JP2021094923A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルトの樹脂に生じる歪みを抑制できる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】空気入りタイヤ10は、一方のビード部20から他方のビード部20に跨るカーカス16と、カーカス16のタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に螺旋状に巻回されるベルトコード30が樹脂材料で被覆されて構成されたスパイラルベルト26と、スパイラルベルト26の径方向外側に配置されるトレッド36と、ショルダー部38に形成され、スパイラルベルト26のベルト端26Eよりもタイヤ幅方向外側に配置される周方向外溝44と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂層を備えたベルトを有する空気入りタイヤに関する。
自動車に装着する空気入りタイヤとして、カーカスのタイヤ径方向外側に樹脂層を含んで構成されたベルトを備えた空気入りタイヤがある(例えば、特許文献1参照)。
タイヤ赤道面付近、言い換えれば、タイヤ方向中央付近が比較的平坦で、タイヤ幅方向両端部分、言い換えればショルダー付近がタイヤ幅方向外側へ向かうに従ってタイヤ回転軸に近づくように比較的小さな曲率半径で湾曲しているベルトでは、ベルト端付近において、タイヤ周方向の湾曲の曲率と、タイヤ幅方向の湾曲の曲率とからなる二重曲率を有している。
空気入りタイヤが走行に供されてトレッドが接地することで、接地側のベルトは、タイヤ側方から見て、周方向の湾曲が直線状に変形する。
また、タイヤ正面から見て、接地側のベルトは、幅方向両側の湾曲部分が、曲率が大きくなる方向に変形する、言い換えれば、略直線状に変形する。
このため、空気入りタイヤが走行に供されると、ベルトの幅方向端部付近は、周方向の変形と幅方向の変形とを受けて歪む。
また、タイヤ正面から見て、接地側のベルトは、幅方向両側の湾曲部分が、曲率が大きくなる方向に変形する、言い換えれば、略直線状に変形する。
このため、空気入りタイヤが走行に供されると、ベルトの幅方向端部付近は、周方向の変形と幅方向の変形とを受けて歪む。
特許文献1の空気入りタイヤには、タイヤ周方向に対して傾斜して延在するスチールコードやアラミドコードなどの有機繊維コードからなる補強コードをタイヤ周方向に配列した2層構造の所謂交錯層のベルトが記載されており、また、樹脂層に補強コードを埋設した補強層をベルトに用いることが記載されている。
近年では、タイヤ周方向に螺旋状に巻回した補強コードをゴム層に埋設したスパイラルベルトがある。
このスパイラルベルトにおいて、補強コードを樹脂層に埋設することが考えられるが、スパイラルベルトは、補強コードがタイヤ周方向に延びているため、補強コードと補強コードとの間の樹脂において、上記の歪みが長期に渡って繰り返し作用する懸念がある。
このスパイラルベルトにおいて、補強コードを樹脂層に埋設することが考えられるが、スパイラルベルトは、補強コードがタイヤ周方向に延びているため、補強コードと補強コードとの間の樹脂において、上記の歪みが長期に渡って繰り返し作用する懸念がある。
本発明は上記事実を考慮し、ベルトの樹脂に生じる歪みを抑制できる空気入りタイヤの提供を目的とする。
請求項1に記載の空気入りタイヤは、一方のビード部から他方のビード部に跨るカーカスと、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に螺旋状に巻回されるベルトコードが樹脂材料で被覆されて構成されたスパイラルベルトと、前記スパイラルベルトの径方向外側に配置されるトレッドと、ショルダー部に形成され、前記スパイラルベルトのベルト端よりもタイヤ幅方向外側に配置される周方向外溝と、を有する。
空気入りタイヤが回転してトレッドが接地すると、接地面のタイヤ側方に位置するサイド部は、下方に向けて車重が作用することで、サイド部からトレッドの接地端に向けて押圧力が伝達する。
この押圧力が接地端付近のスパイラルベルトに作用すると、スパイラルベルトは、タイヤ正面側から見たときのベルト端付近の湾曲していた部分が、サイド部からの押圧力を斜め上側から受けて、直線状に変形させようとする。
請求項1に記載の空気入りタイヤは、サイド部からトレッドの接地端に向けて押圧力が伝達しようとしたときに、周方向外溝が幅狭となるように変形することで、サイド部からの押圧力が接地端側へ伝達することを抑制する。これにより、ベルトの変形が抑制され、スパイラルベルトの樹脂に発生する歪みを抑制される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記トレッドには、複数本の周方向主溝が形成されており、タイヤ幅方向最外側に配置される前記周方向主溝の開口部分には、互いに対向して溝中央側に突出する一対の突起が、溝長手方向に間隔を開けて複数形成されている。
トレッドが接地すると、トレッドにタイヤ幅方向の力が作用して、トレッドのゴムがタイヤ幅方向に動き、これによってベルト端付近のスパイラルベルトの湾曲を直線状に変形させようとする。ここで、周方向主溝がトレッドのショルダー側に形成されていると、タイヤ幅方向の力がトレッドに作用したときに、周方向主溝が溝幅が狭くなるように変形し、周方向主溝よりもタイヤ赤道面側のトレッドがサイド部側に動き易くなり、ベルト端付近のスパイラルベルトを変形させ易くなる。
請求項2に記載の空気入りタイヤでは、接地により、タイヤ幅方向の力がトレッドに作用したときに、周方向主溝の互いに対向する突起が、周方向主溝の溝幅が狭くなる変形を抑制し、トレッドのゴムのタイヤ幅方向の動きを抑制する。
トレッドのゴムのタイヤ幅方向の動きが抑制されることで、ベルトのベルト端部付近の変形が更に抑制され、スパイラルベルトの樹脂に発生する歪みの抑制効果が高くなる。
トレッドのゴムのタイヤ幅方向の動きが抑制されることで、ベルトのベルト端部付近の変形が更に抑制され、スパイラルベルトの樹脂に発生する歪みの抑制効果が高くなる。
以上説明したように本発明の空気入りタイヤによれば、ベルトの樹脂に発生する歪みを抑制することができる、という優れた効果を有する。
図1、及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ10について説明する。
図1では、標準リム19に取り付けた空気入りタイヤ10の空気充填前(内圧=大気圧)の自然状態の形状を示している。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10は、例えば、乗用車に用いられる所謂ラジアル空気入りタイヤであり、ビードコア12が埋設された一対のビード部20を備え、一方のビード部20と他方のビード部20との間に、1枚のカーカスプライ14からなるカーカス16が跨っている。
図1では、標準リム19に取り付けた空気入りタイヤ10の空気充填前(内圧=大気圧)の自然状態の形状を示している。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10は、例えば、乗用車に用いられる所謂ラジアル空気入りタイヤであり、ビードコア12が埋設された一対のビード部20を備え、一方のビード部20と他方のビード部20との間に、1枚のカーカスプライ14からなるカーカス16が跨っている。
カーカスプライ14は、空気入りタイヤ10のラジアル方向に延びる複数本のコード(図示せず)をコーティングゴム(図示せず)で被覆して形成されている。即ち、本実施形態の空気入りタイヤ10は、所謂ラジアル空気入りタイヤである。カーカスプライ14のコードの材料は、例えば、PETであるが、従来公知の他の材料であっても良い。
カーカスプライ14は、タイヤ幅方向の端部分がビードコア12をタイヤ径方向外側に折り返されている。カーカスプライ14は、一方のビードコア12から他方のビードコア12に跨る部分が本体部14Aと呼ばれ、ビードコア12から折り返されている部分が折り返し部14Bと呼ばれる。
本実施形態の空気入りタイヤ10におけるカーカスプライ14の本体部14Aの断面形状は、従来一般の空気入りタイヤと同様の断面形状であり、タイヤ赤道面CL付近は半径が略一定で平坦な形状であり、ショルダー付近において半径が漸減している。
カーカスプライ14の本体部14Aと折返し部14Bとの間には、ビードコア12からタイヤ径方向外側に向けて厚さが漸減するビードフィラー18が配置されている。なお、本実施形態の空気入りタイヤ10において、ビードフィラー18のタイヤ径方向外側端18Aからタイヤ径方向内側の部分がビード部20とされている。
カーカス16の空気入りタイヤ内側には、ゴムからなるインナーライナー22が配置されている。一方、カーカス16のタイヤ幅方向外側には、ビード部20、及びサイド部24の外面を形成するサイドゴム層24Aが配置されている。
本実施形態では、ビードコア12、カーカス16、ビードフィラー18、インナーライナー22、及びサイドゴム層24Aによってタイヤケース25が構成されている。タイヤケース25は、言い換えれば、空気入りタイヤ10の骨格を成す空気入りタイヤ骨格部材のことである。
(スパイラルベルト)
カーカス16のクラウン部の外側、言い換えればカーカス16のタイヤ径方向外側には、カーカス16の外周部を拘束してタガ効果を得るためのスパイラルベルト26が配置されている。本実施形態のスパイラルベルト26は、回転軸に沿った断面で見たときに、ほぼ全体が平坦に形成されている、言い換えれば、タイヤ幅方向中央部分がタイヤ回転軸に平行な直線状に形成されているが、タイヤ幅方向両端部分は、タイヤ幅方向中央部分よりも曲率半径は小さく、タイヤ径方向内側へ湾曲している。
カーカス16のクラウン部の外側、言い換えればカーカス16のタイヤ径方向外側には、カーカス16の外周部を拘束してタガ効果を得るためのスパイラルベルト26が配置されている。本実施形態のスパイラルベルト26は、回転軸に沿った断面で見たときに、ほぼ全体が平坦に形成されている、言い換えれば、タイヤ幅方向中央部分がタイヤ回転軸に平行な直線状に形成されているが、タイヤ幅方向両端部分は、タイヤ幅方向中央部分よりも曲率半径は小さく、タイヤ径方向内側へ湾曲している。
本実施形態のスパイラルベルト26は、複数本(本実施形態では2本)のベルトコード30を樹脂材料32で被覆した樹脂被覆コード34を螺旋状に巻回することで形成されている。したがって、ベルトコード30は、タイヤ周方向に対して略平行(厳密には、タイヤ周方向に数度程度傾斜)とされている。また、スパイラルベルト26を平面視すると、ベルトコード30は互いに平行に配置されている。
ベルトコード30は、カーカスプライ14のコードよりも太く、かつ、強力(引張強度)が大きいものを用いることが好ましい。スパイラルベルト26のベルトコード30は、金属繊維や有機繊維等のモノフィラメント(単線)、又はこれらの繊維を撚ったマルチフィラメント(撚り線)で構成することができる。本実施形態のベルトコード30は、スチールコードである。ベルトコード30としては、例えば、直径が0.225mmの“1×5”のスチールコードを用いることができるが、従来公知の他の構造のスチールコードを用いることもできる。
ベルトコード30を被覆する樹脂材料32には、サイドゴム層24Aを構成するゴム材料、及び後述するトレッド36を構成するトレッドゴム層36Aを構成するゴム材料よりも引張弾性率の高い樹脂材料を用いることができる。ベルトコード30を被覆する樹脂材料32としては、弾性を有する熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー(TPE)、及び熱硬化性樹脂等を用いることができる。走行時の弾性と製造時の成形性を考慮すると、熱可塑性エラストマーを用いることが望ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。さらに、熱可塑性樹脂材料としては、例えば、ISO75−2又はASTM D648に規定されている荷重たわみ温度(0.45MPa荷重時)が78°C以上、JIS K7113に規定される引張降伏強さが10MPa以上、同じくJIS K7113に規定される引張破壊伸びが50%以上、JIS K7206に規定されるビカット軟化温度(A法)が130°C以上であるものを用いることができる。
ベルトコード30を被覆する樹脂材料32の引張弾性率(JIS K7113:1995に規定される)は、100MPa以上が好ましい。また、ベルトコード30を被覆する樹脂材料32の引張弾性率の上限は、1000MPa以下とすることが好ましい。なお、ベルトコード30を被覆する樹脂材料32の引張弾性率は、200〜700MPaの範囲内が特に好ましい。
本実施形態のスパイラルベルト26の厚さは、ベルトコード30の直径寸法よりも大きくすることが好ましい、言い換えれば、ベルトコード30が完全に樹脂材料32に埋設されていることが好ましい。スパイラルベルト26の厚さは、空気入りタイヤ10が乗用車用の場合、具体的には、0.70mm以上とすることが好ましい。
(トレッド)
スパイラルベルト26のタイヤ径方向外側には、トレッド36を構成するゴム等の弾性材料からなるトレッドゴム層36Aが配置されている。なお、トレッドゴム層36Aは、トレッド36の接地端36Eを超えてサイド部24に向けて延びており、ショルダー部(バットレス部とも呼ぶ)38の外面も形成している。
スパイラルベルト26のタイヤ径方向外側には、トレッド36を構成するゴム等の弾性材料からなるトレッドゴム層36Aが配置されている。なお、トレッドゴム層36Aは、トレッド36の接地端36Eを超えてサイド部24に向けて延びており、ショルダー部(バットレス部とも呼ぶ)38の外面も形成している。
なお、接地端36Eとは、以下に説明する接地幅TWの端部をいう。トレッド36の接地幅TWとは、空気入りタイヤ10をJATMA YEAR BOOK(2019年度版、日本自動車空気入りタイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、静止した状態で水平な平板に対して回転軸が平行となるように配置し、最大の負荷能力に対応する質量を加えたときのものである。なお、使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
なお、本実施形態のショルダー部38は、一例として、接地端36Eと空気入りタイヤ10の断面高さSHの77%位置との間の領域をいう。
トレッドゴム層36Aに用いるゴム材料は、従来一般公知のものが用いられる。トレッド36には、タイヤ周方向に沿って延びる周方向主溝40A、40Bが形成されている。なお、トレッド36のパターンには、従来一般公知のものを用いることができ、横溝(図示せず)等が形成されていてもよい。
タイヤ軸方向に沿って計測するスパイラルベルト26の幅BWは、タイヤ軸方向に沿って計測するトレッド36の接地幅TWに対して75%以上とすることが好ましい。なお、スパイラルベルト26の幅BWの上限は、接地幅TWに対して110%とすることが好ましい。
トレッド36には、接地端36Eのタイヤ幅方向内側に、周方向に延びる周方向主溝40A、40Bが形成されている。
タイヤ赤道面CL側の周方向主溝40Aは、一定幅でタイヤ周方向に延びている。
一方、タイヤ幅方向の最外側、即ち、ショルダー部38側の周方向主溝40Bは、図2(A),(B)に示すように、溝長手方向に沿って、トレッド36の踏面側の開口部分に、互いに対向して溝中央側に突出する一対の突起42が、溝長手方向に間隔を開けて複数形成されている。
一方、タイヤ幅方向の最外側、即ち、ショルダー部38側の周方向主溝40Bは、図2(A),(B)に示すように、溝長手方向に沿って、トレッド36の踏面側の開口部分に、互いに対向して溝中央側に突出する一対の突起42が、溝長手方向に間隔を開けて複数形成されている。
言い換えれば、ショルダー部28側の周方向主溝40Bは、開口側の溝幅が溝底側の溝幅より幅狭となった幅狭溝部40Baと、開口部分の溝幅が溝底側の溝幅と同等乃至幅広となった幅広溝部40Bbとをタイヤ周方向に交互に有している。なお、互いに対向する一方の突起42と他方の突起42とは、隙間を介して対向していてもよく、互いに接触していてもよい。したがって、ショルダー側の周方向主溝40は、溝底側において周方向に連続しており、タイヤ赤道面CL側の周方向主溝40と同様に、接地面から取り込んだ水を周方向に流すことができる。
図2(B)の断面図で示すように、本実施形態の周方向主溝40Bの幅狭溝部40Baは、突起42の溝底部側が、溝底に向けて幅狭となる形状であるが、図2(C)に示すように、突起42の溝底部側が幅広となる台形状とすることができる。これにより、突起42が形成されている幅狭溝部40Baにおいても、排水ボリューム(溝断面積)を確保し、十分な排水性能を得ることができる。
トレッドゴム層36Aには、接地端36Eよりもタイヤ幅方向外側、言い換えれば、ショルダー部38に、タイヤ周方向に沿って延びる周方向外溝44が形成されている。
なお、周方向外溝44は、空気入りタイヤ10を外面視したときに、トレッド36、及びショルダー部38を形成するモールドとサイド部24を形成するモールドとの分割の位置が現れた線(タイヤ周方向に延びている。図示せず)よりもトレッド36側に形成することができる。
本実施形態の周方向外溝44は、トレッド36に形成された周方向主溝40A、40Bよりも溝幅が狭く、かつ溝深さが浅く形成することができる。また、周方向外溝44の溝底は、カーカス16の外面から1.2mm以上離すことが好ましい。
なお、スパイラルベルト26のベルト端26Eは、必要に応じて有機繊維コード等を含むレイヤー46で覆ってもよい。
(作用、効果)
次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の作用、効果を説明する。
車両に装着した空気入りタイヤ10が回転してトレッド36が路面G接地すると、接地面(一方の接地端36Eと他方の接地端36Eとの間の領域)のタイヤ側方に位置するサイド部24には下方に向けて車重が作用し、サイド部24からトレッド36の接地端36Eに向けて(図面矢印F1方向)押圧力が伝達する。
次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の作用、効果を説明する。
車両に装着した空気入りタイヤ10が回転してトレッド36が路面G接地すると、接地面(一方の接地端36Eと他方の接地端36Eとの間の領域)のタイヤ側方に位置するサイド部24には下方に向けて車重が作用し、サイド部24からトレッド36の接地端36Eに向けて(図面矢印F1方向)押圧力が伝達する。
この押圧力がスパイラルベルト26のベルト端26Eに作用すると、スパイラルベルト26は、タイヤ正面側から見たときのベルト端付近の湾曲していた部分(一例として、符号26Aで示す部分)が、サイド部24からの押圧力を受けて、直線状に変形しようとする。
本実施形態の空気入りタイヤ10は、サイド部24からトレッド36の接地端36Eに向けて押圧力が伝達しようとしたときに、ベルト端26Eよりもサイド部24側に配置された周方向外溝44が幅狭となるように変形することで、サイド部24からの押圧力が接地端側へ伝達することが抑制される。
これにより、スパイラルベルト26のベルト端26E付近の変形が抑制され、スパイラルベルト26の樹脂材料32に発生する亀裂を抑制することができる。
これにより、スパイラルベルト26のベルト端26E付近の変形が抑制され、スパイラルベルト26の樹脂材料32に発生する亀裂を抑制することができる。
また、トレッド36が路面Gに接地したときに、トレッド36に図面矢印F2方向の力が作用して、トレッド36のゴムがタイヤ幅方向に動き、これによってベルト端付近のスパイラルベルト26のタイヤを正面視したときの湾曲を直線状に変形させようとする。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、タイヤ幅方向の力がトレッド36に作用したときに、周方向主溝40Bの互いに対向する突起42が、周方向主溝40Bの溝幅が狭くなる変形を抑制し、トレッド36のゴムのタイヤ幅方向の動きを抑制することができる。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、接地時に、トレッド36のゴムのタイヤ幅方向の動きが抑制されるので、スパイラルベルト26のベルト端部付近の変形が更に抑制され、スパイラルベルト26の樹脂材料32に発生する亀裂の抑制効果を高めることができる。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、接地時に、トレッド36のゴムのタイヤ幅方向の動きが抑制されるので、スパイラルベルト26のベルト端部付近の変形が更に抑制され、スパイラルベルト26の樹脂材料32に発生する亀裂の抑制効果を高めることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
上記実施形態の空気入りタイヤ10では、ショルダー側の周方向主溝40Bに突起42が設けられていたが、突起42は必要に応じて設ければよく、設けなくてもよい。
上記実施形態では、本発明を乗用車用のタイヤに適用した例を説明したが、本発明は、バス、トラック用タイヤ、重荷重用タイヤ等、乗用車以外の他の種類のタイヤにも適用できる。
10…空気入りタイヤ、16…カーカス、26…スパイラルベルト、26A…ベルト端、32…樹脂材料、36…トレッド、36A…トレッドゴム層、40B…周方向主溝、42…突起、44…周方向外溝
Claims (2)
- 一方のビード部から他方のビード部に跨るカーカスと、
前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に螺旋状に巻回されるベルトコードが樹脂材料で被覆されて構成されたスパイラルベルトと、
前記スパイラルベルトの径方向外側に配置されるトレッドと、
ショルダー部に形成され、前記スパイラルベルトのベルト端よりもタイヤ幅方向外側に配置される周方向外溝と、
を有する空気入りタイヤ。 - 前記トレッドには、複数本の周方向主溝が形成されており、
タイヤ幅方向最外側に配置される前記周方向主溝の開口部分には、互いに対向して溝中央側に突出する一対の突起が、溝長手方向に間隔を開けて複数形成されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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