JP2021092136A - 建築材の取付具およびそれを用いた改築構造 - Google Patents

建築材の取付具およびそれを用いた改築構造 Download PDF

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Abstract

【課題】建築物の外壁を構成するALCを建築物の各部位(平面部、出隅部、開口部など)を同じ取付具を用いて改築する。【解決手段】取付具1000は補助部材1200と長尺の胴縁1100とを含み、胴縁1100は、長尺方向の略全長にわたり壁面100Sと略平行な第一平面部1110および第二平面部1120と、壁面100Sに接地する接地部1130とを備える。補助部材1200は、壁面100Sに固定具で取り付けられる取付基部1210と、壁面100Sと略平行な取付片部1220とを備える。表面側から裏面側へ平面に略垂直な方向を高さ方向として、第一平面部1110の表面側の高さ位置H(1)と、取付片部1220の表面側の高さ位置H(3)とが略同等であって、第二平面部1120の表面側の高さ位置H(2)と、取付片部1220の裏面側の高さ位置H(4)とが略同等である。【選択図】図3

Description

本発明は、建築物の外壁を構成するALC、コンクリート壁(RC造)等の既存の壁面を改築するにあたり建築材(板状の建築板、外壁板、外壁材、外装材等)をALC等の既存の壁面に取り付けるための取付具およびそれを用いた改築構造に関し、特に作業に多大な手間および時間を必要としないとともに、本体部(平面部)、出隅部、開口部などであっても同じ取付具を用いることのできる取付具およびそれを用いた改築構造に関する。
関するものである。
従来から、例えば、建築物の壁、屋根等を構成する軽量気泡(発砲)コンクリート(ALC、Autoclaved Lightweight aerated Concrete)の改築工事においては、ALC自体の経年変化で、ALCに対して直接、改築材料(外装材等)を結合することは困難であった。すなわち、ALCの改修としては塗装による改修が主たるものであって、塗装により防水性を確保していた。
このように塗装による改修ではなく、ALCに改築材料(外装材等)を取り付ける方法が開発されて実用化されている。たとえば、ALCに貫通穴をあけてこの貫通穴に支持金具を貫通させ、支持金具の後端部をALC下地に対して溶接等で固定し、支持金具の前端部をALCの改修面に沿って延設されるCチャンネルに対して溶接等で固定し、このCチャンネルに対して改築材料を固定する方法が知られている。しかしながら、この方法は、ALCに対して直接、Cチャンネルを固定するものではなく、ALCに貫通穴をあけ、ALC下地に対してCチャンネルを固定しているため、穴開け工事が大掛かりなものとなり、作業に多大な手間と時間がかかるという問題を有していた。
これに対して、ALCに対して直接Cチャンネルを固定可能とし、従来のような大掛かりな穴開け工事をなくすことができ、作業にかかる手間と時間を削減できるALCの改築構造が開発されている。このような作業にかかる手間と時間を削減できるALCの改築構造が特許第3912256号公報(特許文献1)に開示されている。この特許文献1に開示されたALCの改築構造は、建築物の壁等を構成するALCを改築材料により改築する構造において、ALCの改修面に沿って延設されると共にALC内に埋設されている既設の鉄筋の一部に固定される横胴縁を構成するCチャンネルと、改築材料が取り付けられる縦胴縁と、縦胴縁をCチャンネルに取り付けるための胴縁取付具とを具備し、上記胴縁取付具は、縦胴縁に嵌め込まれて固定されるコ字状弾性体と、Cチャンネルに係止される係止部とで構成されており、上記係止部は、互いに平行な上下移動自在な上下一対のガイド片と、ガイド片から突出してCチャンネルの上下両端のリップ部の背面に当接する上下一対の抜け防止片とを備えることを特徴とする。
特許第3912256号公報
ところで、建築物の外装には、平面からなる本体部以外にも、開口部、出隅部、入隅部、軒天部、土台部等の様々な部位が存在するために、ALCを外壁材で改修するためには各部位に対応した取付具が必要となる場合がある。
しかしながら、様々な部位に対応した取付具を準備すると施工時に取付具の選択作業が
必要となり、取付具を間違ってALCに取り付けると改築対象のALCを改装することができず、取付具を交換しなければならない。
本発明は、従来技術の上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、建築物の外壁を構成するALC等の既存の壁面を改築するにあたり建築板をALC等の既存の壁面に取り付けるための取付具であって建築物の各部位に共通して用いることができる取付具およびそれを用いた改築構造を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明のある局面に係る取付具は以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明のある局面に係る取付具は、建築物の壁面に建築板を取り付けるための取付具であって、前記取付具は、胴縁と補助部材とを含み、前記胴縁は、長尺に形成されるとともに、前記建築物の壁面に取り付けられた際の表面側に、前記長尺方向の略全長にわたり前記壁面と略平行な平面で形成される第一平面部と、前記第一平面部より前記壁面側に近く形成される第二平面部とを備え、前記建築物の壁面に取り付けられた際の裏面側に、前記壁面に接地する接地部を備え、前記補助部材は、前記壁面に固定具で取り付けられる取付基部と、前記取付基部の前記表面側から延設され、前記壁面と略平行な平面を備えた取付片部とを備え、前記表面側から前記裏面側へ前記平面に略垂直な方向を高さ方向として、前記第一平面部の表面側の高さ位置と、前記取付片部の表面側の高さ位置とが略同等であって、前記第二平面部の表面側の高さ位置と、前記取付片部の裏面側の高さ位置とが略同等であることを特徴とする。なお、ここで長尺とは、幅に比べて長いということである。
好ましくは、前記胴縁および前記補助部材は金属製板材を折り曲げ加工して形成され、前記接地部は、前記建築物の壁面に取り付けられた際に前記壁面と接地する接地面部と、前記接地面部の一方の長辺から前記壁面の表面側へ略直角に曲げられた第一立設部と、前記接地面部の他方の長辺から前記第一立設部と略平行になるように前記壁面の表面側へ略直角に曲げられた第二立設部とより、前記長尺方向から見た断面が略コ字状に形成され、前記第一平面部は、前記第一立設部の前記高さ方向における前記接地面部とは逆側の長辺から前記接地面部と略平行かつ反対方向に設けられ、前記第二平面部は、前記第二立設部の前記高さ方向における前記接地面部とは逆側の長辺から前記接地面部と略平行かつ反対方向に設けられ、前記取付基部は、前記建築物の壁面に取り付けられた際に前記壁面と接地する基部片と、前記基部片の一辺から前記壁面の表面側へ略直角に曲げられた連結片と、前記基部片の前記一辺に対向する辺から前記壁面の表面側へ略直角に曲げられた立上片とにより、前記長尺方向から見た断面が略コ字状に形成され、前記取付片部は、前記連結片の一辺から前記基部片の反対方向へ略直角に曲げられた取付延設片と、前記取付延設片から前記壁面の裏面側へ略直角に曲げられた取付係止片とにより、前記長尺方向から見た断面が略L字状に形成され、前記第一立設部の高さ方向寸法を、前記第二立設部の高さ方向寸法に対して前記取付延設片の板厚と同等または板厚より僅かに高くするように構成することができる。
さらに好ましくは、前記長尺方向から見て前記高さ方向に垂直な方向を幅方向として、前記幅方向の寸法は、前記第二平面部よりも前記取付延設片が長く、前記第二平面部に前記取付延設片が面接合され、前記高さ方向の寸法は、前記第二立設部よりも前記取付係止片が短く、前記第二立設部に前記取付係止片が面接合されるように構成することができる。
また、本発明の別の局面に係る改築構造は、上述したいずれかの取付具を用いた改築構造であって、前記取付基部が前記壁面に固定具で取り付けられ、前記取付片部に前記第二
平面部が取り付けられ、前記第一平面部に前記建築板が取り付けられたことを特徴とする。
また、本発明のさらに別の局面に係る改築構造は、上述したいずれかの取付具を用いた改築構造であって、複数のALCパネルからなる建築物の壁面の改築構造であって、前記取付基部が前記壁面に固定具で取り付けられ、前記胴縁が上下又は左右に隣り合うALCパネル同士に跨らないよう縁切りされて、前記取付片部に前記第二平面部が取り付けられ、前記第一平面部に前記建築板が取り付けられたことを特徴とする。
好ましくは、前記第一平面部に、前記建築板の短手方向における両端縁のうちの少なくとも一方が、固定具で取り付けられたように構成することができる。
さらに好ましくは、前記第一平面部に、前記建築板の短手方向における両端縁のうちの少なくとも一方が、建築板取付金具を介して取り付けられたように構成することができる。
本発明によると、建築物の外壁を構成するALC、コンクリート壁(RC造)等の既存の壁面を改築するにあたり建築板をALC、コンクリート壁(RC造)等の既存の壁面に取り付けるための取付具であって建築物の各部位に共通して用いることができる取付具およびそれを用いた改築構造を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る取付具1000を用いて建築物の壁面100Sに建築板200を取り付けた改築構造の部分的な立面図である。 取付具1000を構成する(A)胴縁1100の二面図、(B)補助部材1200の二面図である。 取付具1000の(A)斜視図、(B)胴縁1100の長尺方向から見た図である。 胴縁1100の長尺方向から見た、取付具1000を壁面100Sに取り付けた図である。 取付具1000を用いて建築板200を取り付けた斜視図である。 胴縁1100の長尺方向から見た、取付具1000を用いて建築板200を取り付けた図である。 胴縁1100の長尺方向から見た、取付具1000を壁面100Sに取り付けた出隅部の図(その1)である。 胴縁1100の長尺方向から見た、取付具1000を壁面100Sに取り付けた出隅部の図(その2)である。 本発明の実施の形態の変形例に係る取付具2000の(A)斜視図、(B)胴縁1100の長尺方向から見た図である。 胴縁1100の長尺方向から見た、取付具2000を壁面100Sに取り付けた図である。 本発明の実施の形態のさらに別の変形例に係る取付具の斜視図である。 本発明の実施の形態のさらに別の変形例に係る取付具の斜視図である。 本発明の実施の形態の追加変形例に係る改築構造の全体斜視図である。 図13に示す追加変形例に係る改築構造の出隅部の図である。 図14の部分的な拡大図(その1)である。 図14の部分的な拡大図(その2)である。 図13に示す追加変形例に係る改築構造の別の出隅部の図である。
以下、本発明の実施の形態に係る取付具1000およびこの取付具1000を用いた建
築物の壁面100Sに建築板200を取り付ける改築構造を、図面に基づき詳しく説明する。
なお、以下の説明においては、建築板200に建築物の外壁等に用いられる金属サイディングを採用するものとして説明するが、本発明に係る取付具はこのような金属サイディングに限定して用いられるものではない。
図1(A)に取付具1000を用いて建築物の壁面100Sに建築板200を取り付けた改築構造の部分的な立面図を、図1(B)に建築板200の側面図を、図1(C)に図1(B)の拡大図を、それぞれ示す。この図1に示すように、建築板200の一例である金属サイディングは、建築物に用いる外壁を構成する建築材であって、その全体形状は、正面視で略長方形形状(略矩形形状)であって、その長手方向の寸法Lを4000(相対値であって絶対値ではない)とすると、短手方向(働き幅)Hが360〜580で厚みtが14〜23の形状を備え、たとえばその絶対値としては長手方向L4000mmまたはL3030mmで、短手方向H430mm(上側嵌合部220および下側嵌合部210を除く働き幅400mm)で、厚みt16mmである。このような形状を備えるとともに、長手方向を水平方向に一致させた場合に上下端部にオスメス連結構造(オス側の上側嵌合部220およびメス側の下側嵌合部210)を有して連結構造が安定する等の特徴を備えた外壁材である。なお、このような金属サイディングは建築板200の一例に過ぎないために、上述したオスメス連結構造等については本願の図面間で一致していない場合がある。
詳しくは後述するが、この取付具1000は、建築物における外壁の一例であるALC製の外壁100の壁面100Sに建築板200を取り付けるための取付具1000であって、この取付具1000は、胴縁1100と補助部材1200とを含み、胴縁1100は、長尺(たとえば3600mm程度)に形成されている。補助部材1200が壁面100Sに固定具(アンカーボルト110)により一定間隔(たとえば1000mm程度)で取り付けられ、補助部材1200に結合部材(結合ビス120)により連結された胴縁1100に建築板200が(平面部221で止めビス140により)取り付けられている。図1においては、取付具1000を壁面100Sに固定するという観点からは、補助部材1200が固定具(アンカーボルト110)で壁面100Sに固定されていることに加えて、胴縁1100がさらに別の固定具(ALC用ビス130)により一定間隔で壁面100Sに取り付けられている。
なお、本実施の形態においては、補助部材の固定具としてアンカーボルトを例示したがこれに限られることはなく、コンクリートやALC用など種々のビスや釘等を適宜使用することができる。また、胴縁の固定具としてコンクリート用ビスを例示したがこれに限られることはなく、補助部材の固定具と同様、種々のビスや釘やボルト等を適宜使用することができる。以下の実施の形態においても、同様である。
なお、図1においては、取付具1000の長尺方向を鉛直(垂直と記載する場合がある)方向に一致させて、建築板200の一例である金属サイディングの長手方向が水平方向に一致する「横張り」で施工された改築構造を示している。しかしながら、本発明は、取付具1000の長尺方向を水平方向に一致させて、建築板200の一例である金属サイディングの長手方向が垂直方向に一致する「縦張り」で施工された改築構造であっても構わず、その場合には図1を90度回転させた図となる。
この図1に加えて、図2〜図6を参照して、この取付具1000およびこの取付具1000を用いた建築物の壁面100Sに建築板200を取り付ける改築構造について、詳しく説明する。なお、図2(A)は取付具1000を構成する胴縁1100の二面図であって、図2(B)は取付具1000を構成する補助部材1200の二面図である。さらに、図3(A)は取付具1000の斜視図であって、図3(B)は取付具1000を胴縁1100の長尺方向から見た図である。さらに、図4は胴縁1100の長尺方向から見た、取付具1000を壁面100Sに取り付けた図であって、図5は取付具1000を用いて建築板200を取り付けた斜視図であって、図6は胴縁1100の長尺方向から見た、取付具1000を用いて建築板200を取り付けた図である。
これらの図に示すように、この取付具1000は、建築物の壁面100Sに建築板200を取り付けるための取付具である。この取付具1000は、胴縁1100と補助部材1200とを含む。この胴縁1100は、長尺に形成されている。この胴縁1100は、建築物の壁面100Sに取り付けられた際の表面側に、長尺方向の略全長にわたり壁面100Sと略平行な平面で形成される第一平面部1110と、長尺方向の略全長にわたり壁面100Sと略平行な平面であって第一平面部1110より壁面100S側に近く形成される第二平面部1120とを備えるとともに、建築物の壁面100Sに取り付けられた際の裏面側に、壁面100Sに接地する接地部1130を備える。この補助部材1200は、壁面100Sに固定具で取り付けられる取付基部1210と、取付基部1210の表面側から延設され、壁面100Sと略平行な平面を備えた取付片部1220とを備える。そして、特徴的であるのは、表面側から裏面側へ平面に略垂直な方向を高さ方向として、第一平面部1110の表面側の高さ位置H(1)と、取付片部1220の表面側の高さ位置H(3)とが略同等であって、第二平面部1120の表面側の高さ位置H(2)と、取付片部1220の裏面側の高さ位置H(4)とが略同等である。
さらに好ましくは、胴縁1100および補助部材1200は金属製板材を折り曲げ加工して形成されていても構わない。上述した接地部1130は、建築物の壁面100Sに取り付けられた際に壁面100Sと接地する接地面部1131と、接地面部1131の一方の長辺から壁面100Sの表面側へ略直角に曲げられた第一立設部1141と、接地面部1131の他方の長辺から第一立設部1141と略平行になるように壁面100Sの表面側へ略直角に曲げられた第二立設部1142とより、長尺方向から見た断面が略コ字状に形成されている。上述した第一平面部1110は、第一立設部1141の高さ方向における接地面部1131とは逆側の長辺から接地面部1131と略平行かつ反対方向に設けられ、上述した第二平面部1120は、第二立設部1142の高さ方向における接地面部1131とは逆側の長辺から接地面部1131と略平行かつ反対方向に設けられている。取付基部1210は、建築物の壁面100Sに取り付けられた際に壁面100Sと接地する基部片1211と、基部片1211の一辺から壁面100Sの表面側へ略直角に曲げられた連結片1213と、基部片1211の一辺に対向する辺から壁面100Sの表面側へ略直角に曲げられた立上片1212とにより、長尺方向から見た断面が略コ字状に形成されている。取付片部1220は、連結片1213の一辺から基部片1211の反対方向へ略直角に曲げられた取付延設片1221と、取付延設片1221から壁面100Sの裏面側へ略直角に曲げられた取付係止片1222とにより、長尺方向から見た断面が略L字状に形成されている。そして、特徴的であるのは、第一立設部1141の高さ方向H(1)寸法を、第二立設部1142の高さ方向H(2)寸法に対して取付延設片1221の板厚tと同等または板厚tより僅かに高くされている。
なお、本実施の形態においては、立上片を有しているが、強度等を確保できれば立上片を設けなくともよい。
さらに好ましくは、長尺方向から見て高さ方向に垂直な方向を幅方向として、幅方向の寸法は、第二平面部1120よりも取付延設片1221が長く、第二平面部1120に取付延設片1221が面接合され、高さ方向の寸法は、第二立設部1142よりも取付係止片1222が短く、第二立設部1142に取付係止片1222が面接合される。
ここで、本実施の形態に係る改築構造は、上述し取付た取付具1000を用いた改築構
造であって、取付基部1210が壁面100Sに固定具(アンカーボルト110)で取り付けられ、取付片部1220に第二平面部1120が(結合ビス120により)取り付けられ、第一平面部1110に建築板200が(平面部221で止めビス140により)取り付けられている。
ここで、この取付具1000(胴縁1100および補助部材1200)は、限定されるものではないが、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)等(これらを各種色調に塗装した金属製カラー板を含む)の一種、または、合成樹脂製板材、たとえば塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(これらを各種色調に塗装した合成樹脂製カラー板を含む)の一種、が採用される。これらの中でも、金属製板材(厚さ1mm〜2mm程度)が好ましく採用され、さらに、たとえば、アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板またはこのアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板にマグネシウムにより防錆効果を付与した鋼板がさらに好ましく採用される。また、高耐食性めっき鋼板(高耐食性の溶融亜鉛ーアルミニウムーマグネシウム合金めっき鋼板)が特に好ましく採用される。
さらに詳しく、取付具1000(胴縁1100および補助部材1200)およびこの取付具1000を用いて既存のALC製の外壁100の壁面100Sに建築板200を取り付ける改築構造(改築手順)について説明する。
[取付具]
この取付具1000を構成する長尺の胴縁1100は、大きくは、第一平面部1110と第二平面部1120と接地部1130とから構成される。そしてより詳しくは、胴縁1100は、建築物の壁面100Sに取り付けられた際の表面側に、長尺方向の略全長にわたり壁面100Sと略平行な平面で形成される第一平面部1110と、長尺方向の略全長にわたり壁面100Sと略平行な平面であって第一平面部1110より壁面100S側に近く形成される第二平面部1120とである、ともに壁面100Sと略平行な平面を備え、さらに、同じく壁面100Sと略平行な平面であって、壁面100Sに接地する接地部1130を、建築物の壁面100Sに取り付けられた際の裏面側に備える。壁面100Sからの高さ方向の寸法(長さ、距離)は、接地部1130については壁面100Sに設置するため裏面側の高さ位置0であって、第二平面部1120については壁面100Sからの表面側の高さ位置H(2)(<H(1))であって、第一平面部1110については壁面100Sからの表面側の高さ位置H(1)(>H(2))である。
そして、接地部1130は、壁面100Sと接地する接地面部1131と、接地面部1131を中心として壁面100Sの表面側へそれぞれ略直角に曲げられた第一立設部1141および第二立設部1142を備え、これらは互いに略平行であるために長尺方向から見た断面が略コ字状に形成されている。この略コ字状の開放点から接地面部1131と略平行に、第一部立設部1141側に第一平面部1110が、また第二立設部1142側に第二平面部1120が、それぞれ接地面部1131とは反対方向に設けられている。このように、胴縁1100は長尺に形成され、その長尺方向から見た断面が略コ字状で、略コ字状の開放点を有さない辺を接地面部1131として、略コ字状の開放点を有する二辺をそれぞれ第一立設部1141および第二立設部1142として、それぞれの開放点から接地面部1131と略平行かつ反対方向に第一平面部1110および第二平面部1120を備えるものである。
なお、壁面100Sに対して略垂直に立ち上げられた第一立設部1141には通気孔1141Hが、第二立設部1142には通気孔1142Hが、それぞれ一定間隔で開設されている。また、接地面部1131には、胴縁1100自体を壁面100Sに固定するための固定具(ALC用ビス130)を通すための胴縁ビス孔1131Hが一定間隔で開設されている。通気孔1141Hと通気孔1142Hとは、対向する位置に設けられており、通気孔1141H、1142Hと胴縁ビス孔1131Hとは、長尺方向に位置ずれ(略等間隔)させて設けられている。
次に、この取付具1000を構成する補助部材1200は、上述したように、長尺の胴縁1100における長尺方向の一定間隔で胴縁1100に(第二平面部1120に取付延設片1221が面接合され、かつ、第二立設部1142に取付係止片1222が面接合されて)設けられている。この補助部材1200は大きくは取付基部1210と取付片部1220とから構成される。そして、より詳しくは、取付基部1210は、壁面100Sと接地する基部片1211と、基部片1211の両辺からそれぞれ壁面100Sの表面側へ略直角に曲げられた連結片1213および立上片1212を備え、これらは互いに略平行であるために長尺方向から見た断面が略コ字状に形成されている。連結片1213および立上片1212のうちの胴縁1100側に位置することになる連結片1213から基部片1211の反対方向へ略直角に曲げられて壁面100Sと略平行な平面となる取付延設片1221と、取付延設片1221から壁面100Sの裏面側へ略直角に曲げられた取付係止片1222とにより、長尺方向から見た断面が略L字状に形成されている。なお、連結片1213を取付基部1210と取付片部1220の両方の構成部材と理解すると、補助部材1200は、長尺方向から見た断面が略コL字状を2つ組み合わせた形状に形成されているともいえる。
なお、壁面100Sと接地する基部片1211には壁面100Sに補助部材1200を固定するための固定具(アンカーボルト110)を通すための固定用孔1211Hが長尺方向に垂直な方向に長い長孔形状で開設されている。本実施の形態においては、調整可能に長孔形状としたが、これに限られることはなく、丸孔でもよい。また、壁面100Sと略平行な平面であって胴縁1100の第二平面部1120と面接合される取付延設片1221には胴縁1100とこの補助部材とを連結(面接合による結合)するための結合部材(結合ビス120)を通すための結合用孔1221Hが開設されている。
そして、これらの胴縁1100と補助部材1200とにおいて、以下の関係が成立している。
・表面側から裏面側へ平面に略垂直な方向を高さ方向として、第一平面部1110の表面側の高さ位置H(1)と、取付片部1220の表面側の高さ位置H(3)とが略同等であって、第二平面部1120の表面側の高さ位置H(2)と、取付片部1220の裏面側の高さ位置H(4)とが略同等である。
・第一立設部1141の高さ方向H(1)寸法を、第二立設部1142の高さ方向H(2)寸法に対して取付延設片1221の板厚tと同等または板厚tより僅かに高くされている。
・長尺方向から見て高さ方向に垂直な方向を幅方向として、幅方向の寸法は、第二平面部1120よりも取付延設片1221が長く、第二平面部1120に取付延設片1221が面接合され、高さ方向の寸法は、第二立設部1142よりも取付係止片1222が短く、第二立設部1142に取付係止片1222が面接合される。
このような関係が成立しているために、図1および図4に示すように、図2(A)および図3に示す胴縁1100における長尺方向の一定間隔で図2(B)および図3に示す補助部材1200が結合ビス120により連結されている。
[改築構造および施工手順]
次にこのような取付具1000を用いた改築構造について説明する。
図5および図6に示すように、本実施の形態に係る改築構造は、固定具(アンカーボルト110)により壁面100Sに固定された補助部材1200に、連結された胴縁110
0(さらにALC用ビス130によりこの胴縁1100も壁面100Sに固定される)に建築板200が取り付けられている。より詳しくは、補助部材1200の取付基部1210の基部片1211が固定用孔1211Hに通された固定具(アンカーボルト110)により壁面100Sに取り付けられ、補助部材の1200の取付片部1220の取付延設片1221が結合用孔1221Hに通された結合部材(結合ビス120)により胴縁1100の第二平面部1120に取り付けられ、第一平面部1110に建築板200が平面部221で止めビス140により取り付けられている。
なお、図6においては、図1(C)に示した平面部221の形状が薄いために描かれていないが、図5に示すように止めビス140のネジ頭は建築板200の平面部221よりも長さ方向(壁面100Sと略垂直方向)で壁面100Sの逆側(平面部221の表面側)に位置して、胴縁1100の第一平面部1110に建築板200が取り付けられている。なお、本実施の形態においては、取付具1000の長尺方向を鉛直方向、建築板200の一例である金属サイディングの長手方向を水平方向にした「横張り」で施工されるために(胴縁1100の長尺方向が鉛直方向)、建築板200は下側から上側へメス側の下側嵌合部210へオス側の上側嵌合部220を嵌合させて上側嵌合部220の平面部221と胴縁1100の第一平面部1110とを止めビス140により取り付けることを繰り返す施工手順が、通常の建築板200の横張りの施工手順である。
さらに、以下に図1〜図6における取付具1000の施工手順を説明する。
第1の手順
(1)墨出し作業
(2)胴縁1100をALC用ビス130で壁面100Sに固定
(3)補助部材1200をアンカーボルト110で壁面100Sに固定
(4)補助部材1200と胴縁1100とを結合ビス120で固定
その後は、通常の建築板200の横張りの施工手順
また、以下のような第2の手順で施工しても構わない。
第2の手順
(1)墨出し作業
(2)補助部材1200をアンカーボルト110で壁面100Sに緩く固定
(3)補助部材1200の自由端側(取付片部1220側)を持ち上げて胴縁1100を隙間から挿入(胴縁1100を仮支持)
(4)胴縁1100をALC用ビス130で壁面100Sに固定
(5)補助部材1200をアンカーボルト110で壁面100Sに本固定
(6)補助部材1200と胴縁1100とを結合ビス120で固定
その後は、通常の建築板200の横張りの施工手順
[出隅部への適用]
上述した説明は、建築物の外装のうちの平面からなる本体部に対する取付具1000を用いた改築構造を説明したが、同じ取付具1000(同じ胴縁1100および同じと補助部材1200)を用いて出隅部へ適用した場合を、図7および図8に示す。
図7は図6に対応する図であって、胴縁1100には建築板200に加えて出隅用カバー300を取り付けるための嵌合部材310がビス(長尺方向に止めビス140と重なるため図示せず)で固定されている。それ以外の構造については上述した構造と同じであるためにここでは説明を繰り返さない。そして、図8に示すように、出隅用カバー300の裏面に設けられた被嵌合部302を嵌合部材310に嵌合させて出隅用カバー300を取り付ける。なお、図7および図8の紙面表裏方向が長尺方向である。また、このような出隅部以外の入隅部、軒天部、土台部等の様々な部位に対して、同じ取付具1000、1000U(同じ胴縁1100、1100Uおよび同じと補助部材1200、1200U)を用いて改築構造を実現することができる。なお、本実施の形態においては、出隅部の両側で補助部材1200、1200Uをアンカーボルト110、110Uで壁面100Sに固定しているが、本図面における左側のように、アンカーボルト110Uの位置がALCの端縁付近となる場合は、ALCに割れが発生する可能性があるため、補助部材1200Uを取り付けず、胴縁1100Uのみとすることができる。
以上のようにして、本実施の形態に係る取付具およびそれを用いた改築構造によると、建築物の外壁を構成するALCを改築するにあたり建築板をALCに取り付けるための取付具を建築物の各部位に共通して用いることができる。
[変形例]
以下に本実施の形態の変形例に係る取付具2000について、図9および図10を参照して説明する。なお、本変形例に係る取付具2000は胴縁1100と補助部材2200とから構成され、補助部材2200における取付係止片2222が上述した補助部材1200の取付係止片1222とその形状(高さ方向の寸法)のみ異なる。それ以外全て、上述した取付具1000と同じであり同じ構造については取付具1000と取付具2000とで同じ符号を付している。それらについての説明は、上述した説明と重複するために、ここでは繰り返して説明しない。
図9(A)は取付具2000の斜視図であって、図9(B)は取付具2000を胴縁1100の長尺方向から見た施工途中の図である。さらに、図10は胴縁1100の長尺方向から見た、取付具2000を壁面100Sに取り付けた図である。
本変形例に係る取付具2000の補助部材2200における取付係止片2222は、取付係止片1222よりも高さ方向の長さが相当に短く、壁面100Sとの間にギャップ長さH(G)を備える。このギャップ長さH(G)は、図9(B)に示すように後述する施工手順において先に壁面100Sに本固定された補助部材2000に対して胴縁1100の第二平面部1120を補助部材2000の取付延設片1221の下側へ潜り込ませるだけの隙間を構成できる程度の長さである。なお、このギャップ長さH(G)の実際の寸法または取付係止片2222の取付係止片1222に対する比率(短い度合い)ついては、胴縁1100の第二平面部1120の幅方向長さおよび第二立設部1142の高さ方向長さならびに補助部材2000の連結片1213の高さ方向長さ等により決定される。
以下に図9および図10における取付具2000の施工手順を説明する。
第3の手順
(1)墨出し作業
(2)補助部材1200をアンカーボルト110で壁面100Sに固定
(3)補助部材1200の自由端側(取付片部2220側)から胴縁1100を斜めにして隙間から胴縁1100の第二平面部1120を補助部材2000の取付延設片1221の下側へ潜り込ませて回転
(4)胴縁1100をALC用ビス130で壁面100Sに固定
(5)補助部材1200と胴縁1100とを結合ビス120で固定
その後は、通常の建築板200の横張りの施工手順
以上のようにして、本変形例に係る取付具およびそれを用いた改築構造によっても、建築物の外壁を構成するALCを改築するにあたり建築板をALCに取り付けるための取付具を建築物の各部位に共通して用いることができる。
[追加変形例(その1):ロッキング対策]
以下に本実施の形態の追加変形例に係る改築構造について、図13〜図16を参照して説明する。なお、本変形例に係る改築構造は、地震などの外力に対する建物の変形・挙動に対し、外壁100(ALCパネルであって、以下において単にALCと記載する場合がある)が1枚ごとに微小回転し、1/100radまでの層間変形角に追従するとされている取付け構法(ロッキング構法)に沿った改築構造である。ここで、これらの図13〜図16においては、発明をより容易に理解するために断面を透視するようにして表された
部分を含む(たとえばALCに埋設されるアンカーボルト110等)。さらに、図14〜図16においては、嵌合部材310も出隅用カバー301と同様に金属薄板を折り曲げ加工等することにより製造されている点で共通するが、断面形状において出隅用カバー301が金属薄板の厚みを表現している点に対して、嵌合部材310は金属薄板(金属製板材(厚さ1mm〜2mm程度))の厚みを表現せず線で描いている点が異なる。また、上述した出隅用カバー300は、表面板と裏面板(被嵌合部302を含む部分)とを別部材の2部材で構成していたが、出隅用カバー301は、表面部301Fと裏面部(被嵌合部302を含む部分)とを共通する1部材で構成している点が異なる。なお、出隅用カバー301には、水密部材303が設けられている(出隅用カバー300にも水密部材が設けられているが図示していない)。また、伸縮目地とは、地震時などの躯体の変形時に外壁100(ALCパネル)が損傷を受けないように、ALCパネル間に隙間を設けた目地である。
上述した本実施の形態に係る取付具1000を構成する長尺の胴縁1100を隣接するALCに跨って固定すると、隣接するALCが胴縁1100により連結されるために、このロッキング構法の作用効果を十分に発現させることができない。このため、追加変形例に係る改築構造においては、複数のALCパネルからなる建築物の壁面の改築構造において胴縁1100が上下又は左右に隣り合うALCパネル同士に跨らないよう縁切りされていることを特徴とする。
図13(A)に示す建築板200の施工前の改築構造の斜視図および図13(B)に示す建築板200の施工途中の改築構造の斜視図に示すように、胴縁1100は、上下又は左右に隣り合うALCパネル同士に跨らないよう縁切りされている。なお、図13においては、ALCパネルが縦張り(長尺方向が垂直方向)で、胴縁1100が(後述する図14〜図16に示す胴縁1100SYのように短く切断されて横張りされるのではなく長い状態のままで)縦張り(長尺方向が垂直方向)で、建築板200が横張り(長手方向Lが水平方向)である。なお、このような3つの方向に限定されるものではなく、胴縁1100が上下又は左右に隣り合うALCパネル同士に跨らないよう縁切りされている点が本追加変形例に係る改築構造の特徴である。
このように、胴縁1100は、上下又は左右に隣り合うALCパネル同士に跨らないよう縁切りされている(胴縁1100が隣り合うALCパネルの部分において切断されている)ために、隣接するALCが胴縁1100により連結されることがないために、上述したロッキング構法の作用効果を十分に発現させることができる。
なお、固定具(アンカーボルト110)により壁面100Sに固定された補助部材1200に、連結された胴縁1100(さらにALC用ビス130によりこの胴縁1100も壁面100Sに固定される)に建築板200が取り付けられており、より詳しくは、補助部材1200の取付基部1210の基部片1211が固定用孔1211Hに通された固定具(アンカーボルト110)により壁面100Sに取り付けられ、補助部材の1200の取付片部1220の取付延設片1221が結合用孔1221Hに通された結合部材(結合ビス120)により胴縁1100の第二平面部1120に取り付けられ、第一平面部1110に建築板200が平面部221で止めビス140(固定具)により取り付けられている点は、上述と同じである。
ここで、第一平面部1110には、建築板200の短手方向における両端縁のうちの少なくとも一方が、固定具(止めビス140)で取り付けられている。
ここまでの実施の形態において主として説明した金属系サイディングが建築板の場合には、短手方向において端縁の一方のみが固定具で取り付けられている。端縁の他方は、隣接する建築板と嵌合部で係合されていて、地震などの強い力が生じたときは、スライド可能となっていて、ロッキング構法によるALCの動きを妨げ難いものである。
さらに、建築板200が窯業系サイディングである場合(ここまでの実施の形態において説明した建築板200は主として金属系サイディングである)には、第一平面部1110には、建築板200の短手方向における両端縁が、建築板取付金具を介して取り付けられている。この建築板取付金具の一例として、本願出願人により出願されて公開された特開2014−145208号公報における外装材取付金具が挙げられる。この場合においては、建築板である窯業系サイディングの両端縁が建築板取付金具に係合されていて、地震などの強い力が生じたときは、スライド可能となっていて、ロッキング構法によるALCの動きを妨げ難いものである。
[追加変形例(その2):出隅部におけるロッキング対策および建築板取付構造]
以下に本実施の形態の追加変形例に係る改築構造について、図14および図15を参照して説明する。なお、本変形例に係る改築構造は、出隅部におけるロッキング構法に関する。
図14および図15において建築板200の改築構造を示す図を参照して、胴縁1100(より詳しくは胴縁1100SYとして示すように短く切断されて横張りされた胴縁)は、上下又は左右に隣り合うALCパネル同士に跨らないよう縁切りされている。なお、図14〜図16においては、ALCパネルが縦張り(長尺方向が垂直方向)で、胴縁1100が胴縁1100SYのように短く切断されて横張りされる、または、胴縁1100LTのように長い状態のままで縦張り(長尺方向が垂直方向)で、建築板200が縦張り(長手方向Lが垂直方向)である。なお、このような3つの方向に限定されるものではなく、胴縁1100が上下又は左右に隣り合うALCパネル同士に跨らないよう縁切りされている点が本追加変形例に係る改築構造の特徴であることは上述した通りである。
図15に示すように、建築板200の出隅用カバー301側の端縁(より詳しくは上述した下側嵌合部210)はスタータ部材3000により係止されて取り付けられている。このスタータ部材3000は、断面視で略L字形状を備え、胴縁1100SYと止めビス143により固定されている。また、嵌合部材310は、胴縁1100SYと止めビス141により固定されている。これにより、図15に示す建築板200は、短手方向における両端縁のうちの一方(図14および図15における右端縁の上側嵌合部220の平面部221)が止めビス140により胴縁1100SYに取り付けられ(自由度のない固定)、他方(図14および図15における左端縁の下側嵌合部210)がスタータ部材3000により係止されて(結果的に胴縁1100SYに係止されて)取り付けられている(自由度のある係合)ことになる。
[追加変形例(その3):出隅部におけるロッキング対策および建築板取付構造]
以下に本実施の形態の追加変形例に係る改築構造について、図14および図16を参照して説明する。なお、本変形例に係る改築構造は、出隅部における建築板200の取付方法に関する。また、図16に示す建築板200は上側嵌合部220側の適宜な位置で切断されており(平面部221を含む)上側嵌合部220を備えない。
図14および図16において建築板200の改築構造を示す図を参照して、まず、上述したように、胴縁1100(より詳しくは胴縁1100SYとして示すように短く切断されて横張りされた胴縁)は、上下又は左右に隣り合うALCパネル同士に跨らないよう縁切りされている。ここでは、ALCパネルが縦張り(長尺方向が垂直方向)で、胴縁1100が胴縁1100SYのように短く切断されて横張りされて、建築板200が縦張り(長手方向Lが垂直方向)である。なお、このような3つの方向に限定されるものではなく、胴縁1100が上下又は左右に隣り合うALCパネル同士に跨らないよう縁切りされている点が本追加変形例に係る改築構造の特徴であることは上述した通りである。
本変形例に係る改築構造においては、出隅部における建築板200の取付方法として、
胴縁1100LTのように長い状態のままで縦張り(長尺方向が垂直方向)されて、この胴縁1100LTに、縦張り(長手方向Lが垂直方向)で建築板200が取り付けられている。建築板200は胴縁1100LTと止めビス131により固定されている。また、嵌合部材310は、胴縁1100LTと止めビス141により固定されている。これにより、図16に示す建築板200は、短手方向における両端縁のうちの一方(図14および図16における下端縁の下側嵌合部210)がさらに1個下側の建築板200の上側嵌合部220(この1個下側の建築板200の上側嵌合部220の平面部221が胴縁1100SYに止めビス140により固定)に嵌合して取り付けられ(自由度のある嵌合)、他方(図14および図16における上端縁)が止めビス140により胴縁1100LTに取り付けられている(自由度のない固定)ことになる。
[追加変形例(その4):出隅部におけるロッキング対策および建築板取付構造]
以下に本実施の形態の追加変形例に係る改築構造について、図17を参照して説明する。本変形例に係る改築構造は、断面略L型のコーナー用ALCを用いて既存の壁面が構成されている点で、図13〜図16に示す改築構造と異なる。なお、以降の説明においては、図13〜図16に示す改築構造と異なる箇所について説明する。建築物の外壁を構成するALCパネルに加え、出隅部に断面略L型のコーナー用ALCが取り付けられている。コーナー用ALCの直行する両端縁は、直行する外壁を構成するそれぞれのALCパネルと伸縮目地を介して建築物の躯体に取り付けられている。なお、本変形例に係る改築構造は、出隅部における建築板200の取付方法に関する。また、図17に示すように、出隅部の一方の建築板200は上側嵌合部220側の適宜な位置で切断されており(平面部221を含む)上側嵌合部220を備えない点で図16と共通する。
胴縁1100(より詳しくは胴縁1100SYとして示すように短く切断されて横張りされた胴縁)は、上下又は左右に隣り合うALCパネル同士およびコーナー用ALCに跨らないよう縁切りされている。ここでは、ALCパネルが縦張り(長尺方向が垂直方向)で、胴縁1100が胴縁1100SYのように短く切断されて横張りされて、建築板200が縦張り(長手方向Lが垂直方向)である。胴縁1100は上下又は左右に隣り合うALCパネル同士およびコーナー用ALCに跨らないよう縁切りされている点が本追加変形例に係る改築構造の特徴である。
本変形例に係る改築構造においては、出隅部における建築板200の取付方法として、先ずは、上側嵌合部220側の適宜な位置で切断されている側を出隅部側に位置させる場合、次に下側嵌合部210側を出隅部側に位置させる場合について説明する。
上側嵌合部220側の適宜な位置で切断されている側を出隅部側に位置させる場合、 コーナー用ALCに胴縁1100LTのように長い状態のまま(なお、コーナー用ALCが1階と2階で分割されている場合は跨らないよう縁切りされている)で縦張り(長尺方向が垂直方向)されて、この胴縁1100LTに、縦張り(長手方向Lが垂直方向)で建築板200が取り付けられている。建築板200は胴縁1100LTと止めビス131により固定されている。また、嵌合部材310は、胴縁1100LTと止めビス141により固定されている。これにより、図16に示す建築板200は、短手方向における両端縁のうちの一方(図14および図16における下端縁の下側嵌合部210)がさらに1個下側の建築板200の上側嵌合部220(この1個下側の建築板200の上側嵌合部220の平面部221が胴縁1100SYに止めビス140により固定)に嵌合して取り付けられ(自由度のある嵌合)、他方(図14および図16における上端縁)が止めビス140により胴縁1100LTに取り付けられている(自由度のない固定)ことになる。
次に下側嵌合部210側を出隅部側に位置させる場合、コーナー用ALCに胴縁1100LTのように長い状態のまま(なお、コーナー用ALCが1階と2階で分割されている場合は跨らないよう縁切りされている)で縦張り(長尺方向が垂直方向)されて、この胴縁1100LTに、スタータ部材3000(図15と同様)が止めビス143により固定されている。建築板200の出隅用カバー301側の端縁(より詳しくは上述した下側嵌合部210)はスタータ部材3000により係止されて取り付けられている。また、嵌合部材310は、胴縁1100LTと止めビス141により固定されている。これにより、建築板200は、短手方向における両端縁のうちの一方(図17における右端縁の上側嵌合部220の平面部221)が止めビス140により胴縁1100SYに取り付けられ(自由度のない固定)、他方(図17における左端縁の下側嵌合部210)がスタータ部材3000により係止されて(結果的に胴縁1100LTに係止されて)取り付けられている(自由度のある係合)ことになる。
なお、図13〜図17で示した縦張りにおいても、上側嵌合部および下側嵌合部としているが、横張りと表現を同じくしたものであり、縦張りでは、上側嵌合部および下側嵌合部は、左右に位置するよう取り付けられるものである。
以上のようにして、本追加変形例に係る改築構造によっても、建築物の外壁を構成するALCを改築するにあたり建築板をALCに好適に(特にロッキング構法を実現して)取り付けることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。たとえば、図11および図12に示す取付具ならびに図13〜図17に示す改築構造も本発明に係る実施の形態の変形例の一部であって本発明の範囲に含まれるものである。
本発明は、建築物の外壁を構成するALC等の既存の壁面を改築するにあたり建築材の取付具およびそれを用いた改築構造に好ましく、本体部(平面部)、出隅部、開口部などであっても同じ取付具を用いることのできる点で特に好ましい。
100 外壁
100S 壁面
110 アンカーボルト
120 結合ビス
130 ALC用ビス
140 止めビス
200 建築板
300 出隅用カバー
1000 取付具
1100 胴縁
1100SY 胴縁(追加変形例:短く切断されて横張り)
1100LT 胴縁(追加変形例:長いままで縦張り)
1110 第一平面部
1120 第二平面部
1130 接地部
1131 接地面部
1131H 胴縁ビス孔
1141 第一立設部
1141H 通気孔
1142 第二立設部
1142H 通気孔
1200 補助部材
1210 取付基部
1211 基部片
1211H 固定用孔
1212 立上片
1213 連結片
1220 取付片部
1221 取付延設片
1221H 結合用孔
1222 取付係止片
2000 取付具(変形例)
2200 補助部材(変形例)
2222 取付係止片(変形例)
3000 スタータ部材

Claims (7)

  1. 建築物の壁面に建築板を取り付けるための取付具であって、
    前記取付具は、胴縁と補助部材とを含み、
    前記胴縁は、
    長尺に形成されるとともに、
    前記建築物の壁面に取り付けられた際の表面側に、前記長尺方向の略全長にわたり前記壁面と略平行な平面で形成される第一平面部と、前記第一平面部より前記壁面側に近く形成される第二平面部とを備え、
    前記建築物の壁面に取り付けられた際の裏面側に、前記壁面に接地する接地部を備え、
    前記補助部材は、
    前記壁面に固定具で取り付けられる取付基部と、前記取付基部の前記表面側から延設され、前記壁面と略平行な平面を備えた取付片部とを備え、
    前記表面側から前記裏面側へ前記平面に略垂直な方向を高さ方向として、
    前記第一平面部の表面側の高さ位置と、前記取付片部の表面側の高さ位置とが略同等であって、
    前記第二平面部の表面側の高さ位置と、前記取付片部の裏面側の高さ位置とが略同等であることを特徴とする建築板の取付具。
  2. 前記胴縁および前記補助部材は金属製板材を折り曲げ加工して形成され、
    前記接地部は、
    前記建築物の壁面に取り付けられた際に前記壁面と接地する接地面部と、前記接地面部の一方の長辺から前記壁面の表面側へ略直角に曲げられた第一立設部と、前記接地面部の他方の長辺から前記第一立設部と略平行になるように前記壁面の表面側へ略直角に曲げられた第二立設部とにより、前記長尺方向から見た断面が略コ字状に形成され、
    前記第一平面部は、前記第一立設部の前記高さ方向における前記接地面部とは逆側の長辺から前記接地面部と略平行かつ反対方向に設けられ、
    前記第二平面部は、前記第二立設部の前記高さ方向における前記接地面部とは逆側の長辺から前記接地面部と略平行かつ反対方向に設けられ、
    前記取付基部は、
    前記建築物の壁面に取り付けられた際に前記壁面と接地する基部片と、前記基部片の一辺から前記壁面の表面側へ略直角に曲げられた連結片と、前記基部片の前記一辺に対向する辺から前記壁面の表面側へ略直角に曲げられた立上片とにより、前記長尺方向から見た断面が略コ字状に形成され、
    前記取付片部は、前記連結片の一辺から前記基部片の反対方向へ略直角に曲げられた取付延設片と、前記取付延設片から前記壁面の裏面側へ略直角に曲げられた取付係止片とにより、前記長尺方向から見た断面が略L字状に形成され、
    前記第一立設部の高さ方向寸法を、前記第二立設部の高さ方向寸法に対して前記取付延設片の板厚と同等または板厚より僅かに高くすることを特徴とする、請求項1に記載の建築板の取付具。
  3. 前記長尺方向から見て前記高さ方向に垂直な方向を幅方向として、
    前記幅方向の寸法は、前記第二平面部よりも前記取付延設片が長く、前記第二平面部に前記取付延設片が面接合され、
    前記高さ方向の寸法は、前記第二立設部よりも前記取付係止片が短く、前記第二立設部に前記取付係止片が面接合されることを特徴とする、請求項2に記載の建築板の取付具。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の取付具を用いた改築構造であって、
    前記取付基部が前記壁面に固定具で取り付けられ、
    前記取付片部に前記第二平面部が取り付けられ、
    前記第一平面部に前記建築板が取り付けられたことを特徴とする、改築構造。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の取付具を用い、複数のALCパネルからなる建築物の壁面の改築構造であって、
    前記取付基部が前記壁面に固定具で取り付けられ、
    前記胴縁が上下又は左右に隣り合うALCパネル同士に跨らないよう縁切りされて、前記取付片部に前記第二平面部が取り付けられ、
    前記第一平面部に前記建築板が取り付けられたことを特徴とする、改築構造。
  6. 前記第一平面部に、前記建築板の短手方向における両端縁のうちの少なくとも一方が、固定具で取り付けられたことを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の改築構造。
  7. 前記第一平面部に、前記建築板の短手方向における両端縁のうちの少なくとも一方が、建築板取付金具を介して取り付けられたことを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の改築構造。
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