以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るプロジェクターについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
各図において適宜示すZ軸方向は、+Z方向(第1方向)を上側とし、−Z方向を下側とする上下方向である。X軸方向およびY軸方向は、Z軸方向と直交する水平方向であり、かつ、互いに直交する方向である。以下の説明においては、Z軸方向と平行な方向を上下方向Zと呼び、X軸方向と平行な方向を前後方向Xと呼び、Y軸方向と平行な方向を左右方向Yと呼ぶ。また、Y軸方向のうち+Y方向を左側と呼び、Y軸方向のうち−Y方向(第2方向)を右側と呼ぶ。また、X軸方向のうち+X方向を前側と呼び、X軸方向のうち−X方向(第3方向)を後側と呼ぶ。
図1は、本実施形態のプロジェクター1を左右方向Yに見た側面図である。図2は、本実施形態のプロジェクター1を示す概略構成図である。図1に示すように、本実施形態のプロジェクター1は、設置面Gに設置されて使用される据え置き型のプロジェクターであり、かつ、短焦点プロジェクターである。設置面Gは、上側を向く面である。設置面Gは、例えば、上下方向Zと直交する平坦面である。プロジェクター1は、光源2と、導光系3と、投射光学装置6と、外装筐体10と、を備える。
光源2は、略均一な照度分布を有するように調整された照明光WLを色分離光学系3aに向けて射出する。光源2は、例えば、半導体レーザーである。導光系3は、光源2から射出された光を投射光学装置6まで導く。図2に示すように、本実施形態において導光系3は、左右方向Yに沿って光源2と後述する電源装置20との間に位置する。導光系3は、色分離光学系3aと、光変調ユニット4Rと、光変調ユニット4Gと、光変調ユニット4Bと、光合成光学系5と、を有する。光変調ユニット4Rは、光変調装置4RPを有する。光変調ユニット4Gは、光変調装置4GPを有する。光変調ユニット4Bは、光変調装置4BPを有する。
色分離光学系3aは、光源2からの照明光WLを赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離する。色分離光学系3aは、第1のダイクロイックミラー7aと、第2のダイクロイックミラー7bと、第1の反射ミラー8aと、第2の反射ミラー8bと、第3の反射ミラー8cと、リレーレンズ8dと、を備える。
第1のダイクロイックミラー7aは、光源2から射出された照明光WLを、赤色光LRと、緑色光LGと青色光LBとが混合された光と、に分離する。第1のダイクロイックミラー7aは、赤色光LRを反射するとともに、緑色光LGおよび青色光LBを透過させる特性を有する。第2のダイクロイックミラー7bは、緑色光LGと青色光LBとが混合された光を緑色光LGと青色光LBとに分離する。第2のダイクロイックミラー7bは、緑色光LGを反射するとともに、青色光LBを透過させる特性を有する。
第1の反射ミラー8aは、赤色光LRの光路中に配置され、第1のダイクロイックミラー7aによって反射された赤色光LRを光変調装置4RPに向けて反射する。第2の反射ミラー8bおよび第3の反射ミラー8cは、青色光LBの光路中に配置され、第2のダイクロイックミラー7bを透過した青色光LBを光変調装置4BPに導く。
光変調装置4RP、光変調装置4GP、および光変調装置4BPの各々は、液晶パネルから構成されている。光変調装置4RPは、光源2から射出された光のうち赤色光LRを画像信号に応じて変調する。光変調装置4GPは、光源2から射出された光のうち緑色光LGを画像信号に応じて変調する。光変調装置4BPは、光源2から射出された光のうち青色光LBを画像信号に応じて変調する。これにより、各光変調装置4RP,4GP,4BPは、各色光に対応した画像光を形成する。図示は省略するが、光変調装置4RP,4GP,4BPの各々の光入射側および光射出側には、偏光板が配置されている。
光変調装置4RPの光入射側には、光変調装置4RPに入射する赤色光LRを平行化するフィールドレンズ9Rが配置されている。光変調装置4GPの光入射側には、光変調装置4GPに入射する緑色光LGを平行化するフィールドレンズ9Gが配置されている。光変調装置4BPの光入射側には、光変調装置4BPに入射する青色光LBを平行化するフィールドレンズ9Bが配置されている。
光合成光学系5は、略立方体状のクロスダイクロイックプリズムから構成されている。光合成光学系5は、光変調装置4RP,4GP,4BPからの各色の画像光を合成する。光合成光学系5は、合成した画像光を投射光学装置6に向かって射出する。本実施形態において光合成光学系5は、+X方向に光を射出する。
本実施形態において投射光学装置6は、光合成光学系5に対して+X方向に位置する。図1に示すように、投射光学装置6は、導光系3から射出された光をスクリーンSCRに向かって拡大投射する。本実施形態において導光系3から射出された光とは、光合成光学系5により合成された画像光、すなわち光変調装置4RP,4GP,4BPにより変調された光である。投射光学装置6から光が投射されることにより、スクリーンSCR上には、拡大されたカラー画像(映像)が表示される。スクリーンSCRは、プロジェクター1よりも後側かつ上側に配置されている。
投射光学装置6は、投射レンズ6aと、反射部材6bと、を有する。投射レンズ6aは、例えば、複数設けられている。複数の投射レンズ6aには、導光系3から射出された光が入射される。反射部材6bは、導光系3から射出され複数の投射レンズ6aを通過した光を反射する反射ミラーである。すなわち、反射部材6bは、光変調装置4RP,4GP,4BPにより変調された光を反射する。本実施形態において反射部材6bは、−X方向から入射された光を、−X方向かつ+Z方向に反射する。反射部材6bによって反射された光は、外装筐体10に設けられた投射口17から外装筐体10の外部に射出され、スクリーンSCRに投射される。このようにして、投射光学装置6は、反射部材6bによって反射された光を投射する。
図3は、プロジェクター1を示す斜視図であって、外装筐体10の一部を破断して示す図である。図4は、プロジェクター1を他の角度から見た斜視図である。図5は、プロジェクター1の一部を示す断面図であって、図3に示すV−V断面図である。図6は、プロジェクター1を−X方向から見た図であって、外装筐体10の一部を破断して示す図である。図7は、プロジェクター1の一部を示す断面図であって、図5に示すVII−VII断面図である。図8は、後述する蓋部19を取り外す際の手順の一部を示す断面図である。
外装筐体10は、プロジェクター1の外装を構成している。外装筐体10は、図3および図4に示すように、複数の壁部で構成された略直方体箱状である。外装筐体10は、第1壁部11と、第2壁部12と、第3壁部13と、第4壁部14と、第5壁部15と、第6壁部16と、を有する。
第1壁部11は、上下方向Zのうち+Z方向を向く壁部であり、第2壁部12は、上下方向Zのうち−Z方向を向く壁部である。第3壁部13は、上下方向Zと交差する左右方向Yのうち−Y方向を向く壁部であり、第4壁部14は、左右方向Yのうち+Y方向を向く壁部である。第5壁部15は、上下方向Zと交差する前後方向Xのうち+X方向を向く壁部であり、第6壁部16は、前後方向Xのうち−X方向を向く壁部である。第1壁部11と第2壁部12とは、上下方向Zに間隔を空けて配置されている。第3壁部13と第4壁部14とは、左右方向Yに間隔を空けて配置されている。第5壁部15と第6壁部16とは、前後方向Xに間隔を空けて配置されている。
なお、本明細書において「外装筐体の或る壁部が或る方向を向く」とは、例えば、或る壁部の外側の壁面における少なくとも半分以上の部分の向きが、或る方向を向く成分を含んで入ればよい。「或る壁部の外側の壁面の向きが或る方向を向く成分を含む」とは、或る壁部を外装筐体の外側から或る方向に沿って見た際に、或る壁部の外側の壁面が視認可能であればよい。すなわち、例えば、「第1壁部11が+Z方向を向く」とは、第1壁部11を+Z方向から見た際に、第1壁部11の上側の壁面の半分以上の部分が視認可能であればよく、第1壁部11の上側の壁面が+Z方向に対して傾斜する面であってもよいし、第1壁部11の上側の壁面の一部が+Z方向と直交する方向を向く部分を含んでいてもよい。
第1壁部11は、図3に示すように、外装筐体10を構成する壁部のうち+Z方向に位置する壁部である。第1壁部11は、+Z方向(第1方向)を向いている。第1壁部11の外形は、上側から見て略正方形状である。第1壁部11には、反射部材6bによって反射された光が通過する投射口17が設けられている。本実施形態において投射口17は、第1壁部11の前端部における左右方向Yの中央部に設けられている。投射口17は、後側斜め上方に向けて開口している。
第2壁部12は、図4に示すように、外装筐体10を構成する壁部のうち−Z方向に位置する壁部である。すなわち、第2壁部12は、第1壁部11に対して+Z方向とは反対の−Z方向に位置する。第2壁部12は、−Z方向を向いている。第2壁部12の外形は、下側から見て略正方形状である。第2壁部12には、外装筐体10の外部の空気を外装筐体10の内部に導入する第1導入口(導入口)80および第2導入口82が設けられている。
本実施形態において第1導入口80は、第2壁部12において+Y方向の端部の−X方向の部分に設けられている。第1導入口80は、例えば、第2壁部12を上下方向Zに貫通する複数の孔部80aによって構成されている。孔部80aは、例えば、左右方向Yに長い長方形状の孔である。本実施形態では、前後方向Xに孔部80aが多数並んだ列が、左右方向Yに2列並んでいる。
図5に示すように、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入される空気は、後述する第1ファン41に吸引される空気AR1と、第3ファン43に吸引される空気AR2と、を含む。第1ファン41に吸引される空気AR1は、第1導入口80の+X方向の部分から外装筐体10の内部に導入される。第3ファン43に吸引される空気AR2は、第1導入口80の−X方向の部分から外装筐体10の内部に導入される。空気AR1が導入される第1導入口80の領域は、空気AR2が導入される第1導入口80の領域よりも小さい。
本実施形態において第2導入口82は、図4に示すように、第2壁部12において−Y方向の端部における+X方向の端部に設けられている。第2導入口82は、例えば、第2壁部12を上下方向Zに貫通する複数の孔部82aによって構成されている。孔部82aは、左右方向Yに長い長方形状の孔である。複数の孔部82aは、例えば、前後方向Xおよび左右方向Yに沿ってマトリクス状に配置されている。
第2壁部12には、複数の脚部18aが設けられている。複数の脚部18aは、第2壁部12から−Z方向に突出している。図1に示すように、各脚部18aの下端部は、設置面Gに接触している。脚部18aによって第2壁部12は、設置面Gから+Z方向に隙間を空けて配置されている。図4に示すように、複数の脚部18aは、例えば、第2壁部12の前端部における左右方向Yの中央部に設けられた1つの脚部18aと、第2壁部12の後端部における左右方向Yの両端部に設けられた一対の脚部18aと、を含む。
第3壁部13は、外装筐体10を構成する壁部のうち−Y方向に位置する壁部である。第3壁部13は、+Z方向と直交する−Y方向(第2方向)を向いている。第3壁部13の外形は、右側から見て前後方向Xに長い略長方形状である。第3壁部13は、第1壁部11の右側の縁部と第2壁部12の右側の縁部とを上下方向Zに繋いでいる。第3壁部13には、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入された空気を含む外装筐体10の内部の空気を、外装筐体10の外部に排出する排出口81が設けられている。本実施形態において排出口81は、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入される空気のうち後述する第1ファン41に吸引される空気AR1を外装筐体10の外部に排出する。
なお、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入される空気のうち後述する第3ファン43に吸引される空気AR2は、排出口81から排出されてもよいし、排出口81の他に設けられた排出口から排出されてもよい。
本実施形態において排出口81は、第3壁部13において+X方向の部分に設けられている。排出口81には、複数のガイド板83が配置されている。複数のガイド板83は、前後方向Xに延びている。図6に示すように、複数のガイド板83の板面は、−Y方向に向かうに従って下側に位置するように傾斜している。複数のガイド板83は、上下方向Zに間隔を空けて並んで配置されている。複数のガイド板83は、排出口81を上下方向Zに沿って複数の孔部81aに分割している。排出口81から排出される空気は、ガイド板83に沿って右側斜め下方に排出される。
第4壁部14は、外装筐体10を構成する壁部のうち+Y方向に位置する壁部である。第4壁部14は、+Y方向を向いている。第4壁部14の外形は、図1に示すように、左側から見て前後方向Xに長い略長方形状である。第4壁部14は、第1壁部11の左側の縁部と第2壁部12の左側の縁部とを上下方向Zに繋いでいる。
第5壁部15は、外装筐体10を構成する壁部のうち前側に位置する壁部である。第5壁部15は、+X方向を向いている。第5壁部15の外形は、前側から見て左右方向Yに長い略長方形状である。第5壁部15は、第1壁部11の前側の縁部と第2壁部12の前側の縁部とを上下方向Zに繋いでいる。第5壁部15は、第3壁部13の前側の縁部と第4壁部14の前側の縁部とを左右方向Yに繋いでいる。
第6壁部16は、図4に示すように、外装筐体10を構成する壁部のうち後側に位置する壁部である。第6壁部16は、+Z方向と交差する−X方向(第3方向)を向いている。第6壁部16の外形は、後側から見て左右方向Yに長い略長方形状である。第6壁部16は、第1壁部11の後側の縁部と第2壁部12の後側の縁部とを上下方向Zに繋いでいる。第6壁部16は、第3壁部13の後側の縁部と第4壁部14の後側の縁部とを左右方向Yに繋いでいる。
第6壁部16には、外部電源を接続するための第1コネクター部91と、コンピューター等の画像信号を出力する外部機器を接続するための第2コネクター部92と、が設けられている。第1コネクター部91および第2コネクター部92は、外装筐体10において−X方向に露出している。第1コネクター部91は、例えば、第6壁部16の下端部における左右方向Yの中央部に設けられている。第2コネクター部92は、例えば、第6壁部16の上端部における左側部分に設けられている。
外装筐体10は、第2壁部12の一部を構成する蓋部19を有する。蓋部19の外形は、下側から見て前後方向Xに長い長方形状である。蓋部19には、第1導入口80が設けられている。本実施形態において蓋部19は、第2壁部12のうち第1導入口80が設けられた部分と、第2壁部12のうち第1導入口80が設けられた部分の周縁部と、を含む。図7に示すように、本実施形態において蓋部19は、第2壁部12と第4壁部14との境界部の一部と、第4壁部14のうち下側の縁部の一部と、を含む。
蓋部19は、蓋部19の上側の面から上側に突出する支持部19aを有する。蓋部19の上側の面は、外装筐体10の内側面の一部である。支持部19aは、外装筐体10の内部に位置する。図示は省略するが、支持部19aは、上下方向Zに見て、第1導入口80を囲む矩形枠状である。支持部19aの左側部分19bは、支持部19aの右側部分19cよりも上側に突出している。
蓋部19は、外装筐体10に対して着脱可能である。蓋部19を取り外す際においてプロジェクター1の使用者は、図7に矢印で示すように、回動軸R4を中心として蓋部19を第1壁部11から離れる−Z方向に回動させる。本実施形態において回動軸R4は、上下方向Zと直交する前後方向Xに延びている。回動軸R4は、蓋部19の右側の端部における下側の端部を通る仮想軸である。プロジェクター1が設置面Gに設置された状態においては、蓋部19を回動軸R4回りに回動させることで、図8に示すように、蓋部19の下側の面の一部が、設置面Gに接触する。
次に、使用者は、図8に矢印で示すように、蓋部19を+Y方向にスライド移動させる。これにより、蓋部19が取り外される。このように本実施形態において蓋部19は、上下方向Zと直交する方向に延びる回動軸R4を中心として第1壁部11から離れる−Z方向に回動させ、上下方向Zおよび回動軸R4の両方と直交する方向にスライド移動させることで取り外し可能となっている。一方、蓋部19を再び取り付ける際において使用者は、蓋部19を+Y方向から−Y方向にスライド移動させて、蓋部19を外装筐体10と設置面Gとの間に挿し込み、回動軸R4を中心として蓋部19を+Z方向に回動させる。これにより、蓋部19を外装筐体10に再び取り付けることができる。
なお、図示は省略するが、蓋部19は、外装筐体10の内部に設けられた被係合部に対して係合する係合部を有する。係合部によって、蓋部19が意図せず外れることが抑制されている。また、蓋部19には、係合部の係合を解除可能な操作部が設けられている。使用者は、操作部を操作することで、係合部の係合を解除することができる。これにより、使用者は、回動軸R4を中心として蓋部19を回動させることが可能となる。係合部は、蓋部19を取り付けた際に被係合部と係合されるようになっている。
プロジェクター1は、図3に示すように、電源装置(第1冷却対象)20をさらに備える。電源装置20は、プロジェクター1に接続された外部電源から供給された電力をプロジェクター1の各部に供給する装置である。電源装置20は、外装筐体10の内部に収容されている。電源装置20は、例えば、外装筐体10の内部のうち+Y方向の端部における−X方向の領域に配置されている。電源装置20は、外装筐体10の内部において上下方向Zの中央領域に位置する。電源装置20は、第4壁部14によって左側から覆われている。電源装置20は、図5に示すように、第1導入口80の−X方向の部分の上側に位置する。電源装置20は、ケース21と、回路基板(第1冷却対象)22と、電子部品23,24と、ヒートシンク25と、を有する。
ケース21は、回路基板22、電子部品23,24、およびヒートシンク25を収容する箱状である。ケース21は、第1開口部21aと、第2開口部21bと、第3開口部21cと、を有する。第1開口部21aは、ケース21を構成する壁部のうち+X方向の壁部に設けられている。第1開口部21aは、+X方向に開口している。第2開口部21bは、ケース21を構成する壁部のうち−X方向の壁部に設けられている。第2開口部21bは、−X方向に開口している。第2開口部21bは、ケース21の内部を介して第1開口部21aと繋がっている。
第2開口部21bの開口面積は、例えば、第1開口部21aの開口面積よりも大きい。第2開口部21bの下側の端部は、例えば、第1開口部21aの下側の端部よりも下側に位置する。第2開口部21bの上側の端部は、例えば、第1開口部21aの上側の端部よりも下側に位置し、かつ、第1開口部21aの下側の端部よりも上側に位置する。
第3開口部21cは、ケース21を構成する壁部のうち+Z方向の壁部に設けられている。より詳細には、第3開口部21cは、ケース21を構成する壁部のうち+Z方向の壁部における−X方向の端部に設けられている。第3開口部21cは、+Z方向に開口している。第1開口部21aおよび第3開口部21cは、ケース21の内部を介して第2開口部21bと繋がっている。
回路基板22は、板面が上下方向Zを向く板状である。回路基板22の板面は、例えば、上下方向Zと直交している。図示は省略するが、回路基板22の板面には、プリント配線が設けられている。回路基板22は、ケース21を構成する壁部のうち+Z方向の壁部に固定されている。回路基板22は、ケース21を構成する壁部のうち+Z方向の壁部から−Z方向に隙間を空けて配置されている。回路基板22は、例えば、第2開口部21bよりも+Z方向に位置する。回路基板22は、例えば、第1開口部21aの+Z方向の端部と上下方向Zにおいて同じ位置に位置する。
電子部品23,24は、回路基板22に取り付けられている。電子部品23および電子部品24は、それぞれ複数ずつ設けられている。電子部品23は、回路基板22の下側の面に取り付けられている。電子部品23は、例えば、上下方向Zの寸法が比較的大きい部品を含む。電子部品23は、例えば、電解コンデンサー等を含む。
電子部品24は、回路基板22の上側の面に取り付けられている。電子部品24は、例えば、電子部品23に比べて上下方向Zの寸法が小さい部品を含む。電子部品24は、例えば、トランジスター等を含む。ヒートシンク25は、回路基板22の下側の面に取り付けられている。ヒートシンク25には、電子部品23,24で生じた熱が伝達される。
プロジェクター1は、信号処理装置(第1冷却対象)50をさらに備える。信号処理装置50は、外部からプロジェクター1に入力された信号を処理してプロジェクター1の各部に伝達する装置である。信号処理装置50は、外装筐体10の内部に収容されている。本実施形態において信号処理装置50は、外装筐体10の内部のうち+Z方向の端部に位置する。信号処理装置50は、例えば、電源装置20の+Z方向に位置する。信号処理装置50は、第1壁部11によって上側から覆われている。信号処理装置50は、第4壁部14によって左側から覆われている。信号処理装置50は、回路基板(第1冷却対象)51と、電子部品52と、ヒートシンク53と、熱伝導部材54と、を有する。
回路基板51は、板面が上下方向Zを向く板状である。回路基板51の板面は、例えば、上下方向Zと直交している。図示は省略するが、回路基板51の板面には、プリント配線が設けられている。回路基板51の少なくとも一部は、上下方向Zに見て、電源装置20の回路基板22と重なっている。本実施形態においては、回路基板51の一部のみが、上下方向Zに見て回路基板22と重なっている。回路基板51の−X方向の端部は、回路基板22の−X方向の端部よりも−X方向に位置する。回路基板51には、第2コネクター部92が電気的に接続されている。これにより、第2コネクター部92に接続された外部機器からの信号は、回路基板51を介して、信号処理装置50に入力される。
電子部品52は、回路基板51の上側の面に取り付けられている。電子部品52は、例えば、複数設けられている。電子部品52は、第2コネクター部92を介して入力された信号を処理するマイクロコンピューターおよび無線信号を受信する受信器等を含む。
ヒートシンク53は、回路基板51の下側の面に熱伝導部材54を介して取り付けられている。ヒートシンク53には、熱伝導部材54を介して、電子部品52で生じた熱が伝達される。熱伝導部材54は、例えば、熱伝導シートである。
プロジェクター1は、図3に示すように、整流装置(第2冷却対象)60をさらに備える。整流装置60は、プロジェクター1に供給される電流を整流する装置である。より詳細には、整流装置60は、第1コネクター部91に接続される外部電源から供給される交流電流を直流電流に変換する。本実施形態では、整流装置60によって整流された電流が電源装置20に供給される。整流装置60は、外装筐体10の内部に収容されている。整流装置60は、例えば、外装筐体10の内部のうち−X方向の端部における−Y方向の領域に配置されている。整流装置60は、外装筐体10の内部のうち−Z方向の端部に位置する。整流装置60は、第6壁部16によって後側から覆われている。整流装置60は、第2壁部12によって下側から覆われている。
整流装置60は、図6に示すように、ケース61と、回路基板62と、電子部品63と、を有する。ケース61は、回路基板62および電子部品63を内部に収容する箱状である。ケース61は、第1開口部61aと、第2開口部61bと、を有する。第1開口部61aは、ケース61を構成する壁部のうち+Y方向の壁部に設けられている。第1開口部61aは、+Y方向に開口している。
第2開口部61bは、ケース61を構成する壁部のうち−Y方向の壁部に設けられている。第2開口部61bは、−Y方向に開口している。第2開口部61bは、ケース61の内部を介して第1開口部61aと繋がっている。第2開口部61bは、排出口81に対して離れて+Y方向に配置されている。第2開口部61bの+Z方向の端部は、排出口81の−Z方向の端部と隙間を介して左右方向Yに対向している。第2開口部61bは、外装筐体10の内部を介して排出口81と繋がっている。
回路基板62は、板面が上下方向Zを向く板状である。回路基板62の板面は、例えば、上下方向Zと直交している。図示は省略するが、回路基板62の板面には、プリント配線が設けられている。電子部品63は、回路基板62の上側の面に取り付けられている。電子部品63は、例えば、複数設けられている。電子部品63は、例えば、ダイオード等を含む。
プロジェクター1は、図5および図6に示すように、第1ファン41と、第2ファン42と、第3ファン43と、第1流通部31と、第2流通部32と、第3流通部33と、第4流通部34と、をさらに備える。第1ファン41、第2ファン42、第3ファン43、第1流通部31、第2流通部32、第3流通部33、および第4流通部34は、外装筐体10の内部に収容されている。
第1ファン41、第2ファン42、および第3ファン43は、それぞれ外装筐体10の内部に収容された冷却対象に空気を送り、冷却対象を冷却するファンである。本実施形態において第1ファン41、第2ファン42、および第3ファン43は、遠心ファンである。第1ファン41、第2ファン42、および第3ファン43は、例えば、シロッコファンである。
本実施形態において第1ファン41は、電源装置20および信号処理装置50に空気AR1を送る。本実施形態において第2ファン42は、整流装置60に空気AR1を送る。本実施形態において第3ファン43は、光変調装置4RP,4GP,4BPに空気AR2を送る。すなわち、本実施形態のプロジェクター1は、冷却対象として、電源装置20、信号処理装置50、整流装置60、および光変調装置4RP,4GP,4BPを備える。また、本実施形態において冷却対象は、第1冷却対象としての電源装置20および信号処理装置50と、第2冷却対象としての整流装置60と、第3冷却対象としての光変調装置4RP,4GP,4BPと、を含む。
第1ファン41は、図5に示すように、第1導入口80の前端部の+Z方向に位置する。第1ファン41は、外装筐体10の内部のうち+Z方向の領域に位置する。第1ファン41は、電源装置20および信号処理装置50に対して+X方向に位置する。すなわち、第1冷却対象の少なくとも一部は、第1ファン41に対して−X方向に位置する。第1ファン41は、例えば、電源装置20の+X方向に隣接して配置されている。第1ファン41は、第1吸気口41aと、第1吐出口41bと、を有する。
第1吸気口41aは、−Z方向に開口している。第1吸気口41aは、第1導入口80の前端部の+Z方向に間隔を空けて配置されている。第1吸気口41aは、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入された空気AR1を吸引する。第1吐出口41bは、第1吸気口41aから吸引した空気AR1を吐出する。第1吐出口41bは、−X方向に開口している。第1吐出口41bから吐出された空気AR1は、電源装置20に送られ、また、後述する第3流通部33を介して信号処理装置50に送られる。本実施形態において第1吐出口41bは、前後方向Xにおいて電源装置20と対向している。第1吐出口41bは、例えば、電源装置20のケース21における第1開口部21aと繋がっている。図示は省略するが、第1ファン41は、内部に回転する羽根を有する。第1ファン41は、例えば、第1ファン41の回転軸R1が上下方向Zに延びるように、外装筐体10の内部に配置されている。
第2ファン42は、前後方向Xに沿って第1ファン41との間で電源装置20を挟む位置に配置されている。すなわち、本実施形態において第1ファン41と第2ファン42との間には、第1冷却対象としての電源装置20の少なくとも一部が位置する。第2ファン42は、例えば、電源装置20の−X方向に隣接して配置されている。第2ファン42は、外装筐体10の内部のうち上下方向Zの中央領域に位置する。第2ファン42は、第2コネクター部92の−Z方向に位置する。図6に示すように、左右方向Yにおいて第2ファン42と第3壁部13との間には、整流装置60が位置する。すなわち、整流装置60は、左右方向Yに沿って第2ファン42と第3壁部13との間に配置される。第2ファン42は、第2吸気口42aと、第2吐出口42bと、を有する。
第2吸気口42aは、+X方向に開口している。第2吸気口42aは、第1ファン41の第1吐出口41bから吐出された空気AR1を吸引する。第2吸気口42aは、電源装置20のケース21における第2開口部21bと繋がっている。第2吐出口42bは、第2吸気口42aから吸引した空気AR1を吐出する。第2吐出口42bは、図6に示すように、−Y方向に開口している。第2吐出口42bから吐出された空気AR1は、後述する第2流通部32を介して整流装置60に送られる。本実施形態において第2吐出口42bは、右側斜め下方に開口している。図示は省略するが、第2ファン42は、内部に回転する羽根を有する。第2ファン42は、例えば、第2ファン42の回転軸R2が前後方向Xに延びるように、外装筐体10の内部に配置されている。すなわち、本実施形態において第1ファン41の回転軸R1が延びる方向と第2ファン42の回転軸R2が延びる方向とは、互いに直交している。
なお、本明細書において「或る対象同士が互いに直交している」とは、或る対象同士が互いに厳密に直交している場合と、或る対象同士が互いに略直交している場合と、を含む。すなわち、本実施形態において第1ファン41の回転軸R1が延びる方向と第2ファン42の回転軸R2が延びる方向とは、互いに厳密に直交していてもよいし、互いに略直交していてもよい。本明細書において「或る対象同士が略直交している」とは、例えば、一方の対象に対する他方の対象の角度が、90°を基準として±15°以内程度である場合を含む。
第3ファン43は、図5に示すように、外装筐体10の内部のうち上下方向Zの中央領域に位置する。第3ファン43は、第1ファン41および第2ファン42に対して−Y方向に位置する。第3ファン43の一部は、左右方向Yに見て、第1ファン41と重なっている。図7に示すように、第3ファン43は、電源装置20よりも−Y方向に位置する。第3ファン43は、第3吸気口43aと、第3吐出口43bと、を有する。
第3吸気口43aは、図5に示すように、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入された空気AR2を吸引する。第3吸気口43aは、+Y方向に開口している。図7に示す第3吐出口43bは、第3吸気口43aから吸引した空気AR2を吐出する。第3吐出口43bは、−X方向に開口している。第3吐出口43bから吐出された空気AR2は、例えば図示しないダクトを介して、光変調装置4RP,4GP,4BPに送られる。図示は省略するが、第3ファン43は、内部に回転する羽根を有する。第3ファン43は、例えば、第3ファン43の回転軸R3が左右方向Yに延びるように、外装筐体10の内部に配置されている。本実施形態において第1ファン41の回転軸R1が延びる方向と第2ファン42の回転軸R2が延びる方向と第3ファン43の回転軸R3が延びる方向とは、互いに直交している。
第1流通部31は、図5に示すように、外装筐体10の内部において、上下方向Zに沿って第2壁部12と第1ファン41との間に位置する。本実施形態において第1流通部31は、上下方向Zに直線状に延びるダクトであり、屈曲していない。第1流通部31は、上下方向Zの両側に開口している。第1流通部31の−Z方向の開口部は、流入口31aである。流入口31aの少なくとも一部は、上下方向Zに見て、第1導入口80と重なっている。第1流通部31の+Z方向の開口部は、流出口31bである。流出口31bは、第1ファン41の第1吸気口41aに繋がっている。
第1流通部31の内部には、第1ファン41に吸引される空気AR1が流通する。第1流通部31の内部には、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入された空気AR1が流入口31aから流入する。第1流通部31の内部に流入した空気AR1は、流出口31bから第1ファン41の第1吸気口41aに流出する。このようにして、第1流通部31は、上下方向Zに延びて、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入された空気AR1を第1吸気口41aまで導く。
第2流通部32は、図6に示すように、外装筐体10の内部において、左右方向Yに沿って第2ファン42と整流装置60との間に位置する。本実施形態において第2流通部32は、左右方向Yに延びるダクトである。第2流通部32の−Y方向の部分は、下側に斜めに傾いて延びている。第2流通部32は、左右方向Yの両側に開口している。第2流通部32の+Y方向の開口部は、流入口32aである。流入口32aは、第2ファン42の第2吐出口42bに繋がっている。第2流通部32の−Y方向の開口部は、流出口32bである。流出口32bは、整流装置60におけるケース61の第1開口部61aに繋がっている。流出口32bは、例えば、右側斜め下方に開口している。
第2流通部32の内部には、第2ファン42から吐出される空気AR1が流通する。第2流通部32の内部には、第2吐出口42bから吐出された空気AR1が流入口32aから流入する。第2流通部32の内部に流入した空気AR1は、流出口32bから整流装置60におけるケース61の第1開口部61aに流出する。このようにして、第2流通部32は、第2吐出口42bから吐出された空気AR1を整流装置60まで導く。
第3流通部33は、図5に示すように、外装筐体10の内部において電源装置20の+Z方向に位置する。本実施形態において第3流通部33は、電源装置20におけるケース21の+Z方向の壁部と、ケース21の+Z方向の壁部に配置されたダクト部材と、によって構成されている。すなわち、第3流通部33の壁部の一部は、ケース21の+Z方向の壁部によって構成されている。第3流通部33は、前後方向Xに延びている。第3流通部33は、前後方向Xの両側に開口している。第3流通部33の+X方向の開口部は、+X方向に開口する流入口33aである。流入口33aは、ケース21の第1開口部21aの+Z方向に位置する。流入口33aは、第1ファン41の第1吐出口41bに繋がっている。第3流通部33の−X方向の開口部は、後側斜め上方に開口する流出口33bである。流出口33bは、信号処理装置50における回路基板51の前端部の−Z方向に隙間を空けて対向して配置されている。
第3流通部33の内部には、第1ファン41から吐出される空気AR1が流通する。第3流通部33の内部には、第1吐出口41bから吐出された空気AR1が流入口33aから流入する。第3流通部33の内部に流入した空気AR1は、流出口33bから回路基板51の−Z方向の面に向けて流出する。このようにして、第3流通部33は、第1吐出口41bから吐出された空気AR1を信号処理装置50まで導く。
第4流通部34は、図5および図7に示すように、外装筐体10の内部において、電源装置20の−Z方向の領域と電源装置20の−Y方向の領域とに跨って位置する。本実施形態において第4流通部34は、ダクトである。図7に示すように、第4流通部34は、−Z方向に開口する流入口34aと、−Y方向に開口する流出口34bと、を有する。流入口34aは、第1導入口80の+Z方向に位置する。流出口34bは、流入口34aに対して+Z方向かつ−Y方向に位置する。流出口34bは、第3ファン43の第3吸気口43aに繋がっている。
第4流通部34の内部には、第3ファン43に吸引される空気AR2が流通する。第4流通部34の内部には、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入された空気AR2が流入口34aから流入する。第4流通部34の内部に流入した空気AR2は、流出口34bから第3ファン43の第3吸気口43aに流出する。このようにして、第4流通部34は、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入された空気AR2を第3吸気口43aまで導く。
プロジェクター1は、図5に示すように、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入された空気が通過するエアフィルター70をさらに備える。エアフィルター70は、外装筐体10の内部において、上下方向Zに沿って第1導入口80に対向して配置されている。本実施形態においてエアフィルター70は、蓋部19に取り付けられている。エアフィルター70は、枠部70aと、本体部73と、を有する。
枠部70aは、枠部本体71と、仕切壁部72と、を有する。枠部本体71は、長方形枠状である。図7に示すように、枠部本体71は、第2壁部12によって下側から支持されている。より詳細には、枠部本体71は、蓋部19の支持部19aによって下側から支持されている。
ここで、上述したように、支持部19aの左側部分19bは、支持部19aの右側部分19cよりも+Z方向に突出している。そのため、支持部19aによって−Z方向から支持された枠部本体71は、+Y方向に向かうに従って+Z方向に位置するように傾いて配置されている。これにより、エアフィルター70は、外装筐体10の内部において、蓋部19を取り外す際に蓋部19をスライド移動させる方向、すなわち+Y方向に向かうに従って第1壁部11に近づく方向に傾いて配置されている。本実施形態では、図8に示すように、蓋部19を設置面Gと接触するまで回動軸R4回りに回動させた状態において、エアフィルター70は、上下方向Zと直交する面に沿った姿勢となる。
枠部本体71と支持部19aとの間には、弾性部材75が配置されている。弾性部材75は、枠部本体71の形状に沿った矩形枠状である。弾性部材75は、枠部本体71に対して、枠部本体71を支持部19aから離す+Z方向に弾性力を加えている。本実施形態において弾性部材75は、枠部本体71に対して上側斜め右方に弾性力を加えている。弾性部材75は、例えば、ゴム製である。弾性部材75によって枠部本体71と支持部19aとの間が封止されている。
仕切壁部72は、枠部本体71の+Y方向の部分から枠部本体71の−Y方向の部分まで延びている。仕切壁部72は、図5に示すように、枠部本体71の内側を前後方向Xに仕切っている。これにより、枠部70aは、矩形枠状の部分が前後方向Xに2つ連結された形状となっている。枠部70aの+Z方向の端部は、封止部材74を介して、第1流通部31における流入口31aの周縁部、および第4流通部34における流入口34aの周縁部に接触している。
封止部材74は、流入口31a,34aの周縁部と枠部70aの+Z方向の端部との間を封止している。封止部材74は、枠部70aの形状に沿った矩形枠状である。封止部材74は、例えば、ゴム製である。封止部材74は、第1流通部31における流入口31aの周縁部、および第4流通部34における流入口34aの周縁部に固定されている。本実施形態においては、枠部本体71が弾性部材75によって+Z方向に向けて弾性力を受けているため、枠部70aが−Z方向から封止部材74に押し付けられている。これにより、枠部70aと封止部材74とが好適に密着した状態となり、封止部材74による封止性を好適に得られる。仕切壁部72は、第1流通部31における流入口31aの周縁部に対して封止部材74を介して間接的に接触している。
なお、図8に示すように、蓋部19を設置面Gと接触するまで回動軸R4回りに回動させた状態において、エアフィルター70は、封止部材74から−Z方向に離れた状態となる。これにより、蓋部19をスライド移動させて引き抜く際に、封止部材74が抵抗となることを抑制できる。
本体部73は、図5に示すように、枠部70aの内側の全体に設けられている。本体部73の外周縁部は、枠部70aの内周縁部に接続されている。本体部73は、例えば、複数の折りひだを有する形状である。本体部73は、例えば、乾式のフィルターである。なお、本体部73は、湿式のフィルターであってもよい。本体部73は、第1フィルター部73aと、第2フィルター部73bと、を有する。
第1フィルター部73aは、枠部70aの内側のうち仕切壁部72によって仕切られた+X方向の部分に設けられている。第2フィルター部73bは、枠部70aの内側のうち仕切壁部72によって仕切られた−X方向の部分に設けられている。すなわち、仕切壁部72は、第1フィルター部73aと第2フィルター部73bとを仕切っている。
第1フィルター部73aは、本体部73のうち第1流通部31の流入口31aと対向している部分である。第1フィルター部73aには、第1流通部31に流入する空気AR1が通過する。すなわち、第1流通部31には、エアフィルター70を通過した後の空気AR1が流入する。第2フィルター部73bは、本体部73のうち第4流通部34の流入口34aと対向している部分である。第2フィルター部73bは、第1フィルター部73aに対して−X方向に位置する。第2フィルター部73bには、第3ファン43の第3吸気口43aに吸引される空気AR2が通過する。すなわち、第3吸気口43aには、エアフィルター70を通過した後の空気AR2が吸引される。第2フィルター部73bの前後方向Xに沿う寸法は、第1フィルター部73aの前後方向Xに沿う寸法よりも大きい。
プロジェクター1は、仕切部材100をさらに備える。仕切部材100は、第1導入口80とエアフィルター70との間の空間を、第1空間S1と、第2空間S2と、に仕切る部材である。第1空間S1は、第1フィルター部73aを介して第1ファン41の第1吸気口41aに繋がっている。第2空間S2は、第2フィルター部73bを介して第3ファン43の第3吸気口43aに繋がっている。第2空間S2は、第1空間S1に対して−X方向に位置する。第2空間S2の容積は、例えば、第1空間S1の容積よりも大きい。仕切部材100は、仕切壁部72に接続されている。より詳細には、仕切部材100の+Z方向の端部は、仕切壁部72の−Z方向の端部に接続されている。本実施形態では、仕切部材100の+Z方向側の端部は、仕切壁部72の−Z方向の端部に−Z方向から押し付けられて接触している。仕切部材100の−Z方向の端部は、蓋部19の+Z方向の面に固定されている。仕切部材100は、例えば、板面が前後方向Xを向く板状である。
次に、プロジェクター1内の空気の流れについて詳細に説明する。第1ファン41および第3ファン43が駆動することで、外装筐体10の外部の空気が、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入される。本実施形態においては、設置面Gと第2壁部12との間の空気が、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入される。外装筐体10の内部に導入された空気のうち第1空間S1に導入された空気AR1は、第1フィルター部73aを介して第1流通部31内に流入し、第1流通部31内を+Z方向に流れて第1ファン41の第1吸気口41aに吸引される。第1ファン41に吸引された空気AR1は、第1吐出口41bから−X方向に向けて吐出される。第1吐出口41bから吐出された空気AR1は、第1開口部21aから電源装置20のケース21の内部に流入する空気AR1aと、流入口33aから第3流通部33に流入する空気AR1bと、に分岐する。
ケース21の内部に流入した空気AR1aは、電源装置20の電子部品23およびヒートシンク25に吹き付けられる。これにより、空気AR1aによって電子部品23およびヒートシンク25から熱を奪うことができる。したがって、電源装置20を冷却できる。電子部品23およびヒートシンク25を通過した空気AR1aは、第2開口部21bを介して第2ファン42の第2吸気口42aに吸引される。
一方、第3流通部33の内部に流入した空気AR1bは、第3流通部33内を−X方向に流れて、流出口33bから後側斜め上方に吐出される。第3流通部33から吐出された空気AR1bは、信号処理装置50の回路基板51およびヒートシンク53に吹き付けられる。これにより、空気AR1bによって回路基板51およびヒートシンク53から熱を奪うことができる。したがって、信号処理装置50を冷却できる。回路基板51およびヒートシンク53に吹き付けられた空気AR1bは、回路基板51の−Z方向の面またはヒートシンク53の−Z方向の面に沿って−X方向に流れる。回路基板51およびヒートシンク53を通過した空気AR1bは、電源装置20のケース21における第3開口部21cを介してケース21の内部に流入する。ケース21の内部に流入した空気AR1bは、空気AR1aと合流して、第2開口部21bから第2ファン42の第2吸気口42aに吸引される。以上のように、本実施形態では、第1ファン41の第1吐出口41bから吐出された空気AR1は、分岐して電源装置20と信号処理装置50とのそれぞれに送られる。
第2吸気口42aから第2ファン42に吸引された空気AR1は、図6に示すように、第2吐出口42bから−Y方向に吐出される。第2吐出口42bから吐出された空気AR1は、流入口32aから第2流通部32の内部に流入する。第2流通部32の内部に流入した空気AR1は、第2流通部32内を−Y方向に流れて、第1開口部61aから整流装置60におけるケース61の内部に流入する。
ケース61の内部に流入した空気AR1は、整流装置60の回路基板62および電子部品63に吹き付けられる。これにより、空気AR1によって回路基板62および電子部品63から熱を奪うことができる。したがって、整流装置60を冷却できる。回路基板62および電子部品63を通過した空気AR1は、第2開口部61bを介してケース61内から排出される。ケース61内から排出された空気AR1は、外装筐体10内を−Y方向に流れて、排出口81から外装筐体10の外部に排出される。これにより、空気AR1が各冷却対象から奪った熱を外装筐体10の外部に放出できる。
一方、図5に示すように、外装筐体10の内部に導入された空気のうち第2空間S2に導入された空気AR2は、第2フィルター部73bを介して第4流通部34内に流入し、第3ファン43の第3吸気口43aに吸引される。図示は省略するが、第3ファン43に吸引された空気AR2は、第3吐出口43bから吐出され、光変調装置4RP,4GP,4BPに送られる。これにより、空気AR2によって光変調装置4RP,4GP,4BPを冷却できる。光変調装置4RP,4GP,4BPを冷却した後の空気AR2は、例えば、排出口81から外装筐体10の外部に排出される。これにより、空気AR2が光変調装置4RP,4GP,4BPから奪った熱を外装筐体10の外部に放出できる。
また、外装筐体10の内部に収容された図示しないファンが駆動することで、外装筐体10の外部の空気が、第2導入口82から外装筐体10の内部に導入される。第2導入口82から外装筐体10の内部に導入された空気は、例えば、図示しないファンによって吸引されて、光源2に取り付けられたヒートシンクに送られる。これにより、光源2が冷却される。第1導入口80と異なり、第2導入口82に対してはエアフィルターが設けられていない。すなわち、第2導入口82から外装筐体10の内部に導入される空気は、エアフィルターを通過せずに、光源2に取り付けられたヒートシンクに送られる。この場合であっても、光源2に直接空気を送らずに、ヒートシンクに空気を送ることで、光源2に埃等が付着することを抑制できる。なお、第1導入口80と同様に、第2導入口82に対してエアフィルターが設けられていてもよい。
例えば、電源装置20および信号処理装置50等、プロジェクター1に備えられた冷却対象は、外装筐体10の内部において第2壁部12から上側に離れた位置に配置されやすい。そのため、例えば、第2壁部12に設けられた第1導入口80から外装筐体10の内部に空気を導入する場合に、第2壁部12にファンを設けると、ファンの吐出口から吐出された空気が冷却対象に届くまでの経路が長くなり、冷却対象を好適に冷却できない虞があった。
これに対して、本実施形態によれば、第1流通部31は、外装筐体10の内部において上下方向Zに沿って第2壁部12と第1ファン41との間に位置し、かつ、上下方向Zに延びて、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入された空気AR1を第1吸気口41aまで導く。そのため、第1ファン41を第2壁部12から+Z方向に離して配置しても、第1流通部31によって第1ファン41まで好適に空気AR1を導くことができる。これにより、上下方向Zにおける第1ファン41の位置を、第2壁部12から+Z方向に離れて配置されやすい第1冷却対象の上下方向Zにおける位置に近づけつつ、第1ファン41に好適に空気AR1を吸引させることができる。また、第1冷却対象の少なくとも一部は、第1ファン41に対して−X方向に位置し、第1吐出口41bは、−X方向に開口している。すなわち、第1ファン41の第1吐出口41bは、第1ファン41に対して第1冷却対象の少なくとも一部が配置されたのと同じ側に開口している。そのため、第1吐出口41bから吐出された空気AR1を第1冷却対象に送りやすい。これらにより、第1ファン41の第1吐出口41bから吐出された空気AR1が第1冷却対象に届くまでの経路を短くできる。したがって、第1冷却対象を第1ファン41から送られる空気AR1によって好適に冷却することができる。すなわち、本実施形態では、第1冷却対象である電源装置20および信号処理装置50を好適に冷却できる。
また、本実施形態のようにプロジェクター1を設置面Gに据え置いて使用する場合、第2壁部12が底壁部となる。この場合、第1ファン41に吸引される空気AR1は、第1導入口80を介して第2壁部12と設置面Gとの間から外装筐体10の内部に導入される。そのため、例えば、複数のプロジェクター1が左右方向Yに隣り合って配置されていても、一のプロジェクター1の排出口81から排出された比較的温度の高い空気が、他のプロジェクター1の外装筐体10の内部に導入されにくい。これにより、温度が比較的低い空気を外装筐体10の内部に導入しやすい。したがって、第1ファン41によって第1冷却対象をより好適に冷却しやすい。
また、本実施形態のようにプロジェクター1を設置面Gに据え置いて使用する場合、第2壁部12の外側面が下側を向くため、プロジェクター1を天吊りする場合と異なり、第2壁部12の外側面に埃等が溜まりにくい。これにより、第2壁部12に設けられた第1導入口80から外装筐体10の内部に導入される空気に、埃等が混入しにくくできる。
また、本実施形態によれば、第1冷却対象は、電源装置20と信号処理装置50との複数設けられ、第1ファン41の第1吐出口41bから吐出された空気AR1は、分岐して複数の第1冷却対象のそれぞれに送られる。そのため、複数の第1冷却対象をそれぞれ好適に冷却できる。本実施形態では、電源装置20と信号処理装置50とをそれぞれ好適に冷却できる。
また、本実施形態によれば、第1冷却対象は、電源装置20を含む。電源装置20は、発熱量が比較的大きくなりやすい。そのため、電源装置20を第1ファン41によって好適に冷却できることで、プロジェクター1全体の冷却効率を向上できる。
また、本実施形態によれば、導光系3は、光源2と電源装置20との間に位置する。そのため、例えば電源装置20を導光系3に対して−Z方向に配置する場合等に比べて、プロジェクター1を上下方向Zに小さくできる。これにより、プロジェクター1を上下方向Zに小型化しやすい。また、導光系3をプロジェクター1の左右方向Yにおける中央部に配置できるため、導光系3によって光が導かれる投射光学装置6もプロジェクター1の左右方向Yにおける中央部に配置できる。そのため、反射部材6bによって反射された光が通過する投射口17をプロジェクター1の左右方向Yにおける中央部に配置できる。これにより、プロジェクター1の左右方向Yの中央部からカラー画像(映像)をスクリーンSCRに投射することができる。したがって、使用者がプロジェクター1の位置を調整する際に、スクリーンSCRに対してプロジェクター1の左右方向Yの位置を調整しやすい。そのため、使用者の利便性を向上できる。
また、本実施形態によれば、第1冷却対象は、回路基板22,51を含む。回路基板22には、電子部品23,24が取り付けられ、回路基板51には、電子部品52が取り付けられているため、発熱量が比較的大きくなりやすい。そのため、回路基板22,51を第1ファン41によって好適に冷却できることで、プロジェクター1全体の冷却効率を向上できる。
また、本実施形態によれば、第2ファン42が設けられ、第2ファン42の第2吐出口42bから吐出された空気AR1は、第2冷却対象である整流装置60に送られる。そのため、第2ファン42によって整流装置60を冷却することができる。また、第2ファン42は、第1ファン41の第1吐出口41bから吐出された空気AR1を吸引する第2吸気口42aを有し、第1ファン41と第2ファン42との間には、第1冷却対象である電源装置20の少なくとも一部が位置する。そのため、第1ファン41の第1吐出口41bから吐出されて第1冷却対象を冷却した後の空気AR1を、第2ファン42の第2吸気口42aに吸引させやすい。これにより、第1ファン41から吐出された空気AR1を、第2ファン42によって第2冷却対象に送りやすい。したがって、第1冷却対象と第2冷却対象とを順に効率よく冷却することができる。
また、本実施形態によれば、第2冷却対象である整流装置60は、左右方向Yに沿って第2ファン42と第3壁部13との間に配置される。そのため、第2吐出口42bから吐出されて第2冷却対象に送られた後の空気AR1を、第3壁部13に設けられた排出口81へと送りやすい。これにより、各冷却対象から熱を奪った空気AR1を好適に外装筐体10の外部へと排出できる。したがって、プロジェクター1の内部で生じた熱をプロジェクター1の外部に好適に放出できる。
また、第1ファン41から第1冷却対象に送られる空気AR1の流れる方向に対して交差する方向に、第2ファン42から第2冷却対象に空気AR1を送ることができる。そのため、外装筐体10の内部において、外装筐体10を構成する壁部のうち2つの壁部のそれぞれの内側面に沿って好適に空気AR1を流しやすい。具体的に本実施形態では、図3に示すように、第1ファン41から送られる空気AR1は、第4壁部14の内側面に沿って−X方向に流れ、第2ファン42から送られる空気AR1は、第6壁部16の内側面に沿って−Y方向に流れる。すなわち、本実施形態では、外装筐体10の内部のうち外周縁部を略L字状に空気AR1が流れる。これにより、外装筐体10の内部において効率的に空気AR1の流れる経路を確保しやすい。したがって、第1導入口80から排出口81まで外装筐体10の内部を流れる空気AR1によって、複数の冷却対象を好適に冷却できる。
また、本実施形態によれば、第1ファン41の回転軸R1が延びる方向と第2ファン42の回転軸R2が延びる方向とは、互いに直交している。そのため、第1ファン41および第2ファン42を遠心ファンとした場合に、第1ファン41の第1吐出口41bと第2ファン42の第2吸気口42aとが対向して開口した状態で、第1ファン41および第2ファン42を配置しやすい。すなわち、本実施形態では、第1吐出口41bを−X方向に開口させ、かつ、第2吸気口42aを+X方向に開口させた状態で、第1ファン41および第2ファン42を配置しやすい。これにより、第1吐出口41bから吐出された空気AR1を第2吸気口42aへと吸引させやすい。したがって、第1ファン41から第2ファン42まで流れる空気AR1に損失が生じにくくでき、各ファンの送風効率を向上できる。
また、本実施形態によれば、第2ファン42の第2吐出口42bから吐出された空気AR1を第2冷却対象である整流装置60に導く第2流通部32が設けられている。そのため、整流装置60へと空気AR1を好適に送ることができる。これにより、第2冷却対象である整流装置60を好適に冷却できる。
また、本実施形態によれば、第2冷却対象は、プロジェクター1に供給される電流を整流する整流装置60を含む。整流装置60は、発熱量が比較的多くなりやすい。そのため、第2ファン42によって整流装置60を好適に冷却できることで、プロジェクター1全体の冷却効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入された空気が通過するエアフィルター70が設けられている。第1流通部31には、エアフィルター70を通過した後の空気AR1が流入する。そのため、外装筐体10の外部の空気に埃等の異物が混入していても、異物をエアフィルター70で除去できる。これにより、第1流通部31から第1冷却対象である電源装置20および信号処理装置50に送られる空気AR1に異物が混入することを抑制できる。したがって、電源装置20および信号処理装置50に異物が付着することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入された空気AR2を吸引する第3吸気口43aおよび第3吸気口43aから吸引した空気AR2を吐出する第3吐出口43bを有する第3ファン43が設けられている。第3吐出口43bから吐出された空気AR2は、光変調装置4RP,4GP,4BPに送られる。そのため、第1導入口80から導入された空気の一部を利用して、光変調装置4RP,4GP,4BPを冷却することができる。また、第1ファン41に吸引される空気AR1が導入される第1導入口80と同一の導入口から第3ファン43の吸気を行うことができるため、外装筐体10に設けられる導入口の数を少なくできる。
また、第3吸気口43aには、エアフィルター70を通過した後の空気AR2が吸引される。そのため、光変調装置4RP,4GP,4BPに送られる空気AR2に異物が混入することを抑制できる。したがって、光変調装置4RP,4GP,4BPに異物が付着することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、エアフィルター70は、第1流通部31に流入する空気AR1が通過する第1フィルター部73aと、第3ファン43の第3吸気口43aに吸引される空気AR2が通過する第2フィルター部73bと、第1フィルター部73aと第2フィルター部73bとを仕切る仕切壁部72と、を有する。第1導入口80とエアフィルター70との間の空間を、第1フィルター部73aを介して第1ファン41の第1吸気口41aに繋がる第1空間S1と、第2フィルター部73bを介して第3ファン43の第3吸気口43aに繋がる第2空間S2と、に仕切る仕切部材100が設けられている。そのため、第1導入口80から外装筐体10の内部に導入される空気は、第1空間S1に流入する空気AR1と、第2空間S2に流入する空気AR2と、に分かれて導入される。また、仕切部材100は、仕切壁部72に接続されている。そのため、第1空間S1と第2空間S2とに分かれて導入された空気は、仕切壁部72によって仕切られた第1フィルター部73aと第2フィルター部73bとのそれぞれを通過して、各ファンの吸気口に吸引される。これにより、各ファンの出力に違いがあるような場合であっても、各ファンのそれぞれに空気を好適に吸引させることができる。
具体的には、例えば、第3ファン43の出力が第1ファン41の出力よりも大きい場合に、仕切部材100および仕切壁部72が設けられていない場合、第1導入口80のうち第1流通部31と上下方向Zに重なる部分から外装筐体10の内部に導入された空気の一部が、第3ファン43の吸引力によって第4流通部34内に流れる虞がある。そのため、第1ファン41に吸引される空気AR1の量が少なくなり、第1冷却対象および第2冷却対象に送られる空気AR1の量が少なくなる虞がある。これに対して、仕切部材100が設けられていることで、第1空間S1に流入した空気AR1が、第2空間S2へと流れることが抑制される。また、仕切部材100と接続された仕切壁部72が設けられることで、第1空間S1に流入した空気AR1が第2フィルター部73bを通過することを抑制できる。そのため、第1空間S1から第1ファン41に吸引される空気AR1の量が少なくなることを抑制できる。これにより、第1冷却対象および第2冷却対象に送られる空気AR1の量が少なくなることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、外装筐体10は、第1導入口80が設けられ外装筐体10に対して着脱可能な蓋部19を有する。エアフィルター70は、蓋部19に取り付けられている。そのため、蓋部19を取り外すことで、エアフィルター70も取り外すことができる。これにより、エアフィルター70を容易に交換できる。
また、本実施形態によれば、蓋部19は、上下方向Zと直交する方向に延びる回動軸R4を中心として第1壁部11から離れる−Z方向に回動し、上下方向Zおよび回動軸R4の両方と直交する方向にスライド移動することで取り外し可能となっている。そのため、本実施形態のようにプロジェクター1を設置面Gに据え置いて使用する場合に、第2壁部12と設置面Gとの間から上下方向Zと直交する方向に蓋部19をスライド移動させることで、蓋部19を取り外すことができる。これにより、例えばプロジェクター1を裏返す等、プロジェクター1の位置を動かすことなく、蓋部19とともにエアフィルター70を取り外すことができる。したがって、使用者の利便性を向上できる。
また、本実施形態によれば、エアフィルター70は、外装筐体10の内部において、蓋部19を取り外す際に蓋部19をスライド移動させる+Y方向に向かうに従って第1壁部11に近づく+Z方向に傾いて配置されている。そのため、蓋部19を取り外す際に、回動軸R4を中心として蓋部19を−Z方向に回動させると、エアフィルター70を上下方向Zと直交する面に沿った姿勢にしやすい。これにより、蓋部19をスライド移動させて引き出した際に、エアフィルター70を交換しやすい。また、蓋部19が取り付けられた状態においてエアフィルター70が上下方向Zと直交する平面に沿った姿勢となっている場合に比べて、エアフィルター70の−Y方向の部分の位置を−Z方向に下げやすい。これにより、蓋部19が取り付けられた状態において、エアフィルター70の−Y方向の部分の+Z方向に空気AR1,AR2が流れる流路を大きく確保しやすい。また、蓋部19が取り付けられた状態においてエアフィルター70が上下方向Zと直交する平面に沿った姿勢となっている場合に比べて、エアフィルター70の+Y方向の部分を+Z方向に上げやすい。これにより、蓋部19の+Y方向の部分の位置を+Z方向に上げやすい。したがって、プロジェクター1が設置面Gに設置された状態において、蓋部19の回動可能な角度を大きく確保しやすい。
なお、本発明の実施形態は上述した実施形態に限られず、下記の構成を採用することもできる。
第1流通部、第2流通部、第3流通部、および第4流通部は、それぞれ空気が流通可能ならば、ダクトでなくてもよく、特に限定されない。第1流通部、第2流通部、第3流通部、および第4流通部は、例えば、外装筐体の壁部に設けられた孔によって構成されてもよい。
第1ファンの種類、第2ファンの種類、および第3ファンの種類は、特に限定されない。第1ファン、第2ファン、および第3ファンは、軸流ファンであってもよい。第1ファンの種類と第2ファンの種類と第3ファンの種類とは、互いに異なっていてもよい。各ファンの配置および姿勢は、特に限定されない。例えば、第1ファンの回転軸が延びる方向と第2ファンの回転軸が延びる方向とは、平行であってもよい。第2ファンは、設けられてなくてもよい。第3ファンは、設けられなくてもよい。
エアフィルターの種類および構造は、特に限定されない。エアフィルターは、設けられなくてもよい。エアフィルターは、仕切壁部を有しなくてもよい。エアフィルターは、蓋部に取り付けられていなくてもよい。蓋部は、どのように取り外される構成であってもよい。仕切部材は、設けられていなくてもよい。電源装置の配置される位置は、特に限定されない。電源装置は、導光系に対して第1方向に配置されてもよい。
また、第1冷却対象および第2冷却対象は、特に限定されない。第1冷却対象および第2冷却対象は、光変調装置と、光変調ユニットと、光源と、光源から射出された光の波長を変換する波長変換素子と、光源から射出された光を拡散する拡散素子と、光源から射出された光の偏光方向を変換する偏光変換素子とのうちの少なくとも一つを含んでもよい。
第1冷却対象は、1つのみ設けられてもよい。この場合、第1ファンの第1吐出口から吐出された空気は、分岐せず、1つの第1冷却対象に送られる。第1冷却対象の一部は、第1ファンに対して、第1方向と交差する第3方向に位置していなくてもよい。第2冷却対象は、複数設けられてもよい。この場合、第2ファンの第2吐出口から吐出された空気は、分岐して複数の第2冷却対象のそれぞれに送られてもよい。第2冷却対象は、設けられなくてもよい。この場合、第2ファンは、設けられない。
第1方向は、特に限定されず、上下方向のうち一方側でなくてもよい。第3方向は、第1方向と交差する方向であればよく、第1方向と直交しない方向であってもよい。第2方向と第3方向とは、互いに直交せずに交差する方向であってもよいし、互いに平行な方向であってもよい。第2方向と第3方向とは、同じ方向であってもよい。
上述した実施形態のプロジェクター1は、据え置き型のプロジェクターとしたが、これに限られない。本発明が適用されるプロジェクターは、天吊り型のプロジェクターであってもよい。
また、上記実施形態において、透過型のプロジェクターに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型のプロジェクターにも適用することも可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む光変調装置が光を透過するタイプであることを意味する。「反射型」とは、光変調装置が光を反射するタイプであることを意味する。なお、光変調装置は、液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、上記実施形態において、3つの光変調装置を用いたプロジェクターの例を挙げたが、本発明は、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクター、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクターにも適用可能である。
また、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。