JP2021096434A - 画像形成装置とその制御方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】厚紙の原稿を普通紙の原稿と同じ速度でADFから搬送した場合に、搬送ローラで厚紙がスリップし、読み取って得られた画像データが搬送方向に間延びしてしまう場合があるため、間延びした読み取り画像データに対してサンプリングを行う可能性がある。またユーザが、メディアの種類の設定を行うとユーザの手間が増える。【解決手段】画像形成装置であって、印刷に使用するメディアの情報を記憶し、メディアの情報に応じてキャリブレーションに用いる画像データを補正する。こうして補正された画像データに基づいて、記憶されている前記メディアの情報に対応するメディアにパッチを印刷し、その印刷された前記パッチを読み取って得られた画像データに基づいてキャリブレーションを行う。【選択図】 図8

Description

本発明は、画像形成装置とその制御方法、及びプログラムに関するものである。
画像形成装置において印刷物の精度を高めるために、様々なキャリブレーション手法が提案されている。その大部分は、補正を実行するためのパッチ画像を紙などのメディアに形成し、そのパッチ画像を読み取って目的の補正を実行するものである。
画像形成装置でコピーや、PCからの印刷データに基づく印刷処理を実行すると、それに伴って消耗品が消費され、本来の色味とは異なる色味で印刷物が形成されてしまう場合がある。そのような状態を改善し、印刷物の色味を本来の原稿や画像データが持つ色味に近づける階調補正処理がある。この階調補正処理では、画像の階調特性を理想的な階調特性にするための基準となる補正の特性(階調補正特性)を算出する。この階調補正特性は、γルックアップテーブル(以下、γLUT)として設定される(特許文献1参照)。また特許文献2には、階調補正処理において、メディアの特性に応じて、印刷出力時の濃度や印字位置の補正を行う技術が記載されている。
またパッチの読み取りにおいて、画像形成装置が有するスキャナ部により、メディア上に形成されたパッチを読み取り、それに基づいてキャリブレーションを行う技術がある。スキャナ部は、自動原稿給紙装置(AutoDocumentFeeder、以下ADF)から原稿を連続して給紙して読み取る手段と、原稿台ガラスに載置された原稿を1枚ずつ読み取る読み取り手段を有するのが一般的である。
また画像形成装置のスキャナ部は複数の読み取り速度を設定でき、読み取る原稿の厚みや表面特性などの差分によって生じる差を吸収する技術がある。例えば、特許文献3には、搬送モータのトルクを変更し、最適な搬送を行う用紙搬送装置が記載されている。
また特許文献4には、階調補正用のパッチのサンプリングにおいて、濃度補正用パッチのサンプリング位置を決めるための基準パッチを検知し、その基準パッチから所定の位置の画素値をサンプリングすることが記載されている。これにより、濃度補正用パッチを検出する処理を省略して補正処理を高速化できることが記載されている。
特開2017−67892号公報 特許第5388772号公報 特開平11−301881号公報 特開2006−47406号公報
特許文献3にあるように、厚紙の原稿を普通紙の原稿と同じ速度でADFから搬送した場合に、搬送ローラで厚紙がスリップし、読み取って得られた画像データが搬送方向に間延びしてしまう場合がある。そのため、メディアに応じた読み取り設定がされていない場合は、間延びした読み取り画像データに対してサンプリングを行う可能性がある。このような場合、基準パッチから所定の位置の画素値をサンプリングする処理では、読み取り画像データの搬送方向の後端に行くにつれてズレが蓄積するおそれがある。これにより、本来読み取るべき濃度補正用パッチとは異なる濃度補正用パッチをサンプリングし、階調補正処理が失敗してしまうおそれがある。
またユーザに、パッチを印刷したメディアの種別を入力してもらい、その種別に応じた読み取り設定でパッチを読み取ることも考えられる。しかし、ユーザにメディア種別の入力の手間が生じることと、ユーザが誤ったメディア種別を入力すると、前述のように階調補正処理が失敗することも考えられる。
本発明の目的は、上記従来技術の課題の少なくとも一つを解決することにある。
本発明の目的は、パッチを印刷するのに使用したメディアに応じて、パッチを正確に読み取ってキャリブレーションを行うことができる技術を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像形成装置は以下のような構成を備える。即ち、
画像形成装置であって、
印刷に使用するメディアの情報を記憶する記憶手段と、
前記メディアの情報に応じてキャリブレーションに用いる画像データを補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された画像データに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記メディアの情報に対応するメディアにパッチを印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により印刷された前記パッチを読み取って得られた画像データに基づいてキャリブレーションを行うキャリブレーション手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、パッチを印刷するのに使用したメディアに応じて、パッチを正確に読み取ってキャリブレーションを行うことができる。また、メディアの種類を指定するユーザの手間を減らすことができるという効果がある。
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
本発明の実施形態1に係る画像形成装置の制御部の構成を主に、画像形成装置の構成を説明するブロック図。 実施形態1に係るスキャナ部のADFの内部構造を説明する概略断面図。 実施形態1に係るスキャナ部のスキャナ制御部のハードウェア構成を説明するブロック図。 実施形態1に係るスキャナ部におけるCCD素子からのデータの読み出しと、モータ制御のタイミングを説明するタイミングチャート。 実施形態1に係る画像形成装置における階調補正処理を説明するフローチャート。 実施形態1に係る画像形成装置の操作部に表示するUI画面の一例を示す図。 図5のS502のキャリブレーションメディア情報の記憶処理を説明するフローチャート。 図5のS503のチャート補正処理を説明するフローチャート。 実施形態1における補正前後のチャートの一例と、画像データの書き出し位置及び画像サイズ等を説明する図。 実施形態2に係る画像形成装置における階調補正処理を説明するフローチャート。 図10のS1004のチャートの読取処理を説明するフローチャート。 実施形態2に係る画像形成装置におけるパッチのサンプリング位置の補正を説明する図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これら複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一もしくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る画像形成装置の制御部115の構成を主に、画像形成装置の構成を説明するブロック図である。
制御部115において各構成部は、システムバス101及び画像バス110に接続されている。ROM102は、システムのブートプログラム等を格納している。また実施形態に係る各機能を実現するシステムソフトウェアはROM102又は蓄積メモリ105に記憶されている。CPU103はROM104に記憶されているブートプログラムを実行して、例えば蓄積メモリ105に格納されているプログラムをRAM104に展開して実行することにより、後述の各種制御を実行する。RAM104は、CPU103がソフトウェアを実行するためのシステムワークメモリエリアを提供し、また画像データを処理する際に、その画像データを一時記憶するための画像メモリとしても使用される。蓄積メモリ105は、内部ストレージとして使用され、スキャナ部112で得られた画像データや、システムソフトウェアなどを記憶している。蓄積メモリ105は、HDD(ハードディスク)や、SSD(SolidStateDrive)などで構成される。LAN(ローカルエリアネットワーク)I/F部106はLANと接続するためのI/F部であり、LANに接続された各機器との情報の入出力を行う。回線I/F部107はWANと接続するためのI/F部で、WANに接続された各機器との情報の入出力を行う。以上のデバイスがシステムバス101上に配置される。
IO制御部109は、システムバス101と画像データを高速で転送する画像バス110を接続し、システムバス101のデータ構造を変換するバスブリッジである。画像バス110は、PCIバスやIEEE1394、PCIExなどの汎用バスで構成される。画像バス110には以下のデバイスが配置される。画像バス110は、画像入出力デバイスであるスキャナ部112やプリンタ部113と画像処理部111を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。画像処理部111は、入力及び出力画像データに対し解像度変換、圧縮伸張、2値多値変換などの画像処理を行う複数のASICを含んでいる。操作部制御部108は、操作部114(UI:ユーザインタフェース)とのインターフェース部で、操作部114に表示する画像データを操作部114に出力する。また、操作部114から、この画像形成装置の使用者が入力した情報を、CPU103に伝える役割をする。操作部制御部108は、表示部やキーパッド等を搭載する操作部114をソフトウェアが制御するI/F部である。尚、この実施形態1では、操作部114は、タッチパネル等を有し、操作部制御部108から出力されるVGA信号を解釈して表示する。
図2は、実施形態1に係るスキャナ部112のADF(AutoDocumentFeeder)の内部構造を説明する概略断面図である。
スキャナ部112は、読み取り原稿を積載するための原稿トレイ200を有し、この原稿トレイ200上に原稿の有無を検知するためのドキュメントセンサ202と、2つの原稿ガイド201、原稿サイズ検知センサ203が設けられている。原稿ガイド201は原稿縦方向(原稿の搬送方向と垂直方向)に2つ並んで設けられ、原稿トレイ200上に積載された原稿はピックアップローラ204、搬送ローラ206、排紙ローラ209の3つのローラにより搬送される。ピックアップローラ204は、原稿トレイ200に積載された原稿をADFユニット内部の原稿搬送路内へ搬送するためのローラである。搬送ローラ206は、ピックアップローラ204の回転により原稿搬送路内部に搬送されてきた原稿を搬送する。排紙ローラ209は、搬送ローラ206の回転により搬送されてきた原稿を排紙トレイ210まで搬送する。またピックアップローラ204の回転により搬送された原稿は、原稿通過検知センサ205により検出され、その検出時間を基に1枚目の原稿が通過終了したか否かを判定する。また図示は省略したが、搬送ローラ206、ピックアップローラ204、排紙ローラ209は、全てステッピングモータにより駆動される。ADFでの副走査間引き処理は、上記の搬送ローラ206、ピックアップローラ204、排紙ローラ209の駆動パルスを倍周波数とすることで実現される。
ADFにより搬送された原稿は、読み取り窓207を通してその下にあるセンサユニット211に備えられたCIS(コンタクトイメージセンサ)208により読み取られる。センサユニット211は、副走査方向に自由に移動可能であり、搬送ローラ206から排紙ローラ209に向かって搬送されてくる原稿の搬送方向と同一方向にも移動可能である。尚、読み取り窓207は、副走査方向(原稿の搬送方向)にある程度の長さがあり、その長さの範囲内では、任意の位置にCIS208を移動して、その移動位置で原稿の読み取りを行うことができる。CIS208はCCD等の光電変換素子によって構成され、各素子の画像を蓄積するためのFIFO、及び、FIFOやCCDを制御するための制御信号の生成を同時に行う。CIS208は一般的に、複数の光電変換素子を一列に並べた形で実現される。
図3は、実施形態1に係るスキャナ部112のスキャナ制御部300のハードウェア構成を説明するブロック図である。ここではスキャナ部112は、スキャナ制御部300のCPU301が、スキャナ部制御アプリケーションプログラムを実行することにより制御されるものとして説明する。尚、スキャナ部112を制御するためのアプリケーションプログラムを、制御部115のCPUが実行ことによりスキャナ部112を制御するようにしてもよい。
スキャナ制御部300は、CPU301、RAM302、CLK制御部303、ROM304、モータコントローラ305、CCD制御部307を有する。スキャナ部制御アプリケーションプログラムはROM304に記憶されており、そのプログラムをCPU301が読み出して実行することにより、CPU301がスキャナ部112を制御する。CLK制御部303から各ブロックにクロック信号が分配される。CLK制御部303は、クロック信号を生成するための水晶振動子と、水晶振動子が生成したクロック信号を逓倍、分周するPLL素子とを含んでいる。
スキャナ制御部300を制御するスキャナ部制御アプリケーションは、スキャンを行う際の指示に基づき、CLK制御部303より、制御用のクロック信号を、モータコントローラ305、CCD制御部307、RAM302に出力する。CLK制御部303から入力されたクロック信号に従い、各ブロックでは、更に逓倍、分周を行い、CCD素子や各種ローラを回転させるモータの制御クロック信号を生成する。原稿を搬送するためのモータコントローラ305とCCD制御部307及び、画像データを蓄積するRAM304から、制御部115に対して画像データの転送を制御するためのクロック信号は必ずしも全て同じ周波数である必要はない。スキャンを行う際の指示には、カラー/モノクロの区別、解像度、原稿の材質などの情報を含み、スキャナ部制御アプリケーションは、指示の内容により、CLK制御部303のPLLの設定を変更する。このPLLの設定変更により、各種クロック信号の周波数を変えることで、読み取り速度、主に原稿の搬送速度の変更を行う。RAM304はCIS0208により読み取った画像データを蓄積する。
図4は、実施形態1に係るスキャナ部112におけるCCD素子からのデータの読み出しと、モータ制御のタイミングを説明するタイミングチャートである。
図に示すように、CCD素子からのデータの読み出しは、読出しクロックに同期して行われ、読み出されたデータは転送イネーブルクロックに同期して出力画素として出力される。後述するデータの書き出し位置の変更や、サンプリング位置の変更などは、これらクロック信号等を変更することにより達成できる。
次に、実施形態1に係る画像形成装置における階調補正処理を図5のフローチャートを参照して説明する。
図5は、実施形態1に係る画像形成装置における階調補正処理を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートに係る制御部115のプログラムはROM102に記憶されており、CPU301が、このプログラムをRAM104に展開して実行することにより、このフローチャートで示す処理が達成される。また実施形態1では階調補正を例に説明を行うが、これは本発明の適用は、この階調補正に限るものではない。例えば、画像位置調整や、濃度ムラ調整など、印刷メディア上にパッチを形成し、スキャナ部でパッチ画像を読み取り、キャリブレーションを行うものには全て適用可能である。また実施形態では、メディア種別を普通紙、厚紙、薄紙として説明する。ここでは説明の簡略化のため3種で説明を実施するが、これは本発明における画像形成装置がハンドリング可能なメディア種別を3種に限定するものではない。
まずS501でCPU103は、操作部114に、印刷に使用するメディアを選択する選択画面を表示するように指示する。
図6は、操作部114に表示するUI画面の一例を示す図である。
ユーザがフル補正を実施するときは、操作部114上に表示された図6(A)の画面上で「画質調整」ボタン601を押下する。これにより図6(B)の画面が表示される。次に図6(B)の画面でユーザは、「自動階調補正」ボタン602を押下して、自動階調補正を実行するように選択する。「自動階調補正」ボタン602が押下されると、図6(C)に示す画面が表示される。図6(C)の画面でユーザは、補正を行うメディア種別の選択と、ADFから読み取りを行うかどうかを選択する。ここで普通紙に対する階調補正を行う場合、ユーザは普通紙の階調補正実行ボタン603を押下する。また厚紙や薄紙に対する階調補正を行う場合、ユーザは厚紙と薄紙のそれぞれに対する階調補正実行ボタン604,605を押下して選択する。またADFからの読み取りを行う場合は、「フィーダ使用」ボタン607を押下する。実施形態1では、「フル補正」ボタン606が押下されて選択された場合で説明する。
次に図5のS502に進みCPU103は、キャリブレーションメディア情報の記憶処理を行う。この処理を図7のフローチャートを参照して説明する。
図7は、図5のS502のキャリブレーションメディア情報の記憶処理を説明するフローチャートである。
まず画面の遷移について説明すると、図6(C)で「フル補正」ボタン606がユーザにより選択されると、図6(C)での選択に応じて表示を切り替える。階調補正実行ボタン603〜605のいずれが押下されたかに応じて、階調補正チャートを印刷出力するカセット選択の画面、図6(D)〜(F)を表示する。普通紙の階調補正実行ボタン603が押下されていれば図6(D)、厚紙の階調補正実行ボタン604が押下されていれば図6(E)、薄紙の階調補正実行ボタン605が押下されていれば図6(F)が表示される。
S701でCPU103は、メディア種別変数Mと、各メディアに印刷された画像を読み取ったときの画像の伸び率変数RをRAM104に確保する。次にS702に進みCPU103は、ユーザが選択したメディア種別を判定する。ここでは、どのメディア種別に対して補正を行うかを、ボタン603〜605のいずれが押下されたかで判定し、メディア種別が普通紙の場合はS703へ進み、CPU103はRAM104のメディア種別変数Mに「0」を記憶する。次にS704に進みCPU103は、変数Rに「1」を記憶して、キャリブレーションメディア情報記憶処理を終了する。ここで、普通紙を普通紙の読み取り設定で読む場合、画像は伸びないため伸び率は「1」となる。
S702でメディア種別が厚紙と判定した場合はS705へ進み、CPU103はRAM104のメディア種別変数Mに「1」を記憶する。次にS706に進みCPU103は、変数Rに画像伸び率「R1」を記憶して、キャリブレーションメディア情報記憶処理を終了する。ここで「R1」は、そのメディアを普通紙と同じ所定の搬送速度(以降、普通紙読みと呼ぶ)で搬送した場合に、メディアの搬送方向に画像が伸びる画像の伸び率のことであり、後述の「R2」も同様である。またS702でメディア種別が薄紙と判定した場合はS707へ進み、CPU103はRAM104のメディア種別変数Mに「2」を記憶する。次にS708に進みCPU103は、画像の伸び率変数Rに薄紙での画像伸び率「R2」を記憶して、キャリブレーションメディア情報記憶処理を終了する。またRAM104のメディア種別変数M及び画像の伸び率変数Rは、実施形態2で後述する読み取りモードの決定時にも用いられる。
こうしてS502により、ユーザが選択したメディアの種類と、それに対応する画像の伸び率変数とがRAM104に記憶される。
次にS503に進みCPU103は、パッチ画像の補正処理を行うように画像処理部111に指示を行う。パッチ補正処理では、メディアの種別に応じて出力する階調補正のパッチ画像の補正を行う。ここでは図6(D)〜(F)の画面でユーザが給紙カセットを選択した後、図6(G)の画面を表示する。図6(G)の画面で「プリント開始」ボタン609がユーザにより押下されるとCPU103は、画像処理部111によりメディア種別に応じたパッチ画像データを生成させ、それをプリンタ部113に出力する。この処理を図8のフローチャートを用いて説明する。
図8は、図5のS503のチャート補正処理を説明するフローチャートである。
まずS801でCPU103は、S502のキャリブレーションメディア情報の記憶処理でRAM104に記憶したメディア種別変数Mを読み出す。次にS802に進みCPU103は、メディア種別変数Mの値を参照し、その値が「0」であれば普通紙であるためS803へ進む。またメディア種別変数Mの値が「1」であれば厚紙であるためS804へ進み、メディア種別変数Mの値が「2」であれば薄紙のためS805へ進む。
S803でCPU103はRAM104に記憶した普通紙での画像の伸び率「1」を読み出してS806に進む。また厚紙のときはS804でCPU103は、S502のキャリブレーションメディア情報の記憶処理でRAM104に記憶した厚紙の画像の伸び率R1を読み出してS806に進む。また薄紙のときはS805でCPU103は、RAM104に記憶した薄紙での画像の伸び率R2を読み出してS806に進む。
次にS806、S807について、図9の実施形態1で使用する階調補正パッチ画像のの処理を説明する。
図9は、実施形態1における補正前後のチャートの一例と、画像データの書き出し位置及び画像サイズ等を説明する図である。
図9(A)は、補正前のパッチ画像を示し、図9(B)は、S503のパッチ補正処理で補正された後のパッチ画像を示す。図9(A)において、基準パッチ902は、濃度補正用パッチ903〜906の位置を取得するためのパッチである。濃度補正用パッチ903の枠の中は黒の階調パッチ、濃度補正用パッチ904の枠の中はイエローの階調パッチ、濃度補正用パッチ905の枠の中はマゼンタの階調パッチ、濃度補正用パッチ906の枠の中はシアンの階調パッチである。図9(B)や後述の図12のパッチ画像は同じものなので基準パッチや濃度補正パッチの配置や色などについての説明は省略する。
S806でCPU103は、S803、S804、S805のいずれかで読み出した画像伸び率変数Rを用いて画像データの書き出し位置910(図9(B))を計算する。補正後のパッチ画像の画像先端からの書き出し位置910(y1´)は、図9(A)の補正前のパッチ画像の書き出し位置907(y1)と、そのメディアを普通紙読みした場合の画像の伸び率Rの逆数を乗算して、その積を求めればよい。よって、S803、S804、S805のいずれかでRAM104から読み出した画像の伸び率変数Rを用いて、実施形態1におけるパッチ補正後の画像データの書き出し位置y1’は次の式(1)で計算できる。
y1’=1/R × y1 …式(1)
図9では、読み取りのときの原稿の搬送方向を、印刷処理における副走査方向を例として説明した。よって、ここでは副走査方向の書き出し位置と副走査画像サイズについて説明したが、補正の方向は、これに限るものではない。例えば、読み取り時の原稿の搬送方向が、印刷の場合のメディアの主走査方向と同じ場合には、補正処理は主走査方向に対して行うものとする。
次にS807に進みCPU103は、画像伸び率Rを用いて、出力する画像の補正と生成を行うように画像処理部111に指示する。この処理では、パッチ補正前の画像の伸び率Rの逆数の比率だけ副走査方向に縮小した画像を作成すればよい。パッチ補正前の副走査画像サイズ908をh1とし、画像の伸び率Rを用いて、実施形態1におけるパッチ補正後の画像の副走査サイズ911(h1´)は次の式(2)で計算できる。
h1’=1/R × h1 …式(2)
この図8で示す処理により、普通紙以外のメディアを使用する場合、そのメディアを搬送するときのスリップ等に起因する画像の伸びによるパッチのサンプリングの不具合を解消できる。即ち、例え普通紙以外のメディアを使用することによりスキャンで得られた画像データが伸びても同じパッチをサンプリングできるように、パッチ画像を副走方向に縮小して印刷位置をずらしたチャートを印刷する。
次に図5のS504に進みCPU103は、画像処理部111で作成した画像データをプリンタ部113に出力するように指示する。プリンタ部113は、画像処理部111から出力されたパッチ画像データを、選択された給紙カセットに設置されたメディアに対して印刷し、階調補正用チャートとして出力する。
次にS505に進みCPU103は、S504で印刷したチャートの読み取り処理を行う。階調補正用チャートを印刷した後、操作部114に図6(H)の画面が表示される。図6(H)の画面は、パッチ画像を副走方向に縮小して印刷位置をずらしたチャートをセットするように促す画面である。図6(H)の画面が表示された後、ユーザはチャートをADFに設置し、「チャート読み取り開始」ボタン610を押下する。この「チャート読み取り開始」ボタン610が押下されたことを検知するとCPU103は、そのチャートの読み取りを行うようにスキャナ制御部アプリケーションに対して命令を発行する。この読み取り命令を受けたスキャナ制御アプリケーションは、ADFからそのチャート搬送して読み取りを行う。スキャナ部112は、そのチャートの搬送、及び、CCD、読み取りを行うための光源となるLEDの制御を適切に行い、そのチャートを読み取って得られた画像データを制御部115に送出する。こうしてスキャナ部112で得られた画像データは、画像処理部111を経由して、キャリブレーション処理が可能なように順次加工され、一時的に、RAM104に蓄積される。
そしてS505で画像データの蓄積が完了した後、S506に進みCPU103は、読み取って得られた画像データを用いて、ジョブ制御アプリケーションの一部である階調補正プログラムによって階調補正処理を実行する。この階調補正処理では、γLUT(ルックアップテーブル)の更新を行う。γLUTは階調補正プログラムで保持しているγLUTと共に、蓄積メモリ105に格納されたγLUTに対しても更新を行う。ここで更新されたγLUTは、階調補正処理が終了した後の画像の印刷時において、CPU103により画像処理部111で行われる階調補正処理で利用される。CPU103は、γLUTの値に従って印刷する画像データの濃度を変換することにより、経時変化等が発生しても常に一定の階調特性を示す印刷結果となるよう補正を行う。
以上説明したように実施形態1によれば、普通紙以外のメディアを用いて階調補正用チャートを印刷した場合でも、そのメディの搬送時のスリップなどに伴う、そのチャートの読取画像データの伸びによるパッチのサンプリングの不具合を解消することができる。これにより、階調補正用チャートを印刷したメディアがどのような種類のメディアであっても、そのメディアを普通紙と同じように読み取って、そのパッチの情報を取得することができる。
[実施形態2]
上述の実施形態1では、普通紙と異なるメディアを普通紙読みした場合でも、ADFの搬送方向に画像が伸びないように、印刷するパッチ画像データをメディアの種類に応じて補正する例で説明した。
これに対して実施形態2では、普通紙と異なるメディアに印刷されたパッチを普通紙読みした場合でも、正しくパッチをサンプリングできるように、メディアの種類に応じてサンプリング位置を補正する例で説明する。尚、実施形態2に係る画像形成装置のハードウェア構成等は前述の実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。即ち、実施形態2は、階調補正用チャートの印刷時はメディア種によらず通常通り印刷し、そのチャートを読み取るときに、パッチをサンプリングする位置を変えるものである。
以下、実施形態2に係る画像形成装置における階調補正処理を図10のフローチャートを参照して説明する。
図10は、実施形態2に係る画像形成装置における階調補正処理を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートに係る制御部115のプログラムはROM102に記憶されており、CPU301が、このプログラムをRAM104に展開して実行することにより、このフローチャートで示す処理が達成される。ここで図10のS1001〜1002の処理、及び階調補正実行のための画面例については、前述の実施形態1と同じであるため、それらの説明を省略する。
S1003でCPU103は、画像処理部111で作成した画像データをプリンタ部113に出力するように指示する。プリンタ部113は、画像処理部111から出力されたチャート画像データに基づいて、選択された給紙カセットに設置されたメディアに印刷し、それを階調補正チャートとして出力する。次にS1004に進みCPU103は、そのチャート読み取り処理を行うように画像処理部111に指示を行う。このS1004のチャート読み取り処理では、正しくパッチをサンプリングできるように、メディアの種類に応じてパッチのサンプリング位置を補正し、パッチのサンプリングを行う。この処理を図11のフローチャートを参照して説明する。
図11は、図10のS1004のチャートの読取処理を説明するフローチャートである。
まずS1101でCPU103は、出力したチャートの読み取り処理を行い、読み取って得られた画像データをRAM104に蓄積する。操作部114の表示、ジョブ制御アプリケーション、スキャナ制御アプリケーションの処理については実施形態1のS505と同じであるため、その説明を省略する。次にS1102とS1103は、図8のS801,S802と同じである。即ち、S1102でCPU103はメディア種別変数Mを読み出し、S1103でCPU103は、メディア種別変数Mの値を判定する。ここでMが「0」で普通紙であればS1104へ進み、メディア種別変数Mが「1」、即ち、厚紙であればS1105へ進む。またメディア種別変数Mが薄紙を示す「2」であればS1106へ進む。
普通紙であればS1104でCPU103は、RAM104に記憶した普通紙での画像の伸び率「1」を読み出してS1107に進む。また厚紙であればS1105でCPU103は、RAM104に記憶した厚紙の画像の伸び率R1を読みしてS1107に進む。また薄紙であればS1106でCPU103は、RAM104に記憶した薄紙での画像の伸び率R2を読み出してS1107に進む。S1107でCPU103は、パッチのサンプリング位置の補正を行う。
このパッチのサンプリング位置の補正を図12を参照して説明する。
図12は、実施形態2に係る画像形成装置におけるパッチのサンプリング位置の補正を説明する図である。尚、図12では、説明簡略化のためにサンプリングの位置1201についてのみ説明するが、他のパッチについても同様である。
図12において、1210は普通紙を普通紙読みしたときのサンプリング位置を示す図で、この場合は画像の伸びがないため、適正に各パッチがサンプリングされている。1211は、厚紙を普通紙読みしたときの補正前のサンプリング位置を示す図で、この場合は副走査方向の画像の伸びが発生しているため、サンプリング位置とパッチの位置とのずれが生じている。次に1212は、厚紙を普通紙読みしたときの補正後のサンプリング位置を示す図で、この場合は副走査方向の画像の伸びが発生しているが、サンプリング位置とパッチの位置とのずれが生じていない。
1212において、補正後のパッチの画像先端1204からのサンプリング位置1205(y2´)は、補正前の画像先端1203からのサンプリング位置1202(y2)と、そのメディアを普通紙読みした場合の画像の伸び率Rの逆数の積を取ればよい。よってS1104,S1105,S1106のいずれかでRAM104から読み出した画像の伸び率変数Rを用いて、実施形態2における補正後のサンプリング位置は次式(3)で計算できる。
y2’=1/R × y2 …式(3)
次にS1108に進みCPU103は、S1107で補正したサンプリング位置に従ってパッチのサンプリングを実行するように画像処理部111に指示する。これにより画像処理部111は、その補正されたサンプリングのタイミングで画素値のサンプリングを行い、取得したデータをRAM104に蓄積して、この階調補正用チャートの読み取り処理を終了する。尚、このたサンプリングのタイミングの補正は、
図3のCLK制御部303からモータコントローラ305、CCD制御部307に供給するクロック信号の周波数等を変更することにより実現できる。
そして最後に図10のS1005に進みCPU103は、図5のS506と同様に、読み取って得られた画像データを用いてジョブ制御アプリケーションの一部である階調補正プログラムによって階調補正処理を実行する。
以上説明したように実施形態2によれば、普通紙以外のメディアに階調補正用チャートを印刷した場合でも、そのメディアを普通紙読みしてパッチをサンプリングするタイミングを、そのメディアの種類に応じて補正する。これにより、階調補正用チャートを印刷したメディアがどのような種類のメディアであっても、そのメディアを普通紙と同じように読み取って、そのパッチの情報を取得することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
102…ROM、103…CPU、105…蓄積メモリ、111…画像処理部、112…スキャナ部、113…プリンタ部、114…操作部、300…スキャナ制御部、303…CLK制御部

Claims (14)

  1. 画像形成装置であって、
    印刷に使用するメディアの情報を記憶する記憶手段と、
    前記メディアの情報に応じてキャリブレーションに用いる画像データを補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正された画像データに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記メディアの情報に対応するメディアにパッチを印刷する印刷手段と、
    前記印刷手段により印刷された前記パッチを読み取って得られた画像データに基づいてキャリブレーションを行うキャリブレーション手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記印刷手段によりパッチが印刷された前記メディアを読み取る読取手段を、更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記読取手段は、前記パッチが印刷された前記メディアを、当該メディアの情報に依らず、所定の搬送速度で読み取ることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記補正手段は、前記メディアの情報と、当該メディアの情報に対応する画像の伸び率とに基づいて、前記キャリブレーションに用いる画像データに含まれる前記パッチの位置を補正することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記補正手段は、前記キャリブレーションに用いる補正前の画像データの書き出し位置を、前記所定の搬送速度で前記メディアを読み取ったときの画像の伸び率の逆数の積を乗算した位置とし、前記補正前の画像データを前記伸び率の逆数の比率だけ縮小した画像データに補正することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記メディアの情報は、メディアの種類の情報であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 画像形成装置であって、
    パッチの印刷に使用するメディアの情報を記憶する記憶手段と、
    キャリブレーションに用いる画像データを生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成された画像データに基づいて前記メディアに前記パッチを印刷する印刷手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記メディアの情報に基づいて、前記パッチのサンプリング位置を補正して前記パッチを読み取る読取手段と、
    前記読取手段によって読み取って得られた前記パッチの画像データに基づいてキャリブレーションを行うキャリブレーション手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記読取手段は、前記パッチが印刷された前記メディアを、当該メディアの情報に依らず、所定の搬送速度で読み取ることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記読取手段は、前記メディアの情報と、当該メディアの情報に対応する画像の伸び率とに基づいて、前記パッチのサンプリング位置を補正することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記読取手段は、補正前のパッチの画像先端からのサンプリング位置と、前記メディアを前記所定の搬送速度で読み取った画像の伸び率の逆数との積に基づいて、前記パッチの画像先端からのサンプリング位置を補正することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記メディアの情報は、メディアの種類の情報であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 画像形成装置を制御する制御方法であって、
    印刷に使用するメディアの情報を記憶する記憶工程と、
    前記メディアの情報に応じてキャリブレーションに用いる画像データを補正する補正工程と、
    前記補正工程で補正された画像データに基づいて、前記記憶工程で記憶されている前記メディアの情報に対応するメディアにパッチを印刷する印刷工程と、
    前記印刷工程により印刷された前記パッチを読み取って得られた画像データに基づいてキャリブレーションを行うキャリブレーション工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
  13. 画像形成装置を制御する制御方法であって、
    パッチの印刷に使用するメディアの情報を記憶する記憶工程と、
    キャリブレーションに用いる画像データを生成する生成工程と、
    前記生成工程で生成された画像データに基づいて前記メディアに前記パッチを印刷する印刷工程と、
    前記記憶工程で記憶された前記メディアの情報に基づいて、前記パッチのサンプリング位置を補正して前記パッチを読み取る読取工程と、
    前記読取工程で読み取って得られた前記パッチの画像データに基づいてキャリブレーションを行うキャリブレーション工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
  14. コンピュータに、請求項12又は13に記載の制御方法の各工程を実行させるためのプログラム。
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