JP2021096136A - 衝突試験用台車及び衝突試験装置 - Google Patents

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【課題】実車による前面衝突試験に近い衝突速度でフロントサイドメンバー及びバンパーリンフォースの変形状況を直接観察することができる衝突試験用台車及び衝突試験装置を提供する。【解決手段】本発明に係る衝突試験用台車1は、左右一対のフロントサイドメンバー3とその前端側を連結するバンパーリンフォース7を有してなる試験体9と、試験体9が前端部に取り付けられた台車本体部11と、を備え、所定の衝突速度でバリア23に衝突させて試験体9の前面衝突試験を行うものであって、幅方向に延在し、左右一対のフロントサイドメンバー3の間に架設されたバックアップ部材13と、バックアップ部材13におけるバンパーリンフォース7側に取り付けられ、衝突により試験体9の内側にバリア23が侵入する過程における衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収部品15と、が設けられていることを特徴とするものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、衝突試験用台車及び衝突試験装置に関し、特に、自動車のフロントエンド部における骨格部材であるフロントサイドメンバーとバンパーリンフォースの衝突性能を評価する前面衝突試験に用いる衝突試験用台車及び衝突試験装置に関する。
通常、自動車の衝突試験においては、実車に対して一定の速度及び重量による運動エネルギーを持った衝突体として衝突試験用台車が使用される場合が多い。衝突試験用台車が使用した衝突試験としてよく知られている例には、デフォーマブルバリア(アルミハニカム)を前面に直接設置した衝突試験用台車を車両側面に対して衝突させる側面衝突試験、剛体壁を設置した衝突試験用台車を車両後方から衝突させる後面衝突試験等がある。このように、衝突試験用台車を用いた衝突試験は、JNCAP(Japan New Car Assessment Program;自動車アセスメント)等の市販車の衝突安全性能を評価する標準試験方法として確立し、継続的に使用されている。
自動車の衝突安全性能に関わる車体骨格部材の衝突性能評価においては、実車による衝突試験が実際の衝突事故時の現象を最も確度高く再現することができるとされている。しかしながら、実車による衝突試験は費用や工数が膨大となり、車体骨格部材単体の衝突性能の評価を繰り返し行うには最適とはいえない。また、実車による前面衝突試験では、バンパーからの衝突荷重を負担・伝達するフロントエンド部の車体骨格部材(フロントサイドメンバー/フレーム、フロントバンパーリンフォース等)が他の機能部品類に囲まれているため、衝突過程でのフロントエンド部における車体骨格部材の変形状況を直接観察することは困難である。
そこで、実車を用いずにフロントエンド部における車体骨格部材の衝突性能評価を行うための次善の方法として、例えば特許文献1に開示されているように、衝突性能評価の対象とする被試験体をフレームに搭載又は取り付けた衝突試験用台車を衝突対象に衝突させ、該衝突試験用台車の持つ全運動エネルギーを被試験体に作用させて被試験体の衝突特性を測定する方法が挙げられる。
このように、実車におけるフロントエンド部の車体骨格部材の衝突性能評価を行うにあたり、図6に一例として示すように、フロントサイドメンバー3、クラッシュボックス5及びバンパーリンフォース7を有してなる試験体9を台車本体部11の前端部11aに取り付け、実車のフロントエンド部を模擬した簡易構造を有する衝突試験用台車41が用いられる。
特開2010−190586号公報
図6に示すような衝突試験用台車41は、エンジンをはじめとする駆動系部品や機能系部品等といった内蔵物がないため、衝突過程での実車のフロントエンド部における車体骨格部材の変形過程を直接観察できるというメリットがある。
その一方で、上記のような実車の内蔵物は、実車の衝突時には荷重の一部を分担して衝突エネルギーを吸収するため、衝突試験において実車に衝突させるバリアがエンジンルーム内に侵入するタイミングを遅らせたり、衝突速度を減速してエンジンルーム内へのバリアの侵入量を減少させるといった役割を担う。また、これら内蔵物のうちラジエーターコア(又はラジエーターモジュール)はフロントバンパー後方に近接して配置されているために、例えばオフセット前面衝突試験時においては、バリアの侵入に対してエンジン前面とフロントバンパーの間において衝突エネルギーを吸収し、バンパーリンフォースの局部変形や折損を抑制する効果が期待される。
しかしながら、このような内蔵物のない衝突試験用台車41(図6)を用いた前面衝突試験においては、実車の前面衝突試験では発生しない様なバンパーリンフォース7の極端な曲げ変形や折損破壊が頻発していた。そのため、これらを抑制してバンパーリンフォース7の変形状態を実車同等に制御するには、バリアへの衝突速度を大幅に減じて衝突試験を行う必要があった。
近年、車体骨格部材に採用されることが多い高張力鋼板(ハイテン)を用いたプレス成形部品は、衝突時の変形挙動に衝突速度の影響があることが知られている。そのため、車両の衝突安全性能に係る評価基準の厳格化に伴って高速化する衝突速度に追従できない衝突試験では、高張力鋼板をプレス成形した車体骨格部材の衝突性能評価の精度に影響を及ぼす可能性が否定できなかった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、実車のフロントエンド部における車体骨格部材であるフロントサイドメンバー及びバンパーリンフォースの衝突性能を評価するにあたり、フロントサイドメンバー及びバンパーリンフォースの変形過程を直接観察し、実車による前面衝突試験に近い衝突速度での衝突性能評価をすることができる衝突試験用台車及び衝突試験装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る衝突試験用台車は、前後方向に延在する左右一対のフロントサイドメンバーと幅方向に延在して前記左右一対のフロントサイドメンバーの前端側を連結するバンパーリンフォースとを有してなる試験体と、該試験体が前端部に取り付けられた台車本体部と、を備え、所定の衝突速度でバリアに衝突させて前記試験体の前面衝突試験を行うものであって、
幅方向に延在し、前記左右一対のフロントサイドメンバーの間に架設されたバックアップ部材と、
該バックアップ部材における前記バンパーリンフォース側に取り付けられ、前面衝突により前記試験体の内側に前記バリアが侵入する過程における衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収部品と、が設けられていることを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、前記バックアップ部材は、前記左右一対のフロントサイドメンバーにおけるエンジンマウント取付位置に架設されていることを特徴とするものである。
(3)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記エネルギー吸収部品は、ハニカム構造体を有することを特徴とするものである。
(4)本発明に係る衝突試験装置は、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の衝突試験用台車をバリアに衝突させる前面衝突試験を行うものであって、
前記衝突試験用台車の前面衝突過程における前記試験体の変形過程を撮影する高速度カメラを備えていることを特徴とするものである。
本発明に係る衝突試験用台車においては、左右一対のフロントサイドメンバーとその前端側を連結するバンパーリンフォースを有してなる試験体と、該試験体が前端部に取り付けられた台車本体部と、を備え、所定の衝突速度でバリアに衝突させて前記試験体の前面衝突試験を行うものであって、前記左右一対のフロントサイドメンバーの間に架設されたバックアップ部材と、該バックアップ部材における前記バンパーリンフォース側に取り付けられ、前記バリアが前面衝突した後に前記試験体の内側に侵入する過程における衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収部品と、が設けられていることにより、実車による前面衝突試験と同等の衝突速度での前面衝突試験においても、前記バンパーリンフォースの過度な変形や前記試験体内への前記バリアの侵入を抑制することができ、実車による前面衝突試験に近い衝突速度での前記フロントサイドメンバーと前記バンパーリンフォースの変形状態を直接観察し、衝突性能評価をすることができる。
本発明の実施の形態に係る衝突試験用台車の構成を説明する平面図である。 本発明の実施の形態に係る衝突試験用台車を用いた衝突試験装置と、衝突試験方法を説明する平面図である。 本発明の実施の形態に係る衝突試験用台車を用いた衝突試験装置を説明する側面図である。 本発明の実施の形態に係る衝突試験用台車におけるエネルギー吸収部品の具体例であるハニカム構造体を示す図である((a)平面図、(b)斜視図)。 本発明の実施の形態に係る衝突試験用台車におけるエネルギー吸収部品の具体例とその取り付け状態を示す側面図である。 従来の衝突試験用台車の構成を説明する平面図である。
本発明の実施の形態に係る衝突試験用台車及び衝突試験装置に関して、図2及び図3に示すように、実車のフロントエンド部を模擬した試験体9を台車本体部11の前端部に取り付けてバリア23にオフセット衝突させることにより、実車によるオフセット前面衝突試験を模擬して試験体9の変形挙動を直接観測する場合を例として、以下に説明する。
<衝突試験用台車>
本発明の実施の形態に係る衝突試験用台車1は、図1に示すように、フロントサイドメンバー3とクラッシュボックス5とバンパーリンフォース7を有してなる試験体9と、台車本体部11と、を備え、所定の衝突速度でバリア23(図2及び図3参照)に衝突させて試験体9の前面衝突試験を行うものであって、バックアップ部材13と、エネルギー吸収部品15と、を備えたものである。以下、上記各構成について説明する。
≪試験体≫
試験体9は、前後方向に延在する左右一対のフロントサイドメンバー3と、フロントサイドメンバー3の前端に接続されたクラッシュボックス5と、クラッシュボックス5を介して幅方向に延在して左右一対のフロントサイドメンバー3の前端側を連結するバンパーリンフォース7とを有してなるものであり、実車におけるフロントエンド部の車体骨格構造を模擬したものである。
試験体9に用いる車体骨格部材や部品は任意に選択することができるが、実車による前面衝突試験において衝突荷重をキャビンに伝達するためのルートとなるフロントサイドメンバー3及びバンパーリンフォース7は最低限必要とする。
また、試験体9は、フロントサイドメンバー3の前端にクラッシュボックス5が取り付けられたものであることが好ましいが、クラッシュボックス5を必ずしも要するものではない。
そして、試験体9は、エプロン、アッパーメンバー、サスペンションタワー(スプリングハウス)等の周辺部品を必要に応じて付加したものとすることも可能である。
≪台車本体部≫
台車本体部11は、その前端部11aに試験体9が取り付けられたものであり、例えば、フロントサイドメンバー3の後端側が前端部11aに取り付けられる。
台車本体部11としては、実車の衝突試験を行う設備、例えば、ワイヤーにより牽引して加速・走行することが可能であり、実車に衝突させる衝突試験用台車(衝突台車、スレッド台車)を用いることができる。
≪バックアップ部材≫
バックアップ部材13は、幅方向に延在し、左右一対のフロントサイドメンバー3の間に架設されたものであり、エネルギー吸収部品15を固定して衝突時の反力を与える。
バックアップ部材13には、例えば、鋼製又はアルミ製の角管(コラム材)を用いることができる。もっとも、バックアップ部材13は、その曲げ断面強度がバンパーリンフォース7の強度と同等以上とするとよくて、形状や板厚等に特段の制約はない。
また、バックアップ部材13は、実車のフロントエンド部に搭載されたエンジン前面を想定したものであり、フロントサイドメンバー3におけるエンジンマウント取付位置3a(図1)に架設することが好まく、例えば、ボルト固定により架設すればよい。このとき、バックアップ部材13とフロントサイドメンバー3との間にエンジンマウント(図示なし)を設けてもよいが、エンジンマウントは必ずしも要するものではない。
≪エネルギー吸収部品≫
エネルギー吸収部品15は、バックアップ部材13におけるバンパーリンフォース7側に配設されるようにバックアップ部材13に取り付けられ、前面衝突により試験体9の内側にバリア23が侵入する過程における衝突エネルギーを吸収するものであり、実車のラジエーターコア等の内蔵物を想定したものである。
ラジエーターコアは、通常、アルミ製の放熱板に冷却液が流れる細管が配設された構造であり、フロントサイドメンバー3やバンパーリンフォース7などの骨格部材と比較して変形強度は低い。そのため、エネルギー吸収部品15は、衝突時に高い反力が発生しない構造とすることが望ましい。エネルギー吸収部品15に適した構造として、図4に例示するようなハニカム構造体17が挙げられる。
ハニカム構造体17は、アルミ天板17aを挟んでアルミニウム製の複数のアルミハニカムコア17bが積み重ねられたものである。アルミハニカムコア17bは、汎用的に入手可能であり、多様な構造のものが市販されているため、1回の衝突試験での使用により廃却されるエネルギー吸収部品15には好適である。
そして、ハニカム構造体17は、その底部にアルミベース板17cと木製積層パネル17dが設けられており、図5の側面図に示すように、バンパーリンフォース7よりも後方に配置されるようにアルミベース板17cとバックアップ部材13とをボルト固定により取り付ければよい。このとき、アルミベース板17cとバックアップ部材13との間に木製積層パネル17dが設けられていることで、衝突による集中荷重がバックアップ部材13に伝わるのを緩和することができて好ましい。
エネルギー吸収部品15の寸法及び形状は、幅方向についてはクラッシュボックス5及びバンパーリンフォース7の取付ブラケットと干渉せず、高さ方向については衝突試験用台車1を走行させる床面29(図3参照)と干渉しなければ、実車のラジエーターコア等の内蔵物の強度に応じて設定することができる。
もっとも、前面衝突試験においてはバンパーリンフォース7を介して試験体9の内部にバリア23が侵入することから、エネルギー吸収部品15の形状及び寸法は、バンパーリンフォース7の高さ方向の寸法から大きく離れることは好ましくない。
さらに、衝突試験用台車1は、図2に示すように、加速度計(加速度センサー31)、回転角速度計(ジャイロセンサー33)及びGPSセンサー35等の各種センサーと、これらセンサーからのデータ収集のための機器(図示なし)を適宜搭載したものであってもよい。
<衝突試験装置>
次に、本発明の実施の形態に係る衝突試験装置について、説明する。
本実施の形態に係る衝突試験装置21は、図2及び図3に例示するように、前述した衝突試験用台車1(図1)をバリア23に衝突させる前面衝突試験を行うものであって、衝突試験用台車1の前面衝突過程における試験体9の変形過程を撮影する高速度カメラ25を備えている。
図2及び図3に示す衝突試験装置21は、複数視野の高速度カメラ25が衝突地点周囲に配置され、試験体9のバリア23への衝突過程及び試験体9におけるフロントサイドメンバー3やバンパーリンフォース7といった車体骨格部材の変形推移を同時に観察することができる。
さらに、衝突試験装置21においては、高速度カメラ25により撮影される画像の他、バリア23に設置したロードセル23b(図2)によるバリア反力、衝突試験用台車1に設置した加速度センサー31、ジャイロセンサー33及びGPSセンサー35などからの各種データを同時に取得することができる。
そして、前述のとおり、衝突試験用台車1を用いた前面衝突試験では、試験体9に実車におけるエンジン等の内蔵物が少なく、試験体9の見通しが良いため、複数設置した高速度カメラ25により、上面、下面及び外側面からの同時観察が可能であり、ロードセル23bや各種センサーと同期して各種データの取得及び分析が可能である。
以上、本実施の形態に係る衝突試験用台車1及び衝突試験装置21によれば、前面衝突によりバリア23が試験体9に侵入する過程において、バックアップ部材13におけるバンパーリンフォース7側に取り付けられたエネルギー吸収部品15により衝突エネルギーの一部を吸収することができるため、バンパーリンフォース7の極端な曲げ変形や折損破壊を抑制することができる。これにより、バンパーリンフォース7の極端な曲げ変形の発生とバリア23の侵入が過大となるオフセット前面衝突試験であっても、衝突速度を減速せず、実車による前面衝突試験により近い衝突速度でのフロントサイドメンバー3及びバンパーリンフォース7の変形状態を高速度カメラ25で直接観察し、衝突性能を評価することができる。
さらに、台車本体部11に取り付ける試験体9のみを交換することで、試験条件等を変更して試験体9の前面衝突試験を繰り返し行うことが可能となり、実車による前面衝突試験に比べて費用や工数を大幅に低減することができる。
なお、本発明に係る衝突試験用台車及び衝突試験装置は、前述のとおり、衝突試験用台車に取り付けられた試験体の変形過程を直接観測することを目的とするものである。
そのため、本発明に係る衝突試験用台車及び衝突試験装置を用いた前面衝突試験においては、実車の衝突試験を行う設備、例えば、衝突試験用台車をワイヤーで牽引して所定の衝突速度まで加速して走行させる設備を使用し、JNCAP等で規定されている各種衝突試験条件に準拠して行うことができる。
また、衝突試験用台車1を前面衝突させるバリア23は、通常使用されるアルミハニカムは設置せず、図2及び図3に示すように、バックアップバリア27に固定された固定壁23aと、固定壁23aの前面にマトリクス状に配置されてバリア23が受ける反力を測定する複数のロードセル23bと、ロードセル23bの前面に設けられた木製パネル23cと、を有するものが好ましい。
ハニカムをバリア23の最前面に設置しない状態で衝突試験を行うと、衝突試験用台車1の試験体9がロードセル23bに直接衝突し、バリア23に局所的に過大な応力が発生してロードセル23bを破損する恐れがある。そこで、ロードセル23bの破損を防止するために、図2及び図3に示すように、バリア23の最前面にハニカムの代わりに木製パネル23cを設置するわけである。
もっとも、実車同士の衝突の場合、衝突する相手の実車にラジエーターコア等の内蔵物があるので、これらを想定してバリア23にハニカムやバンパー樹脂部品などを取り付けた場合には、バリア23が試験体9の内部に侵入するまでのエネルギー吸収や衝突速度が低下する。そこで、上記のようにバリア23の最表面にハニカム等を設けずに衝突試験を行う場合には、エネルギー吸収の低下や衝突速度の減速分を考慮して、NCAP(New Car Assessment Program)基準の試験速度から5〜20%程度減速した衝突速度とすることが妥当である。
本発明に係る衝突試験用台車及び衝突試験装置の具体的な実施例として、図2及び図3に示す衝突試験用台車1をバリア23にオフセット衝突させ、小型乗用車を想定したフロントエンド部の車体骨格部材の衝突性能評価を行う場合について、以下に説明する。
本発明の衝突試験用台車1は、従来の実車の側面衝突試験に用いる衝突試験用台車(図示なし)を用いて、フロント部からデフォーマブルバリア(アルミハニカム)を取り外したものを台車本体部11とし、その前端部11aに試験体9を取り付けたものとした。
試験体9には、フロントバンパーアッシー(バンパーリンフォース7及びクラッシュボックス5)と車体左側(LH側)及び車体右側(RH側)それぞれのフロントサイドメンバーアッシーの補給部品を入手し、これらをスポット溶接及びアーク溶接で組み立てたものを使用した。ここで、試験体9のフロントサイドメンバー3には、フロントサイドメンバーアッシーのフロント側ストレート部のみを切断したものを用いた。そして、切断したフロントサイドメンバー3の切断面にタブ板をアーク溶接し、台車本体部11へのボルト取付部とした。
バックアップ部材13は、100mm×100mm×t4.0mmの角型鋼管の両端部にボルト取付用のブラケットを溶接したものとした。そして、LH側とRH側のフロントサイドメンバー3の間に、市販の補給部品であるエンジンマウント・ブラケットを介してフロントサイドメンバー3におけるエンジンマウント取付位置3aにバックアップ部材13を架設した。
エネルギー吸収部品15には、図4に示すハニカム構造体17を適用した。
ハニカム構造体17は、アルミ天板17a(板厚0.4mm)を介してアルミハニカムコア17b(材質5052-46μm、セルサイズd=6.3mm、高さ50mm)を接着接合及び積層したものであり、底部にはアルミベース板17c(材質5052-O、板厚3.0mm)と木製積層パネル17d(板厚18mm)を用いた。
このように製作されたハニカム構造体17は、図5の側面図に示すように、木製積層パネル17dを介してバックアップ部材13の前端部にアルミベース板17cをボルト固定することにより取り付けられた。
さらに、衝突試験用台車1には、加速度センサー31、ジャイロセンサー33を設置し、これら各種センサーからのデータ収集のための機器を搭載した。本実施例において、試験体9を取り付け、各種センサー及び機器類を搭載した後の衝突試験用台車1の総重量は640kgであった。
本実施例におけるオフセット前面衝突試験は、ワイヤー牽引式の実車衝突試験設備を用いて行い、バリア23を40%オーバーラップさせたレイアウトとし、衝突速度50km/hで衝突試験用台車1の右側をオフセット衝突させる方法とした。
衝突地点の上方と左右側方に複数視野の高速度カメラ25を配置し、バリア23への衝突前後における試験体9の変形状況および衝突試験用台車1の運動を撮影記録した。
このように、本実施例に係るオフセット前面衝突における車体骨格部材の性能評価によれば、例えば、試験体9のうち、フロントサイドメンバー3を材料変更して試作したものに入れ替え、フロントサイドメンバー3の衝突性能に対する材料の影響を評価することができた。また、フロントサイドメンバー3のオフセット衝突側の材料を変更したり、フロントサイドメンバー3の一部の材料を変更した衝突性能に対する材料の影響も評価できた。
1 衝突試験用台車
3 フロントサイドメンバー
3a エンジンマウント取付位置
5 クラッシュボックス
7 バンパーリンフォース
9 試験体
11 台車本体部
11a 前端部
13 バックアップ部材
15 エネルギー吸収部品
17 ハニカム構造体
17a アルミ天板
17b アルミハニカムコア
17c アルミベース板
17d 木製積層パネル
21 衝突試験装置
23 バリア
23a 固定壁
23b ロードセル
23c 木製パネル
25 高速度カメラ
27 バリアバックアップ
31 加速度センサー
33 ジャイロセンサー
35 GPSセンサー
41 衝突試験用台車

Claims (4)

  1. 前後方向に延在する左右一対のフロントサイドメンバーと幅方向に延在して前記左右一対のフロントサイドメンバーの前端側を連結するバンパーリンフォースとを有してなる試験体と、該試験体が前端部に取り付けられた台車本体部と、を備え、所定の衝突速度でバリアに衝突させて前記試験体の前面衝突試験を行う衝突試験用台車であって、
    幅方向に延在し、前記左右一対のフロントサイドメンバーの間に架設されたバックアップ部材と、
    該バックアップ部材における前記バンパーリンフォース側に取り付けられ、前面衝突により前記試験体の内側に前記バリアが侵入する過程における衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収部品と、が設けられていることを特徴とする衝突試験用台車。
  2. 前記バックアップ部材は、前記左右一対のフロントサイドメンバーにおけるエンジンマウント取付位置に架設されていることを特徴とする請求項1記載の衝突試験用台車。
  3. 前記エネルギー吸収部品は、ハニカム構造体を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の衝突試験用台車。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の衝突試験用台車をバリアに衝突させる前面衝突試験を行う衝突試験装置であって、
    前記衝突試験用台車の前面衝突過程における前記試験体の変形過程を撮影する高速度カメラを備えていることを特徴とする衝突試験装置。
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