上限値を下げる。また走行モード変更部76は、出力の小さい第2MG74に対して、第2トルクカーブのトルクの上限値を上げる。このように、出力の大きい第1MG72のトルクの上限値を下げ、かつ、出力の小さい第2MG74のトルクの上限値を上げることで、車両Vの走行時の消費電力を低減させる。この他に、走行モード変更部76は、ノーマルモードで第1MG72および第2MG74にそれぞれ50ずつの駆動力を配分されている状態から、第1MG72および第2MG74に分配する駆動力をそれぞれ40ずつに変更することで電力消費量を低減してもよい。また、例えば、走行モード変更部76は、エコモードで上り坂を走行する場合には、第1MG72に30の駆動力を配分し、第2MG74に50の駆動力を配分してもよい。
図15に示されるように、第1MG72に対して、回転数とトルクとの関係を表す第1トルクカーブ82が設定されている。そして、走行モード変更部76が第1トルクカーブ82の上限値を下げることにより、第1トルクカーブ82は、図中の二点鎖線の状態から実線の状態に変更される。これにより、第1MG72の駆動領域84が縮小される。なお、図示はしないが、第1MG72の駆動領域84は、第1実施形態と同様に複数の部分領域に分割されており、個々の分割領域に対してキャリア周波数が予め各々設定されている。
図16に示されるように、第2MG74に対して、回転数とトルクとの関係を表す第2トルクカーブ86が設定されている。そして、走行モード変更部76が第2トルクカーブ86の上限値を上げることにより、第2トルクカーブ86は、図中の二点鎖線の状態から実線の状態に変更される。
ここで、車両Vの走行モードが変更された後の状態において、第2MG74の駆動領域88のうち、トルクが所定値未満の低トルク領域は1つの部分領域88Aとされている。一方、第2MG74の駆動領域88のうち、トルクが所定値以上の高トルク領域は、第2MG74の回転数の方向に沿って複数の部分領域に分割されている。本実施形態では一例として、高トルク領域が部分領域88B,88C,88Dの3つの部分領域に分割されている。そして、EMIノイズなどを考慮して、部分領域88Bにはキャリア周波数F1が予め設定されている。また、部分領域88Cにはキャリア周波数F2が予め設定されている。さらに、部分領域88Dにはキャリア周波数F3が予め設定されている。
なお、車両Vがエコモードで走行している場合、走行モード変更部76は、走行区間毎に第1トルクカーブ82および第2トルクカーブ86を変更することで、消費電力が小さくなるようにする。すなわち、走行モード変更部76は、走行区間毎に駆動力の配分を変更する。例えば、走行モード変更部76は、GPSセンサ42によって検出された車両Vの現在位置における制限速度を考慮して第1トルクカーブ82および第2トルクカーブ86を変更してもよい。また、走行モード変更部76は、勾配予測ECU44によって予測された勾配に応じて第1トルクカーブ82および第2トルクカーブ86を変更してもよい。さらに、走行モード変更部76は、高速道路などの自動車専用道路を走行している場合と、市街地を走行している場合とで第1トルクカーブ82および第2トルクカーブ86を変更してもよい。
図14に示される走行シミュレーション部78は、ナビゲーションシステムなどに登録された情報に基づいて、目的地までエコモードで走行した場合における駆動力の配分計画を策定する。そして、走行シミュレーション部78は、策定された駆動力の配分計画に基づいて、目的地に到着するまでの所要時間と、目的地まで走行するのに必要な消費電力とを算出する。なお、本実施形態では一例として、走行シミュレーション部78は、乗員からの指示を受けた場合に、駆動力の配分計画を策定する。また、走行シミュレーション部78は、ノーマルモードで走行した場合における所要時間および消費電力についても算出する。そして、走行シミュレーション部78は、ノーマルモードで走行した場合と、エコモードで走行した場合のそれぞれについて、到着予定時刻および残存電力に関する情報を乗員に通知する。例えば、車室内に設けられた図示しないモニタに到着予定時刻および残存電力に関する情報を表示することで通知してもよい。また、車室内に設けられた図示しないスピーカを通じて音声で到着予定時刻および残存電力に関する情報を通知してもよい。
再計画部80は、乗員に到着予定時刻および残存電力に関する情報を通知した後、エコモードで走行している状態において、通知した情報との誤差が大きくなった場合に、駆動力の配分を再計画する。例えば、運転者のアクセル操作および加減速によって予測よりも消費電力が大きくなることがある。また、空調装置の稼働状況により予測よりも消費電力が大きくなることがある。このような場合において、再計画部80は、目的地までの駆動力の配分を再計画し、算出された到着予定時刻および残存電力に関する情報を乗員に通知する。また、再計画部80は、目的地に到着するまでに残存電力が無くなる場合のみ駆動力の配分を再計画してもよい。さらに、再計画部80は、目的地に到着するまでに残存電力が無くなると判断した場合、乗員に対して、空調装置の設定温度の変更を提案してもよい。また、空調装置の他に消費電力が大きい車載機器が作動している場合、この車載機器を停止するように提案してもよい。
ここで、本実施形態では、制御部56は、予測部54によって第1MG72に対する要求トルクが大きくなると予測された場合に、PCU14のキャリア周波数を変更する。また、制御部56は、予測部54によって第2MG74に対する要求トルクが大きくなると予測された場合に、PCU14のキャリア周波数を変更する。このとき、制御部56は、走行モード変更部76によって変更された第1トルクカーブ82および第2トルクカーブ86に基づいてキャリア周波数の変更を行う。
また、本実施形態では、予測部54は、走行モード変更部76がトルクの上限値を上げた第2トルクカーブ86に対して、要求トルクを予測するタイミングを遅らせる。具体的には、図17に二点鎖線で示すように、走行モードがノーマルモードの第2トルクカーブ86では、モータトルクがP1の時点で要求トルクのピーク位置を推定する。一方、図17に実線で示すように、走行モードが変更されて第2トルクカーブ86におけるトルクの上限値が上がった状態では、P1よりも高トルクとなるP2の時点で要求トルクのピーク位置を推定する。
次に、第3実施形態に係るモータ駆動システム70の作用を説明する。本実施形態のモータ駆動制御処理は、第1実施形態と同様に図5に示すフローチャートに基づいて実施されるため、説明を省略する。図18は、モータ駆動制御ECU18による走行モード変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。この走行モード変更処理は、CPU20が記憶部24から走行モード変更プログラム71を読み出して実行することによって実行される。また、本実施形態の走行モード変更処理は、運転者がエコモードの走行シミュレーションを指示した場合に行われる。なお、残存電力が所定値よりも少なくなった場合には、運転者からの指示を受け付けていない状態であっても、走行モード変更処理が行われるようにしてもよい。
図18に示されるように、CPU20は、ステップ202で目的地までの経路情報を取得する。具体的には、CPU20は、ナビゲーションシステムなどに登録された情報に基づいて、目的地および目的地までの経路に関する情報を取得する。なお、目的地が設定されていない場合には、CPU20は、走行シミュレーションが実施できない旨の通知を乗員に行うようにしてもよい。
CPU20は、ステップ204で取得した経路情報に基づいて、駆動力の配分計画を策定する。具体的には、CPU20は、走行モード変更部76の機能により、目的地までの経路を区切った走行区間毎に第1トルクカーブ82および第2トルクカーブ86を設定する。
CPU20は、ステップ206で到着予定時刻および予想残存電力を通知する。具体的には、CPU20は、走行シミュレーション部78の機能により、ノーマルモードで走行した場合とエコモードで走行した場合のそれぞれについて、到着予定時刻および残存電力に関する情報を乗員に通知する。例えば、CPU20は、車室内に設けられた図示しないモニタに情報を表示することで通知する。また、モニタには、乗員がエコモードを承諾するか否かを入力するための操作受付用の表示が行われるようにしてもよい。
CPU20は、ステップ208でエコモードが選択されたか否かについて判定する。具体的には、CPU20は、エコモードを承諾する内容の操作を受け付けた場合には、ステップ208の判定が肯定されてステップ210の処理へ移行する。一方、CPU20は、エコモードを承諾しない内容の操作を受け付けた場合、又は操作受付用の表示が行われた後に所定の時間が経過した場合には、ステップ208の判定が否定されて走行モード変更処理を終了する。
CPU20は、ステップ210で走行区間毎にトルクの上限値を変更する。具体的には、CPU20は、ステップ204で策定した配分計画に基づいて、第1トルクカーブ82のトルク上限値、および第2トルクカーブ86のトルク上限値を走行区分毎に変更する。これにより、ノーマルモードと比較して、車両Vの走行時の消費電力が低減する。
CPU20は、ステップ212で電力消費量の誤差が閾値よりも大きいか否かについて判定する。具体的には、CPU20は、エコモードでの走行を開始してから現在までの電力消費量を取得する。また、CPU20は、ステップ204で駆動力の配分計画を策定した際の電力消費量と実際の電力消費量とを比較する。そして、CPU20は、計画時の電力消費量と実際の電力消費量との誤差が所定の閾値よりも大きい場合、ステップ212の判定が肯定されてステップ214の処理へ移行する。一方、CPU20は、計画時の電力消費量と実際の電力消費量との誤差が所定の閾値よりも小さい場合、ステップ212の判定が否定されて、車両Vが目的地へ到着するまでの間、ステップ210とステップ212の処理を繰り返す。
なお、CPU20は、ステップ212の処理を走行区間毎に行ってもよい。この場合、例えば、走行区間が切り替わるタイミングで電力消費量を比較して誤差を算出してもよい。また、CPU20は、常時、電力消費量を比較して誤差を算出してもよい。
CPU20は、ステップ214で駆動力の配分を再計画する。具体的には、CPU20は、再計画部80の機能により、現在の車両Vの走行状態に基づいて目的地までの駆動力の配分を再計画する。例えば、CPU20は、航続距離を伸ばすために、第1MG72および第2MG74に分配する駆動力を共に下げる。
CPU20は、ステップ216で再計画後の到着予定時刻および予想残存電力を通知する。具体的には、CPU20は、車室内に設けられた図示しないモニタに到着予定時刻および残存電力に関する情報を表示する。このとき、CPU20は、目的地に到着するまでに残存電力が無くなると判断した場合、空調装置の設定温度の変更、および車載機器の停止などを提案する内容をモニタに表示してもよい。空調装置の設定温度と外気温と差が大きい場合、電力消費量が多くなる。このため、CPU20が設定温度を外気温に近づける提案を表示することで、残存電力で走行できる航続距離を伸ばすことができることを乗員に示唆する。同様に、CPU20が空調装置を含む車載機器を停止する提案を表示することで、残存電力で走行できる航続距離を伸ばすことができることを乗員に示唆する。
以上のように、本実施形態では、走行モード変更部76が第1トルクカーブ82および第2トルクカーブ86を変更することで車両Vの走行モードを変更することで、燃費優先および加速性能優先など運転者の要望に応じて走行モードを変更することができる。
また、本実施形態の制御部56は、走行モード変更部76によって変更された第1トルクカーブ82、および第2トルクカーブ86に基づいてキャリア周波数の変更を行う。これにより、走行モードの変更によって第1モータ72および第2モータ74のそれぞれのトルクカーブが変更された場合であっても、制御部56がキャリア周波数を適宜変更することでEMIノイズの発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、走行モード変更部76が第1トルクカーブ82および第2トルクカーブ86におけるトルクの上限値を下げることで、燃費優先で走行する走行モードに変更できる。また逆に、走行モード変更部76が第1トルクカーブ82および第2トルクカーブ86におけるトルクの上限値を上げることで、加速性能優先で走行する走行モードに変更できる。
さらに、本実施形態では、走行モード変更部76が第1トルクカーブ82の上限値を上げた場合に要求トルクを予測するタイミングを遅らせることで、より高いトルク値で要求トルクのピークを予測することとなり、ピークの位置をより正確に予測することができる。走行モード変更部76が第2トルクカーブ86の上限値を上げた場合も同様である。
さらにまた、本実施形態では、車両Vの前輪68が第1モータ72によって駆動され、後輪66が第2モータ74によって駆動されるため、車両Vの前輪68および後輪66の一方のみをモータで駆動する構成と比較して、車両Vの走行性能を向上することができる。
なお、上記第3実施形態では、車両Vの前後に第1MG72および第2MG74の2個のモータが搭載された構成について説明したが、これに限定されない。例えば、車両Vの左側の後輪に第1モータとしてのインホイールモータを搭載し、車両Vの右側の後輪に第2モータとしてのインホイールモータを搭載した構成としてもよい。この場合、PCU14は、モータ駆動制御ECU18から入力されたキャリア周波数に応じて変調した駆動信号を左右それぞれのインホイールモータへ供給する。
また、3個以上のモータを備えた車両にモータ駆動システムを適用してもよい。例えば、左右一対の前輪、および左右一対の後輪の全てにインホイールモータが搭載された構成としてもよい。この場合、PCU14は、モータ駆動制御ECU18から入力されたキャリア周波数に応じて変調した駆動信号を4個のインホイールモータへ供給する。
10、70 モータ駆動システム
12 MG(モータ)
14 PCU(駆動部)
18 モータ駆動制御ECU
32 キャリア周波数マップ
54 予測部
56 制御部
60 トルクカーブ
62 駆動領域
62B,62C,62D 部分領域
66 後輪
68 前輪
72 第1MG(第1モータ)
74 第2MG(第2モータ)
76 走行モード変更部
82 第1トルクカーブ
84 駆動領域
86 第2トルクカーブ
88B,88C,88D 部分領域
V 車両

Claims (8)

  1. キャリア周波数に応じて変調した駆動信号を供給することで、移動体の動力源としてのモータを駆動する駆動部と、
    前記モータへの要求トルクを予測する予測部と、
    前記予測部によって前記モータへの要求トルクが大きくなると予測された場合に、前記駆動部のキャリア周波数を変更する制御部と、
    を含むモータ駆動装置。
  2. 前記制御部は、前記予測部によって前記モータへの要求トルクが大きくなると予測された場合に、前記キャリア周波数を、変更前の前記キャリア周波数と比較して、前記モータからEMIノイズを発生させ難いキャリア周波数へ変更する請求項1記載のモータ駆動装置。
  3. 前記移動体は車両であり、
    前記予測部は、前記モータの動作履歴と、アクセル開度、前記車両がこれから走行する道路の勾配、および、前記車両の重量の少なくとも1つと、に基づいて、前記モータへの要求トルクを予測する請求項1または請求項2記載のモータ駆動装置。
  4. 前記予測部は、前記モータの回転数とトルクとの関係を表すトルクカーブにより規定される前記モータの駆動領域上で、前記モータへの要求トルクの推移を予測し、
    前記駆動領域のうち少なくともトルクが所定値以上の高トルク領域は、前記モータの回転数の方向に沿って複数の部分領域に分割され、前記部分領域の各々に前記キャリア周波数が予め設定され、
    前記制御部は、前記予測部によって予測された前記モータへの要求トルクのピークが前記高トルク領域に入る場合に、前記ピークにおけるキャリア周波数が低くなるように前記部分領域の境界位置を移動させることで、前記キャリア周波数の変更を行う請求項1〜請求項3の何れか1項記載のモータ駆動装置。
  5. 前記移動体は車両であり、
    前記駆動部は、第1モータおよび第2モータを含む複数のモータを駆動するように構成されており、
    前記第1モータの回転数とトルクとの関係を表す第1トルクカーブ、および前記第2モータの回転数とトルクとの関係を表す第2トルクカーブを変更することで前記車両の走行モードを変更する走行モード変更部をさらに備え、
    前記制御部は、前記走行モード変更部によって変更された前記第1トルクカーブおよび前記第2トルクカーブに基づいてキャリア周波数の変更を行う請求項1に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記走行モード変更部は、前記第1トルクカーブおよび前記第2トルクカーブにおけるトルクの上限を変更することで走行モードを変更する請求項5に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記予測部は、前記走行モード変更部がトルクの上限値を上げた前記第1トルクカーブおよび前記第2トルクカーブの少なくとも一方に対して、前記要求トルクを予測するタイミングを遅らせる請求項6に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記駆動部は、車両の前輪の動力源である前記第1モータ、および車両の後輪の動力源である前記第2モータをそれぞれ駆動する請求項5〜7の何れか1項に記載のモータ駆動装置。
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