JP2021102685A - 帯電防止性樹脂組成物、およびその成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電防止性能とその持続性、耐水拭き性、および難燃性に優れた成形体を提供することができる帯電防止性樹脂組成物およびその成形体を提供すること。【解決手段】合成樹脂100質量部に対し、1種以上の高分子化合物(E)を3〜40質量部および難燃剤(F)を1〜60質量部含有する帯電防止性樹脂組成物において、前記高分子化合物(E)が、ジオール(a1)とジカルボン酸(a2)が反応して得られるポリエステル(a)と、エチレンオキシ基を一つ以上有する両末端に水酸基を有する化合物(b)と、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)と、が反応して得られる高分子化合物の1種以上であって、前記ジオール(a1)が、1,4−ブタンジオール、またはエチレングリコールの少なくとも一方であり、前記ジカルボン酸(a2)が、コハク酸、またはコハク酸を含有するジカルボン酸の混合物である、帯電防止性樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、帯電防止性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」とも称す)およびその成形体に関し、詳しくは、帯電防止性の持続性および難燃性に優れた成形体を提供することができる帯電防止性樹脂組成物およびその成形体に関する。
合成樹脂、特に熱可塑性樹脂は、成形加工性・低比重等、種々の物性に応じて、建材、自動車材料、家電機・電子用材料、繊維材料、包装用資材、農業用資材、家電製品のハウジング材料、生活雑貨用品、フィルム、シートおよび構造部品等の各種成形体に広く利用されている。
これら熱可塑性樹脂は、優れた絶縁性で帯電しやすい性質を有しており、埃や塵を引き付けて製品外観を損ねる場合がある。また、成形品が電子製品の場合、帯電によって回路が正常に作動できなくなる場合がある。さらに、帯電した樹脂部材から電撃が発生する場合があり、電撃を受けると不快感を覚えるだけでなく、可燃性気体や粉塵があるところでは、爆発事故を誘引する可能性がある。
これら熱可塑性樹脂は、優れた絶縁性で帯電しやすい性質を有しており、埃や塵を引き付けて製品外観を損ねる場合がある。また、成形品が電子製品の場合、帯電によって回路が正常に作動できなくなる場合がある。さらに、帯電した樹脂部材から電撃が発生する場合があり、電撃を受けると不快感を覚えるだけでなく、可燃性気体や粉塵があるところでは、爆発事故を誘引する可能性がある。
今日、樹脂部材の帯電を防止するために、熱可塑性樹脂に帯電防止剤を添加する等の処置がなされている。このような帯電防止剤には、樹脂成形表面に吹き付け、浸漬、塗布等によって使用される塗布型と、高分子材料に添加剤として加えて加工する練り込み型が挙げられるが、塗布型のものは、帯電防止性の持続性に劣ることに加え、表面に触れて帯電防止剤が拭き取られてしまう問題がある。
このような問題に対して、特許文献1では、合成樹脂に練り込んで使用する高分子型帯電防止剤が提案されている。
一方、多くの合成樹脂は、可燃性物質であり、例えばポリオレフィン系樹脂等の高い可燃性を持つ合成樹脂が幅広い分野で多く使用されているため、それら樹脂に難燃性を付与するために難燃剤の配合が必要不可欠となっている。このような難燃剤として、臭素系難燃剤やリン酸エステル系難燃剤等が知られている。(特許文献2〜5)
このような問題に対して、特許文献1では、合成樹脂に練り込んで使用する高分子型帯電防止剤が提案されている。
一方、多くの合成樹脂は、可燃性物質であり、例えばポリオレフィン系樹脂等の高い可燃性を持つ合成樹脂が幅広い分野で多く使用されているため、それら樹脂に難燃性を付与するために難燃剤の配合が必要不可欠となっている。このような難燃剤として、臭素系難燃剤やリン酸エステル系難燃剤等が知られている。(特許文献2〜5)
しかしながら、従来の帯電防止剤は、帯電防止性能とその持続性において、必ずしも充分とはいえず、さらなる改良が望まれているのが現状である。また成形体の表面を、水を含んだ布等で拭いた場合、帯電防止性能が落ちる問題があり、耐水拭き性が必要とされている。また特に、合成樹脂に難燃性の付与するために難燃剤と併用した場合、帯電防止性能とその持続性、耐水拭き性が、充分ではなく、さらに難燃性にも悪影響を及ぼす問題があった。
従って本発明の目的は、帯電防止性能とその持続性、耐水拭き性、および難燃性に優れた成形体を提供することができる帯電防止性樹脂組成物およびその成形体を提供することにある。
従って本発明の目的は、帯電防止性能とその持続性、耐水拭き性、および難燃性に優れた成形体を提供することができる帯電防止性樹脂組成物およびその成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、特定の構造を有する帯電防止性の高分子化合物および難燃剤を併用することで、上記課題を解消することができること見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、合成樹脂100質量部に対し、1種以上の高分子化合物(E)を3〜40質量部および難燃剤(F)を1〜60質量部含有する帯電防止性樹脂組成物において、
前記高分子化合物(E)が、ジオール(a1)とジカルボン酸(a2)が反応して得られるポリエステル(a)と、エチレンオキシ基を一つ以上有する両末端に水酸基を有する化合物(b)と、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)と、が反応して得られる高分子化合物の1種以上であって、前記ジオール(a1)が、1,4−ブタンジオール、またはエチレングリコールの少なくとも一方であり、前記ジカルボン酸(a2)が、コハク酸、またはコハク酸を含有するジカルボン酸の混合物である、帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
すなわち本発明は、合成樹脂100質量部に対し、1種以上の高分子化合物(E)を3〜40質量部および難燃剤(F)を1〜60質量部含有する帯電防止性樹脂組成物において、
前記高分子化合物(E)が、ジオール(a1)とジカルボン酸(a2)が反応して得られるポリエステル(a)と、エチレンオキシ基を一つ以上有する両末端に水酸基を有する化合物(b)と、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)と、が反応して得られる高分子化合物の1種以上であって、前記ジオール(a1)が、1,4−ブタンジオール、またはエチレングリコールの少なくとも一方であり、前記ジカルボン酸(a2)が、コハク酸、またはコハク酸を含有するジカルボン酸の混合物である、帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記難燃剤(F)が、臭素系難燃剤(F−1)である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記臭素系難燃剤(F−1)が、臭素化ジフェニル化合物、臭素化ビスフェノール系化合物、臭素化ビスフェノール−ビス(アルキルエーテル)系化合物、臭素化フタルイミド系化合物、臭素化トリアジン系化合物、および臭素化熱可塑性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記難燃剤(F)がリン酸エステル系難燃剤(F−2)である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記臭素系難燃剤(F−1)が、臭素化ジフェニル化合物、臭素化ビスフェノール系化合物、臭素化ビスフェノール−ビス(アルキルエーテル)系化合物、臭素化フタルイミド系化合物、臭素化トリアジン系化合物、および臭素化熱可塑性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記難燃剤(F)がリン酸エステル系難燃剤(F−2)である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記リン酸エステル系難燃剤(F−2)が、下記一般式(4)で表される少なくとも1種のリン酸エステル化合物である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
式(4)中、R1、R2、R4およびR5は、各々独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、または下記一般式(5)、
で表される芳香族基を表し、R3は下記一般式(6)、(7)または(8)、
で表される2価の芳香族基を表し、nは0〜30の数である。
式(5)中のR6およびR7は各々独立に、水素原子、ヒドロキシ基または炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。
で表される2価の芳香族基を表し、nは0〜30の数である。
式(5)中のR6およびR7は各々独立に、水素原子、ヒドロキシ基または炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。
式(6)、(7)および(8)中、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17、は、各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子またはシアノ基を表す。式(7)中、Lは直接結合、2価の硫黄原子、スルホニル基または炭素原子数1〜5のアルキリデン基またはアルキレン基を表す。
また本発明は、さらに難燃助剤(G)を1〜30質量部含有する前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記難燃助剤(G)が、アンチモン系化合物、ホウ素系化合物、金属酸化物、およびドリップ防止剤からなる群から選ばれる少なくとも一種である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記高分子化合物(E)が、前記ポリエステル(a)から構成されるポリエステルのブロック(A)と、前記化合物(b)から構成されるポリエーテルのブロック(B)とを有し、前記ポリエステル(a)の末端に有する水酸基またはカルボキシル基と、化合物(b)の末端に有する水酸基と、前記エポキシ化合物(D)のエポキシ基またはエポキシ基が反応することによって形成された水酸基、との反応により形成された、エステル結合またはエーテル結合を介して結合してなる構造を有する前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記高分子化合物(E)が、前記ポリエステルのブロック(A)と、前記ポリエーテルのブロック(B)と、がエステル結合を介して繰り返し交互に結合してなる両末端にカルボキシル基を有するブロックポリマー(C)と、前記エポキシ化合物(D)と、がエステル結合を介して結合してなる構造を有する前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記高分子化合物(E)の前記ポリエステル(a)が、両末端にカルボキシル基を有する構造である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記高分子化合物(E)の前記化合物(b)が、ポリエチレングリコールである前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
またオン発明は、前記高分子化合物(E)の結晶化温度が20〜70℃の範囲内である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記高分子化合物(E)の前記ポリエステル(a)の数平均分子量が、ポリスチレン換算で1,000〜10,000である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記高分子化合物(E)の前記ブロックポリマー(C)の数平均分子量がポリスチレン換算で5,000〜50,000である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、さらに、アルカリ金属の塩(H)およびイオン性液体(J)からなる群から選ばれる1種以上を0.01〜8質量部含有する前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記合成樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂およびそれらの共重合体からなる群から選ばれる1種以上である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記合成樹脂が、ポリカーボネート/ABS樹脂である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記帯電防止性樹脂組成物から得られることを特徴とする成形体を提供するものである。
また本発明は、前記難燃助剤(G)が、アンチモン系化合物、ホウ素系化合物、金属酸化物、およびドリップ防止剤からなる群から選ばれる少なくとも一種である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記高分子化合物(E)が、前記ポリエステル(a)から構成されるポリエステルのブロック(A)と、前記化合物(b)から構成されるポリエーテルのブロック(B)とを有し、前記ポリエステル(a)の末端に有する水酸基またはカルボキシル基と、化合物(b)の末端に有する水酸基と、前記エポキシ化合物(D)のエポキシ基またはエポキシ基が反応することによって形成された水酸基、との反応により形成された、エステル結合またはエーテル結合を介して結合してなる構造を有する前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記高分子化合物(E)が、前記ポリエステルのブロック(A)と、前記ポリエーテルのブロック(B)と、がエステル結合を介して繰り返し交互に結合してなる両末端にカルボキシル基を有するブロックポリマー(C)と、前記エポキシ化合物(D)と、がエステル結合を介して結合してなる構造を有する前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記高分子化合物(E)の前記ポリエステル(a)が、両末端にカルボキシル基を有する構造である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記高分子化合物(E)の前記化合物(b)が、ポリエチレングリコールである前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
またオン発明は、前記高分子化合物(E)の結晶化温度が20〜70℃の範囲内である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記高分子化合物(E)の前記ポリエステル(a)の数平均分子量が、ポリスチレン換算で1,000〜10,000である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記高分子化合物(E)の前記ブロックポリマー(C)の数平均分子量がポリスチレン換算で5,000〜50,000である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、さらに、アルカリ金属の塩(H)およびイオン性液体(J)からなる群から選ばれる1種以上を0.01〜8質量部含有する前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記合成樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂およびそれらの共重合体からなる群から選ばれる1種以上である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記合成樹脂が、ポリカーボネート/ABS樹脂である前記帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記帯電防止性樹脂組成物から得られることを特徴とする成形体を提供するものである。
本発明によれば、帯電防止性能とその持続性、耐水拭き性、および難燃性に優れた成形体を提供することができる帯電防止性樹脂組成物およびその成形体を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、合成樹脂100質量部に対し、1種以上の高分子化合物(E)3〜40質量部および難燃剤(F)を1〜60質量部含有する。本発明の樹脂組成物においては、高分子化合物(E)は、ジオール(a1)とジカルボン酸(a2)が反応して得られるポリエステル(a)と、エチレンオキシ基を一つ以上有する両末端に水酸基を有する化合物(b)と、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)と、が反応して得られる高分子化合物の1種以上であって、前記ジオール(a1)が、1,4−ブタンジオール、またはエチレングリコールの少なくとも一方であり、前記ジカルボン酸(a2)が、コハク酸、またはコハク酸を含有するジカルボン酸の混合物である。
本発明の樹脂組成物は、合成樹脂100質量部に対し、1種以上の高分子化合物(E)3〜40質量部および難燃剤(F)を1〜60質量部含有する。本発明の樹脂組成物においては、高分子化合物(E)は、ジオール(a1)とジカルボン酸(a2)が反応して得られるポリエステル(a)と、エチレンオキシ基を一つ以上有する両末端に水酸基を有する化合物(b)と、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)と、が反応して得られる高分子化合物の1種以上であって、前記ジオール(a1)が、1,4−ブタンジオール、またはエチレングリコールの少なくとも一方であり、前記ジカルボン酸(a2)が、コハク酸、またはコハク酸を含有するジカルボン酸の混合物である。
まず、本発明の樹脂組成物で使用される合成樹脂について説明する。
本発明の樹脂組成物において利用可能な樹脂は、合成樹脂であれば特に制限はないが、成形性の点から、熱可塑性樹脂が好ましく、なかでも、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、含ハロゲン樹脂がより好ましく、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物において利用可能な樹脂は、合成樹脂であれば特に制限はないが、成形性の点から、熱可塑性樹脂が好ましく、なかでも、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、含ハロゲン樹脂がより好ましく、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が特に好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ホモポリプロピレン、インパクトコポリマーポリプロピレン、ランダムコポリマーポリプロピレン、ブロックコポリマーポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ヘミアイソタクチックポリプロピレン、ポリブテン、シクロオレフィンポリマー、ステレオブロックポリプロピレン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン重合体、エチレン−プロピレンのブロックまたはランダム共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のα−オレフィン共重合体、ポリフルオロオレフィン、さらにポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらの2種以上の共重合体でもよい。
ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ビニル基含有芳香族炭化水素単独、および、ビニル基含有芳香族炭化水素と、他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、(メタ)アクリル酸エステル、ブタジエン、(メタ)アクリロニトリル等)との共重合体が挙げられ、例えば、ポリスチレン(PS)樹脂、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン(MBS)樹脂、耐熱ABS樹脂、アクリロニトリル−アクリレート−スチレン(AAS)樹脂、スチレン−無水マレイン酸(SMA)樹脂、メタクリレート−スチレン(MS)樹脂、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)樹脂、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン(AES)樹脂、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン(SBBS)樹脂、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(MABS)樹脂等の熱可塑性樹脂、並びに、これらのブタジエンあるいはイソプレンの二重結合を水素添加したスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)樹脂、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)樹脂、スチレン−エチレン−プロピレン(SEP)樹脂、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEEPS)樹脂等の水素添加スチレン系エラストマー樹脂が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート;ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート等の芳香族ポリエステル;ポリテトラメチレンテレフタレート等の直鎖ポリエステル;ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサン、ポリ(2−オキセタノン)等の分解性脂肪族ポリエステル等が挙げられる。
ポリエーテル系樹脂としては、例えば、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリカーボネート/ABS樹脂、分岐ポリカーボネート等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ε−カプロラクタム(ナイロン6)、ウンデカンラクタム(ナイロン11)、ラウリルラクタム(ナイロン12)、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸、α−ピロリドン、α−ピペリドン等の重合物;ヘキサメチレンジアミン、ノナンジアミン、ノナンメチレンジアミン、メチルペンタジアミン、ウンデカンメチレンジアミン、ドデカンメチレンジアミン、メタキシレンジアミン等のジアミンと、アジビン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸等のジカルボン酸等のカルボン酸化合物とを共重合させて得られる共重合体、または、これらの重合体または共重合体の混合物等が挙げられる。また、デュポン社製商品名“ケブラー”、デュポン社製商品名“ノ−メックス”、株式会社帝人製商品名“トワロン”、“コーネックス”等のアラミド系樹脂が挙げられる。
含ハロゲン樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体等が挙げられる。
さらに熱可塑性樹脂の例を挙げると、例えば、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、繊維素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリサルフォン、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂およびこれらのブレンド物を用いることができる。
また、熱可塑性樹脂は、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリエステル系エラストマー、ニトリル系エラストマー、ナイロン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等のエラストマーであってもよく、併用してもよい。
本発明の樹脂組成物においては、これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併せて使用してもよい。また、アロイ化されていてもよい。なお、これらの熱可塑性樹脂は、分子量、重合度、密度、軟化点、溶媒への不溶分の割合、立体規則性の程度、触媒残渣の有無、原料となるモノマーの種類や配合比率、重合触媒の種類(例えば、チーグラー触媒、メタロセン触媒等)等に関わらず使用することができる。
次に高分子化合物(E)について説明する。高分子化合物(E)は、樹脂組成物に帯電防止性を付与するために配合される。本発明で用いる高分子化合物(E)は、ジオール(a1)とジカルボン酸(a2)が反応して得られるポリエステル(a)と、エチレンオキシ基を一つ以上有する両末端に水酸基を有する化合物(b)と、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)と、が反応して得られる高分子化合物である。ここで、エチレンオキシ基とは、下記一般式(1)で示される基である。
高分子化合物(E)においては、ジオール(a1)は、1,4−ブタンジオールまたはエチレングリコールの少なくとも一方である。これらは、他のジオールと比較して、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点に優れている。
高分子化合物(E)においては、ジカルボン酸(a2)は、コハク酸、または、コハク酸を含有するジカルボン酸の混合物である。コハク酸は、他のジカルボン酸と比較して、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点に優れている。
コハク酸との混合物として使用できるジカルボン酸の例としては、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸が挙げられ、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、好ましくは炭素原子数2〜20の脂肪族ジカルボン酸が挙げられ、例えば、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、メチルコハク酸、ジメチルマロン酸、3−メチルグルタル酸、エチルコハク酸、イソプロピルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸(1,10−デカンジカルボン酸)、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、
オクタデカン二酸、エイコサン二酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン二酢酸、1,3−シクロヘキサン二酢酸、1,2−シクロヘキサン二酢酸、1,1−シクロヘキサン二酢酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
オクタデカン二酸、エイコサン二酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン二酢酸、1,3−シクロヘキサン二酢酸、1,2−シクロヘキサン二酢酸、1,1−シクロヘキサン二酢酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、好ましくは炭素原子数8〜20の芳香族ジカルボン酸が挙げられ、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フェニルマロン酸、ホモフタル酸、フェニルコハク酸、β−フェニルグルタル酸、α−フェニルアジピン酸、β−フェニルアジピン酸、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウムおよび3−スルホイソフタル酸カリウム等が挙げられる。
コハク酸との混合物で使用するジカルボン酸は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、アジピン酸、セバシン酸がより好ましく、アジピン酸が最も好ましい。
ジカルボン酸(a2)は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、コハク酸と、他のジカルボン酸(例えば、アジピン酸)との比率がモル比で、100:0〜50:50が好ましく、100:0〜70:30がより好ましく、100:0〜80:20がさらにより好ましく、100:0〜90:10がさらにより好ましい。
高分子化合物(E)においては、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、ポリエステル(a)から構成されるポリエステルのブロック(A)と、化合物(b)から構成されるポリエーテルのブロック(B)と、を有し、ポリエステル(a)の末端に有する水酸基またはカルボキシル基と、化合物(b)の末端に有する水酸基と、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)のエポキシ基、またはエポキシ基が反応することによって形成された水酸基と、の反応により形成された、エステル結合またはエーテル結合を介して結合してなる構造を有することが好ましい。ここで、エポキシ基が反応することによって形成された水酸基とは、エポキシ化合物(D)のエポキシ基が、水酸基またはカルボキシル基と開環反応することで形成される水酸基である。
高分子化合物(E)においては、特に、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、ポリエステルのブロック(A)と、ポリエーテルのブロック(B)と、がエステル結合を介して繰り返し交互に結合してなる両末端にカルボキシル基を有するブロックポリマー(C)と、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)と、がエステル結合を介して結合してなることが好ましい。ここでのエステル結合は、ブロックポリマー(C)の有するカルボキシル基とエポキシ化合物(D)の有するエポキシ基との反応により形成されるエステル結合と、さらに、このエステル結合を形成する反応で、エポキシ基が開環し形成された水酸基と、カルボキシル基が反応して形成されたエステル結合が挙げられる。本発明においては、これらいずれのエステル結合を介して結合していてもよく、両者のエステル結合を介して結合しているのが帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点からより好ましい。
高分子化合物(E)において、ポリエステル(a)は、ジオール成分(a1)として1,4−ブタンジオールまたはエチレングリコールの少なくとも一方、ジカルボン酸成分(a2)としてコハク酸、または、コハク酸を含有するジカルボン酸の混合物、をエステル化反応(エステル交換反応を含む)させたものであればよい。本発明でいうエステル化反応とは、エステル結合を形成する反応であれば特に制限はない。ジオール成分(a1)は1,4−ブタンジオールのみでもよく、エチレングリコールのみでもよく、1,4−ブタンジオールおよびエチレングリコールの両者でもよい。ジオール成分(a1)は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から1,4−ブタンジオールが好ましく、1,4−ブタンジオールとエチレングリコールを併用する場合は、1,4−ブタンジオールの割合が多いほど、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から好ましい。
ジオール成分(a1)は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、1,4−ブタンジオールと、エチレングリコールとの比率がモル比で、100:0〜50:50が好ましく、100:0〜70:30がより好ましく、100:0〜80:20がさらにより好ましい。
高分子化合物(E)で用いられるジカルボン酸成分(a2)であるコハク酸は、コハク酸の誘導体であってもよく、誘導体としては、例えば、コハク酸無水物、コハク酸エステル(例えば、コハク酸メチルエステル等のコハク酸アルキルエステル)、コハク酸アルカリ金属塩(例えば、コハク酸ナトリウム塩)、コハク酸ハライド(例えば、コハク酸クロライド)が挙げられる。また、コハク酸との混合物として使用されるジカルボン酸も、ジカルボン酸の誘導体であってもよい。誘導体としては、例えば、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル(例えば、カルボン酸メチルエステル等のカルボン酸アルキルエステル)、カルボン酸アルカリ金属塩(例えば、カルボン酸ナトリウム塩)、カルボン酸ハライド(例えば、カルボン酸クロライド)等が挙げられる。コハク酸との混合物として使用されるジカルボン酸は2種以上でもよい。
次に、化合物(b)と、好ましい高分子化合物(E)のポリエーテルのブロック(B)について説明する。ポリエーテルのブロック(B)は、下記一般式(1)で示されるエチレンオキシ基を一つ以上有する両末端に水酸基を有する化合物(b)から構成される。
一般式(1)で示されるエチレンオキシ基を一つ以上有し両末端に水酸基を有する化合物(b)としては、親水性を有する化合物が好ましく、一般式(1)で示されるエチレンオキシ基を有するポリエーテルがより好ましく、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、ポリエチレングリコールがさらにより好ましく、下記一般式(2)で表されるポリエチレングリコールが特に好ましい。
ここで、mは5〜250の数を表す。mは、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、20〜200が好ましく、40〜180がより好ましい。
化合物(b)としては、エチレンオキサイドを付加反応させて得られるポリエチレングリコール以外に、エチレンオキサイドと、他のアルキレンオキサイド、例えば、プロピレンオキサイド、1,2−、1,4−、2,3−、または1,3−ブチレンオキサイド等の1種以上とを付加反応させたポリエーテルが挙げられ、このポリエーテルはランダムでも
ブロックでもいずれでもよい。
ブロックでもいずれでもよい。
化合物(b)の例をさらに挙げると、活性水素原子含有化合物にエチレンオキサイドが付加した構造の化合物や、エチレンオキサイドおよび他のアルキレンオキサイド、例えば、プロピレンオキサイド、1,2−、1,4−、2,3−または1,3−ブチレンオキサイド等の1種以上が付加した構造の化合物が挙げられる。これらはランダム付加およびブロック付加のいずれでもよい。
活性水素原子含有化合物としては、グリコール、2価フェノール、1級モノアミン、2級ジアミンおよびジカルボン酸等が挙げられる。
グリコールとしては、炭素原子数2〜20の脂肪族グリコール、炭素原子数5〜12の脂環式グリコールおよび炭素原子数8〜26の芳香族グリコール等が使用できる。
脂肪族グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびチオジエチレングリコール等が挙げられる。
脂環式グリコールとしては、例えば、1−ヒドロキシメチル−1−シクロブタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1−メチル−3,4−シクロヘキサンジオール、2−ヒドロキシメチルシクロヘキサノール、4−ヒドロキシメチルシクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび1,1’−ジヒドロキシ−1,1’−ジシクロヘキシル等が挙げられる。
芳香族グリコールとしては、例えば、ジヒドロキシメチルベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−フェニル−1,4−ブタンジオール、2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、トリフェニルエチレングリコール、テトラフェニルエチレングリコールおよびベンゾピナコール等が挙げられる。
脂肪族グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびチオジエチレングリコール等が挙げられる。
脂環式グリコールとしては、例えば、1−ヒドロキシメチル−1−シクロブタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1−メチル−3,4−シクロヘキサンジオール、2−ヒドロキシメチルシクロヘキサノール、4−ヒドロキシメチルシクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび1,1’−ジヒドロキシ−1,1’−ジシクロヘキシル等が挙げられる。
芳香族グリコールとしては、例えば、ジヒドロキシメチルベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−フェニル−1,4−ブタンジオール、2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、トリフェニルエチレングリコール、テトラフェニルエチレングリコールおよびベンゾピナコール等が挙げられる。
2価フェノールとしては、炭素原子数6〜30のフェノールが使用でき、例えば、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、ビナフトールおよびこれらのアルキル(炭素原子数1〜10)またはハロゲン置換体等が挙げられる。
1級モノアミンとしては、炭素原子数1〜20の脂肪族1級モノアミンが挙げられ、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−アミルアミン、イソアミルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−オクタデシルアミンおよびn−イコシルアミン等が挙げられる。
2級ジアミンとしては、炭素原子数4〜18の脂肪族2級ジアミン、炭素原子数4〜13の複素環式2級ジアミン、炭素原子数6〜14の脂環式2級ジアミン、炭素原子数8〜14の芳香族2級ジアミンおよび炭素原子数3〜22の2級アルカノールジアミン等が使
用できる。
2級ジアミンとしては、炭素原子数4〜18の脂肪族2級ジアミン、炭素原子数4〜13の複素環式2級ジアミン、炭素原子数6〜14の脂環式2級ジアミン、炭素原子数8〜14の芳香族2級ジアミンおよび炭素原子数3〜22の2級アルカノールジアミン等が使
用できる。
脂肪族2級ジアミンとしては、例えば、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジブチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルプロピレンジアミン、N,N’−ジエチルプロピレンジアミン、N,N’−ジブチルプロピレンジアミン、N,N’−ジメチルテトラメチレンジアミン、N,N’−ジエチルテトラメチレンジアミン、N,N’−ジブチルテトラメチレンジアミン、N,N’−ジメチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジエチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジブチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルデカメチレンジアミン、N,N’−ジエチルデカメチレンジアミンおよびN,N’−ジブチルデカメチレンジアミン等が挙げられる。
複素環式2級ジアミンとしては、例えば、ピペラジン、1−アミノピペリジン等が挙げられる。
脂環式2級ジアミンとしては、例えば、N,N’−ジメチル−1,2−シクロブタンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−シクロブタンジアミン、N,N’−ジブチル−1,2−シクロブタンジアミン、N,N’−ジメチル−1,4−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジエチル−1,4−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジブチル−1,4−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジエチル−1,3−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジブチル−1,3−シクロヘキサンジアミン等が挙げられる。
芳香族2級ジアミンとしては、例えば、N,N’−ジメチル−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−キシリレンジアミン、N,N’−ジメチル−ジフェニルメタンジアミン、N,N’−ジメチル−ジフェニルエーテルジアミン、N,N’−ジメチル−ベンジジンおよびN,N’−ジメチル−1,4−ナフタレンジアミン等が挙げられる。
2級アルカノールジアミンとしては、例えば、N−メチルジエタノールアミン、N−オクチルジエタノールアミン、N−ステアリルジエタノールアミンおよびN−メチルジプロパノールアミン等が挙げられる。
複素環式2級ジアミンとしては、例えば、ピペラジン、1−アミノピペリジン等が挙げられる。
脂環式2級ジアミンとしては、例えば、N,N’−ジメチル−1,2−シクロブタンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−シクロブタンジアミン、N,N’−ジブチル−1,2−シクロブタンジアミン、N,N’−ジメチル−1,4−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジエチル−1,4−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジブチル−1,4−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジエチル−1,3−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジブチル−1,3−シクロヘキサンジアミン等が挙げられる。
芳香族2級ジアミンとしては、例えば、N,N’−ジメチル−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−キシリレンジアミン、N,N’−ジメチル−ジフェニルメタンジアミン、N,N’−ジメチル−ジフェニルエーテルジアミン、N,N’−ジメチル−ベンジジンおよびN,N’−ジメチル−1,4−ナフタレンジアミン等が挙げられる。
2級アルカノールジアミンとしては、例えば、N−メチルジエタノールアミン、N−オクチルジエタノールアミン、N−ステアリルジエタノールアミンおよびN−メチルジプロパノールアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、炭素原子数2〜20のジカルボン酸が使用でき、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および脂環式ジカルボン酸等が用いられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、ジメチルマロン酸、β−メチルグルタル酸、エチルコハク酸、イソプロピルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、トリデカンジ酸、テトラデカンジ酸、ヘキサデカンジ酸、オクタデカンジ酸およびイコサンジ酸が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フェニルマロン酸、ホモフタル酸、フェニルコハク酸、β−フェニルグルタル酸、α−フェニルアジピン酸、β−フェニルアジピン酸、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウムおよび3−スルホイソフタル酸カリウム等が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、例えば、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン
ジ酢酸、1,3−シクロヘキサンジ酢酸、1,2−シクロヘキサンジ酢酸およびジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、ジメチルマロン酸、β−メチルグルタル酸、エチルコハク酸、イソプロピルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、トリデカンジ酸、テトラデカンジ酸、ヘキサデカンジ酸、オクタデカンジ酸およびイコサンジ酸が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フェニルマロン酸、ホモフタル酸、フェニルコハク酸、β−フェニルグルタル酸、α−フェニルアジピン酸、β−フェニルアジピン酸、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウムおよび3−スルホイソフタル酸カリウム等が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、例えば、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン
ジ酢酸、1,3−シクロヘキサンジ酢酸、1,2−シクロヘキサンジ酢酸およびジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸等が挙げられる。
これらの活性水素原子含有化合物は、1種でも2種以上の混合物でも使用することができる。
次に、高分子化合物(E)を構成するエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)について説明する。本発明に用いるエポキシ化合物(D)としては、エポキシ基を2個以上有するものであれば特に制限されず、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノール等の単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物、ジシクロペンタジエンジメタノール等の多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族または脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類およびグリシジルメタクリレートの単独重合体または共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物、エポキシ化大豆油等が挙げられる。また、これらのエポキシ化合物は、末端イソシアネートのプレポリマーによって内部架橋されたもの、あるいは多価の活性水素化合物(多価フェノール、ポリアミン、カルボニル基含有化合物、ポリリン酸エステル等)を用いて高分子量化したものであってもよい。かかるエポキシ化合物(D)は、2種以上を使用してもよい。
エポキシ化合物(D)は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンジメタノールジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテルが好ましい。
エポキシ化合物(D)のエポキシ当量は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、70〜2,000が好ましく、100〜1,000がより好ましく、150〜600が特により好ましい。
エポキシ化合物(D)のエポキシ当量は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、70〜2,000が好ましく、100〜1,000がより好ましく、150〜600が特により好ましい。
高分子化合物(E)は、ジオール(a1)とジカルボン酸(a2)とが反応して得られるポリエステル(a)と、エチレンオキシ基を1つ以上有する両末端に水酸基を有する化合物(b)と、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)と、が反応して得られるものであり、ポリエステル(a)から構成されるポリエステルのブロック(A)と、化合物(b)から構成されるポリエーテルのブロック(B)と、を有し、ポリエステル(a)の末端に有する水酸基またはカルボキシル基と、化合物(b)の末端に有する水酸基と、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物のエポキシ基、またはこのエポキシ基が反応することによって形成された水酸基と、の反応により形成された、エステル結合またはエーテル結合を介して結合してなる構造を有するものが、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から好ましい。
さらに、高分子化合物(E)は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、ポリエステル(a)から構成されるポリエステルのブロック(A)および化合物(b)から構成されるポリエーテルのブロック(B)がエステル結合を介して繰り返し交互に結合してなる両末端にカルボキシル基を有するブロックポリマー(C)と、エポキシ化合物(D)とが、ブロックポリマー(C)のカルボキシル基と、エポキシ化合物(D)のエポキシ基と、により形成されたエステル結合を介して結合してなる構造を有するものが好ましく、さらにカルボキシル基との反応でエポキシ基が開環して形成された水酸基と、カルボキシル基との反応により形成されたエステル結合を介して結合する構造を有していることも好ましい。本発明の高分子化合物(E)に係るポリエステルのブロック(A)を構成するポリエステル(a)は、ジオール(a1)とジカルボン酸(a2)からなるものであればよく、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、好ましくは、ジオール(a1)の水酸基を除いた残基と、ジカルボン酸(a2)のカルボキシル基を除いた残基とが、エステル結合を介して結合する構造を有する。
また、ポリエステル(a)は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、両末端にカルボキシル基を有する構造のものが好ましい。さらに、ポリエステル(a)の重合度は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から好適には2〜50の範囲である。
両末端にカルボキシル基を有するポリエステル(a)は、ジオール(a1)(1,4−ブタンジオールまたはエチレングリコールの少なくとも一方)と、ジカルボン酸(a2)(例えばコハク酸)とをエステル化反応させることにより得ることができる。
ジカルボン酸(a2)(例えば、コハク酸)は、その誘導体(例えば、酸無水物、アルキルエステル等のエステル、アルカリ金属塩、酸ハライド等)であってもよく、誘導体を使用してポリエステル(a)を得た場合は、最終的に両末端を処理してカルボキシル基にすればよく、そのままの状態で、次の、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)を得るための反応に進んでもよい。
ジカルボン酸(a2)と、ジオール(a1)との反応比は、両末端がカルボキシル基となるように、ジカルボン酸(a2)を過剰に使用することが好ましく、モル比で、ジオール(a1)に対して1モル過剰に使用することが好ましい。エステル化反応には、エステル化反応を促進する触媒を使用してもよく、触媒としては、ジブチル錫オキサイド、テトラアルキルチタネート、酢酸ジルコニウム、酢酸亜鉛等、従来公知のものが使用できる。
また、ジカルボン酸の代わりに、エステル、アルカリ金属塩、酸ハライド等の誘導体を使用した場合には、それらとジオールとの反応後に、両末端を処理してジカルボン酸としてもよく、そのままの状態で、次の、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)を得るための反応に進んでもよい。
ジオール(a1)と、ジカルボン酸(a2)からなり両末端にカルボキシル基を有する好適なポリエステル(a)は、化合物(b)と反応することでエステル結合を形成し、ブロックポリマー(C)の構造を形成するものが好ましく、両末端のカルボキシル基は、保護されていてもよく、修飾されていてもよく、また、前駆体の形であってもよい。また、反応時に生成物の酸化を抑えるために、反応系にフェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤を添加してもよい。
エチレンオキシ基を一つ以上有し両末端に水酸基を有する化合物(b)は、好ましくはポリエステル(a)と反応することでエステル結合またはエーテル結合、好ましくはエステル結合を形成しブロックポリマー(C)の構造を形成するものであり、両末端の水酸基は、保護されていてもよく、修飾されていてもよく、また、前駆体の形であってもよい。
本発明において、高分子化合物(E)の両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)は、上記ポリエステル(a)から構成されたブロック(A)と、上記化合物(b)から構成されたブロック(B)とを有し、これらのブロックが、カルボキシル基と水酸基とにより形成されたエステル結合を介して繰り返し交互に結合してなる構造を有する。かかるブロックポリマー(C)の一例を挙げると、例えば、下記一般式(3)で表される構造を有するものが挙げられる。
本発明において、高分子化合物(E)の両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)は、上記ポリエステル(a)から構成されたブロック(A)と、上記化合物(b)から構成されたブロック(B)とを有し、これらのブロックが、カルボキシル基と水酸基とにより形成されたエステル結合を介して繰り返し交互に結合してなる構造を有する。かかるブロックポリマー(C)の一例を挙げると、例えば、下記一般式(3)で表される構造を有するものが挙げられる。
一般式(3)中、(A)は、上記両末端にカルボキシル基を有するポリエステル(a)から構成されたブロックを表し、(B)は、上記両末端に水酸基を有する化合物(b)から構成されたブロックを表し、tは繰り返し単位の繰り返しの数であり、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から好ましくは1〜10の数を表す。tは、より好ましくは1〜7の数であり、最も好ましくは1〜5の数である。
両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)は、両末端にカルボキシル基を有するポリエステル(a)と、両末端に水酸基を有する化合物(b)とを、重縮合反応させることによって得ることができるが、上記ポリエステル(a)と上記化合物(b)とが、カルボキシル基と水酸基とにより形成されたエステル結合を介して繰り返し交互に結合してなる構造を有するものと同等の構造を有するものであれば、必ずしも上記ポリエステル(a)と上記化合物(b)とから合成する必要はない。
上記ポリエステル(a)と上記化合物(b)との反応比は、上記化合物(b)がXモルに対して、上記ポリエステル(a)がX+1モルとなるように調整すれば、両末端にカルボキシル基を有するブロックポリマー(C)を好ましく得ることができる。
反応に際しては、上記ポリエステル(a)の合成反応の完結後に、上記ポリエステル(a)を単離せずに、上記化合物(b)を反応系に加えて、そのまま反応させてもよい。
重縮合反応には、エステル化反応を促進する触媒を使用してもよく、触媒としては、ジブチル錫オキサイド、テトラアルキルチタネート、酢酸ジルコニウム、酢酸亜鉛等、従来公知のものが使用できる。また、反応時に生成物の酸化を抑えるために、反応系にフェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤を添加してもよい。
重縮合反応には、エステル化反応を促進する触媒を使用してもよく、触媒としては、ジブチル錫オキサイド、テトラアルキルチタネート、酢酸ジルコニウム、酢酸亜鉛等、従来公知のものが使用できる。また、反応時に生成物の酸化を抑えるために、反応系にフェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤を添加してもよい。
本発明において、高分子化合物(E)は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、好ましくは、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(D)とが、エステル結合を介して結合してなる構造を有する。エステル結合は、ブロックポリマー(C)の末端のカルボキシル基とエポキシ化合物(D)のエポキシ基との反応により形成されたエステル結合、さらにこの反応(カルボキシル基とエポキシ基との反応)によって形成された水酸基と、カルボキシル基との反応により形成されたエステル結合のいずれでもよく、両方のエステル結合が存在することが、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から好ましい。
また、かかる高分子化合物(E)は、さらに、上記ポリエステル(a)のカルボキシル基と上記エポキシ化合物(D)のエポキシ基とにより形成されたエステル結合を含んでいてもよい。
さらに、かかる高分子化合物(E)は、上記ポリエステル(a)のカルボキシル基と、上記エポキシ化合物のエポキシ基が反応して形成された水酸基とにより形成されたエステル結合を含んでいてもよい。
さらにまた、かかる高分子化合物(E)は、さらに、上記ポリエステル(a)の水酸基または上記化合物(b)の水酸基と、上記エポキシ化合物(D)のエポキシ基とにより形成されたエーテル結合を含んでいてもよい。
さらに、かかる高分子化合物(E)は、上記ポリエステル(a)のカルボキシル基と、上記エポキシ化合物のエポキシ基が反応して形成された水酸基とにより形成されたエステル結合を含んでいてもよい。
さらにまた、かかる高分子化合物(E)は、さらに、上記ポリエステル(a)の水酸基または上記化合物(b)の水酸基と、上記エポキシ化合物(D)のエポキシ基とにより形成されたエーテル結合を含んでいてもよい。
好ましい高分子化合物(E)を得るためには、上記ブロックポリマー(C)と上記エポキシ化合物(D)を反応させればよい。すなわち、上記ブロックポリマー(C)のカルボキシル基を、上記エポキシ化合物(D)のエポキシ基と反応させればよい。さらに好ましくは、反応したエポキシ基から形成された水酸基と、カルボキシル基を反応させればよい。エポキシ化合物(D)のエポキシ基の数は、反応させるブロックポリマー(C)のカルボキシル基の数の、0.5〜5当量が好ましく、0.5〜1.5当量がより好ましい。また、上記反応は、各種溶媒中で行ってもよく、溶融状態で行ってもよい。
反応させるエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)は、反応させるブロックポリマー(C)のカルボキシル基の数の、0.1〜2.0当量が好ましく、0.2〜1.5当量がより好ましい。
反応させるエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)は、反応させるブロックポリマー(C)のカルボキシル基の数の、0.1〜2.0当量が好ましく、0.2〜1.5当量がより好ましい。
反応に際しては、上記ブロックポリマー(C)の合成反応の完結後に、ブロックポリマー(C)を単離せずに、反応系にエポキシ化合物(D)を加えて、そのまま反応させてもよい。その場合、ブロックポリマー(C)を合成するときに過剰に使用した未反応のポリエステル(a)のカルボキシル基と、エポキシ化合物(D)の一部のエポキシ基とが反応して、エステル結合を形成してもよい。
本発明において、高分子化合物(E)は、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)とエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)とが、それぞれのカルボキシル基とエポキシ基とにより形成されたエステル結合を介して結合した構造を有するものと同等の構造を有するものであれば、必ずしも上記ブロックポリマー(C)と上記エポキシ化合物(D)とから合成する必要はない。ここでいうカルボキシル基とエポキシ基とにより形成されたエステル結合には、カルボキシル基と、カルボキシル基と反応することによってエポキシ基から形成された水酸基とにより形成されたエステル結合も含まれる。
本発明において、高分子化合物(E)における、両末端に水酸基を有する化合物(b)から構成されるブロック(B)を構成する化合物(b)の数平均分子量は、水酸基価の測定値から算出し、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、好ましくは400〜10,000であり、より好ましくは1,000〜8,000であり、さらに好ましくは2,000〜8,000である。水酸基価の測定方法と水酸基価からの数平均分子量の算出方法を以下に記す。
<水酸基価からの数平均分子量の算出方法>
下記水酸基価測定方法で水酸基価を測定し、下記式で数平均分子量(以下「Mn」とも称する)を決定した。
数平均分子量=(56110×2)/水酸基価
下記水酸基価測定方法で水酸基価を測定し、下記式で数平均分子量(以下「Mn」とも称する)を決定した。
数平均分子量=(56110×2)/水酸基価
<水酸基価測定法>
・試薬A(アセチル化剤)
(1)トリエチルホスフェート 1560mL
(2)無水酢酸 193mL
(3)過塩素酸(60%) 16g
上記試薬を(1)→(2)→(3)の順に混合する。
・試薬B
ピリジンと純水を体積比率で3:1に混合する。
・試薬C
500mLのイソプロピルアルコールにフェノールフタレイン液を2〜3滴加え、1N−KOH水溶液で中性にする。
・試薬A(アセチル化剤)
(1)トリエチルホスフェート 1560mL
(2)無水酢酸 193mL
(3)過塩素酸(60%) 16g
上記試薬を(1)→(2)→(3)の順に混合する。
・試薬B
ピリジンと純水を体積比率で3:1に混合する。
・試薬C
500mLのイソプロピルアルコールにフェノールフタレイン液を2〜3滴加え、1N−KOH水溶液で中性にする。
まず、200mL三角フラスコにサンプルを2g量りとり、トリエチルホスフェート10mLを加え、加熱溶解させる。試薬A15mLを加え、共栓をして激しく振盪する。試薬B20mLを加え、共栓をして激しく振盪する。試薬C50mLを加える。1N−KOH水溶液で滴定し、下式で計算する。
水酸基価[mgKOH/g]=56.11×f×(T−B)/S
f:1N−KOH水溶液のfactor
B:空試験滴定量[mL]
T:本試験滴定量[mL]
S:サンプル量[g]
水酸基価[mgKOH/g]=56.11×f×(T−B)/S
f:1N−KOH水溶液のfactor
B:空試験滴定量[mL]
T:本試験滴定量[mL]
S:サンプル量[g]
また、本発明において、高分子化合物(E)における、ポリエステル(a)から構成されるブロック(A)を構成するポリエステル(a)の数平均分子量は、ポリスチレン換算で、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、好ましくは1,000〜10,000であり、より好ましくは1,500〜8,000であり、さらに好ましくは2,500〜7,500である。数平均分子量が1,000未満だと保存安定性が劣るおそれがあり、10,000を超えると高分子化合物(E)を得るための反応に時間がかかり経済性に劣るおそれや、得られる高分子化合物が長時間の反応により着色するおそれがある。
ポリスチレン換算による数平均分子量の測定方法は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法が好ましく、その測定方法を以下に示す。
ポリスチレン換算による数平均分子量の測定方法は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法が好ましく、その測定方法を以下に示す。
<ポリスチレン換算による数平均分子量の測定方法>
数平均分子量(以下、「Mn」とも称する)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定した。Mnの測定条件は以下の通りである。
装置 :日本分光(株)製GPC装置
溶媒 :クロロホルム
基準物質 :ポリスチレン
検出器 :示差屈折計(RI検出器)
カラム固定相:昭和電工(株)製Shodex LF−804
カラム温度 :40℃
サンプル濃度:1mg/1mL
流量 :0.8mL/min.
注入量 :100μL
数平均分子量(以下、「Mn」とも称する)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定した。Mnの測定条件は以下の通りである。
装置 :日本分光(株)製GPC装置
溶媒 :クロロホルム
基準物質 :ポリスチレン
検出器 :示差屈折計(RI検出器)
カラム固定相:昭和電工(株)製Shodex LF−804
カラム温度 :40℃
サンプル濃度:1mg/1mL
流量 :0.8mL/min.
注入量 :100μL
さらに、高分子化合物(E)における、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)の数平均分子量は、ポリスチレン換算で、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、好ましくは5,000〜50,000であり、より好ましくは10,000〜,45,000であり、さらに好ましくは15,000〜40,000である。数平均分子量が5,000未満だと保存安定性が劣るおそれがあり、50,000を超えると高分子化合物(E)を得るための反応に時間がかかり経済性に劣るおそれや、得られる高分子化合物が長時間の反応により着色するおそれがある。ポリスチレン換算による数平均分子量の測定方法は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法が好ましく、その測定方法は上述のとおりである。
また、本発明の帯電防止剤に係る高分子化合物(E)は、ジオール(a1)とジカルボン酸(a2)からポリエステル(a)を得たのち、ポリエステル(a)を単離せずに、化合物(b)および/またはエポキシ化合物(D)と反応させてもよい。
本発明において、高分子化合物(E)は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、結晶化温度が20℃以上70℃以下の範囲内であることが好ましく、30℃以上70℃以下がより好ましく、40℃以上〜70℃以下がさらにより好ましく、50℃以上70℃以下がさらにより好ましく、55℃以上70℃以下がさらにより好ましく、60℃以上70℃以下がさらにより好ましい。本発明の帯電防止剤においては、結晶化温度は、以下の結晶化温度測定方法により測定される。
<結晶化温度測定方法>
結晶化温度は示差走査熱量測定器(DSC)を用いて測定する。試料を、アルミニウムパンに3±1mg量り取り、室温(25℃)から10℃/分の速度で130℃まで昇温し、5分間保持後、10℃/分の速度で0℃まで冷却して得られたチャートにおいて、吸熱のピークトップとなる温度を結晶化温度とする。
結晶化温度は示差走査熱量測定器(DSC)を用いて測定する。試料を、アルミニウムパンに3±1mg量り取り、室温(25℃)から10℃/分の速度で130℃まで昇温し、5分間保持後、10℃/分の速度で0℃まで冷却して得られたチャートにおいて、吸熱のピークトップとなる温度を結晶化温度とする。
本発明において、高分子化合物(E)は、ペレット状で使用することがハンドリング性から好ましい。ペレット状にするには、重合反応後に、ポリマーを押出機から押し出し、カッティングしてペレット状とすればよい。カッティングにはペレタイザー等の機械を使用してもよい。
本発明の樹脂組成物において、高分子化合物(E)の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、3〜40質量部であり、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、5〜35質量部が好ましく、7〜30質量部がより好ましい。3質量部よりも少ないと、充分な帯電防止性が得られない場合があり、40質量部を超えると、成形品の物性に悪影響が出る場合がある。
次に本発明の樹脂組成物で使用される、難燃剤(F)について説明する。
本発明で使用される難燃剤(F)としては、公知ものを使用できるが、臭素系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤(本発明においては縮合リン酸エステル系難燃剤も含む)、無機リン系難燃剤、(ポリ)リン酸塩系難燃剤、金属水酸化物、トリアジン環含有化合物等が挙げられる。
これらのなかでも、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、臭素系難燃剤(F−1)と、リン酸エステル系難燃剤(F−2)が好ましい。
本発明で使用される難燃剤(F)としては、公知ものを使用できるが、臭素系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤(本発明においては縮合リン酸エステル系難燃剤も含む)、無機リン系難燃剤、(ポリ)リン酸塩系難燃剤、金属水酸化物、トリアジン環含有化合物等が挙げられる。
これらのなかでも、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、臭素系難燃剤(F−1)と、リン酸エステル系難燃剤(F−2)が好ましい。
臭素系難燃剤(F−1)としては特に制限はなく、公知のものを用いることができる。この中でも、難燃性や入手の容易さの点から、臭素化ジフェニル化合物、臭素化ビスフェノール系化合物、臭素化ビスフェノール−ビス(アルキルエーテル)系化合物、臭素化フタルイミド系化合物、臭素化トリアジン系化合物、臭素化熱可塑性樹脂等が好ましい。
臭素化ジフェニル化合物としては、例えば、臭素化ジフェニルエーテル系化合物、臭素化ジフェニルアルカン系化合物、臭素化ジフェニルケトン系化合物等が挙げられる。これらの中でもデカブロモジフェニルエーテルやオクタブロモジフェニルエーテル等の臭素化ジフェニルエーテル系化合物、デカブロモジフェニルエタン等のハロゲン化ジフェニルアルカン化合物が好ましい。
臭素化ビスフェノール系化合物としては、例えば、臭素化ビスフェニルアルカン類、臭素化ビスフェニルエーテル類、臭素化ビスフェニルチオエーテル類、臭素化ビスフェニルスルフォン類、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子鎖末端のグリシジル基の一部または全部を封止した変性物、臭素化ビスフェノールAから合成したポリカーボネートオリゴマー等が挙げられる。これらの中でもテトラブロモビスフェノールA等の臭素化ビスフェニルアルカン類、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン等のハロゲン化ビスフェニルチオエーテル類が好ましい。
臭素化ビスフェノール−ビス(アルキルエーテル)系化合物としては、臭素化ビスフェノールA‐ビス(アルキルエーテル)、臭素化ビスフェノールS‐ビス(アルキルエーテル)、臭素化ビスフェノールF‐ビス(アルキルエーテル)等が挙げられる。これらの中でも2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)プロパン等の臭素化ビスフェノールA(臭素化脂肪族エーテル)、(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−(3−ブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)スルフォン、ビス(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)スルフォン等の臭素化ビスフェノールS(臭素化脂肪族エーテル)が好ましい。
臭素化フタルイミド系化合物としては、例えば、エチレン−ビス−(テトラブロモフタルイミド)が挙げられる。
臭素化フタルイミド系化合物としては、例えば、エチレン−ビス−(テトラブロモフタルイミド)が挙げられる。
臭素化トリアジン系化合物としては、例えば、2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン等のトリス(臭素化フェノキシ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
臭素化熱可塑性樹脂としては、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリアクリレート、臭素化ポリフェニレンエーテル等が挙げられる。これらの中でもポリ(トリブロモスチレン)等の臭素化ポリスチレン、ポリ(ジブロモフェニレンオキシド)等の臭素化ポリフェニレンエーテルが好ましい。
次に、リン酸エステル系難燃剤(F−2)について説明する。
本発明において、リン酸エステル系難燃剤には、縮合リン酸エステル系難燃剤も含まれる。リン酸エステル系難燃剤(F−2)の中でも、下記一般式(4)で表されるリン酸エステル化合物の1種以上が、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から好ましい。
本発明において、リン酸エステル系難燃剤には、縮合リン酸エステル系難燃剤も含まれる。リン酸エステル系難燃剤(F−2)の中でも、下記一般式(4)で表されるリン酸エステル化合物の1種以上が、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から好ましい。
式(4)中、R1、R2、R4およびR5は、各々独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、または下記一般式(5)、
で表される芳香族基を表し、R3は下記一般式(6)、(7)または(8)、
で表される2価の芳香族基を表し、nは0〜30の数である。
式(5)中のR6およびR7は各々独立に、水素原子、ヒドロキシ基または炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。
で表される2価の芳香族基を表し、nは0〜30の数である。
式(5)中のR6およびR7は各々独立に、水素原子、ヒドロキシ基または炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。
式(6)、(7)および(8)中、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17、は、各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子またはシアノ基を表す。式(7)中、Lは直接結合、2価の硫黄原子、スルホニル基または炭素原子数1〜5のアルキリデン基またはアルキレン基を表す。
一般式(4)中、R1、R2、R4およびR5で表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、tert−オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノニル、デシル等を挙げることができる。
一般式(4)中、R1、R2、R4およびR5において、一般式(5)で表される芳香族基としては、例えば、フェニル、2,6−ジメチルフェニル、クレジル、キシレニル、イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、等が挙げられる。
一般式(5)中、R6およびR7で表される炭素原子数1〜10のアルキル基は、前述したものと同じものが挙げられる。
一般式(4)中のR3は、上記一般式(6)、(7)および(8)から選択される2価の芳香族基を表す。
一般式(4)中、R1、R2、R4およびR5において、一般式(5)で表される芳香族基としては、例えば、フェニル、2,6−ジメチルフェニル、クレジル、キシレニル、イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、等が挙げられる。
一般式(5)中、R6およびR7で表される炭素原子数1〜10のアルキル基は、前述したものと同じものが挙げられる。
一般式(4)中のR3は、上記一般式(6)、(7)および(8)から選択される2価の芳香族基を表す。
一般式(6)、(7)および(8)中、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17で表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、tert−オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノニル、デシル等が挙げられ、好ましくは、炭素原子数1〜8のアルキル基であり、特に好ましくは、メチル、tert−ブチルである。
一般式(6)、(7)および(8)中、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17で表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。好ましくは、炭素原子数3〜7のシクロアルキル基であり、特に好ましくは、シクロヘキシルである。
一般式(6)、(7)および(8)中、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17で表されるアリール基としては、例えば、フェニル、クレジル、キシリル、2,6−キシリル、2,4,6−トリメチルフェニル、ブチルフェニル、ノニルフェニル等が挙げられる。
一般式(6)、(7)および(8)中、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17で表されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等が挙げられる。
一般式(6)、(7)および(8)中、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17で表されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
一般式(6)、(7)および(8)中、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17で表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。好ましくは、炭素原子数3〜7のシクロアルキル基であり、特に好ましくは、シクロヘキシルである。
一般式(6)、(7)および(8)中、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17で表されるアリール基としては、例えば、フェニル、クレジル、キシリル、2,6−キシリル、2,4,6−トリメチルフェニル、ブチルフェニル、ノニルフェニル等が挙げられる。
一般式(6)、(7)および(8)中、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17で表されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等が挙げられる。
一般式(6)、(7)および(8)中、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17で表されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
一般式(7)中のLは、直接結合、2価の硫黄原子、スルホニル基、または炭素原子数1〜5のアルキリデン基またはアルキレン基を表す。
一般式(7)中のLで表される炭素原子数1〜5のアルキリデン基としては、例えば、エチリデン、イソプロピリデン、ブチリデン、イソブチリデン等が挙げられ、炭素原子数1〜5のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、へプチレン等が挙げられる。
一般式(7)中のLで表される炭素原子数1〜5のアルキリデン基としては、例えば、エチリデン、イソプロピリデン、ブチリデン、イソブチリデン等が挙げられ、炭素原子数1〜5のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、へプチレン等が挙げられる。
一般式(6)で表される2価の芳香族基の具体例としては、例えば、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン等が挙げられる。
一般式(7)で表される2価の芳香族基の具体例としては、例えば、1,4’−ビフェニレン、(1−メチルエチリデン)−ジ−4,1−フェニレン、4,4’−チオジフェニレン、4,4’−スルホニルジフェニレン等が挙げられる。
一般式(8)で表される2価の芳香族基の具体例としては、例えば、1,5−ナフチレン、2,6−ナフチレン等が挙げられる。
一般式(7)で表される2価の芳香族基の具体例としては、例えば、1,4’−ビフェニレン、(1−メチルエチリデン)−ジ−4,1−フェニレン、4,4’−チオジフェニレン、4,4’−スルホニルジフェニレン等が挙げられる。
一般式(8)で表される2価の芳香族基の具体例としては、例えば、1,5−ナフチレン、2,6−ナフチレン等が挙げられる。
また、一般式(4)におけるnは、0〜30の数であり、縮合リン酸エステル系難燃剤は、より難燃性が高いので、nは、1〜10がより好ましく、1〜5がより好ましい。
本発明の樹脂組成物において、リン酸エステル系難燃剤(F−2)の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、t−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス(t−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、および下記に示す化合物が挙げられる。ただし、本発明の樹脂組成物は、これらの例示した化合物によって制限されるものではない。
リン酸エステル系難燃剤(F−2)の製品としては、例えば、株式会社ADEKA製「アデカスタブPFR」、「アデカスタブFP−500」、「アデカスタブFP−600」、「アデカスタブFP−700」、「アデカスタブFP−800」、「アデカスタブFP−900」、「アデカスタブFP−900L」、大八化学工業株式会社製「CR−504L」、「CR−570」、味の素ファインテクノ株式会社製「クロニテックスTXP」、「デュラッドTXP」、「レオフォス35」、「レオフォス50」、「レオフォス65」、「レオフォス95」、「レオフォス110」等が挙げられる。
また、難燃剤である前記金属水酸化物の例としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛、キスマー5A(水酸化マグネシウム:協和化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、難燃剤である前記(ポリ)リン酸塩系難燃剤の例としては、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸ピペラジン、ピロリン酸メラミン、ピロリン酸ピペラジン等の(ポリ)リン酸のアンモニウム塩やアミン塩が挙げられる。
また、難燃剤である前記トリアジン環含有化合物の例としては、例えば、メラミン、アンメリン、ベンズグアナミン、アセトグアナミン、フタロジグアナミン、メラミンシアヌレート、ピロリン酸メラミン、ブチレンジグアナミン、ノルボルネンジグアナミン、メチレンジグアナミン、エチレンジメラミン、トリメチレンジメラミン、テトラメチレンジメラミン、ヘキサメチレンジメラミン、1,3−ヘキシレンジメラミン等が挙げられる。
本発明において、難燃剤(F)は1種でも2種以上でもよい。
本発明において、難燃剤(F)は1種でも2種以上でもよい。
本発明の樹脂組成物において、難燃剤(F)の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、1〜60質量部であり、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、10〜50質量部であることが好ましい。1質量部未満では十分な難燃化効果が得られず、60質量部を超えると樹脂の特性を低下させる場合がある。
本発明の樹脂組成物において、難燃剤として臭素系難燃剤(F−1)を使用する場合、その含有量は、合成樹脂100質量部に対して、1〜60質量部であり、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、10〜50質量部であることが好ましい。1質量部未満では十分な難燃化効果が得られず、60質量部を超えると樹脂の特性を低下させる場合がある。
本発明の樹脂組成物において、難燃剤としてリン酸エステル系難燃剤(F−2)を使用する場合、その含有量は、合成樹脂100質量部に対して、1〜60質量部であり、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、3〜50質量部であることが好ましく、5〜40質量部がより好ましい。1質量部未満では十分な難燃化効果が得られず、60質量部を超えると樹脂の特性を低下させる場合がある。
本発明の樹脂組成物において、難燃剤としてリン酸エステル系難燃剤(F−2)を使用する場合、その含有量は、合成樹脂100質量部に対して、1〜60質量部であり、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、3〜50質量部であることが好ましく、5〜40質量部がより好ましい。1質量部未満では十分な難燃化効果が得られず、60質量部を超えると樹脂の特性を低下させる場合がある。
本発明の樹脂組成物は、さらに難燃助剤(G)を含有することが難燃性の点から好ましい。本発明においては、難燃助剤(G)としては特に制限はなく、公知のものを用いることができる。この中でも、難燃助剤としての性能と入手の容易さの点から、アンチモン系化合物、ホウ素系化合物、金属酸化物、およびドリップ防止剤が好ましい。
アンチモン系化合物としては、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸のアルカリ金属塩、アンチモン酸のアルカリ土類金属塩、金属アンチモン、塩化アンチモン、硫化アンチモン等が挙げられる。これらの中でも三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等のアンチモン酸のアルカリ金属塩が好ましい。
ホウ素系化合物としては、例えば、オルトホウ酸を含むホウ酸、メタホウ酸、過ホウ酸、次ホウ酸、ボロン、ボリン酸、四ホウ酸等が好ましく挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウムおよび酸化ケイ素等が挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛が好ましい。また金属酸化物は表面処理されていてもよい。
ドリップ防止剤としては、例えば、フッ素系ドリップ防止剤やシリコンゴム類、層状ケイ酸塩等が挙げられる。
層状ケイ酸塩としては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ、タルク等が挙げられ、その層間に、有機カチオン、第4級アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオンがインターカレートされているものでもよい。
ホウ素系化合物としては、例えば、オルトホウ酸を含むホウ酸、メタホウ酸、過ホウ酸、次ホウ酸、ボロン、ボリン酸、四ホウ酸等が好ましく挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウムおよび酸化ケイ素等が挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛が好ましい。また金属酸化物は表面処理されていてもよい。
ドリップ防止剤としては、例えば、フッ素系ドリップ防止剤やシリコンゴム類、層状ケイ酸塩等が挙げられる。
層状ケイ酸塩としては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ、タルク等が挙げられ、その層間に、有機カチオン、第4級アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオンがインターカレートされているものでもよい。
ドリップ防止剤の中でも、特にフッ素系のドリップ防止剤が好ましい。フッ素系のドリップ防止剤の具体例としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素系樹脂やパーフルオロメタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロ−n−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロ−t−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロ−2−エチルヘキサンスルホン酸カルシウム塩等のパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩化合物またはパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。上記フッ素系のドリップ防止剤の中でも、ドリップ防止性の点から、ポリテトラフルオロエチレンが、特に好ましい。
その他、難燃助剤としては、ハイドロタルサイト、タルク、モンモリロナイト等の無機化合物、およびその表面処理品が挙げられ、例えば、DHT−4A(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー4(亜鉛変性ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、等の種々の市販品を用いることができる。
本発明の樹脂組成物において、難燃助剤(G)の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、1〜30質量部であり、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から3〜30質量部であることが好ましい。1質量部未満では十分な難燃助剤効果が得られず、30質量部を超えると樹脂の特性を低下させる場合がある。
本発明の樹脂組成物において、難燃助剤(G)の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、1〜30質量部であり、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から3〜30質量部であることが好ましい。1質量部未満では十分な難燃助剤効果が得られず、30質量部を超えると樹脂の特性を低下させる場合がある。
本発明の樹脂組成物は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、さらに、アルカリ金属の塩(H)及びイオン性液体(J)の群から選択される1種以上を含有することが好ましい。
以下、まずはアルカリ金属の塩(H)について説明する。アルカリ金属の塩(H)としては有機酸または無機酸の塩が挙げられ、アルカリ金属の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ルビジウム等が挙げられる。有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等の炭素原子数1〜18の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸等の炭素原子数1〜12の脂肪族ジカルボン酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の炭素原子数1〜20のスルホン酸等が挙げられる。無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、硝酸、過塩素酸等が挙げられる。中でも、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、生体や環境に対する安全性の点から、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩が好ましく、ナトリウムがより好ましい。また、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性の点から、酢酸の塩、過塩素酸の塩、p−トルエンスルホン酸の塩、ドデシルベンゼンスルホン酸の塩が好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸の塩がより好ましい。アルカリ金属の塩は2種以上でもよい。
以下、まずはアルカリ金属の塩(H)について説明する。アルカリ金属の塩(H)としては有機酸または無機酸の塩が挙げられ、アルカリ金属の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ルビジウム等が挙げられる。有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等の炭素原子数1〜18の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸等の炭素原子数1〜12の脂肪族ジカルボン酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の炭素原子数1〜20のスルホン酸等が挙げられる。無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、硝酸、過塩素酸等が挙げられる。中でも、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、生体や環境に対する安全性の点から、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩が好ましく、ナトリウムがより好ましい。また、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性の点から、酢酸の塩、過塩素酸の塩、p−トルエンスルホン酸の塩、ドデシルベンゼンスルホン酸の塩が好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸の塩がより好ましい。アルカリ金属の塩は2種以上でもよい。
アルカリ金属の塩(H)の具体例としては、例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、p−トルエンスルホン酸リチウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム等が挙げられる。これらの中で、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、生体や環境に対する安全性の点から、好ましいのは、p−トルエンスルホン酸リチウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等であり、最も好ましいのはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。
本発明の樹脂組成物において、アルカリ金属の塩(H)の含有量は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、合成樹脂100質量部に対して、0.01〜8.0質量部が好ましく、0.1〜5.0質量部がより好ましく、0.3〜4.0質量部がより好ましい。アルカリ金属塩(H)の量が、0.01質量部未満だとアルカリ金属塩(H)を添加する効果が充分ではない場合があり、8.0質量部を超えると、樹脂の物性に悪影響がある場合がある。
次にイオン性液体(J)について説明する。
イオン性液体(J)の例としては、100℃以下の融点を有し、イオン性液体を構成するカチオンまたはアニオンのうち少なくとも一つが有機物イオンであり、初期電導度が1〜200ms/cm、好ましくは10〜200ms/cmである常温溶融塩であって、例えば、国際公開第95/15572号に記載の常温溶融塩が挙げられる。
イオン性液体(J)の例としては、100℃以下の融点を有し、イオン性液体を構成するカチオンまたはアニオンのうち少なくとも一つが有機物イオンであり、初期電導度が1〜200ms/cm、好ましくは10〜200ms/cmである常温溶融塩であって、例えば、国際公開第95/15572号に記載の常温溶融塩が挙げられる。
イオン性液体(J)を構成するカチオンとしては、アミジニウム、ピリジニウム、ピラゾリウムおよびグアニジニウムカチオンからなる群から選ばれるカチオンが挙げられる。このうち、アミジニウムカチオンとしては、下記のものが挙げられる。
(1)イミダゾリニウムカチオン
炭素原子数5〜15のものが挙げられ、例えば、1,2,3,4−テトラメチルイミダ
ゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム;
(2)イミダゾリウムカチオン
炭素原子数5〜15のものが挙げられ、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム;
(3)テトラヒドロピリミジニウムカチオン
炭素原子数6〜15のものが挙げられ、例えば、1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム;
(4)ジヒドロピリミジニウムカチオン
炭素原子数6〜20のものが挙げられ、例えば、1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウム、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9−ウンデカジエニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,10−ウンデカジエニウム。
(1)イミダゾリニウムカチオン
炭素原子数5〜15のものが挙げられ、例えば、1,2,3,4−テトラメチルイミダ
ゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム;
(2)イミダゾリウムカチオン
炭素原子数5〜15のものが挙げられ、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム;
(3)テトラヒドロピリミジニウムカチオン
炭素原子数6〜15のものが挙げられ、例えば、1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム;
(4)ジヒドロピリミジニウムカチオン
炭素原子数6〜20のものが挙げられ、例えば、1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウム、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9−ウンデカジエニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,10−ウンデカジエニウム。
ピリジニウムカチオンとしては、炭素原子数6〜20のものが挙げられ、例えば、3−メチル−1−プロピルピリジニウム、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムが挙げられる。
ピラゾリウムカチオンとしては、炭素原子数5〜15のものが挙げられ、例えば、1、2−ジメチルピラゾリウム、1−n−ブチル−2−メチルピラゾリウムが挙げられる。
グアニジニウムカチオンとしては、下記のものが挙げられる。
(1)イミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
炭素原子数8〜15のものが挙げられ、例えば、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム;
(2)イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
炭素原子数8〜15のものが挙げられ、例えば、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム;
(3)テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
炭素原子数10〜20のものが挙げられ、例えば、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム;
(4)ジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
炭素原子数10〜20のものが挙げられ、例えば、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,6−ジヒドロピリミジニウム。
(1)イミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
炭素原子数8〜15のものが挙げられ、例えば、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム;
(2)イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
炭素原子数8〜15のものが挙げられ、例えば、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム;
(3)テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
炭素原子数10〜20のものが挙げられ、例えば、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム;
(4)ジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
炭素原子数10〜20のものが挙げられ、例えば、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,6−ジヒドロピリミジニウム。
カチオンは1種を単独で用いても、また、2種以上を併用しても、いずれでもよい。これらのうち、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性の点から、好ましくはアミジニウムカチオン、より好ましくはイミダゾリウムカチオン、特に好ましくは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3メチルイミダゾリウムドデシルベンゼンスルホナートである。
イオン性液体(J)において、アニオンを構成する有機酸または無機酸としては、下記のものが挙げられる。有機酸としては、例えば、カルボン酸、硫酸エステル、スルホン酸およびリン酸エステル;無機酸としては、例えば、超強酸(例えば、ホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸および六フッ化ヒ素酸)、リン酸およびホウ酸が挙げられる。上記有機酸および無機酸は、1種を単独で用いても、また、2種以上を併用しても、いずれでもよい。
有機酸および無機酸のうち、イオン性液体(J)の、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性の点から好ましいのは、イオン性液体(J)を構成するアニオンのHamett酸度関数(−H0)が12〜100である、超強酸の共役塩基、超強酸の共役塩基以外のアニオンを形成する酸およびこれらの混合物である。
超強酸の共役塩基以外のアニオンとしては、例えば、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素および臭素)イオン、アルキル(炭素原子数1〜12)ベンゼンスルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸およびドデシルベンゼンスルホン酸)イオンおよびポリ(n=1〜25)フルオロアルカンスルホン酸(例えば、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸)イオンが挙げられる。
また、超強酸としては、プロトン酸およびプロトン酸とルイス酸との組み合わせから誘導されるもの、およびこれらの混合物が挙げられる。超強酸としてのプロトン酸としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン、過塩素酸、フルオロスルホン酸、アルカン(炭素原子数1〜30)スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸等)、ポリ(n=1〜30)フルオロアルカン(炭素原子数1〜30)スルホン酸(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸およびトリデカフルオロヘキサンスルホン酸)、ホウフッ素酸および四フッ化ホウ素酸が挙げられる。これらのうち、合成の容易さの観点から好ましいのはホウフッ素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸およびビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸である。
ルイス酸と組合せて用いられるプロトン酸としては、例えば、ハロゲン化水素(例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素)、過塩素酸、フルオロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸およびこれらの混合物が挙げられる。これらのうち、イオン性液体(J)の初期電導度の観点から好ましいのはフッ化水素である。
ルイス酸と組合せて用いられるプロトン酸としては、例えば、ハロゲン化水素(例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素)、過塩素酸、フルオロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸およびこれらの混合物が挙げられる。これらのうち、イオン性液体(J)の初期電導度の観点から好ましいのはフッ化水素である。
ルイス酸としては、例えば、三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化タンタルおよびこれらの混合物が挙げられる。これらのうちでも、イオン性液体の初期電導度の観点から好ましいのは三フッ化ホウ素および五フッ化リンである。
プロトン酸とルイス酸との組み合わせは任意であるが、これらの組み合わせからなる超強酸としては、例えば、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タンタル酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化タンタルスルホン酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化ヒ素酸およびこれらの混合物が挙げられる。
これらのアニオンのうち、イオン性液体の帯電防止性とその持続性、耐水拭き性の点から好ましいのは超強酸の共役塩基(プロトン酸からなる超強酸およびプロトン酸とルイス酸との組合せからなる超強酸)であり、さらに好ましいのはプロトン酸からなる超強酸およびプロトン酸と、三フッ化ホウ素および/または五フッ化リンとからなる超強酸の共役塩基である。
プロトン酸とルイス酸との組み合わせは任意であるが、これらの組み合わせからなる超強酸としては、例えば、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タンタル酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化タンタルスルホン酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化ヒ素酸およびこれらの混合物が挙げられる。
これらのアニオンのうち、イオン性液体の帯電防止性とその持続性、耐水拭き性の点から好ましいのは超強酸の共役塩基(プロトン酸からなる超強酸およびプロトン酸とルイス酸との組合せからなる超強酸)であり、さらに好ましいのはプロトン酸からなる超強酸およびプロトン酸と、三フッ化ホウ素および/または五フッ化リンとからなる超強酸の共役塩基である。
イオン性液体(J)のうち、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性の点から好ましいのは、アミジニウムカチオンを有するイオン性液体、より好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンを有するイオン性液体、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。
本発明の樹脂組成物において、イオン性液体(J)の含有量は、帯電防止性とその持続性、耐水拭き性、難燃性の点から、合成樹脂100質量部に対して、0.01〜8.0質量部が好ましく、0.1〜5.0質量部がより好ましく、0.3〜4.0質量部がより好ましい。イオン性液体(J)の量が、0.01質量部未満だとイオン性液体(J)を添加する効果が充分ではない場合があり、8.0質量部を超えると、樹脂の物性に悪影響がある場合がある。
本発明の樹脂組成物においては、アルカリ金属の塩(H)とイオン性液体(J)は併用してもよい。
アルカリ金属の塩(H)とイオン性液体(J)を、合成樹脂の配合する場合は、直接配合してもよいし、高分子化合物(E)の合成反応中に、反応系にアルカリ金属の塩(H)およびイオン性液体(J)の群から選択される1種以上を添加したものを配合してもよい。
アルカリ金属の塩(H)とイオン性液体(J)を、合成樹脂の配合する場合は、直接配合してもよいし、高分子化合物(E)の合成反応中に、反応系にアルカリ金属の塩(H)およびイオン性液体(J)の群から選択される1種以上を添加したものを配合してもよい。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに第2族元素の塩を配合してもよい。
第2族元素の塩としては、有機酸または無機酸の塩が挙げられ、第2族元素の例としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等の炭素原子数1〜18の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸等の炭素原子数1〜12の脂肪族ジカルボン酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の炭素原子数1〜20のスルホン酸等が挙げられる。無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、硝酸、過塩素酸等が挙げられる。
第2族元素の塩としては、有機酸または無機酸の塩が挙げられ、第2族元素の例としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等の炭素原子数1〜18の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸等の炭素原子数1〜12の脂肪族ジカルボン酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の炭素原子数1〜20のスルホン酸等が挙げられる。無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、硝酸、過塩素酸等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤を配合してもよい。界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤を使用することができる。
非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤;ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビット若しくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等のカルボン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
界面活性剤を配合する場合の配合量は、合成樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.3〜4質量部がより好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤;ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビット若しくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等のカルボン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
界面活性剤を配合する場合の配合量は、合成樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.3〜4質量部がより好ましい。
さらに、本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、高分子型帯電防止剤を配合してもよい。高分子帯電防止剤としては、例えば、公知のポリエーテルエステルアミド等の高分子型帯電防止剤を使用することができ、公知のポリエーテルエステルアミドとしては、例えば、特開平7−10989号公報に記載のビスフェノールAのポリオキシアルキレン付加物からなるポリエーテルエステルアミドが挙げられる。また、ポリオレフィンブロックと親水性ポリマーブロックとの結合単位が2〜50の繰り返し構造を有するブロックポリマーを使用することができ、例えば、米国特許第6552131号明細書記載のブロックポリマーを挙げることができる。
高分子型帯電防止剤を配合する場合の配合量は、合成樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
高分子型帯電防止剤を配合する場合の配合量は、合成樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
さらにまた、本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、相溶化剤を配合してもよい。相溶化剤を配合することで、帯電防止成分と他成分や樹脂成分との相溶性を向上させることができる。相溶化剤としては、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基およびポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基(極性基)を有する変性ビニル重合体、例えば、特開平3−258850号公報に記載の重合体や、特開平6−345927号公報に記載のスルホニル基を有する変性ビニル重合体、あるいはポリオレフィン部分と芳香族ビニル重合体部分とを有するブロック重合体等が挙げられる。
相溶化剤を配合する場合の配合量は、合成樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
相溶化剤を配合する場合の配合量は、合成樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤をさらに添加することができ、これにより、本発明の樹脂組成物を安定化させることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6―ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。これらのフェノール系酸化防止剤の添加量は、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。これらのリン系酸化防止剤の添加量は、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類、および、ペンタエリスリトールテトラ(β−アルキルチオプロピオン酸)エステル類が挙げられる。これらのチオエーテル系酸化防止剤の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。これらのリン系酸化防止剤の添加量は、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類、および、ペンタエリスリトールテトラ(β−アルキルチオプロピオン酸)エステル類が挙げられる。これらのチオエーテル系酸化防止剤の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。これらのヒンダードアミン系光安定剤の添加量は、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜30質量部が好ましく、0.05〜10質量部がより好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β、β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。これらの紫外線吸収剤の添加量は、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜30質量部が好ましく、0.05〜10質量部がより好ましい。
さらに、必要に応じて、合成樹脂中の残渣触媒を中和するために、公知の中和剤を添加することが好ましい。中和剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸金属塩、または、エチレンビス(ステアロアミド)、エチレンビス(12−ヒドロキシステアロアミド)、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド化合物が挙げられ、これら中和剤は混合して用いてもよい。
さらにまた、本発明の樹脂組成物には、必要に応じてさらに、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、リチウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、アルミニウムヒドロキシビス[2,2’メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート]、安息香酸ナトリウム、4−tert−ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウムおよび2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート等のカルボン酸金属塩、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、およびビス(ジメチルベンジリデン)ソルビトール等のポリオール誘導体、N,N’,N”−トリス[2−メチルシクロヘキシル]−1,2,3−プロパントリカルボキサミド、N,N’,N”−トリシクロヘキシル−1,3,5−ベンゼントリカルボキサミド、N,N’−ジシクロヘキシルナフタレンジカルボキサミド、1,3,5−トリ(ジメチルイソプロポイルアミノ)ベンゼン等のアミド化合物等の、芳香族カルボン酸金属塩、脂環式アルキルカルボン酸金属塩、p−第三ブチル安息香酸アルミニウム、芳香族リン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール類等の造核剤を配合してもよい。
さらにまた、本発明の樹脂組成物には、必要に応じてさらに、金属石鹸、充填剤、顔料、滑剤、発泡剤等を添加してもよい。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて通常、合成樹脂に使用される添加剤、例えば、架橋剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、可塑剤、滑剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、発泡剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、染料、加工助剤、充填剤、発泡剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、合成樹脂、特に熱可塑性樹脂に、高分子化合物(E)、難燃剤(F)、難燃助剤(G)、必要に応じてアルカリ金属の塩(H)及びイオン性液体(J)の1種以上、その他の任意成分を配合すればよく、その方法は、通常使用されている任意の方法を用いることができる。例えば、ロール混練り、バンパー混練り、押し出し機、ニーダー等により混合、練り込みして配合すればよい。
また、高分子化合物(E)は、そのまま添加してもよいが、必要に応じて、担体に含浸させてから添加してもよい。担体に含浸させるには、そのまま加熱混合してもよいし、必要に応じて、有機溶媒で希釈してから担体に含浸させ、その後に溶媒を除去する方法でもよい。こうした担体としては、合成樹脂のフィラーや充填剤として知られているもの、または、常温で固体の難燃剤や光安定剤が使用でき、例えば、ケイ酸カルシウム粉末、シリカ粉末、タルク粉末、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、または、これら担体の表面を化学修飾したもの、前記に挙げる難燃剤や酸化防止剤の中で固体のもの等が挙げられる。これらの担体の中でも担体の表面を化学修飾したものが好ましく、シリカ粉末の表面を化学修飾したものがより好ましい。これらの担体は、平均粒径が0.1〜100μmのものが好ましく、0.5〜50μmのものがより好ましい。
さらに高分子化合物(E)の合成樹脂、特に熱可塑性樹脂への配合方法としては、ブロックポリマー(C)と、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)とを熱可塑性樹脂と同時に練り込みながら高分子化合物(E)を合成して配合してもよく、そのときにさらにアルカリ金属の塩(H)及びイオン性液体(J)の群から選択される1種以上を同時に練り込んでもよく、また、射出成形等の成形時に高分子化合物(E)と熱可塑性樹脂とを混合して成形品を得る方法で配合してもよく、そのときにさらにアルカリ金属の塩(H)及びイオン性液体(J)の群から選択される1種以上を配合してもよく、さらに、あらかじめ高分子化合物(E)と熱可塑性樹脂とのマスターバッチを製造しておき、このマスターバッチを配合してもよく、そのときにアルカリ金属の塩(H)及びイオン性液体(J)の群から選択される1種以上を配合してもよい。
次に、本発明の成形体について説明する。
本発明の帯電防止性樹脂組成物を成形することにより、帯電防止性及びその持続性、耐水拭き性と、難燃性を有する成形体を得ることができる。成形方法としては、特に限定されるものではなく、押出加工、カレンダー加工、射出成形、ロール、圧縮成形、ブロー成形、回転成形等が挙げられ、樹脂板、シート、フィルム、ボトル、繊維、異形品等の種々の形状の成形体が製造できる。
本発明の樹脂組成物により得られる成形体は、帯電防止性能およびその持続性、耐水拭き性、難燃性に優れるものである。
本発明の帯電防止性樹脂組成物を成形することにより、帯電防止性及びその持続性、耐水拭き性と、難燃性を有する成形体を得ることができる。成形方法としては、特に限定されるものではなく、押出加工、カレンダー加工、射出成形、ロール、圧縮成形、ブロー成形、回転成形等が挙げられ、樹脂板、シート、フィルム、ボトル、繊維、異形品等の種々の形状の成形体が製造できる。
本発明の樹脂組成物により得られる成形体は、帯電防止性能およびその持続性、耐水拭き性、難燃性に優れるものである。
本発明の樹脂組成物およびその成形体は、電気・電子・通信、農林水産、鉱業、建設、食品、繊維、衣類、医療、石炭、石油、ゴム、皮革、自動車、精密機器、木材、建材、土木、家具、印刷、楽器等の幅広い産業分野に使用できる。
より具体的には、本発明の樹脂組成物およびその成形体は、プリンター、パソコン、ワープロ、キーボード、PDA(小型情報端末機)、電話機、複写機、ファクシミリ、ECR(電子式金銭登録機)、電卓、電子手帳、カード、ホルダー、文具等の事務、OA機器、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、照明器具、ゲーム機、アイロン、コタツ等の家電機器、TV、VTR、ビデオカメラ、ラジカセ、テープレコーダー、ミニディスク、CDプレーヤー、スピーカー、液晶ディスプレー等のAV機器、コネクター、リレー、コンデンサー、スイッチ、プリント基板、コイルボビン、半導体封止材料、LED封止材料、電線、ケーブル、トランス、偏向ヨーク、分電盤、時計等の電気・電子部品および通信機器、自動車用内外装材、インターメディエイト・バルク・コンテナ、人工芝、製版用フィルム、粘着フィルム、ボトル、食品用容器、食品包装用フィルム、製薬・医薬用ラップフィルム、製品包装フィルム、農業用フィルム、農業用シート、温室用フィルム等の用途に用いられる。
より具体的には、本発明の樹脂組成物およびその成形体は、プリンター、パソコン、ワープロ、キーボード、PDA(小型情報端末機)、電話機、複写機、ファクシミリ、ECR(電子式金銭登録機)、電卓、電子手帳、カード、ホルダー、文具等の事務、OA機器、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、照明器具、ゲーム機、アイロン、コタツ等の家電機器、TV、VTR、ビデオカメラ、ラジカセ、テープレコーダー、ミニディスク、CDプレーヤー、スピーカー、液晶ディスプレー等のAV機器、コネクター、リレー、コンデンサー、スイッチ、プリント基板、コイルボビン、半導体封止材料、LED封止材料、電線、ケーブル、トランス、偏向ヨーク、分電盤、時計等の電気・電子部品および通信機器、自動車用内外装材、インターメディエイト・バルク・コンテナ、人工芝、製版用フィルム、粘着フィルム、ボトル、食品用容器、食品包装用フィルム、製薬・医薬用ラップフィルム、製品包装フィルム、農業用フィルム、農業用シート、温室用フィルム等の用途に用いられる。
さらに、本発明の樹脂組成物およびその成形体は、座席(詰物、表地等)、ベルト、天井張り、コンパーチブルトップ、アームレスト、ドアトリム、リアパッケージトレイ、カーペット、マット、サンバイザー、ホイルカバー、マットレスカバー、エアバック、絶縁材、吊り手、吊り手帯、電線被覆材、電気絶縁材、塗料、コーティング材、上張り材、床材、隅壁、カーペット、壁紙、壁装材、外装材、内装材、屋根材、デッキ材、壁材、柱材、敷板、塀の材料、骨組および繰形、窓およびドア形材、こけら板、羽目、テラス、バルコニー、防音板、断熱板、窓材等の自動車、車両、船舶、航空機、建物、住宅および建築用材料や土木材料、衣料、カーテン、シーツ、不織布、合板、合繊板、絨毯、玄関マット、シート、バケツ、ホース、容器、眼鏡、鞄、ケース、ゴーグル、スキー板、ラケット、テント、楽器等の生活用品、スポーツ用品等の各種用途に使用することができる。
以下、本発明を、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記の製造例に従い、本発明で使用する高分子化合物(E)を製造した。また、下記の製造例において、化合物(b)の数平均分子量は、下記<水酸基からの数平均分子量の算出方法>で算出し、化合物(b)以外の数平均分子量は、下記<ポリスチレン換算による数平均分子量の測定方法>で算出した。
<水酸基価からの数平均分子量の算出方法>
下記水酸基価測定方法で水酸基価を測定し、下記式で数平均分子量を決定した。
数平均分子量=(56110×2)/水酸基価
下記水酸基価測定方法で水酸基価を測定し、下記式で数平均分子量を決定した。
数平均分子量=(56110×2)/水酸基価
<水酸基価測定法>
・試薬A(アセチル化剤)
(1)トリエチルホスフェート 1560mL
(2)無水酢酸 193mL
(3)過塩素酸(60%) 16g
上記試薬を(1)→(2)→(3)の順に混合する。
・試薬B
ピリジンと純水を体積比率で3:1に混合する。
・試薬C
500mLのイソプロピルアルコールにフェノールフタレイン液を2〜3滴加え、1N−KOH水溶液で中性にする。
・試薬A(アセチル化剤)
(1)トリエチルホスフェート 1560mL
(2)無水酢酸 193mL
(3)過塩素酸(60%) 16g
上記試薬を(1)→(2)→(3)の順に混合する。
・試薬B
ピリジンと純水を体積比率で3:1に混合する。
・試薬C
500mLのイソプロピルアルコールにフェノールフタレイン液を2〜3滴加え、1N−KOH水溶液で中性にする。
まず、200mL三角フラスコにサンプルを2g量りとり、トリエチルホスフェート10mLを加え、加熱溶解させる。試薬A15mLを加え、共栓をして激しく振盪する。試薬B20mLを加え、共栓をして激しく振盪する。試薬C50mLを加える。1N−KOH水溶液で滴定し、下式で計算する。
水酸基価[mgKOH/g]=56.11×f×(T−B)/S
f:1N−KOH水溶液のfactor
B:空試験滴定量[mL]
T:本試験滴定量[mL]
S:サンプル量[g]
水酸基価[mgKOH/g]=56.11×f×(T−B)/S
f:1N−KOH水溶液のfactor
B:空試験滴定量[mL]
T:本試験滴定量[mL]
S:サンプル量[g]
<ポリスチレン換算による数平均分子量の測定方法>
数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定した。Mnの測定条件は以下の通りである。
装置 :日本分光(株)製GPC装置
溶媒 :クロロホルム
基準物質 :ポリスチレン
検出器 :示差屈折計(RI検出器)
カラム固定相:昭和電工(株)製Shodex LF−804
カラム温度 :40℃
サンプル濃度:1mg/1mL
流量 :0.8mL/min.
注入量 :100μL
数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定した。Mnの測定条件は以下の通りである。
装置 :日本分光(株)製GPC装置
溶媒 :クロロホルム
基準物質 :ポリスチレン
検出器 :示差屈折計(RI検出器)
カラム固定相:昭和電工(株)製Shodex LF−804
カラム温度 :40℃
サンプル濃度:1mg/1mL
流量 :0.8mL/min.
注入量 :100μL
〔製造例1〕
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール122g(1.35モル)と、コハク酸168g(1.42モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−1を得た。得られたポリエステル(a)−1の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−1を250g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを160g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−1を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−1の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−1の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合したのち、ラボプラストミルμ((株)東洋精機製作所製)を用いて220℃で押し出し、5mm角のペレット状にカッティングして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−1のペレットを400g得た。得られたペレットの結晶化温度を下記<結晶化温度測定方法>で測定した。高分子化合物(E)−1の結晶化温度は63℃であった。
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール122g(1.35モル)と、コハク酸168g(1.42モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−1を得た。得られたポリエステル(a)−1の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−1を250g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを160g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−1を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−1の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−1の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合したのち、ラボプラストミルμ((株)東洋精機製作所製)を用いて220℃で押し出し、5mm角のペレット状にカッティングして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−1のペレットを400g得た。得られたペレットの結晶化温度を下記<結晶化温度測定方法>で測定した。高分子化合物(E)−1の結晶化温度は63℃であった。
<結晶化温度測定方法>
示差走査熱量測定器(Perkin社製Diamond DSC)を用いて結晶化温度を測定する。試料を、ペレットを細かく切断し、アルミニウムパンに3±1mg量り取り、室温(25℃)から10℃/分の速度で130℃まで昇温し、5分間保持後、10℃/分の速度で0℃まで冷却して得られたチャートにおいて、吸熱のピークトップとなる温度を結晶化温度とした。
示差走査熱量測定器(Perkin社製Diamond DSC)を用いて結晶化温度を測定する。試料を、ペレットを細かく切断し、アルミニウムパンに3±1mg量り取り、室温(25℃)から10℃/分の速度で130℃まで昇温し、5分間保持後、10℃/分の速度で0℃まで冷却して得られたチャートにおいて、吸熱のピークトップとなる温度を結晶化温度とした。
〔製造例2〕
製造例1と同様にして得られたブロックポリマー(C)−1の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−2として、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポキシ当量215g/eq)4gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−2のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−2のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−2の結晶化温度は62℃であった。
製造例1と同様にして得られたブロックポリマー(C)−1の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−2として、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポキシ当量215g/eq)4gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−2のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−2のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−2の結晶化温度は62℃であった。
〔製造例3〕
製造例1と同様にして得られたブロックポリマー(C)−1の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−3として、ジシクロペンタジエンジメタノールジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−3のペレットを400g得た。得られた高分子化合物(E)−3のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−3の結晶化温度は63℃であった。
製造例1と同様にして得られたブロックポリマー(C)−1の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−3として、ジシクロペンタジエンジメタノールジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−3のペレットを400g得た。得られた高分子化合物(E)−3のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−3の結晶化温度は63℃であった。
〔製造例4〕
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール58g(0.65モル)と、コハク酸91g(0.77モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−2を得た。得られたポリエステル(a)−2の数平均分子量は1,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−2を130g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを277g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−2を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−2の数平均分子量Mnは9,600であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−2の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)5gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−4のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−4のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−4の結晶化温度は54℃であった。
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール58g(0.65モル)と、コハク酸91g(0.77モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−2を得た。得られたポリエステル(a)−2の数平均分子量は1,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−2を130g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを277g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−2を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−2の数平均分子量Mnは9,600であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−2の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)5gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−4のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−4のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−4の結晶化温度は54℃であった。
〔製造例5〕
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、エチレングリコール100g(1.61モル)と、コハク酸199g(1.69モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−3を得た。得られたポリエステル(a)−3の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−3を250g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを160g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−3を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−3の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−3の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−5のペレットを400g得た。得られた高分子化合物(E)−5のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−5の結晶化温度は50℃であった。
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、エチレングリコール100g(1.61モル)と、コハク酸199g(1.69モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−3を得た。得られたポリエステル(a)−3の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−3を250g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを160g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−3を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−3の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−3の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−5のペレットを400g得た。得られた高分子化合物(E)−5のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−5の結晶化温度は50℃であった。
〔製造例6〕
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール101g(1.12モル)と、エチレングリコール17g(0.28モル)と、コハク酸173g(1.47モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−4を得た。得られたポリエステル(a)−4の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−4を243g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを161g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−4を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−4の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−4の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−6のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−6のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−6の結晶化温度は54℃であった。
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール101g(1.12モル)と、エチレングリコール17g(0.28モル)と、コハク酸173g(1.47モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−4を得た。得られたポリエステル(a)−4の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−4を243g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを161g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−4を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−4の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−4の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−6のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−6のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−6の結晶化温度は54℃であった。
〔製造例7〕
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール120g(1.33モル)と、コハク酸149g(1.26モル)と、アジピン酸21g(0.14モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−5を得た。得られたポリエステル(a)−5の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−5を248g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを157g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−5を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−5の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−5の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−7のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−7のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−7の結晶化温度は56℃であった。
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール120g(1.33モル)と、コハク酸149g(1.26モル)と、アジピン酸21g(0.14モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−5を得た。得られたポリエステル(a)−5の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−5を248g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを157g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−5を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−5の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−5の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−7のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−7のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−7の結晶化温度は56℃であった。
〔製造例8〕
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール118g(1.31モル)と、コハク酸130g(1.10モル)と、アジピン酸40g(0.28モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−6を得た。得られたポリエステル(a)−6の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−6を246g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを155g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−6を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−6の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−6の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−8のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−8のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−8の結晶化温度は50℃であった。
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール118g(1.31モル)と、コハク酸130g(1.10モル)と、アジピン酸40g(0.28モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−6を得た。得られたポリエステル(a)−6の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−6を246g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを155g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−6を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−6の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−6の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−8のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−8のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−8の結晶化温度は50℃であった。
〔製造例9〕
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール116g(1.28モル)と、コハク酸144g(1.22モル)と、セバシン酸27g(0.14モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−7を得た。得られたポリエステル(a)−7の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−7を251g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを154g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−7を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−7の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−7の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−9のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−9のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−9の結晶化温度は52℃であった。
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール116g(1.28モル)と、コハク酸144g(1.22モル)と、セバシン酸27g(0.14モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−7を得た。得られたポリエステル(a)−7の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−7を251g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを154g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−7を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−7の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−7の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−9のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−9のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−9の結晶化温度は52℃であった。
〔製造例10〕
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール110g(1.22モル)と、コハク酸122g(1.04モル)と、セバシン酸52g(0.26モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−8を得た。得られたポリエステル(a)−8の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−8を259g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを152g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−8を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−8の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−8の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−10のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−10のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−10の結晶化温度は32℃であった。
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール110g(1.22モル)と、コハク酸122g(1.04モル)と、セバシン酸52g(0.26モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−8を得た。得られたポリエステル(a)−8の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−8を259g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを152g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−8を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−8の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−8の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−10のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−10のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−10の結晶化温度は32℃であった。
〔製造例11〕
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール105g(1.17モル)と、コハク酸103g(0.87モル)と、セバシン酸75g(0.37モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−9を得た。得られたポリエステル(a)−9の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−9を250g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを161g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−9を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−9の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−9の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−11のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−11のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−11の結晶化温度は18℃であった。
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール105g(1.17モル)と、コハク酸103g(0.87モル)と、セバシン酸75g(0.37モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−9を得た。得られたポリエステル(a)−9の数平均分子量は3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−9を250g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを161g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−9を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−9の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−9の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−11のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−11のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−11の結晶化温度は18℃であった。
〔製造例12〕
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール115g(1.27モル)と、コハク酸143g(1.21モル)と、2,6−ナフタレンジカルボン酸29g(0.13モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−10を得た。得られたポリエステル(a)−10の数平均分子量は
3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−10を256g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを170g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−10を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−10の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−10の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−12のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−12のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−12の結晶化温度は75℃であった。
セパラブルフラスコ中で、酸化防止剤(テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、アデカスタブAO−60(株)ADEKA製)0.2g存在下、1,4−ブタンジオール115g(1.27モル)と、コハク酸143g(1.21モル)と、2,6−ナフタレンジカルボン酸29g(0.13モル)を、140℃から190℃まで徐々に昇温しながら常圧で3時間重合して、ポリエステル(a)−10を得た。得られたポリエステル(a)−10の数平均分子量は
3,000であった。
次に、得られたポリエステル(a)−10を256g、両末端に水酸基を有する化合物(b)−1として数平均分子量3,300、エチレンオキシ基の繰り返し単位の数=75のポリエチレングリコールを170g、酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.2g、オクチル酸ジルコニウムを0.4g仕込み、200℃で3時間、減圧下で重合して、両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−10を400g得た。この両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−10の数平均分子量Mnは16,500であった。
得られた両末端にカルボキシル基を有する構造を有するブロックポリマー(C)−10の400gに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)−1として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量170g/eq)3gを仕込み、220℃で5時間、減圧下で重合した後、製造例1と同様にして、本発明の帯電防止剤である高分子化合物(E)−12のペレットを400g得た。
得られた高分子化合物(E)−12のペレットを、製造例1と同様にして、結晶化温度を測定した。高分子化合物(E)−12の結晶化温度は75℃であった。
〔実施例1〜50、比較例1〜17〕
下記の表1〜13に記載した配合量(質量部)に基づいてブレンドした各実施例および比較例の樹脂組成物を用いて、下記に示す試験片作製条件に従い試験片を得た。得られた試験片を用いて、下記に従い、表面抵抗率(SR値)、耐水拭き性評価試験を行った。また、得られた試験片を用いて、下記条件で、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強度、熱変形温度を測定した。
下記の表1〜13に記載した配合量(質量部)に基づいてブレンドした各実施例および比較例の樹脂組成物を用いて、下記に示す試験片作製条件に従い試験片を得た。得られた試験片を用いて、下記に従い、表面抵抗率(SR値)、耐水拭き性評価試験を行った。また、得られた試験片を用いて、下記条件で、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強度、熱変形温度を測定した。
<ポリプロピレン樹脂組成物試験片作成条件>
下記の表1〜5中に示す配合量(質量部)に基づいてブレンドしたポリプロピレン樹脂組成物を、(株)池貝製2軸押出機(PCM30,60mesh入り)を用いて、230℃、6kg/時間の条件で造粒し、ペレットを得た。得られたペレットを、横型射出成形機(NEX80:日精樹脂工業(株)製)を用い、樹脂温度230℃、金型温度40℃の加工条件で成形し、表面抵抗率(SR値)および耐水拭き性評価用の試験片(100mm×100mm×3mm)と、難燃性UL−94V試験用試験片(127mm×12.7mm×1.6mm)を得た。
ポリプロピレン樹脂は、ホモポリプロピレン(メルトフローレート=8g/10min(ISO1133 230℃×2.16Kg))を使用した。
下記の表1〜5中に示す配合量(質量部)に基づいてブレンドしたポリプロピレン樹脂組成物を、(株)池貝製2軸押出機(PCM30,60mesh入り)を用いて、230℃、6kg/時間の条件で造粒し、ペレットを得た。得られたペレットを、横型射出成形機(NEX80:日精樹脂工業(株)製)を用い、樹脂温度230℃、金型温度40℃の加工条件で成形し、表面抵抗率(SR値)および耐水拭き性評価用の試験片(100mm×100mm×3mm)と、難燃性UL−94V試験用試験片(127mm×12.7mm×1.6mm)を得た。
ポリプロピレン樹脂は、ホモポリプロピレン(メルトフローレート=8g/10min(ISO1133 230℃×2.16Kg))を使用した。
<ABS樹脂組成物試験片作成条件>
下記の表6〜8中に示す配合量(質量部)に基づいてABS樹脂組成物を、(株)池貝製2軸押出機(PCM30,60mesh入り)を用いて、230℃、6kg/時間の条件で造粒し、ペレットを得た。得られたペレットを、横型射出成形機(NEX80:日精樹脂工業(株)製)を用い、樹脂温度230℃、金型温度50℃の加工条件で成形し、表面抵抗率(SR値)および耐水拭き性評価用の試験片(100mm×100mm×3mm)と、難燃性UL−94V試験用試験片(127mm×12.7mm×1.6mm)を得た。
ABS樹脂は、メルトフローレート=17g/10min(ISO1133、220℃×10.00kg)を使用した。
下記の表6〜8中に示す配合量(質量部)に基づいてABS樹脂組成物を、(株)池貝製2軸押出機(PCM30,60mesh入り)を用いて、230℃、6kg/時間の条件で造粒し、ペレットを得た。得られたペレットを、横型射出成形機(NEX80:日精樹脂工業(株)製)を用い、樹脂温度230℃、金型温度50℃の加工条件で成形し、表面抵抗率(SR値)および耐水拭き性評価用の試験片(100mm×100mm×3mm)と、難燃性UL−94V試験用試験片(127mm×12.7mm×1.6mm)を得た。
ABS樹脂は、メルトフローレート=17g/10min(ISO1133、220℃×10.00kg)を使用した。
<ポリカーボネート/ABS樹脂組成物作成条件>
下記の表9〜13中に示す配合量(質量部)に基づいてポリカーボネート/ABS樹脂組成物を、(株)池貝製2軸押出機(PCM30,60mesh入り)を用いて、250℃、6kg/時間の条件で造粒し、ペレットを得た。得られたペレットを、横型射出成形機(NEX80:日精樹脂工業(株)製)を用い、樹脂温度250℃、金型温度50℃の加工条件で成形し、試験片(100mm×100mm×3mm)を得た。
ポリカーボネート/ABSは、ポリカーボネート/ABS=7/3(質量比)であり、メルトフローレート=40g/10min(ISO1133、260℃×5.00kg)を使用した。
下記の表9〜13中に示す配合量(質量部)に基づいてポリカーボネート/ABS樹脂組成物を、(株)池貝製2軸押出機(PCM30,60mesh入り)を用いて、250℃、6kg/時間の条件で造粒し、ペレットを得た。得られたペレットを、横型射出成形機(NEX80:日精樹脂工業(株)製)を用い、樹脂温度250℃、金型温度50℃の加工条件で成形し、試験片(100mm×100mm×3mm)を得た。
ポリカーボネート/ABSは、ポリカーボネート/ABS=7/3(質量比)であり、メルトフローレート=40g/10min(ISO1133、260℃×5.00kg)を使用した。
<表面抵抗率(SR値)測定方法>
得られた表面抵抗率測定用試験片(100mm×100mm×3mm)を、成形加工後直ちに、温度25℃、湿度50%RHの条件下に保存し、成形加工の1日および30日保存後に、同雰囲気下で、アドバンテスト社製のR8340抵抗計を用いて、印加電圧100V、印加時間1分の条件で、表面抵抗率(Ω/□)を測定した。測定は5枚の試験片で1枚あたり5点について行い、その平均値を求めた。
得られた表面抵抗率測定用試験片(100mm×100mm×3mm)を、成形加工後直ちに、温度25℃、湿度50%RHの条件下に保存し、成形加工の1日および30日保存後に、同雰囲気下で、アドバンテスト社製のR8340抵抗計を用いて、印加電圧100V、印加時間1分の条件で、表面抵抗率(Ω/□)を測定した。測定は5枚の試験片で1枚あたり5点について行い、その平均値を求めた。
<耐水拭き性評価試験>
得られた試験片(100mm×100mm×3mm)の表面を流水中ウエスで50回拭いた後、温度25℃、湿度50%の条件下で2時間保存し、その後、同雰囲気下にて、アドバンテスト社製、R8340抵抗計を用いて、印加電圧100V、印加時間1分の条件で、表面抵抗率(Ω/□)を測定した。測定は5枚の試験片で1枚あたり5点について行い、その平均値を求めた。
得られた試験片(100mm×100mm×3mm)の表面を流水中ウエスで50回拭いた後、温度25℃、湿度50%の条件下で2時間保存し、その後、同雰囲気下にて、アドバンテスト社製、R8340抵抗計を用いて、印加電圧100V、印加時間1分の条件で、表面抵抗率(Ω/□)を測定した。測定は5枚の試験片で1枚あたり5点について行い、その平均値を求めた。
<難燃性UL−94V試験>
得られた難燃性UL−94V試験用試験片(127mm×12.7mm×1.6mm)を垂直に保ち、下端にバーナーの火を10秒間接炎させた後で炎を取り除き、試験片に着火した火が消える時間を測定した。次に、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行ない、1回目と同様にして着火した火が消える時間を測定した。また、落下する火種により試験片の下の綿が着火するか否かについても同時に評価した。1回目と2回目の燃焼時間、および綿着火の有無等から、UL−94V規格にしたがって燃焼ランクをつけた。燃焼ランクはV−0が最高のものであり、V−1、V−2となるにしたがって難燃性は低下する。ただし、V−0〜V−2のランクの何れにも該当しないものはNRとした。
得られた難燃性UL−94V試験用試験片(127mm×12.7mm×1.6mm)を垂直に保ち、下端にバーナーの火を10秒間接炎させた後で炎を取り除き、試験片に着火した火が消える時間を測定した。次に、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行ない、1回目と同様にして着火した火が消える時間を測定した。また、落下する火種により試験片の下の綿が着火するか否かについても同時に評価した。1回目と2回目の燃焼時間、および綿着火の有無等から、UL−94V規格にしたがって燃焼ランクをつけた。燃焼ランクはV−0が最高のものであり、V−1、V−2となるにしたがって難燃性は低下する。ただし、V−0〜V−2のランクの何れにも該当しないものはNRとした。
以上より、本発明の樹脂組成物は、帯電防止性能とその持続性、耐水拭き性、および難燃性に優れた成形体を提供することができることがわかる。
Claims (18)
- 合成樹脂100質量部に対し、1種以上の高分子化合物(E)を3〜40質量部および難燃剤(F)を1〜60質量部含有する帯電防止性樹脂組成物において、
前記高分子化合物(E)が、ジオール(a1)とジカルボン酸(a2)が反応して得られるポリエステル(a)と、エチレンオキシ基を一つ以上有する両末端に水酸基を有する化合物(b)と、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(D)と、が反応して得られる高分子化合物の1種以上であって、前記ジオール(a1)が、1,4−ブタンジオール、またはエチレングリコールの少なくとも一方であり、前記ジカルボン酸(a2)が、コハク酸、またはコハク酸を含有するジカルボン酸の混合物である、帯電防止性樹脂組成物。 - 前記難燃剤(F)が、臭素系難燃剤(F−1)である、請求項1に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 前記臭素系難燃剤(F−1)が、臭素化ジフェニル化合物、臭素化ビスフェノール系化合物、臭素化ビスフェノール−ビス(アルキルエーテル)系化合物、臭素化フタルイミド系化合物、臭素化トリアジン系化合物、および臭素化熱可塑性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項2に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 前記難燃剤(F)がリン酸エステル系難燃剤(F−2)である、請求項1に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 前記リン酸エステル系難燃剤(F−2)が、下記一般式(4)で表される少なくとも1種のリン酸エステル化合物である、請求項4に記載の帯電防止性樹脂組成物。
で表される2価の芳香族基を表し、nは0〜30の数である。
式(5)中のR6およびR7は各々独立に、水素原子、ヒドロキシ基または炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。
- さらに難燃助剤(G)を1〜30質量部含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 前記難燃助剤(G)が、アンチモン系化合物、ホウ素系化合物、金属酸化物、およびドリップ防止剤からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項6に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 前記高分子化合物(E)が、前記ポリエステル(a)から構成されるポリエステルのブロック(A)と、前記化合物(b)から構成されるポリエーテルのブロック(B)とを有2し、前記ポリエステル(a)の末端に有する水酸基またはカルボキシル基と、化合物(b)の末端に有する水酸基と、前記エポキシ化合物(D)のエポキシ基またはエポキシ基が反応することによって形成された水酸基、との反応により形成された、エステル結合またはエーテル結合を介して結合してなる構造を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 前記高分子化合物(E)が、前記ポリエステルのブロック(A)と、前記ポリエーテルのブロック(B)と、がエステル結合を介して繰り返し交互に結合してなる両末端にカルボキシル基を有するブロックポリマー(C)と、前記エポキシ化合物(D)と、がエステル結合を介して結合してなる構造を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 前記高分子化合物(E)の前記ポリエステル(a)が、両末端にカルボキシル基を有する構造である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 前記高分子化合物(E)の前記化合物(b)が、ポリエチレングリコールである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 前記高分子化合物(E)の結晶化温度が20〜70℃の範囲内である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 前記高分子化合物(E)の前記ポリエステル(a)の数平均分子量が、ポリスチレン換算で1,000〜10,000である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 前記高分子化合物(E)の前記ブロックポリマー(C)の数平均分子量がポリスチレン換算で5,000〜50,000である、請求項9〜13のいずれか一項に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- さらに、アルカリ金属の塩(H)およびイオン性液体(J)からなる群から選ばれる1種以上を0.01〜8質量部含有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 前記合成樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂およびそれらの共重合体からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 前記合成樹脂が、ポリカーボネート/ABS樹脂である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 請求項1〜17のいずれか一項に記載の帯電防止性樹脂組成物から得られることを特徴とする成形体。
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