JP2021099131A - ボールナット、ボールねじ装置および転舵装置 - Google Patents

ボールナット、ボールねじ装置および転舵装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ボールを循環させる循環部材が装着される取付孔の寸法管理をより簡単に行うことができるボールナット、ボールねじ装置および転舵装置を提供する。【解決手段】ボールナット31は、転舵シャフトの外周面に対して複数のボールを介して螺合される。ボールナット31の外周面には、転舵シャフトとの間で転動するボールを循環させるための循環部材が圧入される取付孔61が設けられている。取付孔61は、ボールナット31の軸線方向における循環部材の移動を規制する圧入面71a,72aを有している。圧入面71a,72aは、これらを含む仮想平面がボールナット31の軸線に対して直交するように設けられている。また、取付孔61は、ボールナット31の円周方向における循環部材の移動を規制する圧入面81a,81bを有している。圧入面81a,81bは、これらを含む仮想平面がボールナット31の軸線に対して平行をなすように設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、ボールナット、ボールねじ装置および転舵装置に関する。
従来、車両の操舵機構にモータの動力を付与することにより運転者の操舵を補助する電動パワーステアリング装置が知られている。たとえば特許文献1の電動パワーステアリング装置では、操舵機構としてラックアンドピニオン機構が採用されている。すなわち、ステアリングホイールの操作に伴うピニオンの回転が当該ピニオンに噛み合う転舵シャフトの直線運動に変換されることにより車輪の向きが変更される。また、転舵シャフトにはモータの回転運動を転舵シャフトの直線運動に変換するボールねじ装置が設けられている。モータの回転によって転舵シャフトの動作が補助されることにより運転者の操舵が補助される。
ボールねじ装置は、転舵シャフト、ボールナットおよび複数のボールを有している。転舵シャフトの外周面には螺旋状の第1のボールねじ溝が設けられている。転舵シャフトはボールナットに挿通されている。ボールナットの内周面には螺旋状の第2のボールねじ溝が設けられている。ボールは、転舵シャフトとボールナットとの間に介在している。ボールは、第1のボールねじ溝と第2のボールねじ溝とによって形成される螺旋状の転動路内を転動する。
また、ボールねじ装置は、転動路に設定された二点間を短絡する循環路を有している。転動路内を転動するボールは、循環路を通過することによって、転動路に設定された二点間を下流側から上流側へ移動する。このため、ボールは転動路内を無限循環する。循環路は、ボールナットの半径方向に沿って貫通する取付孔に循環部材であるデフレクタを取り付けることにより構成される。デフレクタは、転動路からボールをすくい上げる機能および転動路にボールを排出する機能を有する。
特開2013−155845号公報
ボールねじ装置では、ボールナットに対するデフレクタのがたつきを抑えてボールを円滑に循環させるために、ボールナットの取付孔とデフレクタとの間においてより適切な締め代を確保する必要がある。このため、取付孔の寸法公差を厳密に管理する必要がある。
ところが、特許文献1のボールねじ装置においては、取付孔がボールナットの軸線に対して傾斜して設けられている。このため、ノギスあるいはマイクロメータなどの測定器具では取付孔の寸法を正確に測定することが難しい。
本発明の目的は、ボールを循環させる循環部材が装着される取付孔の寸法管理をより簡単に行うことができるボールナット、ボールねじ装置および転舵装置を提供することにある。
上記目的を達成し得るボールナットは、ねじ軸にボールを介して螺合されるとともに、外周面に前記ねじ軸との間で転動する前記ボールを循環させるための循環部材が嵌め込まれる取付孔が設けられている。前記取付孔は、前記ボールナットの軸線方向において前記循環部材に接触した状態に維持されて前記ボールナットの軸線方向における前記循環部材の移動を規制する第1の規制面と、前記ボールナットの円周方向において前記循環部材に接触した状態に維持されて前記ボールナットの円周方向における前記循環部材の移動を規制する第2の規制面と、を有している。前記第1の規制面はこれを含む仮想平面が前記ボールナットの軸線に対して直交するように設けられている。
この構成によれば、第1の規制面がボールナットの軸線に対して傾斜して設けられる場合に比べて、第1の規制面、ひいては取付孔の寸法管理がより簡単になる。また、第1の規制面の寸法精度も確保しやすい。
上記のボールナットにおいて、前記第2の規制面はこれを含む仮想平面が前記ボールナットの軸線に対して平行をなすように設けられていてもよい。
この構成によれば、第2の規制面がボールナットの軸線に対して傾斜して設けられる場合に比べて、ボールナットの円周方向における取付孔の対称性を確保しやすくなる。たとえば、ボールナットをその半径方向からみて、ボールナットの軸線と第2の規制面との間の寸法管理、ひいては取付孔の寸法管理がより簡単になる。
上記目的を達成し得るボールねじ装置は、ねじ軸と、前記ねじ軸に複数のボールを介して螺合される上記のボールナットと、を有している。
上記のボールナットによれば、取付孔に対する循環部材の位置ずれが抑えられるため、ボールが円滑に循環する。すなわち、ボールナットがねじ軸に対して円滑に回転するため、ボールねじ装置を円滑に動作させることができる。
上記目的を達成し得る転舵装置は、モータと、車両の転舵輪を転舵させるねじ軸としての転舵シャフトと、前記転舵シャフトに複数のボールを介して螺合されるとともに前記モータの駆動に連動して回転する上記のボールナットと、を有している。
上記のボールナットによれば、取付孔に対する循環部材の位置ずれが抑えられるため、ボールが円滑に循環する。ボールナットが転舵シャフトに対して円滑に回転するため、転舵装置を円滑に動作させることができる。
本発明によれば、ボールを循環させる循環部材が装着される取付孔の寸法管理をより簡単に行うことができる。
ボールナットの一実施の形態が適用される電動パワーステアリング装置の概略構成を示す断面図。 (a)は電動パワーステアリング装置の動力伝達機構付近をボールナットの軸方向に沿って切断した断面図、(b)は循環部材の近傍を拡大した断面図。 ボールナットの一実施の形態を取付孔側からみた平面図。 ボールナットの一実施の形態に装着される循環部材の斜視図。 ボールナットの一実施の形態に装着される循環部材の平面図。 ボールナットの比較例の平面図。
以下、ボールナットを電動パワーステアリング装置に適用した一実施形態を説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置1は、運転者によるステアリングホイール2の操作に応じて転舵輪3を転舵させる操舵機構4と、操舵機構4にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する転舵アクチュエータ5とを備えている。
操舵機構4は、ステアリングホイール2が固定されるステアリングシャフト11と、ステアリングシャフト11に連結された転舵シャフト12と、転舵シャフト12が往復動可能に挿通されるハウジング13とを備えている。ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール2が位置する側から順にコラムシャフト11a、中間シャフト11bおよびピニオンシャフト11cが連結されてなる。ピニオンシャフト11cに設けられたピニオン歯14は、転舵シャフト12に設けられたラック歯15と噛み合っている。また、転舵シャフト12の両端には、タイロッド16を介して転舵輪3が連結されている。したがって、ステアリングホイール2の操作に伴うステアリングシャフト11の回転は、ピニオン歯14とラック歯15との噛み合いを通じて転舵シャフト12の軸方向移動に変換される。転舵シャフト12がその軸線方向へ移動することにより、転舵輪3の転舵角が変更される。
転舵アクチュエータ5は、駆動源であるモータ21、ベルト伝動装置22およびボールねじ装置23を有している。ベルト伝動装置22は、モータ21の回転をボールねじ装置23に伝達する。ボールねじ装置23は、ベルト伝動装置22を介して伝達される回転を転舵シャフト12の往復動に変換する。すなわち、モータ21の回転がベルト伝動装置22およびボールねじ装置23を介して転舵シャフト12に付与されることにより転舵シャフト12の往復動が補助される。
つぎに、転舵アクチュエータ5の構成について詳細に説明する。
図2(a)に示すように、転舵アクチュエータ5のベルト伝動装置22およびボールねじ装置23は、ハウジング13に設けられた減速機収容部13aの内部に収容されている。モータ21は、減速機収容部13aの外部に取り付けられている。減速機収容部13aは、ハウジング13における減速機収容部13aを除く他の部分よりも大径である。減速機収容部13aの側壁には、挿入孔13bが設けられている。モータ21の回転軸21aは、挿入孔13bを介して減速機収容部13aの内部に挿入されている。モータ21は、その回転軸21aが転舵シャフト12と平行になる姿勢で、ボルト13cを介して減速機収容部13aに取り付けられている。
ボールねじ装置23は、ねじ軸でもある転舵シャフト12、転舵シャフト12の外周に同軸配置されたボールナット31、および転舵シャフト12とボールナット31との間に設けられた複数のボール32を有している。また、ベルト伝動装置22は、駆動プーリ41、従動プーリ42およびベルト43を有している。駆動プーリ41は、モータ21の回転軸21aに対して一体回転可能に連結されている。従動プーリ42は、ボールナット31の外周面に対して一体回転可能に連結されている。ベルト43は、駆動プーリ41と従動プーリ42との間に巻き掛けられている。
ボールナット31は、小径筒部31aおよび大径筒部31bを有する段付きの円筒状に設けられている。ボールナット31は小径筒部31aに装着された転がり軸受33を介して減速機収容部13aの内周面に対して回転可能に支持されている。小径筒部31aの外周面において大径筒部31bと反対側の端部寄りの位置には、その全周にわたって延びる円環状の固定溝31cが設けられている。小径筒部31aの外周には、円環状のリテーナ34が固定溝31cに密着するようにかしめられることによって固定されている。このリテーナ34によって転がり軸受33は、小径筒部31aと大径筒部31bとの間の段差面に押し付けられた状態で固定されている。また、転がり軸受33の外輪の両側には、断面L字状の保持器35が隣接して配置されている。保持器35と転がり軸受33の外輪との間には、ゴムなどの弾性体36が圧縮された状態で配置されている。なお、従動プーリ42は、大径筒部31bの外周面に装着されている。
ボールナット31の内周面には、螺子溝51が設けられている。転舵シャフト12の外周面には、螺子溝51に対応する螺子溝52が設けられている。これら螺子溝51,52がボールナット31の半径方向において互いに対向することによって螺旋状の転動路(ボール軌道)R1が形成されている。転動路R1の内部には、複数のボール32が螺子溝51,52に挟まれた状態で配置されている。すなわち、ボールナット31は、転舵シャフト12の外周に各ボール32を介して螺合されている。これにより、各ボール32は、転舵シャフト12とボールナット31との間の相対回転に伴い、その負荷を受けつつ、転動路R1の内部を転動する。そして、各ボール32の転動によって転舵シャフト12とボールナット31との軸方向の相対位置が変位することにより、モータ21のトルクがアシスト力として転舵シャフト12に付与される。
図2(b)に示すように、ボールナット31には、螺子溝51内の二箇所に設定された接続点P1,P2に開口する循環路R2が設けられている。転動路R1は、循環路R2によりその開口位置に対応する二つの接続点P1,P2間が短絡されている。したがって、転動路R1の内部を転動して接続点P1または接続点P2に到達した各ボール32は、循環路R2を通過することにより接続点P2または接続点P1に排出される。すなわち、各ボール32は循環路R2を介して転動路R1をその下流側から上流側へ移動することによって無限循環する。なお、循環路R2の内部では、各ボール32は転動路R1から循環路R2の内部に新たにボール32が進入することにより、それぞれ循環方向における後方に隣接したボール32に押されて循環路R2の内部を移動する。
循環路R2は、ボールナット31に設けられた取付孔61に循環部材62(デフレクタ)を取り付けることにより設けられる。循環部材62は、取付孔61に対して圧力を加えて押し込まれることにより取り付けられる。取付孔61は、ボールナット31をその半径方向に沿って貫通した部分を有している。循環部材62は、転動路R1からボール32をすくい上げる機能および転動路R1にボール32を排出する機能を有している。
<取付孔について>
図3に示すように、取付孔61はボールナット31の大径筒部31bに設けられている。取付孔61は、二つの接続点P1,P2に対応する位置に設けられた貫通孔部71,72と、貫通孔部71,72間を接続する接続凹部73とを有している。なお、取付孔61は、ボールナット31をその半径方向からみて、取付孔61の中心に対して点対称となるように設けられている。
貫通孔部71,72は、それぞれボールナット31の内外を貫通する長円形状に設けられている。接続点P1,P2は、ボールナット31の軸方向において、その間に数巻き分の螺子溝51を挟む位置に設定されている。また、接続点P1,P2は、ボールナット31の周方向において互いにずれた位置に設定されている。貫通孔部71,72は、ボールナット31の円周方向において互いにずれた位置に設けられている。
貫通孔部71,72の内周面において、ボールナット31の軸線方向において互いに最も離れた部分には、循環部材62に対する圧入面71a,72aが設けられている。圧入面71aは、これを含む仮想平面がボールナット31の軸線に対して直交するように設けられている。圧入面72aも、これを含む仮想平面がボールナット31の軸線に対して直交するように設けられている。すなわち、2つの圧入面71a,72aは、互いに平行をなしている。また、2つの圧入面71a,72aは、ボールナット31の軸線方向において互いに対向している。
接続凹部73は、浅溝部81および深溝部82を有する段付き溝状に設けられている。ボールナット31の半径方向からみて、浅溝部81の輪郭形状は矩形状に設定されている。浅溝部81において、ボールナット31の円周方向において互いに対向する2つの内側面は循環部材62に対する圧入面81a,81bとなる。これら圧入面81a,81bは、ボールナット31の軸線に沿って延びている。また、圧入面81aは、これを含む仮想平面がボールナット31の軸線に対して平行をなすように設けられている。圧入面81bも、これを含む仮想平面がボールナット31の軸線に対して平行をなすように設けられている。
深溝部82は、2つの貫通孔部71,72の円周方向において互いに反対側の端部同士を連結する直線状に設けられている。深溝部82は、ボールナット31の軸線に対して傾斜している。深溝部82は、矩形の輪郭形状を有する浅溝部81の対角線に沿って延びている。深溝部82のボールナット31の外周面を基準とする深さは、浅溝部81のボールナット31の外周面を基準とする深さよりも深く設定されている。
ボールナット31は、その加工時および寸法の測定時の基準となる基準面31dを有している。基準面31dは、ボールナット31における小径筒部31aと大径筒部31bとの間の段差面として設けられている。基準面31dはこれを含む仮想平面がボールナット31の軸線と直交するように設けられている。すなわち、基準面31dと貫通孔部71の圧入面71aとは互いに平行をなしている。基準面31dと貫通孔部72の圧入面72aとは互いに平行をなしている。また、基準面31dと浅溝部81の圧入面81aとは互いに直交している。基準面31dと浅溝部81の圧入面81bとは互いに直交している。
<循環部材について>
図4に示すように、循環部材62は、ボールナット31の貫通孔部71,72に挿入される2つの挿入部91,92、およびこれら挿入部91,92の間を連結する連結部93を有している。循環部材62は、ボールナット31の半径方向からみて、その中心に対して点対称となるように設けられている。
2つの挿入部91,92は、貫通孔部71,72の断面形状に対応した断面長円形の柱状をなしている。挿入部91,92の外周面の輪郭は、ボールナット31における貫通孔部71,72の内周面の輪郭よりも一回り小さく設定されている。
連結部93は、ボールナット31の接続凹部73に挿入される。連結部93は、接続凹部73の浅溝部81に挿入される第1の連結部93a、および接続凹部73の深溝部82に挿入される第2の連結部93bを有している。第1の連結部93aの輪郭形状は、浅溝部81の輪郭形状に対応する矩形状に設定されている。第1の連結部93aの輪郭は、浅溝部81の輪郭よりも一回り小さく設定されている。第2の連結部93bの輪郭形状は、深溝部82の輪郭形状に対応する矩形状に設定されている。第2の連結部93bの輪郭は、深溝部82の輪郭よりも一回り小さく設定されている。
図5に示すように、循環部材62の内部には循環路R2が設けられている。循環路R2は、一方の挿入部91の先端から連結部93を経て他方の挿入部92の先端までの範囲に設けられている。循環路R2の両端は、2つの挿入部91,92の先端部に開口している。循環路R2は、挿入部91,92と連結部93との境界部分において滑らかに湾曲している。循環路R2の連結部93に対応する部分は、ボールナット31の軸方向に対して傾斜した直線状をなしている。また、循環路R2の連結部93に対応する部分は、接続凹部73の深溝部82の延伸方向に対して略平行をなしている。
図5に示すように、2つの挿入部91,92において、ボールナット31の軸線方向において互いに反対側に位置する平面部分には、突部101,102が設けられている。突部101,102は、ボールナット31の円周方向に沿って延びる矩形板状をなしている。挿入部91,92の平面部分を基準とする突部101,102の突出量は、挿入部91,92を貫通孔部71,72に挿入した状態で突部101,102のみが貫通孔部71,72の圧入面71a,72aに対して圧力を加えた状態で接触する程度に設定されている。
連結部93において、ボールナット31の円周方向において互いに反対側に位置する2つの側面には、それぞれ突部103,104が設けられている。突部103,104は、連結部93の延設方向に沿って延びる矩形板状をなしている。連結部93の側面を基準とする突部103,104の突出量は、連結部93を接続凹部73に挿入した状態で突部103,104のみが浅溝部81の圧入面81a,81bに対して圧力を加えた状態で接触する程度に設定されている。
循環部材62を取付孔61に取り付けた状態において、突部101,102は貫通孔部71,72の圧入面71a,72aに対して圧力を加えた状態で接触する。このため、循環部材62がボールナット31に対してその軸線方向に沿って相対的に移動することが抑制される。また、循環部材62を取付孔61に取り付けた状態において、突部103,104は、浅溝部81の圧入面81a,81bに対して圧力を加えた状態で接触する。このため、循環部材62がボールナット31に対してその円周方向に沿って相対的に移動することが抑制される。ちなみに、循環部材62の突部101〜104が設けられた領域以外の領域は、取付孔61の内周面に対して隙間嵌めされた状態となる。
なお、本実施の形態において、モータ21、転舵シャフト12およびボールナット31は、モータ21のトルクを利用して車両の転舵輪3,3を転舵させる転舵装置を構成する。また、圧入面71a,72aは、ボールナット31の軸線方向において循環部材62に接触した状態に維持されてボールナット31の軸線方向における循環部材62の移動を規制する第1の規制面を構成する。また、圧入面81a,81bは、ボールナット31の円周方向において循環部材62に接触した状態に維持されてボールナット31の円周方向における循環部材62の移動を規制する第2の規制面を構成する。
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)循環部材62がボールナット31の軸線方向に沿った方向へ移動することを抑えるための貫通孔部71の圧入面71aは、これを含む仮想平面がボールナット31の軸線に対して直交するように設けられている。貫通孔部72の圧入面72aも、これを含む仮想平面がボールナット31の軸線に対して直交するように設けられている。このため、たとえばボールナット31の基準面31dに対する圧入面71a,72aの位置をより簡単に、かつより正確に測定することが可能となる。これは、ボールナット31の寸法の測定あるいは加工を行う際の基準となる基準面31dはこれを含む仮想平面がボールナット31の軸線と直交するように設けられているからである。また、2つの圧入面71a,72a間の距離をより簡単に、かつより正確に測定することが可能となる。これは、2つの平面間の距離を測るだけでよいからである。ちなみに、距離を測定するための測定器具としては、ノギス、マイクロメータあるいはハイトゲージなどを使用することができる。2つの圧入面71a,72aの加工精度を確保することもできる。
(2)循環部材62がボールナット31の円周方向に沿った方向へ移動することを抑えるための接続凹部73の圧入面81aは、これを含む仮想平面がボールナット31の軸線に対して平行をなすように設けられている。接続凹部73の圧入面81bも、これを含む仮想平面がボールナット31の軸線に対して平行をなすように設けられている。このため、2つの圧入面81a,81bの距離、あるいは取付孔61のボールナット31の円周方向における対称度をより簡単に、かつより正確に測定することが可能となる。取付孔61の対称度は、たとえばボールナット31をその半径方向からみて、その軸線方向に沿った中心線と圧入面81a,81bとの間の距離として測定される。
(3)図6に示す比較例のように、ボールナット31における加工部分の面積をより少なくする観点などから、貫通孔部71,72の圧入面71a,72aを、これらを含む仮想平面が基準面31dに対して角度αだけ傾斜するように設けることが考えられる。また、接続凹部73の圧入面81a,81bを、これらを含む仮想平面がボールナット31の軸線方向に沿った中心線に対して角度βだけ傾斜するように設けることも考えられる。しかし、ボールナット31としてこれらの構成を採用した場合、たとえば基準面31dに対する圧入面71a,72aの測定部位は点となるため、ノギスなどの測定器具では基準面31dに対する圧入面71a,72aの位置を正確に測定することが困難である。これと同様に、2つの圧入面81a,81bに対する距離についても正確に測定することが困難である。したがって、取付孔61の各部の寸法をより正確に測定するためには、たとえば工程外の検査として、立体を三次元的に計測する三次元測定機を使用することが考えられる。しかし、三次元測定器が設置された測定室までボールナット31を運ぶ必要があるため手間である。この点、本実施の形態のボールナット31によれば、取付孔61の寸法をノギスなどの測定器具を使用して測定することができるため、取付孔61の寸法測定などに要する検査時間を短縮することができる。
(4)貫通孔部71の圧入面71aは、これを含む仮想平面がボールナット31の軸線に対して直交するように設けられている。貫通孔部72の圧入面72aも、これを含む仮想平面がボールナット31の軸線に対して直交するように設けられている。このため、取付孔61を加工する際、基準面31dから圧入面71a,72aまでの距離公差のみを考慮すればよい。このため、ボールナット31における取付孔61の形成位置、および取付孔61の形状精度を確保することができる。
これに対し、先の図6に示す比較例のように、貫通孔部71,72の圧入面71a,72aをボールナット31の軸線に対して傾斜して設ける場合、取付孔61を加工する際、基準面31dから圧入面71a,72aまでの距離公差に加え、基準面31dに対する圧入面71a,72aの角度公差についても考慮する必要がある。このため、圧入面71a,72aをボールナット31の軸線に対して傾斜して設ける場合、圧入面71a,72aの加工精度、ひいては取付孔61の形状精度を確保しにくい。
(5)循環部材62の突部101,102は、ボールナット31の軸線方向において、取付孔61の圧入面71a,72aに対して圧力を加えた状態で接触する。また、循環部材62の突部103,104は、ボールナット31の円周方向において、取付孔61の圧入面81a,81bに対して圧力を加えた状態で接触する。このため、循環部材62の位置がボールナット31に対して、その軸線方向および円周方向にずれることを抑制することができる。また、取付孔61の内部における循環部材62の位置ずれが抑えられることにより、ボール32を円滑に循環させることができる。
(6)ボールナット31においては、取付孔61に対する循環部材62の位置ずれが抑えられるためボール32が円滑に循環する。すなわち、ボールナット31が転舵シャフト12に対して円滑に回転するため、ボールねじ装置23を円滑に動作させることができる。また、ボールねじ装置23が円滑に動作することにより、転舵輪3の円滑な転舵動作が実現される。
<他の実施の形態>
なお、本実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・製品仕様などに応じて貫通孔部71,72の圧入面71a,72a、および接続凹部73の圧入面81a,81bのいずれか一方を、ボールナット31の軸線方向に対して傾斜して設けてもよい。
・ボールねじ装置23をステアバイワイヤ式の操舵装置、4輪操舵装置および後輪操舵装置などの転舵ユニットに適用してもよい。また、ボールねじ装置23を操舵装置以外の用途に使用してもよい。
<他の技術的思想>
つぎに、前記実施の形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)取付孔は、ボールナットの内外を貫通する2つの貫通孔部およびこれら貫通孔部を接続する接続凹部を有し、第1の規制面は2つの貫通孔部の内周面に設けられる一方、第2の規制面はボールナットの円周方向において互いに対向する接続凹部の2つの内側面に設けられていること。
(ロ)第1の規制面および第2の規制面には、それぞれ循環部材に設けられる突部が圧接される。ただし、圧接とは、圧力を加えた状態で接触することをいう。
3…転舵輪、
12…転舵シャフト(ねじ軸)
21…モータ
23…ボールねじ装置
31…ボールナット
32…ボール
61…取付孔
62…循環部材
71a,72a…圧入面(第1の規制面)
81a,81b…圧入面(第2の規制面)

Claims (4)

  1. ねじ軸にボールを介して螺合されるとともに、外周面に前記ねじ軸との間で転動する前記ボールを循環させるための循環部材が嵌め込まれる取付孔が設けられているボールナットにおいて、
    前記取付孔は、
    前記ボールナットの軸線方向において前記循環部材に接触した状態に維持されて前記ボールナットの軸線方向における前記循環部材の移動を規制する第1の規制面と、
    前記ボールナットの円周方向において前記循環部材に接触した状態に維持されて前記ボールナットの円周方向における前記循環部材の移動を規制する第2の規制面と、を有し、
    前記第1の規制面はこれを含む仮想平面が前記ボールナットの軸線に対して直交するように設けられているボールナット。
  2. 前記第2の規制面はこれを含む仮想平面が前記ボールナットの軸線に対して平行をなすように設けられている請求項1に記載のボールナット。
  3. ねじ軸と、
    前記ねじ軸に複数のボールを介して螺合される請求項1または請求項2に記載のボールナットと、を有しているボールねじ装置。
  4. モータと、
    車両の転舵輪を転舵させるねじ軸としての転舵シャフトと、
    前記転舵シャフトに複数のボールを介して螺合されるとともに前記モータの駆動に連動して回転する請求項1または請求項2に記載のボールナットと、を有している転舵装置。
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