JP2021102300A - 積層フィルム及び包装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】好適な耐衝撃性、特に低温下での優れた耐衝撃性を有し、易引き裂き性に優れた積層フィルムを提供する。【解決手段】ポリプロピレン系樹脂を主たる樹脂成分とする表面層(A)、直鎖低密度ポリエチレンと環状オレフィン系樹脂とを含有する中間層(B)及び直鎖低密度ポリエチレンを主たる樹脂成分とするヒートシール層(C)が積層された積層フィルムであり、中間層(B)に含まれる樹脂成分中の直鎖低密度ポリエチレンの含有量が65〜85質量%、環状オレフィン系樹脂の含有量が15〜35質量%である積層フィルムにより、好適な耐衝撃性と易引き裂き性とを実現できる。【選択図】なし

Description

本発明は、食品や医療品等の包装材に使用する積層フィルムに関し、より詳細には、低温下での耐衝撃性に優れた包装材に使用する積層フィルムに関する。
従来より、ポリプロピレン系樹脂を主体とするフィルムは剛性が高く、表面光沢度が高いことから、食品や医療品等の包装材として広く使用されている。しかし、ポリプロピレン系樹脂のみでは低温下での衝撃性が充分に得られない場合があり、冷凍食品包装等の用途においては、ポリプロピレン系樹脂層に、直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体層を積層して低温下での耐衝撃性を向上させた積層フィルムなどが使用されている(特許文献1参照)。
特開2001−105468号公報
上記積層フィルムは、ポリプロピレン系樹脂層と、特定の密度を有する2層の直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体層とを積層することで、自動包装適性と共に低温下での優れた衝撃強度を実現した積層フィルムであり、冷凍食品の包装用途に好適に適用できるものである。
包装材においては、これら包装適性や耐衝撃性に加えて、使用時には内容物を容易に取り出せる易開封性や易引き裂き性が求められることが多く、特に、食品や医療用等の包装材においては、開封時の内容物の飛散や落下が生じないよう、直進的に引き裂ける直進カット性の要請が高い。また、これら用途においては、ヒートシール時のシール温度の振れが生じた場合にも、内容物の漏れや包装内部への外気の流入が生じないよう、広域な温度範囲での適切なヒートシール性が求められる。
本発明が解決しようとする課題は、好適な耐衝撃性、特に低温下での優れた耐衝撃性を有し、易引き裂き性に優れた積層フィルムを提供することにある。
さらに本発明は、上記課題に加え、好適な耐熱性や良好な自動包装適性を有し、広い温度域でも好適なヒートシール性を実現できる積層フィルムを提供することにある。
本発明は、表面層(A)、中間層(B)及びヒートシール層(C)が積層された積層フィルムであって、前記表面層(A)がポリプロピレン系樹脂を主たる樹脂成分とする層であり、前記中間層(B)が直鎖低密度ポリエチレンとガラス転移温度が100℃以下の環状オレフィン系樹脂とを含有する層であり、前記ヒートシール層(C)が直鎖低密度ポリエチレンを主たる樹脂成分とする層であり、前記中間層(B)に含まれる樹脂成分中の直鎖低密度ポリエチレンの含有量が65〜85質量%、ガラス転移温度が100℃以下の環状オレフィン系樹脂の含有量が15〜35質量%である積層フィルムにより、上記課題を解決するものである。
本発明の積層フィルムは、好適な耐衝撃性を有することから、包装材として使用した際に、破袋による内容物の漏れや包装内部への外気侵入等を好適に抑制できる。特に、低温下での耐衝撃性に優れることから、低温下で輸送や管理を行う冷凍食品の包装用等に好適に適用できる。さらに、延伸基材と貼り合わせることなく好適な耐衝撃性を実現できることから、包装材の低コスト化が可能となる。また、これら耐衝撃性に加え、好適な易引き裂き性、特に幅方向の好適な易引き裂き性(直進カット性)を有することから、包装材に適用した際に内容物を容易に取り出しやすく、開封時に内容物の飛散や落下が生じにくいことから、各種包装用途、特に食品や医療用等の包装材に好適に適用できる。
さらに、本発明の積層フィルムは、良好な包装機械適性を有し、広域な温度範囲にて好適なヒートシール性を有することから、各種温度域にて好適に被包装物を包装できる。
本発明の積層フィルムは、ポリプロピレン系樹脂を主たる樹脂成分とする表面層(A)、直鎖低密度ポリエチレンとガラス転移温度が100℃以下の環状オレフィン系樹脂とを含有する中間層(B)及び直鎖低密度ポリエチレンを主たる樹脂成分とするヒートシール層(C)が積層された積層フィルムであり、中間層(B)に含まれる樹脂成分中の直鎖低密度ポリエチレンの含有量が65〜85質量%、ガラス転移温度が100℃以下の環状オレフィン系樹脂の含有量が15〜35質量%である。
[表面層(A)]
本発明の積層フィルムの表面層(A)は、ポリプロピレン系樹脂を主たる樹脂成分とする層であり、当該ポリプロピレン系樹脂を主たる樹脂成分として含有することで、好適な剛性と表面の耐熱性を実現できる。また、良好な外観の積層フィルムを得やすくなる。当該ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体等を使用できる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、併用してもよい。これらの中でも、高い剛性や透明性を得やすいことから、プロピレンの単独重合体を好ましく使用出来る。
本発明においては、前記表面層(A)中のポリプロピレン系樹脂としてMFR(230℃、21.18N)が12g/10min以下のポリプロピレン系樹脂(a1)を含有する。当該プロピレン系樹脂(a1)を含有することで、0℃を大きく下回る低温下、例えば−15℃の低温下でも優れた耐衝撃性を実現できる。当該プロピレン系樹脂(a1)のMFR(230℃)は、10g/10min以下であることが好ましく、8g/10min以下であることがより好ましい。また、MFRの下限は積層フィルムを形成できる範囲であれば特に制限されないが0.5g/10min以上であることが好ましい。特に、成膜性の観点からは、3g/10min以上であることがより好ましく、6g/10min以上であることがさらに好ましい。
表面層(A)中のポリプロピレン系樹脂は、その融点が155〜170℃であることが好ましく、158〜165℃であることがより好ましい。融点が当該範囲のポリプロピレンとすることで好適な耐衝撃性や包装機械適性を実現しやすくなる。また、好適な耐熱性を実現出来る。当該融点は、示差走査熱量計による融解ピークをいう。
表面層(A)は、上記ポリプロピレン系樹脂を主成分とするものであり、本発明の効果を損なわない範囲で共押出可能なその他の樹脂を併用しても良い。なお、「主たる樹脂成分とする」とは具体的には表面層(A)に用いる樹脂成分のうちの70質量%以上がポリプロピレン系樹脂であることをいうものであり、80質量%以上がポリプロピレン系樹脂であることが好ましく、90質量%以上がポリプロピレン系樹脂であることがより好ましい。また、表面層(A)中の樹脂成分の全てがポリプロピレン系樹脂であることも好ましい。
表面層(A)に使用するポリプロピレン系樹脂中の上記MFR(230℃)が12g/10min以下のポリプロピレン系樹脂(a1)の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。ポリプロピレン系樹脂(a1)の含有量を当該範囲とすることで、良好な剛性と、低温下での優れた耐衝撃性とを実現しやすくなる。
表面層(A)に使用する、上記ポリプロピレン系樹脂以外の樹脂としては、包装用フィルムに使用される各種樹脂を使用でき、なかでも、エチレン系樹脂等のオレフィン系樹脂を好ましく使用できる。エチレン系樹脂としては超低密度ポリエチレン(VLDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状中密度ポリエチレン(LMDPE),中密度ポリエチレン(MDPE)等のポリエチレン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等を使用できる。
表面層(A)に使用する樹脂成分として、上記プロピレン系樹脂以外のオレフィン系樹脂を使用する場合には、その含有量が表面層(A)に含まれる樹脂成分中の30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
また、オレフィン系樹脂として環状ポリオレフィン系樹脂を使用してもよいが、表面層(A)に含まれる樹脂成分中の環状ポリオレフィン系樹脂の含有量は10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に使用しないことも好ましい。
本発明で使用する表面層(A)中には、上記以外の他の樹脂を併用してもよい。当該他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン系エラストマー、ポリプロピレン系エラストマー、ブテン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー;エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;更にはエチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー等を例示できる。
上記他の樹脂を使用する場合には、その含有量が表面層(A)に含まれる樹脂成分中の30質量%以下で使用することが好ましく、30質量%以下で使用することがより好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
表面層(A)中には、上記樹脂成分以外に各種添加剤等を適宜併用してもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、耐電防止剤、防曇剤等、着色剤等を適宜使用できる。これら添加剤を使用する場合には、表面層(A)に使用する樹脂成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以下、より好ましくは0.01〜1質量部程度で使用する。
表面層(A)の積層フィルムの総厚に対する厚み比率は、好適な剛性や低温下での優れた耐衝撃性を得やすいことから、積層フィルムの総厚みに対する表面層(A)の厚み比率としては、10〜45%の範囲であることが好ましく、特に15〜30%の範囲であることが好ましい。
[中間層(B)]
本発明の積層フィルムの中間層(B)は、直鎖低密度ポリエチレンと、ガラス転移温度が100℃以下の環状オレフィン系樹脂とを含有する層であり、中間層(B)に含まれる樹脂成分中の直鎖低密度ポリエチレンの含有量が65〜85質量%、環状オレフィン系樹脂の含有量が15〜35質量%である。当該中間層(B)を使用することで、低温下での好適な耐衝撃性と、直進性を持った優れた易引き裂き性を実現できる。また、良好な包装機械適性を実現しやすくなる。
中間層(B)に使用する直鎖低密度ポリエチレンの密度は、良好な耐衝撃性を得やすいことから、好ましくは0.950g/cm以下、より好ましくは0.940g/cm以下である。また、0.900g/cm以上であることが好ましく、0.910g/cm以上であることがより好ましい。
中間層(B)に使用する直鎖低密度ポリエチレンのMFR(190℃、21.18N)は、0.5〜50g/10分(190℃、21.18N)、好ましくは1〜30g/10分(190℃、21.18N)、より好ましくは2〜20g/10分(190℃、21.18N)である。MFRがこの範囲であると、良好な成膜性が得られる点で好ましい。
本発明においては、中間層(B)中の直鎖低密度ポリエチレンの含有量を中間層(B)に含まれる樹脂成分中の65〜85質量%、好ましくは70〜80質量%とすることで、好適なシール性や低温下での優れた耐衝撃性が得られる。また、その総含有量が上記範囲であれば、密度やMFR等の異なる直鎖低密度ポリエチレンを2種以上併用してもよい。
中間層(B)には、ガラス転移温度が100℃以下の環状オレフィン系樹脂を含有することで、優れた易引き裂き性や直進カット性を実現できる。当該環状オレフィン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(COP)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のオレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(COC)等が挙げられる。また、COP及びCOCの水素添加物も、特に好ましい。また、環状オレフィン系樹脂の重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましく、より好ましくは7,000〜300,000である。
前記ノルボルネン系重合体と原料となるノルボルネン系単量体は、ノルボルネン環を有する脂環族系単量体である。このようなノルボルネン系単量体としては、例えば、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデテトラシクロドデセン、ジシクロペンタジエン、ジメタノテトラヒドロフルオレン、フェニルノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、メトキシカルボニルテトラシクロドデセン等が挙げられる。これらのノルボルネン系単量体は、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
前記ノルボルネン系共重合体は、前記ノルボルネン系単量体と共重合可能なオレフィンとを共重合したものであり、このようなオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の炭素原子数2〜20個を有するオレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエンなどが挙げられる。
中間層(B)中に含まれる環状オレフィン系樹脂の含有量は、中間層(B)に含まれる樹脂成分中の15〜35質量%、好ましくは20〜30質量%とすることで、耐衝撃性を損なうことなく、好適な易引き裂き性や直進カット性を実現できる。
また、中間層(B)中に使用する環状オレフィン系樹脂は、そのガラス転移温度が100℃以下であり、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下である。また、下限は特に制限されないが、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることがさらに好ましい。環状オレフィン系樹脂として当該ガラス転移温度のものを使用することで、良好な耐熱性や剛性を得やすく、また、落下等に対する耐破袋性を向上させやすくなる。また、良好な相溶性を得やすくなり、外観ムラを抑制しやすくなる。ガラス転移温度(Tg)は、DSCにより測定して得られる値である。
環状オレフィン系樹脂のMFRは、0.2〜17g/10分(230℃、21.18N)、好ましくは3〜15g/10分(230℃、21.18N)、より好ましくは5〜13g/10分(230℃、21.18N)である。MFRがこの範囲であると、直鎖状低密度ポリエチレン(b1)との相溶性に優れ、なおかつ各種の多層成膜法において良好な成膜性が得られる点で好ましい。
本発明に使用する環状オレフィン系樹脂として使用できる市販品として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(COP)としては、例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア(ZEONOR)」等が挙げられ、ノルボルネン系共重合体(COC)としては、例えば、三井化学株式会社製「アペル」、ポリプラスチックス社製「トパス(TOPAS)」等が挙げられる。
中間層(B)中の樹脂成分としては、上記直鎖状低密度ポリエチレンと環状オレフィン系樹脂のみを含有することも好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、これら樹脂成分以外の他の樹脂を併用してもよい。その他の併用できる樹脂種としては、例えば、上記表面層(A)にて例示した直鎖低密度ポリエチレン系樹脂以外のポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂を例示できる。また、熱可塑性エラストマーやエチレン系共重合体、アイオノマー等を使用してもよい。
これら他の樹脂を使用する場合には、直鎖状低密度ポリエチレンと環状オレフィン系樹脂の合計含有量を80質量%以上、すなわち中間層(B)に含まれる樹脂成分中の20質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましい。また下限は特に制限されるものではないが、所望する特性に応じて1質量%以上の含有量にて適宜使用すればよい。
中間層(B)中には、上記樹脂成分以外に各種添加剤等を適宜併用してもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、耐電防止剤、防曇剤等、着色剤等を適宜使用できる。これら添加剤を使用する場合には、中間層(B)に使用する樹脂成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以下、より好ましくは0.01〜1質量部程度で使用する。
中間層(B)の積層フィルムの総厚に対する厚み比率としては、良好な包装機械適性や耐低温衝撃性の観点より、50〜80%であることが好ましく、65〜75%であることがより好ましい。
中間層(B)は二層以上の複数層で構成してもよいが、当該複数層構成とする場合には各層が直鎖低密度ポリエチレンと環状オレフィン系樹脂とを含有し、各中間層に含まれる樹脂成分中の直鎖低密度ポリエチレンの含有量を65〜85質量%、環状オレフィン系樹脂の含有量を15〜35質量%とすることで、本発明の効果を好適に実現できる。なお、中間層を複数層とする場合には、当該配合範囲であれば、各層が同一の配合であっても、異なる配合であってもよい。また、中間層を複数層とする場合には、中間層の総厚が上記厚み比率となる範囲とすることが好ましい。
[ヒートシール層(C)]
本発明の積層フィルムに使用するヒートシール層(C)は、直鎖低密度ポリエチレンを主たる樹脂成分とする層である。当該ヒートシール層とすることで、良好な耐衝撃性とヒートシール性とを実現できる。ヒートシール層(C)に使用する直鎖低密度ポリエチレンの密度は、良好なシール性と耐衝撃性とを得やすいことから、0.880〜0.940g/cmが好ましい。
直鎖低密度ポリエチレンのMFRは、0.5〜50g/10分(190℃、21.18N)、好ましくは1〜30g/10分(190℃、21.18N)、より好ましくは2〜20g/10分(190℃、21.18N)である。MFRがこの範囲であると、良好な成膜性が得られる点で好ましい。
本発明においては、ヒートシール層(C)中の直鎖低密度ポリエチレンの含有量をヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中の70質量%以上とすることで、好適なシール性や低温下での優れた耐衝撃性を得やすくなる。当該含有量は、好ましくはヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中の75質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。また、ヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中の100質量%が、直鎖低密度ポリエチレンであってもよい。また、その総含有量が上記範囲であれば、密度やMFR等の異なる直鎖低密度ポリエチレンを2種以上併用してもよい。
ヒートシール層(C)中には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記直鎖低密度ポリエチレン以外の他の樹脂を併用してもよい。その他の併用できる樹脂種としては、例えば、上記表面層(A)にて例示した直鎖低密度ポリエチレン系樹脂以外のポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂を例示できる。上記直鎖低密度ポリエチレン以外の樹脂としてオレフィン系樹脂を使用する場合には、その含有量がヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中の30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
また、オレフィン系樹脂として環状ポリオレフィン系樹脂を使用してもよいが、ヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中の環状ポリオレフィン系樹脂の含有量は10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に使用しないことも好ましい。
また、ヒートシール層(C)中には、上記以外の他の樹脂を併用してもよく、当該他の樹脂としては、表面層(A)にて例示した熱可塑性エラストマーやエチレン系共重合体、アイオノマー等を例示できる。当該他の樹脂を使用する場合には、その含有量がヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中の30質量%以下で使用することが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
ヒートシール層(C)中には、上記樹脂成分以外に各種添加剤等を適宜併用してもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、耐電防止剤、防曇剤等、着色剤等を適宜使用できる。これら添加剤を使用する場合には、ヒートシール層(C)に使用する樹脂成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以下、より好ましくは0.01〜1質量部程度で使用する。
ヒートシール層(C)の積層フィルムの総厚に対する厚み比率としては、ヒートシール性や耐低温衝撃性の観点より、5〜30%であることが好ましく、10〜20%であることがより好ましい。
[積層フィルム]
本発明の積層フィルムは、上記表面層(A)、中間層(B)及びヒートシール層(C)が、(A)/(B)/(C)の順に積層された積層フィルムである。本発明の積層フィルムは当該構成により、低温下、特に0℃を大きく下回る−15℃の低温下でも好適な耐衝撃性を実現できる。また良好な成膜性を有し、好適な剛性やシール性、包装機械適性を実現できる。
本発明の積層フィルムは、フィルムの厚さが15〜100μmのものが好ましく、より好ましくは30〜50μmである。フィルムの厚さがこの範囲であれば、低温下での優れた耐衝撃性、剛性、シール性、包装機械適性等を得やすくなる。
また、各層の厚みは、特に制限されるものではないが、例えば、表面層(A)の厚みとしては、4〜18μmであることが好ましく、6〜12μmであることがより好ましい。中間層(B)の厚みは20〜32μmであることが好ましく、26〜28μmであることがより好ましい。ヒートシール層(C)の厚みは2〜12μmであることが好ましく、4〜8μmであることがより好ましい。
なお、中間層(B)を複数層とする場合、好ましくは、表面層(A)/中間層(B1)/中間層(B2)/ヒートシール層(C)等の構成とする場合には、中間層の総厚みが上記中間層(B)の厚み範囲であることが好ましい。
本発明の積層フィルムは、内容物保護の観点から、そのシール強度が5N/15mm以上であることが好ましく、10N/15mm以上であることが好ましい。
本発明の積層フィルムは、フィルムインパクト法によって測定される耐衝撃強度が0.5J以上である事が好ましく、0.7J以上であることがより好ましい。当該衝撃強度は、40μmの積層フィルムを−15℃下に状態調整した後に測定した衝撃強度である。
本発明の積層フィルムは、好適な包装適性や強靭性を得やすいことから、剛性が500MPa以上であることが好ましく、530MPa以上であることがより好ましい。
本発明の積層フィルムは、表面層を構成する樹脂の平均融点と、ヒートシール層を構成する樹脂の平均融点の差が50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。当該融点差の樹脂を使用することで、好適な包装適性を得やすくなる。表面層及びヒートシール層に使用する樹脂の平均融点は、各層に使用する各樹脂成分の含有量と融点とから計算される融点であり、表面層又はヒートシール層に使用する樹脂が、樹脂a、樹脂b、樹脂c・・・である場合に、これら樹脂の融点をTa、Tb、Tc・・・、層中に使用する樹脂の質量をWa、Wb、Wc・・・とした際に、(TaWa+TbWb+TcWc・・・)/(Wa+Wb+Wc・・・)で算出される。
本発明の積層フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、表面層(A)、中間層(B)、ヒートシール層(C)に用いる各樹脂又は樹脂混合物を、それぞれ別々の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により溶融状態で(A)/(B)/(C)の順で積層した後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた積層フィルムが得られるので好ましい。
本発明の積層フィルムは、上記の製造方法によって、実質的に無延伸の積層フィルムとして得られるため、真空成形による深絞り成形等の二次成形も可能となる。
さらに、印刷インキとの接着性や、ラミネート用シーラントフィルムとして使用する場合のラミネート適性を向上させるため、前記樹脂層(A)に表面処理を施すことが好ましい。このような表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等の表面酸化処理、あるいはサンドブラスト等の表面凹凸処理を挙げることができるが、好ましくはコロナ処理である。
本発明の積層フィルムからなる包装材としては、食品、薬品、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、包装容器等が挙げられる。
前記包装袋は、本発明の積層フィルムのヒートシール層(C)同士を重ねてヒートシールすることにより形成した包装袋であることが好ましい。例えば当該積層フィルム2枚を所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒートシールして袋状にした後、ヒートシールをしていない1辺から内容物を充填しヒートシールして密封することで包装袋として用いることができる。さらには自動包装機によりロール状のフィルムを円筒形に端部をシールした後、上下をシールすることにより包装袋を形成することも可能である
また、ヒートシール層(C)とヒートシール可能な別のフィルムを重ねてヒートシールすることにより包装袋・容器を形成することも可能である。その際、使用する別のフィルムとしては、比較的機械強度の弱いLDPE、EVA等のフィルムを用いることができる。
本発明の積層フィルムは、他の基材と貼りあわせても使用できる。この時使用することができる他の基材としては、特に限定されるものではないが、本発明の効果を容易に発現させる観点から、高剛性、高光沢を有するプラスチック基材、特には二軸延伸された樹脂フィルムを用いることが好ましい。また透明性を必要としない用途の場合はアルミ箔を単独あるいは組み合わせて使用することもできる。
延伸された樹脂フィルムとしては、例えば、二軸延伸ポリエステル(PET)、易裂け性二軸延伸ポリエステル(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリアミド(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)を中心層とした共押出二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコートした共押出二軸延伸ポリプロピレン等が挙げられる。これらは、単独あるいは複合化して使用しても良い。
上記の製造方法によって得られた積層フィルムに前記基材を積層し、ラミネートフィルムとする場合の積層方法としては、例えば、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、ノンソルベントラミネーション、押出ラミネーション等の方法が挙げられる。
前記ドライラミネーションで用いる接着剤としては、例えば、ポリエーテル−ポリウレタン系接着剤、ポリエステル−ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。また各種の粘着剤を使用することもできるが、感圧性粘着剤を用いることが好ましい。感圧性粘着剤としては、例えば、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、これらの混合物をベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンのような有機溶剤に溶解したゴム系粘着剤、或いは、これらゴム系粘着剤にアビエチレン酸ロジンエステル、テルペン・フェノール共重合体、テルペン・インデン共重合体などの粘着付与剤を配合したもの、或いは、2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸n−ブチル共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体などのガラス転移点が−20℃以下のアクリル系共重合体を有機溶剤で溶解したアクリル系粘着剤などを挙げることができる。
本発明の積層フィルムを用いた包装材には、初期の引き裂き強度を弱め、開封性を向上するため、シール部にVノッチ、Iノッチ、ミシン目、微多孔などの任意の引き裂き開始部を形成することが好ましい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳しく説明する。以下、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(実施例1)
表面層(A)、中間層(B)及びヒートシール層(C)の各層を形成する樹脂成分として、各々下記の樹脂を使用して、各層を形成する樹脂、樹脂混合物を調整した。これら樹脂、樹脂混合物を3台の押出機に各々供給して250℃で溶融した。溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの層構成が、表面層(A)/中間層(B)/ヒートシール層(C)の3層構成で、各層の厚みが8μm/26μm/6μm(合計40μm)の積層フィルムを得た。
表面層(A):プロピレン単独重合体(密度:0.900g/cm、MFR(230℃、21.18N):8g/10分、融点:160℃)(以下、「HOPP」と称する。)100質量部
中間層(B):直鎖低密度ポリエチレン(密度:0.925g/cm、MFR(190℃、21.18N):4.1g/10分)(以下、「LLDPE(1)」と称する。)80質量部、環状オレフィン樹脂(MFR(230℃、21.18N):10.0g/10分、ガラス転移温度:78℃)(以下、「COC(1)」と称する。)20質量部
ヒートシール層(C):直鎖低密度ポリエチレン(密度:0.900g/cm、MFR(190℃、21.18N):4.0g/10分、融点:100℃)(以下、「LLDPE(2)」と称する。)100質量部
(実施例2)
中間層(B)に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
中間層(B):LLDPE(1)75質量部、COC(1)25質量部
(実施例3)
表面層(A)/中間層(B)/ヒートシール層(C)の厚みを6μm/19.5μm/4.5μm(合計30μm)とした以外は実施例2と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例4)
中間層(B)に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
中間層(B):LLDPE(1)70質量部、COC(1)30質量部
(実施例5)
中間層(B)に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
中間層(B):LLDPE(1)75質量部、環状オレフィン樹脂(MFR(230℃、21.18N):5.0g/10分、ガラス転移温度:65℃)(以下、「COC(2)」と称する。)25質量部
(実施例6)
中間層(B)に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
中間層(B):直鎖低密度ポリエチレン(密度:0.920g/cm、MFR(190℃、21.18N):4.1g/10分)75質量部(以下、LLDPE(3)と称する)、COC(1)25質量部
(比較例1)
中間層(B)に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
中間層(B):LLDPE(1)90質量部、COC(1)10質量部
(比較例2)
中間層(B)に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
中間層(B):LLDPE(1)60質量部、COC(1)40質量部
(比較例3)
中間層(B)に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
中間層(B):LLDPE(1)75質量部、環状オレフィン樹脂(MFR(230℃、21.18N):10.0g/10分、ガラス転移温度:110℃)(以下、「COC(3)」と称する。)25質量部
(比較例4)
表面層(A)に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
表面層(A):直鎖低密度ポリエチレン(密度:0.940g/cm、MFR(190℃、21.18N):2.8g/10分、融点:120℃)(以下、LLDPE(4)と称する。)100質量部
(比較例5)
表面層(A)、中間層(B1)、中間層(B2)及びヒートシール層(C)の各層を形成する樹脂成分として、各々下記の樹脂を使用して、各層を形成する樹脂を調整した。これら樹脂を4台の押出機に各々供給して250℃で溶融した。溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの層構成が、表面層(A)/中間層(B)/中間層(B2)/ヒートシール層(C)の4層構成で、各層の厚みが8μm/20μm/4μm/8μm(合計40μm)の積層フィルムを得た。
表面層(A):HOPP(1)100質量部
中間層(B):LLDPE(1)100質量部
中間層(B2):COC(1)100質量部
ヒートシール層(C):LLDPE(2)100質量部
[剛性の測定]
実施例及び比較例にて得られたフィルムを、長手方向がフィルムの流れ方向(縦方向)となるように、縦300mm×横25.4mm(標線間隔200mm)で切り出した厚さ30μmのフィルムを試験片として用い、ASTM D−882に準拠して引張速度500mm/minの条件で23℃における1%接線モジュラス(単位:MPa)を、テンシロン引張試験機〔株式会社エー・アンド・デー製〕を用いて測定した。
〇:剛性が500MPa以上
×:剛性が500MPa未満
[ヒートシール強度]
実施例及び比較例にて得られたフィルムを用いて130℃、0.2MPa、1秒の条件にて、シール幅10mmでヒートシールした試験片を作成し、15mm幅に裁断し、引張試験機にて、シール強度を測定した。同様の評価を3回実施し、これらの平均値を評価結果とした。
○:ヒートシール強度が5N/15mm以上
×:ヒートシール強度が5N/15mm未満
[直進カット性]
実施例及び比較例にて得られたフィルムを、フィルムの幅方向の長さが297mm、流れ方向の長さが210mmの試験片を用い、幅方向に50mm間隔毎に切れ込みを10mm入れ、幅方向に手で引き裂き直進カット性を評価した。試験は3回行った。
実施例及び比較例にて得られたフィルムを、幅方向の長さが250mm、流れ方向の長さが250mmの大きさに切り出し、試験片を得た。得られた試験片の流れ方向の一辺に、当該辺の一端から50mm間隔毎に流れ方向と垂直方向(幅方向と平行方向)に10mmの切れ込みを4箇所設けた。当該試験片の切れ込みを入れた辺の切れ込み片の中央部と、隣接する切れ込み片の中央部とを持ち、幅方向の180°方向に端部まで引き裂き、直進カット性を評価した。3枚の試験片にて、全ての切れ込みにつき同様の評価を行った。評価基準は下記のとおりである。
〇:全ての試験にて、引き裂き開始部と引き裂き終了端部のずれが±5mm以内
×:一回以上の試験で引き裂き開始部と引き裂き終了端部のずれが±5mm以上
[横裂け性]
実施例及び比較例にて得られたフィルムを、フィルムの幅方向の長さが297mm、流れ方向の長さが210mmの試験片及びフィルムの幅方向の長さが210mm、流れ方向の長さが297mmの試験片を用い、幅方向及び流れ方向に50mm間隔毎に切れ込みを10mm入れ、幅方向及び流れ方向に手で引き裂き横裂け性を評価した。試験は3回行った。
実施例及び比較例にて得られたフィルムから、幅方向の長さが250mm、流れ方向の長さが250mmの大きさの試験片6枚を切り出した。3枚の試験片については、上記直進カット性試験と同様にして、幅方向の引き裂き試験を行った。
他の3枚の試験片には、幅方向の一辺に当該辺の一端から50mm間隔毎に幅方向と垂直方向(流れ方向と平行方向)に10mmの切れ込みを4箇所設けた。当該試験片の切れ込みを入れた辺の切れ込み片の中央部と、隣接する切れ込み片の中央部とを持ち、流れ方向の180°方向に端部まで引き裂いた。3枚の試験片にて、全ての切れ込みにつき同様の評価を行った。評価基準は下記のとおりである。
〇:幅方向の全ての引き裂き試験においては容易に手で割くことができ、かつ、流れ方向の全ての引き裂き試験においては引き裂きに抵抗が生じる又は引き裂けない
×:幅方向の一回以上の引き裂き試験において容易に手で割くことができない、又は、流れ方向の一回以上の引き裂き試験において容易に手で割くことができる。
[耐衝撃性]
実施例及び比較例にて得られたフィルムを−15℃下に調整した恒温室内で4時間静置した試験片、−15℃下に調整した恒温室内で4時間静置した試験片を準備した。各試験片にて、テスター産業製BU−302型フィルムインパクトテスターを用いて、振り子の先端に1.0インチのヘッドを取り付け、フィルムインパクト法による衝撃強度を測定した。
○:衝撃強度が0.70(J)以上
×:衝撃強度が0.70(J)未満
上記で得られた結果を表1〜2に示す。
Figure 2021102300
Figure 2021102300
上記表から明らかなとおり、実施例1〜6の本発明の積層フィルムは、好適な剛性や、−15℃のごく低温下での優れた耐衝撃性を有すると共に、好適な裂け性を有するものであった。一方、比較例1〜5の積層フィルムは、好適な剛性や耐衝撃性、裂け性を兼備できないものであった。

Claims (4)

  1. 表面層(A)、中間層(B)及びヒートシール層(C)が積層された積層フィルムであって、
    前記表面層(A)がポリプロピレン系樹脂を主たる樹脂成分とする層であり、
    前記中間層(B)が直鎖低密度ポリエチレンとガラス転移温度が100℃以下の環状オレフィン系樹脂とを含有する層であり、
    前記ヒートシール層(C)が直鎖低密度ポリエチレンを主たる樹脂成分とする層であり、
    前記中間層(B)に含まれる樹脂成分中の直鎖低密度ポリエチレンの含有量が65〜85質量%、ガラス転移温度が100℃以下の環状オレフィン系樹脂の含有量が15〜35質量%であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記積層フィルムの総厚みが20〜60μmの範囲である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記積層フィルムの−15℃における衝撃強度が0.7J以上である請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の積層フィルムを用いた包装材。
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