JP2021102991A - ディスクブレーキのベンチレーテッドロータ - Google Patents

ディスクブレーキのベンチレーテッドロータ Download PDF

Info

Publication number
JP2021102991A
JP2021102991A JP2019235119A JP2019235119A JP2021102991A JP 2021102991 A JP2021102991 A JP 2021102991A JP 2019235119 A JP2019235119 A JP 2019235119A JP 2019235119 A JP2019235119 A JP 2019235119A JP 2021102991 A JP2021102991 A JP 2021102991A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction disk
fins
fin
recess
holding portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019235119A
Other languages
English (en)
Inventor
将 八木橋
Masaru Yagihashi
将 八木橋
雅仁 水野
Masahito Mizuno
雅仁 水野
勝弥 岡山
Katsuya Okayama
勝弥 岡山
史生 中島
Fumio Nakajima
史生 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Advics Co Ltd
Original Assignee
Advics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Advics Co Ltd filed Critical Advics Co Ltd
Priority to JP2019235119A priority Critical patent/JP2021102991A/ja
Publication of JP2021102991A publication Critical patent/JP2021102991A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

【課題】一例として、容易に製造可能なディスクブレーキのベンチレーテッドロータを得る。【解決手段】実施形態に係るディスクブレーキのベンチレーテッドロータは、一例として、第1の外面及び第1の内面を有し、前記第1の内面に複数の第1の凹部が設けられた、第1の摩擦部材と、第2の外面、第2の内面、及び前記第2の内面から突出する複数の第1のフィンを有し、前記複数の第1のフィンが前記複数の第1の凹部に収容され、前記複数の第1のフィンの間に複数の通風口が形成される、第2の摩擦部材と、車輪に固定され、前記第1及び/又は第2の摩擦部材に接触する連結部材と、第1の保持部、第2の保持部、及び前記第1の保持部と前記第2の保持部との間で延びる延部をそれぞれが有し、前記第1の保持部と前記第2の保持部との間に位置する前記第1の摩擦部材、前記第2の摩擦部材、及び前記連結部材を、互いに固定する複数の固定具と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、ディスクブレーキのベンチレーテッドロータに関する。
従来、通風口が設けられたベンチレーテッドロータを備えるディスクブレーキが知られている。通風口は、例えば、中子を用いた鋳造により、又は片面を機械加工された二つの成形品を貼り合せることにより、ロータの内部に形成される(特許文献1)。
特開2004−68826号公報
しかしながら、従来の構成では、例えば、中子を使った鋳造工程の複雑さ、機械加工による材料の無駄及び工具の消耗、そして接着剤の熱処理にかかる時間のような種々の要因により、ベンチレーテッドロータの製造コストが嵩んでしまう。また、材料も鋳造可能なものに限定されてしまう。このように、ベンチレーテッドロータの製造には、容易化する余地がある。
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたものであり、容易に製造可能なディスクブレーキのベンチレーテッドロータを提供する。
本発明の実施形態に係るディスクブレーキのベンチレーテッドロータは、一例として、制動時に第1のブレーキパッドに接触する第1の外面と、前記第1の外面の反対側に位置する第1の内面と、を有し、前記第1の内面に複数の第1の凹部が設けられた、第1の摩擦部材と、前記第1のブレーキパッドと対向して配置される第2のブレーキパッドに制動時に接触する第2の外面と、前記第2の外面の反対側に位置するとともに間隔を介して前記第1の内面に向く第2の内面と、前記第2の内面から突出する複数の第1のフィンと、を有し、前記複数の第1のフィンの先端部が前記複数の第1の凹部に収容され、前記複数の第1のフィンの間に複数の通風口が形成される、第2の摩擦部材と、車両の車輪に固定され、前記第1の摩擦部材及び前記第2の摩擦部材のうち少なくとも一方に接触する連結部材と、第1の保持部と、第2の保持部と、前記第1の保持部と前記第2の保持部との間で延びる延部と、をそれぞれが有し、前記第1の保持部と前記第2の保持部との間に位置する前記第1の摩擦部材、前記第2の摩擦部材、及び前記連結部材を、互いに固定する複数の固定具と、を備える。よって、一例としては、ベンチレーテッドロータが容易に製造可能となる。
図1は、第1の実施形態のブレーキロータを概略的に示す正面図である。 図2は、第1の実施形態のブレーキロータを、図1のF2−F2線に沿って概略的に示す断面図である。 図3は、第1の実施形態の第1の摩擦円盤を概略的に示す正面図である。 図4は、第1の実施形態のブレーキロータの一部を、図1のF4−F4線に沿って概略的に示す断面図である。 図5は、第2の実施形態のブレーキロータの一部を概略的に示す断面図である。 図6は、第3の実施形態の第1の摩擦円盤を概略的に示す正面図である。 図7は、第4の実施形態のブレーキロータを概略的に示す正面図である。 図8は、第5の実施形態のブレーキロータの一部を概略的に示す断面図である。 図9は、第6の実施形態のブレーキロータの一部を概略的に示す断面図である。 図10は、第6の実施形態の変形例のブレーキロータの一部を概略的に示す断面図である。 図11は、第7の実施形態のブレーキロータの一部を概略的に示す断面図である。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明について、複数の表現が記載されることがある。複数の表現がされた構成要素及び説明は、記載されていない他の表現がされても良い。さらに、複数の表現がされない構成要素及び説明も、記載されていない他の表現がされても良い。
図1は、第1の実施形態のブレーキロータ10を概略的に示す正面図である。図2は、第1の実施形態のブレーキロータ10を、図1のF2−F2線に沿って概略的に示す断面図である。
図2に示すように、車両1は、ディスクブレーキ5と、ハブ6と、車輪7とを有する。ディスクブレーキ5は、ブレーキロータ10と、第1のブレーキパッド11と、第2のブレーキパッド12とを有する。図2は、ハブ6、車輪7、第1のブレーキパッド11、及び第2のブレーキパッド12を二点鎖線で模式的に示す。ブレーキロータ10は、ベンチレーテッドロータの一例であり、ディスクロータとも称され得る。
ハブ6は、車両1の車軸に設けられる。ハブ6に、ディスクブレーキ5のブレーキロータ10と、車輪7とが取り付けられる。第2のブレーキパッド12は、第1のブレーキパッド11と対向して配置される。ブレーキロータ10は、第1のブレーキパッド11と第2のブレーキパッド12との間に位置する。
ハブ6、車輪7、及びブレーキロータ10は、車軸の回転中心Axと同心上に配置される。ハブ6、車輪7、及びブレーキロータ10は、回転中心Axまわりに一体的に回転することが可能である。
以下、回転中心Axに沿う方向を軸方向、回転中心Axと直交する方向を径方向、そして回転中心Axまわりに回転する方向を周方向又は回転方向と称する。軸方向は、回転中心Axに沿う一方向及び他方向を含む。径方向は、回転中心Axと直交する複数の方向を含む。周方向(回転方向)は、回転中心Axまわりに回転する一方向及び他方向を含む。
ディスクブレーキ5は、キャリパにより第1のブレーキパッド11及び第2のブレーキパッド12をブレーキロータ10に押し付ける。第1のブレーキパッド11及び第2のブレーキパッド12からブレーキロータ10に作用する押圧力により、第1のブレーキパッド11及び第2のブレーキパッド12とブレーキロータ10との間の摺動時に摩擦が生じる。ディスクブレーキ5は、当該摩擦によりブレーキロータ10の運動エネルギーを熱エネルギーに変換することで車輪7の回転を制動する。
ブレーキロータ10は、第1の摩擦円盤21と、第2の摩擦円盤22と、ハット部材23と、リング部材24と、複数の固定具25とを有する。第1の摩擦円盤21は、第1の摩擦部材の一例である。第2の摩擦円盤22は、第2の摩擦部材の一例である。ハット部材23は、連結部材の一例である。リング部材24は、板部材の一例である。
第1の摩擦円盤21、第2の摩擦円盤22、ハット部材23、及びリング部材24は、同心上に配置される。第1の摩擦円盤21、第2の摩擦円盤22、ハット部材23、及びリング部材24は、軸方向に並べられる。
本実施形態において、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22とは同一の材料で作られ、鏡面対称であり、同一の形状を有する。なお、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22は、互いに異なる材料によって作られ、又は互いに異なる形状を有しても良い。
第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22は、例えば、鋳鉄、炭素繊維強化炭素複合材、カーボンセラミック、又は無焼成セラミックスのような、種々の材料で作られる。炭素繊維強化炭素複合材は、例えば、C/Cコンポジットを含む。第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22は、例えば、鋳鉄を鋳造することで、炭素繊維強化炭素複合材及びカーボンセラミックをプレス加工及び焼成することで、又は無焼成セラミックスをプレス成型及び50℃乃至60℃の環境で乾燥させることで、製造され得る。なお、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22の材料及び製造方法は、上述の例に限られない。
図3は、第1の実施形態の第1の摩擦円盤21を概略的に示す正面図である。なお、図3は、第1の摩擦円盤21とともに、同一形状の第2の摩擦円盤22を示す。図3に示すように、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22は、例えば、回転中心Axと略直交する円環状の板である。
図2に示すように、第1の摩擦円盤21は、第1の外面21aと、第1の内面21bとを有する。第1の外面21aは、軸方向に向く略円環状の平面である。第1の外面21aは、第1のブレーキパッド11に面する。ディスクブレーキ5の制動時、第1のブレーキパッド11は、第1の外面21aに接触する。第1の内面21bは、第1の外面21aの反対側に位置し、軸方向に向く略円環状の平面である。第1の内面21bは、間隔を介して第2の摩擦円盤22に向く。
図3に示すように、第1の摩擦円盤21は、第1の内縁21cと、第1の外縁21dと、第1の取付部21eをさらに有する。第1の内縁21cは、径方向の内側(回転中心Ax)に向く略円形の縁である。第1の外縁21dは、第1の内縁21cの反対側に位置し、径方向の外側に向く略円形の縁である。第1の取付部21eは、第1の内縁21cの近傍に設けられた略円環状の部分である。第1の取付部21eに、軸方向に当該第1の取付部21eを貫通する複数の孔21fが設けられる。複数の孔21fは、周方向に等間隔に配置される。
図2に示すように、第2の摩擦円盤22は、第2の外面22aと、第2の内面22bとを有する。第2の外面22aは、軸方向に向く略円環状の平面である。第2の外面22aは、第2のブレーキパッド12に面する。ディスクブレーキ5の制動時、第2のブレーキパッド12は、第2の外面22aに接触する。第2の内面22bは、第2の外面22aの反対側に位置し、軸方向に向く略円環状の平面である。第2の内面22bは、間隔を介して第1の摩擦円盤21の第1の内面21bに向く。
図3に示すように、第2の摩擦円盤22は、第2の内縁22cと、第2の外縁22dと、第2の取付部22eをさらに有する。第2の内縁22cは、径方向の内側に向く略円形の縁である。第2の外縁22dは、第2の内縁22cの反対側に位置し、径方向の外側に向く略円形の縁である。第2の取付部22eは、第2の内縁22cの近傍に設けられた略円環状の部分である。第2の取付部22eに、軸方向に当該第2の取付部22eを貫通する複数の孔22fが設けられる。複数の孔22fは、周方向に等間隔に配置される。複数の孔22fの間隔は、複数の孔21fの間隔と略等しい。
第1の摩擦円盤21の第1の内面21bに、複数の第1の凹部31が設けられる。第2の摩擦円盤22は、複数の第1のフィン32をさらに有する。さらに、第2の摩擦円盤22の第2の内面22bに、複数の第2の凹部35が設けられる。第1の摩擦円盤21は、複数の第2のフィン36をさらに有する。図3は、第1のフィン32(第2のフィン36)を、ハッチングを付して示す。
第1の凹部31は、第1の取付部21eの近傍と第1の外縁21dの近傍との間で延びる有底の穴である。本実施形態において、複数の第1の凹部31は、略直線状に放射状に延びる。なお、第1の凹部31は、曲線状に延びても良いし、少なくとも一カ所で曲げられても良い。また、第1の凹部31は、点状の穴であっても良い。
第1の凹部31は、第1の内縁21cから離間しても良いし、第1の内縁21cまで延びても良い。さらに、第1の凹部31は、第1の外縁21dから離間しても良いし、第1の外縁21dまで延びても良い。複数の第1の凹部31は、周方向に等間隔に配置される。言い換えると、複数の第1の凹部31は、回転中心Axまわりに等しい角度間隔で配置される。
第1のフィン32は、第2の内面22bから突出する。第1のフィン32は、第2の摩擦円盤22の他の部分と一体的に形成される。すなわち、第1のフィン32は、第2の摩擦円盤22の他の部分と取り外し不可能に結合されている。
第1のフィン32は、第2の取付部22eの近傍と第2の外縁22dの近傍との間で延びる板状の部分である。本実施形態において、複数の第1のフィン32は、略直線状に放射状に延びる。すなわち、本実施形態のブレーキロータ10は、ストレートタイプのベンチレーテッドロータである。なお、第1のフィン32は、曲線状に延びても良いし、少なくとも一カ所で曲げられても良い。また、ブレーキロータ10は、第1のフィン32が棒状に形成されたピラータイプのベンチレーテッドロータであっても良い。
第1のフィン32は、第2の内縁22cから離間しても良いし、第2の内縁22cまで延びても良い。さらに、第1のフィン32は、第2の外縁22dから離間しても良いし、第2の外縁22dまで延びても良い。複数の第1のフィン32は、周方向に等間隔に配置される。言い換えると、複数の第1のフィン32は、回転中心Axまわりに等しい角度間隔で配置される。
図2に示すように、複数の第1のフィン32はそれぞれ、基端部32aと、先端部32bと、中部32cとを有する。基端部32aは、軸方向における第1のフィン32の一方の端部であり、第2の内面22bに接続される。先端部32bは、軸方向における第1のフィン32の他方の端部であり、第2の内面22bから離間している。中部32cは、基端部32aと先端部32bとの間に位置する。
先端部32bは、端面32dを含む、第1のフィン32の一部である。端面32dは、軸方向における第1のフィン32の端に位置する。端面32dは、軸方向と直交するように略平坦に形成される。
軸方向と直交する断面において、第1の凹部31の大きさは、第1のフィン32の大きさと同じか、若干大きい。複数の第1の凹部31の間の間隔は、複数の第1のフィン32の間の間隔と略等しい。すなわち、複数の第1のフィン32は、複数の第1の凹部31に対応する位置に設けられ、対応する第1の凹部31に挿入可能な大きさを有する。
複数の第1のフィン32の先端部32bは、複数の第1の凹部31に収容(挿入)される。第1のフィン32の先端部32bが第1の凹部31の縁に接触することで、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22とが径方向及び周方向に相対的に移動することが制限される。なお、先端部32bは、第1の凹部31の縁の少なくとも一部から離間していても良い。第1のフィン32のうち、基端部32a及び中部32cは、第1の凹部31の外に位置する。
本実施形態において、第1のフィン32が延びる方向の全域において、先端部32bが第1の凹部31に収容される。しかし、第1のフィン32において、第1の凹部31に収容される部分は、第1のフィン32が延びる方向における当該第1のフィン32の一部にのみ設けられても良い。
図3に示すように、複数の第1のフィン32の間に複数の通風口38が形成される。通風口38は、第2の取付部22eの近傍と第2の外縁22dの近傍との間で延びる通路(空間、孔)である。ブレーキロータ10の内部において、空気が、通風口38を通って略径方向に流れることができる。
第2の凹部35は、第2の取付部22eの近傍と第2の外縁22dの近傍との間で延びる有底の穴である。本実施形態において、複数の第2の凹部35は、略直線状に放射状に延びる。なお、第2の凹部35は、曲線状に延びても良いし、少なくとも一カ所で曲げられても良い。また、第2の凹部35は、点状の穴であっても良い。
第2の凹部35は、第2の内縁22cから離間しても良いし、第2の内縁22cまで延びても良い。さらに、第2の凹部35は、第2の外縁22dから離間しても良いし、第2の外縁22dまで延びても良い。複数の第2の凹部35は、周方向に等間隔に配置される。言い換えると、複数の第2の凹部35は、回転中心Axまわりに等しい角度間隔で配置される。
第2のフィン36は、第1の内面21bから突出する。第2のフィン36は、第1の摩擦円盤21の他の部分と一体的に形成される。すなわち、第2のフィン36は、第1の摩擦円盤21の他の部分と取り外し不可能に結合されている。
第2のフィン36は、第1の取付部21eの近傍と第1の外縁21dの近傍との間で延びる板状の部分である。本実施形態において、複数の第2のフィン36は、略直線状に放射状に延びる。なお、第2のフィン36は、曲線状に延びても良いし、少なくとも一カ所で曲げられても良い。また、第2のフィン36は、棒状であっても良い。
第2のフィン36は、第1の内縁21cから離間しても良いし、第1の内縁21cまで延びても良い。さらに、第2のフィン36は、第1の外縁21dから離間しても良いし、第1の外縁21dまで延びても良い。複数の第2のフィン36は、周方向に等間隔に配置される。言い換えると、複数の第2のフィン36は、回転中心Axまわりに等しい角度間隔で配置される。
図2に示すように、複数の第2のフィン36はそれぞれ、基端部36aと、先端部36bと、中部36cとを有する。基端部36aは、軸方向における第2のフィン36の一方の端部であり、第1の内面21bに接続される。先端部36bは、軸方向における第2のフィン36の他方の端部であり、第1の内面21bから離間している。中部36cは、基端部32aと先端部32bとの間に位置する。
先端部36bは、端面36dを含む、第2のフィン36の一部である。端面36dは、軸方向における第2のフィン36の端に位置する。端面36dは、軸方向と直交するように略平坦に形成される。
軸方向と直交する断面において、第2の凹部35の大きさは、第2のフィン36の大きさと同じか、若干大きい。複数の第2の凹部35の間の間隔は、複数の第2のフィン36の間の間隔と略等しい。すなわち、複数の第2のフィン36は、複数の第2の凹部35に対応する位置に設けられ、対応する第2の凹部35に挿入可能な大きさを有する。
複数の第2のフィン36の先端部36bは、複数の第2の凹部35に収容される。第2のフィン36の先端部36bが第2の凹部35の縁に接触することで、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22とが径方向及び周方向に相対的に移動することが制限される。なお、先端部36bは、第2の凹部35の縁の少なくとも一部から離間していても良い。第2のフィン36のうち、基端部36a及び中部36cは、第2の凹部35の外に位置する。
本実施形態において、第2のフィン36が延びる方向の全域において、先端部36bが第2の凹部35に収容される。しかし、第2のフィン36において、第2の凹部35に収容される部分は、第2のフィン36が延びる方向における当該第2のフィン36の一部にのみ設けられても良い。
第1のフィン32の端面32dが第1の凹部31の底面に接触する。さらに、第2のフィン36の端面36dが第2の凹部35の底面に接触する。これにより、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22とが、軸方向に互いに近づくように移動することが制限される。
複数の第1のフィン32と複数の第2のフィン36とは、等間隔に配置される。言い換えると、複数の第1のフィン32の間の間隔は、複数の第2のフィン36の間の間隔と略等しい。さらに、複数の第1の凹部31と複数の第2の凹部35とは、等間隔に配置される。言い換えると、複数の第1の凹部31の間の間隔は、複数の第2の凹部35の間の間隔と略等しい。さらに、第1のフィン32と第2の凹部35との間の間隔は、第2のフィン36と第1の凹部31との間の間隔と略等しい。
図4は、第1の実施形態のブレーキロータ10の一部を、図1のF4−F4線に沿って概略的に示す断面図である。図4に示すように、複数の第1のフィン32と複数の第2のフィン36とが、周方向に交互に配置される。本実施形態では、一つの第1のフィン32は、間隔を介して一つの第2のフィン36と隣り合う。隣り合う二つの第1のフィン32の間に一つの第2のフィン36が位置し、隣り合う二つの第2のフィン36の間に一つの第1のフィン32が位置する。
同様に、複数の第1の凹部31と複数の第2の凹部35とが、周方向に交互に配置される。本実施形態では、一つの第1の凹部31は、間隔を介して一つの第2の凹部35と隣り合う。隣り合う二つの第1の凹部31の間に一つの第2の凹部35が位置し、隣り合う二つの第2の凹部35の間に一つの第1の凹部31が位置する。
複数の第1のフィン32と複数の第2のフィン36との間のそれぞれの間隔は、略等しい。言い換えると、複数の第1のフィン32と複数の第2のフィン36とは、交互に等間隔で配置される。
複数の通風口38は、複数の第2のフィン36のうち一つと、複数の第1のフィン32のうち当該第2のフィン36に隣接する一つと、の間に形成される。別の表現によれば、複数の第1のフィン32の間に形成された通風口38が、当該複数の第1のフィン32の間に位置する第2のフィン36によって複数の通風口38に分割される。通風口38は、第1の取付部21eの近傍と第1の外縁21dの近傍との間で延びる。
ブレーキロータ10が回転することにより、通風口38を空気が流れる。通風口38を流れる空気と、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22とが熱交換することにより、ブレーキロータ10が冷却される。
図2に示すように、ハット部材23は、端壁41と、周壁42と、フランジ43とを有する。ハット部材23は、例えば、アルミニウム合金で作られる。なお、ハット部材23は、他の材料で作られても良い。端壁41は、回転中心Axと略直交する略円盤状に形成される。端壁41は、ハブ6と、車輪7とに、例えばボルト及びナットにより固定される。端壁41は、軸方向において、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22から離間している。
周壁42は、端壁41の縁から軸方向に延び、略円筒状に形成される。軸方向における周壁42の一方の端は、端壁41に接続される。軸方向における周壁42の他方の端は、フランジ43に接続される。
フランジ43は、周壁42から径方向の外側に突出する。フランジ43は、略円環状に形成される。フランジ43は、平面43aを有する。さらに、フランジ43に、軸方向に当該フランジ43を貫通する複数の孔43bが設けられる。
複数の孔43bの間の間隔は、複数の孔21fの間の間隔と略等しく、且つ複数の孔22fの間の間隔と略等しい。本実施形態では、フランジ43の平面43aは、第1の取付部21eにおける第1の外面21aに面接触する。なお、フランジ43の平面43aは、第2の取付部22eにおける第2の外面22aに接触しても良い。フランジ43は、第1の摩擦円盤21の他の部分と、第2の摩擦円盤22の他の部分と、の少なくとも一方に接触しても良い。すなわち、ハット部材23は、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22のうち少なくとも一方に接触する。
第1のフィン32の先端部32bが第1の凹部31に収容され、第2のフィン36の先端部36bが第2の凹部35に収容された状態で、第1の取付部21eの孔21fと、第2の取付部22eの孔22fとは、軸方向に並べられ、互いに連通する。さらに、フランジ43の平面43aが第1の取付部21e又は第2の取付部22eに接触すると、フランジ43の孔43bと、第1の取付部21eの孔21fと、第2の取付部22eの孔22fとは、軸方向に並べられ、互いに連通する。
リング部材24は、円環状の板である。リング部材24は、例えば、アルミニウム合金で作られる。なお、リング部材24は、他の材料で作られても良い。本実施形態では、リング部材24は、平面24aを有する。本実施形態では、リング部材24の平面24aは、第2の取付部22eにおける第2の外面22aに面接触する。なお、リング部材24の平面24aは、第1の取付部21eにおける第1の外面21aに接触しても良い。
上述のように、フランジ43は、第1の外面21a及び第2の外面22aのうち一方に接触する。さらに、リング部材24は、第1の外面21a及び第2の外面22aのうち他方に接触する。しかし、ハット部材23及びリング部材24は、第1のブレーキパッド11及び第2のブレーキパッド12から離間している。フランジ43とリング部材24との間に、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22が位置する。
リング部材24に、軸方向に当該リング部材24を貫通する孔24bが設けられる。複数の孔24bは、周方向に等間隔に配置される。複数の孔24bの間隔は、複数の孔21f,22f,43bの間の間隔と略等しい。リング部材24の平面24aが第1の取付部21e又は第2の取付部22eに接触すると、リング部材24の孔24bと、フランジ43の孔43bと、第1の取付部21eの孔21fと、第2の取付部22eの孔22fとは、軸方向に並べられ、互いに連通する。
複数の固定具25はそれぞれ、ボルト51とナット52とを有する。ボルト51は、ヘッド51aと、シャフト51bとを有する。ヘッド51aは、第1の保持部の一例である。シャフト51bは、延部の一例である。ナット52は、第2の保持部の一例である。
ボルト51のシャフト51bが、リング部材24の孔24bと、フランジ43の孔43bと、第1の取付部21eの孔21fと、第2の取付部22eの孔22fと、に挿通される。ヘッド51aは、例えば、リング部材24に接触する。
ナット52は、雄ネジが形成されたシャフト51bに取り付けられる。ナット52は、例えば、フランジ43に接触する。これにより、第1の摩擦円盤21、第2の摩擦円盤22、ハット部材23、及びリング部材24が、複数の固定具25により結合(締結)される。
具体的には、ヘッド51aとナット52との間で延びるシャフト51bが、孔21f,22f,24b,43bに挿通される。ヘッド51aとナット52との間に、第1の摩擦円盤21、第2の摩擦円盤22、ハット部材23、及びリング部材24が配置される。これにより、固定具25は、第1の摩擦円盤21、第2の摩擦円盤22、ハット部材23、及びリング部材24を互いに固定する。
シャフト51bが孔21f,22f,24b,43bの縁に接触することで、第1の摩擦円盤21、第2の摩擦円盤22、ハット部材23、及びリング部材24が径方向及び周方向に相対的に移動することが制限される。さらに、第1の摩擦円盤21、第2の摩擦円盤22、ハット部材23、及びリング部材24がヘッド51aとナット52との間に位置することで、第1の摩擦円盤21、第2の摩擦円盤22、ハット部材23、及びリング部材24が軸方向に互いに離間するように移動することが制限される。
固定具25は、ボルト51及びナット52に限られない。例えば、固定具25は、リベットであっても良い。この場合、リベットの二つの頭部が第1の保持部及び第2の保持部の一例となり、二つの頭部の間の部分が延部の一例となる。
第1の凹部31、第1のフィン32、第2の凹部35、及び第2のフィン36は、種々の方法で形成される。以下、第1の摩擦円盤21における第1の凹部31及び第2のフィン36の形成方法を例示する。なお、第2の摩擦円盤22における第1のフィン32及び第2の凹部35も、以下の例により形成され得る。
例えば、第1の凹部31及び第2のフィン36は、第1の摩擦円盤21が鋳造により製造されることで、当該第1の摩擦円盤21に設けられる。第1の凹部31及び第2のフィン36は、外部に開放される形状を有する。このため、第1の凹部31及び第2のフィン36は、中子を用いることなく鋳造により容易に形成され得る。
他の例では、第1の凹部31及び第2のフィン36は、第1の摩擦円盤21がプレス成型により製造されることで、当該第1の摩擦円盤21に設けられる。第1の凹部31及び第2のフィン36は、外部に開放される形状を有する。このため、第1の凹部31及び第2のフィン36は、プレス成型により容易に形成され得る。
他の例では、第1の凹部31及び第2のフィン36は、第1の摩擦円盤21を機械加工することで、当該第1の摩擦円盤21に設けられる。第1の凹部31及び第2のフィン36は、外部に開放される形状を有する。このため、第1の凹部31及び第2のフィン36は、切削のような機械加工により容易に形成され得る。
以下、ブレーキロータ10の製造方法の一例について説明する。なお、ブレーキロータ10の製造方法は、以下に説明される方法に限られない。まず、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22が、上述のように製造される。
孔21f,22fは、当初から第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22に設けられても良い。孔21f,22fは、成形された第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22を機械加工することにより形成されても良い。
次に、複数の第1のフィン32の先端部32bが複数の第1の凹部31に挿入される。さらに、複数の第2のフィン36の先端部36bが複数の第2の凹部35に挿入される。これにより、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22とが、互いに位置決めをされる。さらに、対応する複数の孔21f,22fが軸方向に並ぶ。
次に、ハット部材23のフランジ43が第1の外面21a及び第2の外面22aのうち一方に接触させられる。さらに、リング部材24が第1の外面21a及び第2の外面22aのうち他方に接触させられる。これにより、対応する複数の孔21f,22f,24b,43bが軸方向に並ぶ。
次に、ボルト51のシャフト51bが対応する孔21f,22f,24b,43bに挿入される。シャフト51bにナット52が取り付けられることで、固定具25が、第1の摩擦円盤21、第2の摩擦円盤22、ハット部材23、及びリング部材24を互いに固定する。
次に、第1の外面21aと第2の外面22aとが研磨される。これにより、ブレーキロータ10の厚さと、第1の外面21a及び第2の外面22aの面粗さとが調整される。以上により、ブレーキロータ10が製造される。
上述のように、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22が無焼成セラミックスで作られることがある。この場合、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22が固化する前に、第1のフィン32の先端部32bが第1の凹部31に挿入され、第2のフィン36の先端部36bが第2の凹部35に挿入されても良い。
第1のフィン32の先端部32bは、第1の凹部31に例えば圧入され、第1の凹部31の縁に密接する。さらに、第2のフィン36の先端部36bは、第2の凹部35に例えば圧入され、第2の凹部35の縁に密接する。固化前の第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22は、硬質な粘土状であり、圧入可能である。
第1のフィン32の先端部32bと第1の凹部31の縁とが密接し、第2のフィン36の先端部36bと第2の凹部35の縁とが密接した状態で、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22が50℃乃至60℃の環境で乾燥させられ、固化される。これにより、第1のフィン32の先端部32bと第1の摩擦円盤21とが付着又は一体化し、第2のフィン36の先端部36bと第2の摩擦円盤22とが付着又は一体化する。これにより、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22とが、互いに固定される。
以上説明された第1の実施形態に係るブレーキロータ10において、第2の摩擦円盤22は、第2の内面22bから突出する複数の第1のフィン32を有する。複数の第1のフィン32の先端部32bが複数の第1の凹部31に収容される。さらに、複数の第1のフィン32の間に複数の通風口38が形成される。固定具25は、ヘッド51aとナット52との間に位置する第1の摩擦円盤21、第2の摩擦円盤22、及びハット部材23を、互いに固定する。これにより、回転中心Axの周方向(回転方向)及び径方向における第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22との相対的な移動が、複数の第1のフィン32の先端部32bと第1の凹部31とにより制限される。さらに、回転中心Axの軸方向における第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22との相対的な移動(離間)が、固定具25により制限される。本実施形態のブレーキロータ10では、通風口38が第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22の内部に設けられることなく、第2の内面22bから突出する複数の第1のフィン32の間に通風口38が形成される。このため、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22は、中子を用いた鋳造のような複雑な製造方法を用いることなく、容易に製造可能となる。さらに、第1の摩擦円盤21、第2の摩擦円盤22、及びハット部材23は、接着や熱処理のような長い時間が必要な固定方法を用いることなく、ボルトやリベットのような固定具25により容易に互いに固定されることができる。従って、ブレーキロータ10が容易に製造され、ブレーキロータ10のコストの増加が抑制される。さらに、固定具25を外すことで、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22の交換を容易に行うことが可能となる。また、本実施形態のブレーキロータ10によれば、材料選択の自由度も高められる。
一般的には、回転中心Axの周方向及び径方向における第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22との相対的な移動は、他の構造によっても制限され得る。例えば、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22のそれぞれに設けられた穴にピンを挿入することにより、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22の回転中心Axの周方向及び径方向における相対的な移動が制限される。しかし、ピンが挿入される穴を形成するために、高精度の機械加工が行われる。また、複数のフィンを形成するためにも、切削のような機械加工が行われることがある。これらの機械加工は、材料を無駄にしたり、切削工具を損傷したり、製造時間を長くしたりするおそれがある。一方、本実施形態のブレーキロータ10は、容易に製造可能であり、これらの不都合を抑制できる。
第2の内面22bに、複数の第2の凹部35が設けられる。第1の摩擦円盤21は、第1の内面21bから突出する複数の第2のフィン36を有する。複数の第2のフィン36の先端部36bが複数の第2の凹部35に収容される。複数の通風口38のうち少なくとも一つは、複数の第2のフィン36のうち一つと、複数の第1のフィン32のうち当該第2のフィン36に隣接する一つと、の間に形成される。すなわち、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22とは、それぞれフィン(32,36)及び凹部(31,35)が設けられる。これにより、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22との重さが近くなり、ブレーキロータ10の回転が安定する。さらに、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22とを略同一形状とすることができ、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22とを共通の金型により製造することが可能となる。従って、ブレーキロータ10のコストを低減することが可能となる。
複数の第1のフィン32と複数の第2のフィン36とが、等間隔に配置される。これにより、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22との重さが近くなり、ブレーキロータ10の回転が安定する。さらに、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22とを略同一形状とすることができ、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22とを共通の金型により製造することが可能となる。また、通風口38の幅を略一定とすることができ、ブレーキロータ10における熱の偏在を抑制することが可能となる。
複数の第1のフィン32と、複数の第2のフィン36とが、交互に配置される。これにより、複数の第1のフィン32の間の間隔と、複数の第2のフィン36の間の間隔とが広くなる。従って、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22が金型により製造される場合、第1のフィン32及び第2のフィン36が密集している場合に比べ、金型の内部に材料が充填されやすくなり、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22が容易に製造可能となる。
ハット部材23は、第1の外面21a及び第2の外面22aのうち一方に接触する。リング部材24は、第1の外面21a及び第2の外面22aのうち他方に接触する。固定具25は、ヘッド51aとナット52との間に位置する第1の摩擦円盤21、第2の摩擦円盤22、ハット部材23、及びリング部材24を互いに固定する。すなわち、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22は、ハット部材23とリング部材24との間に挟まれる。これにより、固定具25から第1の摩擦円盤21又は第2の摩擦円盤22に作用する荷重がリング部材24により分散され、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22が損傷することが抑制される。
第1の凹部31に収容される第1のフィン32の先端部32bは、回転中心Axと交差する方向(第1の内面21bに沿う方向)に延びる。これにより、第1のフィン32の先端部32bと、第1の凹部31の縁との接触面積が増大する。従って、回転中心Axの周方向におけるブレーキロータ10の剛性が向上する。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図5を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図5は、第2の実施形態のブレーキロータ10の一部を概略的に示す断面図である。図5に示すように、第2の実施形態では、隣り合う二つの第1のフィン32の間に二つの第2のフィン36が位置し、隣り合う二つの第2のフィン36の間に二つの第1のフィン32が位置する。
以上説明されたように、複数の第1のフィン32と複数の第2のフィン36とは、一つずつに限らず、二つずつ、又は他の組ずつ交互に配置されても良い。この場合も、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22とは、略同一形状を有することができ、共通の金型により製造され得る。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、図6を参照して説明する。図6は、第3の実施形態の第1の摩擦円盤21(第2の摩擦円盤22)を概略的に示す正面図である。図6に示すように、第3の実施形態の複数の第1のフィン32は、周方向に等間隔に配置される。さらに、第2のフィン36は、周方向に等間隔に配置される。
周方向における複数の第1のフィン32の列の端に位置する第1のフィン32は、間隔を介して第2のフィン36に隣接する。周方向における複数の第2のフィン36の列の端に位置する第2のフィン36は、間隔を介して第1のフィン32に隣接する。
複数の第1のフィン32の間の間隔と、複数の第2のフィン36の間の間隔と、列の端の第1のフィン32と第2のフィン36との間の間隔とは、互いに等しい。さらに、第1のフィン32の数と、第2のフィン36の数とは等しい。
以上説明されたように、複数の第1のフィン32と複数の第2のフィン36とは、交互に限らず、それぞれの列を形成するように配置されても良い。この場合も、第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22とは、略同一形状を有することができ、共通の金型により製造され得る。
(第4の実施形態)
以下に、第4の実施形態について、図7を参照して説明する。図7は、第4の実施形態のブレーキロータ10を概略的に示す正面図である。図7に示すように、第4の実施形態の第1の凹部31、第1のフィン32、第2の凹部35、及び第2のフィン36は、第1の内縁21c(第2の内縁22c)と第1の外縁21d(第2の外縁22d)との間で、曲線状に延びる。
例えば、第1の凹部31、第1のフィン32、第2の凹部35、及び第2のフィン36は、渦巻状(螺旋状、spiral)に延びる。別の表現によれば、第1の凹部31、第1のフィン32、第2の凹部35、及び第2のフィン36は、径方向の外側に向かうに従って、周方向のうち一方向(図7における時計回り方向)に遷移するよう延びる。
以上説明された第4の実施形態のブレーキロータ10において、第1の凹部31、第1のフィン32、第2の凹部35、及び第2のフィン36は、渦巻状に延びる。これにより、ブレーキロータ10が回転する間、通風口38を空気が流れやすくなる。
(第5の実施形態)
以下に、第5の実施形態について、図8を参照して説明する。図8は、第5の実施形態のブレーキロータ10の一部を概略的に示す断面図である。図8に示すように、第5の実施形態における第1のフィン32の先端部32bの幅は、中部32cの幅よりも短い。第1の凹部31の幅は、先端部32bの幅と同じか若干長く、且つ中部32cの幅よりも短い。同様に、第2のフィン36の先端部36bの幅は、中部36cの幅よりも短い。第2の凹部35の幅は、先端部36bの幅と同じか若干長く、且つ中部36cの幅よりも短い。
先端部32b,36bと、第1の凹部31と、第2の凹部35とは、略四角形の断面を有する。第1のフィン32の中部32cは、第1の摩擦円盤21の第1の内面21bに接触する。第2のフィン36の中部36cは、第2の摩擦円盤22の第2の内面22bに接触する。
以上説明されたように、第1のフィン32において、先端部32bの幅は、他の基端部32a及び中部32cの幅と異なっても良い。さらに、第2のフィン36において、先端部36bの幅は、他の基端部36a及び中部36cの幅と異なっても良い。
(第6の実施形態)
以下に、第6の実施形態について、図9を参照して説明する。図9は、第6の実施形態のブレーキロータ10の一部を概略的に示す断面図である。図9に示すように、第6の実施形態における第1のフィン32の先端部32bは、略台形の断面を有する。第1の凹部31は、先端部32bに対応し、略台形の断面を有する。
図10は、第6の実施形態の変形例のブレーキロータ10の一部を概略的に示す断面図である。図10に示すように、第6の実施形態の変形例における第1のフィン32の先端部32bは、略半円形の断面を有する。第1の凹部31は、先端部32bに対応し、略半円形の断面を有する。
図9及び図10の例において、先端部32bの幅は、第2の内面22bから遠ざかるに従って短くなる。さらに、第1の凹部31の幅は、第1の内面21bから遠ざかるに従って短くなる。
図9に示すように、第6の実施形態において、第2のフィン36の先端部36bは、略台形の断面を有する。第2の凹部35は、先端部36bに対応し、略台形の断面を有する。また、図10に示すように、第6の実施形態の変形例において、第2のフィン36の先端部36bは、略半円形の断面を有する。第2の凹部35は、先端部36bに対応し、略半円形の断面を有する。
図9及び図10の例において、先端部36bの幅は、第1の内面21bから遠ざかるに従って短くなる。さらに、第2の凹部35の幅は、第2の内面22bから遠ざかるに従って短くなる。
以上説明された第6の実施形態のブレーキロータ10において、先端部32bの幅は、第2の内面22bから遠ざかるに従って短くなる。第1の凹部31の幅は、第1の内面21bから遠ざかるに従って短くなる。これにより、寸法のバラつきが生じたとしても、先端部32bが第1の凹部31の縁に接触しやすくなる。これにより、回転中心Axの周方向及び径方向における第1の摩擦円盤21と第2の摩擦円盤22との相対的な移動が、複数の第1のフィン32の先端部32bと第1の凹部31とにより安定的に制限される。さらに、金型の内部に材料が充填されやすくなり、第1の摩擦円盤21及び第2の摩擦円盤22が容易に製造可能となる。
(第7の実施形態)
以下に、第7の実施形態について、図11を参照して説明する。図11は、第7の実施形態のブレーキロータ10の一部を概略的に示す断面図である。図11に示すように、第7の実施形態において、第1のフィン32は、第2の摩擦円盤22の他の部分と異なる材料で作られる。
例えば、第1のフィン32は、第2の摩擦円盤22の他の部分と、二色成型により一体的に製造される。これにより、第1のフィン32は、第2の摩擦円盤22の他の部分と取り外し不可能に結合される。なお、第2の摩擦円盤22が傾斜機能材料で作られることで、第1のフィン32の材料と、第2の摩擦円盤22の他の部分の材料とが異なっても良い。
第2のフィン36は、第1の摩擦円盤21の他の部分と異なる材料で作られる。例えば、第2のフィン36は、第1の摩擦円盤21の他の部分と、二色成型により一体的に製造される。これにより、第2のフィン36は、第1の摩擦円盤21の他の部分と取り外し不可能に結合される。なお、第1の摩擦円盤21が傾斜機能材料で作られることで、第2のフィン36の材料と、第1の摩擦円盤21の他の部分の材料とが異なっても良い。
以上説明されたように、第1のフィン32は、第2の摩擦円盤22と一体的に形成される。しかし、第1のフィン32の材料と、第2の摩擦円盤22の材料とが異なっても良い。また、第2のフィン36が第1の摩擦円盤21と一体的に形成されるが、第2のフィン36の材料と、第1の摩擦円盤21の材料とが異なっても良い。
第1のフィン32が、二色成型により、第1の摩擦円盤21と一体的に形成される。これにより、第1のフィン32が、金型の内部に材料の充填が困難な形状を有したとしても、第1の摩擦円盤21を容易に製造可能となる。
以上の複数の実施形態において、第1の摩擦円盤21に第2のフィン36が設けられ、第2の摩擦円盤22に第2の凹部35が設けられた。しかし、第2の凹部35及び第2のフィン36は、省略されても良い。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態及び変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態や変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。
5…ディスクブレーキ、7…車輪、10…ブレーキロータ(ベンチレーテッドロータ)、11…第1のブレーキパッド、12…第2のブレーキパッド、21…第1の摩擦円盤(第1の摩擦部材)、21a…第1の外面、21b…第1の内面、22…第2の摩擦円盤(第2の摩擦部材)、22a…第2の外面、22b…第2の内面、23…ハット部材(連結部材)、24…リング部材(板部材)、25…固定具、31…第1の凹部、32…第1のフィン、32b…先端部、35…第2の凹部、36…第2のフィン、36b…先端部、38…通風口、51a…ヘッド(第1の保持部)、51b…シャフト(延部)、52…ナット(第2の保持部)。

Claims (5)

  1. 制動時に第1のブレーキパッドに接触する第1の外面と、前記第1の外面の反対側に位置する第1の内面と、を有し、前記第1の内面に複数の第1の凹部が設けられた、第1の摩擦部材と、
    前記第1のブレーキパッドと対向して配置される第2のブレーキパッドに制動時に接触する第2の外面と、前記第2の外面の反対側に位置するとともに間隔を介して前記第1の内面に向く第2の内面と、前記第2の内面から突出する複数の第1のフィンと、を有し、前記複数の第1のフィンの先端部が前記複数の第1の凹部に収容され、前記複数の第1のフィンの間に複数の通風口が形成される、第2の摩擦部材と、
    車両の車輪に固定され、前記第1の摩擦部材及び前記第2の摩擦部材のうち少なくとも一方に接触する連結部材と、
    第1の保持部と、第2の保持部と、前記第1の保持部と前記第2の保持部との間で延びる延部と、をそれぞれが有し、前記第1の保持部と前記第2の保持部との間に位置する前記第1の摩擦部材、前記第2の摩擦部材、及び前記連結部材を、互いに固定する複数の固定具と、
    を具備するディスクブレーキのベンチレーテッドロータ。
  2. 前記第2の内面に、複数の第2の凹部が設けられ、
    前記第1の摩擦部材は、前記第1の内面から突出する複数の第2のフィンを有し、
    前記複数の第2のフィンの先端部が前記複数の第2の凹部に収容され、
    前記複数の通風口のうち少なくとも一つは、前記複数の第2のフィンのうち一つと、前記複数の第1のフィンのうち当該第2のフィンに隣接する一つと、の間に形成される、
    請求項1のディスクブレーキのベンチレーテッドロータ。
  3. 前記複数の第1のフィンと、前記複数の第2のフィンとが、等間隔に配置される、請求項2のディスクブレーキのベンチレーテッドロータ。
  4. 前記複数の第1のフィンと、前記複数の第2のフィンとが、交互に配置される、請求項3のディスクブレーキのベンチレーテッドロータ。
  5. 板部材、をさらに具備し、
    前記第1の外面及び前記第2の外面のうち一方に前記連結部材が接触し、
    前記第1の外面及び前記第2の外面のうち他方に前記板部材が接触し、
    前記複数の固定具は、前記第1の保持部と前記第2の保持部との間に位置する前記第1の摩擦部材、前記第2の摩擦部材、前記連結部材、及び前記板部材を、互いに固定する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか一つのディスクブレーキのベンチレーテッドロータ。
JP2019235119A 2019-12-25 2019-12-25 ディスクブレーキのベンチレーテッドロータ Pending JP2021102991A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019235119A JP2021102991A (ja) 2019-12-25 2019-12-25 ディスクブレーキのベンチレーテッドロータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019235119A JP2021102991A (ja) 2019-12-25 2019-12-25 ディスクブレーキのベンチレーテッドロータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021102991A true JP2021102991A (ja) 2021-07-15

Family

ID=76754999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019235119A Pending JP2021102991A (ja) 2019-12-25 2019-12-25 ディスクブレーキのベンチレーテッドロータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021102991A (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0413832U (ja) * 1990-05-28 1992-02-04
JPH0723734B2 (ja) * 1989-05-25 1995-03-15 日野自動車工業株式会社 通風型ディスクロータ及びその製造方法
DE4434268A1 (de) * 1994-05-06 1996-02-08 Bergische Stahlindustrie Innenbelüftete Wellenbremsscheibe
DE9421542U1 (de) * 1994-05-06 1996-02-22 Bergische Stahl-Industrie, 42859 Remscheid Innenbelüftete Wellenbremsscheibe
JPH10129481A (ja) * 1996-11-01 1998-05-19 Akebono Brake Ind Co Ltd 鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基複合材製ロータ
JPH10129480A (ja) * 1996-11-01 1998-05-19 Akebono Brake Ind Co Ltd 鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基複合材製ロータ
US6234282B1 (en) * 1998-04-11 2001-05-22 Dr. Ing. H.C.F. Porsche Ag Brake disk for a motor vehicle
JP2017519160A (ja) * 2014-04-15 2017-07-13 フェルディアム エス.アール.エル. ブレーキ系統のブレーキ用部材及びそれを作成する方法
WO2018025980A1 (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 株式会社アドヴィックス ブレーキディスク
US20190003540A1 (en) * 2017-06-30 2019-01-03 Honda Motor Co., Ltd. High performance disc brake rotor

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0723734B2 (ja) * 1989-05-25 1995-03-15 日野自動車工業株式会社 通風型ディスクロータ及びその製造方法
JPH0413832U (ja) * 1990-05-28 1992-02-04
DE4434268A1 (de) * 1994-05-06 1996-02-08 Bergische Stahlindustrie Innenbelüftete Wellenbremsscheibe
DE9421542U1 (de) * 1994-05-06 1996-02-22 Bergische Stahl-Industrie, 42859 Remscheid Innenbelüftete Wellenbremsscheibe
JPH10129481A (ja) * 1996-11-01 1998-05-19 Akebono Brake Ind Co Ltd 鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基複合材製ロータ
JPH10129480A (ja) * 1996-11-01 1998-05-19 Akebono Brake Ind Co Ltd 鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基複合材製ロータ
US6234282B1 (en) * 1998-04-11 2001-05-22 Dr. Ing. H.C.F. Porsche Ag Brake disk for a motor vehicle
JP2017519160A (ja) * 2014-04-15 2017-07-13 フェルディアム エス.アール.エル. ブレーキ系統のブレーキ用部材及びそれを作成する方法
WO2018025980A1 (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 株式会社アドヴィックス ブレーキディスク
US20190003540A1 (en) * 2017-06-30 2019-01-03 Honda Motor Co., Ltd. High performance disc brake rotor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8118079B2 (en) Casting noise-damped, vented brake rotors with embedded inserts
US9249848B2 (en) Motor vehicle brake disc
US4263992A (en) Fabricated disc brake rotor assembly
EP3551906B1 (en) Ventilated brake disc
RU2668785C1 (ru) Вентилируемый тормозной диск
EP2818749B1 (en) System and method for brake disk assembly
US20140158486A1 (en) Disc for a Disc Brake
KR101964125B1 (ko) 브레이크 디스크
US20040178029A1 (en) Lightweight brake rotor with cooling passageways
JP2009513909A (ja) 駐車ブレーキ
JPH04228935A (ja) キャリパクラッチ又はブレーキ装置
EP3277975B1 (en) Brake disc
JP2004527698A (ja) ディスクブレーキのための制動バンドとディスク
EP3051166B1 (en) Friction disks with floating wear linings
EP1327085B1 (en) A disk-brake disk
RU2017100305A (ru) Дисковый тормоз с кольцом возбуждения
JP4348132B2 (ja) ブレーキロータ
JP2021102991A (ja) ディスクブレーキのベンチレーテッドロータ
CN109891115B (zh) 制动盘毂和具有改进的车辆接口的制动盘
EP3521651B1 (en) Brake disc assembly
KR101573399B1 (ko) 휠 베어링 조립체
US10920840B2 (en) Rotor assembly for a disc brake system
WO2018025980A1 (ja) ブレーキディスク
JP7364211B2 (ja) ブレーキロータ
JP2011190906A (ja) ブレーキ用ディスク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230627

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20231219