JP2021090157A - 呼出しシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】正確な位置情報を取得できるとともに、確実な呼出しを可能とする呼出しシステムを提供する。【解決手段】呼出しシステム10は、コンピュータ16と、所定の位置に設けられ、コンピュータ16と通信可能な複数の受信装置12と、受信装置12と通信可能な携帯端末14とを備える。携帯端末14は、受信装置12に対して、第1の帯域を用いて第1の呼出し信号と位置信号とを送信可能であるとともに、第1の帯域よりも低周波側の第2の帯域を用いて第2の呼出し信号を送信可能である。コンピュータ16は、受信装置12が受信する位置信号に基づいて携帯端末14の位置を特定可能であるとともに、受信装置12が受信する第1の呼出し信号または第2の呼出し信号に基づいて携帯端末14から呼出しがあったことを認識可能となっている。【選択図】図1
Description
本発明は、所定の施設等において呼出しをするためのシステムに関する。
従来、医療施設あるいは介護施設等に設置され、患者が医師や看護師を呼び出すため等に使用されるナースコールシステム(呼出しシステム)が知られている。例えば、特許文献1には、患者が使用するナースコール子機から呼出しを行うと、看護師が携行する携帯端末に通知がされるナースコールシステムが記載されている。
また、工場等の施設において使用される呼出しシステムとして特許文献2に記載のものが知られている。このシステムは、GPSやUWB(Ultra Wide Band)通信等を利用した位置情報の取得が可能であるとともに互いに通信可能な複数の携帯端末を備えている。そして、携帯端末を携行する作業者は、携帯端末を使用して、他の携帯端末を携行する他の作業者を呼び出すことができるようになっている。
また、UWB通信を用いた位置情報の取得では、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等を用いた位置情報の取得に比べ、位置の測定誤差を小さく(例えば、数cm以下に)することができ、正確な位置情報を取得できることが知られている。
ところで、UWB通信は、壁などの障害物の影響を受けやすく、送信側と受信側との間に障害物が存在する場合にうまく通信することができないという問題があった。具体的には、ユーザーが使用する送信側の端末と、この端末からUWB帯を用いて送信される信号を受信する受信装置とがある場合に、端末と受信装置との間に障害物が存在すると両者がうまく通信できないという問題があった。したがって、このような端末と受信装置とを、医療施設、介護施設、あるいは工場等で使用される呼出しシステムに使用した場合、他者を呼び出すための信号をUWB帯を用いて送信したときに、当該信号が端末から受信装置に届かず、うまく呼出しが行えないという問題があった。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、正確な位置情報を取得できるとともに、確実な呼出しを可能とする呼出しシステムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の呼出しシステムは、
コンピュータと、
所定の位置に設けられ、前記コンピュータと通信可能な複数の受信装置と、
前記受信装置と通信可能な携帯端末と、を備え、
前記携帯端末は、前記受信装置に対して、第1の帯域を用いて第1の呼出し信号と位置信号とを送信可能であるとともに、前記第1の帯域よりも低周波側の第2の帯域を用いて第2の呼出し信号を送信可能であり、
前記コンピュータは、前記受信装置が受信する前記位置信号に基づいて前記携帯端末の位置を特定可能であるとともに、前記受信装置が受信する前記第1の呼出し信号または前記第2の呼出し信号に基づいて前記携帯端末から呼出しがあったことを認識可能であることを特徴とする。
コンピュータと、
所定の位置に設けられ、前記コンピュータと通信可能な複数の受信装置と、
前記受信装置と通信可能な携帯端末と、を備え、
前記携帯端末は、前記受信装置に対して、第1の帯域を用いて第1の呼出し信号と位置信号とを送信可能であるとともに、前記第1の帯域よりも低周波側の第2の帯域を用いて第2の呼出し信号を送信可能であり、
前記コンピュータは、前記受信装置が受信する前記位置信号に基づいて前記携帯端末の位置を特定可能であるとともに、前記受信装置が受信する前記第1の呼出し信号または前記第2の呼出し信号に基づいて前記携帯端末から呼出しがあったことを認識可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、高周波側の第1の帯域(例えば、UWB帯)を用いて送信される位置信号に基づいて携帯端末の位置を特定することができるので、携帯端末の位置を正確に特定することができる。また、受信装置は、高周波側の第1の帯域を用いて送信される第1の呼出し信号を受信できない場合であっても、低周波側の第2の帯域(例えば、433MHz帯)を用いて送信される第2の呼出し信号を受信することができるので、コンピュータは、第2の呼出し信号に基づいて携帯端末から呼出しがあったことを認識できる。ここで、第1の帯域は中心周波数が1GHz以上であり、第2の帯域は中心周波数が1GHz未満であることが好ましい。
また、本発明の前記構成において、
前記受信装置は、所定の施設内に設けられ、
前記施設は、部屋を有し、
前記部屋は、隔壁によって区切られた複数の空間を有し、
前記受信装置は、前記部屋の内側に1個設けられるとともに、前記部屋の外側に複数個設けられることとしてもよい。
前記受信装置は、所定の施設内に設けられ、
前記施設は、部屋を有し、
前記部屋は、隔壁によって区切られた複数の空間を有し、
前記受信装置は、前記部屋の内側に1個設けられるとともに、前記部屋の外側に複数個設けられることとしてもよい。
本構成によれば、部屋の外側では、携帯端末から送信される位置信号を複数の受信装置によって受信し、携帯端末の位置を正確に特定することができる。一方、携帯端末を携行するユーザーが部屋の内側にいる場合には、部屋の内側にいることさえわかれば、部屋の内側のどこにいるのかまでは正確に把握できなくてもよいことも多々あるが、本構成によれば、部屋の外側に設けられた複数個の受信装置と、部屋の内側に設けられた1個の受信装置とによって、部屋の内側にいるか外側にいるかを把握することができる。また、部屋の内側に設ける受信装置を少なくすることで、受信装置の設置コストを低減することができる。また、部屋は、隔壁によって区切られた複数の空間を有するので、携帯端末から受信装置に送られる第1の帯域の信号が、当該隔壁によって妨げられてしまうこともあり得るが、本構成によれば、隔壁の影響を受けにくい低周波側の第2の帯域を用いて第2の呼出し信号が送られるので、携帯端末と受信装置との間に隔壁がある場合でも、呼出しを行うことができる。
本発明によれば、正確な位置情報を取得できるとともに、確実な呼出しを可能とすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、本発明を医療施設に適用した場合を例に説明するが、本発明は介護施設、工場、その他の施設にも適用することができる。
図1は、本実施形態のシステム(呼出しシステム)10のブロック図である。システム10は、固定機(受信装置)12と、携帯端末(移動機)(タグ)14と、コンピュータ16と、を備えている。
携帯端末14は、各患者が1台ずつ所有するようになっている。携帯端末14は、制御部(携帯端末制御部)20と、通信部(携帯端末通信部)22と、記憶部(携帯端末記憶部)24と、操作部26とを備えている。また、携帯端末14は、図2に示すように、筐体27と、操作部26としてのボタン26と、給電用の端子28とを備えている。携帯端末14は、筐体27の外面にボタン26と端子28としか現れないため、防水性能を容易に高めることができる。
なお、携帯端末14は、電子マネー取引ができる機能を有していてもよい。また、携帯端末14は、スマートフォンや、時計型、眼鏡型等のウェアラブル端末であってもよい。
なお、以下では、携帯端末14を携行する人(患者)をユーザーということとする。
なお、携帯端末14は、電子マネー取引ができる機能を有していてもよい。また、携帯端末14は、スマートフォンや、時計型、眼鏡型等のウェアラブル端末であってもよい。
なお、以下では、携帯端末14を携行する人(患者)をユーザーということとする。
制御部20は、通信部22を介した信号の送受信を制御する。
通信部22は、第1の帯域(UWB帯)を用いた信号の送受信と、第2の帯域(433MHz帯)を用いた信号の送受信とが可能となっている。具体的には、通信部22は、固定機12の通信部32から送られてくる第1の帯域の信号を受信可能であるとともに、固定機の通信部32に対して第1の帯域の信号および第2の帯域の信号を送信することができるようになっている。より具体的には、通信部22は、後述するUWB信号を固定機12から受信するようになっているとともに、後述するUWB信号、第1の呼出し信号および第2の呼出し信号を固定機12に対して送信するようになっている。
ここで、第1の帯域とは、例えば、UWB通信において使用される帯域(UWB帯)であり、具体的には3.1GHz〜10.6GHzや、3.4GHz〜4.8GHz、7.25GHz〜10.25GHz、22GHz〜29GHz等の帯域が挙げられる。第1の帯域は、帯域幅が500MHz以上であればよく、1.5GHz以上の帯域幅を備えていてもよい。また、第1の帯域は、中心周波数が1GHz以上となっている。
また、第2の帯域は、例えば433MHz帯であり、第1の帯域よりも低周波側の帯域となっている。第2の帯域は、第1の帯域よりも帯域幅が狭くなっている。また、第2の帯域は、中心周波数が1GHz未満となっている。なお、第2の帯域の中心周波数は500MHz未満としてもよい。
操作部26は、ユーザーが他者を呼び出すための操作を受け付けるボタンとなっている。制御部20は、操作部26が押下操作されたことに基づき、呼出し信号を生成し、当該呼出し信号を通信部22を介して固定機12に送信するようになっている。ここで、呼出し信号は、操作部26が操作されたことを示す信号であり、ユーザーが他者を呼んでいることを示す信号である。また、呼出し信号は、各携帯端末14(各携帯端末14のユーザー)を識別可能な情報(識別情報)を含んでいてもよい。
なお、当該識別情報は、携帯端末14の記憶部24に記憶しておくこととすればよい。また、当該識別情報は、携帯端末14の製造ID等であってもよい。また、当該識別情報とユーザーとの対応関係を、コンピュータ16の記憶部44に記憶しておいてもよい。
なお、当該識別情報は、携帯端末14の記憶部24に記憶しておくこととすればよい。また、当該識別情報は、携帯端末14の製造ID等であってもよい。また、当該識別情報とユーザーとの対応関係を、コンピュータ16の記憶部44に記憶しておいてもよい。
また、制御部20は、呼出し信号を2つの帯域を利用して送信する。具体的には、制御部20は、操作部26が押下されると、第1の呼出し信号を第1の帯域を利用して前記通信部22から送信するとともに、第2の呼出し信号を第2の帯域を利用して前記通信部22から送信する。換言すると、呼出し信号には、第1の帯域を用いて送信される第1の呼出し信号と、第2の帯域を用いて送信される第2の呼出し信号とがある。
固定機12は、制御部(固定機制御部)30と、通信部(固定機通信部)32とを備えている。
通信部32は、第1の帯域(UWB帯)を用いた信号の送受信と、第2の帯域(433MHz帯)を用いた信号の送受信とが可能となっている。具体的には、通信部32は、携帯端末14の通信部22に対して第1の帯域の信号を送信可能であるとともに、携帯端末14の通信部22から第1の帯域の信号および第2の帯域の信号を受信することができるようになっている。より具体的には、通信部32は、後述するUWB信号を携帯端末14に送信するようになっているとともに、第1の呼出し信号、第2の呼出し信号および後述するUWB信号を携帯端末14から受信するようになっており、かつ、呼出し信号および携帯端末14と固定機12との距離に関する情報をコンピュータ16に送信するようになっている。
制御部30は、通信部32を介した信号の送受信を制御する。具体的には、制御部30は、通信部32が、携帯端末14から第1の呼出し信号、第2の呼出し信号または後述するUWB信号を受信すると、呼出し信号または携帯端末14と固定機12との距離に関する情報をコンピュータ16に送信する。
固定機12は、施設1内に複数設置される。施設1は、図3に示すように、複数の部屋2a〜2dと、共用部3と、各部屋2a〜2dおよび共用部3を繋ぐ通路4とを備えている。また、部屋2a〜2dは、それぞれ居室5a〜5dとトイレ6a〜6dとを有している。また、各部屋2a〜2dにおいて、居室5a〜5dとトイレ6a〜6dとの間には隔壁7が設けられている。また、部屋2a〜2dの入り口(部屋2a〜2dと通路4との間)およびトイレ6a〜6dの入り口(居室5a〜5dとトイレ6a〜6dの間には、ドアが設けられている。
各部屋2a〜2dは、ユーザーが寝泊まりする病室となっており、各部屋2a〜2dには、ベッドが設けられている。なお、トイレ6a〜6dには風呂が付いていてもよい。また、共用部3は、各部屋2a〜2dのユーザーやそれ以外の人(医師や来院者等)が共用する空間となっている。なお、ここでは各部屋2a〜2dは、1人のユーザーが生活するようになっている。換言すると、各部屋2a〜2dには、1人のユーザーが対応付けられている。しかし、各部屋2a〜2dに、複数のユーザーが対応付けられていてもよい。
固定機12は、各部屋2a〜2dに1つずつ設けられている。具体的には、固定機12は、各部屋2a〜2dの居室5a〜5dに設けられており、トイレ6a〜6dには設けられていない。すなわち、各部屋2a〜2dは隔壁7によって区切られた複数の空間5a〜5d,6a〜6dを有するが、この複数の空間5a〜5d,6a〜6dには、固定機12が設けられた空間5a〜5dと設けられていない空間6a〜6dとがある。また、固定機12は、1つの通路4および共用部3に複数設けられている。
なお、本実施形態においては、固定機12は天井に設置されるものとするが、壁等に設置されてもよい。
なお、本実施形態においては、固定機12は天井に設置されるものとするが、壁等に設置されてもよい。
コンピュータ16は、制御部40と、通信部42と、記憶部44とを備えている。通信部42は、複数の固定機12(通信部32)とネットワーク(インターネット)を介して接続されている。そして、通信部42は、ネットワークを介して通信部32から送られてくる呼出し信号および携帯端末14と固定機12との距離に関する情報を受信可能となっている。
制御部40は、通信部42を介した信号の送受信を制御する。また、制御部40は、固定機12から送られる信号に基づいて、携帯端末14の位置を検出する処理と、携帯端末14からの呼出しを検出する処理とを行う。具体的には、制御部40は、第1の呼出し信号または第2の呼出し信号を受信すると、携帯端末14から呼出しがあったことを検出する。また、制御部40は、複数の固定機12から送られた携帯端末14と固定機12との距離に関する情報に基づいて、携帯端末14の位置を特定し、当該位置を示す位置情報を作成する。
ここで、コンピュータ16は、サーバコンピュータでもよく、医師や看護師、介護士等の待機所等(ナースステーションやスタッフルーム等)に置かれるパーソナルコンピュータ等であってもよく、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末であってもよい。
コンピュータ16の制御部40は、携帯端末14からの呼出しを検出すると、呼出しがあった旨を報知する処理を行う。具体的にはコンピュータ16の画面に呼出しがあった旨のメッセージを表示させたり、コンピュータ16(コンピュータ16に接続されたスピーカ)から警報音(呼出音)を発したり、コンピュータ16(コンピュータ16に接続された照明装置(警光灯))を光らせたりする。また、コンピュータ16は、携帯端末14からの呼出しを検出すると、複数の固定機12から送られた携帯端末14と固定機12との距離に関する情報に基づいて、当該呼出しがあったときの携帯端末14の位置を示す位置情報を生成し、当該位置情報を画面に表示させたりする。また、コンピュータ16は、呼出しがあった旨の報知をする際に、どの携帯端末14から呼出しがあったかについても報知する。すなわち、コンピュータ16は、呼出し信号に含まれる識別情報に基づいて、どの携帯端末14から呼出しがあったのかを識別し、どの携帯端末14から呼出しがあったのかを報知する。当該報知の方法は、呼出しがあった旨の報知と同様である。なお、ここで、記憶部44に識別情報とユーザーとの対応関係が記憶されている場合、コンピュータ16は、どのユーザーから呼出しがあったのかを報知することとしてもよい。
なお、コンピュータ16がサーバコンピュータ等である場合には、呼出しの報知や位置に関する画面表示等は、呼出しや位置を検出したコンピュータ自体が行わなくてもよく、ネットワークを介して接続された他のコンピュータに報知や画面表示等をさせることとしてもよい。
なお、コンピュータ16がサーバコンピュータ等である場合には、呼出しの報知や位置に関する画面表示等は、呼出しや位置を検出したコンピュータ自体が行わなくてもよく、ネットワークを介して接続された他のコンピュータに報知や画面表示等をさせることとしてもよい。
また、コンピュータ16は、複数の固定機12から送られる情報に基づいて携帯端末14の位置を検出した場合に、当該位置を示す位置情報を記憶部44に記憶することとしてもよい。また、この場合に、今回取得した位置情報とともに過去の位置情報も記憶部44に記憶するとともに、各位置情報に関連付けて位置情報を取得した時間を記憶しておくこととしてもよい。このようにすることで、携帯端末14の移動経路等に関する情報を取得することが可能となる。
なお、位置情報の取得は、携帯端末14から呼出し信号が発せられたとき(操作部26が操作されたとき)に行うこととしてもよく、所定の間隔(例えば数秒おきや数分おき)で行うこととしてもよい。すなわち、コンピュータ16が、携帯端末14から呼出しがあった旨の報知をする際に報知する位置情報は、操作部26の操作に基づいて取得されるものであってもよく、所定の間隔で取得されている位置情報であってもよい。
なお、位置情報の取得は、携帯端末14から呼出し信号が発せられたとき(操作部26が操作されたとき)に行うこととしてもよく、所定の間隔(例えば数秒おきや数分おき)で行うこととしてもよい。すなわち、コンピュータ16が、携帯端末14から呼出しがあった旨の報知をする際に報知する位置情報は、操作部26の操作に基づいて取得されるものであってもよく、所定の間隔で取得されている位置情報であってもよい。
続いて、UWBを用いた位置情報の取得(距離測定)の一例について説明する。なお、UWBを用いた位置情報の取得(距離測定)の手法は周知であるため、ここでの説明は簡潔なものとする。また、ここで説明する手法以外の手法を用いて位置情報の取得を行ってもよい。
まず、図4に示すように、固定機12は、通信部32から携帯端末14の通信部22に対して、UWB信号を送信する。この送信をしたときの時刻を「T1」とする。なお、ここでUWB信号は、第1の帯域の周波数成分を持つ信号であってパルス信号である。換言すると、UWB信号は、第1の帯域を用いて送信される信号である。
次いで、携帯端末14の通信部22は、固定機12から送信されたUWB信号を受信する。この受信をしたときの時刻を「T2」とする。
次いで、携帯端末14は、通信部22がUWB信号を受信してから一定時間経過後に、受信したUWB信号に対する回答としてのUWB信号(位置信号)を、通信部22から固定機12の通信部32に対して送信する。この送信をした時の時刻を「T3」とする。
次いで、固定機12の通信部32は、携帯端末14から送信されたUWB信号(位置信号)を受信する。この受信をしたときの時刻を「T4」とする。
このとき、時刻T1〜時刻T4までの間に携帯端末14が(ほとんど)移動していないとすると、固定機12から送信されたUWB信号が携帯端末14に届くまでの時間(T2−T1)と、携帯端末14から送信されたUWB信号が固定機12に届くまでの時間(T4−T3)とは、同じ時間「Td」となる。ここで、Td=((固定機12がUWB信号を送信してから携帯端末14からの回答を受信するまでの総時間)−(携帯端末14がUWB信号を受信してから回答を送信するまでに要する時間Ta))/2=((T4−T1)−(T3−T2))/2で表すことができる。また、UWB信号の伝搬速度を光の速度cとすると、固定機12と携帯端末14との距離dは、(d=Td×c)で表すことができる。したがって、Taを予め把握しておくか、あるいは計測して求めた上で、T1とT4と(T1からT4までの時間間隔)を計測すること等により、固定機12と携帯端末14との距離dを算出することができる。なお、距離dの算出は、固定機12の制御部30で行ってもよく、コンピュータ16の制御部40で行ってもよい。
固定機12は、携帯端末14からUWB信号(位置信号)を受信すると、距離dに関する情報(距離dそのものの情報あるいは距離dを算出可能な情報)をコンピュータ16に送信する。そして、コンピュータ16は当該情報に基づいて携帯端末14の位置を算出する。具体的には、コンピュータ16には、携帯端末14との間でUWB信号のやり取りをした3個の固定機12から距離dに関する情報が送られ、コンピュータ16は、3個の固定機12から送信された距離dに関する情報に基づいて位置情報を算出する。すなわち、互いに異なる3点(固定機12が設けられた位置)それぞれと特定の携帯端末14との距離が分かれば当該特定の携帯端末14の位置が特定できるので、このような手法により携帯端末14の位置情報を得ることができる。
なお、位置情報の算出に当たっては、必ずしも3個の固定機12と携帯端末14との距離を求める必要があるわけではない。例えば、2個の固定機12と携帯端末14との位置関係(固定機12と携帯端末14との距離および固定機12と携帯端末14との成す角度(固定機12から見てどの方向に携帯端末14があるか))に基づいて位置情報を算出することもできる。すなわち、少なくとも2個以上の固定機12と携帯端末14との位置関係を示す情報があれば、コンピュータ16は当該情報に基づいて携帯端末14の位置(座標)をある程度把握することができ、固定機12が3個以上であれば、携帯端末14の位置を正確に把握することができる。また、位置情報として欲しい情報が、単に固定機12から所定の範囲内に携帯端末14があるか(部屋2a〜2d内に携帯端末14があるか等)という情報程度で良い場合には、1個の固定機12と携帯端末14との間で行われるUWB通信によって取得することもできる。
また、固定機12と携帯端末14との距離dを算出する上で、必ずしも固定機12から携帯端末14へのUWB信号の送信と、携帯端末14から固定機12へのUWB信号の送信との両方が必要なわけではない。例えば、固定機12と携帯端末14との間で時刻の同期を取る等すれば、携帯端末14から固定機12にUWB信号(位置信号)を送信するだけで距離dを算出することができる。すなわち、携帯端末14から固定機12に送られるUWB信号は、携帯端末14と固定機12との距離dを算出し、携帯端末14の位置情報を得るために用いられる信号(位置信号)であるが、当該位置信号の発信は、必ずしも固定機12から携帯端末14へのUWB信号の送信に基づいて行われるものでなくてもよく、また、当該位置信号は、必ずしも固定機12から携帯端末14へ送られるUWB信号とともに位置情報の算出に使用されるものでなくてもよい。
続いて、携帯端末14から行う呼出しについて説明する。
まず、携帯端末14は、操作部26が操作されると、通信部22から固定機12の通信部32に対して、呼出し信号を送信する。具体的には、携帯端末14は、第1の呼出し信号を第1の帯域を用いて送信するとともに、第2の呼出し信号を第2の帯域を用いて送信する。
まず、携帯端末14は、操作部26が操作されると、通信部22から固定機12の通信部32に対して、呼出し信号を送信する。具体的には、携帯端末14は、第1の呼出し信号を第1の帯域を用いて送信するとともに、第2の呼出し信号を第2の帯域を用いて送信する。
次いで、固定機12の通信部22は、携帯端末14から送信された第1の呼出し信号および/または第2の呼出し信号をそれぞれ受信する。次いで、固定機12は、受信した呼出し信号をコンピュータ16に送信する。ここで、固定機12は、第1の呼出し信号と第2の呼出し信号とのうち一方のみを受信する可能性がある。すなわち、例えば部屋2cのトイレ6c内においてユーザーが操作部26を押下した場合、ユーザー(携帯端末14)と居室5c内の固定機12との間には、隔壁7が存在するため、第1の帯域を用いて送信される第1の呼出し信号は、隔壁7に遮られて固定機12に届かないおそれがある(図3参照)。しかし、このような場合であっても、本実施形態の呼出しシステムでは、第2の呼出し信号が第2の帯域を用いて送られるので、第2の呼出し信号は固定機12に届くこととなる。したがって、固定機12は、コンピュータ16に対し、第1の呼出し信号または第2の呼出し信号の少なくとも一方を送信することができる。なお、固定機12が第1の呼出し信号と第2の呼出し信号とを受信した場合に、両信号をそれぞれコンピュータ16に送信することとしなくてもよく、例えば、どちらかの呼出し信号を受信した旨を送信するようにする等としてもよい。
コンピュータ16は、固定機12から呼出し信号を受信すると、この受信した呼出し信号に基づいて携帯端末14からの呼出しを検出する。また、コンピュータ16は、固定機12から呼出し信号を受信すると、固定機12から送信される距離dに関する情報に基づいて携帯端末14の現在の位置を示す位置情報を作成する。
本実施形態のシステム10は、コンピュータ16と、所定の位置に設けられ、コンピュータ16と通信可能な複数の固定機12と、固定機12と通信可能な携帯端末14と、を備え、携帯端末14は、固定機12に対して、第1の帯域を用いて第1の呼出し信号とUWB信号(位置信号)とを送信可能であるとともに、第1の帯域よりも低周波側の第2の帯域を用いて第2の呼出し信号を送信可能であり、コンピュータ16は、固定機12が受信するUWB信号に基づいて携帯端末14の位置を特定可能であるとともに、固定機12が受信する第1の呼出し信号または第2の呼出し信号に基づいて携帯端末14から呼出しがあったことを認識可能である。したがって、高周波側の第1の帯域(UWB帯)を用いて送信される位置信号に基づいて携帯端末14の位置を特定することができるので、携帯端末14の位置を正確に特定することができる。また、固定機12は、高周波側の第1の帯域を用いて送信される第1の呼出し信号を受信できない場合であっても、低周波側の第2の帯域(433MHz帯)を用いて送信される第2の呼出し信号を受信することができるので、コンピュータ16は、第2の呼出し信号に基づいて携帯端末14から呼出しがあったことを認識できる。ここで、第1の帯域の中心周波数が1GHz以上であることから取得される位置情報の精度が高く、第2の帯域の中心周波数が1GHz未満であることから呼出し信号の送信における隔壁7の影響を軽減できる。
また、固定機12は施設1内に設けられ、施設1は部屋2a〜2dを有し、部屋2a〜2dは、隔壁7によって区切られた複数の空間5a〜5d,6a〜6dを有し、固定機12は、部屋2a〜2dの内側に1個設けられるとともに、部屋2a〜2dの外側に複数個設けられる。したがって、部屋2a〜2dの外側では、携帯端末14から送信されるUWB信号(位置信号)を複数の固定機12によって受信し、携帯端末14の位置を正確に特定することができる。また、本実施形態のシステム10によれば、部屋2a〜2dの外側に設けられた複数個の固定機12と、部屋2a〜2dの内側に設けられた1個の固定機12とによって、部屋2a〜2dの内側にいるか外側にいるかを把握することができる。また、部屋2a〜2dの内側に設ける固定機12を少なくすることで、固定機12の設置コストを低減することができる。また、部屋2a〜2dは、隔壁7によって区切られた複数の空間を有するので、携帯端末14から固定機12に送られる第1の帯域の信号が、隔壁7によって妨げられてしまうこともあり得るが、本実施形態のシステム10によれば、隔壁7の影響を受けにくい低周波側の第2の帯域を用いて第2の呼出し信号が送られるので、携帯端末14と固定機12との間に隔壁7がある場合でも、呼出しを行うことができる。
なお、本実施形態のシステム10を、所定エリアに対する進入あるいは退出の検知および通報に用いてもよい。具体的には、施設1内の所定の部屋(エリア)を立ち入り禁止エリアとしたい場合に、例えばまず、当該部屋の位置情報を、当該部屋が立ち入り禁止エリアであることを示す情報と紐づけてコンピュータ16の記憶部44に記憶しておく。次いで、コンピュータ16の制御部40は、携帯端末14の位置情報を取得した際に、携帯端末14の位置情報が当該部屋の位置情報と一致するか否かを判定する。そして、携帯端末14の位置情報が当該部屋の位置情報と一致する場合には、コンピュータ16の制御部40は、立ち入り禁止エリアへの立ち入りがあった旨の報知をする。このような構成によれば、立ち入り禁止エリアと立ち入り許可エリアとの境目に仮想的な柵を設け、所定エリアに対する進入あるいは退出を検知し、警報を鳴らしたりすることができる。なお、施設1外を立ち入り禁止エリアとして設定することで(施設内を立ち入り許可エリアとして設定することで)、無許可で施設から外に出たユーザーをすぐに認識し、発見することができる。
なお、前述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は前述の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を置換、削除する等、変更することが可能である。
1 施設
2a〜2d 部屋
7 隔壁
12 固定機(受信装置)
14 携帯端末
16 コンピュータ
26 操作部
2a〜2d 部屋
7 隔壁
12 固定機(受信装置)
14 携帯端末
16 コンピュータ
26 操作部
Claims (3)
- コンピュータと、
所定の位置に設けられ、前記コンピュータと通信可能な複数の受信装置と、
前記受信装置と通信可能な携帯端末と、を備え、
前記携帯端末は、前記受信装置に対して、第1の帯域を用いて第1の呼出し信号と位置信号とを送信可能であるとともに、前記第1の帯域よりも低周波側の第2の帯域を用いて第2の呼出し信号を送信可能であり、
前記コンピュータは、前記受信装置が受信する前記位置信号に基づいて前記携帯端末の位置を特定可能であるとともに、前記受信装置が受信する前記第1の呼出し信号または前記第2の呼出し信号に基づいて前記携帯端末から呼出しがあったことを認識可能であることを特徴とする呼出しシステム。 - 前記第1の帯域は中心周波数が1GHz以上であり、前記第2の帯域は中心周波数が1GHz未満であることを特徴とする請求項1に記載の呼出しシステム。
- 前記受信装置は、所定の施設内に設けられ、
前記施設は、部屋を有し、
前記部屋は、隔壁によって区切られた複数の空間を有し、
前記受信装置は、前記部屋の内側に1個設けられるとともに、前記部屋の外側に複数個設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の呼出しシステム。
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- 2020-01-15 CN CN202010043390.6A patent/CN112927447A/zh active Pending
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