JP2021094025A - 食材のピューレないしペーストの製造方法、この食材のピューレないしペーストを用いた氷菓の製造方法、密閉容器入り飲料の製造方法、及び、それらの製造システム - Google Patents

Abstract

【課題】食材の風味や色を損ねることなく、しかも、分離しにくい又はドリップしにくいピューレないしペースト又は氷菓の製造方法及び製造システムを提供する。【解決手段】本発明の実施形態の製造方法は次の工程を含む。（１）果実又は野菜を所定の大きさに切断する工程と、（２）所定温度の過熱水蒸気雰囲気において低酸素状態で所定時間にわたり加熱殺菌する工程と、（３）果実又は野菜の種類及びピューレないしペーストの仕上がり状態に応じて、自転公転式ミキサー、石臼式摩砕機、または、回転刃式ミキサーのいずれかによって果実又は野菜をピューレ状ないしペースト状に加工する工程。得られたピューレないしペーストに本葛粉等の安定剤を添加して氷菓とすると、溶けても液だれせず、独特の食感を有する氷菓が得られる。【選択図】図３

Description

本発明の実施形態は、食材のピューレないしペーストの製造方法、この食材のピューレないしペーストを用いた氷菓の製造方法、密閉容器入り飲料の製造方法、及び、それらの製造システム関する。

従来から一般的な氷菓の製造方法では、冷凍工程の前に複数回の殺菌工程が必要であった。特許文献１には、氷菓の原料となる原料ミックスに果汁を加えて調製した後、原料ミックスは加熱殺菌され、加熱殺菌の後に冷凍工程へ投入する氷菓の製造方法が開示されている。ここで、別工場で加工した果汁を用いた場合には、果汁の加工段階で１回目の加熱殺菌を行い、冷凍工程の前に２回目の加熱殺菌を行うことになる。加熱殺菌を複数回行うことになると、製造工程が増え、それだけ時間とコストが増すことになる上、原料である果実の風味が損なわれる虞がある。

果実の風味を損なわないように、原料のピューレを製造する方法も提案されている。特許文献２には、野菜のピューレを製造する際に香りや味等を失わないように石臼等ですりつぶすアイスクリームの製造方法が開示されている。しかしながら、野菜のピューレの製造工程ではすりつぶした後に加熱殺菌してから保存している。そして、アイスクリームの製造工程では、パステライザにより再び加熱殺菌を行っている。風味を損なわないようにピューレの製造に石臼を使ってはいるが、２回の加熱殺菌の工程を経ることにより野菜の風味や色が損なわれてしまう虞がある。

特許文献３には、果実又は野菜のピューレを製造する工程では、果実又は野菜を適当な大きさに切断した後、２８０℃〜３５０℃に加熱した過熱水蒸気雰囲気で３０秒〜２４０秒程度保持して殺菌を行った後、ストレーナ・ミルで粉砕することでピューレを製造するピューレを製造方法が開示されている。ストレーナ・ミルは、自転公転するケース内にストレーナを配置したもので、ケース内のストレーナに殺菌を行った後の果実や野菜を入れ、ケースを自転公転させることによりストレーナを通過させて粉砕し、果実又は野菜をペースト状もしくはピューレ状に加工できる。過熱水蒸気を用いて殺菌することにより、果実や野菜の発色を良好にすることができる。また、必要に応じて、ペースト状もしくはピューレ状とした果実及び野菜を２８０℃〜３５０℃に加熱した過熱水蒸気雰囲気で３０秒〜２４０秒程度保持して二次殺菌を行うようにしてもよい。

また、従来、個人客相手にジュース、スムージーやフラッペ等を製造して販売する際には、冷凍された果実等の食材を水とともにミキサー内に入れ、あるいは、生の果実等の食材を氷や水等とともにミキサー内に入れ、ミキサー内で破砕することにより冷たいジュース、スムージーやフラッペ等を製造し、得られたジュース、スムージーやフラッペ等をカップに充填して提供することが普通に行われている。このような個人客相手のジュースの製造に際しては、通常は予め定めた分量の食材、水、氷等を添加して供することが大部分であり、甘味料の種類及び添加量、果肉を添加する場合の添加量、ミックスジュースとする場合の種別の選択及び混合割合の設定、ジュースの濃度の設定等を客の注文に応じて臨機応変に行うことは、手間が掛かるためにほとんど行われていない。

一方、このような客の要望に応じて種々のジュース、スムージーやフラッペ等を調製する飲食品のフレッシュショット販売システムが、特許文献４に開示されている。この販売システム２００は、図２０に示したように、所定の材料が予めパッキングされた複数のカートリッジ２０２が詰め合わされた複数の専用カップＣと、専用カップＣを装填して自動的に専用カップＣ内の材料と液体を撹拌混合するミキシングマシンＢと、を有しており、客が棚２０３に陳列された複数の専用カップＣ又は展示されたメニューボード２０４の中より所望の製品を選択してオーダーすると、販売員が客のオーダーに従って所定の専用カップＣを取り出し、また、販売員がミキシングマシンＢに所定の専用カップＣを装填して顧客の所望の商品を客の前のカウンター２０１で製造し、所定の代金と引き替えに所望の製品を引き渡すシステムとなっている。

特許文献５には、食物の例として冷凍菓子が例示され、食物を調製する際の材料として使う材料または組成物を意味する「食品」としては、穀物、穀粉、デンプン質の果物および野菜を含み、例としては、小麦、米、コーン、オート麦、イモ、モロコシ、キビ、ライ麦、ライ小麦および大麦からつくられた粉末などを含み、他の粉末としてはセモリナ粉、アッタ粉、そば粉、タピオカ粉、玄米粉、もち粉、麺の粉、パスタの粉、クリ粉、ナッツ粉、ひよこ豆の粉、豆粉、えんどう豆粉、スペルト小麦粉およびジャガイモデンプン粉を含み、さらに、加工される食品はコーンスターチ、インスタントマッシュポテト、パンの練り粉、ケーキミックス、パンケーキミックス等を含めた焼き菓子類用ミックス粉を含み、本発明に従って加工ができる追加の食品は、ブルグア、キノア、ライ小麦、パースニップ、オオバコ、ポテト、カボチャ、ドングリカボチャ、バターナッツカボチャ、夏カボチャ、グリーンピース、コーン、ヤマイモ、タロイモ、キャッサバ、パンノキを含み、炭水化物を基材とした食品である旨が記載されている。

氷菓の態様の一つにかき氷が挙げられる。上記特許文献６に示されているかき氷は、初めから味のついた氷塊をかき氷器で切削するため、かき氷の全体にフルーツを均一に分散させることができる。

特開２０１３−１６２７５８号公報 特開平８−３０８５０３号公報 特開２００７−２８２５２３号公報 特開２００２−０８００９７号公報 特表２０１２−５０９０６９号公報 特開２０１７−１９０８８９号公報

ｇｏｏヘルスケア<URL： https://health.goo.ne.jp/column/healthy/h002/0085.html> 更年期女子のための癒しの森<URL： http://konenki-iyashi.com/category17/entry302.html> ウィキペディア（Wikipedia）「アーユルヴェーダ」<URL： https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%A6%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%80>

上記特許文献１に示されている氷菓の製造方法では、別工場で加工した果汁を用いた場合には、果汁の加工段階で１回目の加熱殺菌を行い、冷凍工程の前に２回目の加熱殺菌を行うことになる。加熱殺菌を複数回行うことになると、製造工程が増え、それだけ時間とコストが増すことになる上、原料である果実の風味が損なわれるという問題があった。

また、上記特許文献２に示されているアイスクリームの製造方法では、風味を損なわないようにピューレの製造に石臼を使ってはいるが、２回の加熱殺菌の工程を経ることにより野菜の風味や色が損なわれてしまうという問題があった。

そして、上記特許文献３に示されているピューレを製造方法では、過熱水蒸気を用いて殺菌することにより、果実や野菜の発色を良好にする効果は期待できるが、過熱水蒸気による殺菌工程を２回行う場合や、別途保持殺菌を行う場合もある。さらに、氷菓の製造を別工場で行う場合には、再度パステライザ等を用いた加熱殺菌の工程が必要となり、製造工程が増え、それだけ時間とコストが増すことになる上、原料である果実や野菜の風味が損なわれるという問題があった。

さらに、上記特許文献４に示されている販売システムによれば、予め複数の専用カップを用意しておくだけで、多種類の商品の中から客のオーダーに従った商品を客の前で製造して提供することができるようになる。しかしながら、予め専用カップＣ内に所定の材料と液体とを詰め合わせておく必要があるため、客の要望、例えば、甘味料を特定の成分に変更するとともにその量も変更するといったような要望に全て応えるためには、多数の専用カップＣを用意しておく必要がある。加えて、これらのジュース、スムージーやフラッペ等をある程度の時間にわたって保存可能とするために、例えばアルミパウチ等の密閉容器等に封入して供する場合は、加熱殺菌が必要であるため、直ちには適用できないという課題がある。

一方、食品メーカー等における大量生産用のジュース等の製造システムでは、密閉容器内に封入した加熱殺菌済みのジュースを多量に製造することができるが、画一的な製品となり、客の細かい要望に適切に対応した製品を得ることは困難である。また、密閉容器入り飲料の冷却状態ないし冷凍状態を客の要望に合わせて提供することは考慮されていない。

さらに、個人的な食味の嗜好だけではなく、現代人に不足しがちな栄養成分を積極的に取得するという観点は、上記各引用文献には開示されていない。東洋医学的な見地、西洋医学的な見地のいずれにおいても、予防医学の観点からも、バランスの良い食事の重要性が認められている。また、近年、食物繊維が第６の栄養素として注目されており、さらに、今まで栄養素として認識されていなかった、植物性食品の成分のフィトケミカルが第７の栄養素として注目されてきている。

特許文献５において食物の例や食物を調製する際の材料の例が列挙されているが、氷菓の安定剤として好適なものが説明されているものではなく、そのままでは氷菓の安定剤として使用できるものではない。なお、ここで氷菓の安定剤の定義は、何ら限定されるものではないが、氷菓を固まりやすくするための「つなぎ」の役割を果たし、また、氷菓の食感（例えば、とろみ感、もちもち感、ねっとり感、サラサラ感、グニュグニュ感、なめらか感等）や氷菓の溶けにくさ（常温でドリップしにくい性質や形状を保持する性質等）等にも寄与するものである。

特許文献６では、かき氷器の大きさに合わせた氷塊を専用の容器を用いて複数の手順を経て凍らせて製造する必要があるため、氷塊を準備するために手間がかかるという問題があった。また、専用の氷塊の味は、氷塊を固める時に選択されたフルーツ、野菜、ピューレやジュースによって決定されており、食味を調整することはできない。すなわち、甘さや酸味等の好み、必要としている栄養素等、個人的な嗜好に合わせて食材や食味を選択することはできない。また、食感に変化をもたせることもできなかった。

本発明は、従来の食材のピューレないしペーストを用いた氷菓の製造方法における問題点を解決すべく種々実験を重ねてきた。その結果、ミルにかける前の過熱水蒸気による過熱条件を適切に設定する等、ピューレないしペーストの製造工程を改善することにより、他の殺菌工程を省略できると共に、食材の風味や色を損ねることなく、しかも、分離しにくいピューレないしペーストを得ることができること、また、このピューレないしペーストに合せた氷菓のレシピや製造工程を改善することにより、食材の風味や色を損ねることなく、しかも、ドリップしにくい（すなわち、常温において溶けて液だれしにくい）氷菓を製造することができること、さらには、製造工程を簡略化することができるだけでなく、密閉容器入り飲料とした場合には冷却状態ないし冷凍状態を含む顧客の細かい要望に適切に対応することができるようになることを見出し、本発明の実施形態を完成するに至った。

すなわち、本発明の実施形態の第１の目的は、食材の風味や色を損ねることなく、しかも、分離しにくいピューレないしペーストを得ることができ、かつ、他の殺菌工程を省略することが可能なピューレないしペーストの製造方法及び製造システムを提供することにある。

また、本発明の実施形態の第２の目的は、上記食材のピューレないしペーストを用いて、食材の風味や色を損ねることなく、食感もよく、また、ドリップしにくい氷菓を得ることができ、しかも、製造工程を簡略化することが可能な氷菓の製造方法及び製造システムを提供することにある。

また、本発明の実施形態の第３の目的は、上記食材のピューレないしペーストを用いた、密閉容器入り飲料の冷却状態ないし冷凍状態を含む顧客の細かい要望に適切に対応することができ、しかも、多くの顧客の要望に適切に対応した密閉容器入り飲料、その製造方法及びその製造システムを提供することを目的とする。

本発明の第１の態様の食材のピューレないしペーストの製造方法は、以下の（１）〜（３）の工程を備えることを特徴とする。
（１）食材に応じた既定の大きさ以上の場合には食材を所定の大きさに切断する工程と、
（２）所定温度の過熱水蒸気雰囲気において低酸素状態で所定時間にわたり加熱殺菌する工程と、
（３）食材の種類又はピューレないしペーストの仕上がり状態に応じて、自転公転式ミキサー、石臼式摩砕機、又は、回転刃式ミキサーのいずれかによって食材をピューレ状ないしペースト状に加工する工程。

また、本発明の第２の態様の氷菓の製造方法は、第１の態様のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料の中から選択された少なくとも１種の飲料を用いると共に、以下の（４）〜（６）の工程を備えることを特徴とする。
（４）選択された飲料に安定剤を加えて第２水溶液を調製する工程、
（５）前記第２水溶液を所定の形状の型内に注入する工程、
（６）前記型の周囲に冷媒を循環させて、前記型内に注入された第２水溶液を冷凍して凍結させる工程。

また、本発明の第３の態様の客の注文に対応した密閉容器入り飲料の製造方法は、第１の態様の食材のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料の中から選択された少なくとも１種の飲料を用いると共に、以下の（１ｂ）〜（４ｂ）の工程を備えることを特徴とする。
（１ｂ）予め各種食材の飲料、ピューレ又はペーストを用意する工程、
（２ｂ）客の注文に対応する食材の飲料、ピューレ又はペーストを少なくとも１つ選択する工程、
（３ｂ）選択された前記食材の飲料、ピューレ又はペーストを密閉容器に充填して密封する工程、
（４ｂ）前記食材の飲料、ピューレ又はペーストが充填された密閉容器を、前記食材の飲料、ピューレ又はペーストが客の注文に対応する状態となるように、所定の温度に維持された冷凍機により所定の時間冷却する工程。

本発明の第１の態様の食材のピューレないしペーストの製造方法によれば、食材の風味や色を損ねることなく、しかも、分離しにくいピューレないしペーストを得ることができ、かつ、他の殺菌工程を省略することが可能なピューレないしペーストの製造方法を提供することができる。所定温度の過熱水蒸気雰囲気において低酸素状態で所定時間にわたり加熱殺菌する工程においては、低酸素状態であるため食材が酸化すること防止すると共に、焼却現象が起こらないため焦げにくくなり、しかも、過熱水蒸気の熱量は加熱空気の熱量よりも大きく、かつ、無公害で安全性が高い。食材をピューレ状ないしペースト状に加工する工程では、食材の種類又はピューレないしペーストの仕上がり状態に応じた加工が可能である。自転公転式ミキサーによれば、ストレーナ付きの容器に自転と公転の２つの遠心力が相互作用することにより、食材に対流が生じて、内包する気泡が取り除かれると共に、ストレーナを通過して濾されるため、繊維を含んだまま固い部分から分離させることができる。石臼式摩砕機によれば石臼で磨り潰すので、食材の味や香りを損ないにくいうえに、固い食材の加工も可能である。回転刃式ミキサーは例えば葉物野菜に適している。

本発明の第２の態様の氷菓の製造方法によれば、上記食材のピューレないしペーストを用いて、食材の風味や色を損ねることなく、しかも、ドリップしにくい氷菓を得ることができ、しかも、製造工程を簡略化することが可能な氷菓の製造方法を提供することができる。例えば、第１ないし第２の水溶液を調製する工程を簡略化可能である。氷菓に空気を含める工程を設ける場合には、氷菓のオーバーランを６０％〜３００％に調整できる。

本発明の第３の態様の氷菓の製造方法によれば、食材の飲料、ピューレ又はペーストが客の注文に対応する状態となるように、客の注文に対応して所定の温度に維持された冷凍機により所定の時間冷却されることにより、密閉容器入り飲料の冷却状態ないし冷凍状態を含む顧客の細かい要望に適切に対応することができ、しかも、多くの顧客の要望に適切に対応した密閉容器入り飲料、その製造方法及びその製造システムを提供することができる。

実施形態１の工程図である。 実施形態１で使用する自転公転式ミキサーの概念図である。 実施形態２の工程図である。 実施形態２で使用する冷凍機の概念図である。 実施形態５の工程図である。 実施形態５の食材の形状を模した容器の一例である。 実施形態７のパック入り飲料の製造工程を示す工程図である。 実施形態７のパック入り飲料製造システムの概略を示すブロック図である。 得られたパック入り飲料の一例の斜視図である。 冷凍機の概念図である。 実施形態８のパック入り飲料の製造工程を示す工程図である。 実施形態８の別の実施例のパック入り飲料の斜視図である。 実施形態９の工程図である。 実施形態１０のシステム構成図である。 実施形態１０のキューブ状ないしロック状の氷菓の一例である。 実施形態１０の充電式コードレスのハンディータイプのかき氷器の一例である。 図１６のかき氷器を使用してキューブ状ないしロック状の氷菓を切削しているときの様子である。 削り氷菓の一例である。 実施形態１１の削り氷菓の製造システムのブロック図である。 図２０Ａは従来のフレッシュショット販売システムを示す斜視図であり、図２０Ｂは専用カップの陳列状態を示す側面図である。

以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る食材のピューレないしペーストの製造方法及び製造システム、並びに、氷菓の製造方法及び製造システムについて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するための食材のピューレないしペーストの製造方法及び製造システム、並びに、氷菓の製造方法及び製造システムを例示するものであって、本発明の実施形態をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。

[実施形態１]
図１及び図２を参照して、実施態様１に係る食材のピューレないしペーストの製造方法及び製造システムについて説明する。

図１は、実施形態１の工程図である。実施形態１の食材のピューレないしペーストの製造工程１０は、順に、切断工程１１、過熱水蒸気殺菌工程１２及び破砕工程１３からなる。加工される食材の種類は特に限定されるものではないが、例えば、果実、野菜、豆類、種実類又は穀物である。例を挙げると、果実としては、イチゴ等のベリー系、柑橘系等、野菜としては、トマト、ニンジン、葉物野菜等、豆類としては枝豆、大豆等、種実類としてはナッツ等、ナッツの中ではピスタチオ、ヘーゼルナッツ等、穀物としては米、麦等、多種多様な食材を加工することができる。

切断工程１１では、フードスライサーを用いて食材をカットする。例えば複数の回転丸刃が引きこみながら食材をカットするフードスライサー（例えばドリマックス製のF-V2/ V3/ V4/ V6/ V8シリーズ）を用いて食材を切断すると、食材に余分なストレスを与えることなく所定の大きさに切断することができるため、食材の風味や色を損ねることを抑えることができると共に鮮度を保つこともできる。食材によっては、切断工程１１を省略することができる。例えば米や麦等は切断する必要はなく、切断の要否については、食材毎に既定されている大きさ以上であるか否かによって決定される。なお、食材の切断は、包丁を用いて人手で行うことも可能である。

過熱水蒸気殺菌工程１２では、過熱水蒸気殺菌装置を用いて、食材を所定温度の過熱水蒸気雰囲気において低酸素状態（大気の酸素濃度より低い状態）で所定時間にわたり加熱殺菌する。飽和水蒸気の働きにより酸素濃度を低く保つこと、例えば無酸素（０％）にするのはもちろんのこと、０．１〜０．２％程度に保つことにより、加熱しても食材が酸化することを防ぐことができ、それにより、食材の風味や色を損ねることを抑えることができる。しかも、過熱水蒸気の熱量は加熱空気の熱量よりも大きく、かつ、無公害で安全性が高い。過熱水蒸気殺菌工程１２では、食材を殺菌すると同時に、破砕工程の前に食材を柔らかく加工している。また、過熱水蒸気殺菌工程１２はブランチングを兼ねている。従来のブランチングの手法では、ボイルしたり焼いたりしていたが、ボイルすると色落ちしてしまうし、焼くと焦げてしまう。過熱水蒸気殺菌装置を用いてブランチングを兼ねることにより、食材の風味や色を損ねることを抑えることができ、かつ、水溶性の栄養分が残り易い。

過熱水蒸気殺菌装置としては、水蒸気発生器から送られてきた水蒸気を加熱して過熱水蒸気を発生させたうえで、食材の上下方向から過熱水蒸気を噴霧するものを用いる。過熱水蒸気殺菌工程１２における過熱水蒸気の温度と加熱時間は、食材の種類と状態、及び、ピューレないしペーストの出来上がりの状態に応じて、適宜設定される。過熱水蒸気の温度は例えば１００℃〜４００℃程度の範囲であるが、好ましくは１００℃〜２８０℃程度とすることができる。１７０℃〜２８０℃が逆転点温度とされ、空気より乾燥速度が速い領域であるところ、２８０℃はこの臨界点である。例えば加熱時間は、食材の種類と状態、及び、ピューレないしペーストの仕上がり状態に応じて１分〜６０分程度の範囲で適宜設定されるが、好ましくは４分〜５０分程度とすることができる。過熱水蒸気殺菌装置は噴霧された過熱水蒸気は外部に排気される構造とされているが、別の仕様のものとしては、噴霧された過熱水蒸気を循環させるようにしてもよい。

破砕工程１３では、食材の種類と状態、及び、ピューレないしペーストの仕上がり状態に応じて、自転公転式ミキサー、石臼式摩砕機、または、回転刃式ミキサーのいずれかによって食材をピューレ状ないしペースト状に加工する。食材の種類及びピューレないしペーストの仕上がり状態に応じて、適宜、破砕手段として自転公転式ミキサー、石臼式摩砕機、または、回転刃式ミキサーのいずれかの手段が使い分けられると共に、さらに、各手段の設定を適宜調整可能であることによって、食材の種類によらず、所望のピューレないしペーストの仕上がり状態を実現することが可能となる。各破砕手段における設定を調整できる部分は、自転公転式ミキサーの場合には、例えば自転及び公転の回転速度や回転時間やストレーナの形状やストレーナの孔の大きさ等であり、石臼式摩砕機の場合には、例えば石臼の回転速度や回転時間や破砕の細かさ等であり、回転刃式ミキサーの場合には、例えば回転刃の回転速度や回転時間や回転刃の種類等である。

ここで、自転公転式ミキサーを用いた破砕加工について説明する。図２は、実施形態１で使用する自転公転式ミキサー１５の概念図である。自転公転式ミキサー１５には、自転及び公転回転する１個又は複数個、例えば２個の略有底円筒状の回転部材１６が設けられている。回転部材１６は自転方向１７に自転すると同時に、公転方向１８に公転回転する。回転部材１６の軸心と公転回転の中心軸とのなす角θは０度から９０度の任意の値を取り得るところ、例えば３０度〜６０度程度であり、例として４５度に設定されている。すなわち、回転部材１６の開口は、公転回転軸に向かって４５度傾いている。図２の例では、回転部材１６は公転方向１８すなわち時計方向に公転すると共に、回転部材１６自体は自転方向１７すなわち反時計方向へ自転している。この回転方向の関係は、逆にしてもよく、公転方向１８を反時計回転で自転方向１７を時計回転としてもよい。また別の例としては、自転方向１７及び公転方向１８をいずれも時計回転とするものでも、自転方向１７及び公転方向１８をいずれも反時計回転とするものでもよい。

図２には示されていないが、回転部材１６の内側には、略有底円筒状の回転容器が、回転部材１６と一体に回転するように、回転部材１６の開口側から篏合されている。回転容器の開口には、回転部材の開口に向かって凹形状で複数の孔が設けられたリテーナが蓋部材などの固定部材により固定されており、回転容器及びリテーナは回転部材１６と一体に回転するようになっている。リテーナの凹形状の部分に加工する食材を投入し、回転部材１６の自転及び公転により回転容器に働く遠心力により、食材がリテーナの複数の孔を通って濾されることにより破砕される。破砕された食材は回転容器の中に溜まる。この時、自転と公転の２つの遠心力が相互作用することにより、材料に対流が生じて、内包する気泡は逃がされる。食材は脱気しながら遠心力によりストレーナの孔を押し出される。この結果として、ピューレないしペーストが繊維を含んだままで、食材の固い部分から分離させることができ、また、風味や色が損なわれることを防ぐことができる。

リテーナには０．３ｍｍ〜２．０ｍｍ程度の複数の孔があいており、形状や孔の径が異なる複数種類のものが用意されている。例えば、リテーナ表面に凹凸形状があるものや無いもの等の違いもある。回転部材１６は１回の自転回転につき、１回の工程回転を行うように設定されているが、この設定は適宜調整してもよい。回転速度は１分間に、０〜１５００回転程度の範囲で適宜設定可能である。例えば回転速度を１分間に１０００回転に設定すると、回転部材１６は１分間に１０００回自転すると共に１０００回公転する。回転時間は、例えば２０秒〜１２０秒程度とすることができる。リテーナの種類及び回転部材１６の回転速度と回転時間は、食材の種類と状態、及び、ピューレないしペーストの出来上がりの状態に応じて適宜設定されるので、これらに限定されるものではない。自転公転式ミキサーを用いた破砕加工は、例えば果物、特にベリー系や柑橘系のものに適している。

石臼式摩砕機を用いた破砕加工について説明する。石臼式摩砕機は例えば電動式の石臼であり、具体的な例としては、増幸産業株式会社製のスーパーマスコロイダーを挙げることができる。これは、間隔を自由に調整できる上下２枚の無気孔砥石によって構成された石臼形式の超微粒摩砕機である。石臼式摩砕機によれば石臼で磨り潰すので、食材の味や香りを損ないにくいうえに、固い食材の加工も可能である。例えば石臼の回転速度や回転時間や砥石の間隔や破砕の細かさ等は、食材の種類と状態、及び、ピューレないしペーストの出来上がりの状態に応じて適宜設定される。石臼式摩砕機を用いた破砕加工は、例えば豆類、米等の穀物、ナッツ等の種実類（ナッツの中では例えばピスタチオ、ヘーゼルナッツ等）に適している。また、例えばイチゴの加工については、自転公転式ミキサーを用いれば繊維感を残したピューレ状の加工が可能であるのに対し、石臼式摩砕機を用いれば滑らかなペースト状の加工が可能である。

回転刃式ミキサーを用いた破砕加工について説明する。回転刃式ミキサーは回転刃の回転により食材を破砕するものであり、具体的な例としては、Vita-Mix社製のバイタミックスを挙げることができる。回転刃の回転速度や回転時間や回転刃の種類等は、食材の種類と状態、及び、ピューレないしペーストの出来上がりの状態に応じて適宜設定される。回転刃式ミキサーを用いた破砕加工は特に葉物野菜に適している。

切断工程１１、過熱水蒸気殺菌工程１２及び破砕工程１３により、食材のピューレないしペーストが得られた後の処理について説明する。食材のピューレないしペーストを用いて氷菓を一貫製造する際には、食材のピューレないしペーストはそのまま後述の実施形態２のように後工程に投入される。一方、食材のピューレないしペーストをそのまま出荷する場合、あるいは、保存する場合には、食材のピューレないしペーストは充填機により定量ずつ保存パックに充填され、その後、冷凍機により冷凍される。冷凍温度は、食材が冷凍された状態が保たれればよいが、例えば−３０℃以下であることが望ましい。食材のピューレないしペーストは冷凍された状態で、出荷され、または、保存される。さらに、食材のピューレないしペーストは金属センサーテストを行うことにより、加工の際に金属片が混入していないかどうか確認される。

[実施形態２]
図３及び図４を参照して、実施態様２に係る氷菓の製造方法及び製造システムについて説明する。図３は実施形態２の工程図である。また、図３では、図１と同じ工程については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略することがある。実施形態２の氷菓の製造工程２０は、順に、切断工程１１、過熱水蒸気殺菌工程１２、破砕工程１３、第１水溶液調製工程２１、第２水溶液調製工程２２、型内注入工程２３及び冷凍工程２４からなる。実施形態２の氷菓の製造工程２０では、食材のピューレないしペーストの製造方法は実施形態１と同様であるので、食材のピューレないしペーストの製造方法である切断工程１１、過熱水蒸気殺菌工程１２及び破砕工程１３の説明は省略する。

第１水溶液調製工程２１では、水、安定剤及び甘味料をパステライザに入れて例えば８０℃〜８５℃の温度で５分以上加熱殺菌して、第１水溶液を調製する。この第１水溶液の調製時、さらにジュースをパステライザに入れてもよいし、氷菓に添加すべき素材、例えば氷菓の風味を整えるための素材等がある場合には、この第１水溶液調製工程２１においてパステライザに入れる。水ではなく例えば１５℃〜７０℃程度のぬるま湯を用いてもより。また、パステライザに投入する前に予め水ないしぬるま湯に安定剤を溶かしておいてもよい。

安定剤としては、特に限定されるものではないが、例えば本葛粉、葛粉、蓮根粉、米粉、玄米粉、わらび粉、いも粉、寒天又はゼラチンのいずれか１つを使用するか、または、これら２以上を組み合わせたものを使用する。安定剤の選択、分量、配合割合及び平均粒径によって、氷菓に独特の食感を付与することができる。例えば、本葛粉を加えると独特のとろみ感があり、蓮根粉を加えるとモチモチ感があり、米粉を加えるとねっとり感がある。葛粉を加えると多少のとろみ感があり、わらび粉を加えるとサクサク感があり、いも粉を加えるともっちり感があり、寒天を加えるとシャリシャリ感があり、ゼラチンを加えると少し歯ごたえある食感となる。これらを組み合わせるとまた異なる食感を得ることができる。また、安定剤を微粉末とすると、例えば安定剤の平均粒径をナノメータサイズまで小さくすると、それぞれの安定剤の有する作用効果がより強く表れるようになる。なお、微粉末のサイズは、ナノメータサイズに限定されるものではなく、例えばマイクロメータサイズであっても、安定剤としての「つなぎ」効果は得られる。

なお、玄米粉を用いる場合、玄米粉自体は通常の米粉と比して植物繊維や栄養分が多いことが知られているが、単に粉砕した市販の玄米粉のみではいわゆる「つなぎ効果」は生じることがなく、ぼそぼそした食感の氷菓となる。しかしながら、微粉末の玄米粉、例えばナノメータサイズにまで微粉砕すると、「つなぎ」効果が生じるようになり、独特のもちもち感を有し、米粉よりも粘り気を感じ、口溶けが長く感じられる氷菓が得られる。

また、上記に特定した安定剤を適宜選択ないし組み合わせることにより、ドリップしにくい氷菓を製造することが可能となる。この中で特に本葛粉を安定剤として用いると、独特のとろみ感を有すると共に、ドリップしにくい氷菓を製造することができる。例えば安定剤として本葛粉を１００％使用することができる。さらに、本葛粉を主成分（５０％以上が好ましいが、他の成分よりも多く含まれていればよい。）とし、蓮根粉及び／又は米粉が混合されたものを用いても、独特の食感を有すると共に、ドリップしにくい氷菓を製造することができる。このドロップ抑制効果は、実施形態１で説明した食材のピューレないしペーストを用いることにより、一層高まる。そして、適切に安定剤を選択することにより、食感の向上と、ドリップ抑制効果とを両立させることが可能である。

安定剤としてはパウダー状（微粒子状のものも含む）のものを用いると、取り扱いがし易く、製造工程を簡略化できるうえに水分量を調整しやすくなる。所定量に計量した水ないしぬるま湯に対し、所定量のパウダー状の安定剤及び所定量の甘味料を入れ、攪拌してよく溶かす。温度が高めのぬるま湯の場合にはパウダー状の安定剤及び甘味料は溶けやすいが、一方、水の温度が低い時には安定剤及び甘味料が溶けにくいためによく攪拌する必要がある。またパウダーの粒径も溶けやすさに影響しており、パウダーが細かい方が水ないしぬるま湯に溶けやすくなる。

甘味料としては、ＧＩ値が精製された砂糖よりも低く、しかも、ミネラル成分を含んでいる、和三盆、アガベシロップ、黒砂糖、メープルシロップ又は含蜜糖を用いることが望ましい。甘味料として健康に悪影響を与える可能性があり、ＧＩ値が高いことでも知られているグラニュー糖、上白糖、氷砂糖、粉砂糖及び三温糖等の精製された砂糖成分及びブドウ糖を含んでいないため、食後の急速な血糖値上昇を避けることができるだけでなく、合成甘味料も含んでいないため、健康志向に適した甘味を有する餅様食品となる。食材として果実を用いた場合には、甘味料としては例えばアガベシロップが好ましい。また、和風の風味を生かすためには、甘味料としては例えば和三盆が好ましい。また、甘味料についてもパウダー状ものを用いると、取り扱いがし易く、製造工程を簡略化できるうえに水分量を調整しやすくなる。例えばアガベシロップもパウダー状とすることが可能である。

第２水溶液調製工程２２では、第１水溶液調製工程２１で調製した第１水溶液に破砕工程１３で加工した食材のピューレないしペーストを加えて第２水溶液を調製する。食材のピューレないしペーストは繊維を含んでおり、また、第１の水溶液はとろみがある場合もあるため、第１水溶液に対して食材のピューレないしペーストを加えた後には、よく攪拌して第１水溶液に食材のピューレないしペーストがよく混じり合うようにする。この時、食材のピューレないしペーストは過熱水蒸気殺菌工程１２において既に加熱消毒されており、再度の加熱殺菌は必要としないため、食材の風味や色を損ねることなく、しかも、ドリップしにくい氷菓を得ることができる。なお、ここでは第１水溶液調製工程２１と第２水溶液調製工程２２とを分けて説明したが、この２つの工程を一体化して、各食材を同時にまたは、適宜の順番及びタイミングで順次混ぜ合わせるようにしてもよい。また、パステライザを用いることを例示したが、これに限定されるものでは無く、例えば、実施形態５で説明した富繁産業株式会社製の殺菌機を使用することもできる。

型内注入工程２３では、第２水溶液を所定の形状の型内に注入する。型の形状は特に限定されないが、略円筒状又は略直方体状のものであると、アイスバーとした場合に、食しやすい形状とすることができる。さらに、円柱形状であると、冷凍するときに温度が均一に伝わるため、食感を良好にできる。また、常温下においても、温度が均一に伝わるため、よりドリップが生じにくい。なお、アイスバーのサイズを３０ｃｃ程度とすると、手ごろな大きさであるため、より食しやすいアイスバーを提供することができるが、これに限られないことはいうまでもない。また、第２水溶液を所定の形状の型内に注入した後に、手持バーを挿入することにより、食しやすいアイスバーとすることができる。

冷凍工程２４では、型の周囲に冷媒を循環させて、型内に注入された第２水溶液を冷凍して凍結させる。図４は、実施形態２で使用する冷凍機の概念図である。ここで用いた冷凍機３０は、店舗で用いられる小型のものであり、方形状の容器３１と、熱交換器３２とを有している。方形状の容器３１の内部には冷却媒体（冷媒）３３が入れられている。また、熱交換器３２の内部には、コイル状に巻き回された銅製の導管３４が設けられているとともに、液化窒素３５も導入されており、銅製の導管３４内を流れる冷媒が液化窒素３５によって冷却されるようになっている。そして、方形状の容器３１の出口端３６が導管３７によって銅製の導管３４の一方側の端部に接続され、銅製の導管３４の他方側の端部は、導管３８、循環ポンプ３９及び導管４０を経て、方形状の容器３１の入口端４１に接続されている。

なお、図４においては、アイス型４５内に注入された第２水溶液４６と、第２水溶液４６内に注入された持ち手バー４７が示されている。また、方形状の容器３１の上方は、適宜に開放又は密閉可能とされている。さらに、ここでは、冷却媒体として、例えばアルコール（エチルアルコール）が用いられている。

これらにより、方形状の容器３１内の冷媒３３は、出口端３６から導管３７を経て、熱交換器３２内の銅製の導管３４内に入ると、液化窒素３５によって、−３０℃以下にまで冷却され、導管３８、循環ポンプ３９、導管４０及び方形状の容器３１の入口端４１を経て、方形状の容器３１内に循環するようになっている。ここでは、方形状の容器３１内の冷媒３３の温度は、−２７．５℃以下となるように維持されている。これにより、アイス型４５内に注入された第２水溶液４６は、急速冷却され、５分程度で凍結を完了することができる。

さらに、アイス型４５を方形状の容器３１から取り出して水に付けたことによる温度差によって、その表面の一部が溶けた氷菓は、持ち手バー４７を持ってアイス型４５から取り出すことができるので、取り出した氷菓を図示省略した自動パック装置により包装することにより、包装袋入りの実施形態２の氷菓が製造される。

実施形態２の氷菓の製造方法により、食材のピューレないしペーストを用いて、食材の風味や色を損ねることなく、しかも、ドリップしにくい氷菓を得ることができ、しかも、複雑な製造工程は含まれていないため、製造工程を簡略化することが可能な氷菓の製造方法を提供することができる。また、実施形態２の氷菓の製造方法によれば、食材、原料を適切に選定することにより、有機食品のＪＡＳ規格に適合した生産を行うことも可能となる。さらに、アイス型４５に換えて、多数の小型キューブ状の氷菓を一度に製造することができる型を用いることもでき、大容量の業務用バルクサイズの型を用いることもできる。

[実施形態３]
次に、実施形態３に係る氷菓の製造方法及び製造システムについて説明する。実施形態３に係る氷菓の製造方法は、和風の素材を生かすと共に、独特の食感を有する氷菓を製造する方法である点で、実施形態２と異なるが、図３の工程図は実施形態２の氷菓の製造方法と共通である。図３の工程図の中で、第１水溶液調製工程２１が実施形態２と異なる点である。

実施形態３では独特な食感を得るために安定剤の種類を特定している。安定剤としては、本葛粉が主成分であり、かつ、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、コーンスターチ及び小麦デンプンを含まない。「本葛粉」とは、葛の根から製造されたもののみ（１００％）からなるものを意味し、たとえ、本葛粉の名称を有するものであっても、葛の根から製造されたもの以外の他のデンプンが混合されているものは、これに含まれない。そして、本発明における「本葛粉が主成分」とは、本葛粉を少なくとも５０質量％含んでいれば最も好ましいが、他の成分よりも多く含まれていることを意味するものである。この氷菓によれば、そのまま美味な氷菓として食することができ、口の中で温度が上がると実質的に凍らせる前の餅様食品に依存した食感が加わり、独特のとろみ感が付与される。さらに、この氷菓を常温下に放置しても、型崩れ及びドリップせず、餅様食品として食することができるようになる。

安定剤を本葛粉のみとすると、そのまま美味な氷菓として食することができ、多少のサクサク感を伴い、口の中で温度が上がると、実質的に凍らせる前の餅様食品に依存した食感が加わり、独特のとろみ感が付与される。さらに、この氷菓を常温下に放置しても、型崩れ及びドリップせず、餅様食品として食することができるようになる。

安定剤として本葛粉に蓮根粉及び／又は米粉が混合されたものを用いると、氷菓を食した際に、口の中で温度が上がると、本葛粉が有する独特なとろみ感に加え、蓮根粉によるモチモチ感及び／又は米粉によるねっとり感が付与された食感を感じることができる。この氷菓を常温下に放置しても、型崩れ及びドリップせず、餅様食品として食することができるようになる。

安定剤としての本葛粉としては、市販の吉野本葛（登録商標名）粉を用いた。吉野本葛粉は、本葛粉であり、ここでは、黒川本家製のものを採用した。また、蓮根粉及び和三盆としては、いずれも徳島産のものを用いた。また、米粉としては、うるち米を生のまま粉砕した市販の微細な米粉を用いた。

甘味料は、少なくとも精製されていないものを含むが、精製された砂糖、ブドウ糖及び合成甘味料を含まない。和風の素材を生かすため、食味の点からは、和三盆が好ましい。和三盆は、含蜜糖に属し、精製された砂糖よりもＧＩ値が低く、しかも、ミネラル成分を含んでいるためである。

（実施例１）
実施形態３の第１水溶液調製工程２１について、水１００質量部に、安定剤として本葛粉６質量部及び蓮根粉６質量部を添加し、甘味料として和三盆を用いた場合を例に挙げて説明する。容器中で水１００質量部に対して、和三盆適量、安定剤として本葛粉６質量部及び蓮根粉６質量部を添加し、よく撹拌・混合し、水に本葛粉及び蓮根粉を分散させ、和三盆を完全に水に溶解させた。次に、この容器を中火で撹拌しながら８０℃以上まで加熱する。温度が７０℃程度から容器中の混合物が固くなり始め、その透明度が増加する。容器中の混合物が固くなり始めたら、一気に撹拌強度を増し、容器中の混合物が均一なゲル状体となるようにして第１水溶液を調製した。なお、最高加熱温度は、沸騰しないようにするため、９０℃以下にすることが好ましい。この第１水溶液の調製時、氷菓に添加すべき素材、例えば氷菓の風味を整えるための素材等がある場合には、この第１水溶液調製工程２１において添加する。

この後、第２水溶液調製工程２２において、第１水溶液を食材のピューレないしペーストと混ぜ合わせて第２水溶液を得るが、実施形態３では第１水溶液はゲル状体であるため、よく混ぜ合わせる必要がある。この時、食材のピューレないしペーストは過熱水蒸気殺菌工程１２において既に加熱消毒されており、再度の加熱殺菌は必要としないため、食材の風味や色を損ねることなく、しかも、ドリップしにくい氷菓を得ることができる。また、型内注入工程２３においては、第２水溶液はゲル状体であるため、しぼり袋内に第２水溶液を注入し、金属製で内部形状が円筒状となっているアイス型（例えば、容積３０ｃｃのもの。）内に注入する。

実施例１の氷菓は、モチモチ感があるばかりか、とろみ感があり、歯切れがよく、食し易かった。また、この氷菓を常温下に放置しても、型崩れ及びドリップせず、餅様食品として食することができた。

（実施例２）
実施例２では、水１００質量部に、デンプン質ゲル化材として本葛粉６質量部、蓮根粉３質量部及び米粉３質量部及び和三盆を適量添加した以外は、実施例１の場合と同様にして、氷菓を作成した。実施例２の氷菓は、ねっとり感及びとろみ感があり、ある程度のモチモチ感があった。また、この氷菓を常温下に放置しても、型崩れ及びドリップせず、餅様食品として食することができた。

（実施例３）
実施例３では、水１００質量部に、本葛粉１１質量部及び和三盆を適量添加した以外は、実施例１の場合と同様にして、氷菓を作成した。実施例３の氷菓は、サクサク感があるが、解け際には、さらにとろみ感が感じられた。また、この氷菓を常温下に放置しても、型崩れ及びドリップせず、餅様食品として食することができた。

これにより、独特の食感を有すると共に常温下に放置しても、型崩れ及びドリップせず、餅様食品として食することができる氷菓を製造することができる。本葛粉を５０％以上とすれば、蓮根粉と米粉の添加割合は任意に調整可能である。例えば、
・本葛粉１００％である場合、
・本葛粉５０％、蓮根粉５０％の場合
・本葛粉５０％、蓮根粉２５％、米粉２５％である場合
・本葛粉５０％、米粉５０％の場合
等、種々の配合が可能である。

アイスバーの形状を円柱形状とすると、冷凍時、アイスバーに温度が均一に伝わるため、独特のとろみ感のある食感が生じやすい。また、常温下においてもアイスバーに温度が均一に伝わるため、より液だれが生じにくい。なお、アイスバーのサイズを３０ｃｃ程度とすると、手ごろな大きさであるため、より食しやすいアイスバーを提供することができる。

また、この氷菓の形状を和菓子の羊羹やういろうのような略直方体形状とすることもできる。この場合、和菓子の羊羹やういろうのような食し方で、氷菓を食することができる。さらに、氷菓を一口サイズの略直方体形状、略円柱形状又は略球状とすることもでき、この場合にも、食しやすい氷菓を提供することができる。

和風の素材を生かすために、手持ちバーとして青竹を採用することも好ましい。青竹は、採取後に常温保存すると、酸化して白色化してしまうが、本発明では、青竹がアイスと共に冷凍保存されているため、青竹を鮮やかな緑色のままに維持できる。このようなアイスバーにおいて、アイスバーの青竹が白色化していないということは、アイスバーが常温になったことがないことの証左となる。

なお、本実施形態では安定剤として本葛粉を主成分とするものを利用するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば安定剤として微粉末の玄米粉を主成分とするもの、安定剤として米粉を主成分とするもの等も製造できる。

[実施形態４]
次に、実施形態４に係る氷菓の製造方法及び製造システムについて説明する。実施形態４に係る氷菓の製造方法は、図３の第１水溶液調製工程２１又は第２水溶液調製工程２２において、さらにパウダー状の素材を添加した点で、実施形態２又は実施形態３と異なる。

添加するパウダー状の素材は、特に限定されるものではないが、例えばアルコール（エチルアルコール）、ビタミン剤、食物繊維、香料、香辛料又はシーズニングのいずれか１つ、または、これら２以上を組み合わせたものとすることができる。パウダー状の素材を添加することにより、氷菓に様々な風味を付加することができると共に、氷菓のドリップを防ぐことができる。例えば液体のアルコール（エチルアルコール）を氷菓に添加すると、冷凍時に固まりにくくなり、すぐに溶けてしまう。そこで、アルコール（エチルアルコール）を微粉末のパウダー状にしたものを用いると、第１水溶液に添加しても冷凍時に固まり易く、また、ドリップも防ぐことができる。アルコール（エチルアルコール）を微粉末にしたものの例としては、ウイスキー、ウォッカ、日本酒、梅酒等が挙げられるが、これに限られないことはいうまでもない。

[実施形態５]
図５を参照して、実施形態３に係る氷菓の製造方法及び製造システムについて説明する。図５は実施形態３の工程図である。実施形態５の氷菓の製造工程２０は、順に、切断工程１１、過熱水蒸気殺菌工程１２、破砕工程１３、第２水溶液調製工程２２Ａ及び撹拌冷凍工程２４からなる。実施形態５の氷菓の製造工程では、食材のピューレないしペーストの製造方法は実施形態１と同様であるので、その製造方法である切断工程１１、過熱水蒸気殺菌工程１２及び破砕工程１３の説明は省略する。また、図３では、図１〜図２と同じ工程については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。

実施形態５では、第１水溶液調製工程が省略されている。第２水溶液調製工程２２Ａでは、食材のピューレないしペースト（これに替えて、または、これに加えて、風味素材を含む飲料を用いることもできる。）、安定剤、甘味料、及び、必要な場合には風味付加素材（例えば様々な風味の風味付加パウダー、香辛料、シーズニング、アルコール等）を一緒に加熱混合装置に投入して、安定剤をよく溶かす。加熱混合装置の加熱温度は例えば８５〜９９℃、また、例えば９８℃〜９９℃（１００℃未満）程度とすることができる。第２水溶液調製工程２２Ａでは、富繁産業株式会社製の殺菌機を使用した。この殺菌機は、一台で原料調合溶解、殺菌及び冷却の３つの機能を完備しているものである。加熱温度を高めに設定した場合には、安定剤が溶けやすい。この加熱混合装置により殺菌も行うことができる。食材を加熱混合装置に投入するタイミングは、食材の状態に応じて適宜調整することができ、例えば既に過熱水蒸気殺菌工程１２で殺菌済みの食材のピューレないしペーストを加熱混合装置に投入する時期は遅らせることもできる。なお、第２水溶液調製工程２２Ａを、実施形態２と同様に、第１水溶液調製工程２１及び第２水溶液調製工程２２に替えることも可能である。

冷凍されたピューレないしペーストや風味素材を含む飲料が冷凍されている場合には、解凍してから、加熱混合装置に投入する。解凍には例えばサンテツ技研製のデパック解凍・鮮度保持機を用いることにより、デパックで作られる高電圧静電誘導による電気エネルギーを食材に与えながら解凍することで食材の鮮度を保ったままの解凍が可能となる。

撹拌冷凍工程２４Ａでは、富繁産業株式会社製のジェラートマシンを用いた。撹拌冷凍装置における冷凍時に、第２水溶液４６を、撹拌しつつ空気を連行させて氷菓中に微細な空気の泡を含有させ、氷菓に空気を含ませる。氷菓中に微細な空気の泡を含有させると、固すぎず、かじり易く、また、口当たりが軽く、良好な食感の氷菓を得ることができる。微細な空気の泡の粒径は、同一体積の空気含有量では粒径が小さければ小さいほど口当たりが滑らかになり、また、冷却速度を遅くして撹拌速度を早くして撹拌強度を挙げることにより粒径を小さくするとともに連行される空気の量を多くすることができる。すなわち、氷菓のオーバーランを、撹拌速度を制御することにより調整することが可能である。撹拌冷凍装置の撹拌速度は、食材や安定剤の種類や状態、環境条件（気温、湿度等）、及び、仕上がり状態（食感及び食味等）等に応じて、自動的に、あるいは、手動で調整することが可能であり、自動的に制御する場合には、遠隔制御（例えばサーバーからの指令により遠隔制御）することも可能である。

また、氷菓中に微細な空気の泡を含有させると、容易にスプーンないしスクープにより採取することができるようになり、氷菓に独特なふわふわな食感を付与することができる。なお、一般的なアイスクリームのオーバーランは６０％〜１００％である。本実施例の氷菓のオーバーランが６０％以上であれば固すぎずに良好な食感の氷菓が得られるようになる。オーバーランが大きい程、食感は柔らかくなり、３００％を超えると柔らかくなりすぎて食感が劣るようになる。そのため、オーバーランの数値範囲としては６０％以上３００％以下が好ましく、例えば１５０〜２５０％程度が好ましく、または、例えば２００％程度が好ましい。しかも、オーバーランの数値範囲が１５０％以上２５０％以下となるように氷菓中に微細な空気の泡を含有させると、容易にスプーンないしスクープによりすくい取ることができるようになる。氷菓に付加される独特なふわふわな食感とは、例えば、シャーベトとアイスクリームとの間ぐらいの良好な食感であり、また、例えばソフトクリームとジェラートとの間ぐらいの良好な食感であり、オーバーランの程度によっても調整することができる。オーバーランの上限は、特に特定されるものではないが、例えば３００％程度である。オーバーランが低いと本葛粉を主成分とするデンプン質ゲル化材により独特のねっとり感が強く、食味にも重みがあるのに対し、オーバーランが高い程、食感はよりふわふわ感が増し、食味は軽い味になる。

また、氷菓中に微細な空気の泡を含有させると、容易にスプーンないしスクープによりすくい取ることができるので、バー状の氷菓ないしカップ入りの氷菓として供給することができるだけでなく、大型の業務用バルクサイズの容器（アイスバット）、例えば２Ｌ〜１０Ｌ程度の容器に入れて供給することもできるようになる。

本実施例の氷菓は、ソフトクリーム状、アイスキャンディー状、カップアイス状、最中アイス状、又は、削りアイス状等から選択される少なくとも１つの形態で提供することが可能である。

ソフトクリーム状の氷菓について説明する。ジェラートないしソフトクリーム用のフリーザーから取り出されたばかりの氷菓は、例えば、オーバーランが６０％以上であるため、ソフトクリーム状（オーバーランの度合いによっても、状態が調整可能であるが、アイスクリーム状やソフトクリーム状やジェラート状やシャーベット状等であり、例えば、シャーベトとアイスクリームとの間ぐらいの良好な食感であり、また、例えばソフトクリームとジェラートとの間ぐらいの良好な食感を有する状態）であり、コーンカップや容器に盛り付けることにより、ソフトクリームのような態様で氷菓を提供することができる。

アイスキャンディー状の氷菓について説明する。ジェラートないしソフトクリーム用のフリーザーから取り出された氷菓を、アイス型に注入して、例えば冷媒としてアルコールを用いた冷凍機により冷却することによって、アイスキャンディー状の氷菓を提供することができる。必要に応じて手持バーを挿入してもよい。

カップアイス状の氷菓について説明する。ジェラートないしソフトクリーム用のフリーザーから取り出された氷菓を、適宜の大きさの容器に入れて、冷凍庫内で、冷凍保存することができる。大容量の容器（例えば２Ｌ〜１０Ｌ程度、例えば２リットル、４リットル等）を用いれば、業務用氷菓として提供することができる。店舗において、大容量の容器からアイスディッシャー等で小型の容器に取り分けることによりカップアイス状の氷菓として提供することができる。また、ジェラートないしソフトクリーム用のフリーザーから取り出された氷菓を収容するための容器として、一人用の紙製又は樹脂製等のカップを用いれば、容器ごとカップ状アイスとして提供することができる。空気が含まれている氷菓は容易にスプーンないしスクープによりすくい取ることができるので、カップ入りの氷菓として提供することが可能である。また、図６に示すように、食材の形状を模した容器を用いることもできる。環境問題に配慮し、カップは環境負荷が少ない材質とすることが望ましい。例えば紙のカップを用いることもできる。食材の形状を模した容器とする場合には、例えば、生分解代替プラスチック（石灰石等）、バイオプラスチック（キャッサバ等）等を使用するとよい。形状としては、なんら特定されるものではないが、例えばいちご、みかん、もも、ぶどう、メロン、ココナッツ、アーモンド等が挙げられる。

最中アイス状の氷菓について説明する。ジェラートないしソフトクリーム用のフリーザーから取り出された氷菓、あるいは、冷凍保存された氷菓、あるいは、アイス型に入れて例えば冷媒としてアルコールを用いた冷凍機により冷却することによって固めた氷菓を、適宜の大きさと形状の最中で挟むことにより、最中アイス状の氷菓として提供することができる。氷菓の形状は円筒状に限らず角柱状であってもよく、最中の形状も氷菓の形状に対応させることができる。例えば直方体状の氷菓とすることもできる。なお、最中は氷菓を覆うことができればよいので、例えば円柱状の氷菓に対して、直方体状の最中を用いることも可能である。フリーザーから取り出されたままの氷菓の場合には適量を最中に挟み、あるいは、冷凍保存された氷菓は例えばアイスディッシャー等で取り分けて最中に挟むこともできる。
最中の大きさは一人前のアイスの大きさとすることができる。最中の形状は、円形状、楕円状、多角形状、御椀状、平面状等、任意の形状とすることができる。手持バーを有しても、有しなくともよい。手持バーが無い場合には、和菓子の最中と同様の意匠性を有する。手持バーが無い場合は氷菓をアイス型から取り出す時のために、冷凍する前に例えば針金状の部材を加熱・混合された水溶液（実験例１のゲル状体や実験例２１の第２水溶液等）に挿入しておくと、冷凍された氷菓をアイス型から取り出しやすい。最中の色としては、薄茶色のものだけでなく、例えば、白色のものや、赤色のもの等、例えば自然食材により着色したものを用いることができ、また、最中に竹炭を添加することにより黒色のものを用いることができるため、形状や色彩等の意匠性に優れた最中アイス状の氷菓を提供することが可能である。

削りアイス状の氷菓について説明する。ジェラートないしソフトクリーム用のフリーザーから取り出された氷菓は柔らかいので、適宜の容器に入れて、例えば冷媒としてアルコールを用いた冷凍機により冷却することによって固まった状態の氷菓とする。容器の大きさは業務用のかき氷器で使えるサイズとすることもできるし、または、アイスキャンディー程度の大きさとすることもできるし、例えば、細長い棒状（円柱状や角柱状）や、小さい（一口大の）ロック状ないしキューブ状とすることもできる。実験例１２や実験例２２と同様にかき氷器によって切削することにより、削りアイス状の氷菓を提供することができる。さらに、実験例１２や実験例２２と同様に、切削された氷菓をさらに再冷凍することにより、異なる食感の氷菓とすることも可能である。

[実施形態６]
次に、実施形態６に係る氷菓の製造方法及び製造システムについて説明する。実施形態６に係る氷菓の製造方法及び製造システムは、実施形態１乃至実施形態５の氷菓の製造方法の利点を生かした活用例である。これらのシステムにおいては、放熱のために別途のクーリングタワーを必要としないため、製造工場内にその配管のための孔をあける必要がない。また、電源としては通常の商用電源を利用可能である。そして、これらの製造方法には、複雑な工程がなく、工程が簡略化されていると共に、製造システムを小形化することが可能である。このために、製造システムをコンテナ状のユニットとして構成することが可能である。これと併せて、店舗や事務所をコンテナ状のユニットとして構成することも可能であると共に、各ユニットはコンテナ状であるので積み重ねることが可能であり、小スペースにおいて簡単に設置可能となる。さらに、これらの製造システムは移動可能であるため、例えば移動工場とすることが可能であり、また例えば車載の工場とすることが可能である。また、本実施形態の氷菓の製造システムによれば、販売店舗の近く、あるいは、販売店舗内での氷菓の製造が可能となる。

また、氷菓の製造は販売店舗の近く、あるいは、販売店舗内で可能であるから、例えば後述の実施形態７や実施形態１０のように、客の注文に応じた様々な風味の氷菓を短時間で製造して提供することができる。すなわち、販売店舗において客からの注文を受けてから、その注文どおりの風味の氷菓をその場で製造することができるようになる（具体的なシステムの例は、実施形態７や実施例１０を参照）。客から注文を受けてから、注文どおりの風味の氷菓を客に提供するまでの時間は、冷凍機の能力などにも依存するが、例えば１０分程度の時間での提供は可能であり、製造設備に応じてその時間はさらに短縮することが可能である。

[実施形態７]
図７〜図１０を参照して、本発明の実施形態７に係るパック入り飲料の製造方法及び製造システムについて説明する。なお、図７は、実施形態７のパック入り飲料の製造工程を示す工程図であり、図８は実施形態７のパック入り飲料製造システムの概略を示すブロック図であり、図９は得られたパック入り飲料の一例の斜視図であり、図１０は冷凍機の概念図である。

図７に示されているように、実施形態７に係るパック入り飲料製造工程５０は、飲料、ピューレ又はペーストを用意する工程５１、客の注文に応じて食材を選択する工程５２、密閉容器に充填して密閉する工程５３、及び、冷凍機により冷却する冷凍工程５４を含んでいる。

飲料、ピューレ又はペーストを用意する工程５１は、食材を切断する切断工程５１ａ、過熱水蒸気雰囲気において加熱殺菌する過熱水蒸気殺菌工程５１ｂ、及び、破砕工程５１ｃからなり、図１に示した実施形態１の食材のピューレないしペーストの製造工程１０の場合と同様であるので、詳しい説明は省略する。なお、破砕工程５１ｃの最後には、食材の飲料、ピューレ又はペーストは金属センサーテストを行うことにより、加工の際に金属片が混入していないかどうか確認される。また、金属センサーテストは密閉容器に充填して密閉した後に行うこともできる。

なお、飲料、ピューレ又はペーストの製造方法は、上述のものに限定されるものでなく、また、本願において飲料、ピューレ又はペーストには、上述の製造方法により製造されたピューレ又はペーストの他に、風味素材を含む飲料として例えば、ジュース、炭酸飲料、スポーツドリンク、コーヒー、紅茶、茶類（抹茶、ほうじ茶、緑茶、ウーロン茶等）、乳製品（牛乳、ヨーグルト等）、チョコレート、アルコール類（ワイン、日本酒、洋酒等）等を含む。

次に、客の注文に応じて食材を選択する工程５２では、後述の図８のパック入り飲料の製造システムにより、客の注文に応じて飲料、ピューレ又はペーストの食材が選択されると共に、客の注文に応じて後の冷凍機による冷凍工程５４において冷却する温度及び時間を決定する。また、客の注文に応じて食材を選択する工程５２では、客の注文に応じて、甘味料の種類及び／又は分量や、トッピング食材の種類及び／又は分量等が選択される。

さらに、客の注文に応じて食材を選択する工程５２では、密閉容器入り飲料を選択５２ａと、氷菓の選択５２ｂと、のいずれかを選ぶことができる。まず、密閉容器入り飲料を選択５２ａの場合について、説明する。密閉容器入り飲料が選択された場合には、順に、密閉容器に充填して密閉する工程５３及び冷凍機による冷却する冷凍工程５４を含んでいる。

密閉容器に充填して密閉する工程５３では、飲料、ピューレ又はペーストを用意する工程５１で用意された飲料、ピューレ又はペーストの中から、客の注文に応じて食材を選択する工程５２で選択された種類の飲料、ピューレ又はペーストが、公知の充填機により定量ずつ後述する所定のアルミパウチ等の密閉容器に充填される。この時、選択された種類の飲料、ピューレ又はペーストには、客の注文に応じて選択された種類及び／又は分量の甘味料や、客の注文に応じて選択された種類及び／又は分量のトッピング食材や、客の注文に応じて選択された種類及び／又は分量の添加食材を添加することもできる。また、密閉容器に充填される飲料、ピューレ又はペーストの分量を選択できるようにしておくことも可能である。

冷凍機による冷却する冷凍工程５４では、客の注文に応じて食材を選択する工程５２で、客の注文に応じて決定された冷却する温度（例えば−３０℃以下の温度）及び時間に従って、飲料、ピューレ又はペーストが充填された密閉容器が、後述のように冷凍機により冷却される。冷凍ないし冷却時間は、例えば−３０℃に保たれた冷凍機で１分間の冷却を行うと冷たい飲料として最適な状態となり、同じく３分間の冷却を行うとシャーベット状となり、同じく５〜１０分間の冷却を行うとカチカチに冷凍された状態とすることができる。これにより、店頭で、客の要望に応じた食材の飲料、ピューレ又はペーストが密閉され、客の要望に応じた冷却状態のパック入りの飲料を提供することができる。

次に、客の注文に応じて食材を選択する工程５２において、氷菓を選択５２ｂが選ばれた場合には、図７の氷菓の製造方法選択工程５５を含み、後述の図８に示したパック入り飲料の製造システム６０により客の注文に応じて、氷菓の製造方法が複数の中から選択され、さらに、客の注文に応じて甘味料の種類及び／又は分量が選択され、客の注文に応じて安定剤を含む添加食材の種類及び／又は分量が選択され、また、注文に応じてトッピング食材の種類及び／又は分量が選択される。氷菓の製造方法としては、前述の実施形態２〜実施形態６の製造方法、または、後述する実施形態９の製造方法の中から１つまたは複数を採用することができる。ここでは、一例として説明のために特に次の４つの製造方法を採用した例で説明する。氷菓の製造方法としては、後述するように、例えば、
（１）客の注文に対応する食材の飲料、ピューレ又はペーストを型に入れて冷凍することにより氷菓を製造する方法、
（２）予め製造されていた複数種類のキューブ状ないしはロック状氷菓ブロックから所定の個数のキューブ状ないしはロック状氷菓を選択し、かき氷器で切削することで削り氷菓を製造する方法、
（３）予め製造された複数種類の氷菓の中から客の注文に応じた氷菓を、客の注文に応じた温度管理により客の注文に対応する状態となるようにして提供する氷菓の製造方法、
（４）客の注文に応じて、ソフトクリーム状、アイスキャンディー状、カップアイス状、最中アイス状、又は、削りアイス状から選択される少なくとも１つの形態で提供する製造方法、等を含む。

ここで、客の要望に応じたパック入りの飲料を製造するためのシステム構成を、図８を用いて説明する。パック入り飲料製造システム６０は、第１の情報入力手段６１と第２の情報入力手段６２を有する情報入力手段６３、客の嗜好分析手段６４及び第３の情報出力手段６５を備えている。パック入り飲料製造システム６０としては、例えばＰＣ、タブレット端末、スマートフォン等の通信手段、入出力手段及び表示手段等を備えるものが使用される。

飲料、ピューレ又はペーストの製造手段６６では、前述のように図７に示した飲料、ピューレ又はペーストを用意する工程５１において、さまざまな種類の食材の飲料、ピューレ又はペーストが製造される。飲料、ピューレ又はペースト製造手段６６で製造される、飲料、ピューレ又はペーストの情報（食材の種類や産地、加工状態等の情報を含む）は、第１の情報入力手段６１に入力される。第１の情報入力手段６１は特に限定されるものではないが、例えば飲料、ピューレ又はペースト製造手段６６からの情報を受信する通信手段、飲料、ピューレ又はペースト製造手段６６からの情報を記憶媒体を介して入力する手段、バーコードや二次元バーコードを読み取る手段、キーボードやタッチパネル等を介して入力する手段とすることができる。

端末６７は、客が第２の情報を入力するために用いられる手段であり、例えば、ＰＣ、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等が用いられる。この端末６７としては、例えば、パック入り飲料を提供する店舗に備えられたＰＣやタブレット端末を利用できるし、客自身のＰＣ、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等も利用することができ、第２の情報入力手段６２との間で通信できる機能を有することが望ましい。この通信手段は特に限定されるものではないが、例えば無線通信を用いることができ、具体例としては例えば２Ｇ、３Ｇ、４Ｇ、５Ｇ、Ｗｉ−Ｆｉ（登録商標）、ＷｉＭＡＸ（登録商標）、無線ＬＡＮ、ビーコン、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、ＺｉｇＢｅｅ（登録商標）等を用いることができる。また、客が自宅から注文する場合には、固定回線を用いたインターネット通信を用いることもできる。

第２の情報は端末６７から第２の情報入力手段６２に対して対話形式で入力されるが、この場合、第２の情報入力手段６２は例えばブラウザ上で動作するものでもよいし、端末６７にダウンロードされたアプリとして動作するものであってもよい。

第２の情報としては、
（ａ）甘味料、トッピング食材、添加食材等の種類及び／又は分量、
（ｂ）食味の好み、
（ｃ）食感の好み
（ｄ）甘味の程度、
（ｅ）酸味の程度、
（ｆ）香辛料の好み、
（ｇ）好みの食品、
（ｈ）苦手な食品、
（ｉ）食事の献立、
（ｊ）体形、
（ｋ）体質、
（ｌ）体調、
（ｍ）病気、
（ｎ）食事制限、
（ｏ）アレルギー食品、又は、
（ｐ）個人を特定する情報
のいずれか１つ以上に関する情報が含まれている。

第２の情報入力手段６２では、上記（Ａ）〜（ｐ）の情報に関する情報を入力するために、複数モードの入力が可能となっている。複数のモードは特に限定されるものではないが、例えば、次の（ア）〜（セ）等のモードを用意することができ、各モードにおいては、対話形式での情報の入力が可能となっている（なお、より詳しくは、実施形態１０を参照）。
（ア）おすすめから選択するモード
（イ）甘味料、トッピング食材、添加食材等を直接選択するモード
（ウ）味の好みを入力するモード
（エ）食感の好みを入力するモード
（オ）好みの食品、苦手な食品を入力するモード
（カ）食事のバランスについて入力するモード
（キ）体調や体質について入力するモード
（ク）食物アレルギーについて入力するモード
（ケ）食事制限について入力するモード
（コ）ビタミン又はミネラルに関する質問を入力するモード
（サ）フィトケミカルに関する質問を入力するモード
（シ）薬膳に関する質問を入力するモード
（ス）アーユルヴェーダに関する質問を入力するモード
（セ）個人登録した情報から選択するモード

第２の情報入力手段６２において、これらのモードのどれか１つだけを予め設定しておくこともできる。また、これらの中から複数の組み合わせを予め設定しておくこともできる。さらに、これらの中から１つ又は複数を顧客が選択できるようにしておくこともでき、この場合には、初めに顧客に対してどの入力モードを採用するかの選択を求める。

端末６７としては、顧客の自身のスマートフォン、タブレト端末、ＰＣ、携帯電話等を用いることができるため、顧客は時間に余裕がある時に場所を問わず端末６７を操作して、第２の情報入力手段６２への入力操作を行うことができる。このため、第２の情報入力手段６２は例えばブラウザ上で動作するものや、端末６７にダウンロードされたアプリとして動作するものとすることで、顧客による遠隔から第２の情報の入力を可能としている。また端末６７は、店舗に備えられた端末、例えばタブレット端末やＰＣ等とすることもできる。

また第２の情報入力手段６２により端末６７から第２の情報として、氷菓表面に配置、模様、メッセージ、イラスト、写真又は画像の少なくとも１つをトッピング食材により添付するための情報を入力することもできる。これにより、例えば、客の注文に合わせて好みのカラフルな画像を表現してもよく、あるいは宣伝用の画像を表現してもよい。また、各種画像を表現する際には、プリンターによって食品パウダーを氷菓に添付することにより、印刷のような仕上がりの鮮やかな画像を表現することが可能である。

第２の情報入力手段６２では、対話形式で質問に答えることにより、顧客が情報を入力することができる。多岐選択式の質問の場合には、スマートフォンやタブレット端末ではタッチパネルへのタッチによる入力、ＰＣの場合にはマウスのクリックによる、携帯電話の場合には数字キーによる入力が可能である。また、多岐選択式ではなく、文字入力を求める質問とすることもできる。

例えば、上記（イ）の甘味料、トッピング食材、添加食材等を直接選択するモードにおいては、
（ｉ）食材の種類（グレープフルーツ、みかん、いちご、パイナップル、ココナッツ、チョコレート等。適宜ミックスすることも可能。）
（ii）甘味料の分量の選択（無し、普通、少し甘め、甘い）
（iii）甘味料の種類の選択（砂糖、蜂蜜、黒糖、アガベ、グラニュー糖等）
（iv）トッピング食材の選択（カットフルーツ等の種類、分量、有無等の選択）
（ｖ）添加食材の選択（本葛粉等の安定剤等の種類、分量、有無等の選択）
（vi）冷却時間（飲料の場合の複数の温度帯、シャーベット状、冷凍状態）
等を直接選択することができる。

複数のモードの中から１つ又は複数を顧客が選択できるようにしておく場合、第２の入力手段６２では、初めに顧客に対してどの入力モードを採用するかの選択を求める。この場合、１つのモードのみを選択することも、複数のモードを選択することもできる。複数のモードを選択した場合には、選択したモードの組み合わせに応じて、質問内容が自動的にようせうせされて、選択した各モードの質問同士で整合が取れるようになっている。例えば、複数のモードを選択する際に、第１優先のモードを選択し、次に第２優先のモードを選択し、さらに第３優先以降のモードを順に選択していくというように、優先順位を考慮することにより、優先順位に従って複数のモード間の質問の順位の整合を図り、かつ、各質問に対する回答に対する重みを調整することもできる。これにより客の嗜好分析手段６４における各種選択の優先順位にも反映させることができる。

一例として、第１優先のモードとして（コ）食事制限について入力するモードを選択し、第２優先モードとして（ウ）味の好みを入力するモードとした場合には、例えば、食事制限に関する第１問目の問として、低ＧＩ値、低カロリー等のカテゴリーを提示して、顧客の選択を求める。次に、第２問目の問として、より具体的な食事制限の内容を提示する。例えば、低ＧＩ値であれば、どの程度のＧＩ値まで許容できるかを選択により、あるいは、数値入力により設定する。さらに、第３問目の問として、今度は味の好みとして、甘味、酸味、塩味、旨味、渋味等のカテゴリーを提示して顧客の選択を求める。さらに、選択されたカテゴリーについては、その程度について複数段階のレベルでの入力を求め、あるいは、その程度を数値として入力を求める。このようにして、食事制限の条件を満たしたうえ、かつ、好みの味を設定することができる。

複数のモードを選択できると説明したが、相互に矛盾するようなモード、互いに相いれないモードは、同時に選択することができないように設定されている。例えば、（シ）及び（ス）を同時に選択することはできないように設定されている。

客の嗜好分析手段６４においては、第１の情報入力手段６１から入力された第１の情報と、第２の情報入力手段６２から入力された第２の情報から、客の食味の注文内容や必要な食材ないし成分が分析され、第１の情報に対応する飲料、ピューレ又はペーストの中から選択された所定の分量の飲料、ピューレ又はペーストの情報、及び、選択されたトッピング食材及び添加食材の情報を含む第３の情報が第３の情報出力手段６５から出力される。

客の嗜好分析手段６４においては、客の注文に応じて、複数の種類の飲料、ピューレ又はペーストを選択し、例えばミキサーによりミックスした飲料、ピューレ又はペーストを提供することができる。この場合、複数の種類の飲料、ピューレ又はペーストの味の組み合わせを自由に決めることができるため、様々な味の組み合わせを実現することができる。例えば、イチゴ味とココナッツ味との組み合わせ、トマト味とみかん味との組み合わせ等、その組み合わせは自由である。さらに、飲料、ピューレ又はペーストを用いて、イチゴ味とココナッツ味との組み合わせる場合に、例えばイチゴ味の飲料、ピューレ又はペーストの分量を５割とし、ココナッツ味の飲料、ピューレ又はペーストの分量を５割とすることもできる、また、例えばイチゴ味の飲料、ピューレ又はペーストの分量を７割とし、ココナッツ味の飲料、ピューレ又はペーストの分量を３割とすることもできるため、客の注文に応じて味を調節することができる。すなわち、味の組み合わせと分量とを工夫することで、調味が可能になるため、単体の１つの味の飲料、ピューレ又はペーストとは異なる様々な味を実現するこができる。

また、客の嗜好分析手段６４において、甘味料の種類及び分量、トッピング食材（例えば果肉等）の種類及び分量、飲料の濃度、添加食材の種類及び分量等の調整を行うことも可能である。添加食材として、例えば、飲料、ピューレ又はペーストを冷凍させる場合の安定剤として、本葛粉、葛粉、蓮根粉、米粉、玄米粉、わらび粉、いも粉、寒天又はゼラチンのいずれか１つ、または、これら２以上を組み合わせたものを用いることもできる。また、添加食材としては、例えばアルコール（エチルアルコール、洋酒、日本酒、ワイン、甘酒等）、ビタミン剤、食物繊維、香料、香辛料又はシーズニングのいずれか１つ、または、これら２以上を組み合わせたものとすることができ、また、特に限定されるものでは無いが、パウダー状の素材とすることが望ましい。例えば、本葛粉を加えると冷凍させたときに独特のとろみ感があり、蓮根粉を加えると冷凍させたときにモチモチ感があり、米粉を加えると冷凍させたときにねっとり感があり、微粉末、例えばナノメータサイズの玄米粉を添加すると独自のもちもち感があり、葛粉を加えると冷凍させたときに多少のとろみ感があり、わらび粉を加えて冷凍させたときにサクサク感があり、いも粉を加えると冷凍させたときりにもっちり感があり、寒天を加えると冷凍させたときにシャリシャリ感があり、ゼラチンを加えると少し歯ごたえある食感となる。なお、いも粉としては、何ら芋の種類を限定するものではなく、例えばタロイモ粉やジャガイモ粉等が挙げられる。これらを組み合わせると冷凍させたときにさまざまな異なる食感を得ることができる。このように、安定剤を適宜選択ないし組み合わせることにより、冷凍させたときに独特の食感を得られると共に、解凍した際に、液体成分が分離しにくい飲料、ピューレ又はペーストを製造することが可能となる。

また、客の嗜好分析手段６４においては、客の注文に応じて、冷凍機による冷却温度及び冷却時間が決定される。冷凍機による冷却温度及び冷却時間は、例えば−３０℃に保たれた冷凍機で１分間の冷却を行うと冷たい飲料として最適な状態となり、同じく３分間の冷却を行うとシャーベット状となり、同じく５〜１０分間の冷却を行うとカチカチに冷凍された状態とすることができる。このように、冷凍機による冷却温度及び冷却時間を決定することにより、客の要望に応じた冷却ないし冷凍状態のパック入りの飲料を提供することができる。

また、客の嗜好分析手段６４においては、第２の情報入力手段６２で入力された（ア）〜（セ）等のモードによって対話形式で入力された情報に従って、例えば、客の好みの食味を入力する方法、客のアレルギーや食事制限を考慮する方法、フィトケミカルに関する分析をする方法、薬膳に関する分析をする方法、アーユルヴェーダに関する分析をする方法等、多様な分析方法を採用することが可能であり、多数の分析手法の中から、客が選択できるようにすることが可能である。

また、第２の情報入力手段６２から入力される第２の情報として、パック入り飲料と氷菓とのどちらかを選択する情報を含めることもできる。この場合、客の選択に応じて、パック入り飲料、又は、氷菓を客に提供するために、客の嗜好分析手段６４においては、客の選択に応じたパック入り飲料、又は、氷菓のレシピに関する情報を分析し、第３の情報出力手段６５から、パック入り飲料又は氷菓の製造手段６８に対して、パック入り飲料又は氷菓の製造に関する情報を出力すると共に、端末６７に対して、客に提供されるパック入り飲料又は氷菓に関する各種情報を出力する。

客により氷菓が選択された場合には、第２の情報として、さらに、氷菓の状態に関する情報が入力され、客の嗜好分析手段６４において、氷菓の状態に応じて、前述の（１）〜（４）等を含む製造方法の中から、客の注文に対応した製造方法が決定される。

（１）の方法は、客の注文に対応する食材の飲料、ピューレ又はペーストを型に入れて冷凍することにより氷菓を製造する方法である。詳しくは後述するが、客の嗜好分析手段６４においては、第１の情報入力手段６１から入力された第１の情報と、第２の情報入力手段６２から入力された第２の情報から、客の食味の注文内容や必要な食材ないし成分が分析され、第１の情報に対応する飲料、ピューレ又はペーストの中から選択された１又は複数の所定の種類及び分量の飲料、ピューレ又はペーストが選択されると共に、トッピング食材及び添加食材が選択される。添加食材としては、前述のように例えば本葛粉等の安定剤が含まれる。添加食材としては、安定剤の他、例えばアルコール（エチルアルコール、洋酒、ワイン、日本酒、甘酒等）、ビタミン剤、食物繊維、香料、香辛料又はシーズニングのいずれか１つ、または、これら２以上を組み合わせたものとすることができ、また、特に限定されるものでは無いが、パウダー状の素材とすることが望ましい。

選択された飲料、ピューレ又はペースト、トッピング食材、添加食材、及び、氷菓の製造方法等の情報が第３の情報として、第３の情報出力手段６５から出力される。パック入り飲料又は氷菓の製造手段６８においては、第３の情報に含まれる氷菓のレシピや製造方法等に従って、氷菓を提供する店舗において、客の注文を受けてから客の注文に応じた氷菓を製造する。後述の冷凍機を用いれば、短時間で氷菓を製造することが可能であるので、店頭で客から注文を受けてから、氷菓を製造し、その場で客に要望どおりの出来たての氷菓を提供することができる。

（２）の方法は、予め製造されていた複数種類のキューブ状ないしはロック状氷菓ブロックから所定の個数のキューブ状ないしはロック状氷菓を選択し、かき氷器で切削することで削り氷菓を製造する方法である。氷菓の形状をキューブ状ないしロック状にする方法は限定されるものではないが、例えば、大きな塊状のブロック状氷菓を細かく切断する方法、キューブ状ないしロック状の型により冷凍する方法、棒状の氷菓を複数に分割する方法等がある。第１の情報には、キューブ状ないしロック状氷菓の食材の種類、安定剤を含む添加食材の種類及び分量、甘味料の種類及び分量、製造方法、形状、大きさ等の情報が含まれている。客の嗜好分析手段６４においては、第１の情報入力手段６１から入力された第１の情報と、第２の情報入力手段６２から入力された第２の情報から、客の食味の注文内容や必要な食材ないし成分が分析され、第１の情報に対応するキューブ状ないしはロック状氷菓の中から選択された１又は複数の所定の種類及び個数のキューブ状ないしはロック状氷菓が選択されると共に、トッピング食材及び添加食材（添加食材の素材については、上述の（１）の場合と同様。）が選択される。

選択されたキューブ状ないしはロック状氷菓、トッピング食材、添加食材、及び、氷菓の製造方法等の情報が第３の情報として、第３の情報出力手段６５から出力される。パック入り飲料又は氷菓の製造手段６８においては、第３の情報に含まれる氷菓のレシピや製造方法等に従って、氷菓を提供する店舗において、客の注文を受けてから客の注文に応じた削り氷菓を製造する。店頭で客から注文を受けてから、例えば、充電式コードレスのハンディータイプのかき氷器を用いて、予め用意されたキューブ状ないしはロック状氷菓を切削することにより、店舗における客の目の前で、要望どおりの出来たての削り氷菓を提供することができる。

（３）の方法は、予め製造された複数種類の氷菓の中から客の注文に応じた氷菓を、客の注文に応じた温度管理により客の注文に対応する状態となるようにして提供する氷菓の製造方法である。予め製造した複数種類の氷菓を用意しておき、かつ、複数の異なる温度条件となるように保管しておく。この場合、第１の情報には、予め製造した氷菓の食材の種類、添加食材（添加食材の素材については、上述の（１）の場合と同様。）の種類及び分量、甘味料の種類及び分量、製造方法、形状、大きさ等の情報に加え、氷菓の保存状態の情報（保存温度等の情報）が含まれている。客の嗜好分析手段６４においては、第１の情報入力手段６１から入力された第１の情報と、第２の情報入力手段６２から入力された第２の情報から、客の食味の注文内容や必要な食材ないし成分が分析され、第１の情報に含まれる氷菓の種類と氷菓の保存状態の情報を含めて考慮して、氷菓の種類が選択される。

選択された氷菓の情報は、氷菓の保存状態及び氷菓の製造方法等の情報と共に、第３の情報として、第３の情報出力手段６５から出力される。パック入り飲料又は氷菓の製造手段６８においては、第３の情報に含まれる氷菓の保存状態の情報を含めて、予め用意された複数種類の氷菓の中から、客の注文の応じた種類で、かつ、客の注文に応じた保存状態の氷菓を提供することができる。氷菓を予め用意しておくことができるため、移動式店舗等においても、客の要望に応じた氷菓を客の注文を受けてから短時間で客の要望に応じた保存状態で氷菓を提供することができる。なお、氷菓の添加食材として加えた安定剤の種類を例えば本葛粉とした場合には、温度条件によって異なる食感を実現できる。すぐにその場で食べたい場合、ゆっくりと時間をかけて食べたいとき、持ち帰りたいとき等の客の要望に応じて食べ頃となる氷菓の保存状態（保存温度）は異なる。

（４）の方法は、客の注文に応じて、ソフトクリーム状、アイスキャンディー状、カップアイス状、最中アイス状、又は、削りアイス状から選択される少なくとも１つの形態で提供する製造方法である。この場合、客の嗜好分析手段６４においては、第１の情報入力手段６１から入力された第１の情報と、第２の情報入力手段６２から入力された第２の情報から、客の食味や氷菓の態様等の注文内容や必要な食材ないし成分が分析され、第１の情報に対応する飲料、ピューレ又はペーストの中から選択された１又は複数の所定の種類及び分量の飲料、ピューレ又はペーストが選択されると共に、トッピング食材や安定剤の種類や添加食材が選択される。添加食材としては、例えばアルコール（洋酒、ワイン、日本酒、甘酒等）、ビタミン剤、食物繊維、香料、香辛料又はシーズニングのいずれか１つ、または、これら２以上を組み合わせたものとすることができ、また、特に限定されるものでは無いが、パウダー状の素材とすることが望ましい。

選択された飲料、ピューレ又はペースト、トッピング食材、安定剤、添加食材、及び、氷菓の製造方法、氷菓の態様等の情報が第３の情報として、第３の情報出力手段６５から出力される。パック入り飲料又は氷菓の製造手段６８においては、第３の情報に含まれる氷菓のレシピや製造方法等に従って、氷菓を提供する店舗において、客の注文を受けてから客の注文に応じた氷菓を製造することもできる。

第３の情報には、選択された飲料、ピューレ又はペーストの情報、例えば、当該飲料、ピューレ又はペースト、トッピング食材、添加食材等についての成分、名前、種類、効能、説明、医学的・薬学的・栄養学的・療法的な知見、評判、口コミ情報、又は、ネット上の情報のいずれか１つ以上の情報を含む。この第３の情報は端末６７に送信され、端末６７にて表示可能である。

第２の情報として、パック入り飲料が選択されている場合、第３の情報はパック入り飲料又は氷菓の製造手段６８にも送信され、パック入り飲料又は氷菓の製造手段６８においては、選択された飲料、ピューレ又はペースト、トッピング食材、添加食材等に関する情報にしたがって、１又は複数の所定の選択された飲料、ピューレ又はペーストの指定がある場合には、所定のトッピング食材や添加食材等が選択され、必要に応じて適宜ミキサーでミックスしてから、例えばアルミパウチ等の密閉容器に充填されて、密閉される。充填後の密閉容器７１、すなわちパック入り飲料７０の斜視図を図９に示した。このようなアルミパウチ等の密閉容器７１内に飲料、ピューレ又はペーストを充填し、密閉するパッキング装置は、周知であるのでその詳細な説明は省略する。本発明では、密閉容器７１の材質がアルミニウムに特定されるものではなく、例えば樹脂フィルム、蒸着フィルム、複合材料フィルムであってもよいし、また、ペットボトルであってもよい。例えばペットボトルを用いた場合には過冷却が可能である。

密閉容器７１の上端には略中空円筒状の飲み口７２が設けられている。飲み口７２の外周には雄ネジが形成されており、飲み口７２の外周には上方からキャップ７３が螺合されている。キャップ７３により飲み口７２は密閉されている。パック入り飲料７０の密閉容器７１の上端に飲み口７１が形成されていることにより、客が飲み口７２に直接口を付けることにより、密閉容器７１に充填された飲料、ピューレ又はペーストを飲みやすくなっている。

従来のレトルトパウチ食品は、密閉容器に充填された後に、高温殺菌されるが、本発明では飲料、ピューレ又はペーストがアルミパウチ等の密閉容器７１に充填されて密閉された後に殺菌する必要はない。すなわち、上述の図７に示した加熱水蒸気殺菌工程５１ｂにおいて、既に加熱殺菌されているため、その後の工程で改めて殺菌工程を設ける必要がない。さらに、加熱水蒸気殺菌工程５１ｂでは、過熱水蒸気殺菌装置を用いて、食材を所定温度の過熱水蒸気雰囲気において低酸素状態（大気の酸素濃度より低い状態）で所定時間にわたり加熱殺菌するため、飽和水蒸気の働きにより酸素濃度を低く保つこと、例えば無酸素（０％）にするのはもちろんのこと、０．１〜０．２％程度に保つことにより、加熱しても食材が酸化することを防ぐことができ、それにより、食材の風味や色を損ねることを抑えることができる。

前述の（１）の製造方法については、実施形態２〜実施形態４と同様であるため、ここでは説明を省略する。
前述の（２）の製造方法については、後述の実施形態１０及び実施形態１１と同様であるため、ここでは説明を省略する。
前述の（４）の製造方法については、前述の実施形態５と同様であるため、ここでは説明を省略する。

パック入り飲料又は氷菓の製造手段６８（図８参照）ないし冷凍機により冷却する冷凍工程５４（図７参照）において使用する冷凍機３０Ａの概略構成を、図１０を用いて説明する。なお、図１０は、店舗で使用する冷凍機の概念図である。ここで用いた冷凍機３０Ａは、図４に示した冷凍機３０と実質的に同様の構成を備えており、図４に示したものと同一の構成については同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する

ここでは、冷媒３３の温度は、−３０℃以下、例えば−３０℃となるように維持されている。密閉容器７０に充填して密閉する工程５３（図７参照）の後、冷凍機による冷凍する冷凍工程５４（図７参照）では、飲料、ピューレ又はペーストを充填した密閉容器７０(以下、「パック入り飲料７０」ということがある。）を方形状の容器３１の内部入れられた冷却媒体３３に直接浸すことにより、密閉容器７０に充填された飲料、ピューレ又はペーストは急速冷却され、例えば１分程度で飲み頃の冷たい飲料となり、例えば３分程度でシャーベット状となり、例えば５分〜１０程度でカチカチ状態に冷凍することができる。

密閉容器７０は個別に冷却媒体３３に直接浸すことにより冷却させるため、アイス型を用いて冷却する場合に比べると、小ロッドでの製造が容易かつ効率的に可能となる。このため、客の注文を受けてから、客の注文に応じた飲料、ピューレ又はペーストを密閉容器７０に充填して密閉した後に、パック入り飲料を直接冷凍機で急速冷却し、客の要望に応じた冷却状態で提供することが可能となる。

[実施形態８]
図１１を参照して、実施態様８に係るパック入り飲料の製造工程について説明する。なお、図１１は実施形態８の工程図である。本実施形態では添加食材として安定剤が含まれている。

実施形態８に係るパック入り飲料の製造工程７５は、順に、切断工程１１、過熱水蒸気雰囲気において加熱殺菌する過熱水蒸気殺菌工程１２、破砕工程１３、第１水溶液調製工程２１、第２水溶液調製工程２２、パック内注入工程７６及び冷凍・冷却工程７７からなる。実施形態８に係るパック入り飲料の製造工程７５では、食材の飲料、ピューレ又はペーストの製造方法は実施形態７の場合と同様であるので、食材の飲料、ピューレ又はペーストの製造方法である切断工程１１、過熱水蒸気雰囲気において加熱殺菌する過熱水蒸気殺菌工程１２及び破砕工程１３の説明は省略する。同様に、パック内注入工程７６及び冷凍・冷却工程７７も実施形態７のパック入り飲料の製造方法と同一であるので、その詳細な説明は省略する。

第１水溶液調製工程２１では、水、安定剤及び甘味料をパステライザに入れて例えば８０℃〜８５℃の温度で５分以上加熱殺菌して、第１水溶液を調製する。この第１水溶液の調製時、水に代えて、あるいは、水に加えてさらに適宜の飲料をパステライザに入れてもよいし、飲料、ピューレ又はペーストに添加すべきトッピング食材や添加食材（例えば飲料、ピューレ又はペーストの風味を整えるための素材等、例えば、アルコール（エチルアルコール、洋酒、日本酒、ワイン、甘酒等）、ビタミン剤、食物繊維、香料、香辛料又はシーズニングのいずれか１つ、または、これら２以上を組み合わせたものとすることができ、また、特に限定されるものでは無いが、パウダー状の素材とすることが望ましい。）がある場合には、この第１水溶液調製工程２１においてパステライザに入れる。水ではなく例えば１５℃〜７０℃程度のぬるま湯を用いてもより。また、パステライザに投入する前に予め水ないしぬるま湯に安定剤を溶かしておいてもよい。

安定剤としては、特に限定されるものではないが、例えば本葛粉、葛粉、蓮根粉、米粉、玄米粉、わらび粉、いも粉、寒天又はゼラチンのいずれか１つを使用するか、または、これら２以上を組み合わせたものを使用する。安定剤の選択、分量、、配合割合及び粉末の平均粒径等によって、冷凍した場合に独特の食感を付与することができる。例えば、本葛粉を加えると冷凍した場合に独特のとろみ感があり、蓮根粉を加えると冷凍した場合にモチモチ感があり、米粉を加えると冷凍した場合にねっとり感がある。葛粉を加えると冷凍した場合に多少のとろみ感があり、わらび粉を加えて冷凍させたときにサクサク感があり、いも粉を加えると冷凍させたときりにもっちり感があり、寒天を加えると冷凍した場合にシャリシャリ感があり、ゼラチンを加えると冷凍した場合に少し歯ごたえある食感となる。また、安定剤を微粉末とすると、例えば安定剤の平均粒径をナノメータサイズまで小さくすると、それぞれの安定剤の有する作用効果がより強く表れるようになる。例えばナノメータサイズで表面が凹凸状態となっている玄米粉を加えると、米粉よりも粘りけを感じ、口溶けが長く感じられる食感となる。なお、微粉末のサイズは、ナノメータサイズに限定されるものではなく、例えばマイクロメータサイズであっても、安定剤としての「つなぎ」効果は得られる。これらを組み合わせるとまた異なる食感を得ることができる。

例えば安定剤として本葛粉を１００％使用することができ、また、本葛粉を主成分とし、蓮根粉及び／又は米粉が混合することもできる。冷凍時の独特の食感は、実施形態６で説明した食材の飲料、ピューレ又はペーストを用いることにより、一層高まる。そして、適切に安定剤を選択することにより、冷凍時の食感の向上と、解凍時の液体分離の抑制効果とを両立させることが可能である。

安定剤としてはパウダー状のものを用いると、取り扱いがし易く、製造工程を簡略化できるうえに水分量を調整しやすくなる。所定量に計量した水ないしぬるま湯に対し、所定量のパウダー状の安定剤及び所定量の甘味料を入れ、攪拌してよく溶かす。温度が高めのぬるま湯の場合にはパウダー状の安定剤及び甘味料は溶けやすいが、一方、水の温度が低い時には安定剤及び甘味料が溶けにくいためによく攪拌する必要がある。またパウダーの粒径も溶けやすさに影響しており、パウダーが細かい方が水ないしぬるま湯に溶けやすくなる。

甘味料としては、ＧＩ値が精製された砂糖よりも低く、しかも、ミネラル成分を含んでいる、和三盆、アガベシロップ、黒砂糖、メープルシロップ又は含蜜糖を用いることが望ましい。甘味料として健康に悪影響を与える可能性があり、ＧＩ値が高いことでも知られているグラニュー糖、上白糖、氷砂糖、粉砂糖及び三温糖等の精製された砂糖成分及びブドウ糖を含んでいないため、食後の急速な血糖値上昇を避けることができるだけでなく、合成甘味料も含んでいないため、健康志向に適した甘味を有する餅様食品となる。食材として果実を用いた場合には、甘味料としては例えばアガベシロップが好ましい。また、和風の風味を生かすためには、甘味料としては例えば和三盆が好ましい。また、甘味料についてもパウダー状ものを用いると、取り扱いがし易く、製造工程を簡略化できるうえに水分量を調整しやすくなる。例えばアガベシロップもパウダー状とすることが可能である。

第２水溶液調製工程２２では、第１水溶液調製工程２１で調製した第１水溶液に破砕工程１３で加工した食材の飲料、ピューレ又はペーストを加えて第２水溶液を調製する。食材の飲料、ピューレ又はペーストは繊維を含んでおり、また、第１の水溶液はとろみがある場合もあるため、第１水溶液に対して食材の飲料、ピューレ又はペーストを加えた後には、よく攪拌して第１水溶液に食材の飲料、ピューレ又はペーストがよく混じり合うようにする。この時、食材の飲料、ピューレ又はペーストは過熱水蒸気雰囲気において加熱殺菌する工程５１ｂにおいて既に加熱消毒されており、再度の加熱殺菌は必要としないため、食材の風味や色を損ねることがない。なお、ここでは第１水溶液調製工程２１と第２水溶液調製工程２２とを分けて説明したが、この２つの工程を一体化して、各食材を同時にまたは、適宜の順番及びタイミングで順次混ぜ合わせるようにしてもよい。また、パステライザを用いることを例示したが、これに限定されるものでは無く、例えば、実施形態５で説明した富繁産業株式会社製の殺菌機を使用することもできる。

このようにして調製された第２水溶液は、実施形態６の場合と同様にして、アルミパウチ等の密閉容器に注入され、冷凍機で冷凍ないし冷却することにより、客の注文に応じた冷却状態のパック入り飲料７０を製造することができる。このような実施形態６又は実施形態７のパック入り飲料の製造方法によれば、食材、原料を適切に選定することにより、有機食品のＪＡＳ規格に適合した生産を行うことも可能となり、しかも、凍結した場合には溶けてもドリップしにくい飲料を得ることができる。

図１２には、パック入り飲料についての別の実施例が示されている。なお、図１２は実施形態８の別の実施例のパック入り飲料の斜視図である。図１２に示した別の実施例のパック入り飲料７０Ａ、すなわち飲料等が入れられた密閉容器７１Ａは、ラベル７８が貼付されている点で図７に示されている飲料等が入れられた密閉容器７１とは構成が相違している。図１２では、ラベル７８が飲料等が入れられた密閉容器７１Ａの一側面の一部に貼付されている例が示されているが、ラベル７８は、飲料等が入れられた密閉容器７１Ａの両面に貼付されていてもよいし、飲料等が入れられた密閉容器７１Ａの全周にわたって貼付されていてもよい。また、ラベル７８の大きさや寸法は任意である。ラベル７８の表面には、パック入り飲料７０Ａの生産者の表示だけではなく、例えば飲料、ピューレ又はペーストの成分や、トッピング食材や添加食材についての情報を併せて表示することができる。ラベル７８の裏面側には粘着剤ないし接着剤が付着しているために、ラベル７８を容易に飲料等が入れられた密閉容器７１Ａの表面に貼り付けることができる。

パック入り飲料７０の密閉容器７１には、飲み口７２が設けられているため、客は飲み口７２に直接口を付けて飲むことが可能であるが、ストローを使って飲みたいという要望も想定される。そこで、ラベル７８の裏側と密閉容器７１Ａの表面との間にはストローを収納しておくことができる構造となっている。この場合、ラベル裏面側に付着させる粘着剤ないし接着剤については、客が手でラベル７８を剥がしやすいように考慮しておくことが望ましい。また、このことは、使用済みのパックのリサイクルのための分別回収にも寄与する。このようにパック入り飲料７０Ａの表面にラベル７８を貼付することにより、ストローを収納できるという機能を付加することができると共に、意匠性を向上するという効果を奏することもできる。

［実施形態９］
実施形態９の氷菓の製造方法を、図１３を参照して説明する。なお、図１３は実施形態９の工程図である。実施形態９では、微細な空気の泡を連行させつつ凍結させて空気を包含した氷菓を作成した。出発原料としては、実施形態１で製造されたピューレないしペーストを一旦冷凍したものを、解凍してから使用することを想定して説明するが、ピューレないしペーストの製造工程が一体化されている場合には、できたてのピューレないしペーストをそのまま使用できるので、解凍工程を省略することができる。

実施形態９の氷菓の製造方法は、
（１）解凍工程、
（２）加熱殺菌工程
（３）撹拌冷却工程
（４）充填工程
（５）保存工程
からなる。
以下、それぞれの工程順に説明する。

（１）解凍工程
まず、冷凍ピューレを解凍機でゆっくりと解凍する。ここでは株式会社サンテツ技研製の電場印加式の解凍機を用いて、８時間かけてゆっくり解凍した。この解凍機を用いると、冷凍ピューレ中に含まれている食材の組織の破壊を少なくし、良好な食味を維持した状態で解凍することができる。

（２）加熱殺菌工程
加熱消毒工程としては、富繁産業株式会社製の殺菌機を使用した。この殺菌機は、一台で原料調合溶解、殺菌及び冷却の３つの機能を完備しているものである。まず、「（１）解凍工程」で得られたピューレ及び安定剤を添加された各種食材を撹拌混合しつつ、９８〜９９℃に加熱して殺菌する。なお、従来の一般的なパステライザの加熱温度は８７℃程度であったが、このように９８〜９９℃という高い温度に加熱することにより、良好に殺菌できるだけでなく、例えば本葛粉等の安定剤を添加した場合でも溶解性が良好となる。

なお、ピューレないしペーストの製造工場が隣接している場合には、得られたピューレないしペーストは既に殺菌されているので、再殺菌する必要はないので、例えば本葛粉などの消毒した食材にできたてのピューレないしペーストを混合するだけで済むが、この場合も本葛粉などと一緒に上記殺菌機を用いて撹拌及び加熱してもよい。いずれの場合も、ピューレないしペーストができたての状態ないしできたてに近い状態であると、美味しい氷菓を製造することができる。

（３）撹拌冷却工程
撹拌冷却工程では、富繁産業株式会社製のジェラートマシンを用いた。上記「（２）加熱殺菌工程」で得られた殺菌後のピューレないしペーストをジェラートマシン内で撹拌しながら冷却することによりピューレないしペーストに微細な空気の泡を連行させてオーバーランを高める。特に、安定剤として本葛粉やナノメータサイズの玄米粉を使用すると、他の安定剤を用いた場合よりもオーバーランを高めることができる。このジェラートマシンは、撹拌速度を変えることができるので、ピューレないしペースト中の食材の種類也濃度、安定剤の種類等に応じて最適な撹拌速度似設定することができる（実施形態３を参照）。オーバーランの値としては、６０％〜３００％の間で調整した（実施形態３を参照）。

（４）充填工程
上述のジェラートマシンの容量は大きいため、業務用バルクサイズの容器への注入は、このジェラートマシンから直接注入・充填することができる。一方、小型のカップないし果実の形状を模した容器に注入する場合は、容量が小さいため、別途充填機に移してから個別に注入・充填する。なお、果実の形状を模した容器としては、イチゴ、メロン、ミカン、桃等、ピューレないしペーストの食材と同一の果実の形状のものが好ましい。また、小型のカップないし果実の形状を模した容器の形成材料は、環境負荷の低減という観点から、生分解性代替プラスチック又はバイオプラスチック製のものを用いる。なお、業務用バルクサイズの容器を用いた場合には、氷菓表面の面積が大きいため、氷菓に客の注文に応じた配置、模様、メッセージ、イラスト、写真又は画像の少なくとも１つをトッピング食材により添付することができ、例えば、客の注文に合わせて好みのカラフルな画像を表現してもよく、あるいは宣伝用の画像を表現してもよい。また、各種画像を表現する際には、プリンターによって食品パウダーを氷菓に添付することにより、印刷のような仕上がりの鮮やかな画像を表現することが可能である。

（５）保存工程
上記「（４）充填工程」で適宜の容器に注入・充填された氷菓は、所定温度に維持された冷凍庫内に載置することで、長期間、保管可能である。業務用バルクサイズに入れられた氷菓は、アイスクリームの場合と同様に、販売時に直接スプーンないしスクープにより所定量掬い取り、コーン製容器ないし所定の容器に盛り付けて客に供給することができる。一方、小型のカップないし果実の形状を模した容器に注入したものは、そのまま客に供給することができ、客はそのまま容器から氷菓をスプーンで掬って食することができる。

［実施形態１０］
図１４を参照して、実施形態１のシステム１００について説明する。実施形態１では、店舗において削り氷菓を提供するためのシステム１１０を例に挙げて説明する。システム１１０は、第１の情報入力手段１１１、第２の情報入力手段１１２、氷菓選択手段１１３、風味付加素材選択手段１１４及び第３の情報出力手段１１５を備えている。システム１１０としては、例えばＰＣ、タブレット端末、スマートフォン等の通信手段、入出力手段及び表示手段等を備えるものが使用される。

キューブ状ないしロック状氷菓製造手段１２０では、風味素材を添加することにより製造されたそれぞれ食味が付与されているキューブ状ないしロック状氷菓が複数種類製造される。この氷菓は特に限定されるものではないが、安定剤として本葛粉、葛粉、蓮根粉、米粉、わらび粉、いも粉、寒天又はゼラチンのいずれか１つ、または、これら２以上の組み合わせが用いられていてもよい。例えば、本葛粉を加えると独特のとろみ感があり、蓮根粉を加えるとモチモチ感があり、米粉を加えるとねっとり感があり、葛粉を加えると多少のとろみ感があり、わらび粉を加えるとサクサク感があり、いも粉を加えるともっちり感があり、わらび粉を加えるサクサク感があり、寒天を加えるとシャリシャリ感があり、ゼラチンを加えると少し歯ごたえある食感となる。これらを組み合わせるとまた異なる食感を得ることができる。また、安定剤を適宜選択ないし組み合わせることにより、独特の食感を得ると共に溶けて液だれしにくい氷菓を製造することが可能となる。

キューブ状ないしロック状氷菓を用いた場合には、複数の種類の氷菓を同時に、かき氷器に投入して、ミックスした削りアイスを作ることができる。この場合、複数の種類の氷菓の味の組み合わせを自由に決めることができるため、様々な味の組み合わせを実現することができる。例えば、チョコレート味と、抹茶味と、イチゴ味との組み合わせ等、その組み合わせは自由である。さらに、ロック状ないしキューブ状の氷菓を用いて、チョコレート味とイチゴ味との組み合わせる場合にも、例えばチョコレート味の氷菓を2個とイチゴ味の氷菓を２個とすることや、チョコレート味の氷菓を３個とイチゴ味の氷菓を１個とすることもできるため、顧客の好みに応じて味を調節することができる。すなわち、味の組み合わせと分量とを工夫することで、調味が可能になるため、単体の１つの味の氷菓とは異なる様々な味を実現するこができる。

氷菓の形状をキューブ状ないしロック状にする方法は限定されるものではないが、例えば、大きな塊状のブロック状氷菓を細かく切断する方法、キューブ状ないしロック状の型により冷凍する方法、棒状の氷菓を複数に分割する方法等がある。

キューブ状ないしロック状氷菓製造手段１２０で製造され、削り氷菓を製造するために準備された複数種類の氷菓の情報は、第１の情報入力手段１１１に入力される。第１の情報入力手段１１１は特に限定されるものではないが、例えばキューブ状ないしロック状氷菓製造手段１２０からの情報を受信する通信手段、キューブ状ないしロック状氷菓製造手段１２０からの情報を記憶媒体を介して入力する手段、バーコードや二次元バーコードを読み取る手段、キーボードやタッチパネル等を介して入力する手段とすることができる。

端末１２１は、顧客が第２の情報を入力するために用いられる手段であり、例えば、ＰＣ、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等が用いられる。この端末１２１としては、例えば、削り氷菓を提供する店舗に備えられたＰＣやタブレット端末を利用できるし、顧客自身のＰＣ、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等も利用することができ、第２の情報入力手段１２との間で通信できる機能を有することが望ましい。この通信手段は特に限定されるものではないが、例えば無線通信を用いることができ、具体例としては例えば２Ｇ、３Ｇ、４Ｇ、５Ｇ、Ｗｉ−Ｆｉ（登録商標）、ＷｉＭＡＸ（登録商標）、無線ＬＡＮ、ビーコン、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、ＺｉｇＢｅｅ（登録商標）等を用いることができる。また、顧客が自宅から注文する場合には、固定回線を用いたインターネット通信を用いることもできる。

第２の情報は端末１２１から第２の情報入力手段１１２に対して対話形式で入力されるが、この場合、第２の情報入力手段１２は例えばブラウザ上で動作するものでもよいし、端末１２１にダウンロードされたアプリとして動作するものであってもよい。第２の情報入力手段１１２の詳細については後述する。

氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、第１の情報入力手段１１１から入力された第１の情報と、第２の情報入力手段１１２から入力された第２の情報から、顧客の食味の嗜好及び／又は必要な食品ないし成分が分析され、第１の情報として入力されたそれぞれ食味が付与されているキューブ状ないしロック状氷菓の中から選択された所定の個数のキューブ状ないしロック状氷菓の情報、及び／又は、選択された風味付加素材の情報を含む第３の情報が第３の情報出力手段１１５から出力される。かかる分析の方法としては、例えば、顧客の好みの食味を入力する方法、顧客のアレルギーや食事制限を考慮する方法、フィトケミカルに関する分析をする方法、薬膳に関する分析をする方法、アーユルヴェーダに関する分析をする方法等、多様な分析方法を採用することが可能であり、多数の分析手法の中から、顧客が選択できるようにすることも可能である。

第３の情報には、さらに、選択された氷菓又は風味付加素材に関する情報として、当該氷菓の成分、風味素材又は風味付加素材についての名前、種類、効能、説明、医学的・薬学的・栄養学的・療法的な知見、評判、口コミ情報、又は、ネット上の情報のいずれか１つ以上の情報を含む。この第３の情報は端末１２１に送信され、端末１２１にて表示可能である。

また、第３の情報は氷菓切削手段１２２にも送信され、選択された氷菓又は風味付加素材に関する情報にしたがって、選択されたキューブ状ないしロック状氷菓が、それぞれ選択された個数だけかき氷器に投入されて、切削される。さらに、切削された削り氷菓に対して、選択された風味付加素材が添加される。かき氷器としては、業務用ないし家庭用の電動ないし手動のものを採用することができ、特に、ハンディータイプの電動かき氷器を用いることが望ましい。

実施形態１０の削り氷菓の製造方法は、次の（１）〜（４）の４つの工程からなる。
（１）風味素材を添加することにより製造されたそれぞれ食味が付与されているキューブ状ないしロック状氷菓が複数種類準備される工程、
（２）前記（１）の工程で準備されたそれぞれ食味が付与されているキューブ状ないしロック状氷菓に関する情報が第１の情報として入力される工程、
（３）端末２１から第２の情報が入力され、前記第１の情報及び前記第２の情報を用いて食味の嗜好及び／又は必要な食品ないし成分が分析され、前記第１の情報として入力されたそれぞれ食味が付与されているキューブ状ないしロック状氷菓の中から所定の個数のキューブ状ないしロック状氷菓が選択された第３の情報が出力される工程、及び、
（４）上記（３）の工程で出力された第３の情報に基づいて選択されたキューブ状ないしロック状氷菓がかき氷器により切削される工程。

以下、実施形態１の削り氷菓の製造方法について、順に詳しく説明する。

［キューブ状ないしロック状氷菓が複数種類準備される工程］
まず、キューブ状ないしロック状氷菓が複数種類準備される工程氷菓の製造方法は特に限定されるものではないが、上述の実施形態２〜６及び９の方法が利用できる。これらの製造方法によれば、削り氷菓として好ましい食感及び食味を有する氷菓を製造することができる。この好ましい食感は、口の中で溶けた氷菓がすぐに液状にはならず、ねっとり感やとろみ感やグニュグニュ感を維持でしていることから生じたものと思われる。なお、グニュグニュ感とは、例えて言うならば、クリーム程ではないが滑らかさがあり、かつ、歯ごたえも感じられるような生チョコにも似た食感のことである。

なお、氷菓の製造方法はこれらに限定されるものではない。これらの方法を適宜組み合わせて実施することも可能である。また、本葛粉等のデンプン質ゲル化材を溶かす際に水で溶かすことを説明したが、本発明はこれに特定されるものではなく、例えば水の替わりに、ライスミルク、ココナッツウォーター、ココナッツミルク等で本葛粉等のデンプン質ゲル化材を溶かすことも可能である。また、安定剤であるデンプン質ゲル化材として食感の観点から本葛粉を主成分とする例を説明したが、食感を変更する場合には、安定剤であるデンプン質ゲル化材として、本葛粉が主成分ではないものとすることもできる。なお、甘味料として、和三盆やアガベシロップやココナッツシュガー等の精製されていない甘味料を使用した例を説明したが、ＧＩ値、ミネラル成分、食感等の観点が問題にならない場合には、この他の甘味料、例えば精製された甘味料や合成甘味料等を用いることもできる。

［キューブ状ないしロック状の成形方法］
図１５にキューブ状ないしロック状の氷菓の一例の写真を示す。氷菓の形状をキューブ状ないしロック状にする方法は限定されるものではないが、例えば、大きな塊状のブロック状氷菓を細かく切断する方法、キューブ状ないしロック状の型により冷凍する方法、棒状の氷菓を複数に分割する方法等がある。

大きな塊状のブロック状氷菓を細かく切断する方法としては、例えば、大きな塊状のブロック状氷菓を格子状の例えばステンレス製の刃に押し付けることによりブロック状の氷菓を細長い四角柱状に切断する。次に、細長い四角柱状の長さ方向については、前記格子状の刃とは略直交する方向に設けられた別の刃によって切断されることによって、キューブ状ないしロック状氷菓が製造される。

キューブ状ないしロック状の型により冷凍する方法においては、例えば格子状に区切られた型を用いることにより、１つの型で複数のキューブ状ないしロック状の氷菓を製造することができる。

棒状の氷菓を複数に分割する方法としては、例えば、複数に分割しやすいように切込みが入った角柱状の氷菓を、切込みに沿って分割することにより、複数のキューブ状ないしロック状氷菓を製造することができる。また、切込みがなくとも、棒状の氷菓は例えばナイフやフォークやスプーンを用いて、あるいは、素手によっても簡単に複数に分割することが可能である。この場合、棒状の氷菓には手持棒があるものであっても、手持棒がないものであってもいずれでも構わないが、キューブ状ないしロック状氷菓とすることを目的に製造される棒状氷菓には手持棒は必要としない。

［第１の情報入力手段１１１について］
キューブ状ないしロック状氷菓が複数種類準備される工程において、製造されたキューブ状ないしロック状氷菓の情報が、第１の情報として、第１の情報入力手段１１１から入力される。第１の情報には、キューブ状ないしロック状氷菓の風味素材の種類、安定剤の種類、製造方法、形状、大きさ等の情報が含まれている。

第１の情報入力手段１１１は、特に限定されるものではないが、例えばキューブ状ないしロック状氷菓製造手段１２０からの情報を受信する通信手段、キューブ状ないしロック状氷菓製造手段１２０からの情報を記憶媒体を介して入力する手段、バーコードや二次元バーコードを読み取る手段、キーボードやタッチパネル等を介して入力する手段とすることができる。

［第２の情報入力手段１１２と、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４とについて］
第２の情報は端末１２１から第２の情報入力手段１１２に対して対話形式で入力されるが、この場合、第２の情報入力手段１１２は例えばブラウザ上で動作するものでもよいし、端末１２１にダウンロードされたアプリとして動作するものであってもよい。

第２の情報としては、
（ａ）風味素材の種類、
（ｂ）食味の好み、
（ｃ）食感の好み
（ｄ）甘味の程度、
（ｅ）酸味の程度、
（ｆ）香辛料の好み、
（ｇ）好みの食品、
（ｈ）苦手な食品、
（ｉ）食事の献立、
（ｊ）体形、
（ｋ）体質、
（ｌ）体調、
（ｍ）病気、
（ｎ）食事制限、
（ｏ）アレルギー食品、又は、
（ｐ）個人を特定する情報
のいずれか１つ以上に関する情報が含まれている。

第２の情報入力手段１１２では、上記（ａ）〜（ｐ）の情報に関する情報を入力するために、複数モードの入力が可能となっている。複数のモードは特に限定されるものではないが、例えば、次の（ア）〜（セ）等のモードを用意することができ、各モードにおいては、対話形式での情報の入力が可能となっている。
（ア）おすすめから選択するモード
（イ）風味素材、風味付加素材を直接選択するモード
（ウ）味の好みを入力するモード
（エ）食感の好みを入力するモード
（オ）好みの食品、苦手な食品を入力するモード
（カ）食事のバランスについて入力するモード
（キ）体調や体質について入力するモード
（ク）食物アレルギーについて入力するモード
（ケ）食事制限について入力するモード
（コ）ビタミン又はミネラルに関する質問を入力するモード
（サ）フィトケミカルに関する質問を入力するモード
（シ）薬膳に関する質問を入力するモード
（ス）アーユルヴェーダに関する質問を入力するモード
（セ）個人登録した情報から選択するモード

第２の情報入力手段１１２において、これらのモードのどれか１つだけを予め設定しておくこともできる。また、これらの中から複数の組み合わせを予め設定しておくこともできる。さらに、これらの中から１つ又は複数を顧客が選択できるようにしておくこともでき、この場合には、初めに顧客に対してどの入力モードを採用するかの選択を求める。

端末１２１としては、顧客の自身のスマートフォン、タブレト端末、ＰＣ、携帯電話等を用いることができるため、顧客は時間に余裕がある時に場所を問わず端末１２１を操作して、第２の情報入力手段１２への入力操作を行うことができる。このため、第２の情報入力手段１１２は例えばブラウザ上で動作するものや、端末１２１にダウンロードされたアプリとして動作するものとすることで、顧客による遠隔から第２の情報の入力を可能としている。また端末１２１は、店舗に備えられた端末、例えばタブレット端末やＰＣ等とすることもできる。

第２の情報入力手段１１２では、対話形式で質問に答えることにより、顧客が情報を入力することができる。多岐選択式の質問の場合には、スマートフォンやタブレット端末ではタッチパネルへのタッチによる入力、ＰＣの場合にはマウスのクリックによる、携帯電話の場合には数字キーによる入力が可能である。また、多岐選択式ではなく、文字入力を求める質問とすることもできる。

複数のモードの中から１つ又は複数を顧客が選択できるようにしておく場合、第２の入力手段では、初めに顧客に対してどの入力モードを採用するかの選択を求める。この場合、１つのモードのみを選択することも、複数のモードを選択することもできる。複数のモードを選択した場合には、選択したモードの組み合わせに応じて、質問内容が自動的に調整されて、選択した各モードの質問同士で整合が取れるようになっている。例えば、複数のモードを選択する際に、第１優先のモードを選択し、次に第２優先のモードを選択し、さらに第３優先以降のモードを順に選択していくというように、優先順位を考慮することにより、優先順位に従って複数のモード間の質問の順位の整合を図り、かつ、各質問に対する回答に対する重みを調整することもできる。これにより氷菓選択手段１３や風味付加素材選択手段１４における各種氷菓の選択の優先順位にも反映させることができる。

一例として、第１優先のモードとして、（コ）食事制限について入力するモードを選択し、第２優先モードとして、（ウ）味の好みを入力するモードとした場合には、例えば、１問目の問として食事制限に関する質問事項として、食事制限のカテゴリーとして、低ＧＩ値、低カロリー等を提示して、顧客の選択を求める。次に、２問目の問として、より具体的な食事制限の内容を提示する。例えば、低ＧＩ値であれば、どの程度のＧＩ値まで許容できるかを選択により、あるいは、数値入力により設定する。さらに、３問目の問として、今度は味の好みの入力のカテゴリーとして、甘味、酸味、塩味、旨味、渋味等を提示して顧客の選択を求める。さらに、選択されたカテゴリーについては、その程度について複数段階のレベルでの入力を求め、あるいは、その程度を数値として入力を求める。このようにして、食事制限の条件を満たしたうえ、かつ、好みの味を設定することができる。

複数のモードを選択できると説明したが、相互に矛盾するようなモード、互いに相いれないモードは、同時に選択することができないように設定されている。例えば、（シ）及び（ス）を同時に選択することはできないように設定されている。

（ア）〜（オ）のモードは入力が簡単であるため、店舗に備えられた端末２１から入力する場合に適しており、また、顧客の自身のスマートフォン等から注文する際にも、簡単に注文したいというニーズには適している。質問を多岐選択式にすれば、より簡単に注文することができるようになる。質問は１問とするだけではなく、１問目の回答内容用に応じた２問目、さらには、その２問目の回答内容に応じた３問目という具合に、複数の質問を対話形式で入力することにより、注文が完了できるようにすることができる。

例えば、風味素材や風味付加素材を直接指定する（イ）のモードにおいて、風味素材や風味付加素材の種類が多い場合には、１問で全ての風味素材や風味付加素材の種類の情報を表示して顧客に選択を求めると、顧客が選択しにくくなる。このような場合、１問目で風味素材の大まかな分類（例えば、果物、野菜、茶類、チョコレート、ナッツ等）の中から顧客に選択を求め、２問目で１問目の選択に応じた具体的な風味素材の種類を表示して顧客に選択を求めるようにすることができる。さらに、３問目では風味付加素材についても、風味付加素材無しの選択肢を含む、大まかな分類を顧客に提示し、選択を求め、４問目で３問目の問の選択に応じた具体的な風味付加素材の種類を提示して、顧客に選択を求めることができる。１問だけの質問とすることもできるが、場合によっては、上述のように、１問目〜４問目に分けて対話形式で質問した方が、顧客が選択しやすい場合もある。そして、このようにして入力された情報にしたがって、氷菓選択手段１３及び風味付加素材選択手段１４において、選択された氷菓及び風味付加素材の情報が第３の情報として、第３の情報出力手段１５から出力される。

さらに、注文を簡単にするためには、（ア）のモードのように、第２の情報入力手段１１２では、予め店舗がお勧めする風味素材と風味付加素材の組み合わせを複数種類用意しておき、予め決まった風味素材と風味付加素材の組み合わせの中から、対話形式の質問により、好みの氷菓を注文することができる。例えば、１問目の問では、お勧めのカテゴリーを表示する。このカテゴリーとしては、例えば、季節の果実、人気の定番、チョコレート風味、和風氷菓等を表示して、顧客の選択を求めることができる。２問目の問で、さらに１問目の回答に応じたカテゴリーのおすすめ氷菓を提示して、顧客の選択を求めることができる。さらに、３問目の問において、店舗が用意した風味素材と風味付加素材の組み合わせにおいて、風味付加素材の有無の選択ないし風味付加素材の変更等の注文ができるようにしておいてもよい。これらの情報から、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４において氷菓及び風味付加素材が選択される。

（ウ）味の好みを入力するモードでは、第２の情報入力手段１１２は、味の好みに関する質問により、顧客が好みの味に関する情報を把握し、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、この情報から顧客の好みの味となるように氷菓及び風味付加素材が選択される。

（ウ）のモードでは、一般的においしいと感じる味覚である五味、すなわち甘味、酸味、塩味、旨味及び苦味の中の１つ以上の情報を第２の情報として入力する。実施形態１では複数の氷菓を組み合わせることにより、様々な味を提供することができる。味の組み合わせは、例えば、チョコレートと抹茶の組み合わせ、苺とココナッツの組み合わせ等により風味を豊かにすることが可能である。さらには、キュウリに蜂蜜の組み合わせでメロンのような風味、トマトにアガベシロップとの組み合わせで苺のような風味等、様々な味の組み合わにより調味を行うことが可能である。氷菓に用いる風味素材及び氷菓に添加する風味付加素材の味を味覚センサーで分析することにより、食味を定量的に分析することが可能である。そして、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、顧客の好みを表す第２の情報と一致させるように、氷菓及風味付加素材の食味の組み合わせ定量的に分析することにより、氷菓及び風味付加素材の種類及び分量を選択することができる。

氷菓の溶け方は例えば食味のコクに影響を与える。例えば本葛粉を主成分とした氷菓には独特にとろみ感があり、口の中ですぐに解けるのではなく、ゆっくりと解ける。このため、食感としてはとろみ感があり、食味が長く続くためにコクがあるような食味として感じられる。このように、氷菓を口の中に入れてから溶けるまでの時間、すなわち、氷菓の後味を考慮することにより、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、食味としてコクを分析することもできる。

（エ）のモードでは、第２の情報入力手段１１２は、食感の好み関する質問により、顧客が好みの食感に関する情報を把握し、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１４においては、この情報から顧客の好みの食感となるように氷菓及び風味付加素材が選択される。

前述のとおり氷菓は安定剤の種類、レシピ等を調整することにより、食感を調整することができる。例えば、安定剤として、本葛粉は独特のとろみ感を有し、蓮根粉はモチモチ感を有し、米粉はねっとり感を有する。また、例えば安定剤を水で溶くことに替えて、ライスミルクで溶くことにより、グニュグニュ感を付与することができる。このように、食感は氷菓ごとに調整可能であり、複数の食感を有する氷菓を準備しておくことが可能である。これにより、食感の好みの入力に対する対応も可能となる。そして、顧客から入力された食感の好みに関する情報を考慮して、氷菓選択手段１１３において氷菓が選択される。風味付加素材としてはパウダーが用いられるため、通常、風味付加素材は食感には影響を与えない。ただし、風味付加素材として、例えばチョコレートチップ、粒状ナッツ、オレンジピューレ、フルーツの果肉等を用いる場合には、食感にも影響を与えるため、第２の情報入力手段１２において、風味付加素材についての食感の質問も加えておくことも可能である。

（オ）好みの食品、苦手な食品を入力するモードでは、第２の情報入力手段１１２は、好みの食品及び苦手な食品に関する質問により、顧客の好みの食品及び苦手な食品に関する情報を把握し、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、この情報から顧客の好みの食品及び苦手な食品を考慮して氷菓及び風味付加素材が選択される。すなわち、顧客が採用したい具体的な食品や、採用したくない具体的な食品の情報を把握することができる。

（カ）〜（セ）のモードでは、設問が複雑になることがあるため、入力に時間を要することもある。このため、これらのモードの場合には、顧客自身のスマートフォン等の端末２１から、入力するか、予め第２の情報の入力内容を登録しておくことが望ましい。予め第２の情報の入力内容を登録しておけば、（セ）個人登録した情報から選択するモードにおいて、容易に好みの氷菓を注文することができる。予め第２の情報の入力内容を登録する際には、顧客が自由に名前を付すこともでき、顧客のオリジナルの氷菓として登録することが可能となる。

（カ）食事のバランスについて入力するモードでは、第２の情報入力手段１１２は、食事のバランスに関する質問により、顧客の食事のバランスに関する情報を把握し、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、この情報から顧客が必要としている氷菓及び風味付加素材が選択される。例えば、（カ）のモードでは、当日の食事の献立等に関する質問項目が用意されており、当日の献立等を考慮して、栄養バランスの観点から、不足している栄養素を補えるように、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４において氷菓及び風味付加素材が選択される。例えば、野菜が不足している場合には、野菜のピューレ入りの氷菓が選択される。

（カ）のモードで入力された情報を基に、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１４においては、例えば、栄養管理の観点からの分析が行われる。食べ物から摂取される生命維持に必要な物質である栄養素の中、特に重要な炭水化物、タンパク質及び脂質を三大栄養素と呼び、これにビタミン及びミネラルを加えたものを五大栄養素と呼ぶ。この栄養素をバランスよく摂取するために、食品を六つの栄養食品群に分けて、この食品群からバランスよく食材を選ばれるように、分析が行われる。具体的には、第１群の肉・魚・卵・大豆・大豆製品は、たんぱく質が多く含まれ、筋肉や血液をつくる。第２群の牛乳・乳製品・海藻・小魚は、カルシウムが多く含まれ、骨や歯をつくる。第３群の緑黄色野菜は、ビタミン・ミネラルが豊富で、皮膚や粘膜の保護し、体の各機能を調節する。第４群の淡色野菜・果物は、ビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれ、体の各機能を調節し、免疫力をアップする。第５群の穀類・イモ類・砂糖類は、炭水化物が多く、体内ですばやくエネルギーに変わり、体の各機能を調節する。第６群の油脂類・脂肪の多い食品は、脂肪が多く、脂肪性エネルギー源になる。実施形態１の氷菓では、この栄養食品の中で不足しがちな食品である、緑黄色野菜、淡色野菜、果物を含むものが準備されているため、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、栄養管理の観点からの分析が行われ、顧客に不足している栄養食品を補うように、氷菓及び風味付加素材が選択される。

（キ）体調や体質について入力するモードでは、第２の情報入力手段１１２において、質問項目として体調や体質に関する顧客の情報を入力し、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、この情報に応じて顧客に適した氷菓及び風味付加素材が選択される。例えば、冷え症の自覚がある場合には、生姜等を含んだ氷菓又は風味付加素材を選択する。また例えば、貧血の症状がある場合には、鉄分を多く含んだ食材、例えばプルーンを含んだ氷菓又は風味付加素材を選択する。

（ク）食物アレルギーについて入力するモードでは、第２の情報入力手段１１２は、食物アレルギーに関する質問により、顧客の食物アレルギーに関する情報を入力し、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、この情報から顧客の食物アレルギーに問題がある食材を避けて、氷菓及び風味付加素材が選択される。なお、（ク）食物アレルギーについて入力するモードで入力された情報は、最優先項目として設定され、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、確実に顧客のアレルギーに問題がある食材を避けるようにする。

（ケ）食事制限について入力するモードでは、第２の情報入力手段１１２は、食事制限に関する質問により、顧客の食事制限に関する情報を入力し、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、この情報から顧客の食事制限を考慮して氷菓及び風味付加素材が選択される。例えば、ＧＩ値に制限が必要な場合には、所定のＧＩ値よりも低い糖類を用いた氷菓を選択する。また、例えば、カロリーに制限が必要な場合には、カロリーが所定値よりも低い氷菓を選択する。なお、（ケ）食事制限について入力するモードで入力された情報は、上記（ク）のモードで入力された情報と共に、最優先項目として設定され、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、確実に（ケ）で入力された条件を満たすように、氷菓及び風味付加素材が選択される。

（コ）ビタミン又はミネラルに関する質問を入力するモードでは、第２の情報入力手段１２は、ビタミン又はミネラルに関する質問により、顧客が必要としてビタミン又はミネラルに関する情報を把握し、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、この情報から顧客が必要としているビタミン又はミネラルを補給できるように考慮して氷菓及び風味付加素材が選択される。第２の情報入力手段１１２における質問事項としては、ビタミン又はミネラルの効能に対応するもが採用される。そして、例えば、肌荒れが気になる場合にはビタミンＢ２、肩こりにはビタミンE、乳製品を取れない場合にはカルシウム、妊婦にはヨウ素等のビタミン又はミネラルを含んだ氷菓及び風味付加素材が選択される。

（コ）フィトケミカルに関する質問を入力するモードでは、第２の情報入力手段１１２は、フィトケミカルに関する質問により、顧客が必要としてフィトケミカルに関する情報を把握し、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、この情報から顧客が必要としているフィトケミカルを補給できるように考慮して氷菓及び風味付加素材が選択される。

フィトケミカルとは、植物中に存在する天然の化合物ことである。植物性食品には、ビタミンやミネラル等の栄養素及び食物繊維が含まれているが、フィトケミカルとは、色、香り、苦味等の、ビタミンやミネラル等の栄養素以外の成分のことをいう。食物の５大栄養素は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン及びミネラルであり、近年では、食物繊維が第６の栄養素として注目されてきたが、フィトケミカルは第７の栄養素として取り上げられるようになってきたと言われている。

第２の情報入力手段１１２における質問事項としては、フィトケミカルに関するものが採用される。非特許文献１によると、例えば、がん予防や動脈硬化予防には、リコピンを含むトマトあるいはカプサンチンを含むパプリカやトウガラシ、コレステロールの調整には、カテキンを含む緑茶や柿、加齢による視力低下予防には、アントシアニンを含むブルーベリー等のベリー類等の食品を取るとよいとされている。

（シ）薬膳に関する質問を入力するモードでは、第２の情報入力手段１１２は、薬膳に関する質問により、顧客に対応する薬膳に関する情報を把握し、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、この情報から薬膳の観点から顧客が必要としている氷菓及び風味付加素材が選択される。

飲食で疾患を治す治療方法は、東洋医学では医食同源と呼ばれ、これを薬膳、すなわち、薬膳料理という調理及び漢方薬を組み合わせた調理方法により実現しようとしてきたと言われており、また薬膳は、予防医学の観点から、病気にかかりにくい体質を作ることに役立つとされている。

非特許文献２によると、薬膳では、東洋医学の五味、五性、五季の考えに基づいて健康を維持する食養方法が採用され、五味とは、酸・苦・甘・辛・かんのことであり、酸は、酸っぱい味のことで、気血に関し、苦はにがい味のことで、熱と津液に関し、甘は甘い味のことで、虚、気血、津水に関し、辛は辛い味のことで、気血に関し、かんは、塩辛い味のことで、排泄に関するとされている。

また、五性は、食品を、熱・温・平・涼・寒に分類され、例えば、夏に収穫されるトマトは寒に分類され、体を冷やす効果が有り、五季は、季節のことで、四季に加えて、梅雨を加えた５つの季節が考慮されるとされている。

（シ）のモードでは、薬膳に関する質問により、顧客の情報を入力し、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、この情報からこの薬膳の観点から顧客が必要としている氷菓及び風味付加素材が選択される。

（ス）アーユルヴェーダに関する質問を入力するモードでは、第２の情報入力手段１１２は、アーユルヴェーダに関する質問により、顧客に対応するアーユルヴェーダに関する情報を把握し、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、この情報からアーユルヴェーダの観点から顧客が必要としている氷菓及び風味付加素材が選択される。

アーユルヴェーダは、インド及びスリランカ等インド大陸における伝統医学で、自身の心と身体の状態を把握し、心身共に調和のとれた健康な状態を維持すると共に、病気を防ぐという、予防医学でもあるとされている。非特許文献３によると、食品は、アーユルヴェーダ薬物と同じように心身のバランス（例えば、ヴァータ（風のエネルギー）、ピッタ（熱のエネルギー）、カパ（水のエネルギー）のバランス）に影響を与えると考えられており、その薬効は、ラサ（味、味覚の対象）、ヴィルーヤ（性質）、グナ（属性）、ヴィパーカ（消化後の味）を総合して判断され、ラサは甘・酸・塩・辛・苦・渋の６種類に分類され、ヴィルーヤは、熱性・冷性・どちらでもないものの３種類に分類され、グナは、寒・熱・油・乾・重・軽・鈍・鋭の８種類、あるいは、これら８種類にさらに、滑・荒・固・液・軟・硬・静・動・微細・粗・粘凋・清澄を加えた２０種類に分類され、ヴィパーカは、消化により６種類のラサが変化したもので、甘・酸・辛の３種類に分類されるとされている。（ス）のモードでは、第２の情報入力手段１１２は、アーユルヴェーダに関する質問により、顧客の心身の状態に関する情報を把握し、氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４においては、この情報を分析して、アーユルヴェーダの観点から顧客が必要としている氷菓及び風味付加素材が選択される。

［第３の情報出力手段１１５について］
氷菓選択手段１１３及び風味付加素材選択手段１１４において選択された氷菓及び風味付加素材に関する第３の情報は、氷菓切削手段１２２に提供される。第３の情報出力手段１５において、氷菓切削手段１２２に第３の情報を提供する手段は、有線通信又はワイヤレス通信等による通信手段とすることもできるし、記憶媒体を介したデータの提供とすることもできるし、注文票等の紙媒体による提示とすることもできるし、バーコードや二次元バーコートによる提示とすることもできるし、表示手段による表示によるデータの提示とすることもできる。

また第３の情報出力手段１１５は、端末１２１に対しても第３の情報を提供することができる。端末１２１がユーザの端末、例えばスマートフォン、タブレット端末、携帯電話等である場合には、第３の情報出力手段１１５から端末１２１への第３の情報の提供は、ワイヤレス通信によって行われることが望ましい。端末１２１が店舗に備えられた端末である場合において、この端末１２１が例えばタブレット端末である場合には、第３の情報出力手段１５から端末１２１への第３の情報の提供は、ワイヤレス通信によって行われることが望ましく、また、この端末が例えばＰＣである場合には、第３の情報出力手段１１５から端末１２１への第３の情報の提供は、有線通信又はワイヤレス通信により行われることが望ましい。第３の情報は端末１２１に表示することが可能であり、これにより、第３の情報は顧客に提供される。

第３の情報出力手段１１５から端末１２１への第３の情報には、選択された氷菓又は風味付加素材に関する情報として、さらに、当該氷菓の成分、風味素材又は風味付加素材についての名前、種類、効能、説明、医学的・薬学的・栄養学的・療法的な知見、評判、口コミ情報、又は、ネット上の情報のいずれか１つ以上の情報を含めることができる。これらの第３の情報は、第２の情報入力手段１１２における（ア）〜（セ）等のモードに対応するように端末２１に表示される。

実施形態１では、最初に第２の情報入力手段１１２により第２の情報が入力された時点で、注文を確定するものとして説明したが、本発明はこれに特定さえるものではない。例えば、第３の情報出力手段１１５から端末１２１に第３の情報が送信され、顧客がこの第３の情報を確認した後に注文を確定するようにすることもできる。この場合には、顧客は第３の情報に含まれている多様な情報を確認して納得した上、注文を確定することができるため、より顧客の納得感を得ることができる。ここで、顧客が第３の情報を確認して納得がいかないときには、第２の情報入力手段１１２により別の第２の情報を入力することもできる。

（ア）〜（オ）のモードに対しては、少なくとも、各氷菓の成分、風味素材又は風味付加素材についての名前、種類、効能及び説明を第３の情報として、端末１２１に表示することが望ましい。効能としては、特に、各氷菓に含まれる風味素材又は風味付加素材についての健康増進効果を端末１２１に表示することができる。また、特に（ア）のモードの場合には、評判や口コミ情報を併せて端末１２１に表示することが望ましい。さらに、各氷菓の成分、風味素材又は風味付加素材についてのネット上の情報を提供するようにしてもよい。これにより、顧客が自分の好みに合った氷菓が選択されたこと、及び、その氷菓の利点を十分に把握でき、削り氷菓を食する楽しみを高めることができる。

（カ）又は（キ）のモードに対しては、少なくとも、顧客が補充すべき食品や栄養素、及び、その効能についての情報を第３の情報として含むことが望ましい。また、（カ）のモードについては、栄養学的な分析結果を併せて第３の情報に含めること望ましい。また、（キ）のモードについては、風味素材又は風味付加素材の体調改善効果や体質改善効果についての情報を第３の情報に含めること望ましく、さらに、評判、口コミ情報、又は、ネット上の情報を提供することもできる。これにより、顧客は選択された氷菓を食することにより、心身の調子を整え、体調や体質の改善効果が期待できるという満足感を得ることができる。

（ク）又は（ケ）のモードに対しては、少なくとも、顧客が入力した第２の情報に基づいて氷菓の成分から除いた食品や成分の情報を第３の情報に含めること望ましい。さらに（ケ）のモードに対して各氷菓の成分、風味素材又は風味付加素材についての食事制限に対応するＧＩ値やカロリー等の情報を、情報を第３の情報に含めること望ましい。これにより、顧客は食物アレルギーに対応する食品が含まれないこと、あるいは、食事制限の条件を満たすことを知ることができることにより、安心して削り氷菓を食することができる。

（コ）又は（サ）のモードに対しては、少なくとも、栄養学的な知見、ビタミン、ミネラル、又は、フィトケミカルに関する効能についての情報を第３の情報に含めること望ましく、さらに、評判、口コミ情報、又は、ネット上の情報を提供することもできる。これにより、顧客は選択された氷菓に健康増進効果、体調・体質改善効果が期待できることを知ることができ、削り氷菓を食することによる満足感を高めることができる。

（シ）又は（ス）のモードに対しては、少なくとも、薬膳やアーユルヴェーダの観点からの診断結果及び補充すべき食品や成分の情報を第３の情報に含めること望ましく、また、医学的・薬学的・栄養学的・療法的な知見も含めることが望ましい。特に、薬膳又はアーユルヴェーダの観点から、選択された氷菓の成分、風味素材、又は、風味付加素材がどのように顧客の体調・体調・心身のバランスの改善に役立つのかについての情報を第３の情報に含めること望ましい。これにより、顧客は削り氷菓に含まれる食材や成分により、体調・体調・心身のバランスの改善効果が期待できることを知ることにより、削り氷菓を食することによる満足度を高めることができる。

（セ）のモードに対しては、顧客が選択したオリジナルの組み合わせからなる削り氷菓について、少なくとも、登録された名称、各氷菓の成分、風味素材又は風味付加素材についての名前、種類、効能及び説明を第３の情報に含めることが望ましい。これにより、顧客は、自分だけのオリジナルの削り氷菓を選択して、食する楽しみを得ることができる。

［氷菓切削手段１２２について］
図１６に充電式コードレスのハンディータイプのかき氷器の一例を示し、図１７に図１６のかき氷器を使用して氷菓を切削しているときの様子を示し、図１８に削り氷菓の一例を示す。

第３の情報出力手段１１５から提供された第３の情報に基づいて、氷菓切削手段１２２においては、選択された各キューブ状ないしロック状氷菓を選択された個数だけ、かき氷器により、切削する。キューブ状ないしロック状氷菓を切削するには、かき氷器としては、コンパクトなかき氷器を用いることが可能である。コンパクトなかき氷器としては、例えば家庭用又は業務用に市販されている手動又は電動のかき氷器を用いることもできるし、手動又は電動のハンディータイプのかき氷器を用いることもできる。特に、ハンディータイプの電動かき氷器を用いると手軽に削りアイスを製造することができる。この時、特に充電式等のコードレスのハンディータイプのかき氷器を用いると、顧客の目の前でかき氷器を用いてキューブ状ないしロック状氷菓を切削することにより、削り氷菓を提供することができる。これは店舗におけるパフォーマンスともなり、顧客にとっては、自分で選択した氷菓が目の前で削り氷菓として切削されることを見ることにより、より満足度を高めることができる。

また削り氷菓は器に直接盛り付けることができる。この器として、例えば有底円筒状、あるいは、有底角柱状の最中の器を用いることもできる。最中の器に盛りつけた削り氷菓は意匠的にも優れている上、スプーンで食することもできるが、最中と一緒に食することにより、異なる食感を楽しむこともできる。さらに、有底円筒状、あるいは、有底角柱状の最中の器２個をそれぞれの開放縁側を重ね合わせるようにして、その間に削り氷菓をサンドイッチ状に挟み込むこともできる。

また、削り氷菓は他の食品の上にトッピングとして削りかけることも可能である。例えばパンケーキやワッフル等の食品の上から、ハンディータイプのかき氷器で削った削りアイスを直接トッピングすることができる。

削り氷菓には、第３の情報により選択された風味素材が添加される。風味付加素材としてのパウダー状の素材は、特に限定されるものではないが、例えばアルコール（エチルアルコール）、ビタミン剤、食物繊維、香料、香辛料又はシーズニング等が含まれる。また、風味付加素材は例えばチョコレートチップ、粒状ナッツ、オレンジピューレ、フルーツの果肉等の粒状体であってもよい。そして、風味付加素材は、氷菓の製造工程において添加されることもできるし、また、氷菓の切削後にトッピングすることにより添加されることもできる。風味付加素材を氷菓の切削後にトッピングする場合には、多種多様な風味素材を用意しておくことにより、風味付加素材を自由に組み合わせることができる。

［実施形態１１］
図１９を参照して、実施形態２の削り氷菓の製造方法を説明する。実施形態２は自宅等で削り氷菓を製造する方法であり、図１９の中、実施形態１と同様の部分については同一の符号を付し、その説明は省略する。

実施形態１１では、顧客は端末１２１から第２の情報入力手段１１２により、顧客に適した氷菓及び／又は風味付加素材に関する第２の情報を入力する。第２の情報には、顧客の個人情報として配送先の情報が含まれている。端末１２１は、顧客のスマートフォン、タブレット端末、ＰＣ、携帯電話等であり、顧客は端末１２１を用いて、遠隔でキューブ状ないしロック状氷菓及び／又は風味付加素材を注文する。この場合、第２の情報入力手段１２は例えばブラウザ上で動作するものでもよいし、端末１２１にダウンロードされたアプリとして動作するものであってもよい。

注文が確定され、氷菓選択手段１１３及び／又は風味付加素材選択手段１１４により、氷菓及び／又は風味付加素材が選択されると、第３の情報出力手段１１５から氷菓発送手段３２に対して、キューブ状ないしロック状氷菓及び／又は風味付加素材に関する第３の情報が提示される。さらに第３の情報には、端末１２１から第２の情報入力手段１１２に入力された個人を特定する情報に含まれている配送先情報が含まれている。第３の情報出力手段１１５において、氷菓発送手段１３２に第３の情報を提供する手段は、有線通信又はワイヤレス通信等による通信手段とすることもできるし、記憶媒体を介したデータの提供とすることもできるし、注文票等の紙媒体による提示とすることもできるし、バーコードや二次元バーコートによる提示とすることもできるし、表示手段による表示によるデータの提示とすることもできる。

氷菓発送手段１３２においては、第３の情報に付加されている顧客の個人を特定する情報に含まれている配送先情報にしたがって、選択されたキューブ状ないしロック状氷菓及び／又は風味付加素材を指定された配送先、例えば顧客の自宅等に配送する。

顧客から最初に発送の注文を受けた際には、氷菓発送手段１３２は、かき氷器、例えば、充電式コードレスのハンディータイプかき氷器を選択されたキューブ状ないしロック状氷菓及び／又は風味付加素材と共に、指定された配送先に配送する。

第３の情報出力手段１１５から氷菓発送手段１３２に対して、キューブ状ないしロック状氷菓及び／又は風味付加素材に関する第３の情報が提示されるのは、注文が確定した後のタイミングとすることが望ましい。最初に第２の情報入力手段１１２により第２の情報が入力された時点で、注文を確定するものとしてもよいが、本発明はこれに特定さえるものではない。例えば、第３の情報出力手段１１５から端末１２１に第３の情報が送信され、顧客がこの第３の情報を確認した後に注文を確定するようにすることもできる。この場合には、顧客は第３の情報に含まれている多様な情報を確認して納得した上、注文を確定することができるため、より顧客の納得感を得ることができる。ここで、顧客が第３の情報を確認して納得がいかないときには、第２の情報入力手段１２により別の第２の情報を入力することもできる。

顧客が発送されたキューブ状ないしロック状氷菓及び／又は風味付加素材を受け取った後は、顧客は最初の注文時に送付されていたハンディータイプのかき氷器を用いて、配送先である自宅等で削り氷菓を製造することができる。発送されたキューブ状ないしロック状氷菓は、家庭の冷凍庫で保存が可能であるので、顧客は家庭の冷凍庫で保存されているキューブ状ないしロック状氷菓によって、ハンディータイプのかき氷器を用いることにより、顧客に適したオリジナルの削り氷菓をいつでも手軽に製造することができる。

注文するキューブ状ないしロック状氷菓の個数は任意に設定することができる。例えば６個入り、１２個入り等、自由に選択できる。また、異なる食味・食感のキューブ状ないしロック状氷菓を同時に注文し、同時に配送することも可能である。

顧客が氷菓を注文する際には、併せて最中の器を注文することもできる。また、ハンディータイプのかき氷器を追加で注文することができるようにしておくこともできる。実施形態１１では、家庭等において削り氷菓を製造するために、予め配送されてきたハンディータイプのかき氷器を用いる例を説明したが、本発明はこれに特定されるものではなく、例えば、家庭用の手動又は電動のかき氷器を用いて削り氷菓を製造することもできる。なお、ハンディータイプのかき氷器は、刃の長さを調整すること、あるいは、刃がついたアタッチメントを交換することにより、削り氷菓の厚み等を調整することができる。これにより、同じキューブ状ないしロック状の氷菓を用いた場合にも、食感を調整することが可能である。

実施形態１１では、顧客は自宅等を配達先に指定することを前提として説明したが、本発明はこれに特定されるものではない。例えば、顧客は特定の店舗を指定して、氷菓を予約しておくことも可能である。店舗によっては、キューブ状ないしロック状の氷菓の種類や風味付加素材の種類に多少の違いがある場合も想定される。このような場合でも顧客が確実に特定の店舗で希望どおりの氷菓を提供してもらえるようにするために、顧客は予めその店舗において特定の第２の情報を用いて予約しておくことができる。

実施形態１０又は実施形態１１では、削り氷菓をそのまま食するものとして説明したが、本発明はこれに特定されるものではない。例えば、この削り氷菓を低温冷凍機で再冷凍することもできる。このように、削り氷菓を低温冷凍機で再冷凍と、口に入れた際に、
（１）パリパリとしたせんべいのような固い歯触りのある食感
（２）口に入れると柔らかくなる食感、
（３）口に入れて３秒程度で解けてなくなる際の独特のとろみ感のある食感、
の３種類の食感を楽しむことができる。

１１…切断工程 １２…過熱水蒸気殺菌工程
１３…破砕工程 １４…第１水溶液調製工程
１５…第２水溶液調製工程 １６…型内注入工程
１７…冷凍工程 ２０…自転公転式ミキサー
２１…回転部材 ２２…自転方向
２３…公転方向 ３０、３０Ａ…冷凍機
３１…方形状の容器 ３２…熱交換器
３３…冷却媒体（冷媒） ３４…導管
３５…液化窒素 ３６…出口端
３７、３８、４０…導管 ３９…循環ポンプ
４１…入口端 ４５…アイス型
４６…第２水溶液 ４７…持ち手バー
５０…パック入り飲料製造工程 ５１…ピューレ又はペーストを用意する工程
５１ａ…切断工程 ５１ｂ…過熱水蒸気殺菌工程
５１ｃ…破砕工程 ５２…客の注文に応じて食材を選択する工程
５２ａ…容器入り飲料を選択 ５２ｂ…氷菓を選択
５３…密閉容器に充填して密閉する工程 ５４…冷凍工程
５５…氷菓の製造方法選択工程 ６０…パック入り飲料製造システム
６１…第１の情報入力手段 ６２…第２の情報入力手段
６３…情報入力手段 ６４…客の嗜好分析手段
６５…第３の情報出力手段 ６６…飲料、ピューレ又はペーストの製造手段
６７…端末 ６８…パック入り飲料又は氷菓の製造手段
７０，７０Ａ…パック入り飲料 ７１、７１Ａ…密閉容器
７２…飲み口 ７３…キャップ
７８…ラベル

Claims (62)

1. 以下の（１）〜（３）の工程を備えることを特徴とする食材のピューレないしペーストの製造方法。
   （１）食材に応じた既定の大きさ以上の場合には食材を所定の大きさに切断する工程と、
   （２）所定温度の過熱水蒸気雰囲気において低酸素状態で所定時間にわたり加熱殺菌する工程と、
   （３）食材の種類又はピューレないしペーストの仕上がり状態に応じて、自転公転式ミキサー、石臼式摩砕機、又は、回転刃式ミキサーのいずれかによって食材をピューレ状ないしペースト状に加工する工程。
2. 前記（１）の工程では、食材は果実、野菜、豆類、種実類又は穀物であることを特徴とする請求項１に記載の食材のピューレないしペーストの製造方法。
3. 前記（１）の工程では、複数の回転丸刃を用いて食材を所定の大きさに切断することを特徴とする請求項１又は２に記載の食材のピューレないしペーストの製造方法。
4. 前記（２）の工程では、１００℃〜２８０℃の過熱水蒸気を用い、１分〜６０分の時間にわたり加熱殺菌することを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の食材のピューレないしペーストの製造方法。
5. 前記（３）の工程では、食材の種類又はピューレないしペーストの仕上がり状態に応じて、自転公転式ミキサー、石臼式摩砕機、又は、回転刃式ミキサーのいずれかの手段を使い分けると共に、各手段の設定を調整可能であることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の食材のピューレないしペーストの製造方法。
6. 請求項１〜５のいずれかの食材のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料の中から選択された少なくとも１種の飲料を用いると共に、以下の（４）〜（６）の工程を備えることを特徴とする氷菓の製造方法。
   （４）選択された飲料に安定剤を加えて第２水溶液を調製する工程、
   （５）前記第２水溶液を所定の形状の型内に注入する工程、
   （６）前記型の周囲に冷媒を循環させて、前記型内に注入された第２水溶液を冷凍して凍結させる工程。
7. 前記（４）の工程は、
   （４−１）水ないしぬるま湯に安定剤を溶かした第１水溶液を調製する工程、
   （４−２）前記第１水溶液に前記選択された飲料を加えて第２水溶液を調製する工程、
   からなることを特徴とする、請求項６に記載の氷菓の製造方法。
8. 前記（４）の工程は、食材のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料が冷凍されている場合には、解凍する工程を含むことを特徴とする、請求項６又は７に記載の氷菓の製造方法。
9. 請求項１〜５のいずれかの食材のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料の中から選択された少なくとも１種の飲料を用いると共に、以下の（４ａ）〜（５ａ）の工程を備えることを特徴とする氷菓の製造方法。
   （４ａ）選択された飲料に安定剤を加えて第２水溶液を調製する工程、
   （５ａ）前記第２水溶液を撹拌しながら冷却して氷菓に空気を含める工程。
10. 前記（４ａ）の工程は、
    （４ａ−１）水ないしぬるま湯に安定剤を溶かした第１水溶液を調製する工程、
    （４ａ−２）前記第１水溶液に前記選択された飲料を加えて第２水溶液を調製する工程、
    からなることを特徴とする、請求項９に記載の氷菓の製造方法。
11. 前記（４ａ）の工程は、食材のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料が冷凍されている場合には、解凍する工程を含むことを特徴とする、請求項９又は１０に記載の氷菓の製造方法。
12. 氷菓のオーバーランは６０〜３００％であることを特徴とする請求項９〜１１のいずれか１項に記載の氷菓の製造方法。
13. 前記（５ａ）の工程で得られた氷菓を、ソフトクリーム状、アイスキャンディー状、カップアイス状、最中アイス状、又は、削りアイス状から選択される少なくとも１つの形態で提供することを特徴とする請求項９〜１２のいずれか１項に記載の氷菓の製造方法。
14. さらに、（６ａ）前記（５ａ）の工程で得られた氷菓をアイスバット、カップ又は食材の形状を模した容器に収容する工程を備えることを特徴とする請求項９〜１３のいずれか１項に記載の氷菓の製造方法。
15. 前記安定剤は、本葛粉、葛粉、蓮根粉、米粉、玄米粉、わらび粉、いも粉、寒天又はゼラチンのいずれか１つ、または、これら２以上の組み合わせであることを特徴とする請求項６〜１４のいずれか１項に記載の氷菓の製造方法。
16. 前記安定剤は、微粉砕されたものであることを特徴とする請求項１５に記載の氷菓の製造方法。
17. 前記（４）又は（４ａ）の工程ではさらに
    （ａ）和三盆、アガベシロップ、黒砂糖、メープルシロップ又は含蜜糖からなる甘味料、
    （ｂ）アルコール、ビタミン剤、食物繊維、香料、香辛料又はシーズニングからなる風味付加素材、及び、
    （ｃ）パウダー状の素材
    からなる群から選択されるいずれか１つ、または、これら２以上を組み合わせたものを添加することを特徴とする請求項６〜１６のいずれか１項に記載の氷菓の製造方法。
18. 請求項１〜５のいずれか１項の食材のピューレないしペーストの製造方法を採用したことを特徴とする食材のピューレないしペーストの製造システム。
19. 前記製造システムはコンテナ状のユニットであり、前記ユニットは積み重ねることが可能であることを特徴とする請求項１８に記載の食材のピューレないしペーストの製造システム。
20. 請求項１〜５のいずれか１項の食材のピューレないしペーストの製造方法により製造された食材のピューレないしペースト。
21. 請求項６〜１７のいずれか１項の氷菓の製造方法を採用したことを特徴とする氷菓の製造システム。
22. 前記製造システムはコンテナ状のユニットであり、前記ユニットは積み重ねることが可能であることを特徴とする請求項２１に記載の氷菓の製造システム。
23. 請求項６〜１７のいずれか１項の氷菓の製造方法により製造された氷菓。
24. 請求項１〜５のいずれかの食材のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料の中から選択された少なくとも１種の飲料を用いると共に、以下の（１ｂ）〜（４ｂ）の工程を備えることを特徴とする、客の注文に対応した密閉容器入り飲料の製造方法。
    （１ｂ）予め各種食材の飲料、ピューレ又はペーストを用意する工程、
    （２ｂ）客の注文に対応する食材の飲料、ピューレ又はペーストを少なくとも１つ選択する工程、
    （３ｂ）選択された前記食材の飲料、ピューレ又はペーストを密閉容器に充填して密封する工程、
    （４ｂ）前記食材の飲料、ピューレ又はペーストが充填された密閉容器を、前記食材の飲料、ピューレ又はペーストが客の注文に対応する状態となるように、所定の温度に維持された冷凍機により所定の時間冷却する工程。
25. 前記所定の温度に維持された冷凍機として冷却された冷媒が循環される容器を有するものを用い、前記食材が充填された密閉容器を前記容器の冷媒中に浸漬することを特徴とする、請求項２４に記載の客の注文に対応した密閉容器入り飲料の製造方法。
26. 前記食材の飲料、ピューレ又はペーストが冷却される温度及び／又は時間は、客の注文に応じて設定されることを特徴とする、請求項２４又は２５に記載の客の注文に対応した密閉容器入り飲料の製造方法。
27. 前記客の注文に対応する食材の飲料、ピューレ又はペーストには、客の注文に応じて選択された種類及び／又は分量の甘味料、客の注文に応じて選択されたトッピング食材、又は、客の注文に応じて選択された添加食材から選択される少なくとも１つが添加されることを特徴とする、請求項２４〜２６のいずれか１項に記載の客の注文に対応した密閉容器入り飲料の製造方法。
28. 請求項１〜５のいずれかの食材のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料の中から選択された少なくとも１種の飲料を用いると共に、以下の（１ｃ）〜（３ｃ）の工程を備えることを特徴とする、客の注文に対応した密閉容器入り飲料の製造システム。
    （１ｃ）予め各種食材の飲料、ピューレ又はペーストの中から、客の注文に対応する食材の飲料、ピューレ又はペーストを選択する工程、
    （２ｃ）選択された前記食材の飲料、ピューレ又はペーストを密閉容器に充填して密封する工程、
    （３ｃ）前記食材の飲料、ピューレ又はペーストが充填された密閉容器を、前記食材の飲料、ピューレ又はペーストが客の注文に対応する状態となるように、所定の温度に維持された冷凍機により所定の時間冷却する工程。
29. 請求項１〜５のいずれかの食材のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料の中から選択された少なくとも１種の飲料を用いると共に、以下の（ａ）〜（ｃ）の手段を備えることを特徴とする、客の注文に対応した密閉容器入り飲料の製造システム。
    （ａ）予め準備された各種食材の飲料、ピューレ又はペーストに関する情報が第１の情報として入力される手段と、
    （ｂ）端末から第２の情報が入力され、前記第１の情報及び前記第２の情報を用いて食味の嗜好及び冷却ないし冷蔵の程度が分析され、前記第１の情報として入力された各種食材の飲料、ピューレ又はペーストの中から選択された少なくとも１つの飲料、ピューレ又はペーストが所定の分量だけ選択されると共に、冷凍機により冷却する温度及び／又は時間が設定される手段、
    （ｃ）密閉容器に充填される、冷却される飲料、ピューレ又はペーストの情報として、冷凍機により冷却する温度及び／又は時間、及び、前記（２）の手段で選択された飲料、ピューレ又はペーストに関する第３の情報を出力する手段。
30. 前記（ｂ）の手段では、
    （ｂ−１）食材の飲料、ピューレ又はペーストが冷却される温度及び／又は時間は、客の注文に応じて設定されること、
    （ｂ−２）第２の情報に応じて、氷菓に添加される甘味料の種類及び／又は分量、氷菓に添加される添加食材、又は、氷菓に添加されるトッピング食材から選択される少なくとも１つが決定されること、
    からなる群から少なくとも１つが実行される、請求項２９に記載の客の注文に対応した密閉容器入り飲料の製造システム。
31. 請求項２９又は３０のいずれか１項に記載の客の注文に対応した密閉容器入り飲料の製造システムにおける各手段としてコンピュータを動作させるためのものであることを特徴とする、客の注文に対応した密閉容器入り飲料の製造プログラム。
32. 請求項３１に記載の客の注文に対応した密閉容器入り飲料の製造プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
33. 客の選択に応じた食材の飲料、ピューレ又はペーストが密閉容器に充填して密封され、
    前記ピューレないしペーストが請求項１〜５のいずれかの食材のピューレないしペーストの製造方法で製造されたものであり、
    前記食材の飲料、ピューレ又はペーストが充填された密閉容器が、前記食材の飲料、ピューレ又はペーストが客の注文に対応する冷却状態ないし冷凍状態となるように、冷却されていることを特徴とする、客の注文に対応した密閉容器入り飲料。
34. 前記食材の飲料、ピューレ又はペーストには、客の注文に応じて選択された種類及び／又は分量の甘味料、客の注文に応じて選択されたトッピング食材、又は、客の注文に応じて選択された添加食材から選択される少なくとも１つが添加されていることを特徴とする、請求項３３に記載の客の注文に対応した密閉容器入り飲料。
35. 前記密閉容器には、キャップ付きの飲み口が形成されていることを特徴とする、請求項３３又は３４に記載の客の注文に対応した密閉容器入り飲料。
36. 前記密閉容器の表面には、ラベルが添付されており、前記密閉容器の表面と前記ラベルとの間にストローを収納可能であることを特徴とする、請求項３３〜３５のいずれか１項に記載の客の注文に対応した密閉容器入り飲料。
37. 請求項１〜５のいずれかの食材のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料の中から選択された少なくとも１種の飲料を用いると共に、以下の（１ｄ）〜（４ｄ）の工程を備えることを特徴とする、客の注文に対応した氷菓の製造方法。
    （１ｄ）予め各種食材の飲料、ピューレ又はペーストを用意する工程、
    （２ｄ）客の注文に対応する安定剤、甘味料、及び、食材の飲料、ピューレないしペーストをそれぞれ少なくとも１つ選択する工程、
    （３ｄ）前記（２ｄ）の工程で選択された食材から氷菓を製造ないし予め製造された氷菓から選択される工程、
    （４ｄ）前記（３ｄ）の工程で得られた氷菓を客の注文に応じた態様にて提供する工程。
38. さらに、
    （５ｄ）前記氷菓に客の注文に応じた配置、模様、メッセージ、イラスト、写真又は画像の少なくとも１つをトッピング食材により添付する工程
    を備えることを特徴とする、請求項３７に記載の客の注文に対応した氷菓の製造方法。
39. 請求項１〜５のいずれかの食材のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料の中から選択された少なくとも１種の飲料を用いると共に、以下の（１ｅ）〜（３ｅ）の工程を備えることを特徴とする、客の注文に対応した氷菓の製造システム。
    （１ｅ）客の注文に対応する安定剤、甘味料、及び、食材の飲料、ピューレないしペーストをそれぞれ少なくとも１つ選択する工程、
    （２ｅ）前記（１ｅ）の工程で選択された食材から氷菓が製造ないし予め製造された氷菓から選択される工程、
    （３ｅ）前記（２ｅ）の工程で得られた氷菓を客の注文に応じた態様にて提供する工程。
40. 請求項１〜５のいずれかの食材のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料の中から選択された少なくとも１種の飲料を用いると共に、以下の（ａ）〜（ｃ）の手段を備えることを特徴とする、客の注文に対応した氷菓の製造システム。
    （ａ）予め準備された各種食材の飲料、ピューレ又はペーストに関する情報、及び、安定剤に関する情報が第１の情報として入力される手段と、
    （ｂ）端末から第２の情報が入力され、前記第１の情報及び前記第２の情報を用いて食味の嗜好及び冷却ないし冷蔵の程度が分析され、前記第１の情報として入力された各種食材の飲料、ピューレ又はペーストの中から選択された少なくとも１つの飲料が設定され、また、前記第１の情報として入力された各種安定剤の中から選択された少なくとも１つの安定剤が設定される手段、
    （ｃ）選択された飲料、ピューレ又はペースト、及び、選択された安定剤の情報に関する第３の情報を出力する手段。
41. 前記（ｂ）の手段では、
    （ｂ−１）客の注文に応じて選択された種類及び／又は分量の甘味料、客の注文に応じて選択されたトッピング食材、又は、客の注文に応じて選択された添加食材から選択される少なく１つが決定されること、及び、
    （ｂ−２）第２の情報に応じて、氷菓に添加される甘味料の種類及び／又は分量、氷菓に添加される添加食材、又は、氷菓に添加されるトッピング食材から選択される少なくとも１つが決定されること、及び、
    （ｂ−３）第２の情報に基づいて、客の注文に対応する氷菓の態様を決定すること、
    からなる群から少なくとも１つが実行される、請求項４０に記載の客の注文に対応した氷菓の製造システム。
42. 請求項４０又は４１に記載の客の注文に対応した氷菓の製造システムにおける各手段としてコンピュータを動作させるためのものであることを特徴とする、客の注文に対応した氷菓の製造プログラム。
43. 請求項４２に記載の客の注文に対応した氷菓の製造プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
44. （１ｆ）請求項１〜５のいずれかの食材のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料の中から選択された少なくとも１種の飲料を添加することにより製造されたそれぞれ食味が付与されているキューブ状ないしロック状氷菓が複数種類準備される工程、
    （２ｆ）前記（１ｆ）の工程で準備されたそれぞれ食味が付与されているキューブ状ないしロック状氷菓に関する情報が第１の情報として入力される工程、
    （３ｆ）端末から第２の情報が入力され、前記第１の情報及び前記第２の情報を用いて食味の嗜好及び／又は必要な食品ないし成分が分析され、前記第１の情報として入力されたそれぞれ食味が付与されているキューブ状ないしロック状氷菓の中から所定の個数のキューブ状ないしロック状氷菓が選択された第３の情報が出力される工程、及び、
    （４ｆ）上記（３ｆ）の工程で出力された第３の情報に基づいて選択されたキューブ状ないしロック状氷菓がかき氷器により切削される工程、
    からなることを特徴とする削り氷菓の製造方法。
45. 前記（１ｆ）の工程において、キューブ状ないしロック状氷菓に用いられている安定剤は、本葛粉、葛粉、蓮根子、米粉、わらび粉、いも粉、寒天又はゼラチンのいずれか１つ、または、これら２以上の組み合わせであることを特徴とする請求項４４に記載の削り氷菓の製造方法。
46. 前記（３ｆ）の工程において、入力される第２の情報には、
    （ａ）風味素材の種類、
    （ｂ）食味の好み、
    （ｃ）食感の好み
    （ｄ）甘味の程度、
    （ｅ）酸味の程度、
    （ｆ）香辛料の好み、
    （ｇ）好みの食品、
    （ｈ）苦手な食品、
    （ｉ）食事の献立、
    （ｊ）体形、
    （ｋ）体質、
    （ｌ）体調、
    （ｍ）病気、
    （ｎ）食事制限、
    （ｏ）アレルギー食品、又は、
    （ｐ）個人を特定する情報
    のいずれか１つ以上に関する情報が含まれていることを特徴とする請求項４４又は４５に記載の削り氷菓の製造方法。
47. 前記（３ｆ）の工程において、第２の情報は端末にて対話形式で入力されることを特徴とする請求項４４〜４６のいずれか１項に記載の削り氷菓の製造方法。
48. 前記（３ｆ）の工程において、第２の情報は端末にて遠隔からでも入力可能であることを特徴とする請求項４４〜４７のいずれか１項に記載の削り氷菓の製造方法。
49. 前記（３ｆ）の工程において、第３の情報にはさらに選択された風味付加素材の情報が含まれると共に、前記（４ｆ）の工程では、第３の情報に含まれた風味付加素材の情報に基づいて風味付加素材が氷菓に添加されることを特徴とする請求項４４〜４８のいずれか１項に記載の削り氷菓の製造方法。
50. 前記（３ｆ）の工程において、第３の情報には選択された氷菓又は風味付加素材に関する情報として、当該氷菓の成分、風味素材又は風味付加素材についての名前、種類、効能、説明、医学的・薬学的・栄養学的・療法的な知見、評判、口コミ情報、又は、ネット上の情報のいずれか１つ以上の情報を含み、第３の情報は前記端末にて表示可能であることを特徴とする請求項４４〜４９のいずれか１項に記載の削り氷菓の製造方法。
51. 前記（４ｆ）の工程において、キューブ状ないしロック状氷菓の切削にはハンディータイプのかき氷器が用いられることを特徴とする請求項４４〜５０のいずれか１項に記載の削り氷菓の製造方法。
52. （１ｇ）請求項１〜５のいずれかの食材のピューレないしペーストの製造方法で製造した食材のピューレないしペーストからなる飲料ないし風味素材を含む飲料の中から選択された少なくとも１種の飲料を添加することにより製造されたそれぞれ食味が付与されている複数種類準備されたキューブ状ないしロック状氷菓に関する情報が第１の情報として入力される手段と、
    （２ｇ）端末から第２の情報が入力され、前記第１の情報及び前記第２の情報を用いて食味の嗜好及び／又は必要な食品ないし成分が分析され、前記第１の情報として入力されたそれぞれ食味が付与されているキューブ状ないしロック状氷菓の中から所定の個数のキューブ状ないしロック状氷菓が選択される手段、及び、
    （３ｇ）かき氷器に一緒に投入されて切削されるキューブ状ないしロック状氷菓の情報として、前記（２ｇ）の手段で選択されたキューブ状ないしロック状氷菓に関する第３の情報を出力する手段、
    からなることを特徴とする削り氷菓を製造するためのシステム。
53. 前記（１ｇ）の手段において、キューブ状ないしロック状氷菓に用いられている安定剤は、本葛粉、葛粉、蓮根子、米粉、わらび粉、いも粉、寒天又はゼラチンのいずれか１つ、または、これら２以上の組み合わせであることを特徴とする請求項５２に記載の削り氷菓を製造するためのシステム。
54. 前記（２ｇ）の手段において、入力される第２の情報には、
    （ａ）風味素材の種類、
    （ｂ）食味の好み、
    （ｃ）食感の好み
    （ｄ）甘味の程度、
    （ｅ）酸味の程度、
    （ｆ）香辛料の好み、
    （ｇ）好みの食品、
    （ｈ）苦手な食品、
    （ｉ）食事の献立、
    （ｊ）体形、
    （ｋ）体質、
    （ｌ）体調、
    （ｍ）病気、
    （ｎ）食事制限、
    （ｏ）アレルギー食品、又は、
    （ｐ）個人を特定する情報
    のいずれか１つ以上に関する情報が含まれていることを特徴とする請求項５２又は５３に記載の削り氷菓を製造するためのシステム。
55. 前記（２ｇ）の手段において、第２の情報は端末にて対話形式で入力されることを特徴とする請求項５２〜５４のいずれか１項に記載の削り氷菓を製造するためのシステム。
56. 前記（２ｇ）の手段において、第２の情報は端末にて遠隔からでも入力可能であることを特徴とする請求項５２〜５５のいずれか１項に記載の削り氷菓を製造するためのシステム。
57. 前記（２ｇ）の手段において、さらに切削された氷菓に添加される風味付加素材が選択され、前記（３ｇ）の手段において、第３の情報には当該風味付加素材に関する情報が含まれることを特徴とする請求項５２〜５６のいずれか１項に記載の削り氷菓を製造するためのシステム。
58. 前記（３ｇ）の手段において、第３の情報には選択された氷菓又は風味付加素材に関する情報として、当該氷菓の成分、風味素材又は風味付加素材についての名前、種類、効能、説明、医学的・薬学的・栄養学的・療法的な知見、評判、口コミ情報、又は、ネット上の情報のいずれか１つ以上の情報を含み、第３の情報は前記端末にて表示可能であることを特徴とする請求項５２〜５７のいずれか１項に記載の削り氷菓を製造するためのシステム。
59. 前記（３ｇ）の手段において、第３の情報はハンディータイプのかき氷器で切削されるキューブ状ないしロック状氷菓に関する情報を含むことを特徴とする請求項５２〜５８のいずれか１項に記載の削り氷菓を製造するためのシステム。
60. 前記（３ｇ）の手段において、さらに、第３の情報には、選択されたキューブ状ないしロック状氷菓を配送するための情報が含まれていることを特徴とする請求項５２〜５９のいずれか１項に記載の削り氷菓を製造するためのシステム。
61. 請求項５２〜６０のいずれか１項に記載の削り氷菓を製造するためのシステムにおける各手段としてコンピュータを動作させることを特徴とする削り氷菓を製造するためのプログラム。
62. 請求項６１に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。

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